JP2016161661A - 導波路型光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極フィード部の曲がり部分に発生する高周波損失に起因した光制御特性の悪化を防止した導波路型光素子を提供する。【解決手段】導波路型光素子は、電気光学効果を有する基板100と、基板表面に形成された光導波路108〜114と、光導波路の近傍に形成されて当該光導波路内を伝搬する光波を制御する作用部118a、120aと、当該作用部に電気信号を伝達するフィード部118c、120cと、を有する制御電極118、120と、を備える。制御電極のフィード部は曲がり部分を有しており、少なくともフィード部の曲がり部分は、基板より誘電率の小さい材料を用いて基板上に形成された低誘電率層128の上に形成され、かつ、フィールド部の曲がり部分を含まず作用部を含む基板上の領域には低誘電率層が形成されていない。【選択図】図1

Description

本発明は、基板上に形成された光導波路と、当該光導波路を伝搬する光を制御するための制御電極とを備えた導波路型光素子に関し、特に、制御電極の曲がり部分における高周波信号損失が光制御に影響を与えるのを防止することのできる導波路型光素子に関する。
光通信や光情報処理の分野においては、電気光学効果を有する基板上に形成した光導波路と、当該光導波路内を伝搬する光波を制御するための制御電極と、を備えた、導波路型光変調器などの導波路型光素子が多く用いられている。
このような導波路型光素子として、例えば強誘電体結晶であるニオブ酸リチウム(LiNbO3)(「LN」とも称する)を基板に用い、当該基板表面にマッハツェンダ(MZ、Mach-Zehnder)型光導波路(MZ導波路)を形成すると共に、当該光導波路上、若しくはその近傍に高周波信号を伝搬し、光波を制御するためのコプレーナ電極(CPW、Copalanar Waveguide)を形成した、光変調器が広く用いられている。
上記のような構成を持つ光変調器における一つの課題として、CPWを伝搬する高周波伝搬モード(CPWモードと称する)と、基板内を伝搬する高周波伝搬モード(基板モードと称する)と、の間の結合より、CPWを伝搬する高周波信号が特定周波数において損失を発生することが挙げられる。この損失は、CPWの高周波伝達特性(S21特性)における特定周波数でのディップとなって現れ、当該周波数成分の高周波パワーが減少することで、例えば当該CPWで制御される光導波路の光変調特性が悪化する。
従来、このようなLN基板上に形成されたCPWの高周波伝達特性を改善する技術として、CPWが形成された基板の厚さを薄くする(例えば250μm程度)ことで、高周波に対する基板モードの実効屈折率を減少させて、CPWモードから基板モードへ結合する周波数を高周波側へシフトさせることで低減して、ディップを低減することが知られている(非特許文献1)。
ところで、近年においては、光通信システムに求められる伝送容量の増大に対応するため、LN基板上に複数のMZ導波路を設けて複雑な光変調を行う導波路型光素子が用いられている。例えば、QPSK変調用の導波路型光変調器の場合、LN基板上に2つのMZ導波路が並べて形成され、当該2つのMZ導波路上、若しくはその近傍にそれぞれのMZ導波路を制御するためのCPWの部分(作用部)に、個別の高周波信号が印加されて、光変調が行われる。
このようなQPSK光変調器のように複数のMZ光導波路をもつ光変調器では、一般的に、外部回路とCPWとが接続される基板の端部においてタイミングの揃った高周波信号が入力される。各CPWのフィード部(基板端部から光導波路を制御するためのCPWに至るまでの部分)を伝搬した信号が、導波路を制御するための各CPWの作用部端において、所望のタイミングを確保するためには、基板上に並んで形成されたすくなくとも一方のCPW(すなわち、上記一の基板端部に近い方のMZ導波路のCPW)のフィード部に、曲がり部分(R部)を追加するなどして、長さを調整することとなる。
このような曲がり部分では、当該曲がり部分の内側を伝搬する高周波伝搬モード(内側スロットモード)と、当該曲がり部分の外側を伝搬する高周波伝搬モード(外側スロットモード)と、の間で位相不整合が発生する。このため、CPWモードから基板モードへの放射が発生するため、直線状フィード部で発生する上記ディップの周波数とは異なる周波数に新たなディップを、S21特性に生じさせる。その結果、上記2つのMZ導波路間での光制御特性のバランスが崩れ、光変調器全体としての光制御特性も悪化する(例えば、光変調波形に歪が生じる)こととなる。
そして、これら曲がり部分に起因するS21特性上のディップは、フィード部の基板厚さを薄くする上述の従来手法では、解消することは困難である。
Yongqiang Shi, "Micromachined Wide-Band Lithium-Niobate Electrooptic Modulators", pp. 810-815, IEEE Trans. on Microwave and Technique, Vol. 54, No.2, Feb. 2006.
