JP2014009174A - スルフィド化合物およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、工業的に有用な、新規スルフィド化合物およびその製造方法に関するものである。
スルフィド化合物は、有機化学分野および高分子化学分野で広く用いられている化合物であり(特許文献1、2参照)、ファインケミカル、医農薬原料および樹脂原料、さらには電子情報材料や光学材料など、工業用途として多岐にわたる分野で有用な化合物である。そのため、これらスルフィド化合物に要求される性能も益々多様化、高度化してきており、例えば溶剤への溶解性が向上した、又は低臭気のスルフィド類が望まれている。
従来のスルフィド化合物は、一般的に分子量を大きくすれば低臭気性の化合物になることが知られているが、分子量を大きくすれば常温で固体になる場合が多く、溶剤への溶解性が低下してしまい利用上の制限が出てくるなどの欠点があった。
本発明は、溶剤への溶解性に優れ、低温においても溶剤から析出することがなく、且つ低臭気であるスルフィド化合物およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の現状に鑑み、鋭意検討の結果、溶剤への溶解性の向上したスルフィド化合物と、その製造方法を見出した。
本発明の新規スルフィド化合物は、分子量が大きいにもかかわらず化合物中に水酸基が2個あることから溶剤への溶解性に優れており、且つ、原料に低臭気の3−メルカプト−1,2−プロパンジオールを使用していることから、臭気が少ないという利点を持つため、ファインケミカル、医農薬原料、樹脂原料、更には電子情報材料、光学材料など、工業用途として多岐にわたる分野で有用である。また、本発明の新規スルフィド化合物は光重合開始基を有しており、光重合開始剤として有用な化合物であり、従来の光重合開始剤に比べて、溶剤への溶解性に優れているため樹脂への相溶性の向上や、樹脂への溶解後、低温で放置しても樹脂分から析出しないといった保存安定性の向上が期待できる。
以下に、本発明のスルフィド化合物およびそのスルフィド化合物の製造方法について詳細に記載する。
上記式(1)で示される2−メチル−1−[4−(1,2−ジヒドロキシプロピルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノンは、低臭気性であると共に、溶剤への溶解性に優れ、溶剤を低温にしても析出することがない。例えばトルエン、ヘキサン、アセトン、メタノール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の各種溶剤に溶解させると任意の割合で混合し、−25℃まで冷却しても分離析出することがない。
上記式(1)で示される2−メチル−1−[4−(1,2−ジヒドロキシプロピルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノンは、下記式(2)
(式中、XはF、Cl、BrまたはIのハロゲン原子を示す。)
で示される化合物と、下記式(3)
で示される3−メルカプト−1,2−プロパンジオールとを反応させることにより製造することが出来る。
で示される化合物と、下記式(3)
式(2)で示される化合物として、2−メチル−1−[4−フルオロフェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−メチル−1−[4−クロロフェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−メチル−1−[4−ブロモフェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−メチル−1−[4−ヨードフェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノンが挙げられる。
式(2)で示される化合物と、3−メルカプト−1,2−プロパンジオールとの反応割合は、式(2)の化合物1モルに対して、3−メルカプト−1,2−プロパンジオールを1.0〜3.0モルが好ましく、より好ましくは、1.0〜1.5モル使用する。3−メルカプト−1,2−プロパンジオールを1.0モル以上とすることで、反応未達による収率低下を防止できることが期待され。また3.0モル以下とすることで、反応物から3−メルカプト−1,2−プロパンジオールを除去するのに必要なエネルギーが少なくなり、廃棄物も少なくなるため経済的であるので好ましい。
本発明のスルフィド化合物の製造方法では、好ましくは、塩基の存在下、非プロトン性極性溶媒中で、式(2)で示される化合物と、3−メルカプト−1,2−プロパンジオールとを反応させる。
本発明の製造方法で好ましく用いる非プロトン性極性溶媒は、スルホキシド化合物、スルホラン化合物、アミド化合物、ニトリル化合物、エーテル化合物等を好適に用いることができる。
スルホキシド化合物としては、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジエチルスルホキシド等が挙げられる。
スルホラン化合物としては、スルホラン、メチルスルホラン等が挙げられる。
