JP2014002598A - 交通量判定装置、コンピュータプログラム及び交通量判定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両感知器の精度が低い場合でも交通量を判定することができる交通量判定装置、コンピュータプログラム及び交通量判定方法を提供する。
【解決手段】信号情報取得部11は、交差点に設置された信号機200の灯色の切り替え時点を含む信号情報を取得する。車両検出器51は、交差点の停止線近傍に存在する車両を検出する。計測部13は、流入路に対する赤信号開始時点から車両検出器51で車両を検出する時点までの時間を計測する。交通量判定部15は、計測部13で計測した赤信号開始時点から車両を検出する時点までの時間の長短に基づいて、流入路の交通量の少多を判定する。
【選択図】図1
【解決手段】信号情報取得部11は、交差点に設置された信号機200の灯色の切り替え時点を含む信号情報を取得する。車両検出器51は、交差点の停止線近傍に存在する車両を検出する。計測部13は、流入路に対する赤信号開始時点から車両検出器51で車両を検出する時点までの時間を計測する。交通量判定部15は、計測部13で計測した赤信号開始時点から車両を検出する時点までの時間の長短に基づいて、流入路の交通量の少多を判定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、交差点へ流入する流入路の交通量の多少を判定する交通量判定装置、該交通量判定装置を実現するコンピュータプログラム及び交通量判定方法に関する。
従来の信号制御方式(特に国内の方式)では、信号制御パラメータ(例えば、サイクル、スプリット、オフセット)を決定するには、交通量(需要)を計測する必要があった。
例えば、道路に備えられた車両感知器により交通情報を収集し、現在から未来の交差点の状態をプロファイルデータとして取得し、取得したプロファイルデータに基づいて、信号制御パラメータの最適化を行う交通信号制御装置が開示されている(特許文献1参照)。
しかし、特許文献1のような装置にあっては、交差点で交差する各道路に車両感知器を設置しなければならず、多くの交差点で最適な信号制御パラメータを設定するには、多数の車両感知器の設置が必要であった。
このため、車両感知器が十分に設置できない場合、あるいは、車両感知器が設置されているときでも、車両感知器の精度が低く車両を1台ずつ正確に検出することができない場合には、複雑な調整又は時間制御により信号制御パラメータを設定するしかなく、時々刻々と変化する交通量に迅速に対応することが困難となり、渋滞が発生する場合もあった。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、車両感知器の精度が低い場合でも交通量を判定することができる交通量判定装置、該交通量判定装置を実現するコンピュータプログラム及び交通量判定方法を提供することを目的とする。
第1発明に係る交通量判定装置は、交差点へ流入する流入路の交通量の多少を判定する交通量判定装置において、交差点に設置された信号機の灯色の切り替え時点を含む信号情報を取得する信号情報取得手段と、前記交差点の停止線近傍に存在する車両を検出する検出手段と、前記信号機の赤信号開始時点から前記検出手段で車両を検出する時点までの時間を計測する計測手段と、該計測手段で計測した時間の長短に基づいて、前記流入路の交通量の少多を判定する交通量判定手段とを備えることを特徴とする。
第2発明に係る交通量判定装置は、第1発明において、前記計測手段は、所定の計測時間の間、前記信号機の赤信号開始時点から車両を検出する時点までの時間を計測するようにしてあり、前記交通量判定手段は、前記計測手段で計測した時間が所定の第1閾値より短い頻度が所定の頻度閾値より大きいか否かを判定するように構成してあることを特徴とする。
第3発明に係る交通量判定装置は、第2発明において、前記交通量判定手段で判定した結果に基づいて、前記信号機の灯色の切り替え時点を制御すべく制御指令を生成する生成手段を備えることを特徴とする。
第4発明に係る交通量判定装置は、第3発明において、前記生成手段は、前記交通量判定手段で交通量が多いと判定した場合、前記信号機の青時間を延長すべく制御指令を生成するように構成してあることを特徴とする。
第5発明に係る交通量判定装置は、第3発明又は第4発明において、前記交通量判定手段は、前記交差点への流入路及び該流入路と前記交差点で交差する流入路それぞれの交通量の少多を判定するようにしてあり、前記生成手段は、前記交通量判定手段で各流入路の交通量が多いと判定した場合、前記信号機のサイクル長を延長すべく制御指令を生成するように構成してあることを特徴とする。
第6発明に係る交通量判定装置は、第4発明又は第5発明において、前記生成手段は、前記信号機の青時間又はサイクル長を延長すべく制御指令を生成した場合、前記信号機の複数のサイクルの間、前記制御指令を維持するように構成してあることを特徴とする。
第7発明に係る交通量判定装置は、第6発明において、前記生成手段は、前記制御指令を維持した後に、交通量が少ないと判定したときは、前記信号機の青時間を短縮すべく制御指令を生成するように構成してあることを特徴とする。
第8発明に係る交通量判定装置は、第3発明乃至第7発明のいずれか1つにおいて、前記計測手段は、所定の計測時間の間、前記信号機の青時間の間に前記検出手段で車両が検出されない時間を計測するようにしてあり、前記交通量判定手段は、前記計測手段で計測した時間が所定の第2閾値より長い頻度が所定の頻度閾値より大きいか否かを判定するように構成してあることを特徴とする。
第9発明に係る交通量判定装置は、第8発明において、前記生成手段は、前記交通量判定手段で交通量が少ないと判定した場合、前記信号機の青時間を短縮すべく制御指令を生成するように構成してあることを特徴とする。
第10発明に係る交通量判定装置は、第1発明乃至第9発明のいずれか1つにおいて、前記信号機の赤信号開始前から前記検出手段で車両が検出された場合に、該赤信号開始時点から所定時間の間に車両が検出されなくなったときは、信号無視の車両があったと判定する車両判定手段を備えることを特徴とする。
