JP2014002855A - 電極合材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】脱脂工程におけるバインダーの除去と導電助剤の熱分解抑制との両立を可能とし、エネルギー密度、イオン伝導性、成形性等を維持しつつ、電子伝導性が確保された電極合材を提供する。
【解決手段】固体電解質、電極活物質、バインダー、及び、導電助剤を含み、前記固体電解質、前記電極活物質及び前記導電助剤の合計体積を100vol%としたときに、前記導電助剤の割合が10vol%以上である成形体を準備する工程と、前記成形体を、前記バインダーの熱分解温度以上且つ前記導電助剤の熱分解温度未満で加熱し、脱脂する工程と、前記脱脂工程で得られた脱脂体を焼成する工程と、を有することを特徴する電極合材の製造方法。
【選択図】図4
【解決手段】固体電解質、電極活物質、バインダー、及び、導電助剤を含み、前記固体電解質、前記電極活物質及び前記導電助剤の合計体積を100vol%としたときに、前記導電助剤の割合が10vol%以上である成形体を準備する工程と、前記成形体を、前記バインダーの熱分解温度以上且つ前記導電助剤の熱分解温度未満で加熱し、脱脂する工程と、前記脱脂工程で得られた脱脂体を焼成する工程と、を有することを特徴する電極合材の製造方法。
【選択図】図4
Description
本発明は、電極活物質層を構成する電極合材の製造方法に関する。
近年、パソコン、ビデオカメラ、携帯電話等の情報関連機器や通信機器等の急速な普及に伴い、その電源として利用される電池の開発が重要視されている。また、自動車産業界においても、電気自動車やハイブリッド自動車用の高出力且つ高容量の電池の開発が進められている。各種電池の中でも、エネルギー密度と出力が高いことから、リチウム電池が注目されている。
リチウム電池は、一般的に、正極活物質を含む正極活物質層と、負極活物質を含む負極活物質層と、これら電極活物質層の間に介在する電解質層とを有し、さらに、必要に応じて、正極活物質層の集電を行う正極集電体や負極活物質層の集電を行う負極集電体とを有する。
正極活物質層や負極活物質層(以下、電極活物質層ということがある)は、イオン伝導性や電子伝導性の付与を目的として、電極活物質の他、固体電解質や導電助剤等を含む電極合材により形成されることがある。
正極活物質層や負極活物質層(以下、電極活物質層ということがある)は、イオン伝導性や電子伝導性の付与を目的として、電極活物質の他、固体電解質や導電助剤等を含む電極合材により形成されることがある。
電極合材より形成された電極活物質層は、例えば、いわゆるグリーンシート工法により作製することができる。グリーンシートとは、焼成前の無機酸化物等のセラミックスの粉体に、バインダー、溶剤等を混合した混合スラリーを、塗布や印刷等により薄板状に成形した未焼成体を意味する。グリーンシートは、一般的には、混合スラリーを離型処理した基材上に塗布、乾燥して成形し、基材を剥離することにより得られるが、積層する相手材、例えば、積層する相手のグリーンシートや集電体等の表面に混合スラリーを直接塗布、乾燥することで成形することもできる。
例えば、特許文献1には、電極活物質及びセラミックス固体電解質とその他任意の成分とを混合した合材を、溶媒に分散して合材スラリーを調製し、該スラリーを基材表面に塗布、乾燥した電極前駆層(段落0053)を、焼結する方法が記載されている。
また、特許文献2には、電解質グリーンシートを挟んで、正極グリーンシート及び負極グリーンシートを積層して積層体を作製する工程と、前記積層体を焼成する工程と、を含むリチウムイオン二次電池の製造方法において、前記正極グリーンシート又は前記負極グリーンシートの少なくとも一方が、リチウムイオン伝導性の酸化物結晶を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池の製造方法が開示されている。
グリーンシート工法を利用した電極活物質層(電極合材)の製造方法では、一般的に、製造工程における電極活物質等の固定や成型等を目的として、バインダー(結着材)が用いられる。バインダーは、通常、イオン伝導性や電子伝導性等の電極活物質層に要求される性能を有していないために、グリーンシートの成型後、加熱により除去される(脱脂工程)。
脱脂工程において、バインダーが充分に分解、除去されないと、残留したバインダーにより、電極活物質層のエネルギー密度、電子伝導性、イオン伝導性等が低下したり、或いは、充分な強度や成形性が得られずに電極活物質層に割れが生じたり形状を維持できない、といった問題がある。そのため、脱脂工程では、バインダーを完全に酸化分解することが重要である。
脱脂工程において、バインダーが充分に分解、除去されないと、残留したバインダーにより、電極活物質層のエネルギー密度、電子伝導性、イオン伝導性等が低下したり、或いは、充分な強度や成形性が得られずに電極活物質層に割れが生じたり形状を維持できない、といった問題がある。そのため、脱脂工程では、バインダーを完全に酸化分解することが重要である。
しかしながら、本発明者が検討した結果、充分な脱脂を行うべく脱脂工程における加熱温度を高くすると、導電助剤を用いてグリーンシートを作製したにもかかわらず、充分な電子伝導性を有する電極合材が得られないことが見出された。そして、本発明者がさらに検討を重ねた結果、脱脂工程における加熱温度を高くした結果、導電助剤が熱分解してしまうためであることが見出された。
上記特許文献1等の従来の方法では、脱脂工程における導電助剤の熱分解はなんら考慮されておらず、従来の製造方法では、バインダーの除去(脱脂)と導電助剤の熱分解抑制の両立が困難である。
上記特許文献1等の従来の方法では、脱脂工程における導電助剤の熱分解はなんら考慮されておらず、従来の製造方法では、バインダーの除去(脱脂)と導電助剤の熱分解抑制の両立が困難である。
本発明は上記実情を鑑みて成し遂げられたものであり、本発明の目的は、脱脂工程におけるバインダーの除去と導電助剤の熱分解抑制との両立を可能とし、エネルギー密度、イオン伝導性、成形性等を維持しつつ、電子伝導性が確保された電極合材を提供することである。
本発明の電極合材の製造方法は、固体電解質、電極活物質、バインダー、及び、導電助剤を含み、前記固体電解質、前記電極活物質及び前記導電助剤の合計体積を100vol%としたときに、前記導電助剤の割合が10vol%以上である成形体を準備する工程と、
前記成形体を、前記バインダーの熱分解温度以上且つ前記導電助剤の熱分解温度未満で加熱し、脱脂する工程と、
前記脱脂工程で得られた脱脂体を、焼成する工程と、
を有することを特徴する。
前記成形体を、前記バインダーの熱分解温度以上且つ前記導電助剤の熱分解温度未満で加熱し、脱脂する工程と、
前記脱脂工程で得られた脱脂体を、焼成する工程と、
を有することを特徴する。
本発明の電極合材の製造方法によれば、バインダーの熱分解(脱脂)を充分に進行させつつ、導電助剤の熱分解を防止することが可能である。
