JP3404015B2 - トンネル切羽前方地質探査方法 - Google Patents

トンネル切羽前方地質探査方法

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JP3404015B2
JP3404015B2 JP2000331555A JP2000331555A JP3404015B2 JP 3404015 B2 JP3404015 B2 JP 3404015B2 JP 2000331555 A JP2000331555 A JP 2000331555A JP 2000331555 A JP2000331555 A JP 2000331555A JP 3404015 B2 JP3404015 B2 JP 3404015B2
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励 橋本
彰義 土屋
耕司 森本
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サンコーコンサルタント株式会社
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  • Geophysics And Detection Of Objects (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トンネル切羽前方の地
質を探査するトンネル切羽前方地質探査方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】トンネル切羽前方における、断層や破砕
帯あるいは含水層の存在の予知は、トンネル掘削の工程
管理上極めて重要である。
【0003】一般に、地表又は海底の地質調査の方法と
して、物理現象を利用した物理探査の一種である反射法
地震探査の手法が採られている。この反射法地震探査法
は、石油、石炭の分布、埋蔵量の推定、あるいは、地質
構成の把握を目的として、水平多層構造の堆積岩を対象
として、探査範囲を深度方向2次元として行われてい
る。
【0004】そして近年、トンネル切羽前方探査の手法
として、反射法地震探査の機材やデータ処理技術を応用
して、トンネルHSP法(トンネルHorizontal Seismi
c Profiling法)と呼ばれる弾性波探査が試みられてい
る。このトンネルHSP法は、トンネル坑内にて、地質
境界や断層破砕帯の検出を目的として、水平多層構造と
して想定することができない、地質がきわめて複雑な山
岳トンネルを対象として、探査範囲をトンネル地山内3
次元として行う必要があり、単純に反射法地震探査の手
法を転用するだけでは、必要とする探査結果を得られな
い。
【0005】そこで、トンネル切羽前方の地質を探査す
るための独自の手法を開発すべく努力が続けられている
ところであるが、現状におけるトンネルHSP法は、ト
ンネル切羽前方の地質不連続面についての予測が外れる
こと(以下「不適合」という。)があり、未だ充分に完
成したものとは言えない段階にある。
【0006】前述した不適合の種類について分析してみ
ると、実際には地質の不連続面が存在するにも拘わら
ず、その存在を予測できない場合(以下「無抽出」とい
う。)と、その逆に、実際には地質の不連続面が存在し
ないにも拘わらず、その存在を予測してしまう場合(以
下「誤抽出」という。)の2種類があり、いずれもその
要因としては、a、地質的要因、b、測定・機器、c、
データ処理及びd、反射面抽出が、存在しているものと
考えられる。特に、b、測定・機器及びd、反射面抽出
は、ノイズ及び人為的な影響を受けやすいため、不適合
の要因となることが多い。
【0007】従来、後述する解析図を作成する段階にお
いて、S/N比を向上するために、例えば複数の地震波
データを重合する手法が取られていたが、必要十分なほ
どS/N比が向上されず、ノイズによる反射イベントの
出現、ノイズによる本来の反射イベントの消滅が発生す
るためか、その解析結果は必ずしも十分とは言えない状
況にある。さらに、現状における反射イベントの反射面
としての抽出は、上記重合法に加え、発振点と受振点の
相対位置からの反射面としての妥当性及び地質情報から
の反射面としての存在の妥当性等を考慮して行われるて
いるものの、必ずしも反射面としての抽出のルールが確
