JP2013544271A - 式(i)の化合物の薬学的組成物、投薬形態、および新規の形態、ならびにその使用方法 - Google Patents

式(i)の化合物の薬学的組成物、投薬形態、および新規の形態、ならびにその使用方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、[(5−クロロチオフェン−2−イルスルホニルカルバモイル)−(4−(6−フルオロ−7−(メチルアミノ)−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)フェニル)アミドのカリウム塩の新規な結晶性無水形態、および動物、特にヒトにおける血小板ADP受容体の阻害、特にP2Y12の阻害に伴う状態または障害の処置または予防におけるその使用に関する。また、本発明は、かかる新規な結晶性形態の作製プロセスに関する。また、本発明は、この新規な結晶性形態の固体経口処方物、その調製およびその使用に関する。

Description

本発明は、[(5−クロロチオフェン−2−イルスルホニルカルバモイル)−(4−(6−フルオロ−7−(メチルアミノ)−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)フェニル)アミドのカリウム塩の新規な固体状態の形態、この新規な形態を含む薬学的組成物、および該形態の作製プロセスに関する。さらに、本発明は、種々の状態の処置における、特に、血小板ADP受容体の阻害、特にP2Y12の阻害と関連している状態または障害の処置における、単独または1種類以上の治療用薬剤との組合せでのこの新規な固体状態の形態およびその組成物の使用に関する。
また、本発明は、薬理活性薬剤の送達のための組成物、薬理活性薬剤のバイオアベイラビリティを向上させる方法、ならびに本発明による薬理活性薬剤を投与することにより哺乳動物、特にヒトの疾患を処置および/または予防する方法に関する。
薬物(一般的に薬物物質として知られるもの)として開発される化合物が、大規模で確実に調製および精製され得る物理形態で提供されることは重要である。該物理形態は、理想的には貯蔵に際し、安定で分解されないものであるのがよい。また、選択される物理形態は、薬物物質が処方物として製造されている状態で安定なものでなければならない。
また、薬学的組成物中に存在する薬物物質の所与の固体状態は、自発的に変化し、したがって、患者に投与される薬学的組成物の有効性および性能に変化をもたらすことがあり得る。したがって、薬学的処方物の開発の際は、製造中または倉庫もしくは薬局での最終投薬形態の貯蔵中に活性成分の形態が変化しないことを確実にすることが重要である。
したがって、薬物物質の安定な投薬形態、ならびに活性成分および/または投薬形態の堅調な作製プロセスを得るために、薬物物質の熱力学的に安定な固体形態を提供する必要性が存在している。
また、かかる固体状態の形態は、低吸湿性などの他の望ましい特徴を有するものであり得る。例えば、高い融点を有する固体形態は、低融点を有するものより高温に耐えることができる。次いで必要であれば、加工処理条件(例えば、薬物物質および/または投薬形態の乾燥)が高温で行なわれ得る。
また、薬物物質が容易に生物学的に利用可能であり、したがって、より少ない薬物用量を有する投薬形態の投与によって同じ臨床有効性を得ることができる投薬形態を開発することも処方者の目的である。
式(II)の化合物は、エリノグレルとしても知られており、
Figure 2013544271
そのカリウム塩である式(I)の化合物は構造式
Figure 2013544271
を有するものであり、血小板ADP受容体インヒビターである化合物類の一部として特許文献1に記載されている。
特許文献1には、式(I)の化合物の2種類の結晶性形態が記載されている。これらの2種類の結晶性形態は、どちらも水和物として記載されており、それぞれ、A形態およびB形態と命名された。これらの水和物形態はいくつかの欠点を有しており、その1つは、80℃より低い中程度の温度でその水和水を失うことである。したがって、このような式(I)の化合物の水和物形態は、80℃より高い温度でその多形形態を損なうことなく加工処理することができず、最終投薬形態の処方物にはあまり適していない形態となっている。
国際公開第07/056219号
驚くべきことに、式(I)の化合物の固体形態である無水形態は、望ましい特徴を示すことがわかった。この新規な固体形態を本明細書では、「式(I)の化合物の無水形態」、「式(I)の化合物の結晶性無水形態」、「D形態」、「多形体D」、「D」、「ポリ−D形態」あるいはまた、「無水形態のポリ−D」と称する。ポリ−D形態は、A形態またはB形態よりも熱力学的に安定であり、驚くべきことに、水性の系内でA形態またはB形態のいずれかよりもより容易に可溶化される。
本発明の別の態様は、薬物物質、特に、式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩の患者への投与に適した投薬形態の処方物に関する。薬理活性薬剤の経口送達は、簡便で、比較的容易で一般的に無痛であり、他の送達様式と比べてより大きな患者コンプライアンスが得られるため、一般的に選択される送達経路である。しかしながら、生物学的、化学的および物理的障壁、例えば、不十分な溶解度、胃腸管内でのpHの変化、強力な消化酵素、および活性薬剤不透過性の胃腸膜により、一部の薬理活性薬剤では哺乳動物への経口送達に問題が生じる。
特に、式(II)の化合物の処方は、少なくとも一部において、pH1.0〜7.4における遊離酸形態の水性溶解度が不十分である(<0.1mg/ml(すなわち事実上、水不溶性))ために困難であることが示されている。式(II)の化合物のpKaは約3.3であり、logPは約2.5およびlogD(pH7.4)は約−1.6である。第2のpKaは10.3である。
式(II)の化合物は、酸性pHでの水性溶解度が不十分な弱酸である(pH1.0〜7.4において<0.1mg/ml(すなわち事実上、水不溶性))。水性溶解度は高pHでは増大する(例えば、pH8以上では≧1mg/ml)。一部の場合において、活性薬剤は、初期に、少なくとも一部がイオン化された形態で存在している。一部の他の場合において、活性薬剤は、初期に、非イオン化形態で存在している。
式(II)の化合物およびその塩の持続(または制御)放出薬学的処方物を調製するための手法が開示されている(例えば、2009年11月13日に出願された米国特許出願第12/618,511号およびWO2007/056219参照)。
しかしながら、例えば、式(II)の化合物のさらに大きなバイオアベイラビリティが得られる即放(IR)プロファイルを有する薬学的調製物のさらなる改善の必要性が継続して存在している。したがって、本発明は、複数pH溶解、即放および改善された薬物動態特性、ならびに貯蔵における安定性を示す式(II)の化合物の投薬形態を提供する。
一態様において、本発明は、構造式(I):
Figure 2013544271
を有する結晶性無水形態の化合物[(5−クロロチオフェン−2−イルスルホニルカルバモイル)−(4−(6−フルオロ−7−(メチルアミノ)−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)フェニル)アミドのカリウム塩を提供する。
本発明の別の態様において、以下の特徴:
(a)11.2、15.8、および26.4度(2θ)(±0.2度)にピークを有する粉末X線回折パターン(CuKα λ=1.54059Å)、または実質的に図1に示されたものに従う粉末X線回折パターン;
(b)示差走査熱量測定(DSC)での融解後、約324℃の開始温度での分解または実質的に図2に示されたものに従う示差走査熱量測定のサーモグラム(DSC);
(c)3427、1716、1637、1514および1240cm−1にバンドを有するFT−IRスペクトル、または実質的に図3に示されたものに従うFT−IRスペクトル;
(d)1216、1176、699、343および133cm−1にバンドを有するFT−ラマンスペクトルまたは実質的に図4に示されたものに従うFT−IRスペクトル;ならびに
(e)13C固体NMRで特性評価したとき、約165.7、152.3、146.4、141.2、130.2、および112.8ppm(±0.2ppm)におけるシフト
のうちの少なくとも1つを有することを特徴とする、式(I)の化合物の結晶性無水形態を提供する。
本発明の別の態様において、結晶性無水形態の式(I)の化合物、および1種類以上の薬学的に許容され得るキャリアまたは賦形剤を含む薬学的組成物を提供する。
本発明の別の態様において、心血管疾患、特に血栓症と関連しているものの予防または処置のための単独または複数成分処置レジメンの一部としての使用のための結晶性無水形態の式(I)の化合物を含む薬学的組成物を提供する。
また、結晶性無水形態の式(I)の化合物の作製プロセスを提供する。
したがって、本発明は、予期せずして、式(II)の化合物などの、水性溶解度が不十分な弱酸性の薬物化合物またはその薬学的に許容され得る塩のバイオアベイラビリティが大きく向上する経口投与可能な薬学的組成物に関する。具体的には、本発明は、a)薬学的組成物全体の総重量に対して少なくとも約15重量%の式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩(例えば、カリウム塩)、およびb)少なくとも1種類の薬学的に許容され得るキャリアを含む経口投与可能な固体薬学的組成物を提供する。
別の態様において、本発明は、a)薬学的組成物全体の総重量に対して約15重量%〜約90重量%の式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩(例えば、カリウム塩)、およびb)少なくとも1種類の薬学的に許容され得るキャリアを含む固体薬学的組成物を提供する。
さらなる態様において、本発明は、a)薬学的組成物全体の総重量に対して少なくとも約15重量%の式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩(例えば、カリウム塩)、およびb)少なくとも1種類の薬学的に許容され得るキャリアを含む、a)固体薬学的組成物を含む圧縮固体投薬形態に関する。
またさらなる態様において、本発明は、処置または予防を必要とする哺乳動物の血栓性の状態を処置または予防する方法であって、前記哺乳動物に、a)薬学的組成物全体の総重量に対して少なくとも約15重量%の式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩(例えば、カリウム塩)、およびb)少なくとも1種類の薬学的に許容され得るキャリアを含む、有効量の固体薬学的組成物を投与することを含む方法に関する。
別の態様において、本発明は、組成物において式(I)または式(II)の化合物に、クロスカルメロースナトリウム(ACDISOL(登録商標))、デンプングリコール酸ナトリウムおよびクロスポビドンからなる群より選択される崩壊剤、またはポリ(ビニルピロリドン)およびその誘導体、セルロース系ポリマー(ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)など)ならびに酢酸コハク酸ヒプロメロース、キサンタンガム、ペクチン、アルギネート、トラガカントおよび誘導体、アラビアガムおよび誘導体、カラギーナン、寒天および誘導体、微生物が供給源の多糖類、アラビノガラクタン、ガラクトマンナン、デキストラン、カルボン酸および誘導体(オレイン酸など)、ゼラチンならびに表面活性剤(ポリ(ビニルピロリドン)、ポロキサマーおよびラウリル硫酸ナトリウムなど)からなる群より選択される結晶化インヒビターを、薬学的組成物全体の総重量に対して少なくとも約3重量%からの量で供給する工程を含む、式(I)または式(II)の化合物の溶解を補助する方法を提供する。
さらなる態様において、本発明は、a)薬学的組成物全体の総重量に対して少なくとも約15重量%の式(II)もしくは式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を、b)少なくとも1種類の薬学的に許容され得るキャリア、アルカリ性賦形剤および/または結晶化インヒビターと接触させることによる、式(II)または式(I)の化合物を含む固体薬学的組成物の作製方法を提供する。
本発明の別の態様は、錠剤の作製方法に関する。
本開示のさらなる態様および実施形態を以下の説明および特許請求の範囲に示す。
図1は、式(I)の化合物の無水形態の粉末X線回折パターンを示す。 図1は、式(I)の化合物の無水形態のDSC曲線を示す。 図3は、式(I)の化合物の無水形態のFT−IRスペクトルを示す。 図4は、式(I)の化合物の無水形態のFT−ラマンスペクトルを示す。 図5は、式(I)の化合物の無水形態の固体NMRスペクトルを示す。 図6は、実施例5の複数pH溶解プロフィールを示す。5段階pHの溶解方法は、溶解評価の15、30分のときpH2.0バッファー;45、60分のときpH5.0バッファー;75、90分のときpH6.4バッファー;105、120分のときpH7.4バッファー;150分のときpH8.2バッファーを含むものである。 図7は、ローラー圧縮で加工処理した実施例7と実施例8の複数工程pH溶解放出プロフィールを示す。 図8は、ローラー圧縮で加工処理した実施例7と実施例8の溶解放出プロフィール(pH7.4)を示す。
詳細説明
定義:
本明細書で用いている種々の用語の定義を以下に示す。
用語「本発明の化合物」は、新規な固体形態の式(I)の化合物、特に、結晶性無水形態の式(I)の化合物をいう。この用語は、「式(I)の化合物の無水形態」、「ポリ−D形態」あるいはまた、「無水形態のポリ−D」を包含している。
語句「薬学的に許容され得る」は、本明細書において妥当な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答または他の問題もしくは合併症がなく、適度な便益/リスク比と釣り合った、人間または動物の組織との接触における使用に適した化合物、材料、組成物および/または投薬形態をいうために用いている。
本発明は、式(I)の化合物のあらゆる結晶性の薬学的に許容され得る同位体標識形態を含む。同位体標識形態では、1個以上の原子が、同じ原子番号を有するが自然界に多く見られる原子量または質量数と異なる原子量または質量数を有する原子(1個または複数)で置き換えられている。好適な同位体としては、水素(HおよびHなど);炭素(11C、13Cおよび14Cなど);窒素(13Nおよび15Nなど);酸素(15O、17Oおよび18Oなど)の同位体が挙げられる。一部の特定の同位体標識化合物(放射性同位体が組み込まれたものなど)は、薬物および/または基質の組織分布試験において有用である。放射性同位体トリチウム(すなわち、H)および炭素−14(すなわち、14C)は、組込みの容易性および容易な検出手段に鑑みると、この目的に特に有用である。より重い同位体(重水素、すなわち、H)での置換により、代謝安定性がより大きくなることによる特定の治療上の利点(例えば、インビボ半減期の増大または必要投薬量の低減)がもたらされることがあり得、したがって、一部の状況では好ましい場合があり得る。陽電子放出同位体(11C、18F、15Oおよび13Nなど)での置換は、基質受容体占有を調べるための陽電子放出断層撮影(PET)試験において有用であり得る。同位体標識化合物は、一般的に、当業者に知られた慣用的な手法によって、または以下の実施例および調製に記載したものと同様のプロセスによって、先で使用した非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を用いて調製され得る。
単数形態「a」、「an」および「the」は、本文中にそうでないことを明示していない限り、複数の対象物も包含している。したがって、例えば、化合物(a compound)に対する言及は、1個以上の化合物または少なくとも1個の化合物を示している。そのため、用語「a」(または「an」)、「one or more(1つ以上)」および「at least one(少なくとも1つ)」は、本明細書において互換的に用いている場合があり得る。
語句「約」は、本明細書で用いる場合、数値範囲の端点に対して、異なる機器、試料および試料調製間で測定したときに見られ得るばらつきを考慮して、所与の値が該端点より「少し上」であっても「少し下」であってもよいとすることにより柔軟性を与えるために用いている。
本明細書全体を通して、および特許請求の範囲において用いる場合、用語「処置」は、当業者に知られた処置のあらゆる異なる形態または様式を包含しており、特に、予防的処置、治癒的処置、進行の遅延および待期的処置が挙げられる。
