JP2014002100A - 充電式電子時計および蓄電体ユニット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電子時計1は、電気エネルギーを充電する二次電池および二次電池の正極または負極に固定されたリード板65を備える蓄電体ユニットと、蓄電体ユニットが組み込まれるムーブメント2とを備える。リード板65は、二次電池の側方に延出された延出部67を備える。延出部67には、二次電池の厚さ方向に伸び、かつ、互いに対向する導通突起部68および当接突起部69が形成される。導通突起部68および当接突起部69の少なくとも一方は弾性を有する。ムーブメント2は、二次電池のリード板65が固定された電極に導通する回路導通ピン55と、回路導通ピン55に対向する当接壁部28とを備える。回路導通ピン55および当接壁部28間の凹部に、2つの突起部68,69が配置され、導通突起部68が回路導通ピン55に接触し、当接突起部69が当接壁部28に当接する。
【選択図】図8
Description
特許文献1では、二次電池の負極側にリード端子を固定し、このリード端子を二次電池の外周に突出させている。そして、この突出させたリード端子と回路ブロックの導通を確保するため、ムーブメントに対して二次電池を正極側から組み込み、ムーブメントの回路ブロックと前記リード端子との高さ位置を合わせ、リード端子を回路ブロック側の負極端子に直接ねじ締めすることで、導通を確保している。
さらに、二次電池が外れないように、二次電池を組み込んだ後に、電池押エ板をネジでムーブメントに固定しており、部品が増加し、かつ作業工程も増えて生産性が低下するという問題があった。
従って、前記ムーブメントの導通部を、ムーブメントに設けられる回路基板の配線などに導通し、さらに回路基板を介して太陽電池等に導通させることで、蓄電体を充電したり、蓄電体に充電された電力でムーブメントの制御ICやステッピングモーターなどを駆動できる。また、リード板が設けられていない一次電池を誤って組み込んでも、電池が回路基板に導通しないため、一次電池が誤って充電されることも防止できる。
また、導通突起部が導通部を付勢する方向と、当接突起部が当接部を付勢する方向が反対方向であるため、リード板が固定された蓄電体が前記突起部の弾性力で回転することがない。このため、蓄電体ユニットをムーブメントに組み込む作業も容易に行うことができる。これらにより、蓄電体の組み込み作業性を向上できる。
さらに、突起部が蓄電体の厚さ寸法よりも大きくなると、突起部が異なる電位の部品に接触してショートすることを防止するための対策、例えば絶縁シートなどを組み込むといった対策が必要となる。一方、本発明のように、突起部を小型化でき、蓄電体の厚さ寸法内に納めることができれば、他の部品と接触してショートするおそれが無くなり、時計の構造を簡易にできて、生産性を向上できる。
当接突起部の弾性力が、導通突起部よりも大きいため、当接突起部が当接部を付勢することによる反力は、導通突起部が導通部を付勢することによる反力よりも大きくなる。このため、導通突起部および当接突起部を有する延出部は、前記当接突起部に加わる反力によって導通突起部側に押される。このため、導通突起部を導通部に確実に当接させることができる。さらに、蓄電体ユニットの組み込み時に、突起部に想定以上の力が加わった場合でも、導通突起部の弾性力は小さいために容易に弾性変形し、導通突起部が塑性変形して初期撓み量が低下することを防止できる。
また、表面を鏡面に仕上げるなどの加工も容易であり、信頼性の高い接触面の確保が図れる。
また、テーパ面から導通部の接続部分に段差が形成され、この段差がつば部(アンダーカット)とされているので、蓄電体ユニットが時計の厚さ方向(断面方向)に移動しても導通突起部の接点部は、前記段差に当接し、テーパ面側への移動を防止できる。このため、導通突起部が導通部から外れることがないため、落下や振動などの外的衝撃にたいして導通の信頼性を向上できる。
従って、充電用電子時計の専用の蓄電体ユニットとして提供でき、一次電池の誤組込みを確実に防止できる。