上記背景より、導波路型光素子において、電極フィード部の曲がり部分において発生する高周波損失に起因した光制御特性の悪化を抑制することが望まれている。
本発明の一の態様は、電気光学効果を有する基板と、前記基板表面に形成された光導波路と、前記光導波路の近傍に形成されて当該光導波路内を伝搬する光波を制御する作用部と、当該作用部に電気信号を伝達するフィード部と、を有する制御電極と、を備え、前記フィード部は曲がり部分を有しており、少なくとも前記フィード部の前記曲がり部分は、前記基板より誘電率の小さい材料を用いて前記基板上に形成された低誘電率層の上に形成され、かつ、前記フィード部の前記曲がり部分を含まず前記作用部を含む前記基板上の領域には前記低誘電率層が形成されていないか、又は、前記フィード部の前記曲がり部分を含まず前記作用部を含む前記基板上の領域に前記低誘電率層が形成されている場合には、当該領域に形成された前記低誘電率層の厚さに比べて、前記フィード部の前記曲がり部分の下部に形成される前記低誘電率層の厚さが厚い。
本発明の他の態様によると、前記信号損失の前記発生周波数は、前記低誘電率層の存在により、少なくとも前記導波路型光素子の変調周波数の2倍以上の高い周波数へシフトされている。
本発明の他の態様によると、前記低誘電率層は、当該材料の誘電率及び誘電損失をε及びtanδとしたとき、
Figure 2016161661
の特性を有する材料を用いて構成されている。
本発明の他の態様によると、前記低誘電率層を構成する前記材料は、樹脂である。
本発明の他の態様によると、前記導波路型光素子は、前記光導波路に少なくとも一つのマッハツェンダ型光導波路を含む光変調器である。
本発明の第1の実施形態に係る導波路型光素子の構成を示す図である。 図1に示す導波路型光素子のAA断面矢視図である。 図1に示す導波路型光素子のBB断面矢視図である。 低誘電率層によるディップ発生周波数のシフト効果の例を示すシミュレーションに用いたCPW構造の電極モデルである。 低誘電率層によるディップ発生周波数のシフト効果の例を示すシミュレーション結果である。 本発明の第2の実施形態に係る導波路型光素子の構成を示す図である。 図4に示す導波路型光素子のCC断面矢視図である。 図4に示す導波路型光素子のDD断面矢視図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係る導波路型光素子の構成を示す図である。
導波路型光素子10は、例えばQPSK光変調器(90°位相シフト用電極は不図示)であり、LN基板100上に形成された2つのMZ導波路102、104で構成されるネスト型MZ導波路106により構成されている。MZ導波路102及び104は、それぞれ並行導波路108、110及び112、114を備えている。
図2Aは、図1に示す導波路型光素子10のAA断面矢視図である。LN基板100は約10μmの厚さで形成されており、例えばLN支持基板116上に接着剤層117を介して、接着固定されている。LN基板100上には、金(Au)等の金属から成る制御電極である高周波(RF)電極118、120が形成され、当該RF電極118、120をそれぞれ基板面方向に沿って挟むようにグランド(GND)電極122、124、126が形成されている。これにより、RF電極118は、GND電極122、124に挟まれて一のCPW電極を構成し、RF電極120は、GND電極124、126に挟まれて他のCPW電極を構成する。
なお、LN基板100を厚さ10μm程度まで薄板化して形成するのは、RF電極118、120におけるCPWモードと基板モードとの結合によるディップを低減するためである。
ここで、ネスト型MZ導波路106は、例えば基板100に金属チタン(Ti)を熱拡散する方法等、既知の種々の方法を用いて作製することができる。また、基板100は、例えばXカットのLN基板であり、したがって、印加電界に対して最大の屈折率変化を得るべく、並行導波路108〜114内において基板100の基板面に平行に電界が印加されるよう、RF電極118、120がそれぞれ並行導波路108、110の間及び並行導波路112、114の間に形成されており、且つ、RF電極118とGND電極122及び124との間に並行導波路108、110が、RF電極120とGND電極124及び126との間に並行導波路112、114が配されるように、GND電極122、124、126が配されている。