前記固体電解質としては、Li1+xAlxGe2−x(PO4)3(但し、0≦x≦1)、Li1+xAlxTi2−x(PO4)3(但し、0≦x≦1)、及び、LixLayTiO3(但し、0≦x≦1、0≦y≦1)よりなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
また、前記電極活物質としては、例えば、Li3V2P3O12、LiNiPO4、LiCoPO4、及びLiFePO4よりなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
また、前記導電助剤としては、例えば、導電性炭素材料が挙げられる。
また、前記電極活物質としては、例えば、Li3V2P3O12、LiNiPO4、LiCoPO4、及びLiFePO4よりなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
また、前記導電助剤としては、例えば、導電性炭素材料が挙げられる。
前記導電助剤の割合は、例えば、15vol%以下とすることができる。このような比率で導電助剤を含む成形体を用いることで、エネルギー密度にも優れた電極合材を得ることができる。
前記脱脂工程における加熱温度としては、例えば、330〜420℃が好ましい。
前記成形体は、前記固体電解質、前記電極活物質及び前記導電助剤の合計量100重量部に対して、前記バインダーを4〜40重量部含有していることが好ましい。
本発明によれば、充分に脱脂しつつ、導電助剤の熱分解抑制が可能であり、成形性、エネルギー密度、イオン伝導性等と共に電子伝導性が充分に確保された電極合材を提供することが可能である。
本発明の電極合材の製造方法は、固体電解質、電極活物質、バインダー、及び、導電助剤を含み、前記固体電解質、前記電極活物質及び前記導電助剤の合計体積を100vol%としたときに、前記導電助剤の割合が10vol%以上である成形体を準備する工程と、
前記成形体を、前記バインダーの熱分解温度以上且つ前記導電助剤の熱分解温度未満で加熱し、脱脂する工程と、
前記脱脂工程で得られた脱脂体を焼成する工程と、
を有することを特徴する。
前記成形体を、前記バインダーの熱分解温度以上且つ前記導電助剤の熱分解温度未満で加熱し、脱脂する工程と、
前記脱脂工程で得られた脱脂体を焼成する工程と、
を有することを特徴する。
グリーンシート工法により、電極活物質層を形成する電極合材を作製する場合、まず、電極活物質とバインダー、さらに固体電解質や導電助剤等の任意成分とを分散させた混合スラリーを用いて作製した成形体を脱脂処理し、その後、焼成(焼結)処理を行う。脱脂工程において成形体に含まれるバインダーを加熱除去(脱脂)した後、成形体を焼成(焼結)することで緻密な電極合材が得られる。このようにして得られた電極合材は、電極活物質層としてそのまま使用することが可能である。
脱脂工程において、加熱温度が低く、バインダーの除去が不十分であると、電極合材の電子伝導性、イオン伝導性、エネルギー密度等が低下すると共に、充分な成形性が得られずに電極合材に割れや変形等が生じるという問題がある。そのため、充分に脱脂するためには、脱脂工程において、バインダーの熱分解温度以上の温度で充分に加熱することが重要である。
一方、電極活物質層へ電子伝導性を付与すべく、上記成形体に導電助剤を添加した場合、充分な脱脂効果を得るために、脱脂工程の加熱温度を高温にすると、導電助剤が分解されてしまい、所望の電子伝導性を有する電極合材が得られないという問題がある。導電助剤の分解を見越して、成形体中の導電助剤の割合を過度に増加させると、電極合材のエネルギー密度が低下してしまう。従って、電子伝導性とエネルギー密度との観点から、脱脂工程における導電助剤の分解を防止することが重要である。
一方、電極活物質層へ電子伝導性を付与すべく、上記成形体に導電助剤を添加した場合、充分な脱脂効果を得るために、脱脂工程の加熱温度を高温にすると、導電助剤が分解されてしまい、所望の電子伝導性を有する電極合材が得られないという問題がある。導電助剤の分解を見越して、成形体中の導電助剤の割合を過度に増加させると、電極合材のエネルギー密度が低下してしまう。従って、電子伝導性とエネルギー密度との観点から、脱脂工程における導電助剤の分解を防止することが重要である。
本発明では、バインダーの熱分解温度以上且つ導電助剤の熱分解温度未満で、上記成形体の脱脂を行うことによって、バインダーを充分に加熱除去しつつ、導電助剤の加熱分解を抑制することを可能とした。また、本発明では、成形体における導電助剤の量を、上記のように10vol%以上とすることで、電池の動作を可能とする充分な電子伝導性を有する電極合材を得ることに成功した。
以下、本発明の電極合材の製造方法の各工程について説明する。尚、本発明の電極合材の製造方法は、以下の工程以外に他の工程を有していてもよい。
(成形体準備工程)
成形体準備工程は、固体電解質、電極活物質、バインダー、及び、導電助剤を含み、前記固体電解質、前記電極活物質及び前記導電助剤の合計体積を100vol%としたときに、前記導電助剤の割合が10vol%以上である成形体を準備する工程である。
成形体は、少なくとも脱脂工程及び焼成工程を経て電極合材となるものである。
(成形体準備工程)
成形体準備工程は、固体電解質、電極活物質、バインダー、及び、導電助剤を含み、前記固体電解質、前記電極活物質及び前記導電助剤の合計体積を100vol%としたときに、前記導電助剤の割合が10vol%以上である成形体を準備する工程である。
成形体は、少なくとも脱脂工程及び焼成工程を経て電極合材となるものである。
成形体は、少なくとも固体電解質、電極活物質、バインダー及び導電助剤を溶剤に分散させた混合スラリーを成形することで作製することができる。具体的には、該混合スラリーを塗布、乾燥させることで成形体を得ることができる。また、少なくとも固体電解質、電極活物質、バインダー及び導電助剤を加圧成形等により成形することで、成形体を作製することもできる。
固体電解質は、電池における伝導イオン種(例えば、リチウムイオン)に応じて適宜選択すればよく、例えば、酸化物系固体電解質や硫化物系固体電解質の非晶質体(ガラス体)、結晶体、及びガラスセラミックス等が挙げられる。
例えば、酸化物系固体電解質としては、例えば、NASICON型酸化物、ペロブスカイト型酸化物、LISICON型酸化物、ガーネット型酸化物等が挙げられる。以下、リチウム電池に使用可能な酸化物系固体電解質の具体例を挙げる。
NASICON型酸化物としては、例えば、以下に示す各材料及び各元素の組成比が異なる類似の材料が挙げられる。すなわち、LiaXbYcPdOe(XはB、Al、Ga、In、C、Si、Ge、Sn、Sb及びSeよりなる群から選択される少なくとも1種であり、YはTi、Zr、Ge、In、Ga、Sn及びAlよりなる群から選択される少なくとも1種であり、a〜eは、0.5<a<5.0、0≦b<2.98、0.5≦c<3.0、0.02<d≦3.0、2.0<b+d<4.0、3.0<e≦12.0の関係を満たす)で表される酸化物を挙げることができる。特に、上記式において、X=Al、Y=Tiである酸化物、及び、X=Al、Y=Ge若しくはX=Ge、Y=Alである酸化物が好ましい。