さらに、リード板の延出部に2つの突起部を形成しているので、これら2つの突起部を、ムーブメントの導通部および当接部間の凹部に配置することで、各突起部を導通部、当接部にそれぞれ当接させることができる。このため、導通突起部を確実に導通部に接触させることができ、ネジで固定しなくても確実に導通を確保できる。
また、導通突起部が導通部を付勢する方向と、当接突起部が当接部を付勢する方向が反対方向であるため、リード板が固定された蓄電体ユニットが前記突起部の弾性力で回転することがない。このため、蓄電体ユニットをムーブメントに組み込む作業も容易に行うことができる。これらにより、蓄電体の組み込み作業性を向上できる。
図1は、本実施形態に係る太陽電池付電子時計1の平面図である。太陽電池付電子時計1は、図1に示すように、時刻を表示する時刻表示部10を備えた指針式腕時計(アナログ時計)である。この時刻表示部10は、時針11、分針12、秒針13、文字板14を備える。また、太陽電池付電子時計1は、各種操作用のりゅうず7とを備える。
太陽電池付電子時計1は、外装ケース100を備えている。外装ケース100は、ほぼリング状に形成されたケーシング(胴)110と、ケーシング110の表面側に装着されたカバーガラス120と、ケーシング110の裏面側に着脱可能に取り付けられた図示略の裏蓋とを備えている。なお、外装ケース100は一般的な構成であるため説明を省略する。
文字板受けリング部材3は、非透光性の材料(たとえば合成樹脂)により円環状に形成され、後述する太陽電池と同系色に着色されている。そして、図2に示すように、文字板受けリング部材3の表面側には、文字板受けリング部材3の内周面に沿って形成され、文字板受けリング部材3の文字板支持面301よりも一段低く形成された太陽電池ユニット支持面302が形成されている。
また、文字板受けリング部材3は、その平面中心を挟んで対向する二箇所に、図示しない支持フック部が形成されている。この支持フック部が、ムーブメント2に係合し、文字板受けリング部材3はムーブメント2を保持する。
太陽電池ユニット4は、図2、3に示すように、太陽電池40と、太陽電池40の裏面に固定される太陽電池案内板45とを備える。
太陽電池40は、平面視略円形状の基材41と、基材41の表面側に形成された受光部42と、基材41の裏面側に形成された一対の電極43,44とを備える。一対の電極43,44は、正極43および負極44とされている。
太陽電池40は、文字板14を透過した太陽光が受光部42に当たることで発電を行い、受光部42で発電された電力は、前記電極43,44からコイルばね47,48を介してムーブメント2に設けられた蓄電体ユニット60に充電され、この蓄電体ユニット60の出力でステッピングモーター80等が駆動される。
従って、太陽電池40は、フィルム型の太陽電池である。すなわち、フィルム型の太陽電池とは、基材がガラス等ではなく、合成樹脂のフィルムなどで構成されているものを言う。
受光部42は、3つの領域に分割されて形成されている。すなわち、太陽電池40の表面には扇形状の3つの受光部42が形成されている。そして、本実施形態では、3つの受光部42の出力を直列接続することで発電電圧を向上させている。
太陽電池案内板45は、図3に示すように、ステンレス板などの導電性部材で構成され、略円板状に形成されている。そして太陽電池案内板45は、前記基材41の裏面に、接着剤や粘着テープによって貼り付けられている。
太陽電池案内板45は、太陽電池案内板45を文字板受けリング部材3に固定するための固定部46を備えている。この固定部46は、太陽電池案内板45の中央を挟んで互いに対向配置された2つの固定部46A,46Bを備えている。また、太陽電池案内板45において、前記電極43,44が配置される部分はU字状の溝45Aとされ、前記電極43,44に太陽電池案内板45が接触しないように構成されている。
溝45Aは、太陽電池の正極43および負極44を避けるように、太陽電池案内板45の外縁から径方向内側に向かってU字状に設けられた切欠きである。
