JP2015230466A - 光導波路素子およびこれを用いた光変調器 - Google Patents

光導波路素子およびこれを用いた光変調器 Download PDF

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Abstract

【課題】伝搬損失が低く、実質的にシングルモードで動作するリッジ型光導波路素子およびこれを用いた光変調器を提供する。【解決手段】光導波路素子100は、基板1と、基板1上に形成された導波層2とを備え、導波層2は、断面がリッジ形状を有するリッジ部3からなる導波路を有する。リッジ部3は、第1のリッジ幅W1および第1の厚さT1を有する第1の部分2Aと、第1のリッジ幅W1よりも広く基板1の幅よりも狭い第2のリッジ幅W2および第1の厚さT1よりも薄い第2の厚さT2を有する第2の部分2Bとの組み合わせからなる2段のリッジ構造を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、光通信および光計測分野において用いられる光導波路素子および光変調器に関し、特に、リッジ構造を有する光導波路素子およびこれを用いた光変調器に関する。
インターネットの普及に伴い通信量は飛躍的に増大しており、光ファイバ通信の重要性が非常に高まっている。光ファイバ通信は、電気信号を光信号に変換し、光信号を光ファイバにより伝送するものであり、広帯域、低損失、ノイズに強いという特徴を有する。
電気信号を光信号に変換する方式としては、半導体レーザによる直接変調方式と光変調器を用いた外部変調方式が知られている。直接変調は光変調器が不要で低コストであるが、高速変調には限界があり、高速で長距離の用途では外部光変調方式が使われている。
光変調器としては、ニオブ酸リチウム単結晶基板の表面付近にTi(チタン)拡散により光導波路を形成した光変調器が実用化されている。40Gb/s以上の高速の光変調器が商用化されているが、全長が10cm前後と長いことが大きな欠点になっている。
これに対して、特許文献1では、サファイア単結晶基板上にエピタキシャル成長によりc軸配向のニオブ酸リチウム膜を形成し、そのニオブ酸リチウム膜を光導波路として用いたマッハツェンダ型光変調器が開示されている。
特開2006−195383号公報
図10は、上記特許文献1に記載されている従来の光変調器300の構成を示す断面図である。光変調器300は、サファイア基板21上にエピタキシャル成長によりニオブ酸リチウム膜が形成された後、微細加工により長方形状の断面を有する光導波路22a、22bが形成されたものである。光導波路22a、22bの側面と上面はSiOバッファ層23により囲まれていて、いわゆる、埋め込み型の光導波路22a、22bとなっている。光導波路22a、22bの上部には、バッファ層23を介して、電極24a、24bが配置されている。
光変調器300用の光導波路22a、22bはシングルモード、もしくは、実質上、一つのモードのみ導波するように設計する必要がある。この特許文献1で示されている埋め込み型の光導波路22a、22bでは、シングルモードの条件を満足するためには、非常に微細な導波路にする必要があるため、作製が困難である。例えば、波長1550nmにおいてシングルモード条件を満足する光導波路22a、22bのサイズは、高さが1μmの場合、幅を1μm以下と大変狭くしなければならない。
そこで、本発明者は、埋め込み型ではなく、作製が容易なリッジ型光導波路について検討を進めた。図11は、従来のリッジ型光導波路素子400の断面図である。光導波路素子400は、基板1と、基板1上に形成されたニオブ酸リチウム膜の導波層2とを備え、導波層2はリッジ部3を有している。リッジ部3は、リッジ幅W1および厚さT1を有する1段のリッジ構造となっている。リッジ部3ではない部分の導波層2の厚さをT2とする。
リッジ型光導波路素子400ではリッジ幅W1を狭くすることで実質的にシングルモードになるものの、伝搬損失が高くなるという問題がある。リッジ幅W1を広げることで伝搬損失は低くなるものの、m=1モードが伝搬してしまい、マルチモードになるという別の問題が生じてしまう。
