JP2014002807A - ディスク上のディフェクトの凹凸を判別するディフェクト凹凸判別方法及び磁気ディスク装置 - Google Patents

ディスク上のディフェクトの凹凸を判別するディフェクト凹凸判別方法及び磁気ディスク装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ディスク上のディフェクトの凹凸を判別することができるようにする。
【解決手段】実施形態によれば、ヘッドを備える装置でのディスク上のディフェクトの凹凸を判別する方法が提供される。前記方法は、前記ヘッドが備えるリード素子を用いて前記ディスク上の第1のディフェクトを検出する。前記方法はまた、前記ヘッドが備えるヘッドディスク干渉センサを用いて前記ディスク上の第2のディフェクトを検出する。前記方法は更に、前記検出された第1のディフェクト及び前記検出された第2のディフェクトから特定される第3のディフェクトについて、前記第1のディフェクトの前記ディスク上の半径方向の第1の幅と前記第2のディフェクトの前記半径方向の第2の幅との比に基づいて、前記第3のディフェクトが凹ディフェクトまたは凸ディフェクトのいずれであるかを判別する。
【選択図】 図10

Description

本発明の実施形態は、ディスク上のディフェクトの凹凸を判別するディフェクト凹凸判別方法及び磁気ディスク装置に関する。
磁気ディスク装置は記録媒体としてディスク(より詳細には磁気ディスク)を備えている。ここで、ディスクの表面に微小な突起が存在する場合を想定する。この場合、突起が存在するディスク上の領域にヘッド(より詳細には磁気ヘッド)によりデータをライトする或いは当該領域からデータをリードすることができなくなるおそれがある。また、ヘッドが突起に衝突して、当該ヘッドが損傷するおそれもある。このような事象を回避するために、ディスク上に存在する突起のようなディフェクトを検出する種々の方法が、従来から提案されている。
特開平8−082504号公報
しかし従来技術で検出されるディフェクトは、突起に限らない。つまり従来技術では、ディスク表面のくぼみもディフェクトとして検出される。このように従来技術では、突起(つまり、凸ディフェクト)とくぼみ(つまり、凹ディフェクト)とが、区別されることなくディフェクトとして検出される。しかし、凸ディフェクトと凹ディフェクトとでは、上述の事象への影響の度合いが異なる。このため、検出されたディフェクトの凹凸を判別することが要求されている。
本発明の目的は、ディスク上のディフェクトの凹凸を判別することができるディフェクト凹凸判別方法及び磁気ディスク装置を提供することにある。
実施形態によれば、ヘッドを備える装置でのディスク上のディフェクトの凹凸を判別する方法が提供される。前記方法は、前記ヘッドが備えるリード素子を用いて前記ディスク上の第1のディフェクトを検出する。前記方法はまた、前記ヘッドが備えるヘッドディスク干渉センサを用いて前記ディスク上の第2のディフェクトを検出する。前記方法は更に、前記検出された第1のディフェクト及び前記検出された第2のディフェクトから特定される第3のディフェクトについて、前記第1のディフェクトの前記ディスク上の半径方向の第1の幅と前記第2のディフェクトの前記半径方向の第2の幅との比に基づいて、前記第3のディフェクトが凹ディフェクトまたは凸ディフェクトのいずれであるかを判別する。
実施形態に係る磁気ディスク装置の典型的な構成を示すブロック図。 同実施形態で適用されるディフェクト検出・凹凸判別処理の典型的な手順をを説明するためのフローチャートの一部を示す図。 同フローチャートの残りを示す図。 同実施形態で適用されるディフェクト情報の典型的なフォーマットを示す図。 同実施形態で適用されるヘッドディスク干渉ディフェクト(HDI)グルーピング処理の典型的な手順を説明するためのフローチャート。 同実施形態で適用されるメディアバンプスクリーニング(MBS)ディフェクトグルーピング処理の典型的な手順を説明するためのフローチャート。 同実施形態で適用されるHDIディフェクトグルーピングを説明するための図。 同実施形態で適用されるMBSディフェクトグルーピングを説明するための図。 図7(b)に示されるディフェクト及び図8(b)に示されるディフェクトの相互の位置関係を示す図。 同実施形態で適用される凹凸判別・ディフェクト登録処理の典型的な手順を説明するためのフローチャート。 複数の凸ディフェクト及び複数の凹ディフェクトの各々をMBS方法及びHDI方法で検出した場合に取得される幅W_MBSj及びW_HDIiの相関をプロットしたグラフを示す図。 複数の凸ディフェクト及び複数の凹ディフェクトの各々に関し、幅W_MBSjと、幅W_HDIiと、幅W_MBSjに対する幅W_HDIiの比とをプロットしたグラフを示す図。
以下、実施の形態につき図面を参照して説明する。
図1は実施形態に係る磁気ディスク装置の典型的な構成を示すブロック図である。図1に示す磁気ディスク装置は、ディスク(磁気ディスク)11と、ヘッド(磁気ヘッド)12と、スピンドルモータ(SPM)13と、アクチュエータ14と、ドライバIC15と、ヘッドIC16と、コントロール部20とを備えている。
ディスク11は磁気記録媒体である。ディスク11は、例えばその一方の面に、データが磁気記録される記録面を備えている。ディスク11はSPM13によって高速に回転させられる。SPM13は、ドライバIC15から供給される駆動電流(または駆動電圧)により駆動される。
ディスク11(より詳細には、ディスク11の記録面)は、例えば同心円状の複数のトラック110を備えている。なお、ディスク11が、スパイラル状に配置される複数のトラックを備えていても構わない。ディスク11は更に複数のサーボ領域111を備えている。複数のサーボ領域111は、ディスク11の半径方向に放射状に、且つ当該ディスク11の円周方向に等間隔で離散的に配置されている。各トラック110内の隣接するサーボ領域111の間はデータ領域112として用いられる。各トラック110内のサーボ領域111はサーボフレームとも呼ばれる。また、各トラック110内のサーボ領域111と当該サーボ領域111に隣接するデータ領域112とから構成される領域は、サーボセクタと称される。データ領域112は、複数のデータセクタを備えている。
サーボ領域111にはサーボデータが記録されている。サーボデータは、サーボマーク、アドレスデータ及びサーボバーストデータを含む。サーボマークは、対応するサーボセクタを識別するのに用いられる特定のコード(パターン信号)から構成される。アドレスデータは、対応するトラック110のアドレス(つまりシリンダアドレス)及び対応するサーボセクタのアドレス(つまりサーボセクタアドレス)から構成される。サーボバーストデータは、対応するトラック110の例えば中心線からのヘッド12の位置ずれ(位置誤差)を検出するのに用いられるデータ(いわゆる相対位置データ)から構成される。
ヘッド(ヘッドスライダ)12はディスク11の記録面に対応して配置される。ヘッド12は、アクチュエータ14のアーム140から延出したサスペンション141の先端に取り付けられている。アクチュエータ14は、当該アクチュエータ14の駆動源となるボイスコイルモータ(VCM)142を有している。VCM142は、ドライバIC15から供給される駆動電流により駆動される。ヘッド12は、アクチュエータ14がVCM142によって駆動されることにより、ディスク11上を当該ディスク11の半径方向に、円弧を描くように移動する。
図1の構成では、単一枚のディスク11を備えた磁気ディスク装置を想定している。しかし、ディスク11が複数枚積層配置された磁気ディスク装置であっても構わない。また、図1の構成では、ディスク11は、その一方の面に記録面を備えている。しかし、ディスク11がその両面に記録面を備え、当該両記録面にそれぞれ対応してヘッドが配置されても構わない。