なお、この太陽電池案内板45は、太陽電池40よりも僅かに小さなサイズに形成されており、太陽電池40の基材41で全体が被覆されている。このため、太陽電池案内板45は、太陽電池40から露出することがなく、文字板側から視認されることがない。
また、正極43に接触するコイルばね47に隣接してコイルばね49が配置されている。コイルばね49は、太陽電池案内板45の裏面に当接している。
なお、後述するように、太陽電池付電子時計1では、回路基板における正極(VDD)および負極(VSS)のうち、正極(VDD)をグランド電極としている。このため、コイルばね47およびコイルばね49は、後述するように、ムーブメント2におけるグランド電極に導通されている。
ムーブメント2は、図3に示すように、地板20、カレンダー機構30、回路基板50、蓄電体ユニット60、ステッピングモーター80、回路押え板90等を備える。
また、地板20の裏面には、蓄電体ユニット60が組み込まれ、さらに、回路基板50および回路押え板90が取り付けられる。
地板20の上面(文字板側の面)には、図2、3に示すように、カレンダー機構30が配置されている。カレンダー機構30は、暦車(カレンダー車)である日車31、日車31を駆動する日回し車等を有するカレンダー輪列32、日車31の回転を規制する日ジャンパー33、日車押さえ34等で構成されている。
図4に示すように、蓄電体ユニット60は、二次電池(蓄電体)61およびリード板65で構成されている。
二次電池61は、リチウムイオン二次電池等の充電が可能な一般的なボタン型の電池である。この二次電池61は、図4に示すように、上方が開口した正極缶62と、正極缶62の開口を閉塞する負極キャップ(負極缶)63と、正極缶62と負極キャップ63とを絶縁するとともに、二次電池61内部の活物質や電解液が漏れないようにシールするセパレータ(ガスケット)64とを備える。
このリード板65は、二次電池61の負極キャップ63に固定される板状のリード板本体66と、リード板本体66から二次電池61の外周側に延出された延出部67と、この延出部67から屈曲されて二次電池61の厚さ方向に延長された2つの突起部68,69と、リード板本体66から前記延出部67とは反対側に向かって二次電池61の外周側に突出された突出部70とを備えている。
また、延出部67の端部は、所定の幅寸法の平面とされ、図6に示すように、地板20の支持片29に当接されている。
また、突起部68、69は、正極缶62に対して、板厚面(板厚方向に沿った面)が対向するように曲げが施してある。このため、突起部68、69が正極缶62側に変形する剛性を高めることができ、突起部68、69は正極缶62側には殆ど変形しない。このため、突起部68,69が正極缶62に接触してショートする可能性が低いため、突起部68、69と正極缶62との隙間を極力低減している。
ここで、突起部68は、図7に示すように、回路導通ピン55に接触して導通するため、導通突起部として機能する。この導通突起部68は、回路導通ピン55に導通(接触)しやすくするため、導通突起部68の基端部から先端部の間で折曲され、この折曲部68Aの部分で回路導通ピン55に接触する。一方、突起部69は、地板20に当接するため当接突起部として機能する。
これらの各突起部68,69は、細長い板状に形成され、ばね性を備えている。各突起部68,69のばね力は、導通突起部68のばね力よりも、当接突起部69のばね力が大きくなるように設計されている。つまり、導通突起部68のばね定数よりも、当接突起部69のばね定数が大きく設計されている。具体的には、導通突起部68の基端部は、延出部67に対して湾曲部68Bを介して連続しており、この湾曲部68Bによって、導通突起部68のばね力は、当接突起部69に比べて小さくなるように設定されている。
回路基板50は、図3に示すように、地板20と回路押え板90の間に配置されている。この際、回路基板50は、必要最小限の面積となるように、回路押え板90において、蓄電体ユニット60が配置される孔部分から水晶振動子51の部分を介してステッピングモーター80の一方の端部が配置される部分までの領域に納まるサイズで形成されている。
