JP2014009684A - 排気管 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】排気ガスの通過方向Xに軸心を沿わせて配置され且つ排気ガスの通過方向Xに並べて配置される複数の排気パイプ36,37を備え、これら排気パイプ36,37内を通過する排気ガス流によって排気パイプ36,37内に外気を吸引するための外気導入口38,41が形成されるように、排気ガス通過方向X最上流側の排気パイプ37を排気導管30の排気ガス出口32側よりも径大に形成すると共に排気ガス通過方向X下流側の排気パイプ36を排気ガス通過方向X上流側の排気パイプ37よりも径大に形成する。
【選択図】図1
Description
この走行車両にあっては、ディーゼルエンジンから排出される排気ガスを大気に排出させるための排気ガス流通経路中に、エンジンの排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置(DPF:ディーゼル・パティキュレート・フィルタ)が設けられている。この排気ガス浄化装置は、エンジンの排気ガスに含まれる粒子状物質(すす、パティキュレート)を捕捉し、この捕捉した粒子状物質を加熱して燃焼させるものである。この排気ガス浄化装置を通過した排気ガスは排気導管を通って大気に排出される。
一方、排気導管の排気ガス出口側に設けられて、排気導管から排出される排気ガスの温度を下げて該排気ガスを大気に排出する排気管として、特許文献2に開示された排気管がある。
排気ガス通過方向上流側の排気パイプを上流側排気パイプといい、排気ガス通過方向下流側の排気パイプを下流側排気パイプという。
上流側排気パイプと下流側排気パイプとは、径方向一対の連結部材によって連結されている。また、上流側排気パイプの下流側の端部側は排気ガス通過方向に向けて漸次縮径する縮径部とされ、この縮径部の先端側が下流側排気パイプの上流側端部に挿入状とされていて、前記縮径部の外面と、下流側排気パイプの上流側端部開口縁との間に周方向の環状隙間が形成され、この隙間が排気管内に外気を導入する外気導入口とされている。
また、排気導管の排気ガス出口側に設けられる排気管を、排気導管から排出される排気ガスの温度を下げるために、あまり長くすると排気効率を悪くしたり、スペース上の問題を生じたりする。したがって、排気導管の排気ガス出口側に設けられる排気管は、排気導管から排出される排気ガスを適度に下げる機能を有しながら、排気ガス通過方向においてコンパクトであることが要求される。
請求項1に係る発明では、エンジンの排気ガスを大気に排出させるべく該排気ガスを導く排気導管の排気ガス出口側に設けられて、該排気導管から排出される排気ガスを通過させて大気に排出する排気管であって、
排気ガスの通過方向に軸心を沿わせて配置した複数の排気パイプを排気ガスの通過方向に並べて配置し、
これら排気パイプ内を通過する排気ガス流によって排気パイプ内に外気を吸引するための外気導入口を形成すべく、排気ガス通過方向最上流側の排気パイプを排気導管の排気ガス出口側よりも径大に形成すると共に排気ガス通過方向下流側の排気パイプを排気ガス通過方向上流側の排気パイプよりも径大に形成したことを特徴とする。
請求項3に係る発明では、排気ガス通過方向上流側の排気パイプ内から排気ガス通過方向下流側の排気パイプ内にわたって設けられていて、下流側の排気パイプから上流側の排気パイプへと流れる排気ガス流を下流側の排気パイプの外周側に案内するガイド部材を設けたことを特徴とする。
請求項5に係る発明では、当該排気管を排気導管とは別個に取り付けるための取付部材を備えていることを特徴とする。
請求項6に係る発明では、排気ガス通過方向最上流側の排気パイプを排気導管の排気ガス出口に対して軸心方向の間隔をおいて配置したことを特徴とする
