JP2014000105A - 非侵襲的連続血圧モニタリング方法及び装置 - Google Patents

非侵襲的連続血圧モニタリング方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】
血圧変動時でも高精度で収縮期血圧算出を行うことができる非侵襲的連続血圧モニタリング方法及び装置を提供する。
【解決手段】
被験者に装着された生体信号検出センサによって得られた生体信号から脈波伝搬時間(PTT)を算出し、取得した脈波伝搬時間と、以下の血圧算出式と、を用いて収縮期血圧を算出する。

ここで、PSBP:収縮期血圧、TPTT:脈波伝搬時間、B1、B2:定数パラメータ。校正において、被験者の血圧を変動させながら第2の血圧取得手段を用いて脈波伝搬時間と血圧を対応させた参照データセットを取得し、前記血圧算出式と前記参照データセットとのフィッティングを行うことで定数B1、B2を決定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、非侵襲的連続血圧モニタリング方法及び装置に関するものである。
超高齢社会の進行に伴い高血圧患者が増加し続けており、予防及び治療のための血圧管理が重要となっている。しかしながら、現状では、一般的に血圧値の参考とされるのは外来血圧や家庭血圧のため、指標として重要な日内変動や超短期変動を把握できない。
現在実用化されている自由行動下血圧測定装置(ABPM:Ambulatory Blood Pressure Monitoring)は、携帯型自動血圧計を用いて一定の時間間隔で定期的に安静時の血圧測定を行うことで、家庭血圧では捉えられない、外出中や睡眠中を含む1 日中の血圧推移を捉えることを可能としている。しかしながら、ABPMは、カフ加圧による負担が大きく、また測定間隔が長く(15分程度以上)、測定姿勢が制約されるなどの問題がある。
より具体的に説明すると、ABPMは、コロトコフ法もしくはオシロメトリック法を用いて血圧測定を行うため、測定時には静止状態を維持する必要がある。そのため、自由行動であっても、運動を含む行動中の測定はできない。また、24時間に亘り血圧測定を行う際のカフ加圧に伴う患者への負担を考慮すると、長めの測定間隔(15〜30分)を確保する必要がある。つまり、ABPMは、測定手法による制約から、運動を含む自由行動下血圧測定を行えておらず、また、血圧の短期変動(例えば、数分から数10分にかけての変動)を十分に捉えることが出来ない。
心臓の拍動に伴い血管壁を伝播する脈波伝播時間(PTT:Pulse Transit Time)と収縮期血圧との間の関係を用いて血圧算出を行う手法も提案されている(特許文献1〜6)。この手法は、脈波伝播時間(PTT)を2点間の脈波が到達する時間差から測定し、脈波伝播時間(PTT)と収縮期血圧値の関係により血圧値を算出するため、カフ加圧が必要なく負担が少ないことから、連続血圧測定の可能性が示されつつある。従来技術では脈波伝搬時間(PTT)から非侵襲的連続血圧を算出するために、統計的な線形関係が用いられて、新しい脈波伝播時間(PTT)測定から構築された学習データベースを参考に血圧を算出している。また、脈波伝播時間(PTT)やその他の生体信号から血圧を求める算出式も提案されていて、単発的な血圧測定および、安静状態での高精度な血圧算出が可能になっている。
従来の血圧算出式は、単発測定、ないし、安静状態での血圧値の測定を想定しているため、運動時を含めた日常生活における健康状態を把握するのに重要とされる収縮期血圧の変動(日内変動、超短期変動など)を十分に捉えられない。
本発明者等は、従来技術で用いられているMoens-Kortewegの式と管壁のつりあい式から血圧算出式を導出する試みを行っているが(非特許文献1)、係数の値に個人差が大きいため物理的意味が不明確であり、より一層の改良が望まれていた。
特開平7−289526号 特開平8−191805号 特開平9−322884号 特開2000−116608号 特開2008−279185号 米国特許第6599251号
Lopez, G. et al., 2010,"Continuous Blood Pressure Monitoring in daily life," Journal of AMDSM, 4(1):179-86.
本発明は、運動時を含む日常生活下でも高精度で収縮期血圧算出を行うことができる非侵襲的連続血圧モニタリング方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明が採用した技術手段は、
被験者に装着された生体信号検出センサによって得られた生体信号から脈波伝搬時間(PTT)を算出するステップと、
取得した脈波伝搬時間と、以下の血圧算出式と、
PSBP:収縮期血圧、TPTT:脈波伝搬時間、B1:血流量と血管の非線形特性の関数である定数パラメータ、B2:血管の硬さと血管の非線形特性の関数である定数パラメータ、
を用いて収縮期血圧を算出するステップと、
を備えた非侵襲的連続血圧モニタリング方法、ないし、
被験者に装着された生体信号検出センサと、
前記生体信号検出センサによって得られた生体信号から脈波伝搬時間(PTT)を算出する手段と、
取得した脈波伝搬時間と、以下の血圧算出式と、
PSBP:収縮期血圧、TPTT:脈波伝搬時間、B1:血流量と血管の非線形特性の関数である定数パラメータ、B2:血管の硬さと血管の非線形特性の関数である定数パラメータ、
を用いて収縮期血圧を算出する手段と、
算出した収縮期血圧を記憶する手段と、
を備えた非侵襲的連続血圧モニタリング装置、である。
1つの態様では、生体信号検出センサは、少なくとも2つの脈波センサであって、脈波伝搬時間(PTT)は、2つの脈波センサによって取得された第1脈波信号と第2脈波信号の波形から取得される。
1つの態様では、生体信号検出センサは、ECGセンサと脈波センサであり、脈波伝搬時間(PTT)は、ECG信号と脈波信号の波形から取得される。
