JPH10276994A - 暫定血圧値表示機能を備えた自動血圧測定装置 - Google Patents

暫定血圧値表示機能を備えた自動血圧測定装置

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JPH10276994A
JPH10276994A JP9092128A JP9212897A JPH10276994A JP H10276994 A JPH10276994 A JP H10276994A JP 9092128 A JP9092128 A JP 9092128A JP 9212897 A JP9212897 A JP 9212897A JP H10276994 A JPH10276994 A JP H10276994A
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英克 犬飼
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一層早期に最高血圧値を知ることができる暫
定血圧値表示機能を備えた自動血圧測定装置を提供す
る。 【解決手段】 カフ10の圧迫圧力PC が徐々に下降さ
せられるに先立つそのカフ10の急速昇圧過程で、末梢
側脈波消滅判定手段82において、推定血圧値決定手段
78により予め設定された関係から脈波伝播速度情報算
出手段74により算出された脈波伝播速度情報に基づい
て決定された推定最高血圧値EBPSYS にカフの圧迫圧
力が到達したときに、光電脈波検出プローブ38により
検出された脈波が消滅したか否かが判定され、その末梢
側脈波消滅判定手段82により脈波が消滅したことが判
定された場合には、暫定血圧値表示手段84によって、
推定血圧値決定手段78により決定された推定最高血圧
値EBPSYS が、血圧測定手段70により測定される血
圧値の表示に先立って表示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体の自動血圧測
定に際して、カフの圧迫を利用して測定される血圧値の
表示に先立って、暫定血圧値を表示する暫定血圧値表示
機能を備えた自動血圧測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動血圧測定装置では、一般に、予め定
められた手順に従ってカフの圧迫圧力が変化させられ、
そのカフの圧迫圧力がたとえば3mmHg/sec程度の速度で
徐々に変化させられる徐速変化過程で発生する脈拍同期
波たとえば脈拍に同期して発生するカフ脈波或いは脈音
の変化に基づいて、生体の血圧値が自動的に測定され
る。たとえば、オシロメトリック方式では、脈拍に同期
するカフの圧力振動であるカフ脈波の振幅が急激に変化
した時点のカフ圧が血圧値として決定され、コロトコフ
音方式では、波の振幅の変化或いはコロトコフ音の発生
および消滅時点のカフ圧が最高血圧値および最低血圧値
として決定される。
【0003】
【発明が解決すべき課題】ところで、上記のような従来
の自動血圧測定装置により、カフの圧迫を利用して生体
の血圧値が自動的に測定される場合には、カフによる圧
迫の開始から血圧値の測定完了までに30秒程度の比較
的長い時間が必要である。このため、生体の容体が変化
した緊急の場合には、速やかに生体の血圧値を知ること
ができなかった。
【0004】これに対し、たとえば、特開昭62−18
0408号公報や特開昭63−43645号公報に記載
されているように、正規の血圧測定により最高血圧値が
決定される前に仮の最高血圧値を表示する自動血圧測定
装置が提案されている。しかし、そのような自動血圧測
定装置によれば、正規の血圧測定による最高血圧値より
も速やかに仮の最高血圧値が得られるが、未だ十分早期
に得られる訳ではなかった。たとえば、特開昭62−1
80408号公報により提案された技術は、カフ圧の徐
速降圧過程において逐次算出された脈波振幅の差分値の
うち、最大差分値以後の差分値減少開始点におけるカフ
圧を仮の最高血圧値として一時的に表示するものである
が、これによれば、カフ圧がその最高値まで昇圧させら
れた後に開始される徐速降圧開始後であって脈波振幅の
最大差分値発生後或いは前回の最高血圧発生時点と同じ
脈波振幅が発生した時において仮の最高血圧値が決定さ
れることから、必ずしも早期に知ることができなかっ
た。
【0005】本発明は、以上の事情を背景として為され
たものであり、その目的とするところは、一層早期に最
高血圧値を知ることができる暫定血圧値表示機能を備え
た自動血圧測定装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、生体に装着されたカ
フの圧迫圧力が徐々に下降させられる過程で発生する脈
拍同期波の変化に基づいて生体の血圧値を測定する血圧
測定手段を備え、その血圧測定手段による血圧値の測定
完了前に暫定血圧値を表示する暫定血圧値表示装置であ
って、(a)前記生体の前記カフよりも末梢側部位に装
着されて動脈内の脈波を検出する末梢側脈波センサと、
(b)前記生体の脈波伝播速度情報を算出する脈波伝播
速度情報算出手段と、(c)前記生体に関する血圧値と
脈波伝播速度情報との間の予め設定された関係から、上
記の脈波伝播速度情報算出手段により算出された脈波伝
播速度情報に基づいて推定最高血圧値を決定する推定血
圧値決定手段と、(d)前記カフの圧迫圧力が徐々に下
降させられるに先立つそのカフの圧迫圧力の上昇過程
で、その圧迫圧力が前記推定最高血圧値に到達したとき