第11発明に係る交通量判定装置は、第2発明乃至第9発明のいずれか1つにおいて、前記計測手段は、前記信号機の赤信号開始前から前記検出手段で車両が検出された場合に、該赤信号開始時点から所定時間の間に車両が検出されなくなったときは、車両が検出されなくなった時点からの経過時間を計測するようにしてあり、前記経過時間が所定の経過時間閾値より短い場合、前記信号機の赤信号開始時点から前記検出手段で車両を検出するまでの時間を前記第1閾値より短い時間として計測するように構成してあることを特徴とする。
第12発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、交差点へ流入する流入路の交通量の多少を判定させるためのコンピュータプログラムにおいて、コンピュータに、交差点の停止線近傍に存在する車両を検出するステップと、前記交差点に設置された信号機の赤信号開始時点から車両を検出する時点までの時間を計測するステップと、計測した時間の長短に基づいて、前記流入路の交通量の少多を判定するステップとを実行させることを特徴とする。
第13発明に係る交通量判定方法は、交差点へ流入する流入路の交通量の多少を判定する装置による交通量判定方法において、交差点に設置された信号機の灯色の切り替え時点を含む信号情報を取得するステップと、前記交差点の停止線近傍に存在する車両を検出するステップと、前記信号機の赤信号開始時点から前記検出手段で車両を検出する時点までの時間を計測するステップと、計測した時間の長短に基づいて、前記流入路の交通量の少多を判定するステップとを含むことを特徴とする。
第1発明、第12発明及び第13発明にあっては、信号情報取得手段は、交差点に設置された信号機の灯色の切り替え時点を含む信号情報を取得する。検出手段は、交差点の停止線近傍に存在する車両を検出する。検出手段は、停止線の近傍に設置され、例えば、磁気センサ、遠赤外線センサ、超音波感知器、画像感知器、ループコイル、光ビーコン、U波プローブなどのいずれかで構成され、1台ずつの車両を正確に検出することができなくてもよい。検出手段は、例えば、車頭を検出するとパルス波形を出力することができ、信号情報を組み合わせることで、例えば、信号機が赤信号のときに車両を検出した場合には、停止線で停止している停止車両を検出することができる。
計測手段は、信号機の赤信号開始時点から検出手段で車両を検出する時点までの時間を計測する。交差点に向かって走行する車両による交通流が飽和交通流率(例えば、交差点の流入路で青現示が与えられている場合に単位時間当たり停止線を通過することができる最大の車両数)で流れているとき(交通量が多いとき)、例えば、2秒間隔で車両が停止線に到達するので、赤信号開始後すぐに車両を検出することができる。一方、交通流が飽和交通流率で流れていないとき(交通量が少ないとき)、赤信号開始から先頭の車両が停止線に到達するまでの時間が長くなる。そこで、交通量判定手段は、計測した時間(赤信号開始時点から車両を検出する時点までの時間)の長短に基づいて、流入路の交通量の少多を判定する。
検出手段は、車両を1台ずつ個別に検出する程度の精度は必要なく、停止線付近で車両の存在を検出することができる程度の精度があれば、車両(停止車両)の存否情報と信号情報とを組み合わせるだけで、交通量の多少を判定することができ、車両感知器の精度が低い場合でも交通量を判定することができる。
第2発明にあっては、計測手段は、所定の計測時間の間、信号機の赤信号開始時点から車両を検出する時点までの時間を計測する。所定の計測時間は、例えば、信号機の制御サイクルの1回相当の長さ、あるいは複数回(例えば、5回程度)相当の長さとすることができる。また、計測時間は、1日のうちの時間帯によって変更してもよい。交通量判定手段は、計測した時間が所定の第1閾値より短い頻度が所定の頻度閾値より大きいか否かを判定する。例えば、計測した時間が所定の第1閾値より短い頻度が所定の頻度閾値より大きい場合、交通量が多い(例えば、飽和状態にある)と判定する。第1閾値は、例えば、1〜数秒程度とすることができる。所定の頻度閾値は、例えば、80%程度とすることができる。
計測時間が制御サイクルの1回相当の長さである場合、1回の計測で赤信号開始時点から車両を検出する時点までの時間が所定の第1閾値より短い場合、交通量が多い(例えば、飽和状態にある)と判定することができる。また、計測時間が制御サイクルの複数回(例えば、N回)相当の長さである場合、計測した時間が所定の第1閾値より短い頻度が、例えば、N回の80%以上である場合、交通量が多い(例えば、飽和状態にある)と判定することができる。これにより、例えば、信号機の制御サイクルが複数回続く間に交通量が変動する場合でも、所要の計測時間に亘って赤信号開始時点から車両を検出する時点までの時間を繰り返し計測することにより、交通量が変動する場合でも平均的な交通量の多少を判定することができる。
第3発明にあっては、生成手段は、交通量判定手段で判定した結果に基づいて、信号機の灯色の切り替え時点を制御すべく制御指令を生成する。制御指令は、スプリット、サイクル長、オフセットなどの信号制御パラメータを変更又は維持する指令である。これにより、例えば、車両感知器の精度が低い場合、あるいは車両感知器が十分設置されていない場合でも簡便な構成で信号制御パラメータの設定、あるいは信号制御を実現することができる。
第4発明にあっては、生成手段は、交通量が多い(例えば、飽和状態にある)と判定した場合、信号機の青時間を延長すべく制御指令を生成する。これにより、例えば、車両感知器の精度が低い場合、あるいは車両感知器が十分設置されていない場合でも適切な信号制御を実現することができる。
第5発明にあっては、交通量判定手段は、交差点への流入路及び当該流入路と交差点で交差する流入路それぞれの交通量の多少を判定する。生成手段は、各流入路の交通量が多い(例えば、飽和状態にある)と判定した場合、信号機のサイクル長を延長すべく制御指令を生成する。お互いに交差する各流入路の両方で交通量が飽和状態にある場合には、一方の流入路に対する青時間を延長しても交差側の流入路の交通量を捌くことができないので、サイクル長を長くすることで両方の流入路の青時間を長くすることができる。これにより、例えば、車両感知器の精度が低い場合、あるいは車両感知器が十分設置されていない場合でも適切な信号制御を実現することができる。