ペロブスカイト型酸化物としては、例えば、LixLayTiO3(但し、0≦x≦1、0≦y≦1)等で表される酸化物を挙げることができる。
LISICON型酸化物としては、例えば、以下に示す各材料及び各元素の組成比が異なる類似の材料が挙げられる。すなわち、Li4XO4−Li3YO4(XはSi、Ge、及びTiから選ばれる少なくとも1種であり、YはP、As及びVから選ばれる少なくとも1種である)、Li4XO4−Li2AO4(XはSi、Ge、及びTiから選ばれる少なくとも1種であり、AはMo及びSから選ばれる少なくとも1種である)、Li4XO4−Li2ZO2(XはSi、Ge、及びTiから選ばれる少なくとも1種であり、ZはAl、Ga及びCrから選ばれる少なくとも1種である)、並びに、Li4XO4−Li2BXO4(XはSi、Ge、及びTiから選ばれる少なくとも1種であり、BはCa及びZnから選ばれる少なくとも1種である)、Li3DO3−Li3YO4(DはB、YはP、As及びVから選ばれる少なくとも1種である)等が挙げられる。特に、Li4SiO4−Li3PO4、Li3BO3−Li3PO4等が好ましい。
ガーネット型酸化物としては、例えば、Li3+xAyGzM2−vBvO12で表される酸化物及び各元素の組成比が異なる類似の材料を挙げることができる。ここで、A、G、MおよびBは金属カチオンである。Aは、Ca、Sr、Ba及びMg等のアルカリ土類金属カチオン、又は、Zn等の遷移金属カチオンであることが好ましい。また、Gは、La、Y、Pr、Nd、Sm、Lu、Eu等の遷移金属カチオンであることが好ましい。また、Mとしては、Zr、Nb、Ta、Bi、Te、Sb等の遷移金属カチオンを挙げることができ、中でもZrが好ましい。また、Bは、例えばInであることが好ましい。xは、0≦x≦5を満たすことが好ましく、4≦x≦5を満たすことがより好ましい。yは、0≦y≦3を満たすことが好ましく、0≦y≦2を満たすことがより好ましい。zは、0≦z≦3を満たすことが好ましく、1≦z≦3を満たすことがより好ましい。vは、0≦v≦2を満たすことが好ましく、0≦v≦1を満たすことがより好ましい。なお、Oは部分的に、または、完全に二価アニオン及び/又は三価のアニオン、例えばN3−と交換されていてもよい。ガーネット型酸化物としては、Li7La3Zr2O12等のLi−La−Zr−O系酸化物が好ましい。
上記酸化物系固体電解質のうち、Li1+xAlxGe2−x(PO4)3(但し、0≦x≦1)、及び、Li1+xAlxTi2−x(PO4)3(但し、0≦x≦1)、及び、LixLayTiO3(但し、0≦x≦1、0≦y≦1)よりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。これらは、600℃以上で焼成しても反応しないからである。また、これらは、結晶構造が類似しているものである。
硫化物系固体電解質としては、特に限定されず、例えば、以下に示す各材料及び各元素の組成比が異なる類似の材料が挙げられる。すなわち、Li2S−P2S5、Li2S−SiS2、Li3.25P0.25Ge0.76S4、Li4−xGe1−xPxS4、Li7P3S11、Li2S−SiS2−Li3PO4等のガラス体及び結晶体が挙げられる。
酸化物系固体電解質は、硫化物系固体電解質と比較して硬いため、固体電解質として酸化物系固体電解質を用いる場合、通常、バインダーの使用量が増加する。従って、酸化物系固体電解質を用いる場合、バインダーを酸化分解する脱脂工程の重要性が高くなる。そのため、酸化物系固体電解質を用いる場合、本発明の製造方法が奏する効果は、硫化物系固体電解質を用いる場合と比較して大きいものとなる。
固体電解質の粒径は特に限定されないが、平均粒径が、0.01〜10μmであることが好ましく、特に0.01〜0.5μmであることが好ましい。固体電解質の粒径は、例えば、マイクロトラック(日機装製)等により測定することができる。
電極活物質は、電池における伝導イオン種や、電極合材の種類(正極活物質層用又は負極活物質層用等)に応じて、適宜選択すればよい。
例えば、リチウム二次電池の正極活物質としては、具体的には、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム(LiNixCo1−y−xMnyO2)、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMnO2)、鉄オリビン(LiFePO4)、コバルトオリビン(LiCoPO4)、ニッケルオリビン(LiNiPO4)、マンガンオリビン(LiMnPO4)、チタン酸リチウム(Li4Ti5O12)、リン酸バナジウムリチウム(Li3V2P3O12)等のリチウム遷移金属化合物、銅シュブレル(Cu2Mo6S8)、硫化鉄(FeS)、硫化コバルト(CoS)、硫化ニッケル(NiS)等のカルコゲン化合物などが挙げられる。
中でも、鉄オリビン(LiFePO4)、コバルトオリビン(LiCoPO4)、ニッケルオリビン(LiNiPO4)、及びリン酸バナジウムリチウム(Li3V2P3O12)から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
例えば、リチウム二次電池の正極活物質としては、具体的には、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム(LiNixCo1−y−xMnyO2)、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMnO2)、鉄オリビン(LiFePO4)、コバルトオリビン(LiCoPO4)、ニッケルオリビン(LiNiPO4)、マンガンオリビン(LiMnPO4)、チタン酸リチウム(Li4Ti5O12)、リン酸バナジウムリチウム(Li3V2P3O12)等のリチウム遷移金属化合物、銅シュブレル(Cu2Mo6S8)、硫化鉄(FeS)、硫化コバルト(CoS)、硫化ニッケル(NiS)等のカルコゲン化合物などが挙げられる。
中でも、鉄オリビン(LiFePO4)、コバルトオリビン(LiCoPO4)、ニッケルオリビン(LiNiPO4)、及びリン酸バナジウムリチウム(Li3V2P3O12)から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
また、リチウム二次電池の負極活物質としては、伝導イオン種、典型的には金属イオンの放出又は放出・取り込みが可能なものであれば特に限定されず、例えば、チタン酸リチウム(Li4Ti5O12)、リン酸バナジウムリチウム(Li3V2P3O12)等のリチウム遷移金属酸化物、La3Ni2Sn7等の金属合金、ハードカーボン、ソフトカーボン、グラファイト等の炭素材料などが挙げられる。中でも、リン酸バナジウムリチウム(Li3V2P3O12)が好ましい。
尚、正極活物質及び負極活物質として同じ化合物を用いることもできる。
尚、正極活物質及び負極活物質として同じ化合物を用いることもできる。
電極活物質の粒径は特に限定されないが、平均粒径が、0.01〜10μmであることが好ましく、特に0.01〜0.5μmであることが好ましい。
