JP2014012263A - 加圧浮上式スカム分離処理装置 - Google Patents

加圧浮上式スカム分離処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】浮上分離槽で浮上するスカムを圧縮作用で脱水しながら掻揚排出することにより排出後の搬送が省エネのもとに可能となりしかも搬送先でのスカムと水分との分離工程を極力簡略化することができるようにした加圧浮上式スカム分離処理装置を提供する。
【解決手段】収集したスカム含有汚水を加圧式空気溶解装置45により発生する水とともに浮上分離槽2内に噴出させてスカムを同浮上分離槽2内に浮上させ、掻揚スクリュウ23とスカムガイド19付きスカム取込口20および掻揚スクリュウ用回転駆動手段40とを有したスクリュウコンベア17で浮上したスカムを排出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、加圧浮上式スカム分離処理装置に関する。
収集したスカム含有汚水を浮上分離槽に導入するに当って加圧によりエアーを溶解させた水を伴って減圧下で噴出させてスカムの浮上を促進させることにより浮上したスカムを上部より排出するようにした加圧浮上方式は既に知られている技術である。そうした技術に関連するものとして、特許文献1に開示された技術がある。
特許第4238297号
上記特許文献1による技術は、浮上したスカムを加圧浮上濃縮槽(浮上分離槽)に設けられたスカム排出トラフに向けて掻寄せるスクレーパと、前記加圧浮上濃縮槽の槽壁上部で、かつ、湾曲中心位置がその加圧浮上濃縮槽側に位置するように形成された湾曲面と、回転軸を有するとともに、その回転軸に羽根を有する、前記スクレーパで掻寄せられたスカムを前記スカム排出トラフに排出する前記湾曲面近くに設けられた排出機と、前記排出機の回転軸を回転駆動するとともに、その回転数を調整する機能を有する駆動源と、を有することを特徴とする。
このスカム加圧浮上濃縮装置は、浮上したスカムを加圧浮上濃縮槽から排出されたスカムを遠く離れたスカム処理施設へ円滑に搬送できるようにしたものであるが、浮上させたスカムを排出する手段は、掻寄板を外周に突設したチェーンであるスクレーパと、湾曲面に添って運動する掻上羽根付きで回転軸回りを回転する排出機とでなり、排出機からのスカムをスカム排出トラフへ排出するようにしたものであり、従って、浮上したスカムが水分を充分に含んだまま排出されるため、スカム処理施設への搬送に無駄な電力が消費し、しかも搬送先でスカムと水分とを再度分離する必要が出てくる。
本発明は、こうした問題を解決しようとするものであり、浮上分離槽で浮上するスカムを圧縮作用で水切りしながら掻揚排出することにより排出後の搬送を省エネのもとに可能とししかも搬送先でのスカムと水分との分離工程を極力簡略化することができるようにした加圧浮上式スカム分離処理装置を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、収集したスカム含有汚水を加圧により空気を溶解させる加圧式空気溶解装置により発生する水とともに浮上分離槽内に噴出させてスカムを同浮上分離槽内に浮上させるとともに浮上したスカムをスカム排出装置により排出するようにした加圧浮上式スカム分離処理装置において、前記スカム排出装置は、掻揚スクリュウとスカム取込口付きケーシングおよび掻揚スクリュウ用回転駆動手段とを有し、前記ケーシングは、浮上分離槽において傾斜状に設置されてその傾斜方向下部が浮上分離槽に支持される一方傾斜方向上部が水面より高い浮上分離槽外に位置してケーシングに形成した排出口を通じて掻き揚げスカムを排出可能とされるとともに、前記スカム取込口は、ケーシングにおける傾斜方向下部の下周りにおいて開設されて浮上したスカムを取り込み可能に構成されている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のものにおいて、浮上分離槽内には、浮上してくるスカムを斜面ガイドを通じてスカム取込口へ誘導するスカムガイドが設けられている。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のものにおいて、掻揚スクリュウの少なくともスカム取込口に対応する長さ分の周縁部には、前記傾斜方向上方へ向けて突出する掬い揚げ突条が設けられている。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載のものにおいて、掻揚スクリュウの傾斜方向上方側には掻き揚げられてくるスカムを受け止めながら進退する圧縮受盤とこの圧縮受盤に背部から弾発力を作用させる弾発手段とが設けられて掻き揚げられてくるスカムを圧縮して排出口を通じて排出可能に構成されている。
請求項5に記載の発明は、収集したスカム含有汚水を加圧によりエアーを溶解させる加圧水発生装置により発生する水とともに浮上分離槽内に噴出させてスカムを同浮上分離槽内に浮上させるとともに浮上したスカムをスカム排出装置により排出するようにした加圧浮上式スカム分離処理装置において、前記加圧水発生装置は、空気溶解槽を備え、この空気溶解槽は、浮上分離槽からの分離水とブロアあるいはコンプレッサなどの給気手段からの空気とを混合して分離水中に空気を溶解する加圧タンク式とされるとともに、同タンクは複数槽を構成すべく配置されて浮上分離槽へのスカム含有汚水の供給運転が選択的になされるように構成されている。
請求項6に記載の発明は、収集したスカム含有汚水を加圧によりエアーを溶解させる加圧水発生装置により発生する水とともに浮上分離槽内に噴出させてスカムを同浮上分離槽内に浮上させるとともに浮上したスカムをスカム排出装置により排出するようにした加圧浮上式スカム分離処理装置において、前記加圧水発生装置は、空気溶解槽を備え、この空気溶解槽は、浮上分離槽からの分離水とブロアあるいはコンプレッサなどの給気手段からの空気とを混合して分離水中に空気を溶解する加圧タンク式とされるとともに、前記空気溶解槽は、一定以上の内圧により開くウエイト式フラップ弁を内蔵するものとされている。