用語「治療用薬剤」、「活性薬剤」、「活性化合物」または場合によっては「化合物」、「生体活性薬剤」、「薬学的活性薬剤」および「薬学的」および「薬物」は、薬学的、薬理学的、精神身体的または治療的効果を有する物質をいうために本明細書において互換的に用いている。さらに、これらの用語を用いている場合、または特定の活性薬剤を名称もしくはカテゴリーによって具体的に特定している場合、かかる記載には、活性薬剤自体、ならびにその薬学的に許容され得る薬理学的に活性な誘導体、またはこれに有意に関連している化合物、例えば限定されないが、塩、薬学的に許容され得る塩、N−オキシド、プロドラッグ、活性代謝産物、異性体、断片、類似体、溶媒和物、水和物、放射性同位体、共結晶、ならびに共結晶の塩および溶媒和物など、例えば結晶修飾体(例えば、多形体および非晶質形態)などが包含されていることを意図していると理解されたい。前述の薬理活性薬剤の修飾体は、固体状態を含み、液体状態も重要である。
本明細書で用いる場合、薬物の「有効量」または「治療有効量」は、状態の処置において治療成績を得るための該薬物の無毒性だが十分な量をいう。意図された課題に奏功する物質の能力は、種々の生物学的要素によって影響され得ることは理解されよう。したがって、「有効量」または「治療有効量」は、一部の場合においてかかる生物学的要素に依存し得る。さらに、治療効果の達成は、医師または他の資格のある医療従事者によって当該技術分野で知られた評価を用いて測定され得るが、個人差および処置に対する応答により、治療効果の達成はいくぶん主観的決定となり得ることは認識されよう。有効量の決定は、十分に、薬学および医学の技術分野の通常の技能の範囲内である。例えば、MeinerおよびTonascia,「Clinical Trials:Design,Conduct,and Analysis,」Monographs in Epidemiology and Biostatistics,第8巻(1986)(引用により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
本明細書で用いる場合、用語「処方物」および「組成物」は互換的に用いており、2種類以上の化合物、要素または分子の混合物をいう。一部の態様では、用語「処方物」および「組成物」を、1種類以上の活性薬剤とキャリアまたは他の賦形剤との混合物をいうために用いていることがあり得る。
「ポリマー」は、本明細書で用いる場合、例えば、セルロース誘導体、デキストラン、デンプン、炭水化物、塩基性ポリマー、天然または親水性のガム、例えば、キサンタン、アルギネート、ゼラチン;ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、カルボマー、その組合せなどのポリマーをいう。
本明細書で用いる場合、用語「即放」は、薬物処方物に適用される場合、「Remington’s Pharmaceutical Sciences,」第18版,p.1677,Mack Pub.Co.,Easton,Pa.(1990)に属する意味を有する。
特に指定していない限り、以下に記載するポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)またはポリビニルピロリドン(PVP)またはゲル化助長剤(例えば、ポリエチレングリコール)の一連の「分子量」は、重量平均分子量(ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定)である。
用語「崩壊」は、実験条件において液体媒質中に入れたとき、錠剤またはカプセル剤がその構成成分の顆粒または粒子に崩壊することをいう。完全な崩壊は、試験装置のスクリーン上に残留している不溶性コーティングまたはカプセルシェルの断片以外の該単位の残渣(あれば)が、明白な堅いコアを有しない軟質塊である状態と定義する。崩壊は、該単位あるいはさらにその活性構成成分の完全な溶解を意味するものではない。固体投薬形態の崩壊時間を測定するための当該技術分野で知られた好適な方法としては、例えば、USP崩壊試験<701>が挙げられる。用語「非崩壊性」は、USP崩壊試験<701>を用いて測定したとき、組成物が適当な水性媒質中において1時間以下で完全に崩壊しないことをいう。用語「低速崩壊性」は、USP崩壊試験<701>を用いて測定したとき、組成物が適当な水性媒質中において約1時間〜約30分間で完全に崩壊することをいう。
用語「バイオアベイラビリティ」は、薬物が体内の処置部位に吸収されるか、または
該処置部位に利用可能となる割合および/または程度をいう。
本発明のさらなる態様において、結晶性無水形態の式(I)の化合物の実質的に純粋な形態を提供する。
また、別の態様において、99、95、90、85、80、75、70または65%純度の結晶性無水形態の式(I)の化合物を提供する。
また、本発明は、
(a)20〜30℃の温度で、2.1〜2.5モル当量の塩基を含む塩基の水性溶液を、式(II):
Figure 2013544271
の酸の水中懸濁液に添加する工程(ここで、該懸濁液は最初は20〜30℃の温度であり;該塩基は少なくとも12のpKaを有するものである);
(b)得られた溶液を40〜50℃の温度まで加熱する工程;
(c)得られた溶液を40〜50℃の温度で濾過する工程;
(d)40〜50℃の温度で、メタノールまたは50〜90%v/vのメタノール/水混合物を添加し、過飽和溶液を形成する工程;
(e)少なくとも2時間にわたって、工程(a)で使用した塩基の量より1モル当量少ない量を含む水性酸性溶液を該過飽和溶液に添加する工程(ここで、該酸は3〜6の範囲のpKaを有するものであり;温度を40〜50℃の温度に維持する);
(f)得られた懸濁液を40〜50℃の範囲の温度から20〜30℃の範囲の温度まで少なくとも1.5時間にわたって冷却する工程;
(g)工程(f)の最後に得られた結晶を分離して洗浄する工程;および
(g)任意選択で、該結晶を乾燥させる工程
を含む、結晶性ポリ−D形態の式(I)の化合物の調製プロセスを提供する。
工程(a)で添加される塩基は、式(II)の酸のジアニオンを形成するために使用され、少なくとも12のpKaを有するものである。好適な塩基は、KOH、水酸化カルシウム、NaOH、L−アルギニンおよびベタインから選択され得る。
工程(e)で添加される酸は3〜6の範囲のpKaを有するものであり、アジピン酸、グルコン酸、グルタミン酸、乳酸、パルミチン酸、ステアリン酸およびコハク酸から選択され得る。
結晶の乾燥は、減圧乾燥または対流乾燥などの当該技術分野で知られた任意の慣用的な方法によって行なわれ得る。乾燥は50〜120℃の温度で行なわれ得る。
別の態様において、本発明は、
(a’)20〜30℃の温度で、1.0〜1.1モル当量の塩基を含む該塩基の水性溶液を、式(II):
Figure 2013544271
の酸のメタノールまたはメタノール:水混合物の懸濁液に添加する工程(ここで、該メタノール:水混合物は少なくとも50%のメタノールを含むものであり、該懸濁液は最初は20〜30℃の温度であり;該塩基は少なくとも5のpKaを有するものである);
(b’)得られた混合物を50〜60℃の温度まで加熱する工程;
(c’)得られた混合物を40〜50℃の温度で濾過する工程;
(d’)濾液を40〜50℃の範囲の温度から10〜−10℃の範囲の温度まで少なくとも2時間にわたって冷却する工程;
(e’)工程(e’)の最後に得られた結晶を分離して洗浄する工程;および
(f’)任意選択で、該結晶を乾燥させる工程
を含む、結晶性ポリ−D形態の式(I)の化合物の調製プロセスを提供する。
工程(a’)で添加される塩基は、
式(II)の酸のモノアニオンを形成するために使用され、少なくとも5のpKaを有するものである。
Figure 2013544271
好適な塩基は、KOH、水酸化カルシウム、NaOH、L−アルギニン、ベタイン、水酸化マグネシウム、コリン、ジエチルアミン、リシン、アンモニア水、デアノール、N−メチル−グルカミンから選択され得る。該塩基は5〜50%のKOH溶液として添加され得る。
得られた混合物(工程(b’)後に得られる)の任意選択の精製は、木炭を添加し、混合物を50〜60℃の温度で少なくとも30分間攪拌することにより行なわれ得る。
結晶の乾燥は、減圧乾燥または対流乾燥などの当該技術分野で知られた任意の慣用的な方法によって行なわれ得る。乾燥は50〜120℃の温度で行なわれ得る。
薬学的組成物の投与
本明細書で用いる場合、用語「投与」および「投与すること」は、活性薬剤が被験体に提示される様式をいう。本開示のほとんどは経口投与が中心であるが、投与は、他の種々の当該技術分野で知られた経路、例えば、非経口、経皮、吸入、移植、経眼、経耳などによって行なってもよい。
用語「経口投与」は、活性薬剤が経口投薬形態の嚥下、咀嚼または吸引による経口経路によって投与され得る任意の投与方法を表す。かかる固体または液状の経口投薬形態は、口および/または口腔を越えて胃腸管内に活性薬剤を実質的に放出およびまたは送達することが意図された従来のものである。固体投薬形態の例としては、慣用的な錠剤、カプセル剤、カプレット剤などが挙げられる。
本明細書で用いる場合、「経口投薬形態」は、経口投与経路による被験体への投与のために調製される処方物をいう。既知の経口投薬形態の例としては、限定されないが、錠剤、カプセル剤、カプレット剤、散剤、ペレット剤、顆粒剤、液剤、懸濁剤、液剤プレコンセントレート、乳剤および乳剤プレコンセントレートなどが挙げられる。一部の態様において、散剤、ペレット剤、顆粒剤および錠剤は、例えば、胃腸管内でのより大きな安定性を得るため、または所望の放出速度を得るために適当なポリマーまたは慣用的なコーティング物質でコーティングされ得る。さらに、散剤を含むカプセル、ペレット剤または顆粒剤をさらにコーティングしてもよい。投薬量の分割を容易にするため、錠剤に分割ラインを入れてもよい。あるいはまた、本発明の投薬形態は、投薬形態が1回の投与で1回の治療用量を送達することが意図されたものである単位投薬形態であってもよい。
一実施形態において、本発明は、a)薬学的組成物全体の総重量に対して少なくとも約15重量%の式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩(例えば、カリウム塩)、およびb)少なくとも1種類の薬学的に許容され得るキャリアを含む固体薬学的組成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、a)薬学的組成物全体の総重量に対して約15重量%〜約90重量%の式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩(例えば、カリウム塩)、およびb)少なくとも1種類の薬学的に許容され得るキャリアを含む固体薬学的組成物を提供する。
さらなる実施形態において、本発明は、a)薬学的組成物全体の総重量に対して少なくとも約15重量%の式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩(例えば、カリウム塩)、およびb)少なくとも1種類の薬学的に許容され得るキャリアを含む、a)固体薬学的組成物を含む圧縮固体投薬形態に関する。
またさらなる実施形態において、本発明は、処置または予防を必要とする哺乳動物の血栓性の状態を処置または予防する方法であって、前記哺乳動物に、a)薬学的組成物全体の総重量に対して少なくとも約15重量%の式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩(例えば、カリウム塩)、およびb)少なくとも1種類の薬学的に許容され得るキャリアを含む有効量の固体薬学的組成物を投与することを含む方法に関する。
別の実施形態において、本発明は、組成物において式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩に、クロスカルメロースナトリウム(ACDISOL(登録商標))、デンプングリコール酸ナトリウムおよびクロスポビドンからなる群より選択される崩壊剤ならびに/またはポリ(ビニルピロリドン)およびヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群より選択される結晶化インヒビターを、薬学的組成物全体の総重量に対して少なくとも約3重量%からの量で供給する工程を含む、式(II)の化合物の溶解を補助する方法を提供する。
さらなる実施形態において、本発明は、a)薬学的組成物全体の総重量に対して少なくとも約15重量%の式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩(例えば、カリウム塩)を、b)少なくとも1種類の薬学的に許容され得るキャリア、アルカリ性賦形剤および/または結晶化インヒビターと接触させることによる、式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を含む固体薬学的組成物の作製方法を提供する。
本発明の別の態様は、錠剤の作製方法に関する。
該組成物では、特に、生理学的条件における緩徐なpH変化を模倣した多段階溶解法において活性薬剤の所望の放出プロフィールが得られる。本発明の投薬形態により、5.0〜7.4のpH段階において(最初に酸環境に曝露後)慣用的な即放処方物と比べて、より迅速でより完全な放出がもたらされる。
活性薬剤は任意の適当な形態であり得る。一部の特定の実施形態では、活性薬剤は、固体状態または液体状態の薬物が使用された非晶質固体、結晶、顆粒剤またはペレット剤の形態であり得る。このような活性薬剤形態では、活性薬剤の特定のコーティングプロセスが助長され得る。さらに、該粒子は、単一の活性薬剤結晶(または顆粒剤もしくはペレット剤もしくは非晶質固体)を含むものであってもよく、複数の活性薬剤結晶(または顆粒剤もしくはペレット剤もしくは非晶質固体)を含むものであってもよく、その混合物を含むものであってもよい。
また別の実施形態では、活性薬剤は、人工胃液またはゲル形成マトリックスと長時間、低pHで接触している場合、不安定な(例えば、低pHの微小環境に感受性の)薬物である。
本発明の諸実施形態において、活性薬剤は任意の適当な形態であり得る。例えば、散剤、ペレット剤または顆粒剤(すなわち、活性薬剤の小型単位の凝集体)の形態であり得る。活性薬剤は他の賦形剤と、なんらサイズ拡大プロセスを用いることなく使用および組み合わされ得る。活性薬剤は、当該技術分野で知られた任意の適当な方法を用いてペレット化または造粒され得る。押出しによるペレット化(その後、調粒(spheronization))または造粒(湿式もしくは乾式)は、一般的に、小粒子が大きな凝集体に集塊するが元の粒子はなお確認することができるサイズ拡大プロセスと定義されている。
任意の適当な造粒方法が、活性薬剤を含む粒子の作製に使用され得る。定義によると、造粒は、小粒子が一緒になって大きな凝集体に集塊して自由流動状態となるサイズ拡大および緻密化の任意のプロセスである。例えば、湿式造粒または乾式造粒方法のいずれかが使用され得る。
乾式造粒は、熱と溶媒の使用を伴わない処方物の造粒をいう。乾式造粒技術としては、一般的に、スラグ化またはローラー圧縮が挙げられる。スラグ化は、乾式ブレンド、処方物の疎性多孔質錠剤(またはスラグ)への圧縮機での圧縮、続いて、粉砕により顆粒を得ることからなる。ローラー圧縮はスラグ化と類似しているが、粉砕のためのリボン形態のコンパクトを形成するために、打錠機の代わりに2つの反対回転ローラーが使用される。例えば、Handbook of Pharmaceutical Granulation Technology,D.M.Parikh編,Marcel−Dekker,Inc.第102〜103頁(1997)を参照のこと。乾式造粒手法は、一部の場合において、例えば、活性薬剤が熱、水または溶媒に感受性である場合に有用である。あるいはまた、活性薬剤は、高せん断ミキサー造粒(「HSG」)または流動床造粒(「FBG」)を用いて造粒される。これらの造粒プロセスではどちらも、拡大された顆粒が得られるが、使用される装置およびプロセスの操作機構が異なる。HSGによるブレンドおよび湿式密集化は、混合機内のインペラーとチョッパーによって行なわれる。湿潤物質の混合、緻密化および集塊は、インペラーによって付与される剪断力と圧縮力によって行なわれる。湿潤塊は、トレイ乾燥機または流動床乾燥機などの市販の機器を用いて乾燥させる。他方において、流動化は、粉末塊が流体様特徴を示すように、流動化ビヒクルとして高速のガスまたは空気を用いて操作される作業である。かかる流動床は、固体粒子が乱れた運動(これは一般的にガス速度を増大させ得る)を受ける、激しく沸騰している流体と似ている。そのため、FBGは、流動床乾燥機内で結合剤溶液を流動化させた粉末床上に噴霧して乾燥させて大型顆粒を形成させることにより顆粒を作製するプロセスである。結合剤溶液は、例えば、任意の適当な様式で(例えば、上部または下部に)配置した1つ以上のスプレーガンから噴霧され得る。噴霧位置および噴霧速度は、使用される活性薬剤および結合剤(1種類または複数種)の性質に依存し得、当業者によって容易に決定される。