に、前記末梢側脈波センサにより検出された脈波が消滅
したか否かを判定する末梢側脈波消滅判定手段と、
(e)その末梢側脈波消滅判定手段により脈波が消滅し
たことが判定された場合には、前記推定血圧値決定手段
により決定された推定最高血圧値を、前記血圧測定手段
により測定された血圧値の表示に先立って表示する暫定
血圧値表示手段とを、含むことにある。
【0007】
【発明の効果】このようにすれば、カフの圧迫圧力が徐
々に下降させられるに先立つそのカフの圧迫圧力の上昇
過程で、末梢側脈波消滅判定手段において、推定血圧値
決定手段により予め設定された関係から脈波伝播速度情
報算出手段により算出された脈波伝播速度情報に基づい
て決定された推定最高血圧値にカフの圧迫圧力が到達し
たときに、前記末梢側脈波センサにより検出された脈波
が消滅したか否かが判定され、その末梢側脈波消滅判定
手段により脈波が消滅したことが判定された場合には、
暫定血圧値表示手段によって、推定血圧値決定手段によ
り決定された推定最高血圧値が、血圧測定手段により測
定される血圧値の表示に先立って表示される。したがっ
て、カフの圧迫圧力が徐々に下降させられるに先立つそ
のカフの圧迫圧力の上昇過程で、上記推定最高血圧値が
暫定血圧値として表示されるので、一層速やかに暫定最
高血圧値すなわち仮の最高血圧値が表示される。
【0008】また、本発明によれば、脈波伝播速度情報
算出手段により算出された脈波伝播速度情報に基づいて
推定された最高血圧値をそのまま暫定最高血圧値として
表示する場合に比較して、カフ圧がその推定最高血圧値
に到達するとカフよりも末梢側の脈波が消滅したことが
確認されることが条件とされているので、暫定最高血圧
値の精度が一層高められる。
【0009】
【発明の他の態様】ここで、好適には、前記脈波伝播速
度情報算出手段は、脈波伝播時間或いは脈波伝播速度な
どの脈波伝播速度情報を逐次算出すると同時に、算出さ
れた脈波伝播速度情報とそれ以前の所定数の脈波に関連
して得られた脈波伝播速度情報との移動平均値を求める
ことにより前記脈波伝播速度情報を算出するものであ
る。このようにすれば、生体の体動などに起因するノイ
ズに対する影響が緩和される利点がある。
【0010】また、好適には、生体の体表面に貼着され
た電極を通して心電誘導波形を検出する心電誘導装置を
備え、前記脈波伝播速度情報算出手段は、その心電誘導
波形のR波と前記脈波センサにより検出された脈波の基
準点との間の脈波伝播時間を逐次算出すると同時に、算
出された脈波伝播時間或いはそれから得られた脈波伝播
速度とそれ以前の所定数の脈波に関連して得られた脈波
伝播時間或いは脈波伝播速度との移動平均値を求めるこ
とにより前記脈波伝播時間或いは脈波伝播速度を算出す
るものである。このようにすれば、第1脈波検出装置と
して心電誘導装置が用いられ、第2脈波検出装置として
カフの末梢側に装着された脈波センサが用いられること
により、心電誘導波形のR波と前記脈波センサにより検
出された脈波の基準点との間の脈波伝播時間が求められ
るので、動脈上に第1脈波検出装置を装着する場合に比
較して脈波伝播時間が大きい値となるので、脈波伝播速
度情報の精度が高められる。
【0011】また、好適には、前記脈波伝播速度情報算
出手段により算出された脈波伝播速度情報とそのカフに
よる圧迫に関連して前記血圧測定手段により測定された
最高血圧値とに基づいて、前記生体に関する最高血圧値
と脈波伝播速度情報との間の対応関係を決定する対応関
係決定手段が、備えられる。また、好適には、この対応
関係決定手段は、前記カフの圧迫開始時点からその圧迫
圧力が平均血圧値に到達するまでの期間内、より好適に
は圧迫圧力が平均血圧値に到達する直前の時点において
前記脈波伝播速度情報算出手段により算出された脈波伝
播速度情報とそのカフによる圧迫に関連して前記血圧測
定手段により測定された血圧値とに基づいて、前記対応
関係を決定するものである。このようにすれば、最高血
圧値決定時点に可及的に接近したタイミングで決定され
た脈波伝播速度情報が用いられるので、対応関係の精度
が一層高められる利点がある。
【0012】また、好適には、前記対応関係決定手段に
おいて用いられる平均血圧値は、カフによる圧迫直前に
おいて脈波伝播速度情報から推定された推定最高血圧値
に、前回のカフによる血圧測定に際して得られた平均血
圧値最高血圧値比を乗算することにより算出された値が
用いられる。このようにすれば、上記平均血圧値が実際
の値に近い値となるので、血圧決定時点と脈波伝播速度
情報の取得時点とが可及的に接近させられ得て監視血圧
精度が一層高められ得る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に
基づいて詳細に説明する。図1は、本発明が適用された
血圧監視装置8の構成を説明するブロック線図である。
【0014】図1において、暫定血圧値表示機能を備え
た自動血圧測定装置である血圧監視装置8は、ゴム製袋
を布製帯状袋内に有して、たとえば患者の上腕部12に
巻回されるカフ10と、このカフ10に配管20を介し
てそれぞれ接続された圧力センサ14、切換弁16、お
よび空気ポンプ18とを備えている。この切換弁16
は、たとえば、カフ10内への圧力の供給を許容する圧
力供給状態、カフ10内を徐々に昇圧或いは降圧する徐
速変化状態、或いはカフ10内を急速に排圧する急速排
圧状態の3つの状態に切り換えられるように構成されて
いる。
【0015】圧力センサ14は、カフ10内の圧力を検
出して、その圧力を表す圧力信号SPを静圧弁別回路2
