JP2014009341A - 樹脂組成物および重合体の製造方法 - Google Patents

樹脂組成物および重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】取り扱いが容易で、塗工および成形に困難性の小さい高分子量で鎖長の長い重合体を提供する。
【解決手段】下式で表される重合体。
Figure 2014009341

【選択図】なし

Description

本発明は、両末端に水酸基を有する分子量分布の狭いテレケリックポリマーと、異なる二種類のイソシアネート系硬化剤とが配合された樹脂組成物、特に粘着剤およびその製造方法に関する。
分子量の高い重合体を得るために、高分子の両末端に反応性基を有する化合物と、この反応性基と反応性のある官能基を2つ有する化合物を反応させることが行われている。上記テレケリックポリマーの末端の官能基と反応性を有する官能基を有する化合物とを反応させることができれば、テレケリックポリマーの末端にある反応性基に官能基を有する化合物が結合して、テレケリックポリマーの両末端から外側方向に分子が延長され、効率よく高分子量の重合体を得ることができる。
しかしながら、上記のように分子の両末端に水酸基のような反応性基を導入したテレケリックポリマーの合成自体が簡単なものではなかった。
このような分子両末端に水酸基を有するテレケリックポリマーの合成に関して、特許文献1(特開2007-230947号公報)には、特定のジベンジルトリチオカルボネート誘導体を用いて二方向にリビングラジカル重合を行う方法が開示されている。そして特許文献2(特開2011-52057号公報)には、重合開始剤の存在下に、上記のようにして得られた分子末端に水酸基を有する特定のジベンジルトリチオカルボネート誘導体を用いてRAFT重合(Reversible Addition-Fragmentation chain Transfer重合法)により得られたRAFT重合物を出発物質として、RAFT重合を行うことにより、分子末端に水酸基を有する分子量の揃ったテレケリックポリマーが得られることが知られている。
このようにして得られたテレケリックポリマーは、トリチオカルボネート基を中心にして分子の両末端に対称の分子鎖が延長し、その両末端には水酸基が結合した構造を有すると共に、分子量が揃ったものである。また、こうして得られたテレケリックポリマーにさらに重合性二重結合を有する単量体を添加すると、再びRAFT重合反応が進行することが知られている。
ところで、通常、粘着剤用途に使用される重合物は重量平均分子量が数十万以上あり、重合度が高くなるに従って粘度が高くなり、重合装置からの取り出し、およびその後の成形加工、塗工などの操作が難しいという問題がある。
重合度の高い重合体の取り扱いを容易にするためには、有機溶剤を使用する必要があり、このような有機溶媒の使用は環境上で望ましくない場合が多く、さらに、例えば粘着剤の用途等の場合には、有機溶媒が蒸散して空隙が形成されることがあり、こうして形成された空隙の存在によって、粘着特性が変動する場合がある等、有機溶媒を用いることにより不利益が生ずるとの問題がある。そこで、有機溶剤を減量するために重量平均分子量を下げる試みがされているものの、分子量を下げていくと充分な粘着物性が得られないことが多い。
ところで上記のようにしてRAFT重合法によりアルキル(メタ)アクリレートをリビング重合して得られた(メタ)アクリル系テレケリックポリマーは直鎖状であり、分子の両末端に水酸基を有している。この水酸基を有効に使用すれば、重量平均分子量が低い重合物として、溶媒使用量を極力少なくした状態で重合物を取り出せ、その後、ウレタン結合、エステル結合またはエーテル結合等の結合を介してさらに高分子量化を図ることが可能であると考えられる。
しかしながら、アクリル系テレケリックポリマー分子の末端にある水酸基をどのように活用すればより性能の高い粘着剤、あるいは、アクリル系樹脂を製造できるかという点に関しては明確に記載した先行文献を見いだすことはできなかった。
特開2007-230947号公報 特開2011-52057号公報
本発明は、高分子量かつ鎖長の長い重合体で構成され、塗工性、成形性等の加工性に優れた樹脂組成物を提供することを目的とする。また、高不揮発分で塗工可能で、かつ粘着力に優れた粘着剤、および当該粘着剤の製造方法を提供することを目的とする。さらに、分子量によっては無溶剤で塗工することも可能である。
本発明の樹脂組成物(粘着剤)は、重量平均分子量(Mw)が4,000〜50,000の範囲内にあり、分子量分布(Mw/Mn)が1.10〜1.60の範囲内にあり、分子中央部近傍に下記式(1)で表される二価の硫黄含有基を有すると共に分子の両末端が水酸基であるテレケリックポリマー(A)と、三官能以上のイソシアネート系硬化剤(B)および分子量が300以下の二官能イソシアネート系硬化剤(C)とを含む混合物を剥離性基材に塗布し、該剥離基材面で架橋反応させてなる、不揮発分含有率が60〜100%であることを特徴としている。