このようなリッジ型光導波路素子400を用いて光変調器を構成すると、光導波路の伝搬損失が高い場合には光変調器の挿入損失が高くなり、また、マルチモードの光導波路では消光比の劣化が問題になる。
本発明は、上記の点を考慮してなされたもので、伝搬損失が低く、実質的にシングルモードで動作するリッジ型光導波路素子を提供することを目的とする。また、本発明は、挿入損失が低く、かつ、消光比も高い光変調器を提供することを目的とする。
本発明者が鋭意検討した結果、従来のリッジ型光導波路においてTMモードの伝搬損失が高くなる原因は、TEのスラブモードへの結合であることが分かった。スラブモードとは図11においてリッジ部3の外側の厚さT2の部分に伝搬するモードであり、リッジ部3に拘束されずリークしてしまうモードである。そして、TEスラブモードとの結合を抑制することにより、TMモードの伝搬損失を低くすることができることを見出した。
本発明はこのような技術的知見に基づくものであり、本発明による光導波路素子は、基板と、前記基板上に形成された導波層とを備え、前記導波路層は、断面がリッジ形状を有するリッジ部からなる導波路を有し、前記リッジ部は、第1のリッジ幅および第1の厚さを有する第1の部分と、前記第1のリッジ幅よりも広く前記基板の幅よりも狭い第2のリッジ幅および前記第1の厚さよりも薄い第2の厚さを有する第2の部分との組み合わせからなる2段のリッジ構造を有することを特徴とする。
本発明によれば、TMモードの伝搬損失が低く、実質的にシングルモードで動作するリッジ型光導波路を提供することができる。1段のリッジ構造を有する従来のリッジ型光導波路においてリッジ幅を狭くするとTMモードがTEスラブモードと結合してリッジ部の外側に漏れやすくなり、TMモードの伝搬損失が大きくなる。しかし、2段のリッジ構造では、TMモードがTEスラブモードと結合しない構造を実現でき、TMモードの伝搬損失を抑えることができる。
本発明において、前記導波層は、前記導波路の形成領域以外の領域に設けられ、前記第2の厚さよりも薄い第3の厚さを有する第3の部分をさらに有し、前記第3の厚さT3は、前記第1の厚さの半分以下であることが好ましい。第3の部分の厚さが第1の厚さの半分以下である場合には、導波層の第2の部分が有効に機能するので、TMモードの伝搬損失を十分に低減することができる。
本発明において、前記第2のリッジ幅は、前記第1リッジ幅の5倍以上であることが好ましい。第2のリッジ幅W2が第1のリッジ幅W1の5倍未満である場合にはマルチモードが強くなり、本発明によるリッジ型光導波路を実質的にシングルモードで動作させることが難しい。しかし、第2のリッジ幅が第1のリッジ幅の5倍以上であればマルチモードを抑制することができ、実質的にシングルモードで動作させることができる。
本発明において、前記導波層はニオブ酸リチウム膜からなることが好ましい。ニオブ酸リチウムは大きな電気光学定数を有し、光変調器等の光学デバイスの構成材料として好適であるが、光変調器を構成するベースとなる光導波路において従来のリッジ構造を採用する場合には上記のように伝搬損失が高くなるか、あるいはマルチモードになるという問題がある。しかし、上述した2段のリッジ構造によればこれらの問題を解決することができ、伝搬損失が低く、実質的にシングルモードで動作するリッジ型光導波路素子を提供することができる。
さらに、本発明による光変調器は、上述した本発明の特徴を有する光導波路素子を構成する光導波路を少なくとも一部に用いたことを特徴とする。本発明による高性能な光導波路を用いて光変調器を構成した場合には、挿入損失が低く、かつ、消光比が高い光変調器を実現することができる。
本発明によれば、伝搬損失が低く、実質的にシングルモードで動作するリッジ型光導波路素子を提供できる。また、挿入損失が低く、かつ、消光比も高い光変調器を提供できる。
