JP2014002989A - アース端子の取付構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アース用部材には互いに間隔を開けて2箇所の固定箇所が設けられる一方、アース電線Wの端末に接続されボルト挿通孔12A,32が開口された2個のアース端子10A,30が備えられ、両アース端子10A,30は少なくとも一部が重なった形態で並んで配され、互いに接続されつつ2箇所の固定箇所に対してボルト締めにより固定されるようになっている。一のアース端子10Aには、他のアース端子30側に向けて延出した連結部25が形成され、この連結部25には他のアース端子30のボルト挿通孔32に挿通されるボルト1が挿通可能でかつ両固定箇所の並び方向に沿って長く延びた挿通溝26が形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、ボルト締めする2箇所の固定箇所の間隔が異なっている場合も共通のアース端子を適用できるようにするところにある。
固定箇所の間隔に変更があった場合は、他のアース端子のボルト挿通孔を挿通溝に沿って移動させて、両アース端子のボルト挿通孔の間隔を固定箇所の間隔に一致させた形態に組み付ければよい。固定箇所の間隔が異なっている場合も、両アース端子とも共通のものを適用して対応できる。
(1)前記他のアース端子における前記ボルト挿通孔の孔縁には、前記挿通溝に嵌められて抜け止めされる抜け止め部が形成されている。
他のアース端子のボルト挿通孔に設けられた抜け止め部を挿通溝に嵌めることで両アース端子がアッセンブリ化され、係る状態でアースを取る作業現場に搬入される。同作業現場では、両ボルト挿通孔の間隔が固定箇所の間隔と等しくなるように、他のアース端子を連結部上を滑らせつつ位置合わせすればよい。
両アース端子をアッセンブリ化した上で、各アース端子から引き出されたアース電線をテープ巻き等によりハーネス化すると、アースを取る作業現場への搬入、さらにはアースを取ったのちのアース電線の配線作業に便利となる。
このようにアース電線がハーネス化されている場合において、両アース端子のボルト挿通孔の間隔を調整する際には他のアース端子を挿通溝に沿って移動させるのであるが、挿通溝が直線状である場合には、最も間隔が広い場合に対応して、他のアース端子に接続されたアース電線におけるハーネス化された位置よりも端末部分に、余長部分を設ける必要がある。
それに対して本発明では、挿通溝が円弧形に形成されているから、アース電線におけるハーネス化された位置よりも端末部分に余長部分がなくても、同端末部分を揺動させつつ、ボルト挿通孔が挿通溝の全域に亘って対応できるように他のアース端子を移動させることができる。
3枚以上のアース端子について、2箇所でボルト締めしたアース構造を得ることができる。
アッセンブリ化された両アース端子を、各ボルト挿通孔にボルトを通してアース用部材に設けられた対応するナットに締め付けることで固定する場合において、特に初めにボルト締めする際には、ボルトとアース端子との間の摩擦係合によって、アッセンブリが連れ回りしようとするのが、アース端子に設けられた連れ回り防止片がアース用部材と係合することで連れ回りすることが防止される。そのため、ボルトを効率よく締め付けることができ、ひいてはアッセンブリをアース用部材に固定する作業が短時間で行える。
本発明の実施形態1を図1ないし図9によって説明する。
この実施形態1では、図1に示すように、互いに重なって一体的に組み付けられる第1アース端子10A(本発明の一のアース端子に相当)及び第2アース端子10B(本発明の別のアース端子に相当)と、上記の第1、第2アース端子10A,10Bとは別の固定箇所に固定される第3アース端子30(本発明の他のアース端子に相当)とが備えられている。
第1アース端子10Aと第2アース端子10Bとは、ボルト挿通孔12A,12Bを中心に開口した本体部11A,11Bと、同本体部11A,11Bの基端縁から後方(図1の下方)に向けて延出形成されたワイヤバレル部20A,20Bとを備えている。
第1アース端子10Aの差込部14Aには係止爪16Aが裏側に叩き出されて形成されているとともに、第2アース端子10Bの差込部14Bには係止爪16Bが表側に叩き出されて形成されている。両被差込部15A,15Bには、相手の係止爪16B,16Aが嵌る係止孔17A,17Bが開口されている。