本発明におけるRAFT重合反応には下記式(1)に示すビス[アルキルヒドロキシアルキルアミノカルボニル]ベンジルトリチオカルボネートを使用する。
Figure 2014009341
(上記式(1)において、R1は、通常は炭素原子数1〜4、好ましくは1〜3のアルキル基であり、R2は、通常は炭素原子数2〜4、好ましくは2〜3のアルキレン基であり、Arは置換、不置換のフェニレン基またはナフチレン基である)。
本発明のRAFT重合の出発物質として使用される上記式(1)のビス[アルキルヒドロキシアルキルアミノカルボニル]ベンジルトリチオカルボネートは、例えば分子の中央近傍に下記式(2)で表されるトリチオカルボネート基を有するものである。
Figure 2014009341
そして、その分子の両末端には次式(3)で表される末端水酸基の一価の基を有していることを特徴とするものである。
Figure 2014009341
(ただし上記式(3)において、R1通常は炭素原子数1〜4、好ましくは1〜3のアルキル基であり、R2は、通常は、炭素原子数2〜4、好ましくは2〜3のアルキレン基であり、Arは、置換、不置換のフェニレン基またはナフチレン基である)。
上記のようなビス[アルキルヒドロキシアルキルアミノカルボニル]ベンジルトリチオカルボネートは、重合開始剤の存在下にビニル単量体を導入すると、-S-(C=S)-S-基の硫黄原子と隣接するメチレン基の間にビニル重合体が挿入され、このビス[アルキルヒドロキシアルキルアミノカルボニル]ベンジルトリチオカルボネートは、ビニル基由来の繰返し単位が多数導入されて横方向に分子が延長されるように成長して下記式(4)で表される構造のテレケリックポリマー(A-1)になる。
Figure 2014009341
(上記式(4)においてR1、R2、Arは前記式(1)および(3)におけるのと同義であり、Aは、ビニル系ポリマー由来の二価の基であり、a、bはそれぞれ独立に、aは通常は10〜200の範囲内、好ましくは20〜100の範囲にある整数であり、bは通常は10〜200、好ましくは20〜100の範囲にある整数である)。
本発明のテレケリックポリマー(A-1)は、重量平均分子量(Mw)が4,000〜50,000の範囲内、好ましくは4,000〜25,000の範囲内にあり、分子量分布(Mw/Mn)が1.10〜1.60の範囲内、好ましくは1.10〜1.5の範囲内にあり、分子中央部近傍に式(2)で表される二価の硫黄含有基を有するとともに、分子の両末端が水酸基となるものである。
また、本発明の樹脂組成物の製造方法は、重量平均分子量(Mw)が4,000〜50,000の範囲内にあり、分子量分布(Mw/Mn)が1.10〜1.60の範囲内にあり、分子中央部近傍に式(1)で表される二価の硫黄含有基を有すると共に分子の両末端が水酸基であるテレケリックポリマー(A)と、三官能以上のイソシアネート系硬化剤(B)と、分子量が300以下の二官能イソシアネート系硬化剤(C)とを含む混合物を調製し、該混合物を剥離性基材に塗布し、該剥離基材面でテレケリックポリマーの有する水酸基と、三官能以上のイソシアネート系硬化剤(B)および二官能イソシアネート系硬化剤(C)とを不揮発分含有率60〜100%の状態で反応させて架橋構造を形成することにより樹脂組成物を得るものである。
本発明によれば、テレケリック系ポリマーが高粘度化する前の状態で塗工、成形等の操作を行うことができるため、取り扱いの容易さを損なうことなく、最終的に鎖長が延長された樹脂組成物からなるシート、成形品、粘着剤シート等を得ることができる。さらには、本発明の樹脂組成物は溶媒を含有しない態様とすることも可能であるため、環境に優しいことは勿論、溶媒の抜けた間隙が生じることの無い、高品質の粘着剤組成物を得ることができる。
本発明の樹脂組成物は、分子の両末端に水酸基を有すると共に、特定の分子量を有し、分子量分布が極めて狭いテレケリックポリマー(A)と、三官能以上のイソシアネート系硬化剤(B)および特定の分子量の二官能イソシアネート系硬化剤(C)とを必須成分とするものである。
以下、本発明の樹脂組成物およびその構成要素について詳述する。
<テレケリックポリマー>
本発明では、上記のようなテレケリックポリマー(A)を調製する際に、下記に示すように分子中央部近傍に二価の硫黄含有基を有すると共に分子の両末端が水酸基である式(1)で表されるビス[アルキルヒドロキシアルキルアミノカルボニル]ベンジルトリチオカルボネート誘導体を使用する。
Figure 2014009341
(上記式(1)においてR1は通常は炭素原子数1〜4、好ましくは1〜3のアルキル基であり、R2は、通常は炭素原子数2〜4、好ましくは2〜3のアルキレン基であり、Arは置換、不置換のフェニレン基またはナフチレン基である)。
このビス[アルキルヒドロキシアルキルアミノカルボニル]ベンジルトリチオカルボネート誘導体は、次式(2)で表される基と、式(3)で表される基とを反応させることにより合成することができる。
Figure 2014009341
Figure 2014009341
