JP6379703B2 - 光導波路型偏光子 - Google Patents

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Description

本発明は、光通信、光計測分野において用いられる光導波路型偏光子に関し、特に、リッジ構造を有する光導波路型偏光子に関する。
インターネットの普及に伴い通信量は飛躍的に増大しており、光ファイバ通信の重要性が非常に高まっている。光ファイバ通信は、電気信号を光信号に変換し、光信号を光ファイバにより伝送するものであり、広帯域、低損失、ノイズに強いという特徴を有する。
電気信号を光信号に変換する方式としては、半導体レーザによる直接変調方式と光変調器を用いた外部変調方式が知られている。直接変調は光変調器が不要で低コストであるが、高速変調には限界があり、高速で長距離の用途では外部光変調方式が使われている。
光変調器としては、ニオブ酸リチウム単結晶基板の表面付近にTi(チタン)拡散により光導波路を形成した光変調器が実用化されている。40Gb/s以上の高速の光変調器が商用化されているが、全長が10cm前後と長いことが大きな欠点になっている。
これに対して、特許文献1では、サファイア単結晶基板上にエピタキシャル成長によりc軸配向のニオブ酸リチウム膜を形成し、そのニオブ酸リチウム膜を光導波路として用いたマッハツェンダ型光変調器が開示されている。
c軸配向のニオブ酸リチウム膜を用いたマッハツェンダ型光変調器にあっては、基板面に対して垂直な偏波面を有するTMモードの光についての単位電界当たりの位相変化が最も大きいので、TMモードを用いるのが一般的である。この場合、TEモードについての単位電界当たりの位相変化はTMモードに対するそれよりも小さいので、入射光にTEモードの光の成分が含まれていると所要の変調動作がなされなくなる。具体的には光強度変調において出力光をオン・オフする場合に、オフとなるべきときにTEモードが漏れ出して消光比が著しく低下する。
上記問題を解決するため、特許文献2には光変調器の前段に光導波路型偏光子を設けた構成が開示されている。光導波路型偏光子は、ZカットLiNbOからなる導波路基板にTiを熱拡散させて光導波路を形成し、この光導波路の両側に金属層を形成したものである。光導波路型偏光子にTEモード成分およびTMモード成分を入射したとき、金属層の複素屈折率によってTEモードに対する光吸収作用が生じ、出力光はTMモードのみとなるので、光変調器の前段においてTEモードを除去することができる。したがって、光変調器の消光比を高めることができる。
特開2006−195383号公報 特開平4−156423号公報
しかしながら、特許文献2に記載された従来の光導波路型偏光子は、光導波路をTiの熱拡散により形成する必要があり、また偏光子としての機能を持たせるために埋め込み型の光導波路の両側に金属膜を埋め込む必要があり、加工が面倒である。
また、特許文献1で示されている埋め込み型の光導波路においてシングルモードの条件を満足するためには、非常に微細な導波路にする必要があり、作製が困難である。例えば、波長1550nmにおいてシングルモード条件を満足する光導波路のサイズは、高さが1μmの場合、幅を1μm以下と大変狭くしなければならない。
そこで、本発明者は、埋め込み型ではなく、作製が容易なリッジ型光導波路について検討を進めた。そして、リッジ型光導波路に偏光子機能を持たせるために、側面に金属膜を配置して偏光子特性を評価したところ、十分な特性が得られないという課題が見つかった。
本発明は、上記の点を考慮してなされたもので、リッジ型光導波路において、TMモードを透過させ、TEモードを消光することが可能な高特性の偏光子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明による光導波路型偏光子は、基板と、前記基板上に形成された導波層とを備え、前記導波層は、断面がリッジ形状を有するリッジ部からなる導波路を有し、前記リッジ部は、第1のリッジ幅および第1の厚さを有する第1の部分と、前記第1のリッジ幅よりも広く前記基板の幅よりも狭い第2のリッジ幅および第2の厚さを有する第2の部分との組み合わせからなり、前記第2の部分の上面に前記第1の部分が形成された2段のリッジ構造であり、前記第2の部分の側面に光吸収膜が形成されており、前記第2の部分の上面および前記第1の部分の上面および側面に前記光吸収膜が形成されていないことを特徴とする。
