JP2014006348A - 光変調器 - Google Patents

光変調器 Download PDF

Info

Publication number
JP2014006348A
JP2014006348A JP2012141216A JP2012141216A JP2014006348A JP 2014006348 A JP2014006348 A JP 2014006348A JP 2012141216 A JP2012141216 A JP 2012141216A JP 2012141216 A JP2012141216 A JP 2012141216A JP 2014006348 A JP2014006348 A JP 2014006348A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical
film
electro
refractive index
buffer layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012141216A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5853880B2 (ja
Inventor
Shinji Iwatsuka
信治 岩塚
Kenji Sasaki
権治 佐々木
Makoto Shibata
誠 柴田
Mari Taniguchi
真理 谷口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2012141216A priority Critical patent/JP5853880B2/ja
Publication of JP2014006348A publication Critical patent/JP2014006348A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5853880B2 publication Critical patent/JP5853880B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

【課題】小型、低駆動電圧、低光吸収損失、広帯域な光変調器を提供する。
【解決手段】光変調器10は、比誘電率が17以下である単結晶基板4と、単結晶基板4上に形成された光学屈折率がncであり、膜厚が2μm以下である電気光学膜5と、電気光学膜5と進行波電極8の間に、比誘電率がεbであり、光学屈折率がnbであるバッファ層6を備え、(nc−nb)εb>3.5を満足する。
【選択図】図2