本発明の実施形態による光導波路素子の平面図である。 本発明の実施形態による光導波路素子の断面図である。 本発明の実施形態によるマッハツェンダ型の光変調器の平面図である。 本発明の実施形態による光変調器の断面図である。 TMモードの伝搬損失の測定結果を示すグラフである。 TEモードの伝搬損失の測定結果を示すグラフである。 TMモードの伝搬損失の計算結果を示すグラフである。 TMモードの強度分布を示す図である。 TMモードの伝搬損失の測定結果を示すグラフである。 従来の光変調器の断面図である。 従来の光導波路素子の断面図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明の対象は以下の実施形態に限定されるものではない。また以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれると共に、その構成要素は、適宜組み合わせることが可能である。また説明図は模式的なものであり、説明の便宜上、厚みと平面寸法との関係は、本実施形態の効果が得られる範囲内で実際の構造とは異なっていても良いこととする。
図1は、本発明の実施形態による光導波路素子100の構成を示す平面図である。光導波路素子100は光導波路10を有し、入力側11から入射した光は光導波路10を伝搬した後、出力側12から出射する。
図2は、図1に示した光導波路素子100のA−A'線の断面図である。光導波路素子100は、基板1と、基板1上に形成された導波層2とを備え、導波層2は断面がリッジ形状(凸形状)を有するリッジ部3からなる光導波路10を有している。リッジ部3は、リッジ幅W1および厚さT1を有する導波層2の第1の部分2Aと、第1の部分2Aを挟んで両側に配置されリッジ幅W2および厚さT2を有する導波層2の第2の部分2Bとの組み合わせからなる2段のリッジ構造となっている。ここで、基板1の幅をW0とするとき、W1<W2<W0である。第1の部分2Aは第2の部分2Bの幅方向の中央に位置している。
導波層2はさらに、光導波路10の形成領域の外側の領域であって、第2の部分2Bに隣接するリッジ部3ではない第3の部分2Cを有しており、第3の部分2Cの厚さT3は第2の部分2Bの厚さT2よりも薄い。特に限定されないが、第3の部分2Cの幅は基板1の幅W0と等しい。
リッジ部3を構成する導波層2の第1の部分2Aのリッジ幅W1は2.5μm以下であることが好ましい。W1≦2.5μmであればリッジ型光導波路を実質的にシングルモードで動作させることができる。ここで、光導波路素子100のリッジ部3はリッジ幅W2を有する第2の部分を有するので、第1の部分のリッジ幅W1が2.5μm以下であっても伝搬損失を低くすることができる。
リッジ部3を構成する導波層2の第2の部分2Bのリッジ幅W2は、第1の部分2Bのリッジ幅W1の5倍以上であることが好ましい。W2/W1<5の場合にはマルチモードとなり、リッジ型光導波路をシングルモードで動作させることが難しい。しかし、W2/W1≧5であればマルチモードを抑制することができ、実質的にシングルモードで動作させることができる。
リッジ幅W2はTMモードがTEスラブモードと結合しないように設定する必要があり、これによりTMモードの伝搬損失を抑えることができる。
第1の部分2Aの厚さT1は導波層2の最大厚と等しく、使用波長の1/10以上、2倍以下であることが好ましい。薄すぎると、導波層2への光の閉じ込めが弱くなり、光導波路として機能しなくなり、また、厚すぎると、マルチモードになり易くなるためである。第2の部分2Bの厚さT2は、T1の0.5倍以上0.99倍以下であることが好ましい。その理由は、T2が薄すぎると、リッジ部のみに光が閉じ込められ、2段リッジ構造の効果が得られなくなる。T2が厚すぎると、リッジ導波路として機能しなくなる。
第3の部分2Cの厚さT3は、第1の部分2Aの厚さT1の半分以下であることが好ましい。第3の部分2Cの厚さT3が厚すぎると第2の部分2Bを設けたことによる効果が十分に得られず、従来の1段のリッジ構造と同じように機能することになり、TMモードの伝搬損失が大きくなるからである。
