[本願発明の実施形態の説明]
(1)本発明の実施の形態に係る情報提供装置は、交差点に流入する流入路の所定車線の所定位置を通過する車両台数を取得する台数取得部と、前記交差点の信号情報を取得する信号情報取得部と、前記流入路に対する青信号の開始以降の第1時点から第2時点までの間に前記所定位置を通過する車両台数を、前記第2時点を該青信号の終了まで更新しつつ複数回特定する特定部と、前記第2時点を更新する都度、前記特定部で特定した車両台数に基づいて前記所定位置を通過する所定時間当たりの車両台数に係る情報を表示する表示部とを備える。
(12)本発明の実施の形態に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに車両台数に係る情報を提供させるためのコンピュータプログラムであって、コンピュータを、交差点に流入する流入路の所定車線の所定位置を通過する車両台数を取得する台数取得部と、前記交差点の信号情報を取得する信号情報取得部と、前記流入路に対する青信号の開始以降の第1時点から第2時点までの間に前記所定位置を通過する車両台数を、前記第2時点を該青信号の終了まで更新しつつ複数回特定する特定部と、前記第2時点を更新する都度、特定した車両台数に基づいて前記所定位置を通過する所定時間当たりの車両台数に係る情報を表示部に表示すべく生成する生成部として機能させる。
(13)本発明の実施の形態に係る記録媒体は、コンピュータに車両台数に係る情報を提供させるためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータでの読み取りが可能な非一時的な記録媒体であって、前記コンピュータプログラムは、コンピュータを、交差点に流入する流入路の所定車線の所定位置を通過する車両台数を取得する台数取得部と、前記交差点の信号情報を取得する信号情報取得部と、前記流入路に対する青信号の開始以降の第1時点から第2時点までの間に前記所定位置を通過する車両台数を、前記第2時点を該青信号の終了まで更新しつつ複数回特定する特定部と、前記第2時点を更新する都度、特定した車両台数に基づいて前記所定位置を通過する所定時間当たりの車両台数に係る情報を表示部に表示すべく生成する生成部として機能させる。
(14)本発明の実施の形態に係る情報提供方法は、交差点に流入する流入路の所定車線の所定位置を通過する車両台数を台数取得部が取得するステップと、前記交差点の信号情報を信号情報取得部が取得するステップと、前記流入路に対する青信号の開始以降の第1時点から第2時点までの間に前記所定位置を通過する車両台数を、前記第2時点を該青信号の終了まで更新しつつ複数回特定部が特定するステップと、前記第2時点を更新する都度、特定された車両台数に基づいて前記所定位置を通過する所定時間当たりの車両台数に係る情報を表示部が表示するステップとを含む。
台数取得部は、交差点に流入する流入路の所定車線の所定位置を通過する車両台数を取得する。所定車線は、流入路に車線が複数ある場合、任意の1車線でよく、例えば、代表的な車線でもよく、右折専用車線又は左折専用車線などの専用車線でもよい。また、所定車線は、全車線でもよい。所定位置は、交差点手前の停止線又は交差点から所要距離の地点とすることができる。台数取得部は、例えば、交差点の停止線付近に設置された車両感知器から車両台数を取得することができる。
信号情報取得部は、交差点の信号情報を取得する。信号情報は、青信号、黄信号、赤信号などの各信号表示の切替順序、各信号表示の表示時間などの情報を含む。
特定部は、流入路に対する青信号の開始以降の第1時点から第2時点までの間に所定位置を通過する車両台数を、第2時点を該青信号の終了まで更新しつつ複数回特定する。第1時点から第2時点までの間の時間をM(秒)で表し、第2時点の更新周期をN(秒)で表すと、特定部は、N(秒)の都度、過去M(秒)間に所定位置(例えば、停止線)を通過する車両台数を特定する。
表示部は、第2時点を更新する都度、特定部で特定した車両台数に基づいて所定位置を通過する所定時間当たりの車両台数に係る情報を表示する。所定時間当たりの車両台数は、流率も含む。所定時間当たりの車両台数は、例えば、30秒当たりの車両台数とすることができる。所定時間当たりの車両台数を、例えば、1秒当たり、あるいは1時間当たりに換算することにより、流率を求めることができる。情報の表示は、例えば、アナログメータの如く表示してよく、棒グラフのようなバー形式で表示してよく、デジタルメータの如く表示してもよい。また、表示灯を点灯させるようにしてもよい。
上述の構成により、所定時間当たりの車両台数に係る情報が、更新周期N(秒)で繰り返し更新されて表示されるので、流率の増減を容易に認識することができる。特に、所定時間当たりの車両台数に係る情報がどの程度まで減少すれば青信号の終了タイミングとするかの指標とすることができるので、青信号を終了させるタイミングを判断するための情報を提供することができる。
(2)本発明の実施の形態に係る情報提供装置は、前記表示部は、前記第2時点を更新する都度表示する情報のうち、所定条件を充足する情報の表示を所定時点まで継続するようにしてある。
表示部は、第2時点を更新する都度表示する情報のうち、所定条件を充足する情報の表示を所定時点まで継続する。所定条件を充足する情報とは、例えば、所定時間当たりの車両台数が最大となるときの情報、すなわち最大流率とすることができる。所定時点は、青信号が開始された後、当該青信号が終了する時点である。すなわち、青信号の開始以降、流率が増加し、一旦最大となった後に減少するような場合、最大流率を示す情報の表示を青信号終了まで継続する。かかる構成により、時間の経過とともに、流率が一旦最大値となった後に減少する場合に、流率が最大値に対してどの程度減少しているかを容易に視認することができ、青信号を終了させるタイミングを容易に判断することが可能となる。