上述したように請求項1に記載の発明は、収集したスカム含有汚水を加圧によりエアーを溶解させる加圧式空気溶解装置により発生する水とともに浮上分離槽内に噴出させてスカムを同浮上分離槽内に浮上させるとともに浮上したスカムをスカム排出装置により排出するようにした加圧浮上式スカム分離処理装置において、前記スカム排出装置は、掻揚スクリュウとスカム取込口付きケーシングおよび掻揚スクリュウ用回転駆動手段とを有し、前記ケーシングは、浮上分離槽において傾斜状に設置されてその傾斜方向下部が浮上分離槽に支持される一方傾斜方向上部が水面より高い浮上分離槽外に位置してケーシングに形成した排出口を通じて掻き揚げスカムを排出可能とされるとともに、前記スカム取込口は、ケーシングにおける傾斜方向下部の下周りにおいて開設されて浮上したスカムを取り込み可能に構成されているので、浮上分離槽で浮上するスカムを圧縮作用で脱水しながら掻揚排出することにより排出後の搬送が省エネのもとに可能となりしかも搬送先でのスカムと水分との分離工程を極力簡略化することができるようにした加圧浮上式スカム分離処理装置を提供することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のものにおいて、浮上分離槽内には、浮上してくるスカムを斜面ガイドを通じてスカム取込口へ誘導するスカムガイドが設けられているので、浮上してくるスカムのスクリュウコンベア内への取り込みが余すところなく確実になされるようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のものにおいて、掻揚スクリュウの少なくともスカム取込口に対応する長さ分の周縁部には、前記傾斜方向上方へ向けて突出する掬い揚げ突条が設けられているので、回転してくる掬い揚げ突条が、浮上してきたスカムを確実に掬い揚げることによって掻き揚げ作用を確実かつ多量化し、掬い揚げミスをなくすことができるとともに、圧縮作用によるスカムの脱水作用を積極的なものとし、さらに掬い揚げ突条の存在はスクリュウコンベアの補強にもなる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載のものにおいて、掻揚スクリュウの傾斜方向上方側には掻き揚げられてくるスカムを受け止めながら進退する圧縮受盤とこの圧縮受盤に背部から弾発力を作用させる弾発手段とが設けられて掻き揚げられてくるスカムを圧縮して排出口を通じて排出可能に構成されているので、更なる脱水作用を得たスカムとして排出することができるようになる。
請求項5に記載の発明は、収集したスカム含有汚水を加圧によりエアーを溶解させる加圧水発生装置により発生する水とともに浮上分離槽内に噴出させてスカムを同浮上分離槽内に浮上させるとともに浮上したスカムをスカム排出装置により排出するようにした加圧浮上式スカム分離処理装置において、前記加圧水発生装置は、空気溶解槽を備え、この空気溶解槽は、浮上分離槽からの分離水とブロアあるいはコンプレッサなどの給気手段からの空気とを混合して分離水中に空気を溶解する加圧タンク式とされるとともに、同タンクは複数槽を構成すべく配置されて浮上分離槽へのスカム含有汚水の供給運転が選択的になされるように構成されているので、スカム含有汚水が多量化しても複数槽をもつ加圧タンクを順次選択的に運転することによって浮上分離槽への供給が不足なく行われるようになる。複数槽とは、1つのタンクに1つの槽を形成したものを複数配置する形式によるもののほか、1つのタンクに複数の槽を併設する形式のものもここに含まれる。
請求項6に記載の発明は、収集したスカム含有汚水を加圧によりエアーを溶解させる加圧水発生装置により発生する水とともに浮上分離槽内に噴出させてスカムを同浮上分離槽内に浮上させるとともに浮上したスカムをスカム排出装置により排出するようにした加圧浮上式スカム分離処理装置において、前記加圧水発生装置は、空気溶解槽を備え、この空気溶解槽は、浮上分離槽からの分離水とブロアあるいはコンプレッサなどの給気手段からの空気とを混合して分離水中に空気を溶解する加圧タンク式とされるとともに、前記空気溶解槽は、一定以上の内圧により開くウエイト式フラップ弁を内蔵するものとされているので、空気の溶解度を簡単でトラブルの少ない構造のものによって一定化することができるようになる。
本発明の加圧浮上式スカム分離処理装置の一実施形態を示す模式図。 図1のA部を拡大して示す断面図。 図2のIII−III線に沿う拡大断面図。 図1のスカムガイドの詳細をスクリュウコンベアとの関係において示す分解斜視図。 掬い揚げ突条の他の実施形態を示す断面図。 図1のB部を拡大して示す断面図。 図6のVII−VII線断面図。 空気溶解槽についての他の実施形態を示す模式断面図。 加圧式空気溶解装置の他の実施形態を示す模式図。 付加ウエイトの構成例を示す断面図。 空気溶解槽の他の実施形態を示す模式図。
以下、本発明である加圧浮上式スカム分離処理装置の一実施形態を図1ないし4に基づいて説明する。尚、以下、浮上分離装置や加圧水発生装置などは金属材料、特にステンレス材を使用することを基本とするが、そのことに限定されない。
図1において、1は浮上分離装置で、上方を開放状とし上からみて矩形槽とした浮上分離槽2を備える。浮上分離槽2は、槽本体3と分離槽5とを仕切り壁4を介して有し、これら槽本体3と分離槽5内には、レベルHまで汚水6および分離水7が溜められる。8は連通管で、槽本体3と分離槽5とをつなぐパイプで、前後端にフィルター9を備えて浄化された水が分離水7として分離槽5内に導入されるようになっている。10はオーバーフロー口で、前記水位Hを決めるもので、その水位Hは可動堰により上下に調節可能としてもよい。分離槽5内の分離水7は、このオーバーフロー口10を通じて外部に排出される一方、分離槽5の底部からは、給水ポンプ12の作動により給水管11を通じて分離水7が引き抜かれ後述する加圧式空気溶解装置45に導入するようになっている。
槽本体3内の下部には、減圧弁を兼ねた複数のノズル13を備える供給管14が槽本体3の前後方向に軸心を向けるようにして単一本あるいは複数本配備されている。この供給管14には減圧弁を備えてもよい。