(上記式(3)においてR1は通常は炭素原子数1〜4、好ましくは1〜3のアルキル基であり、R2は、通常は炭素原子数2〜4、好ましくは2〜3のアルキレン基であり、Arは置換、不置換のフェニレン基またはナフチレン基である)。
上記式(1)のベンジルトリチオカルボネート誘導体は、系内に重合開始剤およびビニル化合物が存在すると、硫黄原子とこの硫黄原子に隣接するメチレン基の間にビニル化合物を挿入するように反応して次式(4)で表されるテレケリックポリマー(A-1)を生成する。
Figure 2014009341
(上記式(4)においてR1、R2、Arは前記式(1)および(3)におけるのと同義であり、Aは、ビニル系ポリマー由来の二価の基であり、a、bはそれぞれ独立に、aは通常は10〜200の範囲内、好ましくは10〜100、より好ましくは20〜100、さらに好ましくは20〜60の範囲にある整数であり、bは通常は10〜200、好ましくは10〜100、より好ましくは20〜100、さらに好ましくは20〜60の範囲にある整数である)。
また、上記式(4)で表されるテレケリックポリマーに対して追加のビニル化合物および重合開始剤を添加することにより、さらにRAFT重合反応が進行し、例えば次式(5)で表されるように異なるビニル重合体が結合したテレケリックポリマー(A-2)を製造することもできる。
Figure 2014009341
(上記式(5)においてR1、R2、Arは前記式(1)、(2)、(3)および(4)におけるのと同義であり、Aは、ビニル系ポリマー由来の二価の基であり、Bは他のビニル基由来の二価の基であり、a、b、c、dはそれぞれ独立に、aは通常は10〜200、好ましくは10〜100、より好ましくは20〜100、さらに好ましくは20〜60の範囲にある整数であり、bは通常は10〜200、好ましくは10〜100、より好ましくは20〜100、さらに好ましくは20〜60の範囲であり、cは通常は10〜200の範囲内、好ましくは20〜60の範囲にある整数であり、dは通常は10〜200、好ましくは20〜100の範囲にある整数である)。
本発明においては、上記テレケリックポリマー(A-2)、すなわちビニル化合物由来のポリマー鎖部分がブロックポリマー鎖の構造を有するテレケリックポリマーを用いた場合、得られる樹脂組成物、特に粘着剤組成物は、凝集力に優れたものとなるため特に好ましい。
本発明で使用するテレケリックポリマー(A)(すなわち、上記(A-1)または(A-2))は、重量平均分子量(Mw)が4,000〜50,000、好ましくは4,000〜25,000の範囲内にあり、分子量分布(Mw/Mn)が1.10〜1.60、1.10〜1.50の範囲内になるように、重合開始剤の存在下にビニル系単量体を反応させることにより製造することができる。
上記のような重量平均分子量(Mw)のテレケリックポリマー(A)は室温で粘性の低い液体状であるため、有機溶媒を使用せずにその後の工程に使用することも可能である。また、分子量分布(Mw/Mn)が非常に狭いので、その後の工程に使用した場合でも、得られる重合体の分子量分布(Mw/Mn)も広くなりにくい。
<ビニル化合物>
本発明で使用するビニル化合物としては、(メタ)アクリル酸エステル(a1)、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート(a2)、アルコキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート(a3)等の(メタ)アクリル系モノマー、およびその他の共重合性モノマー(a4)を挙げることができる。
前記(メタ)アクリル酸エステル(a1)としては、炭素数1〜20のアルキル基からなるエステルであるものが好ましく、このような単量体の例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、iso-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、iso-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデカ(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、n-ステアリル(メタ)アクリレート、iso-ステアリル(メタ)アクリレートおよびジデカ(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
前記アルコキシアルキル(メタ)アクリレート(a2)としては、メトキシメチル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、3-メトキシプロピル(メタ)アクリレート、3-エトキシプロピル(メタ)アクリレート、4-メトキシブチル(メタ)アクリレートおよび4-エトキシブチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