任意選択で、造粒した活性薬剤を、湿式造粒または乾燥後に粉砕してもよい。粉砕は、任意の市販の機器、例えば、適当なメッシュサイズのスクリーンを備えたCOMIL(登録商標)を用いて行なわれ得る。COMIL(登録商標)スクリーンのメッシュサイズは、活性薬剤顆粒またはペレット剤の所望されるサイズに応じて選択され得る。典型的には、メッシュサイズは、0.331インチスクリーン(メッシュ20)〜0.006インチスクリーン(メッシュ100)の範囲であり得る。粉砕プロセスは、比較的均一な顆粒サイズの提供を補助する。湿式造粒した活性薬剤を粉砕した後、所望によりさらに乾燥させてもよい(例えば、流動床乾燥機で)。典型的には、活性顆粒剤の平均サイズは、約20μm〜約3mm、任意選択で約50μm〜約2mm、約100μm〜約1mmの範囲であり得る。典型的には、活性薬剤顆粒のかさ密度およびタップ密度は約0.1g/ml〜約1.5g/ml、任意選択で約0.3〜約0.8g/ml、任意選択で約0.4g/ml〜約0.6g/mlの範囲である。かさ密度はUSP法に基づいて測定される(US試験法<616>参照)。
他の成分および投薬形態
本発明の組成物は、即放錠剤、丸剤、カプセル剤などの形態であり得る。好ましくは、投薬形態は即放錠剤である。
少なくとも約15重量%の式(II)の化合物、または薬学的に許容され得る塩(例えば、カリウム塩)、および薬学的に許容され得るキャリア、例えば、アルカリ化剤、崩壊剤、結晶化インヒビターおよびその組合せ(本明細書に記載)を含む溶解性錠剤などの投薬形態は、経口投与のための他の従来の処方物と比べて利点をもたらす。例えば、多段階溶解法において、このような投薬形態では、5.0〜7.4のpH段階において(最初に酸環境に曝露後)慣用的な即放処方物と比べて、より迅速でより完全な放出がもたらされた。同様に、治療用薬剤のバイオアベイラビリティが増大し、それにより、経口投与のための従来の投薬形態と比べて治療活性の発現までの時間が短くなる。
また、本発明の好ましい投薬形態、例えば、少なくとも約15重量%の式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩(例えば、カリウム塩)ならびに任意選択で、少なくとも1種類のキャリア、例えば、アルカリ化剤、崩壊剤、結晶化インヒビターおよびその組合せ(本明細書に記載)を含むものは、少ない量の活性成分が使用された投薬形態と比べて利点をもたらす。重要なことに、本発明の大型の投薬形態により、水和型媒質中での活性物のより迅速な放出が補助される。上記の機能性賦形剤が任意の組合せにおいて、および同じ薬物用量で含まれていない経口投与のための投薬形態と比べて、治療用薬剤のバイオアベイラビリティが増大し、治療活性の発現までの時間が調節される。
本明細書で用いる場合、用語「投薬形態」は、ヒト被験体および他の哺乳動物に対する投薬ユニットとして適した物理的に独立した単位をいい、各単位には、所望の発現、耐容性および治療効果が得られるように計算された所定量の治療用薬剤が1種類以上の適当な薬学的賦形剤(キャリアなど)と併せて含有されている。かかる投薬形態の調製方法は当業者に知られているか、自明である。他の実施形態において、本発明の錠剤投薬形態は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,第20版,Lippincott,Williams & Wilkins(2003);Pharmaceutical Dosage Forms,第1巻:Tablets,第2版,Marcel Dekker,Inc.,New York、N.Y.(1989);および同様の刊行物に示された手順に従って調製され得る。投与される投薬形態には、任意の事象において、本発明の教示に従って投与したとき、処置対象の状態の緩和のための治療有効量である量の治療用薬剤が含有される。
典型的には、本発明の錠剤組成物は、少なくとも約15.0重量%(いかなる形態が選択されようと、その遊離酸形態で測定時)、典型的には約15.0%〜約90.0%、より典型的には約30.0%〜50.0%の活性薬剤を含むものである。一部の実施形態では、約35.0重量%の活性薬剤が使用される。当業者には、前述のパーセンテージが、使用される具体的な活性薬剤供給源、最終処方物に所望される活性薬剤の量、ならびに所望される活性薬剤の具体的な放出速度に応じて異なることが理解されよう。
本発明の組成物には、さらにキャリアを含めてもよい。一群の実施形態において、本発明の組成物は、アルカリ化剤、結晶化インヒビター、崩壊剤、またはその組合せを含むものである。
アルカリ化剤
処方物は、該化合物に対してアルカリ性の微小環境がもたらされるように設計した。アルカリ化剤は、処方物中に、該処方物が水和型媒質中に存在してからの薬物放出を最適化するための微小環境を作出するために使用される。本明細書に記載の組成物のアルカリ化剤は、水和型処方物中の該化合物に対する微小環境のpHを、該媒質の開始pHに関係なく、該活性な酸のpKa約1より大きいpHまで上昇させ得るものである。一実施形態において、本明細書に記載の組成物のアルカリ化剤は、水和型処方物中の微小環境のpHを、該媒質の開始pHに関係なく、典型的には約9.0〜9.5まで上昇させ得るものである。このように、アルカリ化剤により、水和型媒質中でpHがpH10まで増大すると水和型処方物からの生成物放出/溶解プロフィールが向上するため、活性物の溶解度の増大が補助される。pH調整剤を本発明のアルカリ化剤ともに使用してもよいが、当業者には、アルカリ化剤が全体として水和型処方物中の該化合物に対する微小環境のpHを該活性な酸のpKa約1より大きく上昇させる限り(pKa約3.3)、アルカリ化剤のpHを調整するために酸性薬剤も使用され得ることが認識されよう。
一実施形態において、および以下により詳細に記載するように、本明細書に記載の組成物のアルカリ化剤は、水和型媒質中でpHをpH10まで増大させて生成物の放出プロフィールを向上させるため、活性薬剤の溶解度の増大を補助するものである。別の実施形態では、本明細書に記載の組成物のアルカリ化剤は、水和型媒質中に存在する場合、実質的に活性薬剤全体を処方物中で溶存イオン化形態に維持することを補助するものである。
好適なアルカリ化剤である薬剤としては、限定されないが、広範な水溶解度および分子量など塩基性の有機および無機化合物、ならびにその混合物が挙げられる。塩基の代表例を以下の表1に示す。塩基性無機塩の代表例としては、水酸化アンモニウム、水酸化アルミニウム、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、例えば、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウムなど、およびその混合物が挙げられる。一態様において、本発明は、アルカリ化剤が炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、リン酸水素カルシウムからなる群より選択される固体組成物を提供する。アルカリ化剤の溶解度および分子サイズは、水和型生成物におけるその拡散速度に影響を及ぼすことがあり得、活性薬剤の溶解プロフィールに影響することがあり得る。
一態様において、本発明は、アルカリ化剤の量が全組成物の約3〜約90%、より特別には3〜50%、さらにより特別には3〜35%(重量パーセント)である固体組成物を提供する。一態様において、本発明は、アルカリ化剤の合計重量パーセントが活性物の重量パーセント以上である固体組成物を提供する。
一態様において、本発明は、投与または使用後、約15〜約30分間で活性物の少なくとも約15%の放出をもたらす固体組成物を提供する。
一実施形態において、本発明のアルカリ化剤は、例えば、炭酸塩または重炭酸塩と、第2のアルカリ化剤、例えば、酸化マグネシウムとを含む二要素アルカリ化剤である。各アルカリ化剤成分の濃度は、水和型処方物中の該化合物に対する微小環境の最終pHが得られ、ある期間(例えば、少なくとも約1時間)持続するように調整される。各アルカリ化剤成分の適切な重量比の選択は、水性環境での溶解プロフィールが得られるように容易に決定され得る。例えば、炭酸塩対重炭酸塩の重量比は、約1:10〜約10:1、好ましくは約1:5〜約5:1、より好ましくは約1:3〜約3:1、さらにより好ましくは約1:2〜約2:1であり得る。
好適な炭酸塩および重炭酸塩は上記のものである。二要素アルカリ化剤に使用される炭酸塩または重炭酸塩の量は、第2のアルカリ化剤とともに使用したとき、開始pHに関係なく、水和型処方物中の該化合物に対する微小環境のpHが活性成分のほぼpKaのpH以上、好ましくは約8.5以上、より好ましくは約9以上(例えば、約9〜11)まで上昇するのに十分な量である。一部の場合において、二要素アルカリ化剤の第2のアルカリ化剤の量は、炭酸塩または重炭酸塩の量以上である。例えば、第2のアルカリ化剤対炭酸塩または重炭酸塩の重量比は、約1:1〜約10:1、好ましくは約1:1〜約5:1、より好ましくは約1:1〜約3:1であり得る。一部の他の場合において、二要素アルカリ化剤の第2のアルカリ化剤の量は、炭酸塩または重炭酸塩の量以下である。例えば、第2のアルカリ化剤対炭酸塩または重炭酸塩の重量比は約1:1〜約1:10、好ましくは約1:1〜約1:5、より好ましくは約1:1〜約1:3であり得る。
第2のアルカリ化剤は、一般的に、金属酸化物、例えば、酸化マグネシウムまたは酸化アルミニウム;リン酸塩、例えば、一塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸カリウム、二塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カルシウム、二塩基性リン酸カルシウム、一塩基性リン酸マグネシウム、二塩基性リン酸マグネシウム、一塩基性リン酸アンモニウム、および二塩基性リン酸アンモニウムから選択される。また、表1に示したものなどの他のアルカリ性賦形剤も使用され得る。
Figure 2013544271
しかしながら、当業者には、任意の金属酸化物またはクエン酸、リン酸、ホウ酸、アスコルビン酸または酢酸の塩が本発明のアルカリ化剤における使用に適していることが認識されよう。二要素アルカリ化剤に使用される第2のアルカリ化剤の量は、炭酸塩または重炭酸塩とともに使用したとき、水和型処方物中の該化合物に対する微小環境のpHが該活性な酸のほぼpKaのpH以上まで上昇するのに十分な量である。典型的には、これは開始pHに関係なく、約9.0〜約9.5である。好ましくは、開始pHに関係なく約8.5以上、より好ましくは約9以上(例えば、約9〜11)である。一部の実施形態では、酸化マグネシウムまたは酸化アルミニウムなどの金属酸化物が好ましい第2のアルカリ化剤である。特に好ましい実施形態では、金属酸化物は非晶質酸化マグネシウムである。
あるいはまた、さらにまた別の実施形態において、本発明のアルカリ化剤は、炭酸塩、重炭酸塩、および第3のアルカリ化剤を含む三要素アルカリ化剤である。好適な炭酸塩および重炭酸塩は上記のものである。三要素アルカリ化剤に使用される炭酸塩および重炭酸塩の量は、第3のアルカリ化剤とともに使用したとき、水和型処方物中の該化合物に対する微小環境のpHが、開始pHに関係なく該活性な酸のほぼpKaのpH以上、好ましくは約8.5以上、より好ましくは約9以上(例えば、約9〜11)まで上昇するのに十分な量である。
一群の実施形態において、アルカリ化剤は、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムおよびその組合せからなる群より選択される。別の一群の実施形態では、アルカリ化剤は炭酸カルシウムである。別の一群の実施形態では、アルカリ化剤は酸化マグネシウムである。別の一群の実施形態では、アルカリ化剤は約8重量%〜約40重量%の量で存在している。別の一群の実施形態では、アルカリ化剤は約11重量%の量で存在している。
結晶化インヒビター
溶解性向上剤を低溶解度の薬物と使用することにおける課題の1つは、胃腸液中での該薬物の結晶化である。したがって、ある一群の実施形態では、本発明の組成物には結晶化インヒビターも含める。本明細書で用いる場合、用語「結晶化インヒビター」は、溶液中に存在させると、式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩の結晶化を低減させる塩、イオン、炭水化物、界面活性剤、アミノ酸、ポリマーおよび他の化合物をいう(特に、実施例13:過飽和測定および安定化に記載のようにして測定したとき)。結晶化インヒビターの例としては、限定されないが、ポリビニルピロリドン、例えば、登録商標PVP K30、PVP K29/32およびPVPP XL(架橋PVP)で知られている生成物、特に、1000000を超える分子量を有するもの、より特別には400ミクロン未満または74ミクロン未満の粒径分布を有するものが挙げられる。別の例は、商標名Pharmacoat(例えば、Pharmacoat 603)で知られているHPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)である。
結晶化インヒビターは安定化剤または可溶化剤として作用することがあり得ることに注目されたい。安定化剤は、貯蔵において式(II)の化合物の単位活性を保存し、さらに、凝集体の形成を抑制することにより、または式(II)の化合物分子もしくはその薬学的に許容され得る塩の分解を抑制することにより(例えば、酸触媒性反応によって)作用し得る。可溶化剤は、主に、溶液中での薬物の沈殿をある程度阻害するアルカリ性賦形剤またはポリマーである。可溶化剤(「solubilizing agent」または「solubilizer」)は、式(II)の化合物の溶解度を0.1mg/mLより上に増大させるものである。可溶化剤は、式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩の濃度を0.2mg/mLより上または1mg/mLより上に上昇させるものであってもよい。一群の実施形態において、該組成物に、可溶化剤の賦形剤(1種類もしくは複数種)またはかかる賦形剤の混合物を1:10〜10:1(薬物:賦形剤(1種類または複数種))の比で含める。別の一群の実施形態では、結晶化インヒビターは、ポリ(ビニルピロリドン)およびヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群より選択される。別の一群の実施形態では、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは約5cPの粘度を有するものである。別の一群の実施形態では、ポリ(ビニルピロリドン)はPVP K30である。別の一群の実施形態では、結晶化インヒビターが薬学的組成物全体の総重量に対して少なくとも約3重量%からの量で存在している。別の一群の実施形態では、結晶化インヒビターが薬学的組成物全体の総重量に対して少なくとも3重量%〜約50重量%の量で存在している。別の一群の実施形態では、結晶化インヒビターが投薬形態の3〜10重量%、例えば4.22重量%の量で存在している。
崩壊剤
加速放出、例えば30分以内、より特別には15分以内の期間に約20%の放出が所望される場合、クロスカルメロースナトリウム(AcDiSiol)、デンプングリコール酸ナトリウムおよびクロスポビドンなどの崩壊剤が使用され得る。また、水の存在下で錠剤の速やかな崩壊をもたらす反応性添加剤(発泡性混合物);例えば、化学結合された二酸化炭素を含有する塩基、例えば、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸ナトリウムに対して水中で作用し、二酸化炭素を放出させる固体形態の酸(典型的にはクエン酸)が含有されたいわゆる発泡性錠剤を使用することも可能である。したがって、ある一群の実施形態では、崩壊剤は、クロスカルメロース、デンプングリコール酸ナトリウムおよびクロスポビドンからなる群より選択される。別の一群の実施形態では、崩壊剤はクロスカルメロースである。別の一群の実施形態では、崩壊剤はクロスカルメロースナトリウムである。別の一群の実施形態では、崩壊剤が薬学的組成物全体の総重量に対して少なくとも約2.5重量%からの量で存在している。別の一群の実施形態では、崩壊剤が薬学的組成物全体の総重量に対して少なくとも約2.5重量%〜約11重量%の量で存在している。
他のキャリア
