JP2014066940A - 光変調器 - Google Patents

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潤一郎 市川
Masayuki Motoya
将之 本谷
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博司 村田
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Abstract

【課題】
光ファイバの波長分散を補償可能であり、数10Gbpsを超える高速伝送にも適用可能な光変調器を提供すること。
【解決手段】
電気光学効果を有する材料で構成される基板1と、該基板に形成された光導波路2と、該光導波路を伝搬する光波を変調するための変調電極3とを有する光変調器において、該光導波路から出射する出射光L2を光ファイバに導波し、該光ファイバの波長分散特性と逆の特性の波形歪を有するように、該光導波路に沿って該基板を所定のパターンで分極処理10されており、前記所定のパターンが、3種以上の異なる分極処理状態の組み合わせで階段状に構成されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、光変調器に関するものであり、特に、光ファイバの波長分散を補償する光変調器に関する。
光通信分野や光計測分野において、光変調器で変調した光波を光ファイバで伝送することが行われている。光ファイバでは、光の伝搬速度や伝搬経路の長さが波長により異なるため、波長分散が発生し、光信号の波形が歪むこととなる。このため、40Gbpsを超える高速通信や波長多重の高速伝送システムなどにおいては、光ファイバの波長分散を補償する技術が不可欠となる。
分散補償方法としては、光信号の受信器の直前に分散補償ファイバを配置したり、特許文献1のようなファイバ・ブラッグ・グレーティング(FBG)やエタロンなどの光デバイスを用いる方法、さらには、特許文献2や非特許文献1のようなデジタル信号処理回路を利用するものなどがある。デジタル信号処理回路では、波長分散に係る実部や虚部の変化に対応し、デジタルシグナルプロセッサーで補償するインパルス応答を生成している。
分散補償ファイバでは、その補償量の最小単位によって補償精度が限られ、また、波長分割多重(WDM)光などの波長分散補償には、WDM光などを分波するため、FBG等の波長分散補償器となる光デバイスも別途必要となる。しかも、FBG等の光デバイスは、取り扱う波長帯域に制限があるだけでなく、光損失も大きい。さらに、デジタル信号処理回路では、40Gbpsを超える高速処理は技術的にも難しいという問題を生じていた。
特開2004−12714号公報 特開2010−226254号公報
RobertI.Kelley, et al.," Electronic Dispersion Compensation by SignalPredistortion Using Digital Processing and a Dual-Drive Mach-Zehnder Modulator",IEEE Photonics Technology letters, Vol.17, No.3, pp714-716, 2005 村田博司 他2名、分散補償用プリイコライジング高速電気光学変調器の高性能化 59回応用物理学関係連合講演会 16pF47 2012
本発明が解決しようとする課題は、光ファイバの波長分散を補償可能であり、数10Gbpsを超える高速伝送にも適用可能な光変調器を提供することである。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、電気光学効果を有する材料で構成される基板と、該基板に形成された光導波路と、該光導波路を伝搬する光波を変調するための変調電極とを有する光変調器において、該光導波路から出射する出射光を光ファイバで導波し、該光ファイバの波長分散特性と逆の特性の波形歪を有するように、該光導波路に沿って該基板を所定のパターンで分極処理されており、前記所定のパターンが、3種以上の異なる分極処理状態の組み合わせで階段状に構成されていることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の光変調器において、前記所定のパターンが、多段階の階段状のアナログな近似で選択構成されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の光変調器において、該光導波路が2つの分岐導波路を持つマッハツェンダー型導波路を有し、一方の分岐導波路に形成される分極状態のパターンは、該光ファイバのインパルス応答h(t)を補償するインパルス応答1/h(t)の実部応答性に対応するパターンであり、他方の分岐導波路に形成される分極状態のパターンは、前記インパルス応答1/h(t)の虚部応答性に対応するパターンであり、前記2つの分岐導波路を通過した光波を所定の位相差で合波するよう構成されていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の光変調器において、該光ファイバのインパルス応答h(t)は以下の式で与えられることを特徴とする。
