JP6398382B2 - 光デバイス - Google Patents
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Description
特に、樹脂等を基板に用いた変調器においては、基板の上側に信号電極のみを設けて接地電極を設けず、この基板の下側に接地電極を設けた、いわゆるマイクロストリップ構造(以下、MSL構造と称することもある)が用いられている(特許文献2)。
そこで、電気的な接続を容易にするために、電気光学基板の外部電極との接続部における電極構成を、信号電極を一対の上部接地電極にて挟んだコプレーナ型構造(以下、CPW構造と称することもある)とすることがある。この場合、CPWの信号電極幅をワイヤボンディングなどで電気的に更に容易に接続できるように、MSL電極部の信号電極よりも広くしている。また、このようなCPW構造及びMSL構造の双方を備えた変調器においては、CPW−MSL変換構造を導入した構成の光変調器が提案されている(非特許文献1参照)。
図7〜10は、入力用フィードスルー部9について示す図である。図7は入力用フィードスルー部9の平面図、図8は入力用フィードスルー部9の下部電極の構造を示す平面図、図9は図7のA−Aにおける矢視断面図、図10は図7のB−Bにおける矢視断面図である。
コプレーナ型電極部11は、信号電極5と、信号電極5を挟持する一対の上部接地電極6,7とを有している。また、コプレーナ型電極部11を平面視したとき、基板2の下面には下部クラッド層35を介して下部接地電極17が形成されている。
電極変換部12は、信号電極5と、基板2の下面に下部クラッド層35を介して形成された下部接地電極17とにより構成されている。
マイクロストリップ型電極部13は、信号電極5及び下部接地電極17により構成されている。
特に、コプレーナ型電極部においては、下部接地電極の切り欠き幅が信号電極の幅より大きい場合、信号電極の幅が下部接地電極の幅より大きい部分の長さは、変調信号が伝搬する方向において長くなる。その結果、インピーダンスの不連続部が長くなるので、電気反射特性や光伝送特性はさらに劣化し易くなるという問題点があった。
一方、ニオブ酸リチウム(LiNbO3:LN)等においてもクラッド層等を蒸着法やスパッタリング法等により成膜しているために、光導波路基板が反り易く、上部クラッド層の表面形状は下部接地電極のギャップ形状を反映した凹形状になる。
このように、下部接地電極の切り欠きにより、上部クラッド層は凹形状となるが、下部クラッド層の凹形状にはバラツキがあることから、結果として、上部クラッド層上に形成される信号電極と下部電極との間隔形状にもバラツキが生じ、変調器の特性、特にインピーダンスのバラツキが大きくなるという問題点があった。
前記信号電極の端部において、前記信号電極を一対の上部接地電極にて挟むコプレーナ型電極部と、前記信号電極及び前記下部接地電極からなる電極変換部と、前記信号電極及び前記下部接地電極を重ね合わせたマイクロストリップ型電極部とがこの順に連続するフィードスルー部が設けられ、
前記下部接地電極は、前記コプレーナ型電極部においては前記信号電極の下方位置に形成されず、前記電極変換部においては前記マイクロストリップ型電極部側の前記信号電極の下方位置の一部に形成され、
前記電極変換部の前記コプレーナ型電極部側の一端における前記信号電極の幅をW1、前記電極変換部の前記マイクロストリップ型電極部側の一端における前記信号電極の幅をW2、前記電極変換部の前記コプレーナ型電極部側の一端における前記下部接地電極の切り欠き部の幅をWgとしたとき、Wg>W1であり、
平面視において、前記電極変換部にて前記信号電極の一辺と前記下部接地電極の切り欠き部の一辺とが交差する点を点A、前記点Aから前記幅W2の延長線に垂直に交わる点を点Bとしたときの前記点Aと前記点Bとを結ぶ線分の長さをLabとし、
前記幅Wgの一端の点と前記幅W2の中点とを結ぶ線分と、前記幅W1の一端と前記幅W2の一端とを結ぶ線分との交点を点C、前記点Cから前記幅W2の延長線上に垂直に交わる点を点Dとしたときの前記点Cと前記点Dとを結ぶ線分の長さをLcdとすると、