Description

本発明は、光通信、光計測分野において用いられる光変調器に関する。
インターネットの普及に伴い通信量は飛躍的に増大しており、光ファイバ通信の重要性が非常に高まっている。光ファイバ通信は、電気信号を光信号に変換し、光信号を光ファイバにより伝送するものであり、広帯域、低損失、ノイズに強いという特徴を有する。
電気信号を光信号に変換する方式としては、半導体レーザによる直接変調方式と光変調器を用いた外部変調方式が知られている。直接変調は光変調器が不要で低コストであるが、高速変調には限界があり、高速で長距離の用途では外部光変調方式が使われている。
光変調器としては、Ti拡散によりLiNbO(以下、LNと略す)単結晶基板の表面付近に光導波路を形成した光変調器が実用化されている。40Gb/s以上の高速の光変調器が商用化されているが、全長が10cm前後と長いことが大きな欠点になっている。Ti拡散による光導波路は閉じ込めが弱いこと、LNの誘電率が高いことが欠点であり、十分な小型化は実現されていない。
これに対して、特許文献1では、例えばサファイアからなる単結晶基板上に、c軸配向のLN薄膜が形成され、その上には、SiOからなるバッファ層が形成されている構成のマッハツェンダー型光変調器の製造方法が開示されている。
特開2006−195383公報
しかしながら、特許文献1による、LN薄膜による光変調器にも、小型化が困難という課題が残されている。図6に特許文献1の従来の光変調器100の断面構成を示す。LN薄膜による光導波路22a、22bの上部にはSiOバッファ層23が、下部にはサファイア基板21が配置されている。バッファ層としてSiO膜を用いているので、後述するように、小型、低駆動電圧、低光吸収損失を同時に満足するのが困難は構成となっている。
本発明は、上記の点を考慮してなされたもので、広帯域下において、低光吸収損失である光変調器において、小型化かつ、低駆動電圧化が可能な光変調器を実現することを目的とする。
本発明は、比誘電率が17以下である単結晶基板と、前記単結晶基板上に形成された光学屈折率がncであり、膜厚が2μm以下である電気光学膜と、前記電気光学膜に電圧を印加するための、信号電極と接地電極からなる進行波電極と、前記電気光学膜と前記進行波電極の間に、比誘電率がεbであり、光学屈折率がnbであるバッファ層を備え、(nc−nb)εb>3.5を満足することを特徴とする光変調器である。
このような膜構成にすることにより、光導波路を伝搬する光の速度と進行波電極を伝搬する高周波の速度を一致させる、すなわち、両者の実効屈折率を一致させることにより、広帯域の光変調器を実現し、膜厚が厚めであって光学屈折率が小さめのバッファ層を設けて、光吸収損失を抑え、(nc−nb)εb>3.5を満足させるような材料を選定することで、小型で低い駆動電圧の光変調器を実現可能となる。
また、電気光学膜の主成分組成はLiNbOであることが好ましい。
本発明により、広帯域下において、低光吸収損失である光変調器において、小型化かつ、低駆動電圧化が可能な光変調器を実現することができる。
実施形態1の光変調器の平面図である。 実施形態1の光変調器の断面図である。 実施形態1における光吸収損失とバッファ層の膜厚との関係を示す図である。 実施形態1のバッファ層の膜厚と1/(nc−nb)との関係を示す図である。 実施形態1の進行波電極の実効屈折率と電気光学膜の膜厚との関係を示す図である。 従来技術の光変調器の断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、本発明の対象は以下の実施形態に限定されるものではない。また以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれると共に、その構成要素は、適宜組み合わせることが可能である。また説明図は模式的なものであり、説明の便宜上、厚みと平面寸法との関係は、本実施形態の効果が得られる範囲内で実際の構造とは異なっていても良いこととする。
(実施形態1)
以下、実施形態について図面を参照して説明する。図1は、実施形態1の、マッハツェンダ型の光変調器の平面図である。以後、光変調器と呼ぶ。光変調器10は、電気光学効果を有する光導波路1で形成されたマッハツェンダ干渉計に、電圧を印加して光導波路1内を伝搬する光を変調するデバイスである。光導波路1は、2本の光導波路1a、1bに分岐され、光導波路1a、1b上には、それぞれ1本ずつ、すなわち、2本の信号電極2a、2bが設けられていて、デュアル電極構造となっている。