ただし、H(ω)は光ファイバの伝達関数であり、H(ω)=exp(jβ(ω)L)となる。β(ω)は、光ファイバ中を伝搬する光波の位相定数であり、Lは光ファイバの長さである。
Figure 2014066940
請求項1に係る発明により、電気光学効果を有する材料で構成される基板と、該基板に形成された光導波路と、該光導波路を伝搬する光波を変調するための変調電極とを有する光変調器において、該光導波路から出射する出射光を光ファイバで導波し、該光ファイバの波長分散特性と逆の特性の波形歪を有するように、該光導波路に沿って該基板を所定のパターンで分極処理されており、前記所定のパターンが、3種以上の異なる分極処理状態の組み合わせで階段状に構成されているため、光変調器によって電気信号を光信号に変換する際に、予め光ファイバの波長分散による波形歪の逆の特性を持たせることで、光ファイバによる波長分散が発生しても特性劣化を補償することが可能となる。しかも波長に依存せず波形劣化を補償することが可能であり、デジタル信号処理技術も使用しないため、数10Gbpsを超える高速伝送にも適用可能な光変調器を提供することができる。しかも、前記所定のパターンが、3種以上の異なる分極処理状態の組み合わせで階段上に構成されているため、より精度の高い波長分散補償を実現することが可能となる。
請求項2に係る発明により、所定のパターンが、多段階の階段状のアナログな近似で選択構成されているため、より精度の高い波長分散補償を実現することが可能となる。
請求項3に係る発明により、光導波路が2つの分岐導波路を持つマッハツェンダー型導波路を有し、一方の分岐導波路に形成される分極状態のパターンは、光ファイバのインパルス応答h(t)を補償するインパルス応答1/h(t)の実部応答性に対応するパターンであり、他方の分岐導波路に形成される分極状態のパターンは、前記インパルス応答1/h(t)の虚部応答性に対応するパターンであり、前記2つの分岐導波路を通過した光波を所定の位相差で合波するよう構成されているため、光ファイバの波長分散を補償する光波を容易に生成することが可能となる。しかも、分極状態パターンや位相差を調整することにより、多様な光ファイバの波長分散に対して、容易に設計し、設定することができる。
請求項4に係る発明により、前記「数1」欄で示された、光ファイバのインパルス応答h(t)を用いることで、各種の光ファイバや長さに対応した、波長分散を補償する分極状態のパターンを容易に設計し、設定することができる。
本発明の光変調器の一例を示す図である。 光ファイバのインパルス応答を補償する実部応答性(Reh(t))と虚部応答性(Imh(t))の一例を示すグラフである。 2値(−1,1)によるインパルス応答性の近似状態を示すグラフである。 3値(−1,0,1)によるインパルス応答性の近似状態を示すグラフである。 本発明の光変調器の一例であり、各分岐導波路に対応して信号電極を配置した例を示す図である。 本発明の光変調器の一例であり、2つの分岐導波路に対して共通の信号電極を配置した例を示す図である。 本発明の光変調器の一例であり、基板にX板を用いた例を示す図である。
以下、本発明を好適例を用いて詳細に説明する。
本発明は、図1に示すように、電気光学効果を有する材料で構成される基板1と、該基板に形成された光導波路2と、該光導波路を伝搬する光波を変調するための変調電極3とを有する光変調器において、該光導波路から出射する出射光L2を光ファイバ(不図示)で導波し、該光ファイバの波長分散特性と逆の特性の波形歪を有するように、該光導波路に沿って該基板を所定のパターンで分極処理10されており、前記所定のパターンが、3種以上の異なる分極処理状態の組み合わせで階段状(P1→P0→P2→P0・・・)に構成されていることを特徴とする。
本発明の電気光学効果を有する材料を用いた基板としては、例えば、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、PLZT(ジルコン酸チタン酸鉛ランタン)、及びこれらの材料を組み合わせた基板が利用可能である。特に、電気光学効果の高く、任意の分極状態の構造を形成し易い材料であることが好ましい。具体的には、電気光学ポリマーが望ましい。
基板に光導波路2を形成する方法としては、埋込みリッジやフォトブリーチングなどより基板の表面近傍に形成することができる。また、光導波路以外の基板をエッチングしたり、光導波路の両側に溝を形成するなど、基板に光導波路に対応する部分を凸状としたリッジ形状の導波路を利用することも可能である。
