JP2014001854A - 工作機械の主軸装置用軸受、工作機械の主軸装置、及び、工作機械 - Google Patents

工作機械の主軸装置用軸受、工作機械の主軸装置、及び、工作機械 Download PDF

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Abstract

【課題】応答性の高い温度測定が可能で、焼付き防止を図ることができる工作機械の主軸装置用軸受、工作機械の主軸装置、及び、工作機械を提供する。
【解決手段】工具を取り付け可能な回転軸22を外筒29に対して回転自在に支持する工作機械の主軸装置20において、前側軸受60には、外輪61と玉63との接触点p近傍に温度センサ52が配置されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、工作機械の主軸装置用軸受、工作機械の主軸装置、及び、工作機械に関する。
近年、工作機械の主軸装置としては、dm・Nが100万〜300万の高速回転と、低振動が求められており、ビルトインモータ方式を採用するものが多く使用されている。例えば、図15に記載の主軸装置100では、工具Tが取り付けられる回転軸101が前側軸受102及び後側軸受103を介して外筒104に回転自在に取り付けられている。前側及び後側軸受102,103間には、回転軸101の周囲に設けられたロータ105と、外筒104の内側に冷却ジャケット106を介して設けられたステータ107と、を備えたビルトインモータ108が配置されている。
また、主軸装置100では、熱変位を防止するため、外筒104や冷却ジャケット106に形成された冷却経路109,110によって冷却が行なわれている。さらに、主軸装置100では、前側軸受102及び後側軸受103を潤滑するため、外筒104に形成された給油経路111を介して、動粘度が10〜32cStと低い潤滑油を用いての微量給脂が行なわれており、軸受内の異常発熱を防止している。
さらに、前側軸受102の径方向外方の外筒104には、温度センサとしての熱電対112が配置されており、軸受102の外輪外径面やその近傍の温度を測定して、軸受102の焼付き防止を図っている。
一方、軸受の温度を測定する構造として、外輪に形成された孔に配線を配索し、外輪の内周面に温度センサを配置したものが考案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2008−175383号公報
ところで、ビルトインモータ方式の主軸装置では、軸受の内外輪で温度差が生じやすく、特に、外筒冷却と共に使用されるビルトインモータ方式の主軸装置では、外筒冷却の影響で外輪側の温度が低くなるため、この傾向が強い。図10に示す主軸装置100では、冷却油の影響で軸受部の温度変化に対して熱電対112の応答速度が遅く、軸受102の温度を感度良く測定することができないため、軸受の焼付き防止対策にはさらなる改善が求められる。
また、特許文献1では、温度センサを備えた軸受が工作機械の主軸装置に適用されることについて具体的に記載されておらず、高速回転のため外部から潤滑剤が供給される軸受への適用についても開示されていない。特に、深溝玉軸受以外の軸受への具体的な取り付けについても記載されていない。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、応答性の高い温度測定が可能で、焼付き防止を図ることができる工作機械の主軸装置用軸受、工作機械の主軸装置、及び、工作機械を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 外周面に内輪軌道面を有する内輪と、
内周面に外輪軌道面を有する外輪と、
前記内輪軌道面と前記外輪軌道面との間に配置される複数の転動体と、
を有し、回転軸をハウジングに対して回転自在に支持する工作機械の主軸装置用軸受であって、
前記外輪と前記転動体との接触点近傍において、前記外輪の内周面近傍であって前記外輪軌道面ではない箇所に設けられたセンサ位置決め部に温度センサが配置されており、
前記温度センサは、前記外輪の内周面に前記温度センサが突出しないように、前記センサ位置決め部に配置されることを特徴とする工作機械の主軸装置用軸受。