1つの態様では、生体信号(ECG信号と脈波信号、ないし、2つの脈波信号)は、1 kHz以上のサンプリング周波数で取得するように構成されている。1 kHz以上のサンプリング周波数は、運動負荷やメンタル負荷によって上昇した高い血圧値の推定を正確に行うために必要である。
1つの態様では、脈波伝搬時間(PTT)は連続的に算出され、収縮期血圧が連続的に算出され、非侵襲的連続血圧モニタリングが行われる。
1つの態様では、前記血圧算出式の校正が行われ、当該校正は、
被験者の血圧を変動させながら第2の血圧取得手段を用いて脈波伝搬時間と血圧を対応させた参照データセットを取得し、
前記血圧算出式と前記参照データセットとのフィッティングを行うことで定数B1、B2を決定するものである。
1つの態様では、第2の血圧取得手段はABPMである。第2の血圧取得手段は、当該請求項で規定された血圧算出式を用いた血圧取得手段以外の手段であり、ABPM以外の手法、例えば、聴診法、トノメトリ法、カテーテル法、その他の公知のいかなる手法を用いてもよい。後述する運動負荷を課すことのできる手法としては、聴診法、メンタル負荷を課すことのできる手法としては、聴診法、トノメトリ法、が挙げられる。
1つの態様では、前記参照データセットは、被験者の血圧を少なくとも20mmHg以上変動させながら取得される。20mmHg以上変動する血圧値とPTTとの参照血圧データセットを用いて校正することで、高い血圧値であっても精度よく推定できる汎用性の高い血圧算出式を得ることができる。
好ましくは、前記参照データセットは、被験者の血圧を少なくとも30mmHg以上変動させながら取得される。
脈波伝播時間を用いた血圧算出手法(脈波伝播速度法)の校正時に変動する血圧値を用いることは従来から行われているが、従来手法では、単に安静時に狭い範囲で自然に変動する血圧値を用いるものであり、意図的に負荷をかけて血圧値を大きく変動させるものではなく、血圧を変動させたキャリブレーションの必要性は認識されていなかった。狭い範囲で変動する血圧値とPTTとの参照血圧データセットからでは汎用性の高い血圧算出式を得ることは困難である。
1つの態様では、PTT算出に必要な各生体信号を少なくとも1 kHz以上のサンプリング周波数で計測するが、この必要性は、収縮期血圧を変動させて校正を行うことで、初めて明らかになった。
収縮期血圧を変動させた上で高いサンプリング周波数で取得したデータを用いて血圧算出式の校正を行うことで、校正された血圧算出式を用いて、メンタル負荷、身体負荷および、急な行動変化による血圧の超短期変動を精度良くモニタリングすることが可能となる。
1つの態様では、前記血圧の変動は、運動負荷によって得られる。
1つの態様では、運動負荷は、エクササイズ機器を用いて段階的に増大させる運動負荷である。
1つの態様では、運動負荷は、簡易運動による負荷である。簡易運動の種類は限定されないが、座りながらのエクササイズ、例えば、弾性チューブを用いた足や腕の簡易筋トレが例示される。エクササイズ機器を用いた運動負荷を課すことが困難な高齢者等の場合において、簡易運動によって、被験者の血圧を20mmHg以上変動させ得ることが確認されている。
1つの態様では、前記血圧の変動は、メンタル負荷によって得られる。
1つの態様では、メンタル負荷は、暗算あるいは/および暗記である。
メンタル負荷によって、被験者の血圧を20mmHg以上変動させ得ることが確認されており、メンタル負荷を適用することで、筋力を使う運動負荷や簡易運動負荷による血圧変動を適用することが困難な高齢者等においても血圧算出式を校正することが可能となる。
校正時において、エクササイズ機器を用いた運動負荷、簡易運動負荷、メンタル負荷の異なる負荷を用意しておくことで、校正手法(負荷の種類)を、被験者(患者・健常者)の特徴(年齢、身体能力、病状など)によって最適に選択することができる。例えば、痴呆症の高齢者の場合には、暗算あるいは/および暗記を用いたメンタル負荷の適用は困難であるが、このような場合、上記簡易運動負荷が有利である。
1つの態様では、血圧算出式の定数パラメータB1、B2の一方あるいは両方を、血圧の変動を伴うことなく、また、第2の血圧取得手段を用いずに校正してもよい。第2の血圧取得手段を用いたフィッティングと他の校正手法を組み合わせてもよく、例えば、パラメータB2を決めてから、パラメータB1を第2の血圧測定手法によるフィッティングで決定することで、より少ない参照血圧データ、および/あるいは、高速でフィッティングが可能となる。
1つの態様では、前記定数パラメータB2は、血管の硬さの指標に基づいて得られる。
1つの態様では、前記血管の硬さの指標は、baPWV(brachial-ankle PWV)、AI(Augmentation index)、加速度脈波のd波とa波の波高比、から選択される。
1つの態様では、パラメータB2は、
B2 = a×baPWV+b(aとbは経験則)
で算出される。
1つの態様では、パラメータB2は、
B2=c×AI+d(cとdは経験則)
で算出される。
1つの態様では、パラメータB2
B2 = e×d/a+f (d/aは加速度脈波のd波とa波の波高比、eとfは経験則)
で算出される。
1つの態様では、パラメータB1を、拍出量(CO:Cardiac Output)を用いて、
B1 = a×CO + b (aとbは経験則)
で算出してもよい。
1つの態様では、パラメータB1を、血液密度(ρ)と血液の粘性係数(μ)を用いて、
B1 = c×ρ+ d×μ+ e (cとdとeは経験則)
で算出してもよい。
本発明によれば、血圧変動時でも高精度な収縮期血圧算出が可能となり、算出された収縮期血圧を提示することで、より正確なモニタリングを行うことができる。人間の日常生活において、自由行動下での非侵襲収縮期血圧を高い精度で測定することを可能とする。また、身体・メンタルストレスや突発的な行動変化により発生する超短期血圧変動の検出を可能とする。
本発明の効果は上記記載に限定されるものではなく、その他の効果は、本明細書の記載から明らかになる。
