JP2014001979A - タンパク質の分離精製装置及び分離精製方法 - Google Patents

タンパク質の分離精製装置及び分離精製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】試料を連続的に注入しながら、複数の段階のクロマトグラフィーの工程を連続的に行わせることができる分離精製装置及び方法を提供する。
【解決手段】2本のカラムを並列に配し、試料溶液を連続的に注入しクロマトグラフィー精製を行わせる液体クロマトグラフィー装置LCと、前記液体クロマトグラフィー装置LCへ連続的に試料溶液を注入するinラインと、前記液体クロマトグラフィー装置LCからの精製回収溶液の排出ラインEと、希釈用の溶液リザーバーBと、前記排出ラインEと前記希釈用溶液リザーバーBからの希釈用のラインを結び溶液を混合するミキサーMと、前記ミキサーで混合希釈された溶液を受け取る溶液リザーバーRと、当該溶液リザーバーRから次段階の液体クロマトグラフィー装置LCのinラインへつなげるためのoutラインとで構成される繰り返し構成単位を繰り返しつなげたことを特徴とする。
【選択図】図6

Description

本発明は、溶液中の物質の分離精製に関わる分野であって、複数の段階からなる液体クロマトグラフィー工程を用いて溶液中のタンパク質を分離精製する装置及び方法に関するものである。すでに本発明者らが発明している2本のカラムを並列接続してなる分離精製装置を用いることにより、複数の段階からなる液体クロマトグラフィー工程において、試料の注入の操作を連続的に行わせ、一工程の液体クロマトグラフィー操作に要する時間とほぼ同程度の時間で、複数の液体クロマトグラフィーを用いた分離精製を完了できるという特徴を有する。
液体クロマトグラフィーは取り扱いの容易さ、広範な分析対象、高い分離効率など、優れた性能を有することから、溶液中の物質の分離精製において有力な手段となっている。
特に、近年のタンパク質医薬品の市場の広がりに伴い、大腸菌などの宿主細胞で発現させた組み換えタンパク質などの精製に広く利用されている。
組み換えタンパク質を代表とする目的タンパク質は、大腸菌などの宿主細胞などを破砕して得られる無細胞抽出液などのタンパク質の混合溶液から、他の共雑タンパク質やそれ以外の共雑物を取り除くことにより精製がおこなわれるが、その際用いられる方法としては、目的タンパク質を共雑タンパク質ごともしくは目的タンパク質のみクロマト担体に吸着させ、その後、適切な溶出方法により、共雑タンパク質や共雑物と区別する条件で溶出回収すること、すなわち、吸着クロマトグラフィーにより分離する方法が極めて有効である。タンパク質の分離精製に用いられる液体クロマトグラフィーにおいては、吸着クロマトグラフィー以外に、分子ふるい(もしくはゲルろ過)など、タンパク質の分子サイズの差などによる方法他も利用されているが、大量のサンプルを処理でき、且つ、処理以前に比べてより濃縮した形態で回収できる方法としては、吸着クロマトグラフィーが最適であると考えられている。
タンパク質の分離精製の際に主に用いられる吸着型の液体クロマトグラフィーによる分離は、いわゆる、回分(バッチ)式の分離が広く適用されている。ここで、回分式とは、一つの充填カラムを使用し、カラムの平衡、カラムへのサンプルの注入による吸着、カラムからの目的物の溶出、及びカラムの再生と洗浄からなる一連の操作により完結する操作を示している。
バッチ式の吸着型クロマトグラフィーを適用する場合は、分離対象とする試料に合わせて、分離カラムのサイズ(容量)が定まってくる。すなわち、カラムへの目的タンパク質の吸着が完全に行われるだけの容量(結合容量)を有するカラムが最低必要となる。
従って、大容量の試料を液体クロマトグラフィーで分離精製する場合においては、試料に合わせて巨大な分離カラムを用いることが要求される。もし、巨大なカラムが準備できない場合は、試料をいくつかに分割して、液体クロマトグラフィーの操作を繰り返して行うことが必要となる。前者は、巨大なカラムを用いることによるカラムのコストと、そのサイズにあった設備を準備しなければならないなど、いわゆる、設備コストが大きな障害となる。一方、後者においては、適切なサイズに分割して、バッチ操作を行うことにより、設備コストの問題は緩和されるが、バッチ操作を繰り返すことによる操作時間が、分割の回数に比例して必要となる。すなわち、大量のサンプルの処理において長時間の処理時間を要することが大きな障害となる。
組み換え体で発現したタンパク質など、生体、生細胞、その培養液等を原料とするタンパク質を高度に精製して活用する場合、複数のクロマトグラフィーを用いた分離精製を行う必要がある。一般的には、タンパク質を精製する戦略としては、キャプチャー精製(Capture)工程、中間精製(Intermediate purification)工程および最終精製(Polishing)工程の3つのステップからなる3段階精製が適用される(GE Helthcare BioScience社、“はじめての抗体精製ハンドブック”)。ちなみに、3段階精製の考え方は3種類のクロマトグラフィーを行うということではないが、高純度が要求される医薬品として利用されるタンパク質の精製には、3種類以上の異なった分離カラムを用い、3種類以上のクロマトグラフィーによる分離精製工程を組み合わせることが推奨される。
例えば、抗体医薬品としての、ヒト型モノクローナル抗体の分離精製工程では、CHO細胞で分泌発現させ、培養液中に分泌蓄積したモノクローナル抗体を含む培養上清を原材料として、第1回目のクロマトグラフィーとして、プロテインA担体を用いたアフィニティクロマトグラフィーによる分離精製を行い、この工程で、精製・回収した精製溶液を用いて、分離剤としてイオン交換樹脂を用いたイオン交換クロマトグラフィーによる分離精製を行い(第2回目の液体クロマトグラフィー)、この工程で、精製・回収した精製溶液を用いて、分離剤として分子ふるい効果を持つゲルろ過クロマトグラフィーや、疎水性の違いで分離する疎水クロマトグラフィー、もしくは、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーなどから選択したクロマトグラフィーによる分離精製(第3回目の液体クロマトグラフィー)を行い、非常に純度の高いモノクローナル抗体溶液を調製している。
このような、クロマトグラフィー工程は、回分式の工程であるため、複数のクロマトグラフィー工程の全てが回分式となり、大量のサンプルを取り扱う場合においては、一つのクロマトグラフィー工程においてでさえ、巨大なカラムを用いる、もしくは、サンプルを分割し、分割回数に応じた分離処理時間をかけるなど、カラムのコストもしくは精製処理時間の長期化等の問題が、用いるクロマトグラフィーの種類を増やすごとに大きくなる。このことが、できるだけ短期間に且つ低コストでタンパク質精製を行ううえで大きな障害となっている。
そこで、本発明者は、先に、2本ないし3本の分離カラムを並列化し、クロマトグラフィー時のサンプル及び分離溶液等の溶液の送液をコントロールすることにより、試料を連続的に注入しながらタンパク質の分離精製を行うことを特徴とする液体クロマトグラフィー装置を開発し既に出願している(特許文献1、2参照)。
また、本発明者は、分離カラムの並列化に関しては、試料中のタンパク質濃度、カラムの吸着容量、および、送液速度において、多くの場合、2本の分離カラムの並列化でいわゆる連続クロマトグラフィーを実現できることを示している(特許文献2参照)。
本発明者以外においても、クロマトグラフィーの連続化技術に関連しては、既にいくつかの試みがなされている。例えば、液体クロマトグラフィーの分野において、分離度を高めるために、複数本のカラムを無端円状に連結し、移動相の流れ方向に供給口、抜取口を切り替えていき、擬似的に固定相を移動相の流れに対して逆方向に移動させ目的成分を連続的に分離するシステム(擬似移動床法:Simulated Moving Bed(SMB)法)が、開発され利用されている(非特許文献1、特許文献3〜5参照)。SMBの原理では、複数のカラムを並列化して、その中のひとつのカラムが、バッチ操作における「平衡化(初期化)」→「(試料タンパク質)吸着」→「(未吸着画分)洗浄」→「(目的タンパク質)溶出」→「カラム再生」のいずれかの工程を行って、次のカラムへその同じ工程を引き渡す。これを繰り返すとひとつのカラムにおいては、この5つの工程をバッチ操作のように繰り返すだけだが、全体として、いつでもどこかのカラムでそれぞれの工程が必ず行われる、という擬似的な連続操作状態が完成する。SMB法の実現には、各種方法が考えられるが、例えば、多数本のカラムを直列に接続し、各液タンクとカラムとの接続配管の途中にロータリーバルブ等を配したシステムで構築されている例もある。この場合は、ロータリーバルブを一定時間(ピリオドタイム)毎に同時に次々と切り替えていき、各液の仕込み口、取り出し口をひとつずつ左へ順次移動させることにより行う。この方法の特徴は、2つ以上の成分を含む溶液から各成分の移動速度の差に応じて2つの画分に分離するために用いられ、8〜16の分離カラムから構成され、優れたプロセス原理に基づき高い分離精度と効率を得ることが出来るが、設備構成及び制御が複雑になり建設コストが高価となる。