(2) 上記(1)に記載の前記軸受と、
前記内輪が外嵌される前記回転軸と、
前記外輪が内嵌される前記ハウジングと、
を備えることを特徴とする工作機械の主軸装置。
(3) 上記(2)に記載の前記主軸装置を備えることを特徴とする工作機械。
本発明によれば、外輪と前記転動体との接触点近傍に温度センサが配置されているので、応答性の高い温度測定が可能で、焼付き防止を図ることができる。
本発明の軸受を備える工作機械の主軸装置の概略図である。 図1の前側軸受近傍を示す要部拡大断面図である。 図1の前側軸受を示す要部拡大断面図である。 (a)は、温度センサのフィルム基板の上に形成した温度センサ部を示す平面図であり、(b)は、フィルム基板の上にフィルムカバーを示す平面図であり、(c)は、(b)のIV−IV線に沿って切断した、温度センサの断面図である。 (a)は、他の温度センサのフィルム基板の上に形成した温度センサ部を示す平面図であり、(b)は、フィルム基板の上にフィルムカバーを示す平面図であり、(c)は、(b)のV−V線に沿って切断した、温度センサの断面図である。 (a)は、第2実施形態の工作機械の主軸装置用軸受に係る前側軸受の要部拡大断面図であり、(b)は、工具側から見た前側軸受の側面図である。 第3実施形態の工作機械の主軸装置用軸受に係る前側軸受の要部拡大断面図である。 第4実施形態の工作機械の主軸装置用軸受に係る後側軸受の要部拡大断面図である。 (a)は、第5実施形態の工作機械の主軸装置用軸受に係る前側軸受の要部拡大断面図であり、(b)は、反工具側から見た前側軸受の側面図である。 本発明の実施例に使用する工作機械の主軸装置を示す、図2と同様の図である。 実施例で得られた、スピンドル回転数を0から10000min−1へ加速したときの軸受外輪温度を示すグラフである。 実施例で得られた、スピンドル回転数を0から10000min−1へ加速し、軸受外輪温度が平坦化するまでの軸受外輪温度を示すグラフである。 実施例で得られた、スピンドル回転数を10000min−1から20000min−1へ加速し、軸受外輪温度が平坦化するまでの軸受外輪温度を示すグラフである。 実施例で得られた、スピンドル回転数を20000min−1から30000min−1へ加速し、軸受外輪温度が平坦化するまでの軸受外輪温度を示すグラフである。 従来の主軸装置における断面図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係る工作機械の主軸装置用軸受、工作機械の主軸装置、及び、工作機械について図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、主軸装置20は、ビルトインモータ方式であり、その軸方向中心部には、中空状の回転軸22が設けられ、回転軸22の軸芯には、ドローバ23が摺動自在に挿嵌されている。ドローバ23は、工具ホルダ24に取付けられたプルスタッド25を、クランプボール26を介して、ばね部材27の力によって反工具側方向(図の右方向)に付勢しており、工具ホルダ24は、回転軸22のテーパ面28と嵌合する。工具ホルダ24には工具Tが取り付けられており、この結果、回転軸22は、一端(図の左側)に工具Tをクランプして、工具Tを取り付け可能としている。
また、回転軸22は、その工具側を支承する2列の前側軸受60,70と、反工具側を支承する1列の後側軸受80とによって、ハウジングを構成する外筒29に回転自在に支持されている。なお、前側軸受60,70及び後側軸受80は、本実施形態の主軸装置用軸受を構成する。
前側軸受60,70と後側軸受80間における回転軸22の外周面には、ロータ30が外嵌されている。また、ロータ30の周囲に配置されるステータ32は、ステータ32に焼き嵌めされた冷却ジャケット33を外筒29に内嵌することで、外筒29に固定される。従って、ロータ30とステータ32はモータを構成し、モータ制御部31によってステータ32に電力を供給することでロータ30に回転力を発生させ、回転軸22を回転させる。