立しているとは言えず、解析者の経験やノウハウに依存
するところが大きい。このような解析では客観的な根拠
が明確でなく、誰もが納得できる解析結果とは言い難
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】トンネル切羽前方探査
は、速度構造の複雑な山岳地山が探査対象であること、
トンネル坑内という限られた空間で計測を行うこと、ト
ンネル掘削工事に影響がないように中断して短時間内に
実施しなければならないこと、あるいはトンネル軸上の
地質出現位置を予測することなど、特殊な探査である。
このため、トンネルHSP法にあっては、計測、反射面
抽出に関して、反射法地震探査法とは異なる独自の技術
の確立が、求められている。
【0009】したがって本発明は、前記の問題点を解決
し、誤抽出、無抽出の要因を可能な限り排除し、誰が反
射面の抽出を行っても同じ結果が得られ、反射面抽出の
根拠が明確である反射イベントの抽出を行い得る、探査
精度に優れたトンネル切羽前方地質探査方法を提供する
ことを課題とするものである。
【0010】
【問題点を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明は、トンネル坑内に、互いに離間する複数の
発振点と互いに離間する複数の受振点とからなる測線を
配置し、前記発振点より発振される地震波を受振点にて
受振し、受振した地震波を解析することによりトンネル
切羽前方の地質を探査する方法において、前記発振点及
び前記受振点のいずれか一方を3以上の少数とするとと
もに、他方を多数とし、多数又は少数の発振点より順次
発振される各地震波を、少数又は多数の受振点にて同時
に受振し、前記フィルター処理後の地震波データを、前
記3以上の少数とした発振点又は受振点に対応させた組
に編集し、切羽前方地質の地震波の推定伝播速度を求
め、各受振点にて受振した全ての地震波観測データを、
バンドパス、F−K、デコンボリューション等の各種フ
ィルターにてフィルター処理し、フィルター処理後の地
震波データ及び前記地震波の推定伝播速度から、前記編
集した組毎の解析図を個別に作成し、前記組毎に個別に
作成された解析図の間で、そこに表されたそれぞれの反
射イベント同士の類似性を比較・照合し、類似度が高く
共通すると判定された反射イベントを反射面として抽出
し、前記抽出した反射面に基づいてトンネル切羽前方の
地質構造を推定することとした。
【0011】
【実施例】本発明を、亀裂が発達した安山岩よりなり、
破砕帯や粘土化層が存在する地山にトンネルを掘削す
る、トンネル切羽前方及び後方の地質を探査する実施例
について、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】(測線配置)測線は、トンネル坑左右両側
壁に配置し、発振点と受振点を設けた(図1)。発振点
は、2 m間隔にS1〜S24の24点(延46 m)設置し、受
振点は、切羽側に2 m間隔に3点(R0、R1、R
2)、測線中央部に1点(R3)及び抗口側に2 m間隔
に3点(R4、R5、R6)の計7点を設置した。受振
点のうちR0〜R2はトンネル切羽後方解析に、R4〜
R6はトンネル切羽前方解析に用い、R3はこれらの受
振器とともに屈折法の解析(地山速度の算定)に用い
た。
【0013】(発振)地震波の発振は、ダイナマイトの
発破により行い、発振点は、左右側壁に踏前から高さ約
20cm、φ約45mm、深さ約2.0mの孔を下向き
傾斜約30°〜45°で削孔した(図2)。
【0014】受振器は、側壁から深さ約2.0m、φ約
45mmで水平に削孔した受振点(図2)に設置した。
受振器は、挿入棒で方向を定めて送り込み、パッカーを
膨らませて孔内に圧着させた。受振器のタイプは、本出
願人作製の2成分孔内埋設型受振器を使用した。測定成
分は、水平面内のトンネル軸方向とトンネル軸直角方向
とした。このタイプの受振器の利点は、坑壁型の受振器
に比べゆるみ域の影響が小さいことから、高周波数領域
を観測でき、なおかつ地震波の入射方向が正確となる。
また設置、撤収作業が容易であることが挙げられる。し
たがって、受振器のタイプは2成分孔内埋設型が好まし
い。
【0015】ダイナマイトの発振後、各受振器で受振し
た信号は、テイクアウトケーブル、中継線を介して観測
本部の探鉱機にデジタル記録した。探鉱機はダイナミッ