本発明によれば、リッジ型光導波路を用いて構成され、TMモードを透過し、TEモードを消光する高性能な偏光子を提供することができる。特に、本発明による偏光子は2段のリッジ構造を有することから、TMモードの伝搬損失が低く、実質的にシングルモードで動作する2段リッジ構造の光導波路と連続的に形成された偏光子を容易に製造することができる。
本発明において、前記導波層は、前記導波路の形成領域以外の領域に設けられ、前記第2の厚さよりも薄い第3の厚さを有する第3の部分をさらに有し、前記第3の厚さは、前記リッジ部の最大厚さの0.2倍以下であることが好ましい。この構成によれば、偏光子において、TEモードの所望の光吸収性能を確保することができる。
本発明による光導波路型偏光子は、前記第2の部分の上面および前記第1の部分の上面および側面を覆う誘電体層をさらに有することが好ましい。この構成によれば、リッジ部の形成工程で用いた第2のリッジ幅のマスクをそのまま誘電体層として用いることができ、このようにすることで第2の部分の上面への光吸収膜の付着を確実に防止することができる。したがって、高性能な偏光子を確実に提供することができる。
本発明において、前記導波層は、ニオブ酸リチウム膜からなることが好ましく、前記ニオブ酸リチウム膜のc軸は基板面に対して垂直に配向されていることが好ましい。この構成によれば、TEモードを消光し、TMモードの光を導波させることができる。
本発明によれば、リッジ型光導波路において、TMモードを透過、TEモードを消光する、高特性の偏光子を提供できる。
本発明の第1の実施形態による光導波路型偏光子の平面図である。 本発明の第1の実施形態による光導波路型偏光子の断面図である。 本発明の第2の実施形態による光導波路型偏光子の断面図である。 本発明の第3の実施形態による光導波路型偏光子の断面図である。 比較例による光導波路型偏光子の断面図である。 TMモードおよびTEモードの伝搬損失の計算結果を示すグラフである。 TE損失/TM損失の計算結果を示すグラフである。 TE損失/TM損失の計算結果を示すグラフである。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明の対象は以下の実施形態に限定されるものではない。また以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれると共に、その構成要素は、適宜組み合わせることが可能である。また説明図は模式的なものであり、説明の便宜上、厚みと平面寸法との関係は、本実施形態の効果が得られる範囲内で実際の構造とは異なっていても良いこととする。
図1は、第1の実施形態による光導波路型偏光子100の構成を示す平面図である。光導波路型偏光子100は光導波路10を有し、入力側11から入射した光は光導波路10を伝搬した後、出力側12から出射する。その際、TMモードの光は透過し、TEモードの光は消光するので、出力側12からはTMモードの光だけが得られる。
図2は、図1に示した光導波路型偏光子100のA−A´線の断面図である。光導波路型偏光子100は、基板1と、基板1上に形成された導波層2とを備え、導波層2は断面がリッジ形状(凸形状)を有するリッジ部3からなる光導波路10を有している。リッジ部3は、リッジ幅W1および厚さT1を有する導波層2の第1の部分2Aと、第1の部分2Aの下方に配置されリッジ幅W2および厚さT2を有する導波層2の第2の部分2Bとの組み合わせからなる2段のリッジ構造となっている。ここで、基板1の幅をW0とするとき、W1<W2<W0である。
第2の部分2Bの側面には光吸収膜4が形成されている。光吸収膜4としては、光吸収性の高い材料であればよく、金属材料を用いることができるが、光変調器の電極材料として好適な材料を用いることが好ましく、金(Au)を用いることが特に好ましい。本実施形態において、光吸収膜4はリッジ部3の両側の基板1の露出面にも形成されているが、この部分の光吸収膜4は必ずしも必要ではない。少なくとも導波層2の第2の部分2Bの側面に光吸収膜4が設けられていることにより、TEモードの光を消光することができる。
光吸収膜4は導波層2の第2の部分2Bの上面および第1の部分2Aの上面および側面には形成されていない。本実施形態において、導波層2の第2の部分2Bの上面および第1の部分2Aの上面および側面は、光吸収膜4に覆われていない露出面である。