本明細書で用いる場合、用語「キャリア」はまた、治療用薬剤などの薬物に対して「希釈剤」またはビヒクルとして使用される典型的には不活性な物質もいう。また、該用語は、該組成物に対して粘着性を付与する典型的には不活性な物質も包含している。本発明の組成物における使用のための好適なキャリアとしては、限定されないが、結合剤、ガム基剤およびその組合せが挙げられる。キャリアおよび希釈剤の非限定的な例としては、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、マルトデキストリン、ラクトース、デキストロース、スクロース、グルコース、イノシトール、粉糖、糖蜜、デンプン、セルロース、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、アカシアガム、グアーガム、トラガカントガム、アルギネート、アイルランドゴケエキス、パンワ(panwar)ガム、ガティガム、イサポールハスク(isapol husks)の粘液、Veegum(登録商標)、カラマツのアラビノガラクタン、ゼラチン、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリル酸(例えば、カルボポル)、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、カオリン、塩化ナトリウム、ポリエチレングリコールおよびその組合せが挙げられる。このような希釈剤は、その流動性および味が改善されるように、当該技術分野で知られ方法、例えば、フリーズドライ(例えば、Fundamentals of Freeze−Drying,Pharm.Biotechnol.,14:281−360(2002);Lyophililization of Unit Dose Pharmaceutical Dosage Forms,Drug.Dev.Ind.Pharm.,29:595−602(2003)参照);固溶調製(solid−solution preparation)(例えば、米国特許第6,264,987号参照);および適当な潤滑剤を用いた滑沢剤ダスティングおよび湿式造粒調製(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,上掲参照)によって前加工処理してもよい。例えば、Mannogem(登録商標)およびSorbogem(登録商標)(SPI Pharma Group(New Castle,DE)によって販売)は、それぞれ、マンニトールおよびソルビトールがフリーズドライ加工処理された形態である。典型的には、本発明の組成物には約25重量%〜約90重量%、好ましくは約50%〜約80%の希釈剤を含める。しかしながら、当業者には、本発明の組成物は、例えば、高度にもろい投薬形態を作製するために希釈剤なしで作製され得ることが認識されよう。
一態様において、本発明は、微晶質セルロース、ラクトースおよびマンニトールからなる群より選択される希釈剤を含む固体組成物を提供する。
処方物には、さらに、pH調整剤;酸化防止剤、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエンおよびブチル化ヒドロキシアニソール;可塑剤;滑剤;保護剤;エラストマー溶媒;増量剤;湿潤剤;乳化剤;可溶化剤;滑沢剤;懸濁化剤;保存剤、例えば、メチル−、エチル−、およびプロピル−ヒドロキシ−ベンゾエート;甘味剤、矯味矯臭薬;着色剤;ならびに崩壊剤を含めてもよい。
薬物薬剤の所望の送達速度を得るために1種類以上のアルカリ化剤と組合せたとき、緩衝微小環境を作出および調節するようなpH調製酸を添加することが好ましい。中でも、該薬剤は限定されないが、クエン酸、コハク酸、酒石酸、酢酸、およびビタミンCである。クエン酸などのバッファー物質が好ましい。本明細書に開示した薬学的処方物には、さらに、酸化防止剤およびキレート剤を含めることができる。例えば、薬学的処方物は、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、没食子酸プロピル(PG)、メタ重亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸パルミテート、メタ重亜硫酸カリウム、二ナトリウムEDTA(エチレンジアミン四酢酸;エデト酸二ナトリウムとしても知られている)、EDTA、酒石酸、クエン酸、クエン酸一水和物、および亜硫酸ナトリウムを含むものであり得る。一実施形態において、前述の化合物は、約0.01%〜約5%(w/w)の範囲の量で薬学的処方物に含める。具体的な一実施形態において、薬学的処方物は、約0.02%〜約1%の範囲で使用されるBHA、BHTまたはPG、および約2%〜約5%の範囲で使用される二ナトリウムEDTA、クエン酸またはクエン酸一水和物を含むものである。好ましい実施形態では、薬学的処方物は約0.05%w/wで使用されるBHAを含むものである。
滑沢剤は、投薬形態がローラー、ダイおよびパンチの表面に付着するのを抑制するため、ならびに粒子間の摩擦を低減させるために使用され得る。また、滑沢剤によりダイキャビティからの投薬形態の排出が助長され、加工処理中の造粒流動速度が改善され得る。好適な滑沢剤の例としては、限定されないが、ステアリン酸マグネシウム、ベヘン酸グリセリル、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、二酸化ケイ素、タルク、ポリエチレングリコール、鉱油、カルナウバワックス、パルミチン酸、ステアリルフマル酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、パルミトステアリン酸グリセリル、ミリスチン酸および水添植物油および脂肪、および他の既知の滑沢剤、および/またはその2種類以上の混合物が挙げられる。一実施形態において、ストック造粒の滑沢剤は、存在させる場合はステアリン酸マグネシウムである。本発明の組成物には、約0重量%〜約10重量%、好ましくは約0.25%〜約5%の滑沢剤を含めることができる。
別の実施形態では、また、組成物に、任意選択で抗付着剤または滑剤を含めてもよい。本明細書における使用に適した滑剤および/または抗付着剤の例としては、限定されないが、二酸化ケイ素、コロイド状二酸化ケイ素、ケイ酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、タルク、および他の形態の二酸化ケイ素、例えば、凝集シリケートおよび水和シリカ、または混合物が挙げられる。また、別の実施形態では、該組成物に、任意選択で、乳白剤、例えば二酸化チタンなどを含めてもよい。また別の実施形態では、該組成物に、任意選択で、1種類以上の着色料、例えば、酸化鉄系着色料(1種類または複数種)もまた含めてもよい。
錠剤組成物にはさらに保護剤を含めてもよい。保護剤は治療用薬剤の少なくとも一部分を、典型的にはその2種類の薬剤の混合に際し、コートするものである。保護剤は治療用薬剤と、約0.1〜約100(重量基準)の比、好ましくは約1〜約50の比、より好ましくは約1〜約10の比で混合され得る。なんら特定の理論に拘束されないが、保護剤は、治療用薬剤と結合剤との間の密着を低減させ、治療用薬剤が結合剤からより容易に放出され得るようにするものである。このようにして、治療用薬剤は胃内に、約7〜約12時間以内、好ましくは約12時間以内に送達され得る。保護剤として好適な物質は、本発明の錠剤組成物において、単独で使用しても組合せて使用してもよい。
また、錠剤組成物に、ロジンおよびレジンなどの1種類以上のエラストマー溶媒を含めてもよい。かかる溶媒の非限定的な例は、本発明の錠剤組成物において、単独で使用しても組合せて使用してもよい。また、錠剤組成物に、さらに、ワックス(蜜蝋および微晶質ワックスなど)、油脂(ダイズ油および綿実油など)ならびにその組合せを含めてもよい。さらに、錠剤組成物に、軟化剤または乳化剤などの可塑剤をさらに含めてもよい。かかる可塑剤は、例えば、溶解錠剤の胃溶液の粘度を望ましい粘度に低減させることを補助し、その全体的な質感および噛み心地を改善し、治療用薬剤の放出の助長を補助するものであり得る。かかる可塑剤の非限定的な例は、本発明の錠剤組成物において、単独で使用しても組合せて使用してもよい。
ストック造粒の一実施形態において、増量剤は微晶質セルロースおよび/またはラクトース一水和物であり、結合剤は、存在させる場合はアルファー化デンプンであり、崩壊剤は、存在させる場合はデンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、またはその組合せであり;滑沢剤は、存在させる場合はステアリン酸マグネシウムであり、滑剤および/または抗付着剤は、存在させる場合はコロイド状二酸化ケイ素および/またはタルクである。
甘味剤は、有し得る不快な味(あれば)をマスクすることにより該組成物の口当たりのよさを改善するために使用され得る。好適な天然または人工の甘味剤の例としては、限定されないが、糖類(saccharide)ファミリー、例えば、単糖類、二糖類、三糖類、多糖類およびオリゴ糖;糖(sugar)、例えば、スクロース、グルコース(コーンシロップ)、デキストロース、転化糖、フルクトース、マルトデキストリン、およびポリデキストロース;サッカリンおよびその塩、例えば、ナトリウムおよびカルシウム塩;シクラミン酸およびその塩;ジペプチド甘味料;塩素化糖誘導体、例えば、スクラロースおよびジヒドロカルコン;糖アルコール、例えば、ソルビトール、ソルビトールシロップ、マンニトール、キシリトール、ヘキサ−レゾルシノールなど、ならびにその組合せから選択される化合物が挙げられる。また、水添デンプン水解物、ならびに3,6−ジヒドロ−6−メチル−11,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのカリウム、カルシウムおよびナトリウム塩も使用され得る。本発明の組成物は、約0重量%〜約80重量%、好ましくは約0.5%〜約75%、より好ましくは約0.5%〜約50%の甘味剤を含むものであり得る。
また、該組成物の口当たりのよさを改善するために矯味矯臭薬を使用してもよい。好適な矯味矯臭薬の例としては、限定されないが、天然および/または合成(すなわち、人工の)化合物、例えば、ペパーミント、スペアミント、ウインターグリーン、シナモン、メントール、チェリー、イチゴ、スイカ、ブドウ、バナナ、ピーチ、パイナップル、アプリコット、洋ナシ、ラズベリー、レモン、グレープフルーツ、オレンジ、プラム、リンゴ、フルーツポンチ、パッションフルーツ、チョコレート(例えば、ホワイト、ミルク、ダーク)、バニラ、キャラメル、コーヒー、ヘーゼルナッツ、その組合せなどが挙げられる。該組成物を色でコード化するため、例えば、内部の治療用薬剤の型および投薬量を表示するために着色剤を使用してもよい。好適な着色剤としては、限定されないが、天然および/または人工の化合物、例えば、FD&C着色剤、天然汁の濃縮液、顔料、例えば、酸化チタン、二酸化ケイ素および酸化亜鉛、その組合せなどが挙げられる。本発明の組成物は、約0重量%〜約10重量%、好ましくは約0.1%〜約5%、より好ましくは約2%〜約3%の矯味矯臭薬および/または着色剤を含むものであり得る。
活性薬剤を含む固体組成物の錠剤への調製
活性薬剤を含む処方物の混合には任意の適当な方法が使用され得る。一実施形態では、活性薬剤とキャリアを合わせ、混合し、混合物が直接錠剤に圧縮され得る。典型的には、流動特性および圧縮特性を改善するために、1種類以上のビヒクルまたは添加剤が混合物に添加され得る。このような添加剤としては、例えば、滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、タルクなど;矯味矯臭薬;および甘味料が挙げられる。圧縮(例えば、直接圧縮)は、コスト、時間、作業速度および機械類の削減;活性薬剤−賦形剤相互作用の抑制;ならびに活性薬剤の不安定性の低下などの利点を有する。また、直接ブレンドまたは乾式造粒により有機溶媒による汚染の可能性が排除され得る。
別の実施形態において、一部の処方物成分を圧縮前に一部造粒してもよく、すべての処方物成分を圧縮前に造粒してもよい。また、例えば、活性薬剤単独を造粒した後、混合してもよい。処方物の混合には任意の適当な造粒方法が使用され得る。一実施形態において、処方物の1種類以上の成分を混合するために湿式造粒プロセスが使用され得る。例えば、高剪断造粒または流動床造粒プロセスが使用され得る。このようなプロセスには、任意の適当な市販の造粒機器が使用され得る。処方物の1種類以上の成分を造粒した後、任意選択で、造粒した処方物は粉砕され得る。粉砕は、任意の適当な市販の装置、例えば、適当なメッシュサイズのスクリーンを備えたCOMIL(登録商標)を用いて行なわれ得る。COMIL(登録商標)のスクリーンのメッシュサイズは、所望される顆粒サイズに応じて選択され得る。湿式造粒後、活性薬剤は粉砕され、所望によりさらに乾燥させてもよい(例えば、流動床で)。
上記の処方物の調製後、処方物は錠剤形態に圧縮される。この錠剤成形は、任意の適当な手段によって圧縮力を伴って、またはなしで行なわれ得る。例えば、造粒工程またはブレンド後の処方物の圧縮は任意の錠剤プレスを用いて行なわれ得るが、錠剤組成物は、外部滑沢プロセスを使用せずに十分に滑沢性であるものとする。処方物中の滑沢剤レベルは、例えば、滑沢剤として最も一般的に使用されているステアリン酸マグネシウムでは、典型的には0.5〜2.0%の範囲である。この工程を行なうために多くの代替的手段が利用可能であり、本発明は、なんら特定の機器の使用によって限定されない。圧縮工程は回転型の錠剤プレスを用いて行なってもよい。回転型打錠機は、ダイおよびパンチの複数のステーションを有する回転式タレットを有する。処方物はダイに供給され、続いて圧縮される。
錠剤組成物は、任意の所望の形状、サイズおよび質感を有するものであり得る。錠剤の直径および形状は、造粒組成物の成形または圧縮に選択される鋳型、ダイおよびパンチに依存する。例えば、錠剤は、円盤状、楕円形、長円形、円形、柱状、三角であってもよく、スティック、タブ、ペレット、球体などの形状を有するものであり得る。同様に、錠剤は任意の望ましい色であり得る。例えば、錠剤は、任意の色調の赤、青、緑、オレンジ、黄色、紫、藍およびその混合色であり得、内部の治療用薬剤の型および投薬量を示すために色でコード化されていてもよい。破壊を助長するために錠剤に分割ラインを入れてもよい。上側または下側の表面に記号または文字をエンボス加工またはデボス加工してもよい。錠剤は、当該技術分野でよく知られた方法によって個包装してもよく、一緒にまとめてパッケージングしてもよい。
圧縮力は、プレスの型/モデル、どの物性が錠剤製品に所望されるか(例えば、所望される硬度、破砕度など)、所望の錠剤の外観およびサイズなどに基づいて選択され得る。典型的には、適用される圧縮力は、圧縮錠剤が少なくとも約2kPの硬度を有するようなものである。このような錠剤では、一般的に、パッケージング、輸送またはユーザーによる取り扱いに十分な硬度と強度が得られる。所望により、錠剤硬度を増大させるために高い圧縮力を錠剤に適用してもよい。しかしながら、圧縮力は、好ましくは、錠剤のキャッピングまたはラミネーションが引き起こされないように選択される。好ましくは、適用される圧縮力は、圧縮錠剤が約250kN未満の硬度を有するようなものである。
典型的には、最終錠剤は、約50mg〜約2000mg、より典型的には約100mg〜約1000mg、または約150mg〜約500mgの重量を有する。一態様では、本発明は、活性薬剤の量が約150mgである固体組成物を提供する。一態様では、本発明は、活性薬剤の量が約100mgである固体組成物を提供する。一態様では、本発明は、活性薬剤の量が約75mgである固体組成物を提供する。一態様では、本発明は、活性薬剤の量が約60mgである固体組成物を提供する。一態様では、本発明は、活性薬剤の量が約50mgである固体組成物を提供する。一態様では、本発明は、活性薬剤の量が約40mgである固体組成物を提供する。一態様では、本発明は、活性薬剤の量が約30mgである固体組成物を提供する。一態様では、本発明は、活性薬剤の量が約25mgである固体組成物を提供する。一態様では、本発明は、活性薬剤の量が約20mgである固体組成物を提供する。
所望により、他の改良を本発明の実施形態に組み込んでもよい。例えば、本発明の錠剤マトリックスを介した薬物放出の改良は、任意の既知の手法、例えば、種々のコーティングの適用、例えば、Amberlite IRP−69などによるイオン交換複合体などによっても得られ得る。
カプセル剤は、ブレンド物を適当な賦形剤とともにゼラチンカプセル内に、適当な充填機を用いて充填することにより調製され得る。
本発明の薬学的処方物は、薬物処方物の安定性が助長される任意のパッケージング内にパッケージングされ得る。例えば、シリカゲル乾燥剤を含む密封高密度ポリエチレン(HDPE)ボトルか、またはPVCでライニングされたアルミニウムブリスター(熱成形PVCブリスター)もしくはアルミニウム−アルミニウムブリスターが使用され得る。かかるパッケージングの使用により、生成物の不要な酸化および湿気の進入の制御が補助される。好ましくは、本発明の薬学的組成物中の成分は、固体投薬形態全体に均一または一様に混合されている。活性薬剤がランダムに分布していようと非ランダムに分布していようと、錠剤は、1種類以上の型の活性薬剤および/または1種類以上の型のコーティング物質を含むものであり得る。活性薬剤の非ランダム分布は、異なる層内の異なる量によって定量的に、または異なる層内に異なる形態の活性薬剤を有することにより定性的に示され得る(例えば、錠剤の内側層と比べて外側層内の粒子により多くのコーティング物質を有すること(あるいは逆も同様))。
実施例3および4において提示した処方物は、十分に、フィルムコート錠の特にインプロセス制御および溶解(pH7.4)(実施例5参照)ならびに安定性(実施例6参照)についての典型的範囲内にある。
