JP2014008639A - インクジェットヘッドのメンテナンス装置及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】水分量を検知せずに保湿液の液面を一定に保つ機構により、簡易で安価な構成で保管状態時のヘッドの品質を維持する。
【解決手段】インクジェットヘッドのノズル面に形成されたノズルを保湿するための保湿液が貯留される保湿キャップと、前記保湿液の貯留量に応じて前記保湿キャップを昇降させて前記保湿液の液面を一定の高さに維持する昇降手段と、前記インクジェットヘッドのノズル面を前記保湿キャップに貯留された保湿液の液面と対向させて保持するヘッド保持手段とを備えたインクジェットヘッドのメンテナンス装置によって上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェットヘッドのメンテナンス装置及びインクジェット記録装置に関し、特にヘッドの保管時にノズルの乾燥を防止するメンテナンス技術に関する。
インクジェット記録装置では、ノズル内のインクの乾燥を防止しなければならない。このため、待機時(保管時)に、内部に保湿液が貯留されたキャップでヘッドを覆い、この保湿液の蒸散作用により、ノズル近傍の湿度を所望の範囲に維持することが行われている。
また、複数のヘッドモジュールから構成される長尺のヘッドにおいて、モジュール交換を前提としている場合には、モジュール間の繋ぎ合わせ部分に隙間が存在する。このため、ヘッドにキャップを当接させる方法による密閉空間を作ることができない。したがって、装置を長期保管した場合、保湿液の蒸散により、キャップ内部の水分量が減少する。このように、キャップ内部の水分量が減少すると、ヘッドと保湿液面との間の距離が広がってしまう。
ノズル近傍の湿度は、ヘッドと保湿液面との間の距離が支配的である。したがって、ヘッドと保湿液面との間の距離が広がると、ノズル近傍の湿度を所望の範囲に維持することができず、ノズル内のインクが乾燥し、ヘッドの品質が劣化してしまうという問題点があった。
これに対し、特許文献1には、キャップユニット内にセンサ等の水分量を検知する検知手段を設け、さらにこの検知の結果により水を補充したり、インクを用いてキャップ内に水分を補充する供給手段を設けたインクジェット記録装置が開示されている。
この技術によれば、使用条件や使用環境条件によるキャップ内の水分量の不適量状態を解消でき、出射不良等の問題を解決することができる。
特開2003―182098号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、装置内に水分量を検知するためのセンサ、基板、電源等を組み込む必要があるため、装置が複雑で大型化してしまうという欠点がある。
また、装置の電源を遮断している間であっても、本体の電源とは別の電源を常に起動させておく必要があるため、ランコストが増加するという問題点もあった。
さらに、特許文献1には、キャップの密閉度、及びヘッドと液面間の距離に関しては言及されていない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、水分量を検知せずに保湿液の液面を一定に保つ機構により、簡易で安価な構成で保管状態時のヘッドの品質を維持するインクジェットヘッドのメンテナンス装置及びインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するためにインクジェットヘッドのメンテナンス装置の一の態様は、インクジェットヘッドのノズル面に形成されたノズルを保湿するための保湿液が貯留される保湿キャップと、保湿液の貯留量に応じて保湿キャップを昇降させて保湿液の液面を一定の高さに維持する昇降手段と、インクジェットヘッドのノズル面を保湿キャップに貯留された保湿液の液面と対向させて保持するヘッド保持手段とを備えた。
本態様によれば、保湿液の貯留量に応じて保湿キャップを昇降させて保湿液の液面を一定の高さに維持するようにしたので、保湿液の液面とインクジェットヘッドのノズル面との距離を一定に保つことができ、簡易で安価な構成で保管状態時のヘッドの品質を維持することができる。
昇降手段は、保湿キャップに貯留された保湿液の質量に応じて変位する変位手段を備えることが好ましい。これにより、適切に保湿液の貯留量に応じて保湿キャップを昇降させることができる。
変位手段は弾性体であることが好ましい。これにより、適切に保湿液の液面を一定の高さに維持することができる。
保湿液の液面の面積をA、保湿液の密度をρ、重力加速度をgとしたときに、弾性体のバネ定数kは、k=A×ρ×gで表されることが好ましい。これにより、適切に保湿液の液面を一定の高さに維持することができる。
ヘッド保持手段は、ノズル面と水平面とに所定の角度を持たせてインクジェットヘッドを保持し、保湿キャップを所定の角度に対して垂直方向にスライド移動自在とするスライドガイドを備え、弾性体は、所定の角度に対して垂直方向に変位して保湿キャップを昇降させてもよい。これにより、記録媒体をドラム搬送するインクジェット記録装置において、インクジェットヘッドがドラムの周面に沿ってノズル面が水平面から所定の角度を有して保持されている場合であっても、適切にノズルを保湿することができる。
所定の角度をθ、保湿液の液面の面積をA、保湿液の密度をρ、重力加速度をgとしたときに、弾性体のバネ定数k´は、k´=A×ρ×g×cosθで表されることが好ましい。これにより、適切に保湿液の液面を一定の高さに維持することができる。
昇降手段は、一端に保湿キャップを保持するとともに他端にバランス荷重部材を保持したシーソー手段であってもよい。これにより、適切に保湿液の液面を一定の高さに維持することができる。