(3)本発明の実施の形態に係る情報提供装置は、前記青信号の開始以降該青信号の終了までの間に前記所定時間当たりの車両台数が最大となる場合を前記所定条件として判定する判定部を備える。
判定部は、青信号の開始以降、当該青信号の終了までの間に、所定時間当たりの車両台数が最大となる場合を所定条件として判定する。これにより、流率が最大値に対してどの程度減少しているかを容易に視認することができ、青信号を終了させるタイミングを容易に判断することが可能となる。
(4)本発明の実施の形態に係る情報提供装置は、前記青信号の開始以降該青信号の終了までの間に前記所定位置を通過する所定時間当たりの車両台数の最大値を複数の信号サイクルに亘って記憶する記憶部を備え、前記表示部は、前記記憶部に記憶した最大値の代表値に係る情報を表示するようにしてある。
記憶部は、青信号の開始以降、当該青信号の終了までの間に所定位置を通過する所定時間当たりの車両台数の最大値を複数の信号サイクルに亘って記憶する。複数の信号サイクルは、例えば、1日のうちのある時間帯(例えば、午前8時台、午後6時台など)での信号サイクルを収集したものでもよく、1日の同じ時間帯を、例えば、1週間又は1か月に亘って収集したものでもよい。すなわち、記憶部は、ある時間帯の信号サイクル毎の最大流率、あるいは1週間又は1か月に亘ってある時間帯の信号サイクル毎の最大流率を記憶する。
表示部は、記憶部に記憶した最大値の代表値に係る情報を表示する。代表値は、例えば、平均値、中央値、最頻値などとすることができる。すなわち、表示部は、過去の最大流率の代表値を表示するので、流率が過去の最大値に対してどの程度減少しているかを容易に視認することができ、青信号を終了させるタイミングを容易に判断することが可能となる。
(5)本発明の実施の形態に係る情報提供装置は、前記表示部は、前記所定時間当たりの車両台数が所定の閾値以下となった場合、閾値以下となった旨を表示するようにしてある。
表示部は、所定時間当たりの車両台数が所定の閾値以下となった場合、閾値以下となった旨を表示する。所定の閾値は、最大流率に対する割合(100%未満)とすることができ、例えば、最大流率の80%とすることができるが、これに限定されない。かかる構成により、流率が最大となった後、減少する場合に所定の閾値以下となったことを表示するので、所定の閾値以下となった時点を青信号の終了タイミングと定めておくことにより、人(例えば、警察官)の個々の判断によって青信号の終了タイミングが決定されることを回避することができる。
(6)本発明の実施の形態に係る情報提供装置は、前記表示部は、前記第2時点を更新する都度、前記所定時間当たりの車両台数が減少する場合、減少する旨を表示するようにしてある。
表示部は、第2時点を更新する都度、所定時間当たりの車両台数が減少する場合、減少する旨を表示する。すなわち、表示部は、更新周期の都度、流率が減少している場合には、減少している旨を表示する。これにより、交差点付近を通過する車両の映像だけでは、流率が減少しているか否かを判断することが困難な場合でも、流率の減少を的確に把握することができる。
(7)本発明の実施の形態に係る情報提供装置は、前記表示部は、前記第2時点を更新する都度、前記所定時間当たりの車両台数が増加する場合、増加する旨を表示するようにしてある。
表示部は、第2時点を更新する都度、所定時間当たりの車両台数が増加する場合、増加する旨を表示する。すなわち、表示部は、更新周期の都度、流率が増加している場合には、増加している旨を表示する。これにより、交差点付近を通過する車両の映像だけでは、流率が増加しているか否かを判断することが困難な場合でも、流率の増加を的確に把握することができる。
(8)本発明の実施の形態に係る情報提供装置は、前記第1時点は、前記青信号の開始時点である。
第1時点は、青信号の開始時点である。すなわち、特定部は、流入路に対する青信号の開始時点から第2時点までの間に所定位置を通過する車両台数を、第2時点を当該青信号の終了まで更新しつつ複数回特定する。第2時点の更新の都度、青信号の開始時点から第2時点までの時間は長くなるので、所定位置を通過する車両台数が変動する場合でも、長い時間の間で平滑化され、流率を安定して求めることができる。
(9)本発明の実施の形態に係る情報提供装置は、前記第1時点は、前記第2時点より第1所定時間前の時点である。
第1時点は、第2時点より第1所定時間前の時点である。すなわち、特定部は、第2時点から過去第1所定時間の間に所定位置を通過する車両台数を、第2時点を当該青信号の終了まで更新しつつ複数回特定する。なお、第1所定時間は、例えば、30秒とすることができるが、これに限定されるものではない。第1所定時間を短くした場合、短い時間の間に所定位置を通過する車両台数に基づいて流率が求められるので、流率の変動を大きくすることができる。一方で、第1所定時間を長くした場合、長い時間の間に所定位置を通過する車両台数に基づいて流率が求められるので、流率の変動を小さくすることができる。かかる構成により、交差点に流入する流入路の交通量に応じて、流率の変化を容易に認識できるようにすることが可能となる。
(10)本発明の実施の形態に係る情報提供装置は、前記表示部は、前記所定時間当たりの車両台数に係る情報とともに前記流入路を撮像して得られた画像を表示するようにしてある。
