JP2013530891A - 容器用密閉器 - Google Patents

Abstract

【解決手段】
軸（Ａ）を定義する円形の開口を有する容器（１）のための密閉器であり、密閉器は開口を閉じるように容器に固定可能であり、密閉器は密閉器が容器に固定されるときに容器のシール面（１Ｂ）と共にシールを提供するように密閉器上に取り付けられたＯリングシール部材（５）を有し、シール面は容器の上面又は内側面の周りに延在する。密閉器は、使用に際して開口を介して容器の内部へと広がるボア特徴（４）を備えていてよく、Ｏリングシール（５）はボア特徴に設けられていてよい。例えばボトルネック及び広口密閉器を閉じるために、密閉器の種々の形態が説明される。密閉器は内側部品（３）及び外側部品（２）、例えばカラー上キャップ型密閉器を備えていてよく、容器は望ましくはその外側にネジ特徴を有しておらず、快適な飲用に適している。
【選択図】図１

Description

本発明は容器用の密閉器(a closure for a container)、特に飲料又は他の食料品のための密閉器に関する（但し、密閉器は他の種類の容器に使用され得る）。

飲料容器のための種々の密閉器が知られている。例えば、ＷＯ２００６／０００７７４及びＷＯ２００７／０９１０６８に記載されるカラー上キャップ型(cap-on-collar)密閉器並びにＷＯ２００７／０５７６５９に記載されるワンピース・ツイストオフ型(one-piece twist-off)密閉器である。これら先行技術は、密閉器と容器の間でのシール(seal)を提供するための圧迫ガスケット(compression gaskets)等の種々のシール部材について記述している。

例えば容器に炭酸飲料を入れ且つ容器が高温にさらされる場合に容器内の高い圧力に耐えることができ、更にはユーザが密閉器を容器から外すのが困難でないシールを提供することが必要とされる。そのようなシールには様々な問題、例えば、シールと容器の間での大きな摩擦係合(frictional engagement)（特に広口容器に対して）、長期に及ぶ保管の後にシールがその弾力を失ったり容器に固着したりすること、及びシール又は容器における不完全性（特にガラス容器が用いられる場合）、が生じ、これらはシールの弱点となる。

本発明は、先行技術における問題の１つ以上を低減し又は克服することを目的として、そのような密閉器のためのシールの代替的な形態を提供する。

本発明の第１の側面によると、軸を定義する実質的に円形の開口を有する容器のための密閉器が提供され、密閉器は開口を閉じるように容器に固定可能(securable)であり、密閉器は、容器のシール面と共にシールを提供するように密閉器上に取り付けられた(mounted)又は取り付け可能(mountable)なＯリングシール部材を有し、シール面は容器の上面又は内側面の周りに延在している。

尚、ここで用いられる「Ｏリングシール」の用語は、円形断面の他、長円断面、実質的に正方形の断面及びｘ型断面（「ｘリング」と称されることがある）を含む他の断面を有するエラストマー材料の円環又は輪(toroid or loop)からなるシールを含むものとして理解されるべきである。また、この用語は、Ｏリングの機能と同等の機能を有するシールの他の形態にも及ぶことが理解されるべきである（後で更に説明される）。

エラストマー円環に加えて、Ｏリングシールは当該円環がその内部に配置される溝（グランド(gland)と称される）を備える。この溝は典型的には実質的に正方形の断面を有するが、三角形断面及び半円形断面を含めて他の形状も用いられ得る。溝は、Ｏリング及び少なくとも１つの側壁を配置するための配置手段(locating means)を提供する。側壁は、Ｏリングの一方の側が高い圧力にさらされたときに、Ｏリングが側壁に押し付けられて側壁と容器本体のシール面との間の間隙をシールするように配置される。内圧が低下させられる容器、例えば真空パックのためには、側壁はＯリングの内側上にあり、また、内圧が高められる容器に対しては、側壁はＯリングの外側上にある。側壁がＯリングの両側に設けられる場合には、側壁は両環境においてシール機能を提供することができる。

本発明はまた、上述した密閉器とこの密閉器によって閉じられるように構成される容器との組み合わせに関係する。

開口が大きくなればなるほど密閉器と容器の間での効果的で且つ信頼性のあるシールを提供することが困難になるので、本発明は、密閉器を比較的容易に取り外すことを確実にしつつ、特に広口密閉器（例えば５０〜８０ｍｍの直径を有する）に適用可能である。しかし、本発明は、例えば２８ｍｍ直径の開口を有するボトル等の小さい開口にも適用可能である。

ここで用いられる「上、上部、上側」や「下、下部、下側」等の方向を示す用語は、水平面上に立っている容器であってその開口を通過する実質的に垂直な軸を有する容器に対する方向を参照する（但し、文脈が明らかにそれ以外の方向を必要とする場合を除く）。