前記アルコキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート(a3)としては、メトキシジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシトリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートおよびメトキシトリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
前記共重合性モノマー(a4)としては、酢酸ビニル;(メタ)アクリロニトリル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート;スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、へキシルスチレン、ヘプチルスチレンおよびオクチルスチレンなどのアルキルスチレン、並びに、フロロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨウ化スチレン、ニトロスチレン、アセチルスチレンおよびメトキシスチレン等のスチレン系単量体等を挙げることができる。
上記(a1)〜(a4)のモノマーは、それぞれ1種単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。なかでも、全モノマー成分中で(a1)の配合割合が80重量%以上となることが好ましい。
さらに、本発明においてテレケリックポリマー(A)が、ブロックポリマー鎖構造を有するテレケリックポリマー(A-2)である場合、使用するモノマー種は、(a1)の中から異なる2種類が選択されることが好ましい。
<重合開始剤>
上記RAFT重合の際に用いられる重合開始剤としては通常の無機系重合開始剤および/または有機系重合開始剤を使用することができる。
本発明のRAFT重合の際に使用される重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリウム等の過酸化物、アソビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等を挙げることができる。これらのうち、好ましくは、アゾ系重合開始剤である2,2'-アゾビス(2-メチルプロポピオニトリル)、2,2'-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2'-アゾビス(2-シクロプロピルプロピオニトリル)、1,1'-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)およびジメチル-2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート)等を挙げることができる。これらの重合開始剤は1種単独でも2種以上を組み合わせて使用することもできる。
これらの重合開始剤は、通常、前記モノマー100重量部当たり、0.01〜5重量部、好ましくは、0.5〜2重量部使用される。
上記のようにしてRAFT重合を行うことにより、中心あるいは中心部近傍のトリチオカルボネートの両側にほぼ均等にビニル単量体に由来する繰返し単位が結合し、両分子末端に水酸基が結合した対称性の高い鎖状のテレケリックポリマー(A)を得ることができる。
<重合条件等>
上記のRAFT重合の反応温度は通常は60〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、通常は窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下で行われる。この反応は常圧、加圧、減圧のいずれの条件で行うこともできるが、通常は常圧で行われる。また、反応時間は通常は1〜14時間、好ましくは2〜6時間である。
なお、上記RAFT重合は、通常は反応溶媒を用いずに反応させるが、必要により反応溶媒を使用してもよい。
<樹脂組成物および粘着剤組成物>
上記のようにして得られたテレケリックポリマー(A)(すなわち(A-1)または(A-2))と、三官能以上のイソシアネート系硬化剤(B)および二官能イソシアネート系硬化剤(C)とを混合し、これらを基材上で反応させることによって、本発明の樹脂組成物、特に粘着剤組成物を形成することができる。当該基材上で生じる反応は下記式(6)によるものと考えられる。
Figure 2014009341
(上記式(6)において、R1、R2、Arは前記式(1)および(3)におけるのと同義であり、Aは、ビニル系ポリマー由来の二価の基であり、a、bは前記式(4)におけるのと同義であり、Xはイソシアネート基を結合する二価の基を表し、Yはイソシアネート基を結合する三価の基を示す)。
上記の式から明らかなようにテレケリックポリマーの分子の両末端で二官能イソシアネート系硬化剤および三官能以上のイソシアネート系硬化剤とが結合してもイソシアネート系硬化剤には未反応のイソシアネート基が残存するので、上記の化学量論的には水酸基またはイソシアネート基が実質的に消費され尽くすまで進行する。