また、図1に示すように、RF電極118、120は、共に、それぞれ並行導波路108、110と平行に形成された作用部118a(図示ハッチング部分)、及び並行導波路112、114と平行に形成された作用部120a(図示ハッチング部分)の、図示左側端部から、図示下側の基板100の端部まで延在するように形成されており、当該図示下側の端部部分が各RF電極118、120の信号入力端118b、120bとなっている。すなわち、RF電極118、120のうち、上記作用部118a、120aの図示左端から上記信号入力端118b、120bまでの間に形成された部分が、当該RF電極118、120のフィード部118c、120cをそれぞれ構成する。
また、RF電極118の作用部118aの図示右側端部は、図示上側の基板100端部まで延在し、当該端部部分が信号出力端118dを構成する。当該信号出力端118dは、基板100の外部に設けられた終端抵抗(不図示)に接続されており、これにより、RF電極118の信号入力端118bから入力された高周波信号は、上記フィード部118c及び作用部118aを通り、信号出力端118dから上記終端抵抗に至って無反射終端される。
同様に、RF電極120の作用部120aの図示右側端部は、図示下側の基板100端部まで延在し、当該端部部分が信号出力端120dを構成する。当該信号出力端120dは、基板100の外部に設けられた終端抵抗(不図示)に接続されており、これにより、RF電極120の信号入力端120bから入力された高周波信号は、フィード部120c及び作用部120aを通って信号出力端120dから上記終端抵抗に至って無反射終端される。
RF電極118、120の信号入力端118b、120bには、これら信号入力端において互いにタイミングの揃った高周波信号が、それぞれ印加される。このため、RF電極118、120のそれぞれのフィード部118c、120cは、高周波の伝搬時間が同じとなるように、同じ長さで形成されている。すなわち、2つのMZ導波路102、104のうち、基板100の図示下側端部から遠い方のMZ導波路102に設けられたRF電極118のフィード部118cは、一つの曲がり部分と図示上下方向に延びる直線部分とで形成されているのに対し、基板100の図示下側端部に近い方のMZ導波路104に設けられたRF電極120のフィード部120cは、3つの曲がり部分と、図示上下方向に延びる2つの短い直線部分と、図示左右方向に延びる1つの短い直線部分と、で構成されている。
図2Bは、図1に示す導波路型光素子10のBB断面矢視図である。
本実施形態に係る導波路型光素子10では、特に、RF電極118、120の作用部118a、120aがLN基板100上に形成されているのに対し、作用部118a、120a以外の、フィード部118c、120cと、当該フィード部118c、120cを挟むGND電極122、124、126の部分とが、LN基板100上に形成された低誘電率層128の上に形成されている。この低誘電率層128は、LN基板100よりも低い誘電率を有する材料で構成される。
上記の構成を有する導波路型光導波路10は、RF電極118、120のうち曲がり部分を有するそれぞれのフィード部118c、120cが、低誘電率層128を介してLN基板100上に形成されているので、低誘電率層128の無い従来の導波路型光素子に比べて、上記曲がり部分に起因するS21特性上のディップの周波数位置が高周波側へシフトする。
すなわち、上述したように、CPW電極の曲がり部分における高周波の放射損失は、当該曲がり部分における内側スロットモードと外側スロットモードとの間の位相不整合により発生することから、当該放射損失(即ちS21特性におけるディップ)が発生する周波数fmは、次式で与えられる。
Figure 2016161661
ここで、v0、Δl、εe、mは、それぞれ、両スロットモードの伝搬速度、曲がり部分における内側スロットモードと外側スロットモードの伝搬距離の差、CPW電極の当該曲がり部分の実効誘電率、及び位相差の次数を表す自然数である。