本発明の好ましい特徴及び随意的な特徴は、以下の説明から及び出願書類として付随する特許請求の範囲から明らかになるはずである。

次に、以下に示す添付図面を参照して、例示のみを目的として、本発明を更に説明する。

図１は容器本体に装着している場合における本発明に従う密閉器の第１実施形態の部分断面図である。 図２は容器本体に装着している場合における本発明に従う密閉器の第２実施形態の部分断面図である。 図３は容器本体に装着している場合における本発明に従う密閉器の第３実施形態の部分断面図である。 図４Ａは本発明に従う密閉器及びそれが装着され得る容器本体の第４実施形態の斜視図である。 図４Ｂは容器に装着している場合における第４実施形態の部分破断斜視図である。 図５Ａは容器に装着している場合における本発明に従う密閉器の第５実施形態の部分破断斜視図である。 図５Ｂは異なる形態のＯリングを用いる第５実施形態の修正バージョンの部分破断斜視図である。 図６Ａは容器に装着している場合における本発明に従う密閉器の第６実施形態の部分破断斜視図である。 図６Ｂは異なる形態のＯリングを用いる第６実施形態の修正バージョンの部分破断斜視図である。 図７ＡはＯリングシールの機能及びパラメータを示す模式図（その１）である。 図７ＢはＯリングシールの機能及びパラメータを示す模式図（その２）である。 図７ＣはＯリングシールの機能及びパラメータを示す模式図（その３）である。 図８は、本発明の更なる実施形態に従いボア特徴(bore feature)及びＯリングを含むように修正され得る同時係属中のＧＢ１０１１８００．８に記載される密閉器の実施形態の断面図であって、ボトルネックへの固定に先立つその一部を示している。 図９は、本発明の更なる実施形態に従いボア特徴及びＯリングを含むように修正され得る同時係属中のＧＢ１０１１８００．８に記載される密閉器の実施形態の断面図であって、密閉器がボトルネックとの固定係合へと動かされたときのその一部を示している。 図１０Ａは図８及び図９に示される密閉器の内側部品の側面図である。 図１０Ｂは図８及び図９に示される密閉器の内側部品の断面図（図１０ＡのＥ−Ｅ線上での）である。 図１１Ａは図１０Ａ及び１０Ｂの内側部品の上からの斜視図である。 図１１Ｂは図１０Ａ及び１０Ｂの内側部品の下からの斜視図である。 図１２Ａは図８及び図９に示される密閉器の外側部品の側面図である。 図１２Ｂは図８及び図９に示される密閉器の外側部品の下から見た図である。 図１３Ａは図１２Ａ及び１２Ｂの外側部品の上からの斜視図である。 図１３Ｂは図１２Ａ及び１２Ｂの外側部品の下からの斜視図である。

図１〜３に示される実施形態は、カラー上キャップ型密閉器を備える。この種の密閉器は、上述したＷＯ２００６／０００７７４及びＷＯ２００７／０９１０６８等の先行技術から既知であるので、詳細には説明しない。

図１は、実質的に円形の開口を有する容器本体１のための密閉器を備える実施形態を示しており、開口は、軸Ａと、開口の周りで外側に向かって突出するリップ１Ａと、を伴う。密閉器は開口を閉じるためのキャップ２とカラー３とを備え、カラー３は、外側に向かって突出するリップ１Ａの下に係合し且つ先行技術において説明したようにキャップ２を容器本体１に固定すべく容器本体１とキャップ２の間にぴったり挟まるように構成される。キャップ、カラー及び容器は、典型的には、プラスチック材料、例えばポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）から形成されるが、他の材料から形成されてもよい。容器は例えばガラスから形成されてよく、また密閉器は金属から形成されてよい。

キャップ２は、容器開口をまたいで広がる円形の上部と、そこから垂下する(depending therefrom)スカート部２Ｂと、を有する。キャップは更に、使用に際して開口を介して容器１の内部へと拡張するボア部材４を有し、また容器の内側面１Ｂと共にシールを提供するために、ボア部材４の外面上にＯリングシール部材５を有する。

ボア部材４は、キャップ２の一体化部分であってよく、あるいは図示されるようにキャップ２によって運ばれる別部品であってよく、そして容器１の内部内にほぼ密着するように構成される（但し、僅かに間隔があいている）。ゴム等の弾性エラストマー材料から形成されるＯリング５を受け入れるために、ボア部材の外面内にはその周囲の周りに例えば溝４Ａの形態にある凹部が設けられている。

キャップ２は、カラー３に対して例えばそれらの間のネジ山によって回転可能である。カラー３は、容器本体１のリップ１Ａの下に係合する複数の半径方向可動部３Ｂを有しており、キャップが締め付け方向に回転させられるにつれて、カラー３は、例えばキャップの内側面の周りの離れた複数位置に間隔をあけて置かれる複数のカム特徴によって、リップ１Ａの下で内側に向けて半径方向可動部を押し付け且つそれらをこの位置で固定的に保持するように配置される。代替的には、可動部はそれら自身の弾力によって内側に付勢されてよく、またキャップ２は、可動部が半径方向外側に向けて動いたり撓んだりすることを阻むことによって可動部をリップ１Ａの下に固定的に保持する位置に回転させられてよい。

望ましくは、キャップ２がカラー３に対して締め付け方向に回転させられるにつれて、キャップ２は、リップ１Ａの上面１Ｃに向けて軸方向下方向へと引き寄せられる。キャップ２は、閉じた位置にある場合にこの上面１Ｃに係合してよく、あるいは図１に示されるように（誇張した形態で図示されている）、時間と共に上面１Ｃに固着してしまう危険性を低減するために、上面１Ｃとは間隔をあけられていてよい。キャップ２が上面１Ｃと間隔をあけられている場合、その間隔は、シールされた位置にあるときに容器本体に対する密閉器の垂直方向の動きの範囲を最小化するように、望ましくは比較的小さく、例えば０．５ｍｍ未満である。

更なる構成（図示せず）においては、キャップ２は、リップの上面１Ｃに直接的に又はこれらの間の第２のシール部材６を介して間接的に係合して、キャップ２と容器本体１の間の第２のシールを提供してよい。