アミド化合物としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノジン等が挙げられる。
ニトリル化合物としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、ベンゾニトリル等が挙げられる。
エーテル化合物としては、モノグライム、ジグライム、トリグライム、テトラグライム、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、1,3− ジオキソラン、アニソール、モルホリン等が挙げられる。
これらの中でもジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)が好ましい。
非プロトン性極性溶媒は、単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いても良い。
溶媒の使用量は、通常、式(2)で示される化合物に対して0.1〜20重量倍の範囲である。
本反応に使用される塩基としては、好ましくは、アルカリ金属水素化物、アルカリ土類金属水素化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ土類金属アルコキシド、アルカリ金属フッ化物、アミン等が挙げられる。
アルカリ金属水素化物としては、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等が挙げられる。
アルカリ土類金属水素化物としては、水素化ベリリウム、水素化マグネシウム、水素化カルシウム等が挙げられる。
アルカリ金属水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
アルカリ土類金属水酸化物としては、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。
アルカリ金属炭酸塩としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
アルカリ土類金属炭酸塩としては、炭酸ベリリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。
アルカリ金属炭酸水素塩としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム等が挙げられる。
アルカリ金属アルコキシドとしては、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド等が挙げられる。
アルカリ土類金属アルコキシドとしては、マグネシウムジエトキシド、マグネシウムジメトキシド等が挙げられる。
アルカリ金属フッ化物としては、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウムなどが挙げられる。
アミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N、N−ジメチルアニリン、ジメチルベンジルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,8−ナフタレンジアミン等の三級アミン、ピリジン、ピロール、ウラシル、コリジン、ルチジン等の複素芳香族アミン、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザ−ビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等の環状アミジン等が挙げられる。
これらの塩基は、そのものを投入しても良いが、水またはアルコール溶液として滴下しても良い。塩基は単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いても良い。これらの塩基のうち、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが特に好ましい。
塩基の使用量は、式(2)で示される化合物に対して、1.0〜3.0モル倍量が好ましく、より好ましくは1.0〜1.5モル倍量にすると良い。塩基を1.0モル倍量以上とすることで、反応未達による収率低下を防止でき、3.0モル倍量以下とすることで、塩基除去に必要なエネルギーが少なくなり、廃棄物も少なくなるので好ましい。
本反応は、窒素雰囲気下で実施することが好ましい。窒素雰囲気下で実施することにより、系内に酸素が混入することを防ぐことで、純度低下を抑制することが出来る。
本反応の反応温度は、通常、20〜150℃が好ましく、より好ましくは、40〜100℃である。20℃以上とすることで反応が速やかに進行し、150℃以下にすることで副反応を抑制し、収率低下を防ぐことができる。
本反応の反応時間は、通常、0.5〜20時間の範囲である。
本発明における反応は、相間移動触媒の共存下で行うことでもできる。相間移動触媒としてはクラウンエーテル、第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩が挙げられる。