フィルムコート錠は、複数pH溶解試験において高い溶解性を示し(表13,表14)、これは良好なインビボ溶解の証明であり、この錠剤により薬物物質の極めて不十分な溶解度が代償され(実施例9の飽和溶解度参照)、それにより使用される賦形剤(崩壊剤、アルカリ化剤および結晶化インヒビターなど)が薬物物質の溶解を向上させるという証拠が得られる。
驚くべきことに、この薬物の極めて高い過飽和が見出され、続いて、薬学的賦形剤を非自明の様式で試験してこの薬物の強力な結晶化阻害を行なう物質を見出すことにより、錠剤処方物に使用する(実施例11に詳細に記載)。
投与方法
本発明の組成物は、治療適用、例えば血栓症の処置に有用である。重要なことに、本発明の組成物では、活性物周囲のpHが調節されることにより、最大血漿濃度(Cmax)および最大血漿濃度に達するまでの時間(Tmax)に関して、活性薬剤の迅速で予測可能な送達がもたらされ、驚くほどに被験体間のばらつきが少ない。特に、治療用薬剤の送達により吸収が最適化される。その結果、治療用薬剤が従来の経口(例えば、錠剤)投与よりもかなり短い時間で、かつかなり高い濃度で体循環に達し得る。また、本発明の組成物は、本明細書に記載のキャリア(例えば、アルカリ化剤、崩壊剤、結晶化インヒビターまたはその組合せ)を含まない経口投与のための組成物と比べて利点をもたらす。特に、本発明の組成物におけるアルカリ化剤、崩壊剤、結晶化インヒビターまたはその組合せによって、pHがpH10まで増大することによる活性物の溶解度の増大、および/または水和型媒質中での結晶化が抑制されることによる生成物の放出プロフィールの向上が補助され得るため、治療用薬剤は、該キャリアを含まない経口投与のための組成物よりもかなり短い時間で(例えば、治療活性の発現までの時間が少なくなる)、かつかなり高い濃度で体循環達する。
本発明の組成物は、特に、ヒトおよび獣医学的治療薬の分野において有用性を有する。本発明の組成物は、活性薬剤を、送達を必要とする任意の動物、例えば限定されないが、げっ歯類、ウシ、ブタ、イヌ、ネコおよび霊長類、特にヒトなどの哺乳動物に送達するために投与され得る。一般的に、投与される投薬量はピコモルからマイクロモル濃度の活性薬剤を適切な部位に送達するのに有効なものである。本発明の組成物の投与は、好ましくは認められた任意の経口投与様式によって行なわれる。
以下の実施例は、実例を示すことを意図したものにすぎず、本発明の範囲の限定を意図するものでない。本出願において挙げたすべての米国特許および他の参考文献の内容は引用によりその全体が本明細書に組み込まれる。
したがって、本発明は、医薬としての使用のための本明細書に記載の薬学的組成物を提供する。また、本明細書に記載の薬学的組成物は、血小板ADP受容体の阻害、特にP2Y12阻害と関連している障害または状態の処置における使用に提供される。
血小板ADP受容体の阻害、特にP2Y12の阻害と関連している障害または状態の処置のための医薬の製造のための本発明に記載の薬学的組成物。
また、治療有効量の該組成物をかかる処置を必要としている被験体に投与することを含む、血小板ADP受容体の阻害、特にP2Y12の阻害と関連している障害または状態を予防または処置する方法も提供する。
治療的使用
また、本発明は、治療有効量の本発明の化合物または本発明の薬学的組成物を処置または予防を必要とする被験体に投与することを含む、血小板ADP受容体の阻害、特にP2Y12の阻害と関連している状態または障害の処置または予防のための方法を提供する。
また、本発明は、治療有効量の本発明の薬学的組成物を処置または予防を必要とする被験体に投与することを含む、血小板ADP受容体の阻害、特にP2Y12の阻害と関連している状態または障害の処置または予防のための方法を提供する。
また、本発明は、本発明の化合物を含む治療有効量の本発明の薬学的組成物を処置または予防を必要とする被験体に投与することを含む、血小板ADP受容体の阻害、特にP2Y12の阻害と関連している状態または障害の処置または予防のための方法を提供する。
したがって、本発明は、血小板ADP受容体の阻害、特にP2Y12の阻害と関連している動物、特にヒトの状態または障害の処置または予防のための医薬の製造のための、本発明の化合物の単独または別の治療用薬剤との組合せでの使用を提供する。また、血小板ADP受容体の阻害、特にP2Y12の阻害と関連している動物、特にヒトの状態または障害の処置または予防における使用のための、単独または別の治療用薬剤との組合せでの本発明の化合物も提供する。
また、血小板ADP受容体の阻害、特にP2Y12の阻害と関連している動物、特にヒトの状態または障害の処置または予防における使用のための、本発明の薬学的組成物も提供する。
また、血小板ADP受容体の阻害、特にP2Y12の阻害と関連している動物、特にヒトの状態または障害の処置または予防における使用のための、本発明の化合物を含む本発明の薬学的組成物も提供する。
本発明の薬学的組成物は、心血管疾患、特に血栓症と関連しているものの予防または処置のための単独での、または複数成分処置レジメンの一部としての使用に適している。例えば、本発明に従って投与される化合物または薬学的組成物は、任意の血栓症、特に、血小板依存性の血栓性の適応症、例えば限定されないが、急性冠症候群、急性心筋梗塞、不安定狭心症、慢性安定狭心症、一過性脳虚血発作、卒中、末梢血管疾患、子癇前症/子癇、深部静脈血栓症、塞栓症、播種性血管内凝固症候群および血栓性血小板減少性紫斑病、侵襲性処置、例えば、血管形成術、頚動脈血管内膜切除術、CABG(冠動脈バイパスグラフト)外科処置後、血管移植術、ステント留置、血管内デバイスおよびプロテーゼの挿入後の血栓性および再狭窄性合併症、ならびに遺伝的素因またはがんに関連する凝固亢進状態の薬物投薬レジメンとして使用され得る。他の群の実施形態において、該適応症は、経皮冠動脈インターベンション(PCI)、例えば、血管形成術および/またはステント、急性心筋梗塞(AMI)、不安定狭心症(USA)、冠動脈疾患(CAD)、一過性脳虚血発作(TIA)、卒中、末梢血管疾患(PVD)、冠状動脈バイパス術、頚動脈内膜切除術からなる群より選択される。
また、薬学的組成物は、慢性冠状動脈性心臓病および上記の心血管疾患二次予防においても使用され得る。
また、薬学的組成物は、哺乳動物の血栓症の予防または処置において他の治療用または診断用薬剤と組合せて、複数成分処置レジメンの一部としても使用され得る。一部の特定の好ましい実施形態において、本発明において使用される化合物または薬学的組成物は、他の化合物、抗凝固剤、血栓溶解剤、または他の抗血栓薬、例えば、血小板凝集インヒビター、組織プラスミノゲン活性化薬、ウロキナーゼ、プロウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、ヘパリン、エノキサパリン、糖タンパク質(GP)2b/3aインヒビター、アスピリン、スタチン、アンギオテンシン変換酵素(ACE)インヒビターもしくはワルファリンまたは抗炎症薬(非ステロイド系抗炎症薬、シクロオキシゲナーゼIIインヒビター)とともに共投与され得、典型的には、一般的に認められた医療実務に従ってこのような状態に処方され得る。また、共投与により、低用量での抗血小板剤と血栓溶解剤の両方の適用が可能となり、したがって、出血性副作用の可能性が最小限になり得る。また、本発明に使用される化合物および薬学的組成物は、好成績の血栓溶解療法後の再閉塞を予防するため、および/または再灌流までの時間を低減させるために相乗的様式で作用するものであり得る。
一実施形態において、本発明の薬学的組成物は単独で、またはアスピリンと組合せて使用される。アスピリンは、10〜300mg/日、または70〜120mg/日の量で使用され得る。一実施形態において、アスピリンは81mg/日の量で使用される。
実施例
総論
一般的に使用されている薬学的賦形剤が一般的な処方物に使用され得る。微晶質セルロース、Lactose Fastfloが、処方物中の希釈剤として単独または組合せで使用され得る。タルクが滑剤として使用され得、ステアリン酸マグネシウムが処方物中の滑沢剤であり得る。また、水溶性および非水溶性の溶解性向上剤、例えば、PVPおよびHPMCを使用してもよい。さらに速やかな崩壊を確実にするために適当な崩壊剤(例えば、Ac−Di−Sol(登録商標)またはクロスポビドン(PVPP))を使用してもよい。
多形体BおよびAは感湿性であるため、これらの固体形態を伴う処方物の調製に湿式造粒プロセスは使用できない。しかしながら、多形体ポリ−Dは感湿性が低いため、湿式造粒プロセスを用いて処方物を調製することが可能である。
両処方物のためのコア錠剤のパッケージングに使用されるパッケージング形式は、乾燥剤(ボトル1つあたり2gm)と誘導シール部を備えたチャイルドレジスタンスの蓋とを有する75ccのラウンド白色HDPEボトルである。いくつかの異なる処方物が30〜150mgの即放(IR)カプセル剤または約450まで〜約650mgの重量を有する錠剤のために作製される。申告有効性成分含量(declared dosing strength)は、エリノグレル(例えばフィルムコート錠75mg)の遊離酸の量を示す。投薬形態の組成に関する%w/wの値(以下の表)は、(意味があれば)結晶水を含む式(I)の化合物として示されるカリウム塩の%w/wを示す。処方物の詳細を以下の表にまとめる。
実施例1:結晶性ポリ−D形態の式(I)の化合物の作製プロセス
1当量の式(II)の酸を水に懸濁させ、次いで、2.35当量の50%w(50重量%のKOH/溶液重量)KOH溶液を添加する。同時に、得られる混合物を50℃まで加熱する。次いでメタノールを40〜50℃で添加し、過飽和溶液を形成する。次いで、1.35〜1.55当量の5〜30%酢酸をおよそ2〜12時間の間でゆっくり添加する。得られた懸濁液を20℃までおよそ1.5〜10時間で冷却する。結晶を濾過し、まずメタノール:水(3:7の混合物)で、次いで純粋なメタノールで洗浄する。乾燥を60〜80℃で、または減圧下で60〜120℃の温度にて行なう。
実施例2:多形体ポリ−Dの作製のための代替的手順
1.0〜1.1当量のKOHを5〜50%w(5〜50重量%のKOH/溶液重量)KOH溶液(滴定済)として、1.0当量の式(II)の化合物を含むメタノール/水(1:1 w/w)の懸濁液に添加する。得られた懸濁液を50〜60℃まで1時間加熱する。遊離酸の溶解後、混濁した溶液(不純物は溶解しない)を木炭で処理し、続いて、加熱した(50℃)メンブレンフィルターで、45℃に維持した容器に濾過する。
この懸濁液を−10℃まで9時間で冷却し、この温度で少なくとも2時間連続的に攪拌する。
スラリーを濾過し、冷メタノール/水混合物(1/1 w/w)と純粋なメタノールで室温にて洗浄する。乾燥を60〜120℃および<20mbar(>12時間)で、メタノール含有量が<0.2%になるまで行なう。
実施例3:結晶性ポリ−D形態の式(I)の化合物の分析による特性評価
粉末X線回折パターン
粉末X線パターンをBruker D8 Advance Diffractometerで、1.54059Aの波長のCuKα放射線、走査速度(連続走査):0.3秒/ステップ、ステップサイズ:0.017°(2θ)、走査範囲2°〜4’°(2θ)を用いて記録した。温度:周囲温度(20℃〜25℃)。
当業者には認識されるように、以下に示した表中の種々のピークの相対強度は、例えば、X線ビーム中での結晶の配向効果または分析対象の物質の純度または試料の結晶化度などのいくつかの要素により異なり得る。また、ピーク位置は試料の高さのばらつきのためシフトすることもあり得るが、ピーク位置は、実質的に、示した表に規定されるとおりのままである。また、当業者には、異なる波長を用いて測定するとブラッグ式−nλ=2d sin θに従って異なるシフトが得られることも認識されよう。とはいえ、別の波長の使用によって得られるかかる別のPXRDパターンは同じ物質を表すものである。
該固体形態のXRPDプロファイルを図1に示す。特性ピークの一覧を本明細書において以下の表に示す。
Figure 2013544271
最も重要な回折ピークは11.2°、15.8°および26.4°(±0.2度)(2θ)である。
結晶性ポリ−D形態の式(I)の化合物の示差走査熱量測定(DSC)
示差走査熱量測定曲線(DSC)(図2参照)をMettler DSC822eで、10K/分の加熱速度、ピンホールを有するるつぼおよび1〜3mgの試料質量を用いて記録した。
無水形態のポリ−Dは、DSCにおいてピンホールを有する試料パン内で10K/分で加熱すると、融解の後、約324℃の開始温度で分解を示す。
結晶性ポリ−D形態の式(I)の化合物のFT−IRスペクトル
FT−IRスペクトル(図3)をBruker Vertex 70 FT−IT分光測光器(Nujol)で記録した。
式(I)の化合物の無水形態のポリ−Dの重要なFT−IRバンドは以下のとおりである(最も特徴的なバンドを太字で強調表示している):
Figure 2013544271
結晶性ポリ−D形態の式(I)の化合物のFT−ラマンスペクトル
FT−ラマンスペクトル(図4)をBruker RFS100分光測光器で記録した。
式(I)の化合物の無水形態のポリ−Dの重要なFT−ラマンバンドの一覧(最も重要なバンドを太字で強調表示している):
Figure 2013544271
結晶性ポリ−D形態の式(I)の化合物の固体NMR
13C CP/MAS固体NMRスペクトル(図5)をBruker ASX300 NMR分光器で、約4000Hzのスピン速度、4μsの90°プロトンパルス長、1msの接触時間および約1sの遅延時間を用いて記録した。
ポリ−D形態の重要な化学シフトの一覧:
165.7、152.3、146.4、141.2、130.2、112.8、101.0、97.0、および31.4(±0.2)ppm。
結晶性ポリ−D形態の式(I)の化合物の単結晶構造
無水ポリ−D形態の結晶構造を、高エネルギーX線放射線を使用する単結晶X線分析によって分解した。該結晶構造は以下結晶パラメータによって特性評価される。
実験式 C2014 Cl F K N
式量 562.03
温度 100(2)K
波長 0.71073Å
結晶系 単斜晶系
空間群 P21/c
単位格子寸法 a=7.249(14)Å α=90°
b=17.42(4)Å β= 95.73(3)°
c=17.63(4)Å γ=90°
体積 2216(8)Å3
Z 4
密度(計算値)1.684 Mg/m3。
結晶構造分析により、式(I)の化合物のこの新しいポリ−D形態が無水結晶形態であることが確認される。
実施例4:無水形態ポリ−Dの相対熱力学的安定性
無水形態のポリ−Dの相対熱力学的安定性を、式(I)の化合物の既知のA形態およびB形態との比較において、無水形態のポリ−DおよびA形態の混合物、ならびに無水形態のポリ−DおよびB形態の混合物を別々に水、有機溶媒または水と有機溶媒の混合物に懸濁させるクロスシーディング(cross−seeding)実験によって評価した。次いで、懸濁液を種々の温度で数日間平衡化させた。次いで、固体物部分を濾過によって単離し、粉末X線回折によって分析した。結果によりA形態およびB形態が無水形態のポリ−Dに変換されることが示され、したがって、無水ポリ−D形態が式(I)の化合物のA形態またはB形態と比べて熱力学的に安定であることが示される。
Figure 2013544271
Figure 2013544271
実施例5:50mgの式(I)の化合物の即放カプセル剤(参照処方物)
Figure 2013544271
調製
組成物(B形態)は、式(I)の化合物とステアリン酸マグネシウム以外の賦形剤とを秤量し、混合することにより調製される。混合物をふるいにかけ、混合し、ふるいにかけ、ステアリン酸マグネシウムを添加する。組成物をブレンドし、ローラー圧縮によって乾式造粒し、粉砕し、次いでカプセル内に充填する。
実施例6:75mgの式(I)の化合物−即放ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)カプセル剤(参照処方物)
Figure 2013544271
調製
組成物は、式(I)の化合物(B形態)とステアリン酸マグネシウム以外の賦形剤と秤量し、混合することにより調製される。混合物をふるいにかけ、混合し、ふるいにかけ、ステアリン酸マグネシウムを添加する。混合物をブレンドし、ローラー圧縮によって乾式造粒し、粉砕し、次いでカプセル内に充填する。
実施例7:30mg FMI錠剤:30mgの式(I)の化合物−フィルムコート錠(FCT)
Figure 2013544271
HPMCコーティング(基本ラッカー組成物形態 Colorcon Ldt(UK),Opadryとして知られている):
Figure 2013544271
調製
組成物は、式(I)の化合物(ポリ−D形態)と、半分のステアリン酸マグネシウムおよびAerosil以外の賦形剤とを秤量し、混合することにより調製される。混合物をふるいにかけ、混合し、ふるいにかけ、ステアリン酸マグネシウムを添加する。組成物をブレンドし、ローラー圧縮によって乾式造粒する。この顆粒をAerosilとブレンドし、続いて残りのステアリン酸マグネシウムとブレンドし、この最終混合物を錠剤に圧縮する。錠剤を除塵し(dedust)、続いて、コーティングパンにてHPMC含有ラッカーでコートする。バッチサイズは約8.28kgである。インプロセス制御は以下のとおりとする(標的値):