導波層2はニオブ酸リチウム(LiNbO)の膜からなることが好ましい。ニオブ酸リチウムは大きな電気光学定数を有し、光変調器等の光学デバイスの構成材料として好適だからである。以下、導波層2をニオブ酸リチウム膜とした場合の本発明の構成について詳しく説明する。
基板1としてはニオブ酸リチウム膜より屈折率が低いものであれば特に限定されないが、ニオブ酸リチウム膜をエピタキシャル膜として形成させることができる基板が好ましく、サファイア単結晶基板もしくはシリコン単結晶基板が好ましい。単結晶基板の結晶方位は特に限定されない。ニオブ酸リチウム膜はさまざまな結晶方位の単結晶基板に対して、c軸配向のエピタキシャル膜として形成されやすいという性質を持っている。c軸配向のニオブ酸リチウム膜は3回対称の対称性を有しているので、下地の単結晶基板も同じ対称性を有していることが望ましく、サファイア単結晶基板の場合はc面、シリコン単結晶基板の場合は(111)面の基板が好ましい。
ここで、エピタキシャル膜とは、下地の基板もしくは下地膜の結晶方位に対して、そろって配向している膜のことである。膜面内をX−Y面とし、膜厚方向をZ軸としたとき、結晶がX軸、Y軸およびZ軸方向にともにそろって配向しているものである。例えば、第1に2θ−θX線回折による配向位置でのピーク強度の確認と、第2に極点の確認を行うことで、エピタキシャル膜を証明できる。
具体的には、第1に2θ−θX線回折による測定を行ったとき、目的とする面以外の全てのピーク強度が目的とする面の最大ピーク強度の10%以下、好ましくは5%以下である必要がある。例えば、ニオブ酸リチウムのc軸配向エピタキシャル膜では、(00L)面以外のピーク強度が、(00L)面の最大ピーク強度の10%以下、好ましくは5%以下である。(00L)は、(001)や(002)などの等価な面を総称する表示である。
第2に、極点測定において、極点が見えることが必要である。前述の第1の配向位置でのピーク強度の確認の条件においては、一方向における配向性を示しているのみであり、前述の第1の条件を得たとしても、面内において結晶配向がそろっていない場合には、特定角度位置でX線の強度が高まることはなく、極点は見られない。LiNbOは三方晶系の結晶構造であるため、単結晶におけるLiNbO(014)の極点は3つとなる。ニオブ酸リチウム膜の場合、c軸を中心に180°回転させた結晶が対称的に結合した、いわゆる双晶の状態にてエピタキシャル成長することが知られている。この場合、3つの極点が対称的に2つ結合した状態になるため、極点は6つとなる。また、(100)面のシリコン単結晶基板上にニオブ酸リチウム膜を形成した場合は、基板が4回対称となっているため、4x3=12個の極点が観測される。なお、本発明では、双晶の状態にてエピタキシャル成長したニオブ酸リチウム膜もエピタキシャル膜に含める。
ニオブ酸リチウム膜の組成はLixNbAyOzである。Aは、Li、Nb、O以外の元素を表している。xは0.5〜1.2であり、好ましくは、0.9〜1.05である。yは、0〜0.5である。zは1.5〜4であり、好ましくは2.5〜3.5である。Aの元素としては、K、Na、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ti、Zr、Hf、V、Cr、Mo、W、Fe、Co、Ni、Zn、Sc、Ceなどがあり、2種類以上の組み合わせでも良い。
ニオブ酸リチウム膜の膜厚は2μm以下であることが望ましい。膜厚がこれ以上厚くなると、高品質な膜を形成するのが困難になるからである。ニオブ酸リチウム膜の膜厚が薄すぎる場合は、ニオブ酸リチウム膜における光の閉じ込めが弱くなり、基板やバッファ層に光が漏れて導波することになる。ニオブ酸リチウム膜に電界を印加しても、光導波路(1a、1b)の実効屈折率の変化が小さくなるおそれがある。そのため、ニオブ酸リチウム膜は、使用する光の波長の1/10程度以上の膜厚が望ましい。