2および脈波弁別回路24にそれぞれ供給する。静圧弁
別回路22はローパスフィルタを備え、圧力信号SPに
含まれる定常的な圧力すなわちカフ10の圧迫圧力PC
(単に、カフ圧PC とも称する)を表すカフ圧信号SK
を弁別してそのカフ圧信号SKをA/D変換器26を介
して電子制御装置28へ供給する。脈波弁別回路24は
バンドパスフィルタを備え、圧力信号SPの振動成分で
あるカフ脈波信号SM1 を周波数的に弁別してそのカフ
脈波信号SM1をA/D変換器30を介して電子制御装
置28へ供給する。このカフ脈波信号SM1 は、患者の
心拍に同期して図示しない上腕動脈から発生してカフ1
0に伝達される圧力振動波を示している。
【0016】上記電子制御装置28は、CPU29、R
OM31、RAM33、および図示しないI/Oポート
等を備えた所謂マイクロコンピュータにて構成されてお
り、CPU29は、ROM31に予め記憶されたプログ
ラムに従ってRAM33の記憶機能を利用しつつ信号処
理を実行することにより、I/Oポートから駆動信号を
出力して切換弁16および空気ポンプ18を制御する。
【0017】心電誘導装置34は、生体の心臓の収縮に
関連してその生体から発生する第1信号すなわち心筋の
活動電位を示す心電誘導波、所謂心電図を、生体の所定
の部位に貼り着けられる複数の電極36を介して連続的
に検出して、その心電誘導波を示す信号SM2 (第1信
号)を前記電子制御装置28へ出力する。なお、この心
電誘導装置34は、心臓内の血液を大動脈へ向かって拍
出開始する時期に対応する心電誘導波のうちのR波など
を検出するためのものであることから、第1信号検出装
置として機能している。
【0018】パルスオキシメータ用の光電脈波検出プロ
ーブ38(以下、単にプローブという)は、毛細血管を
含む末梢動脈へ伝播した脈波を検出して光電脈波信号S
RおよびSMIR(第2信号)を出力する第2信号検出
装置或いは末梢脈波センサとして機能するものであり、
例えば、生体のカフ10より下流側すなわちの末梢側部
位である指尖部などの生体皮膚すなわち体表面40に図
示しない装着バンド等により密着した状態で装着されて
いる。プローブ38は、一方向において開口する容器状
のハウジング42と、そのハウジング42の底部内面の
外周側に位置する部分に設けられ、LED等から成る複
数の第1発光素子44a および第2発光素子44b (以
下、特に区別しない場合は単に発光素子44という)
と、ハウジング42の底部内面の中央部分に設けられ、
フォトダイオードやフォトトランジスタ等から成る受光
素子46と、ハウジング42内に一体的に設けられて発
光素子44及び受光素子46を覆う透明な樹脂48と、
ハウジング42内において発光素子44と受光素子46
との間に設けられ、発光素子44から前記体表面40に
向かって照射された光のその体表面40から受光素子4
6に向かう反射光を遮光する環状の遮蔽部材50とを備
えて構成されている。
【0019】上記第1発光素子44a は、例えば660
nm程度の波長の赤色光を発光し、第2発光素子44b
は、例えば880nm程度の波長の赤外光を発光するも
のである。これら第1発光素子44a 及び第2発光素子
44b は、一定時間づつ順番に所定周波数で発光させら
れると共に、それら発光素子44から前記体表面40に
向かって照射された光の体内の毛細血管が密集している
部位からの反射光は共通の受光素子46によりそれぞれ
受光される。なお、発光素子44の発光する光の波長は
上記の値に限られず、第1発光素子44a は酸化ヘモグ
ロビンと還元ヘモグロビンとの吸光係数が大きく異なる
波長の光を、第2発光素子44b はそれらの吸光係数が
略同じとなる波長、すなわち酸化ヘモグロビンと還元ヘ
モグロビンとにより反射される波長の光をそれぞれ発光
するものであればよい。
【0020】受光素子46は、その受光量に対応した大
きさの光電脈波信号SM3 をローパスフィルタ52を介
して出力する。受光素子46とローパスフィルタ52と
の間には増幅器等が適宜設けられる。ローパスフィルタ
52は、入力された光電脈波信号SM3 から脈波の周波
数よりも高い周波数を有するノイズを除去し、そのノイ
ズが除去された光電脈波信号SM3 をデマルチプレクサ
54に出力する。この光電脈波信号SM3 が表す光電脈
波は、患者の脈拍に同期して発生する容積脈波である。
なお、この光電脈波は脈拍同期波に対応している。
【0021】デマルチプレクサ54は、電子制御装置2
8からの信号に従って第1発光素子44a 及び第2発光
素子44b の発光に同期して切り換えられることによ
り、赤色光による光電脈波信号SMR をサンプルホール
ド回路56及びA/D変換器58を介して、赤外光によ
る光電脈波信号SMIRをサンプルホールド回路60及び
A/D変換器62を介して、それぞれ電子制御装置28
の図示しないI/Oポートに逐次供給する。サンプルホ
ールド回路56、60は、入力された光電脈波信号SM
R 、SMIRをA/D変換器58、62へ出力する際に、
前回出力した光電脈波信号SMR 、SMIRについてのA
/D変換器58、62における変換作動が終了するまで
に、次に出力する光電脈波信号SMR 、SMIRをそれぞ
れ保持するためのものである。
【0022】電子制御装置28のCPU29は、RAM
33の記憶機能を利用しつつROM31に予め記憶され
たプログラムに従って測定動作を実行し、駆動回路64
に制御信号SLVを出力して発光素子44a 、44b
順次所定の周波数で一定時間づつ発光させる一方、それ
ら発光素子44a 、44b の発光に同期して切換信号S