本実施形態に係る非侵襲的連続血圧モニタリングシステムのブロック図である。 本実施形態を用いた連続血圧測定結果の例を示す図である。 様々な条件下における超短期血圧変動を可視化した図であり、上から順に、「過度な血圧低下(食後低血圧、起立性低血圧、など)」、「過度な血圧上昇 歩行などの運動時(フィジカル・ストレス)」、「過度な血圧上昇 ストレス反応性昇圧(メンタル・ストレス)」を示している。 ECG信号、PCG信号、脈波信号の関係を示す図である。 血圧算出フローチャート(PTTの代替としてPATを用いた場合)である。 右腕の2ヶ所で測定した脈波信号を示す図である。 数値計算結果(血液の粘性係数μ変化)とフィッティングした結果を実線で示す図である。 数値計算結果(血管の非線形特性定数β変化)とフィッティングした結果を実線で示す図である。 数値計算結果(血液密度ρ変化)とフィッティングした結果を実線で示す図である。 数値計算結果(血管の硬さの定数α変化)とフィッティングした結果を実線で示す図である。 トレッドミルを用いた実験装置の概略図である。 自転車エルゴメータを用いた実験装置の概略図である。 自転車エルゴメータを用いた段階的運動負荷とABPM 測定点を示す図である。 校正に用いるデータの運動負荷範囲を限定した時のRMSEとの関係を示す図である。 校正に用いた運動負荷範囲と負荷中の収縮期血圧値の最大変動との関係を示す図である。 被験者にメンタル負荷が課された際の、収縮期血圧値の最大値と最小値の差から算出した最大変動を示す図である。 実験で採用したメンタル負荷手法を示す図である。 メンタル負荷手法の精度比較を示す図である。 血圧算出式の各係数を決定するフローチャートである。 第1実験データを血圧算出式(3)、血圧算出式(9)それぞれに対して校正し、各PTT計算手法で比較したRMSEの計算結果を示す図である。 第2実験(Method2を用いた)参加者毎のRMSEの結果を示す図である。
[A]非侵襲的連続血圧モニタリングシステム
図1に示すように、本実施形態に係る非侵襲的連続血圧モニタリングシステムは、生体信号検出手段と、PTT抽出手段と、収縮期血圧算出手段と、血圧提示手段と、を備えている。PTT抽出手段において、生体信号検出手段で2ヶ所の測定部位において検出された生体信号の差から脈波伝播時間が取得され、収縮期血圧算出手段は、取得された脈波伝播時間を入力として、収縮期血圧を算出し、算出された収縮期血圧を出力する。
図1の態様では、生体信号検出手段は、脈波検出部(PPG検出部)と、心電検出部(ECG検出部)と、を備えており、これらの検出部から脈波伝播時間を計算するための生体信号が取得される。後述するように、生体信号検出手段として2つの脈波センサを用いて、脈波伝播時間を計算するための生体信号を取得してもよい。生体信号検出手段には、さらに、他の生体センサが含まれていてもよい。例えば、3軸の加速度検出センサを被験者に装着して、検出データから被験者の姿勢や動作を検出してもよい。被験者の血圧データと動作データを時系列で同時に取得することで、血圧の変動と動作とを同時にモニタリングすることができる。筋電位センサを被験者に装着して、被験者の筋電位データを血圧データと同時に取得してもよい。また、呼吸検出センサを被験者に装着してもよい。
PTT抽出手段は、生体信号検出手段で取得された生体信号からPTTを算出する。脈波伝播時間(PTT)は、心臓の収縮によって駆出された血液が末梢部に到達するまでの時間であり、心音と脈波を測定することで算出が可能である。また、PTTは、2点間での脈波到達の時間差と定義することができ、2点間に脈波センサを装着し、その到達時間差を算出することでも得られる。
本発明は、脈波伝播時間を用いた血圧算出手法(脈波伝播速度法)に係るものである。脈波伝播速度(Pulse Wave Velocity:PWV)は、脈波が伝播する速度であり、脈波伝播時間(PTT)は、心臓の収縮によって駆出された血液が末梢部に到達するまでの時間である。2点間での脈波到達の時間差をPTTと定義すると、測定する2点間の距離をPTTで除することによってPWVが得られる。図2に、3つの信号、具体的には、ECG信号、PCG信号、脈波、を示す。心電は心電図(ECG:Electrocardiogram)で記録される。心電には特徴的なものとして、P波、R波(Q-R-S 波)、T波がある。心音は心音図(PCG:Phonocardiogram)で記録される。心音には特徴的なものとして、第1心音と第2心音がある。脈波には特徴的なものとして、1拍出ごとに上昇脚の立ち上がり点(Foot point)、切痕(Incisura)が存在する。
脈波伝達時間(PAT:Pulse Arrival Time)とPTTとの違いは、R波から心臓の血液の駆出までの間の前駆出期(PEP:Pre Ejection Period)が含まれる点である(図2参照)。PEPは心拍数によらずほぼ一定であるため、脈波伝播速度法においての血圧算出にPATを用い得るという知見が得られており、1つの実施形態では、PTTの代替としてPATを血圧算出に用いる。本明細書において、PATは広義にはPTTに含まれるものとして取り扱う。PTTをPATで定義する場合、心臓から送り出される際に発生する心音の第1心音と、脈波のFoot pointとの時間差を用いる。周囲に雑音がある場合心音の測定は困難なため、心音の第1心音の代わりに、心室の興奮時に生じる心電のR波と脈波のFoot pointとの時間差を用いてもよい(図3参照)。この場合、脈波伝播時間の算出には心電と脈波の計測が必要であるが、これらのデータ(すなわち、心電信号、脈波信号)は、被験者に装着されたECGセンサ、脈波センサ(例えば、耳朶光電脈波センサや指尖光電脈波センサ等の光電式脈波センサ)によって取得することができる。ECG信号と脈波を用いる手法には次のような利点がある。脈波のFoot pointはなめらかなため、高い精度で検出するのは比較的に難しいが、ECG信号のR波ピークは鋭いため高い精度で検出可能であり、かつ、体動などのノイズに強い。ECG信号を用いることで、ECG信号から算出できる自律神経を反映している指標(心拍変動など)からストレスなどのメンタル負荷の推定も可能になる。2つの脈波を用いる手法は理論上では最適であるが、日常生活環境下での脈波のFoot point検出精度の低下と、2つのセンサ間の距離が離れるほど複数の血管の分岐や構造の違い(動脈〜毛細血管)から反射がさらにそのFoot pointに影響を与え、一方、2つのセンサ間の距離が短いと2つの脈波のFoot pointの時間差が短くなり(数msec)、数KHzの高いサンプリング周波数が必要となる。PATに含まれるPEPは、殆どの場合PATの一定の割合になっており、PEPを無視することによって増える誤差は日常生活上でのモニタリングにおいて、2つの脈波のFoot point検出誤差よりも小さいと考えられる。