表示部は、所定時間当たりの車両台数に係る情報とともに流入路を撮像して得られた画像を表示する。交差点付近を通過する車両の映像と合わせて、所定時間当たりの車両台数に係る情報が、更新周期N(秒)で繰り返し更新されて表示されるので、流率の増減をさらに容易かつ的確に認識することができる。
(11)本発明の実施の形態に係る情報提供装置は、前記表示部は、前記所定時間当たりの車両台数に係る情報を、前記青信号の開始時点から該所定時間よりも長い時間経過後に表示するようにしてある。
表示部は、所定時間当たりの車両台数に係る情報を、青信号の開始時点から当該所定時間よりも長い時間経過後に表示する。青信号の開始時点から所定時間までの間は、所定時間当たりの車両台数を求めている途中であるため、所定時間当たりの車両台数に係る情報を表示するタイミンングを、所定時間よりも長い時間経過後にすることにより、所定時間当たりの車両台数に係る情報を正確に表示することができる。
[本願発明の実施形態の詳細]
以下、本発明に係る情報提供装置、コンピュータプログラム、記録媒体及び情報提供方法の実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本実施の形態の情報提供装置を含む情報提供システムの構成の一例を示すブロック図である。情報提供システムは、情報提供装置としての携帯型情報処理装置50、交通信号制御機100、信号灯器201、202、車両感知器2などを備える。
サーバ1は、例えば、交通管制センタに設置され、交通量又は渋滞情報などの交通データに基づき、道路上の交通が円滑に流れるための各交通信号制御機の動作タイミングを算出する。算出された動作タイミングは、動作指令情報(信号制御パラメータなどを含む信号制御に関する情報)として交通信号制御機100へ送信される。
車両感知器2は、交差点に流入する流入路の所要の位置(例えば、停止線付近)に設置され、感知パルス信号を取得することにより、交差点に流入する流入路の所定車線の所定位置(例えば、停止線など)を通過する車両台数(交通量)、占有率などの感知情報を算出し、算出した感知情報を交通信号制御機100の感知器インタフェース12へ送信する。
また、撮像装置を備えた画像型の車両感知器2を交差点近傍に設置してある。画像型の車両感知器2は、感知パルス信号を取得することにより、交通量(車両台数)、占有率などの感知情報を算出し、算出した感知情報を交通信号制御機100の感知器インタフェース12へ送信する。また、画像型の車両感知器2は、交差点に流入する各流入路を撮像して得られた映像データ(動画又は静止画を含む)を、例えば、イーサネット(登録商標)等のネットワークに接続するためのHUB3及び携帯電話網などの通信インタフェース機能を有する無線通信部4(無線ルータ)を経由して携帯型情報処理装置50へ送信する。なお、超音波型の車両感知器が感知パルス信号に基づいて交通量、占有率などの感知情報を算出し、算出した感知情報を感知器インタフェース12へ送信するとともに、当該超音波型の車両感知器とは別途に設置された撮像装置が、無線通信部4を経由して、撮像した映像データを携帯型情報処理装置50へ送信する構成であってもよい。
交通信号制御機100は、CPU10、イーサネット(登録商標)等のネットワークを経由してサーバ1及び携帯型情報処理装置50との通信を行う通信インタフェース11、車両感知器2から感知情報(車両感知情報とも称する)を受信するための感知器インタフェース12、タイマ回路13、信号灯器の信号表示を順次指定するステップカウンタ14、信号情報を記憶するステージメモリ15、ステージメモリ読取回路16などを備える。
感知器インタフェース12は、車両感知器2から車両感知情報などを取得する。
通信インタフェース11は、サーバ1が送信した動作指令情報を受信する。また、通信インタフェース11は、無線通信部4及びHUB3を経由して、携帯型情報処理装置50で生成されて送信された指令を受信する。携帯型情報処理装置50が送信する指令は、例えば、信号を切り替えるための指令である。また、通信インタフェース11は、車両感知器2から取得した車両感知情報を、HUB3を経由してサーバ1へ送信する。
CPU10又はサーバ1は、対象とする道路網内の道路地図情報、ステージ階梯図などを含む信号情報、道路網内の交差点の識別情報及び位置情報とともに渋滞情報を、HUB3及び無線通信部4を経由して、携帯型情報処理装置50へ送信する。
タイマ回路13は、不図示のクロック信号に基づいて駆動され、設定に従ってステップの単位時間(例えば、1秒)を計時し、単位時間信号(例えば、1秒周期のクロック)をステップカウンタ17へ出力する。
CPU10は、サーバ1から送信された動作指令情報、あるいは携帯型情報処理装置50から送信された指令に基づいて、信号灯器201、202の灯色の切替タイミング信号である歩進指令をステップカウンタ14へ送出する。歩進指令は、信号表示を次の信号表示に進める(ステップを次のステップに進める)指令である。
ステップカウンタ14は、CPU10から送出される歩進指令に基づいて、信号灯器201、202のステップを順次指定する。具体的には、ステップカウンタ14は、CPU10から送出される歩進指令に基づいて、ステップを計時し、ステップ信号を生成する。ステップカウンタ14は、生成したステップ信号をステージメモリ読取回路16へ出力する。なお、ステップを計時するとは、現在のステップを指し示しつつ、ステップを次のステップへ順次進めることを意味する。
ステージメモリ読取回路16は、ステップカウンタ14が出力するステップ信号に基づいて、ステージメモリ15に記憶された信号情報を読み取り、読み取った信号情報に基づいて、各信号灯器201、202へ灯色出力を行う。