基板1上には、信号電極3や接地電極などの変調電極が形成されるが、このような電極は、Ti・Auの電極パターンの形成及び金メッキ方法などにより形成することが可能である。さらに、必要に応じて光導波路形成後の基板表面に樹脂や誘電体SiO等のバッファ層を設け、バッファ層の上に変調電極を形成することも可能である。図1の符号Sは、変調信号である。
本発明の光変調器には光ファイバが光学的に結合されている。電気光学効果を有する基板にキャピラリ等を利用して光ファイバを直接接合する方法や、電気光学効果を有する基板に、光導波路を形成した石英基板等を接合し、該石英基板等に光ファイバを接合することも可能である。さらに、電気光学効果を有する基板や石英基板等に空間光学系を介して出射光を光ファイバに導入するよう構成することも可能である。
本発明の光変調器においては、図1のような、電気光学効果を有する材料の基板、特に複数の分極状態を形成できる電気光学ポリマー基板を使用し、基板の一部を分極処理10している。矢印P1,P2は基板の分極方向を示し、P0で示した部分は分極処理されていない領域を示している。このような分極反転構造を進行波電極型光変調器に適用すると、擬似速度整合や完全ゼロチャープ強度変調、光SSB変調などの有用な特性を得ることができる。本発明者は、分極反転構造を持つ進行波電極型光変調器の変調周波数特性は、分極反転パターンに直接的に対応するインパルス応答のフーリエ変換で与えられることに着目し、本発明を完成するに至ったものである。分極処理についての詳細は後述するが、本発明においてはこのように異なる分極処理状態の組み合わせで階段状に構成されているため、より精度の高い波長分散補償を実現することが可能となる。
つまり、本発明のように、この特性を利用することで、プリイコライジング機能を兼ね備えた光変調器を実現可能である。しかも、本発明の光変調器は、通常のベースバンド変調器と異なり、変調光の群速度と変調信号の位相速度を合わせる必要が無いため、断面積を大きくした超低損失な進行波型電極を用いることにより、数10GHzを超える超高速応答が可能である。また、従来のデジタル信号処理回路のように、高速A/D変換技術を用いた電気的イコライジング技術の限界を超えた動作も可能となる。本発明の光変調器では、高速なデジタル信号処理回路が不要となり、低消費電力の駆動も可能となる。さらに、ファイバーの波長分散による伝送信号の位相回転補償をはじめ種々の応用も期待できる。
以下では、光ファイバーの分散補償を行う光変調器を中心に説明する。本発明の光変調器は、分極反転を用いた電気光学変調技術を用いることにより、電気信号を光信号に変換する際に、あらかじめ光ファイバーの波長分散による波形歪の逆の特性を持たせることで、特性劣化を補償するものである。
本発明の光変調器は、数10Gbps以上、さらには100Gbpsを超える高速伝送の場合にも適用可能である。しかも、波長によらず波形劣化を補償することができる。このため、本発明は、従来の分散補償技術を凌駕する画期的な技術でもある。本発明が利用する分散補償技術の特徴は、以下のような点が列挙できる。
(1)デジタル信号処理技術では対応が困難な40Gbpsを超える高速電子に対応可能
(2)FBG方式のような、波長帯域の制限がない
(3)データ変調器との集積が可能
上記(1)及び(2)を兼ね備える特徴は、これまでの分散補償技術にはないものであり、本発明の技術は、特に、波長多重の高速伝送システムにおける分散補償技術として非常に優れている。
本発明の光変調器における分散補償技術について、詳細に説明する。
光ファイバ中を伝搬する光波の位相定数をβ(ω)とすると、長さLの光ファイバの伝達関数H(ω)は、以下の式となる。
H(ω)=exp(jβ(ω)L)
さらに、分散補償において、β(ω)をキャリア角周波数ω=ωの周りでテーラー展開した時の2次の項を考えればよく、以下のように変形できる。
H(ω)=exp(jβωL/2)
ここで、β2は、テーラー展開の2次の項を意味し、群速度分散を表す。
これにより、光ファイバのインパルス応答h(t)は、以下の数2に示す式で表現できる。
Figure 2014066940
光ファイバの分散を補償するには、光ファイバの分散補償するための伝達関数は1/H(ω)=H(ω)であるため、光変調器において、分散補償のインパルス応答であるh(t)(=1/h(t))に対応する変調を行えばよい。具体的には、図1に示すマッハツェンダー型導波路を持つ、MZ干渉型光変調器を用いる場合、一方の分岐導波路21でh(t)の実部応答性Re{h(t)}の変調を行い、他方の分岐導波路で虚部応答性Im{h(t)}の変調を行い、両者を所定の位相差で合成すればよい。位相差は、90°となるように設定することが最も好ましい。
図2は、分散補償のためのインパルス応答h(t)の実部応答性Re{h(t)})と虚部応答性Im{h(t)}を示すグラフである。
