JP4991184B2 - アルキルイミダゾールの製造方法 - Google Patents
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すなわち本発明は、グリオキサール類又はそのアセタール類又はそのケタール類(a)、アルデヒド(b)、一級アミン(c)、及びアンモニア(d)を反応させて一般式(1)で示されるアルキルイミダゾール(E)を製造する方法であって、グリオキサール類又はそのアセタール類又はそのケタール類(a)のモル数をxa、アルデヒド(b)のモル数をxb、一級アミン(c)のモル数をxc、及びアンモニア(d)のモル数をxdとするとき、下記の式(1)〜(3)を同時に満足させて反応させることを特徴とするアルキルイミダゾール(E)の製造方法である。
(xc+xd)/(xa+xb) ≧1 (1)
xb/xa=1.6〜3.5 (2)
xc/xd=1.6〜3.5 (3)
(xc+xd)/(xa+xb) ≧1 (1)
xb/xa=1.6〜3.5 (2)
xc/xd=1.6〜3.5 (3)
(xc+xd)/(xa+xb) ≧1 (1’)
xb/xa=1.75〜2.25 (2’)
xc/xd=1.75〜2.25 (3’)
(1)(c)と(d)の混合物に、(a)と(b)の混合物を滴下する、
(2)(a)、(b)、(c)、及び(d)を同時に滴下する
方法が挙げられる。
これらのなかで、(1)の方法が特に好ましい。
溶媒としては、反応に不活性な水、有機溶媒及びそれらの混合物が挙げられる。有機溶媒としては、例えば、ニトリル(アセトニトリル、プロピオノニトリル、ベンゾニトリル等)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン等)、アミド(ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、モノアルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等)、グリコール(エチレングリコール、ジエチレングリコール等)、モノエーテル(ジメチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、ジエーテル(エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、1,3−ジオキサン等)、カーボネート(エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等)、エステル(酢酸エチル、マレイン酸ジエチル等)、ラクトン(γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等)、硫黄含有溶剤(ジメチルスルホキシド、スルホラン等)、ハロゲン化炭化水素(クロロホルム、ジクロロメタン等)、炭化水素(ヘキサン、トルエン等)及びこれらの溶媒の二種以上の混合物が挙げられる。上記のうちで好ましいものは、水、及び水と混和し得る溶媒と水との混合物、すなわち水性媒質である。水性媒質としては水、及び水とモノアルコール、モノエーテル、ニトリル、ケトン、アミド、グリコール、ジエーテル、カーボネート、ラクトン、硫黄含有溶剤との混合溶媒であり、これらのうちで好ましいのは水、及び水とモノアルコール、モノエーテル、ニトリルとの混合溶媒であり、最も好ましいのは水である。
上記水性媒質において、水と混和し得る溶媒と水との混合比率は好ましくは90:10〜0:100であり、さらに好ましくは50:50〜0:100である。
溶媒の使用量は(a)+(b)+(c)+(d)の重量に対し、好ましくは0.5〜10倍重量であり、さらに好ましくは1〜5倍重量程度である。アルキルイミダゾール(E)を得る反応溶液の粘度(25℃)は好ましくは0.1〜10,000mPa・sであり、さらに好ましくは0.1〜500mPa・sである。
(1)ジアルデヒド類
グリオキサール等。
(2)ジケトン類
ビアセチル、アセチルピロプオニル、アセチルブチリル、アセチルイソブチリル、 ジプロピオニル、ジブチリル等。
(3)ケトアルデヒド類
メチルグリオキサール、エチルグリオキサール、プロピルグリオキサール、ブチルグリオキサール等。
(4)アセタール、ケタール類
グリオキサール−ビス−ジメチルアセタール、グリオキサール−ビス−ジメエチルアセタール、メチルグリオキサールジエチルアセタール、メチルグリオキサール−ビス−ジエチルアセタール等。