上述したように、密閉器が容器本体１に取り付けられると、ボア部材４は容器本体１の内部へと拡張し、またリングシール部材５は容器本体の内側面１Ｂにほぼ密着する。キャップ２がカラー３に対して締め付け方向に回転させられるにつれて、ボア部材４は容器本体１内へと更に引き寄せられ、そしてＯリングはボア部材４と容器本体１の内部との間のシールを提供する。

容器リップの内側の縁は、Ｏリング５のための導入面(lead-in surface)を提供するために、望ましくは面取りされる。Ｏリング５は次いで、実質的に平行な円筒側面を備える容器本体の内面の一部分１Ｂに係合する。Ｏリング５の機能は、図７Ａ及び７Ｂに関連して後で更に説明する。円筒面１Ｂは、例えば容器の内部と外部の間での圧力差に起因するボア部材４の軸方向の動き（上へ又は下へ）を吸収するのに十分な距離（典型的には数ミリメートル）だけ軸方向に広がっている。この面１Ｂは平行側面であるから、そのような動きは、密閉器と容器本体の間のシールに影響することなく吸収され得る。

ボア部材４内の溝４Ａは３面構成であり、容器本体の内側面１Ｂと共に、Ｏリング５の断面を拘束する４面構成の包囲空間を規定していることが理解されるはずである。溝４Ａの両側壁は、望ましくはシール面１Ｂに対して実質的に垂直である。後で更に説明するように、包囲空間は３面構成であれば足り、即ち容器のシール面の他に２面構成（例えばＬ型又はＶ型の溝）であれば足りる。

容器の内壁の円筒面１Ｂの下方には随意的に肩１Ｄが設けられて、容器壁の小径部１Ｅをもたらしている。この下方では、容器壁は任意の所望の形状を有していてよい。小径部１Ｅは、例えば充填ラインにおける自動ハンドリングツールが円筒シール面を損傷することなく容器の内側をつかむことができるように設けられている。

肩１Ｄはまた、容器内へのボア特徴の動きを制限するための停止特徴(stop feature)を提供する。

ネジ形状が傾斜部を有する構成においては、カラーに対するキャップの回転は、容器内でのＯリングの軸方向の動きへと変換されるので、この動きを生じさせることにおいて顕著なメカニズム上の利点がもたらされることが理解されるはずである。加えて、Ｏリングの圧縮は主として水平方向であるから、リングの軸方向の動きを妨げない。これにより、密閉器を締め付けるのに必要なトルクが大きく低減される。

上述したように、ボア部材４はキャップ２と一体的に形成されていてよく、あるいは別部品であってよい。後者の場合、ボア部材４をキャップ２が形成されるのとは異なる材料、例えば金属から形成するためのより多くの選択が可能である。金属製ボア部材は、概してガスに対して不透過性であるから有利である。プラスチック製ボア部材が用いられる場合、そのガス透過性を低減するように改質されたプラスチック材料から形成されることが望ましい。金属製ボア部材はまた、温度が上昇するのに従って膨張するので、Ｏリングを更に圧縮／変形して容器とのシールを強化する。

別部品のボア部材４は、種々の方法でキャップ２に取り付けられてよく、例えばキャップ２に接着又は溶着されてよく、あるいは単にキャップ２内に挟み込まれてよい（図１に示されるように）。キャップ及びボア特徴の係合部分は、それらの間の摩擦係合を低減するために、望ましくは外周の周りの局所的区域に設けられる（その利点は後述する）。図１の断面はそれらの位置の１つを通っている。

ボア部材４はキャップ２がボア部材４に対して回転可能な構成であってよいので、一旦Ｏリングシール部材５がシール面１Ｂに摩擦的に係合すると、キャップ２がカラー３に対して更に回転させられてもボア部材４は容器本体１に対してそれ以上は回転しない。むしろ、ボア部材４と容器本体１の間の摩擦係合がボア部材４とキャップ２の間の摩擦係合よりも大きくなると、ボア部材４は容器本体１内で単に軸方向に動くだけである。このことは、キャップがカラー３上で締め付けら又は緩められるのに従って、Ｏリング５は容器に対して回転するのではなく容器内で軸方向に動かざるを得ないことを意味し、密閉器を締め付け又は緩めるのに必要なトルクが大幅に低減される。従ってそのような構成においては、キャップの回転は、ボア部材（及びＯリング）を更に容器内へと軸方向に駆動するように作用する。他の場合には、これに該当する必要はない。

図２は、ボア部材１４がキャップ１２と一体的に形成されている点、及びキャップの上部１２Ａが環形態(annular form)を有している点（円形であり且つ容器開口をまたいで広がっているのではなく）を除き、図１の密閉器と同様の密閉器（対応する部分は１０を加えた参照番号を有している）を示している。この例では、容器開口をまたいで広がり且つ容器開口を閉じているものがボア部材１４である。

この実施形態は、より少ない部品からなるので、簡素化の利点を有している。密閉器における凹部１２Ｃは、販売促進物品（図示せず）のための場所を提供することもできる。

図３は図１の実施形態と同様の第３実施形態（対応する部分は２０を加えた参照番号を有している）を示しているが、この実施形態では、Ｏリングシール部材は、ボア部材の下面に装着される弾性部材２５の一部である。弾性部材２５は、ボア部材２４の下面に適合するようにモールド成形され、また円環状Ｏリングと同等の機能をなす部分２５Ａを有している。この部分２５Ａは、近似的に円形の断面、例えば図３に示されるように角を丸くされた正方形の断面を有しており、またボア部材２４の外周の周りに延在する溝２４Ａ内に配置される。図示されるように、この溝２４Ａは上面及び後面を備えており、そしてこれらの面は、容器本体の円筒面２１Ｂと共に、少なくとも容器２１内の上昇した圧力にさらされたときに前記部分２５Ａの断面を拘束する（この実施形態は、容器内への動きに抗して前記部分を拘束する下面を溝が有していないので、容器内の圧力が低下させられる用途での使用、即ち真空パックにおける使用には適していないであろうことに注意されたい）。