本実施形態の導波路型光素子10では、曲がり部分を有するRF電極118、120のフィード部118c、120cが、LN基板100上に形成された低誘電率層128の上に形成されているため、RF電極118、120の当該曲がり部分での実効誘電率が、低誘電率層128がない場合に比べて小さくなることから、S21特性におけるディップの発生周波数(即ち、上記fm)が高周波側にシフトすることとなる。
これにより、例えば、低誘電率層128を用いない構成においてRF電極118、120に入力する高周波信号の周波数スペクトラムにおいて最もエネルギ密度の高い周波数(変調周波数)又はその近傍にS21特性上のディップが発生する場合には、本実施形態のように低誘電率層128を設けることで、S21特性上の当該ディップの発生周波数を、上記変調周波数の外へシフトさせて、高周波損失を低減することができる。そして、これにより、2つのMZ導波路102、104を適切に動作させて、導波路型光素子10全体として良好な変調特性を得ることができる。
なお、低誘電率層128の素材としては、LN基板100より誘電率が低くければよく、望ましくは誘導損失(誘電正接)tanδが小さい材料が良い。例えば、後述する表1および図3Bから、
Figure 2016161661
となる材料が伝送線路の損失から好ましい。具体的な例として、SiO2や、フォトリソグラフィ技術を基にパターンが可能な樹脂(永久レジスト)を、低誘電率層122の素材とすることができる。
図3A及び図3Bは、LN基板上に低誘電率層を介してCPW電極の曲がり部分を形成した場合の、S21特性におけるディップ周波数シフト効果の例を、シミュレーションにより示した図である。本シミュレーションでは、低誘電率層を用いない場合のS21特性と、本願の出願時において市販されている永久レジスト3種類を用いて低誘電率層を構成した場合のS21特性とを算出した。計算に用いた永久レジストの比誘電率(ε)及び誘電損失(tanδ)を下表に示す。
Figure 2016161661
図3Aは、シミュレーションに用いたCPW電極モデルである。図示のモデルでは、曲率半径Rを持つ曲がり部分を備えたRF電極300が、GND電極302、304に挟まされて形成されている。RF電極300の幅をw、RF電極300のうち図示左右方向(Y方向)に延びる部分とGND電極302、304との間の間隔をg1、図示上下方向(Z方向)に延びる部分とGND電極302、304との間の間隔をg2としている。w、g1、g2の具体的な数値は、それぞれ、30μm、25μm、32μmである。
また、RF電極300、GND電極302、304は、厚さ9μmのXカットLN基板上に形成されているものとし、当該LN基板のX、Y方向の比誘電率を44、Z方向の比誘電率を28とした。また、RF電極300、GND電極302、304の厚さを40μmとして計算した。
図3Bは、S21特性のシミュレーション結果である。横軸は周波数、縦軸が伝達損失である。曲線310は、低誘電率層を用いない場合のS21特性、曲線312、314、316は、それぞれ、表1に示したレジストA、B、Cを用いて層厚5μmの低誘電率層を形成した場合のS21特性である。
図示の例では、低誘電率層を用いない場合(曲線310)には40GHz近傍の周波数320において、曲がり部分に起因したディップ(伝達損失)330が生ずる。図示されていないが、低誘電率層を用いない場合のディップ330の発生周波数は、曲がり部分の曲率半径を変化させて計算を行っても殆ど変化しない。したがって、このディップ330の深さは、CPW電極のフィーダ部に設けた曲がり部分の数に比例して深くなる(すなわち、周波数320における伝達損失は曲がり部分の数に比例して増加する)。
これに対し、レジストA、B、Cを用いて低誘電率層を形成した場合には(曲線312、314、316)、ディップ332、334、336は、いずれも50GHz近傍の周波数322へ約10GHzシフトしている。また、周波数全体に亘る伝達損失は、低誘電率層に用いたレジストの誘電損失に応じて、レジストCの場合が最も少なく、レジストAの場合が最も多くなる。
