JP2013543990A - 超疎水性フィルム構造体 - Google Patents

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Abstract

超疎水性フィルム(110)及びかかるフィルムの製造方法を開示する。より詳細には、微小構造化(102)及びナノ構造化(104)された表面を有する超疎水性フィルム、かかるフィルムを用いた構造体、並びにかかるフィルムの製造方法を開示する。
【選択図】図1

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、同時出願され、同一出願人に譲渡された以下の米国特許出願、すなわち「超疎水性フィルム(Superhydrophobic Films)」(代理人整理番号66911US002)、及び「超疎水性フィルム(Superhydrophobic Films)」(代理人整理番号66994US002)に一般的に関するものであり、これらの出願はいずれも本出願にその全容を援用するものである。
(発明の分野)
本明細書は、微小構造化された表面とナノ構造化された表面の両方を有する超疎水性フィルムに関する。本明細書は更に、こうした超疎水性フィルムを利用した構造体、及びこうした超疎水性フィルムの製造方法に関する。
疎水性のフィルム及びコーティング、より詳細には超疎水性のフィルム及びコーティングは、多くの有用な性質のために近年多大な関心を集めている。高度に疎水性の表面は自然界において知られており、恐らく最も広く知られるものとしては、蓮の葉の表面及びセミの羽根の表面がある。蓮の葉は、その疎水性のために、水滴がその表面を転がり落ちる際に汚れの粒子及び破片を流し去ることによる自己洗浄能力を有している。この自己洗浄能力は、現代における多くの用途において望ましい。しかしながら、特定の環境下で長期の使用が可能な自己洗浄型の超疎水性フィルムの製造には困難がともないうる。
本明細書は、例えば屋外などの変化しやすい条件下での耐久性及び耐候性が高く、表面コーティングを施さずとも、浸食作用に曝された後に大きな性能上の問題を生じることなく、極めて効果的に機能する超疎水性フィルムを提供するものである。
一態様では、本明細書は超疎水性フィルムに関する。超疎水性フィルムは、複数の微小構造を有する表面を有する。微小構造のそれぞれは複数のナノ構造を有し、微小構造及びナノ構造はいずれも、その重量の大部分がシリコーンポリマーである材料で形成される。フィルムは、少なくとも150°の水接触角及び10°未満の転落角を有する。
別の態様では、本明細書は、超疎水性フィルムの製造方法に関する。本方法は、フィルムの重量の大部分がポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS)などのシリコーンポリマーであり、その第1の表面上に微小構造を有するフィルムを提供する工程を含む。本方法は更に、金属酸化物ナノ粒子の層を微小構造上に直接塗布する工程を含む。金属酸化物ナノ粒子は、フィルムがエッチングされる際のエッチマスクとして機能し、このエッチングによりフィルム上の微小構造にナノ構造が形成される。
第3の態様では、本明細書は超疎水性フィルムの製造方法に関する。本方法は、第1のフィルムの第1の表面上に微小構造を有する第1のフィルムを提供する工程を含む。本方法は更に、金属酸化物ナノ粒子をエッチマスクとして使用して、微小構造上に金属酸化物ナノ粒子の均一な層を直接塗布し、フィルムをエッチングする工程を含む。このエッチングにより、第1のフィルムの微小構造にナノ構造が形成される。次に、第1のフィルム上にキャスティング材料を堆積させ、キャスティング材料により、少なくとも成形型の一部が第1のフィルムの微小構造及びナノ構造のネガ型である成形型を形成する。成形型にシリコーンポリマーを塗布し、硬化させて第2のフィルムを形成する。第2のフィルムは、剥離された際に少なくとも150°の水接触角及び10°未満の転落角を示す。
最後の態様では、本明細書は超疎水性フィルムに関する。超疎水性フィルムは、複数の微小構造を有する表面を有する。微小構造のそれぞれは複数のナノ構造を有し、微小構造及びナノ構造はいずれも、エラストマーである材料で形成される。フィルムは、少なくとも150°の水接触角及び10°未満の転落角を有する。
超疎水性フィルム構造体の断面図。 本明細書に基づく微小構造の異なる形状を示す図。 本明細書に基づく微小構造の異なる形状を示す図。 本明細書に基づく微小構造の異なる形状を示す図。 ナノ構造化された微小構造の断面図。 超疎水性フィルムを製造するための方法を示す図。 超疎水性フィルムを製造するための方法を示す図。 超疎水性フィルムを製造するための方法を示す図。 超疎水性フィルムを製造するための方法を示す図。 超疎水性フィルムを製造するための方法を示す図。 超疎水性フィルムを製造するための方法を示す図。 超疎水性フィルムを製造するための方法を示す図。 超疎水性フィルムを製造するための方法を示す図。 超疎水性フィルムを製造するための方法を示す図。 水接触角、前進角、及び後退角の測定に関して水滴を示した図。 水接触角、前進角、及び後退角の測定に関して水滴を示した図。 水接触角、前進角、及び後退角の測定に関して水滴を示した図。 水接触角、前進角、及び後退角の測定に関して水滴を示した図。 フィルムの耐久性を試験するための装置を示す図。 超疎水性フィルムの異なる微小構造の分布を示す図。 超疎水性フィルムの異なる微小構造の分布を示す図。 超疎水性フィルムの異なる微小構造の分布を示す図。
