JP2014001314A - 分解油回収装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】不純物を含む廃プラスチックを熱分解した分解油における不純物成分を減らし、メンテナンスを容易にする。
【解決手段】不純物を含むプラスチックを熱分解する熱分解槽と、前記熱分解で発生するガス状の生成物を冷却する冷却部と、前記冷却部において冷却された分解油を回収する分解油回収槽と、前記熱分解槽に設けられた付着部と、を有し、前記付着部は、アルカリ水溶液または水を含んでいるものであることを特徴とする分解油回収装置を提供することにより上記課題を解決する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、分解油回収装置に関するものである。
近年、パソコンや携帯電話等の筐体や部品に用いられている廃プラスチックを熱分解により油化し、分解油として回収する廃プラスチックのリサイクル技術が着目されている。このように回収された分解油は燃料等として再利用されるが、廃プラスチックの中には、難燃剤として臭素系難燃剤を含んでいるものがあり、臭素系難燃剤が含まれる廃プラスチックから回収された分解油には、臭素(Br)が多く含まれている。このような臭素が含まれている分解油を燃料として燃焼させた場合には、臭素ダイオキシン等が発生し、環境に悪影響を与えるため、燃料としては好ましくない。
具体的に、図1に基づき廃プラスチックより分解油を回収する分解油回収装置について説明する。廃プラスチックの熱分解による油化技術は、通常、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン等を対象とする場合が多い。この分解油回収装置では、熱分解槽10内に廃プラスチックを投入し、熱分解槽10の内部を窒素置換して酸素を含まない雰囲気とし、加熱部20により熱分解槽10の温度を300℃〜600℃に加熱する。加熱部20において加熱することにより、熱分解槽10内に投入された廃プラスチックは、融点以上の温度となり、溶融した廃プラスチック11となる。このような溶融した廃プラスチック11は熱分解し、気化したガス状の生成物が発生する。
気化したガス状の生成物は、第1の配管40を介し冷却部50に導かれ冷却された後、第2の配管60を介し分解油回収槽70内に不純物81とともに分解油80として溜まる。このように分解油回収槽70内に溜まった分解油80はフィルタ82等を介して不純物を取り除いた後に回収される。
特開2001−254083号公報 特開平8−100183号公報
ところで、前述したように、図1に示す分解油回収装置において、廃プラスチックに不純物となるもの、例えば臭素系難燃剤が含まれている場合、分解油回収槽70に溜まった分解油80には、臭素を含む化合物が多く含まれる。よって、この分解油80を燃料等として燃焼させると、臭素ダイオキシン等が発生してしまう。このため、特許文献1及び2に記載されている分解油回収装置では、第1の配管40等に臭素成分を吸着する部材が設けられており、これにより回収される分解油に含まれる臭素成分を減らすことができる。
しかしながら、熱分解槽10において発生したガス生成物のうち臭素を含む化合物は分解油に比べ沸点等が高いため、図1に示すものと同様に、熱分解槽10よりも低温となる第1の配管40等の内部に付着し、第1の配管40を閉塞してしまう。このように、第1の配管40等の内部に臭素を含む化合物が付着した場合、これらを除去するためのメンテナンスを行なうことが求められる。同様に、臭素成分を吸着する部材を設けた場合においても、臭素成分を吸着させる部材に吸着している臭素成分を頻繁に除去することが求められる。従って、これらの場合においては、メンテナンス等における費用と時間を要する。
よって、臭素等の不純物を含む廃プラスチックより分解油を回収する分解油回収装置において、回収される分解油に混入する臭素化合物等を低減することができ、メンテナンスが容易な分解油回収装置が求められている。
本実施の形態の一観点によれば、不純物を含むプラスチックを熱分解する熱分解槽と、前記熱分解で発生するガス状の生成物を冷却する冷却部と、前記冷却部において冷却された分解油を回収する分解油回収槽と、前記熱分解槽に設けられた付着部と、を有し、前記付着部は、アルカリ水溶液または水を含んでいるものであることを特徴とする。
開示の分解油回収装置によれば、回収される分解油に混入する臭素化合物等の不純物を低減することができ、分解油回収装置のメンテナンスが容易となる。