保湿キャップの開口部は、ノズル面よりも大きい。これにより、保湿キャップとインクジェットヘッドのノズル面との衝突を防止することができる。
保湿キャップに保湿液を供給する保湿液供給手段を備えてもよい。これにより、保湿液を切らすことなく、適切にノズルを保湿することができる。
前記目的を達成するためにインクジェット記録装置の一の態様は、インクを吐出するノズルが形成されたノズル面を備えたインクジェットヘッドと、インクジェットヘッドと記録媒体とを相対的に移動させる移動手段と、インクジェットヘッドと記録媒体とを相対的に移動させながらノズルからインクを吐出させて記録媒体の記録面に画像を形成させる制御手段と、上記に記載のインクジェットヘッドのメンテナンス装置とを備えた。
本態様によれば、保湿液の貯留量に応じて保湿キャップを昇降させて保湿液の液面を一定の高さに維持するようにしたので、保湿液の液面とインクジェットヘッドのノズル面との距離を一定に保つことができ、簡易で安価な構成で保管状態時のヘッドの品質を維持することができる。
インクジェットヘッドは、インクを吐出するノズルが形成されたヘッドモジュールを複数並べて固定部材に組み込むことで1つのヘッドとして構成されたインクジェットヘッドであってもよい。本態様によれば、ヘッドモジュール間に隙間が生じている場合であっても、適切にノズルを保湿することができる。
本発明によれば、保湿液の貯留量に応じて保湿キャップを昇降させて保湿液の液面を一定の高さに維持するようにしたので、保湿液の液面とインクジェットヘッドのノズル面との距離を一定に保つことができ、簡易で安価な構成で保管状態時のヘッドの品質を維持することができる。
本発明によれば、保湿キャップ内の保湿液の液面の位置を一定に保つことができるので、保湿液の液面とヘッドとの距離を一定に保ち、ノズル近傍の湿度を所望の範囲に維持し、ヘッドの保管状態の品質を維持することができる。
インクジェットヘッドのメンテナンス装置を模式的に示した図 インクジェットヘッドの底面の大きさと、保湿キャップの開口面の大きさとを比較するための図 常温における液面からの距離とその位置における湿度との関係を示すグラフ 保湿キャップの一辺がインクジェットヘッドの底面の一辺以下のメンテナンス装置を示す図 インクジェット記録装置の要部の構成を示す正面図 インクジェット記録装置の要部の構成を示す平面図 インクジェット記録装置の要部の構成を示す側面図 ヘッドの斜視図 ノズル面の平面図 メンテナンス装置の側面図 インクジェット記録装置の変形例の要部の構成を示す正面図 メンテナンス装置の変形例の側面図 インクジェットヘッドのメンテナンス装置を模式的に示した図 インクジェット記録装置の要部の構成を示す正面図 インクジェット記録装置の要部の構成を示す平面図 インクジェット記録装置の要部の構成を示す側面図 ノズル面と水平面とが成す角を説明するための図 メンテナンス装置の要部の構成を示す側面図 メンテナンス装置を模式的に示した図
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施形態について詳説する。
<第1の実施形態>
〔メンテナンス装置の構成〕
図1(a)は、本実施形態に係るインクジェットヘッドのメンテナンス装置100を模式的に示した図である。同図に示すように、メンテナンス装置100は、ヘッド保持部104、保湿液106、保湿キャップ108、弾性部材110等を備えて構成される。
インクジェットヘッド102は、ノズル面102aに配置された複数のノズルから制御部(不図示)の指令に基づいてインク滴を吐出することで、記録媒体の記録面に画像を形成する。ヘッド保持部104は、インクジェットヘッド102のノズル面102aが水平面と平行になるように下方に向けてインクジェットヘッド102を保持する。
保湿液106は、インクジェットヘッド102のノズルから吐出するインクの溶媒と同じ溶媒を含む液体であり、例えば水を主成分とした液体である。
保湿キャップ108には、保湿液106が貯留される。図2は、インクジェットヘッド102の底面の大きさと、保湿キャップ108の開口面の大きさとを比較するための図である。同図に示すように、インクジェットヘッド102の底面の大きさを横x、縦y、保湿キャップ108の開口面の大きさを横x、縦yとしたとき、x<x、かつy<yを満たす。
このように、保湿キャップ108は、その開口面がインクジェットヘッド102の底面よりも大きく構成されており、インクジェットヘッド102の底面(ノズル面102aを有する面)を開口面から収容することが可能となっている。
図1(a)の説明に戻り、保湿キャップ108は、その底面において弾性部材110によって保持されている。弾性部材110は、保湿キャップ108の内部に貯留された保湿液106の質量に応じて変位する弾性体(変位手段の一例)であり、保湿キャップ108を上方向に押圧して保持している。
ここで、保湿キャップ108の開口面積(保湿キャップ108の内部に貯留された保湿液106の気液界面の面積)をA(ここでは、x×y)[m]、保湿液106の密度をρ[kg/m]、重力加速度をg[N/m]とすると、弾性部材110のバネ定数kは、
k=A×ρ×g …(式1)
に設定されている。
弾性部材110としては、一般的な圧縮コイルバネの他、スポンジ、空気バネ等を用いることができる。
〔メンテナンス装置の動作〕
図1(a)に示すように、ヘッド保持部104は、インクジェットヘッド102のノズル面102aと、保湿キャップ108内の保湿液106の液面とが平行に対向するように、かつその間の距離がsとなる位置に、インクジェットヘッド102を固定して保持している。
保湿キャップ108内の保湿液106の液面との距離がsとなる位置にインクジェットヘッド102のノズル面102aを対向させて、インクジェットヘッド102を固定して保持している。