図2は本実施の形態の情報提供装置としての携帯型情報処理装置50の構成の一例を示すブロック図である。本実施の形態の携帯型情報処理装置50は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、タブレット型端末装置、ノート型パーソナルコンピュータ等である。携帯型情報処理装置50は、CPU51、通信部52、表示部53、記憶部54、操作部55などを備える。CPU51は、特定部511、判定部512などを備える。また、通信部52は、台数取得部521、信号情報取得部522などを備える。
通信部52は、例えば、無線LAN、携帯電話網などの通信インタフェース機能を有し、HUB3及び無線通信部4を経由して、交通信号制御機100、車両感知器2及びサーバ1との間で無線による通信を行うことができる。なお、携帯型情報処理装置50と交通信号制御機100との間をケーブル等で接続して有線で通信を行うようにすることもできる。
また、通信部52は、無線LAN、携帯電話網などの通信インタフェース機能を使用して、本実施の形態のコンピュータプログラムをインターネット上のアプリケーションサーバ(不図示)からダウンロードするためのインタフェースとしての機能も有する。
記憶部54は、RAM、ROM等の他にSSD(Solid State Drive)又はHDD(Hard Disk Drive)などを備える。記憶部54は、交通信号制御機100が送信した信号情報及び車両感知器2の車両感知情報を記憶することができる。また、記憶部54は、本実施の形態のコンピュータプログラムを記憶し、記憶したコンピュータプログラムをCPU51で実行することができる。
表示部53は、液晶パネルを備える。表示部53の液晶パネルは、例えば、タッチパネルであり、表示部53は、液晶パネルに表示されたアイコン、ボタン、バー等を直接指で操作することにより、操作信号を操作部55へ出力する。
操作部55は、操作信号を解析して、解析結果をCPU51へ出力する。なお、液晶パネルは、タッチパネルに限定されるものではない。
図3は本実施の形態の携帯型情報処理装置50が提供する情報に係る交差点の一例を示す模式図である。図3に示すように、交差点には、複数の流入路R1、R2、R3、R4が流入している。流入路R2、R4はお互いに対向する流入路であり、流入路R2、R4に対して信号灯器201が設けられ、流入路R1、R3はお互いに対向する流入路であり、流入路R1、R3に対して信号灯器202が設けられている。各流入路は、片側2車線であるが、車線数は図3の例に限定されるものではない。
なお、交差点の形状は、図3の例に限定されるものではなく、三差路、五差路等であってもよい。また、図3は左側通行の場合の一例であり、右側通行の場合は車線が左右逆になる。
台数取得部521は、無線通信部4を介して、車両感知器2から交差点に流入する流入路の所定車線の所定位置を通過する車両台数を取得する。所定車線は、流入路に車線が複数ある場合、任意の1車線でよく、例えば、代表的な車線でもよく、右折専用車線又は左折専用車線などの専用車線でもよい。また、所定車線は、全車線でもよい。所定位置は、交差点手前の停止線とすることができるが、停止線に限定されるものではなく、例えば、交差点から所要距離の地点とすることもできる。本実施の形態では、所定位置を停止線として説明する。
信号情報取得部522は、無線通信部4を介して、交差点の信号情報を取得する。信号情報は、青信号、黄信号、赤信号などの各信号表示の切替順序、各信号表示の表示時間などの情報を含む。
特定部511は、流入路に対する青信号の開始以降の第1時点から第2時点までの間に停止線を通過する車両台数を、第2時点を当該青信号の終了まで更新しつつ複数回特定する。第1時点から第2時点までの間の時間をM(秒)で表し、第2時点の更新周期をN(秒)で表すと、特定部511は、N(秒)の都度、過去M(秒)間に停止線を通過する車両台数を特定する。
表示部53は、CPU51の制御の下、第2時点を更新する都度、特定部511が特定した車両台数に基づいて停止線を通過する所定時間当たりの車両台数に係る情報を表示する。所定時間当たりの車両台数は、流率も含む。所定時間当たりの車両台数は、例えば、30秒当たりの車両台数とすることができる。所定時間当たりの車両台数を、例えば、1秒当たり、あるいは1時間当たりに換算することにより、流率を求めることができる。
「所定時間当たりの車両台数に係る情報」とは、表示の態様に関わらず、「所定時間当たりの車両台数(流率を含む)」を読み取ることができる情報とすることができる。情報の表示は、例えば、アナログメータの如く表示してよく、棒グラフのようなバー形式で表示してよく、デジタルメータの如く表示してもよい。また、表示灯を点灯させるようにしてもよい。
上述の構成により、所定時間当たりの車両台数に係る情報(流率を含む)に係る情報が、更新周期N(秒)で繰り返し更新されて表示されるので、流率の増減を容易に認識することができる。特に、流率に係る情報がどの程度まで減少すれば青信号の終了タイミングとするかの指標とすることができるので、青信号を終了させるタイミングを判断するための情報を提供することができる。
次に、本実施の形態の携帯型情報処理装置50の表示部53で表示する画面について説明する。図4は本実施の形態の携帯型情報処理装置50の表示部53で表示する画面の一例を示す模式図である。図4は図3に例示する交差点に対応している。すなわち、画面は、流入路R1、R2、R3、R4の別に4分割されている。流入路R1に対しては、符号P1で示す箇所に流入路R1を走行する車両の映像を表示し、符号G1で示す箇所に所定時間当たりの車両台数に係る情報を表示する。流入路R2、R3、R4についても同様である。