従来の分解油回収装置の構造図 第1の実施の形態における分解油回収装置の構造図 第2の実施の形態における分解油回収装置の構造図 第2の実施の形態における分解油回収装置の分解油回収槽の他の構造の構造図 比較例1における分解油製造方法の構造図
発明を実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
〔第1の実施の形態〕
第1の実施の形態における分解油回収装置について、図2に基づき説明する。本実施の形態における分解油回収装置は、熱分解槽110、加熱部120、第1の配管140、冷却部150、第2の配管160、分解油回収槽170を有しており、熱分解槽110内の上部には金属等により形成された付着部130が設けられている。付着部130は、アルカリ水溶液を含んだグラスウール、金属ウール、金属メッシュ等により形成されている。アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH))等の水酸化化合物が好ましいが、アルカリ水溶液に代えて水(HO)等を用いてもよい。
本実施の形態における分解油回収装置では、熱分解槽110内に不純物となる臭素成分等を含む廃プラスチックを投入し、熱分解槽110等の内部を窒素置換して酸素を含まない雰囲気とし、加熱部120により熱分解槽110の温度を300〜600℃に加熱する。加熱部120はバーナー等であり、熱分解槽110の外側下部から熱分解槽110を加熱することにより、投入された廃プラスチックは、融点以上の温度となり、溶融した廃プラスチック111となる。このように溶融した廃プラスチック111は熱分解し、気化したガス状の生成物が発生する。
ところで、気化したガス状の生成物に含まれる臭素(Br)は、気化したガス状の生成物が高濃度の酸性となることにより溶け込んでいるため、気化したガス状の生成物の酸性値を下げることにより容易に臭素成分を回収することができる。本実施の形態においては、付着部130は、ガラスウールや金属メッシュ等にアルカリ水溶液を含んだものによって形成されている。従って、付着部130に含まれるアルカリ水溶液により、気化したガス状の生成物の酸性値を下げることができるため、気化したガス状の生成物より臭素成分を回収することができる。尚、気化したガス状の生成物の酸性値を下げるためには、付着部130にはアルカリ水溶液を含有していることが好ましいが、アルカリ水溶液に代えて水を用いてもよい。水によっても気化したガス状の生成物の酸性値を下げることができるからである。
以上のように、本実施の形態においては、気化したガス状の生成物のうち、臭素を含む化合物を付着部130に付着させ除去することができる。このように付着部130において臭素を含む化合物が除去された気化したガス状の生成物は、第1の配管140を通過した後、冷却部150において冷却され、第2の配管160を介し、分解油回収槽170において分解油180として回収される。尚、付着部130において、臭素を含む化合物が完全に除去されない場合があり、この場合、分解油回収槽170には、分解油180とともに臭素を含む化合物181が溜まる。また、付着部130に含まれるアルカリ水溶液も一部気化し、分解油回収槽170においてアルカリ水溶液182として溜まる。分解油回収槽170においては、分解油180、臭素を含む化合物181、アルカリ水溶液182は分離した状態で溜まっているため、分解油回収槽170において溜まっている分解油180は、フィルタ190を介して回収することができる。
本実施の形態における分解油回収装置では、熱分解槽110の内部にアルカリ水溶液等を含む付着部130を設置することにより、回収された分解油180に含まれる臭素成分を減らすことができる。
また、臭素を含む化合物は、熱分解槽110の内部に設けられた付着部130に付着するため、臭素を含む化合物が第1の配管140や冷却部150の内部に殆ど付着することはない。従って、気化したガス状の生成物により第1の配管140や冷却部150が塞がれることはなく、第1の配管140や冷却部150におけるメンテナンスが不要またはメンテナンスの頻度を減らすことができる。
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態における分離油回収装置は、図3に示されるように、分解油回収槽270に溜まっているアルカリ水溶液182を付着部130に供給する構造のものである。