保湿キャップ108の内部に貯留している保湿液106の蒸散作用により、ノズル面102aの湿度(ノズル近傍の湿度)は、所望の範囲(例えば80%)に維持される。
図3は、常温における液面からの距離とその位置における湿度との関係を示すグラフである。このグラフからわかるように、ノズル近傍の湿度は、インクジェットヘッド102と保湿液106の液面の間の距離が支配的な要因となって決まる。
本実施形態では、インクジェットヘッド102と保湿キャップ108とを当接させていないため、保湿キャップ108の内部の保湿液106は、蒸発により減少する。
ここで、図1(b)に示すように、保湿液106の減少により、保湿キャップ108の内部における保湿液106の液面がhだけ下降したとする。このとき、減少した保湿液106の重量はρ×A×h[kg]であるから、弾性部材110の変位量xは、
x=F/k=(ρ×A×h×g)/(A×ρ×g)=h
となる。このように、保湿キャップ108の内部における保湿液106の液面の下降量と、弾性部材110の変位量は等しい。その結果、保湿キャップ108の内部の保湿液106が蒸発して減少して液面が下降した分だけ弾性部材110により保湿キャップ108が上昇し、保湿キャップ108の外部から見た保湿液106の液面の高さは一定に保たれる。
即ち、保湿液106の減少量にかかわらず、ノズル面102aと保湿液106の液面との距離は、当初の設定距離sで一定となる。したがって、保湿液106の減少量(蒸発量)にかかわらず、ノズル面102aの湿度を適切な湿度に維持することができる。
このように、本実施形態によれば、保湿液の量を検知することなく保湿液の液面を一定の高さに維持することができるので、インクジェットヘッドのノズル面と保湿液の液面との距離を一定にすることができる。これにより、簡易で安価な構成で保管状態時のインクジェットヘッドのノズル面の湿度を適切な湿度に維持することができ、インクジェットヘッドの品質を維持することができる。
また、本実施形態によれば、保湿キャップが上昇しても、保湿キャップとインクジェットヘッドが衝突することがない。
例えば、図4(a)は、保湿キャップ108´の一辺がインクジェットヘッド102の底面の一辺以下(即ち、図2の例においてx≧x、又はy≧yが成り立つ)のメンテナンス装置100´を示す図である。このメンテナンス装置100´において、保湿キャップ108´の上端とインクジェットヘッド102の底面との距離をcとする。
保湿キャップ108´内の保湿液106が蒸発により減少し、弾性部材110により保湿キャップ108´が上昇する。図4(b)に示すように、この上昇量がcを超えると、インクジェットヘッド102の底面と保湿キャップ108´の上端が衝突する。
これに対し、本実施形態では、保湿キャップの開口面をインクジェットヘッドの底面よりも大きくすることで、保湿キャップが上昇した際の保湿キャップとインクジェットヘッドの衝突を回避している。
なお、この衝突を回避するために、保湿キャップ内の保湿液が空になった場合の保湿キャップの上端の位置よりも、インクジェットヘッドの底面の方が高い位置となるようにインクジェットヘッドを保持する態様も可能である。
なお、本実施形態では、保湿液の密度を一定として考えているが、保湿液の水分の蒸散により密度が変化する場合には、バネ定数kの異なる複数の弾性部材を組み合わせて保湿キャップを保持することで、保湿液の液面を一定の高さに維持することができる。
<第2の実施形態>
〔インクジェット記録装置の構成〕
次に、第2の実施形態に係るインクジェット記録装置について説明する。図5、図6、図7は、それぞれインクジェット記録装置の要部の構成を示す正面図、平面図、側面図である。
同図に示すように、このインクジェット記録装置10は、シングルパス方式のラインプリンタであり、主として、記録媒体である用紙(枚葉紙)Pを搬送する用紙搬送機構20と、用紙搬送機構20によって搬送される用紙Pに向けてシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、クロ(K)の各色インク滴を吐出するヘッドユニット30と、ヘッドユニット30に装着された各ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス装置40とで構成される。
用紙搬送機構20は、ベルト搬送機構で構成され、走行するベルト22に用紙Pを吸着させて、用紙PをY方向に水平に搬送する。
ヘッドユニット30は、主として、シアンのインク滴を吐出するヘッド32Cと、マゼンタのインク滴を吐出するヘッド32Mと、イエロのインク滴を吐出するヘッド32Yと、クロのインク滴を吐出するヘッド32Kと、各ヘッド32C、32M、32Y、32Kが取り付けられるヘッド支持フレーム38と、ヘッド支持フレーム38を移動させるヘッド支持フレーム移動機構(不図示)とで構成される。
ヘッド(インクジェットヘッド)32C、32M、32Y、32Kは、印刷対象とする用紙Pの最大用紙幅(Y方向に直交するX方向の幅)に対応したラインヘッドで構成される。なお、各ヘッド32C、32M、32Y、32Kの構成は同じなので、以下においては、特に区別する場合を除いて、ヘッド32と記載する。
ヘッド32(32C、32M、32Y、32K)は、矩形のブロック状に形成され、その底部にノズル面33(33C、33M、33Y、33K)が形成される。
図8は、ヘッド32の斜視図である。同図では、ヘッド32の下方(斜め下方向)からノズル面33を見上げた様子が図示されている。ヘッド32は、複数個のヘッドモジュール34を用紙Pの幅方向に並べてハウジング36に固定し、長尺化している。ここでは17個のヘッドモジュール34を繋ぎ合わせた例を示しているが、モジュールの構成、モジュールの個数及び配列形態については、図示の例に限定されない。