超疎水性のフィルム及び表面は、その自己洗浄能力のために多くの用途において非常に望ましい。一般的に、フィルムは、水接触角が140°よりも大きい場合に「超疎水性」であるとみなされうる。超疎水性フィルムは更に、水がフィルムの表面と接触すると水滴となって流れ落ちるため、濡れ性がほとんどないものとして理解することができる。このようなフィルムの更に望ましい性質として、接触角のヒステリシスが低いこと、すなわち、水滴の前進接触角と後退接触角との間の差が小さいことが挙げられてよい。接触角ヒステリシス又は「転落角」が低ければ、水滴はフィルム又は他の構造体の表面をより容易に転がり落ちる。ある構造の表面と接触した水が水滴化する性質と、更に水滴化した水が表面から転がり落ちる性質との組み合わせによって、その表面は「自己洗浄性」となる。
この自己洗浄能力は、現代における多くの用途において望ましい。例えば、自己洗浄型の超疎水性表面は、幾つか例を挙げるだけでも、太陽(光発電)電池の太陽に面する表面、氷結防止用途、腐食防止、結露防止用途、ウインドブレード、交通信号、エッジの封止、防汚用途、並びに自動車、航空機、船舶の走行抵抗低減及び/又は騒音低減、並びに微小流体装置などにおいて有用でありうる。このようなフィルムは、有用な反射防止性も有しうる。したがって、フィルムの表面に蓮の葉の微小構造に似た微小構造化を行うか、フィルムを疎水性の化学コーティングでコーティングするか、又はこれらの組み合わせによって、超疎水性フィルムを製造する試みが行われてきた。残念なことに、これらの試みの多くでは、屋外又は他の過酷な環境において充分な耐久性を有するとはいえないフィルムしか得られていない。このことは、上記のような代表的な用途においてこれらのフィルムが曝される過酷な条件のため特に残念なことである。過酷な使用環境において耐久性を有するフィルムを製造しようするこれらの試みでは、最適な自己洗浄性能にとって必要な高度な超疎水性が得られない場合がある。したがって、本明細書は、例えば屋外での長期使用などの過酷な条件下において高い耐久性及び耐候性を有し、表面コーティングを施さずとも、極めて効果的に機能する超疎水性フィルムを提供することによって、一定の改善を与えるものである。
更に、可視光又は近可視光に対して透明な超疎水性フィルム構造体が、益々多くの用途において必要とされつつある。例えば、太陽電池パネルの前面パネルとして、又はカメラレンズを覆う保護フィルムとして使用される超疎水性フィルムは、効果的に機能するためには透明でなければならない。本明細書において述べられるフィルムは、当該技術分野における他の超疎水性構造体と比較して透明性が向上しているばかりでなく、高い超疎水性能及び向上した耐久性という利点を有する。
本明細書に基づく超疎水性フィルム構造体の一実施形態が図1に示されている。超疎水性フィルム構造体100は、複数の微小構造102を有する超疎水性フィルム110を有している。この特定の実施形態では、微小構造102はプリズムの形状に形成されている。微小構造102のそれぞれの上には、複数のナノ構造104が形成されている。一般的に本明細書においては、微小構造102及びナノ構造104は、その全体又は実質的に全体が同じ材料で構成される。より詳細には、超疎水性フィルム100の微小構造102及びナノ構造104は、いずれもその重量の大部分がシリコーンポリマーである材料で形成することができる。少なくとも一部の実施形態では、シリコーンポリマーはポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS)であり、これにより微小構造及びナノ構造はいずれも、その重量の大部分がPDMSである材料で形成されることになる。より詳細には、微小構造102及びナノ構造104は、その全体又は実質的に全体がPDMSであってよい。例えば、微小構造及びナノ構造は、それぞれ95重量%以上がPDMSであってよい。
一部の実施形態では、例えば、ケイ素原子の一部が、例えばフェニルなどのアリール、例えばエチル、プロピル、ブチル又はオクチルなどのアルキル、例えば3,3,3−トリフルオリプロピルなどのフルオロアルキル、又は例えば2−フェニルプロピルなどのアリールアルキルなどでありうる他の基を有するシリコーンなど、PDMS以外の他のシリコーンポリマーも有用でありうる。シリコーンポリマーは、ビニル、水素化ケイ素(Si−H)、シラノール(Si−OH)、アクリレート、メタクリレート、エポキシ、イソシアネート、無水物、メルカプト、及びクロロアルキルのような反応性基を有してもよい。これらのシリコーンは熱可塑性樹脂であってもよく、あるいは、例えば縮合硬化、ビニル及びSi−H基の付加硬化、又はペンダントアクリレート基のフリーラジカル硬化によって硬化させてもよい。これらのシリコーンは、過酸化物の使用によって架橋してもよい。こうした硬化反応は、熱を加えるか又は化学線によって行うことができる。他の有用なポリマーとしては、ポリウレタン、フルオロエラストマーを含むフルオロポリマー、ポリアクリレート、及びポリメタクリレートが挙げられる。別の実施形態では、少なくとも25°のガラス転移温度を有するポリマーが有用である。少なくとも一部の実施形態では、フィルムはエラストマーであってよい。エラストマーとは、他の材料と比較して顕著に低いヤング率及び高い降伏歪みを一般的に有する粘弾性(又は弾性)ポリマーとして理解することができる。この用語はしばしばゴムという用語と互換可能に使用されるが、架橋ポリマーのことを言う場合には後者が好ましい。
一部の実施形態では、ナノ構造及び/又は微小構造は、1%未満の別の材料、例えば酸化インジウムスズ(ITO)で構成されてもよい。微小構造102及びナノ構造104の少量のITOは、下記に更に述べるように、ナノ構造を作製するために用いられるエッチング工程の残留物でありうる。詳細には、少量のITOは、ITOナノ粒子又はITOナノ粒子の残留物でありうる。ナノ構造をエッチングするために用いられるITOナノ粒子は、エッチングの際の表面領域の被覆に望ましい適当な直径を一般的に有しうる。例えばナノ粒子は、約10nm〜約300nmの平均直径、又はより効果的には約70nm〜約100nmの平均直径を有しうる。下記に更に述べるように、ナノ粒子は、適当なコーティング懸濁液の一部としてエッチマスクとして塗布することができる。一実施形態では、ITOナノ粒子と混合される液体はイソプロパノールでよい。
