JP2013539450A - 塩水の精製方法 - Google Patents

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Abstract

塩水から有機化合物を取り除くための方法であって、(a)少なくとも1種の有機化合物を含む塩水を供給する工程と、(b)(a)からの塩水および少なくとも1種のストリッピング剤を少なくとも1つのストリッピング領域に供給する工程と、(c)有機化合物の含量が(a)からの塩水中より少ない、塩水から本質的になる少なくとも1つの画分(I)と、ストリッピング剤から本質的になる少なくとも1つの画分(II)とを、ストリッピング領域から抜き取る工程とを含み、2つの画分(I)および(II)のうちの最も高温の画分の℃で表される温度(T)ならびに2つの画分(I)および(II)のうちの最も低温の画分の℃で表される温度(T)であって、それらの抜き取りの前および/またはその間に行われ得る任意の可能な温度調節の前に測定される温度が、以下の式:6×10−7(T3.7294≦T<Tを満たす方法。

Description

本出願は、2010年8月27日に出願された仏国特許出願第1056820号の利益を主張するものであり、その内容を、あらゆる目的のために参照により本明細書に援用する。
参照により本明細書に援用する特許、特許出願、および刊行物のいずれかの開示が、用語が不明瞭になり得る程度に本出願の明細書の記述と矛盾する場合、本明細書が優先されるものとする。
本発明は、塩水を精製するための方法に関する。本発明は、より具体的には、塩水から有機化合物を取り除くための方法に関する。
SOLVAY SAの名義で出願された国際出願の(特許文献1)には、有機化合物を含む塩水のストリッピングが開示されている。ストリッピング操作について開示されたその温度条件は、ストリッピング領域における問題の原因になり得る。すなわち、温度が高すぎると、有機生成物が分解され得、これらの条件下で塩水に耐性のある高価な材料を使用することになり得、温度が低すぎると、一般的でない高価な冷却剤の使用が必要になり得る。
国際公開第2008/152043号パンフレット
本発明は、塩水から有機化合物を取り除くための方法であって、
(a)少なくとも1種の有機化合物を含む塩水を供給する工程と、
(b)(a)からの塩水および少なくとも1種のストリッピング剤を少なくとも1つのストリッピング領域に供給する工程と、
(c)有機化合物の含量が(a)からの塩水中より少ない、塩水から本質的になる少なくとも1つの画分(I)と、ストリッピング剤から本質的になる少なくとも1つの画分(II)とを、ストリッピング領域から抜き取る工程と
を含み、
2つの画分(I)および(II)のうちの最も高温の画分の℃で表される温度(T)ならびに2つの画分(I)および(II)のうちの最も低温の画分の℃で表される温度(T)であって、それらの抜き取りの前および/またはその間に行われ得る任意の可能な温度調節の前に測定される温度が、下式:
6×10−7(T3.7294≦T<T
を満たす方法を提供することによって、これらの問題を克服することを目的とする。
本発明に係る方法において、温度Tは、好ましくは0.9752(T0.9991以下、より好ましくは0.8967(T1.0147以下である。
本発明に係る方法において、温度Tは、好ましくは5×10−5(T2.8779以上、より好ましくは0.0058(T1.9415以上、さらにより好ましくは0.0593(T1.4859以上、なおより好ましくは0.5342(T1.088以上、極めて特に好ましくは0.7535(T1.0325以上である。
本発明に係る方法の非常に好適な一実施形態において、ストリッピング領域は、ストリッピング塔からなる。
本発明の本質的な特徴は、ストリッピング領域から抜き取られる最も高温の画分の温度の値と最も低温の画分の温度の値との組合せにある。
記載する温度条件下でストリッピングを行うことによって、
・ストリッピング領域における有機生成物のより少ない分解が観察され、
・ストリッピング領域の装置を製造するための特定の高価な材料を使用する必要がなくなり、
・ストリッピング領域用の特定の高価な冷却剤を使用する必要がなくなる。
ストリッピング領域がストリッピング塔からなる、本発明に係る方法の非常に好適な実施形態において、ストリッピング領域から抜き取られる最も高温の画分の温度の値と最も低温の画分の温度の値との組合せには以下の利点がある:
・ストリッピング塔における有機生成物のより少ない分解が観察され、
・ストリッピング塔およびその内部を製造するための特定の高価な材料を使用する必要がなくなり、
・ストリッピング塔用の特定の高価な冷却剤を使用する必要がなくなり、
・適度な高さの塔で操作することが可能であり、
・塔内の機械的応力が最小限に抑えられる。
本発明に係る方法において、「塩水」という用語は、少なくとも1種の塩を含有する水性組成物を意味することが理解される。塩は、有機塩、無機塩、またはそれら2つの混合物であり得る。無機塩は、その構成アニオンおよび構成カチオンが炭素−水素結合を含まない塩である。無機塩は、金属塩化物、金属硫酸塩、金属硫酸水素塩、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属炭酸水素塩、金属リン酸塩、金属リン酸水素塩、金属ホウ酸塩、およびそれらの少なくとも2つの混合物からなる群から選択され得る。アルカリおよびアルカリ土類金属塩化物が好ましい。塩化ナトリウムおよび塩化カリウムがより特に好ましく、塩化ナトリウムが極めて特に好ましい。
塩水の塩含量は、一般に、塩水1kg当たり5g以上の塩、しばしば10g/kg以上、度々50g/kg以上、一般的に80g/kg以上、好ましくは90g/kg以上、より好ましくは100g/kg以上、さらにより好ましくは140g/kg以上、なおより好ましくは160g/kg以上、極めて特に好ましくは180g/kg以上である。この塩含量は、通常、塩水1kg当たり270g以下の塩、好ましくは250g/kg以下、極めて特に好ましくは230g/kg以下である。
塩化ナトリウム含量が塩水1kg当たり190g以上かつ220g/kg以下である塩水が極めて特に好適である。
ナトリウム塩の含量が200g/kg以上である塩水も、極めて特に好適である。
塩水は、中性、酸性または塩基性のpHを有し得る。
本発明に係る方法において、有機化合物は、脂肪族化合物、芳香族化合物またはそれらの少なくとも2つの混合物からなる群から選択され得る。これらの化合物は、任意選択的に、ハロゲン、好ましくはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素、カルコゲン、好ましくは酸素または硫黄、窒素、リンおよびそれらの少なくとも2つの混合物からなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有していてもよい。ヘテロ原子は好ましくは酸素である。
有機化合物は、その内容、より詳細には2頁16行から3ページ11行までの節が参照により援用される、SOLVAY(Societe Anonyme)の名義の出願の国際公開第2009/095429号パンフレットに記載されるとおりであってよい。
有機化合物は、好ましくは、エピクロロヒドリン、ジクロロプロパノール、およびそれらの少なくとも2つの混合物からなる群から選択される。ジクロロプロパノールの中でも、1,3−ジクロロプロパン−2−オールおよび2,3−ジクロロプロパン−1−オールの頻度が高い。有機化合物は、エピクロロヒドリンとジクロロプロパノールとの混合物から選択されることが多い。