ニオブ酸リチウム膜の形成方法としては、スパッタ法、CVD法、ゾルゲル法などの膜形成方法を利用するのが望ましい。c軸が単結晶基板の主面に垂直に配向されており、c軸に平行に電界を印加することで、電界に比例して光学屈折率が変化する。単結晶基板としてサファイアを用いる場合は、サファイア単結晶基板上に直接、ニオブ酸リチウム膜をエピタキシャル成長できる。単結晶基板としてシリコンを用いる場合は、クラッド層(図示せず)を介して、ニオブ酸リチウム膜をエピタキシャル成長により形成する。クラッド層(図示せず)としては、ニオブ酸リチウム膜より屈折率が低く、エピタキシャル成長に適したものを用いる。例えば、クラッド層(図示せず)としてYを用いると、高品質のニオブ酸リチウム膜を形成できる。
なお、ニオブ酸リチウム膜の形成方法として、ニオブ酸リチウム単結晶基板を薄く研磨する方法も知られている。この方法は、単結晶と同じ特性が得られるという利点があるものの、2μm以下の膜厚の薄膜を加工するのは困難である。上述のように、本発明では、成膜によりニオブ酸リチウム膜を形成しているので、量産性があり、大口径化も容易である。
リッジ部3の形状は光を導波可能とする形状であればよく、リッジ部3におけるニオブ酸リチウム膜の膜厚が、光の進行方向と直交する左右のニオブ酸リチウム膜の膜厚より厚ければよい。上に凸のドーム形状、三角形状などであっても良い。図2では、リッジ部3の断面形状は長方形状になっているが、これに限定されるものではない。
図3は、本発明の実施形態によるマッハツェンダ型の光変調器200の平面図である。光変調器200は、光導波路10で形成されたマッハツェンダ干渉計に、電圧を印加して光導波路10内を伝搬する光を変調するデバイスである。光導波路10は、2本の光導波路10a、10bに分岐され、光導波路10a、10b上には、それぞれ1本ずつ、すなわち、2本の第1電極7a、7bが設けられていて、デュアル電極構造となっている。
図4は、光変調器200のB−B'線の断面図である。なお光変調器200のA−A'線の断面図は図2に示した光導波路素子100の断面図と同じである。基板1としてサファイア基板を用い、導波層2となるニオブ酸リチウム膜が形成されている。導波層2はリッジ部3からなる光導波路10a、10bを有している。光導波路10aを構成するリッジ部3上にはバッファ層5を介して第1電極7aが形成されており、光導波路10bに対応するリッジ部3上にはバッファ層5を介して第1電極7bが形成されている。第2電極8a、8b、8cは、第1電極7a、7bを介して互いに離間して設けられており、導波層2の上面と接して形成されている。誘電体層6は、バッファ層5とリッジ部3の側面に接するように形成されている。
光変調器200の動作原理について説明する。図3において、2本の第1電極7a、7bと、第2電極8a、8b、8cを終端抵抗9で接続して、進行波電極として機能させる。第2電極8a、8b、8cを接地電極とし、2本の第1電極7a、7bに対して絶対値が同じで正負の異なる位相がずれていない、いわゆる相補信号を光変調器200の第1電極7a、7bの入力側15a、15bから入力する。ニオブ酸リチウム膜は電気光学効果を有しているので、光導波路10a、10bに与えられる電界によって光導波路(10a、10b)の屈折率がそれぞれ+Δn、−Δnのように変化し、光導波路(10a、10b)間の位相差が変化する。この位相差の変化により光変調器200の出射側の光導波路10cから強度変調された信号光が出力側12に出力される。
以上説明したように、本実施形態による光導波路素子100は、2段のリッジ構造を有するので、TMモードがTEのスラブモードと結合することによるリッジ部3の第1の部分2Aの外側へのリークを抑制することができる。したがって、伝搬損失が低く、実質的にシングルモードで動作する光導波路を実現することができる。さらに、本発明による光変調器200は、そのような高性能な光導波路を用いて構成されているので、挿入損失が低く、かつ、消光比が高い光変調器を実現することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