槽本体3と分離槽5とでなる浮上分離槽2の上部には、スカム排出装置であるスクリュウコンベア17が約15度傾斜した状態で固定設置されている。この傾斜角度は、20度、30度…のように変更することがある。スクリュウコンベア17は、内径約300mmの円筒状をなすケーシング18を備えるとともに、このケーシング18の傾斜方向下部一端(テール側)は、閉止したものとされて槽本体3の前側(図1の左側)に固定支持される一方、傾斜方向上部一端(ヘッド側)は、同じく閉止したものとされて浮上分離槽2の後側(図1の右側)に張り出した状態で固定されている。
20はスカム取込口で、ケーシング18の傾斜方向下部一端から傾斜方向上方へ離れた下周り位置に下からみると矩形の開口として形成されたもので、汚水6上に浮上してくるスカムSを取り込むのに適応した位置に設けられている。22はスクリュウ軸(あるいはパイプ)で、ケーシング18の中心を通りその両端は軸受で回転自在に支持されるとともに、同スクリュウ軸22の外周には掻揚スクリュウ23が設けられている。掻揚スクリュウ23は、板をラセン状にしたスクリュウ本体23aを備え、この本体23aは、上端がケーシング18の上部端から70cm程度手前に端部があるように形成されている。
本体23aのスカム取込口20に対応する長さ以上の長さLに亘る周縁部には、前記傾斜方向上方へ向けて突出する掬い揚げ突条23bがラセン帯板として一体に設けられている。図3のように、この掬い揚げ突条23bの突出量W1は、スクリュウ本体23aの外径Dを300mmとした場合、50mm前後とされるが、W2のように75mm前後としてもよく、また100mm前後と大きく突出させることもある。この掬い揚げ突条23bは、図3の右欄のようにアングル材をラセン状に形成した別体ものをスクリュウ本体23aの周縁に溶接あるいは止着固定してもよい。また、掬い揚げ突条23bは、図4に示すように、丸ロッドや丸パイプあるいは角パイプ状のものにして溶接一体化するようにしてもよい。さらに、同掬い揚げ突条23bは、Lに限定して一部に設けられているが、スクリュウ本体23aの全長に亘って設けてもよい。
ここで、図1、図2および図4の19はスカムガイドを示す。浮上分離槽2の槽本体3は、その上方を開放したままにしてその槽内全面が水面となるようにして汚水6を溜めておきそこにスカムSを浮上させる方式にしておくと、スカム取込口20へのスカムSの取り込みは消極的なものになる。そこで、汚水6から微細気泡とともに浮上してくるスカムSをスカム取込口20に確実かつ積極的に取り込めるようにスカムガイド19を設けたものである。
スカムガイド19は、図4にその詳細を示すように、前・後の斜面ガイドa、bおよび左・右の斜面ガイドcによる逆四角錐状のものとされて槽本体3内に周縁を隙間なく接することで固定されている。これら4面の斜面ガイドa〜cの上部中央には、四角な連通筒eが一体に設けられている。尚、斜面ガイドcは、直板を斜めにしたものであるが、湾曲した板材を使ってもよい。
この連通筒eは、左右の傾斜板状の対向壁fと前後の壁g、hとを有する上下貫通状の筒部となっており、対抗壁fは、図4のケーシング18のスカム取込口20の外縁に添って溶接されるように構成される一方、前後のうち前側の壁gは低く後側hを高くしてその上側に半円より短い円弧形の嵌合受溝i、jを形成することで、これら嵌合受溝i、jにスカム取込口20の前後の外縁部が嵌まり込んで溶接されるようになっている。このように連通筒eがスカム取込口20の外縁に適合することで、浮上してきたスカムSが途中で詰まったりすることなく取り込まれることになる。図1および図2におけるHは、汚水6の水面を示し、この水面Hは、連通筒eの嵌合受溝jの溝底高さ程度とされている。
尚、図4の右上に示すように、左右の壁fには取付フランジkを設けて止着具mによりケーシング18に脱着可能に構成してもよい。取付作業が簡略になるとともにメンテナンスも至便になる。前後の壁g,hの湾曲する縁部に沿った湾曲板状をした取付フランジを設けて同じく脱着可能にしてもよい。
スクリュウ軸22の傾斜方向上部周りには、図5および図6に示すように、圧縮受盤26が装備されている。圧縮受盤26は、ケーシング18の内径よりも少し小さい外径をもった円板状の受板27を本体として備え、同受板27の中心に備えた中央ボス28に滑動しやすい円筒樹脂製の内スライダ29を備えてスクリュウ軸22周りを軸方向に進退自在とし、さらに受板27の外周にも滑動しやすい円筒樹脂製の外スライダ30を備え付けてケーシング18内周に添って進退自在にしてある。そして、受板27の背部には、複数のガイドパイプ31を突設する一方、ケーシング18の端面側に突設したガイドバー32を各ガイドパイプ31に摺動自在に嵌め入れてある。ガイドバー32周りには弾発手段である反発バネ33を備えて掻揚スクリュウ23によって掻き揚げられてきたスカムに圧縮作用を加えるべく圧縮受盤26に反発力を常時与えるように構成されている。
35排出口で、ケーシング18の傾斜方向上部下周りに開設され、同排出口35の傾斜方向下端開口縁よりも傾斜方向下方寄り位置に復帰時の圧縮受盤26が位置するようになっている。排出口35には、搬送コンベア36上のコンテナ37内に圧縮済みのスカムを落とし込むためのシュート38が設けられている。図1の40は減速モーターである駆動源(駆動手段)で、伝導手段41を介してスクリュウ軸22を図5の矢印方向に回転駆動させるようになっている。
尚、図1の右上に示すように、掻揚スクリュウ23を傾斜方向上方の端まで設けたものをここで排除するものではない。
また、シュート38からのスカムは、ベルトなどのコンベアで直接搬送することもあるし、コンベアによらず移動可能なコンテナ37に収集して搬送することもある。
図1における45は加圧式空気溶解装置で、複数の空気溶解槽46…を備える。各空気溶解槽46には、並列式の入側配管47を通じて前記給水管11が連通されるとともに、出側配管48とそれをまとめた合流管49を通じて前記供給管14に連通式に接続がなされている。各空気溶解槽46の入側と出側には自動弁50,51が設けられている。尚、空気溶解槽46は、2本配備されているが、後述するスカム含有汚水の収集量に適応すべく3本以上設けることがある。
空気溶解槽46内には、その下部一側寄りに空気ノズル53が設けられ、循環仕切板54の周りを空気が循環運動しながら内水に空気が溶解するようになっている。空気ノズル53は、各空気パイプ55を通じてブロア(給気手段)56に接続されている。ブロア56はコンプレッサーに代えることができる。また、空気パイプ55のそれぞれには空気自動弁57が制御自在に設けられている。