図４Ａ及び４Ｂ並びに図５Ａ及び５Ｂは、例えば容器の外側上のネジによって密閉器が容器に直接的に固定される実施形態、即ちカラーを必要としない実施形態を示している。これらの実施形態もまた、密閉器と容器の間のシールを提供するためのＯリング及び上述した特徴に対応する多くの特徴を採用している（同様の参照番号であるが３０又は４０を加えた参照番号が与えられる）。

図４Ａ及び４Ｂは、一片型密閉器(one piece closure)を伴う実施形態を示しており、この密閉器は容器にこれらの間のネジ係合により回転可能に固定される。密閉器は、容器３１の口を閉じる円形部３２Ａとスカート部３２Ｂとを有するキャップ３２を備える。スカート部３２Ｂは、その外周の周りの離れた複数位置に間隔をあけて置かれる複数のネジ特徴３２Ｃを有しており、これらのネジ特徴３２Ｃは、容器リップ３１Ｂの外側の周りに間隔をあけて置かれる複数のネジ特徴３１Ａに係合する。図４Ｂに示されるように、円形部３２Ａは容器３１内へと拡張するボア部材３４の一部であり、そしてボア部材３４の外側における溝３４Ａ内にはＯリングシール３５が設けられている。Ｏリングシール３５は、容器３１の内周の周りのシール面３１Ｃに係合する。望ましくは、この面３１Ｃは実質的に円筒状である（上述したように）が、図４Ｂに示されるように、容器３１の口に向かうにつれて直径が減少する面の一部であってもよい。この構成によると、容器３１内で高められた圧力がキャップ３２を上へと促して、Ｏリング３５はシール面３１Ｃの直径減少部に係合するので、シール面とのシール係合が増強される。

図４Ａ及び４Ｂに示されるキャップ３２は金属から作製されてよく、またそのネジ特徴３２Ｃはプレス作業によって形成されてよい。図示されるようにネジ形状は望ましくは多条ネジ形状(multi-start thread form)であり、この例では密閉器を閉め又は解放するのに約４５度のみの回転で済む８条ネジ形状である。

図５Ａは密閉器の第５実施形態を示している。この実施形態は、Ｏリングが係合するシール面４１Ｃが容器４１の円錐表面になるような溝であってボア特徴４４上に位置する溝内にＯリング４５が取り付けられる点を除いて、図４Ａ及び４Ｂの一片型密閉器と同様である。図示される例では、この円錐表面４１Ｃは、軸Ａに対して実質的に４５度の角度で位置しており、また容器リップの上面から容器４１の内部へと広がる面取り面を備えている。円錐表面４１Ｃは、用途、内圧の性質及び大きさ並びにＯリング材料４５の硬度に応じて軸Ａに対して他の角度で位置していてよい。

この実施形態は、キャップ４２、そして特にＯリングを収容するのに用いられる溝が、プレス作業によって図４に示される構成よりも容易に形成されるという利点を有している。

また、シール面４１Ｃは垂直成分を有しているので、キャップ４２が容器４１に締め付けられるのに従って、Ｏリングはこの面を下に向かって動く。従って、密閉器を締め付けるのに必要な力はＯリングを下方向へ動かすだけでなくリングを圧縮しもするので、この力は低減される（シール面が軸Ａに対して垂直な構成と比較して）。シール面は内側に向けて傾斜しているので、シール面は水平方向にＯリングを圧縮するのにも役立つ。

図５Ｂは第５実施形態の修正された形態を示しており、ここでは円形断面を有するＯリングに代えて十字形断面を有するＯリングシール４５’（Ｘリングと称することがある）が用いられている。この形態のＯリングは、２点ではなく４点でシールするという利点を有する。

図６Ａは密閉器の第６実施形態を示している。この密閉器は図４の一片型密閉器と同様であるが、Ｏリングが係合するシール面が容器リップの上面になるように配置される溝内にＯリング３５が取り付けられる点が異なる。望ましくは、図示されるように、キャップは、容器の内部へと広がるボア部材をやはり有している。図示される構成においては、シール面は、容器の内側面に隣接する上面の半径方向内側部分である。例えば真空容器において容器の内側が減圧にさらされると、Ｏリングはボア部材と容器の内側リムとの間の間隙内へと押し込まれる。従って、このようにして形をなすシールは、角が上面を満たす位置にあるその角が容器の内部表面の一部として含まれる場合には、容器の内部表面と共に形成されるものとみなし得る。

図６Ｂは第６実施形態の修正された形態を示しており、ここでは円形断面を有するＯリングに代えて十字形断面を有するＯリングシール５５’（Ｘリングと称することがある）が用いられている。上述したように、この形態のＯリングは、２点ではなく４点でシールするという利点を有する。

第６実施形態の更なる修正（図示せず）においては、容器リップの上面は、Ｏリングが係合するシール面がリップの最上面でないように形成されてよい。このシール面はリップの内側上に設けられてよく、この場合、ボア特徴及びそれにより運ばれるＯリングは、容器の開口を介して容器の内部へと拡張する（図５Ａ及び５Ｂに示されるのと同様に）。