また、外筒29と反工具側で固定されたハウジングを構成する後蓋34には、工具アンクランプピストン35を摺動自在に内嵌したハウジングを構成する工具アンクランプシリンダ36が固定されている。よって、工具を交換する際には、図示しない油路から油圧室38に作動油を導き、工具アンクランプピストン35を工具側(図の左側)へ前進させることにより、ドローバ23を工具側(図の左側)へ前進させて、工具Tをアンクランプする。
図2に示すように、前側軸受60,70は、外輪61,71と、内輪62,72と、接触角を持って配置される転動体としての玉63,73と、玉63,73を略等間隔で保持する外輪案内の保持器64,74と、をそれぞれ有するアンギュラ玉軸受である。後側軸受80は、図1に示すように、外輪81と、内輪82と、転動体としての円筒ころ83と、円筒ころ83を略等間隔で保持する外輪案内の保持器(図示せず)と、を有する円筒ころ軸受である。
前側軸受60,70の外輪61,71は外筒29に締結固定された前側ハウジング50に内嵌されており、且つ前側ハウジング50にボルト締結された前蓋51によって外輪間座40を介して外筒29に対し軸方向に固定されている。また、前側軸受60,70の内輪62,72は、回転軸22に外嵌されており、且つ回転軸22に締結されたナット41によって内輪間座42を介して回転軸22に対し軸方向に固定されている。
後側軸受80の外輪81は後蓋34に内嵌されており、且つ後蓋34にボルト締結された後側軸受外輪押え43によって後蓋34に固定されている。後側軸受80の内輪82は、回転軸22とテーパ嵌合されており、回転軸22に締結された他のナット45によって、内輪間座46を介して位置決めされている。
ここで、冷却ジャケット33や前側ハウジング50には冷却溝33a,50aが形成されており、供給される冷却油によって主軸装置20の各構成部品を冷却し、これら構成部品の熱変位を防止している。
また、図1に示すように、外筒29、後蓋34、前側ハウジング50には、前側軸受60,70及び後側軸受80をそれぞれ潤滑するための複数の給油通路90が形成されており、これら通路90の一端側には、潤滑油を送り込む潤滑装置91が図示しない配管を介してそれぞれ取り付けられている。なお、潤滑装置91によって供給される潤滑方式は、オイル潤滑であればよく、オイルエア潤滑、オイルミスト潤滑、直噴潤滑等のいずれであってもよい。
各給油通路90の他端側には、潤滑ノズル92が取り付けられており、潤滑装置91によって送られた潤滑油を各軸受60,70,80の軸受空間内に供給する。具体的に、図2に示すように、前側軸受60,70では、潤滑ノズル92は、前側ハウジング50に収容され、且つ、そのノズル先端が内輪間座42及び外輪間座40内に位置するように外輪間座40に形成された貫通孔40aから突出しており、潤滑油は各軸受60,70の反カウンタボア側から軸受空間内に供給される。
さらに、前側軸受60の外輪61のカウンタボア側の内周面61aには、温度センサ52が取り付けられており、温度センサ52は、電気配線53を介して温度検出部54に接続されている。電気配線53は、前側ハウジング50に形成された径方向孔50bを通過して軸受60のカウンタボア側へ配索されており、温度センサ52は接着等によって外輪61の内周面61aに固定されている。
図4(a)〜(c)のように、温度センサ52は、耐熱性及び可撓性を有する高分子材料(ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の合成樹脂)からなるフィルム基板55と、フィルム基板55上に形成された白金等からなる膜状の温度センサ部56と、温度センサ部56が形成されたフィルム基板55を覆うように配置された同種の高分子材料(合成樹脂)からなるフィルムカバー57と、を備えるMEMSセンサであり、全体として平面が矩形状で厚さが薄くかつ可撓性のある構成となっている。
膜状の温度センサ部56は、図4(a)のように、全体の幅aでかつ幅bの帯状部から構成され、幅bの帯状部は全体の帯状長さを長く確保するために複数箇所で折り返されている。膜状の温度センサ部56の図の左右端下側に位置する幅bの帯状部の両端に、一対の配線取付部58,58が幅bよりも広幅に設けられている。