一般には、インパルス応答性を自在に設定することは難しいが、強誘電体材料のように一次の電気光学効果を有する材料に分極反転構造をもちいれば、このインパルス応答を容易に実現することが可能である。
具体的には、図1のように、光導波路2が2つの分岐導波路(21,22)を持つマッハツェンダー型導波路を有し、一方の分岐導波路に形成される分極反転10のパターンは、上述した光ファイバのインパルス応答h(t)を補償するインパルス応答h(t)(=1/h(t))の実部応答性に対応するパターンとし、他方の分岐導波路に形成される分極反転のパターンは、分散補償のインパルス応答h(t)の虚部応答性に対応するパターンを施せば良い。
2つの分岐導波路を通過した光波は、所定の位相差で合成される。この位相差を発生する方法としては、各分岐導波路の長さを調整する方法や、分岐導波路に沿って配置した信号電極又はDCバイアス電極を用いて、分岐導波路の屈折率を調整する方法などが利用可能である。
図1のような光変調器は、プリイコライジング機能を備えた分散補償変調器として動作する。さらに、Double MZ 変調器を用いると、より高精度な分散補償が可能である。しかも、QPSK変調、デュオバイナリー変調との併用も可能である。
図1では、変調電極として、信号電極3のみを示し、接地電極の図示を省略しているが、本発明の光変調器は、図1に示したものに限らず、例えば図5乃至図7に示す種々の配置・構成を採用することが可能である。
図5に示す光変調器においては、基板1上に、マッハツェンダー型導波路の2つの分岐導波路21、22のそれぞれに対応する2つの信号電極31、32が形成されている。各信号電極の入力端は、交流電源5に接続されており、変調信号S,S’が各々に入力されている。なお、図5では、図1と同様に接地電極は省略されている。
図6に示す光変調器においては、単一の信号電極3が、マッハツェンダー型導波路の2つの導波路を全て覆うように形成されている。そして、基板1の裏面に接地電極4が形成されている。
さらに、図6の光変調器においては、基板1に薄板を使用する場合には、必要に応じて基板1の裏面と接地電極4との間に誘電体SiO等のバッファ層を設けこともできる。
図1及び図5乃至6では、光変調器の基板1としてZ板を用いており、従って分極処理の方向は基板表面に垂直方向であったが、図7に示す光変調器のように、基板としてX板(Y板)を用いて、分極処理の方向を基板表面に並行な方向にすることもできる。図7の符号3は信号電極であり、符号4は接地電極を示している。
上記の図5乃至7に示した光変調器についても、図1に示した光変陶器と同様3種の分極状態(P1.P0、P2)で階段状に構成されているため、より精度の高い波長分散補償を実現することが可能となる。なお分極状態については、図示したものに限らず、4種以上のものも適宜適用できることはいうまでもない。
次に、より高精度な分散補償を実現するため、分極反転パターンを多値化(アナログを含む)する場合について説明する。
図3は、分極反転状態を2値(−1,1)のみで設定した場合のインパルス応答性の近似状態を示すグラフである。これに対し、分極反転状態を3値(−1,0,1)で設定した場合は、図4に示すような近似状態となり、より、分散補償のインパルス応答性を再現していることが容易に理解できる。3値の「0」状態とは、分極されていない状態を意味している。即ち上記の3値は、図1並びに図5乃至7における(P1、P0、P2)に対応している。なお、図4には、2値による場合も参考までに一緒に示している。このような多値の分極反転状態を実現する方法について、さらに詳述する。
ニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウムのような光学的一軸性の単結晶の場合、電気光学定数(EO定数)は結晶内でほぼ一定であり、分極の方位によりEO定数の符号が異なる。
光変調器の用途では、実効的なEO定位数としてr33を使うが、伝搬し位相変調を受ける光からみれば、EO定数が+r33の領域と、−r33の領域が分布することになる。この場合、インパルス応答性は、分極反転をしない領域(+r33)としない領域(−r33)の二階調の電気光学効果、つまりは2階調の位相変化効率で、矩形的に近似して設計することしかできない(図3参照)。
単純な矩形分布による平均化近似に変えて、区間を細かくしてΔ−Σ変換による平均化の手法を取ることによりにより近似の精度を高め、分散補償の精度を高めることは可能である。Δ−Σ変換による近似精度を高める方法については、非特許文献2にも開示されている。
一方、電気光学ポリマー(EOポリマー)の場合、一般的に、ポーリングしていない状態ではEO効果をほとんど有しておらず、ポーリングによりEO効果を発現する。ポーリングの際に印加する電界の方位に応じて分極方位つまり、EO定数r33の符号を変えることが可能である。ポーリングをしない領域と極性の異なるポーリング(電界+Ep,−Ep)の2つの処理を使い分けることで、0,+r33,−r33の3段階のEO係数を有する領域を形成することができる。これを利用すれば、図4のようなインパルス応答性が階段状にでき、近似の精度を高めることができる。