Figure 2013544271
実施例8:75mg FMI:75mgの式(I)の化合物−フィルムコート錠
Figure 2013544271
HPMCコーティング(基本ラッカー組成物形態 Colorcon Ldt(UK),Opadryとして知られている):
Figure 2013544271
調製
組成物は、式(I)の化合物(ポリ−D形態)と、半分のステアリン酸マグネシウムおよびAerosil以外の賦形剤とを秤量し、混合することにより調製される。混合物をふるいにかけ、混合し、ふるいにかけ、ステアリン酸マグネシウムを添加する。組成物をブレンドし、ローラー圧縮によって乾式造粒する。この顆粒をAerosilとブレンドし、続いて残りのステアリン酸マグネシウムとブレンドする。この混合物をブレンドし、錠剤に圧縮する。錠剤を除塵し、続いて、コーティングパンにてHPMC含有ラッカーでコートする。錠剤のバッチサイズは約9.2kgである。インプロセス制御は以下のとおりとする(標的値):
Figure 2013544271
実施例9:実施例7および実施例8の試験
Figure 2013544271
溶解プロフィール 溶解方法:バスケット 100rpm リン酸Naバッファー pH7.4 900ml(方法 エラー! 文献情報源が見つからない 参照)
Figure 2013544271
Std Dev=標準偏差
(図8参照)
CV=変動係数=標準偏差/平均,相対標準偏差に相当
Figure 2013544271
(図8参照)
Std Dev=標準偏差
CV=変動係数=標準偏差/平均,相対標準偏差に相当。
両処方物の溶解は迅速であり、ばらつきが少なく、45分後、十分にUSP基準範囲のQ75%内である。
溶解プロフィール 複数pH(方法 エラー! 文献情報源が見つからない 参照)
Figure 2013544271
Std Dev=標準偏差
CV=変動係数=標準偏差/平均,相対標準偏差に相当
Figure 2013544271
(図7参照)
Std Dev=標準偏差
CV=変動係数=標準偏差/平均,相対標準偏差に相当。
両方の有効性成分含量の溶解プロフィールは非常に類似している。
実施例10:HPLC法
HPLCによる同一性、アッセイおよび分解生成物
原則 UV検出を備えたRP HPLC
試薬
アセトニトリル勾配グレード、例えば、Merck 1.0030
例えば、Nanopureからの脱塩した水、または同等のリン酸水素二アンモニウム(≧99.0%)、例えば、Merck 1.01207.0500
28%濃水酸化アンモニウム、分析用、例えば、Sigma 338818−5ml(アンプル)
溶媒 アセトニトリル/水(50/50 v/v)
リン酸水素二アンモニウムバッファー pH9.0 25mmol/L
3.3g(25mmol)のリン酸水素二アンモニウムを1000mlの水に溶解させ、濃水酸化アンモニウム(アンプル)を用いてpH値を9.0に調整する
機器
装置 UV検出を備えたHPLC、例えば、HP 1200(Agilent)
カラム XSELECT CSH C18 3.5μm
長さ 150mm,内径 3.0mmまたは同等のカラムおよび粒径
クロマトグラフィー条件
移動相A:リン酸水素二アンモニウムバッファー 25mmol/L pH9.0 B:アセトニトリル
Figure 2013544271
流速 1.0ml/分
検出 UV 250nm
カラム温度 50℃
オートサンプラー温度 20℃
針洗浄/洗浄バイアル溶媒
インジェクション容積 5μlの試験および参照溶液、参照溶液中、約1μgの式(I)の化合物に相当。
手順
投薬単位の数 最低10個の単位を個々に試験する
試験ストック溶液(TSS) 10個の投薬単位を表16に従ってメスフラスコに移し、フラスコにその公称容量の約50%まで溶媒を入れ、約30分間超音波処理する
溶液を15分間振盪する
振盪後、フラスコに印まで溶媒を入れ、十分に混合し、上清が透明になるまで4000rpmで約15分間、アリコートを遠心分離する
Figure 2013544271
Figure 2013544271
試験溶液(手作業) 表16に指定された容積のTSSを指定されたメスフラスコ内にピペッティングで入れる。印まで溶媒を入れ、混合する
式(II)の遊離酸の濃度:0.15〜0.17mg/ml。
水(カール・フィッシャー)
原則 滴定によるカール・フィッシャー法
試薬
滴定標準 酒石酸二ナトリウム二水和物,ACSグレード、例えば、Merck,カタログ番号106664、15.66%の水を含む
滴定剤ハイドラナール−滴定剤2,Riedel de Haeon,カタログ番号34811、または同等のピリジン無含有試薬
溶媒ハイドラナール−溶媒,Riedel de Haeon,カタログ番号34800、または同等のピリジン無含有溶媒
機器
装置 例えば、Metrohm 784 KFP Titrino,Methrom AG,Herisau,CH
ビュレット 公称容量5ml
標準化 係数決定を少なくとも3回行なう
30〜60mgの滴定標準を少なくとも0.1mg単位まで正確に秤量し、即時に40mlの前滴定溶媒(pre−titrated solvent)に溶解させ、終点まで滴定する
計算 滴定剤の水等価係数(water equivalence factor)f
F=m×W
×100
式中、
=滴定標準の質量(単位:mg)
Ws=滴定標準の水分(単位:パーセント)
=標準化のための滴定剤の容積(単位:ml)
該係数についての値が1.0%より大きく異ならない場合、水分パーセンテージの式においてfとして平均値を代用する。
参照溶液
参照物質(式(I)の化合物)を0.01mg単位まで正確に秤量し、メスフラスコ内に入れ、4%の溶媒アセトニトリル/水 7/3に溶解させ、容量まで試験媒質で希釈する。重量および容量は以下の表18を参照のこと。
Figure 2013544271
新たな参照物質を使用する場合、秤量はその新たな参照物質の含有量に適合させなければならない。
評価 試験溶液の吸光度を適当な分光測光器を用いて測定する。参照溶液を用いて結果を計算する場合、参照溶液の吸光度をさらに測定する。
Figure 2013544271
参照:試験媒質
波長 325nm
計算,参照溶液を使用
Dn=エリノグレル形態(I)の溶解,申告含有量の累積パーセンテージにおける開始からn回目の試料採取点までの試験間隔後
Figure 2013544271
計算,A1%を使用
Figure 2013544271
エリノグレル形態(I)の標準値=472.6(465.5−479.7) この標準値は、塩分要因をA1%SFの計算に考慮する場合、507.1(499.5−514.7)の値に対応する。この場合、以下の式を適用する。
Figure 2013544271
式中
n 試料採取点の数
un 採取した容積に関する申告含有量(補正なし)のエリノグレルの溶解(単位:パーセンテージ)
un n 最後とみなされる試料採取点における式(I)の化合物の補正なしの溶解
un i それぞれの試料採取時点における個々の各Dun、iをインデックス表示
i 試料採取時点のインデックス表示のための実行因子(running factor)。最初の試料採取時点の1から始まって最後とみなされる試料採取点のnで終わる。
A1% 1.0cmのセル光路に対して標準化した325nmにおける1%(m/v)溶液の比吸光度
Ti 試料採取時点iでの試験溶液中での約325nmにおける極大吸光度の式(I)の化合物の吸光度
参照物質の質量(単位:mg)
試験溶液の容積(単位:ml)
参照物質の申告含有量(単位:パーセント)
参照溶液中での約325nmにおける極大吸光度の式(I)の化合物の吸光度
参照溶液の容積(単位:ml)
投薬形態あたりの申告薬物物質含有量(単位:mg)
SF 塩分/酸要因Mod D(1.073)
採取した容積(単位:ml)
d セル厚(単位:cm)
10 パーセントに対する換算係数mg/ml
100 パーセントに対する換算係数
評価 USP<711>,「Dissolution」の判定基準表(acceptance table)に従う。試験は、結果がステージSで適合しない限りステージSまで継続すべきである。
実施例11:溶解試験
溶解試験法 pH7.4
原則 Ph.Eur.2.9.3「Dissolution for Solid Dosage Forms」またはUSP<711>「Dissolution」に従い、溶解装置1(バスケット)に溶解させた薬物物質の量を測定。HPLC検出によって測定。
試薬
− NaH2PO4H2O リン酸二水素ナトリウム一水和物(例えば、Merck p.a.1.06346または同等物)
− 脱イオン水
− NaOH 10N 例えば、Fluka 38214または同等物
− NaOH 2N 例えば、Fluka 71474または同等物
− HCl 2N 例えば、Fluka 35327または同等物
− リン酸バッファー(pH7.4)
6.9gのNaH2PO4H2Oと3.5mlのNaOH 10Nを1000mlの水に溶解させる。必要な場合は、NaOH 2NまたはHCl 2NでpH値を7.4±0.05に調整する。媒質は使用前に脱気する。
溶解条件 USP<711>,「Dissolution」によるバスケット法
回転速度 100±4rpm
試験媒質 リン酸バッファー(pH7.4)
試験媒質の容積 900ml
温度 37±0.5℃
試験した単位の数 現行のUSPの判定基準表に従う規定数(最低6個、容器1つあたり1個)の単位を調べる。
手順
試験溶液 45分後、≧10mlの溶液を採取し、ガラス繊維フィルター(例えば、Whatman GF/F 0.7μmまたは同等物)に通して濾過する。任意選択で溶解プロフィールを測定してもよい。この場合、少なくとも15、30、45、60および75分後に試料採取することが推奨される(無限試験)。試料採取分は試験媒質で置き換えなければならない。
溶解させた薬物物質を実施例10に記載のHPLC法に従って測定。
溶解試験法 複数pH
Figure 2013544271
ステージ5:250rpm(無限試験)
試料採取容積:5ml 媒質交換なし。
この方法は最大試料採取時間のものを示す。最低試料採取時間はステージ1〜4において少なくとも1回の試料採取点である。
実施例11:飽和溶解度
方法:試料の溶解度を、フラスコ振盪方法論を用いて測定し、試料をUV分光法によって一連の異なる媒質;酢酸ナトリウムバッファー(pH4.52);リン酸ナトリウムバッファー(pH6.81);絶食状態の消化管内を模した溶液(FaSSIF,pH6.5);食後状態の消化管内を模した溶液(FeSSIF,pH5.0)および人工胃液(SGF,pH2.1)において定量した。FaSSIFとFeSSIFの溶液は、Phares SIF粉末を用いて処方指示書に従って調製し、SGF溶液は、備えられたガイドラインを用いて調製した。多形体Aのモル吸光係数を25.0μΜの試料濃度で各溶解度媒質において測定した。低pHでは試料が溶解しないため、SGF溶液では正確なMECを得ることができなかった。したがって、酢酸バッファー(pH4.5)中で測定したMECを使用し、SGF溶液中における試料の溶解度を確認した。溶解度の測定のため、2.0mlの溶解度媒質を適切な重量の純粋な多形体A(5.0〜10.9mg)に添加して懸濁液を作製し、続いてこれを電子振盪プレート上で72時間攪拌した。攪拌後、懸濁液を96時間放置して沈降/平衡化させた後、適切な量の上清をピペットで抜き出し、0.2μm PVDFフィルタープレートに通して減圧濾過し、その吸収スペクトルを記録した。上清のpHと温度をSiriusT3機器で測定した。続いて、上清溶液の測定された吸光度および事前に求めたモル吸光係数(280〜320nm(FaSSIFとFeSSIFの溶解度では310〜330nm)の波長範囲を使用)から溶解度を求めた。試料は各溶解度媒質において二連で分析した。その結果を表21に記録している。一部の実験で得られたpHが、試料の溶解のため溶解度媒質のpHからシフトしていることに注目されたい。したがって、報告した溶解度の値は、測定された最終pHに対応しており、表21に報告する。調製の48時間以内の使用の推奨により、FaSSIFとFeSSIFの溶解度を48時間後と7日後の両方で求めた。5.0mlのFaSSIF/FeSSIFを30mgの試料に添加し、24時間攪拌した。この時間後、この懸濁液のうち2mlを抜き出し、さらに24時間放置して沈降/平衡化させた後、濾過と分析を行なった。残りの溶液は合計72時間攪拌を継続し、次いで、さらに96時間放置して沈降/平衡化させた後、分析(その他の実験と同一)を行なった。48時間実験と7日間実験のどちらのデータ処理にも、48時間後にFaSSIFとFeSSIFで得られたMECを使用している。FaSSIF溶液は48時間後、不透明になったため、溶解度の測定の7日間実験に必要とされる希釈(必要であれば)は脱イオン水を用いて行なった。
結果:
Figure 2013544271
pH7あたりでの緩衝溶液および該模した流体における飽和溶解度は、多形体ポリ−Dで最も高く>B>A>遊離酸である。
結晶性形態ポリ−Dの式(I)の化合物は、水性緩衝媒質および人工胃液または消化管内を模した流体中において、式(I)の化合物の他の結晶性形態と比べて、および構造式(II):
Figure 2013544271
を有する遊離酸と比べて驚くほど高い溶解速度を示す。
実施例12:湿潤性
方法:
接触角(angel)機器:EasyDrop DSA15E(Kruess,Hamburg,Germany)
シリンジ:NE44,針の直径0.5mm(Kruess,Hamburg,Germany)
標準(Kruess,Hamburg,Germany):CP24 20007107,接触(conatct)角ゲージ#4=30.00°+/− 0.3,ゲージ#5=60.00°+/− 0.3,ゲージ#6=120.00°+/−0.3。
粉末を錠剤にプレスし(およそ50mgの粉末,3トン,2分間)、接触角の測定によって分析した。固体と液体との間の角度を0秒後および60秒後まで水を用いて測定する。
すべての決定は上記の方法を使用し、標準の測定値の限界は、十分、所与の範囲内である。
臨界角は、BC Lippold,A.Ohm,Correlation between wettablity and dissolution rate of pharmaceutical powders,Internatioal Journal of Pharmaceutics,28(1986)67−74によると50°(>50°疎水性物質 <50°親水性物質)あたりであると推定される。
Figure 2013544271
結果:
接触角の測定値により、親水性である多形体ポリ−Dと比べて疎水性物質である多形体Bと多形体Aとの間で表面疎水性(hydrophobilicity)に有意差が示される。
実施例13:過飽和測定および安定化
過飽和実験
過飽和測定はよく知られており、既刊文献で見ることができる[1− Stuart,M.Box,K.Chasing equilibrium:measuring the intrinsic solubility of weak acids and bases.Anal.Chem.2005,77(4),983−990;2− Box,K J.Volgyi,G.Baka,E.Stuart,M.Takacs−Novak,K.Comer,J E A.Equilibrium vs.kinetic measurements of aqueous solubility,and the ability of compounds to supersaturate in solution − a validation study.J.Pharm.Sci.2006,95,1298−1307;3− Skold,C.Winiwarter,S.Johan Wernevik,J.Bergstrom,F.Engstrom,L.Allen,R.Box,K.Comer,J.Mole,J.Hallberg,A.Lennernas,H.Lundstedt,T.Ungell,A−L.Karlen,A.Presentation of a Structurally Diverse and Commercially Available Drug Data Set for Correlation and Benchmarking Studies.J.Med.Chem.2006,49(23),6660−6671;4− Llinas,A.Burley,J C.Box,K J.Glen,R C.Goodman,J M.J.Diclofenac Solubility:Independent Determination of the Intrinsic Solubility of Three Crystal Forms.Med.Chem.;2007,50 (5),979−983;5− Llinas,A.Box,KJ.Burley,J C.GIen,R C.Goodman,J M.J.A new method for the reproducible generation of polymorphs:two forms of Sulindac with very different solubilities.J.Applied Crystallography,2007,40(2),379−381.6− Box K et al,Using Measured pKa,LogP and Solubility to Investigate Supersaturation and Predict BCS Class,Current Drug Metabolism,2008,9,869−878]。