ヘッドモジュール34のノズル面33に形成されるノズル50の個数及びその配列形態については、特に限定されないが、図9にその一例を示す。
図9は、ノズル面33の平面図(吐出側から見た図)であり、ここでは1つのヘッドモジュール34について示している。ここではノズル数を省略して描いているが、1つのヘッドモジュール34のノズル面33には、例えば、32×64個のノズル50が2次元配列されている。
このヘッドモジュール34は、X方向に対して角度γの傾きを有するv方向に沿った長辺側の端面と、Y方向に対して角度αの傾きを持つw方向に沿った短辺側の端面とを有する平行四辺形の平面形状となっている。図8に示すように、このように構成されたヘッドモジュール34をX方向に複数個繋ぎ合わせることにより、用紙Pの幅について全描画範囲をカバーするノズル列が形成され、1回の描画走査で所定の記録解像度(例えば、1200dpi)による画像記録が可能なフルライン型のヘッドが構成される。
また、本実施の形態のヘッド32は、いわゆるピエゾ方式でノズル50からインクの液滴を吐出させる。各ノズル50は、それぞれ圧力室に連通されており、この圧力室の壁面をピエゾ素子で振動させることにより、ノズル50からインクの液滴が吐出される。なお、インクの吐出方式は、これに限らずサーマル方式で吐出させる構成とすることもできる。
図5〜6の説明に戻り、ヘッド支持フレーム38(ヘッド保持手段に相当)は、各ヘッド32を取り付けるためのヘッド取付部(不図示)を備えている。各ヘッド32は、このヘッド取付部に着脱自在に取り付けられる。
ヘッド支持フレーム38に取り付けられた各ヘッド32は、用紙Pの搬送方向(Y方向)に対して直交して配置される。また、用紙Pの搬送方向に沿って所定の順で一定の間隔をもって配置される(本例では、シアン、マゼンタ、イエロ、クロの順で配置される。)。
また、ヘッド取付部は、ヘッド支持フレーム38に昇降自在に設けられており、図示しない昇降機構によって昇降する。ヘッド取付部に取り付けられた各ヘッド32は、この昇降機構によって、用紙Pの搬送面に対して垂直に昇降する。
ヘッド支持フレーム移動機構は、用紙搬送機構20の上方位置でヘッド支持フレーム38をX方向に水平にスライド移動させる。
このヘッド支持フレーム移動機構は、例えば、用紙搬送機構20を跨いで水平に設置される天井フレームと、その天井フレームに敷設されるガイドレールと、ガイドレール上をスライド移動する走行体と、その走行体をガイドレールに沿って移動させる駆動手段(例えば、送りねじ機構など)で構成される。ヘッド支持フレーム38は、走行体に取り付けられて、水平にスライド移動する。
ヘッド支持フレーム38は、このヘッド支持フレーム移動機構に駆動されて、所定の「画像記録位置」と「メンテナンス位置」との間を移動可能に設けられる。
ヘッド支持フレーム38は、画像記録位置に位置すると、用紙搬送機構20の上方に配置される。これにより、用紙搬送機構20によって搬送される用紙Pの記録面に、各色のインクを吐出して画像を記録することが可能となる。
一方、メンテナンス位置に位置すると、メンテナンス装置40の設置位置に配置される。
〔メンテナンス装置の構成と動作〕
図6に示すように、メンテナンス装置40は、4つのヘッド32C、32M、32Y、32Kをそれぞれ保湿可能な4つの保湿キャップ42C、42M、42Y、42Kを備えている。
保湿キャップ42C、42M、42Y、42Kには、それぞれ保湿液供給機構(不図示)により保湿液が充填されている。また、保湿キャップ42C、42M、42Y、42Kは、その底面において弾性部材44C、44M、44Y、44Kによって保持されている。保湿キャップ42の開口面積(保湿キャップ42の内部に貯留された保湿液の気液界面の面積)をA[m]、保湿液の密度をρ[kg/m]、重力加速度をg[N/m]とすると、弾性部材44は、そのバネ定数kが(式1)の値に設定されており、保湿キャップ42を上方向に押圧して保持している。
図10は、メンテナンス装置40の側面図である。メンテナンス位置において、各ヘッド32C、32M、32Y、32Kは、昇降機構(不図示)によって、それぞれ保湿キャップ42C、42M、42Y、42K内の保湿液の液面に対して垂直に昇降される。昇降機構は、各ヘッド32C、32M、32Y、32Kのノズル面33C、33M、33Y、33Kと、保湿キャップ42C、42M、42Y、42K内の保湿液の液面との距離がsとなる位置にヘッド支持フレーム38を固定して保持する。
したがって、保湿キャップ42C、42M、42Y、42Kの内部に貯留している保湿液の蒸散作用により、ノズル面33C、33M、33Y、33Kの湿度(ノズル近傍の湿度)を所望の範囲(例えば80%)に維持することができる。
なお、各ヘッド32には、ヘッドモジュール34の繋ぎ合わせ部分に隙間が生じる場合があり、各ヘッド32と各保湿キャップ42C、42M、42Y、42Kとで密閉空間を作ることはできない。したがって、保湿キャップ42C、42M、42Y、42Kの内部の保湿液は、蒸発により減少する。
しかしながら、第1の実施形態と同様に、弾性部材44C、44M、44Y、44Kのバネ定数kは、それぞれ(式1)の値に設定されているため、保湿キャップ42Cの内部における保湿液の液面の下降量と弾性部材44Cの変位量、保湿キャップ42Mの内部における保湿液の液面の下降量と弾性部材44Mの変位量、保湿キャップ42Yの内部における保湿液の液面の下降量と弾性部材44Yの変位量、及び保湿キャップ42Kの内部における保湿液の液面の下降量と弾性部材44Kの変位量が、それぞれ等しくなる。
したがって、保湿キャップ42C、42M、42Y、42Kの内部の保湿液が減少して液面が下降した分だけ弾性部材44C、44M、44Y、44Kの変位により保湿キャップ42C、42M、42Y、42Kが上昇し、保湿キャップ42C、42M、42Y、42Kの外部から見た保湿液の液面は一定に保たれる。