クレンジが広いものを使用し、微小な反射波をS/N比
よく観測できるようにした。記録の収録は発火器からの
トリガーにより開始した。
【0016】(データ処理・解析)図3に、データ処理
・解析フローを示す。以下、このデータ処理・解析フロ
ーに従って、データ処理・解析の項目毎にその内容を説
明する。なお、本実施例では、トンネル切羽の前方と後
方を探査したが、データ処理・解析の説明では前方探査
の内容についてのみ説明することとする。
【0017】(編集)受振器にて受振した地震波を、受
振点と発振点のうち少数である、受振器毎に地震波生デ
ータを編集して配列した。図4は、左測線R4、R5、
R6の受振器毎に編集した結果を示すものである。図4
の上段、中段、下段の図は、それぞれ左測線の受振器R
4、R5、R6の2成分の地震波生データである。
【0018】(屈折法による解析)トンネルHSP法
は、探鉱機よりコンピュータに地震波動のデジタル記録
を転送して処理を行うが、地山速度とゆるみによる静補
正量を求める必要がある。このためハギトリ法を用いて
屈折法の解析を行った。屈折法の解析は、測定記録より
各受振点の初動到達時間を0.1msec単位で読み取
り、縦軸を時間、横軸を距離としたグラフにプロットし
て走時曲線を作成した。 なお、前述の走時曲線につい
ては、地震探査法において一般的に使用されているもの
なので、図示を省略した。走時曲線より得られた切羽前
方の地山速度は5.0km/sで用い、解析時の静補正量は、
走時曲線とハギトリ線との時間差であるディレイタイム
を用いることとした。
【0019】(データ処理)測定デジタル記録から反射
波を検出するために、図3に示す、データ処理・解析の
流れに従ってフィルターテストを実施した。データ処理
の概要は以下のとおりである。データ処理の結果をまと
めて図5に示す。
【0020】(1)周波数分析 この周波数分析は、オリジナル波形(図4)に含まれて
いる地震波の周波数成分を調べるために行うものであ
り、また、バンドパス・フィルターの定数を決めるため
の参考データとするために行うものである。
【0021】(2)バンドパス・フィルター このバンドパス・フィルターは、オリジナル波形から無
用な周波数成分の地震波を除去し、S/N比を向上させ
るために用いる。
【0022】(3)デコンボリューション・フィルター この処理は、地震波は、多くの地層を経由して受振器に
到達したものであり、多重反射あるいは亀裂等による散
乱等の影響を受け分解能が低下しているので、多重反射
の除去と波形のパルス化をして分解能を高めるために実
施した。
【0023】(4)F−Kフィルター 観測した地震波には起震からの直接波や目的とする反射
波などが混在している。このF−Kフィルターにより反
射波を取り出すことができる。
【0024】(5)マイグレーション 地震波は一定の時間間隔でサンプリングしたものであ
り、この波形を用いる限り時間断面である。マイグレー
ション処理は、屈折法の解析で得られた地山岩盤の地震
波伝播速度を用いて深度(距離)断面に、換言すると、
反射面の位置を図化するものである。マイグレーション
の方法は、ディフラクション・スタック法を用いた(図
6)。このディフラクション・スタック法は、平面に格
子状に設定した仮想の反射点が、発振点と受振点を焦点
とする楕円とある範囲で一致した時に、その時の波形の
振幅を平均し、この振幅分布から反射面(点)を見い出
し地質構造を推定する方法である。時間→距離の変換
は、時刻(tn)の時、発破点→反射点→受振点の距離
(Dn)はP波速度(Vp)を用いて、 Dn=Vp×tn で表され、この楕円が格子の点に一致するときその振幅
を加算する。ディフラクション・スタック(マッピン
グ)法の表示は、振幅の極性が判るように正(硬→軟)
を○、負(軟→硬)を●とした。また、振幅の大きさは
円の直径に比例するようにした。
【0025】(反射面の抽出)トンネルHSP探査で
は、反射面の抽出が重要である。以下に反射面の抽出手
順を示し、図7に反射面の抽出例を示す。 (1)受振器R4、R5、R6(左測線)の解析結果図
(以下「解析図」という。)を出力する。 (2)各受振器の解析図から、それぞれ反射イベントを
反射面としてを特定する。 (3)この特定した反射イベントが、他の受振器の解析
図にも共通して表示され、同一の反射イベントの類似性