フィルム又はコーティングがどの程度の超疎水性を有するかを調べるうえで最も重要な2つの測定値として、水接触角及び転落角(又は接触角ヒステリシス)の測定値がある。水接触角は、クルス社(Kruess GmbH)(ドイツ、ハンブルグ)より販売されるVideo Contact Angle System:DSA100 Drop Shape Analysis Systemなどの静的接触角測定装置によって測定することができる。この特定のシステムでは、装置は、デジタルカメラ、自動液体ディスペンサー、及び、水滴の自動的な配置によってハンズフリーの接触角測定を可能とする(その場合、水滴は約5μLのサイズを有する)試料ステージを備えている。水滴の形状が自動的に撮影され、次いでコンピュータ上でDrop Shape Analysisによって分析されて、水の静的接触角、前進接触角、及び後退接触角が求められる。静的水接触角とは、本明細書において述べられ、特許請求されるところの一般的な「水接触角」として一般的に理解することができる。
水接触角は、最も簡単には液体が固体表面と交わる角度として理解することができる。図6aに示されるように、フィルム610aの表面の疎水性がそれほど高くない場合には、水滴601aは表面上で平たく押し潰れる。水滴の縁に沿った水滴の交点から接線603aを引くことができる。接触角θC1は、この接線603aと、水滴601aとフィルム610aとの界面の平面との間の角度である。図6aは、表面に沿って水滴化せず、したがって、接触角θC1が90°よりも大幅に小さい水滴を示している。これに対して、図6bのフィルム610bは疎水性である。このため、水滴601bは、より大きな水滴化作用を受けて表面から弾かれている。したがって、水滴の縁に沿った接線603bは水滴から遠ざかる角度となっており、90°よりも大きい、場合により140又は150°の接触角θC2が得られる。
「転落角」又は「接触角ヒステリシス」とは、前進水接触角と後退水接触角との間の差として定義される。前進水接触角及び後退水接触角は、静的状態だけではなく、動的状態にも関係している。図6cを参照すると、前進水接触角θCAは、水滴601cに更なる量の水611cを加えることによって測定される。更に水が加えられると、水滴の体積が増して水接触角も大きくなる。臨界体積に達すると、水滴表面とフィルムとの交点が外側に跳ねて、水滴601cは形状613cを有する水滴へと形が変わり、水滴とフィルム表面との交点は、位置621cから位置623cへと移動する。水接触角θCAは、交点が跳ねる直前の水滴の角度である。同様に、水後退角が図6dに示されている。この図では、より体積の大きな水滴から水611dがゆっくりと除去されている。最初の水滴601dの表面は、位置621dにおいてフィルム610dと交差している。所定の体積において、この交点は位置623cに跳ねる。このように水滴が跳ねる直前の水滴の縁を辿る接線603dによって、後退水接触角θCRが規定される。
金属酸化物ナノ粒子によるマスキングの後に、シリコーンポリマー(例えばPDMS)微小構造のエッチングを行うことにより、極めて高度な疎水性かつ耐久性を示す共通の材料の微小構造化及びかつナノ構造化された表面が得られる。例えば少なくとも1つの実施形態において、本明細書のフィルムは、少なくとも150°の水接触角を示す。フィルムは更に、10°未満の転落角(又は接触角ヒステリシス)を示しうる。一部の実施形態では、フィルムは少なくとも160°の水接触角を示し、他の実施形態では、フィルムは少なくとも170°の水接触角を示す。175°を上回る水接触角を得ることも可能である。転落角は、10°未満、又は7.5°未満若しくは5°未満でありうる。転落角は、2°未満、又は1°未満ともなりうる。一部の実施形態では、本明細書に基づくフィルムの水接触角の低下は、砂落下試験のような過酷な耐久性試験を行った場合に、20°以下、又は10°未満、又は5°未満、又は場合によっては3°未満でありうる。
多くの超疎水性フィルム構造体では、超疎水性はフィルムの表面に塗布された低表面エネルギーのコーティングによって生じる。表面に超疎水性を与える別の方法は、大きな水接触角及び小さい転落角(又は接触角ヒステリシス)を与えうる表面構造を形成することによるものである。疎水性を更に高めるには、しばしば、平坦に構造化されたフィルムにおいて何らかの低表面エネルギーのコーティングが用いられる場合がある。本明細書の微小構造及びナノ構造の両方に用いられる材料の特有の性質、並びにこれらの材料の性質を補うために用いられるエッチマスクの種類を組み合わせることにより、本明細書のフィルムは、低表面エネルギーのコーティングを施す必要なくして、極めて高い超疎水性を有しうる構造化表面を与えるものである。しかしながら、本明細書のフィルムの微小構造化及びナノ構造化された表面上に低表面エネルギーのコーティングを設けることが有用である場合もある。したがって、恐らく水接触角が180°に近づくような更に高い超疎水性を実現するためには、場合により低表面エネルギーのコーティング108を微小構造102及びナノ構造104上に塗布することができる。しかしながら、上記に述べたように、本明細書で検討されるフィルムの材料特性及び構造上の組成により、こうしたコーティングがなくとも高い超疎水性が与えられる。本明細書に基づく微小構造及びナノ構造の特定のサイズ及び形状の特徴は、下記に更に述べる図3のナノ構造化された微小構造を参照することによって理解することができる。
本明細書に述べられるフィルムの極めて高い超疎水性能以外にも、他の有用な性質を得ることができる。例えば、本明細書に述べられる微小構造化及びナノ構造化されたシリコーンポリマーフィルムは反射性が極めて低くてもよく、したがって高い透過率を示しうる。これは、フィルムが太陽電池に適用される用途、又は自己洗浄性若しくは氷結防止性のためにフィルムが使用されるあらゆる種類の窓又は光透過性が求められる用途において、極めて有用な性質である。本明細書において述べられるフィルムは、入射光の5%未満を反射し、更に入射光の2%未満を反射するものとすることができる。一部の用途では、フィルムに入射する光のわずかに約1%が反射される。