導波層2はPZT、PLZT、InP、Si、誘電膜、ポリマーなど屈折率が基板より大きければ限定されない。特にニオブ酸リチウム(LiNbO)薄膜からなることが好ましい。ニオブ酸リチウムは大きな電気光学定数を有し、光変調器等の光学デバイスの構成材料として好適だからである。以下、導波層2をニオブ酸リチウム膜とした場合の本発明の構成について詳しく説明する。
基板1としてはニオブ酸リチウム膜より屈折率が低いものであれば特に限定されないが、ニオブ酸リチウム膜をエピタキシャル膜として形成させることができる基板が好ましく、サファイア単結晶基板もしくはシリコン単結晶基板が好ましい。単結晶基板の結晶方位は特に限定されない。ニオブ酸リチウム膜はさまざまな結晶方位の単結晶基板に対して、c軸配向のエピタキシャル膜として形成されやすいという性質を持っている。c軸配向のニオブ酸リチウム膜は3回対称の対称性を有しているので、下地の単結晶基板も同じ対称性を有していることが望ましく、サファイア単結晶基板の場合はc面、シリコン単結晶基板の場合は(111)面の基板が好ましい。
ここで、エピタキシャル膜とは、下地の基板もしくは下地膜の結晶方位に対して、そろって配向している膜のことである。膜面内をX−Y面とし、膜厚方向をZ軸としたとき、結晶がX軸、Y軸およびZ軸方向にともにそろって配向しているものである。例えば、第1に2θ−θX線回折による配向位置でのピーク強度の確認と、第2に極点の確認を行うことで、エピタキシャル膜を証明できる。
具体的には、第1に2θ−θX線回折による測定を行ったとき、目的とする面以外の全てのピーク強度が目的とする面の最大ピーク強度の10%以下、好ましくは5%以下である必要がある。例えば、ニオブ酸リチウムのc軸配向エピタキシャル膜では、(00L)面以外のピーク強度が、(00L)面の最大ピーク強度の10%以下、好ましくは5%以下である。(00L)は、(001)や(002)などの等価な面を総称する表示である。
第2に、極点測定において、極点が見えることが必要である。前述の第1の配向位置でのピーク強度の確認の条件においては、一方向における配向性を示しているのみであり、前述の第1の条件を得たとしても、面内において結晶配向がそろっていない場合には、特定角度位置でX線の強度が高まることはなく、極点は見られない。LiNbOは三方晶系の結晶構造であるため、単結晶におけるLiNbO(014)の極点は3つとなる。ニオブ酸リチウム膜の場合、c軸を中心に180°回転させた結晶が対称的に結合した、いわゆる双晶の状態にてエピタキシャル成長することが知られている。この場合、3つの極点が対称的に2つ結合した状態になるため、極点は6つとなる。また、(100)面のシリコン単結晶基板上にニオブ酸リチウム膜を形成した場合は、基板が4回対称となっているため、4x3=12個の極点が観測される。なお、本発明では、双晶の状態にてエピタキシャル成長したニオブ酸リチウム膜もエピタキシャル膜に含める。
ニオブ酸リチウム膜の組成はLixNbAyOzである。Aは、Li、Nb、O以外の元素を表している。xは0.5〜1.2であり、好ましくは、0.9〜1.05である。yは、0〜0.5である。zは1.5〜4であり、好ましくは2.5〜3.5である。Aの元素としては、K、Na、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ti、Zr、Hf、V、Cr、Mo、W、Fe、Co、Ni、Zn、Sc、Ceなどがあり、2種類以上の組み合わせでも良い。
ニオブ酸リチウム膜の膜厚は2μm以下であることが望ましい。これ以上、膜厚が厚くなると、高品質な膜を形成するのが困難になるからである。ニオブ酸リチウム膜の膜厚が薄すぎる場合は、ニオブ酸リチウム膜における光の閉じ込めが弱くなり、基板やバッファ層に光が漏れて導波することになる。ニオブ酸リチウム膜に電界を印加しても、光導波路(1a、1b)の実効屈折率の変化が小さくなるおそれがある。そのため、ニオブ酸リチウム膜は、使用する光の波長の1/10程度以上の膜厚が望ましい。
ニオブ酸リチウム膜の形成方法としては、スパッタ法、CVD法、ゾルゲル法などの膜形成方法を利用するのが望ましい。c軸が単結晶基板の主面に垂直に配向されており、c軸に平行に電界を印加することで、電界に比例して光学屈折率が変化する。単結晶基板としてサファイアを用いる場合は、サファイア単結晶基板上に直接、ニオブ酸リチウム膜をエピタキシャル成長できる。単結晶基板としてシリコンを用いる場合は、クラッド層(図示せず)を介して、ニオブ酸リチウム膜をエピタキシャル成長により形成する。クラッド層(図示せず)としては、ニオブ酸リチウム膜より屈折率が低く、エピタキシャル成長に適したものを用いる。例えば、クラッド層(図示せず)としてYを用いると、高品質のニオブ酸リチウム膜を形成できる。