請求項1に係る発明によれば、排気導管の排気ガス出口から排出されたエンジンの排気ガスは、排気導管から排気ガス通過方向最上流側の排気パイプへと流れ、この排気ガス流によって、これら排気導管と排気パイプとの間に形成される外気導入口から排気パイプ内に外気が吸引され、該外気が排気ガスに混合されることにより排気ガスの温度を下げることができる。また、排気導管から排出された排気ガスは、この排気導管の排気ガス出口側よりも径大に形成された排気ガス通過方向最上流側の排気パイプへと流通する際に拡散され、これによっても排気ガスの温度を下げることができる。
請求項2に係る発明によれば、排気パイプ同士を軸心方向に間隔をおいて配置することにより、排気パイプ内に吸引される外気の導入量を増やすことができ、排気ガスの温度を効率よく下げることができる。
請求項4に係る発明によれば、排気パイプの中途部に設けた外気取入口によって、排気パイプ内への外気の導入量を増やすことができ、排気ガスの温度を効率よく下げることができる。
請求項6に係る発明によれば、排気ガス通過方向最上流側の排気パイプを排気導管の排気ガス出口に対して軸心方向の間隔をおいて配置することにより、排気管内に吸引される外気の導入量を増やすことができ、排気ガスの温度を効率よく下げることができる。
図5において、符号1は本発明の排気管2が取り付けられたトラクタ(走行車両)である。このトラクタ1は左右一対の前輪3と左右一対の後輪4とで走行可能に支持された車体5を有する。
本実施形態にあっては、車体5は、前部のエンジン6と、このエンジン6の後部に連結されたクラッチハウジング7と、このクラッチハウジング7の後方に配置された静油圧式無断変速装置(HST)8と、このHST8とクラッチハウジング7とを連結する板金構造のハウジングフレーム9と、HST8の後部に連結されたミッションケース10と、このミッションケース10の後部に連結されたデフケース11等とから構成されている。
エンジン6は水冷式の縦型ディーゼルエンジンによって構成され、図6に示すように、該エンジン6は開閉自在なボンネット16によって覆われている。このボンネット16内(エンジンルーム)には、エンジン6の前方に配置されたラジエータ17や、エンジン6の排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置(DPF)18のほか、図示省略のバッテリ、オイルクーラ、エアクリーナ、油圧ポンプ等が収容されている。
車軸フレーム19に前輪3が装着された前車軸ケースが支持される。
この前車軸フレーム19は、図6、図7に示すように、エンジン6の左右両側に配置された側板21と、左右側板21の前端側を連結する前板22と、左右各側板21の外側面に固定された補強板23とを有する。左右側板21は板面が左右方向を向く前後方向に長い板材からなり、後部がエンジン6の側面にボルト固定されている。
前記排気ガス浄化装置18は、エンジン6の排気ガス中に含まれるカーボンを主成分とする粒子状物質を捕集して除去するものであり、捕集した粒子状物質が堆積することによる捕集機能の低下を防止するために、捕集した粒子状物質を加熱して燃焼再生させるセルフクリーニング機能を有する。このため、該排気ガス浄化装置18から排出されるエンジン6の排気ガスの温度は、一般的なエンジン6の排気ガスの温度に比べて高温となっている。
排気ガス浄化装置18のガス排出部29には、排気導管30の排気ガス入口側31が接続されている。この排気導管30は、排気ガス浄化装置18で浄化されたエンジン6の排気ガスを大気に排出すべく該排気ガスを導くものであり、排気ガス浄化装置18のガス排出部29から下方に延出されると共にエンジン6の左側方を通って前車軸フレーム19の左側方の前後中途部に至るように配管されている。
この排気管2は、図6、図7に示すように、本実施形態では、排気導管30の排気ガス出口32の前方側であって、且つ前車軸フレーム19前部の左側方(左側の側板21の左側方)に設けられている。
図1〜図4は第1実施形態に係る排気管2を示している。排気管2は、軸心が排気ガスの通過方向Xに(前後方向に)沿わせて配置されていて前後方向の軸心を有する円筒状の直管からなる(軸心方向にわたって同径の)排気パイプ36,37を2つ備えている。これら排気パイプ36,37は排気ガス通過方向Xに(前後方向に)並べて配置されている。