Cを出力してデマルチプレクサ54を切り換えることに
より、前記光電脈波信号SMR をサンプルホールド回路
56に、光電脈波信号SMIRをサンプルホールド回路6
0にそれぞれ振り分ける。上記CPU29は、血中酸素
飽和度を算出するために予め記憶された演算式から上記
光電脈波信号SMR 、SMIRの振幅値に基づいて生体の
血中酸素飽和度を算出する。なお、この酸素飽和度の決
定方法としては、例えば、本出願人が先に出願して公開
された特開平3−15440号公報に記載された決定方
法が利用される。
【0023】図2は、前記血圧監視装置8における電子
制御装置28の制御機能の要部を説明する機能ブロック
線図である。図2において、血圧測定手段70は、カフ
圧制御手段72によってたとえば生体の上腕に巻回され
たカフ10の圧迫圧力PC が所定の目標圧力値PM1、た
とえば上腕動脈を十分に止血するための180mmHg程度
の圧力値まで急速昇圧させた後に3mmHg/sec程度の速度
で徐速降圧させられる徐速降圧期間内において、順次採
取されるカフ脈波信号SM1 が表す脈波の振幅の変化に
基づきよく知られたオシロメトリック法を用いて最高血
圧値BPSYS および最低血圧値BPDIA などを決定す
る。たとえば、上記血圧測定手段70は、上記徐速降圧
期間内において振幅が増加した後で減少する脈波振幅の
差分の最大値が発生した点すなわち脈波振幅を結ぶ包絡
線の変曲点のカフ圧を最高血圧値BPSYS および最低血
圧値BPDIA として決定し、脈波振幅の最大値が発生し
た点のカフ圧を平均血圧値BPMEANとして決定する。
【0024】脈波伝播速度情報算出手段74は、図3に
示すように心電誘導装置34により逐次検出される心電
誘導波の周期毎に発生する所定の部位たとえばR波か
ら、プローブ38により逐次検出される光電脈波の周期
毎に発生する所定の部位たとえば立ち上がり点或いは下
ピーク点までの時間差(脈波伝播時間)DTRPを、一拍
毎に逐次算出する。
【0025】対応関係決定手段76は、カフ10による
圧迫期間のうちその圧迫圧力が平均血圧値BPMEANより
も低い期間内において前記脈波伝播速度情報算出手段7
4により算出された脈波伝播速度情報すなわち脈波伝播
時間DTRPとそのカフ10による圧迫に関連して前記血
圧測定手段70により測定された血圧値たとえば最高血
圧値BPSYS とに基づいて、図4に示すような対応関係
を決定する。たとえば、上記対応関係決定手段76は、
カフ圧制御手段72によって図5に示すようにカフ10
の圧迫圧力PC が変化させられるとき、圧迫開始以後か
ら圧迫圧力PCが平均血圧値BPMEANに到達する前の期
間内、たとえば平均血圧値BPMEANに到達する直前によ
り算出された脈波伝播時間DTRPとそのカフ10による
圧迫に関連して前記血圧測定手段70により測定された
最高血圧値BPSYS とに基づいて図4に示すような対応
関係を決定する。なお、図5の上段に示す光電脈波信号
は、カフ10が装着された上腕よりも末梢側部位に光電
脈波検出プローブ38が装着された場合の波形を示して
おり、カフ10による圧迫に伴ってその振幅が減少させ
られている。
【0026】たとえば、上記対応関係決定手段76は、
血圧測定手段70により測定された最高血圧値BPSYS
と、その血圧測定のカフ圧迫期間内であって平均血圧値
BP MEANに到達する直前の脈波伝播時間DTRPおよびそ
れ以前に求められた脈波伝播時間DTRPの所定拍数期間
の移動平均値とに基づいて、数式1で示される脈波伝播
時間DTRPと最高血圧値BPSYS との関係式における係
数α及びβを、予め決定する。
【0027】
【数1】EBP=α(DTRP)+β ・・・(1) (但し、αは負の定数、βは正の定数)
【0028】推定血圧値決定手段78は、生体の血圧値
とその生体の脈波伝播時間DTRPとの間の上記対応関係
(数式1)から、脈波伝播速度情報算出手段74により
逐次算出される生体の実際の脈波伝播時間DTRPに基づ
いて推定最高血圧値EBPSY S を一拍毎に逐次決定し、
その推定最高血圧値EBPを表示器32に所定の時間軸
に沿って対比可能にトレンド表示させる。一般に、生体
の動脈内を伝播する脈波の脈波伝播速度情報として、所
定の2部位間の伝播時間DTや伝播速度VM (m/s )が
知られており、このような脈波伝播速度情報は、所定の
範囲内では生体の血圧値BP(mmHg)と略比例関係を有
することが知られている。そこで、所定の生体に関し
て、カフを用いて測定された比較的信頼性のある血圧値
BPとその生体から得られた脈波伝播速度情報とから、
たとえばEBP=α(DT)+β(但しαは負の値)、
或いはEBP=α(VM )+β(但しαは正の値)で表
されるような対応関係における係数α及びβを予め決定
し、そのようにして決定された対応関係から、逐次検出
される脈波伝播速度情報に基づいて推定血圧値EBPが
連続的に求められ得るのである。
【0029】止血圧到達判定手段80は、カフ圧制御手
段72によりカフ10の圧迫圧力P C が徐々に下降させ
られるに先立つそのカフの圧迫圧力PC の上昇過程で、
その圧迫圧力PC が、推定血圧値決定手段78により推
定された推定最高血圧値EBPSYS に略到達したか否
か、たとえば圧迫圧力PC ≧(EBPSYS −γ)が成立
したか否かを判断する。そのγは、上腕動脈がカフ10
により止血された状態を判定するための余裕値であっ
て、10〜20mmHg程度の一定値或いはEBPSYSの1
0%程度の値である。
【0030】末梢側脈波消滅判定手段82は、上記止血