本実施の形態における分解油回収装置について、図3に基づき説明する。本実施の形態における分解油回収装置は、熱分解槽110、加熱部120、第1の配管140、冷却部150、第2の配管160、分解油回収槽270を有しており、熱分解槽110内の上部には金属等により形成された付着部130が設けられている。付着部130は、アルカリ水溶液を含んだグラスウール、金属ウール、金属メッシュ等により形成されている。アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH))等の水酸化化合物が好ましいが、アルカリ水溶液に代えて水(HO)等を用いてもよい。
本実施の形態における分解油回収装置では、熱分解槽110内に不純物となる臭素成分等を含む廃プラスチックを投入し、熱分解槽110等の内部を窒素置換して酸素を含まない雰囲気とし、加熱部120により熱分解槽110の温度を300〜600℃に加熱する。加熱部120はバーナー等であり、熱分解槽110の外側下部から熱分解槽110を加熱することにより、投入された廃プラスチックは、融点以上の温度となり、溶融した廃プラスチック111となる。このように溶融した廃プラスチック111は熱分解し、気化したガス状の生成物が発生する。
ところで、気化したガス状の生成物に含まれる臭素(Br)は、気化したガス状の生成物が高濃度の酸性となることにより溶け込んでいるため、気化したガス状の生成物の酸性値を下げることにより容易に臭素成分を回収することができる。本実施の形態においては、付着部130は、ガラスウールや金属メッシュ等にアルカリ水溶液を含んだものにより形成されている。従って、付着部130に含まれるアルカリ水溶液により、気化したガス状の生成物の酸性値を下げることができるため、気化したガス状の生成物より臭素成分を容易に回収することができる。尚、気化したガス状の生成物の酸性値を下げるためには、付着部130にはアルカリ水溶液が含まれていることが好ましいが、アルカリ水溶液に代えて水を用いてもよい。水によっても気化したガス状の生成物の酸性値を下げることができるからである。
以上のように、本実施の形態においては、気化したガス状の生成物のうち、臭素を含む化合物を付着部130において付着させ除去することができる。このように付着部130において臭素を含む化合物が除去された気化したガス状の生成物は、第1の配管140を通過した後、冷却部150において冷却され、第2の配管160を介し、分解油回収槽270において分解油180として回収される。尚、付着部130において、臭素を含む化合物が完全に除去されない場合があり、この場合、分解油回収槽270には、分解油180とともに臭素を含む化合物181が溜まる。また、付着部130に含まれるアルカリ水溶液も一部気化し、分解油回収槽270においてアルカリ水溶液182として溜まる。尚、分解油回収槽270では、分解油180、臭素を含む化合物181、アルカリ水溶液182は分離した状態で溜まっているため、分解油回収槽270において溜まっている分解油180はフィルタ190を介して回収することができる。
本実施の形態においては、分解油回収槽270には、予めアルカリ剤280が設置されており、更に、アルカリ水溶液182と残渣物281等を分離するため、約5μmの穴が複数設けられているフィルタ291が設けられている。分解油回収槽270においては、フィルタ291を通ったアルカリ水溶液182が溜まるが、このように分解油回収槽270において溜まったアルカリ水溶液182は、ポンプ292により、熱分解槽110の上部に供給される。具体的には、本実施の形態における分解油回収装置においては、分解油回収槽270においてアルカリ水溶液182が溜まっている部分とポンプ292とを接続する接続管293と、ポンプ292と熱分解槽110の上部とを接続する接続管294とが設けられている。よって、ポンプ292を動かすことにより、分解油回収槽270に溜まっているアルカリ水溶液182は、接続管293、ポンプ292、接続管294を介し、熱分解槽110の上部に供給することができる。熱分解槽110の上部には、接続管294と接続されている噴霧部295が設けられており、噴霧部295よりアルカリ水溶液が噴霧され、噴霧されたアルカリ水溶液は噴霧部295の下に設けられている付着部130に付着する。
これにより、付着部130に含まれていたアルカリ水溶液が気化しても、分解油回収槽270に溜まっているアルカリ水溶液を付着部130に供給することができるため、付着部130は、常にアルカリ水溶液を含んでいる状態となるようにすることができる。即ち、付着部130におけるアルカリ水溶液が少なくなったり、なくなったりした場合には、付着部130において臭素を回収する効率が低下し、回収される分解油に含まれる臭素成分が増加してしまう。しかしながら、本実施の形態においては、付着部130にアルカリ水溶液を供給することができるため、常に付着部130にはアルカリ水溶液が含有されている状態を保つことができる。よって、付着部130においてより一層臭素成分を除去することができ、回収される分解油180に含まれる臭素成分を減らすことができる。
