JP5984503B2 - トラクタの排気装置 - Google Patents
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Description
前記第1排気路と前記第2排気路とは、前記第1排気路の下流側端部及び前記第2排気路が前後に延びる状態で配設され、
前記第2排気路の流路断面積は、前記第1排気路よりも大きくなるように構成され、
前記第1排気路と前記第2排気路との排気の流通方向での位置関係が、前記第1排気路の下流側端部における外周部と前記第2排気路の上流側端部における内周部との間が外部に開放された状態で、前記第1排気路の下流側端部と前記第2排気路の上流側端部とが同一位置となるように、又は、前記第1排気路の下流側端部と前記第2排気路の上流側端部との間に隙間を形成するように、前記第1排気路及び前記第2排気路が備えられ、
前記外気導入部は、前記第1排気路の下流側端部における外周部と前記第2排気路の上流側端部における内周部との間に形成される間隙にて構成され、
前記エンジンを覆うエンジンボンネットの下方に、前記第1排気路の下流側端部及び前記第2排気路が配置されている点にある。
外気導入部から導入される外気は、第1排気路の外周部の周囲を流通することなく、直接、第2排気路に流入することになる。これにより、外気導入部から導入される外気は、第1排気路を流通する排気により加熱されることを抑制しながら、第2排気路に流通する排気に混合されるので、排気温度を効果的に低下させることができる。
しかも、排気の流通方向において、第1排気路の下流側端部と第2排気路の上流側端部とを同一位置とする、又は、第1排気路の下流側端部と第2排気路の上流側端部との間に隙間を形成しているので、第2排気路の内側に第1排気路が位置せず、それが抵抗となることもなく、外気導入部から十分な流量の外気を導入させ易くなり、この点からも、排気温度を効果的に低下させることができる。
また、第1排気路端に第2排気路を取り付けるに当たって、第2排気路の内部に第1排気路を挿入させるように排気路間の遠近方向への移動を必要とせず少ない空間で組み付けることができ、排気路の組付けを容易に行うことができる。
本発明に係るトラクタの排気装置の更なる特徴構成は、前記第1排気路の下流側端部と前記第2排気路の上流側端部との間に隙間を形成するように、前記第1排気路及び前記第2排気路が備えられ、
前記第2排気路が前記第1排気路に対して機体前後方向における前側に配置されている点にある。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明に係るトラクタの排気装置を適用したトラクタの一例であるキャビン付きトラクタの全体側面を示している。
このトラクタは、車体前部に位置する原動部1と、車体後部に位置する運転キャビン2とを備えており、エンジン搭載フレーム3、クラッチハウジング(図外)、及びミッションケース4を一体的に連結して車体フレーム5を構成している。そして、車体フレーム5に原動部1と運転キャビン2とを搭載しており、車体フレーム5が左右一対の前輪6及び後輪7にて支持されている。
第1排気路24を流通した排気Hの第2排気路26への流入によるエジェクタ効果により、外気導入部25から外気Gを第2排気路26へ流入させるようにしている。そして、第1排気路24の下流側端部24bと第2排気路26の上流側端部26aとの間に隙間Sを形成しているので、その隙間Sをも通して外気Gが導入され、十分な流量の外気Gを外気導入部25から導入することができる。そして、外気導入部25から導入された外気Gは、そのまま直接第2排気路26に導入されるので、第1排気路24を流通する排気Hにて加熱されることなく、第2排気路26において第1排気路24を流通した排気Hに混合される。これにより、第2排気路26において、十分な流量で低温の外気Gを排気Hに混合させることができるので、その混合気Kの温度を十分に低下させることができ、外部への排気温度の低下を効果的に図ることができる。
上記第1実施形態では、第1排気路24と第2排気路26との排気の流通方向での位置関係について、第1排気路24の下流側端部24bと第2排気路26の上流側端部26aとの間に隙間Sを形成するように、第1排気路24及び第2排気路26を備えている。これに代えて、図5に示すように、第1排気路24の下流側端部24bと第2排気路26の上流側端部26aとが同一位置になるように、第1排気路24及び第2排気路26を備えることもできる。
