JPH10195451A - 廃プラスチックの溶融・熱分解方法、その溶融・熱分解 槽及び廃プラスチックの油化方法 - Google Patents

廃プラスチックの溶融・熱分解方法、その溶融・熱分解 槽及び廃プラスチックの油化方法

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JPH10195451A
JPH10195451A JP8358292A JP35829296A JPH10195451A JP H10195451 A JPH10195451 A JP H10195451A JP 8358292 A JP8358292 A JP 8358292A JP 35829296 A JP35829296 A JP 35829296A JP H10195451 A JPH10195451 A JP H10195451A
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melting
waste plastic
pyrolysis
oil
inner cylinder
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Takashi Tachibana
孝 立花
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 異物を含む廃プラスチックを安価にかつ連続
的に溶融し、脱塩化水素化し、熱分解する。 【解決手段】 1つの溶融・熱分解槽を用いて廃プラス
チックを溶融しつつ脱塩化水素処理した後、該廃プラス
チック溶融物を熱分解するにあたり、槽本体内を内筒内
側の溶融領域と内筒外下側の熱分解領域とに区画し、溶
融領域にて廃プラスチックを熱分解領域の熱にて加熱溶
融するとともに、廃プラスチック溶融物の脱塩化水素を
進行させ、溶融領域の廃プラスチック溶融物を熱分解領
域で連続的に熱分解させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は廃プラスチックの溶
融・熱分解方法、その溶融・熱分解装置及び廃プラスチ
ックの油化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、ポリオレフィン、スチレン、塩
化ビニル等の廃プラスチックについては加熱溶融し、熱
分解を行なって低分子量炭化水素に油化できることが知
られている。この廃プラスチックを連続的に油化する代
表的な方法として図8ないし図11に示される4つの方
法が知られている。
【0003】図8の方法(以下、A法という):廃プラ
スチックを約5〜10mmに破砕し、押出機500へ導
入する。押出機500では圧縮熱と熱媒501による外
部加熱とによって樹脂温度が300℃まで昇温された
後、攪拌機付の溶融槽502に投入される。溶融槽50
2は熱分解槽503の熱分解油の一部をポンプを介して
還流させることによって約320℃まで昇温される。廃
プラスチックは押出機500と溶融槽502で完全溶融
し、約95%の塩化水素、水分及び軽質油G1が分離さ
れる。廃棄プラスチック溶融物はポンプによって溶融槽
500から熱分解槽503へ移送され、370〜430
℃で4時間の間、滞留されて熱分解される。熱分解に必
要な熱は熱分解槽503の底部の熱分解油をポンプによ
って加熱炉504に供給して加熱した後、熱分解槽50
3に還流することによって得られる。熱分解時に発生す
る残査S1は遠心分離機505で濃縮され、その分離液
は熱分解系へ戻される。熱分解蒸気G2は脱クロール槽
(KOポット)506、中和槽507を経て触媒槽50
8に導入され、そこで軽質油、中質油、重質油に分離さ
れる。
【0004】図9の方法(以下、B法という):押出機
は使用せず、5〜10mmに破砕した廃プラスチックを
常温のまま、スクリューコンベア510によって窒素雰
囲気で攪拌機付きの溶融槽502に投入される。溶融槽
502はポンプによって約400℃の槽底油の一定量を
熱媒熱交換器511を介して還流させることによって温
度320℃まで昇温され、廃プラスチックを3時間の
間、溶融槽502に滞留させる半バッチ法によって溶融
及び脱塩化水素が行なわれる。熱分解槽503の残査S
1抜きはパイプを介して重力沈降槽512で行なう。他
の処理はA法と同様である。
【0005】図10の方法(以下、C法という):5〜
10mmに破砕した廃プラスチックを熱媒501で外部
加熱したスクリュー型溶融機513に導入し、廃プラス
チックを320℃まで昇温した後、脱塩化水素槽514
へ投入し、約20分間滞留させて90%の塩化水素、軽
質油及び水分G1を分離し、ボールバルブ515を介し
て攪拌機付きの溶融・熱分解槽516に投入する。溶融
・熱分解槽516では温度370〜430℃で4時間の
間、滞留されて熱分解が完了し、その残査S1はスクリ
ューコンベア517を使用して系外へ排出される。熱分
解蒸気G2は蒸留塔518へ導入されて軽質油、中質油
及び重質油に分離される。中質油の一部は加熱炉504
で約470℃まで昇温された後、熱分解槽517の底部
に直接吹き込まれて熱分解に必要な熱が与えられる(例
えば、特開平7ー268354号公報参照)。
【0006】図11の方法(以下、D法という):廃プ
ラスチックはスクリューコンベア520によって完全1
槽型の溶融・熱分解槽521に投入され、溶融・熱分解
槽521で溶融、脱塩化水素及び熱分解が行われる。必
要な熱は直火加熱によって与えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記A法〜D
法では下記に列挙される問題点があった。 1.押出機やスクリュー型溶融機によって廃プラスチッ
クを溶融し脱塩化水素化する場合、設備費、運転費及び
メインテナンス費がコスト高となる。即ち、 押出機には圧縮部があるので、異物に対して弱い。そ
の為、油化設備に導入する前に各種分離機(ふるい分
離、比重差、磁気、うず電流法)を使用して可能な限
り、異物を特に高精度に分離する必要がある。 押出機やスクリュー型溶融機及び独立した溶融槽を加
熱するのに高価な熱媒を必要としているので、熱媒の温
度条件は350〜400℃と高温仕様となり、短寿命で
あるばかりでなく、熱媒設備が大がかりなものとなる。 押出機やスクリュー型溶融機での溶融及び脱塩化水素
には廃プラスチックを希釈しないでそのままの高粘度の
状態で練りを与える必要があるので、動力費が大きい。 押出機やスクリュー型溶融機では投入口が必然的に小
さくなるので、嵩比重の小さい発泡状、フラフ状、フィ
ルム状等の廃プラスチックは前処理段階において減容
し、さらに破砕してから投入しなければならず、無駄な
工程を必要とし、あるいは投入口に強制押込装置(コン
パクター)を取付ける必要がある。 特に、押出機は構造が複雑で高級材料が必要とされ
る。
【0008】2.溶融及び熱分解を各々の槽で行なう場
合、移送や循環のためのポンプ、配管、計装を必要と
し、プロセスが複雑化して運転性を低下させ、さらには
設備メンテナンス費が高くなる。特に、移送や循環に高
温ポンプを使用すると、異物に対する対応が難しい。
【0009】3.A法では熱分解槽の底油(温度40
0℃)をポンプによって溶融槽に直接導入して溶融槽を
加熱しているが、その場合には溶融物のショートパスが
生じる。 C法では熱分解蒸気配管には還流用の機器が設けられ
ていないので、熱分解生成物中に重質油や未溶融物質が
キャリーオーバする。 A法、B法及びC法では熱分解槽の底部における濃縮
に起因する流動性対策がとられていないので、系外排出
が困難となる場合がある。 D法では1つの槽で溶融、脱塩化水素及び熱分解が行
われるので、熱分解蒸気中に全塩化水素が存在し、結果
的に生成油中にかなりの有機塩素化合物が含有し、製品
とならない。
【0010】本件発明者は廃プラスチックの溶融及び熱
分解について鋭意研究した結果、1つの槽内を区画して
溶融、脱塩化水素及び熱分解を行なえばA法、B法及び
C法の問題点を解決でき、その場合に問題となるおそれ
のある溶融物のショートパスは脱塩化水素を段階的に進
させればよいことを着目するに至った。
【0011】本発明はかかる点に鑑み、異物を含む廃プ
ラスチックを安価にかつ連続的に溶融し、脱塩化水素化
し、熱分解して有用な液状炭化水素が得られるようにし
た廃プラスチックの溶融・熱分解方法を提供することを
課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明に係る廃