代替的には、シール面は、容器リップの上面の外側の周りにあってよく、例えば概ねリップの外径の凹部又は面取り面の形態であってよい。上述したように、シール面が傾斜している場合（垂直成分を有するように）、Ｏリングを圧縮するために印加される力は軸Ａに対してある角度にあり、従って密閉器の垂直の動き（軸Ａに沿っている）と直接的には反対ではないので、密閉器を締め付けるのに必要なトルクが低減される。

このように、これらの修正においては、シール面は容器リップの上面（又は容器の内側面）であるが、必ずしもリップの最上面である必要はない。

望ましくは、これらの実施形態の各々において理解されるであろうように、Ｏリングを収容している側壁は、容器のシール面に対して実質的に垂直である。

図７Ａ〜７ＣはＯリングシールの機能及びパラメータを示している。図７Ａは変形されていない状態において円形断面を有するＯリング７５の断面を示す。この断面は直径又は幅ＣＳを有する。図７Ｂは深さＤを有する溝又はグランド(gland)内に配置されるＯリング７５を示しており、Ｏリング７５は、溝の後シール面７４Ｂと外部シール面７１Ｂ（例えば容器本体の内側面）との間で圧縮されている。この例では、Ｏリング７５は、そのいずれの側（図７Ｂにおける左右）においても等しい圧力にさらされる。

Ｏリングは内径及び外径並びに断面での直径ＣＳを有している（断面での直径ＣＳは内径と外径の差である）。外径は容器開口の直径によって決定される（そして典型的には容器開口の直径よりも僅かに大きい）。断面直径ＣＳは用途に応じて決まることになるが、５０〜８０ｍｍの範囲内の直径を有する容器に対しては、望ましくは２．０〜３．０ｍｍの範囲内にある。例えば２８ｍｍ直径の開口を有する細口容器に対しては、ＣＳは望ましくは１．０〜２．０ｍｍの範囲内にある。尚、ＣＳは溝内に取り付けられたときに圧縮されていないＯリングの断面を参照する。リングが溝内に位置して伸ばされると、この断面は、延ばされていない状態における断面よりも小さくなる。

Ｏリングは典型的にはエラストマーから形成される。エラストマーは、大きな又は小さな変形の後に元の形状に戻るための十分な記憶能力を有する合成の又は天然の弾性材料である。この復元力はＯリングがシールを提供することを可能にするものであり、そしてシール及びグランドのパラメータはこの復元力の効果的な使用をもたらすように選択される。

Ｏリングは、これを圧縮し且つ位置させる包囲空間内に配置される。この閉じ込めは、シール機能が維持され且つＯリングが望ましい位置に保たれることを確実にする。包囲空間は、溝又はグランドの壁と溝又はグランドの開放側に面するシール面とによって形成される。図７Ｂは高さＨ及び幅Ｗを有する包囲空間を示している。グランドは比較的強固な(rigid)材料において形成される（従ってＯリングとは異なる材料から形成される）。この空間内に配置されるＯリングは圧縮されるので、その断面幅はＣＳ（図７Ａに示される）からＨへと減少する。

「圧縮される（された）(compressed)」の用語は、形状のこの変化を記述するためにここで用いられている。但し、エラストマーは実質的には非圧縮性であるから、「変形(deformation)」の用語の方が技術的にはより正確である。従って、「圧縮された」状態にあるＯリングの断面積は、それが非圧縮状態にあるときと実質的に同じである。

グランドの対向面７１Ｂ及び７４Ｂはシール面であり、そしてそれらの間隔ＨはＯリング断面ＣＳよりも小さいので、図示されるようにＯリングが圧縮される結果、Ｏリングと面７１Ｂ及び７４Ｂの各々との間にシール力が生じる。

対向面７１Ａ及び７４Ｃは面を含んでおり、またそれらの間の距離ＷはＯリングの直径ＣＳに等しいかそれよりも大きい。これらの面の主たる機能は、Ｏリングを所定の場所内に保つことである。

Ｏリングの性能に影響する最も重要なパラメータの２つは、圧縮スクイーズ(compression squeeze)と圧縮比である。圧縮スクイーズは次のように定義される。
圧縮スクイーズ＝ＣＳ−Ｈ

また圧縮比は圧縮スクイーズが非圧縮のＯリング断面の何パーセントであるかを表す。
圧縮比＝（圧縮スクイーズ／ＣＳ）×１００

圧縮スクイーズは０．１ｍｍの最小値を有するべきであり、そして望ましくは少なくとも０．１５ｍｍである。

圧縮比は５％〜３５％の範囲内にあるべきであり、そして望ましくは２０％〜２５％の範囲内にある。

Ｏリングシールの他のパラメータは押し出し間隙(extrusion gap)Ｇであり、これはシール面７１Ｂとボア部材内に形成された溝の開口に隣接するボア部材（又は他の部品）の外面との間の空間の高さである。間隙Ｇは寸法Ｈ及びＤの差であり、Ｇ＝Ｈ−Ｄである。

間隙ＧはＯリングの断面ＣＳよりも著しく小さいべきであり、例えばＣＳの２０％以下、望ましくはＣＳの１０％以下である。多くの場合に間隙Ｇは極めて小さく、例えば０．５ｍｍ以下、望ましくは０．２５ｍｍ以下である。しかし、場合によっては、Ｏリングが間隙内に部分的に押し出されることを可能にするために望ましいであろうとなかろうと、容器及び密閉器のボア部材の形成における製造交差に起因して、あるいは食品用途等の特定の設計に起因して、間隙はもう少し大きいことがある。