特開2010−271300号公報 特開2011−214837号公報 特表2008−539395号公報 特表2002−40008号公報 特開2003−329660号公報
Gottchlich,N. Kasche,V.(1997)J.Chromatography A,vol.765,pp.201−206
本発明は、複数の液体クロマトグラフィーを用いた分離精製工程において、試料を連続的に注入しながら、すべてのクロマトグラフィーの工程を連続的に行わせることを目的としている。このことにより、バッチ式のクロマトグラフィーを用いた複数のクロマトグラフィー工程の処理時間を著しく短縮できること、および、用いるカラム担体の使用量を大幅に減らすことが可能になると考えられるからである。
すでに、本発明者は、一つの液体クロマトグラフィー操作においては、試料の連続注入ということを実現しているが、複数のクロマトグラフィーを連続的に行うには至っていなかった。その大きな要因としては、例えば、吸着クロマトグラフィーを例にとると、クロマトグラフィーを適用するための試料溶液について、試料中の対象タンパク質をクロマト担体に吸着させる必要があり、試料溶液が吸着できるように、例えば、溶媒交換(バッファー交換)などの前処理を施さなければならない。2段階のクロマトグラフィーを用いた精製の場合、1段階目のクロマトグラフィー精製で回収した溶液は、多くの場合、そのままの状態では、適切な吸着条件を満足せず、次のクロマトグラフィーに適用することが困難である。この場合、回分式の場合は、透析などの手段で、バッファー交換を行い、次のクロマトグラフィー用の試料としている。通常、透析操作は、クロマトグラフィーの運転時間と同程度もしくはそれよりも長時間に及ぶ。従って、この問題が解消できないと、2つのクロマトグラフィーの連続化を実現することは困難となっていたのである。
透析以外にバッファー交換と同じ効果を奏する方法としては、大量のバッファー溶液で希釈する方法が考えられるが、回分式の場合、前段階のクロマトグラフィー操作により、折角、精製濃縮した試料を希釈し大容量の溶液とすることは、当業者の多くにとっては、非効率であり、このことにより、非現実的であると考えられている。
本発明者は、当業者が非現実的であると考えている大量希釈によるバッファー交換法に着目し、上記問題の解消ができるものとの着想を得た。なぜならば、本発明者らがすでに開発している2本の並列カラムより構成される連続クロマトグラフィーにおいては、タンパク質溶液が希薄である場合に優位性が発揮できるという特徴を有しているからである。
すなわち、本発明は、試料を連続的に注入しながら、複数のカラムクロマトグラフィーによるタンパク質の精製を連続した流路を経て行うことを特徴とするタンパク質の分離精製装置である。
また、本発明はタンパク質の分離精製装置において、図4に示される構成単位をn個、ここでnは2以上の整数、有することを特徴とするタンパク質の分離精製装置である。
ただし、図中、点線四角で囲った部分は、試料を連続的に注入することによりクロマトグラフィーの分離を行い、精製分離して得られた試料を適宜希釈し回収することを行う機能を有する構成単位を示しており、図中、Sは試料のリザーバーを、inは試料の注入ラインを、LCは、試料を連続注入しながらクロマトグラフィーによる分離精製を行う連続クロマトグラフィー装置を、Eは、LCで精製された試料の回収ラインを、Mはミキサーを、Bは希釈用溶媒のリザーバーを、Pは希釈用溶媒を送液するポンプを、Rは、LCでの精製回収希釈した溶液のリザーバーを、outはRから次のLCへ試料を送液するためのラインを示している。
また、本発明は、上記タンパク質の分離精製装置において、2つのクロマトグラフィーによるタンパク質の精製を連続した流路を経て行う、nが2であることを特徴とするタンパク質の分離精製装置である。
また、本発明は、上記タンパク質の分離精製装置において、2つのクロマトグラフィーによるタンパク質の精製を連続した流路を経て行う、nが3であることを特徴とするタンパク質の分離精製装置である。
また、本発明は、試料を連続的に注入しながら、複数のカラムクロマトグラフィーによるタンパク質の精製を連続した流路を経て行うことを特徴とするタンパク質の分離精製方法である。
また、本発明は、上記タンパク質の分離精製方法において、図4に示される構成単位をn個、ここでnは2以上の整数、有することを特徴とするタンパク質の精製方法である。
ただし、図中、点線四角で囲った部分は、試料を連続的に注入することによりクロマトグラフィーの分離を行い、精製分離して得られた試料を適宜希釈し回収することを行う機能を有する構成単位を示しており、図中、Sは試料のリザーバーを、inは試料の注入ラインを、LCは、試料を連続注入しながらクロマトグラフィーによる分離精製を行う連続クロマトグラフィー装置を、Eは、LCで精製された試料の回収ラインを、Mはミキサーを、Bは希釈用溶媒のリザーバーを、Pは希釈用溶媒を送液するポンプを、Rは、LCでの精製回収希釈した溶液のリザーバーを、outはRから次のLCへ試料を送液するためのラインを示している。
また、本発明は、上記タンパク質の分離精製方法において、nが2であることを特徴とするタンパク質の分離精製装置によりタンパク質の精製を連続した流路を経て行うことを特徴とするタンパク質の分離精製方法である。
また、本発明は、上記タンパク質の分離精製方法において、プロテインAアフィニティクロマトグラフィーと陽イオン交換クロマトグラフィーを組み合わせて抗体の分離を行うことを特徴とするタンパク質の分離精製方法である。
また、本発明は、上記タンパク質の分離精製方法において、ニッケルキレートカラムを用いたクロマトグラフィーと陰イオン交換クロマトグラフィーを組み合わせてヒスタグタンパク質の分離精製を行うことを特徴とするタンパク質の分離精製方法である。
また、本発明は、上記タンパク質の分離精製方法において、nが3であることを特徴とするタンパク質の分離精製装置によりタンパク質の精製を連続した流路を経て行うことを特徴とするタンパク質の分離精製方法である。
また、本発明は、上記タンパク質の分離精製方法において、プロテインAアフィニティクロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィーおよび陰イオン交換クロマトグラフィーを組み合わせて抗体の分離を行うことを特徴とするタンパク質の分離精製方法である。
また、本発明は、上記タンパク質の分離精製方法において、ニッケルキレートカラムを用いたクロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィーおよび陽イオンクロマトグラフィーを組み合わせてヒスタグタンパク質の分離精製を行うことを特徴とするタンパク質の分離精製方法である。
本発明の複数の段階からなるクロマトグラフィー精製では、前段階のクロマトグラフィー精製で回収した溶液を、そのまま次の段階のクロマトグラフィー精製に利用することができるようにしたので、試料を連続的に注入しながら、すべてのクロマトグラフィーの工程を連続的に行わせることができる。そのため、本発明では、バッチ式のクロマトグラフィーを用いた複数のクロマトグラフィー工程の処理時間に比べて著しく短縮でき、また、用いるカラム担体の使用量を大幅に減らすことができる。
図1は、並列化した2本の分離カラムのカラムスイッチにより連続クロマトグラフィーの概要を示している。 図1に示した2本のカラムを用いて、試料溶液を連続的に注入しクロマトグラフィーを繰り返し行うことの工程を模式的に示した図である。 2本のカラムを並列に配し、図2に示した工程である試料溶液を連続的に注入しクロマトグラフィーを連続的に繰り返し行わせることを行わせるための液体クロマトグラフィー装置の流路図の1例を示す図であるである。 本発明の複数の段階からなる連続クロマトグラフィー装置内のある一つのクロマトグラフィーを連続的に行わせるための構成単位を示す図である。 図4に示した構成単位の流路図の一例を示した図である。 本発明の複数の段階からなる連続クロマトグラフィー装置構成の概略図を示す図である。 図7は、別途行った第1段階のみの精製による精製回収溶液(ACと表示、点線)と本実施例1における第2段階での精製回収溶液(AC+IEXと表示、実戦)のサンプルをゲルろ過カラムで解析した調べた結果を示した図である。
本発明者による先行発明(特許文献2)において、対象とするタンパク質試料溶液が希薄であるか否かということを、以下のように整理されている。
吸着クロマトグラフィーを用いて精製・濃縮を試みる際に、タンパク質が希薄であるか否かを論じるためには、分離カラムについて単位体積当たりの、(1)適用するカラム担体が示すタンパク質の最大結合容量(これを、Q(単位:mg/mL−カラム)とあらわすことにする)、(2)タンパク質の吸着以外の操作に必要な各種溶液の総量(これを、W(単位:mL)とあらわすことにする)、(3)対象とするタンパク質溶液中のタンパク質の総量(これを、P(単位:mg)とあらわすことにする)、(4)対象とするタンパク質溶液の総容量(これを、V(単位:mL)とあらわすことにする)、という値を用いると、Q×W>P×V、という条件が成り立つ場合は、対象となるタンパク質溶液は、単に体積当たりの分離カラムに対して十分希薄であるということができる。もしくは、タンパク質溶液中のタンパク質濃度(これを、C(mg/mL)(=P/V)とあらわすことにする)を用いると、Z=Q/C(mL/mL−カラム)という値が計算されるが、Zカラム容量内において、吸着クロマトグラフィーにおけるタンパク質の吸着以外の操作が完了できる場合は、対象となるタンパク質溶液が希薄であるということができる。