ヘッド12は、ライト素子121、リード素子122及びヘッドディスク干渉(インタフェース)センサ123を備えている。ライト素子121はディスク11へのデータのライトに用いられ、リード素子122はディスク11からのデータのリードに用いられる。ヘッドディスク干渉(HDI)センサ123は、当該HDIセンサ123(HDIセンサ123を備えたヘッド12)とディスク11との間に作用する干渉(つまり相互作用)、例えば熱的干渉を電気的に検出する。
HDIセンサ123は、例えば図示せぬ磁気抵抗効果型(MR)素子を備えている。MR素子は、温度に対する抵抗値の変化が大きい素子として知られている。HDIセンサ123の温度は、当該HDIセンサ123とディスク11との間の熱的干渉(つまり熱的相互作用)の大きさに対応して変化する。例えば、ヘッド12がディスク11の表面に存在する突起(凸ディフェクト)に接触すると、当該ヘッド12(ヘッド12のHDIセンサ123)とディスク11の間に熱が発生する。すると、HDIセンサ123の温度が変化する。同様に、ヘッド12がディスク11の表面に存在するくぼみ(凹ディフェクト)の上を通過する際にも、当該ヘッド12とディスク11の間に熱が発生して、HDIセンサ123の温度が変化する。このくぼみは、例えば、ディスク11の表面の磁性薄膜もしくは保護膜のような膜の一部の抜け、または当該表面の傷に起因して生ずる。
HDIセンサ123(より詳細には、当該HDIセンサ123のMR素子)の抵抗は、当該HDIセンサ123の温度変化に応じて変化する。つまり、HDIセンサ123の抵抗はHDIセンサ123とディスク11との間に生じる熱的干渉の大きさを表す。この熱的干渉の大きさは、HDIセンサ123に対向するディスク11の表面の状態に応じて変化する。つまり、HDIセンサ123の抵抗は、当該HDIセンサ123に対向するディスク11の表面の状態に応じて変化する。そこで、HDIセンサ123は、ディスク11上のディフェクトを検出するのに用いられる。
HDIセンサ123(より詳細には、HDIセンサ123のMR素子)は、ディスク11の半径方向(以下、ディスク半径方向と称する)にリード素子122よりも大きい幅(以下、HDIセンサ幅と称する)を有している。つまりリード素子122のディスク半径方向の幅(以下、リード素子幅と称する)をWRE、HDIセンサ幅をWHDISとするならば、WHDIS>WREである。本実施形態においてWHDISは、WREの十数倍であるものとする。但し、図1には、作図の都合で、このリード素子幅(第3の幅)WRE及びHDIセンサ幅(第4の幅)WHDISの違いは反映されていない。
ドライバIC15は、コントロール部20(より詳細には、コントロール部20内のサーボコントローラ23)の制御に従い、SPM13とVCM142とを駆動する。
ヘッドIC16はヘッドアンプとも呼ばれており、ヘッド12のリード素子122によりリードされた信号(つまりリード信号)を増幅する。ヘッドIC16はまた、コントロール部20(より詳細には、コントロール部20内の後述するR/Wチャネル21)から出力されるライトデータをライト電流に変換して、当該ライト電流をヘッド12のライト素子121に出力する。
ヘッドIC16は更に後述する第2のディフェクト検出器の一部として機能する。ヘッドIC16は、ヘッド12のHDIセンサ123のMR素子に所定のバイアス電流を供給することにより、当該MR素子の両端間の電圧V_HDISを検出(つまりモニタ)する。この電圧V_HDISを、HDIセンサ電圧と称する。HDIセンサ電圧V_HDISは、MR素子の抵抗ρの変化(つまりMR素子の温度の変化)に応じて変化する。したがってHDIセンサ電圧V_HDISは、HDIセンサ123とディスク11との間の熱的干渉の大きさを表す。ヘッドIC16は、後述するサーボセクタタイミング信号に応じて、サーボセクタ(より詳細にはサーボセクタ内のデータ領域112)を単位にHDIセンサ電圧V_HDISの平均レベル(平均電圧)AV_HDISを検出する。
コントロール部20は、複数の要素が単一チップに集積されたシステムLSIによって実現される。コントロール部20は、リード/ライト(R/W)チャネル21と、ハードディスクコントローラ(HDC)22と、サーボコントローラ23と、メモリユニット24とを備えている。
R/Wチャネル21は、リード/ライトに関連する信号を処理する。即ちR/Wチャネル21は、ヘッドIC16によって増幅されたリード信号をデジタルデータに変換し、このデジタルデータからリードデータを復号する。R/Wチャネル21はまた、上記デジタルデータからサーボデータを抽出する。R/Wチャネル21はまた、抽出されたサーボデータに基づいて上記サーボセクタタイミング信号を生成する。このサーボセクタタイミング信号は、抽出されたサーボデータが記録されているサーボ領域111を含むサーボセクタ(より詳細にはサーボ領域111を含むサーボセクタ内のデータ領域112)に対応する。R/Wチャネル21はまた、HDC22から転送されるライトデータを符号化し、この符号化されたライトデータをヘッドIC16に転送する。
HDC22は、ホストインタフェース(ストレージインタフェース)を介してホスト(ホストデバイス)と接続されている。ホストは、図1に示される磁気ディスク装置を自身のストレージ装置として利用する。ホスト及び図1に示される磁気ディスク装置は、パーソナルコンピュータ、ビデオカメラ、音楽プレーヤー、携帯端末、携帯電話機、或いはプリンタ装置のような電子機器に備えられている。HDC22は、ホストに信号を転送し、且つ当該ホストから転送される信号を受信するホストインタフェースコントローラとして機能する。具体的には、HDC22は、ホストから転送されるコマンド(ライトコマンド、リードコマンド等)を受信する。HDC22はまた、ホストと当該HDC22との間のデータ転送を制御する。HDC22はまた、R/Wチャネル21、ヘッドIC16及びヘッド12を介してディスク11へのデータのライト及びディスク11からのデータのリードを制御するディスクインタフェースコントローラとしても機能する。
HDC22は更に、ディフェクト検出・凹凸判別モードにおいてディスク11の記録面からディフェクトを検出する。本実施形態では、HDC22によるディフェクト検出に、2つの方法が併用される。
第1の方法は、ヘッド12のリード素子122を用いてディフェクトを検出する方法である。より詳細には、第1の方法は、ディスク11の記録面全体にライトされた単一周波数のデータ信号をリード素子122によりリードし、当該リードされたデータ信号(つまりリード信号)のレベルに基づいてディフェクトを検出する方法である。このリード信号は、上述のようにヘッドIC16によって増幅されて、R/Wチャネル21に出力される。上記データ信号の周波数は、ビットのディスク円周方向(より詳細には、ディスク11の円周方向)の長さに対応する。ビットは、データ記録の最小の単位である。
HDC22は、第1の方法を適用したディフェクト検出において第1のディフェクト検出器として機能する。HDC22は、R/Wチャネル21によって検出されるリード信号(つまり、ヘッドIC16によって増幅されたリード信号)のレベルを、例えばビット単位で第1の基準レベルと比較する。HDC22は、この比較に基づき、リード信号のレベルが第1の基準レベル未満のビットをエラー(いわゆるミッシングパルスエラー)と判定する。HDC22は、エラービットが基準の数を超えるデータセクタをディフェクト(つまりディフェクトデータセクタ)DFS_MBSであると判定する。HDC22は、このような判定(つまりディフェクト検出)を、ディスク11上の全トラック110の全データセクタについて行う。上述の第1の方法は、メディアバンプスクリーニング(MBS)手法として知られている。そこで以下の説明では、第1の方法をMBS方法と称する。