バインダーとしては、例えば、アクリル酸エステル共重合体等のアクリル系樹脂、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等が挙げられる。
中でも、アクリル系樹脂、及びPVBよりなる群から選ばれる少なくとも1種が好適である。
中でも、アクリル系樹脂、及びPVBよりなる群から選ばれる少なくとも1種が好適である。
導電助剤としては、導電性を有するものであれば特に限定されない。例えば、導電性炭素材料、金属粒子等が挙げられるが、導電性炭素材料が好ましい。
導電性炭素材料としては特に限定されないが、反応場の面積や空間の観点から、高比表面積を有する導電性炭素材料が好ましい。具体的には、導電性炭素材料は10m2/g以上、特に100m2/g以上、さらに600m2/g以上の比表面積を有することが好ましい。ここで、導電性材料の比表面積は、たとえばBET法によって測定することができる。
導電性炭素材料の具体例として、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、活性炭、カーボン炭素繊維(例えばカーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノファイバー等)等を挙げることができる。
中でも、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、及びCNTから選ばれる少なくとも1種が好適である。
金属粒子としては、例えば、Au等が挙げられる。
導電性炭素材料の具体例として、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、活性炭、カーボン炭素繊維(例えばカーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノファイバー等)等を挙げることができる。
中でも、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、及びCNTから選ばれる少なくとも1種が好適である。
金属粒子としては、例えば、Au等が挙げられる。
成形体は、固体電解質、電極活物質、及び導電助剤の合計体積を100vol%としたときに、導電助剤を10vol%以上の割合で含有する。上記合計体積に対して、10vol%以上の導電助剤を含む成形体を用いることによって、充分な電子伝導性を有する電極合材を作製することができる。
上記合計体積に対する導電助剤の体積比率は、電極合材のエネルギー密度の観点から、20vol%以下であることが好ましく、特に15vol%以下であることが好ましい。上記合計体積に対する導電助剤の体積比率が15vol%以下の場合、特に、高いエネルギー密度を保持しつつ、電子伝導性に優れた電極合材を得ることが可能である。本発明においては、脱脂工程における導電助剤の分解が生じないため、脱脂工程での分解を見越した過剰の導電助剤を使用する必要がない。
上記合計体積に対する導電助剤の体積比率は、電極合材のエネルギー密度の観点から、20vol%以下であることが好ましく、特に15vol%以下であることが好ましい。上記合計体積に対する導電助剤の体積比率が15vol%以下の場合、特に、高いエネルギー密度を保持しつつ、電子伝導性に優れた電極合材を得ることが可能である。本発明においては、脱脂工程における導電助剤の分解が生じないため、脱脂工程での分解を見越した過剰の導電助剤を使用する必要がない。
上記合計体積に対する電極活物質の体積比率は、電極合材のエネルギー密度の観点から、15vol%以上、特に20vol%以上、さらに25vol%以上であることが好ましい。また、電極合材の膨張収縮の観点から、98vol%以下であることが好ましい。
上記合計体積に対する固体電解質の体積比率は、20vol%以上であることが好ましく、エネルギー密度の観点から、70vol%以下、特に65vol%以下、さらに50vol%以下であることが好ましい。
成形体におけるバインダーの含有量は、固体電解質、電極活物質及び導電助剤の合計量100重量部に対して、4〜40重量部であることが好ましい。
上記合計体積に対する固体電解質の体積比率は、20vol%以上であることが好ましく、エネルギー密度の観点から、70vol%以下、特に65vol%以下、さらに50vol%以下であることが好ましい。
成形体におけるバインダーの含有量は、固体電解質、電極活物質及び導電助剤の合計量100重量部に対して、4〜40重量部であることが好ましい。
成形体は、固体電解質、電極活物質、バインダー及び導電助剤以外に、その他成分を含んでいてもよい。例えば、その他成分としては、例えば、可塑剤、分散剤等を挙げることができる。
可塑剤は、成形体に柔軟性や弾力性を付与するものであり、成形体の取り扱い性向上や成形体又は電極活物質層に隣接して積層される層(シート)や部材との接着性向上に寄与する。例えば、フタル酸ジブチル、ポリアクリレート、ポリ酢酸ビニル、セルロースアセテート、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ブチルベンジル(BBP)等を挙げることができる。中でも、DOP及びBBPから選ばれる少なくとも1種が好適である。
可塑剤は、成形体に柔軟性や弾力性を付与するものであり、成形体の取り扱い性向上や成形体又は電極活物質層に隣接して積層される層(シート)や部材との接着性向上に寄与する。例えば、フタル酸ジブチル、ポリアクリレート、ポリ酢酸ビニル、セルロースアセテート、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ブチルベンジル(BBP)等を挙げることができる。中でも、DOP及びBBPから選ばれる少なくとも1種が好適である。
成形体における可塑剤の含有量は、特に限定されないが、固体電解質、電極活物質及び導電助剤の合計量100重量部に対して、3〜30重量部であることが好ましい。
分散剤は、混合スラリーにおける固体成分の分散性を向上させるものであり、用いる固体成分によって選択すればよいが、例えば、カルボン酸系、アミン系、リン酸系等が挙げられ、具体的には、カルボン酸系として、G−700(共栄社化学製)、KD−9(CRODA製)等、アミン系として、KD−2(CRODA製)、SOLSPERS41000(ルーブリゾール製)等の高分子アミン系、リン酸系としてSOLSPERS20000(ルーブリゾール製)等を例示することができる。
上記混合スラリーの溶剤としては、例えば、酢酸ブチル、エタノール、n−ブタノール等のアルコール類、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、メチルエチルケトン、トルエン等を用いることができる。混合スラリーの乾燥が容易であることから、溶媒の沸点は200℃以下であることが好ましい。
混合スラリーの調製方法は特に限定されないが、バインダーを分散させた溶媒に、電極活物質等のその他の粉体成分を分散させる方法が好ましい。
混合スラリーの調製方法は特に限定されないが、バインダーを分散させた溶媒に、電極活物質等のその他の粉体成分を分散させる方法が好ましい。