また、前側の排気パイプ36を後側の排気パイプ37よりも径大に形成することにより、前側の排気パイプ36の後端側と後側の排気パイプ37の前端側との間に排気パイプ周方向の環状隙間(空間)が形成され、この隙間が、前側の排気パイプ36内に外気を導入するための外気導入口41(これを第2外気導入口という)とされている。
前側の排気パイプ36と後側の排気パイプ37とを前後方向の間隔W1をあけて配置することにより、前側の排気パイプ36の後端側と後側の排気パイプ37の前端側との間に形成される隙間が広がり、第2外気導入口41を広げることができる。
この保持片44は、板材によって構成され、後側の排気パイプ37内面側から後方に突出するように設けられ、本実施形態では、後側の排気パイプ37の周方向に等間隔をおいて3つ設けられている。なお、保持片44は、2又は4以上設けられていてもよい。
各保持片44の排気パイプ径方向内方側の端面44bは、排気導管30の排気ガス出口32側の外面に接当していて、該排気導管30の排気ガス出口32側を保持している。
連結片45は、板材から構成され、本実施形態では3つ設けられていて、前側の排気パイプ36と後側の排気パイプ37との間に、排気パイプ36,37の周方向に等間隔をおいて配置されている。なお、連結片45は、2又は4以上設けられていてもよい。
各連結片45の前部は、前側の排気パイプ36内に挿入され、該連結片45の前部における排気パイプ径方向外方側の端部45b(板幅方向の端部)が前側の排気パイプ36の内面に溶接固定されている。
取付ステー34は、板材からなり、上壁34aと、この上壁34aの左右方向内方側の端部から下方に延設された側壁34bとから正面視L字形に形成されており、側壁34bの下部が後側の排気パイプ37の前部の右側面に溶接固定されている。この取付ステー34の上壁34aが支持プレート24にボルト固定されている。
このガイド部材47は、前部48が円柱状に形成され、後部49が後方に向かうに従って縮径する円錐状(截頭円錐状)に形成されていて、前側及び後側の排気パイプ36,37と同心状に配置されている。
このガイド部材47の後部49は、その前部側が前側の排気パイプ36内に位置し、後部側が前側の排気パイプ36内から後方に突出すると共に、後端側が後側の排気パイプ37内に挿入されている。
この際において、排気導管30の排気ガス出口32から後側の排気パイプ37へと流れる排気ガス流によって、第1外気導入口38から外気が後側の排気パイプ37内に吸引される。この吸引された外気は後側の排気パイプ37内で排気ガスと混合し、該排気ガスの温度を下げることができる。また、排気導管30から排出された排気ガスは、この排気導管30の排気ガス出口32側よりも径大に形成された後側の排気パイプ37へと流通する際に拡散され、これによっても排気ガスの温度を下げることができる。
一方、ガイド部材47が排気ガス流の通過面積を狭めることにより、ガイド部材47によって前側の排気パイプ36の外周側へと案内された排気ガスは、流速が速くなる。これによって、第2外気導入口41から吸引される外気の吸引効果が向上し(外気吸入量が増え)、排気ガスの温度を効率よく下げることができる。
この温度の高いパイプ中心側の排気ガスは、ガイド部材47によって前側の排気パイプ36の後端外周側へと案内され、前側の排気パイプ36の後端側に設けた第2外気導入口41から導入される外気と混合する。
以上のように、排気導管30から排出された排気ガスは、排気導管30から後側の排気パイプ37に流入する際に温度が下げられる(一次冷却される)と共に、後側の排気パイプ37から前側の排気パイプ36に流入する際にも温度が下げられ(二次冷却され)、本実施形態に係る排気管2は、排気導管30から排出される排気ガスの温度を、排気ガスの排出方向において短い距離で効率よく下げることができる。
また、排気導管30とは別構造物であるので安価で構造改善が簡単にでき、また、既存の排気導管30に容易に設けることができる。
図8及び図9は、第2実施形態に係る排気管2を示している。