これらのうち好ましいのは、(1)ジアルデヒド類、(2)ジケトン類、(3)ケトアルデヒド類であり、さらに好ましいのはグリオキサール、ビアセチル、アセチルプロピオニル、メチルグリオキサール、エチルグリオキサールであり、特に好ましいのはグリオキサール、メチルグリオキサールである。これらのグリオキサール類又はそのアセタール類又はそのケタール類(a)は二種以上を用いてもよい。
アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、メチル−n−プロピルアルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒド、ビニルアセトアルデヒド、α−メチルアクロレイン等が挙げられる。
(1)アンモニア。
(2)炭酸アンモニウム塩類
炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等。
これらのうち好ましいのは、アンモニア、炭酸アンモニウムであり、特に好ましいのはアンモニアである。これらのアンモニアもしくはその炭酸塩(a2)は二種以上を用いてもよい。
(1)1,2位置換体
1−メチル−2−メチルイミダゾール、1−エチル−2−メチルイミダゾール、1−メチル−2−エチルイミダゾール、1−エチル−2−エチルイミダゾール、1−メチル−2−n−プロピルイミダゾール、1−メチル−2−i−プロピルメチルイミダゾール、1−n−プロピル−2−メチルイミダゾール、1−i−プロピル−2−メチルイミダゾール等。
1−メチル−2−メチル−4−メチルイミダゾール、1−エチル−2−メチル−4−メチルイミダゾール、1−メチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−メチル−2−メチル−4−エチルイミダゾール、1−エチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−エチル−2−エチル−4−エチルイミダゾール、1−n−プロピル−2−メチル−4−メチルイミダゾール、1−i−プロピル−2−メチル−4−メチルイミダゾール等。
1−メチル−2−メチル−5−メチルイミダゾール、1−エチル−2−メチル−5−メチルイミダゾール、1−メチル−2−エチル−5−メチルイミダゾール、1−メチル−2−メチル−5−エチルイミダゾール、1−エチル−2−エチル−5−メチルイミダゾール、1−エチル−2−エチル−5−エチルイミダゾール、1−n−プロピル−2−メチル−5−メチルイミダゾール、1−i−プロピル−2−メチル−5−メチルイミダゾール等。
1−メチル−2−メチル−4−メチル−5−メチルイミダゾール、1−エチル−2−メチル−4−メチル−5−メチルイミダゾール、1−メチル−2−エチル−4−メチル−5−メチルイミダゾール、1−メチル−2−メチル−4−エチル−5−メチルイミダゾール、1−メチル−2−メチル−4−メチル−5−エチルイミダゾール、1−エチル−2−エチル−4−メチル−5−メチルイミダゾール、1−エチル−2−エチル−4−エチル−5−エチルイミダゾール、1−n−プロピル−2−メチル−4−メチル−5−メチルイミダゾール、1−i−プロピル−2−メチル−4−メチル−5−メチルイミダゾール等。
これらのなかで、(1)1,2位置換体が好ましく、1−メチル−2−メチルイミダゾール、1−エチル−2−メチルイミダゾール、1−メチル−2−エチルイミダゾールがさらに好ましく、特に1−エチル−2−メチルイミダゾールが好ましい。
1位及び2位に置換基を有するアルキルイミダゾールを、ジアルキル炭酸、又は塩化アルキルのようなアルキル化剤で4級化し、次いで得られた炭酸エステル塩、又はクロロ塩に酸を加えることにより、対アニオンを炭酸エステルアニオン、又はクロルアニオンから該酸アニオンに交換することにより、アルキルイミダゾリウム塩が得られる。アルキルイミダゾリウム塩そのもの、又はアルキルイミダゾリウム塩を非水溶媒に溶解させることにより電気化学素子用電解液を製造することができる。
該アルキルイミダゾリウム塩は、一般式(3)で示されるアルキルイミダゾリウム塩(G)を主成分とし、一般式(4)で示されるアルキルイミダゾリウム塩(H)の含有量が少ない。このようなアルキルイミダゾリウム塩を電気化学素子、特に電気二重層用コンデンサーに用いた電解液は、耐電圧が高いという特長を有するので好ましい。
以下の製造例、実施例において成分分析はガスクロマトグラフィー(以下GCと記載。)で行った。