なお、ニオブ酸リチウム膜の形成方法として、ニオブ酸リチウム単結晶基板を薄く研磨する方法もある。この方法は、成膜による工法に比べ量産性には劣るが、単結晶と同じ特性が得られるという利点がある。
リッジ部3の形状は光を導波可能とする形状であればよく、リッジ部3におけるニオブ酸リチウム膜の膜厚が、光の進行方向と直交する左右のニオブ酸リチウム膜の膜厚より厚ければよい。上に凸の半円形状、三角形状などであっても良い。
以上説明したように、本実施形態による光導波路型偏光子100は、リッジ部3を構成する導波層2の第2の部分2Bの側面に光吸収膜4が形成されており、第2の部分2Bの上面、第1の部分2Aの上面および側面には光吸収膜4が形成されていないので、TMモードを透過し、TEモードを消光する高性能な偏光子を提供することができる。特に、光導本実施形態による光導波路型偏光子100は2段のリッジ構造を有することから、TMモードの伝搬損失が低く、実質的にシングルモードで動作する2段リッジ構造の光導波路と連続的に形成された偏光子を容易に製造することができる。
図3は、第2の実施形態による光導波路型偏光子200の構造を示す断面図である。この光導波路型偏光子200は、光導波路10の形成領域の外側の領域であって、第2の部分2Bに隣接するリッジ部3ではない第3の部分2Cを有しており、第3の部分2Cの厚さT3は第2の部分2Bの厚さT2よりも薄い。特に限定されないが、第3の部分2Cの幅は基板1の幅W0と等しい。その他の構成は第1の実施形態による光導波路型偏光子100と同様である。
第3の部分2Cの厚さT3は、リッジ部2の最大厚さ、すなわち第1の部分2Aと第2の部分2Bの合計厚さT1+T2の0.2倍以下であることが好ましい。厚さT3がリッジ部2の最大厚さの0.2倍よりも厚くなると第2の部分2Bの側面に形成されるべき光吸収膜4の面積が小さくなり、光吸収が不十分となり、偏光子としての機能を発揮することができないからである。
以上説明した本実施形態による光導波路型偏光子200は、第1の実施形態による光導波路型偏光子100と同様の効果を奏することができる。すなわち、TMモードを透過し、TEモードを消光することができ、TMモードの伝搬損失が低く、実質的にシングルモードで動作する2段リッジ構造の光導波路と連続的に形成することができる高性能な偏光子を提供することができる。
図4は、第3の実施形態による光導波路型偏光子300の構造を示す断面図である。この光導波路型偏光子300は、リッジ幅W2を有する第2の部分2Bの上面に誘電体層5を配置した構造となっている。第2の部分2Bの上面、第1の部分2Aの上面および第1の部分2Aの側面は誘電体層5に覆われており、これらの面には光吸収膜4は形成されていない。その代わりに、誘電体層5の側面および上面は光吸収膜4に覆われている。
誘電体層5には、リッジ部3の形成工程で用いたリッジ幅W2のマスクをそのまま用いることができる。詳細には、リッジ幅W1を有する第1のマスクを用いて第1の部分2Aを加工し、第1のマスクを除去した後、リッジ幅W2を有する第2のマスクを用いて第2の部分2Bを加工する。その後、第2の部分2Bの上面全体を覆う第2のマスクをそのまま誘電体層5として用い、その後、全面に光吸収膜4を成膜する。このようにすることで、第2の部分2Bの上面への光吸収膜4の付着を確実に防止することができる。
以上説明したように、本実施形態による光導波路型偏光子300は、誘電体層5が設けられ、これにより第2の部分2Bの上面に光吸収膜4が形成されないので、第1の実施形態による発明の効果に加えて、高性能で信頼性の高い偏光子を確実に提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
光導波路型偏光子の導波層2に形成された光吸収膜4と伝搬損失との関係を評価した。図5は、比較例による光導波路型偏光子の断面図である。図5の光導波路型偏光子400は、導波層2の第2の部分2Bの上面にも光吸収膜4が形成されており、この光吸収膜4の長さをdxとする。dx=0のときの光導波路型偏光子400は、図2に示した第1の実施形態による光導波路型偏光子100に相当する。