この回路基板50は、ステッピングモーター80を駆動する駆動ICや、前記水晶振動子51、逆流防止ダイオードなどが取り付けられて回路ブロックとして構成され、併せてプラス導通部およびマイナス導通部,太陽電池VSS導通部により電力供給や太陽電池40による充電制御がなされている。以下の説明については構造の説明が主のため回路ブロックとしての機能が一部含まれるが回路基板50で説明を行う。
回路押え板90は、金属製(導電性)の板材であり、地板20にねじ止めで固定されている。本実施形態では、回路基板50に形成した正極(VDD)および負極(VSS)パターンのうち、正極(VDD)をグランド電極としている。この正極をグランド電極とする設定は、一次電池を用いた時計も含めて、多くの腕時計で採用されている。
さらに、回路押え板90には、図8,9にも示すように、蓄電体ユニット60が配置される略円形の開口が形成されている。この開口において、前記正極端子91,92と略対向する位置には、2箇所の突起94、95が形成されている。
そして、太陽電池付電子時計1においては、回路押え板90に設けられた前記正極端子91,92や、図5に示す弾性部96、97を介することにより、外装ケース100、裏蓋などの金属部品も、二次電池61と回路基板50の正極に導通され、それらの部品の電位もグランド電極とされている。
地板20には、図5に示すように、蓄電体ユニット60を裏蓋側から組み込むための凹部21が形成されている。
この凹部21の底面には、図4にも示すように、前記リード板65を配置可能な溝状の開口22が形成されている。図6、10に示すように、この開口22にリード板65を配置し、リード板65の厚さを地板20の厚さ寸法内に吸収することで、蓄電体ユニット60が配置された電源部分の厚さ寸法の増加を抑えている。なお、開口22つまりリード板65の文字板側には前記日車31が配置されている。
さらに、リード板本体66の地板20の中心側の側面66Aは、前記開口22の中心側の側面22Aつまり日車31の内周面に沿って略円弧状に形成されている。一方、リード板本体66の地板20の外周側の側面66Bは、前記負極キャップ63の外周円に沿った略円弧状に形成されている。
なお、日車等のカレンダー車が無い時計の場合には、地板20に形成される開口22の位置や形状の制約が少なくなる。このため、開口22の形成位置、形状、サイズや、リード板65の形状、固定位置などは本実施形態に限定されるものではない。
テーパ面部553の最大径は、導通部552よりも大きくされ、導通部552およびテーパ面部553の連続部分には段差554が形成され、いわゆるアンダーカット形状とされている。
そして、図7に示すように、延出部67を支持片29に当接した設置後の状態では、導通突起部68は、折曲部68Aがテーパ面部553から段差554を介して導通部552に接触する位置まで移動する。また、当接突起部69は、斜面28Aから当接面28Bに接触する位置まで移動する。
この際、凹部21において導通部552および当接面28B間の距離(幅寸法)は、地板20に組み込む前の導通突起部68および当接突起部69の最大幅寸法よりも小さく設定されている。このため、図7に示すように、導通突起部68および当接突起部69は、一点鎖線で示す組み込み前の状態に比べて、互いに近づく方向に変形され、その反力で導通突起部68の折曲部68Aは所定の接触圧で導通部552に接触する。
従って、二次電池61の負極キャップ63に固定されたリード板65を、回路導通ピン55に確実に接触でき、負極端子53を介して回路基板50の負極(VSS)にも確実に導通できる。
貫通孔26は、回路基板50に対向する位置に形成されている。このため、貫通孔26に挿通されたコイルばね48は、回路基板50の太陽電池VSS導通部に当接し、駆動ICなどへ発電に必要な配線がなされる。