<GC分析条件>
測定機器:島津製 GC−14B
カラム: J&W Scientific社製 キャピラリーカラム DB−5
カラム温度:50℃〜250℃
注入口温度:250℃
<水分の分析法>
平沼産業株式会社製、カールフィシャー水分測定装置AQ−7を使用して測定した。
アルキルイミダゾール(E)の収率(%)は、100×[(E)のモル数]/[グリオキサール類又はそのアセタール類又はそのケタール類(a)のモル数]で計算した数値である。
撹拌装置、温度計、滴下ロート、還流冷却器、及び窒素ガス導入管を取り付けた反応フラスコに、エチルアミン(70%水溶液)151部(2.3モル)とアンモニア(25%水溶液)80部(1.2モル)の混合物(エチルアミン/アンモニア(モル比) (xc/xd)=2.0
)を仕込んだ。ここにグリオキザール(40%水溶液)170部(1.2モル)、アセトアルデヒド(30%水溶液)344部(2.3モル)の混合物(アセトアルデヒド/グリオキザール(モル比) (xb/xa)=2)を窒素気流下、フラスコ内温度を35〜45℃に保ちながら、滴下速度をグリオキザール0.3mol/hとし、4時間かけて全量を滴下した。滴下が終了したのち、40℃でさらに1時間熟成させて、反応混合物(X−1)を得た。(xc+xd)/(xa+xb) ≧1であった。 反応混合物(X−1)の水分は60wt%であった。1−エチル−2−メチルイミダゾール(E−1)の収率は59%であった。1−エチル−2−メチルイミダゾール(E−1)と1−エチルイミダゾール(F−1)の合計重量に対する(F−1)の含有量は7.0%であった。
撹拌装置、温度計、滴下ロート、還流冷却器、及び窒素ガス導入管を取り付けた反応フラスコに、エチルアミン(70%水溶液)263部(4.2モル)とアンモニア(25%水溶液)80部(1.2モル)の混合物(エチルアミン/アンモニア(モル比) (xc/xd)=3.5)を仕込んだ。ここにグリオキザール(40%水溶液)170部(1.2モル)、アセトアルデヒド(30%水溶液)602部(4.2モル)の混合物(アセトアルデヒド/グリオキザール(モル比) (xb/xa)=3.5)を窒素気流下、フラスコ内温度を35〜45℃に保ちながら、滴下速度をグリオキザール0.3mol/hとし、4時間かけて全量を滴下した。滴下が終了したのち、40℃でさらに1時間熟成させて、反応混合物(X−2)を得た。(xc+xd)/(xa+xb) ≧1であった。 反応混合物(X−2)の水分は59wt%であった。1−エチル−2−メチルイミダゾール(E−2)の収率((E−2)/グリオキザール(モル比))は61%であった。1−エチル−2−メチルイミダゾール(E−2)と1−エチルイミダゾール(F−2)の合計重量に対する(F−2)の含有量は9.1%であった。
撹拌装置、温度計、滴下ロート、還流冷却器、及び窒素ガス導入管を取り付けた反応フラスコに、エチルアミン(70%水溶液)121部(1.9モル)とアンモニア(25%水溶液)80部(1.2モル)の混合物(エチルアミン/アンモニア(モル比) (xc/xd)=1.6
)を仕込んだ。ここにグリオキザール(40%水溶液)170部(1.2モル)、アセトアルデヒド(30%水溶液)275部(1.9モル)の混合物(アセトアルデヒド/グリオキザール(モル比) (xb/xa)=1.6)を窒素気流下、フラスコ内温度を35〜45℃に保ちながら、滴下速度をグリオキザール0.3mol/hとし、4時間かけて全量を滴下した。滴下が終了したのち、40℃でさらに1時間熟成させて、反応混合物(X−3)を得た。(xc+xd)/(xa+xb) ≧1であった。 反応混合物(X−3)の水分は61wt%であった。1−エチル−2−メチルイミダゾール(E−3)の収率((E−3)/グリオキザール(モル比))は58%であった。1−エチル−2−メチルイミダゾール(E−3)と1−エチルイミダゾール(F−3)の合計重量に対する(F−3)の含有量は8.0%であった。