本発明に係る方法において、ストリッピング操作前の塩水中の有機化合物の含量は、一般に、塩水1kg当たり0.1g以上、しばしば1g/kg以上、多くの場合5g/kg以上、度々10g/kg以上、より詳細には20g/kg以上である。この含量は、一般に、250g/kg以下、しばしば150g/kg以下、度々100g/kg以下である。
本発明に係る方法において、有機化合物が、エピクロロヒドリンとジクロロプロパノールとの混合物から選択される場合、ストリッピング操作前の塩水中のエピクロロヒドリンの含量は、一般に塩水1kg当たり0.1g以上、しばしば1g/kg以上、多くの場合5g/kg以上、度々8g/kg以上、より詳細には10g/kg以上である。この含量は、一般に100g/kg以下、しばしば50g/kg以下、度々25g/kg以下である。
本発明に係る方法において、有機化合物が、エピクロロヒドリンとジクロロプロパノールとの混合物から選択される場合、ストリッピング操作前の塩水中の1,3−ジクロロプロパン−2−オールおよび2,3−ジクロロプロパン−1−オールの含量の合計は、一般に、塩水1kg当たり0.2g以上、しばしば0.5g/kg以上、多くの場合0.7g/kg以上、度々1g/kg以上、より詳細には1.5g/kg以上である。この含量は、一般に100g/kg以下、しばしば50g/kg以下、度々25g/kg以下である。ここで、ストリッピング操作前の塩水中の1,3−ジクロロプロパン−2−オールの含量は、一般に、塩水1kg当たり0.1g以上、しばしば0.3g/kg以上、度々0.4g/kg以上、多くの場合0.6g/kg以上、より詳細には0.8g/kg以上である。この含量は、一般に50g/kg以下、しばしば30g/kg以下、度々20g/kg以下、より詳細には10g/kg以下である。ここで、ストリッピング操作前の塩水中の2,3−ジクロロプロパン−1−オールの含量は、一般に、塩水1kg当たり0.1g以上、しばしば1g/kg以上、多くの場合2g/kg以上、より詳細には4g/kg以上である。この含量は、一般に50g/kg以下、しばしば30g/kg以下、度々20g/kg以下である。
本発明に係る方法において、塩水は、有機化合物を含有する塩水を生成する任意の方法に由来し得る。このような方法の例は、エポキシド、特にエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはエピクロロヒドリンを製造するための方法、エポキシドの誘導体、特にエポキシ樹脂を製造するための方法、塩素化有機生成物、特に1,2−ジクロロエタンを製造するための方法、モノイソシアネートおよびポリイソシアネート、特に4,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)またはヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート(HDI)を製造するための方法、およびポリカーボネート、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンポリカーボネート(ビスフェノールAポリカーボネート)を製造するための方法である。塩水は、これらの方法の少なくとも2つに由来する塩水の組合せであり得る。エポキシド、特にエピクロロヒドリンの誘導体、およびエポキシ樹脂は、その内容、より詳細には13頁22行から44ページ8行までの節が参照により本明細書に援用される、SOLVAY(Societe Anonyme)の名義の出願の国際公開第2008/152044号パンフレットに記載されるとおりであり得る。
本発明に係る方法において、塩水は、好ましくは、エピクロロヒドリンを製造するための方法、エポキシ樹脂を製造するための方法、1,2−ジクロロエタンを製造するための方法、またはこれらの方法の少なくとも2つの組合せに由来する。
本発明に係る方法において、塩水は、より好ましくはエピクロロヒドリンを製造するための方法、なおより好ましくはジクロロプロパノールの脱塩化水素によってエピクロロヒドリンを製造するための方法、極めて特に好ましくはジクロロプロパノールの脱塩化水素によってエピクロロヒドリンを製造するための方法であって、ジクロロプロパノールの少なくとも一部がグリセロールから得られ、前記グリセロールの少なくとも1つの画分が天然グリセロールである方法に由来する。「天然グリセロール」という表現は、再生可能原料から得られたグリセロールを意味することが理解される。天然グリセロールは、その内容、より詳細には4頁22行から5頁24行までの節が参照により本明細書に援用される、SOLVAY(Societe Anonyme)の名義の出願の国際公開第2006/100312号パンフレットに記載されるとおりである。ここで、塩水中に存在する有機化合物は、好ましくは、エピクロロヒドリン、ジクロロプロパノールおよびそれらの少なくとも2つの混合物からなる群から選択される。ここで、塩水は、アセトン、アクロレイン、2−ブタノン、イソプロパノール、3−メトキシ−1,2−エポキシプロパン、シクロペンタノン、エピクロロヒドリン、クロロアセトン、ヒドロキシアセトン(アセトール)、実験式:C12Oの化合物、1,2,3−トリクロロプロパン、2,3−エポキシ−1−プロパノール(グリシドール)、2−クロロ−2−プロペン−1−オール、シス−3−クロロ−2−プロペン−1−オール、1−メトキシ−3−クロロプロパン−2−オール、3−クロロ−1−プロパン−1−オール、トランス−3−クロロ−2−プロペン−1−オール、実験式:Cの化合物、実験式:C12OClの化合物、実験式:C10Clの化合物、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、実験式:C10の化合物、2,3−ジクロロ−1−プロパノール、フェノール、グリセロール、1−クロロ−2,3−プロパンジオール、2−クロロ−1,3−プロパンジオール、環状ジグリセロール、グリセルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、酢酸、プロピオン酸、ギ酸、グリコール酸、シュウ酸、乳酸、カプリン酸、カプリル酸、吉草酸、カプロン酸、ラウリン酸、およびそれらの少なくとも2つの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の他の有機化合物を含有し得る。
エポキシ樹脂、ジクロロプロパノール、およびエピクロロヒドリンを調製するための方法は、内容が参照により本明細書に援用される、SOLVAYの名義で出願された国際出願の国際公開第2005/054167号パンフレット、国際公開第2006/100311号パンフレット、国際公開第2006/100312号パンフレット、国際公開第2006/100313号パンフレット、国際公開第2006/100314号パンフレット、国際公開第2006/100315号パンフレット、国際公開第2006/100316号パンフレット、国際公開第2006/100317号パンフレット、国際公開第2006/106153号パンフレット、国際公開第2007/054505号パンフレット、国際公開第2006/100318号パンフレット、国際公開第2006/100319号パンフレット、国際公開第2006/100320号パンフレット、国際公開第2006/106154号パンフレット、国際公開第2006/106155号パンフレット、国際公開第2007/144335号パンフレット、国際公開第2008/107468号パンフレット、国際公開第2008/101866号パンフレット、国際公開第2008/145729号パンフレット、国際公開第2008/110588号パンフレット、国際公開第2008/152045号パンフレット、国際公開第2008/152043号パンフレット、国際公開第2009/000773号パンフレット、国際公開第2009/043796号パンフレット、国際公開第2009/121853号パンフレット、国際公開第2008/152044号パンフレット、国際公開第2009/077528号パンフレット、国際公開第2010/066660号パンフレット、国際公開第2010/029039号パンフレット、国際公開第2010/029153号パンフレット、国際公開第2011/054769号パンフレットおよび国際公開第2011/054770号パンフレットに開示されるとおりのものであり得る。