第2の方法は、HDIセンサ123を用いてディフェクトを検出する方法である。より詳細には、第2の方法は、HDIセンサ123によって検出される、当該HDIセンサ123とディスク11との間に作用する干渉(本実施形態では、熱的干渉)に基づいてディフェクトを検出する方法である。そこで以下の説明では、第2の方法をHDI方法と称する。
HDI方法を適用したディフェクト検出において、HDC22は第2のディフェクト検出器として機能する。HDC22は、ヘッドIC16によってサーボセクタを単位に検出される平均レベルAV_HDIS(つまり、HDIセンサ電圧V_HDISの平均レベルAV_HDIS)を、第2の基準レベルと比較する。HDC22は、この比較に基づき、平均レベルAV_HDISが第2の基準レベルよりも大きいサーボセクタをディフェクトであると判定する。この場合、HDC22は、ディフェクトと判定されたサーボセクタ(つまりディフェクトサーボセクタ)内の全データセクタがディフェクト(つまりディフェクトデータセクタ)DFS_HDIであると判定する。HDC22は、このような判定(つまりディフェクト検出)を、ディスク11上の全トラック110の全サーボセクタについて行う。
なお、R/Wチャネル21が上記第1のディフェクト検出器の一部として機能して、上記リード信号のレベルを上記第1の基準レベルと比較しても良い。つまり、上記第1のディフェクト検出器が、R/Wチャネル21及びHDC22に分散されても良い。また、上記第2のディフェクト検出器の一部として機能するヘッドIC16が、上記平均レベルAV_HDISを上記第2の基準レベルと比較しても良い。またR/Wチャネル21が上記第2のディフェクト検出器の一部として機能して、上記平均レベルAV_HDISを上記第2の基準レベルと比較しても良く、更に当該平均レベルAV_HDISを検出しても良い。つまり上記第2のディフェクト検出器が、ヘッドIC16、R/Wチャネル21及びHDC22に分散されても、或いはR/Wチャネル21及びHDC22に分散されても構わない。
HDC22は更に、ディフェクト検出・凹凸判別モードにおいてグルーピングモジュールとして機能する。HDC22は、MBS方法を用いたディフェクト検出の結果に基づき、ディフェクトデータセクタDFS_MBSを、ディフェクトDFG_MBS(第1のディフェクト)にグループ分けする。このグループ分けを、第1のディフェクトグルーピングと呼ぶ。各ディフェクトDFG_MBSは、ディフェクトデータセクタDFS_MBSの集合である。HDC22はまた、HDI方法を用いたディフェクト検出の結果に基づき、ディフェクトデータセクタDFS_HDIを、ディフェクトDFG_HDI(第2のディフェクト)にグループ分けする。このグループ分けを、第2のディフェクトグルーピングと呼ぶ。ディフェクトDFG_HDIは、ディフェクトデータセクタDFS_HDIの集合である。第1及び第2のグルーピングのアルゴリズムについては後述する。
HDC22は更にディフェクト検出・凹凸判別モードにおいてディフェクト凹凸判別モジュールとしても機能する。即ちディフェクト検出・凹凸判別モードにおいてHDC22は、第1のグルーピングの結果及び第2のグルーピングの結果に基づき、両結果に共通のディフェクトDFの凹凸を判別する。この凹凸判別のアルゴリズムについては後述する。
サーボコントローラ23は、ドライバIC15を介してSPM13及びVCM142を制御する。特にサーボコントローラ23は、ヘッド12をディスク11上の目標トラック110の目標位置に位置付けるために、R/Wチャネル21によって抽出されるサーボデータに基づいてVCM142を制御する。ここで、VCM142を制御することは、当該VCM142を備えたアクチュエータ14を制御することと等価である。
本実施形態において、HDC22及びサーボコントローラ23は、それぞれマイクロプロセッサユニット(MPU)を備えている。これらのMPUは、HDC22及びサーボコントローラ23のためのそれぞれの制御プログラムを実行することにより、HDC22及びサーボコントローラ23としての機能を実現している。これらの制御プログラムは、後述するFROM241に格納されている。なお、単一のMPUが、これらの制御プログラムを時分割で実行しても構わない。
メモリユニット24は、フラッシュROM(FROM)241及びRAM242を備えている。
FROM241は書き換え可能な不揮発性メモリである。FROM241の記憶領域の一部には、HDC22及びサーボコントローラ23を含むコントロール部20の機能を実現するための制御プログラム(ファームウェア)が予め格納されている。
FROM241の記憶領域の他の一部は、MBS方法及びHDI方法を用いたディフェクト検出の結果を例えばリスト形式で保存するのに用いられる。以下、MBS方法を用いたディフェクト検出の結果を表すリストをMBSディフェクトリスト(第1のディフェクトリスト)と称し、HDI方法を用いたディフェクト検出の結果を表すリストをHDIディフェクトリスト(第2のディフェクトリスト)と称する。FROM241の記憶領域の更に他の一部は、リード/ライトが回避されるべきディフェクト領域を登録するのに用いられる。
RAM242の記憶領域の少なくとも一部は、HDC22及びサーボコントローラ23のための作業領域として用いられる。
次に、本実施形態の動作について、ディスク11上のディフェクトを検出し、当該検出されたディフェクトの凹凸を判別する処理(以下、ディフェクト検出・凹凸判別処理と称する)を例に、図2及び図3を参照して説明する。図2は、本実施形態で適用されるディフェクト検出・凹凸判別処理の典型的な手順を説明するためのフローチャートの一部を示し、図3は当該フローチャートの残りを示す。
今、図1の磁気ディスク装置において、ディスク11上のディフェクトを検出し、当該検出されたディフェクトの凹凸を判別する必要があるものとする。この場合、HDC22は、磁気ディスク装置をディフェクト検出・凹凸判別モードに設定する。そしてHDC22は、図2のフローチャートで示されるディフェクト検出・凹凸判別処理を開始する。
まずHDC22は第2のディフェクト検出器として機能して、ディスク11上のディフェクトをHDI方法を用いて検出するためのディスクスキャンテスト(以下、HDIスキャンテストと称する)を実施する(ステップ201)。このHDIスキャンテストにおいて、サーボコントローラ23はHDC22からの指示に従い、トラック110(シリンダ)を単位にディスク11の記録面全体をヘッド12でスキャンするように、ドライバIC15を介してアクチュエータ14を駆動する。ヘッド12が位置するディスク11上のシリンダ及びサーボセクタは、ヘッド12のリード素子122によってリードされたデータからR/Wチャネル21によって抽出されるサーボデータ中のシリンダアドレス及びサーボセクタアドレスによって示される。
HDIセンサ123は、当該HDIセンサ123とディスク11との間の熱的干渉の大きさに対応するHDIセンサ電圧V_HDISを発生する。前述したように、この熱的干渉は、HDIセンサ123に対向するディスク11の表面の状態(例えば凹凸)に応じて変化する。ヘッドIC16は第2のディフェクト検出器の一部として機能して、HDIセンサ123のHDIセンサ電圧V_HDISをモニタする。ヘッドIC16は、R/Wチャネル21から出力されるサーボセクタタイミング信号に応じて、サーボセクタを単位にHDIセンサ電圧V_HDISの平均レベルAV_HDISを検出する。
HDIスキャンテストにおいて、HDC22は、ヘッドIC16によって検出される平均レベルAV_HDISを、サーボセクタを単位に第2の基準レベルと比較する。HDC22は、この比較に基づき、前述したように対応するサーボセクタがディフェクトであるかを判定する。もし、サーボセクタがディフェクトであるならば、HDC22は、当該サーボセクタ内の全データセクタがディフェクトDFS_HDIであると判定(つまり検出)する。