LabはLcdよりも短いことを特徴とする。
前記電極変換部のインピーダンスは、前記コプレーナ型電極部のインピーダンス及び前記マイクロストリップ型電極部のインピーダンスと略等しいことが好ましい。
前記電極変換部における前記下部接地電極の切り欠き部の一辺は連続関数にて表される形状を有することが好ましい。
さらに、信号電極の形状のバラツキを抑制することができ、電気的特性のバラツキを小さくすることができる。
本発明では、光デバイスとしてCPW−MSL変換構造を導入した光変調器及びそこに形成された入力用フィードスルー部を例に取り説明する。
なお、以下の実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
このポリマー材料としては、光導波路3(コア層)を伝搬する光に対して高い透過率を有するものであればよく、例えば、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、ポリキノリン系樹脂、ポリキノキサリン系樹脂、ポリベンゾオキサゾール系樹脂、ポリベンゾチアゾール系樹脂、ポリベンゾイミダゾール系樹脂等が挙げられる。これらのポリマー材料は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのポリマー材料には、必要に応じて、無機微粒子や、他の成分等を添加してポリマーの屈折率や機械的特性等を調整することが可能である。
基板2の形成材料がニオブ酸リチウム(LiNbO3:LN)等の10μm以下の薄厚の誘電体基板の場合、光導波路3は、誘電体基体の表面にチタン(Ti)等を熱拡散法やプロトン交換法等により拡散させることにより形成される。本実施形態の基板2は、SiO2などで形成したクラッド層4,35により上下方向から挟まれている。
また、上述のような熱拡散やプロトン交換により光導波路3を形成する方法に替えて、誘電体基体である基板2の一部を凸状に成形して光導波路を形成してもよい。このような光導波路を有する基板2は、上述のような熱拡散やプロトン交換により光導波路3が形成された基板2と同様に、誘電体基体をSiO2などで形成したクラッド層4,35により上下方向から挟まれる構造としてもよい。
この光導波路3においては、下部クラッド層および上部クラッド層4の厚みは、光導波路3の光導波領域の厚みより厚くなっている。
例えば、光導波路3の光導波領域の厚みが0.1μm〜10μmの範囲の場合、上部クラッド層4及び下部クラッド層の厚みは、0.5μm〜20μmの範囲である。
この有機EO分子は、上記のポリマー材料に単に添加してポリマー中に分散させるか、もしくは、上記のポリマー材料の側鎖または主鎖に化学結合によって導入することで、添加することが可能である。
この有機EO分子の具体例としては、Disperse Red類、Disperse Orenge類、スチルベン化合物等が挙げられる。これらの化合物は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
コプレーナ型電極部31は、信号電極5と、信号電極5を挟持する一対の上部接地電極6,7とを有している。また、コプレーナ型電極部31を平面視したとき、基板2の下面には下部クラッド層35を介して下部接地電極36が形成されている。
電極変換部32は、信号電極5と、基板2の下面に下部クラッド層35を介して形成された下部接地電極36とにより構成されている。
マイクロストリップ型電極部33は、信号電極5及び下部接地電極36により構成されている。
この切り欠き部37の一辺の形状は、インピーダンスの不連続性を避けるために、図2〜図5に示すように、3つの線分を連続的に繋ぎ合わせた多角形の複数辺のような形状でもよいが、より連続関数に近い形状を有することが好ましい。
ここで、Wg>W1という関係が成り立たない場合、特に、下部接地電極36の上に形成される下部クラッド層35、基板2、上部クラッド層4が、スピンコート法や蒸着法、スパッタリング法等により積層される場合には、信号電極5が下部クラッド層35の凹形状の影響を受けて信号電極5と下部接地電極36との間隔にもバラツキが生じ、その結果、光変調器21の特性のバラツキが大きくなるので好ましくない。