導波路型光素子の光制御特性を良好に保つために、ディップ発生周波数は、当該導波路型光素子の動作周波数以外の周波数へシフトさせるべきである。例えば、少なくともCPW電極に入力される高周波信号の変調周波数の2倍の周波数までシフトさせるべきであり、望ましくは上記変調周波数の2倍の周波数以上の周波数領域までシフトさせる。このディップ周波数のシフト量は、低誘電率層128に用いる材料の比誘電率と膜厚を含むパラメータにより定まる。
なお、永久レジスト等を用いて構成される低誘電率層は、薄板化されたLN基板の強度を補強する作用も有している。従って、例えば、分離して形成されたGND電極間をボンディングにより接続する場合には(例えば、特開2011−215293号公報参照)、ボンディングされるGND電極とLN基板との間に部分的に低誘電率層を設けることで、ボンディングの際のLN基板へのクラック発生を防止することができる。
また、本実施形態では、XカットLN基板100上に形成されたネスト型MZ導波路106により構成される導波路型光素子10を示したが、上述した低誘電率層によるディップ周波数シフト効果は、ZカットLN基板においても同様に奏し得る。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態に係る導波路型光素子は、ZカットLN基板上に形成された一つのMZ導波路から成る光変調器である。
図4は、本発明の第2の実施形態に係る導波路型光素子の構成を示す図である。
導波路型光素子40は、光変調器であり、ZカットLN基板400上に形成された並行導波路402、404を備えるMZ導波路406(図示の太い点線部分)により構成されている。
図5Aは、図4に示す導波路型光素子40のCC断面矢視図である。LN基板400上には、二酸化珪素(SiO2)から成るバッファ層408が形成され、当該バッファ層408上には、珪素(Si)より成る電荷分散膜410が形成されている。また、電荷分散膜410上には、並行導波路402、404の上方位置に、金(Au)等の金属から成る制御電極である高周波(RF)電極412、414が形成され、当該RF電極412、414をそれぞれ基板面方向に沿って挟むようにグランド(GND)電極416、418、420が形成されている。これにより、RF電極412は、GND電極416、418に挟まれて一のCPW電極を構成し、RF114は、GND電極418、420に挟まれて他のCPW電極を構成する。
ここで、上記MZ導波路406は、例えば基板400に金属チタン(Ti)を熱拡散する方法等、既知の種々の方法を用いて作製することができる。基板400は、ZカットのLN基板であるため、印加電界に対して最大の屈折率変化を得るべく、並行導波路402、404内において基板400の厚さ方向に電界が印加されるように、上述の如くRF電極412、414が並行導波路402、404の上方に形成されている。
また、図4に示すように、RF電極412、414は、共に、それぞれ並行導波路402、404と重なる作用部412a、414aの図示左側端部から、図示下側の基板400の端部まで延在するように形成されており、当該図示下側の端部部分が各RF電極412、414の信号入力端412b、414bとなっている。すなわち、RF電極412、414のうち、上記作用部412a、414aの図示左端から上記信号入力端410b、412bまでの間に形成された部分が、当該RF電極412、414のフィード部412c、414cをそれぞれ構成する。
また、RF電極412の作用部412aの図示右側端部は、図示上側の基板400端部まで延在し、当該端部部分が信号出力端412dを構成する。当該信号出力端412dは、基板400の外部に設けられた終端抵抗(不図示)に接続されており、これにより、RF電極412の信号入力端412bから入力された高周波信号は、フィード部412c及び作用部412aを通り、信号出力端412dから上記終端抵抗に至って無反射終端される。
同様に、RF電極414の作用部414aの図示右側端部は、図示下側の基板400端部まで延在し、当該端部部分が信号出力端414dを構成する。当該信号出力端414dは、基板400の外部に設けられた終端抵抗(不図示)に接続されており、これにより、RF電極414の信号入力端414bから入力された高周波信号は、フィード部414c及び作用部414aを通って信号出力端414dから上記終端抵抗に至って無反射終端される。