HDC22は、検出されたディフェクトDFS_HDIに関する情報(ディフェクト情報)を、FROM241内のHDIディフェクトリストに登録する(ステップ202)。本実施形態では、ディフェクト情報は、トラック110毎に、当該トラック110上の連続するディフェクトDFS_HDIの集合を単位に登録される。HDIディフェクトリストは、ディフェクト検出・凹凸判別処理の開始時に初期化される。また、ディフェクト検出・凹凸判別処理の開始時には、FROM241内のMBSディフェクトリストも初期化される。
図4は、本実施形態で適用されるディフェクト情報の典型的なフォーマットを示す。本実施形態において、HDIディフェクトリストに登録されるディフェクト情報及びMBSディフェクトリストに登録されるディフェクト情報のフォーマットは同一である。本実施形態で適用されるディフェクト情報は、シリンダ番号、ヘッド番号、セクタ番号、セクタ長及びグループ番号を含む。
ディフェクト情報のシリンダ番号(シリンダアドレス)は、対応するディフェクトが存在するディスク11上のトラック110のシリンダ位置を示す。ディフェクト情報中のヘッド番号は、上記対応するディフェクトが存在するディスク11上の記録面を示す。本実施形態のように、単一枚のディスク11を備え、当該ディスク11の一方のディスク面のみが記録面を備えた磁気ディスク装置では、ヘッド番号は必ずしも必要ない。
ディフェクト情報中のセクタ番号及びセクタ長は、以下の第1のケースと第2のケースとによって若干異なる。第1のケースは、ディフェクト情報によって示されるべきディフェクトが、トラック110上の単一のデータセクタに存在し、したがって単一のディフェクトデータセクタを備えている場合を指す。本実施形態で適用されるHDIスキャンテストでは、第1のケースは発生しない。第2のケースは、ディフェクト情報によって示されるべきディフェクトが、トラック110上の連続するn個(nは1より大きい整数)のデータセクタにまたがって存在し、したがってn個のディフェクトセクタを備えている場合を指す。本実施形態で適用されるHDIスキャンテストでは、第2のケースのみが発生する。
第1のケースでは、ディフェクト情報中のセクタ番号及びセクタ長は、上記単一のデータセクタ(つまりディフェクトデータセクタ)の位置及び上記ディフェクトのデータセクタ数N(つまりN=1)を示す。第2のケースでは、ディフェクト情報中のセクタ番号は、上記n個のディフェクトデータセクタの先頭のデータセクタ及び上記ディフェクトのデータセクタ数N(つまりN=n)を示す。ディフェクト情報中のグループ番号は、当該ディフェクト情報で示されるべきディフェクト(つまり1つ以上のディフェクトデータセクタ)が属するグループを示す。グループについては後述する。
HDIスキャンテスト(ステップ201)においてヘッド12が位置付けられているトラック110(TR)から1つ以上のディフェクトが検出された場合、HDC22は当該トラック110(TR)上のディフェクト毎に、図4に示すフォーマットのディフェクト情報をHDIディフェクトリストに登録する(ステップ202)。このディフェクト情報の登録は、HDIスキャンテストで検出されたディフェクトデータセクタDFS_HDIをHDIディフェクトリストに登録することと等価である。本実施形態において、HDIディフェクトリストにおける要素(ディフェクト情報)の並びは、登録の順序に一致する。
HDC22はステップS202を実行するとステップ203に進む。これに対し、HDIスキャンテスト(ステップ201)において、トラック110(TR)からディフェクトが検出されなかった場合、HDC22はステップ202をスキップしてステップ203に進む。
ステップ203においてHDC22は、トラック110(TR)がディスク11上の最終トラックであるかにより、HDIスキャンテストが終了したかを判定する。もし、HDIスキャンテストが終了していないならば(ステップ203のNo)、HDC22は、サーボコントローラ23によりヘッド12を次のトラック110(TR+1)に移動させて、HDIスキャンテストを継続する(ステップ201)。
これに対し、HDIスキャンテストが終了したならば(ステップ203のYes)、HDC22は第1のディフェクト検出器として機能する。そしてHDC22は、MBSスキャンテストのために、ヘッド12のライト素子121によりディスク11の記録面全体に単一周波数のデータ信号をライトさせる(ステップ204)。つまりHDC22は、サーボコントローラ23によりヘッド12をディスク11の半径方向に移動させながら、ヘッド12のライト素子121によりディスク11の全トラック110の各データ領域112に単一周波数のデータ信号をライトさせる。
次にHDC22は、ディスク11上のディフェクトをMBS方法を用いて検出するためのディスクスキャンテスト(以下、MBSスキャンテストと称する)を実施する(ステップ205)。このMBSスキャンテストにおいて、サーボコントローラ23はHDC22からの指示に従い、トラック110(シリンダ)を単位にディスク11の記録面全体をヘッド12でスキャンするように、ドライバIC15を介してアクチュエータ14を駆動する。
MBSスキャンテストにおいてヘッド12のリード素子122は、ディスク11のトラック110(TR)にライトされた単一周波数のデータ信号をリードする。リードされたデータ信号(つまりリード信号)は、ヘッドIC16によって増幅される。増幅されたリード信号は、R/Wチャネル21を介してHDC22に転送される。
HDC22は前述したように、リード信号のレベルをビット単位で第1の基準レベルと比較することにより、対応するビットがエラーであるかを判定する。HDC22は、エラービットが基準の数を超えるデータセクタをディフェクトデータセクタDFS_MBSとして判定(検出)する。
MBSスキャンテスト(ステップ205)において、HDC22が、トラック110(TR)から1つ以上のディフェクトデータセクタDFS_MBSを検出したものとする。つまりHDC22が、単一のディフェクトデータセクタDFS_MBSまたは連続するn個のディフェクトデータセクタDFS_MBSを含む1つ以上のディフェクトを、トラック110(TR)から検出したものとする。この場合、HDC22は、トラック110(TR)上のディフェクト毎に、図4に示すフォーマットのディフェクト情報をMBSディフェクトリストに登録する(ステップ206)。このディフェクト情報の登録は、MBSスキャンテストで検出されたディフェクト(ディフェクトデータセクタ)DFS_MBSをMBSディフェクトリストに登録することと等価である。本実施形態において、MBSディフェクトリストにおける要素(ディフェクト情報)の並びは、登録の順序に一致する。
HDC22はステップS206を実行するとステップ207に進む。これに対し、MBSスキャンテスト(ステップ205)において、トラック110(TR)からディフェクトが検出されなかった場合、HDC22はステップ206をスキップしてステップ207に進む。
ステップ207においてHDC22は、トラック110(TR)がディスク11上の最終トラックであるかにより、MBSスキャンテストが終了したかを判定する。もし、MBSスキャンテストが終了していないならば(ステップ207のNo)、HDC22は、サーボコントローラ23によりヘッド12を次のトラック110(TR+1)に移動させて、MBSスキャンテストを継続する(ステップ205)。なお、MBSスキャンテスト(205)及びHDIスキャンテスト(201)を並行して実施しても良い。
一方、MBSスキャンテストが終了したならば(ステップ207のYes)、HDC22はグルーピングモジュールとして機能する。そしてHDC22は、HDIディフェクトグルーピング処理を実施する(ステップ208)。次にHDC22は、MBSディフェクトグルーピング処理を実施する(ステップ209)。なお、ステップ208及び209の順番が逆であっても構わない。