間隙Ｇが極めて小さい場合、グランドの深さＤは、従って、望ましくはＯリング断面ＣＳの６５％〜９５％であり、更に望ましくは断面ＣＳの７５％〜８０％である。

間隙Ｇがもっと大きい場合には、グランドの深さＤは断面ＣＳの少なくとも５０％、望ましくは少なくとも６０％であるべきである。

Ｏリングシールの他の重要なパラメータは、グランド充填である。これはＯリングによって占められているグランドのパーセンテージである。円形Ｏリングの断面積（ＣＳＡ）はπ×（ＣＳ／２）^２であり、またグランド断面積（ＣＳＡ）はＨ×Ｗである。従って、グランド充填は次のように与えられる。
（ＯリングＣＳＡ／グランドＣＳＡ）×１００

グランド充填は５０％〜９０％の範囲内にあるべきであり、望ましくは６５％〜８５％の範囲内にある。

図７Ｃは、Ｏリング７５が溝７４Ａ内でどのように動き、また一方の側（図７Ｃの右側）からの圧力Ｐにさらされたときにどのように変形されるのかを示している。Ｏリング７５は、より高い圧力Ｐを避けるように溝７４Ａ内で動き、そして溝７４Ａの他の側で側面７４Ｃに押し付けられる。Ｏリング７５は、溝７４Ａを収容している部品と面７１Ｂとの間の間隙７６をシールするように変形される。Ｏリングの性質（及び間隙のサイズ）により、この間隙内へのＯリングの変形は通常は最小限である。また、Ｏリング表面の相当な部分（５０％より大きい）がグランドの面（７１Ｂ，７４Ｂ，７４Ｃ）との間のシールを提供するようにこれらに係合することが理解されるはずである。

上述のパラメータは、円形断面を有する従来のＯリングに関連して説明されてきた。しかし、例えばＯリングが他の断面形状を有する場合及び／又はグランドが他の形態（例えば図３に示される３面型グランド又は２つの傾斜側壁によって形成されるＬ型若しくはＶ型グランド）を図７Ａ、７Ｂ及び７Ｃに示されるものの代わりに適切な寸法で有している場合にも、同様のパラメータが他の種々のＯリングに適用される。Ｏリングがそれを一方向に動かすように作用する圧力差にさらされる場合、グランドは１つの側壁を有していれば足り、従って例えば溝はＬ型であればよいことが理解されるはずである。

Ｏリングシールの機能及びその技術的なパラメータは、ディクトマティック北米により刊行されたディクトマティックＯリングハンドブック(Dichtomatik O-Ring Handbook published by Dichtomatik North America)に更に記載されている（２０１０年現在ウエブサイトhttp://www.dichtomatik.us/Literature/O-rinq-Handbook.aspx上で利用可能である）。

Ｏリングのシール作用は、既知の飲料容器シール、例えば２つの平坦面の間に閉じ込められるシールガスケット(sealing gasket)、１つ以上の柔軟なシールフィンを有するシール、又はプラグ部材と容器ボアとの間の先細り間隙内に閉じ込められるくさびシールの作用とは大きく異なることが理解されるはずである。Ｏリングの主シール面は対向面７１Ｂ及び７４Ｂであり、これらの間でＯリングが圧縮されてこれらとのＯリングの係合がなされる。

図８〜１３Ｂは同時係属中のＧＢ１０１１８００．８に記載される２部型(two-part)密閉器を示している。この２部型密閉器の内側及び／又は外側部品は、ＧＢ１０１１８００．８に記載されるように、容器の口を通って容器の内部へと突出するボア特徴（図示せず）を備えており、そしてボア特徴には、容器（又はその上面）の内部に係合し且つこれとシールするＯリングが設けられていてよい。従って、これらの更なる実施形態の２部型密閉器は、本発明の更なる実施形態を形成する。図８〜１３Ｂを参照して２部型密閉器を説明し、続いてボア特徴及びＯリングシールを有する構成（これらの図には示されていない）を説明する。

図８〜１３Ｂに示される密閉器は内側部品及び外側部品を備え、内側部品は、容器８２の外側の周りに装着するための、この例では軸Ａを定義する容器開口を有するボトルネックの周りに装着するためのカラー部を有し、またその外周の周りに間隔をあけて置かれ容器８２のリップ８２Ａの下に係合するための複数の半径方向可動部８３を有し、そして外側部品は、内側部品の半径方向可動部８３の周りに配置するためのスカート部８４Ａを有する。

外側部品８４は、内側部品８１の上側にこれらの間での実質的に軸方向の動きによって配置されるように設計され、またその内面上に１つ以上のカム面８４Ｂを備えており、カム面８４Ｂは、これら部品が軸方向に動かされるにつれて、可動部８３を内側へと押圧して容器８２のリップ８２Ａの下の容器の外側に緊密に摩擦係合するように、半径方向可動部８３の上端に係合する。従って、カムは、内側部品の拡張可能／縮小可能部分を保持し且つ／又は前記リップの下での容器との固定的な係合へと押圧するように構成される。