この第2実施形態の排気管2にあっては、前述したガイド部材47が設けられていない点、また、後側の排気パイプ37には前述した保持片44が設けられていなく、該後側の排気パイプ37と排気導管30の排気ガス出口32との間に後側の排気パイプ37の軸心方向の間隔W2が設けられるように該後側の排気パイプ37が取り付けられる点が前記第1実施形態と異なる。
その他の構成については、前記第1実施形態と同様に構成される。
この第3実施形態の排気管2にあっては、後側の排気パイプ37の前後方向中途部に外気取入口52が設けられており、この外気取入口52を設けた点が、前記第2実施形態と異なる点であり、その他の構成については、第1実施形態及び第2実施形態と同様に構成される。
前記凹み54は、後側の排気パイプ37の径方向内方側に向けて凹まされて形成されており、この凹み54の深さは排気ガス通過方向X下流側(前方)に行くに従って漸次深くなるように形成され、且つ、凹み54の後側の排気パイプ37周方向の幅は、後方に行くに従って漸次幅狭となるように形成されている。
前記各実施形態において、排気管2は3つ以上の排気パイプ36,37を備えていてもよい。
30 排気導管
32 排気ガス出口
34 取付部材
36 排気パイプ(排気ガス通過方向下流側の排気パイプ)
37 排気パイプ(排気ガス通過方向上流側の排気パイプ)
38 外気導入口
41 外気導入口
47 ガイド部材
52 外気取入口
53 切り込み
54 凹み
X 排気ガス通過方向
W1 間隔
w2 間隔
Claims (6)
- エンジン(6)の排気ガスを大気に排出させるべく該排気ガスを導く排気導管(30)の排気ガス出口(32)側に設けられて、該排気導管(30)から排出される排気ガスを通過させて大気に排出する排気管であって、
排気ガスの通過方向(X)に軸心を沿わせて配置され且つ排気ガスの通過方向(X)に並べて配置される複数の排気パイプ(36,37)を備え、
これら排気パイプ(36,37)内を通過する排気ガス流によって排気パイプ(36,37)内に外気を吸引するための外気導入口(38,41)が形成されるように、排気ガス通過方向(X)最上流側の排気パイプ(37)を排気導管(30)の排気ガス出口(32)側よりも径大に形成すると共に排気ガス通過方向(X)下流側の排気パイプ(36)を排気ガス通過方向(X)上流側の排気パイプ(37)よりも径大に形成したことを特徴とする排気管。 - 排気パイプ(36,37)同士を軸心方向に間隔(W1)をおいて配置したことを特徴とする請求項1に記載の排気管。
- 排気ガス通過方向(X)上流側の排気パイプ(37)内から排気ガス通過方向(X)下流側の排気パイプ(36)内にわたって設けられていて、下流側の排気パイプ(37)から上流側の排気パイプ(36)へと流れる排気ガス流を下流側の排気パイプ(37)の外周側に案内するガイド部材(47)を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の排気管。
- 排気パイプ(36,37)の中途部に、周方向の切り込み(53)と、該切り込み(53)の排気ガス通過方向X上流側に形成されていて該排気パイプ(36,37)の径方向内方に向けて凹まされた凹み(54)とから構成された外気取入口(52)を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の排気管。
- 当該排気管を排気導管(30)とは別個に取り付けるための取付部材(34)を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の排気管。
- 排気ガス通過方向(X)最上流側の排気パイプ(37)を排気導管(30)の排気ガス出口(32)に対して軸心方向の間隔(W2)をおいて配置したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の排気管。
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