また、「信号切替」のアイコン又はボタンを操作することにより、手動で信号切替を行うことができる。例えば、青信号の終了タイミングであると判断して、「信号切替」のアイコン又はボタンを操作すると、青信号の打ち切りとなる。
図5は本実施の形態の携帯型情報処理装置50の表示部53で表示する車両の映像の一例を示す模式図である。図5は停止線を含む流入路(R1〜R4のいずれか1つとする)を走行する車両の映像を示す。図5に示す映像は、図4に例示した符号P1からP4で示す箇所に表示される。なお、映像は、動画でもよく、あるいは所定の周期(例えば、0.5秒、1秒など)の静止画でもよい。図5には、簡便のため、3つの映像を模式的に示している。図5において、左側の図は青信号開始からt1(秒)後の様子を示し、流入路を走行する車両の台数がやや多い状態を示す。中央の図は青信号開始からt2(秒、t2>t1)後の様子を示し、流入路を走行する車両の台数がさらに多い状態を示す。右側の図は青信号開始からt3(秒、t3>t2)後の様子を示し、流入路を走行する車両の台数はピークを過ぎてやや少なくなった状態を示す。図5に示す映像は、それぞれの流入路について、青信号の開始から終了までの間表示される。また、図5に示すように、流入路に対する現在の信号灯色を表示することもできる。これにより、携帯型情報処理装置50を使用する人(例えば、警察官)は、実際の信号灯色が見えない又は見にくい場所で作業をせざるを得ない場合でも、現在の信号灯色を容易に確認することができる。
図6は本実施の形態の携帯型情報処理装置50の表示部53で表示する所定時間当たりの車両台数に係る情報の第1実施例を示す模式図である。図6に示す表示は、図4に例示した符号G1からG4で示す箇所に表示される。図6の例では、所定時間当たりの車両台数に係る情報を、1車線毎の30秒当たりの車両台数(台数/30秒/1車線)として表している。図6に示すように、所定時間当たりの車両台数に係る情報は、自動車のアナログ式のスピードメータのように表示することができる。
次に、累積交通量と流率の関係について説明する。図7は青信号開始以降の累積交通量と流率との関係の一例を示す説明図である。図7において、横軸は時間(秒)を示し、縦軸は1車線当たりの累積交通量を示す。交差点の停止線付近に設置された車両感知器2は、交差点(停止線)を通過する車両の交通量を計測しており、この情報は、N(=1〜5)秒単位に集計されて、データ(車両感知情報)を集計する装置(サーバ1、交通信号制御機100)に送信される。携帯型情報処理装置50は、車両感知器2で集計されたデータ及び信号情報(青信号の開始時刻を含む)を受信することにより、(1)青信号開始からの累積交通量、(2)過去M秒間の交通量などの情報を得ることができる。
累積交通量とは、計測起点時刻以降の時間に計測地点を通過した車両の累積台数であり、停止線を通過する全ての合計値を「断面の累積交通量」、車線数で割ったもの又は代表車線の計測値で集計したものを「車線当りの累積交通量」と言う。また、流率は、累積交通量を示す曲線の傾きとなる。なお、計測起点時刻は、青信号の前の黄信号の開始時刻、すなわち、十字交差点の場合、交差側の黄信号(直前の黄色の階梯)の開始時刻とする場合(黄信号起点)と青信号の開始時刻とする場合(青信号起点)とがあり、黄信号起点の値は信号切替わり時の損失時間(車両が交差点を通過できない時間)を含めた当該方向の処理効率を表す指標であり、青信号起点の値は青信号内での当該方向の処理効率を表す指標である。以下の説明では、青信号起点を用いることにする。
図7に示すように、青信号開始から徐々に停止線を通過する車両台数が増加し、累積交通量の曲線の傾きが増加する。さらに青信号時間が経過すると、停止線を通過する車両台数が減少し、累積交通量の曲線の傾きが減少し始めるので、流率は増加から最大値(最大流率)を通過して減少に転じる。最大流率は、処理効率が落ち始める直前に現れる。
前述のように、特定部511は、流入路に対する青信号の開始以降の第1時点から第2時点までの間に停止線を通過する車両台数を、第2時点を当該青信号の終了まで更新しつつ複数回特定する。第1時点から第2時点までの間の時間をM(秒)で表し、第2時点の更新周期をN(秒)で表すと、特定部511は、N(秒)の都度、過去M(秒)間に停止線を通過する車両台数を特定する。図7に示すように、第1時点での累積交通量の値と第2時点での累積交通量の値とを結ぶ直線の傾きが、第2時点での流率、すなわち第2時点から見て過去M秒間の交通量の傾きを表している。過去M秒間の車両台数(交通量)Vとすると、流率はV/M(台数/秒)となる。
また、図7に示すように、最大流率点(所定時間当たりの車両台数の最大値)までの間は、流率が増加し、最大流率点を超えると流率は減少し始める。例えば、警察官は、かかる流率の変化を認識しながら、青信号の打ち切りタイミングを決定することができ、個々の警察官の主観に依拠しない明確な判断基準を提供することができる。なお、交通量の変動に応じて、例えば、一度最大流率Aを記録し、その後流率が一旦減少し再び増加して新たな最大流率Bが記録された場合、Bを最大流率点とする。これにより、最大流率点を青信号開始から当該青信号が終了するまでの対象サイクルでの最大値とすることができる。
次に、所定時間当たりの車両台数に係る情報(流率を含む)の可視化について説明する。図8、図9、図10、図11及び図12は本実施の形態の携帯型情報処理装置50による可視化の第1実施例を示す模式図である。図8から図12に示す可視化の例は、図6で例示したものと同様である。