プラスチックの溶融・熱分解方法は、1つの溶融・熱分
解槽を用いて廃プラスチックを溶融しつつ脱塩化水素処
理した後、該廃プラスチック溶融物を熱分解するにあた
り、槽本体内に内筒を設けて上記槽本体内を上記内筒内
側の溶融領域と内筒外下側の熱分解領域とに区画し、上
記溶融領域にて廃プラスチックを上記熱分解領域の熱に
て加熱溶融するとともに、廃プラスチック溶融物の脱塩
化水素を進行させる一方、上記溶融領域の廃プラスチッ
ク溶融物を上記熱分解領域に吐出させて連続的に熱分解
させるようにしたことを特徴とする。
【0013】本発明の基本的な考え方は1つの槽を溶融
領域と熱分解領域とに区画するようにした点にある。こ
れにより、移送や循環のためのポンプ、配管、計装塔を
不要とできる。しかし、この場合、溶融物のショートパ
ス(未溶融物や塩化水素を含む溶融物の熱分解領域への
排出)が起こることが懸念されるので、その対応をとる
のが望ましい。
【0014】即ち、本発明に係る廃プラスチックの溶融
・熱分解方法は、1つの溶融・熱分解槽を用いて廃プラ
スチックを溶融しつつ脱塩化水素処理し、該廃プラスチ
ック溶融物を熱分解するにあたり、槽本体内に内筒を設
けて上記槽本体内を上記内筒内側の溶融領域と内筒外下
側の熱分解領域とに区画し、上記溶融領域は上下方向に
少なくとも3段の領域に区画し、少なくとも上方2段の
区画領域にて廃プラスチックを加熱溶融するとともに、
上方の区画領域から下方に区画領域に向けて廃プラスチ
ック溶融物の脱塩化水素を段階的に進行させて廃プラス
チック溶融物のショートパスを防止し、上記最下段の区
画領域の廃プラスチックの溶融物を熱分解領域に送って
連続的に熱分解するようにしたことを特徴とする。
【0015】本発明の特徴の1つは1つ槽の内部を溶融
領域と熱分解領域に仕切り、熱分解生成油中の有機塩素
化合物を最少にすべく、廃プラスチックの溶融、脱塩化
水素及び熱分解反応を1つの槽で完結させるようにした
点にある。本発明が適用される廃プラスチックにはポリ
オレフィン系プラスチックであるポリエチレン(PE)
及びポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、
ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレ
ン(ABS)、その他のこれに類するプラスチックが含
まれる。
【0016】廃プラスチック溶融物の脱塩化水素を図る
上で、溶融物を均一撹拌することが望ましいが、従来の
ように内部が単一な槽の場合には上述のように溶融物の
ショートパスが懸念される。これに対し、本発明のよう
に、溶融領域を上下に複数段に区画すると、脱塩化水素
が段階的に進行してショートパスが起こり難い。そこ
で、溶融領域のうち、少なくとも上方2段の区画領域を
各々撹拌して均一加熱及び脱塩化水素を促進する一方、
少なくとも下方の区画領域では溶融物を一時滞留させて
廃プラスチック溶融物のショートパスを更に防止するの
が好ましい。
【0017】溶融物の熱分解領域への円滑な移行を確保
し、熱分解領域からの逆流を阻止する上で、溶融領域は
常圧雰囲気、熱分解領域を溶融領域より若干低い圧力雰
囲気とするがよい。
【0018】本発明では溶融領域と熱分解領域とが上下
に位置するので、熱分解領域で発生する熱分解蒸気を利
用し、内筒の外周面に接触させて溶融に必要な熱を溶融
領域に与えることができるが、その場合には熱分解蒸気
が内筒の外周面に接触して還元され、軽質化することが
できて好ましい。
【0019】また、本発明によれば、上述の溶融・熱分
解方法を実施する槽を提供できる。即ち、本発明に係る
廃プラスチックの溶融・熱分解槽は、廃プラスチックを
溶融しつつ脱塩化水素処理した後、熱分解する廃プラス
チックの溶融・熱分解槽であって、 全体としてほぼ密
閉され、上方部に廃プラスチックの投入口及び塩化水素
の取出口が形成され、下方部が逆円錐形状をなし、最下
端に廃プラスチック溶融物をスクリュー吐出する吐出口
が形成され、内部が溶融領域となる内筒と、該内筒の外
周面を下方から覆って設けられ、全体としてほぼ密閉さ
れ、上方部位に熱分解蒸気の取出口が形成され、上記内
筒の下側に熱分解領域を構成し、該熱分解領域の下方に
残渣抜き口を有する槽本体と、 略逆円錐形状をなし、
上記内筒内に相互に上下方向に間隔をあけて配置されて
上記溶融領域を複数段の領域に区画し、各々の最下端に
廃プラスチック溶融物をスクリュー吐出する吐出口が形
成され、上記内筒内周面との間に塩化水素の逃げ通路を
有する複数のショートパス防止プレートと、 上記内筒
内の少なくとも最下段の区画領域内に配置され、廃プラ
スチック溶融物を一時滞留させるバッフルプレートと、
上記内筒内の少なくとも上方2段の区画領域内に配置
され、廃プラスチック及びその溶融物を撹拌する複数の
撹拌翼と、 上記槽本体の底部との間に隙間をあけて配
置され、熱分解油を受ける底油受けとを備えたことを特
徴とする。
【0020】内筒は槽本体の内周面に適当な支持部材に
よって支持することができる。ショートパス防止プレー
ト及びバッフルプレートは内筒内周面に直接支持しても
よいが、内筒内にはその中心に撹拌機のシャフトが延び
ている。そこで、ショートパス防止プレート及びバッフ
ルプレートは撹拌機のシャフトに各々共回転可能に支持
するのがよい。
【0021】上述のように、熱分解蒸気によって溶融領
域を加熱できるが、更に高温の熱分解油を溶融領域に供
給し、溶融物の希釈を兼ねて溶融に必要な熱を与えるよ
うにするのがよい。即ち、槽本体の上部内周面と内筒の
外周面との間に熱分解蒸気が上昇する隙間を形成すると
ともに、底油受けプレートと内筒上方部位との間に熱分
解油を溶融領域上方部に供給する底油供給系を設け、熱
分解蒸気及び熱分解油によって溶融領域を加熱するのが
好ましい。
【0022】廃プラスチックに金属、砂、石、ガラス、
熱硬化性樹脂等の異物が混入している場合、前段階で処
理するが、溶融・熱分解槽でその対策をとると、前段階
における処理を軽減できる。そこで、廃プラスチックの
投入口には圧縮機能がなく、加熱機能のみを有するスク
リューコンベアを設ける一方、残渣抜き口近傍には残渣
を撹拌する撹拌翼を配置して残渣に流動性を与えつつ、
残渣抜き口にはスクリューコンベアを設けて異物を含む
残渣を槽本体外に抜き取るようにするのが好ましい。
【0023】廃プラスチックを油化する場合、上述の熱
分解によって生成された蒸気を蒸留することによって軽
質油、中質油及び重質油に分離することができる。
【0024】ところで、本発明によって脱塩化水素処理
を効率よく行なうことができるが、特に自動車や家電製
品のシュレッダーダスト等、廃プラスチック中にPV
C、PET、ABSが混入している場合、PVCから発
生する塩化水素と無水フタール酸の結晶物及びそれに伴
って生成油中に存在する有機塩素化合物、PETが分解
して生成されるテレフタール酸結晶物やアセトアルデヒ
ド、ABSが分解して生成されるシアン化水素やアクリ
ロニトリル等によって生成油の品質低下、装置の腐蝕や
閉鎖の問題が懸念される。
【0025】そこで、1つの溶融・熱分解槽を用い、ポ
リオレフィン系プラスチックにポリ塩化ビニル、ポリエ
チレンテレフタレート及びアクリロニトリル・ブタジエ
ン・スチレンの少なくとも1種を含む廃プラスチックを
溶融しつつ脱塩化水素処理し、該廃プラスチック溶融物
を熱分解して油化するにあたり、槽本体内に内筒を設け
て上記槽本体内を上記内筒内側の溶融領域と内筒外下側
の熱分解領域とに区画し、上記溶融領域は上下方向に少
なくとも3段の領域に区画し、少なくとも上方2段の区
画領域にて廃プラスチックを加熱溶融するとともに、上
方の区画領域から下方に区画領域に向けて廃プラスチッ
ク溶融物の脱塩化水素を段階的に進行させて廃プラスチ
ック溶融物のショートパスを防止し、上記溶融領域から
取り出された塩化水素を含むガスをカセイソーダ水溶液
で中和する一方、上記最下段の区画領域の廃プラスチッ
ク溶融物を上記熱分解領域に送って連続的に熱分解し、
該熱分解によって生成された蒸気をカセイソーダ水溶液
で中和しつつ蒸留して軽質油、中質油及び重質油に分離
するのがよい。
【0026】塩化水素を含むガス及び上記熱分解蒸気を
中和する場合に、約3wt%のカセイソーダ水溶液とその
10容量倍以上の液状炭化水素との混合物を用いるのが
よい。また、中和を行なうに際し、未反応塩化水素が確
認される場合にはアンモニア水溶液を併用するのが好ま
しい。
【0027】アクリルニトリル及びアセトアルデヒドは