この連結部25には、上記したスタッドボルト1が挿通可能な左右方向に長い挿通溝26が、同じくワイヤバレル部20Aと直交する向きに形成されている。この挿通溝26の幅方向の中心線の延長線が、第1アース端子10Aのボルト挿通孔12Aの中心を通るようになっており、挿通溝26の幅は、ボルト挿通孔12Aの内径寸法よりも少し大きい寸法に設定されている。
挿通溝26における右端部とボルト挿通孔12Aとの間隔が、第1固定パターンにおける両スタッドボルト1の間隔(狭間隔)に等しく、また挿通溝26における左端部とボルト挿通孔12Aとの間隔が、第2固定パターンにおける両スタッドボルト1の間隔(広間隔)に等しくなるように、同挿通溝26の長さが設定されている。
3本のアース電線Wの端末にそれぞれ第1〜第3アース端子10A,10B,30が接続される。それには、アース電線Wの端末が皮剥きされて芯線Waの端末が露出され、この露出された芯線Waに対して、ワイヤバレル部20A,20B,34のバレル片22がかしめ圧着されて固定される。
詳細には、図1の状態から、第2アース端子10Bの本体部11Bが、第1アース端子10Aの本体部11Aの表面に対してほぼ幅半分ずらした状態で重ねられ、続いて第2アース端子10Bの本体部11Bを、相手の本体部11A上を同図の左側に奥に向けて滑動させると、それぞれの差込部14A,14Bが相手の被差込部15B,15A内に差し込まれつつ押し込まれ、ボルト挿通孔12A,12B同士が整合した位置まで押し込まれると、図2に示すように、差込部14A,14Bに設けられた係止爪16A,16Bが相手の被差込部15B,15Aの係止孔17B,17Aに嵌ることで固定される。
続いて、第3アース端子30が第1アース端子10Aの連結部25に対して連結される。詳細には、第3アース端子30のボルト挿通孔32の裏面の圧入片35が、図5に示すように、連結部25における挿通溝26の任意位置に圧入され、そののち第3アース端子30は、図2に示すように、圧入片35が挿通溝26における左端に来るまで移動される。これにより、3個のアース端子10A,10B,30がアッセンブリ化された状態となる。
ボディのアース箇所において、2本のスタッドボルト1の間隔が狭い第1固定パターンが設定されている場合には、圧入片35を挿通溝26に沿って摺動させつつ第3アース端子30を図2の右側に移動させ、圧入片35が挿通溝26の右端に来るまで移動させる。これにより、図6に示すように、第1、第2アース端子10A,10Bの重畳アース端子28のボルト挿入孔29と、第3アース端子30のボルト挿通孔32の間隔が、第1固定パターンにおけるスタッドボルト1の間隔と等しくなる。第3アース端子30から引き出された電線Wの端末部分は、若干屈曲された状態となる。
すなわち、3個のアース端子10A,10B,30についてそれぞれ共通のものを適用しながらも、スタッドボルト1の間隔が異なる2つの固定パターンに対応できる。結果、部品の種類増が抑えられ、また部品管理の簡易化も図られる等、製造コストの低減に寄与し得る。
次に、本発明の実施形態2を図10ないし図15によって説明する。この実施形態2では、上記した実施形態1と比べて、第1アース端子40に突出形成された連結部42(挿通溝43を含む)の形状に変更が加えられている。
以下には、実施形態1との相違点を主に説明し、実施形態1と同一機能を有する部位等については、同一符号を付すことで説明を省略または簡略化する。
ボディのアース箇所において、2本のスタッドボルト1の間隔が狭い第1固定パターンが設定されている場合には、図12に示すように、圧入片35を挿通溝43に沿って摺動させつつ第3アース端子30を円弧形の軌跡で同図の右側に移動させ、第1、第2アース端子40,10Bの重畳アース端子45のボルト挿通孔46と、第3アース端子30のボルト挿通孔32の間隔が、第1固定パターンにおけるスタッドボルト1の間隔と等しくなるように調整する。
なお、連れ回り防止片23を割愛できることは、上記実施形態1と同様である。