第6発明にあっては、生成手段は、信号機の青時間又はサイクル長を延長すべく制御指令を生成した場合、当該信号機の複数のサイクルの間(例えば、2〜3サイクルの間)、制御指令を維持する。信号機の青時間又はサイクル長を維持することで、例えば、流入路の交通量が飽和状態でなくなった後に再び飽和状態になった場合でも、青時間又はサイクル長を維持するので、信号機のサイクルの都度、青時間又はサイクル長が変動する事態を防止することができる。
第7発明にあっては、制御指令を維持した後に、交通量が少ない(例えば、飽和状態にない)と判定したときは、信号機の青時間を短縮すべく制御指令を生成する。例えば、複数のサイクルの間、延長した青時間又はサイクル長を維持した後に、交通量が飽和状態でないときは、交通量が飽和状態に戻る可能性が小さいので、青時間又はサイクル長を短くすることにより、適切な信号制御を実現することができる。
第8発明にあっては、計測手段は、所定の計測時間の間、信号機の青時間の間に車両が検出されない時間を計測する。交差点に向かって走行する車両による交通流が飽和交通流率(例えば、交差点の流入路で青現示が与えられている場合に単位時間当たり停止線を通過することができる最大の車両数)で流れていないとき(交通量が少ないとき)、青信号であるにもかかわらず停止線を通過する車両の間隔、すなわち車両が検出されない時間が長くなる。所定の計測時間は、例えば、信号機の制御サイクルの1回相当の長さ、あるいは複数回(例えば、5回程度)相当の長さとすることができる。また、計測時間は、1日のうちの時間帯によって変更してもよい。
交通量判定手段は、計測した時間が所定の第2閾値(例えば、4秒など)より長い頻度が所定の頻度閾値より大きいか否かを判定する。例えば、計測した時間が所定の第2閾値より長い頻度が所定の頻度閾値より大きい場合、交通量が少ない(例えば、飽和状態にない)と判定することができる。所定の頻度閾値は、例えば、30%程度とすることができる。
計測時間が制御サイクルの1回相当の長さである場合、1回の計測で青時間の間に車両が検出されない時間が所定の第2閾値より長い場合、交通量が少ない(例えば、飽和状態にない)と判定することができる。また、計測時間が制御サイクルの複数回(例えば、N回)相当の長さである場合、計測した時間が所定の第2閾値より長い頻度が、例えば、N回の30%より大きい場合、交通量が少ない(例えば、飽和状態にない)と判定することができる。これにより、例えば、信号機の制御サイクルが複数回続く間に交通量が変動する場合でも、所要の計測時間に亘って、青時間の間に車両が検出されない時間を繰り返し計測するので、交通量が変動する場合でも平均的な交通量の多少を判定することができる。
第9発明にあっては、生成手段は、交通量が少ない(例えば、飽和状態にない)と判定した場合、信号機の青時間を短縮すべく制御指令を生成する。これにより、例えば、車両感知器の精度が低い場合、あるいは車両感知器が十分設置されていない場合でも適切な信号制御を実現することができる。
第10発明にあっては、車両判定手段は、信号機の赤信号開始前から車両が検出された場合に、当該赤信号開始時点から所定時間の間に車両が検出されなくなったときは、信号無視の車両があったと判定する。赤信号開始前から車両が検出された状態が続いている場合には、車両の通過が継続しているか、赤信号を無視して走行した車両(信号無視の車両)が存在していたことが考えられる。そこで、赤信号開始時点から所定時間の間に車両が検出されなくなったときは、信号無視の車両が存在していたと判定する。所定時間は、例えば、3〜5秒程度、あるいは全赤終了までの時間である。これにより、信号無視による車両が存在した場合でも、赤信号開始時点から車両が検出されるまでの時間を誤って計測することを防止することができ、交通量の多少を精度よく判定することができる。
第11発明にあっては、計測手段は、信号機の赤信号開始前から車両が検出された場合に、赤信号開始時点から所定時間の間に車両が検出されなくなったときは、車両が検出されなくなった時点からの経過時間を計測する。そして、計測手段は、計測した経過時間が所定の経過時間閾値より短い場合、信号機の赤信号開始時点から車両を検出するまでの時間を第1閾値より短い時間として計測する。赤信号開始前から車両が検出された状態が続いている場合には、車両の通過が継続しているか、赤信号を無視して走行した車両(信号無視の車両)が存在していたことが考えられる。そこで、赤信号開始時点から所定時間の間に車両が検出されなくなった場合において、車両が検出されなくなった時点からの経過時間が所定の経過時間閾値より短いときは、車両の通過が継続していたと判定し、赤信号開始時点から車両を検出するまでの時間を第1閾値より短い時間として計測する。これにより、赤信号開始前から車両の通過が継続していた場合でも、赤信号開始時点から車両が検出されるまでの時間を誤って計測することを防止することができ、交通量の多少を精度よく判定することができる。
本発明によれば、車両感知器の精度が低い場合でも交通量を判定することができる。
以下、本発明を実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本実施の形態の交通量判定装置100の構成の一例を示すブロック図であり、図2は本実施の形態の交通量判定装置100による交通量判定の対象となる交差点への流入路の一例を示す模式図である。図1に示すように、本実施の形態の交通量判定装置100は、装置全体を制御する制御部10、信号情報取得部11、車両情報取得部12、計測部13、所定の情報を記憶する記憶部14、交通量判定部15、信号制御指令生成部16、車両判定部17などを備える。交通量判定装置100は、例えば、交通管制センタなどに設置してもよく、交差点付近に設置してもよい。
また、交通量判定装置100は、検出手段としての車両検出器51、52、53、54から車両の検出データを車両情報取得部12で取得するようにしてあり、また、信号制御指令生成部16で生成した制御指令を信号機200へ出力することにより、信号機200の信号制御を行うことができる。