図8から図12において、左側の図は、1車線当たりの累積交通量の変化を示し、累積交通量を表す曲線上での流率の変化も図示している。また、第1時点と第2時点との間の時間Mを30秒としている。図8から図12において、右側の図は、所定時間当たりの車両台数に係る情報の表示例を示す。情報の更新周期N(N=1〜5秒)の都度、過去M(M=30)秒の通過台数又は流率をアナログスピードメータのような針と半円グラフとで表示している。図の例は、1車線毎の30秒当たりの車両台数を示し、M秒間の交通量(車両台数)をVとすると、Vを図示している。流率を図示する場合には、例えば、V/M(台数/秒)、あるいはV/M×3600(台数/時)の値を表示すればよい。
図8の例は、青信号開始から30秒後の状態を示し、過去30秒間の車両台数を図示している。所定時間当たりの車両台数(流率)は、比較的少ない。図9の例は、さらに複数回の更新周期Nが経過した時点の様子を示す。所定時間当たりの車両台数(流率)は、増加しつつある。図8、図9の例では、所定時間当たりの車両台数が増加しつつあることを示すため、例えば、針の色を緑色にして表示することができる。
表示部53は、CPU51の制御の下、第2時点を更新する都度、所定時間当たりの車両台数が増加する場合、増加する旨を表示する。すなわち、表示部53は、更新周期の都度、流率が増加している場合には、増加している旨を表示する。これにより、交差点付近を通過する車両の映像だけでは、流率が増加しているか否かを判断することが困難な場合でも、流率の増加を的確に把握することができる。
図10の例は、さらに複数回の更新周期Nが経過した時点の様子を示す。所定時間当たりの車両台数(流率)は、最大となっている。
図11の例は、さらに複数回の更新周期Nが経過した時点の様子を示す。所定時間当たりの車両台数(流率)は、最大値から減少しつつある。所定時間当たりの車両台数(流率)が、最大値を超えて減少する場合、図11に示すように、最高点(車両台数の最大値、最大流率)の残像を表示する。警察官は、最高点の残像(今回の青信号での最高点)と現状値とを比較することができるので、青信号の打ち切りタイミングを的確に判断することができる。また、最高点に対して、現状値が90%を下回った場合、針を、例えば、緑色から黄色に変更する。警察官は、現状値が、減少しつつあることを判断することができ、そろそろ青信号の打ち切りタイミングになることを予測することができる。
表示部53は、CPU51の制御の下、第2時点を更新する都度、所定時間当たりの車両台数が減少する場合、減少する旨を表示する。すなわち、表示部53は、更新周期の都度、流率が減少している場合には、減少している旨を表示する。これにより、交差点付近を通過する車両の映像だけでは、流率が減少しているか否かを判断することが困難な場合でも、流率の減少を的確に把握することができる。
図12の例は、さらに複数回の更新周期Nが経過した時点の様子を示す。所定時間当たりの車両台数(流率)は、さらに減少しつつある。図12に示すように、例えば、今回の青信号での最高点に対して、現状値が80%を下回った場合、針を、例えば、黄色から赤色に変更する。警察官は、現状値が、青信号の打ち切りタイミングであることを判断することができる。なお、現状値が、例えば、75%を下回った場合には、半円の針板を点滅させる、あるいは音声を出力することにより、警察官の流率の低下を気付かせるようしてもよい。
上述のように、表示部53は、CPU51の制御の下、第2時点を更新する都度表示する、所定時間当たりの車両台数に係る情報のうち、所定条件を充足する情報の表示を所定時点まで継続する。所定条件を充足する情報とは、例えば、所定時間当たりの車両台数が最大となるときの情報、すなわち最大流率とすることができる。所定時点は、青信号が開始された後、当該青信号が終了する時点である。
すなわち、青信号の開始以降、流率が増加し、一旦最大となった後に減少するような場合、最大流率を示す情報の表示を青信号終了まで継続する。かかる構成により、時間の経過とともに、流率が一旦最大値となった後に減少する場合に、流率が最大値に対してどの程度減少しているかを容易に視認することができ、青信号を終了させるタイミングを容易に判断することが可能となる。
判定部512は、青信号の開始以降、当該青信号の終了までの間に、所定時間当たりの車両台数が最大となる場合を前述の所定条件として判定する。これにより、流率が最大値に対してどの程度減少しているかを容易に視認することができ、青信号を終了させるタイミングを容易に判断することが可能となる。
また、表示部53は、CPU51の制御の下、所定時間当たりの車両台数が所定の閾値以下となった場合、閾値以下となった旨を表示する。閾値以下となった旨の表示は、例えば、前述の図12に示すような、所定時間当たりの車両台数(流率)の現状値が、今回の青信号での最高点の80%を下回った場合をいう。所定の閾値は、最大流率に対する所定の割合(100%未満)とすることができ、例えば、最大流率の80%とすることができるが、これに限定されない。かかる構成により、図12に例示したように、流率が最大となった後、減少する場合に所定の閾値以下となったことを表示するので、所定の閾値以下となった時点を青信号の終了タイミングと定めておくことにより、人(例えば、警察官)の個々の判断によって青信号の終了タイミングが決定されることを回避することができる。