この条件を満たすタンパク質溶液を用いると図1、2に示すように、2本の並列カラムを用いることにより、2本のうちのいずれか一方のカラムにタンパク質溶液(試料溶液)を注入しながら、他方のカラムで、洗浄→溶出→再生→平衡化(初期化)の操作を行いながら、溶出の操作のところで精製されたタンパク質を回収するという操作を、洗浄→溶出→再生→平衡化(初期化)のサイクルが終了するごとに,試料溶液を通液するカラムと洗浄→溶出→再生→平衡化(初期化)の操作を行うカラムを相互に交換する(実際には、流路を変える)ことにより、試料を連続的に注入しながら、クロマトグラフィーによる精製を行うことができる。
図1、2は、2本のカラムを用いて、試料溶液を連続的に注入しクロマトグラフィーを繰り返し行うことの工程を模式的に示した図である。洗浄→溶出→再生→平衡化(初期化)の操作を一つのサイクルとして、3つの引き続くサイクルにおけるカラムAとカラムBの工程を示している。サイクルn−1においては、カラム1において洗浄→溶出→再生→平衡化(初期化)の操作を行っている間中、カラム2においては試料が注入されている。カラム1の平衡化工程が終了した時点で、流路を切り替え、次のサイクル(サイクルn)に移り、カラム1には試料を注入し、カラム2においては、洗浄→溶出→再生→平衡化(初期化)の操作を行う、以下同様に流路を切り替え、次のサイクルに移る。この工程により、試料溶液は、カラム1もしくはカラム2のどちらか一方に送液される。このことにより、試料溶液の連続注入が実現される。また、カラム1もしくはカラム2のどちらか一方において分離カラムを用いた分離・溶出が行われ、精製分離したタンパク質を、それぞれのサイクルごとに回収できる。この操作を行わせる流路構成として図3に示した構成がある(特許文献2)。
液体クロマトグラフィーにより精製溶出して溶液を、次の精製段階で用いられる液体クロマトグラフィーにおける吸着条件に適した緩衝液を用いて大量に希釈することにより、吸着に適した溶液条件にできるが、この希釈操作により、タンパク質は希釈される。すなわち、希薄なタンパク質溶液を調製することが容易にでき、この希薄なタンパク質溶液は、次の精製段階に用いられる連続液体クロマトグラフィーのための試料溶液としては、希薄なタンパク質溶液であるという条件を十分満足するものと考えられる。このことにより、複数のクロマトグラフィーを連続的に行わせるための障害となっていた問題を解消できるものと考えられた。
すなわち、本発明者は、鋭意検討の結果、複数のクロマトグラフィーによるタンパク質の分離精製を連続的に行わせる方法として、先行する段階の液体クロマトグラフィーにより精製溶出した溶液を、溶出と同時に大量の適切な緩衝液で希釈し、これを次の段階の液体クロマトグラフィーに連続注入し、連続クロマトグラフィーを行わせ、以下同様にして、次の段階のクロマトグラフィーを行わせるという着想を得て、複数の段階からなる連続クロマトグラフィー工程を構築することにより、本発明を行った。
図3は、2本のカラムを並列に配し、図2に示した工程である試料溶液を連続的に注入しクロマトグラフィーを連続的に繰り返し行わせることを行わせるための液体クロマトグラフィー装置の流路図の1例を示す図である。図中、Sは、試料溶液のリザーバーを、E1,E2,E3,E4,E5,E6は、クロマトグラフィーに用いる各種溶液のリザーバーを示し、P1及びP2は送液ポンプを示し、RT1,RT2,RT3,RT4は、ロータリーバルブを示し、SW1及びSW2は、電磁バルブを示し,C1、C2は、クロマトグラフィーに用いる分離カラムを示し、R,R1,R2,R3,R4,R5,R6は、カラムから流れ出てきた溶液を回収するためのリザーバーを示し、UV−Mは、UVモニターを示し、conは、電導度モニターを示している。
なお、RT2とRT3は、2つの流路を同時に切り替えるバルブであり、図中RT2で1の流路が選択された場合、P1ポンプで送液されてきた溶液が、カラム1へ、P2ポンプで送液されてきた溶液がカラム2に流れ、RT2で2の流路が選択された場合は、P1ポンプで送液されてきた溶液が、カラム2へ、P2ポンプで送液されてきた溶液がカラム1に流れることを示している。同様に、図中RT3で1の流路が選択された場合、カラム1を通過した溶液が、Rで示すリザーバーに流れ、カラム2を通過した溶液が、UV−Mとconで示すモニターをへて、RT4で選択されたR1からR6のいずれかのリザーバーに流れることを示し、図中RT3で2の流路が選択された場合、カラム2を通過した溶液が、Rで示すリザーバーに流れ、カラム1を通過した溶液が、UV−Mとconで示すモニターをへて、RT4で選択されたR1からR6のいずれかのリザーバーに流れることを示している。
この、流路図は、本発明者による先行発明(特許文献2)に記載のクロマトグラフィー装置に該当する流路図と同等の流路図である。
図4は、本発明の複数の段階からなる連続クロマトグラフィー工程を構成する構成単位の概略図を示す。図中、Sは、試料溶液のリザーバーを示し、LCは、図1に例示される流路構成を有する試料溶液を連続的に注入しクロマトグラフィーを連続的に繰り返し行わせることを特徴とする液体クロマトグラフィー装置から、試料溶液リザーバーSを取り除いた装置を示し、Eは、図5に例示される流路構成を有する試料溶液を連続的に注入しクロマトグラフィーを連続的に繰り返し行わせることを特徴とする液体クロマトグラフィー装置のカラムから流れ出てきた溶液を回収するためのリザーバーR,R1,R2,R3,R4,R5,R6のいずれか一つのリザーバーへの溶出出口を示し、Bは、バッファー交換用のための大量希釈溶液のリザーバーを示し、Pは、送液ポンプを示し、Mは、Eからの溶液とPから送られてくる溶液の混合器(ミキサー)を示し、Rは、混合された溶液を集めるリザーバーを示す。outは、リザーバーRから、次の装置へ送液ラインでつなげていることを示す。点線四角で囲んだ部分が構成単位であり、図に示すoutのラインを次の装置のinのラインにつなぐことにより、構成単位を繰り返しつなげることができる(図6参照)。
図6は、本発明の複数の段階からなる連続クロマトグラフィー装置構成の概略図を示す。点線四角で囲った部分を次々とつなぐことにより装置が構成されていることを示している。図中記号は、図4に示したものと同一である。なお、最初の部分は、inのラインの前に、サンプルリザーバーがあり、最後の部分には、溶出して出てきた精製溶液を希釈するポンプおよびラインが取り付けられていない。図中鍵括弧でおおきく区切った部分を、繰り返しつなげることにより、クロマトによる分離工程を任意に増やすことができる。
本発明に使用されるクロマトグラフィー装置は、構成要素として図3及び図5に示す連続クロマトグラフィー装置を、図6に示すように結合した構成からなる構成図で持って示すことができる。
すなわち、本発明に使用される液体クロマトグラフィー装置は、図3に示すような構成でもって示される2本のカラムを並列に配し、試料溶液を連続的に注入しクロマトグラフィーを行わせることを特徴とする液体クロマトグラフィー装置(これをLC部分と称する)を構成要素として有し、これに、図4で示すように、希釈用の溶液リザーバー、送液ライン、送液ポンプおよびLC部分からの精製回収溶液の排出ライン(Eラインと称する)と希釈用のラインとを結び、これらのラインから送り込まれてくる溶液を混合するためのミキサー、混合希釈された溶液を受け取る溶液リザーバー、この溶液リザーバーから次のクロマトグラフィー装置のサンプル注入ラインをつなげるライン(outライン/inラインと称する)で構成される装置を繰り返し構成単位とし、この単位が、図6に示すように複数連結した構成を有する装置である。
本装置においては、図6に示す全体構成のうち、LCで示した部分が、図3の構成で例示されるような、試料溶液を連続的に注入しクロマトグラフィーを行わせる装置であることから、すでに、本発明者らの発明(特許文献2)に示されるように2本の同一の分離担体、同一サイズのカラムを用いることにより、用いた分離担体の特性に応じた分離精製を、試料溶液を連続的に注入することにより、試料溶液が尽きるまで行うことが可能である。
図3で例示される装置を用いたクロマトグラフィーにおいては、図2の工程図に示されるように、分離精製された精製溶液が間欠的に回収される。回収されたタンパク質溶液は、そのままでは、次のクロマトグラフィーの工程の試料溶液としては、適さない場合が通常である。例えば、第1段階のクロマトグラフィーとして、陰イオン交換カラムを用いたとして、対象タンパク質の溶出には、試料の吸着(注入)の時に用いられた溶液よりも、より高塩濃度の溶液が用いられる。もし、第2段階のクロマトグラフィーとして、再度、陰イオン交換カラムを用いた場合、少なくとも、第1段階で溶出、回収されたタンパク質溶液の塩濃度は、第2段階のクロマトグラフィーにおいては、資料中の目的タンパクを該カラムに吸着するためには、高すぎる塩濃度であることは明白であり、このような場合は、塩濃度を下げる操作が必要である。