図2に示すように、信号機200が設置された交差点へ流入する流入路R1、R2、R3、R4があり、各流入路R1〜R4の停止線近傍には、車両検出器51、52、53、54が設置されている。すなわち、車両検出器51、52、53、54は、それぞれ流入路R1、R2、R3、R4の停止線付近の車両を検出する。なお、交差点付近の状態は図2の例に限定されるものではない。
車両検出器51〜54は同等なものなので、以下、車両検出器51について説明する。車両検出器51は、例えば、停止線の近傍に設置され、例えば、磁気センサ、遠赤外線センサ、超音波感知器、画像感知器、ループコイル、光ビーコン、U波プローブなどのいずれかで構成され、1台ずつの車両を正確に検出することができなくてもよい。車両検出器51は、例えば、車頭(車両)を検出した場合、パルス波形を有線又は無線により車両情報取得部12へ出力する。なお、車両検出器から出力するパルス波形を一次処理装置(不図示)へ送信し、一次処理装置がパルス波形を処理することにより、車両を検出した時刻、または車両を検出しなくなった時刻を車両情報取得部12へ送信するようにしてもよい。
信号情報取得部11は、信号情報取得手段としての機能を有し、交差点に設置された信号機200の灯色の切り替え時点を含む信号情報を取得する。
車両情報取得部12は、車両感知器51〜54が出力したパルス波形を取得する。または、車両情報取得部12は、一次処理装置(不図示)が送信した車両の検出時刻、及び車両を検出しなくなった時刻を取得してもよい。これにより、車両情報取得部12は、交差点の停止線近傍に存在する車両を検出することができる。車両情報取得部12(車両感知器51〜54)で検出した車両の存否情報と信号情報取得部11で取得した信号情報とを組み合わせることで、例えば、信号機が赤信号のときに車両を検出した場合には、停止線で停止している停止車両を検出することができる。
計測部13は、計測手段としての機能を有し、信号機200が設置された交差点の流入路R1に対する赤信号開始時点から車両検出器51で車両を検出する時点までの時間を計測する。なお、計測部13は、赤信号開始時点から停止線付近で車両を検出する時点までの時間を算出するとみることもできる。また、同様に、計測部13は、流入路R2に対する赤信号開始時点から車両検出器52で車両を検出する時点までの時間を計測し、流入路R3に対する赤信号開始時点から車両検出器53で車両を検出する時点までの時間を計測し、流入路R4に対する赤信号開始時点から車両検出器54で車両を検出する時点までの時間を計測する。
次に、計測部13で計測する時間と交通流(流入路の交通量)との関係について説明する。図3は交通流が飽和交通流率で流れている場合の流入する車両の走行軌跡の一例を示す模式図であり、図4は交通流が飽和交通流率で流れていない場合の流入する車両の走行軌跡の一例を示す模式図である。図3、図4において、横軸は時間及び信号機200の信号灯色の切り替わりを示す。縦軸は交差点の停止線位置からの距離を示す。また、赤信号の開始時点から斜め方向に描かれた線分は、赤信号で順次停止する停止車両の停止位置を時間経過とともにプロットしたものであり、停止波の移動軌跡を示す。また、青信号の開始時点から斜め方向に描かれた線分は、青信号で順次動き始める車両の位置を時間経過とともにプロットしたものであり、発進波の移動軌跡を示す。また、図中、斜め下に向かう矢印付きの線分は車両の走行軌跡を示す。また、飽和交通流率とは、例えば、交差点の流入路で青現示が与えられている場合に単位時間当たり停止線を通過することができる最大の車両数を表す。
図3に示すように、交差点に向かって走行する車両による交通流が飽和交通流率で流れているとき、すなわち交通量が多いときは、例えば、2秒間隔で車両が停止線に到達するので、赤信号開始後すぐに車両を検出することができる。
また、図4に示すように、交通流が飽和交通流率で流れていないとき、すなわち交通量が少ないときは、赤信号開始から先頭の車両が停止線に到達するまでの時間が長くなる。また、青信号の間に停止線に車両が到達しない時間間隔が長くなる。
従って、赤信号開始時点から停止線付近で車両を検出する時点までの時間を求めることにより、それぞれの流入路の交通量の多少を判定することが可能となる。
交通量判定部15は、交通量判定手段としての機能を有する。交通量判定部15は、計測部13で計測した赤信号開始時点から車両を検出する時点までの時間の長短に基づいて、流入路の交通量の少多を判定する。すなわち、計測した時間が長い場合には、交通量が少ないと判定し、計測した時間が短い場合には、交通量が多いと判定する。
前述のように、車両検出器51〜54は、車両を1台ずつ個別に検出する程度の精度は必要なく、停止線付近で車両の存在を検出することができる程度の精度があれば、車両(停止車両)の存否情報と信号情報とを組み合わせるだけで、交通量の多少を判定することができ、車両感知器の精度が低い場合でも交通量を判定することができる。
図5は本実施の形態の交通量判定装置100による交通量判定の一例を示す説明図である。図5Aに示すように、計測部13は、信号機200の赤信号開始時点から車両を検出する(車両あり)時点までの時間T1を計測する。なお、時間T1は、流入路R1〜R4のいずれのものでもよい。交通量判定部15は、計測された時間T1が所定の第1閾値Tth1より短い場合、交通量が多い、すなわち飽和状態であると判定する。第1閾値Tth1は、例えば、1〜数秒程度とすることができる。
また、図5Bに示すように、交通量判定部15は、計測された時間T2が所定の第1閾値Tth1より長い場合、交通量が少ない、すなわち飽和状態でないと判定する。
計測部13による計測は、1回に限らず複数回計測してもよい。そして、交通量判定部15は、計測部13で複数回計測した結果に基づいて交通量の多少を判定することもできる。例えば、計測部13は、所定の計測時間の間、信号機の赤信号開始時点から車両を検出する時点までの時間を計測する。所定の計測時間は、例えば、信号機の制御サイクルの1回相当の長さでもよく、あるいは複数回(例えば、5回程度)相当の長さでもよい。また、計測時間は、1日のうちの時間帯によって変更してもよい。