図2は、実施形態1の、光変調器10のA−A線の断面図である。単結晶基板4上に電気光学膜5が形成されている。電気光学膜5は、例えばLiNbO(LN)薄膜で形成される。電気光学膜5のc軸は単結晶基板4の上面に垂直方向に配向しており、膜厚は2μm以下である。電気光学膜5をリッジ形状7に加工することで、光導波路1a、1bを形成している。電気光学膜5上にはバッファ層6を介して、信号電極2a、2bが設けられている。
光変調装置10の動作原理について説明する。図1において、2本の信号電極2a、2bと、接地電極3a、3b、3cを終端抵抗9で接続して進行波電極8とし、2本の信号電極2a、2bに対して、絶対値が同じで正負の異なる位相がずれていない、いわゆる、相補信号を光変調器10の信号電極2a、2bの入力側13a、13bから入力する。このとき、光導波路1に与えられる電界によって光導波路1a、1bの屈折率がそれぞれ+Δn、−Δnのように変化し、光導波路1a、1b間の位相差が変化するため、光変調器10の出力側12の出射導波路1cから強度変調された信号光が出力される。光導波路1a、1bの位相差が0°なら光は強め合い、位相差がπならば光は弱め合う。
従来のLN(LiNbO)単結晶基板を用いた光変調器では、バッファ層としてSiO2に代表される低誘電率膜を用いることが常識と考えられており、特許文献1でも同様にSiOバッファ層を使用した例が開示されている。本発明者が鋭意検討した結果、LN薄膜を用いる場合は、このSiOバッファ層は必須ではなく、むしろ適切でないことを見出した。以下詳細にこの点を説明する。
従来の技術である、LN単結晶基板を光導波路に用いた場合、SiOバッファ層が必須となっている理由を説明する。LNの比誘電率はc軸と平行に電界を印加した場合は28、c軸と垂直に印加する場合は43である。なお、広帯域の光変調器を実現するには、光導波路を伝搬する光の速度と進行波電極を伝搬する高周波の速度を一致させる必要がある。すなわち、光導波路と進行波電極の実効屈折率を一致させる必要がある。なお、ここでいう進行波電極とは、電極の総称である。LN単結晶基板からなる光導波路の実効屈折率は約2.1である。一方、進行波電極の実効的な比誘電率は、電極の膜厚が薄く、バッファ層がない場合は、LNと空気の比誘電率の平均値となり、上記のLNの比誘電率28と43という数字を用いて計算すると、約18である。進行波電極の実効屈折率はこの平方根であり、4.2となり、LN単結晶基板からなる光導波路の実効屈折率2.1の2倍と大きな差異がある。
従来の技術では、光導波路の実効屈折率を大きく変化させるのは困難であり、速度整合のためには、進行波電極の実効屈折率を大幅に低減させる必要がある。このため、比誘電率が4であるSiOバッファ層をLN単結晶基板上に形成することが必須となっており、さらに、厚みが10μm以上の電極も用いている。なお、上記のLNの比誘電率28と43という値に比べれば、SiOバッファ層の比誘電率は4であり、低めである。LN単結晶基板をリッジ形状や薄板状に加工するなどの工夫も提案されている。以上のように、LN単結晶基板を使用する場合は、速度整合のために、低誘電率のバッファ層を配置する必要があり、比誘電率が4であるSiO膜が広く使われている。
次に、図1と図2を用いて、実施形態1のように、電気光学膜5にLN薄膜を用いた場合について説明する。電気光学膜5に電気光学膜5をリッジ形状7に加工することで、光導波路1、1a、1bを形成している。実施形態1は、図2において、下から、単結晶基板4/電気光学膜5/バッファ層6/進行波電極8という構成になっている。光導波路1は、電気光学膜5の一部であり、LN薄膜を用いた光導波路1の実効屈折率は上記と同じで約2.1である。
一方、進行波電極8の実効的な比誘電率は、LN薄膜5の膜厚が十分薄いとして、LN薄膜5の寄与を無視すると、単結晶基板4と空気の比誘電率の平均値と近似できる。例えば、単結晶基板4にサファイア単結晶基板を用いた場合、比誘電率はc軸と平行に電界を印加した場合は11.5、c軸と垂直に印加する場合は9.3である。この、11.5と9.3という数字を用いて計算すると、進行波電極8の実効的な比誘電率は約5.7、実効屈折率は2.4となり、LN薄膜を用いた光導波路の実効屈折率2.1と良く一致している。LN単結晶基板の場合と異なり、膜厚が十分薄いLN薄膜5の場合は、従来のような工夫なしで、速度整合がほぼ実現されており、広帯域の光変調器を容易に実現できる。
実施形態1のように、電気光学膜5にLN薄膜を用いた場合、速度整合の目的ではバッファ層6は必要ないが、進行波電極8による光吸収を抑えるため、バッファ層6が必要となる。図3に、バッファ層6の膜厚を変化させた場合の、進行波電極8による光吸収損失の計算結果を示す。バッファ層6の膜厚を厚めに調整することで、指数関数的に光吸収損失を低減できることが分かる。また、バッファ層6の光学屈折率nbが低いほど、薄い膜厚で光吸収損失を低減できることが分かる。