成形体は、例えば、ブレード法(例えばドクターブレード法)、カレンダー法、スピンコート法、ディップコート法、インクジェット法、オフセット法、ダイコート法、スプレー法等により、混合スラリーを基材上に塗布、乾燥することで、作製することができる。上記基材は必要に応じて適切な時期に剥離すればよい。混合スラリーを塗布する基材としては、例えば、離型処理したPETフィルム等の一般的なものを用いることができる。
或いは、集電体、固体電解質層等、電極合材より形成される電極活物質層と隣接する部材の表面に、混合スラリーを直接塗布、乾燥することもできる。
上記混合スラリーは、焼成後の成形体の厚さが1〜100μm、特に10〜100μmの範囲となるように、塗布することが好ましい。
混合スラリーの乾燥は、特に限定されず、例えば、加熱乾燥、減圧乾燥、加熱減圧乾燥等が挙げられる。乾燥温度は、例えば、15〜200℃とすることが好ましい。また、乾燥雰囲気は、特に限定されず、例えば、大気雰囲気下で行うことができる。
或いは、集電体、固体電解質層等、電極合材より形成される電極活物質層と隣接する部材の表面に、混合スラリーを直接塗布、乾燥することもできる。
上記混合スラリーは、焼成後の成形体の厚さが1〜100μm、特に10〜100μmの範囲となるように、塗布することが好ましい。
混合スラリーの乾燥は、特に限定されず、例えば、加熱乾燥、減圧乾燥、加熱減圧乾燥等が挙げられる。乾燥温度は、例えば、15〜200℃とすることが好ましい。また、乾燥雰囲気は、特に限定されず、例えば、大気雰囲気下で行うことができる。
(脱脂工程)
脱脂工程は、成形体を、バインダーの熱分解温度以上且つ導電助剤の熱分解温度未満で加熱し、脱脂する工程である。
脱脂工程は、通常、大気雰囲気下で行うことが好ましい。バインダーの分解が効率良く進行するからである。ここで、大気雰囲気とは、酸素濃度が0.0005vol%(5ppm)〜25vol%の範囲内である雰囲気を意味する。
脱脂工程は、成形体を、バインダーの熱分解温度以上且つ導電助剤の熱分解温度未満で加熱し、脱脂する工程である。
脱脂工程は、通常、大気雰囲気下で行うことが好ましい。バインダーの分解が効率良く進行するからである。ここで、大気雰囲気とは、酸素濃度が0.0005vol%(5ppm)〜25vol%の範囲内である雰囲気を意味する。
脱脂工程の加熱温度の下限値である、バインダーの熱分解温度は、該バインダーを加熱して事前に調べておくことで把握することができる。
バインダーの熱分解温度は、例えば、TG測定等により特定することができる。
バインダーの熱分解温度の事前調査における熱分解条件は特に限定されないが、通常、成形体の脱脂工程と同等の条件で行うことが好ましい。
バインダーの熱分解温度は、例えば、TG測定等により特定することができる。
バインダーの熱分解温度の事前調査における熱分解条件は特に限定されないが、通常、成形体の脱脂工程と同等の条件で行うことが好ましい。
脱脂工程における具体的な加熱温度の下限値は、バインダーの熱分解温度以上であればよく、使用するバインダーに応じて適宜設定すればよいが、例えば、300℃以上が好ましく、特に330℃以上が好ましく、さらに400℃以上が好ましい。
また、脱脂工程の加熱温度の上限値である、導電助剤の熱分解温度も、該導電助剤を加熱して事前に調べておくことで把握することができる。
導電助剤の熱分解温度は、例えば、TG測定等により特定することができる。
導電助剤の熱分解温度は、例えば、TG測定等により特定することができる。
また、導電助剤の熱分解温度は、以下のように把握することもできる。
すなわち、導電助剤として、導電性炭素材料を用いる場合、導電助剤そのもの又は成形体を異なる温度で加熱し、加熱後の導電助剤又は成形体の外観を観察すると、ある温度以上で、導電助剤又は成形体の黒色が薄くなるのが確認できる。黒色が薄くなるのが確認された最も低い加熱温度と、確認されなかった最も高い加熱温度との間に、導電助剤の熱分解温度があると判断することができる。このような外観観察は、厳密な熱分解温度を把握することはできないが、熱分解温度の近似値を把握することができる。
この場合、外観観察により黒色が薄くなるのが確認されなかった最も高い加熱温度を、脱脂工程の加熱温度の上限値として設定すれば、脱脂工程を、導電助剤の熱分解温度未満で実施することができる。また、実施する外観観察における加熱の温度間隔にもよるが、黒色が薄くなるのが確認された最も低い加熱温度と、確認されなかった最も高い加熱温度との間で、加熱の温度間隔を狭めた追試実験を行うこともできる。追試では、外観観察ではなく、加熱後の電子伝導性を測定することで、間接的に導電助剤の熱分解温度を把握してもよい。
すなわち、導電助剤として、導電性炭素材料を用いる場合、導電助剤そのもの又は成形体を異なる温度で加熱し、加熱後の導電助剤又は成形体の外観を観察すると、ある温度以上で、導電助剤又は成形体の黒色が薄くなるのが確認できる。黒色が薄くなるのが確認された最も低い加熱温度と、確認されなかった最も高い加熱温度との間に、導電助剤の熱分解温度があると判断することができる。このような外観観察は、厳密な熱分解温度を把握することはできないが、熱分解温度の近似値を把握することができる。
この場合、外観観察により黒色が薄くなるのが確認されなかった最も高い加熱温度を、脱脂工程の加熱温度の上限値として設定すれば、脱脂工程を、導電助剤の熱分解温度未満で実施することができる。また、実施する外観観察における加熱の温度間隔にもよるが、黒色が薄くなるのが確認された最も低い加熱温度と、確認されなかった最も高い加熱温度との間で、加熱の温度間隔を狭めた追試実験を行うこともできる。追試では、外観観察ではなく、加熱後の電子伝導性を測定することで、間接的に導電助剤の熱分解温度を把握してもよい。
導電助剤の熱分解温度の事前調査における熱分解条件は特に限定されないが、通常、成形体の脱脂工程と同等の条件で行うことが好ましい。
脱脂工程における具体的な加熱温度の上限値は、導電助剤の熱分解温度未満であればよく、使用する導電助剤に応じて適宜設定すればよいが、例えば、450℃以下が好ましく、特に420℃以下が好ましい。
脱脂工程における昇温速度や降温速度は特に限定されず、適宜設定すればよいが、例えば、昇温速度は、0.5〜20℃/minの範囲であることが好ましく、降温速度は、0.5℃/min〜自然空冷の範囲であることが好ましい。
脱脂処理における加熱温度の保持時間は、脱脂処理における加熱温度によって、成形体中のバインダーが充分に酸化分解されるよう適宜設定すればよい。
例えば、バインダーとしてアクリル系樹脂等を用い、導電助剤として、ファーネスブラック、CNT等を用いる場合、330〜420℃で、2〜10時間保持することが好ましい。
例えば、バインダーとしてアクリル系樹脂等を用い、導電助剤として、ファーネスブラック、CNT等を用いる場合、330〜420℃で、2〜10時間保持することが好ましい。
(焼成工程)
焼成工程は、脱脂工程で得られた脱脂体を、焼成(焼結)する工程である。