クラウンエーテルとしては、ジベンゾ−18−クラウン−6、18−クラウン−6、15−クラウン−5、12−クラウン−4、ジシクロヘキサノ−18−クラウン−6、メチルベンゾ15−クラウン−5、ジ−tert−ブチルベンゾ−15−クラウン−5、メチルベンゾ−18−クラウン−6、tert−ブチルベンゾ−18−クラウン−6、ベンゾ−15−クラウン−5、シクロヘキサノ−15−クラウン−5、tert−ブチルベンゾ−15−クラウン−5、ニトロベンゾ−15−クラウン−5、ベンゾ−18−クラウン−6、ジベンゾ−24−クラウン−8、ニトロベンゾ18−クラウン−6、ベンゾ−12−クラウン−4、16−クラウン−5、2,2−ジメチル−1,3,6,9−テトラオキサ−2−シラシクロウンデカン、1−フェニル−4,7,10,13−テトラオキサ−1−アザシクロペンタデカン、21−クラウン−7、24−クラウン−8、15−(2,5−ジオキサヘキシル)−15−メチル−16−クラウン−5、13−クラウン−4、14−クラウン−4、15−クラウン−4、16−クラウン−4、ジメチルシラ−20−クラウン−7、ジベンゾ−20−クラウン−6、ジベンゾ−22−クラウン−6、ジベンジル−14−クラウン−4、ベンゾ−13−クラウン−4、15,15−ジメチル−16−クラウン−5、ドデシルオキシメチル−18−クラウン−6、1,4,7,10,13,ジベンゾ−30−クラウン−10、ジベンゾ−14−クラウン−4、ジシクロヘキサノ−27−クラウン−9、ジシクロヘキサノ−30−クラウン−10、ベンゾ−9−クラウン−3、ジベンゾ−16−クラウン−5、30−クラウン−10、ペルフルオロ−15−クラウン−5、ペルフルオロ−12−クラウン−4、ペルフルオロ−18−クラウン−6、ペルフルオロジシクロヘキサノ−24−クラウン−8、ナフト−15−クラウン−5、12−クラウン−3、60−クラウン−20、81−クラウン−27、ジ−tert−ブチルジベンゾ−24−クラウン−8、ジ−tert−ブチルジベンゾ−14−クラウン−4、ジ−tert−ブチルジベンゾ−18−クラウン−6、ジ−tert−ブチルジベンゾ−16−クラウン−5、18−クラウン−5、19−クラウン−6、ジ−tert−ブチルジベンゾ−21−クラウン−7、9−クラウン−3、フラノトリベンゾ−21−クラウン−7、N,N’−ジメチルシアノジアザ−18−クラウン−6、15−メチレン−16−クラウン−5、2,2−ジフェニル−11−クラウン−4、2,2−ジフェニル−14−クラウン−5、2,2−ジフェニル−17−クラウン−6、2,2−ジフェニル−20−クラウン−7、ジシクロヘキサノ−21−クラウン−7、1,5−ナフト−22−クラウン−6、デシル−18−クラウン−6、ベンジルオキシメチル−12−クラウン−3、ビス(m−フェニレン)−32−クラウン−10、ジベンゾ−15−クラウン−5、トリベンゾ−18−クラウン−6、トリベンゾ−21−クラウン−7、テトラベンゾ−24−クラウン−8、4’,5’−ジブロモベンゾ−15−クラウン−5、ベンゾ−24−クラウン−8、ベンゾ−21−クラウン−7、15−クラウン−3、20−クラウン−4、25−クラウン−5、30−クラウン−6、35−クラウン−7、40−クラウン−8、45−クラウン−9、50−クラウン−10、55−クラウン−11、60−クラウン−12、70−クラウン−14、メチル−18−クラウン−6、2,3−ジメチル−18−クラウン−6、1−メチル−1−アザ−18‐クラウン−6、1,10−ジメチル−1,10−ジアザ−18−クラウン−6、ジ−tert−ブチルジシクロヘキサノ−18−クラウン−6、36−クラウン−4、40−クラウン−4、ナフト−18−クラウン−6、ビス−4,4’(5’)−[tert−ブチルシクロヘキサノ]−18−クラウン−6、4,5’−ジ−tert−ブチルジシクロヘキサノ−18−クラウン−6、ナフト−9−クラウン−3、ナフト−12−クラウン−4、4,4’,4’’,5’’’−テトラ−tert−ブチルテトラベンゾ−24−クラウン−8、4,4’,4’’,5’’’−テトラ−tert−ブチルテトラベンゾ−24−クラウン−8、4,5’,4’’,5’’’テトラ−tert−ブチルテトラベンゾ−24−クラウン−8、ジベンゾ−27−クラウン−9、ジベンゾ−16−クラウン−4、ベンゾ−30−クラウン−10、[2,8]ジベンゾ−30−クラウン−10、ベンゾ−33−クラウン−11、ジベンゾ−48−クラウン−16、[4,7]ジベンゾ−33−クラウン−11、ベンゾ−27−クラウン−9、ビスナフト−9−クラウン−3、ジベンゾ−28−クラウン−6、ナフト−24−クラウン−8、4,5’−ジ−tert−ブチルジベンゾ−18−クラウン−6、ベンゾ−14−クラウン−4、ベンゾ−17−クラウン‐5、ベンゾ−20−クラウン−6、ジメチルジベンゾ−24−クラウン−8等を挙げることができる。