カセイソーダと反応しない。そこで、塩化水素を含むガ
スの中和後のガス及び熱分解蒸気の中和蒸留後の蒸気か
ら、アクリルニトリル及びアセトアルデヒドを分離して
加熱用燃料とするのがよい。
【0028】通常、熱分解領域では温度約380〜43
0℃で、約4時間滞留させて熱分解を行なわせるが、低
温度で滞留時間を短くし、例えば温度約390〜410
℃で、約1.5〜2.5時間滞留させてマイルド熱分解
(熱分解の進行途中の状態をいう)させて粘性を低下さ
せ、重金属をフィルタで除去した後、触媒層と接触分解
させて軽質油、中質油及び重質油に分離する方法が採用
することもでき、特に脱塩化水素が十分に行なわれてい
るので、廃プラスチックをクリーンなエネルギーに変換
できる。
【0029】即ち、本発明に係る廃プラスチックの油化
方法は、1つの溶融・熱分解槽を用いて廃プラスチック
を溶融しつつ脱塩化水素処理し、該廃プラスチック溶融
物を熱分解して油化するにあたり、槽本体内に内筒を設
けて上記槽本体内を上記内筒内側の溶融領域と内筒外下
側の熱分解領域とに区画し、上記溶融領域は上下方向に
少なくとも3段の領域に区画し、少なくとも上方2段の
区画領域にて廃プラスチックを加熱溶融するとともに、
上方の区画領域から下方に区画領域に向けて廃プラスチ
ック溶融物の脱塩化水素を段階的に進行させて廃プラス
チック溶融物のショートパスを防止し、上記最下段の区
画領域の廃プラスチックの溶融物を熱分解領域に送って
マイルド熱分解させ、該マイルド熱分解によって生成さ
れた蒸気を蒸留して軽質油を回収する一方、熱分解後の
生成物を取り出して重金属をフィルタで除去した後、触
媒層で接触分解させた後、蒸留して軽質油、中質油及び
重質油に分離するようにしたことを特徴とする。
【0030】
【作用及び発明の効果】本発明によれば次の効果が得ら
れる。1.単純に1つの槽内を溶融領域と熱分解領域と
に仕切ることによって1つの槽で溶融、脱塩化水素及び
熱分解が可能となるので、廃プラスチックの溶融及び脱
塩化水素に高価な押出機、スクリュー型溶融機あるいは
溶融槽を設けなくてもよく、機器数が削減されるととも
に、プロセスが簡単となって運転性を向上できる。
【0031】2.油化設備費の20〜30%を占める押
出機、スクリュー型溶融機又は独立した溶融槽が不要と
なり、又油化工程で異物対策がとられるので、前処理設
備での破砕機や異物分離機等の設備仕様が軽減できて低
コスト化を実現でき、さらには開口部の広い投入用スク
リューコンベアを用い、発泡樹脂やフィルム樹脂を適当
な温度、例えば120℃に加熱すると、発泡樹脂やフィ
ルム樹脂の減容機を不要とできる。こうして機器数を大
幅に減少させて設備費の低コスト化を達成できる。
【0032】押出機、スクリュー型溶融機を使用しない
ので、高い動力費と熱媒を必要とせず、又油化工程での
異物対策を十分とることができるので、最終の破砕寸法
を従来方法の約3倍の大きさにでき、破砕機や異物分離
機の動力負荷を減少でき、運転コストを大幅に低減でき
る。
【0033】主要機器である押出機や熱媒設備を削減で
き、又異物による機器の故障や破損のおそれが少なくな
るので、メインテナンスコストを大幅に低減できる。さ
らに、設備面積を大幅に縮小できる。
【0034】本発明は連続油化処理に適するが、廃プラ
スチック中にPVC等が混入する場合には本発明の方法
を採用することにより溶融領域での脱塩化水素率は約9
3wt%以上が可能であり、燃焼によって猛毒のダイオキ
シンを発生する熱分解生成油中の有機塩素化合物を従来
の1槽型では達しえないレベルまで大幅に減少させるこ
とが可能である。また、1つの槽を内筒で仕切ることに
よって熱分解蒸気が内筒と接触して還元され、熱分解生
成油を軽質化できる。
【0035】また、熱分解領域の液面は熱分解油で満た
されるので、蒸気状熱分解生成物は安定にガス化(留
出)し、運転しやすい。また、1つの槽を内筒で仕切る
ことにより熱分解領域から内壁を通して溶融領域に熱が
供与できるので、溶融領域の均熱化が図られ、脱塩化水
素率を向上し、従来の方法に比して溶融領域での滞留時
間を短縮できる結果、溶融領域の容積を減少できる。本
件発明者らの実験によれば従来に比して1時間程度短縮
できることが確認された。また、熱分解領域の凝縮熱が
廃プラスチック溶融のために利用されるので、省エネル
ギーとなる。
【0036】
【発明の実施の形態】
【第1の実施形態】以下、本発明を図面に示す具体例に
基づいて詳細に説明する。図1及び図2は本発明の好ま
しい実施形態を示し、図1は廃プラスチックの溶融・熱
分解層の概略構成を、図2は廃プラスチックの油化方法
を模式的に示す。図1において、内筒100は全体とし
てほぼ密閉された略円筒状をなし、内部は溶融領域11
0となっている。この内筒100の上壁面には廃プラス
チックの投入口101及び塩化水素、軽質油、水分を含
むガス(以下、単に塩化水素と記すことがある)G1の
取出口102が形成され、又内筒100の下方部は逆円
錐形状をなし、その最下端には廃プラスチック溶融物の
吐出口103が形成され、該吐出口103にはスクリュ
ー104が設けられている。また、内筒100の投入口
101には加熱機能を有するスクリューコンベア105
が設けられている。
【0037】内筒100の外側には槽本体106が内筒
100の外周面を下方から覆って設けられ、槽本体10
6の内周壁面上方部位には内筒100が適当な支持部
材、例えばボルトによって取外し可能に支持されてい
る。この槽本体106は全体としてほぼ密閉された構造
をなし、内部が熱分解領域111となっている。この槽
本体106の上端壁面には熱分解蒸気G2の取出口10
7が形成され、下方部位が逆円錐状に形成され、その下
端部には筒状の残渣受け部108が形成され、残渣受け
部108には残渣抜き口109が形成され、残渣受け部
108には撹拌翼112が、残渣抜き口109にはスク
リューコンベア113が各々配置されている。
【0038】また、内筒100内には2枚のショートパ
ス防止プレート114が上下に間隔をあけて配置されて
溶融領域110を3段の領域に区画している。このショ
ートパス防止プレート114は逆円錐形状をなし、両シ
ョートパス防止プレート114の中央の最下端部には廃
プラスチック溶融物の吐出口115が形成され、該吐出
口115にはスクリュー116が配置されている。ま
た、両ショートパス防止プレート114の外周縁と内筒
100内周面との間、及び両ショートパス防止プレート
114の吐出口115の周縁には塩化水素の逃げ通路が
各々形成されている(図1の矢印A参照)。
【0039】また、内筒100内の各区画領域内にはバ
ッフルプレート117が配置され、廃プラスチック溶融
物を一時滞留させるようになっている。
【0040】また、内筒100内には上方2段の区画領
域内に各々3基の撹拌翼(但し、図1中には2基のみが
示されている)118が配置され、廃プラスチック及び
その溶融物を撹拌するようになっている(図1の矢印B
参照)。この撹拌翼118のシャフトにはショートパス
防止プレート114及びバッフルプレート117が各々
支持されている。
【0041】さらに、槽本体106の底部には熱分解油
(以下、単に底油とも記すことがある)を受ける底油受
け119が設けられ、又槽本体106の上部内周面と内
筒100の外周面との間には熱分解蒸気G2が上昇する
隙間が形成されるとともに、底油受け119と内筒10
0の上方部位との間には熱分解油を溶融領域110の上
方部に供給する底油供給系120が設けられ、該底油供
給系120にはポンプ及び温度コントロール用の熱変換
器121が設けられており、熱分解蒸気及び熱分解油の
熱によって溶融領域110が加熱されるようになってい
る。
【0042】さらに、内筒100の底部及び熱分解領域
111には可変機能をもつ低速攪拌機123、122が
設けられている。
【0043】ここで、本例をより詳細に説明すると、溶
融領域110は塩化水素の分離速度を高める上で、例え
ば直径/高さの比を約1.5とするのが好ましい。ま
た、溶融領域110を上中下の3段に区画するが、ショ
ートパスを防止する上で、その容積比は約6:2:2と
するのが好ましい。溶融領域110の上方の区画領域で
は約120℃の廃プラスチックと温度約400℃で加熱
と希釈を兼ねる熱分解領域111の底油が3基の剪断能
力をもつ攪拌翼118によって混合され、均熱化され
る。
【0044】溶融領域110において油化率低下を阻止
すべく熱分解を最小にしながら、脱塩化水素を最大にす