本発明の樹脂組成物は、テレケリックポリマー(A)と、三官能以上のイソシアネート系硬化剤(B)および二官能イソシアネート系硬化剤(C)との混合物からなるが、これらの混合物は室温下で適度な流動性を有しているため、特に有機溶媒を使用しなくても基材上に塗工することが可能である。すなわち本発明によれば、樹脂組成物、特に粘着剤組成物の塗工に際して使用する有機溶媒量を低減できるか、あるいはこれらを無溶媒で塗工することが可能となる。なお、本発明の樹脂組成物の不揮発分含有率は、60〜100%であり、好ましくは不揮発分80〜100%である。
さらに、テレケリックポリマー(A)の分子両末端にある水酸基と、特定の分子量の三官能以上のイソシアネート系硬化剤(B)および二官能イソシアネート系硬化剤(C)の有するイソシアネート基との反応を、これらの混合物を基材上に塗布し、この基材上で養生することにより完結することができるので、塗工前に早期に架橋反応が進行して粘度が過度に高くなることもないので、塗工に際して余分な有機溶媒を添加する必要がない。
<イソシアネート系硬化剤>
本発明で使用する三官能以上のイソシアネート系硬化剤(B)の例としては、L-45(三官能トリレンジイソシアネート系化合物:綜研化学(株)製)、コロネート342(三官能トリレンジイソシアネート系化合物;日本ポリウレタン工業(株)製)、コロネートHX(三官能ヘキサメチレンジイソシアネート系化合物;日本ポリウレタン工業(株)製)、デュラネートP301-75E(三官能ヘキサメチレンジイソシアネート系化合物;旭化成(株)製)デュラネート24A-100(三官能ヘキサメチレンジイソシアネート系化合物;旭化成(株)製)デュラネートTPA-100(三官能ヘキサメチレンジイソシアネート系化合物;旭化成(株)製)を挙げることができ、本発明ではこうした市販された三官能以上のイソシアネート化合物を使用することもできる。
本発明で使用される二官能イソシアネート系硬化剤は、分子量が300以下の二官能イソシアネート系硬化剤であり、分子量が150〜260の二官能イソシアネート系硬化剤であることが好ましい。このような二官能性イソシアネート系硬化剤の例としてはトリレンジイソシアネート(分子量:174)、ジフェニルメタンジイソシアネート(分子量:250)、ヘキサメチレンジイソシアネート(分子量:168)、イソホロンジイソシアネート(分子量222)、キシリレンジイソシアネート(分子量:188)等を挙げることができる。
上記の三官能以上のイソシアネート化合物(B)と二官能イソシアネート系硬化剤(C)と配合比(C/B)は、重量比で1/1〜1/8、好ましくは1/1〜1/4である。さらに、三官能以上のイソシアネート化合物(B)の配合量は、テレケリックポリマー(A)100重量部に対して、通常は1〜8重量部、好ましくは1〜5重量部である。上記のようにして三官能以上のイソシアネート系硬化剤と、二官能イソシアネート系硬化剤との比率を調整することにより、得られる樹脂組成物等に所望の特性を発現させることができる。
<製造方法>
本発明の樹脂組成物は、分子の両末端に水酸基を有するテレケリックポリマー(A)、三官能以上のイソシアネート系硬化剤(B)および二官能イソシアネート系硬化剤(C)を、剥離処理をした支持体上に流涎し、必要により剥離処理したカバーフィルムでラミネート処理した後、通常は3日以上、好ましくは7〜10日間、通常は5〜60℃の環境下、好ましくは15〜40℃の環境下で養生することで調製される。すなわち、本発明においては架橋構造を形成するのに通常行われているような攪拌などの操作を行う必要がなく、上記のように所定の条件で養生することにより、所望の架橋構造を形成することが可能である。
<粘着剤組成物としての特性>
本発明の樹脂組成物は粘着剤として好適に使用することができる。当該粘着剤は、凝集性に優れたものでありながら、適度な柔軟性を併せ持つ。その理由としては、以下のように考えられる。
本発明の樹脂組成物は、二官能イソシアネート系硬化剤(C)に由来するハードセグメントと、テレケリックポリマー(A)に由来する長いソフトセグメントが交互に連続した構造を有する。そのため、粘着剤中で、ハードセグメント同士とソフトセグメント同士が互いに弱く凝集し、粘着剤の中でミクロ相分離構造(海-島構造)を構成することにより凝集性が高められている。さらには、三官能以上のイソシアネート系硬化剤(B)に起因した架橋構造を形成するため、このことによっても凝集力が得られている。すなわち、本願発明の樹脂組成物において、二官能イソシアネート系硬化剤(C)および三官能以上のイソシアネート系硬化剤(B)を併用することにより、得られる粘着剤は適度な凝集力を発現するようになる。このように、本発明の粘着剤は凝集力が適度な程度に高められているので、充分な粘着力が得られるとともに、柔軟性を失わない。
<樹脂組成物の用途>
本発明の製造方法で得られた樹脂組成物の用途としては、粘着剤の他、樹脂フィルム、接着剤等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例における各測定値は、以下の方法により求めた。
<分子量および分子量分布>