また、上述の例では、第1時点は、第2時点より第1所定時間(M秒)前の時点である。すなわち、特定部511は、第2時点から過去第1所定時間(過去M秒)の間に所定位置を通過する車両台数を、第2時点を当該青信号の終了まで更新しつつ複数回特定する。なお、第1所定時間Mは、交通量の変動を抑制するため、例えば、30秒とすることができるが、これに限定されるものではない。
第1所定時間(M秒)を短くした場合、短い時間の間に所定位置を通過する車両台数に基づいて流率が求められるので、流率の変動を大きくすることができる。一方で、第1所定時間(M秒)を長くした場合、長い時間の間に所定位置を通過する車両台数に基づいて流率が求められるので、流率の変動を小さくすることができる。かかる構成により、交差点に流入する流入路の交通量に応じて、流率の変化を容易に認識できるようにすることが可能となる。
また、表示部53は、図4に示すように、所定時間当たりの車両台数に係る情報とともに流入路を撮像して得られた画像を表示する。交差点付近を通過する車両の映像と合わせて、所定時間当たりの車両台数に係る情報が、更新周期N(秒)で繰り返し更新されて表示されるので、流率の増減をさらに容易かつ的確に認識することができる。
また、表示部53は、所定時間当たりの車両台数に係る情報を、青信号の開始時点から当該所定時間よりも長い時間経過後に表示する。青信号の開始時点から所定時間までの間は、所定時間当たりの車両台数を求めている途中であるため、所定時間当たりの車両台数に係る情報を表示するタイミンングを、所定時間よりも長い時間経過後にすることにより、所定時間当たりの車両台数に係る情報を正確に表示することができる。
図8から図12の例では、所定時間当たりの車両台数の最大値(すなわち、最大流率)を最高点残像として青信号の終了時点まで表示しつづける構成であったが、車両台数の最大値(最大流率)は、リアルタイムでの値に限定されるものではない。例えば、過去の経験値を表示することもできる。
図13は本実施の形態の携帯型情報処理装置50による可視化の第2実施例を示す模式図である。図13の例では、今回の青信号での最高点と過去の青信号での最高点の代表値とを表示している。
記憶部54は、青信号の開始以降、当該青信号の終了までの間に所定位置を通過する所定時間当たりの車両台数の最大値を複数の信号サイクルに亘って記憶する。複数の信号サイクルは、例えば、1日のうちのある時間帯(例えば、午前8時台、午後6時台など)での信号サイクルを収集したものでもよく、1日の同じ時間帯を、例えば、1週間又は1か月に亘って収集したものでもよい。すなわち、記憶部54は、ある時間帯の信号サイクル毎の最大流率、あるいは1週間又は1か月に亘ってある時間帯の信号サイクル毎の最大流率を記憶する。
表示部53は、CPU51の制御の下、記憶部54に記憶した最大値の代表値に係る情報を表示する。代表値は、例えば、平均値、中央値、最頻値などとすることができる。すなわち、表示部53は、過去の最大流率の代表値を表示するので、現状の流率が過去の最大値に対してどの程度減少しているかを容易に視認することができ、青信号を終了させるタイミングを容易に判断することが可能となる。なお、図13の例では、今回の青信号での最高点と過去の青信号での最高点の代表値とを表示しているが、過去の青信号での最高点の代表値のみを表示してもよい。
図14は本実施の形態の携帯型情報処理装置50による可視化の第3実施例を示す模式図である。第3実施例では、針を表示させずに、半円状のグラフにより所定時間当たりの車両台数(流率を含む)を表示する。図14の例において、例えば、所定時間当たりの車両台数が増加する場合には、緑色で表示し、最高点の残像を青信号の終了まで表示し続ける。また、所定時間当たりの車両台数が最高点の90%を下回った場合には、緑色から黄色に変更し、さらに最高点の80%を下回った場合には、黄色から赤色に変更することにより、第1実施例の場合と同様の効果を得ることができる。
図15は本実施の形態の携帯型情報処理装置50による可視化の第4実施例を示す模式図である。第4実施例では、半円状のグラフに代えて、棒グラフ(バー形式)により所定時間当たりの車両台数(流率を含む)を表示する。図15の例において、例えば、所定時間当たりの車両台数が増加する場合には、バーを緑色で表示し、最高点の残像を青信号の終了まで表示し続ける。また、所定時間当たりの車両台数が最高点の90%を下回った場合には、バーを緑色から黄色に変更し、さらに最高点の80%を下回った場合には、バーを黄色から赤色に変更する。これにより、第1実施例の場合と同様の効果を得ることができる。
前述の第1実施例から第4実施例では、所定時間当たりの車両台数(流率を含む)をアナログメータのように表示する構成であったが、これに限定されるものではない。例えば、最高点及び現状の所定時間当たりの車両台数(流率を含む)をデジタル値で表示するようにしてもよい。この場合、所定時間当たりの車両台数が増加する場合には、数字を緑色で表示し、最高点の残像を青信号の終了まで表示し続ける。また、所定時間当たりの車両台数が最高点の90%を下回った場合には、数字を緑色から黄色に変更し、さらに最高点の80%を下回った場合には、数字を黄色から赤色に変更する。これにより、第1実施例の場合と同様の効果を得ることができる。
図16は本実施の形態の携帯型情報処理装置50による可視化の第5実施例を示す模式図である。図16に示すように、表示部53は、電球又はLEDなどの表示灯を備え、赤色、黄色及び緑色を発光することができる。所定時間当たりの車両台数が増加する場合には、緑色の表示灯を点灯し、所定時間当たりの車両台数が減少する場合には、黄色の表示灯を点灯する。また、所定時間当たりの車両台数が最高点の80%を下回った場合には、赤色の表示灯を点灯する。これにより、第1実施例の場合と同様の効果を得ることができる。