60は汚水受槽で、沈澱池や濃縮槽などからの収集されたスカム含有汚水61が導入されてくる。同受槽60と前記合流管49との間は汚水供給管62で接続され、その管上には汚水ポンプ63が設けられている。
この加圧浮上式スカム分離処理装置の作用を説明する。給水ポンプ12を運転して分離槽5内の分離水7を利用して一方の空気溶解槽46へ給水する。空気溶解槽46への流入は入側自動弁50(空気あるいは電動作動式)を開放してなされる。次に、一方の空気溶解槽46に対応する自動弁57を開くとともにブロア56またはコンプレッサーを運転して空気ノズル53によって微細化空気を空気溶解槽46内に噴入することにより一方の空気溶解槽46内の圧力を高めかつ内水を循環流とすることにより微細空気を内水に溶解させる。
その後、汚水ポンプ63を運転してスカム含有汚水61を汚水供給管62まで送ると、それと同時に一方の空気溶解槽46に対応する出側自動弁51が開き、それによりスカム含有汚水と空気の溶解した加圧水とが混合し、その混合したものが、合流管49および供給管14からノズル13…を通じて浮上分離槽2の本体槽3内に減圧された形で送り込まれる。
送り込まれた混合水からの微細気泡はスカムを付着して浮上してゆく。浮上したスカムSはスカム取込口20を通じて取り込まれて掻き揚げられてゆくが、スカム取込口20へのスカムSの取り込みは、スカムガイド19による斜面ガイドにより円滑かつ確実になされる。スカム取込口20からのスカムSは、掻揚スクリュウ23に付した掬い揚げ突条23bによる掬い揚げ機能により確実に掬い揚げられることになる。掬い揚げられたスカムSは、反発バネ33に抗して圧縮受盤26を押上げてゆき、図6の仮想線で示す圧縮受盤26の位置より手前位置まで移動させながら脱水作用をし、さらに圧縮受盤26を仮想線位置まで押上げてゆくことで排出口35よりシュート38へと排出する。一方、浮上分離槽2の本体槽3内の分離水は、その底部のフィルター9付き連通管8を通じて分離槽5内に導入されてオーバーフロー口10を通じて排水される一方、前記のように加圧水として再利用される。
空気溶解槽46が複数槽設けられていると、スカム含有汚水が多量化した場合に活用される。即ち、スカム含有汚水が通常量の場合には、一方の空気溶解槽46のみで充足できるが、多量化した場合にはそれだけでは応じきれないので、他方の空気溶解槽46も並行して運転し、図例の2本槽の場合には、一方の空気溶解槽46において給水から加圧溶解をしさらに排出運転がなされる間それに時間差をもって並行して他方の空気溶解槽46において同じ給水→加圧溶解→排出運転をすることで排出工程を連続して行うことができるものである。例えば、一方の空気溶解槽46からの排出が終わるタイミングに他方の空気溶解槽46からの排出開始タイミングを略合わせることで行われる。3本以上の空気溶解槽46を構成した場合も同様のタイミングを設定する。
尚、一方の空気溶解槽46からの排出が終わったあと一定の時間差をおいて他方の空気溶解槽46の排出が開始されるようにタイミングをとってもよい。
また、空気溶解槽46は、図8に示すように、多孔板や網状材などのエアー噴出材66を外カバー67の下開口に装着して微細エアーを導入可能にしてもよい。この場合、空気溶解槽46内の残留分をドレンしたあとで空気噴出材66を通じて空気を吹き込むことにより同空気噴出材66の目詰まりを除去することができる。前記分離槽5には補給水管を通じて分離水を補充可能にしてもよい。
図9は他の実施形態を示している。この実施形態において浮上分離装置1は図1の実施形態と同様であるので同一符号を付して説明に代える。70は加圧式空気溶解装置で、直径が500ないし600mm前後で軸心を水平に向けた横置タンク式の空気溶解槽71を本体として備える。この空気溶解槽71の一端には、分離槽5からの分離水7を給水ポンプ12と流量調節式制御弁72とを介して圧送する給水管11が接続され、溶解槽71の他端は流量調節式制御弁73を介して合流管49の手前である汚水供給管62の下流端部に接続されている。合流管49には、汚水ポンプ63を介してスカム含有汚水61を圧送してくる汚水供給管62が接続されている一方、合流管49の末端には、供給管14が接続されている。
空気溶解槽71は前部71aと後部71bに分けたものを互いに内部が連通状をなしかつ分解も可能なようにフランジ接合してなる合体槽で形成され、その前蓋71cは開閉可能に密閉される一方、後部末端には、細径筒状に突出する出口筒71dが設けられ、この例では出口筒71dは槽下側寄りに配置されている。75はコンプレッサ(給気手段)、76は流量調節式空気制御弁、77は圧縮空気供給管、78は空気ノズル、79はオリフィス流量計である。空気ノズル78は、空気溶解槽71の前部71a内の上流側底部に固定されている。80は補助給気管で、一端はコンプレッサ75からの配管途中に接続されて補助空気制御弁81を備えるものとされ他端はオリフィス流量計79を介して浮上分離槽2内底部の補助噴気管82に接続されている。83は補助噴気管82に配備した補助噴気ノズルである。84は空気抜き、85は安全弁である。
空気溶解槽71の後部71b前寄り上部には、連通口86を形成するように上部仕切板87が取り付けられ、この仕切板87の下端に備えたヒンジ88を介して下斜め向きに伸びたフラップ弁89が取り付けられている。フラップ弁89は、下端のストッパ90により閉止状態とされる一方、図の右上がりに持ち上げられて開くようになっている。フラップ弁89は金属板状で一定の重量をもつが、この実施形態では更に複数本の付加ウエイト91を装着することで重量を付加して重くしてある。付加ウエイト91は、図10に断面を示すように、丸あるいは角パイプにキャップを蓋設したもので、その内部には、鉄やステンレス、鉛などの金属片や水、土粒などを適宜選定した内蔵ウエイト91aを充填する方式としてある。