本発明においては、間欠的に回収するタンパク質溶液を、回収時に図4に示されるように、リザーバーBの希釈用の溶液をポンプPで送液し、ミキサーMで回収されたタンパク質溶液と混合し、これをリザーバーRに送り、Rに希釈回収された溶液を、次の段階の連続クロマトグラフィー装置に送り込むという操作を行う。この場合、回収された溶液の希釈倍率は、図3に示す送液ポンプP2の送液速度(p2(mL/min)とする)と図4に示す希釈用溶液を送液するポンプPの送液速度(p(mL/min)とする)の値を用いて、p/p2の値で計算される。逆に、pの値を適宜変えることにより希釈倍率を変更することができる。
リザーバーRに蓄えられた希釈された試料は、次の段階の連続クロマトグラフィー装置に供給するが、その際の送液速度は、前段階連続クロマトグラフィーのサイクル時間(これを、CS1(min)とする)あたりに蓄えられる希釈・回収される試料溶液の容量(これを、VR1(mL)とする)の値から計算される値(VR1/CS1(mL/min))に設定することが望ましい。何故ならば、この値を超えると、次の段階において送液する試料が不足するからである。
リザーバーRに蓄えられた希釈された試料を、上記の計算される値に従って送液し、第2段階のクロマトグラフィーを行う。第2段階において間欠的に回収するタンパク質溶液を第1段階のクロマトグラフィーと同様に、2台目のLC装置に取り付けたリザーバーBの希釈用の溶液をポンプPで送液し、ミキサーMで回収されたタンパク質溶液と混合し、これをリザーバーRに送り、Rに希釈回収された溶液を、第3段階の連続クロマトグラフィー装置に送り込むという操作を図5の装置構成に従って繰り返して行い、最後のクロマトグラフィーにおいてのみ、間欠的に回収するタンパク質溶液を回収するという操作を行う。
この操作において、第2段階目以降のLC装置への試料の連続注入の開始は、前段階のクロマトグラフィーにおいて行われる最初のサイクルにおいて間欠的に回収するタンパク質溶液を希釈し、リザーバーRに蓄える操作が完了した時点に行うことが望ましい。前段階における最初のサイクルにおける当該操作が完了する時点は、あらかじめ自動的に計算でき、この時点をプログラムに組み込むことができる。従って、図5に示す装置の稼働においては、2台目以降のLC装置への試料注入開始時点を自動的に計算された時点から開始する様にできる。従って、第1段階目のLCに試料の連続注入が開始された後、自動的に計算された時点ごとに、2台目以降のLCに試料の連続注入がはじまる。同様に、第1台目の停止は、注入試料が完結したのち、その試料に由来する精製された溶液が回収・希釈された後に、当該カラムの再生・初期化処理が完了した時点にあらかじめ設定したタイムプログラムに従って行われる。同様に、2台目以降の装置についても同様に1台目のLCの停止以降設定された時点で停止される。
このように、各LC部分のポンプのオン、オフ、流速やバルブの切り替えなどは、あらかじめコンピュータ等でプログラムしておくことにより制御できる。従って、本装置を用いることにより、サンプルの送液を開始した後は、サンプルが尽きるまで、連続的に作動し、完全自動化により、タンパク質の連続精製を行うことができる。
[典型的な利用例]
図6に示される構成よりなる装置を用いたタンパク質の精製に関しては、各種クロマトグラフィーを色々と組み合わせることにより達成することができる。これまでに発明者らは、精製したモノクローナル抗体タンパク質とヒスタグタンパク質を用いて、表1に示すような各種クロマトグラフィーの組み合わせを用いて多段階の連続クロマトグラフィーが適用できることを確認している。当業者であれば、この結果から、アフィニティクロマトグラフィーや吸着クロマトグラフィーである(陰陽)イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを自由に組み合わせることが可能であることは容易に類推できる。更に、当業者であれば、対象となるタンパク質において、その精製手段として適用できる吸着クロマトグラフィーが複数あり、適用したクロマトグラフィーを用いて精製・回収したサンプルを適切な緩衝液で希釈することにより、異なった種類の吸着クロマトグラフィーに適用できることは自明である。従って、表1に示した結果で本発明は限定されず、タンパク質すべてについて、本発明の複数のクロマトグラフィーを組み合わせ多段階の連続クロマトグラフィーが適用可能である。
以下に、本発明の装置を用い、実際の培養液を用いて行った、2種以上の連続クロマトグラフィーによる精製の典型的な例を示す。
Figure 2014001979
[実施例1]2段階の連続クロマトグラフィーによるCHO細胞で発現させたモノクローナル抗体の精製(表1の利用例1に対応)
CHO細胞で発現したモノクローナル抗体の精製において、抗体のFc領域を特異的に認識結合するタンパク質であるプロテインAやプロテインGもしくはその誘導体などのタンパク質リガンドを固定化したアフィニティ担体を用いた精製を第1段階に行い、吸着洗浄後、弱酸で溶出回収される画分を中性の緩衝液で希釈中和し、これを、陽イオン交換担体を用いたカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、アフィニティ精製とポリッシング精製を連続的に行うことができる。
本実施例においては、サンプルとして、CHO細胞で発現させた抗ヒトIL8ヒト型モノクローナル抗体のCHO細胞培養液(培養液中の抗体濃度=0.13mg/mL)を800mL用いた。
第1段階 (プロテインAアフィニティカラム精製)
・カラム:本発明者らが開発した改変プロテインA(AIST−2と名付けた)を配向制御固定化したシリカモノリスカラム、カラムサイズ 1mL、2本並列
・カラム平衡化溶媒(図2の平衡に対応):0.1M リン酸ナトリウム緩衝液、pH7.2
洗浄用緩衝液(図2の洗浄に対応):1M NaCLを含む5mM リン酸ナトリウム緩衝液、pH7.2
・抗体溶出用溶媒(図2の溶出に対応):0.1M クエン酸ナトリウム緩衝液、pH3.5
・カラム再生用溶媒(図2の再生に対応):0.1M グリシン塩酸緩衝液、pH2.5
・希釈用緩衝液(溶出サンプルの希釈用):20mM リン酸ナトリウム緩衝液、pH6.0
・サンプル送液の流速:1.0mL/min
・サイクル:洗浄(10カラム容量、流速1.0mL/min)−溶出(10カラム容量、流速1.0mL/min)−再生(10カラム容量、流速1.0mL/min)−平衡化(10カラム容量、流速1.0mL/min)よりなるサイクル、サイクル時間=40min
・溶出サンプルの回収:溶出溶液の送液開始55秒後に回収開始、120秒間回収、回収と同時に希釈用緩衝液を流速10mL/minで送液、T−ミキサーで混合希釈(結果10倍希釈)
・トータルサイクル数:20サイクル(カラムスイッチの回数)
・第1段階の稼働時間=最初のサンプル送液時間(40min)+20サイクル(40min×20=800min)+サンプル送液終了後の洗浄−溶出−再生―平衡化処理(40min)=880min
・溶出希釈回収した精製溶液の総量=(2mL(溶出回収量)+20mL(希釈緩衝液))×20(サイクル数)=440mL
第2段階 (陽イオン交換クロマトグラフィー)
・第1段階にサンプル送液開始後80minたった時点で第二段階のサンプル送液を開始
・カラム:GEヘルスケア社製、HiTrapSPHPプレパックカラム 1mL、2本並列
・カラム平衡化溶媒(図2の平衡に対応):10mM リン酸ナトリウム緩衝液、pH6.0
洗浄用緩衝液(図2の洗浄に対応):50mM NaCLを含む5mM リン酸ナトリウム緩衝液、pH6.0
・抗体溶出用溶媒(図2の溶出に対応):0.2M NaCLを含む5mM リン酸ナトリウム緩衝液、pH6.0
・カラム再生用溶媒(図2の再生に対応):1.0M NaCLを含む5mM リン酸ナトリウム緩衝液、pH6.0
・サンプル送液の流速:0.55mL/min
・サイクル:洗浄(10カラム容量、流速1.0mL/min)−溶出(10カラム容量、流速1.0mL/min)−再生(10カラム容量、流速1.0mL/min)−平衡化(10カラム容量、流速1.0mL/min)よりなるサイクル、サイクル時間=40min
・溶出サンプルの回収:溶出溶液の送液開始170秒後に回収開始、360秒間回収
・トータルサイクル数:20サイクル(カラムスイッチの回数)
・第1段階の稼働時間=最初のサンプル送液時間(40min)+20サイクル(40min×20=800min)+サンプル送液終了後の洗浄−溶出−再生―平衡化処理(40min)=880min
・溶出回収した精製溶液の総量=6mL(溶出回収量)×20(サイクル数)=120mL
・第2段階の稼働時間=最初のサンプル送液時間(40min)+20サイクル(40min×20=800min)+サンプル送液終了後の洗浄−溶出−再生―平衡化処理(40min)=880min