図1にはプリズム形状の微小構造102が示されているが、超疎水性フィルム100には多くの異なる微小構造の形状が考えられる。例えば、図2a〜cに示されるように、微小構造は図200aに示されるようなプリズム形状であってもよく、図2bのフィルム200cに示されるようなマイクロレンズであってもよく、図2cの走査電子顕微鏡像に示されるようなサメの皮膚を模倣したパターンであってもよく、又は他の任意の数の適当な形状であってよい。これらの微小構造の形状及びパターンのそれぞれにおいて、ナノ構造が微小構造内に形成されて超疎水性フィルムを形成する。
より一般的には、1、2、又は3次元で変化する微小構造を形成することができる。これについては、図8a〜cを参照することによってより深い理解を得ることができる。例えば、図8aでは、微小構造は、セグメント化されることなく、垂直方向890に沿った同じ高さにおいてフィルムの長さ880にわたって同様に延びる構造でありうる。しかしながら、フィルムの幅870にわたる方向、又は第1の寸法にわたる方向では、フィルムは異なる個別の微小構造にセグメント化されている。更に、図8bに示されるように、微小構造は2つの方向において変化しうる。例えば図8aに示されるように、構造はフィルムの幅870に沿ってセグメント化されるだけでなく、フィルムの長さ880(又は第2の寸法)に沿ってセグメント化されてもよい。その場合、個別のプリズムが両方の軸に沿って配置される。しかしながら、その場合、各構造は、垂直方向(第3の寸法)890においてすべて同じ高さである。最後に、図8cに示されるように、構造はフィルムの幅と長さの両方に沿ってセグメント化されるだけでなく、フィルム全体にわたって垂直方向890(又は第3の方向)に微小構造の高さが変化してもよい。これら3つの状況のいずれにおいても、微小構造は互いに直接隣接してもよく、あるいは平坦なフィルムの一定部分により間隔をあけて設けられてもよい。微小構造は、3次元のいずれにおいても、直線状、湾曲状(球面状、半球面状、又は放物面状)、又は他の幾何形状の任意の組み合わせを有しうる。例えば、微小構造は、平坦なフィルムの一部から突出する一連の円柱とすることもできる。
本明細書のフィルムの微小構造102がプリズムである場合、一実施形態では、各プリズムの頂点の角度θ(又はプリズムの2個のファセット面の間の角度)は90°であってよい。各プリズムは二等辺三角形であるため、2個のファセット面がフィルムの平面と交差する点の角度は、45°の角度となる。他の実施形態では、頂点の角度は90°より大きい場合も小さい場合もある。例えば頂点の角度は、90°〜100°、又は80°〜90°でありうる。一実施形態では、頂点の角度は70°〜80°でありうる。例えば頂点の角度は、約74°〜76°、場合により約74°でありうる。この特定の実施形態では、角錐の各ファセット面の、フィルムの平面に対する角度θFACは、53°である。プリズムの頂点の角度について選択される特定の角度により、下記に更に述べるように、微小構造の表面上にナノ粒子をより効果的に分配することが可能である。
再び図1を参照すると、多くの実施形態では、超疎水性フィルム110を基板106上に配置することができる。基板は、任意の数の適当な材料で形成することができる。例えば、一部の実施形態では、基板106は微小構造102及びナノ構造104と同じ材料で形成することができる。このような実施形態では、基板は、その重量の大部分がシリコーンポリマーである材料であってよい。例示的な一実施形態では、基板はPDMSで形成することができる。他の例示的な実施形態では、基板は、ポリイミド又はより一般的に用いられる基板で形成することができる。詳細には、ガラス、金属、又はプラスチック基板、及びシリコンウェーハなどの他の適当な代替材料が適当でありうる。
図3の微小構造を参照することにより、本明細書に基づく超疎水性フィルムの微小構造及びナノ構造の構造のより深い理解を得ることができる。この場合、微小構造302はプリズム形状である。しかしながら他の実施形態では、微小構造は、用途に応じて、レンズ、サメの皮膚様構造、又は他の任意の数の適当な形状とすることができる。一般的に微小構造310は、約0.15マイクロメートル〜約1,000マイクロメートルの高さ320を有しうる。一部の実施形態では、微小構造の高さ320は、1マイクロメートル〜500マイクロメートルでありうる。隣り合う微小構造同士は、約0.15マイクロメートル〜約1000マイクロメートルの距離をおいて設けることができる。微小構造は、約0.15マイクロメートル〜約1,000マイクロメートル、より狭い場合には約1マイクロメートル〜約500マイクロメートルの底面の幅を有しうる。
本明細書の図に示されるような多くの実施形態は、互いに直接隣接した微小構造を有してよく、その場合、1つの微小構造の底面は隣の微小構造の底面と直接接触する。しかしながら、微小構造同士は更に間隔をあけて設けられてもよく、その場合、各微小構造のファセット面同士は接触せず、例えば平坦であってよいフィルム表面の部分によって間隔をあけて設けられることは理解されるはずである。各微小構造の間に配されるこうしたフィルム表面もその表面上にナノ構造を有しうる。実際、隣接する微小構造の平均の頂点−頂点間の距離が微小構造の平均の高さの最大で約5倍となるようなスペースが、各微小構造間に存在してもよい。