本発明に係る方法において、塩水が、ジクロロプロパノールの脱塩化水素によってエピクロロヒドリンを製造するための方法に由来する場合、塩水の精製方法により、貴重なエピクロロヒドリンを回収することと、電解法、特に、塩素アルカリ電解法などの、アルカリ金属塩化物、特に塩化ナトリウムの塩水の電解のための方法に供給することができる、有機化合物が取り除かれた塩水を得ることとの両方が可能になる。
本発明に係る方法では、少なくとも1つのストリッピング領域に、少なくとも1種の有機化合物および少なくとも1種のストリッピング剤を含む塩水を供給する。
「ストリッピング領域」という表現は、塩水およびストリッピング剤の供給と抜き取りとの間の領域を意味することが理解される。
「ストリッピング」という用語は、「ストリッピング剤」という用語によって表される、ガス、純物質の蒸気、またはそれらの混合物を用いた同伴(entrainment)による物質の分離を意味することが理解され、ストリッピング剤は、前記物質を溶解させるかまたは溶解させない。
本発明に係る方法において、ストリッピング剤は、空気、低酸素空気、窒素、酸素、蒸気、およびそれらの少なくとも2つの混合物からなる群から選択され得る。蒸気、空気、低酸素空気、および窒素が、好ましいストリッピング剤であり、蒸気が、より好ましいストリッピング剤である。蒸気と低酸素空気との混合物も好適であり得る。
ストリッピング剤が蒸気を含有する場合、ストリッピング剤は、塩水とは独立して、または塩水自体から、あるいは両方の組合せによって、ストリッピング領域に供給され得る。塩水からのストリッピング剤の供給が非常に好適である。ストリッピング剤が、部分的にまたは全体的に、塩水とは独立してストリッピング領域に供給される場合、前記部分または全体は、任意の源に由来し得る。特に、塩水が、少なくとも部分的にエピクロロヒドリンを製造するための方法に由来する場合、ストリッピング剤は、エピクロロヒドリンを製造するための方法のいずれかの工程、特に、グリセロールからジクロロプロパノールを生成する工程に由来し得る。この場合には、蒸気は、ジクロロプロパノール生成プラントからの流れを冷却および/または凝縮する工程で生成する。
本発明に係る方法において、ストリッピング領域がストリッピング塔からなる場合、ストリッピング剤が、塩水からストリッピング領域に供給される蒸気である場合、蒸気は、塩水から生成され、この生成は、例えばコイルなどの内部熱交換器によって、または例えばリボイラーなどの外部熱交換器によって、塔内で行うことができる。本発明に係る方法において、ストリッピング領域がストリッピング塔からなる場合、ストリッピング剤が蒸気である場合、蒸気は、塩水とは独立して、蒸気分配網を介して、リボイラーを備えていない塔に直接導入されることが好ましい。
本発明に係る方法において、ストリッピング剤が蒸気である場合、ストリッピング領域から抜き取られる2つの画分のうちの最も低温の画分の温度(T2)は、一般に10℃以上、しばしば30℃以上、度々50℃以上、より詳細には80℃以上である。この温度は、一般に160℃未満、しばしば150℃以下、度々140℃以下、より詳細には120℃以下、特に100℃以下である。
本発明に係る方法において、ストリッピング剤が、低酸素空気または窒素である場合、ストリッピング領域から抜き取られる2つの画分のうちの最も低温の画分の温度(T2)は、一般に10℃以上、しばしば15℃以上、度々20℃以上、より詳細には25℃以上である。この温度は、一般に160℃未満、しばしば120℃以下、度々100℃以下、より詳細には80℃以下、特に60℃以下である。
本発明に係る方法において、ストリッピング領域がストリッピング塔からなる場合、およびストリッピング剤が蒸気である場合、ストリッピング塔から抜き取られる2つの画分のうちの最も低温の画分の温度は、ストリッピング剤が蒸気である場合のストリッピング領域から抜き取られる2つの画分のうちの最も低温の画分の温度について前の段落に記載されるとおりである。最も低温の画分は、塔の頂部または底部で抜き取られてもよく、好ましくはストリッピング塔の頂部で抜き取られる。
本発明に係る方法において、ストリッピング領域がストリッピング塔からなる場合、およびストリッピング剤が、低酸素空気または窒素である場合、ストリッピング塔から抜き取られる2つの画分のうちの最も低温の画分の温度は、ストリッピング剤が、低酸素空気または窒素である場合のストリッピング領域から抜き取られる2つの画分のうちの最も低温の画分の温度について前の段落に記載されるとおりである。最も低温の画分は、塔の頂部または底部で抜き取られてもよく、好ましくはストリッピング塔の底部で抜き取られる。
本発明に係る方法において、ストリッピング剤が蒸気である場合、ストリッピング領域から抜き取られる2つの画分のうちの最も高温の画分の温度は、一般に40℃超、しばしば50℃以上、度々60℃以上、より詳細には90℃以上である。この温度は、一般に160℃以下、しばしば150℃以下、度々140℃以下、より詳細には130℃以下、特に120℃以下である。
本発明に係る方法において、ストリッピング剤が、低酸素空気または窒素である場合、ストリッピング領域から抜き取られる2つの画分のうちの最も高温の画分の温度は、一般に15℃超、しばしば25℃以上、度々40℃以上、より詳細には60℃以上である。この温度は、一般に160℃以下、しばしば150℃以下、度々140℃以下、より詳細には130℃以下、特に120℃以下である。
本発明に係る方法において、ストリッピング領域がストリッピング塔である場合、およびストリッピング剤が蒸気である場合、ストリッピング塔から抜き取られる2つの画分のうちの最も高温の画分の温度は、ストリッピング剤が蒸気である場合のストリッピング領域から抜き取られる2つの画分のうちの最も高温の画分の温度について前の段落に記載されるとおりである。最も高温の画分は、塔の頂部または底部で抜き取られてもよく、好ましくはストリッピング塔の底部で抜き取られる。
本発明に係る方法において、ストリッピング領域がストリッピング塔である場合、およびストリッピング剤が、低酸素空気または窒素である場合、ストリッピング塔から抜き取られる2つの画分のうちの最も高温の画分の温度は、ストリッピング剤が、低酸素空気または窒素である場合のストリッピング領域から抜き取られる2つの画分のうちの最も高温の画分の温度について前の段落に記載されるとおりである。最も高温の画分は、塔の頂部または底部で抜き取られてもよく、好ましくはストリッピング塔の頂部で抜き取られる。