・第1段階から第2段階が終了するまでに要した時間=80min(第1段階開始後第2段階が始まるまでの待ち時間)+880min(第2段階の稼働時間)=960min(16時間)
表2にこの精製についての結果のまとめを示している。なお、第1段階の精製においてすでに95%以上の精製度となっており、タンパク質量の測定および抗体量の測定の誤差が5%程度もしくはそれ以上であることから、各精製ステップ後の精製抗体量はタンパク質測定の値と同じであるとして記載している。なおタンパク質の定量はBCA法、モノクローナル抗体の定量はスピンカラム法で行った。
結果、800mLのサンプルから、1mLの小さなカラム2本を用いることで、回収率約78%で純度が95%以上の精製が、16時間で達成できた。
Figure 2014001979
図7は、別途行った第1段階のみの性背による精製回収溶液(ACと表示、点線)と本実施例における第2段階での精製回収溶液(AC+IEXと表示、実戦)のサンプルをゲルろ過カラムで解析した調べた結果を示している。縦軸は、280nmにおける吸収(任意単位)を横軸はサンプル注入後の経過時間(分)を示している。モノクローナル抗体の溶出位置は、約1.4分に溶出するピークに対応する。点線で示す曲線のうち、約2分に溶出するピークは、低分子物質の溶出位置に相当し、タンパク質性不純物ではないと考えられるが、2つのクロマトグラフィーを連続して行い精製することにより、非常に高純度の抗体タンパク質が得られたことを示している。
[実施例2]3段階の連続クロマトグラフィーによるCHO細胞で発現させたモノクローナル抗体の精製(表1の利用例2に対応)
実施例1のクロマトグラフィー操作に更に陰イオン交換クロマトグラフィー操作を行うことにより、第2段階までに操作による精製後でも極微量含まれている可能性がある核酸物質などの不純物を除去することが行われる。そこで、実施例と同様の操作に加え、第3段階として、陰イオン交換クロマトグラフィーの操作を加えて、3段階の連続クロマトグラフィーの操作を行った。条件は、第1段階までは実施例2と同じカラムと緩衝液を用いて行った。
本実施例においては、サンプルとして、CHO細胞で発現させた抗ヒトEGRFヒト型モノクローナル抗体のCHO細胞培養液(培養液中の抗体濃度=0.24mg/mL)を800mL用いた。
・第1段階:実施例1に記載の条件と同一
・第2段階 (陽イオン交換クロマトグラフィー)
・第1段階にサンプル送液開始後80minたった時点で第2段階のサンプル送液を開始
・カラム:GEヘルスケア社製、HiTrapSPHPプレパックカラム 1mL、2本並列
・カラム平衡化溶媒(図2の平衡に対応):10mM リン酸ナトリウム緩衝液、pH6.0
洗浄用緩衝液(図2の洗浄に対応):50mM NaCLを含む5mM リン酸ナトリウム緩衝液、pH6.0
・抗体溶出用溶媒(図2の溶出に対応):0.2M NaCLを含む5mM リン酸ナトリウム緩衝液、pH6.0
・カラム再生用溶媒(図2の再生に対応):1.0M NaCLを含む5mM リン酸ナトリウム緩衝液、pH6.0
・希釈用緩衝液(溶出サンプルの希釈用):20mM リン酸ナトリウム緩衝液、pH9.0
・サンプル送液の流速:0.55mL/min
・サイクル:洗浄(10カラム容量、流速1.0mL/min)−溶出(10カラム容量、流速1.0mL/min)−再生(10カラム容量、流速1.0mL/min)−平衡化(10カラム容量、流速1.0mL/min)よりなるサイクル、サイクル時間=40min
・溶出サンプルの回収:溶出溶液の送液開始170秒後に回収開始、360秒間回収、回収と同時に希釈用緩衝液を流速1mL/minで送液、T−ミキサーで混合希釈(結果2倍希釈)
・トータルサイクル数:20サイクル(カラムスイッチの回数)
・第1段階の稼働時間=最初のサンプル送液時間(40min)+20サイクル(40min×20=800min)+サンプル送液終了後の洗浄−溶出−再生―平衡化処理(40min)=880min
・溶出希釈回収した精製溶液の総量=(6mL(溶出回収量)+6mL(希釈緩衝液))×20(サイクル数)=240mL
・第2段階の稼働時間=最初のサンプル送液時間(40min)+20サイクル(40min×20=800min)+サンプル送液終了後の洗浄−溶出−再生―平衡化処理(40min)=880min
・第1段階から第2段階が終了するまでに要した時間=80min(第1段階開始後第2段階が始まるまでの待ち時間)+880min(第2段階の稼働時間)=960min(16時間)
第3段階 (陰イオン交換クロマトグラフィー)
・目的とするモノクローナル抗体は、中性付近で用いた陰イオン交換カラムに吸着しないことから、サンプル溶液を陰イオンカラムに送液し、非吸着画分を回収するということで不純物除去操作を行った。
・第2段階にサンプル送液開始後80minたった時点で第3段階のサンプル送液を開始
・第3段階のサンプル送液を開始7分後に図3の流路図に示すRリザーバーのラインで非吸着画分の回収を開始、最終サイクルの洗浄が開始後7分後まで回収を継続。
・非吸着画分として溶出回収した精製溶液の総量=120mL
・カラム:GEヘルスケア社製、HiTrapQFFプレパックカラム 1mL、2本並列
・カラム平衡化溶媒(図2の平衡に対応):10mM リン酸ナトリウム緩衝液、pH7.5
洗浄用緩衝液(図2の洗浄に対応):100mM NaCLを含む5mM リン酸ナトリウム緩衝液、pH7.5
・抗体溶出用溶媒(図2の溶出に対応):0.2M NaCLを含む5mM リン酸ナトリウム緩衝液、pH7.5
・カラム再生用溶媒(図2の再生に対応):1.0M NaCLを含む5mM リン酸ナトリウム緩衝液、pH7.5
・サンプル送液の流速:0.15mL/min
・サイクル:洗浄(10カラム容量、流速1.0mL/min)−溶出(10カラム容量、流速1.0mL/min)−再生(10カラム容量、流速1.0mL/min)−平衡化(10カラム容量、流速1.0mL/min)よりなるサイクル、サイクル時間=40min
・トータルサイクル数:20サイクル(カラムスイッチの回数)
・第3段階の稼働時間=最初のサンプル送液時間(40min)+20サイクル(40min×20=800min)+サンプル送液終了後の洗浄−溶出−再生―平衡化処理(40min)=880min
・第1段階から第3段階が終了するまでに要した時間=80min(第1段階開始後第2段階が始まるまでの待ち時間)+80min(第2段階開始後第3段階が始まるまでの待ち時間)+880min(第3段階の稼働時間)=1040min(17時間20分)
表3にこの精製についての結果のまとめを示している。
Figure 2014001979
結果、800mLのサンプルから、それぞれの段階でのクロマト分離において1mLの小さなカラム2本を用いることで、回収率約66%で純度が95%以上の精製が、約18時間で達成できた。
[実施例3]3段階の連続クロマトグラフィーによるCHO細胞で発現させたモノクローナル抗体の精製(表1の利用例5に対応)
3段階のクロマトグラフィーの順番を変更した場合においても連続処理に問題ないことを示すために、適用するカラムの順番を、陰イオン交換カラム⇒プロテインAアフィニティカラム⇒陽イオン交換カラムの順番に変更してモノクローナル抗体の連続精製処理を行った。
本実施例においては、サンプルとして、CHO細胞で発現させた抗ヒトIgSF4ヒト型モノクローナル抗体のCHO細胞培養液(培養液中の抗体濃度=0.20mg/mL)を800mL用いた。
第1段階 (陰イオン交換クロマトグラフィー)
・培養液中に混在する核酸などの非常に強く負に荷電する物質をあらかじめ陰イオンカラムに吸着される。一方、目的とするモノクローナル抗体は、中性付近で用いた陰イオン交換カラムに吸着しないことから、サンプル溶液を陰イオンカラムに送液し、非吸着画分を回収するということで不純物除去操作を行った。
・サンプル送液を開始5分後に図3の流路図に示すRリザーバーのラインで非吸着画分の回収を開始、回収サンプルは、そのまま第2段階へ、最終サイクルの洗浄が開始後5分後まで回収を継続。
・カラム:TOSOH社製、GigaCap Q−650プレパックカラム 5mL、2本並列
・カラム平衡化溶媒(図2の平衡に対応):10mM リン酸ナトリウム緩衝液、pH7.5
洗浄用緩衝液(図2の洗浄に対応):使用せず
・抗体溶出用溶媒(図2の溶出に対応):使用せず
・カラム再生用溶媒(図2の再生に対応):1.0M NaCLを含む5mM リン酸ナトリウム緩衝液、pH7.5
・サンプル送液の流速:1.0mL/min
・サイクル:再生(10カラム容量、流速1.0mL/min)−平衡化(10カラム容量、流速1.0mL/min)よりなるサイクル、サイクル時間=100min
・トータルサイクル数:8サイクル(カラムスイッチの回数)
・第1段階の稼働時間=8サイクル(100min×8=800min)+サンプル送液終了後の洗浄−溶出−再生―平衡化処理(100min)=900min
第2段階 (プロテインAアフィニティカラム精製)
・第1段階での非吸着画分をアプライ