ナノ構造304は微小構造302内又は微小構造302上に形成され、微小構造の表面の大部分を覆わなければならない。ナノ構造304は、微小構造302に対して正しい縮尺で示されてはいない点に注意されたい。ナノ構造304は一般的に、約5nm〜約250nmの平均の幅340を有しうる。ナノ構造304は一般的に、約10nm〜約1000nm、場合により約100nm〜約1000nmの平均の高さ330を有しうる。したがって、ナノ構造304は、多くの用途において高いアスペクト比を有するものとして理解することができる。一部の実施形態では、ナノ構造は、少なくとも約1:1、又は少なくとも約2:1、又は少なくとも約3:1、又は少なくとも約4:1、又は少なくとも約5:1、又は少なくとも約6:1の平均のアスペクト比を示す。一部の実施形態では、ナノ構造の少なくとも一部のものが、上記のような高いアスペクト比を有するが、より大きなサイズを有してもよい。例えばナノ構造は、ナノ構造が配置される微小構造の幅の約1/5の幅のものとすることができる。
異なる一態様において、本明細書は超疎水性フィルムの製造方法に関する。このような方法の特定の一実施形態を図4a〜dに示す。本方法の第1の工程は、図4aに示されるようなフィルム410を提供することである。フィルムはその重量の大部分をシリコーンポリマーで形成することができ、多くの実施形態では、その重量の大部分をPDMSとすることができる。フィルムは、フィルムの第1の表面上に複数の微小構造402を有している。図4aでは、微小構造402はプリズムとして示されている。しかしながら、例えば図2b〜cに示されるマイクロレンズ及びサメの皮膚様形状/パターン(すなわち、サメの皮膚を模倣したパターン)のような、任意の数の適当な微小構造402及び微小構造のパターンが考えられる。更に、図8a〜cに関して上記で説明したように、マイクロプリズム、マイクロレンズ、又は他の任意の形状のいずれかを3つの次元において変化させることができる。
超疎水性フィルムの製造方法における次の工程では、図4bに示されるように、微小構造402上に直接、金属酸化物ナノ粒子412の層を塗布することを行う。塗布方法としては、ロールコーティング、ディップコーティング、及びスプレーコーティングを挙げることができる。少なくとも一部の実施形態では、金属酸化物ナノ粒子は、酸化インジウムスズ(ITO)ナノ粒子である。しかしながら、幾つか例を挙げるだけでも、ZrO、CeO、Al、又はTiOなどの他の金属酸化物も考えられる。金属酸化物ナノ粒子は、結合材又はコーティング懸濁液の一部として塗布することができる。例示的な一実施形態では、金属酸化物粒子412は、イソプロパノールを含んだコーティング懸濁液414に懸濁される。コーティング懸濁液中、金属酸化物粒子は、コーティング懸濁液の重量にして約0.1%〜約2%を一般的に構成する。多くの実施形態において、構造化表面に粒子を効果的に塗布することは、主として粒子412の均一性を実現することが困難であることにより、困難である。詳細には、図4bのフィルム410のようなフィルムでは、粒子412は構造化表面の谷間416に溜まりやすい。このような問題に対処するには、コーティング法、処理条件、若しくは組成を調整するか、又はコーティング懸濁液に界面活性剤若しくは分散剤を加えることが有用でありうる。しかしながら、依然としてこのような均一性の問題は存在する。金属酸化物、特にITOで構成されるナノ粒子は、コーティング懸濁液中の粒子の間隔をあけるために相当量の分散剤又は界面活性剤を加えずとも、微小構造402を高い均一性でコーティングすることができることは、本明細書のフィルム及び方法の大きな利点の1つである。この効果は、PDMSの低い表面エネルギーのためにより一層重要である。このような低い表面エネルギーは、いかなる種類の均一性を有する粒子によってもPDMSの表面をコーティングすることを一般的に困難とするものである。しかしながら、金属酸化物とPDMS、特にITOとPDMSとの間の相互作用の性質のため、金属酸化物ナノ粒子は、微小構造に沿って均一性の高いコーティングを与える。例示的な実施形態では、ITOナノ粒子は約10nm〜約300nmの平均直径を有する。少なくとも一部の実施形態では、酸化インジウムスズナノ粒子は、約70nm〜約100nm、場合により約75nm〜約95nmの平均直径を有しうる。
金属酸化物ナノ粒子の均一な層をフィルムに塗布した後の次の工程を、図4bに示す。この工程では、図4bからの金属酸化物ナノ粒子412をエッチマスクとして使用して、フィルムをエッチングすることを行う。このエッチング工程により、金属酸化物ナノ粒子の一部又は全部がエッチングにより除去され、エッチマスクによって覆われていない表面領域内のフィルム410の微小構造402がエッチングされる。エッチングの結果、複数のナノ構造404が、微小構造402の表面内(又は解釈の仕方によっては表面上)に形成される。多くの公知のエッチング技術をこのエッチング工程に使用することができる。具体的にはこのエッチング工程では、酸浴又は現像液中に入れるなどの任意の数のウェットエッチング技術を行うことができる。レーザーアブレーション又はイオンビームミリングなどのドライエッチング技術を使用することもできる。このエッチング工程において特に有用なエッチング法の1つに、反応性イオンエッチングがある。
微小構造の表面上に均一に粒子を分配又は分散する目的で、金属酸化物ナノ粒子をPDMS表面と組み合わせることの有益な性質以外に、酸化インジウムスズナノ粒子はエッチングにおける他の望ましい性質も示す。例えば、酸化インジウムスズナノ粒子などの金属酸化物ナノ粒子は一般的に、フィルムに使用されるシリコーンポリマー材料(例えばPDMS)よりも実質的に遅い速度でエッチングされる。このため、マスクは、エッチング液が微小構造化された表面内部に深く浸食する一方で定位置に留まる。例えば、エッチングされたナノ構造は、約10nm〜約1000nm、場合により約100nm〜約1000nmの高さを有しうる。このように大きなエッチ速度の比により、更に、図3の物品の説明に関して述べたように、4:1、5:1、6:1、又はそれよりも大きい、高いアスペクト比のナノ構造も可能となる。このようなナノ構造404のアスペクト比は、製造されるフィルムが最終的に獲得する超疎水性能に寄与するものである。疎水性構造又は他の任意の種類の微小構造又はナノ構造を形成するために、フィルムの表面内に構造をエッチングする非常に多くの用途において、エッチマスクとして二酸化ケイ素粒子がしばしば用いられる。本明細書では、二酸化ケイ素をエッチマスクとして使用することは検討しない。