本発明に係る方法において、ストリッピング剤が、空気、低酸素空気、窒素、酸素、およびそれらの少なくとも2つの混合物、さらにはそれらと蒸気との混合物からなる群から選択される場合、ストリッピング領域から抜き取られる2つの画分のうちの最も低温の画分の温度(T2)は、一般に10℃以上、しばしば25℃以上、度々40℃以上、より特には50℃以上である。この温度は、一般に120℃未満、しばしば110℃以下、度々105℃以下、より特には100℃以下である。
本発明に係る方法において、ストリッピング領域がストリッピング塔である場合、およびストリッピング剤が、空気、低酸素空気、窒素、酸素、およびそれらの少なくとも2つの混合物、さらにはそれらと蒸気との混合物からなる群から選択される場合、ストリッピング塔から抜き取られる2つの画分のうちの最も低温の画分の温度は、ストリッピング剤が、空気、低酸素空気、窒素、酸素、およびそれらの少なくとも2つの混合物、さらにはそれらと蒸気との混合物からなる群から選択される場合のストリッピング領域から抜き取られる2つの画分のうちの最も低温の画分の温度について前の段落に記載されるとおりである。
本発明に係る方法において、ストリッピング剤が、空気、低酸素空気、窒素、酸素、およびそれらの少なくとも2つの混合物、さらにはそれらと蒸気との混合物からなる群から選択される場合、ストリッピング領域から抜き取られる2つの画分のうちの最も高温の画分の温度は、一般に15℃以上、しばしば30℃以上、度々40℃以上、より詳細には60℃以上である。この温度は、一般に120℃未満、しばしば110℃以下、度々105℃以下、より詳細には100℃以下である。
本発明に係る方法において、ストリッピング領域がストリッピング塔からなる場合、およびストリッピング剤が、空気、低酸素空気、窒素、酸素、およびそれらの少なくとも2つの混合物、さらにはそれらと蒸気との混合物からなる群から選択される場合、ストリッピング塔から抜き取られる2つの画分のうちの最も高温の画分の温度は、ストリッピング剤が、空気、低酸素空気、窒素、酸素、およびそれらの少なくとも2つの混合物、さらにはそれらと蒸気との混合物からなる群から選択される場合のストリッピング領域から抜き取られる2つの画分のうちの最も高温の画分の温度について前の段落に記載されるとおりである。
本発明に係る方法において、ストリッピング領域から抜き取られる最も高温の画分および最も低温の画分の温度TおよびTは、それらの抜き取りの前および/またはその間に行われ得る任意の可能な温度調節の前に測定される温度である。
これらの温度は、任意の公知のタイプの温度プローブ、すなわち、熱電対センサー、熱抵抗センサー、赤外線センサー、バイメタルセンサー、温度計などを用いて測定することができる。このようなタイプのプローブは、例えば“Perry’s Chemical Engineers’ Handbook”,Sixth Edition,McGraw Hill,1984,22−32 〜 22−37節に記載されている。
本発明に係る方法において、塩水から本質的になる画分(I)は、画分(I)の1kg当たり500gを超える塩水、しばしば少なくとも750g/kg、度々少なくとも900g/kg、より詳細には少なくとも990g/kgの塩水を含有する。
本発明に係る方法において、ストリッピング剤から本質的になる画分(II)は、画分(II)の1モル当たり50モル%を超えるストリッピング剤、しばしば少なくとも75モル%、度々少なくとも90モル%、特に少なくとも99モル%を含有する。
温度は、ストリッピング領域から抜き取られる画分の任意の位置で測定され得る。この測定は、抜き取られた画分中で行われるのが好ましい。
本発明に係る方法において、ストリッピング領域内の圧力は、一般に20ミリバール(絶対圧)以上、多くの場合50ミリバール(絶対圧)以上、しばしば100ミリバール(絶対圧)以上、度々200ミリバール(絶対圧)以上、より詳細には400ミリバール(絶対圧)以上、特に500ミリバール以上(絶対圧)である。この圧力は、一般に10バール(絶対圧)以下、しばしば5バール(絶対圧)以下、度々2バール(絶対圧)以下、より詳細には1.5バール(絶対圧)以下、特に1.2バール(絶対圧)以下である。600ミリバール(絶対圧)以上かつ1.1バール(絶対圧)以下の圧力が非常に好適である。
本発明に係る方法において、ストリッピング領域がストリッピング塔である場合、ストリッピング塔内の圧力は、ストリッピング領域中の圧力について前の段落に記載されるとおりである。
本発明に係る方法において、ストリッピング領域がストリッピング塔である場合、圧力降下、すなわち塔の底部の圧力と塔の頂部の圧力との間の差は、一般に2バール以下、多くの場合1.5バール以下、しばしば1.2バール以下、度々1バール以下、多くの場合0.7バール以下、特に0.5バール以下である。この圧力差は、一般に10ミリバール以上、しばしば20ミリバール以上、度々30ミリバール以上、特に50ミリバール以上である。
本発明に係る方法において、ストリッピングは、連続モードまたはバッチモードで行われ得る。「連続モード」という表現は、塩水およびストリッピング剤が、ストリッピング操作の持続時間の少なくとも50%、好ましくはこの持続時間の少なくとも90%、より好ましくはこの持続時間の少なくとも95%にわたる期間、途切れずにストリッピング領域に供給されるモードを意味することが理解される。ストリッピング操作の持続時間は、塩水およびストリッピング剤の、ストリッピング領域への供給が開始する時点と、この供給が中断される時点との間の経過時間である。「バッチモード」という表現は、任意の他の操作モードを意味することが理解される。ストリッピングは、連続モードで行われることが好ましい。
ストリッピングが連続して行われる場合の本発明に係る方法において、ストリッピング剤および塩水は、ストリッピング領域に並流的に(co currently)または向流的に(counter currently)または逆流式(crossed current manner)に供給され得る。ストリッピング領域への向流的な供給が好ましい。
本発明に係る方法において、ストリッピング剤は好ましくは蒸気であり、(b)からのストリッピング領域に、塩水およびストリッピング剤が連続的かつ向流的に供給される。
本発明に係る方法において、ストリッピング操作が連続して行われる場合、ストリッピング剤および塩水の流れの移動方向は、垂直方向または水平方向、すなわち塩水の流れに対して垂直方向およびストリッピング剤の流れに対して水平方向、あるいは塩水の流れに対して水平方向およびストリッピング剤の流れに対して垂直方向であってよい。2つの流れの垂直な移動方向が好ましい。
本発明に係る方法において、ストリッピング操作中に導入されるストリッピング剤の総量(kmolで表される)と、ストリッピング操作中に導入される塩水の量(kmolで表される)との比率は、一般に0.0001以上、度々0.001以上、しばしば0.01以上、特に0.05以上、より詳細には0.1以上である。この比率は、一般に10以下、度々5以下、しばしば1以下、特に0.5以下、より詳細には0.3以下である。塩水のkmolの数値は、塩水の成分のモル数の和に相当する。