以下、複数回計測した結果に基づいて交通量の多少を判定する方法について説明する。図6は本実施の形態の交通量判定装置100による交通量判定の他の例を示す説明図である。信号サイクルの所定回数(信号機の制御サイクルの回数)をNとする。すなわち、計測部13でN回繰り返し計測するとする。
交通量判定部15は、赤信号開始から停止線で停止した車両を検出するまでの時間が所定の第1閾値Tth1(例えば、1〜数秒程度)より短い頻度が所定の頻度閾値より大きいか否かを判定する。例えば、計測した時間が所定の第1閾値Tth1より短い頻度が所定の頻度閾値より大きい場合、交通量が多い(例えば、飽和状態にある)と判定する。所定の頻度閾値は、例えば、80%程度とすることができる。
図6の例では、頻度が80%以上である場合、交通量は過飽和状態にあると判定し、頻度が30〜80%の範囲内である場合、交通量は近飽和状態にあると判定し、頻度が30%未満である場合、交通量は閑散状態にあると判定することができる。なお、過飽和状態と近飽和状態とを合わせて飽和状態としてもよく、あるいは過飽和状態を飽和状態としてもよい。また、図6の頻度閾値は例示であって、これに限定されるものではない。
複数回計測した結果に基づいて交通量の多少を判定するので、例えば、信号機の制御サイクルが複数回続く間に交通量が変動する場合でも、所要の計測時間に亘って赤信号開始時点から車両を検出する時点までの時間を繰り返し計測することにより、交通量が変動する場合でも、平均的な交通量の多少を判定することができる。
上述の例では、赤信号開始時点から停止線で停止した車両を検出するまでの時間に応じて、交通量の多少を判定するものであったが、これに限定されるものではなく、青信号の間で車両が検出されない時間間隔によっても交通量の多少を判定することができる。以下、この点について説明する。
図7は本実施の形態の交通量判定装置100による青信号時の交通量判定の一例を示す説明図である。図7に示すように、計測部13は、信号機200の青時間の間に車両が検出されない時間T3(車両なしの時間)を計測する。なお、時間T3は、流入路R1〜R4のいずれのものでもよい。図4で例示したように、交差点に向かって走行する車両による交通流が飽和交通流率で流れていないとき、すなわち交通量が少ないときは、青信号であるにもかかわらず停止線を通過する車両の間隔、すなわち車両が検出されない時間が長くなる。
そこで、交通量判定部15は、青時間の間に車両が検出されない時間T3が所定の第2閾値Tth2(例えば、4秒など)より長い場合、交通量が少ない(例えば、飽和状態にない、あるいは非飽和状態にある)と判定する。
上述の時間T3の計測は、信号機200の1回の制御サイクルで行うこともできるが、計測は、1回に限らず複数回計測してもよい。そして、交通量判定部15は、計測部13で複数回計測した結果に基づいて交通量の多少を判定することもできる。例えば、計測部13は、所定の計測時間の間、信号機の青時間の間に車両が検出されない時間T3を計測する。所定の計測時間は、例えば、信号機の制御サイクルの1回相当の長さでもよく、あるいは複数回(例えば、5回程度)相当の長さでもよい。また、計測時間は、1日のうちの時間帯によって変更してもよい。
交通量判定部15は、青時間の間に車両が検出されない時間T3が所定の第2閾値Tth2より長い頻度が所定の頻度閾値より大きいか否かを判定する。例えば、計測した時間T3が所定の第2閾値Tth2より長い頻度が所定の頻度閾値より大きい場合、交通量が少ない(例えば、飽和状態にない)と判定することができる。所定の頻度閾値は、例えば、30%程度とすることができる。これにより、信号機の制御サイクルが複数回続く間に交通量が変動する場合でも、所要の計測時間に亘って、青時間の間に車両が検出されない時間を繰り返し計測するので、交通量が変動する場合でも平均的な交通量の多少を判定することができる。
次に、計測部13で計測する時間、あるいは交通量判定部15で判定する精度を高める方法について説明する。
図8は本実施の形態の交通量判定装置100による信号無視の車両を特定する方法の一例を示す説明図である。車両判定部17は、車両判定手段としての機能を有し、信号機200の赤信号開始前から車両が検出された場合に、当該赤信号開始時点から所定時間の間に車両が検出されなくなったときは、信号無視の車両があったと判定する。
図8に示すように、赤信号開始前から車両が検出された状態が続いている場合には、車両の通過が継続しているか、赤信号を無視して走行した車両(信号無視の車両)が存在していたことが考えられる。そこで、赤信号開始時点から所定時間の間に車両が検出されなくなったときは、信号無視の車両が存在していたと判定する。所定時間は、例えば、3〜5秒程度、あるいは全赤終了までの時間である。これにより、信号無視による車両が存在した場合でも、赤信号開始時点から車両が検出されるまでの時間を誤って計測することを防止することができ、交通量の多少を精度よく判定することができる。
図9は本実施の形態の交通量判定装置100による赤信号開始前から車両の通過が継続している状態を特定する方法の一例を示す説明図である。図9Aに示すように、計測部13は、信号機200の赤信号開始前から車両が検出された場合に、赤信号開始時点から所定時間の間に車両が検出されなくなったときは、車両が検出されなくなった時点からの経過時間T4を計測する。赤信号開始前から車両が検出された状態が続いている場合には、車両の通過が継続しているか、赤信号を無視して走行した車両(信号無視の車両)が存在していたことが考えられる。
そこで、計測部13は、赤信号開始時点から所定時間の間に車両が検出されなくなった場合において、車両が検出されなくなった時点からの経過時間T4が所定の経過時間閾値Tth3より短いときは、車両の通過が継続していたと判定し、図9Bに示すように、赤信号開始時点から車両を検出するまでの時間を第1閾値より短い時間ΔTとして計測する。なお、時間ΔTは0でもよい。
これにより、赤信号開始前から車両の通過が継続していた場合でも、赤信号開始時点から車両が検出されるまでの時間を誤って計測することを防止することができ、交通量の多少を精度よく判定することができる。