が高いとき、反射面として抽出する。 (4)最も反射面が共通する解析図を選定し、選定した
解析図上に当該反射イベントの反射面としての性格を読
み取って、出現予測位置を作図する。 (5)反射面を接線とする直線を、トンネル軸と交差す
るまで延長する。トンネル軸と直線が交叉する地点が、
地層のトンネル出現の予測位置である。
【0026】(抽出するに際しての留意点)各受振器に
現れた各反射イベントを反射面として抽出するに際して
は、以下の点に留意して行った。 (1)反射の強さは、仮想の反射点における振幅の強さ
を、●または○の大きさで示している。 前記記号において、●は反射振幅の引き(マイナス)、
○は反射振幅の押し(プラス)を示す。 (2)反射面は、反射点の●、○の直線的あるいは円弧
上に連続した部分である。 (3)反射面が他の解析図の同じ位置にない場合は、反
射面と特定しない。少なくとも2枚の解析図に共通した
場合に、反射面として特定する。 (評価基礎資料の取得) (1)各反射イベントについての評価指標 各解析図の各反射イベントには、各解析図の各反射点の
連続性・大きさから、3段階の評価指標、例えば大、
中、小の指標を与える。解析者は、この指標を基礎資料
として、反射面抽出の適合性及び反射面の性質を評価す
ることができる。 (2)予測の確実度 各解析図において与えられた評価指標を点数化、例えば
評価指標の大、中、小に対し、それぞれ3点、2点、1
点等し、反射面として抽出した各解析図の各反射イベン
トについて、3枚の解析図の点数を合計し、合計点数の
大きさに基づく地質構造予測の確実度、例えばAA、
A、B、C等に応じて区分する。解析者は、この区分さ
れた地質構造予測の確実度を基礎資料として、反射面抽
出の適合性及び反射面の性質を評価することができる。
【0027】( トンネルHSP探査結果)トンネルH
SP法の解析結果を、図8に示す。この図において、抽
出した反射面からトンネル坑と交わった、数字に丸印を
付与して表した位置に、地質構造が存在すると予測し
た。これらの予測結果と、トンネルを掘削した後に顕出
した地質構造とを比較してみたところを、次表にまとめ
た。 この表にまとめられたように、地質構造の存在を予測し
た12箇所のうち、実際に地質構造が存在した、反射面
抽出適合のものが9箇所あった。また、実際には地質構
造が存在したにも拘わらず、その存在を予測できなかっ
た無抽出が1箇所、これとは逆に、実際には地質構造が
存在しないにも拘わらず、その存在を予測してしまった
誤抽出が2箇所あった。しかし、412m地点での無抽
出は、後にトンネル坑切羽に顕れた断層粘土は、部分的
に分布し連続するものではないため、反射面として検出
できなかったと考えられる。また、367m地点での誤
抽出は、地質構造が連続していないものと推定され、さ
らに、436m地点での誤抽出は、反射面の角度設定を
誤り、実際の地質構造出現位置より3m近い位置を予測
したと考えられる。
【0028】以上の結果よりみて、本トンネル切羽前方
地質探査方法による地質構造出現の予測は、従来のトン
ネルHSP法に比し、格段にその適合性があるというこ
とができる。
【0029】(実施例の変形)測線配置について本実施
例では、測線をトンネル坑左右両側壁に配置している
が、トンネル坑の天地等に測線を配置してもよい。ま
た、地質の走行傾斜が事前に調査して判明している場合
や、地質がさほど複雑でない場合には、測線を1本にし
てもよい。
【0030】起振源について本実施例では、発振をダイ
ナマイトにより行っているが、爆薬以外の起振源、例え
ば、ハンマー打撃等であっても、探査結果に何ら影響を
及ぼすものではない。また、発振の順序は、必ずしもS
1からS24の順番に行う必要はなく、無秩序に行って
もよいが、データ採取現場で観測データの品質をチェッ
クするためには、ある程度の規則性ある発振順序をもた
せるのがよい。
【0031】また、受振器の設置個所については、本実
施例では、切羽側に2m間隔に3点(R0〜R2)、測
線中央部に1点(R3)及び抗口側に2m間隔に3点
(R4〜R6)の計7点を設置しているが、切羽側の3
点を削減して、トンネル切羽前方のみを探査することと
してもよい。この場合受振点は、発振点の探査方向反対
側としているため、指向性のある受振器を反射面から遠
方に置くことができ、反射波の入射方向の影響をより少
なくすることができて都合がよい。さらに、受振点を発