成形体を高温で加熱して焼成することによって、電極活物質、固体電解質、導電助剤等の粉体間が密着した緻密な電極合材を作製することができる。これら粉体同士が密着することで、電極合材により形成される電極活物質層のエネルギー密度、イオン伝導性、電子伝導性等が確保される。
焼成工程は、脱脂工程で得られた脱脂体を、焼成(焼結)する工程である。
成形体を高温で加熱して焼成することによって、電極活物質、固体電解質、導電助剤等の粉体間が密着した緻密な電極合材を作製することができる。これら粉体同士が密着することで、電極合材により形成される電極活物質層のエネルギー密度、イオン伝導性、電子伝導性等が確保される。
脱脂工程後の成形体を構成する成分の酸化を防止するために、焼成工程は、通常、不活性雰囲気下で行うことが好ましい。不活性雰囲気としては、例えば、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気、ヘリウム雰囲気等が挙げられる。
焼成工程における加熱温度は、材料の焼成性(焼結性)に応じて適宜設定すればよいが、例えば、550℃〜700℃の範囲とすることができ、特に575〜675℃の範囲が好ましい。
焼成工程における昇温速度や降温速度は特に限定されず、適宜設定すればよい。例えば、昇温速度は、1〜20℃/minの範囲であることが好ましく、特に1〜5℃/minの範囲であることが好ましい。また、降温速度は、1℃/min〜自然空冷の範囲であることが好ましく、特に1〜5℃/minの範囲であることが好ましい。
焼成工程における加熱温度の保持時間は、焼成工程における加熱温度で充分に焼成が進行するよう、適宜設定すればよく、例えば、1時間〜100時間とすることができる。
焼成工程における昇温速度や降温速度は特に限定されず、適宜設定すればよい。例えば、昇温速度は、1〜20℃/minの範囲であることが好ましく、特に1〜5℃/minの範囲であることが好ましい。また、降温速度は、1℃/min〜自然空冷の範囲であることが好ましく、特に1〜5℃/minの範囲であることが好ましい。
焼成工程における加熱温度の保持時間は、焼成工程における加熱温度で充分に焼成が進行するよう、適宜設定すればよく、例えば、1時間〜100時間とすることができる。
本発明により提供される電極合材は、焼結工程後、得られた形状のまま、電極活物質層(正極活物質層、負極活物質層)として使用することができる。例えば、本発明の製造方法により作製した正極用の電極合材と負極用の電極合材とを、固体電解質層を介して積層することで、全固体電池を作製することができる。電極合材により形成される電極活物質層には、集電体を設けることができる。集電体としては、所望の電子伝導性を有していれば、その構造や形状、材料に特に限定はないが、材料としては、例えば、金、銀、パラジウム、銅、ニッケル等が挙げられる。
また、本発明により提供される電極合材は、使用する材料(電極活物質、固体電解質等)に応じて、リチウム二次電池以外の幅広い種類の電池に使用することが可能である。
また、本発明により提供される電極合材は、使用する材料(電極活物質、固体電解質等)に応じて、リチウム二次電池以外の幅広い種類の電池に使用することが可能である。
[参考実験例1]
(導電助剤の熱分解温度の調査)
電極活物質(LVP粉体)と、固体電解質(LAGP粉体)と、導電助剤(ファーネスブラック)と、バインダー(メタクリル酸エステル共重合体、積水化成品工業製IBM−2)と、可塑剤(BBP)と、溶剤(酢酸ブチル)とを、混合し、混合スラリーを調製した。混合スラリーにおける混合比率は、電極活物質と固体電解質と導電助剤との合計量100重量部に対して、バインダーを20重量部、可塑剤を15重量部、溶剤を110重量部とした。また、電極活物質と固体電解質と導電助剤との比率は、体積比率で、電極活物質20vol%、固体電解質70vol%、導電助剤10vol%とした。
上記混合スラリーを、ブレード塗工により、離型PETフィルム上に塗工し、常温(25℃)で乾燥させた後、離型PETフィルムを剥離し、導電助剤成形体を得た。
(導電助剤の熱分解温度の調査)
電極活物質(LVP粉体)と、固体電解質(LAGP粉体)と、導電助剤(ファーネスブラック)と、バインダー(メタクリル酸エステル共重合体、積水化成品工業製IBM−2)と、可塑剤(BBP)と、溶剤(酢酸ブチル)とを、混合し、混合スラリーを調製した。混合スラリーにおける混合比率は、電極活物質と固体電解質と導電助剤との合計量100重量部に対して、バインダーを20重量部、可塑剤を15重量部、溶剤を110重量部とした。また、電極活物質と固体電解質と導電助剤との比率は、体積比率で、電極活物質20vol%、固体電解質70vol%、導電助剤10vol%とした。
上記混合スラリーを、ブレード塗工により、離型PETフィルム上に塗工し、常温(25℃)で乾燥させた後、離型PETフィルムを剥離し、導電助剤成形体を得た。
作製した導電助剤成形体を、大気雰囲気下、昇温速度5℃/minで、室温(25℃)から加熱し、加熱温度(350℃、450℃、550℃)を5時間保持し、脱脂した。その後、降温速度4℃/minで室温(25℃)まで冷却した。
脱脂後の電極活物質成形体の外観画像を、図1に示す。図1に示すように、温度が高くなるにつれて、導電助剤に由来する黒色が薄くなり、450℃以上では導電助剤の熱分解が生じていることが確認された。
脱脂後の電極活物質成形体の外観画像を、図1に示す。図1に示すように、温度が高くなるにつれて、導電助剤に由来する黒色が薄くなり、450℃以上では導電助剤の熱分解が生じていることが確認された。
[電極合材の作製]
導電助剤の比率の異なる混合スラリーを用いて、実施例1、2及び比較例1、2の電極合材を作製した。
導電助剤の比率の異なる混合スラリーを用いて、実施例1、2及び比較例1、2の電極合材を作製した。
(実施例1)
<混合スラリーの作製>
電極活物質(LVP粉体)と、固体電解質(LAGP粉体)と、導電助剤(ファーネスブラック)と、バインダー(メタクリル酸エステル共重合体、積水化成品工業製IBM−2)と、可塑剤(BBP)と、溶剤(酢酸ブチル)とを、混合し、混合スラリーを調製した。混合比率は、下記表1に示すように、電極活物質と固体電解質と導電助剤との合計量100重量部に対して、バインダーを20重量部、可塑剤を15重量部、溶剤を110重量部とした。また、電極活物質と固体電解質と導電助剤との比率は、下記表2に示すように、体積比率で、電極活物質20vol%、固体電解質70vol%、導電助剤10vol%とした。
<混合スラリーの作製>
電極活物質(LVP粉体)と、固体電解質(LAGP粉体)と、導電助剤(ファーネスブラック)と、バインダー(メタクリル酸エステル共重合体、積水化成品工業製IBM−2)と、可塑剤(BBP)と、溶剤(酢酸ブチル)とを、混合し、混合スラリーを調製した。混合比率は、下記表1に示すように、電極活物質と固体電解質と導電助剤との合計量100重量部に対して、バインダーを20重量部、可塑剤を15重量部、溶剤を110重量部とした。また、電極活物質と固体電解質と導電助剤との比率は、下記表2に示すように、体積比率で、電極活物質20vol%、固体電解質70vol%、導電助剤10vol%とした。