従って、太陽電池40の正極43および太陽電池案内板45は、コイルばね47、49を介して回路押え板90に導通し、さらに、回路押え板90の正極端子91,92を介して、二次電池61の正極缶62に導通する。また、回路押え板90は、図5、9に示す弾性部98により、回路基板50のプラスパターン(正極配線、正極端子)56に導通する。
太陽電池40の正極43だけでなく、太陽電池案内板45もグランド電極に導通しているので、静電気の電荷を太陽電池案内板45からグランド電極に逃がすことができ、静電気の影響を軽減することができる。
次に、太陽電池付電子時計1における蓄電体ユニット60の組み込み方法について説明する。
蓄電体ユニット60の組み込み作業は、組込後の運針による無駄な放電を避けるためや検査のために、太陽電池付電子時計1の製造ラインの最終工程で行われる。
従って、外装ケース100にムーブメント2を組み付けた状態で、蓄電体ユニット60の組み込み作業が行われる。
太陽電池付電子時計1において、裏蓋が取り付けられていない状態では、ムーブメント2の裏面つまり凹部21が露出する。このため、前記蓄電体ユニット60を、負極側つまりリード板65側を地板20側に向けた状態で、凹部21に組み込む。
すると、前述したように、リード板65の導通突起部68および当接突起部69が、それぞれ回路導通ピン55のテーパ面部553および当接壁部28の斜面28Aに当接し、これらの傾斜面によって、互いに近づく方向に弾性変形する。
この際、導通突起部68は、折曲部68Aがテーパ面部553から段差554を介して導通部552に接触する位置まで移動する。また、当接突起部69は、斜面28Aから当接面28Bに接触する位置まで移動する。
このように、蓄電体ユニット60は、ネジを用いずにムーブメント2に組み込まれるため、簡単な作業で組み込むことができる。
蓄電体ユニット60をムーブメント2から取り外すには、蓄電体ユニット60を持ち上げて凹部21から取り外せばよい。すなわち、蓄電体ユニット60は、ねじ止めされていないため、二次電池61と地板20などの隙間にピンセット等を差し込み押し上げることで容易に外すことが可能である。
この際、蓄電体ユニット60の正極端子91,92側を持ち上げるようにして取り外すと、突起94、95に引っ掛からずにスムーズに取り外すことができる。
(1)二次電池61にリード板65を固定して蓄電体ユニット60を構成し、リード板65の延出部67に導通突起部68を設け、回路導通ピン55に接触させているので、二次電池61の負極キャップ63と、回路基板50の負極パターンとを回路導通ピン55を介して確実に導通できる。
特に、延出部67には、導通突起部68に対向する当接突起部69を形成し、これら2つの突起部68,69を、導通部である回路導通ピン55および当接部である当接壁部28間の凹部に配置し、各突起部68,69を回路導通ピン55、当接壁部28にそれぞれ当接させている。この際、各突起部68,69は弾性(ばね性)を有し、回路導通ピン55、当接壁部28間の凹部の幅寸法を、導通突起部68および当接突起部69がフリー状態(回路導通ピン55や当接壁部28に当接していない状態)での最大幅寸法よりも小さくしているので、導通突起部68および当接突起部69を所定の付勢力で回路導通ピン55や当接壁部28に圧接することができる。このため、導通突起部68を所定の接触圧で回路導通ピン55に接触させることができ、蓄電体ユニット60をネジで固定し導通させなくても、二次電池61の負極を、回路基板50の負極パターンに確実に導通させることができる。従って、部品点数を低減できてコストも低減できる。
さらに、回路押え板90に設けた正極端子91,92を二次電池61の正極缶62に所定の付勢力で当接させているので、蓄電体ユニット60をネジで固定しなくても、二次電池61の正極を、回路押え板90を介して、回路基板50の正極パターンおよび太陽電池40の正極43に確実に導通させることができる。
従って、蓄電体ユニット60の組込作業を容易に行うことができる。
併せて、延出部67も限りなく省スペースで実現可能なことにより、一次電池を使用しているムーブメントサイズで誤組込防止を実現する二次電池構造を実現することが可能である。