上述のように、1つの態様では、PATによってPTTを代替するが、2つの脈波を用いる手法を採用してもよい。この場合、PTTは、測定する2 点間に脈波センサを装着し、その到達時間差を計算することで得られる。一例では、心臓の高さと同じと考えられる腕で血圧を測定するため、脈波の測定対象とする血管を腕の動脈とした。測定する血圧は上腕動脈の内圧であり、脈波センサで肩部と手首部の2ヶ所で測定する。肩部は上腕動脈、手首部は橈骨動脈に沿って脈波を測定する。肩部は中枢脈波、手首部は末梢脈波の信号を取得し、肩部が手首部に比べて早く到達する。右腕の2ヶ所(測定間隔40 cm)で測定した脈波信号を図4に示す。このようなPTTの具体的な算出手法は当業者に知られているので、詳細な説明は省略する。
収縮期血圧算出手段の記憶部には、下記の血圧算出式が格納されており、PTT抽出手段で算出されたPTTを入力として、演算部が収縮期血圧を算出する。
PSBP:収縮期血圧、TPTT:脈波伝搬時間、B1:血流量と血管の非線形特性の関数である定数パラメータ、B2:血管の硬さと血管の非線形特性の関数である定数パラメータ、である。
収縮期血圧(SBP)算出手段は、パラメータB1、B2を設定するパラメータ校正部を備えている。1つの態様では、パラメータ校正部は、被験者の血圧を変動させながら脈波伝搬時間と血圧を対応させた参照血圧データセットを取得する第2血圧算出手段と、前記血圧算出式と前記参照血圧データセットとのフィッティングを行うことで定数B1、B2を決定する手段と、を備えている。校正ステップにおける脈波伝搬時間は、前記PTT抽出手段によって取得される。1つの態様では、第2血圧算出手段は、脈波伝播速度法以外の血圧算出手段であり、かつ、所定時間間隔で血圧を算出可能な手段であり、1つの態様では、ABPMである。ABPM装置としては、例えば、デジタルホルタ記録器(FM-800、フクダ電子社)を用いることができ、左上腕部にカフを装着することでコロトコフ法による収縮期血圧の測定値を得る。血圧値に対応させる脈波伝播時間として、例えば、その計測時間内に検出された脈波伝播時間の中央値が用いられる。
PTT抽出手段と収縮期血圧算出手段のハードウェア構成は、コンピュータ(入力部、出力部、演算部、記憶部、表示部等を備える)から構成することができる。生体信号検出手段で取得した生体信号、PTTや血圧値等の算出データは記憶部に記憶され、各種計算は演算部によって実行される。1つの態様では、コンピュータは携帯型ないしウェアラブルなコンピュータであり、被験者に装着可能である。
血圧提示手段は、収縮期血圧算出手段で算出された血圧データを提示する。血圧提示手段は、算出された血圧データを記憶する記憶手段を備えており、算出された収縮期血圧値の時系列データが記憶手段に記憶されている。なお、記憶手段は、収縮期血圧算出手段の要素として捉えても、あるいは、収縮期血圧算出手段、血圧提示手段と独立した要素として捉えてもよい。典型的には、血圧提示手段は、表示手段を備えており、算出された連続収縮期血圧値をリアルタイムで連続的に表示する。血圧提示手段は、さらに、演算手段を備えていてもよく、前記記憶手段と前記演算手段とから連続血圧推定部、血圧変動提示部を構成してもよい。連続血圧推定部は、例えば、収縮期血圧値の時系列データから所定時間毎の平均値を算出して表示する。血圧変動提示部は、例えば、収縮期血圧値の時系列データから血圧の変動を算出して監視し、変動量が予め設定された所定量よりも大きい時は警告を出力してもよい。血圧提示手段は、算出された血圧データあるいは当該血圧データに基づいて計算された加工データをデータとして出力するものでもよく、この場合、データは必ずしも表示手段に表示されなくてもよい。血圧提示手段の表示手段は、コンピュータの表示部から構成することができ、また、記憶手段や演算手段も、コンピュータ(入力部、出力部、演算部、記憶部、表示部等を備える)から構成することができる。
本実施形態に係る非侵襲的連続血圧モニタリングシステムを携帯デバイスとして構成した場合には、典型的には、生体信号検出部と、生体信号検出部と電気的に接続された血圧測定部(PTT抽出手段、SBP算出手段、提示手段)と、からなる。生体信号検出部は、ECGセンサとPPGセンサ、あるいは、2つのPPGセンサから構成することができる。血圧測定部は、入力部、出力部、演算部、記憶部、表示部を備えており、コンピュータから構成することができる。血圧測定部に無線通信機能を持たせてもよい。
血圧の日内変動(1日の間に時刻と共に起こる血圧変動)や短期変動(1拍ごとの変動から数分から数10分にかけての変動)は、連続的に血圧をモニタリングすることで初めて取得が可能であり、本実施形態に係る非侵襲的連続血圧モニタリングシステムはそれを可能とする。図1A、図1Bに実証実験の結果を示す。図1Aは、本実施形態を用いた連続血圧測定結果の例を示す図であり、血圧の短期変動が読み取れる。図1Bからは、「過度な血圧低下」、「過度な血圧上昇(フィジカル・ストレス)」、「過度な血圧上昇(メンタル・ストレス)」が読み取れる。
血圧の取得と同時に、被験者の動作データや筋電位を合わせて取得すれば、自動行動識別を考慮した血圧提示が可能であり、モニタリングの質を向上させることができる。具体的に例示すると、血圧が上昇した時に被験者が動いていれば、血圧の上昇は動作に起因するものであると推定することができ、被験者の動作が少ない場合には、動作以外の要因(ストレス、身体の異常等)に起因するものであると推定することができる。