<成形体の作製>
上記混合スラリーを、ブレード塗工により、離型PETフィルム上に塗工し、常温(25℃)で乾燥させた後、離型PETフィルムを剥離し、シート状成形体を得た。尚、混合スラリーの塗布量は、シート状成形体の焼成後の厚さが50μmとなるようにした。
上記混合スラリーを、ブレード塗工により、離型PETフィルム上に塗工し、常温(25℃)で乾燥させた後、離型PETフィルムを剥離し、シート状成形体を得た。尚、混合スラリーの塗布量は、シート状成形体の焼成後の厚さが50μmとなるようにした。
<成形体の脱脂>
作製したシート状成形体を、大気雰囲気下、昇温速度5℃/minで、室温(25℃)から330℃まで加熱し、330℃で5時間保持した。その後、降温速度4℃/minで室温(25℃)まで冷却した。
作製したシート状成形体を、大気雰囲気下、昇温速度5℃/minで、室温(25℃)から330℃まで加熱し、330℃で5時間保持した。その後、降温速度4℃/minで室温(25℃)まで冷却した。
<成形体の焼結>
脱脂を行ったシート状成形体を、窒素雰囲気下、昇温速度4℃/minで、室温(25℃)から650℃まで加熱し、650℃で2時間保持した。その後、降温速度4℃/minで室温(25℃)まで冷却し、電極合材を得た。
脱脂を行ったシート状成形体を、窒素雰囲気下、昇温速度4℃/minで、室温(25℃)から650℃まで加熱し、650℃で2時間保持した。その後、降温速度4℃/minで室温(25℃)まで冷却し、電極合材を得た。
(実施例2)
混合スラリーの調製において、表2に示すように、電極活物質と固体電解質と導電助剤の体積比率を、電極活物質20vol%、固体電解質65vol%、導電助剤15vol%としたこと以外は、実施例1と同様にして、電極合材を作製した。
混合スラリーの調製において、表2に示すように、電極活物質と固体電解質と導電助剤の体積比率を、電極活物質20vol%、固体電解質65vol%、導電助剤15vol%としたこと以外は、実施例1と同様にして、電極合材を作製した。
(比較例1)
混合スラリーの調製において、表2に示すように、電極活物質と固体電解質と導電助剤の体積比率を、電極活物質20vol%、固体電解質74vol%、導電助剤6vol%としたこと以外は、実施例1と同様にして、電極合材を作製した。
混合スラリーの調製において、表2に示すように、電極活物質と固体電解質と導電助剤の体積比率を、電極活物質20vol%、固体電解質74vol%、導電助剤6vol%としたこと以外は、実施例1と同様にして、電極合材を作製した。
(比較例2)
混合スラリーの調製において、表2に示すように、電極活物質と固体電解質と導電助剤の体積比率を、電極活物質20vol%、固体電解質72vol%、導電助剤8vol%としたこと以外は、実施例1と同様にして、電極合材を作製した。
混合スラリーの調製において、表2に示すように、電極活物質と固体電解質と導電助剤の体積比率を、電極活物質20vol%、固体電解質72vol%、導電助剤8vol%としたこと以外は、実施例1と同様にして、電極合材を作製した。
[電極合材の評価]
得られた実施例1、2及び比較例1、2の電極合材について、電子伝導度、エネルギー密度及び電池の動作性を評価した。
(電子伝導度)
まず、得られたシート状電極合材の両表面に金薄膜をスパッタリングし、次に、該金薄膜に測定端子を接続して、一定直流電流を印加した時の電圧上昇分から抵抗値を算出した。算出した抵抗値から電子伝導度を求めた。結果を図2に示す。
得られた実施例1、2及び比較例1、2の電極合材について、電子伝導度、エネルギー密度及び電池の動作性を評価した。
(電子伝導度)
まず、得られたシート状電極合材の両表面に金薄膜をスパッタリングし、次に、該金薄膜に測定端子を接続して、一定直流電流を印加した時の電圧上昇分から抵抗値を算出した。算出した抵抗値から電子伝導度を求めた。結果を図2に示す。
(エネルギー密度)
以下のようにしてエネルギー密度を算出した。すなわち、まず、正極缶と負極缶との間に、正極缶側から順に、ワッシャー、スペーサー、金薄膜(厚さ0.8μm)、上記にて作製したシート状電極合材(正極合材、厚さ50μm)、ゲル電解質(電解液をポリメチルメタクリレートでゲル化したもの、厚さ380μm)、及びLi金属(100μm)を配置し、正極缶及び負極缶を封止し、コイン型電池を作製した。次に、コイン型電池内の正極活物質が有するエネルギー[Ah]、及び平均電圧[V]を測定した。続いて、(コイン型電池内の正極活物質が有するエネルギー[Ah]×平均電圧[V])/電池体積[L]より体積エネルギー密度[Wh/L]を算出した。そして、算出された体積エネルギー密度を、導電助剤添加量が0の時のエネルギー密度を1として、無限化した(図2の縦軸)。
結果を図2に示す。
以下のようにしてエネルギー密度を算出した。すなわち、まず、正極缶と負極缶との間に、正極缶側から順に、ワッシャー、スペーサー、金薄膜(厚さ0.8μm)、上記にて作製したシート状電極合材(正極合材、厚さ50μm)、ゲル電解質(電解液をポリメチルメタクリレートでゲル化したもの、厚さ380μm)、及びLi金属(100μm)を配置し、正極缶及び負極缶を封止し、コイン型電池を作製した。次に、コイン型電池内の正極活物質が有するエネルギー[Ah]、及び平均電圧[V]を測定した。続いて、(コイン型電池内の正極活物質が有するエネルギー[Ah]×平均電圧[V])/電池体積[L]より体積エネルギー密度[Wh/L]を算出した。そして、算出された体積エネルギー密度を、導電助剤添加量が0の時のエネルギー密度を1として、無限化した(図2の縦軸)。
結果を図2に示す。
(電池の動作性)
まず、得られたシート状電極合材を用いて、以下のようにしてコイン型電池を作製した。すなわち、正極缶と負極缶との間に、正極缶側から順に、ワッシャー、スペーサー、金薄膜(厚さ0.8μm)、シート状電極合材(正極合材、厚さ50μm)、ゲル電解質(電解液をポリメチルメタクリレートでゲル化したもの、厚さ380μm)、及びLi金属(100μm)を配置し、正極缶及び負極缶を封止し、コイン型電池を作製した。
まず、得られたシート状電極合材を用いて、以下のようにしてコイン型電池を作製した。すなわち、正極缶と負極缶との間に、正極缶側から順に、ワッシャー、スペーサー、金薄膜(厚さ0.8μm)、シート状電極合材(正極合材、厚さ50μm)、ゲル電解質(電解液をポリメチルメタクリレートでゲル化したもの、厚さ380μm)、及びLi金属(100μm)を配置し、正極缶及び負極缶を封止し、コイン型電池を作製した。
作製したコイン型電池を、CC−CV方式(レート:0.05C、2−4.6V)にて、充放電を繰り返した。
図3に、実施例1のシート状電極合材を用いたコイン型電池の充放電電圧と容量との関係(2サイクル目)を示す。図3に示すように、実施例のシート状電極合材を用いたコイン型電池は、充放電が可能であり、電池として動作することが確認された。図示しないが、実施例2のシート状電極合材を用いたコイン型電池も、実施例1と同様、電池としての動作性が確認できた。