半径方向可動部８３を内側に向けて押圧するように外側部品８４が内側部品８１の上で軸方向に一旦動かされたならば、外側部品８４は、内側及び外側部品を共にこの位置で取り外し可能に固定する固定手段を係合させるように、内側部品８１に対して軸Ａの周りにねじられる。図示される実施形態においては、固定手段は、外側部品のスカート部８４Ａの下端で内向き突起８５の実質的に上向きの面８５Ａと、半径方向可動部８３の実質的に下向きの面８３Ａと、を備える。面８５Ａ及び８３Ａは、内側及び外側部品の間でのバイオネット形態(bayonet-form)の係合並びに／又はそれらの間でのねじ状係合を提供してよい。これらの面は、内側及び外側部品の間での相対回転がそれらの間での軸方向の動きをも生じさせるように成形され又は傾斜させられてよい。

図８及び９に示される密閉器においては、内側部品８１はまた、ボトルネック内の開口の上に及び容器リップの上面の上に広がり且つボトルネックの外側で下に向かって延びる柔軟シール部８６を備える。柔軟部８６は、例えばツーショット成型(two-shot moulding)処理によって、半径方向可動部と望ましくは一体に形成される。半径方向可動部は比較的強固な材料、例えばポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）から形成され、また柔軟部は比較的柔軟な材料、例えばエラストマーから形成される。柔軟シール部８６の機能は後で更に説明する。

外側部品８４は上部を備え、上部からはスカート部が垂下し、また上部はリップ８２Ａの上面及び容器開口をまたいで広がっている。

図１０Ａ及び１０Ｂを参照して内側部品８１を更に詳細に説明する。これらの図に示されるように、内側部品は２つの主要部を備え、これらは、リング８３Ｂから隆起し且つリング８３Ｂの周りに周方向に間隔をあけて置かれる複数の半径方向可動部８３を有するリング８３Ｂを備えるカラー部と、柔軟シール部（後で更に説明する）と、である。可動部８３の各々は、上述したカム面８４Ｂとの係合のため及び容器リップ８２Ａの下側に係合するための丸みを帯びた上端８３Ｃを有する。望ましくは、可動部８３の上端８３Ａは、リップ８２Ａ（図９に示される）の下側上の容器の凹輪郭に実質的に一致するような形にされる。

可動部の各々の外面８３Ｄは、密閉器が非固定位置（図８に示される）にあるときに外側部品８４のスカート８４Ａ内でのぴったりした装着(snug fit)になるように、実質的に平坦である。各可動部８３はまた、上述したように下側の実質的に下に向く面８３Ａを有する。これは非固定位置（図８に示される）において内側部品８１を外側部品８４内に維持するように作用するので、内側及び外側部品を容易に仮組み立てすることができる。内側部品８１は、内側部品８１及び外側部品８４が共に軸方向に移動させられるにつれて外側部品８４内でスナップフィット(snap fit)になる。可動部８３はそれらが内向き突起８５を通り越そうとするにつれて撓み、その後に外側へとスナップするので、可動部の下面８３Ａは内向き突起８５の上面８５Ａに係合する。

図８に示される位置においては、面８３Ａ及び８５Ａは実質的に水平であり、即ち軸Ａに対して実質的に垂直である。しかし、内側及び外側部品が図９に示される位置へと互いに対して軸方向に動かされると、可動部８３は内側に撓まされる。従って、可動部の下面８３Ａは、水平に対して傾斜するように内側へと傾斜させられる。そのため、上面８５Ａは、望ましくは、外側部品８４が固定位置へとねじられたときに面８５Ａも面８３Ａと同様に傾斜させられるように成形される。

加えて、多くの場合、面８３Ａ及び８５Ａの間の係合のために望ましいのは、外側部品８４が第２の位置へと軸Ａの周りに回転させられ又はねじられるにつれて、内側及び外側部品が互いに引き寄せられるようにすることであり、それにより、外側部品８４は容器リップ８２Ａの上面に向けて下方向に引き寄せられ、また可動部８３は容器のリップ８２Ａの下に向けて上方向に強固に引き寄せられる。従って、面８３Ａ，８５Ａは、内側及び外側部品が互いに対して軸Ａの周りに締め付ける又は閉じる方向に回転させられるにつれて容器への密閉器の強固な固定をもたらすネジの方式で、周方向に傾斜させられている。外側部品が内側部品に対して回転させられるにつれ、外側部品は、内側部品の柔軟シール部を容器リップの上面に押し付けるように下に引き寄せられ、また可動部材８３は上に向けて押されて容器リップの下で容器と固定的に係合される。

図示される実施形態においては、リング８３Ｂは外側部品のスカート８４Ａの下に突出しているので、外部から見える（図８及び９に示されるように）。しかし、他の実施形態においては、少なくとも図９に示される位置に対応する固定位置にあるときに、スカートによって隠されていてもよい。

内側部品のカラー部の重要な特徴は、可動部の上端が半径方向内側及び外側にむかって自由に撓むことであり、この動きは、カラーの下端又はその近くのピボット軸の周りに生じる（反対に位置しているカラー、即ちリング部から下に向けて延びる可動部を有するカラーとは対照的に）。

内側部品の他の主要部は柔軟シール部８６である。図示される実施形態においては、柔軟シール部８６は、容器８２の上端及びリップの上面をまたいで広がる上端８６Ａと、カラーのリング８３Ｂまでボトルネックの外側を下に向かって延びるスカート部と、を有するキャップの形態にある。

柔軟部８６は多くの機能を行う。先ず、柔軟部８６は、外側部品８４と容器のリップ８２Ａの上面との間に挟まれてそれらの間でのガスケットシールを提供するという点において、シール部品として作用する。図示される構成においては、柔軟部８６はまた、容器の口をまたいで広がるので、容器開口を閉じる。加えて、柔軟部は、実質的に強固な可動部８３とボトルネックの外面との間に介在して、これらの面の間での高摩擦部品として作用する。