特に、連結部42に形成された挿通溝43が、ハーネスWHの形成位置の始端部付近を中心とした円弧形に形成されているから、第3アース端子30から引き出されたアース電線Wのうち、ハーネス化された位置よりも端末部分に余長部分がなくても、同端末部分を揺動させつつ、ボルト挿通孔32が挿通溝43の全域に亘って対応できるように第3アース端子30を移動させることができる。そのためアース電線Wを節約することができる。
図16ないし図18は、本発明の実施形態3を示す。この実施形態3は、上記実施形態1に示した第3アース端子30の形状に変更を加えたものである。
実施形態3の第3アース端子30Xでは、本体部31のボルト挿通孔32における裏面側の孔縁に、第1アース端子10Aの連結部25に形成された挿通溝26の溝縁に掛止可能な図示8個の鈎型をなす掛止片37(本発明の抜け止め部に相当)が、等角度間隔を開けて形成されている。
なお、上記に示した第3アース端子30Xは、実施形態2に示した第3アース端子30に代替して適用することもできる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)2本のスタッドボルトの間隔が互いに異なる固定パターンが、3パターン以上ある場合でも、第3アース端子を挿通溝に沿って位置調節することにより、それぞれ対応することが可能である。
(2)上記実施形態では、第3アース端子のボルト挿入孔に圧入片または掛止片を設けてそれらを挿通溝に嵌めることでアッセンブリ化を図っているが、圧入片または掛止片を設けることは割愛してもよく、そのようなものも本発明の技術的範囲に含まれる。
(5)上記実施形態では、アース電線を結束してハーネス化する手段としてテープ巻きを例示したが、コルゲートチューブやクリップ等の他の結束具を用いてハーネスを形成するようにしてもよい。
WH…ハーネス
1…スタッドボルト
2…ナット
10A…第1アース端子(一のアース端子)
10B…第2アース端子(別のアース端子)
11A,11B…本体部
12A,12B…ボルト挿通孔
20A…ワイヤバレル部(アース電線Wとの接続部)
23…連れ回り防止片
25…連結部
26…挿通溝
28…重畳アース端子
29…ボルト挿通孔
30,30X…第3アース端子(他のアース端子)
31…本体部
32…ボルト挿通孔
35…圧入片(抜け止め部)
37…掛止片(抜け止め部)
40…第1アース端子(一のアース端子)
42…連結部
43…挿通溝
45…重畳アース端子
46…ボルト挿通孔
Claims (5)
- アース用部材には互いに間隔を開けて2箇所の固定箇所が設けられる一方、アース電線の端末に接続されボルト挿通孔が開口された2個のアース端子が備えられ、
前記両アース端子は少なくとも一部が重なった形態で並んで配され、互いに接続されつつ2箇所の前記固定箇所に対してボルト締めにより固定されるアース端子の取付構造であって、
一のアース端子には、他のアース端子側に向けて延出した連結部が形成され、この連結部には前記他のアース端子の前記ボルト挿通孔に挿通されるボルトが挿通可能でかつ両固定箇所の並び方向に沿って長く延びた挿通溝が形成されていることを特徴とするアース端子の取付構造。 - 前記他のアース端子における前記ボルト挿通孔の孔縁には、前記挿通溝に嵌められて抜け止めされる抜け止め部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のアース端子の取付構造。
- 前記挿通溝が、前記一のアース端子の前記ボルト挿通孔から離間するに従ってこの一のアース端子における電線との接続部側に次第に回曲した円弧形状に形成されていることを特徴とする請求項2記載のアース端子の取付構造。
- 前記一のアース端子と前記他のアース端子の少なくともいずれか一方には、さらに別のアース端子が重なって組み付け可能となっていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のアース端子の取付構造。
- 前記一のアース端子または前記他のアース端子には、アース用部材と係合してボルト締めされた際の連れ回りを防止する連れ回り防止片が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のアース端子の取付構造。
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