最後の任意に行われる工程として、図4dに示されるように、低表面エネルギーのコーティング408をフィルム410の微小構造402及びナノ構造404に塗布することができる。低表面エネルギーのコーティングとは、平坦な表面上で110°よりも大きい水接触角を有するコーティングとして一般的に理解することができる。しかしながら上記に述べたように、このようなコーティングは、高い超疎水性能を実現するうえで必要ではない。使用可能な例示的な低表面エネルギーのコーティング材料としては、幾つか例を挙げるだけでも、ヘキサフルオロプロピレンオキシド(HFPO)、又はアルキルシラン、アルコキシシラン、アクリルシラン、ポリヘドラルオリゴメリックシルセスキオキサン(polyhedral oligomeric silsequioxane)(POSS)及びフッ素含有オルガノシランなどのオルガノシランなどの材料を挙げることができる。フィルムの超疎水性を更に高めるために、他の多くの適当な低表面エネルギーコーティングを使用することもできる。当該技術分野では周知の具体的なコーティングの例は、例えば米国特許出願公開第2008/0090010 A1号、及び同一出願人に譲渡された米国特許出願公開第2007/0298216号に見ることができる。微小構造及びナノ構造にコーティングが塗布される場合、コーティングは、スパッタリング、蒸着、スピンコーティング、ディップコーティング、ロールツーロールコーティング、又は他の任意の数の適当な方法などの任意の適当なコーティング法によって塗布することができる。
本明細書のフィルムは、図5a〜eに示されるようなある種の複製方法によって製造することも可能である。本明細書の方法では、図4a〜cの各工程を繰り返す。すなわち、微小構造化されたシリコーンポリマーフィルム410を提供し、金属酸化物ナノ粒子の均一な層を微小構造に塗布する。次いでフィルムをエッチングすると、微小構造にナノ構造が形成されたフィルムが得られる。この工程の後のフィルム510を、微小構造502及びナノ構造504とともに図5aに示す。この方法の次の工程では、キャスティング材料520を第1のフィルム510上に堆積させる。次いで得られたキャスティングを剥離して、図5cに示される成形型530として使用する。成形型530は、第1のフィルム510の微小構造及びナノ構造のネガ型として形成される。成形型は、ある種のポリマー材料で形成することができる。しかしながら他の実施形態では、成形型は、例えばニッケルなどの適当な金属で形成される。次に図5dに示されるように、PDMSなどのシリコーンポリマーを成形型に塗布し、硬化させて第2のフィルム540とする。次いで図5eに示されるように、第2のフィルム540を成形型530から剥離する。第2のフィルム540は、少なくとも150°の水接触角及び10°未満の転落角を示しうる。第2のフィルムは更に、少なくとも160°、又は少なくとも170°、又は少なくとも175°の水接触角を示してもよい。第2のフィルム540も、5°以下の転落角を示してもよい。
図5a〜5eに述べられる方法は、「複製」による製造として理解することができる。このような方法では、製造効率を高める目的でネガ型及びマスターを作製することができる点は理解されるはずである。これにより、第2のフィルム540は、上記の機能の代わりに、ネガ型、及び最終的にはPDMSの微小構造化かつナノ構造化された超疎水性フィルムを作るための「マスター」としても機能しうる。このような状況では、マスターは、必要な構造の形状に成形することが可能な材料で形成することができる。ニッケルなどの金属が好ましく用いられうる。本明細書において述べられる複製プロセスの目的では、「成形型」は、一次型530、又は一次型から成形される二次マスター型、すなわち「娘型」であってもよい点は更に理解されるはずである。上記に述べたように、当該技術分野では、フィルム表面を構造化し、かつ/又はフィルムの表面に低表面エネルギーのコーティングを塗布することによって、多くの超疎水性構造体が製造されている。本明細書のフィルムの先行技術からの主な改良点の1つとして、フィルムが示す耐久性がある。環境要素への曝露にフィルムが耐える能力を測定するには、環境要素のシミュレーションを与える試験条件設定にフィルムを曝露することが有効である。このようなシミュレーションを行うための標準的な手法の1つに、落下砂試験又は落下砂曝露試験と呼ばれるものがある(ASTM規格D 968号に示される)。フィルムの表面から所定の距離及び角度で所定の時間にわたって所定の量の砂を落下させることによって、本明細書に基づくフィルムの耐久性を試験した。図7は、砂を落下させることによってフィルムを試験するために使用される装置700の概略図である。例示的な一試験においては、1kgの標準化された砂をリザーバ731に入れる。リザーバ731は、第1の連結手段741によって支持梁部材745に連結されている。所定量の砂が、リザーバ731から管733内に常に流れ込む。砂は管733内で90cmの距離763だけ落下する。この後、安定した砂の流れは管出口735において管733を出て、フィルム751に向かって落下する。フィルム751が、砂の流れの下にフィルム支持構造747によって動かないように配置されている。フィルム支持構造も、第2の連結手段749により支持梁部材745に固定することで定位置に配置することができる。フィルム支持構造747は、フィルムの面が砂の流れの主方向に対して45°の角度となるように、フィルムを位置決めしている。したがって、図7を参照すると、角度θは45°である。フィルム751上の主接触点は直径2cmの管出口735から所定の距離753の位置に配置されている。この試験では、距離753は25mmである。