上記の性質について、既に説明した図1並びに図5乃至図7においては、電界+Ep(−Ep)のポーリングをした領域をP1,電界−Ep(+Ep)のポーリング処理をした領域をP2、ポーリング処理をしていない領域をP0として図示したものである。
また、EO定数r33の大きさは、電界強度、印加時間、温度などポーリングの条件に依存することが知られている。たとえば、ポーリングの電界強度を「+E1,+E2,0,−E2,−E1。ただし、|E1|>|E2|とする。」と使い分けることで、r1,r2,0,−r2,−r1の段階のEO係数を有する領域を形成でき、さらに近似の精度を高めることができる。
多段階化するほど高い近似が容易であることは言うまでもない。説明を簡単にするために、|+r1|=|−r1|、|+r2|=|−r2|となる例を説明したが用いたが、必ずしも等大逆符号の分極状態を用いる必要は無く、必要なインパルス応答性の近似設計に応じて設定すればよい。ポーリングの時間(電界印加時間)の条件を、場所によって変化させて、EO係数に分布を持たせることも可能であり、電界強度(方位も含む)による調整と印加時間の調整を併用しても良い。このような条件設定は、単にデジタル的に行うだけでなく、より多くの段階調整が可能であることから、アナログ的にも実施できることは言うまでもない。
また、上述したΔ−Σ変換による平均化法を併用することも可能である。なお、ポーリング時の温度やポーリング部への光照射条件によっても、EO係数を調整することも原理的には可能である。
さらに、ポーリング処理後に、局所的にEO効果を劣化させて分布を形成させることも可能である。EOポリマーのEO効果は、強い光の照射や加熱によって劣化し効果が薄れることが知られている。この現象をEO係数の分布形成に利用する。たとえば、EO係数を小さくしたい領域に、EO効果を発現する分極色素が分解あるいは劣化(フォトブリーチング)する波長、強度の条件の光を照射し、EO係数を低下させる、あるいは、照射部の吸収発熱による局所温度上昇により照射部の分極配向を緩和させEO係数を低下させる、といった手法がとれる。なお、光照射による分極色素の分解、分極配向の緩和は、同時に起きる場合もある。
上述した技術を用いることで、分極反転状態を多段階(アナログを含む)に調整することができ、より高精度な分散補償が可能となる。
以上のように、本発明に係る光変調器によれば、光ファイバの波長分散を補償可能であり、数10Gbpsを超える高速伝送にも適用可能な光変調器を提供することが可能となる。
1 電気光学効果を有する材料を用いた基板
2 光導波路
21,22 分岐導波路
3,31,32 信号電極
4 接地電極
10 分極反転パターン
L1 入射光
L2 出射光
S 変調信号

Claims (4)

  1. 電気光学効果を有する材料で構成される基板と、該基板に形成された光導波路と、該光導波路を伝搬する光波を変調するための変調電極とを有する光変調器において、
    該光導波路から出射する出射光を光ファイバで導波し、該光ファイバの波長分散特性と逆の特性の波形歪を有するように、該光導波路に沿って該基板が所定のパターンで分極処理されており、
    前記所定のパターンが、3種以上の異なる分極処理状態の組み合わせで階段状に構成されていることを特徴とする光変調器。
  2. 請求項1に記載の光変調器において、前記所定のパターンが、多段階の階段状のアナログな近似で選択構成されていることを特徴とする光変調器。
  3. 請求項1又は2に記載の光変調器において、該光導波路が2つの分岐導波路を持つマッハツェンダー型導波路を有し、
    一方の分岐導波路に形成される分極状態のパターンは、該光ファイバのインパルス応答h(t)を補償するインパルス応答1/h(t)の実部応答性に対応するパターンであり、
    他方の分岐導波路に形成される分極状態のパターンは、前記インパルス応答1/h(t)の虚部応答性に対応するパターンであり、
    前記2つの分岐導波路を通過した光波を所定の位相差で合波するように構成されていることを特徴とする光変調器。
  4. 請求項3に記載の光変調器において、該光ファイバのインパルス応答h(t)は以下の式で与えられることを特徴とする光変調器。
    ただし、H(ω)は光ファイバの伝達関数であり、H(ω)=exp(jβ(ω)L)となる。β(ω)は、光ファイバ中を伝搬する光波の位相定数であり、Lは光ファイバの長さである。
    Figure 2014066940
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