るには約300〜325℃の温度で、約2時間以内の滞
留で行う必要があり、その為には分解を押さえながら、
廃プラスチック溶融物の粘性をいかに速く低下させるか
が重要である。そこで、本例では下記の手法が採用され
ている。即ち、 剪断能力をもつ3つの攪拌翼118を設け、廃プラス
チック及びその溶融物を均一撹拌する。 底油である約400℃の低粘性希釈油を用いて加熱す
る。 高温液油の中で接触させる、いわゆる油浴法を採用
し、廃プラスチック及びその溶融物への伝熱効果を高め
る。 脱塩化水素のショートパス防止として2段の円錐形状
のプレート114を備え、かつバッフルプレート117
によってショートパスしたときの吸収ゾーンを設ける。 溶融領域110の液位は可変機能をもつ低速攪拌機の
シガットに取り付けられかつスラスト力を発生するスク
リュー104によって常時適正なレベルを保持する。 塩化水素の分離速度を速めるための広い蒸発面をもた
せる。 PVCを含む廃プラスチックの溶融・熱分解反応は吸
熱反応であるので、溶融領域110には内筒100の壁
面を通して熱分解領域111からの熱を与えて均熱化
し、溶融領域110での温度低下を防止する。
【0045】廃プラスチックは加熱源及び希釈油として
の熱分解領域111の底油には少ししか溶解しないの
で、廃プラスチック溶融物と希釈油は2層流となってい
る。溶融物は高粘性のため流れにくく、各プレート11
4、117及び内筒100の内壁面に付着し停滞しなが
ら、溶融領域110を通過する。そこで、高粘性の溶融
物と異物の流れをつくるために、下記の手法が採用され
ている。 希釈用高温流体(底油)と廃プラスチックを接触さ
せ、それを剪断機能を有する3基の攪拌翼118で撹拌
して均一混合を行なう。 可変機能をもつ低速攪拌機シャフトにはショートパス
防止用プレート114、パッフルプレート117を支持
し、それらが常時回転して溶融物に流動性を与えるよう
にしている。また、ショートパス防止用プレート114
は円錐形状となし、溶融物が流下しやすい構造としてい
る。 PVC残査物や異物は若干の差圧や重力差のみでは流
下しないので、各溶融領域の区画領域出口103、11
5にはスクリュー104、116を設け、スクリュー力
で熱分解領域111へ移送するようにしている。 溶融領域の温度勾配は外部加熱がなければ低下する
が、熱分解領域111からの熱供与よって特に溶融領域
110の下段区画領域での溶融物の流動性を向上させて
いる。ショートパス防止用プレート114の通路面積を
ガス抜きも兼ねて十分に取り、その中央にトラフ(ケー
ス)付きスクリュー104、116を設ける。溶融領域
の吐出口103は熱分解領域111からの液体が逆流し
ないようにシール性をもたせる。溶融領域110の液位
と可変機能をもつ低速攪拌機122の回転数は連動させ
ている。
【0046】また、溶融領域110への熱供給は温度約
370〜430℃の熱分解領域から内筒100の壁面を
通して与えられるが、同時に温度約370〜430℃の
熱分解領域111の底油がポンプ及び温度コントロール
用熱変換器121を経て溶融領域110の上方基準液面
よりいくぶん下に水平方向に流し込まれ、その場で投入
された廃プラスチックと混合され、熱の授与、攪拌及び
希釈の働きを行う。
【0047】廃プラスチックは攪拌及び混合が十分にな
されないと、溶融物の温度分布及び粘度分布が不均一と
なり、脱塩化水素の効率が低下するとともに、溶融物の
移送が困難となる。本例では溶融領域110の温度は上
昇傾向を示すので、熱交換器121で320±1 0℃内
でコントロールする。温度が上昇しすぎると、分解が進
み、油化率が減少するからである。溶融領域110の吐
出口103のスクリュー104でシールを行ってはいる
が、溶融領域110の圧力は熱分解領域111からの逆
流を防止するため、又熱分解領域111へ流れやすさを
確保するため、若干熱分解領域111より高く保持す
る。溶融領域110での滞留時間は約2時間以内が望ま
しい。
【0048】溶融・脱塩化水素反応の完了した溶融物は
溶融領域110から吐出スクリュー104によって熱分
解領域111へ導入される。溶融領域110の吐出位置
と熱分解領域111の液面位置とは同位置が望ましい。
熱分解反応によって熱分解領域の液面が低下するが、異
常に低下した時は後述する蒸留塔130の移送ポンプ1
33によって熱分解油O2を供給することによって対応
する。
【0049】熱分解領域111では滞留時間は約3〜4
時間で、温度は約370〜430℃、圧力は溶融領域1
10より若干低い圧力で運転する。熱分解領域111へ
の熱供給は熱分解蒸気G2の凝縮油O1を分留後加熱炉
で約470℃まで加熱し、熱分解槽の槽本体106の底
部へ直接吹き込むことによって行なわれる。
【0050】熱分解反応によってカーボンが生成する
が、熱分解槽の槽本体106の内壁面や内筒100の壁
面に付着固化するのを防止するため、低速の攪拌機12
2、123が設けられている。
【0051】槽本体106の底部では重縮合反応によっ
て濃縮されて粘性が上昇し、流動性が低くなるため、熱
分解領域111の攪拌機122のシャフトを利用して撹
拌翼108を取付けている。残査S1は連続又は間欠的
に低圧蒸気を使用した冷却・加熱両用のスクリューコン
ベア113で約150℃以下の温度で系外へ排出され
る。
【0052】熱分解蒸気G2は内筒100の壁面に沿っ
て取出口107から熱分解蒸気配管に取出されるが、内
筒100の壁面での温度差が約80℃あるので、還元効
果が期待でき、重質留分がカットされ、軽質化される。
【0053】熱分解領域111の液面位置が異常に低下
すれば、後述する蒸留塔130の塔底油O2をポンプ1
33によって熱分解領域111へ自動的に導入するよう
にする。
【0054】ところで、異物を含んだ廃プラスチックを
そのまま油化処理工程に導入すれば、各機器に閉塞や損
傷を与えるが、本例では少々の異物が混入していても十
分対応できる設備となっている。即ち、溶融領域110
への投入は開口部が広く、しかも圧縮機能のない、加熱
機能のみもったスクリューコンベア105を使用し、か
さ比重の小さい発泡状、フィルム状、フラフ状等の廃プ
ラスチックを半減容する程度の樹脂温度、例えば約12
0℃に加熱しつつ窒素雰囲気下で投入するようにしてい
る。スクリューコンベア105はスクリュー羽根とトラ
フ(ケース)間のクリアランスがラフに設定し、かつ先
端部をフリーとし、異物による破損を防止するようにし
ている。
【0055】溶融領域110に入った熱硬化性樹脂、金
属、砂、石、ガラス等の異物は均一混合されながら、2
段の円錐型のショートパス防止用プレート114を通過
し、通路面積を広くとりかつトラフ付きのスクリュー1
16によって溶融領域110の下段に吐出される。底壁
は低速の攪拌機123でかき取られているので、異物は
時間をかけて溶融領域110の吐出口103に達し、ス
クリュー104によって熱分解領域111に吐出され
る。次に、異物は熱分解槽の槽本体106の底部へ重力
沈降し、そこでは熱分解残渣の固化を防止するため、熱
分解領域111の攪拌機123のシャフトに取り付けて
ある撹拌翼108にて流動性を保ちながら、加熱冷却付
のスクリューコンベア113によって間欠的又は連続に
系外に排出される。
【0056】溶融領域110の加熱のため、熱分解槽1
06の底油が底油供給系120のポンプによって移送さ
れるが、底油の抜取り位置は異物がポンプに影響を与え
ないように底部より0.7〜1.0m高い位置とし、し
かも異物が混入しないように防止用カバー124を設置
し、さらにポンプのサクションにはストレーナーを設置
する。
【0057】次に、図2を用いて油化方法について説明
する。ポリオレフィン系プラスチックにPVCやPET
の混入した家庭からでる廃プラスチックを分別し、これ
をビニール袋に入れたまま運搬車で集収し、油化工場で
処理する。まず、廃プラスチックを破袋機125を通
し、次に破砕機126によって5cm程度に破砕し、選
別機127にて金属、ガラス、砂、石等の異物を分離
し、乾燥機付のサイロ128で水分を除去する。次に、
重量測定機129で重量を測定し、広い開口部をもつス
クリューコンベア105へ送り、そこで樹脂温度120
℃程度に加熱して発泡状、フラフ状、フィルム状の廃プ
ラスチックを半減容した後、窒素雰囲気の下で、槽本体
106内の溶融領域110に連続投入する。
【0058】スクリューコンベア106は圧縮部をもた
ないので、異物が問題となることはない。溶融領域11
0はショートパス防止の為、上中下3段の領域に区画さ