以下、HDIディフェクトグルーピング処理(ステップ208)について図5及び図7を参照して説明する。図5はHDIディフェクトグルーピング処理(第2のディフェクトグルーピング処理)の典型的な手順を説明するためのフローチャート、図7はHDIディフェクトグルーピングを説明するための図である。なお、図5のフローチャートでは簡略化のために、ディフェクトデータセクタDFS_HDIがディフェクトDFS_HDIのように表記されている。
まずHDC22は、グループ番号HDIGを表す変数iを初期値0に設定する(ステップ501)。次にHDC22は、FROM241内のHDIディフェクトリストから基準ディフェクトを選択する(ステップ502)。HDIディフェクトグルーピング処理における最初の選択では、HDIディフェクトリストの先頭の要素(ディフェクト情報)の示す先頭のディフェクトデータセクタDFS_HDIが基準ディフェクトとして選択される。ここでは、基準ディフェクトが、シリンダ番号x、ヘッド番号0及びセクタ番号yで示されるディスク11上の位置に存在するディフェクトデータセクタDFS_HDIであるものとする。なお、以下の説明では簡略化のために、ディフェクトデータセクタDFS_HDIの位置がシリンダ番号及びセクタ番号のみで示されるものとする。また、シリンダ番号x及びセクタ番号yで示されるディスク11上の位置を(x,y)のように表記する。更に、シリンダ番号xのシリンダ及びセクタ番号yのセクタを、それぞれシリンダx及びセクタyのように表記する。
HDC22は、基準ディフェクトを選択すると(ステップ502)、ステップ503に進む。ステップ503においてHDC22は、基準ディフェクトの位置(つまり、シリンダ番号x及びセクタ番号yで示される位置(x,y))から一定範囲内に存在する全てのディフェクトデータセクタDFS_HDIを、HDIディフェクトリストに基づいて選択する(ステップ503)。本実施形態において、位置(x,y)から一定範囲とは、位置(x,y)からシリンダ方向(例えばシリンダ番号が増加する方向)に閾値THaの範囲で且つ位置(x,y)からセクタ方向(例えばセクタ番号が増加する方向)に閾値THbの範囲を指す。閾値THaはシリンダ数を表し、閾値THbはセクタ数(より詳細にはデータセクタ数)を表す。つまりHDC22は、シリンダx乃至x+THaの各々に含まれるセクタy乃至y+THbから、全てのディフェクトデータセクタDFS_HDIを選択する。周知のように、シリンダ方向はディスク11の半径方向に対応し、セクタ方向はディスク11の円周方向に対応する。
図7(a)は、上述のようにして選択されるディフェクトデータセクタDFS_HDIの例を示す。図7(a)において、1つの白丸の記号は、位置(x,y)の基準ディフェクトを示し、6つの黒丸の記号は、シリンダx乃至x+THaの各々に含まれるセクタy乃至y+THbから選択される、基準ディフェクト以外の6つのディフェクトデータセクタDFS_HDIを示す。
HDC22はステップ503を実行すると、ディフェクトデータセクタDFS_HDIを選択できたかを判定する(ステップ504)。このステップ504の判定がYesであるならば、HDC22はステップ506に進む。ステップ506においてHDC22は、HDIディフェクトリストに格納されている、選択されたディフェクトデータセクタDFS_HDIを含む各ディフェクトに関するディフェクト情報にアクセスする。そしてHDC22は、ディフェクト情報中のグループ番号HDIGをiに設定する。このようにHDC22は、選択された全ディフェクトデータセクタDFS_HDIをグループ番号HDIGがiのグループDFG_HDIiにグルーピングする。以下の説明では、グループ番号HDIGが既にiに設定されているディフェクト情報によって示されるディフェクトを、グルーピング済みのディフェクトと呼ぶ。
ここで、選択されたディフェクトデータセクタDFS_HDIの一部または全部が、グルーピング済みのディフェクトに含まれているものとする。この場合、HDC22は、既にiに設定されているグループ番号HDIGを、必ずしも再度iに設定する必要はない。つまりグルーピング済みの全ディフェクトデータセクタDFS_HDIは、必ずしも再度グルーピングされる必要はない。
次にHDC22は、基準ディフェクトを、当該基準ディフェクトを除く選択されたディフェクトデータセクタDFS_HDIの1つに変更する(ステップ507)。そしてHDC22は、ステップ503及び504を再び実行する。もし、新たな基準ディフェクトの位置から一定範囲内にディフェクトデータセクタDFS_HDIが存在するならば、当該一定範囲内に存在する全てのディフェクトデータセクタDFS_HDIが選択される(ステップ503)。なお、既に選択されているディフェクトデータセクタDFS_HDIが上記一定範囲内に存在する場合、HDC22は、当該既に選択されているディフェクトデータセクタDFS_HDIを選択しなくても、或いは再度選択しても構わない。ここでは、既に選択されているディフェクトデータセクタDFS_HDIは選択されないものとする。
一方、ステップ504の判定がNoであるならば、HDC22はステップ505に進む。ステップ505においてHDC22は、最新のステップ503よりも前のステップS503で選択されているディフェクトデータセクタDFS_HDIの中に、未だ基準ディフェクトとして用いられていない1つ以上のディフェクトデータセクタ(つまり基準ディフェクトの候補)があるかを判定する。ステップ505の判定がYesであるならば、HDC22は、基準ディフェクトを上記候補の1つに変更する(ステップ507)。そしてHDC22は、ステップ503及び504を再び実行する。
これに対し、ステップ505の判定がNoであるならば、HDC22はステップ508に進む。ステップ508においてHDC22は、HDIディフェクトリストを参照することにより、グループ番号HDIGがiのグループHDIGi内の全てのディフェクトデータセクタDFS_HDIを特定する。そしてHDC22は、グループHDIGi内の全てのディフェクトデータセクタDFS_HDIを単一のディフェクトDFG_HDIiにマージする。
なお、ステップ508は、グループHDIGi内の全てのディフェクトデータセクタDFS_HDIと単一のディフェクトDFG_HDIiとの関係を説明するために用意されている。このステップ508は、必ずしも実行される必要はない。その理由は、ステップ506の実行、つまり選択された全ディフェクトデータセクタDFS_HDIをグループHDIGiにグルーピングすることが、当該選択された全ディフェクトデータセクタDFS_HDIをディフェクトDFG_HDIiにマージすることと等価であるためである。
さて、本実施形態では、図7(a)において黒丸で示される6つのディフェクトデータセクタDFS_HDIのいずれを基準ディフェクトとして用いても、新たなディフェクトデータセクタDFS_HDIが選択されなかったものとする。この場合、図7(a)に示される7つのディフェクトデータセクタDFS_HDIのみが、グループHDIGiにグルーピングされる。つまり、上記7つのディフェクトデータセクタDFS_HDIが、図7(b)に示されるように単一のディフェクトDFG_HDIiにマージされる。
HDC22はステップ508を実行するとステップ509に進む。ステップ509においてHDC22は、HDIディフェクトリストの全要素で示される全てのディフェクトデータセクタDFS_HDIについてグルーピングしたかを判定する。もし、ステップ509の判定がNoであるならば、HDC22は変数iを1インクリメントして(ステップ510)、ステップ502に戻る。これに対し、ステップ509の判定がYesであるならば、HDC22はHDIディフェクトグルーピング処理(ステップ208)を終了する。そしてHDC22は、前述したようにMBSディフェクトグルーピング処理を実施する(ステップ209)