ちなみに、光吸収損失が大きくなると、光変調器の挿入損失が増えてしまう。挿入損失とは、図1の11の方向から入射される入射光強度に対する、12の方向から出射される出射光強度の割合であるが、挿入損失は光変調器の重要特性の一つで、大きさが低いほど望ましい。挿入損失が大きくなると、通信エラーが発生するという問題を生じてしまうため、挿入損失を抑制する必要がある。すなわち、光吸収損失を抑制する必要がある。
図4では、横軸は、1/(nc−nb)を、縦軸は光吸収損失が1dB/cmとなる膜厚をプロットしており、ほぼ比例関係を示している。なお、バッファ層6の光学屈折率をnb、電気光学膜5の光学屈折率をncとした。一般的に、バッファ層6の膜厚をdbとすると、光吸収損失を所定の仕様値以下にする条件は、
db≧k/(nc−nb) <式1>
となることが分かった。ここで、kは、損失の仕様値、波長、導波路形状により算出され、nb、ncとは独立な係数である。
次に、一般的な例として、光導波路部分のLN薄膜に印加される電圧について考える。まず、簡単なモデルとして、平行平板の電極の間に、厚さd1、d2、比誘電率ε1、ε2の材料1、材料2を有するコンデンサを考える。材料1に印加される電圧V1は、電極間の電圧をVとして、
V1=(d1/ε1)V/(d1/ε1+d2/ε2) <式2>
である。d2/ε2が小さい程、V1は大きくなる。
同様に考えて、実施形態1では、電気光学膜5/バッファ層6という構成において、進行波電極8により、電気光学膜5であって光導波路部分のLN薄膜5に印加される電圧は、バッファ層6の膜厚をdb、比誘電率をεbとすると、db/εbが小さい程、大きくなり、効率良く電圧を印加できる。なお、ここでいうバッファ層6は、<式2>のd2/ε2に相当している。
このLN薄膜への印加電圧の観点では、バッファ層6の膜厚dbが小さい程、望ましく、<式1>の損失の仕様を満足するために、db=k/(nc−nb) となる。この両辺をεbで割ると、
db/εb = k/{εb(nc−nb)} <式3>
と変形できるので、εb(nc−nb)が大きいほど、db/εbが小さくなり、望ましいことが分かる。
以上説明したように、電気光学膜5にLN薄膜を用いた光変調器10では、バッファ層6として、εb(nc−nb)が大きい材料を選定することが、重要である。従来、バッファ層として広く使われているSiO膜は、nb=1.45、εb=4であり、LNの光学屈折率nc=2.14の場合、(nc−nb)εb=2.8 となる。実施形態1では、上記の2.8の値より20%以上大きくした、(nc−nb)εb>3.5を満足するようなバッファ層6が用いられており、SiO膜と比較して、顕著な改善効果を有し、大幅に小型化、低駆動電圧化を実現した光変調器を提供できる。
図1と図2を用いて、実施形態1の構成要素について説明する。実施形態1は、図2において、下から、単結晶基板4/電気光学膜5/バッファ層6/進行波電極8という構成になっている。単結晶基板4としては、比誘電率が17以下の材料を用いている。比誘電率が17以下の場合、電気光学膜5が十分薄く、無視できると考えると、進行波電極8の実効比誘電率は、単結晶基板4と比誘電率が1の空気との平均値である9以下となる。実効屈折率は、実効比誘電率の平均値の平方根であるため、進行波電極8の実効屈折率は3.0以下となる。
強誘電体材料からなる光導波路の実効屈折率は、通常、2.0〜2.8の範囲であり、ほぼ一致するため、、進行波電極8の実効屈折率3.0以下に対して、速度整合が取れると考えられる。例えば、進行波電極8の実効屈折率が3.0以下であれば、電気光学膜5の一部であり、LN薄膜を用いた光導波路1の実効屈折率は約2.1であり、信号電極2a、2bの電極長Lが10mmで帯域を20GHz以上にできる。
実施形態1において、比誘電率が10前後の単結晶基板4が好適であり、具体的には、サファイア、Si、MgO、ZnO、CaFなどの単結晶基板4が挙げられる。例えば、比誘電率が10の場合、同様に計算して、進行波電極8の実効屈折率は、2.3となるので、電気光学膜5の一部であり、LN薄膜を用いた光導波路1の実効屈折率約2.1とよく一致する。なお、電気光学膜5を用いて光導波路1を形成し、光を伝播させるためには、電気光学膜5の光学屈折率ncが周囲の光学屈折率より高いことが必要である。そのため、光学屈折率が約3.5のSi単結晶基板を用いる場合は、Si単結晶基板4と電気光学膜5の間に電気光学膜の光学屈折率ncより低い光学屈折率を有する図示しないクラッド層を挟む必要がある。
電気光学膜5としては、膜厚が2μm以下であることが必要である。これ以上、膜厚が厚くなると、高品質な膜を形成するのが困難になるとともに、進行波電極8の実効比誘電率が高くなってしまい、速度整合を満足するのが難しくなるからである。