振点よりも探査方向側のみに設置することとしてもよ
い。要は、複数の受振点にて地震波を受振するよう配置
すればよい。
【0032】さらに本実施例では、受振器のタイプを坑
内埋設型としているが、坑壁に設置する坑壁型とするこ
ともできる。但しこの場合、一般にトンネル坑内におい
ては、掘削後、応力解放などによって坑壁周辺にゆるみ
域が発生するため、解析の精度や処理の迅速化を考慮す
れば、坑内埋設型とするのが好ましいことは、前述のと
おりである。また、測定成分に関し受振器には、単成
分、2成分、3成分の3種類のものがあるが、地震波の
入射方向を正確に把握できるように、2成分以上測定す
ることが望ましい。しかし、実際のトンネル切羽前方探
査の解析には、トンネル軸方向と水平面内トンネル軸直
角方向の2成分の波動を把握すれば充分である。このた
め、受振器の測定成分について、本実施例では2成分と
したが、単成分あるいは3成分としてもよい。
【0033】さらにまた、受振点と発振点の数について
は、本実施例では、受振点を少数、発振点を多数として
いるが、これとは逆に、受振点を多数、発振点を少数と
してもよい。なお、この場合には、前述した地震波生デ
ータの編集は、発振点毎に行う必要がある。
【0034】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、地震波デ
ータを、3以上の少数とした発振点又は受振点に対応さ
せた組に編集し、フィルター処理後の地震波データ及び
前記地震波の推定伝播速度から、前記編集した組毎の解
析図を個別に作成するものである。したがって、本発明
の例えば少受振点・多発振点方式の場合は、受振点毎に
解析図が作成されることとなる。そして、受振点毎に個
別に作成された複数枚の解析図の間で、そこに表された
それぞれの反射イベント同士の類似性を比較・照合し、
類似度が高く共通すると判定された反射イベントを反射
面として抽出するものであるから、抽出の基準を明確化
でき、解析者の違いによる結果のバラツキを最小限に
し、誰が反射面の抽出を行っても同じ結果が得られると
いう再現性の向上を図ることができ、探査精度に優れた
トンネル切羽前方地質探査方法とすることができるもの
である。
【0035】請求項2に係る発明によれば、例えば受振
点が隣接する関係にある2枚の解析図は、類似し、解析
結果も相似するから、両者の反射イベント同士の類似性
を比較・照合することにより、反射面としての抽出の精
度を、請求項1に係る発明に比し、より向上し得る。
【0036】請求項3に係る発明によれば、反射面とし
て抽出した各解析図の各反射イベントに対し、その連続
性・大きさに基づいて評価指標が与えられるから、当該
反射イベントを反射面として抽出した根拠の大きさを客
観的、明確に把握することができる。
【0037】請求項4に係る発明によれば、各解析図に
おいて与えられた前記評価指標を点数化し、反射面とし
て抽出した各解析図の各反射イベントについて、全ての
解析図の点数を合計し、合計点数の大きさに基づく予測
の確実度に応じて区分するから、当該反射イベントを反
射面として抽出した根拠の大きさ及び地質構造の予測の
確実度を、請求項3に係る発明に比し、より客観的、明
確に把握することができる。
【0038】発振点を設置する作業は、受振点を設置す
る作業に比し軽い。また、少受振点・多発振点方式と多
受振点・少発振点方式とで解析結果に差異はない。それ
故、請求項5に係る発明によれば、受振点を少なく設け
るようにしているから、作業性に優れたものである。
【0039】請求項6に係る発明によれば、測線を複数
列配置したので、トンネル切羽前方の広い領域に亘って
探査することができることから、探査精度を向上し得る
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトンネル前方探査の測線配置図で
ある。
【図2】測線配置の受振器及び発振点の削孔の状況を表
すトンネル軸直交断面図である。
【図3】地震波データ処理・解析フロー図である。
【図4】左測線の受振器R4〜R6の地震波2成分観測
生データである。
【図5】地震波観測生データ(左測線受振器R4)のデ
ータ処理結果を表す。
【図6】マイグレーションの方法の一種である、ディフ
ラクション・スタック法の概念図である。
【図7】上から順番にそれぞれ、左測線の受振器R4、
R5、R6の解析図である。