尚、本実施の形態においては、アルカリ剤280としては、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH))等を含む材料を用いることが可能である。また、分解油回収槽270には、予めアルカリ水溶液182が一部入れられた状態のものであってもよい。
(分解油回収槽270の他の構造)
ところで、分解油回収槽270において溜まっているアルカリ水溶液182は、熱分解槽110より気化等した後に回収されたものであるため、所望のpH値とは異なるpH値となっている場合がある。このため、図4に示されるように、分解油回収槽270は、隔壁296、開閉弁297及びpHセンサ298が設けられているものであってもよい。図4に示される分解油回収槽270において、アルカリ剤280は最も底部に設けられており、隔壁296及び開閉弁297は、アルカリ剤280が設けられている領域とアルカリ水溶液182が溜まっている領域との境界に設けられている。また、pHセンサ298は、アルカリ水溶液182が溜まっている領域に設けられており、pHセンサ298及び開閉弁297は制御部299に接続されている。よって、本実施の形態においては、pHセンサ298により分解油回収槽270に溜まったアルカリ水溶液182のpH値を検出し、検出されたアルカリ水溶液182のpH値に基づき、開閉弁297の開閉を制御部299による制御により行なう。これにより、分解油回収槽270に溜まったアルカリ水溶液182を所望のpH値にすることができる。
本実施の形態における分解油回収装置では、分解油回収槽270に溜まったアルカリ水溶液を付着部130に供給することができるため、回収された分解油180に含まれる臭素成分をより一層減らすことができる。
また、臭素を含む化合物は、熱分解槽110の内部に設けられた付着部130に付着するため、臭素を含む化合物により第1の配管140や冷却部150の内部に殆ど付着することはない。よって、第1の配管140や冷却部150のメンテナンスが不要またはメンテナンスの頻度を減らすことができる。
尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
次に、本実施の形態における実施例及び比較例について説明する。
(比較例1)
比較例1について説明する。本比較例では、図5に示される分解油回収装置を用いた。この分解油回収装置は、アルカリ水溶液を含む付着部を有しないものであり、この分解油回収装置について、図5に基づき説明する。この分解油回収装置は、熱分解槽910、加熱部920、第1の配管940、冷却部950、第2の配管960、分解油回収槽970を有しており、分解油回収槽970において溜まった分解油980はフィルタ990を介して回収されるものである。尚、冷却部950は水冷式であり、分解油回収槽970においては、熱分解槽910において発生した気化したガス状の生成物に含まれていた臭素を含む化合物981も溜まる。
ABS−FR(17)と識別表示されている廃プラスチックは、臭素系難燃剤を含むABS樹脂であり、一般には、臭素系難燃剤が含まれている。この廃プラスチックと金属材料等を含む筐体材料(ABS−FR樹脂:450g、金属:50g)を図5に示される熱分解槽910に投入し密閉する。この後、熱分解槽910、第1の配管940、冷却部950、第2の配管960及び分解油回収槽970の内部を窒素置換する。この後、加熱部920により、熱分解槽910が550℃になるまで約5℃/分で加熱し、550℃に到達した後は、550℃で5分間維持する。これにより、廃プラスチックは油化し、気化したガス状の生成物が発生し、気化したガス状の生成物は、第1の配管940、冷却部950、第2の配管960を介し分解油回収槽970において分解油980として溜まる。
本比較例においては、分解油回収槽970において、分解油980が約180g回収され、臭素を含む化合物981が約90g溜まった。また、熱分解槽910の底には、炭状の残渣物が約15gと、この炭状の残渣物に混入した状態で金属が約50g溜まった。また、第1の配管940、冷却部950及び第2の配管960には、臭素を含む化合物等が閉塞物として約90g付着していた。