れており、その容積割合は約6:2:2である。中速の
3基の攪拌翼118は廃プラスチックに対して剪断、練
り及び均一加熱を与え、1基の低速の攪拌機123は溶
融領域110に常に流動性を与え、各プレート114上
に堆積する未溶融物や異物を移動させる。
【0059】溶融領域110に対する熱の供給は主とし
て熱分解領域111の底油(370〜430℃)をポン
プ及び熱交換器121を備えた底油供給系120によっ
て吹き込むことにより行う一方、熱分解領域111の熱
分解蒸気G2によって内筒100の壁面を介して与える
ことにより行う。樹脂温度は約320℃になるように底
油供給系120の熱交換機121によってコントロール
する。滞留時間は約2時間以内とする。ここで塩化水素
は約93WT%以上が除去される。熱分解領域111の底
油の粘性は数ポアズ以下である。その底油の一定量がポ
ンプで溶融領域110に供給され、その希釈効果によっ
て溶融物に十分な流動性が与えられ、攪拌機123は安
定に運転される。
【0060】溶融領域110で脱塩化水素処理された廃
プラスチックの溶融物は、可変機能付き低速攪拌機12
3のシャフトに取り付けられたスクリュー104によっ
て熱分解領域111に吐出される。
【0061】熱分解領域111では廃プラスチックは温
度約370〜430℃で、約4時間滞留されて熱分解反
応するが、その熱分解反応によってカーボンが生成する
ので、熱分解領域111の壁面を低速の攪拌機122に
てかき取る。槽本体106の底部には重縮合反応により
濃縮した粘性の高い熱分解残査S1と異物が堆積する。
それに対処するために、槽本体106の底部108に熱
分解領域111の攪拌機122のシャフトを利用して攪
拌翼112を設け、常に流動のある状態に保持し、異物
を含む残査S1は冷却・加熱可能なスクリューコンベア
113によって通常は約150℃まで冷却して系外へ吐
出される。
【0062】内筒100の壁面にて還元効果を受けた重
質分の少ない熱分解蒸気は蒸留塔130に導入され、軽
質油、中質油及び重質油に分離される。その内、中質油
O1をポンプ131によって加熱炉132にチャージし
て約470℃に昇温させ、熱分解領域111の槽底部へ
吹き込む。
【0063】熱分解領域111の液面が急速に低下した
時にはポンプ133にて自動的に熱分解領域111に蒸
留塔130の塔底油(約300℃)を吹き込む。溶融領
域111での分離ガスG1は塩化水素の外、テレフター
ル酸、無水フタル酸、軽質油、水分を含むが、これらは
アルカリによる中和処理又は焼却処理される。蒸留塔1
30の塔頂からは軽質油が取り出され、塔底からは重質
油が取り出されて吸着塔へチャージされ、製品となる。
【0064】
【第2の実施形態】図3ないし図6は本発明の廃プスラ
チックの油化方法における第2の実施形態を示す。ポリ
オレフィン系樹脂にPVC、PET、ABSが混入した
廃プラスチックを破砕し、異物を分離し、乾燥した後、
常圧で、温度約300〜325℃、約2〜3時間の間、
溶融領域110で滞留させて溶融すると、分離ガスG1
が発生する。この分離ガスG1の組成は塩化水素(全塩
化水素の約93wt%以上を含む)、軽質油、テレフター
ル酸、可塑剤(DOP)、アセトアルデヒド、アクリル
ニトリル及び水分からなる。生成油中の有機塩素化合物
を最少にするため、カセイソーダ供給ポンプ135及び
中和塔循環ポンプ136(中和塔140には予め重質油
を満たし、約250℃に昇温させおく)を駆動し、調合
槽137内の約3wt%カセイソーダ水溶液と重質油とを
ボルテックスミキサー138にて十分混合した後、溶融
分離ガスG1の中和塔140の入口配管139及び中和
塔140の中段に70:30の割合で注入して分離ガス
G1を中和させる。
【0065】中和反応により、水と中和塩が生成し、水
は250℃の中和塔140の塔底温度によって完全に蒸
発し、中和塩が固形物として存在する。重質油と中和塩
の混合物は塔底循環ポンプ136で昇圧され、フィルタ
141に通油され、そこで固形物である中和塩が除去さ
れ、重質油のみ再循環される。
【0066】中和塔140の塔底部には中和反応を効果
的に進めるため、均一混合用の撹拌機を設けている。塔
底で未反応の塩化水素は中和塔140の中段注入部に約
3wt%カセイソーダ水溶液と重質油の混合液を噴霧する
ことにより中和させる。それでも未反応の塩化水素につ
いては塔頂蒸気配管142にアンモニア水溶液L1を注
入することで完全に中和する。
【0067】中和塔140の塔頂蒸気は塔頂凝縮受槽1
43で凝縮し、ポンプによって塔頂部に還流するが、塩
化水素腐蝕を防止するために約150℃にコントロール
する。中和塔140の塔頂蒸気の組成は分解ガス、軽質
油、アセトアルデヒド、アクリロニトリル、水分からな
る。この塔頂蒸気は塔頂油凝縮器144で約50℃まで
冷却され、塔頂受槽143で凝縮されるが、凝縮しない
ガス(分解ガス、アセトアルデヒド)G3は加熱部13
2の燃料ガスとして使用し、水に溶解しているアクリロ
ニトリルや塩化アンモニアL2はポンプにて分解ガス分
離槽145に移送する。
【0068】他方、熱分解領域111において温度約3
70〜430℃、滞留時間約4時間の熱分解により発生
した蒸気G2の組成は分解ガス、軽質油、塩化水素、シ
アン化水素、アセトアルデヒド、アクリロニトリル、テ
レフタール酸、無水フタール酸、水分からなる。この蒸
気G2については生成油中の有機塩素化合物を最少にす
るため、約3wt%カセイソーダ水溶液と重質油とをボル
テックスミキサー150で十分に混合した後、使用量の
約70%を熱分解蒸気の蒸留塔130の入口配管139
に注入し、約30%を蒸留塔130の中段に注入し、中
和させる。油水分離槽146のpHが6.0以下の時、
未反応の塩化水素が存在するが、その時には蒸留塔13
0の塔頂蒸気配管147にアンモニア水溶液11を注入
する。
【0069】蒸留塔130の塔底部には約3wt%カセイ
ソーダ水溶液の中和反応によって中和塩と水が生成し、
水は塔底部の約250℃の温度によって完全に蒸発す
る。残った熱分解重質油と固形物の中和塩は塔底ポンプ
148で昇圧し、フィルター149で処理されて中和塩
が除去される。重質油の一部は約3wt%カセイソーダ水
溶液の混合用に、残りは吸着槽151に送られてわずか
な有害物も捕獲される。
【0070】蒸留塔130の塔頂部では塩化水素腐蝕を
防止するために、約150℃以上にコントロールする。
蒸気組成は分解ガス、軽質油、アクリロニトリル、アセ
トアルデヒド、水分である。この蒸気を塔頂凝縮器14
4にて約90℃まで冷却し、中和塔140の分離ガス凝
縮油水と共に分解ガス分離槽145に送って分解ガス、
アクリロニトリル、アセトアルデヒド、水分の一部を分
離し、それらは燃料ガスG4として加熱部132に送ら
れる。
【0071】分解ガス分離槽145の槽底液は常温まで
冷却した後、油水分離槽146に吹き込まれ、比重差に
よって油が分離され、脱水槽147を通油して軽質油タ
ンクに貯留される。脱水槽147の水は約3wt%カセイ
ソーダ水溶液調合のために調合槽137に送られて再使
用される。
【0072】次に、本例をより詳細に説明する。廃プラ
スチックを溶融・熱分解する場合、熱分解生成油中に有
機塩素化合物が多く存在する時がある。特に、溶融時に
分離した油中には多量の有機塩素化合物が存在する。そ
れを燃料として使用する時にはダイオキシン対策が必要
となる。
【0073】例えば、廃プラスチック中にポリスチレン
樹脂が多く存在する場合、溶融時に一部分解し、かなり
の量の軽質油が分離するために油化率が低下すると同時
に、塩化水素が芳香族(ポリスチレンの熱分解油はほと
んどが芳香族である)に付加し、触媒によって分解でき
ないような極めて安定な有機塩素化合物を生成してしま
う。
【0074】また、塩化水素は廃プラスチックの熱分解
によって生成する脂肪族とも結合するが、脂肪族有機塩
素化合物は触媒(シリカ・アルミナ系)による分解が可
能である。しかし、一旦塩化水素に分解したとしても再
付加する可能性がある。また、有機塩素化合物はこれを
触媒等で吸着する方法もあるが、低濃度の場合には採用
できる。しかし、触媒に吸着した吸着物の処理(これを
燃焼したらダイオキシンが発生)、触媒寿命等、解決す
べき問題が多い。
【0075】有機塩素化合物を少なくする方法として、
カセイソーダを溶融・熱分解槽の中に添加して中和する
方法が提案される。確かに、実験的には性状面で良い結
果が得られるが、発生する全塩化水素に対し、高価なカ
セイソーダで対応するのは経済的でない。しかも、40