第四級アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウム、トリメチルエチルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、トリプロピルメチルアンモニウム、トリブチルメチルアンモニウム、トリオクチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、トリメチルプロピルアンモニウム、トリメチルフェニルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、ジアリルジメチルアンモニウム、n−オクチルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、セチルジメチルエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラ−n−ブチルアンモニウム、β−メチルコリンおよびフェニルトリメチルアンモニウム等の臭化塩、塩化塩、ヨウ化塩、硫酸水素塩および水酸化物等を挙げることが出来る。
第四級ホスホニウム塩としては、テトラメチルホスホニウム、トリメチルエチルホスホニウム、ジメチルジエチルホスホニウム、トリエチルメチルホスホニウム、トリプロピルメチルホスホニウム、トリブチルメチルホスホニウム、トリオクチルメチルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム、トリメチルプロピルホスホニウム、トリメチルフェニルホスホニウム、ベンジルトリメチルホスホニウム、ジアリルジメチルホスホニウム、n−オクチルトリメチルホスホニウム、ステアリルトリメチルホスホニウム、セチルジメチルエチルホスホニウム、テトラプロピルホスホニウム、テトラ−n−ブチルホスホニウム、フェニルトリメチルホスホニウム、メチルトリフェニルホスホニウム、エチルトリフェニルホスホニウムおよびテトラフェニルホスホニウム等の臭化塩、塩化塩、ヨウ化塩、硫酸水素塩および水酸化物等を挙げることが出来る。
上記相間移動触媒のうち、第四級アンモニウム塩および/または第四級ホスホニウム塩が好ましく用いられるが、特に、トリオクチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、テトラ−n−ブチルアンモニウムの臭化塩、塩化塩、硫酸水素塩および水酸化物がより好ましく用いられる。
相間移動触媒は、単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いても良い。相間移動触媒の添加量は、触媒量でよく、式(2)で示される化合物に対して、好ましくは0.001〜0.5モル倍、より好ましくは、0.01〜0.1モル倍であるとよい。
反応終了後は、反応混合物を水で洗浄し、水層を分離し、得られた油層を加熱減圧下で、溶媒を留去することにより、目的物を得ることが出来る。また、晶析、カラムクトマトグラフィー等の常法により精製することも可能である。
以下、実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに制限されるものではない。
実施例1および2において、スルフィド化合物中の2−メチル−1−[4−(1,2−ジヒドロキシプロピルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノンの含有量、すなわち2−メチル−1−[4−(1,2−ジヒドロキシプロピルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノンの化学純度は、高速液体クロマトグラフィー法(以下、「HPLC」と略す。)で、以下の分析条件で分析したもの(HPLC area%)である。
・カラム: YMC―Pack ODS−AM303 4.6φ×250mm
・カラム温度: 40℃
・移動相:
A:0.05%(v/v)リン酸水溶液
B:アセトニトリル
(グラジエント) 0min. A:B=50:50
5min. A:B=50:50
20min. A:B= 5:95
45min. A:B= 5:95
・流量:1ml/min
・注入量: 0.5μl
・検出: 紫外(UV)検出 波長210nm
・分析時間: 45分
・分析サンプル調製:サンプル0.05gを秤量し、エチレングリコールジメチルエーテル約25mlに溶解させた。
・カラム: YMC―Pack ODS−AM303 4.6φ×250mm
・カラム温度: 40℃
・移動相:
A:0.05%(v/v)リン酸水溶液
B:アセトニトリル
(グラジエント) 0min. A:B=50:50
5min. A:B=50:50
20min. A:B= 5:95
45min. A:B= 5:95
・流量:1ml/min
・注入量: 0.5μl
・検出: 紫外(UV)検出 波長210nm
・分析時間: 45分
・分析サンプル調製:サンプル0.05gを秤量し、エチレングリコールジメチルエーテル約25mlに溶解させた。
(実施例1)