次に、交通量の多少の判定結果に基づいて信号機200の信号制御方法について説明する。信号制御指令生成部16は、生成手段としての機能を有し、交通量判定部15で判定した結果に基づいて、信号機200の灯色の切り替え時点を制御すべく制御指令を生成する。制御指令は、スプリット、サイクル長、オフセットなどの信号制御パラメータを変更又は維持する指令である。これにより、例えば、車両感知器の精度が低い場合、あるいは車両感知器が十分設置されていない場合でも簡便な構成で信号制御パラメータの設定、あるいは信号制御を実現することができる。
図10は本実施の形態の交通量判定装置100による信号制御の一例を示す説明図である。信号制御指令生成部16は、交通量判定部15で任意の流入路(R1〜R4のいずれか)の交通量が多い(例えば、飽和状態にある)と判定した場合、信号機200の当該流入路に対する青時間を延長すべく制御指令を生成する。
例えば、図10Aに示すように、図2の例の流入路R1の交通量が飽和状態(交通量が多い)であり、流入路R1と交差点で交差する流入路R2の交通量が非飽和状態(交通量が少ない)である場合、流入路R1に対する青信号時間を延長する。なお、例えば、流入路R2の交通量の判定を行わずに流入路R1の交通量だけを判定して信号制御を行ってもよい。また、流入路の交通量が多い状態が長く続く場合など、飽和状態が厳しい場合には、サイクル長を延長してもよい。
これにより、例えば、車両感知器の精度が低い場合、あるいは車両感知器が十分設置されていない場合でも適切な信号制御を実現することができる。
また、交通量判定部15で、交差点への流入路及び当該流入路と交差点で交差する流入路それぞれの交通量の多少を判定する。例えば、図2の例で流入路R1、R2での交通量の多少を判定したとする。この場合、図10Bに示すように、信号制御指令生成部16は、交通量判定部15で各流入路R1、R2の交通量が多い(例えば、飽和状態にある)と判定した場合、信号機200のサイクル長を延長すべく制御指令を生成する。
お互いに交差する各流入路R1、R2の両方で交通量が飽和状態にある場合には、一方の流入路(例えば、流入路R1)に対する青時間を延長しても交差側の流入路(例えば、流入路R2)の交通量を捌くことができないので、サイクル長を長くすることで両方の流入路の青時間を長くすることができる。これにより、例えば、車両感知器の精度が低い場合、あるいは車両感知器が十分設置されていない場合でも適切な信号制御を実現することができる。
また、交差点で交差する道路が幹線道路(主道路)と従道路であるような場合には、主道路の停止線付近に車両検出器を設置し、従道路の停止線付近には車両検出器を設置せず、主道路での交通量の多少を判定し、判定結果に応じて主道路に対する信号制御を行ってもよい。例えば、主道路に対して青時間、サイクル長等を変更し、従道路の方は主道路に追随させるだけでもよい。
また、信号制御指令生成部16は、信号機200の青時間又はサイクル長を延長すべく制御指令を生成した場合、当該信号機の複数のサイクルの間(例えば、2〜3サイクルの間)、制御指令を維持する。信号機の青時間又はサイクル長を維持することで、例えば、流入路の交通量が飽和状態でなくなった後に再び飽和状態になった場合でも、青時間又はサイクル長を維持するので、信号機のサイクルの都度、青時間又はサイクル長が変動する事態を防止することができる。
また、信号制御指令生成部16は、任意の流入路に対する制御指令を維持した後に、交通量判定部15で当該流入路の交通量が少ない(例えば、飽和状態にない)と判定したときは、信号機の青時間を短縮すべく制御指令を生成する。例えば、複数のサイクルの間、延長した青時間又はサイクル長を維持した後に、交通量が飽和状態でないときは、交通量が飽和状態に戻る可能性が小さいので、青時間又はサイクル長を短くすることにより、適切な信号制御を実現することができる。
また、信号制御指令生成部16は、交通量判定部15が任意の流入路での交通量が少ない(例えば、飽和状態にない)と判定した場合、当該流入路に対する青時間を短縮すべく制御指令を生成する。これにより、例えば、車両感知器の精度が低い場合、あるいは車両感知器が十分設置されていない場合でも適切な信号制御を実現することができる。
次に、本実施の形態の交通量判定装置100の動作について説明する。図11は本実施の形態の交通量判定装置100による交通量判定の処理手順の一例を示すフローチャートである。以下の説明では処理主体を制御部10とする。制御部10は、信号情報を取得し(S11)、停止線近傍の車両を検出する(S12)。
制御部10は、赤信号開始から停止線で停止した車両の検出までの時間を計測する(S13)。この場合、停止線付近に車両が存在するか否かを車両検出器で検出しつつ、信号制御情報に基づいて、赤信号開始時点を特定する。そして、特定した赤信号開始時点を計測の始点として、その後に車両(すなわち、赤信号であるので車両を検出した場合、当該車両は停止車両である)を検出までの時間を計測(算出)する。
制御部10は、計測した時間が第1閾値Tth1より短いか否かを判定し(S14)、計測した時間が第1閾値Tth1より短い場合(S14でYES)、飽和交通流計測回数を1つ増やす(S15)。計測した時間が第1閾値Tth1より短くない場合(S14でNO)、制御部10は、ステップS15の処理を行うことなく後述のステップS16の処理を行う。
制御部10は、所定回数計測したか否かを判定する(S16)。所定回数は、信号制御のサイクル数、又は所定の計測時間における信号制御のサイクル数である。なお、所定回数は1回でもよい。
所定回数計測した場合(S16でYES)、制御部10は、計測時間が第1閾値Tth1より短い頻度が頻度閾値より大きいか否かを判定する(S17)。頻度は、計測回数(所定回数)に対する飽和交通流計測回数の割合である。所定回数計測していない場合(S16でNO)、制御部10は、ステップS11以降の処理を続ける。
制御部10は、頻度が頻度閾値より大きい場合(S17でYES)、交通量が飽和状態であると判定し(S18)、処理を終了する。また、制御部10は、頻度が頻度閾値より大きくない場合(S17でNO)、交通量が非飽和状態であると判定し(S19)、処理を終了する。