図5は、電気光学膜の膜厚に対する実効屈折率の変化を示したグラフである。単結晶基板4としてサファイア単結晶、電気光学膜5としてLN薄膜、信号電極の幅を5μm、信号電極2a、2bと接地電極3a、3b、3cの間隔を5μm、進行波電極8の膜厚を5μmとして、10GHzにおける実効屈折率を計算したものである。信号電極の電極長Lが10mmで帯域を20GHz以上にするためには、速度整合と帯域との関係式から計算して、進行波電極8の実効屈折率を3.0以下にすることが望ましい、LN薄膜の膜厚が2μm以下であれば、これを満足している。
なお、電気光学膜5の膜厚が薄すぎる場合は、電気光学膜5における光の閉じ込めが弱くなり、単結晶基板4やバッファ層6に光が漏れて導波することになる。電気光学膜5に電界を印加しても、光導波路の実効屈折率の変化が小さくなるおそれがある。そのため、電気光学膜5は、波長の1/3程度以上の膜厚が望ましい。
なお、電気光学膜5の形成方法としては、従来知られているバルク材料を薄板にして単結晶基板4に貼り付ける方法では、2μm以下の膜厚を実現するのは非常に困難であり、スパッタ法、CVD法、ゾルゲル法などの薄膜形成方法を利用するのが望ましい。電気光学膜5の膜組成としては、LiNbO(LN)の他に、LiTaO(LT)、PZT、PLZT、BaTiOなどの電気光学効果を有する材料を用いることができる。c軸が単結晶基板4面に垂直に配向されており、c軸に平行に電界を印加することで、電界に比例して光学屈折率が変化する。なお、c軸配向を実現する方法としては公知となっている各種の方法を利用できる。例えば、LN薄膜の場合は、c面のサファイア基板の上に、LN薄膜を成膜することで、c軸配向のLNエピタキシャル膜を実現できる。
電気光学膜5の一部である、光導波路1の形成方法としては各種の方法を利用できる。図2のようにリッジ形状7に加工したリッジ型光導波路、図6のように、電気光学膜を四角断面に加工して埋め込んだ埋込型光導波路などを利用できる。リッジ型光導波路は加工が容易で、低電圧化の点でも有利であり、望ましい。バッファ層6については、前述した通りで、(nc−nb)εb>3.5を満足する材料であればよい。例えば、電気光学膜がLN薄膜の場合は、Al、MgF、La、Y、HfO、CaFなどを用いることができる。
進行波電極8の材料は、電気伝導度が高い材料であればよいが、高周波における信号の伝搬損失を低減するために、Au、Cu、Ag、Ptなどの高電気伝導度の金属材料を使用することが望ましい。進行波電極8の形状については、特に、信号電極2a、2bの幅、信号電極2a、2bと接地電極3a、3b、3cの間隔、進行波電極8の膜厚が特性に影響する重要なパラメータであり、進行波電極8のインピーダンス、実効比誘電率、高周波信号の伝搬損失を目標値に合わせるよう、適切に設定する必要がある。
(実施例1)
実施例1として、実施形態1における光変調器10を以下の手順で作製した。図2において、単結晶基板4として、サファイア基板を用意し、その単結晶基板4の表面に電気光学膜5としてc軸配向のLN薄膜をスパッタ法により成膜した。LN薄膜の膜厚は1.0μmとした。次に、フォト工程とミリング工程によりリッジ形状7に加工し、光導波路1を形成した。リッジ幅は2.0μm、リッジの高さは0.2μmとした。
次に、図2において、バッファ層6としてAl膜を成膜した後、信号電極2a、2b、接地電極3a、3b、3cをフォト工程と金めっき工程により形成した。バッファ層6の膜厚は、電極付の光導波路1の光吸収損失が1dB/cm以下を満足するように1.0μmとした。進行波電極8の膜厚は4μm、信号電極2a、2bの幅は4μm、信号電極と接地電極との間隔Gは4μmとした。間隔Gは、進行波電極のインピーダンスがほぼ50Ωとなるように設定した。表1は、実施例や比較例についての各データを示した表であるが、表1に示すように、Alからなるバッファ層6の光学屈折率、比誘電率は、nb=1.7、εb=10であった。(nc−nb)εb=4.4であり、(nc−nb)εb>3.5の条件を満足している。光導波路1上の信号電極の長さ、すなわち、電極長Lは1cmである。
Figure 2014006348
実施例1において、波長1550nmの光を用いて、光変調器10の特性を評価したところ、表1に示すように、帯域は20GHz以上、VπL=3.7Vcmであった。ここで、Vπとは半波長電圧であり、光出力が最大となる電圧V1と最小となる電圧V2との差で定義され、駆動電圧を意味している。VπLとは、信号電極に印加する電圧である駆動電圧と電極長Lの積をとったものであり、光変調器の性能を表す一つの指標である。VπLが小さい程、小型で低駆動電圧であることを示している。従来のLN単結晶基板を用いた光変調器のVπLは、通常7Vcm以上であるので、実施例1の光変調器は、大幅な小型化、低電圧化を実現していることが分かる。