本比較例において得られた分解油980における臭素濃度は6%であり、回収された分解油980を燃焼させて発熱量計により測定したところ、発熱量は37MJ/kgであった。また、燃焼の際に用いたSUS容器には液状の残渣物が残り、またSUS容器の腐食も確認された。
(実施例1)
次に、実施例1について説明する。本実施例は、図2に示される第1の実施の形態に対応する実施例であり、冷却部150は水冷式のものである。
本実施例では、ABS−FR(17)と識別表示されている廃プラスチックと金属材料等を含む筐体材料(ABS−FR樹脂:450g、金属:50g)を図2に示される熱分解槽110に投入し密閉する。この後、熱分解槽110、第1の配管140、冷却部150、第2の配管160及び分解油回収槽170の内部を窒素置換する。尚、熱分解槽110内に設置された付着部130は、5%のNaOH水溶液を含浸させたグラスウールをステンレスメッシュにより格納した状態のものである。この後、加熱部120により、熱分解槽110が550℃になるまで約5℃/分で加熱し、550℃に到達した後は、550℃で5分間維持する。これにより、廃プラスチックは油化し、気化したガス状の生成物が発生し、気化したガス状の生成物は、第1の配管140、冷却部150、第2の配管160を介し分解油回収槽170において分解油180として溜まる。
本実施例においては、分解油回収槽170において、分解油180が175g回収され、臭素を含む化合物181が9g溜まった。また、熱分解槽110の底部には、炭状の残渣物が約10gと、この炭状の残渣物に混入した状態で金属が約50g溜まっていた。また、付着部130には、約165gの付着物が付着しており、第1の配管140、冷却部150及び第2の配管160には、臭素を含む化合物等が約3g付着していた。
本実施例において得られた分解油180における臭素濃度は、0.2%であり、回収された分解油180を燃焼させて発熱量計により測定したところ、発熱量は39MJ/kgであった。また、燃焼の際に用いたSUS容器に残る残渣物は僅かであり、またSUS容器の腐食は僅かに確認されただけであった。
(実施例2)
次に、実施例2について説明する。本実施例は、図3に示される第2の実施の形態に対応する実施例であり、冷却部150は水冷式のものである。
本実施例では、ABS−FR(17)と識別表示されている廃プラスチックと金属材料等を含む筐体材料(ABS−FR樹脂:450g、金属:50g)を図3に示される熱分解槽110に投入し密閉する。この後、熱分解槽110、第1の配管140、冷却部150、第2の配管160及び分解油回収槽270の内部を窒素置換する。尚、熱分解槽110内に設置された付着部130は、5%のNaOH水溶液を含浸させたグラスウールをステンレスメッシュにより格納した状態のものである。尚、本実施例では、図3に示されるように、分解油回収槽270には、予めアルカリ水溶液182であるCa(OH)が溜まっており、このアルカリ水溶液182は、ポンプ292により付着部130に供給される。この後、加熱部120により、熱分解槽110が550℃になるまで約5℃/分で加熱し、550℃に到達した後は、550℃で5分間維持する。これにより、廃プラスチックは油化し、気化したガス状の生成物が発生し、気化したガス状の生成物は、第1の配管140、冷却部150、第2の配管160を介し分解油回収槽270において分解油180として溜まる。
本実施例においては、分解油回収槽270において、分解油180が175g回収され、臭素を含む化合物181が20g溜まった。また、熱分解槽110の底部には、炭状の残渣物が約10gと、この炭状の残渣物に混入した状態で金属が約50g溜まっていた。また、付着部130には、約165gの付着物が付着しており、第1の配管140、冷却部150及び第2の配管160には、臭素を含む化合物等は付着してはいなかった。
本実施例において得られた分解油180における臭素濃度は0.2%であり、回収された分解油180を燃焼させて発熱量計により測定したところ、発熱量は40MJ/kgであった。また、燃焼の際に用いたSUS容器には残渣物はなく、またSUS容器の腐食は確認されなかった。
以上、実施の形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
上記の説明に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
不純物を含むプラスチックを熱分解する熱分解槽と、
前記熱分解で発生するガス状の生成物を冷却する冷却部と、
前記冷却部において冷却された分解油を回収する分解油回収槽と、
前記熱分解槽に設けられた付着部と、
を有し、