即ち、保湿液の減少量にかかわらず、ノズル面33Cと保湿キャップ42C内の保湿液の液面との距離、ノズル面33Mと保湿キャップ42M内の保湿液の液面との距離、ノズル面33Yと保湿キャップ42Y内の保湿液の液面との距離、及びノズル面33Kと保湿キャップ42K内の保湿液の液面との距離は、それぞれsで一定となる。これにより、保湿液の減少量(蒸発量)にかかわらず、ノズル面33C、33M、33Y、33Kの湿度を適切な湿度に維持することができる。
本実施形態では、4つのヘッド32C、32M、32Y、32Kをそれぞれ保湿可能な4つの保湿キャップ42C、42M、42Y、42Kを備えているが、図11、図12に示すように、4つのヘッド32C、32M、32Y、32Kを同時に保湿可能な大きさを有する保湿キャップ42´を備えてもよい。
この場合は、保湿キャップ42´の開口面積(保湿キャップ42´の内部に貯留された保湿液の気液界面の面積)をA[m]、保湿液の密度をρ[kg/m]、重力加速度をg[N/m]とすると、バネ定数kが(式1)の値に設定された弾性部材44´により、保湿キャップ42´を上方向に押圧して保持すればよい。
なお、図11、図12に示した符号46は、保湿液供給部(保湿液供給手段に相当)であり、保湿液供給部46から保湿キャップ42´の内部に保湿液を供給することが可能となっている。これにより、保湿キャップ42´内の保湿液を空にすることがなく、常にヘッド32のノズル面33を保湿することができる。
このように、本実施形態によれば、保湿液の量を検知することなく保湿液の液面を一定の高さに維持することができるので、インクジェットヘッドのノズル面と保湿液の液面との距離を一定にすることができる。これにより、簡易で安価な構成で保管状態時のインクジェットヘッドのノズル面の湿度を適切な湿度に維持することができ、インクジェットヘッドの品質を維持することができる。
また、保湿キャップの開口面をヘッドの底面よりも大きくしたため、保湿キャップが上昇した際の保湿キャップとヘッドの衝突リスクを減らすことができる。
<第3の実施形態>
〔メンテナンス装置の構成〕
図13(a)は、本実施形態に係るインクジェットヘッドのメンテナンス装置120を模式的に示した図である。同図に示すように、メンテナンス装置120は、スライドガイド122、ヘッド保持部124、保湿液126、保湿キャップ128、弾性部材130等を備えて構成される。
インクジェットヘッド102は、第1の実施形態と同様に、インク滴を吐出する複数のノズルが配置されたノズル面102aを有している。ヘッド保持部124は、インクジェットヘッド102のノズル面102aを水平面に対して角度θ[°]だけ傾けて、インクジェットヘッド102を保持する。
保湿キャップ128は、第1の実施形態の保湿キャップ108と同様に、その開口面がインクジェットヘッド102の底面よりも大きく構成されており、インクジェットヘッド102の底面(ノズル面102aを有する面)を開口面から収容することが可能となっている。
保湿液126は、第1の実施形態の保湿液106と同様に、例えば水を主成分とした液体である。保湿キャップ128には、保湿液126が貯留される。
保湿キャップ128は、その底面において弾性部材130によって保持されるとともに、スライドガイド122により、水平面に対して角度θだけ傾けて載置される。スライドガイド122は、保湿キャップ128と接触し、保湿キャップ128のスライド移動をガイドするガイド部材である。弾性部材130は、保湿キャップ128を鉛直方向から角度θだけ傾いた方向に押圧して保持しており、保湿キャップ128は、スライドガイド122に沿って鉛直方向に対して角度θだけ傾いた方向に移動可能となっている。
ここで、保湿キャップ128の内部に貯留された保湿液126の気液界面の面積をA´[m]、保湿液126の密度をρ[kg/m]、重力加速度をg[N/m]とすると、弾性部材130のバネ定数k´は、
k´=A´×ρ×g×cosθ …(式2)
に設定されている。
弾性部材130としては、一般的な圧縮コイルバネの他、スポンジ、空気バネ等を用いることができる。
〔メンテナンス装置の動作〕
図13(a)に示すように、ヘッド保持部124は、インクジェットヘッド102のノズル面102aと、保湿キャップ128内の保湿液126の液面とが角度θだけ傾いて対向するように、かつノズル面102aの中心部と液面との距離がsとなる位置に、インクジェットヘッド102を固定して保持している。
図3を用いて説明したように、ノズル近傍の湿度は、インクジェットヘッド102と保湿液126の液面の間の距離が支配的である。メンテナンス装置120によれば、保湿キャップ128の内部に貯留している保湿液126の蒸散作用により、ノズル面102aの湿度(ノズル近傍の湿度)は、所望の範囲(例えば80%)に維持される。
また、第1の実施形態と同様に、保湿キャップ128の内部の保湿液126は、蒸発により減少する。
ここで、図13(b)に示すように、保湿液126の減少により、保湿キャップ128の内部における保湿液126の液面がhだけ下降したとする。このとき、減少した保湿液126の重量はρ×A´×h[kg]であるから、弾性部材130の変位量xは、
x=F/k=(ρ×A´×h×g×cosθ)/(A´×ρ×g×cosθ)
=h/cosθ
となる。弾性部材130は、保湿キャップ128を鉛直方向から角度θだけ傾いた方向に押圧して保持しているので、弾性部材130の変位量の鉛直方向成分はhである。