(比較例1)
実施例1において、バッファ層6として、Al膜の代わりに、SiO膜を用い、バッファ層の膜厚を、電極付の光導波路1の光吸収損失が1dB/cm以下を満足するように0.8μmとした。表1に示すように、間隔Gを3μmとし、他は同条件である。SiO膜の光学屈折率、比誘電率は、nb=1.45、εb=4であった。また、(nc−nb)εb=2.8であり、3.5以上の条件を満足していない。
実施例1と同様に光変調器の特性を評価した所、表1に示すように、帯域は20GHz以上、VπL=4.6Vcmであり、実施例1と比較すると、VπLが約24%の増加となった。すなわち、VπL=4.6Vcmは大きめであり、好ましくないという結果になった。
(実施例2)
実施例2として、バッファ層6を、実施例1のAl膜から、MgF膜に変更した。バッファ層6の膜厚は、電極付の光導波路1の光吸収損失が1dB/cm以下を満足するように0.7μmに設定した。また、信号電極と接地電極との間隔Gは進行波電極8のインピーダンスがほぼ50Ωとなるように3μmに設定した。(nc−nb)εb=3.8であり、(nc−nb)εb>3.5の条件を満足している。波長1550nmの光を用いて、光変調器の特性を評価した所、帯域は20GHz以上、VπL=3.9Vcm であった。
(実施例3)
実施例3として、バッファ層6を、実施例1のAl膜から、La膜に変更した。バッファ層6の膜厚は、電極付の光導波路1の光吸収損失が1dB/cm以下を満足するように1.0μmに設定した。また、信号電極と接地電極との間隔Gは進行波電極8のインピーダンスがほぼ50Ωとなるように8μmに設定した。(nc−nb)εb=11.9であり、(nc−nb)εb>3.5の条件を満足している。波長1550nmの光を用いて、光変調器の特性を評価した所、帯域は20GHz以上、VπL=3.9Vcm であった。
(比較例2)
比較例2として、バッファ層6を、実施例1のAl膜から、ZnO膜に変更した。バッファ層6の膜厚は、電極付の光導波路1の光吸収損失が1dB/cm以下を満足するように1.6μmに設定した。また、信号電極と接地電極との間隔Gは進行波電極8のインピーダンスがほぼ50Ωとなるように4μmに設定した。波長1550nmの光を用いて、光変調器の特性を評価した所、帯域は20GHz以上、VπL=4.8Vcm であった。なお、(nc−nb)εb=2.2であり、(nc−nb)εb>3.5の条件を満足していない。
表1は、実施例や比較例についての各データを示した表である。いずれも帯域は20GHz以上を満足しており、広帯域という点では同じ土俵で比較したデータとなっている。なお、単結晶基板上に形成された光学屈折率がncであり、膜厚が2μm以下である電気光学膜5と、電気光学膜5と進行波電極8の間に、比誘電率がεbであり、光学屈折率がnbであるバッファ層6を備え、(nc−nb)εb>3.5を満足するという条件について、電気光学膜5にLN薄膜を用いた光変調器について、従来から知られているバッファ層6がSiOの(nc−nb)εbの値2.8と比較して、有意に効果がある値として20%以上大きい値3.5を下限値とした。表1の実施例では、(nc−nb)εbの値が2.8のSiOと、3.8以上のAl、NgF、Laと明確な差があり、光変調器の性能を表す一つの指標であるVπLの値にも明確な差が見られたため、3.5は境界として適切な値であると判断した。
また、表1より、実施例1〜3では、VπLが4Vcm以下と低く、従来のLN単結晶基板を用いた光変調器のVπLは、通常7Vcm以上であるので、良好な結果が確認された。一方、比較例1〜2では、実施例1〜3と比較して、約20%以上、VπLが高い結果となった。実施例1〜3では、低光吸収損失、広帯域で、かつ、小型、低駆動電圧な光変調器を実現できることが確認できた。なお、実施例3のLa膜は、(nc−nb)εb=11.9が一番高いものの、インピーダンスを50Ωに調整するために、間隔Gが8μmであって他の例より広くなっており、VπLについては実施例1、実施例2の値と大差がない結果となっている。
本発明に係わる光変調器は、光ファイバ通信、光計測における様々な用途に利用できる。
10、100 光変調器
1、1a、1b 光導波路
2a、2b 信号電極
3a、3b、3c 接地電極
4 単結晶基板
5 電気光学膜
6 バッファ層
7 リッジ形状
8 進行波電極
9 終端抵抗
11 入力側
12 出力側
13a、13b 入力側
21 サファイア基板
22a、22b 光導波路
23 SiOバッファ層
24a 信号電極
24b 接地電極