分離槽5からの分離水7は、給水ポンプ12により給水管11を通じて送り込まれて空気溶解槽71内へ送り込まれる一方、コンプレッサ75からの空気は、空気制御弁76を通じて圧縮空気供給管77に持ち込まれ空気ノズル78を通じて空気溶解槽71内に送り込まれる。分離水と空気の送り込まれる一定時間内においては、フラップ弁89は付加ウエイト91を備えて重くしてあることで閉止状態を保ち、その閉止状態により前部71a内では分離水の中に圧縮空気が溶解してゆく。そして、内圧が一定値を超えた時点でフラップ弁89は開き始め、空気の溶解した水は後部71b内を経て槽71外へと排出されて汚水供給管62の末端部内に流れ込み、そこで空気溶解水はスカム含有汚水16に合流して合流管49を通じて供給管14まで送られ、ノズル13より槽2内の汚水6内に噴出・混合されてゆく。
その間、コンプレッサ75からの空気は、補助給気管80を通じて補助噴気ノズル83から槽2内に噴出・混合される。
前記のように、重量化したフラップ弁89により内圧制御しながら溶解水を分離槽内に送るようにしてあるので、内圧が下がればフラップ弁89は閉方向に動作して内圧を高めて溶解度を上げるようにし、一方内圧が上がれば開方向に動作して内圧を低めて溶解度を下げるように作用することにより、空気の溶解度は一定化するものとなる。空気溶解度の方は、制御弁72,76の手動(あるいは自動)調節により可変であり、また、合流比率については制御弁73を、補助空気供給量については制御弁81の調節により行う。
尚、前記フラップ弁89は付加ウエイト91なしで弁自体を重くして構成することもできる。また、図11に示すように、前部71aは内容量の大きな背高型タンクとすることがあり、この場合、タンク内上部域において空気が循環対流して汚水に対し空気の溶解がより効率的になされるようになる。さらに、前記空気溶解槽71は複数列に配備することができる。
1…浮上分離装置 2…浮上分離槽 3…槽本体 5…分離槽 17…スクリュウコンベア 18…ケーシング 19…スカムガイド 20…スカム取込口 22…スクリュウ軸 23…掻揚スクリュウ 23a…スクリュウ本体 23b…掬い揚げ突条 26…圧縮受盤 33…反発バネ 35…排出口 40…駆動源(駆動手段) 45、70…加圧式空気溶解装置 46、71…空気溶解槽。
本発明は上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、収集したスカム含有汚水を加圧により空気を溶解させる加圧式空気溶解装置により発生する水と ともに浮上分離槽内に噴出させてスカムを同浮上分離槽内に浮上させるとともに浮上したスカムをスカム排出装置により排出するように構成し、前記スカム排出装置は、掻揚スクリュウとスカム取込口付きケーシングおよび掻揚スクリュウ用回転駆動手段とを有し、前記ケーシングは、浮上分離槽において傾斜状に設置されてその傾斜方向下部が浮上分離槽に支持される一方傾斜方向上部が水面より高い浮上分離槽外に位置してケーシングに形成した排出口を通じて掻き揚げスカムを排出可能とされるとともに、前記スカム取込口は、ケーシングにおける傾斜方向下部の下周りにおいて開設されて浮上してくるスカムを斜面ガイド付きスカムガイドを介して取り込み可能に構成されている加圧浮上式スカム分離処理装置において、少なくともスカム取込口に対応する掻揚スクリュウの周縁部には、前記傾斜方向上方へ向けて突出する掬い揚げ突条が設けられていることを特徴とする
上述したように請求項1に記載の発明は、収集したスカム含有汚水を加圧により空気を溶解させる加圧式空気溶解装置により発生する水とともに浮上分離槽内に噴出させてスカムを同浮上分離槽内に浮上させるとともに浮上したスカムをスカム排出装置により排出するように構成し、前記スカム排出装置は、掻揚スクリュウとスカム取込口付きケーシングおよび掻揚スクリュウ用回転駆動手段とを有し、前記ケーシングは、浮上分離槽において傾斜状に設置されてその傾斜方向下部が浮上分離槽に支持される一方傾斜方向上部が水面より高い浮上分離槽外に位置してケーシングに形成した排出口を通じて掻き揚げスカムを排出可能とされるとともに、前記スカム取込口は、ケーシングにおける傾斜方向下部の下周りにおいて開設されて浮上してくるスカムを斜面ガイド付きスカムガイドを介して取り込み可能に構成されている加圧浮上式スカム分離処理装置において、少なくともスカム取込口に対応する掻揚スクリュウの周縁部には、前記傾斜方向上方へ向けて突出する掬い揚げ突条が設けられていることを特徴とするので、浮上分離槽で浮上するスカムを圧縮作用で脱水しながら掻揚排出することにより排出後の搬送が省エネのもとに可能となりしかも搬送先でのスカムと水分との分離工程を極力簡略化することができるようにした加圧浮上式スカム分離処理装置を提供することができる。特に、回転してくる掬い揚げ突条が、浮上してきたスカムを確実に掬い揚げることによって掻き揚げ作用を確実かつ多量化し、掬い揚げミスをなくすことができるとともに、圧縮作用によるスカムの脱水作用を積極的なものとし、さらに掬い揚げ突条の存在はスクリュウコンベアの補強にもなる
本発明は、加圧浮上式スカム分離処理装置に関する。
収集したスカム含有汚水を浮上分離槽に導入するに当って加圧によりエアーを溶解させた水を伴って減圧下で噴出させてスカムの浮上を促進させることにより浮上したスカムを上部より排出するようにした加圧浮上方式は既に知られている技術である。そうした技術に関連するものとして、特許文献1に開示された技術がある。
特許第4238297号
上記特許文献1による技術は、浮上したスカムを加圧浮上濃縮槽(浮上分離槽)に設けられたスカム排出トラフに向けて掻寄せるスクレーパと、前記加圧浮上濃縮槽の槽壁上部で、かつ、湾曲中心位置がその加圧浮上濃縮槽側に位置するように形成された湾曲面と、回転軸を有するとともに、その回転軸に羽根を有する、前記スクレーパで掻寄せられたスカムを前記スカム排出トラフに排出する前記湾曲面近くに設けられた排出機と、前記排出機の回転軸を回転駆動するとともに、その回転数を調整する機能を有する駆動源と、を有することを特徴とする。
このスカム加圧浮上濃縮装置は、浮上したスカムを加圧浮上濃縮槽から排出されたスカムを遠く離れたスカム処理施設へ円滑に搬送できるようにしたものであるが、浮上させたスカムを排出する手段は、掻寄板を外周に突設したチェーンであるスクレーパと、湾曲面に添って運動する掻上羽根付きで回転軸回りを回転する排出機とでなり、排出機からのスカムをスカム排出トラフへ排出するようにしたものであり、従って、浮上したスカムが水分を充分に含んだまま排出されるため、スカム処理施設への搬送に無駄な電力が消費し、しかも搬送先でスカムと水分とを再度分離する必要が出てくる。