フィルム基板55を覆うフィルムカバー57には、図4(a)の一対の配線取付部58,58に対応する位置に、図4(c)のように孔59が形成されることで、図4(b)のように一対の配線取付部58,58がフィルムカバー57の表面に露出している。なお、図5(a)〜(c)に示すように、一対の配線取付部58が表面にて露出するように、フィルムカバー57を配置してもよい。一対の配線取付部58,58に、一対の電気配線53が電気接続される。温度検出部54では、温度変化により変化する温度センサ部56の抵抗値に基づいて温度測定が行われる。なお、温度センサ52は、前側軸受60の代わりに、他の前側軸受70や後側軸受80に取り付けられてもよく、或いは、各軸受にそれぞれ取り付けられてもよい。
なお、温度センサ52は、本例のような有線ではなく、センサ近傍から無線によって信号を温度検出部54に伝達する構成としてもよい。
また、温度センサ52としては、上述したもの以外に、熱電対、サーミスタ等の他の部材を用いた膜状のセンサを使用してもよい。
また、温度検出部54において、測定された温度データに基づいて軸受60の異常昇温が検出された時には、軸受60の焼付きを防止するように軸受60の運転状態を制御する。具体的には、図1に示すように、モータ制御部31によって主軸の回転を減速、或いは停止させたり、潤滑装置91によって潤滑油の吐出タイミングや潤滑油量をコントロールする。
従って、本実施形態の工作機械の主軸装置用軸受60によれば、温度センサ52は、フィルム基板55に形成した膜状の温度センサ部56とフィルムカバー57の表面に露出する配線取付部58とから構成されるため、従来のチップ型積層サーミスタよりも薄く可撓性があり、かつ、小型であるので、温度センサ52の取付位置に制約がなくなる。従って、温度センサ52を外輪61と玉63との接触点p近傍に配置することができ、冷却油の影響を抑えた温度測定が可能で、温度検知のレスポンスが良好となる。また、膜状の温度センサ部56をフィルムカバー57で覆うので、温度センサ52の劣化のおそれが少なく、また、温度センサ52全体が可撓性のある構造なので、割れのおそれもなく、耐久性を向上できる。
特に、温度センサ52は、外輪61のカウンタボア側の内周面61aに取り付けられるので、保持器案内面を構成する反カウンタボア側の内周面61bで外輪案内される保持器64との干渉を確実に防止することができる。また、本実施形態では、潤滑油が反カウンタボア側から軸受空間内に供給されるので、潤滑油が直接温度センサ52に吐出されることがなく、精度のよい温度測定が可能となる。
(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態に係る工作機械の主軸装置用軸受を示す。なお、第2〜第5実施形態では、温度センサの取り付け構造が第1実施形態のものと異なるのみである。そのため、各実施形態は、温度センサが取り付けられる前側軸受の要部のみを図示すると共に、第1実施形態と同等部分については、同一符号を付して説明を省略或いは簡略化する。
この実施形態の前側軸受60aでは、外輪61のカウンタボア側内周面61aの一部にセンサ用埋め込み溝61cが形成され、この埋め込み溝61cの平坦面に温度センサ52が貼り付けられている。これにより、温度センサ52をカウンタボア側内周面61aから径方向内方に突出せずに配置することができ、潤滑油の滞留を防ぎ、異常昇温のリスクを低減できる。また、温度センサ52が埋め込み溝61cの平坦面に容易に接着することができ、しっかりと固定することができる。
その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。
(第3実施形態)
図7は、本発明の第3実施形態に係る工作機械の主軸装置用軸受を示す。この実施形態の前側軸受60bでは、外輪61の反カウンタボア側から接触点p近傍まで軸方向に沿ってセンサ孔61dが形成されており、このセンサ孔61d内に温度センサ52が収容固定されている。これにより、保持器64を案内する反カウンタボア側の内周面61bに溝を形成せずに、発熱点pに近い反カウンタボア側の部分での温度測定が可能となる。
その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。
(第4実施形態)