なお、第5実施例において、赤色及び黄色の表示灯だけを備える構成でもよく、あるいは赤色の表示灯だけを備える構成もよい。これにより、一層簡便な構成とすることができる。また、所定時間当たりの車両台数が最高点の75%を下回った場合には、赤色の表示灯を点滅させてもよく、輝度を高くしてもよい。これにより、警察官の注意を喚起することができる。
上述の実施の形態では、特定部511は、流入路に対する青信号の開始以降の第1時点から第2時点までの間に停止線を通過する車両台数を、第2時点を当該青信号の終了まで更新しつつ複数回特定する場合、第1時点は、第2時点より第1所定時間(M秒)前の時点であったが、これに限定されるものではない。例えば、第1時点を青信号の開始時点に固定するようにしてもよい。
図17は青信号開始以降の累積交通量と流率との関係の他の例を示す説明図である。図17に示すように、第1時点は、青信号の開始時点である。すなわち、特定部511は、流入路に対する青信号の開始時点から第2時点までの間に所定位置を通過する車両台数を、第2時点を当該青信号の終了まで更新しつつ複数回特定する。第2時点の更新の都度、青信号の開始時点から第2時点までの時間は長くなるので、所定位置を通過する車両台数が変動する場合でも、長い時間の間で平滑化され、流率を安定して求めることができる。
次に、本実施の形態の携帯型情報処理装置50の動作について説明する。図18及び図19は本実施の形態の携帯型情報処理装置50の処理手順の一例を示すフローチャートである。以下では、便宜上、処理の主体をCPU51として説明する。CPU51は、信号情報を取得し(S11)、交差点の停止線を通過する車両台数を取得する(S12)。CPU51は、青信号開始からM秒(例えば、30秒)経過したか否かを判定し(S13)、M秒経過していない場合(S13でNO)、ステップS13の処理を続ける。
M秒経過した場合(S13でYES)、CPU51は、更新周期N(N=1〜5秒)であるか否かを判定し(S14)、更新周期Nでない場合(S14でNO)、ステップS14の処理を続ける。更新周期Nである場合(S14でYES)、CPU51は、1車線当たりの過去M秒間に停止線を通過した車両台数Vを算出する(S15)。
CPU51は、車両台数Vが、台数最大値Vm以上であるか否かを判定する(S16)。なお、台数最大値Vmは、過去M秒間に停止線を通過した車両台数Vの最大値であり、初期値は0である。V≧Vmである場合(S16でYES)、CPU51は、車両台数Vが増加しているとして、車両台数Vを台数最大値Vmとし(S17)、車両台数Vを緑色で表示し(S18)、後述のステップS22の処理を行う。
V≧Vmでない場合(S16でNO)、CPU51は、V>Vm×0.8であるか否かを判定し(S19)、V>Vm×0.8である場合(S19でYES)、車両台数Vが最大値を超えて減少し始めたとし、台数最大値Vmの残像を残し、車両台数Vを黄色で表示し(S20)、後述のステップS22の処理を行う。
V>Vm×0.8でない場合(S19でNO)、CPU51は、台数最大値Vmの残像を残し、車両台数Vを赤色で表示し(S21)、後述のステップS22の処理を行う。CPU51は、青信号が終了したか否かを判定し(S22)、青信号が終了していない場合(S22でNO)、ステップS14以降の処理を続ける。
青信号が終了した場合(S22でYES)、CPU51は、台数表示を消去し(S23)、台数最大値Vmを0にし(S24)、処理を終了するか否かを判定する(S25)。処理を終了しない場合(S25でNO)、CPU21は、ステップS11以降の処理を続け、処理を終了すると判定した場合(S25でYES)、処理を終了する。
本実施の形態の情報提供装置は、CPU(プロセッサ)、RAMなどを備えた汎用コンピュータを用いて実現することもできる。すなわち、図18及び図19に示すような、各処理の手順(CPUが実行する方法のステップ)を定めたコンピュータプログラムをコンピュータに備えられたRAMにロードし、コンピュータプログラムをCPU(プロセッサ)で実行することにより、コンピュータ上で情報提供装置を実現することができる。
また、図18及び図19に示すような、CPUが実行する方法のステップを定めたコンピュータプログラムは、コンピュータでの読み取りが可能な非一時的な記録媒体に記録することができる。
図18及び図19に示す処理は、交差点で対向する流入路(例えば、上り方向と下り方向)それぞれについて行うことができる。この場合、上り方向及び下り方向の両方の流入路で所定時間当たりの車両台数(流率を含む)が閾値(例えば、最高点の80%)以下となった場合、青信号の打ち切りタイミングと判断してもよく、上り方向と下り方向とで交通量の多い方を優先して判断してもよい。
図18及び図19に示す処理のうち、例えば、ステップS11からステップS17、ステップS19等の処理を交通信号制御機100又はサーバ1で行うようにして、携帯型情報処理装置50は、交通信号制御機100又はサーバ1から受信した情報を表示する構成としてもよい。
上述の実施の形態において、所定時間当たりの車両台数(流率を含む)は、1車線当たりの数値であるが、これに限定されるものではなく、流入路の全車線の合計値であってもよい。また、数値は30秒当たりの交通量として説明したが、1秒当たり、あるいは1時間当たりで示すこともできる。この場合、例えば、15台/30秒は、0.5台/秒、1800台/時に相当する。
開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。