以下、MBSディフェクトグルーピング処理(ステップ209)について図6及び図8を参照して簡単に説明する。図6はMBSディフェクトグルーピング処理(第1のグルーピング処理)の典型的な手順を説明するためのフローチャート、図8はMBSディフェクトグルーピングを説明するための図である。なお、図6のフローチャートでは簡略化のために、ディフェクトデータセクタDFS_MBSがディフェクトDFS_MBSのように表記されている。
図6のフローチャートで示されるMBSディフェクトグルーピング処理の手順は、図5のフローチャートで示される前述したHDIディフェクトグルーピング処理と同様である。したがって、MBSディフェクトグルーピング処理の手順については、説明を省略する。必要ならば、前述の説明(つまり前述のHDIディフェクトグルーピング処理に関する説明)において、ステップ501乃至510をステップ601乃至610に置き換えられたい。また前述の説明において、変数iを変数jに、HDIディフェクトリストをMBSディフェクトリストに、それぞれ置き換えられたい。また前述の説明において、ディフェクトデータセクタDFS_HDIをディフェクトデータセクタDFS_MBSに、グループHDIGiをグループMBSGjに、そしてディフェクトDFG_HDIiをディフェクトDFG_MBSjに、それぞれ置き換えられたい。
図8(a)は、ステップ602で選択されるディフェクトデータセクタDFS_MBSの例を示す。図8(a)において、1つの白三角の記号は、位置(x+1,y+1)の基準ディフェクトを示し、1つの黒三角の記号は、シリンダx+1乃至x+1+THaの各々に含まれるセクタy+1乃至y+1+THbから選択される、基準ディフェクト以外の1つのディフェクトデータセクタDFS_MBSを示す。
本実施形態では、図8(a)において黒三角で示されるディフェクトデータセクタDFS_MBSを基準ディフェクトとして用いても、新たなディフェクトデータセクタDFS_MBSが選択されなかったものとする。この場合、図8(a)に示される2つのディフェクトデータセクタDFS_MBSのみが、グループMBSGjにグルーピングされる。つまり、上記2つのディフェクトデータセクタDFS_MBSが、図8(b)に示されるように単一のディフェクトDFG_MBSjにマージされる。
さてHDC22は、MBSディフェクトグルーピング処理(ステップ209)を実施すると、抽出モジュールとして機能する。そしてHDC22は、FROM241内のHDIディフェクトリスト及びMBSディフェクトリストに基づき、ディスク11上の同一位置に存在するディフェクトDFG_HDIi及びディフェクトDFG_MBSjの対を抽出する(ステップ301)。本実施形態においてHDC22は、ディフェクトDFG_HDIiの範囲とディフェクトDFG_MBSjの範囲とが互いに重なる部分を有する場合、当該ディフェクトDFG_HDIi及びディフェクトDFG_MBSjが同一位置に存在すると判定する。
図9は、図7(b)に示されるディフェクトDFG_HDIi及び図8(b)に示されるディフェクトDFG_MBSjの相互の位置関係を示す。図9に示されるディフェクトDFG_HDIiの範囲とディフェクトDFG_MBSjの範囲とは互いに重なる部分を有している。したがって、図9に示されるディフェクトDFG_HDIi及びディフェクトDFG_MBSjの対は、同一位置のディフェクトとして抽出される。このように、図9に示されるディフェクトDFG_HDIi(第2のディフェクト)及びディフェクトDFG_MBSj(第1のディフェクト)は、本来同一位置の単一のディフェクト(第3のディフェクト)でありながら、適用されるディフェクト検出方法の違いにより、異なる形状のディフェクトとして検出される。そこでディフェクトDFG_HDIi及びDFG_MBSjの対は、後述するように単一のディフェクトDFzにマージされる。
HDC22はステップ301を実行すると、ディフェクトDFG_HDIi及びディフェクトDFG_MBSjの対を抽出できたかを判定する(ステップ302)。もし、ステップ302の判定がYesであるならば、HDC22はディフェクト凹凸判別モジュール及びディフェクト登録モジュールとして機能する。そしてHDC22は、抽出されたディフェクトDFG_HDIi及びディフェクトDFG_MBSjに基づいて、凹凸判別・ディフェクト登録処理を実施する(ステップ303)。次にHDC22は、ステップ301に戻る。これに対し、ステップ302の判定がNoであるならば、HDC22はディフェクト検出・凹凸判別処理を終了する。
次に、凹凸判別・ディフェクト登録処理(ステップ303)について図10を参照して説明する。図10は本実施形態で適用される凹凸判別・ディフェクト登録処理の典型的な手順を説明するためのフローチャートである。
まずHDC22は、抽出されたディフェクトDFG_HDIi及びDFG_MBSjのうちの例えばディフェクトDFG_MBSjのシリンダ方向の幅(第1の幅)W_MBSjを、FROM241内のMBSディフェクトリストに基づき検出する(ステップA01)。本実施形態において幅W_MBSjは、シリンダ(トラック)数で表される。例えば図9に示されるディフェクトDFG_MBSjの幅W_MBSjは、2(2シリンダ)である。
次にHDC22は、抽出されたディフェクトDFG_HDIiのシリンダ方向の幅(第2の幅)W_HDIiを、FROM241内のHDIディフェクトリストに基づき検出する(ステップA02)。本実施形態において幅W_HDIiは、幅W_MBSjと同様にシリンダ(トラック)数で表される。例えば図9に示されるディフェクトDFG_HDIiの幅W_HDIiは、4(4シリンダ)である。なお、ステップA01及びA02の順番が逆であっても構わない。
次にHDC22は、抽出されたディフェクトDFG_HDIi及びDFG_MBSjを、図9に示されるように単一のディフェクトDFzにマージする(ステップA03)。HDC22は、このディフェクトDFzが、HDI方法及びMBS方法により検出された同一位置のディフェクト(第3のディフェクト)に対応するものとして扱う。
次にHDC22は、ディフェクトDFG_MBSjの幅W_MBSjに対するディフェクトDFG_HDIiの幅W_HDIiの比W_HDIi/W_MBSjを算出する。そしてHDC22は詳細を後述するように、この比W_HDIi/W_MBSjに基づいて、ディフェクトDFzが凸ディフェクトであるか或いは凹ディフェクトであるかを判別する。
以下、上記比W_HDIi/W_MBSjに基づいてディフェクトDFzの凹凸を判別する理由について、図11及び図12を参照して説明する。
図11は、複数の凸ディフェクト及び複数の凹ディフェクトの各々をMBS方法及びHDI方法で検出した場合に取得される幅W_MBSj及び幅W_HDIiの相関をプロットしたグラフを示す。ここで、ディフェクト(つまり、ディスク11上のディフェクト)の凹凸は、対応するディフェクト情報によって示されるディスク11上の位置の表面状態を発明者が顕微鏡で観測することにより識別されたものである。
図11において、横軸は幅W_MBSjを示し、縦軸は幅W_HDIiを示す。縦軸及び横軸の単位はトラック(シリンダ)数である。直線110は、W_HDIi=W_MBSjとなる幅W_HDIi及び幅W_MBSjの関係を表す。
図11から明らかなように、ディフェクトDFG_HDIi及びディフェクトDFG_MBSjは本来同一位置の単一のディフェクトでありながら、ディフェクトDFG_HDIiの幅W_HDIi及び及びディフェクトDFG_MBSjの幅W_MBSjは、ディフェクト検出方法の違いにより異なる傾向がある。特に、凹ディフェクトに比較して、凸ディフェクトの方が、幅W_MBSjに対して幅W_HDIiが大きくなる傾向がある。つまり凹ディフェクトに比較して、凸ディフェクトの方が幅W_MBSjに対する幅W_HDIiの比が大きくなる傾向がある。
図12は、複数の凸ディフェクト及び複数の凹ディフェクトの各々に関し、幅W_MBSjと、幅W_HDIiと、幅W_MBSjに対する幅W_HDIiの比(つまりW_HDIi/W_MBSj)とをプロットしたグラフを示す。幅W_MBSj及び幅W_HDIiの単位はトラック(シリンダ)数である。