Claims (2)

  1. 比誘電率が17以下である単結晶基板と、
    前記単結晶基板上に形成された光学屈折率がncであり、膜厚が2μm以下である電気光学膜と、
    前記電気光学膜に電圧を印加するための、信号電極と接地電極からなる進行波電極と、
    前記電気光学膜と前記進行波電極の間に、比誘電率がεbであり、光学屈折率がnbであるバッファ層を備え、
    (nc−nb)εb>3.5を満足することを特徴とする光変調器。
  2. 前記電気光学膜の主成分組成はLiNbOであることを特徴とする請求項1に記載の光変調器。

JP2012141216A 2012-06-22 2012-06-22 光変調器 Active JP5853880B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012141216A JP5853880B2 (ja) 2012-06-22 2012-06-22 光変調器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012141216A JP5853880B2 (ja) 2012-06-22 2012-06-22 光変調器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014006348A true JP2014006348A (ja) 2014-01-16
JP5853880B2 JP5853880B2 (ja) 2016-02-09

Family

ID=50104133

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012141216A Active JP5853880B2 (ja) 2012-06-22 2012-06-22 光変調器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5853880B2 (ja)

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015230466A (ja) * 2014-06-06 2015-12-21 Tdk株式会社 光導波路素子およびこれを用いた光変調器
JP2015232631A (ja) * 2014-06-10 2015-12-24 Tdk株式会社 光導波路型偏光子
US9939709B2 (en) 2015-08-21 2018-04-10 Tdk Corporation Optical waveguide element and optical modulator using the same
CN109143620A (zh) * 2018-09-29 2019-01-04 深圳市芯思杰智慧传感技术有限公司 一种调制带宽大的光波导相位调制器芯片及其制备方法
JP2019074595A (ja) * 2017-10-13 2019-05-16 Tdk株式会社 光変調器
US10591801B2 (en) 2016-04-21 2020-03-17 Tdk Corporation Optical modulator
US10649246B2 (en) 2016-07-19 2020-05-12 Tdk Corporation Dielectric thin film-applied substrate and optical modulation element using the same
US10989980B2 (en) 2019-02-25 2021-04-27 Tdk Corporation Optical modulator
US11003043B2 (en) 2019-02-25 2021-05-11 Tdk Corporation Optical modulator
US11003044B2 (en) 2019-02-25 2021-05-11 Tdk Corporation Electro-optic device
US11086149B2 (en) 2019-03-29 2021-08-10 Tdk Corporation Electro-optic device
WO2021201130A1 (en) * 2020-03-31 2021-10-07 Tdk Corporation Electro-optical device
US11226531B2 (en) 2017-08-24 2022-01-18 Tdk Corporation Optical modulator
WO2022034767A1 (ja) * 2020-08-11 2022-02-17 Tdk株式会社 光変調素子及び光変調素子の駆動方法
US11366344B2 (en) 2017-10-02 2022-06-21 Tdk Corporation Optical modulator
US20220326555A1 (en) * 2021-03-30 2022-10-13 Tdk Corporation Optical device

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021051269A (ja) 2019-09-26 2021-04-01 Tdk株式会社 光変調器
CN115145063A (zh) 2021-03-30 2022-10-04 Tdk株式会社 光学器件

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0519220A (ja) * 1991-07-15 1993-01-29 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光変調素子
JP2008216437A (ja) * 2007-03-01 2008-09-18 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光電界センサ及びその製造方法
JP2011164604A (ja) * 2010-02-05 2011-08-25 Advantest Corp 基板構造体および製造方法
JP2011215260A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Tdk Corp 光学素子及び可変光モジュール