圧到達判定手段80により、カフ10の圧迫圧力PC
徐々に下降させられるに先立つそのカフ10の圧迫圧力
Cの急速上昇過程で、その圧迫圧力PC が推定血圧値
決定手段78により推定された推定最高血圧値EBP
SYS に略到達したことが判定されたとき、末梢側脈波セ
ンサとして機能するプローブ38により検出された脈波
が消滅したか否かを判定する。
【0031】暫定血圧値表示手段84は、上記末梢側脈
波消滅判定手段82により脈波が消滅したことが判定さ
れた場合には、前記推定血圧値決定手段78により推定
された推定最高血圧値EBPSYS を、前記血圧測定手段
70により測定された血圧値の表示に先立って表示器3
2に表示する。
【0032】図6は、上記血圧監視装置8の電子制御装
置28における制御作動の要部を説明するフローチャー
トである。図6において、ステップSA1(以下、ステ
ップを省略する。)において図示しないフラグ、カウン
タ、レジスタをクリアする初期処理が実行された後、対
応関係決定手段76に対応するSA2では、推定血圧を
算出する基礎となる対応関係を決定するために、たとえ
ば図7に示す対応関係決定ルーチンが実行される。この
図7において対応関係を決定するためのカフ10を用い
た血圧測定は徐速降圧期間内において実行される。
【0033】図7のSB1では、切換弁16が圧力供給
状態に切り換えられ且つ空気ポンプ18が駆動されるこ
とにより生体の上腕部に巻回されたカフ10の急速昇圧
が開始される。図5のt1 はこの時点を示す。続くSB
2において、カフ圧PC が平均血圧値BPMEAN以下であ
るか否かが判断される。この平均血圧値BPMEANは、カ
フ10の圧迫により求められるような実際値に近い値で
あることが望ましいが、そのカフ10の圧迫による血圧
測定期間開始状態であるので、便宜的に、数式2と、前
記数式1から実際の脈波伝播時間DTRPに基づいて算出
された推定最高血圧値EBPSYS とを用いて予め算出さ
れた推定値BPMEAN M が設定される。数式2において、
EBPSYS は後述のSA5において一拍毎に算出される
推定最高血圧値であり、好適には、今回の血圧測定開始
時点に接近した時点たとえばカフ10による圧迫開始直
前の値が用いられる。また、数式2において、BPMEAN
およびBPSYS は前回のSA2におけるカフ10を用い
た血圧測定時に測定された平均血圧値および最高血圧値
である。これにより、平均血圧値最高血圧値比BP MEAN
/BPSYS は生体固有の値とされるので、上記推定値B
MEAN M が一層正確となる。
【0034】
【数2】 BPMEAN M =EBPSYS ×(BPMEAN/BPSYS )・・・(2) (但し、αは負の定数、βは正の定数)
【0035】当初は上記SB2の判断が否定されるの
で、前記脈波伝播速度情報算出手段74に対応するSB
3において、心電誘導装置34により逐次検出される心
電誘導波の周期毎に発生する所定の部位たとえばR波か
ら、プローブ38により逐次検出される光電脈波の周期
毎に発生する所定の部位たとえば立ち上がり点或いは下
ピーク点までの時間差(脈波伝播時間)DTRPがそれ以
前の所定拍数の期間内の移動平均値として算出され、且
つ記憶される。
【0036】次いで、推定血圧値決定手段78に対応す
るSB4において、たとえば図4或いは数式1に示す関
係から、SB3において求められた実際の脈波伝播時間
DT RPに基づいて推定最高血圧値EBPSYS が算出され
る。続いて、前記止血圧到達判定手段80に対応するS
B5において、カフ圧PC が予め求められた判断基準
(EBPSYS −γ)以上となったか否かが判断される。
この判断基準(EBPSY S −γ)は、カフ10の圧迫圧
力PC が徐々に下降させられるに先立つ急速上昇過程で
その圧迫圧力PC が推定最高血圧値EBPSYS に略到達
したこと、すなわち、生体の上腕動脈を略止血したこと
を判定するための必要かつ十分な値であって、生体毎に
その推定最高血圧値EBPSYS に基づいて決定された値
である。
【0037】当初は上記SB5の判断が否定されるの
で、SB8において、カフ10の圧迫圧力PC が予め設
定された目標圧迫圧力値すなわち判断基準値PM1以上と
なったか否かが判断される。この判断基準値PM1は、生
体の最高血圧値よりも十分に高い値たとえば180mmHg
程度の値に設定される。当初はこのSB8の判断も否定
されるので、SB1以下が繰り返し実行される。
【0038】以上のステップが繰り返し実行されるう
ち、カフ10の圧迫圧力PC が生体の平均血圧値BP
MEAN以上となって前記SB2の判断が肯定されると、そ
れ以後はSB3が実行されることなくSB4が実行され
るようになり、脈波伝播速度DT RPの更新が停止させら
れる。図5のt2 時点はこの状態を示す。
【0039】以上のステップが繰り返し実行されるう
ち、カフ10の圧迫圧力PC が予め求められた判断基準
(EBPSYS −γ)以上となってSB5の判断が肯定さ
れると、前記末梢側脈波消滅判定手段82に対応するS
B6において、光電脈波検出プローブ38により検出さ
れる脈波が予め設定された判断基準値以下となったか否
かすなわちその脈波が消滅したか否かが判断される。こ
のSB6の判断が否定された場合は前記SB8以下が実
行されるが、肯定された場合には、前記暫定血圧値表示
手段84に対応するSB7において、SB4にて決定さ
れた推定最高血圧値EBPSYS が暫定最高血圧値として
表示器32の最高血圧表示場所に表示される。
【0040】そして、カフ10の圧迫圧力PC が前記判