このように、保湿キャップ128の内部における保湿液126の液面の下降量と、弾性部材130の変位量の鉛直方向成分は等しい。その結果、保湿キャップ128の内部の保湿液126が蒸発して減少して液面が下降した分だけ弾性部材130により保湿キャップ128が上昇し、保湿キャップ128の外部から見た保湿液126の液面は一定に保たれる。
即ち、保湿液126の減少量にかかわらず、ノズル面102aの中心部と保湿液126の液面との距離は、当初の設定距離sで一定となる。したがって、保湿液126の減少量(蒸発量)にかかわらず、ノズル面102aの湿度を適切な湿度に維持することができる。
このように、ヘッドのノズル面が水平面から所定の角度で傾いている場合であっても、保湿液の量を検知することなく保湿液の液面を一定の高さに維持することができるので、インクジェットヘッドのノズル面と保湿液の液面との距離を一定にすることができる。これにより、簡易で安価な構成で保管状態時のインクジェットヘッドのノズル面の湿度を適切な湿度に維持することができ、インクジェットヘッドの品質を維持することができる。
また、保湿キャップの開口面をヘッドの底面よりも大きくしたため、保湿キャップが上昇した際の保湿キャップとヘッドの衝突リスクを減らすことができる。
<第4の実施形態>
〔インクジェット記録装置の構成〕
次に、第4の実施形態に係るインクジェット記録装置について説明する。図14、図15、図16は、それぞれインクジェット記録装置の要部の構成を示す正面図、平面図、側面図である。
同図に示すように、このインクジェット記録装置70は、シングルパス方式のラインプリンタであり、主として、記録媒体である用紙(枚葉紙)Pを搬送する用紙搬送機構72と、用紙搬送機構72によって搬送される用紙Pに向けてシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、クロ(K)の各色インク滴を吐出するヘッドユニット80と、ヘッドユニット80に装着された各ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス装置90とで構成される。
用紙搬送機構72は、図示しないモータに駆動されて回転する搬送ドラム74を有している。この搬送ドラム74の外周面には、図示しないグリッパが備えられており、用紙Pは、このグリッパによって先端を把持されながら搬送される。また、この搬送ドラム74の外周面には、図示しない多数の吸引口が形成されており、この吸引穴から内部に向けてエアが吸引されている。用紙Pは、この吸引穴に吸着保持されながら搬送される。
ヘッドユニット80は、シアン、マゼンタ、イエロ及びクロのインク滴をそれぞれ吐出するヘッド82C、82M、82Y及び82Kと、各ヘッド82C、82M、82Y、82Kが取り付けられるヘッド支持フレーム88と、ヘッド支持フレーム88を移動させるヘッド支持フレーム移動機構(不図示)とで構成される。
ヘッド82C、82M、82Y、82Kは、印刷対象とする用紙Pの最大用紙幅(Y方向に直交するX方向の幅)に対応したラインヘッドで構成される。なお、各ヘッド82C、82M、82Y、82Kの構成は同じなので、以下においては、特に区別する場合を除いて、ヘッド82と記載する。
各ヘッド82C、82M、82Y、82Kは、第2の実施形態における各ヘッド32C、32M、32Y、32Kと同様に、矩形のブロック状に形成され、その底部にノズル面83C、83M、83Y、83Kが形成される。また、ノズル面83C、83M、83Y、83Kに形成されるノズルの個数及びその配列形態については、特に限定されない。ヘッド82は、ピエゾ方式やサーマル方式でノズルからインクを吐出させる。
ヘッド支持フレーム88は、各ヘッド82を取り付けるためのヘッド取付部(不図示)を備えている。各ヘッド82は、このヘッド取付部に着脱自在に取り付けられる。
ヘッド支持フレーム88に取り付けられた各ヘッド82は、用紙Pの搬送方向(Y方向)に対して直交して配置される。また、用紙Pの搬送方向に沿って所定の順で一定の間隔をもって配置される(本例では、シアン、マゼンタ、イエロ、クロの順で配置される。)。
また、各ヘッド82C、82M、82Y、82Kは、それぞれのノズル面83C、83M、83Y、83Kが対向する搬送ドラム74の周面に平行になるように、ヘッド支持フレーム88に取り付けられている。図17に示すように、各ノズル面83C、83M、83Y、83Kと水平面とが成す角を、それぞれθ、θ、θ、θとする。
また、ヘッド取付部は、ヘッド支持フレーム88に昇降自在に設けられており、図示しない昇降機構によって昇降する。ヘッド取付部に取り付けられた各ヘッド82は、この昇降機構によって、水平面に対して垂直に昇降する。
ヘッド支持フレーム移動機構は、用紙搬送機構72の上方位置でヘッド支持フレーム88をX方向に水平にスライド移動させる。
このヘッド支持フレーム移動機構は、第2の実施形態と同様に、用紙搬送機構72を跨いで水平に設置される天井フレームと、その天井フレームに敷設されるガイドレールと、ガイドレール上をスライド移動する走行体と、その走行体をガイドレールに沿って移動させる駆動手段(例えば、送りねじ機構など)で構成される。ヘッド支持フレーム88は、走行体に取り付けられて、水平にスライド移動する。
ヘッド支持フレーム88は、このヘッド支持フレーム移動機構に駆動されて、所定の「画像記録位置」と「メンテナンス位置」との間を移動可能に設けられる。
ヘッド支持フレーム88は、画像記録位置に位置すると、用紙搬送機構72の上方に配置される。これにより、用紙搬送機構72によって搬送される用紙Pの記録面に、各色のインクを吐出して画像を記録することが可能となる。
一方、メンテナンス位置に位置すると、メンテナンス装置90の設置位置に配置される。
〔メンテナンス装置の構成と動作〕