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0519220A (ja) * 1991-07-15 1993-01-29 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光変調素子
JP2008216437A (ja) * 2007-03-01 2008-09-18 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光電界センサ及びその製造方法
JP2011164604A (ja) * 2010-02-05 2011-08-25 Advantest Corp 基板構造体および製造方法
JP2011215260A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Tdk Corp 光学素子及び可変光モジュール

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6015037368; C. H. Peng, et al.: '"OPTICAL PROPERTIES OF PZT, PLZT, AND PNZT THIN FILMS"' MRS Proceedings Vol.243, 1992, pp.21-26 *

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015230466A (ja) * 2014-06-06 2015-12-21 Tdk株式会社 光導波路素子およびこれを用いた光変調器
JP2015232631A (ja) * 2014-06-10 2015-12-24 Tdk株式会社 光導波路型偏光子
US9939709B2 (en) 2015-08-21 2018-04-10 Tdk Corporation Optical waveguide element and optical modulator using the same
US10591801B2 (en) 2016-04-21 2020-03-17 Tdk Corporation Optical modulator
US10649246B2 (en) 2016-07-19 2020-05-12 Tdk Corporation Dielectric thin film-applied substrate and optical modulation element using the same
US11226531B2 (en) 2017-08-24 2022-01-18 Tdk Corporation Optical modulator
US11366344B2 (en) 2017-10-02 2022-06-21 Tdk Corporation Optical modulator
JP2019074595A (ja) * 2017-10-13 2019-05-16 Tdk株式会社 光変調器
JP7027787B2 (ja) 2017-10-13 2022-03-02 Tdk株式会社 光変調器
CN109143620A (zh) * 2018-09-29 2019-01-04 深圳市芯思杰智慧传感技术有限公司 一种调制带宽大的光波导相位调制器芯片及其制备方法
US11003043B2 (en) 2019-02-25 2021-05-11 Tdk Corporation Optical modulator
US11003044B2 (en) 2019-02-25 2021-05-11 Tdk Corporation Electro-optic device
US10989980B2 (en) 2019-02-25 2021-04-27 Tdk Corporation Optical modulator
US11086149B2 (en) 2019-03-29 2021-08-10 Tdk Corporation Electro-optic device
WO2021201130A1 (en) * 2020-03-31 2021-10-07 Tdk Corporation Electro-optical device
JP7476343B2 (ja) 2020-03-31 2024-04-30 Tdk株式会社 電気光学デバイス
WO2022034767A1 (ja) * 2020-08-11 2022-02-17 Tdk株式会社 光変調素子及び光変調素子の駆動方法
JP2022032257A (ja) * 2020-08-11 2022-02-25 Tdk株式会社 光変調素子及び光変調素子の駆動方法
US20220326555A1 (en) * 2021-03-30 2022-10-13 Tdk Corporation Optical device

Also Published As

Publication number Publication date
JP5853880B2 (ja) 2016-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5853880B2 (ja) 光変調器
JP6787387B2 (ja) 光変調器
JP2014142411A (ja) 光変調器
JP7115483B2 (ja) 光変調器
WO2016154764A2 (en) Electrooptic modulator
JP6369147B2 (ja) 光導波路素子およびこれを用いた光変調器
JP2005037547A (ja) 光変調器
JP2022549711A (ja) コプレーナウェイブガイドワイヤ電極構造及び変調器
JP2017129834A (ja) 光導波路素子およびこれを用いた光変調器
WO2007020924A1 (ja) 光変調器
WO2018016428A1 (ja) 誘電体薄膜付き基板およびこれを用いた光変調素子
US11086149B2 (en) Electro-optic device
Gheorma et al. Thin layer design of X-cut LiNbO 3 modulators
WO2021149183A1 (ja) 光デバイス
JP6379703B2 (ja) 光導波路型偏光子
US20220082876A1 (en) Optical device that includes optical modulator, and optical transceiver
JP2004020780A (ja) 光変調器
JP2022155578A (ja) 光学デバイス
CN109375389B (zh) 一种石墨烯电光调制器及其制备方法
JP2005284129A (ja) 光変調素子及びその製造方法
JP5045821B2 (ja) 光変調装置
JP2016161661A (ja) 導波路型光素子
JP2007025369A (ja) 光変調器
US20230124507A1 (en) Electro-optical device
JP2008152206A (ja) 光変調器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150826

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150915

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151001

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151123

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5853880

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150