0℃の高温域でかつ滞留しやすい部分(通常流れのない
液面計ノズル部や槽底部等)では容易にカセイ脆化によ
る割れが発生し、大事故につながるおそれがある。
【0076】また、有機塩素化合物を少なくする他の方
法として、溶融時に約95wt%の塩化水素を脱塩化水素
処理し、熱分解時に発生する残りの5wt%の塩化水素を
CaO又は蒸留塔で除去する方法が提案される。確か
に、熱分解蒸気配管に設けたCaO槽において炭化水素
が凝縮しない状況下で塩化水素と中和反応させる場合に
は生成油中の有機塩素化合物を低下させるのに効果があ
るが、CaOが油分を吸着して固化するので、短寿命と
なり、CaO交換頻度が多く、交換に手間と費用がかか
る。他方、蒸留塔の場合、塩化水素の多くは分離される
が、炭化水素凝縮時に塩化水素が付加するので、幅広い
留分に有機塩素化合物が生成する。
【0077】廃プラスチック中にPVCが含まれる場
合、その溶融・熱分解時にPVCの可塑剤(DOP)か
らディオクチルフタレートが分解して無水フタール酸が
生成され、127℃以下で固体となって凝縮管の閉鎖を
招く。しかも、触媒を使って可塑剤を分離し、無水フタ
ール酸結晶物として取り出すことは容易でなく、経済性
に疑問がある。中和塔及び蒸留塔の塔頂系で閉鎖の可能
性があることは圧力を不安定とし、溶融・熱分解槽の運
転に悪影響を与える。従って、無水フタール酸はこれが
発生した場所に近いところで処理すべきである。
【0078】廃プラスチック中にPETが含まれる場
合、その溶融・熱分解時にPETが分解昇華してテレフ
タール酸結晶物が生成される。このテレフタール酸結晶
物は重力沈降又は遠心分離方によって油から分離できる
が、完全ではない。また、触媒を使用して分解させるこ
ともできるが、生成油中には未だテレフタール酸が溶解
して存在し、又触媒寿命にも悪影響を与える。
【0079】ポリオレフィン系樹脂にPVC、PET、
ABS樹脂を混合した混合物を熱分解し、あるいは熱分
解・接触分解した生成油は酸性となる場合が多い。塩化
水素、テレフタール酸、無水フタール酸等の酸が完全に
除去しきれていない。
【0080】ABSの溶融・熱分解時にはシアン化水素
が発生するが、このシアン化水素の沸点は26.5℃
で、水と任意の割合で混和する。カセイソーダを全く使
用しなければ水分が存在するので、シアン化水素は水に
溶解してしまう。それを処理する場合には水処理又は焼
却して処理するしか方法がなく、コスト高となる。ま
た、焼却する時は補助燃料で高温燃焼してCO2
2 、H2 Oに分解する必要がある。
【0081】有機塩素化合物を少なくするさらに他の方
法として、塩化水素、分解ガス、軽質油、フタール酸、
アセトアルデヒド、アクリロニトリル、テレフタール酸
を含む溶融時の分離ガスを高温焼却し、塩化水素のみを
塩酸として回収する方法が提案されるが、助燃材が必要
であばかりでなく、塩化水素が高温域で鋼への腐蝕が大
きいので、燃焼後の熱回収は困難である。さらに、ダイ
オキシン対策として後工程にバクフィルタの設置が必要
となり、建設コストは高くなる。また、溶融・熱分解工
程でガス側又は残渣等に濃縮した有害物質を燃焼処理す
ることは環境面から好ましくない。
【0082】これに対し、本例の油化方法では塩化水
素、軽質油、フタール酸、アセトアルデヒド、アクリロ
ニトリル、テレフタール酸を含む溶融時の分離ガスG1
については中和塔140で約3wt%カセイソーダ水溶液
を用いて中和するようにしている。中和反応は炭化水素
が凝縮する約230℃以上で完了させることにより、油
中の有機塩素化合物は大幅に減少する。
【0083】この約3wt%カセイソーダ水溶液は10容
量倍以上の液状炭化水素と十分にミキシングした上で注
入する。注入点は分離ガスG1の中和塔140の入口配
管と中和塔140の中段の2箇所としている。全注入量
は理論量の約1.5倍とするが、注入点である中和塔入
口配管及び中和塔中間部への分配は約70:30とす
る。
【0084】ここで、注入ノズル200を図4に、ボル
テックスミキサー150(又は138)を図5に示す。
図4において、配管201にはノズル取付部202が形
成される一方、取付プレート207にはノズル203が
固定され、該ノズル203はその先端側204が分離ガ
ス205の流れ方向を指向するようにノズル取付部20
2に挿入されて固定され、ノズル203の後端側からカ
セイソーダ206が供給されて注入されるようになって
いる。
【0085】他方、ボルテックスミキサ150ではミキ
シング室210にカセイソーダ213の注入管211が
挿入され、重質油214の供給管212は注入管211
と直交するようにミキシング室210に接続されてカセ
イソーダ213と重質油214とが混合され、その混合
液215がミキシング室210の吐出口213から吐出
されるようになっている。
【0086】溶融領域110からの分離ガスG1の配管
は温度が低下しないようにし、中和反応は配管内ではで
きるだけ完了させるが、時間的には不十分であるので、
中和塔140の塔底部で撹拌の下で完了させる。中和塔
140の塔底部への吹き込み口は中和塔の140塔底部
基準液面から約2/3下側とする。
【0087】中和塔140の塔底部の液温は約250℃
であるが、塔頂部は塩化水素腐蝕を考慮し、塔頂凝縮油
で約150℃以上になるようにコントロールする。塔底
部での未反応塩化水素を捕獲するために、約3wt%カセ
イソーダ水溶液と塔底油の混合液を中和塔140の中段
に噴霧するが、それでも未反応塩化水素が塔頂部で確認
される場合にはアンモニア水溶液を塔頂蒸気配管142
に注入する。
【0088】中和塔140は汚れと負荷変動に強いトレ
イを採用する。中和塔140の具体的な構造例を図6に
示す構造とする。カセイ脆化を防止するために、カセイ
ソーダ濃縮部が生じないように配慮する。
【0089】中和塔140の槽底油には約3wt%カセイ
ソーダ水溶液の中和反応によって水と中和塩が含まれ
る。その中和塩は水に溶解するが、約250℃で蒸発す
ると固形物となる。中和塩222の固形物はストレーナ
ー220とフィルタ221で除去する。フィルタ220
を通過した油は10容量倍の重質油として再び規定量の
約3wt%カセイソーダ水溶液とボルテックスミキサ13
8を使用して十分に混合された後、熱分解蒸気配管と中
和塔140の中段に約70:30の割合で分配注入され
る。中和塔140の塔底油液面が基準値より上昇すれ
ば、その分だけ蒸留塔130の塔底部へフィードバック
する。
【0090】中和塔140において有機塩素化合物が生
成しない温度域で処理するためには分離ガスG1中の油
では軽質すぎて塔底部の温度約250℃を保持できない
(常圧のため)。そこで、熱分解生成油(灯・軽油留
分)を利用する。溶融時に分離される油は軽質油で、そ
のほとんどが中和塔140の塔頂部より留出され、通常
は循環させるので、少量のメイクアップで済む。
【0091】中和塔140の塔頂部からは分解ガス、軽
質油、アセトアルデヒド、アクリロニトリルと水分が留
出する。
【0092】分解ガス、熱分解油、塩化水素、無水フタ
ール酸、テレフタール酸、シアン化水素、アクリロニト
リル、アセトアルデヒドを含む熱分解領域111で発生
したガスについては次のように処理される。
【0093】熱分解領域111において、熱分解温度約
380〜430℃、滞留時間約4時間を与えることによ
り、さらに分解生成物が生じる。それらは溶融時と同様
に約3wt%カセイソーダ水溶液と10容量倍の重質油と
を混合した混合液を熱分解蒸気入口配管と蒸留塔130
の中段に約70:30の割合で注入して中和させる。蒸
留塔130の塔底部で反応を完了させるため、撹拌機を
設置し、吹き込み口は塔底部基準液面位置の約2/3下
側とする。
【0094】約3wt%カセイソーダ水溶液の適性注入量
は理論量の約1.5倍とする。通常、蒸留塔130の塔
底受槽の排水pH値は6〜8になるが、pH値6以下の
時は槽頂蒸気配管にアンモニア水溶液を注入して排水p
H6〜8になるようにコントロールする。
【0095】蒸留塔130の塔底部では約3wt%カセイ
ソーダ水溶液との中和反応により水と中和塩が存在する
が、その水分は熱により蒸発され、固形の中和塩が残
る。それらはフィルタによって除去する。
【0096】蒸留塔130の塔頂からは軽質炭化水素と
アセトアルデヒド、アクリロニトリル、水分が分離され
る。アセトアルデヒドは沸点が20.8℃で、水に溶解
する。アクリロニトリルは沸点が78.5℃で、水と共
沸混合物をつくるので、それらのガスを約90℃に冷却