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、下記条件で標準ポリスチレン換算による重量平均分子量(Mw)、及び、数平均分子量(Mn)を求めた。
(GPC測定条件)
測定装置:HLC-8120GPC(東ソー(株)社製)
GPCカラム構成:以下の5連カラム(すべて東ソー(株)社製)
(1)TSK-GEL HXL-H (ガードカラム)
(2)TSK-GEL G7000HXL
(3)TSK-GEL GMHXL
(4)TSK-GEL GMHXL
(5)TSK-GEL G2500HXL
サンプル濃度:1.0mg/cm3となるように、テトラヒドロフランで希釈
移動相溶媒:テトラヒドロフラン
流量:1.0cm3/min
カラム温度:40℃。
<粘度測定>
ワニス入りの500ml瓶を25℃の恒温水槽に浸し12時間静置後、B型粘時計の測定方法に従い測定した。
<不揮発分(nV%)測定>
精秤したブリキシャーレ(n1)にアクリル系ポリマー溶液を1g入れ、合計重量(n2)を精秤した後、105℃で3時間加熱した。その後、当該ブリキシャーレを室温のデシケータ内に1時間静置し、次いで再度精秤し、加熱後の合計重量(n3)を測定した。得られた重量測定値(n1〜n3)を用いて、下記式から不揮発分を算出した。
不揮発分(%)= 100×[加熱後重量(n3-n1)/ 加熱前重量(n2-n1)]
<剥離力(N/25mm)>
23℃、50%RH条件下で、実施例および比較例で得られた粘着シート(粘着剤層の厚みは25μm)のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを剥がし、露出した粘着剤層面にステンレス(SUS)を2kgのローラーを用いて貼り合わせた(貼り合わせ面積25mm×70mm)。
貼り合わせから20分後にSUS板から試験片を180°方向に300mm/minで剥離し、その粘着剤層の剥離力(粘着力)を測定した。
<保持力試験>
23℃、50%RH条件下で、実施例および比較例で得られた粘着シート(粘着剤層の厚みは25μm)のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを剥がし、露出した粘着剤層面にステンレス(SUS)を2kgのローラーを用いて貼り合わせた(貼り合わせ面積20mm×20mm)。
貼り合わせから20分後に、40℃dryの条件で1kgの荷重をかけ、1時間後のもとの位置からのズレの距離を測定した。1時間以内に落下した場合は落下と記述した。
<定荷重試験>
23℃、50%RH条件下で、実施例および比較例で得られた粘着シート(粘着剤層の厚みは25μm)のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを剥がし、露出した粘着剤層面にステンレス(SUS)を2kgのローラーを用いて貼り合わせた(貼り合わせ面積20mm×20mm)。
貼り合わせから20分後に、40℃dryの条件で100gの荷重をかけ、1時間後の剥がれを測定した。1時間以内に落下した場合は落下と記述した。
<ボールタック試験>
J.Dow法により、助走距離、10cm、滑走距離、10cm、温度、23℃、湿度65%RHの条件下で測定した。
[製造例1:アクリル系ポリマー(1)]
攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコに、ブチルアクリレート100重量部、ビス[4-{エチル-2-(ヒドロキシエチル)アミノカルボニル}-ベンジル]トリチオカルボネート(日本テルペン(株)製RAFT剤)2重量部を仕込みフラスコ内に窒素ガスを導入しながらフラスコの内容物を80℃に加熱した。次いで、充分に窒素ガス置換したAIBN 0.03重量部を攪拌下にフラスコ内に添加し、フラスコ内の内容物の温度が80℃に維持できるように加熱および冷却を4時間行い、最後に酢酸エチル25重量部を添加した。こうして得られたアクリル系ポリマー(1)について測定した105℃加熱残分は79.8%であった。また、得られたアクリル系ポリマー(1)について、Mn1.5万、Mw1.8万、分子量分布1.18、23℃における粘度は、1.6Pa・sであった。
[製造例2:アクリル系ポリマー(2)]
ブチルアクリレート100重量部の代わりに2-エチルヘキシルアクリレート100重量部を用いた以外は、製造例1と同様にしてアクリル系ポリマー(2)を製造した。アクリル系ポリマー(2)の105℃加熱残分(nV)は79.5%であった。また、得られたアクリル系ポリマー(2)について測定した分子量は、Mnは1.5万、Mw1.8万、分子量分布1.20、23℃における粘度は、1.5Pa・sであった。
[製造例3:アクリル系ポリマー(3)]
攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコに、メチルアクリレート17重量部、ビス[4-{エチル-2-(ヒドロキシエチル)アミノカルボニル}-ベンジル]トリチオカルボネート(日本テルペン(株)製RAFT剤)2重量部を仕込みフラスコ内に窒素ガスを導入しながらフラスコの内容物を80℃に加熱した。次いで、充分に窒素ガス置換したAIBN;0.03重量部を攪拌下にフラスコ内に添加し、フラスコ内の内容物の温度が80℃に維持できるように、加熱および冷却を2時間行った。こうして得られたアクリル系ポリマーの105℃加熱残分は0.5%であった。次にフラスコ内の内容物の温度を90℃に昇温した後、ブチルアクリレート66重量部を1時間かけて滴下した。その後フラスコ内の内容物の温度を90℃に維持できるように、加熱および冷却を3時間行い、最後に酢酸エチル25部を添加した。こうして得られたアクリル系ポリマー(3)の105℃加熱残分は79.8%であった。また、得られたアクリル系ポリマー(3)についてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した分子量は、Mn1.5、Mw1.8万、分散指数1.2、23℃における粘度は、2.5Pa・sであった。
[製造例4:アクリル系ポリマー(4)]
攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコに、ブチルアクリレート99.9重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート0.1重量部、NDM(N-ドデシルメルカプタン)0.12重量部、酢酸エチル79重量部を仕込みフラスコ内に窒素ガスを導入しながらフラスコの内容物を66〜67℃に加熱した。次いで充分に窒素ガス置換した後、重合開始剤V-601(和光純薬(株)製) 0.1重量部を攪拌下にフラスコ内に添加した。フラスコ内の内容物の温度が66〜67℃に維持できるように、加熱および冷却を4時間行った。こうして得られたアクリル系ポリマー(4)の105℃加熱残分は48.8%であった。また、得られたポリマー(4)について測定した分子量は、Mn=8.0万、Mw=22.3万、分散指数2.81、23℃における粘度は、6.1Pa・sであった。
[製造例5:アクリル系ポリマー(5)]
RAFT剤の量を0.1重量部に変えた以外は、製造例1と同様の手順により作製した。
[製造例6:アクリル系ポリマー(6)]
RAFT剤の量を10重量部に変えた以外は、製造例1と同様の手順により作製した。
上記アクリル系ポリマー(1)〜(6)を構成するモノマー組成、分子量等測定結果を下記表1に記す。
Figure 2014009341
[実施例1〜11]
上記製造例で得られたアクリル系ポリマー(1)〜(3)のそれぞれに、表2に示す三官能以上のイソシアネート系硬化剤および二官能イソシアネート系硬化剤を表2の配合で配合し、よく混合した。
泡抜け後、ドクターブレードを用いPETセパレーター(商品名:セラピールMFA;東レフィルム(株)製)に25μm厚で塗工し、直ぐに80℃で3分間乾燥した。
3分間の乾燥後、被覆されていない粘着剤の表面に厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを配置して張り合わせを行い、室温23℃、湿度65%の条件下、7日間静置した。
その後、このシートを各測定方法に定める大きさに裁断し、以下の条件下でそれぞれ粘着力、保持力、定荷重試験を行った。得られた粘着剤シートの特性を下記表2に記す。
Figure 2014009341
[比較例1〜10]
上記製造例(1)、(4)、(5)、(6)で得られたアクリル系ポリマーそれぞれに対し、下記表3に示す配合量で硬化剤を配合した以外は、実施例と同様に手順により粘着剤シートを調製した。得られた粘着剤シートの物性を表3に併せて記す。
Figure 2014009341

Claims (14)

  1. 重量平均分子量(Mw)が4,000〜50,000の範囲内にあり、分子量分布(Mw/Mn)が1.10〜1.60の範囲内にあり、分子中央部近傍に式(2)で表される二価の硫黄含有基を有すると共に分子の両末端が水酸基であるテレケリックポリマー(A)と、三官能以上のイソシアネート系硬化剤(B)および分子量が300以下の二官能イソシアネート系硬化剤(C)とを含む混合物を剥離性基材に塗布し、該剥離基材面で架橋反応させてなる、不揮発分含有率が60〜100%であることを特徴とする樹脂組成物;
    Figure 2014009341
  2. 上記樹脂組成物が、粘着剤組成物であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 上記分子中央部近傍に式(2)で表される二価の硫黄含有基を有する両分子末端が水酸基であるテレケリックポリマー(A)が、下記式(1)で表されるジベンジルトリチオカルボネート誘導体に、RAFT重合により(メタ)アクリル系モノマーを重合させたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物;
    Figure 2014009341
    (上記式(1)において、Arはフェニレン基またはナフチレン基のいずれかであり、R1は、炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R2は、炭素数2〜4のアルキレン基である)。