上述のように、本実施形態は、脈波伝播時間を用いた血圧算出手法(脈波伝播速度法)に係り、詳しくは、心臓の拍動に伴い血管壁を伝播する波動である脈波の伝播速度(位相速度)と収縮期血圧との間の関係を用いることで、血圧を算出する手法に関する。実際には脈波が伝播する時間(脈波伝播時間)を2点間の脈波が到達する時間差から測定することで血圧算出を行う。脈波伝播速度法は、カフ加圧の必要がなく、連続的に収縮期血圧が測定可能である。算出式のパラメータが個人毎の血管特性に由来し算出式の係数が異なるため校正が必要となる。脈波伝播速度法で用いられる算出式は色々提案されているが(特許文献1〜6)、従来の算出式では血圧の変動幅が広がるにつれて脈波伝播速度と収縮期血圧の関係の変化を捉えられないため精度が低下するという課題があった。次に、血圧算出式について論じる。
[B]血圧算出式
[B−1]非特許文献1に開示された血圧算出式
脈波伝播速度の式(Moens-Kortewegの式)と管壁のつりあい式から血圧算出式を導出する試みは非特許文献1において行われている。先ず、非特許文献1の血圧算出式について説明する。
Moens-Kortewegの式は、以下の通りである。
管壁のつりあい式は、以下の通りであり、縦弾性係数が内圧の関数で表現される。
上記式(1)(2)において、L:測定間距離 、TPTT:脈波伝播時間 、r :血管内径、p:血管内圧 、ρ:血液密度、E:血管の縦弾性係数、 h:血管の厚さ 、α:定数、である。
式(1)(2)から式(3)が導出される。
PSBP:収縮期血圧、A1、A2、A3:定数パラメータ、である。
式(3)は、従来の算出式に比べると有利な結果が得られたが、係数の値に個人差が大きいため物理的意味が不明確であるという不具合がある。そこで、本発明者等は、
血流、血管の基礎方程式からPTTとSBPの関係を考えることを検討した。
[B−2]本発明に係る血圧算出式
1次元弾性管流れの基礎方程式から血圧算出式を導く。1次元弾性管流れの基礎方程式は、
連続の式(4)
運動方程式(5)
で表現される。
ここで、A:血管の断面積、Q:血液流量、p:内圧、ρ:血液密度、μ:血液の粘性係数、である。
管壁のつりあり式は、
である(α、β:血管特有の定数)。
ここで流速が小さく非粘性流体であると仮定し、移流項と粘性項を無視して近似的に解く。すなわち、管壁のつりあい式について、血管内圧を断面積の関数として表現した。
断面積(脈波)の波動方程式は、式(7)の通りとなる。
式(6)(8)から血圧算出式(9)が得られる。
ここで、PSBP:収縮期血圧、TPTT:脈波伝搬時間、B1:血流量と血管の非線形特性の関数である定数パラメータ、B2:血管の硬さと血管の非線形特性の関数である定数パラメータ、である。
1つの態様では、
B1=ρL2/(β133.32) (ρ:血液密度 Pa/m2、β:血管の非線形特性定数、L:TPTTの測定距離)
B2=αA0 β/133.32 (α:血管の硬さの定数、A0:基準血管内圧時の血管内径)、である(1 [mmHg]=133.32 [Pa])。
式(9)では、PTTが減少するにつれてSBPが増加するという関係が表現できている。本実施形態では、単純に当てはまりが良い関数で近似するのではなく、PTTとSBPの関係を物理モデルを基に理論的に導出した。物理モデルに則した血圧算出式で校正することで、係数の物理的意味が分かり、係数から個人の血流量、血管特性を評価することが可能となる。近似式がPTTとSBPの関係を移流項や粘性項を含めた場合でも表現できるかを1次元の脈波伝播の数値計算で検証する。数値計算は簡略した血流と血管の1次元モデルに基づくものであり、2次元及び3次元モデルに基づいた数値計算程正確では無いが、血圧算出式(9)の物理的意味を検証する上で意義がある。血管・血液・血流特性値がそれぞれどのようにSBPとPTTの関係に影響しているかを初めて明らかにした。さらに、血管・血液・血流特性値は血圧算出式(9)のパラメータ(B1、B2)に対してどのように 影響・関係しているかを理論と数値解析で初めて明確にした。
[B−3]数値計算結果
[B−3−1]血液の粘性係数μを変化させた場合
PTTに対するSBPをプロットし、血圧算出式でフィッティングし、血液の粘性係数(μ)を変化させた場合を比較した。結果を図5に示す。粘性係数が増加するにつれ、B1は増加、B2は減少し、血液の粘性が高いほど、PTTの変化に対してSBPが変化しやすいことが読み取れる。
[B−3−2]血管の非線形特性定数βを変化させた場合
PTTに対するSBPをプロットし、血圧算出式でフィッティングし、血管の非線形特性定数βを変化させた場合を比較した。結果を図6に示す。血管の非線形特性定数βが増加するにつれ、
B1、 B2の値が減少すること、血管の非線形弾性特性が強いほど、PTTの変化に対してSBPが変化しにくいこと、が読み取れる。
[B−3−3]血液密度ρを変化させた場合
結果を図7に示す。血液密度が増加するにつれ、B1の値が増加すること、血液密度が大きい程、PTTの変化に対してSBPが変化しやすいこと、が読み取れる。
[B−3−4]血管の硬さの定数αを変化させた場合
結果を、図8に示す。血管の硬さの定数αが増加するにつれ、B2の値が増加すること、血管が硬い人ほど、基準となるSBPが高いこと、が読み取れる。
[C]パラメータ校正
[C−1]血圧を変動させることによるパラメータ校正
運動時も含めた連続血圧測定を行い、また、日内変動、短期変動などを十分に捉えるためには、血圧を変動させたパラメータ校正を行うことで、運動時を含む日常生活下であっても高精度な収縮期血圧算出を行うことが重要である。
[C−2]運動負荷を用いたパラメータ校正