RF電極412、414の信号入力端412b、414bには、これら信号入力端において互いにタイミングの揃った高周波信号が、それぞれ印加される。このため、RF電極412、414のそれぞれのフィード部412c、414cは、高周波の伝搬時間が同じとなるように、同じ長さで形成されている。すなわち、2本の並行導波路402、404のうち、基板400の図示下側端部から遠い方の並行導波路402に設けられたRF電極412のフィード部412cは、一つの曲がり部分と図示上下方向に延びる直線部分とで形成されているのに対し、基板400の図示下側端部に近い方の並行導波路404に設けられたRF電極414のフィード部414cは、3つの曲がり部分と、図示上下方向に延びる2つの短い直線部分と、図示左右方向に延びる1つの短い直線部分と、で構成されている。
図5Bは、図1に示す導波路型光素子40のDD断面矢視図である。
本実施形態に係る導波路型光素子40では、特に、RF電極412、414の作用部412a、414aが電荷分散膜410上に形成されているのに対し、作用部412a、414a以外の、RF電極412、414のフィード部412c、414cと、当該フィード部412c、414cを挟むGND電極416、418、420の部分とが、電荷分散膜410上に形成された低誘電率層422の上に形成されている。この低誘電率層422は、LN基板400よりも低い誘電率を有する材料で構成される。なお、低誘電率層422を構成する材料に求められる特性及び望ましい特性は、第1の実施形態において記載したとおりである。
上記の構成を有する導波路型光素子40は、第1の実施形態に係る導波路型光素子10と同様に、RF電極412、414のうち曲がり部分を有するそれぞれのフィード部412c、414cが、低誘電率層422を介して基板400上に形成されているので、低誘電率層422の無い従来の導波路型光素子に比べて、上記曲がり部分に起因するS21特性上のディップの周波数位置が高周波側へシフトする。
なお、バッファ層408は、並行導波路402、408の上部に形成されたRF電極412、414を構成する金属により当該並行導波路402、408を伝搬する光が吸収されるのを防止することを目的として形成されるが、一方において、当該バッファ層の存在により、RF電極412、408によって並行導波路402、408に印加される電界の強度が低下する。このため、バッファ層408は、上記光吸収防止の目的が達成される範囲及びRF電極412、414を伝搬する高周波の速度をその作用部412a、414aにおいて整合させる所望の光帯域が確保できる範囲において、上記電界の強度をできるだけ高く維持し得るように、出来る限り薄く形成される。
バッファ層408を構成する二酸化珪素(SiO)は、LN基板400よりも低い誘電率を有する材料であって、低誘電率層422を構成する材料としても用いることができる。したがって、低誘電率層422とバッファ層408とが同じSiOにて形成される場合には、フィード部412c、414cの下部に形成された低誘電率層422の厚さとバッファ層408の厚さと電荷分散膜410の厚さを加えた厚さにより、上記S21特性におけるディップ周波数が定まる。
また、この場合、バッファ層408を、低誘電率層422の一部であるということもでき、従って、低誘電率層422がフィード部412c、414cの下部以外の基板400表面に形成されていると言うことができる。ただし、上述したように、バッファ層408は、本来、できる限り薄く形成されるものであるのに対し、フィード部412c、414cの下部に形成される低誘電率層422は、S21特性におけるディップ周波数を所望の量以上に高周波側へシフトさせるべく十分厚く形成されるものであるため、低誘電率層422と同じ素材で構成されたバッファ層408を当該低誘電率層422の一部としてみた場合には、フィード部412c、414cの下部に形成される低誘電率層422の厚さは、作用部412a、414aの下部に形成される低誘電率層422の厚さよりも、厚くなるのが一般的である。