図8は、本発明の第4実施形態に係る工作機械の主軸装置用軸受を示す。この実施形態の前側軸受60cでは、外輪61のカウンタボア側から接触点p近傍まで軸方向に沿ってセンサ孔61eが形成されており、このセンサ孔61e内に温度センサ52が収容固定されている。これにより、発熱点pに近い部分での温度測定が可能となるとともに、第1実施形態と同様、電気配線53の配索が工具側からとなり、組立作業が容易である。
その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。
(第5実施形態)
図9は、本発明の第5実施形態に係る工作機械の主軸装置用軸受を示す。この実施形態の前側軸受60dでは、外輪61の反カウンタボア側の軌道溝近傍に半月状の溝61fが形成されており、この半月状の溝61f内に温度センサ52が収容固定される。さらに反カウンタボア側から軸方向に沿った配線孔61gを穿孔して半月状の溝61fと貫通させ、この配線孔61g内に電気配線53を配索する。また、保持器64の外周面には、この半月状の溝61fのエッジと当たらないように、逃がし溝64aが左右対称に形成されている。これにより、発熱点pに近い部分での温度測定が可能となるとともに、温度センサ52を組み付け後もセンサ52が溝61fから見えるので、接着作業が容易である。
その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。
尚、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
本実施形態では、前側軸受60,70を2列のアンギュラ玉軸受,後側軸受80を円筒ころ軸受としたが、各軸受の種類や列数は任意に設定可能である。
また、本発明の回転軸は、工具が取り付けられるもののほか、加工物が取り付けられるものであってもよい。
ここで、図10に示すような工作機械スピンドルを用いて、本考案に基づいて配置された温度センサ(本考案温度センサA)と、従来のように配置された熱電対(従来熱電対B)とを用いて、運転時の温度検知の応答性を比較した。以下、試験条件について列挙する。
<試験条件>
(1)主軸軸受形式:アンギュラ玉軸受
(2)軸受主要寸法:軸受内径60mm、軸受外径90mm
(3)試験時のスピンドル回転数:最高30,000min−1(軸受dmn値:2.3×106)
(4)主軸駆動形式:モータビルトイン
(5)潤滑方法:オイルエア潤滑
(6)スピンドル姿勢:横姿勢(大地と平行)
(7)回転数:0〜30,000min−1連続回転(10,000min−1刻み)
(8)慣らし運転なし(いわゆるコールドスタート)
・本考案温度センサA:外輪61の内周面61aに固定(図10参照)
・従来熱電対B:外輪61の外周面に配置(図10参照)
一般的に、工作機械スピンドルにより加工を行う際には通常、低速回転で所定の時間回転させた後、所定の回転速度まで立ち上げる、いわゆる慣らし運転を行う。その1つの理由は、停止中に主軸軸受内に残存し流動性の悪くなった潤滑剤を攪拌し、軸受内外輪と転動体の回転接触部位から排出、または分散させることで、運転開始直後の潤滑剤の攪拌抵抗によるスピンドルの異常昇温が引き起こす加工の不具合を防ぐことである。特に高速回転を行う前には、直前の慣らし運転を行わないと、急激な軸受内部の発熱により、潤滑油膜が切れて、軸受の焼付きを発生させる場合がある。本試験では、上述の回転初期の異常昇温を含めて、このような軸受の急激な昇温が発生した場合における、従来熱電対Bに対する本考案温度センサAのセンシング特性の優位性を確認した。
図11は、スピンドル回転数を0から10000min−1へ加速したとき、本考案温度センサA及び従来熱電対Bが示す軸受外輪温度を示している。
前述したように、本試験では運転開始直後の急激な発熱を故意に発生させるため、慣らし運転は行っていない。そのため、運転開始直後は軸受内部の転がり接触部で異常昇温し、軸受外輪は急激に昇温することが考えられる。図11から、本考案温度センサAでは、回転直後に昇温値に極大点が認められ、転がり接触部近傍の局部的で急激な温度変化を瞬時に捕らえていることがわかる。すなわち、本考案温度センサAは、軸受外輪の異常昇温を検知していることがわかる。これに対し、従来熱電対Bでは、昇温値の極大点は認められず、なだらかに温度上昇するのみである。また、回転開始から回転初期の軸受外輪温度が最大値にいたるまでの時間を比較すると、本考案温度センサAはT2(回転開始後約20秒)であり、従来熱電対BがT1(回転開始後約40秒)であるのと比較すると約半分になっている。これらは、本考案温度センサAが熱源近傍に配置されていることと、本考案温度センサAの温度検知の応答性が従来熱電対Bと比較して高いことによるものである。