運動負荷を用いたパラメータ校正について説明する。式(9)の係数B1、B2は、個人毎の血管特性に依存する式の定数パラメータであり、これを同定することで血圧算出式の校正を図る。1つの態様では、長時間被測定者に段階的な運動負荷を課すことで血圧に変動を促し、この血圧値をABPM装置で測定する。その際、同時に脈波伝播時間を測定することで、脈波伝播時間と血圧値を対応させたデータセットを得ることができ、このデータセットに対して上記の式による近似を行うことでパラメータB1、B2を同定し、血圧算出式の校正を行う。段階的な運動負荷による大きな血圧変動を利用し精度の高いフィッティングを図る。
運動負荷(段階的運動負荷)は、例えば、トレッドミル(図9参照)や自転車エルゴメータ(図10参照)を用いて行うことができる。トレッドミルでは、例えば、段階的に速度および/あるいは傾斜を大きくしていくことで血圧を変動させる。ABPM装置による参照血圧値の取得精度を考慮すると、運動負荷時に腕の移動がより少ない自転車エルゴメータを用いることが望ましい。
実験では、心電信号は、心電用電極のディスポ電極Fビトロード(F-150M、日本光電工業株式会社)を被験者の心臓を挟むよう右鎖骨下と左肋骨下の2箇所、ベース電圧用の腹部1箇所に装着することで取得する。脈波信号は、透過式光電容積脈波イヤーセンサ(COMBI WELLNESS社)を左耳朶に装着することで取得する。図11のように推移する段階的な運動負荷を自転車エルゴメータによって課し、それによって変動した血圧値をABPM装置によって計測し、同時に心電と脈波を取得して脈波伝播時間を検出した。
校正に用いるデータの運動負荷範囲を限定し、RMSEを算出することで精度の評価を行った。結果を図12に示す。校正に用いた運動負荷範囲と負荷中の収縮期血圧値の最大変動との関係を図13に示す。運動負荷範囲を広げることによって負荷中の血圧変動が大きくなるに伴い、得られたデータを用いた算出式校正の精度が上がることを確認した。校正式の精度をRMSE 20mmHg以下にするには、負荷範囲を60W以上まで広げる必要があるという知見を得た。この負荷範囲における収縮期血圧値の最大変動は20-30mmHgであった。また、収縮期血圧値の日内変動は、健常者でも30mmHgと言われており、校正式において少なくともその範囲でのモニタリングを行うには、校正式における収縮期血圧値の存在領域の幅が30mmHgを超えることが望ましい。
上記段階的な運動負荷を用いたパラメータ校正は、高精度の校正ができるが、高齢者等では段階的な運動負荷では負担が大き過ぎる場合もある。その場合、簡易運動負荷(短時間、かつ、低負荷)を用いてパラメータ校正を行ってもよい。簡易運動負荷は、次に述べるメンタル負荷を適用することが困難な高齢者において有用である。
[C−3]メンタル負荷を用いたパラメータ校正
段階的な運動負荷は、長い所要時間や運動負荷による負担、血圧測定時のカフ加圧など、被測定者にかける負担も大きく、高血圧患者に多い高齢者に適用するには不適当である。また、ABPM装置の血圧測定は被測定者の安静時を想定しているため、運動負荷時においては計測誤差が拡大するおそれがある。段階的な運動負荷に代わり、被測定者へかかる負担がより少なく、精度の高いパラメータ同定が可能な負荷方法としてメンタル負荷手法に着目した。
1つの態様では、被験者に課されたメンタル負荷は、青年及び成人の記憶能力の評価に用いられるウェクスラー記憶検査法(Wechsler Memory Scale-Revised,以下WMS-R)をもとに、物語暗記による「論理的記憶I」「論理的記憶II」と、暗算による「精神統制」の2種類が用いられ得る。実験中の被験者には運動負荷手法と同様にして生体情報の取得を行い、これによって得られたデータ(PTT)を用いて、パラメータ同定結果や血圧変動などから評価を行う。
被験者にメンタル負荷が課された際の、収縮期血圧値の最大値と最小値の差から算出した最大変動を図14に示す。メンタル負荷が課された被験者において、45人中22人で30mmHg以上の収縮期血圧値の変動を確認できた。
実験は、高齢者より血圧変動が出にくい若年層を対象に行うため、有意な算出式の校正にはさらに血圧変動の出やすいメンタル負荷の検討が必要となる。実験ででは、図15に示す2つの手法を採用した。なお、メンタル負荷の具体的な内容は、図15に示すものに限定されず、被験者等に合わせて当業者において適宜設定し得る。運動負荷手法と同様に、血圧とPTTを対応させたデータにより校正を行い、得られた血圧算出式の精度評価を行った。メンタル負荷手法としては、暗算と暗記を用いたメンタル負荷手法1と、暗算のみのメンタル負荷手法2の2つを検討した。手法1では測定値の安定のためABPM 測定中は負荷を中止し、手法2では血圧昇圧のため続行した。精度評価のため、範囲0-60Wの運動負荷手法も交え比較を行った。
メンタル負荷手法の精度比較の結果を図16に示す。運動負荷手法の精度検証において負荷強度及び血圧変動幅と校正精度の対応を確認し、これを踏まえ、メンタル負荷手法において、同程度の血圧変動幅の運動負荷手法と同等の精度が得られたことから、手法の有効性が確認された。
[C−4]他のパラメータ校正
本発明のパラメータ校正において、血圧を変動させることによるパラメータ校正に対して他のパラメータ校正法を組み合わせてもよい。パラメータの一部の同定を他のパラメータ校正法を用いて行ってもよい。血管・血液・血流特性値が血圧算出式(9)のパラメータ(B1、B2)に対してどのように影響・関係しているかを理論的に示し、数値解析したことによって、参照となる血圧データを取得しない校正を採用し得ることがわかった。医療現場における血圧検査の際、血圧値と同時に様々な指標が測定されており、これらは個人の血管の特性を判断するのに有効とされている値である。血圧算出式のパラメータは個人の血管特性によることから、これらの値を用いることによる式のパラメータ同定の可能性がある。用い得る血管特性値としては、baPWV(brachial-ankle PWV:上腕-足首間PWV)、年齢、AI(Augmentation Index)、BMI(Body Mass Index)、UT(upstroke time:脈波の立ち上がりからピークに達するまでの時間の縮期昇脚時間)、ABI(Ankle Brachial pressure Index:脚関節上腕血圧比)、STI(Systolic Time Intervals:収縮期時相)、CVRR(Coefficients of Variance of RR intervals:自律神経R-R間隔)が例示される。