一方、比較例1及び比較例2のシート状電極合材を用いたコイン型電池は、充電直後及び放電直後に、電圧が急激に上昇及び急激に下降する挙動を示し、充放電ができず、電池として動作しないことが確認された。
図3に、実施例1のシート状電極合材を用いたコイン型電池の充放電電圧と容量との関係(2サイクル目)を示す。図3に示すように、実施例のシート状電極合材を用いたコイン型電池は、充放電が可能であり、電池として動作することが確認された。図示しないが、実施例2のシート状電極合材を用いたコイン型電池も、実施例1と同様、電池としての動作性が確認できた。
一方、比較例1及び比較例2のシート状電極合材を用いたコイン型電池は、充電直後及び放電直後に、電圧が急激に上昇及び急激に下降する挙動を示し、充放電ができず、電池として動作しないことが確認された。
図2に示すように、導電助剤(ファーネスブラック)は、上記体積比率で、10vol%以上含有させ、且つ、脱脂工程において、加熱温度をバインダー(アクリル系樹脂)の熱分解温度以上且つ導電助剤(ファーネスブラック)の熱分解温度未満(330℃〜420℃の範囲)とすることで、成形性を維持しつつ充分な電子伝導性が確保され、電池として動作可能な電極合材が得られることが確認できた。
[電極合材の作製]
実施例1で調製した混合スラリー(導電助剤の上記体積比率10vol%)を用いて作製した成形体を、表3に示すように、脱脂工程の加熱温度、保持時間を変えて、実施例3〜8及び比較例3〜8の電極合材を作製した。尚、実施例3〜8及び比較例3〜8において、脱脂工程の昇温速度及び降温速度、焼成工程の加熱温度及び保持時間は一定とした。
実施例1で調製した混合スラリー(導電助剤の上記体積比率10vol%)を用いて作製した成形体を、表3に示すように、脱脂工程の加熱温度、保持時間を変えて、実施例3〜8及び比較例3〜8の電極合材を作製した。尚、実施例3〜8及び比較例3〜8において、脱脂工程の昇温速度及び降温速度、焼成工程の加熱温度及び保持時間は一定とした。
[電極合材の評価]
得られた実施例3〜8及び比較例3〜8の電極合材について、電子伝導度、及び脱脂性を評価した。
(電子伝導度)
得られたシート状電極合材について、テスターで厚み方向の抵抗値を計測し、電子伝導度を算出した。結果を表4及び図4に示す。
尚、比較例3及び4の電極合材は、シート形状を保持することができず、抵抗値の計測が不可能であった。また、比較例5〜8は、抵抗値が計測機の測定範囲を超え(O.L.)、計測できなかった。
得られた実施例3〜8及び比較例3〜8の電極合材について、電子伝導度、及び脱脂性を評価した。
(電子伝導度)
得られたシート状電極合材について、テスターで厚み方向の抵抗値を計測し、電子伝導度を算出した。結果を表4及び図4に示す。
尚、比較例3及び4の電極合材は、シート形状を保持することができず、抵抗値の計測が不可能であった。また、比較例5〜8は、抵抗値が計測機の測定範囲を超え(O.L.)、計測できなかった。
(脱脂性)
得られたシート状電極合材を触感で官能評価した。結果を表4に示す。尚、官能評価の結果は、表4において、シート状電極合材を触っても割れや形状変化等が生じないものを強度があり焼結が充分に進んでいるものと判断して「○」、シート状電極合材を触ると割れや形状変化等が生じるものを焼結が進んでいないものと判断して「×」と表記した。
得られたシート状電極合材を触感で官能評価した。結果を表4に示す。尚、官能評価の結果は、表4において、シート状電極合材を触っても割れや形状変化等が生じないものを強度があり焼結が充分に進んでいるものと判断して「○」、シート状電極合材を触ると割れや形状変化等が生じるものを焼結が進んでいないものと判断して「×」と表記した。
脱脂工程における温度が300℃以下の比較例1及び比較例2の電極合材は、官能評価において、その形状を維持できず、ボソボソと崩れ、脱脂が不十分だった。また、比較例1及び2の電極合材は、形状を維持できないために、電子伝導性の計測が不可能だった。
また、脱脂工程における温度が450℃以上の比較例3〜8では、官能評価から充分に脱脂されたことが確認された。しかしながら、抵抗値が計測不可能なほど高く、電子伝導性がなかったことから、成形体に添加した伝導助剤が熱分解したことが確認された。
これに対して、脱脂工程における温度が330℃〜420℃の実施例3〜8では、充分に脱脂しつつ、電子伝導性を確保することができた。
また、脱脂工程における温度が450℃以上の比較例3〜8では、官能評価から充分に脱脂されたことが確認された。しかしながら、抵抗値が計測不可能なほど高く、電子伝導性がなかったことから、成形体に添加した伝導助剤が熱分解したことが確認された。
これに対して、脱脂工程における温度が330℃〜420℃の実施例3〜8では、充分に脱脂しつつ、電子伝導性を確保することができた。
Claims (7)
- 固体電解質、電極活物質、バインダー、及び、導電助剤を含み、前記固体電解質、前記電極活物質及び前記導電助剤の合計体積を100vol%としたときに、前記導電助剤の割合が10vol%以上である成形体を準備する工程と、
前記成形体を、前記バインダーの熱分解温度以上且つ前記導電助剤の熱分解温度未満で加熱し、脱脂する工程と、
前記脱脂工程で得られた脱脂体を焼成する工程と、
を有することを特徴する電極合材の製造方法。 - 前記固体電解質が、Li1+xAlxGe2−x(PO4)3(但し、0≦x≦1)、Li1+xAlxTi2−x(PO4)3(但し、0≦x≦1)、及び、LixLayTiO3(但し、0≦x≦1、0≦y≦1)よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の電極合材の製造方法。
- 前記電極活物質が、Li3V2P3O12、LiNiPO4、LiCoPO4、及びLiFePO4よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の電極合材の製造方法。
- 前記導電助剤が、導電性炭素材料である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電極合材の製造方法。
- 前記導電助剤の割合が、15vol%以下である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電極合材の製造方法。
- 前記脱脂工程における加熱温度が330〜420℃である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電極合材の製造方法。
- 前記成形体が、前記固体電解質、前記電極活物質及び前記導電助剤の合計量100重量部に対して、前記バインダーを4〜40重量部含有する、請求項1乃至6のいずれかに記載の電極合材の製造方法。
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- 2012-06-15 JP JP2012135682A patent/JP2014002855A/ja active Pending
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