例えば、引用するCheqSol測定を使用すると、式(I)の化合物の多形体Bは、363の過飽和比、および式(II)の遊離酸は178の過飽和比を示す。
溶解度の定義は以下のとおりとする:
1−速度論的溶解度は、誘導沈殿物が最初にみられたときの溶液中の化合物の濃度である。
2−平衡溶解度(熱力学的溶解度とも称される)は、過剰の固体が存在し、溶液と固体が平衡である場合の飽和溶液中の化合物の濃度である。
3−固有溶解度[Horter,D.;Dressman,J.B.Adv.Drug Deliv.Rev.,1997,25,3−14]は、イオン化性の化合物の遊離酸または塩基形態の完全に非イオン化状態のpHでの平衡溶解度である。
過飽和比は、速度論的溶解度を固有溶解度で除算した比として計算する。種々の過飽和比を有する薬物の例を表23に示す。
Figure 2013544271
Figure 2013544271
Figure 2013544271
Figure 2013544271
式(II)の化合物の遊離酸またはカリウムおよびナトリウム塩で測定された過飽和比は、表24に示されるように、公表されているすべての比(表23)より高い。
過飽和安定化実験
典型的には、過飽和が高いほど、起こる沈殿はより迅速で、より大量となる。他方において、より高いバイオアベイラビリティは、過飽和状態において、薬物と相互作用する賦形剤を使用することにより得られ得る。この過飽和状態では、沈殿が抑制および/または遅滞され、したがって、インビボで溶存薬物の高い管腔内薬物濃度がもたらされる。
驚くべきことに、記載のCheqSol測定を用いたその後の調査により、式(II)の化合物の過飽和は、特別な薬学的賦形剤を使用すると長期間にわたって保存され得るという所見が得られている。したがって、本発明は、薬物物質の高バイオアベイラビリティが得られる薬学的組成物を提供する。
かかる賦形剤の例は、薬物に対する比が重量基準で1:1のPVP K90である。pH>6.0において、66時間の約17〜86倍の安定な過飽和が観察される。pH6.0でSirius CheqSolによって測定される溶解度は9.9ug/mlである。66時間後、pHは7.2にシフトした。このpHにおいて、式(II)の化合物の溶解度はおよそ170ug/mlであるのに対し、PVPを用いると67時間後に860ug/mlとなる。これにより17〜86倍の過飽和比がもたらされる。賦形剤に対して1:1薬物比(重量基準)を用いて調査した例を表25に示す。
溶解度−賦形剤スクリーニング:0.15M水性KClにおける式(II)の化合物の溶解度挙動を、さまざまな賦形剤の存在下でSirius CheqSol法を用いてスクリーニングした。すべての実験において、式(II)の化合物と賦形剤は1:1の重量比で存在させた。各賦形剤について、カリウム塩のA形態を約1mg/mlの初期濃度でpH12から低pHまで0.5M HClを用いて滴定した。UV−濁度プローブを用いて試料沈殿物の存在を検出し、実験はすべて、標準的なCheqSol手順に従って行なった。
Figure 2013544271
速度論的溶解度は、PVPを使用すると極度に増大し、程度はずっと低いがHPMCおよびHPCなどの他の薬学的ポリマーを使用すると増大する。界面活性剤ポロキサマー188が有する速度論的溶解度は純粋な薬物と比べてずっと低かった。最高速度論的溶解度と最低速度論的溶解度との間に有意な範囲が存在する。
実施例14:表面張力
方法−Kibron Delta−8 Tensiometerによる表面張力の測定(ミクロテンシオメトリー)
表面張力は、8つの試料を同時に測定することができることを意味する8チャネル微量天秤であるKibron Delta−8張力計を用いて測定する。試料は、標準フットプリント96ウェルプレート内に50μLの試料容積を用いて調製する。この手法により、メニスカスの重量が高性能微量天秤を用いて測定される。細いロッドを試料中に浸漬させ、次いで引き上げ、最大力を測定する(Du−Nouy−Padday法としても知られている,J.Chem.Soc,Faraday Trans.1,1975,71 ,1919 −1931 ,DOI:10.1039/F19757101919)。メニスカスの重量は表面張力、ロッドの直径および液体密度のみに依存する。較正は、表面張力が既知の液体、例えば、脱イオン水を用いて行なう。界面活性剤/両親媒性分子は、親水性部分と疎水性部分の両方を含むものである。該分子の親水性部分は水との相互作用を好むが、疎水性部分は水をはじく。表面活性分子は空気/水界面において吸収され、表面張力を低下させる。界面が飽和状態になるにつれて、該分子は液体バルク中で凝集体またはミセルを形成し始めるが、表面張力は一定のままである。Kibron Delta−8により、最低濃度から最高濃度までの試料の連続希釈物表面張力を記録し、CMC(臨界ミセル濃度)に必要とされる界面活性剤の濃度を得る。臨界ミセル濃度(CMC)では、急激な移行がもたらされ、これより上では遊離界面活性剤/両親媒性分子の濃度は一定のままである。濃度の増大に伴うさらなる表面張力の低下は起こらず、濃度に対する表面張力の曲線において平坦部が得られる。
結果
式(I)のカリウム塩の試料のストック溶液は、脱イオン水で1.62mg/mLおよび1.81mg/mLの濃度で調製した。これらのストック溶液を使用し、測定プレートの希釈系列を調製した。試験プレートは、1列に12個のウェルを有し、8列で合計96個のウェルを有するものである。
A列には、脱イオン水で調製し、以下の濃度:A1 25mM、A2 12.5mM、A3 6.25mM、・・・A11 0.024mMで二倍希釈した既知の界面活性剤を含めた。位置A12には脱イオン水を含めた。
B列には、pH2のリン酸バッファーで調製し、以下の濃度:B1 100mM、B2 50mM、B3 25mM、・・・B11 0.098mMで二倍希釈した社内QC試料を含めた。位置B12にはpH2のリン酸バッファーを含めた。
C列には1.62mg/mLのストックから調製した式(I)のカリウム塩の溶液を含めた。位置C1には1.62mg/mLの式(II)の化合物K+を含む脱イオン水を含めた。位置C2は、pH6のリン酸バッファーでの二倍希釈物、すなわち0.81mg/mLとした。残りのウェルは、pH6のリン酸バッファーでのさらなる二倍希釈物:C3 0.40mg/mL、C4 0.20mg/mL、・・・C11 0.0016mg/mLとした。位置C12にはpH6のリン酸バッファーを含めた。
D列は、C列の繰り返しとし、1.62mg/mLのストックから調製した式(I)のカリウム塩の溶液を含めた。位置D1には1.62mg/mLの式(I)のカリウム塩を含む脱イオン水を含めた。位置D2は、pH6のリン酸バッファーでの二倍希釈物、すなわち0.81mg/mLとした。残りのウェルは、pH6のリン酸バッファーでのさらなる二倍希釈物:D3 0.40mg/mL、D4 0.20mg/mL、・・・D11 0.0016mg/mLとした。位置D12にはpH6のリン酸バッファーを含めた。
E列には1.81mg/mLのストックから調製した式(I)のカリウム塩の溶液を含めた。位置E1には1.81mg/mLの式(I)のカリウム塩を含む脱イオン水を含めた。位置E2は、pH9.5のホウ酸バッファーでの二倍希釈物、すなわち0.91mg/mLとした。残りのウェルは、pH9のホウ酸バッファーでのさらなる二倍希釈物:E3 0.45mg/mL、E4 0.23mg/mL、・・・E11 0.0018mg/mLとした。位置E12にはpH9.5のホウ酸バッファーを含めた。
F列は、E列の繰り返しとし、1.81mg/mLのストックから調製した式(I)のカリウム塩の溶液を含めた。位置F1には1.81mg/mLの式(I)のカリウム塩を含む脱イオン水を含めた。位置F2は、pH9.5のホウ酸バッファーでの二倍希釈物、すなわち0.91mg/mLとした。残りのウェルは、pH9のホウ酸バッファーでのさらなる二倍希釈物:F3 0.45mg/mL、F4 0.23mg/mL、・・・F11 0.0018mg/mLとした。位置F12にはpH9.5のホウ酸バッファーを含めた。
G列は、A列の繰り返しとし、脱イオン水で調製し、以下の濃度:G1 25mM、G2 12.5mM、G3 6.25mM、・・・G11 0.024mMで二倍希釈した既知の界面活性剤を含めた。位置G12には脱イオン水を含めた。
H列には、脱イオン水を含めた。
結果:
Figure 2013544271
式(I)のカリウム塩は、ホウ酸バッファー中のpH9.5において表面活性を有しない。式(I)のカリウム塩試料は、脱イオン水で1.6〜1.8mg/mLの濃度で調製した場合、表面活性を有しない。これらの溶液の天然状態のpHは約pH8であると推定される。式(I)のカリウム塩試料は、リン酸バッファー中のpH6において表面活性を示す。最大表面圧力変化は11mN/mであり、臨界ミセル濃度は0.1mg/mLと決定される。表面活性により、特定のpH範囲でのこの薬物の過飽和の安定化が支持され得る。
実施例15:薬物動態試験1
これは、健常成人志願者における非盲検無作為化4期不完全クロスオーバー単一施設試験とした。試験には、4つの処置:3用量のFMI(絶食または高脂肪の朝食の食後に投与)と、1回の参照IRカプセル剤(典型的な朝食の食後に投与)を入れた。用語「FMI」は、実施例7(30mg FMI)または実施例8(75mg FMI)の投薬形態を示す。
各被験体を、各々4つの処置期を有する18種類の処置シーケンスのうちの1つに無作為化した(表27)。第1の処置期は、3つの用量のFMIのうちの1用量の食後投与からなるものとし、処置期2〜4は、1用量のIRカプセル剤(食後)および3つの用量のFMIのうちの2用量の絶食時投与からなるものとした。被験体は、3つの用量すべてののFMIを受けたわけではなく(処置期1(食後)に投与される用量を処置期2〜4の絶食時にも投与された)、そのため、試験設計を不完全クロスオーバー試験と記載している。したがって、各被験体は、FMI処方物での2回の絶食時処置、FMI処方物での1回の食後処置、および参照処置(IRカプセル剤)を受けた。72名の被験体を登録し、試験で投薬を受け、70名が完了した。
試験は、28日間のスクリーニング期間、4つのベースライン期間(各処置期の前に1つ)、最低5日間のウォッシュアウト期間を伴う4つの処置期、続いて、最後の薬物投与のおよそ72時間後の試験完了評価からなるものとした。スクリーニング時に適格基準を満たした被験体に、ベースライン評価を許可した。投与前にすべてのベースライン安全性評価結果を入手可能にした。
絶食時投与では、一晩少なくとも10時間の絶食後、エリノグレルを午前中に投与した。被験体には投与後4時間まで絶食を継続させた。FMI錠剤の食後投与では、高脂肪の朝食(およそ1000カロリー)の30分以内にエリノグレルを午前中に投与した。被験体には投与後4時間まで絶食を継続させた。参照(IRカプセル剤)の食後投与では、典型的な朝食(およそ500カロリー)の30分以内に午前中に投与した。被験体には投与後4時間まで絶食を継続させた。
ベースライン評価のための各期間では、投与のおよそ12時間前に被験体を試験会場に入れた。単一用量のエリノグレル後、投与後48時間までPK評価を行ない、72時間まで安全性評価を行なった。
被験体は、PK試料収集のため投与後24時間会場内に留め、その後、試験会場を退去させた。被験体を、その後2日間の朝、48時間PKおよび72時間安全性試料採取のために戻した。処置期4の72時間安全性評価後(または被験体が試験を中止した場合)、被験体は試験完了評価を受け、試験から解放された。安全性評価には、身体検査、ECG、バイタルサイン、標準的な臨床検査評価、起立性低血圧刺激、有害事象および重篤な有害事象のモニタリングを含めた。
以下は、被験体をどのように投与群に割り当てたかの表による記載である(表27)。
Figure 2013544271
これは、付加食事効果期間(第1期)を有する3期の4処置クロスオーバー試験設計とした。
処置1(T1)=エリノグレル 30mg FMI 絶食時投与
処置2(T2)=エリノグレル 75mg FMI 絶食時投与
処置3(T3)=エリノグレル 150mg FMI 絶食時投与
参照(R)=エリノグレル 150mg IRカプセル剤 食後投与(典型的な朝食);実施例6(参照)
食後処置1(F1)=エリノグレル 30mg FMI 食後投与(高脂肪の朝食)
食後処置2(F2)=エリノグレル 75mg FMI 食後投与(高脂肪の朝食)
食後処置3(F3)=エリノグレル 150mg FMI 食後投与(高脂肪の朝食)
被験体には以下の処置を無作為の順序で与える:
・処置(T1,F1)、pH改良アルカリ化剤を含有する実施例7のIR(IR=即放)錠剤、30mg、絶食状態および食後状態
・処置(T2,F2)、pH改良アルカリ化剤を含有する実施例8のIR(IR=即放)錠剤、75mg、絶食状態および食後状態
・処置(R)、実施例6のIR(IR=即放)カプセル剤を2つ(参照):2×75mg(150mg)、食後状態
・処置(T3,F3)、pH改良アルカリ化剤を含有する実施例8のIR(IR=即放)錠剤を2つ、2×75mg(150mg)、絶食状態および食後状態
Figure 2013544271
上記の表のPKパラメータは、エリノグレルを高脂肪食事とともに投与したとき、すべての用量のFMI錠剤で食物の効果が観察されたことを示す。
食物の効果を評価するため、各用量レベルでの食後対絶食時のPKパラメータの幾何平均比およびその90%CIを以下の表29に示したとおりに推定した。
Figure 2013544271
Figure 2013544271
高脂肪食事では、30mg、75mgおよび150mg用量のエリノグレルのCmaxが、それぞれ、58%、36%および48%減少した。高脂肪食事では、30mg、75mgおよび150mg用量のエリノグレルのAUCが、それぞれ、44〜52%、14〜18%および29〜30%減少した。
薬物物質多形体Dでは有意なマイナスの食物の効果が観察される。
実施例17:薬物動態試験2
この試験では、健常な男性および女性の被験体において非盲検無作為化5処置の単一用量5期クロスオーバー設計を使用した。合計50名の被験体を登録することを計画し、5つの処置シーケンスのうちの1つを受けるように無作為化し、すべての処置期を完了させるのにおよそ40名の被験体が必要とされた。合計43名の被験体を登録し、37名の被験体が試験を完了した。
各被験体を、スクリーニング期間(投与の21日前から投与の2日前まで)、各期間のためのベースライン来院(用量投与の少なくとも12時間前)、および単一用量処置期に参加させた。各処置期は、投与日および投与後72時間までのPK評価期間で構成した。試験終了時評価は、第5期後または早期終了時に完了した。各用量投与の間に少なくとも5日間のウォッシュアウト期間を設けた。このウォッシュアウト期間は、エリノグレルの半減期(平均範囲値:9〜16時間)ならびにエリノグレルに関連する被験体間および被験体内の既知の薬物動態学的ばらつきに基づいたものとした。
被験体はすべて、以下の5つの処置を無作為の順序で受けるように計画した。
・処置T1(バリアント001):pH改良アルカリ化剤を含むIR(即放)錠剤,150mg
・処置T2(バリアント002):腸溶コーティング錠剤,150mg
・処置T3(バリアント003):標準的なIR錠剤,150mg
・処置T4(バリアント004):IRカプセル剤,Portola MFカプセル処方物にかなりの程度まで適合,2×75mg
・処置R(参照):Portola MFカプセル処方物、2×75mg
5処置のRussell「nearly」balanced Latin Square設計を使用し、ドロップアウト被験体を補うためのより良好な堅調性を得た。被験体を、この5つのRussell「nearly」balanced Latin Squareシーケンスのうちの1つに同数で無作為化した。適格被験体を、表30において以下に示した以下の処置シーケンスのうちの1つに無作為化した。
Figure 2013544271
Figure 2013544271
各ベースライン(−1日目)では、被験体に一晩(投与前の少なくとも10時間)絶食するように求め、投与後4時間まで絶食を継続させた。薬物動態学的評価を行ない、投与前(0時間,1日目)に開始し、投与後72時間まで継続した。被験体は、PK試料収集のため投与前の少なくとも12時間から投与後の少なくとも24時間まで会場内に留め、その後、試験施設を退去させた。安全性評価を投与後48時間まで行なった。次いで、残りのPK試料(すなわち、投与の48時間後および72時間後の試料)収集期間を完了させるために、被験体に次の2日間の朝、試験施設に戻るように求めた。