本発明は、こうした問題を解決しようとするものであり、浮上分離槽で浮上するスカムを圧縮作用で水切りしながら掻揚排出することにより排出後の搬送を省エネのもとに可能とししかも搬送先でのスカムと水分との分離工程を極力簡略化することができるようにした加圧浮上式スカム分離処理装置を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、収集したスカム含有汚水を加圧により空気を溶解させる加圧式空気溶解装置により発生する水とともに浮上分離槽内に噴出させてスカムを同浮上分離槽内に浮上させるとともに浮上したスカムをスカム排出装置により排出するように構成し、前記スカム排出装置は、掻揚スクリュウとスカム取込口付きケーシングおよび掻揚スクリュウ用回転駆動手段とを有し、前記ケーシングは、浮上分離槽において傾斜状に設置されてその傾斜方向下部が浮上分離槽に支持される一方傾斜方向上部が水面より高い浮上分離槽外に位置してケーシングに形成した排出口を通じて掻き揚げスカムを排出可能とされるとともに、前記スカム取込口は、ケーシングにおける傾斜方向下部の下周りにおいて開設されて浮上してくるスカムを斜面ガイド付きスカムガイドを介して取り込み可能に構成されている加圧浮上式スカム分離処理装置において、少なくともスカム取込口に対応する掻揚スクリュウの周縁部には、前記傾斜方向上方へ向けて突出する掬い揚げ突条が設けられていることを特徴とする
上述したように請求項1に記載の発明は、収集したスカム含有汚水を加圧により空気を溶解させる加圧式空気溶解装置により発生する水とともに浮上分離槽内に噴出させてスカムを同浮上分離槽内に浮上させるとともに浮上したスカムをスカム排出装置により排出するように構成し、前記スカム排出装置は、掻揚スクリュウとスカム取込口付きケーシングおよび掻揚スクリュウ用回転駆動手段とを有し、前記ケーシングは、浮上分離槽において傾斜状に設置されてその傾斜方向下部が浮上分離槽に支持される一方傾斜方向上部が水面より高い浮上分離槽外に位置してケーシングに形成した排出口を通じて掻き揚げスカムを排出可能とされるとともに、前記スカム取込口は、ケーシングにおける傾斜方向下部の下周りにおいて開設されて浮上してくるスカムを斜面ガイド付きスカムガイドを介して取り込み可能に構成されている加圧浮上式スカム分離処理装置において、少なくともスカム取込口に対応する掻揚スクリュウの周縁部には、前記傾斜方向上方へ向けて突出する掬い揚げ突条が設けられていることを特徴とするので、浮上分離槽で浮上するスカムを圧縮作用で脱水しながら掻揚排出することにより排出後の搬送が省エネのもとに可能となりしかも搬送先でのスカムと水分との分離工程を極力簡略化することができるようにした加圧浮上式スカム分離処理装置を提供することができる。特に、回転してくる掬い揚げ突条が、浮上してきたスカムを確実に掬い揚げることによって掻き揚げ作用を確実かつ多量化し、掬い揚げミスをなくすことができるとともに、圧縮作用によるスカムの脱水作用を積極的なものとし、さらに掬い揚げ突条の存在はスクリュウコンベアの補強にもなる。
本発明の加圧浮上式スカム分離処理装置の一実施形態を示す模式図。 図1のA部を拡大して示す断面図。 図2のIII−III線に沿う拡大断面図。 図1のスカムガイドの詳細をスクリュウコンベアとの関係において示す分解斜視図。 掬い揚げ突条の他の実施形態を示す断面図。 図1のB部を拡大して示す断面図。 図6のVII−VII線断面図。 空気溶解槽についての他の実施形態を示す模式断面図。
以下、本発明である加圧浮上式スカム分離処理装置の一実施形態を図1ないし4に基づいて説明する。尚、以下、浮上分離装置や加圧水発生装置などは金属材料、特にステンレス材を使用することを基本とするが、そのことに限定されない。
図1において、1は浮上分離装置で、上方を開放状とし上からみて矩形槽とした浮上分離槽2を備える。浮上分離槽2は、槽本体3と分離槽5とを仕切り壁4を介して有し、これら槽本体3と分離槽5内には、レベルHまで汚水6および分離水7が溜められる。8は連通管で、槽本体3と分離槽5とをつなぐパイプで、前後端にフィルター9を備えて浄化された水が分離水7として分離槽5内に導入されるようになっている。10はオーバーフロー口で、前記水位Hを決めるもので、その水位Hは可動堰により上下に調節可能としてもよい。分離槽5内の分離水7は、このオーバーフロー口10を通じて外部に排出される一方、分離槽5の底部からは、給水ポンプ12の作動により給水管11を通じて分離水7が引き抜かれ後述する加圧式空気溶解装置45に導入するようになっている。
槽本体3内の下部には、減圧弁を兼ねた複数のノズル13を備える供給管14が槽本体3の前後方向に軸心を向けるようにして単一本あるいは複数本配備されている。この供給管14には減圧弁を備えてもよい。
槽本体3と分離槽5とでなる浮上分離槽2の上部には、スカム排出装置であるスクリュウコンベア17が約15度傾斜した状態で固定設置されている。この傾斜角度は、20度、30度…のように変更することがある。スクリュウコンベア17は、内径約300mmの円筒状をなすケーシング18を備えるとともに、このケーシング18の傾斜方向下部一端(テール側)は、閉止したものとされて槽本体3の前側(図1の左側)に固定支持される一方、傾斜方向上部一端(ヘッド側)は、同じく閉止したものとされて浮上分離槽2の後側(図1の右側)に張り出した状態で固定されている。
20はスカム取込口で、ケーシング18の傾斜方向下部一端から傾斜方向上方へ離れた下周り位置に下からみると矩形の開口として形成されたもので、汚水6上に浮上してくるスカムSを取り込むのに適応した位置に設けられている。22はスクリュウ軸(あるいはパイプ)で、ケーシング18の中心を通りその両端は軸受で回転自在に支持されるとともに、同スクリュウ軸22の外周には掻揚スクリュウ23が設けられている。掻揚スクリュウ23は、板をラセン状にしたスクリュウ本体23aを備え、この本体23aは、上端がケーシング18の上部端から70cm程度手前に端部があるように形成されている。