以下、上記第1及び第2実施形態における排気装置23について、その効果を検証するための実験を行ったので、その実験結果に基づいて説明する。
まず、図6に示すように、第1排気路24と第2排気路26との排気の流通方向での位置関係(A1〜A4)、及び、第2排気路26の長さ(X1〜X3)を変化させた場合に、第1排気路24での排気流量に対する外気導入部25からの外気導入流量の比率Rがどのように変化するかの実験を行った。図6では、第2排気路26の長さを横軸に取り、排気流量に対する外気導入流量の比率Rを縦軸に取っている。
また、第2排気路26の長さについては、X1<X2<X3の関係となるようにしている。
また、第2排気路26の長さが長くなる程、外気導入流量が増大する。
図8及び図9に示すように、第1排気路24の流路断面積を小さく(d1)、且つ、第2排気路26の流路断面積を大きく(D2)した場合に、排気流量に対する外気導入流量の比率Rが増大して、十分な外気導入流量を確保することができ、排気温度も十分に低下している。これにより、外気導入部25の断面積を大きくする程、外気導入流量の増大を図ることができ、排気温度を効果的に低下させることができると考えられる。
排気流量に対する外気導入流量の比率R=1の場合に、排気流量と外気導入流量とが同量となり、排気温度を十分に低下させることができると考えられるので、面積比Pとしては、排気流量に対する外気導入流量の比率Rが1以上となる面積比とすることが好適である。そこで、上記第1及び第2実施形態では、外気導入部25の断面積は、第1排気路24の流路断面積に対して、外気導入部25からの導入流量を第1排気路24での排気流量以上とする設定倍数(例えば、3倍)以上となるように構成している。
上記第1及び第2実施形態において、第1排気路24及び第2排気路26の形状については、各種の形状が適応可能であり、例えば、角パイプにて第1排気路24及び第2排気路26を構成することもできる。
9 エンジン
23 排気装置
24 第1排気路
24b 第1排気路の下流側端部
25 外部導入部
26 第2排気路
26a 第2排気路の上流側端部
27 第1支持体
28 第2支持体
S 隙間
T 間隙
Claims (5)
- エンジンからの排気を流通させる第1排気路と、外気を導入する外気導入部と、前記第1排気路を流通した排気と前記外気導入部から導入された外気とを混合して外部に排気する第2排気路とを備えているトラクタの排気装置であって、
前記第1排気路と前記第2排気路とは、前記第1排気路の下流側端部及び前記第2排気路が前後に延びる状態で配設され、
前記第2排気路の流路断面積は、前記第1排気路よりも大きくなるように構成され、
前記第1排気路と前記第2排気路との排気の流通方向での位置関係が、前記第1排気路の下流側端部における外周部と前記第2排気路の上流側端部における内周部との間が外部に開放された状態で、前記第1排気路の下流側端部と前記第2排気路の上流側端部とが同一位置となるように、又は、前記第1排気路の下流側端部と前記第2排気路の上流側端部との間に隙間を形成するように、前記第1排気路及び前記第2排気路が備えられ、
前記外気導入部は、前記第1排気路の下流側端部における外周部と前記第2排気路の上流側端部における内周部との間に形成される間隙にて構成され、
前記エンジンを覆うエンジンボンネットの下方に、前記第1排気路の下流側端部及び前記第2排気路が配置されているトラクタの排気装置。 - 前記第1排気路の下流側端部と前記第2排気路の上流側端部との間に隙間を形成するように、前記第1排気路及び前記第2排気路が備えられ、
前記第2排気路が前記第1排気路に対して機体前後方向における前側に配置されている請求項1に記載のトラクタの排気装置。 - 前記第1排気路と前記第2排気路とは、前記第1排気路の下流側端部における外周部と前記第2排気路の上流側端部における内周部との間にその周方向の全周に亘って前記外気導入部を形成するように配設されている請求項1又は2に記載のトラクタの排気装置。
- 前記第1排気路を支持する第1支持体と前記第2排気路を支持する第2支持体とは各別に備えられている請求項1〜3の何れか1項に記載のトラクタの排気装置。
- 前記外気導入部の断面積は、前記第1排気路の流路断面積に対して、前記外気導入部からの導入流量を前記第1排気路での排気流量以上とする設定倍数以上となるように構成されている請求項1〜4の何れか1項に記載のトラクタの排気装置。
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