撹拌装置、温度計、滴下ロート、還流冷却器、及び窒素ガス導入管を取り付けた反応フラスコに、エチルアミン(70%水溶液)151部(2.3モル)とアンモニア(25%水溶液)80部(1.2モル)とグリオキザール(40%水溶液)170部(1.2モル)とアセトアルデヒド(30%水溶液)344部(2.3モル)を窒素気流下、フラスコ内温度を35〜45℃に保ちながら、それぞれの水溶液を同時に滴下した。(エチルアミン:アンモニア:グリオキザール:アセトアルデヒド(モル比) =(xc:xd:xa:xb)=2:1:1:2である。滴下速度をアンモニアとグリオキザールは0.3mol/hとし、エチルアミンとアセトアルデヒドは0.6mol/hとし、4時間かけて全量を滴下した。滴下が終了したのち、40℃でさらに1時間熟成させて、反応混合物(X−4)を得た。(xc+xd)/(xa+xb) =1であった。 反応混合物(X−4)の水分は60wt%であった。1−エチル−2−メチルイミダゾール(E−4)の収率は55%であった。1−エチル−2−メチルイミダゾール(E−4)と1−エチルイミダゾール(F−4)の合計重量に対する(F−4)の含有量は9.0%であった。
撹拌装置、温度計、滴下ロート、還流冷却器、及び窒素ガス導入管を取り付けた反応フラスコに、エチルアミン(70%水溶液)75部(1.2モル)とアンモニア(25%水溶液)80部(1.2モル)の混合物(エチルアミン/アンモニア(モル比) (xc/xd)=1)を仕込んだ。ここにグリオキザール(40%水溶液)170部(1.2モル)、アセトアルデヒド(30%水溶液)172部(1.2モル)の混合物(アセトアルデヒド/グリオキザール(モル比) (xb/xa)=1)を窒素気流下、フラスコ内温度を35〜45℃に保ちながら、滴下速度をグリオキザール0.3mol/hとし、4時間かけて全量を滴下した。滴下が終了したのち、40℃でさらに1時間熟成させて、反応混合物(X−1’)を得た。(xc+xd)/(xa+xb) ≧1.0であった。 反応混合物(X−1’)の水分は64wt%であった。1−エチル−2−メチルイミダゾール(E−1’)の収率((E−1’)/グリオキザール(モル比))は47%であった。1−エチル−2−メチルイミダゾール(E−1’)と1−エチルイミダゾール(F−1’)の合計重量に対する(F−1’)の含有量は20%であった。
撹拌装置、温度計、滴下ロート、還流冷却器、及び窒素ガス導入管を取り付けた反応フラスコに、エチルアミン(70%水溶液)151部(2.3モル)とアンモニア(25%水溶液)80部(1.2モル)の混合物(エチルアミン/アンモニア(モル比) (xc/xd)=2.0)を仕込んだ。ここにグリオキザール(40%水溶液)170部(1.2モル)、アセトアルデヒド(30%水溶液)172部(1.2モル)の混合物(アセトアルデヒド/グリオキザール(モル比) (xb/xa)=1.0)を窒素気流下、フラスコ内温度を35〜45℃に保ちながら、滴下速度をグリオキザール0.3mol/hとし、4時間かけて全量を滴下した。滴下が終了したのち、40℃でさらに1時間熟成させて、反応混合物(X−2’)を得た。(xc+xd)/(xa+xb) ≧1であった。 反応混合物(X−2’)の水分は59wt%であった。1−エチル−2−メチルイミダゾール(E−2’)の収率((E−2’)/グリオキザール(モル比))は44%であった。1−エチル−2−メチルイミダゾール(E−2’)と1−エチルイミダゾール(F−2’)の合計重量に対する(F−2’)の含有量は16%であった。
Claims (4)
- グリオキサール類又はそのアセタール類又はそのケタール類(a)、アルデヒド(b)、一級アミン(c)、及びアンモニア(d)を反応させて一般式(1)で示されるアルキルイミダゾール(E)を製造する方法であって、グリオキサール類又はそのアセタール類又はそのケタール類(a)のモル数をxa、アルデヒド(b)のモル数をxb、一級アミン(c)のモル数をxc、及びアンモニア(d)のモル数をxdとするとき、下記の式(1)〜(3)を同時に満足させて反応させることを特徴とするアルキルイミダゾール(E)の製造方法。
(xc+xd)/(xa+xb) ≧1 (1)
xb/xa=1.6〜3.5 (2)
xc/xd=1.6〜3.5 (3)
- 一級アミン(c)とアンモニア(d)の混合物に、グリオキサール類又はそのアセタール類又はそのケタール類(a)とアルデヒド(b)の混合物を滴下することを特徴とする請求項1に記載のアルキルイミダゾール(E)の製造方法。
- アルキルイミダゾール(E)が1,2−アルキルイミダゾールである請求項1又は2に記載のアルキルイミダゾール(E)の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法により得られた一般式(4)で示されるアルキルイミダゾール(E)の4級化物を酸交換反応することを特徴とする電気化学素子用電解液の製造方法。
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