・カラム:本発明者らが開発した改変プロテインA(AIST−2と名付けた)を配向制御固定化したシリカモノリスカラム、カラムサイズ 1mL、2本並列
・カラム平衡化溶媒(図2の平衡に対応):0.1M リン酸ナトリウム緩衝液、pH7.2
洗浄用緩衝液(図2の洗浄に対応):1M NaCLを含む5mM リン酸ナトリウム緩衝液、pH7.2
・抗体溶出用溶媒(図2の溶出に対応):0.1M クエン酸ナトリウム緩衝液、pH3.5
・カラム再生用溶媒(図2の再生に対応):0.1M グリシン塩酸緩衝液、pH2.5
・希釈用緩衝液(溶出サンプルの希釈用):20mM リン酸ナトリウム緩衝液、pH6.0
・サンプル送液の流速:1.0mL/min
・サイクル:洗浄(10カラム容量、流速1.0mL/min)−溶出(10カラム容量、流速1.0mL/min)−再生(10カラム容量、流速1.0mL/min)−平衡化(10カラム容量、流速1.0mL/min)よりなるサイクル、サイクル時間=40min
・溶出サンプルの回収:溶出溶液の送液開始55秒後に回収開始、120秒間回収、回収と同時に希釈用緩衝液を流速10mL/minで送液、T−ミキサーで混合希釈(結果10倍希釈)
・トータルサイクル数:20サイクル(カラムスイッチの回数)
・第1段階の稼働時間=最初のサンプル送液時間(40min)+20サイクル(40min×20=800min)+サンプル送液終了後の洗浄−溶出−再生―平衡化処理(40min)=880min
・溶出希釈回収した精製溶液の総量=(2mL(溶出回収量)+20mL(希釈緩衝液))×20(サイクル数)=440mL
・第1段階から第2段階が終了するまでに要した時間=5min(第1段階開始後第2段階が始まるまでの待ち時間)+880min(第2段階の稼働時間)=885min(約16時間)
第3段階 (陽イオン交換クロマトグラフィー)
・第2段階にサンプル送液開始後80minたった時点で第二段階のサンプル送液を開始
・カラム:TOSOH社製、GigaCap−S−650Mプレパックカラム 1mL、2本並列
・カラム平衡化溶媒(図2の平衡に対応):10mM リン酸ナトリウム緩衝液、pH6.0
洗浄用緩衝液(図2の洗浄に対応):50mM NaCLを含む5mM リン酸ナトリウム緩衝液、pH6.0
・抗体溶出用溶媒(図2の溶出に対応):0.2M NaCLを含む5mM リン酸ナトリウム緩衝液、pH6.0
・カラム再生用溶媒(図2の再生に対応):1.0M NaCLを含む5mM リン酸ナトリウム緩衝液、pH6.0
・サンプル送液の流速:0.55mL/min
・サイクル:洗浄(10カラム容量、流速1.0mL/min)−溶出(10カラム容量、流速1.0mL/min)−再生(10カラム容量、流速1.0mL/min)−平衡化(10カラム容量、流速1.0mL/min)よりなるサイクル、サイクル時間=40min
・溶出サンプルの回収:溶出溶液の送液開始170秒後に回収開始、360秒間回収
・トータルサイクル数:20サイクル(カラムスイッチの回数)
・第3段階の稼働時間=最初のサンプル送液時間(40min)+20サイクル(40min×20=800min)+サンプル送液終了後の洗浄−溶出−再生―平衡化処理(40min)=880min
・溶出回収した精製溶液の総量=6mL(溶出回収量)×20(サイクル数)=120mL
・第2段階の稼働時間=最初のサンプル送液時間(40min)+20サイクル(40min×20=800min)+サンプル送液終了後の洗浄−溶出−再生―平衡化処理(40min)=880min
・第1段階から第3段階が終了するまでに要した時間=5min(第1段階開始後第2段階が始まるまでの待ち時間)+80min(第2段階開始後第3段階が始まるまでの待ち時間)+880min(第2段階の稼働時間)=965min(約16時間)
表4にこの精製についての結果のまとめを示している。なお、第2段階の精製においてすでに95%以上の精製度となっており、タンパク質量の測定および抗体量の測定の誤差が5%程度もしくはそれ以上であることから、第2段階および第3段階の精製ステップ後の精製抗体量はタンパク質測定の値と同じであるとして記載している。なおタンパク質の定量はBCA法、モノクローナル抗体の定量はスピンカラム法で行った。
結果適用するクロマト担体の順番を変えても、多段階連続クロマトグラフィーを適切に行うことができることが示された。
Figure 2014001979
[実施例4]2段階の連続クロマトグラフィーによる大腸菌で発現させたヒスタグ付きタンパク質の精製(表1の利用例7に対応)
精製対象のタンパク質として本発明者らの発明の抗体結合性タンパク質(AIST−2と呼ぶ)を用いた。AIST−2を発現するためのプラスミドは、特許文献(特開2008−115153)にPAA3Tで記載されている。プラスミドPAA3Tを形質導入した大腸菌JM109株を用いて、同特許文献に記載している方法に準じて、カラムクロマトグラフィーにアプライするためのサンプルを調製した。
8Lの培養液から遠心分離により菌体を集め、カラム平衡化溶液に懸濁し、フレンチプレスを用いて菌体を破砕した後遠心分離により不溶物を取り除いた。その後、ストレプトマイシン硫酸処理、45%硫安処理により生じた沈殿物を遠心分離により取り除き清澄化したものをカラム精製に用いた。カラム平衡液を加え、計2Lのサンプル溶液とした。
第1段階 (ニッケルキレートカラム精製)
・サンプル溶液の量:2L
・カラム:GEヘルスケア社製、HisTrapHPプレパックカラム 5mL、2本並列
・カラム平衡化溶媒(図2の平衡に対応):0.5M KCLおよび5mMイミダゾールを含む50mM Tris−HCL緩衝液、pH7.6
洗浄用緩衝液(図2の洗浄に対応):0.5M KCLおよび20mMイミダゾールを含む50mM Tris−HCL緩衝液、pH7.6
・抗体溶出用溶媒(図2の溶出に対応):0.1M KCLおよび0.2Mイミダゾールを含む50mM
Tris−HCL緩衝液、pH7.6
・カラム再生用溶媒(図2の再生に対応):1M KCLおよび1Mイミダゾールを含む50mM Tris−HCL緩衝液、pH7.6
・希釈用緩衝液(溶出サンプルの希釈用):50mM Tris−HCL緩衝液、pH7.6
・サンプル送液の流速:2.5mL/min
・サイクル:洗浄(10カラム容量、流速5.0mL/min)−溶出(10カラム容量、流速5.0mL/min)−再生(10カラム容量、流速5.0mL/min)−平衡化(10カラム容量、流速5.0mL/min)よりなるサイクル、サイクル時間=40min
・溶出サンプルの回収:溶出溶液の送液開始90秒後に回収開始、240秒間回収、回収と同時に希釈用緩衝液を流速50mL/minで送液、T−ミキサーで混合希釈(結果10倍希釈)
・トータルサイクル数:20サイクル(カラムスイッチの回数)
・第1段階の稼働時間=最初のサンプル送液時間(40min)+20サイクル(40min×20=800min)+サンプル送液終了後の洗浄−溶出−再生―平衡化処理(40min)=880min
・溶出希釈回収した精製溶液の総量=(20mL(溶出回収量)+200mL(希釈緩衝液))×20(サイクル数)=4400mL
第2段階 (陰イオン交換クロマトグラフィー)
・第1段階にサンプル送液開始後80minたった時点で第二段階のサンプル送液を開始
・カラム:GEヘルスケア社製、HiTrapQFFプレパックカラム 5mL、2本並列
・カラム平衡化溶媒(図2の平衡に対応):50mM KCLを含む50mM Tris−HCL緩衝液、pH7.6
洗浄用緩衝液(図2の洗浄に対応):75mM KCLを含む50mM Tris−HCL緩衝液、pH7.6
・抗体溶出用溶媒(図2の溶出に対応):0.25M KCLを含む50mM Tris−HCL緩衝液、pH7.6
・カラム再生用溶媒(図2の再生に対応):1.0M KCLを含む50mM Tris−HCL緩衝液、pH7.6
・サンプル送液の流速:5.5mL/min
・サイクル:洗浄(10カラム容量、流速1.0mL/min)−溶出(10カラム容量、流速1.0mL/min)−再生(10カラム容量、流速1.0mL/min)−平衡化(10カラム容量、流速1.0mL/min)よりなるサイクル、サイクル時間=40min
・溶出サンプルの回収:溶出溶液の送液開始90秒後に回収開始、240秒間回収
・トータルサイクル数:20サイクル(カラムスイッチの回数)
・第1段階の稼働時間=最初のサンプル送液時間(40min)+20サイクル(40min×20=800min)+サンプル送液終了後の洗浄−溶出−再生―平衡化処理(40min)=880min
・溶出回収した精製溶液の総量=20mL(溶出回収量)×20(サイクル数)=400mL
・第2段階の稼働時間=最初のサンプル送液時間(40min)+20サイクル(40min×20=800min)+サンプル送液終了後の洗浄−溶出−再生―平衡化処理(40min)=880min
・第1段階から第2段階が終了するまでに要した時間=80min(第1段階開始後第2段階が始まるまでの待ち時間)+880min(第2段階の稼働時間)=960min(16時間)