上記に詳しく述べたようにして行われる「落下砂」試験は一般的に、フィルム、特に微小構造化及び/又はナノ構造化されたフィルムの表面を大きく摩耗させる。そのため、試験を通過しなければならない当該技術分野における最も超疎水性が高いフィルム構造体は、フィルムの表面上の構造に顕著な劣化を生じることが予想される。これは、必然的に疎水性の低下をもたらす(すなわち、小さい水接触角及び大きい転落角となる)。本明細書によれば、フィルム上の微小構造及びナノ構造の両方の材料としてシリコーンポリマーを用いることにより、また、少なくとも一部の実施形態において、具体的には、PDMS、場合により95%のPDMSを含むポリマーを用いることにより、性能の大きな低下をともなわずに、フィルムがこのような曝露に耐えることが可能となることが見出された。
落下砂試験後に超疎水性フィルムの水接触角及び転落角を試験することは、このようなフィルムの耐久性の極めて有効な尺度である。本明細書のフィルムは、落下砂試験への曝露後であっても、145°、又は150°、又は場合により更に160°よりも大きい水接触角を示す。落下砂試験後の転落角は、10°未満又は5°未満でありうる。
このような高度な摩耗に対する曝露後のこの性能の重要性を理解するためには、落下砂試験に対する曝露後の本明細書のフィルムと先行技術の疎水性フィルムとの間の性能の差を示すことが役立つ。適当な先行技術のフィルムの1つとして、米国特許出願公開第2008/0090010号(ツァン(Zhang)ら)に述べられるものがある。このフィルムは、微小粒子と微小粒子に塗布されたナノ粒子の両方を含む組成物を含むコーティングを有している。この比較例のフィルムもまた、微小粒子及びナノ粒子を含んでいた(これは比較例のフィルムがツァン(Zhang)らの記載の範囲に直接含まれるという請求項として理解されるべきではない)。比較例のフィルムは、190nmの二酸化ケイ素ナノ粒子でコーティングされた4.5μmの二酸化ケイ素微粒子を含んでいる。本明細書に基づくPDMSフィルム、更に先行技術の粒子フィルムの両方について、落下砂試験への曝露の前に測定を行った。次に、フィルムのそれぞれを上記に述べたような落下砂試験に曝露し、水接触角及びロールオフ角を再び測定した。試験の結果を下記表1に示す。
Figure 2013543990
「ロールオフ角」は、転落角と同等の測定値である。上記の試料上で水滴傾斜角(液体固体界面線の角度)を行った。試料を自動傾斜台の上に置き、気泡水準器により水平を出した。次に5μLの脱イオン水を10μLのシリンジ(ハミルトン社(Hamilton))によって加えた。次に傾斜台を手で作動させて、水滴が転がり落ちた時点で停止した。傾斜角を記録し、次の測定に備えて傾斜台を0°に戻した。表に明らかに示されるように、落下砂試験後にPDMSフィルムの水接触角性能はほとんど低下せず(わずか4°)、ロールオフ角は1°未満に保たれた。これと比較して、先行技術のフィルムは最初に151°と高い水接触角を有していたが、落下砂試験後には81°にまで70°低下した。比較例のフィルムのロールオフ角は、1°未満〜60°よりも大きい角度にまで劇的に増大した。この結果は、本明細書のフィルムが、高くてしかも許容される超疎水性能を維持する一方で、耐久性を示すことを明確に示している。これに対して、先行技術のフィルムは、試験への曝露により非疎水性となった。
以上、超疎水性フィルム構造体及びこうしたフィルムの製造方法について幾つかの実施形態に関連して説明したが、このフィルム及び方法の開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態及び細部において改変を行うことが可能であることは当業者であれば認識されるところであろう。

Claims (50)

  1. 超疎水性フィルムであって、
    複数の微小構造を有する表面であって、前記微小構造のそれぞれが複数のナノ構造を有し、
    前記微小構造及びナノ構造がいずれも、その重量の大部分がシリコーンポリマーである材料を含む、表面、を有し、
    前記フィルムが、少なくとも150°の水接触角及び10°未満の転落角を有する、超疎水性フィルム。
  2. 前記フィルムが、入射光の2%未満を反射する、請求項1に記載の超疎水性フィルム。
  3. 前記微小構造がプリズムである、請求項1に記載の超疎水性フィルム。
  4. 前記プリズムが、約90°の頂点の角度を有する、請求項3に記載の超疎水性フィルム。
  5. 前記プリズムが、約74°〜約76°の頂点の角度を有する、請求項3に記載の超疎水性フィルム。
  6. 前記微小構造がマイクロレンズである、請求項1に記載の超疎水性フィルム。
  7. 前記フィルムが、5°未満の転落角を有する、請求項1に記載の超疎水性フィルム。
  8. 前記フィルムが、1°未満の転落角を有する、請求項7に記載の超疎水性フィルム。
  9. 前記フィルムが、少なくとも160°の水接触角を有する、請求項1に記載の超疎水性フィルム。
  10. 前記フィルムが、少なくとも170°の水接触角を有する、請求項9に記載の超疎水性フィルム。
  11. 前記シリコーンポリマーがPDMSである、請求項1に記載の超疎水性フィルム。
  12. 前記微小構造及びナノ構造が、少なくとも95重量%のPDMSを含む、請求項11に記載の超疎水性フィルム。
  13. 前記ナノ構造が、反応性イオンエッチングにより前記微小構造に形成される、請求項1に記載の超疎水性フィルム。
  14. 前記微小構造が、ナノ粒子のエッチマスクを使用して反応性イオンエッチングされる、請求項13に記載の超疎水性フィルム。
  15. 前記ナノ粒子が金属酸化物からなる、請求項14に記載の超疎水性フィルム。
  16. 前記金属酸化物が酸化インジウムスズである、請求項15に記載の超疎水性フィルム。
  17. 前記微小構造及びナノ構造が、複製プロセスによって形成される、請求項1に記載の超疎水性フィルム。
  18. 前記微小構造が、約0.15マイクロメートル〜約1000マイクロメートルの平均の高さを有する、請求項1に記載の超疎水性フィルム。