温度計、冷却管および撹拌機を取り付けた500ml四つ口フラスコに、2−メチル−1−[4−クロロフェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン33.0g(0.1235mol)、DMF165g、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール17.4g(0.1606mol)を仕込み、系内を窒素置換した。これに48%水酸化ナトリウム水溶液12.4g(0.1482mol)を添加した。この混合液を窒素雰囲気下、80℃で7時間撹拌し、反応を行った。反応が終了した後、水100g、酢酸エチル100gで、生成した塩を溶解し、水層と油層とを分離した。油層をさらに100gの水で洗浄し、水層と油層とを分離した。水での洗浄を数回繰り返した後、油層からトルエンと未反応の3−メルカプト−1,2−プロパンジオールとを減圧下留去すると、2−メチル−1−[4−(1,2−ジヒドロキシプロピルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノンを主成分とする黄土色の粘性液体が得られた。この液体を酢酸エチル/ヘプタン混合溶媒から晶析、単離することにより白色固体を得た。このスルフィド化合物の収量は、21.0g(理論収量の50%)であった。また、スルフィド化合物の化学純度を、HPLCを使用して前述した方法で測定したところ99%(HPLC area%)であった。
温度計、冷却管および撹拌機を取り付けた500ml四つ口フラスコに、2−メチル−1−[4−クロロフェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン33.0g(0.1235mol)、DMF165g、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール17.4g(0.1606mol)を仕込み、系内を窒素置換した。これに48%水酸化ナトリウム水溶液12.4g(0.1482mol)を添加した。この混合液を窒素雰囲気下、80℃で7時間撹拌し、反応を行った。反応が終了した後、水100g、酢酸エチル100gで、生成した塩を溶解し、水層と油層とを分離した。油層をさらに100gの水で洗浄し、水層と油層とを分離した。水での洗浄を数回繰り返した後、油層からトルエンと未反応の3−メルカプト−1,2−プロパンジオールとを減圧下留去すると、2−メチル−1−[4−(1,2−ジヒドロキシプロピルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノンを主成分とする黄土色の粘性液体が得られた。この液体を酢酸エチル/ヘプタン混合溶媒から晶析、単離することにより白色固体を得た。このスルフィド化合物の収量は、21.0g(理論収量の50%)であった。また、スルフィド化合物の化学純度を、HPLCを使用して前述した方法で測定したところ99%(HPLC area%)であった。
このスルフィド化合物は低臭気性化合物であり、また、得られた化合物をトルエン、ヘキサン、アセトン、メタノール、アセトニトリル、THF、DMSO、NMP等の各種溶剤に溶解させたところ、任意の割合で混合し、更に−25℃まで冷却しても分離析出することはなかった。
(実施例2)
実施例1において、DMFをDMSOに変更し、48%水酸化ナトリウム水溶液から48%水酸化カリウム水溶液に変更した以外は、実施例1と同様に実施したところ、2−メチル−1−[4−(1,2−ジヒドロキシプロピルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノンを主成分とする白色固体が得られた。このスルフィド化合物の化学純度は95%(HPLC area%)であった。
実施例1において、DMFをDMSOに変更し、48%水酸化ナトリウム水溶液から48%水酸化カリウム水溶液に変更した以外は、実施例1と同様に実施したところ、2−メチル−1−[4−(1,2−ジヒドロキシプロピルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノンを主成分とする白色固体が得られた。このスルフィド化合物の化学純度は95%(HPLC area%)であった。
図1に、実施例1で得られたスルフィド化合物の水素核磁気共鳴(1H−NMR)スペクトルチャート、図2に赤外(IR)吸収スペクトルチャートを示す。
以上の結果をもって、得られたスルフィド化合物が2−メチル−1−[4−(1,2−ジヒドロキシプロピルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノンであると同定した。
Claims (6)
- 塩基の存在下、非プロトン性極性溶媒中で反応させる請求項2に記載のスルフィド化合物の製造方法。
- 前記非プロトン性極性溶媒が、スルホキシド化合物、スルホラン化合物、アミド化合物、ニトリル化合物、エーテル化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項3に記載のスルフィド化合物の製造方法。
- 前記塩基が、アルカリ金属水素化物、アルカリ土類金属水素化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ土類金属アルコキシド、アルカリ金属フッ化物、アミンからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項3または4に記載のスルフィド化合物の製造方法。
- 窒素雰囲気下で行われる請求項2〜5のいずれかに記載のスルフィド化合物の製造方法。
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