具体的には、パラメータB2を同定する際に、血管の硬さに関係する指標であるbaPWV、AI、加速度脈波を用いることができる。パラメータB2を決定してから、パラメータB1を第2の血圧測定手法によるフィッティングで決定することで、より少ない参照データ、および/あるいは、高速でフィッティングが可能となる。
1つの態様では、パラメータB2を、baPWV、あるいは、AIを用いて、患者の年齢、性別、体重、身長などに応じて、
B2 = a×baPWV+b(aとbは経験則)、もしくは、B2=c×AI+d(cとdは経験則)
のいずれかを選択して算出する。
1つの態様では、パラメータB2
B2 = e×d/a+f (d/aは加速度脈波のd波とa波の波高比、eとfは経験則)
で算出される。
1つの態様では、パラメータB1を、拍出量(CO:Cardiac Output)を用いて、
B1 = a×CO + b (aとbは経験則)
で算出してもよい。
1つの態様では、パラメータB1を、血液密度(ρ)と血液の粘性係数(μ)を用いて、
B1 = c×ρ+ d×μ+ e (cとdとeは経験則)
で算出してもよい。
[D]血圧測定手法の評価
生体情報の取得について説明する。収縮期血圧(SBP)と脈波伝播時間(PTT)の関係を得るために、生体情報を測定し記録する。SBP の参考値は、ABPM に用いられているデジタルホルタ記録器(FM-800、フクダ電子社)のコロトコフ法により左上腕部で測定する(ABPM 測定)。PTT を算出するために測定する脈波は反射型の光電式容積脈波センサ(デンソー社)を用いて容積脈波を右腕の2ヶ所(肩部,手首部)で測定した。ABPM測定中カフによる腕の締め付けにより脈波が消失するため、右腕と左腕の脈波はほぼ等しいという仮定のもとに、ABPM 測定箇所と反対側の腕で脈波を測定することにした。データの収集は携帯型生体アンプ(AR’S 社)によってサンプリング周波数1kHzで記録を行い、測定と並行してPCにて収録波形の確認を行った。収集した生体信号は電源電流に乗ったノイズ(50Hz)を除くため、ローパスフィルタ(カットオフ周波数20Hz、FIRデジタルフィルタ)の処理を行った。
SBPの測定間隔は、ABPM測定装置で設定できる間隔の最小値である2分毎に行った。SBPが2 分毎に測定するのに対し、PTT は脈波の1拍ごとに計算されるため、SBPに対応するPTTの代表値を決める必要がある。ここでは、ABPM測定時間中の各データの標準偏差を計算し、もっともばらつきの少ないデータの中央値をSBP に対応するPTT の代表値とした。代表値の決め方は当業者において適宜設定し得る。
[D−1]算出式の校正手法
PTTの代表値とABPM測定によるSBPのデータセットから血圧算出式の校正を行う。まず、目的変数をSBP、説明変数をPTTの代表値としてプロットし、線形最小二乗法によりフィッティングを行う。線形最小二乗法を用いて、目的変数が真値を中心に正規分布をしていると仮定し、推定値と測定値の差の2乗和を最小にするように係数の値を求める。
本実験では運動負荷中に脈波と同時にABPM測定を行っているが、本来ABPM 装置は静止状態での測定を想定したものであり、腕の動きを抑えているものの推奨されている測定方法とは異なる。また脈波に関しても、運動負荷中に生じた体動の影響が必ずしも除去できているとは言えない。そのため、測定値には誤差が含まれており、外れ値処理を行った。誤差が独立で正規分布に従う場合、外部スチューデント化残差はスチューデントのt 分布に従う。この指標が有意水準5%以下の確率で生じたと判断されるデータを外れ値とし、残ったデータに対して再び線形最小二乗法で近似式を求める。この行程を外れ値が検出されなくなるまで繰り返し、最終的に計算された式を校正された血圧算出式と定めた。血圧算出式の各係数を決定する流れを図17に示す。
[D−2]運動負荷を用いた校正による血圧測定評価
運動負荷を実験参加者に課すことで昇圧を行い、SBPとPTTのデータセットを個人毎に取得し、それを提案する血圧算出式で近似することで各係数を決定(校正)する。係数が決定された血圧算出式を用いて改めて血圧測定を行い、ABPM 測定に血圧値との誤差を計算、評価することで、従来手法に対して提案する手法の優位性を示す。
実験方法について説明する。血圧算出式の係数を決定するには血圧値に幅を持ったデータセットが必要となる。血圧変動が得られると思われる、実験参加者に運動負荷を与える実験を行うことにした。一般的な負荷試験に用いられるものには、凸型階段を用いるマスター2階段負荷試験、トレッドミル、自転車エルゴメータが挙げられる。本実験では、コロトコフ法でのABPM測定を血圧値とするため、血圧測定時の体動、特に測定箇所である左腕の動きを抑える必要がある。そのため、自転車エルゴメータ(エアロバイク EZ101、COMBI WELLNESS社)を用いて、段階的な運動負荷を課し、運動中の血圧を測定した。運動負荷条件に関しては、運動負荷増加時と負荷減少時が同等であるという知見が得られているため、段階的に運動負荷を増加させる片側運動負荷試験を行うこととした。エルゴメータには運動負荷の指標が設定されており、0Wから段階的に160 Wまで負荷を増加させた状態で実験参加者にエルゴメータを漕いでもらい、ABPM測定時には,血圧の測定の誤りや脈波に混入する体動成分の影響を除くため静止してもらうということを繰り返し行った。2つの実験を行った。
第1の実験は血圧算出式の再現性の検証を目的とする。血圧算出式(3)は、運動時の血圧算出のRMSEが平均10mmHg程度と従来よりも高精度に行えたが、血圧算出式の信頼区間が大きかった。つまり、個人の血管特性を示すと思われる係数の値が定まらず、係数の評価が困難であった。本実験では実験参加者男性2名に対してそれぞれ4回実験を行い、血圧算出式の係数A1、A2、A3、B1、B2がどのように変化するかを検証した。血圧算出式(3)と、血圧算出式(9)と、の比較を行った。
