JP5940303B2 - トンネル切羽前方探査方法 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、トンネル坑内に設置された発振点より順次発振される地震波を、トンネル坑内に設置された受振点により受振し、受振した地震波データにより切羽前方地質の地震波の推定伝播速度を求めるとともに、この地震波データおよび推定伝播速度から解析図を作成し、この解析図に基づいて、反射面の位置を推定するトンネル切羽前方探査方法が開示されている。
第二探査工程を必要な箇所でのみ実施すれば、トンネル施工のサイクルタイムへの影響を最小限に抑えることができる。
つまり、2種類の探査法を実施することで、トンネル掘削に影響を及ぼす規模の断層破砕帯の位置と幅を効率的に推定することが可能となる。
また、前記第一探査工程において、切羽前方b(m)よりも前方かつ切羽前方a(m)以内に断層破砕帯の可能性がある反射面が抽出された場合には、切羽からb(m)前方まで掘削する掘削工程を前記第一探査工程と前記第二探査工程との間に実施すればよい。
さらに、前記一方の細孔内の発振手段と前記他方の細孔内の受振器とを入れ替えて、2回目の前記発振手段から発振された弾性波を前記受振器により受振する作業を含んでいてもよい。
本実施形態では、トンネル切羽前方探査方法により、切羽前方の弱層の位置と幅を把握した上で、トンネルを掘進する場合について説明する。
第一の弾性波探査法では、図2の(a)に示すように、トンネル1の切羽3の前方約100m以内に存在する反射面5を抽出する。
そして、発振手段3,3,…から順次発振されて、断層破砕帯の可能性のある反射面5において反射した弾性波を、受振器4,4,…により受振することで、切羽2から反射面5までの距離を計測する。
また、弾性波の発振は、ダイナマイトの発破により行うものとするが、起振器やハンマーなどを使用してもよい。
なお、受振器4の設定方法は限定されるものではなく、例えば、トンネル1の側方に張り出す細孔をトンネル軸方向に沿って複数形成し、これらの各細孔内に受振器4を設置してもよい。
トンネル1の掘進は、地山状況に応じて、全断面掘削工法、ベンチカット工法、導坑先進工法等の各掘削工法により行う。
これは、切羽前方100mの範囲内では、トンネル施工時に断層破砕帯による切羽崩壊や突発湧水などの危険性が低いため、安全な施工が可能であると予想されるためである。
これは、切羽前方50mの範囲内では、トンネル1の施工時に断層破砕帯による切羽崩壊や突発湧水などの危険性が低いため、安全な施工が可能であると予想されるためである。
第二探査工程S3により断層破砕帯の位置および幅が確認された場合には、断層破砕帯に対応した補助工法を実施しつつトンネル1を掘進する。
第二の弾性探査法は、切羽前方50mの範囲内についての探査を行う。
一方、第一探査工程S1において切羽前方50mよりも前方かつ切羽前方100m以内に断層破砕帯の可能性のある反射面5が抽出された場合には、第一探査工程S1の後に掘削工程S2を実施してから、第二探査工程S3を実施する。
発振孔6は、図3の(b)に示すように、トンネル1のスプリングライン(SL)付近から、横方向やや下向きに削孔することにより形成する。本実施形態では、発振孔6の深さを23mとする。なお、発振孔6の断面形状や深さ等は、発振手段3,3,…の設置が可能であれば、限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
発振手段3の配置は、発振手段3から発振された弾性波の反射面5への入射角が25°以内になるように設定する。
なお、発振手段3の配設ピッチおよび箇所数は限定されるものではない。
受振孔7は、図3の(b)に示すように、トンネル1のスプリングライン(SL)付近から、横方向やや下向きに削孔することにより形成する。本実施形態では、受振孔7の深さを23mとする。なお、受振孔7の断面形状や深さ等は、受振器4の設置が可能であれば、限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
弾性波は、複数の発振手段3,3,…を選択的に動作させることで複数回(例えば、20回)発振され、反射面5において反射した反射波として受振器4,4,…により受振される。
本実施形態では、いわゆるAVO(Amplitude Versus Offset, または,Amplitude Variation with Offset)解析を適用して、ポアソン比の変化率、S波反射係数を算出するが、解析手法は限定されるものではない。
つまり、まず、トンネル1の左右のいずれか一方に形成された掘削孔(細孔)を発振孔6、他方に形成された掘削孔(細孔)を受振孔7として1回目の計測作業を実施する。次に、左右を逆にして、一方に形成された掘削孔を受振孔7、他方に形成された掘削孔を発振孔6とし、一方の掘削孔内の発振手段3,3,…と他方の掘削孔内の受振器4,4,…を入れ替えて、2回目の計測作業を実施する。
掘削工程S2により第一探査工程S1を実施した際の切羽2aから100m掘進したら、再度第一探査工程S1を実施する。
つまり、2種類の弾性探査法を組み合わせることで、切羽前方の断層破砕帯の位置と性状を効果的に推定することができる。
2 切羽
3 発振手段
4 受振器
5 反射面
6 発振孔
7 受振孔
Claims (3)
- 第一の弾性波探査法により、切羽前方に断層破砕帯の可能性がある反射面を抽出する第一探査工程と、
第二の弾性波探査法により、前記第一探査工程において抽出された反射面の詳細な位置および物性を把握する第二探査工程と、を備えるトンネル切羽前方探査方法であって、
前記第一の弾性探査法の探査深度をa(m)、前記第二の弾性探査法の探査深度をa(m)よりも短いb(m)としたとき、
前記第一探査工程において、切羽前方b(m)以内に断層破砕帯の可能性がある反射面が抽出された場合には、前記第一探査工程に続いて前記第二探査工程を実施し、
前記第一探査工程において、切羽前方b(m)よりも前方かつ切羽前方a(m)以内に断層破砕帯の可能性がある反射面が抽出された場合には、切羽からb(m)前方まで掘削する掘削工程を前記第一探査工程と前記第二探査工程との間に備えることを特徴とする、トンネル切羽前方探査方法。 - 前記第二の弾性探査法では、トンネルの左右のそれぞれに、トンネル軸と交差する方向に延びる細孔を形成する作業と、一方の前記細孔に発振手段を配置する作業と、他方の前記細孔に受振器を配置する作業と、前記発振手段から発振された弾性波を前記受振器により受振する作業と、を行うことを特徴とする、請求項1に記載のトンネル切羽前方探査方法。
- 前記一方の細孔内の発振手段と前記他方の細孔内の受振器とを入れ替えて、2回目の前記発振手段から発振された弾性波を前記受振器により受振する作業を含むことを特徴とする、請求項2に記載のトンネル切羽前方探査方法。
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