した後、分解ガス分離槽145に導入し、分離ガス、ア
セトアルデヒド、アクルニトリル及び水分の一部を分離
して燃料とする。分離槽液は常温まで冷却した後、油水
分離槽146で軽質油と水に分離する。
【0097】溶融時に分離されるガスの処理方法、即ち
中和か焼却かの選択については経済性と設備を設置する
地域環境からきまる。中和法は環境にやさしく、建設コ
ストも安いが、カセイソーダを使用するため、ランニン
グコストが高く、経済的でない場合も考慮する必要があ
る。
【0098】以上のように、ポリオレフィン系廃プラス
チックの中に種々の有害物を発生するPVC、PET、
ABSが混入しても、生成油の品質低下、装置の腐蝕や
閉鎖を回避でき、一般廃棄物は勿論、ウレタンのみ前処
理にて除去すれば、自動車、家電の廃棄シュレッダーダ
ストにも対応できる。
【0099】溶融時及び熱分解時に発生する塩化水素を
含んだガスを反応性の優れた約3wt%カセイソーダ水溶
液で炭化水素の凝縮前に中和反応を完了させるようにし
ているので、従来は問題となっていた生成油中の有機塩
素化合物を大幅に低減させることが可能となり、生成油
の反応性も中性となる。
【0100】約3wt%カセイソーダ水溶液と10容量倍
の重質油とを十分に混合した後、中和塔及び蒸留塔の入
口配管と塔中段へ注入しているので、懸念されるカセイ
脆化の問題もなく、塩化水素以外のシアン化水素、テレ
フタール酸、無水フタール酸の酸類も中和されて水分と
中和塩が生成され、水分を蒸発させることによって固形
塩が残り、それらはフィルタにより系外に除去できる。
中和反応の結果、生成油に溶解している物質(テレフタ
ール酸結晶物、無水フタール酸結晶物)を大幅に低下で
きる。
【0101】溶融時に発生する分離ガスを中和処理して
いるので、全く焼却を伴わず、環境にやさしい廃プラス
チックの処理法といえる。また、設備費も安い。ただ、
廃プラスチック中にPVCの混入量が多く、溶融時、分
離ガス中に油分が少なく、かつ塩類の量が多い時には焼
却法を選択した法が経済的な場合もある。
【0102】中和塔及び蒸留塔の入口配管とそれら塔底
部で中和反応を完了させているので、他のセクション、
特に塔頂系での結晶析出と汚れが少なく、安定運転を保
証できる。
【0103】適性な約3wt%カセイソーダ水溶液の注入
管理は理論量の約1.5倍とし、塔頂受槽でのpH値が
6.0以下の時は塔頂配管にアンモニア水溶液を注入す
るようにしているので、管理は容易である。
【0104】
【第3の実施形態】図7は本発明の廃プラスチックの油
化方法における第3の実施形態を示す。本例では熱分解
領域111において温度約390〜410℃で、約1.
5〜2.5時間の間、滞留させてマイルド熱分解を行な
わせて粘性を約10000CPまで低下させ、その状態
でポンプ160によって熱分解領域111の槽底から溶
融物を取り出し、一部を加熱器161で加熱して溶融領
域110及び熱分解領域111に還流させる一方、残部
はストレーナ163及びフィルタ169で重金属を除去
した後、触媒槽164で接触分解を行い、軽質化して蒸
留塔165でガソリン等の軽質油166、灯油等の中質
油167及びワックス等の重質油168に分離する。触
媒槽164は流動接触分解が好ましく、既存の石油工程
に組み込むので経済的である。
【0105】熱分解領域111からは軽質油を含む分解
蒸気G2が得られる。熱分解領域111から取り出した
重質油は触媒に接触させなくとも、重質燃料油170と
して用いることもでき、又紙や木屑171と混ぜて固形
燃料172とすることもできる。さらに、フィルタ16
9を通油したものを石油精製設備173に直接送ること
もできる。
【0106】従って、廃プラスチックの溶融物を完全に
熱分解しないので、エネルギー的には有利であるととも
に、コーキングの問題が生ずることもなく、さらには残
渣S1の抜き出し量が減少し、油化率を向上できる。ま
た、完全に熱分解させないので、運転も容易であり、大
規模化が比較的簡単である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の廃プラスチックの溶融・熱分解槽を
の好ましい実施形態を示す概略構成図である。
【図2】 本発明の廃プラスチックの油化方法の好まし
い実施形態を示す工程図である。
【図3】 本発明の廃プラスチックの油化方法の他の実
施形態を示す工程図である。
【図4】 上記実施形態で使用するカセイソーダ注入ノ
ズルの取付け構造及びその位置を示す図である。
【図5】 上記実施形態で使用するボルテックスミキサ
をを示す構成図である。
【図6】 上記実施形態における中和塔140の構造を
示す概略構成図である。
【図7】 本発明の廃プラスチックの油化方法のさらに
他の実施形態を示す工程図である。
【図8】 従来の廃プラスチックの油化方法を示す工程
図である。
【図9】 従来の他の廃プラスチックの油化方法を示す
工程図である。
【図10】 従来のさらに他の廃プラスチックの油化方
法を示す工程図である。
【図11】 従来のさらにまた他の廃プラスチックの油
化方法を示す工程図である。
【符号の説明】
100 内筒 101 投入口 102 溶融時分離ガスの取出口 103 吐出口 104 スクリュー 105 スクリューコンベア 106 槽本体 107 熱分解ガスの取出し口 109 残渣抜き口 110 溶融領域 111 熱分解領域 112 撹拌翼 113 スクリュー 114 ショートパス防止プレート 115 吐出口 116 スクリュー 117 バッフルプレート 118 撹拌翼 119 底油受け 120 底油供給系 122 撹拌機 123 撹拌機 130 蒸留塔 139 入口配管 140 中和塔

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つの溶融・熱分解槽を用いて廃プラス
    チックを溶融しつつ脱塩化水素処理した後、該廃プラス
    チック溶融物を熱分解するにあたり、 槽本体内に内筒を設けて上記槽本体内を上記内筒内側の
    溶融領域と内筒外下側の熱分解領域とに区画し、上記溶
    融領域にて廃プラスチックを上記熱分解領域の熱にて加
    熱溶融するとともに、廃プラスチック溶融物の脱塩化水
    素を進行させる一方、 上記溶融領域の廃プラスチック溶融物を上記熱分解領域
    に吐出させて連続的に熱分解させるようにしたことを特
    徴とする廃プラスチックの溶融・熱分解方法。
  2. 【請求項2】 1つの溶融・熱分解槽を用いて廃プラス
    チックを溶融しつつ脱塩化水素処理した後、該廃プラス
    チック溶融物を熱分解するにあたり、 槽本体内に内筒を設けて上記槽本体内を上記内筒内側の
    溶融領域と内筒外下側の熱分解領域とに区画し、上記溶
    融領域は上下方向に少なくとも3段の領域に区画し、少
    なくとも上方2段の区画領域にて廃プラスチックを加熱
    溶融するとともに、上方の区画領域から下方に区画領域
    に向けて廃プラスチック溶融物の脱塩化水素を段階的に
    進行させて廃プラスチック溶融物のショートパスを防止
    し、 上記最下段の区画領域の廃プラスチック溶融物を上記熱
    分解領域に送って連続的に熱分解させるようにしたこと
    を特徴とする廃プラスチックの溶融・熱分解方法。
  3. 【請求項3】 上記溶融領域のうち、少なくとも上方2
    段の区画領域を各々撹拌して均一加熱及び脱塩化水素を
    促進する一方、少なくとも最下段の区画領域では溶融物
    を一時滞留させて廃プラスチック溶融物のショートパス
    を更に防止するようにした請求項2記載の廃プラスチッ
    クの溶融・熱分解方法。
  4. 【請求項4】 上記溶融領域を常圧雰囲気、上記熱分解
    領域を上記溶融領域よりも低い圧力雰囲気とするように
    した請求項1又は2記載の廃プラスチックの溶融・熱分
    解方法。
  5. 【請求項5】 上記熱分解領域で発生する熱分解蒸気を
    上記内筒の外周面に接触させて還元し、熱分解油を軽質
    化するとともに、上記溶融領域を加熱するようにした請
    求項1又は2記載の廃プラスチックの溶融・熱分解方
    法。
  6. 【請求項6】 廃プラスチックを溶融しつつ脱塩化水素
    処理した後、熱分解する廃プラスチックの溶融・熱分解
    槽であって、 全体としてほぼ密閉され、上方部に廃プラスチックの投
    入口及び塩化水素の取出口が形成され、下方部が逆円錐