また、LN基板としてXカットのLN基板100を用いる第1の実施例においても、LN基板が厚い場合には、RF電極118、120を伝搬する高周波の速度をその作用部118a、120aにおいて整合させるべく、SiO等で構成されるバッファ層を形成する場合もあるが、この場合においても、当該バッファ層は、RF電極118、120によって並行導波路108、110、112、114に印加される電界の強度をできるだけ高く維持し得るように、バ出来る限り薄く形成される。したがって、XカットのLN基板100においても、フィード部118c、120cの下部以外のLN基板100上の領域に、低誘電率層128と同じ材料によりバッファ層を形成する場合には、上記と同様に、フィード部118c、120cの下部に形成される低誘電率層128の厚さは、作用部118a、120aの下部に形成される低誘電率層422の厚さよりも、厚くなる。
以上、説明したように、第1及び第2の実施形態では、光導波路(MZ導波路106、406の並行導波路108〜114、402、404)を伝搬する光波を制御するRF電極(118、120、418、420)の、曲がり部を有するフィード部(118c、120c、412c、414c)を、LN基板上に、当該LN基板より小さい比誘電率を持つ低誘電率層を介して形成することで、当該曲がり部で発生する高周波損失の発生周波数を、動作周波数より高周波側へシフトさせることができる。その結果、光波制御に対するRF電極の上記曲がり部における高周波損失の影響を低減することができる。
なお、上述した実施形態では、導波路型光素子としてマッハツェンダ型の光変調器を示したが、これに限らず、本発明は、マッハツェンダ型光導波路や方向性結合器型導波路を用いた光制御素子(光変調器のみならず、光スイッチ等の他の機能素子を含む)についても、同様に適用することができる。
10、40・・・導波路型光素子、100、400・・・基板、106・・・ネスト型MZ導波路、102、104、406・・・MZ導波路、108、110、112、114、402、404・・・並行導波路、116・・・LN支持基板、117・・・接着剤層、118、120、300、412、414・・・RF電極、118a、120a、412a、414a・・・作用部、118b、120b、412b、414b・・・信号入力端、118c、120c、412c、414c・・・フィード部、118d、120d、412d、414d・・・信号出力端、122、124、126、302、304、416、418、420・・・GND電極、128、422・・・低誘電率層、407・・・バッファ層、410・・・電荷分散膜。

Claims (5)

  1. 電気光学効果を有する基板と、
    前記基板表面に形成された光導波路と、
    前記光導波路の近傍に形成されて当該光導波路内を伝搬する光波を制御する作用部と、当該作用部に電気信号を伝達するフィード部と、を有する制御電極と、
    を備え、
    前記フィード部は曲がり部分を有しており、
    少なくとも前記フィード部の前記曲がり部分は、前記基板より誘電率の小さい材料を用いて前記基板上に形成された低誘電率層の上に形成され、
    かつ、
    前記フィード部の前記曲がり部分を含まず前記作用部を含む前記基板上の領域には前記低誘電率層が形成されていないか、又は、
    前記フィード部の前記曲がり部分を含まず前記作用部を含む前記基板上の領域に前記低誘電率層が形成されている場合には、当該領域に形成された前記低誘電率層の厚さに比べて、前記フィード部の前記曲がり部分の下部に形成される前記低誘電率層の厚さが厚い、
    導波路型光素子。
  2. 前記信号損失の前記発生周波数は、前記低誘電率層の存在により、少なくとも前記導波路型光素子の変調周波数の2倍以上の高い周波数へシフトされている、
    請求項1に記載の導波路型光素子。
  3. 前記低誘電率層は、当該材料の誘電率及び誘電損失をε及びtanδとしたとき、
    Figure 2016161661
    の特性を有する材料を用いて構成されている、
    請求項1又は2に記載の導波路型光素子。
  4. 前記低誘電率層を構成する前記材料は、樹脂である、
    請求項3に記載の導波路型光素子。
  5. 前記導波路型光素子は、前記光導波路に少なくとも一つのマッハツェンダ型光導波路を含む光変調器である、
    請求項1ないし4のいずれか一項に記載の導波路型光素子。
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