本発明に係る方法の特定の一実施形態において、ストリッピング剤および塩水に加えて、少なくとも1種の塩基性化合物をストリッピング領域またはストリッピング塔に供給することが可能である。塩基性化合物は、有機塩基性化合物または無機塩基性化合物あるいはそれら2つの混合物であり得る。有機塩基性化合物は、例えばイミダゾールおよびその誘導体、ピリジンおよびその誘導体、ホスフィンおよびアンモニウム、ホスホニウムまたはアルソニウム水酸化物などの、例えばアミンである。無機塩基性化合物が好ましい。「無機化合物」という表現は、炭素−水素結合を含まない化合物を意味することが理解される。無機塩基性化合物は、アルカリ金属酸化物、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、リン酸水素塩およびホウ酸塩、アルカリ土類金属酸化物、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、リン酸水素塩およびホウ酸塩、およびそれらの少なくとも2つの混合物からなる群から選択され得る。アルカリ金属酸化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、およびそれらの少なくとも2つの混合物が好ましい。
本発明に係る方法において、塩基性化合物は、液体、実質的に無水の固体、水和固体、水性溶液および/または有機溶液、または水性懸濁液および/または有機懸濁液の形態であり得る。塩基性化合物は、好ましくは、実質的に無水の固体、水和固体、水溶液懸濁液、または水性懸濁液の形態である。
「実質的に無水の固体」という表現は、含水量が、20g/kg以下、好ましくは10g/kg以下、より好ましくは1g/kg以下である固体を意味することが理解される。
「水和固体」という表現は、含水量が、少なくとも20g/kgかつ700g/kg以下、好ましくは少なくとも50g/kgかつ650g/kg以下、極めて特に好ましくは少なくとも130g/kgかつ630g/kg以下である固体を意味することが理解される。1個以上の水分子と物質との固体の化合物を表す水和物が、水和固体の例である。
塩基性化合物が、水溶液の形態で使用される場合、水溶液中のその含量は、一般に20g/kg超、好ましくは70g/kg以上、より好ましくは150g/kg以上である。この含量は、一般に、ストリッピング処理の温度で塩水中の塩基性固体の溶解度以下である。
塩基性化合物が、水酸化ナトリウムの水溶液の形態で使用される場合、水酸化ナトリウムの含量は、好ましくは150g/kg以上である。
塩基性化合物が、水性懸濁液の形態で使用される場合、水性懸濁液中のその含量は、一般に、ストリッピング処理の温度での塩水中の塩基性固体の溶解度以上、好ましくは20g/kg以上、より好ましくは70g/kg以上である。この含量は、一般に400g/kg以下、好ましくは300g/kg未満である。
好ましい塩基性化合物は、水酸化ナトリウムもしくは水酸化カルシウムの濃縮された水溶液または水性懸濁液の形態、または精製された苛性塩水の形態である。「精製された苛性塩水」という表現は、本明細書において、例えば、隔膜電解法で生成されるものなどの塩化ナトリウムを含有する水酸化ナトリウムを意味する。精製された苛性塩水の水酸化ナトリウム含量は、一般に30g/kg以上、好ましくは40g/kg以上、より好ましくは60g/kg以上である。この水酸化ナトリウム含量は、一般に300g/kg以下、好ましくは250g/kg以下、より好ましくは200g/kg以下である。精製された苛性塩水の塩化ナトリウム含量は、一般に30g/kg以上、好ましくは50g/kg以上、より好ましくは70g/kg以上である。この塩化ナトリウム含量は、一般に250g/kg以下、好ましくは200g/kg以下、より好ましくは180g/kg以下である。
入手可能性、および本発明に係る方法が確立される工業現場の経済的最適化に応じて、いくつかの塩基性剤の混合物を使用することも可能である。これらの混合物を生成するのに好ましい塩基性剤は、石灰水ならびに水酸化ナトリウムの溶液および精製された苛性塩水の溶液、例えば、石灰水と水酸化ナトリウム溶液との混合物、または石灰水と精製された苛性塩水との混合物である。これらの混合物は、これらの塩基性剤の少なくとも2つの任意の相対的比率で製造することができる。それらは、ストリッピング領域に導入する前、また、このストリッピング領域内でも製造することができる。
本発明に係る方法において、塩水が、ジクロロプロパノールの脱塩化水素によってエピクロロヒドリンを製造するための方法に由来する場合、および塩水中の有機化合物が、エピクロロヒドリンとジクロロプロパノールとの混合物から選択される場合、塩基性剤の使用は非常に好適である。ここで、塩基性剤の添加により、塩水中に存在するジクロロプロパノールの少なくとも一部を、有益な生成物であり、ストリッピングもより容易であるエピクロロヒドリンに転化することが可能になる。ここで、有機化合物が取り除かれた塩水だけでなく、有益な有機生成物も回収される。ここで、塩水は、一般に、ストリッピング前に、例えばモノクロロプロパンジオール、グリシドール、およびクロロアセトンなどの、エピクロロヒドリンおよびジクロロプロパノール以外の有機化合物を含有する。これらの他の有機化合物はグリセロールおよびヒドロキシアセトンに転化され得、それらはストリッピングされにくく、毒性が低く、生物学的経路および/または化学的経路を介してより分解されやすい。これらの他の有機化合物によるストリッピングされたエピクロロヒドリンの汚染のリスクは低下され、それらから回収されるエピクロロヒドリンの再利用が促進される。
本発明に係る方法において、ストリッピング領域またはストリッピング塔に、少なくとも1種の塩基性剤が供給される場合、および塩水中の有機化合物が、エピクロロヒドリンとジクロロプロパノールとの混合物から選択される場合、ストリッピング操作中に導入される塩基性剤の総量(当量で表される)と、ストリッピング前に前記塩水中に含まれるジクロロプロパノールの量(モルで表される)との比率は、一般に0.1以上、度々0.5以上、しばしば1以上である。この比率は、一般に20以下、度々10以下、しばしば5以下、特に2以下である。
この実施形態において、塩水中に存在するエピクロロヒドリンは、加えられたアルカリ性剤と反応し得る。1つの好ましい操作モードは、ストリッピングを次の2つの部分、すなわち、塩水中に供給されるエピクロロヒドリンがストリッピングされる第1の部分と、次にジクロロプロパノールがアルカリ性剤と反応し、形成されたエピクロロヒドリンがストリッピングされる第2の反応部分とに分けることにある。アルカリ性剤は、2つの部分の間に導入される。これらの2つの部分は、1つの同じ装置、非限定的な例として、2つの部分を有する(two−section)塔において、または異なる装置、非限定的な例として、2つの別個の塔で行うことができる。
ストリッピング領域またはストリッピング塔に、少なくとも1種の塩基性化合物が供給される場合、塩基性化合物は、塩水とは独立してまたは塩水自体から、または両方の組合せによって、ストリッピング領域に供給され得る。塩水からの塩基性剤の供給は、塩水がストリッピング領域中に供給される前に、塩基性剤を塩水に加えることによって行われる。例えば、静的ミキサー、動的ミキサー、撹拌槽などの任意のタイプのミキサーが、得られた混合物を均質化するのに使用され得る。
本発明に係る方法において、ストリッピング領域は、“Perry’s Chemical Engineers’ Handbook”,Sixth Edition,McGraw Hill,1984,14節に記載されるような任意のタイプの装置または装置の組合せを含み得る。
本発明の方法の特定の一実施形態において、ストリッピング領域は、ストリッピング塔からなる。