図18は、メンテナンス装置90の要部の構成を示す側面図である。同図に示すように、メンテナンス装置90は、4つのヘッド82C、82M、82Y、82Kをそれぞれ保湿可能な4つの保湿キャップ92C、92M、92Y、92Kを備えている。
保湿キャップ92C、92M、92Y、92Kには、それぞれ保湿液供給機構(不図示)により保湿液が充填されている。
保湿キャップ92C、92M、92Y、92Kは、その底面においてそれぞれ弾性部材94C、94M、94Y、94Kによって保持されるとともに、スライドガイド96C、96M、96Y、96Kにより、それぞれ水平面に対して角度θ、θ、θ、θだけ傾けて載置される。
弾性部材94C、94M、94Y、94Kは、保湿キャップ92C、92M、92Y、92Kを鉛直方向から角度θ、θ、θ、θだけ傾いた方向に押圧して保持しており、保湿キャップ92C、92M、92Y、92Kは、スライドガイド96C、96M、96Y、96Kに沿って鉛直方向から角度θ、θ、θ、θだけ傾いた方向に移動可能となっている。
保湿キャップ92の内部に貯留された保湿液の気液界面の面積をA´[m]、保湿液の密度をρ[kg/m]、重力加速度をg[N/m]、鉛直方向に対する傾きをθとすると、弾性部材94C、94M、94Y、94Kは、そのバネ定数k´が(式2)の値に設定されている。
メンテナンス位置において、各ヘッド82C、82M、82Y、82Kは、昇降機構(不図示)によって、それぞれ保湿キャップ92C、92M、92Y、92K内の保湿液の液面に対して垂直に昇降される。昇降機構は、各ヘッド82C、82M、82Y、82Kのノズル面83C、83M、83Y、83Kと、保湿キャップ92C、92M、92Y、92K内の保湿液の液面との距離がsとなる位置にヘッド支持フレーム88を固定して保持する(図18参照)。
したがって、保湿キャップ92C、92M、92Y、92Kの内部に貯留している保湿液の蒸散作用により、ノズル面83C、83M、83Y、83Kの湿度(ノズル近傍の湿度)を所望の範囲(例えば80%)に維持することができる。
また、保湿キャップ92C、92M、92Y、92Kの内部の保湿液は、蒸発により減少する。第2の実施形態と同様に、弾性部材94C、94M、94Y、94Kのバネ定数kは、それぞれ(式2)の値に設定されているため、保湿キャップ92Cの内部における保湿液の液面の下降量と弾性部材94Cの変位量、保湿キャップ92Mの内部における保湿液の液面の下降量と弾性部材94Mの変位量、保湿キャップ92Yの内部における保湿液の液面の下降量と弾性部材94Yの変位量、及び保湿キャップ92Kの内部における保湿液の液面の下降量と弾性部材94Kの変位量が、それぞれ等しくなる。したがって、保湿キャップ92C、92M、92Y、92Kの内部の保湿液が減少して液面が下降した分だけ弾性部材94C、94M、94Y、94Kの変位により保湿キャップ92C、92M、92Y、92Kが上昇し、保湿キャップ92C、92M、92Y、92Kの外部から見た保湿液の液面は一定に保たれる。
即ち、保湿液の減少量にかかわらず、ノズル面93Cと保湿キャップ92C内の保湿液の液面との距離、ノズル面93Mと保湿キャップ92M内の保湿液の液面との距離、ノズル面93Yと保湿キャップ92Y内の保湿液の液面との距離、及びノズル面93Kと保湿キャップ92K内の保湿液の液面との距離は、それぞれsで一定となる。これにより、保湿液の減少量(蒸発量)にかかわらず、ノズル面93C、93M、93Y、93Kの湿度を適切な湿度に維持することができる。
このように、ヘッドのノズル面が水平面から所定の角度で傾いているインクジェット記録装置に適用した場合に、保湿液の量を検知することなく保湿液の液面を一定の高さに維持することができるので、ヘッドのノズル面を傾けたまま、ノズル面と保湿液の液面との距離を一定にすることができる。これにより、簡易で安価な構成で保管状態時のインクジェットヘッドのノズル面の湿度を適切な湿度に維持することができ、インクジェットヘッドの品質を維持することができる。
また、保湿キャップの開口面をヘッドの底面よりも大きくしたため、保湿キャップが上昇した際の保湿キャップとヘッドの衝突リスクを減らすことができる。
<第5の実施形態>
〔メンテナンス装置の構成〕
図19(a)は、第5の実施形態に係るインクジェットヘッドのメンテナンス装置140を模式的に示した図である。同図に示すように、メンテナンス装置140は、ヘッド保持部142、保湿キャップ144、シーソー部材146、支点148、バランス荷重部材150等を備えて構成される。
インクジェットヘッド102は、インク滴を吐出する複数のノズルが配置されたノズル面102aを有している。ヘッド保持部142は、インクジェットヘッド102のノズル面102aが水平面と平行になるように下方に向けてインクジェットヘッド102を保持する。
保湿キャップ144は、その開口面がインクジェットヘッド102の底面よりも大きく構成されており、インクジェットヘッド102の底面を開口面から収容することが可能となっている。保湿キャップ144には、ノズル面102aを保湿するための保湿液126が貯留される。
保湿キャップ144は、その底面においてシーソー部材146の一端によって保持されている。シーソー部材146の他端には、バランス荷重部材150が保持されている。
シーソー部材146は、支点148を中心として両端が相互に上下移動可能に構成されており、保湿キャップ108の内部に貯留された保湿液106の質量に応じて変位する(変位手段の一例)。
〔メンテナンス装置の動作〕
図19(a)に示すように、シーソー部材146は、支点148を中心として左右のバランスが取れた状態で安定している。ヘッド保持部142は、インクジェットヘッド102のノズル面102aと、保湿キャップ144内の保湿液の液面とが平行に対向するように、かつノズル面102aの中心部と液面との距離がsとなる位置に、インクジェットヘッド102を固定して保持している。