図12は、スピンドル回転数を0から10000min−1へ加速し、本考案温度センサA及び従来熱電対Bの示す温度勾配が平坦化するまでの、本考案温度センサA及び従来熱電対Bが示す軸受外輪温度を示している。
図12から、本考案温度センサAは、従来熱電対Bと比較して回転立ち上げ後の温度勾配が大きいことが分かる。さらに回転開始からT3(回転開始後120秒)後の従来熱電対Bの温度上昇値Ht3および本考案温度センサAの温度上昇値Hp3のそれぞれに対して、温度勾配が平坦化した後の温度上昇値Hを比較すると、Ht3/H=0.45、Hp3/H=0.70となり、回転直後T3後に従来熱電対Bは45%まで温度が上昇しているのに対し、本考案温度センサAは70%まで温度が上昇している。これにより、本考案温度センサAの温度検知の応答性が、従来熱電対Bと比較して高いことがわかる。
図13はスピンドル回転数を10000min−1から20000min−1へ加速し、本考案温度センサA及び従来熱電対Bの示す温度勾配が平坦化するまでの、本考案温度センサA及び従来熱電対Bが示す軸受外輪温度を示している。
図13も図12と同様に、回転加速後の温度勾配から、本考案温度センサAの温度検知の応答性が従来熱電対Bと比較して高いことがわかる。
図14はスピンドル回転数を20000min−1から30000min−1へ加速し、本考案温度センサA及び従来熱電対Bの示す温度勾配が平坦化するまでの、本考案温度センサA及び従来熱電対Bが示す軸受外輪温度を示している。
図14も図12と同様に、本考案温度センサA及び従来熱電対Bが示す回転加速後の温度勾配において、本考案温度センサAの温度検知の応答性が従来熱電対Bと比較して高いことがわかる。
以上の実験結果から、従来熱電対Bに対する本考案温度センサAの配置個所による優位性、および温度検知の応答性の高さが確認できる。これにより、初期コールドスタート時や回転中の何らかの要因による異常昇温を瞬時に感知でき、軸受の焼付きやスピンドルの損傷を未然に防ぐことが可能となる。
20 主軸装置
22 回転軸
30 ロータ
32 ステータ
40 外輪間座
42 内輪間座
52,A 温度センサ
53 電気配線
60,60a,60b,60c,60d,70 前側軸受(アンギュラ玉軸受)
61 外輪
61a カウンタボア側内周面
61b 反カウンタボア側内周面
61c センサ用埋め込み溝
61d,61e センサ孔
61f 半月状の溝
61g 配線孔
80 後側軸受(円筒ころ軸受)
112,B 熱電対

Claims (3)

  1. 外周面に内輪軌道面を有する内輪と、
    内周面に外輪軌道面を有する外輪と、
    前記内輪軌道面と前記外輪軌道面との間に配置される複数の転動体と、
    を有し、回転軸をハウジングに対して回転自在に支持する工作機械の主軸装置用軸受であって、
    前記外輪と前記転動体との接触点近傍において、前記外輪の内周面近傍であって前記外輪軌道面ではない箇所に設けられたセンサ位置決め部に温度センサが配置されており、
    前記温度センサは、前記外輪の内周面に前記温度センサが突出しないように、前記センサ位置決め部に配置されることを特徴とする工作機械の主軸装置用軸受。
  2. 請求項1に記載の前記軸受と、
    前記内輪が外嵌される前記回転軸と、
    前記外輪が内嵌される前記ハウジングと、
    を備えることを特徴とする工作機械の主軸装置。
  3. 請求項2に記載の前記主軸装置を備えることを特徴とする工作機械。
JP2013152053A 2008-10-29 2013-07-22 工作機械の主軸装置用軸受、工作機械の主軸装置、及び、工作機械 Expired - Fee Related JP5830793B2 (ja)

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