特に、長さLabが信号電極5を伝播する電気信号の波長の1/4以下の場合には、その部分のインピーダンス不整合の影響を抑制することができるので、より好ましい。
さらに、信号電極の形状のバラツキを抑制することができ、電気的特性のバラツキを小さくすることができる。
これにより、本発明の光デバイスは、光導波路を伝搬する光波に電界を付与し変調するための変調信号が伝搬する方向のインピーダンスを精度良く整合することができ、したがって、電気反射特性を改善することができる。
さらに、信号電極の形状のバラツキを抑制することができ、電気的特性のバラツキを小さくすることができるものであるから、光伝送技術に用いられる光デバイスに対してはもちろんのこと、高周波化、高集積化が求められる光デバイスにおいても、設計の自由度を高めることができ、その工業的価値は大きい。
2 電気光学効果を有する基板
4 上部クラッド層
5 信号電極
6〜8 上部接地電極
22 入力用フィードスルー部
23 出力用フィードスルー部
31 コプレーナ(CPW)型電極部
32 電極変換部
33 マイクロストリップ(MSL)型電極部
35 下部クラッド層
36 下部接地電極
37 切り欠き部
W1 CPW型電極部側の信号電極の幅
W2 MSL型電極部側の信号電極の幅
Wg CPW型電極部側の切り欠き部の幅
A、B、C、D 点
Claims (4)
- 電気光学効果を有する基板と、
前記基板の上に形成される信号電極と、
前記基板の上に形成される複数の上部接地電極と、
前記基板の下に形成されて切り欠き部を有する下部接地電極と、を備え、
前記信号電極の端部において、前記信号電極を一対の上部接地電極にて挟むコプレーナ型電極部と、前記信号電極及び前記下部接地電極からなる電極変換部と、前記信号電極及び前記下部接地電極を重ね合わせたマイクロストリップ型電極部とがこの順に連続するフィードスルー部が設けられ、
前記下部接地電極は、前記コプレーナ型電極部において形成されるとともに前記信号電極の下方位置に形成されず、前記電極変換部においては前記マイクロストリップ型電極部側の前記信号電極の下方位置の一部に形成され、
前記電極変換部の前記コプレーナ型電極部側の一端における前記信号電極の幅をW1、前記電極変換部の前記マイクロストリップ型電極部側の一端における前記信号電極の幅をW2、前記電極変換部の前記コプレーナ型電極部側の一端における前記下部接地電極の切り欠き部の幅をWgとしたとき、Wg>W1であり、
平面視において、前記電極変換部にて前記信号電極の一辺と前記下部接地電極の切り欠き部の一辺とが交差する点を点A、前記点Aから前記幅W2の延長線に垂直に交わる点を点Bとしたときの前記点Aと前記点Bとを結ぶ線分の長さをLabとし、
前記幅Wgの一端の点と前記幅W2の中点とを結ぶ線分と、前記幅W1の一端と前記幅W2の一端とを結ぶ線分との交点を点C、前記点Cから前記幅W2の延長線上に垂直に交わる点を点Dとしたときの前記点Cと前記点Dとを結ぶ線分の長さをLcdとすると、
LabはLcdよりも短いことを特徴とする光デバイス。 - 前記コプレーナ型電極部のインピーダンスは、前記マイクロストリップ型電極部のインピーダンスと略等しいことを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
- 前記電極変換部のインピーダンスは、前記コプレーナ型電極部のインピーダンス及び前記マイクロストリップ型電極部のインピーダンスと略等しいことを特徴とする請求項2に記載の光デバイス。
- 前記電極変換部における前記下部接地電極の切り欠き部の一辺は連続関数にて表される形状を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光デバイス。
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