併せて、組込状態で左右どちらの回転方向に対しても所定の付勢する力を有するため、落下や衝撃が加わり回転する力が加わっても、状態を維持する保持力も強くできる。
このため、前記突起部68,69は、導通用だけでなく、蓄電体ユニット60の回転方向の位置決めを兼用でき、回路導通ピン55や当接壁部28に所定の接触圧で当接するため、蓄電体ユニット60の断面方向(時計の厚さ方向)の保持力も向上できると共に、接触位置が変わることにより、接触不良などのリスクを回避でき、信頼性を向上できる。
このため、突起部68,69を二次電池61の厚さ寸法内に収めることもでき、蓄電体ユニット60を配置する電源部の厚さ寸法を抑えることができる。そして、太陽電池付電子時計1で用いられる部品では、二次電池61の厚さ寸法は比較的大きいため、蓄電体ユニット60の厚さ寸法を抑制することで、時計1の薄型化を実現できる。
一方、本実施形態のように、突起部68,69を小型化でき、二次電池61の厚さ寸法内に納めることができれば、他の部品と接触してショートするおそれが無くなり、時計1の構造を簡易にできて、生産性を向上できる。
さらに、蓄電体ユニット60の組み込み時に、突起部68,69に想定以上の力が加わった場合に、導通突起部68は容易に弾性変形し、導通突起部68が塑性変形して回路導通ピン55側の初期撓み量が低下することを防止できる。
その上、本実施形態では、地板20に開口22を形成し、開口22にリード板65を配置しているので、さらに電源部の薄型化でき、これらの点でも太陽電池付電子時計1を薄型化できる。
これらにより、一次電池使用時と同様な厚みで太陽電池付電子時計1を実現することも可能である。
また、回路導通ピン55は、接触面の硬度が高く、鏡面化などの加工も容易であり、二次電池のサイズにより付勢力を高くするなどの対応がされても、安定した接触面の確保が可能であり、信頼性の高い導通構造を実現できる。
また、テーパ面部553から導通部552の接続部分に段差554が形成され、この段差554がつば部(アンダーカット)とされているので、蓄電体ユニット60が時計1の厚さ方向(断面方向)に移動しても、前記段差554によって、導通突起部68の接点部(折曲部68A)がテーパ面部553側に移動することを防止できる。このため、導通突起部68が導通部552から外れることがないため、落下や振動などの外的衝撃に対して導通の信頼性を向上できる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、導通突起部68および当接突起部69の両方とも弾性を有していたが、いずれか一方のみに弾性を持たせてもよい。例えば、導通突起部68のみに弾性を持たせ、当接突起部69には弾性力を与えない場合には、導通突起部68が回路導通ピン55を付勢する反力で、当接突起部69が当接壁部28に当接し、さらに、その反力で、導通突起部68が回路導通ピン55に圧接し、導通を確保することができる。
ただし、一方の突起部のみに弾性を持たせた場合は、前記実施形態の突起部68,69の2倍の撓み量を設定しなければならず、突起部が大型化するために、前記実施形態のように2つの突起部68,69に弾性を持たせたほうが小型化できる点で好ましい。
さらに、突起部68,69の寸法は、二次電池61の厚さ寸法内に納めていたが、特に、突起部68,69の一方のみに弾性を持たせた場合等、二次電池61の厚さ寸法よりも長く設定してもよい。
また、リード板65は、二次電池61の負極に固定する場合に限らず、正極に固定してもよい。さらに、リード板65は、グランド電極に設定された電極に固定する場合に限定されず、グランド電極では無い側に固定してもよい。
例えば、図11に示すように、回路導通ピン55を用いずに、回路基板50Aの負極端子(負極パターン)53Aに、導通突起部68を直接接触させてもよい。すなわち、図11の例では、回路基板50Aの端部を、回路押え板90の押圧部93で輪列受け82Aの段部に押し付けて、前記導通突起部68が接触可能な位置に配置し、導通突起部68を負極端子53Aに直接接触させて導通している。