この特定の実施形態の第1の態様において、単一のストリッピング塔に、塩水およびストリッピング剤が向流的に供給され、塩水およびストリッピング剤の流れの移動方向は垂直方向である。塩水は、塔の頂部で導入され、塔の底部から抜き取られる。ストリッピング剤、好ましくは、蒸気は、塔の底部で導入され、塔の頂部から抜き取られる。
この特定の実施形態の第2の態様において、少なくとも2つのストリッピング塔に、塩水およびストリッピング剤が向流的に連続して供給され、塩水およびストリッピング剤の流れの移動方向は垂直方向である。塩水は、塔の頂部で導入され、塔の底部から抜き取られる。ストリッピング剤、好ましくは、蒸気は、塔の底部で導入され、塔の頂部から抜き取られる。
この特定の実施形態の第3の態様において、少なくとも2つのストリッピング塔に、塩水およびストリッピング剤が向流的に並行して供給され、塩水およびストリッピング剤の流れの移動方向は垂直方向である。塩水は、塔の頂部で導入され、塔の底部から抜き取られる。ストリッピング剤、好ましくは、蒸気は、塔の底部で導入され、塔の頂部から抜き取られる。
この特定の実施形態の第4の態様において、少なくとも2つのストリッピング塔に、塩水およびストリッピング剤が向流的に供給され、塩水およびストリッピング剤の流れの移動方向は垂直方向である。塔には、塩水が並行しておよびストリッピング剤が連続して供給される。塩水は、塔の頂部で導入され、塔の底部から抜き取られる。ストリッピング剤、好ましくは、蒸気は、塔の底部で導入され、塔の頂部から抜き取られる。
この特定の実施形態の第5の態様において、少なくとも2つのストリッピング塔に、塩水およびストリッピング剤が向流的に供給され、塩水およびストリッピング剤の流れの移動方向は垂直方向である。塔には、塩水が連続しておよびストリッピング剤が並行して供給される。塩水は、塔の頂部で導入され、塔の底部から抜き取られる。ストリッピング剤、好ましくは、蒸気は、塔の底部で導入され、塔の頂部から抜き取られる。
この特定の実施形態の第6の態様において、単一のストリッピング塔に、塩水およびストリッピング剤が向流的に供給され、塩水およびストリッピング剤の流れの移動方向は垂直方向である。塩水は、様々なレベルで塔の頂部で導入され、様々なレベルで塔の底部から抜き取られる。ストリッピング剤、好ましくは、蒸気は、様々なレベルで塔の底部で導入され、様々なレベルで塔の頂部から抜き取られる。
塩基性剤が使用される場合、この剤は、通常、1つ以上の中間レベルで、しばしば単一のレベルで、ストリッピング塔に加えられる。塩基性剤が単一のレベルで加えられる場合、前記レベルは、より詳細には塩水供給箇所の上または下に位置する。塩基性剤がいくつかのレベルで加えられる場合、前記レベルは、より詳細には塩水供給箇所の下に位置し、レベルのうちの1つが塩水供給箇所の上および他のレベルは下に位置することが可能である。
塩基性剤は、ストリッピング塔に供給される塩水中に導入されてもよい。
ストリッピング領域がストリッピング塔からなる場合、これは、一般にプレートまたは充填材あるいは両方を含む。ストリッピング塔は、好ましくは、その上側部分に充填材を含み、その下側部分にプレートを含む。より好ましくは、充填材は、塩水供給箇所の下に位置するレベルから塔の頂部まで延在し、プレートは、充填材の下に位置する。なおより好ましくは、プレートは、塔の下に向かうほど多く保持されている。
本発明に係る方法において、ストリッピング塔は、極めて特に好ましくは、その上側部分に充填材を含み、その下側部分にプレートを含み、塩水は塔の頂部中に供給され、充填材は、塩水供給箇所の下に位置し、プレートは、塔の底部に向かうほど多く保持されている。
プレートは、当業者に公知の任意のタイプのもの、例えば有孔プレート、バブルキャップトレイ、バルブトレイ、および「ドーナツ型(doughnut)」トレイであり得る。有孔プレートが非常に好適である。
プレートの数は、一般に3以上、しばしば5以上、度々8以上、特に12以上である。プレートのこの数は、一般に100以下、しばしば80以下、度々50以下、特に40以下である。18〜25のプレートの数が非常に好適である。
充填材は、ランダムな充填材および構造化された充填材などの、当業者に公知の任意のタイプのものであり得る。ランダムな充填材が非常に好適である。
充填材の高さは、一般に0.5m以上、しばしば1m以上、度々2m以上である。この高さは、一般に10m以下、しばしば8m以下、度々5m以下、特に4m以下である。2.5〜3.5mの高さが非常に好適である。
例えば、ストリッピング塔、塔の充填材およびプレートなどの、ストリッピング処理が行われる装置は、一般に、ストリッピング条件に耐える材料から作製されるかまたはその材料で被覆される。この材料は、炭素鋼、ステンレス鋼、エナメル鋼、圧縮鋼、チタン、チタン合金およびニッケル合金、ポリオレフィン、例えばポリプロピレンおよびポリエチレンなど、塩素化ポリマー、例えばポリ塩化ビニルおよび塩素化ポリ塩化ビニルなど、フッ素化ポリマー、例えば過フッ素化ポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー、およびポリ(パーフルオロプロピルビニルエーテル)を含む)、例えば部分フッ素化ポリマー(例えば、ポリフッ化ビニリデンおよびエチレンとクロロトリフルオロエチレンとのコポリマーを含む)など、硫黄含有ポリマー、例えば、特に芳香族のポリスルホンおよび多硫化物などのポリマー、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂などの樹脂を用いたコーティング、およびそれらの少なくとも2つの組合せからなる群から選択され得る。ポリマーは、バルク形態または焼嵌め(shrunk−fit)形態で、またはコーティングの形態で使用され得る。
本発明に係る方法において、抜き取られたストリッピング剤の画分(II)は、ストリッピング剤と、ストリッピング領域への供給前の塩水中に存在する有機化合物の第1の部分とを含む。有機化合物の含量が、ストリッピング領域に供給される塩水より少ない、抜き取られた塩水の画分(I)は、塩水と、ストリッピング操作前の塩水中に存在する有機化合物の第2の部分とを含む。
本発明に係る方法において、抜き取られた画分(II)中に存在する有機化合物の量は、ストリッピング領域に供給される塩水中に存在する有機化合物の量の一般に80%以上、しばしば85%以上、度々90%以上、多くの場合94%以上である。
本発明に係る方法において、塩水中の有機化合物が、エピクロロヒドリンとジクロロプロパノールとの混合物から選択される場合、ストリッピング領域に供給される塩水中に存在するジクロロプロパノールの量に対する、抜き取られた画分(I)中に存在するジクロロプロパノールの量は、一般に5%以下、しばしば1%以下、度々0.1%以下、多くの場合0.05%以下である。
本発明に係る方法において、抜き取られた画分(I)の1kg当たりの炭素のgとして表される、抜き取られた画分(I)中の有機化合物の含量は、一般に10g/kg以下、好ましくは5g/kg以下、より好ましくは2g/kg以下、さらにより好ましくは1g/kg以下、なおより好ましくは0.8g/kg以下である。この量は、一般に0.0001g/kg以上である。