最後の処置期での72時間薬物動態検査用血液採取後、または早期終了の場合、試験完了評価を行なった。
・pH改良アルカリ化剤を含有する米国特許出願第61/294,385号(WO/2011/088152も参照のこと)に記載の実施例12の即放錠剤での処置,150mg、絶食状態
・pH改良アルカリ化剤を含有していない米国特許出願第61/294,385号(WO/2011/088152も参照のこと)に記載の実施例13の即放錠剤での処置,150mg、絶食状態
・米国特許出願第61/294,385号(WO/2011/088152も参照のこと)に記載の実施例2のIRカプセル剤での2回の処置,2×75mg(150mg)、絶食状態
・実施例6のIRカプセル剤での2回の処置(参照):2×75mg(150mg)、絶食状態
Figure 2013544271
Tmax(中央値を示している)以外は、すべてのパラメータについて平均およびSDを示している
T1=pH改良剤を有するIR錠剤(150mg)、T2=腸溶コーティング錠剤(150mg)、T3=IR錠剤(150mg)、T4=Novartis IRカプセル剤(2×75mg)、R=Portola MFカプセル剤(2×75mg)。
参照(R)カプセル処方物では、単一経口用量の投与後、最も高い曝露が得られた。
PKパラメータの統計分析のため、試験/参照比の推定値および関連する90%信頼区間を計算した。統計学的比較を以下の表2に示す。
PKパラメータの統計学的比較
pH改良剤を有する単一150mg用量のエリノグレルIR錠剤、即放(IR)錠剤、腸溶コーティング錠剤、IR錠剤、Novartis IRカプセル剤およびPortola MFカプセル処方物の経口投与後のエリノグレルのPKパラメータの統計学的比較
Figure 2013544271
T1=pH改良剤を有するIR錠剤(150mg)、T2=腸溶コーティング錠剤(150mg)、T3=IR錠剤(150mg)、T4=Novartis IRカプセル剤(2×75mg)、R=Portola MFカプセル剤(2×75mg)。
幾何平均比に基づくと、pH改良剤を有するIR錠剤でのエリノグレルの相対バイオアベイラビリティは、単一経口用量の投与後のPortola MFカプセル処方物に最も近かった。
Figure 2013544271
エリノグレルのカリウム塩の多形のB形態、A形態およびD形態に関するヒト試験での薬物動態学的効果の比較
エリノグレルのカリウム塩の種々の多形体間で観察された150mg用量のバイオアベイラビリティ(AUC)には約2倍の範囲が存在する(AUC[ngh/ml]多形体A:17000,B:27590およびD:35227)。したがって、多形形態は、薬物のバイオアベイラビリティに対して強い影響を有する。熱力学的に最も安定な多形体Dが3種類の多形体のうちで最も高い溶解度、また最も高いバイオアベイラビリティを有することは自明ではない(MADHU PUDIPEDDI,ABU T.M.SERAJUDDIN,JOURNAL OF PHARMACEUTICAL SCIENCES,VOL.94,NO.5,MAY 2005 第929頁)。
熱力学的に最も安定な多形体である本発明によるエリノグレルカリウム塩の多形体Dでは、エリノグレルカリウム塩の多形体AおよびBと比べて高いバイオアベイラビリティがもたらされる。バイオアベイラビリティは、ヒトでの試験においてバイオアベイラビリティ試験実施のためのFDAガイドラインに従って測定される。エリノグレルカリウム塩の多形体Dの曲線下面積(AUC)では、エリノグレルカリウム塩の他の多形体と比べて、少なくとも5%大きいAUC、または少なくとも10%大きいAUC、または少なくとも15%大きいAUCが得られる。
本明細書において挙げた刊行物および特許出願はすべて、引用により、個々の各刊行物または特許出願があたかも具体的に個々に示されて引用により組み込まれているのと同程度に本明細書に組み込まれる。前述の発明は、例示および一例として明白な理解の目的のために一部詳細に説明したが、本発明の教示に鑑みると添付の特許請求の範囲の精神または範囲から逸脱することなく一定の変更および修正が本発明に対して行なわれ得ることは当業者に容易にわかるであろう。

Claims (38)

  1. 構造式(I):
    Figure 2013544271
    を有する結晶性無水形態の化合物[(5−クロロチオフェン−2−イルスルホニルカルバモイル)−(4−(6−フルオロ−7−(メチルアミノ)−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)フェニル)アミドのカリウム塩。
  2. 以下の特徴:
    (a)11.2、15.8、および26.4度(2θ)(±0.2度)にピークを有する粉末X線回折パターン(CuKα λ=1.54059Å)、または実質的に図1に示されたものに従う粉末X線回折パターン;
    (b)示差走査熱量測定(DSC)での融解後、約324℃の開始温度での分解、または実質的に図2に示されたものに従う示差走査熱量測定のサーモグラム(DSC);
    (c)3427、1716、1637、1514および1240cm−1にバンドを有するFT−IRスペクトル、または実質的に図3に示されたものに従うFT−IRスペクトル;
    (d)1216、1176、699、343および133cm−1にバンドを有するFT−ラマンスペクトル、または実質的に図4に示されたものに従うFT−ラマンスペクトル;ならびに
    (e)13C固体NMRで特性評価したとき、約165.7、152.3、146.4、141.2、130.2、および112.8ppm(±0.2ppm)におけるシフト
    のうちの少なくとも1つを有することを特徴とする、請求項1に記載の結晶性形態。
  3. (i)11.2、15.8、および26.4度(2θ)(±0.2度)(CuKα λ=1.54059Å)にピークを有する;または
    (ii)11.2、15.8、17.2、19.1、24.8、25.6、26.4、28.8、29.4および32.0度(2θ)(±0.2度)にピークを有する(CuKα λ=1.54059Å);または
    (iii)本質的に図1に示されたとおりである
    粉末X線回折パターンを特徴とする、請求項1に記載の結晶性形態。
  4. (a)3427、1716、1637、1514および1240cm−1にバンドを有する;または
    (b)1715、1632、1421、1313、1216、1176、919、699、343および133cm−1にバンドを有する;または
    (c)実質的に図4に示されたものに従う
    FT−ラマンスペクトルを特徴とする、請求項1に記載の結晶性形態。
  5. (a)13C固体NMRで特性評価したとき、165.7、152.3、146.4、141.2、130.2、および112.8ppm(±0.2ppm);または
    (b)13C固体NMRで特性評価したとき、約165.7、152.3、146.4、141.2、130.2、112.8、101.0、97.0、および31.4ppm(±0.2ppm)
    におけるシフトを示す、請求項1に記載の結晶性形態。
  6. 99、95、90、85、80、75、70または65%の純度の請求項1〜5のいずれか1項に記載の結晶性形態。
  7. 前述の請求項のいずれか1項に記載の結晶性形態、および1種類以上の薬学的に許容され得るキャリアまたは賦形剤を含む、薬学的組成物。
  8. さらなる治療用薬剤を含む、請求項7に記載の組成物。
  9. 血小板ADP受容体の阻害、特にP2Y12の阻害と関連している状態または障害の処置または予防における使用のための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の結晶性形態または請求項7もしくは8に記載の薬学的組成物。
  10. 血小板ADP受容体の阻害、特にP2Y12の阻害と関連している状態または障害の処置または予防のための医薬の製造のための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の結晶性形態または請求項7もしくは8に記載の薬学的組成物の使用。
  11. 血小板ADP受容体の阻害、特にP2Y12の阻害と関連している状態または障害の処置または予防のための方法であって、処置または予防を必要とする被験体に、治療有効量の請求項1〜6のいずれか1項に記載の結晶性形態または請求項7もしくは8に記載の薬学的組成物を投与する工程を含む、方法。
  12. (a)20〜30℃の温度で、2.1〜2.5モル当量の塩基を含む塩基の水性溶液を、式(II):
    Figure 2013544271
    の酸の水中懸濁液に添加する工程であって、ここで、該懸濁液は、最初は20〜30℃の温度である、工程;
    (b)得られた溶液を40〜50℃の温度まで加熱する工程;
    (c)得られた溶液を40〜50℃の温度で濾過する工程;
    (d)40〜50℃の温度で、メタノールまたは50〜90%w/wのメタノール/水混合物を添加し、過飽和溶液を形成する工程;
    (e)少なくとも2時間にわたって、工程(a)で使用した塩基の量より1モル当量少ない量を含む水性酸性溶液を該過飽和溶液に添加する工程であって、ここで、該酸は3〜6の範囲のpKaを有するものであり;温度を40〜50℃の温度に維持する、工程;
    (f)得られた懸濁液を40〜50℃の範囲の温度から20〜30℃の範囲の温度まで少なくとも1.5時間にわたって冷却する工程;
    (g)工程(f)の最後に得られた結晶を分離して洗浄する工程;
    (h)および任意選択で、該結晶を乾燥させる工程
    を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の結晶性形態を調製するのためのプロセス。
  13. 固体薬学的組成物であって、
    a)該薬学的組成物全体の総重量に対して少なくとも約15重量%の式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩(例えば、カリウム塩)、および
    b)少なくとも1種類の薬学的に許容され得るキャリア
    を含む、固体薬学的組成物。
  14. 固体薬学的組成物であって、
    a)該薬学的組成物全体の総重量に対して約15重量%〜約90重量%の式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、および
    b)少なくとも1種類の薬学的に許容され得るキャリア
    を含む、固体薬学的組成物。
  15. 前記キャリアが、アルカリ化剤、崩壊剤、結晶化インヒビター、可溶化剤、充填剤、ポリマー、滑剤および滑沢剤からなる群より選択される、請求項13または14に記載の固体薬学的処方物。
  16. 前記アルカリ化剤が、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムおよびその組合せからなる群より選択される、請求項13〜15のいずれか1項に記載の固体薬学的処方物。
  17. 前記アルカリ化剤が約8重量%〜約90重量%の量で存在している、請求項13〜16のいずれか1項に記載の固体薬学的処方物。
  18. 前記アルカリ化剤が約11重量%の量で存在している、請求項13〜17のいずれか1項に記載の固体薬学的処方物。
  19. 前記崩壊剤が、クロスカルメロース、デンプングリコール酸ナトリウムおよびクロスポビドンからなる群より選択される、請求項13〜18のいずれか1項に記載の固体薬学的処方物。
  20. 前記崩壊剤がクロスポビドンである、請求項13〜19のいずれか1項に記載の固体薬学的処方物。
  21. 請求項13〜20のいずれか1項に記載の固体薬学的処方物であって、前記崩壊剤が薬学的組成物全体の総重量に対して少なくとも約2.5重量%からの量で存在している、固体薬学的処方物。
  22. 請求項13〜21のいずれか1項に記載の固体薬学的処方物であって、前記崩壊剤が薬学的組成物全体の総重量に対して少なくとも約2.5重量%〜約6重量%の量で存在している、固体薬学的処方物。
  23. 前記結晶化インヒビターが、ポリ(ビニルピロリドン)およびヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群より選択される、請求項13〜22のいずれか1項に記載の固体薬学的処方物。
  24. 前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースが約5cPの粘度を有する、請求項13〜23のいずれか1項に記載の固体薬学的処方物。
  25. 前記ポリ(ビニルピロリドン)がPVP K30である、請求項13〜24のいずれか1項に記載の固体薬学的処方物。
  26. 請求項13〜25のいずれか1項に記載の固体薬学的処方物であって、前記結晶化インヒビターが薬学的組成物全体の総重量に対して少なくとも約3重量%からの量で存在している、固体薬学的処方物。
  27. 請求項13〜26のいずれか1項に記載の固体薬学的処方物であって、前記結晶化インヒビターが薬学的組成物全体の総重量に対して少なくとも3重量%〜約11重量%の量で存在している、固体薬学的処方物。
  28. 前記結晶化インヒビターが約4.22重量%からの量で存在している、請求項13〜27のいずれか1項に記載の固体薬学的処方物。
  29. 式(II)の化合物のカリウム塩がA形態、B形態またはポリ−D形態である、請求項13〜28のいずれか1項に記載の組成物。
  30. 前記ポリ−D形態が請求項1〜6のいずれか1項に記載の形態である、請求項29に記載の組成物。
  31. 錠剤またはカプセル剤の形態にある、請求項13〜30のいずれか1項に記載の組成物。
  32. a)固体薬学的組成物を含む、圧縮固体経口投薬形態であって、該固体薬学的組成物は、
    a)該薬学的組成物全体の総重量に対して少なくとも約15重量%の式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩(例えば、カリウム塩)、および
    b)少なくとも1種類の薬学的に許容され得るキャリア
    を含む、圧縮固体経口投薬形態。
  33. 活性薬剤が約50〜300mgの単位投薬量の式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩(例えば、カリウム塩)を含む、請求項32に記載の圧縮固体投薬形態。
  34. 活性薬剤が約75〜100mgの単位投薬量の式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩(例えば、カリウム塩)を含む、請求項33に記載の圧縮固体投薬形態。
  35. 活性薬剤が約150mgの単位投薬量の式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩(例えば、カリウム塩)を含む、請求項33に記載の圧縮固体投薬形態。
  36. 血栓性の状態の処置または予防を必要とする哺乳動物において血栓性の状態を処置または予防する方法であって、該哺乳動物に、有効量の固体薬学的組成物であって、a)該薬学的組成物全体の総重量に対して少なくとも約15重量%の式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩(例えば、カリウム塩)、およびb)少なくとも1種類の薬学的に許容され得るキャリアを含む、固体薬学的組成物を投与する工程を含む、方法。
  37. 式(II)の化合物の溶解を補助する方法であって、組成物において式(II)の化合物に、炭酸カルシウム、酸化マグネシウムおよびリン酸カルシウムからなる群より選択されるアルカリ化剤;クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウムおよびクロスポビドンからなる群より選択される崩壊剤;ならびに任意選択で、ポリ(ビニルピロリドン)およびヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群より選択される結晶化インヒビターを、該薬学的組成物全体の総重量に対して少なくとも約3重量%からの量で供給する工程を含む、方法。
  38. 式(II)の化合物を含む固体薬学的組成物の作製方法であって、
    a)該薬学的組成物全体の総重量に対して少なくとも約15重量%の式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩(例えば、カリウム塩)を、
    b)少なくとも1種類の薬学的に許容され得るキャリアと
    接触させることによる、方法。
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