  19. 前記ナノ構造が、約10nm〜約1000nmの平均の高さを有する、請求項1に記載の超疎水性フィルム。
  20. 前記ナノ構造が、約5nm〜約250nmの平均の幅を有する、請求項1に記載の超疎水性フィルム。
  21. 前記ナノ構造が、少なくとも約4:1の平均のアスペクト比を有する、請求項1に記載の超疎水性フィルム。
  22. 前記ナノ構造が、少なくとも約6:1の平均のアスペクト比を有する、請求項21に記載の超疎水性フィルム。
  23. 前記微小構造が、サメの皮膚を模倣したパターンに形成及び配置されている、請求項1に記載の超疎水性フィルム。
  24. 前記微小構造が、3つの次元のうちの少なくとも1つにおいて変化する、請求項1に記載の超疎水性フィルム。
  25. 前記微小構造及びナノ構造に低エネルギーの表面コーティングがいっさい塗布されていない、請求項1に記載の超疎水性フィルム。
  26. 請求項1に記載の超疎水性フィルムと、前記超疎水性フィルムがその上に配された基板とを有する、超疎水性物品。
  27. 前記フィルムが、落下砂への曝露試験後に145°よりも大きい水接触角及び10°未満の転落角を維持する、請求項1に記載の超疎水性フィルム。
  28. 前記フィルムが、落下砂への曝露試験後に160°よりも大きい水接触角及び5°未満の転落角を維持する、請求項27に記載の超疎水性フィルム。
  29. 隣り合う微小構造の平均の頂点−頂点間の距離が、前記微小構造の平均の高さの約0倍〜約5倍である、請求項1に記載の超疎水性フィルム。
  30. 超疎水性フィルムの製造方法であって、
    フィルムを提供する工程であって、前記フィルムの重量の大部分がシリコーンポリマーからなり、前記フィルムが、前記フィルムの第1の表面上に微小構造を更に有する、工程と、
    金属酸化物ナノ粒子の層を前記微小構造上に直接塗布する工程と、
    前記金属酸化物ナノ粒子をエッチマスクとして使用して前記フィルムをエッチングする工程であって、前記エッチングにより前記微小構造にナノ構造が形成され、前記エッチングされたフィルムが、少なくとも150°の水接触角及び10°未満の転落角を有する、工程と、を含む、方法。
  31. 前記金属酸化物が酸化インジウムスズである、請求項30に記載の方法。
  32. 前記酸化インジウムスズのナノ粒子が、約70nm〜約100nmの平均直径を有する、請求項31に記載の方法。
  33. 前記金属酸化物ナノ粒子の層が、均一に塗布される、請求項30に記載の方法。
  34. 前記金属酸化物ナノ粒子の層が、イソプロパノールと混合されたコーティング懸濁液の一部として塗布される、請求項30に記載の方法。
  35. 前記金属酸化物が、前記コーティング懸濁液の重量にして約0.1%〜約2%である、請求項34に記載の方法。
  36. 前記エッチングが、反応性イオンエッチングを含む、請求項30に記載の方法。
  37. 前記金属酸化物ナノ粒子が、前記フィルムよりも実質的に遅い速度でエッチングされる、請求項30に記載の方法。
  38. 前記微小構造がプリズムである、請求項30に記載の方法。
  39. 前記微小構造がマイクロレンズである、請求項30に記載の方法。
  40. 前記エッチング工程において二酸化ケイ素が使用されない、請求項30に記載の方法。
  41. 前記ナノ構造が、少なくとも約4:1の平均のアスペクト比を有するようにエッチングされる、請求項30に記載の方法。
  42. 前記ナノ構造が、少なくとも約6:1の平均のアスペクト比を有するようにエッチングされる、請求項30に記載の方法。
  43. 前記ナノ構造が、約10nm〜約1000nmの平均の高さを有するようにエッチングされる、請求項30に記載の方法。
  44. 前記エッチングされたフィルムが、少なくとも170°の水接触角及び2°未満の転落角を有する、請求項30に記載の方法。
  45. 前記方法が、前記微小構造及びナノ構造に疎水性コーティングを塗布する工程を含まない、請求項30に記載の方法。
  46. 前記シリコーンポリマーがPDMSである、請求項30に記載の方法。
  47. 超疎水性フィルムの製造方法であって、
    第1のフィルムの第1の表面上に微小構造を有する第1のフィルムを提供する工程と、
    前記微小構造上に金属酸化物ナノ粒子の均一な層を直接塗布する工程と、
    前記金属酸化物ナノ粒子をエッチマスクとして使用して前記フィルムをエッチングする工程であって、前記エッチングにより前記第1のフィルムの前記微小構造にナノ構造が形成される、工程と、
    前記第1のフィルム上にキャスティング材料を堆積させる工程と、
    前記キャスティング材料により成形型を形成する工程であって、前記成形型が、前記第1のフィルムの前記微小構造及びナノ構造のネガ型を有する、工程と、
    前記成形型にシリコーンポリマーを塗布する工程と、
    前記シリコーンポリマーを硬化させて第2のフィルムとする工程と、
    前記第2のフィルムを前記成形型から剥離する工程であって、前記第2のフィルムが、少なくとも150°の水接触角及び10°未満の転落角を有する、工程と、を含む、方法。
  48. 前記金属酸化物が酸化インジウムスズである、請求項47に記載の方法。
  49. 前記フィルムをエッチングする工程が、前記フィルムを反応性イオンエッチングすることを含む、請求項47に記載の方法。
  50. 超疎水性フィルムであって、
    複数の微小構造を有する表面であって、前記微小構造のそれぞれが複数のナノ構造を有し、前記微小構造及びナノ構造がいずれも、エラストマーである材料を含む、表面、を有し、
    前記フィルムが、少なくとも150°の水接触角及び10°未満の転落角を有する、超疎水性フィルム。
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