  4. 上記分子中央部近傍に式(2)で表される二価の硫黄含有基を有する両分子末端が水酸基であるテレケリックポリマー(A)が次式(4)で表されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物;
    Figure 2014009341
    (上記式(4)において、Arはフェニレン基またはナフチレン基のいずれかであり、R1は、炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R2は、炭素数2〜4のアルキレン基であり、Aは(メタ)アクリル系モノマーに由来する繰返し単位であり、aおよびbはそれぞれ独立に10〜200の整数を表す)。
  5. 前記三官能以上のイソシアネート系硬化剤(B)の配合量が、前記テレケリックポリマー(A)の100重量部に対して1〜8重量部であり、かつ、前記三官能以上のイソシアネート系硬化剤(B)に対する二官能イソシアネート系硬化剤(C)の重量比(C/B)が1/1〜1/8の範囲内にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 上記樹脂組成物が、有機溶剤を含まないことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 前記テレケリックポリマー(A)の分子量分布が、1.10〜1.50であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の樹脂組成物。
  8. 重量平均分子量(Mw)が4,000〜50,000の範囲内にあり、分子量分布(Mw/Mn)が1.10〜1.60の範囲内にあり、分子中央部近傍に式(2)で表される二価の硫黄含有基を有すると共に分子の両末端が水酸基であるテレケリックポリマー(A)と、三官能以上のイソシアネート系硬化剤(B)および分子量が300以下の二官能イソシアネート系硬化剤(C)とを含む混合物を調製し、該混合物を剥離性基材に塗布し、該剥離基材面でテレケリックポリマー(A)の有する水酸基と、三官能以上のイソシアネート系硬化剤(B)および二官能イソシアネート系硬化剤(C)とを不揮発分含有率60〜100%の状態で反応させて架橋構造を形成することを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
    Figure 2014009341
  9. 上記樹脂組成物が、粘着剤組成物であることを特徴とする請求項8に記載の樹脂組成物の製造方法。
  10. 上記分子中央部近傍に式(2)で表される二価の硫黄含有基を有する両分子末端が水酸基であるテレケリックポリマー(A)が、下記式(1)で表されるジベンジルトリチオカルボネート誘導体に、RAFT重合により(メタ)アクリル系モノマーを重合させたものであることを特徴とする請求項8または9に記載の樹脂組成物の製造方法;
    Figure 2014009341
    (上記式(1)において、Arはフェニレン基またはナフチレン基のいずれかであり、R1は、炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R2は、炭素数2〜4のアルキレン基である)。
  11. 上記分子中央部近傍に式(2)で表される二価の硫黄含有基を有する両分子末端が水酸基であるテレケリックポリマー(A)が次式(4)で表されることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法;
    Figure 2014009341
    (上記式(4)において、Arはフェニレン基またはナフチレン基のいずれかであり、R1は、炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R2は、炭素数2〜4のアルキレン基であり、Aは(メタ)アクリル系モノマーに由来する繰返し単位であり、aおよびbはそれぞれ独立に10〜200の整数を表す)。
  12. 前記二官能イソシアネート系硬化剤(B)の配合量が、前記テレケリックポリマー(A)の100重量部に対して1〜8重量部であり、かつ、前記三官能以上のイソシアネート系硬化剤(B)に対する二官能イソシアネート系硬化剤(C)の重量比(C/B)が1/1〜1/8の範囲内にあることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法。
  13. 上記樹脂組成物が、有機溶剤を含まないことを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法。
  14. 前記テレケリックポリマー(A)の分子量分布が、1.10〜1.50であることを特徴とする請求項8〜13のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法。
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