図12から明らかなように、凹ディフェクトa1乃至a6では上記比が1乃至2であるのに対し、凸ディフェクトb1乃至b7では上記比が4乃至5を超えている。このように、凹ディフェクトa1乃至a6及び凸ディフェクトb1乃至b7を、HDIセンサ123がリード素子122と比較してトラック方向に幅広に検出する傾向がある。この傾向は、凸ディフェクトb1乃至b7に関してより顕著である。発明者は、その理由が、HDIセンサ123のトラック方向の幅(つまりHDIセンサ幅)WHDISが、リード素子122のトラック方向の幅(つまりリード素子幅)WREの十数倍である点にあると認識するに至った。つまり、HDIセンサ幅WHDISがリード素子幅WREよりも広いために、HDIセンサ123が、本来のディフェクトの位置から離れたトラックでも、当該ディフェクトの干渉を受けることが推測される。その際、ディフェクトの凹凸で干渉の度合いが変わり、凸ディフェクトであれば、HDIセンサ123は、当該凸ディフェクトから離れたトラックもディフェクトとして検出することが推測される。
そこでHDC22は、上記比W_HDIi/W_MBSjに応じてディフェクトDFzの凹凸を判別する構成を適用している。つまり本実施形態においてHDC22は、上記比W_HDIi/W_MBSjが4(第1の閾値)より大きいかを判定する(ステップA04)。比W_HDIi/W_MBSjが4より大きい第1の場合(ステップA04のYes)、HDC22はディフェクトDFzを凸ディフェクトであると判別する(ステップA06)。ここで上記第1の閾値(4)は、図12に示すグラフに基づいて設定される。
これに対し、比W_HDIi/W_MBSjが4より大きくないならば(ステップA04のNo)、HDC22はステップA05に進む。ステップA05においてHDC22は、比W_HDIi/W_MBSjが4以下で且つ1(第2の閾値)より大きいかを判定する。
もし、比W_HDIi/W_MBSjが4以下で且つ1より大きい第2の場合(ステップA05のYes)、HDC22はディフェクトDFzが凸である可能性も、或いは凹である可能性もあると判断する。この場合、ディフェクトDFの凹凸を判別することは難しい。そこでHDC22は、ディフェクトDFzを、凸ディフェクトまたは凹ディフェクトのいずれかであると判別する(ステップA08)。
これに対し、比W_HDIi/W_MBSjが1(第2の閾値)以下である第3の場合(ステップA05のNo)、HDC22はディフェクトDFzを、凹ディフェクトであると判別する(ステップA10)。ここで上記第2の閾値(1)は、図12に示すグラフに基づいて設定される。なお、上記第1の閾値(4)及び第2の閾値(1)は一例であり、第1の閾値が第2の閾値よりも大きければ良い。また、第1及び第2の閾値が、例えば磁気ディスク装置毎に、或いは磁気ディスク装置の型毎に設定されても良い。
ディフェクトDFzが凸ディフェクトである場合、当該ディフェクトDFzの悪影響は、当該ディフェクトDFzが存在する第1のトラック領域よりもディスク11の内周方向及び外周方向に広い範囲に及ぶ可能性がある。ディフェクトDFzの悪影響とは、例えば、当該ディフェクトDFzが存在するディスク11上の領域にヘッド12によりデータをライトする或いは当該領域からデータをリードすることができなくなる事象である。また、ディフェクトDFzの悪影響とは、当該ディフェクトDFzにヘッド12衝突して、当該ヘッド12が損傷する事象でもある。
そこでHDC22は、ディフェクトDFzが凸ディフェクトであると判別した場合(ステップA06)、ステップA07に進む。このステップA07においてHDC22は、第1のトラック領域よりもディスク11の内周方向及び外周方向にそれぞれ第1のトラック数だけ広い第2のトラック領域を、FROM241内のディフェクトリストにディフェクト領域として登録する(ステップA07)。
本実施形態において、ディフェクトリストは、トラックスリップテーブルと呼ばれる。このトラックスリップテーブル(ディフェクトリスト)の各エントリ(要素)には、ディフェクト領域(ここでは第2のトラック領域)を構成するトラックのそれぞれを示すヘッド番号及びシリンダ番号の組が登録される。これにより、第2のトラック領域へのヘッド12によるデータのライト及び当該第2のトラック領域からのヘッド12によるデータのリードを回避して、ディフェクトDFzの悪影響を防止することができる。HDC22はステップA07を実行すると、凹凸判別・ディフェクト登録処理(ステップ303)を終了する。そしてHDC22はステップ301に戻る。なお、以下の説明では簡略化のために、トラックスリップテーブル(ディフェクトリスト)の各エントリ(要素)にはシリンダ番号のみが登録されるものとする。
ここで、第1のトラック領域のシリンダ方向の幅(第1の領域幅)がW1であり、第2のトラック領域のシリンダ方向の幅がW2であるものとする。第1のトラック領域の幅W1はディフェクトDFzのシリンダ方向の幅W_DFzに一致する。第2のトラック領域の幅(第2の領域幅)W2は、第1のトラック領域の幅W1よりも、ディスク11の内周方向(本実施形態ではシリンダ番号が増加する方向)及びディスク11の外周方向(本実施形態ではシリンダ番号が減少する方向)にそれぞれ第1のトラック数に相当する幅だけ広い。このような第2のトラック領域をディフェクト領域として登録することによりディフェクトDFz(つまり凸ディフェクト)の悪影響を回避する効果は、上記第1のトラック数が多いほど増す。本実施形態では、上記第1のトラック数は10である。したがって、第1のトラック領域のシリンダ番号の範囲がc1乃至cnであるものとすると、第2のトラック領域のシリンダ番号の範囲はc1−10乃至cn+10である。この場合、ディフェクトリスト(トラックスリップテーブル)には、c1−10,c1−9,…,c1−1,c1,c2,…,cn,cn+1,…,cn+9,cn+10が登録される。
次に、ディフェクトDFzが凸である可能性も或いは凹である可能性もあるために、HDC22が、当該ディフェクトDFzを凸ディフェクトまたは凹ディフェクトのいずれかに判別したものとする(ステップA08)。この場合、HDC22はステップA08における判別に無関係に、ディフェクトDFzが軽微な凸ディフェクトであると想定する(ステップA09)。このステップA09においてHDC22は、第1のトラック領域よりもディスク11の内周方向及び外周方向にそれぞれ第2のトラック数だけ広い第3のトラック領域を、FROM241内のディフェクトリスト(トラックスリップテーブル)にディフェクト領域として登録する(ステップA09)。これによりHDC22は、凹凸判別・ディフェクト登録処理(ステップ303)を終了する。そしてHDC22はステップ301に戻る。ここで、ディフェクトDFzが仮に凸ディフェクトであるとしても、その悪影響は、ステップA06で判別される凸ディフェクトに比べて小さい。そこで本実施形態では、上記第2のトラック数は、上記第1のトラック数よりも少ない値、例えば5に設定される。
ここで、第3のトラック領域のシリンダ方向の幅(第3の領域幅)がW3であるものとする。本実施形態において第3のトラック領域の幅W3は、第1のトラック領域の幅W1よりも、ディスク11の内周方向及びディスク11の外周方向にそれぞれ5トラック(第2のトラック数)に相当する幅だけ広い。つまり第1のトラック領域のシリンダ番号の範囲がc1乃至cnであるものとすると、第3のトラック領域のシリンダ番号の範囲はc1−5乃至cn+5である。この場合、ディフェクトリスト(トラックスリップテーブル)には、c1−5,c1−4,…,c1−1,c1,c2,…,cn,cn+1,…,cn+4,cn+5が登録される。