本体23aのスカム取込口20に対応する長さ以上の長さLに亘る周縁部には、前記傾斜方向上方へ向けて突出する掬い揚げ突条23bがラセン帯板として一体に設けられている。図3のように、この掬い揚げ突条23bの突出量W1は、スクリュウ本体23aの外径Dを300mmとした場合、50mm前後とされるが、W2のように75mm前後としてもよく、また100mm前後と大きく突出させることもある。この掬い揚げ突条23bは、図3の右欄のようにアングル材をラセン状に形成した別体ものをスクリュウ本体23aの周縁に溶接あるいは止着固定してもよい。また、掬い揚げ突条23bは、図5に示すように、丸ロッドや丸パイプあるいは角パイプ状のものにして溶接一体化するようにしてもよい。さらに、同掬い揚げ突条23bは、Lに限定して一部に設けられているが、スクリュウ本体23aの全長に亘って設けてもよい。
ここで、図1、図2および図4の19はスカムガイドを示す。浮上分離槽2の槽本体3は、その上方を開放したままにしてその槽内全面が水面となるようにして汚水6を溜めておきそこにスカムSを浮上させる方式にしておくと、スカム取込口20へのスカムSの取り込みは消極的なものになる。そこで、汚水6から微細気泡とともに浮上してくるスカムSをスカム取込口20に確実かつ積極的に取り込めるようにスカムガイド19を設けたものである。
スカムガイド19は、図4にその詳細を示すように、前・後の斜面ガイドa、bおよび左・右の斜面ガイドcによる逆四角錐状のものとされて槽本体3内に周縁を隙間なく接することで固定されている。これら4面の斜面ガイドa〜cの上部中央には、四角な連通筒eが一体に設けられている。尚、斜面ガイドcは、直板を斜めにしたものであるが、湾曲した板材を使ってもよい。
この連通筒eは、左右の傾斜板状の対向壁fと前後の壁g、hとを有する上下貫通状の筒部となっており、対向壁fは、図4のケーシング18のスカム取込口20の外縁に添って溶接されるように構成される一方、前後のうち前側の壁gは低く後側hを高くしてその上側に半円より短い円弧形の嵌合受溝i、jを形成することで、これら嵌合受溝i、jにスカム取込口20の前後の外縁部が嵌まり込んで溶接されるようになっている。このように連通筒eがスカム取込口20の外縁に適合することで、浮上してきたスカムSが途中で詰まったりすることなく取り込まれることになる。図1および図2におけるHは、汚水6の水面を示し、この水面Hは、連通筒eの嵌合受溝jの溝底高さ程度とされている。
尚、図4の右上に示すように、左右の壁fには取付フランジkを設けて止着具mによりケーシング18に脱着可能に構成してもよい。取付作業が簡略になるとともにメンテナンスも至便になる。前後の壁g,hの湾曲する縁部に沿った湾曲板状をした取付フランジを設けて同じく脱着可能にしてもよい。
スクリュウ軸22の傾斜方向上部周りには、図6および図7に示すように、圧縮受盤26が装備されている。圧縮受盤26は、ケーシング18の内径よりも少し小さい外径をもった円板状の受板27を本体として備え、同受板27の中心に備えた中央ボス28に滑動しやすい円筒樹脂製の内スライダ29を備えてスクリュウ軸22周りを軸方向に進退自在とし、さらに受板27の外周にも滑動しやすい円筒樹脂製の外スライダ30を備え付けてケーシング18内周に添って進退自在にしてある。そして、受板27の背部には、複数のガイドパイプ31を突設する一方、ケーシング18の端面側に突設したガイドバー32を各ガイドパイプ31に摺動自在に嵌め入れてある。ガイドバー32周りには弾発手段である反発バネ33を備えて掻揚スクリュウ23によって掻き揚げられてきたスカムに圧縮作用を加えるべく圧縮受盤26に反発力を常時与えるように構成されている。
35排出口で、ケーシング18の傾斜方向上部下周りに開設され、同排出口35の傾斜方向下端開口縁よりも傾斜方向下方寄り位置に復帰時の圧縮受盤26が位置するようになっている。排出口35には、搬送コンベア36上のコンテナ37内に圧縮済みのスカムを落とし込むためのシュート38が設けられている。図1の40は減速モーターである駆動源(駆動手段)で、伝導手段41を介してスクリュウ軸22を図6の矢印方向に回転駆動させるようになっている。
尚、図1の右上に示すように、掻揚スクリュウ23を傾斜方向上方の端まで設けたものをここで排除するものではない。
また、シュート38からのスカムは、ベルトなどのコンベアで直接搬送することもあるし、コンベアによらず移動可能なコンテナ37に収集して搬送することもある。
図1における45は加圧式空気溶解装置で、複数の空気溶解槽46…を備える。各空気溶解槽46には、並列式の入側配管47を通じて前記給水管11が連通されるとともに、出側配管48とそれをまとめた合流管49を通じて前記供給管14に連通式に接続がなされている。各空気溶解槽46の入側と出側には自動弁50,51が設けられている。尚、空気溶解槽46は、2本配備されているが、後述するスカム含有汚水の収集量に適応すべく3本以上設けることがある。
空気溶解槽46内には、その下部一側寄りに空気ノズル53が設けられ、循環仕切板54の周りを空気が循環運動しながら内水に空気が溶解するようになっている。空気ノズル53は、各空気パイプ55を通じてブロア(給気手段)56に接続されている。ブロア56はコンプレッサーに代えることができる。また、空気パイプ55のそれぞれには空気自動弁57が制御自在に設けられている。
60は汚水受槽で、沈澱池や濃縮槽などからの収集されたスカム含有汚水61が導入されてくる。同受槽60と前記合流管49との間は汚水供給管62で接続され、その管上には汚水ポンプ63が設けられている。
この加圧浮上式スカム分離処理装置の作用を説明する。給水ポンプ12を運転して分離槽5内の分離水7を利用して一方の空気溶解槽46へ給水する。空気溶解槽46への流入は入側自動弁50(空気あるいは電動作動式)を開放してなされる。次に、一方の空気溶解槽46に対応する自動弁57を開くとともにブロア56またはコンプレッサーを運転して空気ノズル53によって微細化空気を空気溶解槽46内に噴入することにより一方の空気溶解槽46内の圧力を高めかつ内水を循環流とすることにより微細空気を内水に溶解させる。
その後、汚水ポンプ63を運転してスカム含有汚水61を汚水供給管62まで送ると、それと同時に一方の空気溶解槽46に対応する出側自動弁51が開き、それによりスカム含有汚水と空気の溶解した加圧水とが混合し、その混合したものが、合流管49および供給管14からノズル13…を通じて浮上分離槽2の本体槽3内に減圧された形で送り込まれる。