第2の実験は血圧算出式の精度評価を目的とする。実験参加者男性6名、女性2名に対してそれぞれ2回実験を行う。個人毎の血圧算出精度とともに、提案する手法の汎用性を検証した。
第1の実験、第2の実験では、共に以下の手順により血圧算出精度の評価を行った。
1. 交差検定の手順で全実験データをテストデータと訓練データに分け、訓練データで血圧算出式を求める。
2. 求めた算出式にテストデータを入れ、SBPの推定値を計算する。
3. 各データのABPM測定値と推定値からRMSE(Root Mean Square Error)を計算する。
4. 全テストデータのRMSEの平均値を取り、その値を評価の基準とする。
第1の実験データを血圧算出式(3)、血圧算出式(9)それぞれに対して校正し、各PTT計算手法で比較したRMSEの計算結果を図18に示す。PTT計算手法を比較すると、相互相関関数を用いて計算した手法(Method3)によるPTTが他の2つの手法に比べて、RMSEが大きく、実験毎のばらつきも大きかった。脈波の最小値を立ち上がりとして計算した手法(Method1)と接線の交点を立ち上がりとして計算した手法(Method2)ではRMSEにはそれほど大きな違いはないが、PTTの標準偏差はMethod2の方が小さかった。
各係数の変動指標として、標準偏差を平均値で除した値である変動係数(Coefficient of variation, C.V.)を用いて、血圧算出式(3)、血圧算出式(9)の係数のばらつきを検証した。結果を表1に示す。Method1、Method2のどちらにおいても、血圧算出式(3)よりも血圧算出式(9)の係数のC.V.の方が小さいことが読み取れる。
Method2を用いた第2実験参加者毎のRMSEの結果を図19に示す。実験参加者毎にRMSE
にばらつきはあるが、血圧算出の精度に関して、全実験参加者のRMSEは平均6.1 mmHgとなった。
血圧算出式(3)は係数が3つあり、式の当てはめはしやすいが、個人差が大きく係数の信頼区間が大きい。そのため係数の評価が困難であり、係数の制約条件が決められず、実際に血圧算出式の校正に使うには適していない。一方、血圧算出式(9)は係数が2つのため、当てはめは血圧算出式(3)の方が優れると考えられるが、係数のばらつきが抑えられ、また個人差も大きくないため、血圧算出式の係数が定まりやすい。そのため個々の血圧算出式の係数から血管特性が評価できる可能性がある。
本発明は、ウェアラブル生体センサを用いた非侵襲収縮期血圧測定技術に適用することができ、詳しくは、日常生活におけるウェアラブル生体センサを用いた自由行動下連続血圧測定及び超短期変動検出に利用することができる。

Claims (11)

  1. 被験者に装着された生体信号検出センサによって得られた生体信号から脈波伝搬時間(PTT)を算出するステップと、
    取得した脈波伝搬時間と、以下の血圧算出式と、
    PSBP:収縮期血圧、TPTT:脈波伝搬時間、B1:血流量と血管の非線形特性の関数である定数パラメータ、B2:血管の硬さと血管の非線形特性の関数である定数パラメータ、
    を用いて収縮期血圧を算出するステップと、
    を備えた非侵襲的連続血圧モニタリング方法。
  2. 前記血圧算出式の校正ステップを備え、当該校正ステップは、
    被験者の血圧を変動させながら第2の血圧取得手段を用いて脈波伝搬時間と血圧を対応させた参照データセットを取得するステップと、
    前記血圧算出式と前記参照データセットとのフィッティングを行うことで定数B1、B2を決定するステップと、
    を備えている、請求項1に記載の非侵襲的連続血圧モニタリング方法。
  3. 前記参照データセットは、被験者の血圧を少なくとも20mmHg以上変動させながら取得される、請求項2に記載の非侵襲的連続血圧モニタリング方法。
  4. 前記血圧の変動は、運動負荷によって得られる、請求項2、3いずれかに記載の非侵襲的連続血圧モニタリング方法。
  5. 前記血圧の変動は、メンタル負荷によって得られる、請求項2、3いずれかに記載の非侵襲的連続血圧モニタリング方法。
  6. 前記定数パラメータB2は、血管の硬さの指標に基づいて得られる、請求項1に記載の非侵襲的連続血圧モニタリング方法。
  7. 前記血管の硬さの指標は、baPWV(brachial-ankle PWV)、AI(Augmentation index)、加速度脈波のd波とa波の波高比、のいずれか1つである、請求項6に記載の非侵襲的連続血圧モニタリング方法。
  8. 前記定数パラメータB1は、拍出量(Cardiac Output)と血液特性(血液密度ρと血液の粘性係数μ)のいずれか1つに基づいて得られる、請求項1、6、7いずれか1項に記載の非侵襲的連続血圧モニタリング方法。
  9. 被験者に装着された生体信号検出センサと、
    前記生体信号検出センサによって得られた生体信号から脈波伝搬時間(PTT)を算出する手段と、
    取得した脈波伝搬時間と、以下の血圧算出式と、
    PSBP:収縮期血圧、TPTT:脈波伝搬時間、B1:血流量と血管の非線形特性の関数である定数パラメータ、B2:血管の硬さと血管の非線形特性の関数である定数パラメータ、
    を用いて収縮期血圧を算出する手段と、
    算出した収縮期血圧を記憶する手段と、
    を備えた非侵襲的連続血圧モニタリング装置。
  10. 前記生体信号検出センサは、ECGセンサと脈波センサであり、
    前記脈波伝搬時間(PTT)として、ECG信号と脈波信号から算出した脈波伝達時間(PAT)が用いられる、
    請求項9に記載の非侵襲的連続血圧モニタリング装置。
  11. 前記ECG信号と前記脈波信号は、1 kHz以上のサンプリング周波数で取得するように構成されている、請求項10に記載の非侵襲的連続血圧モニタリング装置。
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