一方、ディフェクトDFzが凹ディフェクトである場合(ステップA10)、当該ディフェクトDFzの悪影響は、当該ディフェクトDFzが存在する第1のトラック領域よりも広い範囲に及ぶおそれはない。そこでHDC22は、第1のトラック領域を、FROM241内のディフェクトリスト(トラックスリップテーブル)にディフェクト領域として登録する(ステップA11)。この場合、ディフェクトリスト(トラックスリップテーブル)には、c1,c2,…,cnが登録される。HDC22はステップA11を実行すると、凹凸判別・ディフェクト登録処理(ステップ303)を終了する。そしてHDC22はステップ301に戻る。
従来技術では、ディフェクトDFzの凹凸を判別する仕組みを適用していないため、当該ディフェクトDFzは、実際の凹凸に無関係に、ステップA06で判別されるような悪影響の最も大きい凸ディフェクトとして扱われる。このため、従来技術では、ディフェクトDFzが存在する第1のトラック領域外への悪影響が少ない軽微な凸ディフェクト、或いは第1のトラック領域外への悪影響のおそれのない凹ディフェクトも、第1のトラック領域よりも十分広いトラック領域(本実施形態における第2のトラック領域に相当)が、ディフェクト領域として登録される。このディフェクト領域は、論理ブロックアドレスが割り当てられない(つまりデータのライト/リードに用いられない)、いわゆるトラックスリップ領域として知られている。従来技術では、衝突による劣化が起こらないような凹ディフェクトの多いディスクでも、トラック方向に必要以上に広げられたディフェクト領域の登録が多発する可能性が高く、目的のディスク容量を実現できないおそれがある。
これに対して本実施形態では、ディフェクトDFzの凹凸の判別結果に応じて、ディフェクト領域を広げる程度が決定される。このため本実施形態においては、悪影響を及ぼすおそれのない領域がディフェクト領域の一部として登録されるのを防止できる。つまり本実施形態によれば、ディフェクト領域の悪影響を防止しつつ、不要にディフェクト領域が
広げられてディスク容量が低減するのを回避できる。これにより、図2及び図3のフローチャートに示す手順のディフェクト検出・凹凸判別処理を、磁気ディスク装置の製造工程で適用した場合、製造歩留まりの向上を実現できる。なお、このディフェクト検出・凹凸判別処理が、専用の磁気ディスク検査装置で実施されても良い。
上記実施形態では、ディフェクトDFzの状態(より詳細には、ディフェクトDFzに対応するディフェクトDFG_MBSj及びDFG_HDIiの幅の比W_HDIi/W_MBSj)に応じて、ディフェクト領域の範囲が決定される。このディフェクト領域は、ディフェクトDFzが存在する第1のトラック領域、当該第1のトラック領域よりも広い第2のトラック領域、または当該第1のトラック領域よりも広く且つ上記第2のトラック領域よりも狭い第3のトラック領域である。しかし、ディフェクトDFzが軽微な凸ディフェクトの場合、当該ディフェクトDFz(より詳細にはディフェクトDFG_HDIi)はHDIセンサ123により広めに検出される。このため、ディフェクトDFzが仮に軽微な凸ディフェクトであっても、ステップA10で凹ディフェクトであると判別された場合と同様に、第1のトラック領域がディフェクト領域として登録されても構わない。
また、ディフェクト領域がトラック単位に登録される必要はない。例えば、ディフェクトDFzが凸ディフェクトの場合、当該ディフェクトDFzが存在するディスク11上の第1の領域を、トラック方向及びセクタ方向に当該ディフェクトDFzの状態に対応する範囲だけ広げ、この広げられた第2の領域をディフェクト領域として登録しても良い。同様に、ディフェクトDFzが凹ディフェクトの場合、上記第1の領域をディフェクト領域として登録しても良い。
また上記実施形態で適用されるHDIセンサ123は、MR素子を備え、当該HDIセンサ123(HDIセンサ123を備えたヘッド12)とディスク11との間に作用する熱的干渉を電気的に検出する。しかし、HDIセンサ123が、例えば当該HDIセンサ123とディスク11との間に作用する圧力を電気的に検出する圧電素子を備えた圧力センサであっても構わない。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、ディスク上のディフェクトの凹凸を判別することができるディフェクト凹凸判別方法及び磁気ディスク装置を提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11…ディスク、12…ヘッド、13…スピンドルモータ(SPM)、14…アクチュエータ、15…ドライバIC、16…ヘッドIC、20…コントロール部、21…リード/ライト(R/W)チャネル、22…ハードディスクコントローラ(HDC)、23…サーボコントローラ、24…メモリユニット、121…ライト素子、122…リード素子、123…HDIセンサ、241…フラッシュROM(FROM)、242…RAM。

Claims (7)

  1. ヘッドを備える装置でのディスク上のディフェクトの凹凸を判別するディフェクト凹凸判別方法であって、
    前記ヘッドが備えるリード素子を用いて前記ディスク上の第1のディフェクトを検出し、
    前記ヘッドが備えるヘッドディスク干渉センサを用いて前記ディスク上の第2のディフェクトを検出し、
    前記検出された第1のディフェクト及び前記検出された第2のディフェクトから特定される第3のディフェクトについて、前記第1のディフェクトの前記ディスク上の半径方向の第1の幅と前記第2のディフェクトの前記半径方向の第2の幅との比に基づいて、前記第3のディフェクトが凹ディフェクトまたは凸ディフェクトのいずれであるかを判別する
    ディフェクト凹凸判別方法。
  2. 前記リード素子の前記半径方向の第3の幅が前記ヘッドディスク干渉センサの前記半径方向の第4の幅とは異なる請求項1記載のディフェクト凹凸判別方法。
  3. 前記第4の幅が前記第3の幅よりも大きい請求項2記載のディフェクト凹凸判別方法。
  4. 前記第1の幅に対する前記第2の幅の比が第1の閾値よりも大きい場合、前記第3のディフェクトが前記凸ディフェクトであると判別され、
    前記比が前記第1の閾値よりも小さな第2の閾値よりも小さい場合、前記第3のディフェクトが前記凹ディフェクトであると判別される請求項1から3の何れか1項に記載のディフェクト凹凸判別方法。
  5. 前記判別の結果に基づいて、前記ディスク上の前記第3のディフェクトに対応するリードまたはライトが回避されるべきディフェクト領域を決定することを更に具備する請求項1記載のディフェクト凹凸判別方法。
  6. 前記第3のディフェクトが前記凹ディフェクトと判別された場合に決定される前記ディフェクト領域の前記半径方向の第2の領域幅は、前記第3のディフェクトが前記凸ディフェクトと判別された場合に決定される前記ディフェクト領域の前記半径方向の第1の領域幅よりも狭い請求項5記載のディフェクト凹凸判別方法。
  7. ディスクに磁気的にライトされたデータをリードするためのリード素子を備えたヘッドと、
    前記ヘッドに備えられ、前記ディスクと前記ヘッドとの間に作用する干渉を電気的に検出するためのヘッドディスク干渉センサと、
    前記リード素子を用いて前記ディスク上の第1のディフェクトを検出する第1のディフェクト検出器と、
    前記ヘッドディスク干渉センサを用いて第2のディフェクトを検出する第2のディフェクト検出器と、
    前記検出された第1のディフェクト及び前記検出された第2のディフェクトから特定される第3のディフェクトについて、前記第1のディフェクトの前記ディスク上の半径方向の第1の幅と前記第2のディフェクトの前記半径方向の第2の幅との比に基づいて、前記第3のディフェクトが凹ディフェクトまたは凸ディフェクトのいずれであるかを判別するディフェクト凹凸判別手段と
    を具備する磁気ディスク装置。
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