本発明に係る方法において、有機化合物が、エピクロロヒドリン、ジクロロプロパノール、およびそれらの少なくとも2つの混合物からなる群から選択される場合、特に、有機化合物が、エピクロロヒドリンとジクロロプロパノールとの混合物である場合、抜き取られた画分(I)の1kg当たりの炭素のgとして表される、抜き取られた画分(I)中の有機化合物の含量は、一般に10g/kg以下、好ましくは5g/kg以下、より好ましくは2g/kg以下、さらにより好ましくは1g/kg以下、なおより好ましくは0.8g/kg以下である。この量は、一般に0.0001g/kg以上である。ここで、抜き取られた画分(I)の1kg当たりの炭素のgとして表される、抜き取られた画分(I)中のエピクロロヒドリンの含量は、一般に抜き取られた画分(I)のkg当たり0.5g未満の炭素、好ましくは0.1g/kg以下である。ここで、抜き取られた画分(I)の1kg当たりの炭素のgとして表される、抜き取られた画分(I)中のジクロロプロパノールの含量は、一般に0.5g/kg未満、好ましくは0.1g/kg以下である。
本発明に係る方法において、抜き取られた画分(II)に、任意の次の処理を行ってもよい。この処理は、蒸留、蒸発、ストリッピング、液液抽出、沈降、吸着および吸収操作およびそれらの少なくとも2つの任意の組合せからなる群から選択され得る。この次の処理は、一般に、第1の部分において、次の処理の前に抜き取られた画分(II)中に存在する有機化合物の大半を回収し、第2の部分において、次の処理の前に抜き取られた画分(II)中に存在するストリッピング剤の大半を回収することが意図される。この第2の部分は、ストリッピング領域に再利用され得る。ストリッピング剤が蒸気を含む場合、凝縮操作の後に、液液相分離操作、例えば遠心分離、凝結(coalescence)または重力沈降が続くことが好ましい。場合によっては、沈降操作の前に、凝結操作が行われてもよい。有機化合物が、エピクロロヒドリン、ジクロロプロパノール、またはエピクロロヒドリンとジクロロプロパノールとの混合物からなる群から選択される場合、この操作は好ましい。ストリッピング剤が、空気、窒素、酸素、低酸素空気、およびそれらの少なくとも2つの混合物からなる群から選択される場合、例えば活性炭または樹脂などの吸着剤固体への有機化合物の吸着が、好ましい変形例である。別の好ましい変形例は、高温酸化処理に送ることである。
本発明に係る方法において、抜き取られた画分(I)に、任意の次の処理を行ってもよい。この処理は、温度調節、希釈、濃縮、蒸留、蒸発、沈降、凝結、液液抽出、ろ過、結晶化、吸着、酸化、還元、中和、錯体形成、沈殿、および塩添加操作およびそれらの少なくとも2つの組合せからなる群から選択され得る。これらの処理は、その内容、より詳細には11頁13行から29頁7行までの節が参照により本明細書に援用される、SOLVAY(Societe Anonyme)による出願の国際公開第2008/152043号パンフレット、および、その内容、より詳細には1頁24行から27頁26行までの節が参照により本明細書に援用される、SOLVAY(Societe Anonyme)による出願の国際公開第2009/095429号パンフレットに記載されるとおりである。非常に好適な処理は、その内容が参照により本明細書に援用される、Solvay S.A.の名義で2010年8月2日に出願された仏国特許出願第10/56360号明細書に記載されるとおりである。このように処理された画分(I)は、電解法、特に、塩素アルカリ電解法などの、アルカリ金属塩化物、特に塩化ナトリウムを含む塩水の電解のための方法に供給することができる、有機化合物が取り除かれた塩水である。
本発明に係る方法において、特にストリッピング領域がストリッピング塔である場合、有機化合物が除去された塩水が、ストリッピング領域から、特にストリッピング塔から抜き取られ、前記除去された塩水に、温度調節、希釈、濃縮、蒸留、蒸発、液液抽出、ろ過、結晶化、吸着、酸化、還元、中和、錯体形成、沈殿、塩添加、好気性菌処理操作、および嫌気性菌処理操作、ならびにそれらの少なくとも2つの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの処理を行い、このように処理された塩水を、アルカリ金属塩化物塩水の電解のための方法の、水銀電解槽または隔膜電解槽または膜電解槽、好ましくは膜電解槽に、供給することが可能である。
本発明は、アルカリ金属塩化物の塩水の電解の方法にも関し、アルカリ金属塩化物塩水の電解のための方法の、水銀電解槽または隔膜電解槽または膜電解槽、好ましくは膜電解槽に、温度調節、希釈、濃縮、蒸留、蒸発、液液抽出、ろ過、結晶化、吸着、酸化、還元、中和、錯体形成、沈殿、塩添加、好気性菌処理操作、および嫌気性菌処理操作、ならびにそれらの少なくとも2つの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの処理を有機化合物が除去された塩水に行うことによって得られる塩水が供給され、塩水は、本発明に係る除去(epuration)方法のストリッピング領域から、好ましくはストリッピング塔から抜き取られる。
本発明に係る方法において、ストリッピング領域に供給される塩水に、ストリッピング領域に供給される前に少なくとも1つの処理を行ってもよい。この処理は、希釈、濃縮、蒸留、蒸発、沈降、凝結、液液抽出、ろ過、結晶化、吸着、酸化、還元、中和、錯体形成、および沈殿操作、ならびにそれらの少なくとも2つの組合せからなる群から選択され得る。これらの処理は、その内容、より詳細には11頁13行から29頁7行までの節が参照により本明細書に援用される、SOLVAY(Societe Anonyme)による出願の国際公開第2008/152043号パンフレット、および、その内容、より詳細には1頁24行から27頁26行までの節が参照により本明細書に援用される、SOLVAY(Societe Anonyme)による出願の国際公開第2009/095429号パンフレットに記載されるとおりである。
以下の実施例1〜21は、本発明を例示することが意図されるが、本発明を限定するものではない。
実施例1および2
27個のプレートを含むストリッピング塔に、塔の頂部から数えて5つ目のプレートにおいて、塩水1kg当たり、20gのエピクロロヒドリン、12gの1,3−ジクロロ−2−プロパノール、8gの2,3−ジクロロ−1−プロパノール、および200gの塩化ナトリウムを含む塩水を供給し、および塔の底部において3バール(絶対圧)の飽和蒸気を供給する。
塔に供給される塩水の流れに対する塔に供給される蒸気の流れは6/40(kg/kg)である。
塔における液体の滞留時間は、供給プレートにおいて45秒間、供給プレートの下に位置する複数のプレートの1つのプレート当たり18秒間、および塔の頂部のプレートにおいて4.5秒間である。
塩水を塔の底部から、蒸気を塔の頂部で抜き取る。
実施例3
ストリッピング塔に、320g/kgの水酸化ナトリウムを含有する溶液も供給することを除いて、実施例2の手順にしたがう。塔の底部において塩水中に存在するジクロロプロパノールの量が、塔に供給される塩水中に存在するジクロロプロパノールの量に対して0.01%になるように、水酸化ナトリウムの流れを調整する。
実施例4、10、11、12、13、および14
塔の底部において4バール(絶対圧)の飽和蒸気を用いてストリッピングを行うことを除いて、実施例3の手順にしたがう。
実施例5、6、7、8、9,15、16、17、18、19、20、および21
塔の底部において4バール(絶対圧)の飽和蒸気を用いてストリッピングを行うことを除いて、実施例2の手順にしたがう。
実施例1〜21では、塔の底部から抜き取られた塩水1kg当たりの炭素のmgとして表される、抜き取られた塩水中の有機化合物の残留含量の値、ならびに、塔の頂部の圧力、塔における圧力降下、塔の底部から抜き取られた塩水の温度、および塔の頂部で抜き取られた蒸気の温度の様々な値を以下の表に示す。