交通量判定装置100は、CPU、RAMなどを備えた汎用コンピュータを用いて実現することもできる。すなわち、図11に示すような、各処理手順を定めたコンピュータプログラムをDVDなどの記録媒体に記録しておく。そして、当該記録媒体に記録したコンピュータプログラムを光ディスク装置等で読み込ませることにより、コンピュータに備えられたRAMにロードし、コンピュータプログラムをCPUで実行することにより、コンピュータ上で交通量判定装置を実現することができる。
上述のとおり、本実施の形態の交通量判定装置100によれば、車両感知器の精度が高くなく、車両の台数を正確に検出することができない場合であっても、車両の存否を検出することができる程度の精度であれば、信号情報と組み合わせることで、流入路の交通量の多少、交通状態を判定することができる。そして、判定した交通量に応じた信号制御を実現することが可能となる。また、本実施の形態によれば、車両の台数のみならず、流入路の旅行時間、渋滞長を計測する必要もない。
上述の実施の形態において、任意の流入路の赤信号開始から車両(先頭車両)停止までの時間が第1閾値Tth1より短いサイクルが、毎サイクル、あるいは頻度高く続く場合は、当該流入路の現示時間(スプリット割合)を段階的に延長してもよい。また、流入路に対するスプリット配分の設定上限値と、当該流入路と交差点で交差する流入路の状況を考慮してサイクル長を長くすることもできる。また、この場合、隣接する他の交差点に設置された信号機と通信を行い、信号機間でのオフセットを変更することもできる。
上述の実施の形態において、青時間(スプリット)及びサイクル長の変更は、上限及び下限の範囲内で行うことができる。
上述の実施の形態において、任意の流入路の赤信号開始後、最初に車両を感知するまでの時間を用いて、当該流入路の交通量を推定することができる。以下、交通量の推定方法について説明する。
図12は本実施の形態の交通量判定装置による赤信号開始後最初に車両を感知するまでの時間を用いた交通量の推定方法の一例を示す説明図である。図12において、横軸は時間を示し、縦軸は交差点の停止線位置からの距離を示す。また、図12中、斜め方向に描かれた線分(矢印)は、赤開始後に最初に感知した車両の走行軌跡を示す。
図12に示すように、赤開始時点をtr1、赤開始時点tr1後、最初の車両を車両感知器で感知した時点までの時間をTb、交通量を推定するための監視時間をTcとする。流入路の1サイクル当たりの推定交通量Qは、式(1)で求めることができる。
式(1)において、Fは流入路の交通流率(台/秒)、αは流入台数補正定数(台/秒)、Trは赤時間、Cはサイクル長である。例えば、極端な例であるが、仮に監視時間Tcの間に1台も車両を感知しない場合には、Tb=Tcとなるので、Q=0となる。すなわち、推定交通量はゼロとなる。また、赤開始と同時に最初の車両を感知した場合には、Tb=0となるので、推定交通量Qは、Q=(F−α)×(C/Tr)となる。
次に、任意の流入路の赤信号開始後に最初に車両を感知するまでの時間及び当該流入路の上流交差点のオフセットを考慮した場合の、青時間(スプリット)及びサイクル長の増減を判定する方法について説明する。
図13は本実施の形態の交通量判定装置による上流交差点のオフセットを考慮した場合の信号制御の一例を示す説明図である。図13において、横軸は時間を示し、縦軸は交差点の停止線位置からの距離を示す。停止線から距離Lの位置に上流交差点が存在する。また、図13中、斜め方向に描かれた線分(矢印)は、停止線位置の交差点の赤開始後に最初に感知した車両の走行軌跡を示す。図13に示すように、停止線位置の交差点の赤開始時点をtr1、赤開始時点tr1後、最初の車両を車両感知器で感知した時点までの時間をTb、上流交差点の青開始時点をtb0、上流交差点の赤開始時点をtr0とする。時点tr0と時点tr1との時間差がオフセットとなる。また、流入路の上流側からの車両の走行速度をVとする。
上流交差点の青開始時点tb0に上流交差点を通過した走行速度Vの車両は、青開始時点tb0から走行時間Tv(=L/V)だけ経過した時点tvに停止線位置に到達する。図13に示すように、赤開始時点tr1から時間Tbだけ経過した時点が到達時点tvより後の時点である場合には、上流交差点の信号が青に切り替わった後、上流交差点から停止線位置の交差点までの距離を走行するのに必要な時間(走行時間Tv)が経過しても、停止線位置には最初の車両が到達していないことになる。すなわち、図13の例では、交通量は比較的少ないと判断することができるので、停止線位置の交差点の信号の青時間(スプリット)及びサイクル長のいずれか、あるいは両者を短くする。なお、青時間(スプリット)及びサイクル長は、下限の範囲内で徐々に減らすことができる。
図14は本実施の形態の交通量判定装置による上流交差点のオフセットを考慮した場合の信号制御の他の例を示す説明図である。図14に示すように、停止線位置の交差点の赤開始時点をtr1、赤開始時点tr1後、最初の車両を車両感知器で感知した時点までの時間をTb、上流交差点の赤開始時点をtr0とする。時点tr0と時点tr1との時間差がオフセットとなる。また、流入路の上流側からの車両の走行速度をVとする。
上流交差点の赤開始時点tb0の直前に上流交差点を通過した走行速度Vの車両は、赤開始時点tr0から走行時間Tv(=L/V)だけ経過した時点tvに停止線位置に到達する。図14に示すように、赤開始時点tr1から時間Tbだけ経過した時点が到達時点tvより前の時点である場合には、上流交差点の信号が赤に切り替わる前に上流交差点を通過することができた車両が停止線位置の交差点をそのまま通過することができず、停止線位置で停止することになる。すなわち、図14の例では、交通量は比較的多いと判断することができるので、停止線位置の交差点の信号の青時間(スプリット)及びサイクル長のいずれか、あるいは両者を長くする。なお、青時間(スプリット)及びサイクル長は、上限の範囲内で徐々に増やすことができる。
開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 制御部