断基準値PM1以上となってSB8の判断が肯定される
と、SB9以下において実質的な血圧測定作動の実行が
開始される。図5のt3 はこの状態を示している。先
ず、SB9では、空気ポンプ18が停止され且つ切換弁
16が徐速降圧状態に切り換えられることにより、予め
定められた3mmHg/sec程度の緩やかな速度で徐速降圧が
開始される。
【0041】次いで、SB10において、カフ脈波が発
生したか否かがカフ脈波信号SM1に基づいて判断され
る。このSB10の判断が否定されるうちは上記SB9
以下が繰り返し実行されるが、肯定されると、SB11
において、上記徐速降圧期間内において発生するカフ脈
波信号SM1 が表すカフ脈波の振幅の変化に基づいて、
良く知られたオシロメトリック方式の血圧値決定アルゴ
リズムに従って血圧値たとえば最高血圧値BPSYS 、平
均血圧値BPMEAN、および最低血圧値BPDIAを決定す
るための血圧値決定ルーチンが実行された後、SB12
において血圧値決定が完了したか否かが判断される。
【0042】当初は、上記カフ脈波の発生数が十分でな
く、SB12の判断が否定されるので、前記SB9以下
が繰り返し実行される。そして、上記ステップが繰り返
し実行されるうち、最高血圧値BPSYS 、平均血圧値B
MEAN、および最低血圧値BPDIA が全て決定されるこ
とにより血圧値決定が完了すると、SB12の判断が肯
定されるので、SB13において切換弁16が圧力解放
状態に切り換えられることによりカフ10が急速解放さ
れる。図5のt5 はその時点を示す。本実施例では、そ
のSB13および前記SB1、SB8、SB9が、前記
カフ圧制御手段72に対応している。
【0043】次いで、前記対応関係決定手段76に対応
するSB14において、上記SB11において決定され
た最高血圧値BPSYS と前記SB3において記憶された
脈波伝播時間DTRPとから、前記数式1に示す対応関係
が決定されるとともに、SB11において決定された血
圧値が表示器32に出力される。これにより、表示器3
2の最高血圧値決定場所では、それまで表示されていた
暫定最高血圧値EBP SYS に代えて最高血圧値BPSYS
が表示される。なお、上記対応関係の決定は、当初は数
式1における定数βとして予め設定された初期値を用い
て、上記最高血圧値BPSYS と脈波伝播時間DTRPを数
式1に代入して係数αを求めることにより行われ、2回
目以後の対応関係決定では、新たに求められた最高血圧
値BPSY S と脈波伝播時間DTRPを用いて上記係数αお
よび定数βが修正される。
【0044】以上のようにして対応関係が決定される
と、図6のSA3以下が実行される。SA3では心電波
形のR波および光電脈波が入力されたか否かが判断され
る。このSA3の判断が否定された場合はSA3が繰り
返し実行されるが、肯定された場合は、前記脈波伝播速
度情報算出手段74に対応するSA4において、新たに
入力された心電波形のR波および光電脈波についての脈
波伝播時間DTRPがSA2と同様にして算出される。
【0045】そして、推定血圧値決定手段78に対応す
るSA5において、上記SA2において求められた伝播
時間と血圧の対応関係から、上記SA4において求めら
れた脈波伝播時間DTRPに基づいて、推定最高血圧値E
BPSYS が決定され、且つ一拍毎の推定最高血圧値EB
SYS をトレンド表示させるために表示器32に出力さ
れる。
【0046】次いで、SA6では、SA2においてカフ
10による血圧測定が行われてからの経過時間が予め設
定された15乃至20分程度の設定周期すなわちキャリ
ブレーション周期を経過したか否かが判断される。この
SA6の判断が否定された場合には、前記SA3以下の
血圧監視ルーチンが繰り返し実行され、推定最高血圧値
EBPSYS が1拍毎に連続的に決定され、且つその決定
された推定最高血圧値EBPSYS が表示器32において
時系列的にトレンド表示される。しかし、このSA6の
判断が肯定された場合には、前記対応関係を再決定する
ために前記SA2以下のカフキャリブレーションルーチ
ンが再び実行される。
【0047】上述のように本実施例によれば、カフ10
の圧迫圧力PC が徐々に下降させられるに先立つそのカ
フ10の急速昇圧過程で、末梢側脈波消滅判定手段82
(SB6)において、推定血圧値決定手段78(SB
4)により予め設定された関係から脈波伝播速度情報算
出手段74(SB3)により算出された脈波伝播速度情
報に基づいて決定された推定最高血圧値EBPSYS にカ
フの圧迫圧力が到達したときに、光電脈波検出プローブ
(末梢側脈波センサ)38により検出された脈波が消滅
したか否かが判定され、その末梢側脈波消滅判定手段8
2(SB6)により脈波が消滅したことが判定された場
合には、暫定血圧値表示手段84(SB7)によって、
推定血圧値決定手段78(SB4)により決定された推
定最高血圧値EBPSYS が、血圧測定手段70(SB1
0)により測定される血圧値の表示に先立って表示され
る。したがって、カフ10の圧迫圧力PC が徐々に下降
させられるに先立つそのカフの圧迫圧力の急速上昇過程
で、上記推定最高血圧値EBPSYS が暫定血圧値として
表示されるので、一層速やかに暫定最高血圧値すなわち
仮の最高血圧値が表示される。
【0048】また、本実施例によれば、脈波伝播速度情
報算出手段74(SB3)により算出された脈波伝播速
度情報に基づいて推定された最高血圧値EBPSYS をそ
のまま暫定最高血圧値として表示する場合に比較して、