これらの図11,12のように、回路導通ピン55を用いずに、回路基板50A、50Bに形成したパターンに、導通突起部68を直接導通させれば、回路導通ピン55を不要にできて部品数を少なくできる。
また、回路押え板90の突起94、95も必ずしも設けなくてもよい。
また、蓄電体としては、二次電池61に限らず、キャパシターなどの充電可能な機器であればよい。
また、本発明に係る充電式電子時計としては、腕時計タイプの時計を例示して説明したが、これに限らず、壁掛け時計等、他のタイプの時計であってもよい。
Claims (9)
- 電気エネルギーを充電する蓄電体、および、前記蓄電体の正極または負極に固定されたリード板を備える蓄電体ユニットと、
前記蓄電体ユニットが組み込まれるムーブメントと、を備える充電式電子時計であって、
前記リード板は、前記蓄電体の側方に延出された延出部を備え、
前記延出部には前記蓄電体の厚さ方向に伸び、かつ、互いに対向する導通突起部および当接突起部の2つの突起部が形成され、
前記導通突起部および当接突起部の少なくとも一方は弾性を有し、
前記ムーブメントは、前記蓄電体のリード板が固定された電極に導通する導通部と、前記導通部に対向する当接部とを備え、
前記導通部および当接部間の凹部に、前記2つの突起部が配置され、導通突起部が前記導通部に接触され、当接突起部が前記当接部に当接されている
ことを特徴とする充電式電子時計。 - 請求項1に記載の充電式電子時計において、
前記導通突起部および当接突起部はそれぞれ弾性を有する
ことを特徴とする充電式電子時計。 - 請求項2に記載の充電式電子時計において、
前記当接突起部の弾性力は、前記導通突起部の弾性力よりも大きい
ことを特徴とする充電式電子時計。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の充電式電子時計において、
前記導通突起部および当接突起部は、前記蓄電体の厚み寸法内に配置されている
ことを特徴とする充電式電子時計。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の充電式電子時計において、
前記ムーブメントは正極がグランド電極に設定され、
前記リード板は蓄電体の負極に固定され、
前記蓄電体ユニットは、前記蓄電体の正極が電子時計の裏蓋側に対向する向きで前記ムーブメントに組み込まれている
ことを特徴とする充電式電子時計。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の充電式電子時計において、
前記導通部は、前記ムーブメントの基枠に固定された導通ピンである
ことを特徴とする充電式電子時計。 - 請求項6に記載の充電式電子時計において、
前記導通ピンは、
電子時計の裏蓋側から文字板側に向かうにしたがって直径が大きくなるテーパ面部と、
前記テーパ面部の文字板側に連続し、かつ、前記テーパ面部の最大直径よりも小さな直径とされた導通部とを備え、前記テーパ面部および導通部の連続部分には段差が形成され、
前記リード板の導通突起部は、前記導通部に接触する
ことを特徴とする充電式電子時計。 - 請求項1から請求項7のいずれかに記載の充電式電子時計において、
前記リード板は、前記延出部の延出方向とは異なる方向で前記蓄電体の側方に突出する突出部を備える
ことを特徴とする充電式電子時計。 - ムーブメントに組み込まれる時計用の蓄電体ユニットであって、
電気エネルギーを充電する蓄電体と、
前記蓄電体の正極または負極に固定されたリード板とを備えて構成され、
前記リード板は、前記蓄電体の側方に突出する延出部を備え、
前記延出部には前記蓄電体の厚さ方向に伸び、かつ、互いに対向する導通突起部および当接突起部の2つの突起部が形成され、
前記導通突起部および当接突起部の少なくとも一方は弾性を有する
ことを特徴とする蓄電体ユニット。
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