ここで、基板1はサファイア単結晶、導波層2はc軸配向のニオブ酸リチウム膜、光吸収膜4はCrおよびAuをこの順で形成した2層の金属膜、第1の部分2Aの厚さT1=0.4μm、第2の部分2Bの厚さT2=1.1μm、第1の部分2Aのリッジ幅W1=2.5μm、第2の部分2Bの幅W2=4μmとした。TMモードおよびTEモードの伝搬損失を計算した結果を図6に示す。
図6は、導波層2の第2の部分2Bの上面に形成された光吸収膜4の長さdxと光の伝搬損失との関係を示すグラフである。dx=0μmの場合は、TMモードの伝搬損失は0.7dB/mm、TEモードの伝搬損失は30.4dB/mmであり、例えば、伝搬路の長さを1mmとするとき、TMモードおよびTEモードの損失はそれぞれ0.7dBおよび30.4dBとなり、偏光子として高特性が得られている。
一方、第2の部分2Bの上面に光吸収膜4がある場合は、TMモードの伝搬損失が増加してしまい、偏光子特性が劣化してしまう。具体的には、dx=0.1μm、0.2μm、0.3μmのときのTMモードの伝搬損失はそれぞれ2.2dB/mm、17.0dB/mm、75.8dB/mmとなり、伝搬損失の増加が著しい。
偏光子においてはTE損失/TM損失が高いことが重要である。図7は、光吸収膜4の長さdxを変化させた場合のTE損失/TM損失の計算結果を示すグラフである。実施形態に相当するdx=0μmのときのTE損失/TM損失は44.4と高く、良好な結果となったが、dxの増加とともに急激に劣化してしまうことが分かった。
以上説明したように、リッジ幅W2の上面に光吸収膜4を配置しないことで高特性の偏光子が得られることが分かった。
次に、図3に示した光導波路型偏光子200において、導波層2の第3の部分2Cの厚さT3をパラメータとしたときの伝搬損失を評価した。ここで、基板1はサファイア単結晶、導波層2はc軸配向のニオブ酸リチウム膜、光吸収膜4はCrおよびAuをこの順で形成した2層の金属膜、第1の部分2Aの厚さT1=0.4μm、第2の部分2Bの厚さT2=1.1μm、第1の部分2Aのリッジ幅W1=2.5μm、第2の部分2Bの幅W2=4μmとした。なお第3の部分2Cの厚さT3=0のときの光導波路型偏光子300は、図2に示した第1の実施形態の光導波路型偏光子100に相当する。
図8は、厚さT3を変化させた場合のTE損失/TM損失の計算結果を示すグラフである。T3≦0.3μmでは、TE損失/TM損失≧20であり、良好な結果となった。第1の部分2A及び第2の部分2Bの合計厚さT1+T2は1.5μmであり、厚さT1+T2との相対的な関係を考慮すれば、T3/(T1+T2)≦0.2であることが望ましいと考えられる。


1 基板
2 導波層
2A 導波層の第1の部分
2B 導波層の第2の部分
2C 導波層の第3の部分
3 リッジ部
4 光吸収膜
5 誘電体層
10 光導波路
11 入力側
12 出力側
100〜400 光導波路型偏光子

Claims (5)

  1. 基板と、
    前記基板上に形成された導波層とを備え、
    前記導波層は、断面がリッジ形状を有するリッジ部からなる導波路を有し、
    前記リッジ部は、第1のリッジ幅および第1の厚さを有する第1の部分と、前記第1のリッジ幅よりも広く前記基板の幅よりも狭い第2のリッジ幅および第2の厚さを有する第2の部分との組み合わせからなり、前記第2の部分の上面に前記第1の部分が形成された2段のリッジ構造であり、
    前記第2の部分の側面に光吸収膜が形成されており、前記第2の部分の上面および前記第1の部分の上面および側面に前記光吸収膜が形成されていないことを特徴とする光導波路型偏光子。
  2. 前記導波層は、
    前記導波路の形成領域以外の領域に設けられ、前記第2の厚さよりも薄い第3の厚さを有する第3の部分をさらに有し、
    前記第3の厚さは、前記リッジ部の最大厚さの0.2倍以下であることを特徴とする請求項1に記載の光導波路型偏光子。
  3. 前記第2の部分の上面および前記第1の部分の上面および側面を覆う誘電体層をさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載の光導波路型偏光子。
  4. 前記導波層は、ニオブ酸リチウム膜からなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の光導波路型偏光子。
  5. 前記ニオブ酸リチウム膜のc軸は基板面に対して垂直に配向されていることを特徴とする請求項4に記載の光導波路型偏光子。
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