表5に精製結果のまとめを示している。ここで、タンパク質の定量はBCA法で行い、AIST−2の量については、タンパク質溶液をSDS-電気泳動法により解析し、クマジー染色により染色されたタンパク質バンドから、AIST−2に相当するタンパク質バンドの含有率(%)を推定し、BCA法で求めた溶液中の全タンパク質量に含有率を掛けた値とした。
結果、2000mLのサンプルから、5mLの小さなカラム2本を用いることで、回収率約78%で純度が95%の精製が、16時間で達成できた。
Figure 2014001979
[実施例5]3段階の連続クロマトグラフィーによる大腸菌で発現させたヒスタグ付きタンパク質の精製(表1の利用例9に対応)
サンプルは、実施例4に用いた大腸菌で発現させたAIST−2の溶液を用いた。
なお、AIST−2の等電点は、約4.1であり、中性条件では、陽イオン交換樹脂には結合しない。
第1段階 (ニッケルキレートカラム精製)
・サンプル溶液の量:2L
・カラム:TOSOH社製、AF−Chelate−650M 5mL、2本並列
・カラム平衡化溶媒(図2の平衡に対応):0.5M KCLおよび5mMイミダゾールを含む50mM Tris−HCL緩衝液、pH7.6
洗浄用緩衝液(図2の洗浄に対応):0.5M KCLおよび20mMイミダゾールを含む50mM Tris−HCL緩衝液、pH7.6
・抗体溶出用溶媒(図2の溶出に対応):0.1M KCLおよび0.2Mイミダゾールを含む50mM
Tris−HCL緩衝液、pH7.6
・カラム再生用溶媒(図2の再生に対応):1M KCLおよび1Mイミダゾールを含む50mM Tris−HCL緩衝液、pH7.6
・希釈用緩衝液(溶出サンプルの希釈用):50mM Tris−HCL緩衝液、pH7.6
・サンプル送液の流速:2.5mL/min
・サイクル:洗浄(10カラム容量、流速5.0mL/min)−溶出(10カラム容量、流速5.0mL/min)−再生(10カラム容量、流速5.0mL/min)−平衡化(10カラム容量、流速5.0mL/min)よりなるサイクル、サイクル時間=40min
・溶出サンプルの回収:溶出溶液の送液開始80秒後に回収開始、240秒間回収、回収と同時に希釈用緩衝液を流速50mL/minで送液、T−ミキサーで混合希釈(結果10倍希釈)
・トータルサイクル数:20サイクル(カラムスイッチの回数)
・第1段階の稼働時間=最初のサンプル送液時間(40min)+20サイクル(40min×20=800min)+サンプル送液終了後の洗浄−溶出−再生―平衡化処理(40min)=880min
・溶出希釈回収した精製溶液の総量=(20mL(溶出回収量)+200mL(希釈緩衝液))×20(サイクル数)=4400mL
第2段階 (陰イオン交換クロマトグラフィー)
・第1段階にサンプル送液開始後80minたった時点で第二段階のサンプル送液を開始
・カラム:TOSOH社製、GigaCap Q−650プレパックカラム 5mL、2本並列
・カラム平衡化溶媒(図2の平衡に対応):50mM KCLを含む50mM Tris−HCL緩衝液、pH7.6
洗浄用緩衝液(図2の洗浄に対応):75mM KCLを含む50mM Tris−HCL緩衝液、pH7.6
・抗体溶出用溶媒(図2の溶出に対応):0.25M KCLを含む50mM Tris−HCL緩衝液、pH7.6
・カラム再生用溶媒(図2の再生に対応):1.0M KCLを含む50mM Tris−HCL緩衝液、pH7.6
・希釈用緩衝液(溶出サンプルの希釈用):50mM Tris−HCL緩衝液、pH7.6
・サンプル送液の流速:5.5mL/min
・サイクル:洗浄(10カラム容量、流速1.0mL/min)−溶出(10カラム容量、流速1.0mL/min)−再生(10カラム容量、流速1.0mL/min)−平衡化(10カラム容量、流速1.0mL/min)よりなるサイクル、サイクル時間=40min
・溶出サンプルの回収:溶出溶液の送液開始90秒後に回収開始、240秒間回収、回収と同時に希釈用緩衝液を流速50mL/minで送液、T−ミキサーで混合希釈(結果10倍希釈)
・トータルサイクル数:20サイクル(カラムスイッチの回数)
・第1段階の稼働時間=最初のサンプル送液時間(40min)+20サイクル(40min×20=800min)+サンプル送液終了後の洗浄−溶出−再生―平衡化処理(40min)=880min
・溶出希釈回収した精製溶液の総量=(20mL(溶出回収量)+200mL(希釈緩衝液))×20(サイクル数)=4400mL
・第2段階の稼働時間=最初のサンプル送液時間(40min)+20サイクル(40min×20=800min)+サンプル送液終了後の洗浄−溶出−再生―平衡化処理(40min)=880min
・第1段階から第2段階が終了するまでに要した時間=80min(第1段階開始後第2段階が始まるまでの待ち時間)+880min(第2段階の稼働時間)=960min(16時間)
第3段階 (陰イオン交換クロマトグラフィー)
・目的とするAIST−2は、中性付近で用いた陽イオン交換カラムに吸着しないことから、サンプル溶液を陽イオンカラムに送液し、非吸着画分を回収するという操作を行った。
・第2段階にサンプル送液開始後80minたった時点で第3段階のサンプル送液を開始
・第3段階のサンプル送液を開始2分後に図3の流路図に示すRリザーバーのラインで非吸着画分の回収を開始、最終サイクルの洗浄が開始後2分後まで回収を継続。
・非吸着画分として溶出回収した精製溶液の総量=4400mL
・カラム:TOSOH社製、GigaCap−S−650Mプレパックカラム 5mL、2本並列
・カラム平衡化溶媒(図2の平衡に対応):50mM KCLを含む50mM Tris−HCL緩衝液、pH7.6
洗浄用緩衝液(図2の洗浄に対応):75mM KCLを含む50mM Tris−HCL緩衝液、pH7.6
・抗体溶出用溶媒(図2の溶出に対応):0.25M KCLを含む50mM Tris−HCL緩衝液、pH7.6
・カラム再生用溶媒(図2の再生に対応):1.0M KCLを含む50mM Tris−HCL緩衝液、pH7.6
・サンプル送液の流速:5.5mL/min
・サイクル:洗浄(10カラム容量、流速1.0mL/min)−溶出(10カラム容量、流速1.0mL/min)−再生(10カラム容量、流速1.0mL/min)−平衡化(10カラム容量、流速1.0mL/min)よりなるサイクル、サイクル時間=40min
・トータルサイクル数:20サイクル(カラムスイッチの回数)
・第3段階の稼働時間=最初のサンプル送液時間(40min)+20サイクル(40min×20=800min)+サンプル送液終了後の洗浄−溶出−再生―平衡化処理(40min)=880min
・第1段階から第3段階が終了するまでに要した時間=80min(第1段階開始後第2段階が始まるまでの待ち時間)+80min(第2段階開始後第3段階が始まるまでの待ち時間)+880min(第3段階の稼働時間)=1040min(17時間20分)
表6に精製結果のまとめを示している。ここで、タンパク質の定量はBCA法で行い、AIST−2の量については、タンパク質溶液をSDS-電気泳動法により解析し、クマジー染色により染色されたタンパク質バンドから、AIST−2に相当するタンパク質バンドの含有率(%)を推定し、BCA法で求めた溶液中の全タンパク質量に含有率を掛けた値とした。
Figure 2014001979
本発明の複数の段階からなる液体クロマトグラフィー分離精製装置及び方法は、精製に要する時間を大幅に短くすることと精製のための高価なカラムの容量を大幅に減らすことができる。従って従来高コストとされていた抗体医薬品などのタンパク質医薬品の精製コストを大幅に低減することに寄与できる。このことは、医薬品製造分野また医薬品製造受託業者において活用されることが期待される。
すなわち、本発明は、試料を連続的に注入しながら、複数のカラムクロマトグラフィーによるタンパク質の精製を連続した流路を経て行うことを特徴とするタンパク質の分離精製装置である。
また、本発明はタンパク質の分離精製装置において、図4に示される構成単位をn個、ここでnは2以上の整数、有することを特徴とするタンパク質の分離精製装置である。
ただし、図中点線四角で囲った部分は、試料を連続的に注入することによりクロマトグラフィーの分離を行い、精製分離して得られた試料を適宜希釈し回収することを行う機能を有する構成単位を示しており、図中、Sは試料のリザーバーを、inは試料の注入ラインを,LCは、試料を連続注入しながらクロマトグラフィーによる分離精製を行う連続クロマトグラフィー装置を、Eは、LCで精製された試料の回収ラインを、Mはミキサーを、Bは希釈用溶媒のリザーバーを、Pは希釈用溶媒を送液するポンプを、Rは、LCでの精製回収希釈した溶液のリザーバーを,outはRから次のLCへ試料を送液するためのラインを示している。言い換えれば、構成単位は、試料を連続注入しながらクロマトグラフィーによる分離精製を行う連続クロマトグラフィー装置LCと、連続クロマトグラフィー装置LCへ試料を注入する注入ラインinと、連続クロマトグラフィー装置LCで精製された試料の回収ラインEと、希釈用溶媒のリザーバーBと、リザーバーBの希釈用溶媒を送液するポンプPと、ポンプPで送液された希釈用溶媒を回収ラインEにミキシングするミキサーMと、ミキサーMでミキシングされた回収ラインEの精製回収希釈した溶液のリザーバーRと、Rから後段の構成単位へ送液するラインoutとからなり、注入ラインinは前段の構成単位のラインoutに接続され、ラインoutは後段の構成単位の注入ラインinに接続されるとともに、最初の段の構成単位の注入ラインinは試料のリザーバーSに接続され、かつ、最後の段の構成単位の回収ラインEは、ミキサーMで希釈されることなくリザーバーRに回収されるものである