図2に示した2段のリッジ構造を有する実施例および図11に示した従来の1段のリッジ構造を有する比較例に対して、リッジ幅W1をパラメータとしてTMモードおよびTEモードの伝搬損失を測定した。ここで、基板1はサファイア単結晶、導波層2はc軸配向のニオブ酸リチウム膜、第1の部分2Aの厚さT1=1.5μm、第2の部分2Bの厚さT2=1.1μm、第3の部分2Cの厚さT3=0.1μm、第2の部分2BのW2=21μmとした。伝搬損失の測定結果を図5、図6にそれぞれ示す。
図5はTMモードの伝搬損失であり、比較例では、厚さW1が2.5μmより狭くなると、TMモードの伝搬損失が高くなるが、実施例では、W1≦2.5μmにおいても伝搬損失が低く、良好な特性となった。一方、図6はTEモードの伝搬損失であり、実施例、比較例ともにTEモードの伝搬損失は低く、大差がない結果となった。
以上のように、導波層を2段リッジ構造にすることにより、W1≦2.5μmにおいても、TMモードの伝搬損失が低く、良好な特性を示すことが分かった。特に、導波層がc軸配向のニオブ酸リチウム膜の場合、電気光学特性はTEモードよりTMモードの方が高く、また、シングルモード動作のために、第1の部分2Aのリッジ幅W1は2.5μm以下とする必要があるため、本発明が特に有効となる。
なお、図5、図6において、本発明の2段リッジ構造は、TMモードに対して有効で、TEモードに対しては効果がない結果となっているが、TEモードに対して有効な場合もある。導波層2をニオブ酸リチウム膜として、ニオブ酸リチウムのc軸は基板面内に配向し、光導波路10の進行方向と直交している場合は、TEモードに対して有効であり、TMモードに対しては効果がない。c軸が面内配向している場合、電気光学特性はTMモードよりTEモードの方が高く、通常、TEモードで動作させる。このように、本発明の2段リッジ構造は、導波層2をニオブ酸リチウム膜とした場合、c軸が垂直配向および面内配向のいずれの場合にも有効である。
次に、リッジ幅W2をパラメータとしてTMモードの伝搬損失を計算した。ここで、基板1はサファイア単結晶、導波層2はc軸配向のニオブ酸リチウム膜、第1の部分2Aの厚さT1=1.5μm、第2の部分2Bの厚さT2=1.1μm、第3の部分2Cの厚さT3=0μm、リッジ幅W1=2.0μmとした。TMのm=0モードの光を入射して、2mm長を伝搬させた後の挿入損失を計算し、伝搬損失を求めた。その結果を図7に示す。
図7から明らかなように、TMモードの伝搬損失は、W2=11.0μm、13.9μm、16.9μm、19.8μm、22.8μm付近で非常に高くなっている。これは、TMモードがTEスラブモードと結合しているためである。一方、リッジ幅W2を適切に設定することで、TMモードがTEスラブモードと結合せず、伝搬損失を低くできることが分かる。図7では、例えば、W2=12〜13μm、15〜16μm、18〜19μm、21〜22μmに設定することで、伝搬損失は、0.1dB/cm以下となる。±0.5μm程度にリッジ幅W2を制御することは、通常の微細加工技術を用いれば容易であり、本発明は量産性に適している。
図11の従来の構造でも、基板1の幅W0をTEスラブモードと結合しないように設定することで、原理的には、伝搬損失を低くできるものの、通常、基板の幅W0は0.5mm以上と広く、切断により加工されるものなので、±0.5μm程度に制御することは難しく、本発明の2段リッジ構造が有効となる。
リッジ幅W2は、TEスラブモードと結合しないように設定する以外に特に限定されるものではないが、200μm以下が好ましい。W2を広くすると、精度良く作製するのが困難になり、また、小型化にも不利になるためである。なお、TEスラブモードと結合しないリッジ幅W2の条件は、リッジ形状により変わるので、計算または実験により、適切なW2を定める必要がある。
次に、実施例に対して、第2の部分2Bのリッジ幅W2をパラメータとしたときのTMモードの強度分布を計算により求めた。ここで、基板1はサファイア単結晶、導波層2はc軸配向のニオブ酸リチウム膜、第1の部分の厚さT1=1.5μm、第2の部分の厚さT2=1.1μm、第3の部分の厚さT3=0μm、第1の部分のリッジ幅W1=2μmとした。第2の部分のリッジ幅W2=20μm、10μm、6μmの3通りとした。その結果を図8(a)〜(f)に示す。