図3を用いて説明したように、ノズル近傍の湿度は、インクジェットヘッド102と保湿液の液面の間の距離が支配的である。メンテナンス装置140によれば、保湿キャップ144の内部に貯留している保湿液の蒸散作用により、ノズル面102aの湿度(ノズル近傍の湿度)は、所望の範囲(例えば80%)に維持される。
また、保湿キャップ128の内部の保湿液126は、蒸発により減少する。
ここで、図19(b)に示すように、保湿液の減少により、保湿キャップ144の内部における保湿液の液面がhだけ下降したとする。このとき、シーソー部材146の左右の重量バランスが崩れ、保湿キャップ144がhだけ上昇する。
このように、保湿キャップ144の内部の保湿液が蒸発して減少して液面が下降した分だけシーソー部材146により保湿キャップ144が上昇し、保湿キャップ144の外部から見た保湿液の液面は一定に保たれる。
即ち、保湿液の減少量にかかわらず、ノズル面102aと保湿液の液面との距離は、当初の設定距離sで一定となる。したがって、保湿液の減少量(蒸発量)にかかわらず、ノズル面102aの湿度を適切な湿度に維持することができる。
このように、シーソー状の構成を用いることで、保湿液の量を検知することなく保湿液の液面を一定の高さに維持することができるので、インクジェットヘッドのノズル面と保湿液の液面との距離を一定にすることができる。これにより、簡易で安価な構成で保管状態時のインクジェットヘッドのノズル面の湿度を適切な湿度に維持することができ、インクジェットヘッドの品質を維持することができる。
本発明の技術的範囲は、上記の実施形態に記載の範囲には限定されない。各実施形態における構成等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各実施形態間で適宜組み合わせることができる。
10,70…インクジェット記録装置、32…ヘッド、33,102a…ノズル面、34…ヘッドモジュール、42,42´,92,108,128,144…保湿キャップ、44,44´,94,110,130…弾性部材、50…ノズル、90,100,120…メンテナンス装置、96,122…スライドガイド、102…インクジェットヘッド、104,124,142…ヘッド保持部、106,126…保湿液、146…シーソー部材

Claims (11)

  1. インクジェットヘッドのノズル面に形成されたノズルを保湿するための保湿液が貯留される保湿キャップと、
    前記保湿液の貯留量に応じて前記保湿キャップを昇降させて前記保湿液の液面を一定の高さに維持する昇降手段と、
    前記インクジェットヘッドのノズル面を前記保湿キャップに貯留された保湿液の液面と対向させて保持するヘッド保持手段と、
    を備えたインクジェットヘッドのメンテナンス装置。
  2. 前記昇降手段は、前記保湿キャップに貯留された保湿液の質量に応じて変位する変位手段を備えた請求項1に記載のインクジェットヘッドのメンテナンス装置。
  3. 前記変位手段は弾性体である請求項2に記載のインクジェットヘッドのメンテナンス装置。
  4. 前記保湿液の液面の面積をA、前記保湿液の密度をρ、重力加速度をgとしたときに、前記弾性体のバネ定数kは、
    k=A×ρ×g
    で表される請求項3に記載のインクジェットヘッドのメンテナンス装置。
  5. 前記ヘッド保持手段は、前記ノズル面と水平面とに所定の角度を持たせて前記インクジェットヘッドを保持し、
    前記保湿キャップを前記所定の角度に対して垂直方向にスライド移動自在とするスライドガイドを備え、
    前記弾性体は、前記所定の角度に対して垂直方向に変位して前記保湿キャップを昇降させる請求項3に記載のインクジェットヘッドのメンテナンス装置。
  6. 前記所定の角度をθ、前記保湿液の液面の面積をA、前記保湿液の密度をρ、重力加速度をgとしたときに、前記弾性体のバネ定数k´は、
    k´=A×ρ×g×cosθ
    で表される請求項5に記載のインクジェットヘッドのメンテナンス装置。
  7. 前記変位手段は、一端に保湿キャップを保持すると共に他端にバランス荷重部材を保持したシーソー手段である請求項2に記載のインクジェットヘッドのメンテナンス装置。
  8. 前記保湿キャップの開口部は、前記ノズル面よりも大きい請求項1から7のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドのメンテナンス装置。
  9. 前記保湿キャップに前記保湿液を供給する保湿液供給手段を備えた請求項1から8のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドのメンテナンス装置。
  10. インクを吐出するノズルが形成されたノズル面を備えたインクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドと記録媒体とを相対的に移動させる移動手段と、
    前記インクジェットヘッドと前記記録媒体とを相対的に移動させながら前記ノズルからインクを吐出させて前記記録媒体の記録面に画像を形成させる制御手段と、
    請求項1から9のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドのメンテナンス装置と、
    を備えたインクジェット記録装置。
  11. 前記インクジェットヘッドは、インクを吐出するノズルが形成されたヘッドモジュールを複数並べて固定部材に組み込むことで1つのヘッドとして構成されたインクジェットヘッドである請求項10に記載のインクジェット記録装置。
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