カフ圧PC がその推定最高血圧値EBPSYS に到達する
とカフ10よりも末梢側の脈波が消滅したことが確認さ
れることが条件とされているので、暫定最高血圧値の精
度が一層高められる。
【0049】また、本実施例では、脈波伝播速度情報算
出手段74(SB3)は、脈波伝播時間DTRP(脈波伝
播速度情報)を逐次算出すると同時に、算出された脈波
伝播時間DTRPとそれ以前の所定数の脈波に関連して得
られた脈波伝播時間DTRPとの移動平均値を求めること
により血圧値の推定に用いるための脈波伝播時間DT RP
が算出されるため、生体の体動などに起因するノイズに
対する影響が緩和される利点がある。
【0050】また、本実施例では、生体の体表面に貼着
された電極36を通して心電誘導波形を検出する心電誘
導装置34を備え、脈波伝播速度情報算出手段74(S
B3)は、その心電誘導波形のR波と光電脈波検出プロ
ーブ(前記脈波センサ)38により検出された脈波の基
準点との間の脈波伝播時間DTRPを逐次算出すると同時
に、算出された脈波伝播時間DTRPとそれ以前の所定数
の脈波に関連して得られた脈波伝播時間DTRPとの移動
平均値を求めることにより血圧値の推定に用いるための
脈波伝播時間DTRPを算出するものであることから、動
脈上に第1脈波検出装置を装着する場合に比較して脈波
伝播時間DTRPが大きい値となるので、脈波伝播速度情
報の精度が高められる。
【0051】また、本実施例では、脈波伝播速度情報算
出手段74(SB3)により算出された脈波伝播時間D
RPとカフ10による圧迫に関連して血圧測定手段70
により測定された最高血圧値BPSYS とに基づいて、所
定の生体に関する最高血圧値BPSYS と脈波伝播時間D
RPとの間の対応関係を決定する対応関係決定手段76
(SB14)が、備えられる。そして、その対応関係決
定手段76(SB14)は、カフ10の圧迫開始時点か
らその圧迫圧力PC が平均血圧値BPMEANに到達するま
での期間内、より好適には圧迫圧力が平均血圧値に到達
する直前の時点において脈波伝播速度情報算出手段74
(SB3)により算出された脈波伝播時間DTRPとその
カフ10による圧迫に関連して血圧測定手段70により
測定された最高血圧値BPSYS とに基づいて、図4の対
応関係を決定するものである。このようにすれば、最高
血圧値決定時点に可及的に接近したタイミングで決定さ
れた脈波伝播速度情報が用いられるので、対応関係の精
度が一層高められる利点がある。
【0052】また、本実施例では、対応関係決定手段7
6(SB14)において用いられる平均血圧値BPMEAN
は、カフ10による圧迫直前において脈波伝播時間DT
RPから推定された推定最高血圧値EBPSYS に、前回の
カフによる血圧測定に際して得られた平均血圧値最高血
圧値比を乗算することにより算出された値が用いられる
ことから、上記平均血圧値BPMEANが実際の値に近い値
となるので、血圧決定時点と脈波伝播速度情報の取得時
点とが可及的に接近させられ得て監視血圧精度が一層高
められ得る。
【0053】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適
用される。
【0054】たとえば、前述の図7の実施例において、
推定血圧値と脈波伝播時間DTRPとの対応関係を作成す
る場合について説明されていたが、推定血圧値と脈波伝
播速度VM (脈波伝播速度情報)との対応関係が作成さ
れても差し支えない。この場合には、図4において横軸
が脈波伝播速度VM を示す軸となって右上がりの特性と
なる。このとき、前記脈波伝播速度情報算出手段74
は、その時間DTRPに基づいて、予め記憶される数式3
から、被測定者の動脈内を伝播する脈波の伝播速度VM
(m/sec )を逐次算出する。尚、数式3において、L
(m)は左心室から大動脈を経て前記プローブ38が装
着される部位までの距離であり、TPEP (sec)は心電
誘導波形のR波から光電脈波の下ピーク点までの前駆出
期間である。これらの距離Lおよび前駆出期間TPEP
定数であり、予め実験的に求められた値が用いられる。
また、前記対応関係決定手段76は、血圧測定手段70
により測定された最高血圧値BPSYS とそれぞれのカフ
圧迫期間内であってカフ圧PCが平均血圧値以下の期間
内における脈波伝播速度VM 、たとえばその期間内にお
ける脈波伝播速度VM の平均値に基づいて、数式4で示
される伝播速度VM と最高血圧値BPSYS との関係式に
おける係数α及びβを、予め決定する。
【0055】
【数3】VM =L/(DTRP−TPEP ) ・・・(3)
【0056】
【数4】EBPSYS =α(VM )+β ・・・(4)
(但し、αは正の定数、βは正の定数)
【0057】また、前述の実施例において、前記脈波伝
播速度情報算出手段74に対応するSB3では、カフ圧
C が平均血圧値BPMEANに到達する直前の脈波伝播時
間DTRPを含む移動平均値が求められていたが、カフ圧
C が平均血圧値BPMEANに到達する直前の値だけが求
められ、その直前の値とカフ10により測定された最高
血圧値との間の対応関係が決定されてもよい。
【0058】また、前述の実施例の数式1或いは数式4
に示す対応関係は一次式を用いて説明されていたが、二
次式などの多次式であっても差し支えない。
【0059】また、前述の実施例の血圧測定手段70
は、カフ脈波振幅の変化に基づいて血圧を測定する所謂
オシロメトリック方式が採用されていたが、脈拍に同期
して動脈から発生する信号波であるコロトコフ音の発生
時および消滅時のカフ圧を最高血圧値および最低血圧値