図8(a)、(c)、(e)に示すように、m=0モードの強度分布はW2を変えてもほぼ同じであった。一方、図8(b)、(d)、(f)に示すように、m=1モードは、W2を狭くするとm=0モードの分布に近づくことが分かった。シングルモード動作のために、m=1モードは不要なモードであるが、リッジ幅W2=6μmの場合は、m=0モードとm=1モードの強度分布が重なっているので、マルチモードとなり問題となる。W2/W1≧5となるようにリッジ幅W2を設定することで、実質的にシングルモード動作を実現できることが分かった。
次に、実施例において、第3の部分2Cの厚さT3をパラメータとしたときのTMモードの伝搬損失を測定した。ここで、基板1はサファイア単結晶、導波層2はc軸配向のニオブ酸リチウム膜、第1の部分2Aの厚さT1=1.5μm、第2の部分2Bの厚さT2=1.1μm、第1の部分2Aのリッジ幅W1=2.5μm、第2の部分2Bのリッジ幅W2=21μmとした。その結果を図9に示す。第3の部分2Cの厚さT3≦0.75μm、すなわち、T3/T1≦0.5の場合に、本発明の効果が十分得られることが分かった。
次に、実際に光変調器200を試作し、特性を評価した。実施例、比較例1、2ともに、第1の部分2Aの厚さT1=1.5μm、第2の部分2Bの厚さT2=1.1μmとした。実施例では、第2の部分2Bのリッジ幅W2=21μm、第3の部分2Cの厚さT3=0.1μmとした。実施例および比較例のサンプルをそれぞれ10個作成し、挿入損失と消光比の平均値を求めた。その結果を表1に示す。
比較例1(W1=2μm)では、リークにより光導波路の伝搬損失が高くなるため、挿入損失が高い結果となった。また、比較例2(W1=2.5μm)では、挿入損失は比較的低い結果であったが、m=1モードが伝搬するマルチモードとなるため、消光比が劣化した。これに対し、実施例では、挿入損失が3.5dB、消光比が28dBとなり、両方とも良好な結果が得られた。
1 基板
2 導波層
2A 第1の部分
2B 第2の部分
2C 第3の部分
3 リッジ部
5 バッファ層
6 誘電体層
7a 電極
8a 電極
9 終端抵抗
10 光導波路
10a,10b,10c 光導波路
11 入力側
12 出力側
15a,15b 第1電極の入力側
21 サファイア基板
22a 光導波路
23 バッファ層
24a,24b 電極
100 光導波路素子
200 光変調器
300 光変調器
400 光導波路素子

Claims (5)

  1. 基板と、
    前記基板上に形成された導波層とを備え、
    前記導波層は、断面がリッジ形状を有するリッジ部からなる導波路を有し、
    前記リッジ部は、第1のリッジ幅W1および第1の厚さを有する第1の部分と、前記第1のリッジ幅よりも広く前記基板の幅よりも狭い第2のリッジ幅および前記第1の厚さよりも薄い第2の厚さを有する第2の部分との組み合わせからなる2段のリッジ構造を有することを特徴とする光導波路素子。
  2. 前記導波層は、
    前記導波路の形成領域以外の領域に設けられ、前記第2の厚さよりも薄い第3の厚さを有する第3の部分をさらに有し、
    前記第3の厚さは、前記第1の厚さの半分以下であることを特徴とする請求項1に記載の光導波路素子。
  3. 前記第2のリッジ幅は、前記第1リッジ幅の5倍以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光導波路素子。
  4. 前記導波層はニオブ酸リチウム膜からなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の光導波路素子。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の光導波路素子を構成する光導波路を少なくとも一部に用いたことを特徴とする光変調器。
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