Figure 2013539450

Claims (25)

  1. 塩水から有機化合物を取り除くための方法であって、
    (a)少なくとも1種の有機化合物を含む塩水を供給する工程と、
    (b)(a)からの前記塩水および少なくとも1種のストリッピング剤を少なくとも1つのストリッピング領域に供給する工程と、
    (c)有機化合物の含量が(a)からの前記塩水中より少ない、塩水から本質的になる少なくとも1つの画分(I)と、ストリッピング剤から本質的になる少なくとも1つの画分(II)とを、前記ストリッピング領域から抜き取る工程と
    を含み、
    前記2つの画分(I)および(II)のうちの最も高温の画分の℃で表される温度(T)ならびに前記2つの画分(I)および(II)のうちの最も低温の画分の℃で表される温度(T)であって、それらの前記抜き取りの前および/またはその間に行われ得る任意の可能な温度調節の前に測定される温度が、以下の式:
    6×10−7(T3.7294≦T<T
    を満たす方法。
  2. 前記温度Tが、0.9752(T0.9991以下である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記温度Tが、0.8967(T1.0147以下である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記温度Tが、5×10−5(T2.8779以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記温度Tが、0.0593(T1.4859以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記温度Tが、0.5342(T1.088以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記温度Tが、0.7535(T1.0325以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  8. (b)の前記ストリッピング領域が、ストリッピング塔からなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記塔の底部の圧力と前記塔の頂部の圧力との差が、2バール以下かつ10ミリバール以上である、請求項8に記載の方法。
  10. 前記塔の底部の圧力と前記塔の頂部の圧力との差が、1.5バール以下かつ30ミリバール以上である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記塩水が、塩水1kg当たり5g以上のNaClの含量で少なくとも塩化ナトリウムを含有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記塩水の前記塩化ナトリウム含量が、塩水1kg当たり180g以上のNaClである、請求項12に記載の方法。
  13. 前記有機化合物が、エピクロロヒドリン、ジクロロプロパノール、およびこれらの任意の混合物からなる群から選択される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記ストリッピング操作前の前記塩水中のエピクロロヒドリンの含量が、塩水1kg当たり0.1g超かつ塩水1kg当たり100g以下である、請求項13に記載の方法。
  15. 前記ストリッピング操作前の前記塩水中のエピクロロヒドリンの含量が、塩水1kg当たり10g超かつ塩水1kg当たり25g以下である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記ジクロロプロパノールが、1,3−ジクロロプロパン−2−オールおよび2,3−ジクロロプロパン−1−オールであり、前記ストリッピング操作前の前記塩水中の1,3−ジクロロプロパン−2−オールの含量が、0.1g/kg以上かつ50g/kg以下である、請求項13〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記ジクロロプロパノールが、1,3−ジクロロプロパン−2−オールおよび2,3−ジクロロプロパン−1−オールであり、前記ストリッピング操作前の前記塩水中の2,3−ジクロロプロパン−1−オールの含量が、0.1g/kg以上かつ50g/kg以下である、請求項13〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記ストリッピング剤が、空気、低酸素空気、窒素、蒸気、およびこれらの少なくとも2つの混合物からなる群から選択される、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記ストリッピング剤が蒸気であり、(b)の前記ストリッピング領域に、塩水およびストリッピング剤を連続しておよび向流的に供給する、請求項18に記載の方法。
  20. (b)の前記ストリッピング領域に、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、およびこれらの少なくとも2つの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の塩基性化合物をも供給する、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記少なくとも1種の塩基性剤が、水酸化ナトリウムの水溶液であり、その水酸化ナトリウム含量が、150g/kg以上である、請求項20に記載の方法。
  22. 前記有機化合物が、エピクロロヒドリンとジクロロプロパノールとの混合物であり、前記ストリッピング操作中に導入される等価体で表される塩基性剤の総量と、前記ストリッピング前に前記塩水中に含まれるジクロロプロパノールの量とのモルで表される比率が、0.1以上かつ20以下である、請求項20に記載の方法。
  23. (b)の前記ストリッピング塔が、その上側部分に充填材およびその下側部分にプレートを含み、前記塩水が前記塔の頂部に供給され、前記充填材が前記塩水の供給箇所の下に位置し、かつ、前記プレートが前記塔の底部に向かうほど多く保持されている、請求項8〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記塩水が、ジクロロプロパノールの脱塩化水素によってエピクロロヒドリンを製造するための方法に由来し、前記ジクロロプロパノールの少なくとも一部が、グリセロールから得られ、前記グリセロールの少なくとも1つの画分が天然グリセロールである、請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法。
  25. アルカリ金属塩化物の塩水の電解方法であって、アルカリ金属塩化物塩水の前記電解のための方法の膜電解槽に、温度調節、希釈、濃縮、蒸留、蒸発、液液抽出、ろ過、結晶化、吸着、酸化、還元、中和、錯体形成、沈殿、塩添加、好気性菌処理操作、および嫌気性菌処理操作、ならびにこれらの少なくとも2つの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの処理を有機化合物が除去された塩水に施すことによって得られる塩水を供給し、前記塩水を、請求項1〜24のいずれか一項に記載の除去方法のストリッピング領域から抜き取る方法。
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