として決定する所謂K音方式により血圧測定するもので
あっても差し支えない。
【0060】また、前述の実施例では、第2信号検出手
段すなわち末梢側脈波検出手段として反射型の光電脈波
検出プロープ38が用いられていたが、透過型光電脈波
検出プロープであってもよいし、たとえば、指に装着さ
れた電極を介してインピーダンス変化を検出するインピ
ーダンス脈波検出装置、撓骨動脈に押圧されてその内圧
を検出する圧脈波検出装置、所定圧を保持したカフ10
からカフ脈波を検出するカフ脈波センサなどが用いられ
てもよい。要するに、生体末梢部において動脈を伝播し
てきた脈波を検出するものであればよいのである。
【0061】また、前述の実施例では、心電誘導装置3
4により検出された心電波形の所定部位であるR波と光
電脈波検出プロープ38により検出された光電脈波の所
定部位との間の時間差に基づいて脈波伝播時間DTRP
いは脈波伝播速度VM が求められていたが、頸動脈を押
圧する頸動脈波センサ或いは上腕動脈に装着されて脈波
を検出するカフなどの第1信号検出手段と手首或いは指
などの末梢部に装着された第2信号検出手段との間で脈
波伝播時間DTRP或いは脈波伝播速度VM が求められて
もよい。
【0062】また、前述の実施例において、脈波伝播速
度VM はR波から光電脈波の立ち上がり点までの時間差
に基づいて算出されていたが、心電波形のQ波から光電
脈波の立ち上がり点までの時間差を用いるなどの他の算
出方式が用いられる。
【0063】また、前述の実施例のカフ10および光電
脈波検出プローブ38は生体の上腕の基部および末端部
に装着されていたが、生体の大腿部の基部および末端部
に装着されても差し支えない。
【0064】なお、本発明はその主旨を逸脱しない範囲
においてその他種々の変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である暫定血圧値表示機能を
備えた血圧監視装置の回路構成を説明するブロック線図
である。
【図2】図1の実施例における電子制御装置28の制御
機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図3】図1の実施例における電子制御装置28の制御
作動により求められる時間差DTRPを例示する図であ
る。
【図4】図3の対応関係決定手段により決定される対応
関係を示す図である。
【図5】血圧測定に際して、図2のカフ圧制御手段によ
り制御されるカフ圧の変化を示すタイムチャートであ
る。
【図6】図1の実施例おける電子制御装置28の制御作
動の要部を説明するフローチャートであって、血圧監視
ルーチンを示す図である。
【図7】図1の実施例おける電子制御装置28の制御作
動の要部を説明するフローチャートであって、対応関係
決定ルーチンを示す図である。
【符号の説明】
10:カフ 34:心電誘導装置(第1信号検出装置) 38:光電脈波検出プローブ(第2信号検出装置、末梢
側脈波センサ) 70:血圧測定手段 74:脈波伝播速度情報算出手段 76:対応関係決定手段 78:推定血圧値決定手段 80:止血圧到達判定手段 82:末梢側脈波消滅判定手段 84:暫定血圧値表示手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体に装着されたカフの圧迫圧力が徐々
    に下降させられる過程で発生する脈拍同期波の変化に基
    づいて生体の血圧値を測定する血圧測定手段を備え、該
    血圧測定手段による血圧値の測定完了前に暫定血圧値を
    表示する暫定血圧値表示装置機能を備えた自動血圧測定
    装置であって、 前記生体の前記カフよりも末梢側部位に装着されて動脈
    内の脈波を検出する末梢側脈波センサと、 前記生体の脈波伝播に関連する脈波伝播速度情報を算出
    する脈波伝播速度情報算出手段と、 前記生体に関する血圧値と脈波伝播速度情報との間の予
    め設定された関係から、該脈波伝播速度情報算出手段に
    より算出された脈波伝播速度情報に基づいて推定最高血
    圧値を決定する推定血圧値決定手段と、 前記カフの圧迫圧力が徐々に下降させられるに先立つ該
    カフの圧迫圧力の上昇過程で、該圧迫圧力が前記推定最
    高血圧値に到達したときに、前記末梢側脈波センサによ
    り検出された脈波が消滅したか否かを判定する末梢側脈
    波消滅判定手段と、 該末梢側脈波消滅判定手段により脈波が消滅したことが
    判定された場合には、前記推定血圧値決定手段により決
    定された推定最高血圧値を、前記血圧測定手段により測
    定された血圧値の表示に先立って表示する暫定血圧値表
    示手段とを、含むことを特徴とする暫定血圧値表示機能
    を備えた自動血圧測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014000105A (ja) * 2012-06-15 2014-01-09 Univ Of Tokyo 非侵襲的連続血圧モニタリング方法及び装置
EP3069655A1 (en) 2015-03-10 2016-09-21 Nihon Kohden Corporation Measuring apparatus
CN110960199A (zh) * 2019-12-24 2020-04-07 中国人民解放军陆军军医大学第一附属医院 一种双变量测量动脉硬化程度的系统

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