    形状をなし、最下端に廃プラスチック溶融物をスクリュ
    ー吐出する吐出口が形成され、内部が溶融領域となる内
    筒と、 該内筒の外周面を下方から覆って設けられ、全体として
    ほぼ密閉され、上方部位に熱分解蒸気の取出口が形成さ
    れ、上記内筒の下側に熱分解領域を構成し、該熱分解領
    域の下方に残渣抜き口を有する槽本体と、 略逆円錐形状をなし、上記内筒内に相互に上下方向に間
    隔をあけて配置されて上記溶融領域を複数段の領域に区
    画し、各々の最下端に廃プラスチック溶融物をスクリュ
    ー吐出する吐出口が形成され、上記内筒内周面との間に
    塩化水素の逃げ通路を有する複数のショートパス防止プ
    レートと、 上記内筒内の少なくとも最下段の区画領域内に配置さ
    れ、廃プラスチック溶融物を一時滞留させるバッフルプ
    レートと、 上記内筒内の少なくとも上方2段の区画領域内に配置さ
    れ、廃プラスチック及びその溶融物を撹拌する複数の撹
    拌翼と、 上記槽本体の底部との間に隙間をあけて配置され、熱分
    解油を受ける底油受けとを備えたことを特徴とする廃プ
    ラスチックの溶融・熱分解槽。
  7. 【請求項7】 上記溶融領域の中心には撹拌機のシャフ
    トが延び、該シャフトに上記ショートパス防止プレート
    及び上記バッフルプレートが各々共回転可能に支持され
    ている請求項6記載の廃プラスチックの溶融・熱分解
    槽。
  8. 【請求項8】 上記槽本体の上部内周面と上記内筒の外
    周面との間に熱分解蒸気が上昇する隙間が形成されると
    ともに、上記底油受けと上記内筒上方部位との間に熱分
    解油を上記溶融領域上方部に供給する底油供給系が設け
    られており、熱分解蒸気及び熱分解油の熱によって上記
    溶融領域を加熱するようになした請求項6記載の廃プラ
    スチックの溶融・熱分解槽。
  9. 【請求項9】 上記廃プラスチックの投入口には加熱機
    能を有するスクリューコンベアが設けられる一方、上記
    残渣抜き口近傍には残渣を撹拌して流動性を与える撹拌
    翼が配置され、さらに上記残渣抜き口にはスクリューコ
    ンベアが設けられて異物を含む残渣が槽本体外に抜き取
    られるようになした請求項6記載の廃プラスチックの溶
    融・熱分解槽。
  10. 【請求項10】 1つの溶融・熱分解槽を用いて廃プラ
    スチックを溶融しつつ脱塩化水素処理した後、該廃プラ
    スチック溶融物を熱分解して油化するにあたり、 槽本体内に内筒を設けて上記槽本体内を上記内筒内側の
    溶融領域と内筒外下側の熱分解領域とに区画し、上記溶
    融領域は上下方向に少なくとも3段の領域に区画し、少
    なくとも上方2段の区画領域にて廃プラスチックを加熱
    溶融するとともに、上方の区画領域から下方に区画領域
    に向けて廃プラスチック溶融物の脱塩化水素を段階的に
    進行させて廃プラスチック溶融物のショートパスを防止
    し、 上記最下段の区画領域の廃プラスチック溶融物を上記熱
    分解領域に送って連続的に熱分解し、該熱分解によって
    生成された蒸気を蒸留して軽質油、中質油及び重質油に
    分離するようにしたことを特徴とする廃プラスチックの
    油化方法。
  11. 【請求項11】 1つの溶融・熱分解槽を用い、ポリオ
    レフィン系プラスチックにポリ塩化ビニル、ポリエチレ
    ンテレフタレート及びアクリロニトリル・ブタジエン・
    スチレンの少なくとも1種を含む廃プラスチックを溶融
    しつつ脱塩化水素処理し、該廃プラスチック溶融物を熱
    分解して油化するにあたり、 槽本体内に内筒を設けて上記槽本体内を上記内筒内側の
    溶融領域と内筒外下側の熱分解領域とに区画し、上記溶
    融領域は上下方向に少なくとも3段の領域に区画し、少
    なくとも上方2段の区画領域にて廃プラスチックを加熱
    溶融するとともに、上方の区画領域から下方に区画領域
    に向けて廃プラスチック溶融物の脱塩化水素を段階的に
    進行させて廃プラスチック溶融物のショートパスを防止
    し、 上記溶融領域から取り出された塩化水素を含むガスをカ
    セイソーダ水溶液で中和する一方、 上記最下段の区画領域の廃プラスチック溶融物を上記熱
    分解領域に送って連続的に熱分解し、該熱分解によって
    生成された蒸気をカセイソーダ水溶液で中和しつつ蒸留
    して軽質油、中質油及び重質油に分離するようにしたこ
    とを特徴とする廃プラスチックの油化方法。
  12. 【請求項12】 上記溶融領域から取り出された塩化水
    素を含むガスを中和塔の塔底部に導入するとともに中和
    塔の中段及び上記塩化水素を含むガスの中和塔への入口
    配管にカセイソーダ水溶液を導入して上記塩化水素を含
    むガスを中和し、 上記熱分解によって生成された蒸気を蒸留塔の塔底部に
    導入するとともに、蒸留塔の中段及び上記蒸気の蒸留塔
    への入口配管にカセイソーダ水溶液を導入して上記熱分
    解によって生成された蒸気を中和しつつ蒸留して軽質
    油、中質油及び重質油に分離するようにした請求項11
    記載の廃プラスチックの油化方法。
  13. 【請求項13】 上記塩化水素を含むガス及び上記熱分
    解蒸気を中和するに際し、約3wt%のカセイソーダ水溶
    液とその10容量倍以上の液状炭化水素との混合物を用
    いるようにした請求項12記載の廃プラスチックの油化
    方法。
  14. 【請求項14】 上記約3wt%のカセイソーダ水溶液の
    全導入量を理論値の約1.5倍とし、上記中和塔及び蒸
    留塔の入口配管と塔中間への分配を約70:30とした
    請求項13記載の廃プラスチックの油化方法。
  15. 【請求項15】 上記中和を行なうに際し、上記中和塔
    及び/又は蒸留塔の塔頂部にアンモニア水溶液を噴霧す
    るようにした請求項12記載の廃プラスチックの油化方
    法。
  16. 【請求項16】 上記塩化水素を含むガスの中和後のガ
    ス及び上記熱分解蒸気の中和蒸留後の蒸気から、アクリ
    ルニトリル及びアセトアルデヒドを分離して加熱用燃料
    とするようにした請求項11記載の廃プラスチックの油
    化方法。
  17. 【請求項17】 上記溶融領域のうち、少なくとも上方
    2段の区画領域を各々撹拌して均一加熱及び脱塩化水素
    を促進する一方、少なくとも下方の区画領域では溶融物
    を一時滞留させて廃プラスチック溶融物のショートパス
    を更に防止するようにした請求項10又は11記載の廃
    プラスチックの油化方法。
  18. 【請求項18】 上記溶融領域を常圧雰囲気、上記熱分
    解領域を上記溶融領域よりも低い圧力雰囲気とするよう
    にした請求項10又は11記載の廃プラスチックの油化
    方法
  19. 【請求項19】 上記熱分解領域で発生する熱分解蒸気
    を上記内筒の外周面に接触させて還元し、熱分解油を軽
    質化するようにした請求項10又は11記載の廃プラス
    チックの油化方法
  20. 【請求項20】 1つの溶融・熱分解槽を用いて廃プラ
    スチックを溶融しつつ脱塩化水素処理し、該廃プラスチ
    ック溶融物を熱分解して油化するにあたり、 槽本体内に内筒を設けて上記槽本体内を上記内筒内側の
    溶融領域と内筒外下側の熱分解領域とに区画し、上記溶
    融領域は上下方向に少なくとも3段の領域に区画し、少
    なくとも上方2段の区画領域にて廃プラスチックを加熱
    溶融するとともに、上方の区画領域から下方に区画領域
    に向けて廃プラスチック溶融物の脱塩化水素を段階的に
    進行させて廃プラスチック溶融物のショートパスを防止
    し、 上記最下段の区画領域の廃プラスチックの溶融物を熱分
    解領域に送ってマイルド熱分解し、 該マイルド熱分解によって生成された蒸気を蒸留して軽
    質油を回収する一方、 上記マイルド熱分解の生成物を槽底から取り出して触媒
    層で接触分解させた後、蒸留して軽質油、中質油及び重
    質油に分離するようにしたことを特徴とする廃プラスチ
    ックの油化方法。
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