送り込まれた混合水からの微細気泡はスカムを付着して浮上してゆく。浮上したスカムSはスカム取込口20を通じて取り込まれて掻き揚げられてゆくが、スカム取込口20へのスカムSの取り込みは、スカムガイド19による斜面ガイドにより円滑かつ確実になされる。スカム取込口20からのスカムSは、掻揚スクリュウ23に付した掬い揚げ突条23bによる掬い揚げ機能により確実に掬い揚げられることになる。掬い揚げられたスカムSは、反発バネ33に抗して圧縮受盤26を押上げてゆき、図6の仮想線で示す圧縮受盤26の位置より手前位置まで移動させながら脱水作用をし、さらに圧縮受盤26を仮想線位置まで押上げてゆくことで排出口35よりシュート38へと排出する。一方、浮上分離槽2の本体槽3内の分離水は、その底部のフィルター9付き連通管8を通じて分離槽5内に導入されてオーバーフロー口10を通じて排水される一方、前記のように加圧水として再利用される。
空気溶解槽46が複数槽設けられていると、スカム含有汚水が多量化した場合に活用される。即ち、スカム含有汚水が通常量の場合には、一方の空気溶解槽46のみで充足できるが、多量化した場合にはそれだけでは応じきれないので、他方の空気溶解槽46も並行して運転し、図例の2本槽の場合には、一方の空気溶解槽46において給水から加圧溶解をしさらに排出運転がなされる間それに時間差をもって並行して他方の空気溶解槽46において同じ給水→加圧溶解→排出運転をすることで排出工程を連続して行うことができるものである。例えば、一方の空気溶解槽46からの排出が終わるタイミングに他方の空気溶解槽46からの排出開始タイミングを略合わせることで行われる。3本以上の空気溶解槽46を構成した場合も同様のタイミングを設定する。
尚、一方の空気溶解槽46からの排出が終わったあと一定の時間差をおいて他方の空気溶解槽46の排出が開始されるようにタイミングをとってもよい。
また、空気溶解槽46は、図8に示すように、多孔板や網状材などのエアー噴出材66を外カバー67の下開口に装着して微細エアーを導入可能にしてもよい。この場合、空気溶解槽46内の残留分をドレンしたあとで空気噴出材66を通じて空気を吹き込むことにより同空気噴出材66の目詰まりを除去することができる。前記分離槽5には補給水管を通じて分離水を補充可能にしてもよい。
1…浮上分離装置 2…浮上分離槽 3…槽本体 5…分離槽 17…スクリュウコンベア 18…ケーシング 19…スカムガイド 20…スカム取込口 22…スクリュウ軸 23…掻揚スクリュウ 23a…スクリュウ本体 23b…掬い揚げ突条 26…圧縮受盤 33…反発バネ 35…排出口 40…駆動源(駆動手段) 45…加圧式空気溶解装置 46…空気溶解槽

Claims (6)

  1. 収集したスカム含有汚水を加圧により空気を溶解させる加圧式空気溶解装置により発生する水とともに浮上分離槽内に噴出させてスカムを同浮上分離槽内に浮上させるとともに浮上したスカムをスカム排出装置により排出するようにした加圧浮上式スカム分離処理装置において、前記スカム排出装置は、掻揚スクリュウとスカム取込口付きケーシングおよび掻揚スクリュウ用回転駆動手段とを有し、前記ケーシングは、浮上分離槽において傾斜状に設置されてその傾斜方向下部が浮上分離槽に支持される一方傾斜方向上部が水面より高い浮上分離槽外に位置してケーシングに形成した排出口を通じて掻き揚げスカムを排出可能とされるとともに、前記スカム取込口は、ケーシングにおける傾斜方向下部の下周りにおいて開設されて浮上したスカムを取り込み可能に構成されている加圧浮上式スカム分離処理装置。
  2. 請求項1に記載のものにおいて、浮上分離槽内には、浮上してくるスカムを斜面ガイドを通じてスカム取込口へ誘導するスカムガイドが設けられている加圧浮上式スカム分離処理装置。
  3. 請求項1または2に記載のものにおいて、掻揚スクリュウの少なくともスカム取込口に対応する長さ分の周縁部には、前記傾斜方向上方へ向けて突出する掬い揚げ突条が設けられている加圧浮上式スカム分離処理装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のものにおいて、掻揚スクリュウの傾斜方向上方側には掻き揚げられてくるスカムを受け止めながら進退する圧縮受盤とこの圧縮受盤に背部から弾発力を作用させる弾発手段とが設けられて掻き揚げられてくるスカムを圧縮して排出口を通じて排出可能に構成されている加圧浮上式スカム分離処理装置。
  5. 収集したスカム含有汚水を加圧によりエアーを溶解させる加圧水発生装置により発生する水とともに浮上分離槽内に噴出させてスカムを同浮上分離槽内に浮上させるとともに浮上したスカムをスカム排出装置により排出するようにした加圧浮上式スカム分離処理装置において、前記加圧水発生装置は、空気溶解槽を備え、この空気溶解槽は、浮上分離槽からの分離水とブロアあるいはコンプレッサなどの給気手段からの空気とを混合して分離水中に空気を溶解する加圧タンク式とされるとともに、同タンクは複数槽を構成すべく配置されて浮上分離槽へのスカム含有汚水の供給運転が選択的になされるように構成されている加圧浮上式スカム分離処理装置。
  6. 収集したスカム含有汚水を加圧によりエアーを溶解させる加圧水発生装置により発生する水とともに浮上分離槽内に噴出させてスカムを同浮上分離槽内に浮上させるとともに浮上したスカムをスカム排出装置により排出するようにした加圧浮上式スカム分離処理装置において、前記加圧水発生装置は、空気溶解槽を備え、この空気溶解槽は、浮上分離槽からの分離水とブロアあるいはコンプレッサなどの給気手段からの空気とを混合して分離水中に空気を溶解する加圧タンク式とされるとともに、前記空気溶解槽は、一定以上の内圧により開くウエイト式フラップ弁を内蔵するものとされている加圧浮上式スカム分離処理装置。
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JP5509407B1 (ja) * 2013-07-16 2014-06-04 株式会社サンエイ 加圧浮上式スカム分離処理装置

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