また、本発明は、上記タンパク質の分離精製装置において、2つのクロマトグラフィーによるタンパク質の精製を連続した流路を経て行う、nが2であることを特徴とするタンパク質の分離精製装置である。
また、本発明は、上記タンパク質の分離精製装置において、2つのクロマトグラフィーによるタンパク質の精製を連続した流路を経て行う、nが3であることを特徴とするタンパク質の分離精製装置である。
また、本発明は、試料を連続的に注入しながら、複数のカラムクロマトグラフィーによるタンパク質の精製を連続した流路を経て行うことを特徴とするタンパク質の分離精製方法である。
また、本発明は、上記タンパク質の分離精製方法において、図4に示される構成単位をn個、ここでnは2以上の整数、有することを特徴とするタンパク質の精製方法である。
ただし、図中点線四角で囲った部分は、試料を連続的に注入することによりクロマトグラフィーの分離を行い、精製分離して得られた試料を適宜希釈し回収することを行う機能を有する構成単位を示しており、図中、Sは試料のリザーバーを、inは試料の注入ラインを,LCは、試料を連続注入しながらクロマトグラフィーによる分離精製を行う連続クロマトグラフィー装置を、Eは、LCで精製された試料の回収ラインを、Mはミキサーを、Bは希釈用溶媒のリザーバーを、Pは希釈用溶媒を送液するポンプを、Rは、LCでの精製回収希釈した溶液のリザーバーを,outはRから次のLCへ試料を送液するためのラインを示している。言い換えれば、構成単位は、試料を連続注入しながらクロマトグラフィーによる分離精製を行う連続クロマトグラフィー装置LCと、連続クロマトグラフィー装置LCへ試料を注入する注入ラインinと、連続クロマトグラフィー装置LCで精製された試料の回収ラインEと、希釈用溶媒のリザーバーBと、リザーバーBの希釈用溶媒を送液するポンプPと、ポンプPで送液された希釈用溶媒を回収ラインEにミキシングするミキサーMと、ミキサーMでミキシングされた回収ラインEの精製回収希釈した溶液のリザーバーRと、Rから後段の構成単位へ送液するラインoutとからなり、注入ラインinは前段の構成単位のラインoutに接続され、ラインoutは後段の構成単位の注入ラインinに接続されるとともに、最初の段の構成単位の注入ラインinは試料のリザーバーSに接続され、かつ、最後の段の構成単位の回収ラインEは、ミキサーMで希釈されることなくリザーバーRに回収されるものである
また、本発明は、上記タンパク質の分離精製方法において、nが2であることを特徴とするタンパク質の分離精製装置によりタンパク質の精製を連続した流路を経て行うことを特徴とするタンパク質の分離精製方法である。
また、本発明は、上記タンパク質の分離精製方法において、プロテインAアフィニティクロマトグラフィーと陽イオン交換クロマトグラフィーを組み合わせて抗体の分離を行うことを特徴とするタンパク質の分離精製方法である。
また、本発明は、上記タンパク質の分離精製方法において、ニッケルキレートカラムを用いたクロマトグラフィーと陰イオン交換クロマトグラフィーを組み合わせてヒスタグタンパク質の分離精製を行うことを特徴とするタンパク質の分離精製方法である。
また、本発明は、上記タンパク質の分離精製方法において、nが3であることを特徴とするタンパク質の分離精製装置によりタンパク質の精製を連続した流路を経て行うことを特徴とするタンパク質の分離精製方法である。
また、本発明は、上記タンパク質の分離精製方法において、プロテインAアフィニティクロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィーおよび陰イオン交換クロマトグラフィーを組み合わせて抗体の分離を行うことを特徴とするタンパク質の分離精製方法である。
また、本発明は、上記タンパク質の分離精製方法において、ニッケルキレートカラムを用いたクロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィーおよび陽イオンクロマトグラフィーを組み合わせてヒスタグタンパク質の分離精製を行うことを特徴とするタンパク質の分離精製方法である。

Claims (12)

  1. 試料を連続的に注入しながら、複数のカラムクロマトグラフィーによるタンパク質の精製を連続した流路を経て行うことを特徴とするタンパク質の分離精製装置。
  2. 請求項1に記載のタンパク質の分離精製装置において、
    下図の図4に示される構成単位をn個、ここでnは2以上の整数、有することを特徴とするタンパク質の分離精製装置。
    ただし、図中、点線四角で囲った部分は、試料を連続的に注入することによりクロマトグラフィーの分離を行い、精製分離して得られた試料を適宜希釈し回収することを行う機能を有する構成単位を示しており、図中、Sは試料のリザーバーを、inは試料の注入ラインを、LCは、試料を連続注入しながらクロマトグラフィーによる分離精製を行う連続クロマトグラフィー装置を、Eは、LCで精製された試料の回収ラインを、Mはミキサーを、Bは希釈用溶媒のリザーバーを、Pは希釈用溶媒を送液するポンプを、Rは、LCでの精製回収希釈した溶液のリザーバーを、outはRから次のLCへ試料を送液するためのラインを示している。
    [図4]
    Figure 2014001979
  3. 請求項2に記載のタンパク質の分離精製装置において、2つのクロマトグラフィーによるタンパク質の精製を連続した流路を経て行う、nが2であることを特徴とするタンパク質の分離精製装置。
  4. 請求項2に記載のタンパク質の分離精製装置において、2つのクロマトグラフィーによるタンパク質の精製を連続した流路を経て行う、nが3であることを特徴とするタンパク質の分離精製装置。
  5. 試料を連続的に注入しながら、複数のカラムクロマトグラフィーによるタンパク質の精製を連続した流路を経て行うことを特徴とするタンパク質の分離精製方法。
  6. 請求項5に記載のタンパク質の分離精製方法において、
    下図の図4に示される構成単位をn個、ここでnは2以上の整数、有することを特徴とするタンパク質の精製方法。
    ただし、図中、点線四角で囲った部分は、試料を連続的に注入することによりクロマトグラフィーの分離を行い、精製分離して得られた試料を適宜希釈し回収することを行う機能を有する構成単位を示しており、図中、Sは試料のリザーバーを、inは試料の注入ラインを、LCは、試料を連続注入しながらクロマトグラフィーによる分離精製を行う連続クロマトグラフィー装置を、Eは、LCで精製された試料の回収ラインを、Mはミキサーを、Bは希釈用溶媒のリザーバーを、Pは希釈用溶媒を送液するポンプを、Rは、LCでの精製回収希釈した溶液のリザーバーを、outはRから次のLCへ試料を送液するためのラインを示している。
    [図4]
    Figure 2014001979
  7. 請求項6に記載のタンパク質の分離精製方法において、請求項3のnが2であることを特徴とするタンパク質の分離精製装置によりタンパク質の精製を連続した流路を経て行うことを特徴とするタンパク質の分離精製方法。
  8. 請求項7に記載のタンパク質の分離精製方法において、プロテインAアフィニティクロマトグラフィーと陽イオン交換クロマトグラフィーを組み合わせて抗体の分離を行うことを特徴とするタンパク質の分離精製方法。
  9. 請求項7に記載のタンパク質の分離精製方法において、ニッケルキレートカラムを用いたクロマトグラフィーと陰イオン交換クロマトグラフィーを組み合わせてヒスタグタンパク質の分離精製を行うことを特徴とするタンパク質の分離精製方法。
  10. 請求項6に記載のタンパク質の分離精製方法において、請求項3のnが3であることを特徴とするタンパク質の分離精製装置によりタンパク質の精製を連続した流路を経て行うことを特徴とするタンパク質の分離精製方法。
  11. 請求項10に記載のタンパク質の分離精製方法において、プロテインAアフィニティクロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィーおよび陰イオン交換クロマトグラフィーを組み合わせて抗体の分離を行うことを特徴とするタンパク質の分離精製方法。
  12. 請求項10に記載のタンパク質の分離精製方法において、ニッケルキレートカラムを用いたクロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィーおよび陽イオンクロマトグラフィーを組み合わせてヒスタグタンパク質の分離精製を行うことを特徴とするタンパク質の分離精製方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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