前記付着部は、アルカリ水溶液または水を含んでいるものであることを特徴とする分解油回収装置。
(付記2)
前記付着部は、グラスウール、金属ウールにアルカリ水溶液または水を含有するものであることを特徴とする付記1に記載の分解油回収装置。
(付記3)
前記アルカリ水溶液は、水酸化化合物の水溶液であることを特徴とする付記1または2に記載の分解油回収装置。
(付記4)
前記アルカリ水溶液は、(NaOH)、(KOH)、(Ca(OH))のうちの1または2以上の水溶液であることを特徴とする付記1または2に記載の分解油回収装置。
(付記5)
前記分解油回収槽と前記熱分解槽とは接続管により接続されており、
前記分解油回収槽に溜まっているアルカリ水溶液または水が、前記接続管を介し前記付着部に供給されるものであることを特徴とする付記1から4のいずれかに記載の分解油回収装置。
(付記6)
前記分解油回収槽に溜まっているアルカリ水溶液または水が、前記接続管に接続されたポンプにより前記付着部に供給されるものであることを特徴とする付記5に記載の分解油回収装置。
(付記7)
前記分解油回収槽においては、前記アルカリ水溶液と前記分解油との間にフィルタが設けられていることを特徴とする付記5または6に記載の分解油回収装置。
(付記8)
前記分解油回収槽内には、アルカリ剤が入れられていることを特徴とする付記1から7のいずれかに記載の分解油回収装置。
(付記9)
前記アルカリ剤は、(NaOH)、(KOH)、(Ca(OH))のうちの1または2以上を含むものであることを特徴とする付記8に記載の分解油回収装置。
(付記10)
前記分解油回収槽には、前記分解油回収槽に溜まった前記アルカリ水溶液のpHを検出するpHセンサが設けられていることを特徴とする付記1から9のいずれかに記載の分解油回収装置。
(付記11)
前記分解油回収槽内には、アルカリ剤が入れられており、
前記分解油回収槽には、前記分解油回収槽に溜まった前記アルカリ水溶液のpHを検出するpHセンサが設けられており、
前記pHセンサにおいて検出されたpH値に基づき、前記アルカリ水溶液に前記分解油回収槽内に入れられているアルカリ剤の供給を制御する制御部が設けられていることを特徴とする付記1から9のいずれかに記載の分解油回収装置。
110 熱分解槽
120 加熱部
130 付着部
140 第1の配管
150 冷却部
160 第2の配管
170 分解油回収槽
180 分解油
182 アルカリ水溶液
190 フィルタ
270 分解油回収槽
280 アルカリ剤
291 フィルタ
292 ポンプ
293 接続管
294 接続管
295 噴霧部

Claims (6)

  1. 不純物を含むプラスチックを熱分解する熱分解槽と、
    前記熱分解で発生するガス状の生成物を冷却する冷却部と、
    前記冷却部において冷却された分解油を回収する分解油回収槽と、
    前記熱分解槽に設けられた付着部と、
    を有し、
    前記付着部は、アルカリ水溶液または水を含んでいるものであることを特徴とする分解油回収装置。
  2. 前記アルカリ水溶液は、水酸化化合物の水溶液であることを特徴とする請求項1に記載の分解油回収装置。
  3. 前記分解油回収槽と前記熱分解槽とは接続管により接続されており、
    前記分解油回収槽に溜まっているアルカリ水溶液または水が、前記接続管を介し前記付着部に供給されるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の分解油回収装置。
  4. 前記分解油回収槽内には、アルカリ剤が入れられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の分解油回収装置。
  5. 前記分解油回収槽には、前記分解油回収槽に溜まった前記アルカリ水溶液のpHを検出するpHセンサが設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の分解油回収装置。
  6. 前記分解油回収槽内には、アルカリ剤が入れられており、
    前記分解油回収槽には、前記分解油回収槽に溜まった前記アルカリ水溶液のpHを検出するpHセンサが設けられており、
    前記pHセンサにおいて検出されたpH値に基づき、前記アルカリ水溶液に前記分解油回収槽内に入れられているアルカリ剤の供給を制御する制御部が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の分解油回収装置。
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