【図8】トンネル切羽前方地質探査法の解析結果を示す
図である。
【図9】各反射イベントについて反射面として抽出する
とともに、抽出した反射面を評価するフロー図である。
【図10】抽出した反射面を評価した結果を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森本 耕司 東京都江東区亀戸1丁目8番9号 サン コーコンサルタント株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−185287(JP,A) 特開 平10−153665(JP,A) 特開2002−122673(JP,A) 特開2001−249186(JP,A) 特開2001−99945(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01V 1/30 E21D 9/06 301

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トンネル坑内に、互いに離間する複数の発
    振点と互いに離間する複数の受振点とからなる測線を配
    置し、前記発振点より発振される地震波を受振点にて受
    振し、受振した地震波を解析することによりトンネル切
    羽前方の地質を探査する方法において、 前記発振点及び前記受振点のいずれか一方を3以上の少
    数とするとともに、他方を多数とし、 前記多数又は少数の発振点より順次発振される各地震波
    を、少数又は多数の受振点にて同時に受振し、 前記受振した地震波観測生データを、前記3以上の少数
    とした発振点又は受振点に対応させた組に編集し、 切羽前方地質の地震波の推定伝播速度を求め、 前記編集した地震波データを、バンドパス、F−K、デ
    コンボリューション等の各種フィルターにてフィルター
    処理し、 フィルター処理後の地震波データ及び前記地震波の推定
    伝播速度から、前記編集した組毎の解析図を個別に作成
    し、 前記組毎に個別に作成された解析図の間で、そこに表さ
    れたそれぞれの反射イベント同士の類似性を比較・照合
    し、類似度が高く共通すると判定された反射イベントを
    反射面として抽出し、 前記抽出した反射面に基づいてトンネル切羽前方の地質
    構造を推定することを特徴とするトンネル切羽前方地質
    探査方法。
  2. 【請求項2】前記編集した組毎の解析図のうち、3以上
    の少数とした発振点又は受振点が隣接する関係にある2
    枚の解析図に表されたそれぞれの反射イベント同士の類
    似性を比較・照合し、類似度が高く共通すると判定され
    た反射イベントを反射面として抽出することを特徴とす
    る請求項1のトンネル切羽前方地質探査方法。
  3. 【請求項3】前記反射面として抽出した各解析図の各反
    射イベントに対し、その連続性・大きさに基づいて評価
    指標を与えることにより、反射面抽出の適合性及び反射
    面の性質を評価するための基礎資料を得ることを特徴と
    する請求項1乃至請求項2いずれかのトンネル切羽前方
    地質探査方法。
  4. 【請求項4】各解析図において与えられた前記評価指標
    を点数化し、前記反射面として抽出した各解析図の各反
    射イベントについて、全ての解析図の点数を合計し、合
    計点数の大きさに基づく確実度に応じて区分することに
    より、反射面抽出の適合性及び反射面の性質を評価する
    ための基礎資料を得ることを特徴とする請求項3のトン
    ネル切羽前方地質探査方法。
  5. 【請求項5】受振点が、前記3以上の少数とされている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4いずれかのトン
    ネル切羽前方地質探査方法。
  6. 【請求項6】前記測線を複数列配置したことを特徴とす
    る請求項1乃至請求項5いずれかのトンネル切羽前方地
    質探査方法。
JP2000331555A 2000-10-30 2000-10-30 トンネル切羽前方地質探査方法 Expired - Fee Related JP3404015B2 (ja)

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