11 信号情報取得部
12 車両情報取得部
13 計測部
14 記憶部
15 交通量判定部
16 信号制御指令生成部
17 車両判定部
51、52、53、54 車両検出器
200 信号機
11 信号情報取得部
12 車両情報取得部
13 計測部
14 記憶部
15 交通量判定部
16 信号制御指令生成部
17 車両判定部
51、52、53、54 車両検出器
200 信号機
Claims (13)
- 交差点へ流入する流入路の交通量の多少を判定する交通量判定装置において、
交差点に設置された信号機の灯色の切り替え時点を含む信号情報を取得する信号情報取得手段と、
前記交差点の停止線近傍に存在する車両を検出する検出手段と、
前記信号機の赤信号開始時点から前記検出手段で車両を検出する時点までの時間を計測する計測手段と、
該計測手段で計測した時間の長短に基づいて、前記流入路の交通量の少多を判定する交通量判定手段と
を備えることを特徴とする交通量判定装置。 - 前記計測手段は、
所定の計測時間の間、前記信号機の赤信号開始時点から車両を検出する時点までの時間を計測するようにしてあり、
前記交通量判定手段は、
前記計測手段で計測した時間が所定の第1閾値より短い頻度が所定の頻度閾値より大きいか否かを判定するように構成してあることを特徴とする請求項1に記載の交通量判定装置。 - 前記交通量判定手段で判定した結果に基づいて、前記信号機の灯色の切り替え時点を制御すべく制御指令を生成する生成手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の交通量判定装置。
- 前記生成手段は、
前記交通量判定手段で交通量が多いと判定した場合、前記信号機の青時間を延長すべく制御指令を生成するように構成してあることを特徴とする請求項3に記載の交通量判定装置。 - 前記交通量判定手段は、
前記交差点への流入路及び該流入路と前記交差点で交差する流入路それぞれの交通量の少多を判定するようにしてあり、
前記生成手段は、
前記交通量判定手段で各流入路の交通量が多いと判定した場合、前記信号機のサイクル長を延長すべく制御指令を生成するように構成してあることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の交通量判定装置。 - 前記生成手段は、
前記信号機の青時間又はサイクル長を延長すべく制御指令を生成した場合、前記信号機の複数のサイクルの間、前記制御指令を維持するように構成してあることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の交通量判定装置。 - 前記生成手段は、
前記制御指令を維持した後に、交通量が少ないと判定したときは、前記信号機の青時間を短縮すべく制御指令を生成するように構成してあることを特徴とする請求項6に記載の交通量判定装置。 - 前記計測手段は、
所定の計測時間の間、前記信号機の青時間の間に前記検出手段で車両が検出されない時間を計測するようにしてあり、
前記交通量判定手段は、
前記計測手段で計測した時間が所定の第2閾値より長い頻度が所定の頻度閾値より大きいか否かを判定するように構成してあることを特徴とする請求項3乃至請求項7のいずれか1項に記載の交通量判定装置。 - 前記生成手段は、
前記交通量判定手段で交通量が少ないと判定した場合、前記信号機の青時間を短縮すべく制御指令を生成するように構成してあることを特徴とする請求項8に記載の交通量判定装置。 - 前記信号機の赤信号開始前から前記検出手段で車両が検出された場合に、該赤信号開始時点から所定時間の間に車両が検出されなくなったときは、信号無視の車両があったと判定する車両判定手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の交通量判定装置。
- 前記計測手段は、
前記信号機の赤信号開始前から前記検出手段で車両が検出された場合に、該赤信号開始時点から所定時間の間に車両が検出されなくなったときは、車両が検出されなくなった時点からの経過時間を計測するようにしてあり、
前記経過時間が所定の経過時間閾値より短い場合、前記信号機の赤信号開始時点から前記検出手段で車両を検出するまでの時間を前記第1閾値より短い時間として計測するように構成してあることを特徴とする請求項2乃至請求項9のいずれか1項に記載の交通量判定装置。 - コンピュータに、交差点へ流入する流入路の交通量の多少を判定させるためのコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータに、
交差点の停止線近傍に存在する車両を検出するステップと、
前記交差点に設置された信号機の赤信号開始時点から車両を検出する時点までの時間を計測するステップと、
計測した時間の長短に基づいて、前記流入路の交通量の少多を判定するステップと
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。 - 交差点へ流入する流入路の交通量の多少を判定する装置による交通量判定方法において、
交差点に設置された信号機の灯色の切り替え時点を含む信号情報を取得するステップと、
前記交差点の停止線近傍に存在する車両を検出するステップと、
前記信号機の赤信号開始時点から前記検出手段で車両を検出する時点までの時間を計測するステップと、
計測した時間の長短に基づいて、前記流入路の交通量の少多を判定するステップと
を含むことを特徴とする交通量判定方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012137964A JP2014002598A (ja) | 2012-06-19 | 2012-06-19 | 交通量判定装置、コンピュータプログラム及び交通量判定方法 |
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- 2012-06-19 JP JP2012137964A patent/JP2014002598A/ja active Pending
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