図示されるように、カラー部及びシール部は望ましくは一体に形成される。このことは、例えばツーショット成型によって達成可能であり、ツーショット成型においては、異なる材料が連続的に射出され、それらが互いに一体的に結合され又は接続される。これは、密閉器が２つの部分、即ち内部部品及び外部部品を備えるという顕著な利点をも有する。既知のカラー上キャップ型密閉器においては、通常、シール部品が外側部品の下側とは別体に又は何らかの方法で外側部品の下側に固定されて設けられる必要がある。

次に、図１２Ａ及び図１２Ｂ並びに図１３Ａ及び図１３Ｂを参照して、外側部品８４を更に詳細に説明する。

図示される実施形態においては、外側部品は、リップ８２Ａの上面の上で広がり且つ容器８２の開口をまたいで広がる上部８４Ｃを有するキャップの形態であり、また上部８４Ｃから垂下するスカート部８４Ａを有している。

スカート部８４Ａには、その下端で又はその近くで内側に延びる突起８５が設けられている。上述したように、各突起８５の上面８５Ａは、望ましくは周方向に傾斜しているのでネジ山として機能し、またそれが係合する可動部８３の下面８３Ａの傾斜に一致するように、その周方向長さに沿って相当な程度半径方向内側に向かって傾斜している。このネジパス(thread path)は、２つ又は３つの隣接する可動部８３の上で延びていてよい。

密閉器は、これを非固定（図８）位置から固定（図９）位置に動かすのに比較的小さなねじりで済むように設計される。図示される例では、約６０度のねじりしか必要とされない。従って、内側への突起８５は、図１２Ｂ及び１２Ｂに示されるように、スカート部８４Ａの内周の周りの６つの区域からなる。

上述したように、外側部品は、内側及び外側部品を互いに軸方向に固定し且つ／又は締め付けるように、半径方向可動部の下に向かう面に係合する。この構成は内側及び外側部品の両方が軸方向で比較的短くなることを可能にするから、これらは従来のキャップ状密閉器と共通するように形成され得るので、この構成は重要な特徴である。このことはまた、内側及び外側部品の間のネジ係合が、周方向に間隔をあけて置かれる特徴（それぞれの部分８３の複数の面８３Ａ）を備えていることを意味する。これにより、それらの間のネジ係合は、比較的小さな回転又はねじりしか必要としないで済む（連続的な螺旋ネジ形態により必要とされる数回の全回転は必要ない）。更に、これにより極めてコンパクト且つロバストな構成が提供される。外側部品の上に向く面８５Ａは上に向く力を印加し、この力は、面８３Ａを介して、強固な支柱状形態を有する可動部８３を通ってリップ８２Ａの下側に直接的に伝達される。

この高摩擦係合は他の方法においてももたらされ得る。カラー部品には高摩擦材料のライニングが設けられていてよく（これが容器リップの上面を通過するシール部品に接続されるかどうかにかかわらず）、あるいはカラー部品の内面に、容器との摩擦係合を必要なレベルまで増大するのに十分な粗化仕上げがもたらされてよい。別の代替案においては、例えばゴム製の高摩擦スリーブが容器ネックの周りに装着されてよい。

また、柔軟シール部品がリップ８２Ａの上面の上で広がることで、密閉器と容器の間のシール部材を提供している。容器の外部の周りに装着するためのカラー、及び密閉器と容器の間のシール部品の両方として機能する単一部品の提供は、この密閉器の顕著な特徴である。

上述したように、外側部品が、可動部８３を内側に向けて押すように内側部品に対して動かされると、この動きは主として軸方向である。他の実施形態においては、この軸方向の動きは小さなねじり運動によって提供されるが、これは可動部８３を内側へ押すようにカムを下に向けて動かす軸方向成分である。ねじり運動は、望ましくは３６０度未満であり、更に望ましくは９０度未満又は６０度未満である。これは、例えば連続的な螺旋ネジパスによって提供される、内側部品に対する外側部品の数回の全回転の結果が小さい軸方向運動である構成とは対照的である。

図８〜１３Ｂに示される密閉器の更なる実施形態（図示せず）では、特に広口容器のための密閉器において、内側及び／又は外側部品は、容器の口を介して容器内部へと突出するボア特徴を備えていてよい。ボア特徴は、望ましくは例えばＰＥＴ又は金属から形成される比較的強固な部品からなり、そして外側部品と一体的に形成されてよく、あるいは外側部品に固定されてよい。特に有利な構成においては、外側部品はボア特徴に対して軸Ａの周りに回転可能である。従って、外側部品は、ボア特徴がボア内で回転することなくボア内で軸方向に移動する間に、例えば密閉器を締め付け又は解放するために回転させられることが可能である。

容器の内側（又は容器リップの上面）と係合してこれをシールするＯリングシールは、ボア特徴に設けられていてもよい。ボア特徴及びＯリングは上述した通りであってよい。Ｏリングは、ボア特徴の外面上の溝又はグランド内に配置されるエラストマーの円環の形態であってよい。Ｏリングは、ボア特徴の下側に装着されるように成型された弾性部材の一部であってもよい。図８〜１３Ｂに関連して上述した弾性シール部は、そのような部材を含んでいてよい。図９に示される外側部材が容器のボア内へと突出し（平坦であるのではなく）、また弾性シール部がこの特徴の下側に追従する（平坦であるのではなく）場合には、弾性部品は、容器の内側とのシールを提供するために、Ｏリングと同等の機能をなす部分と共に形成されてよい。

そのようなＯリングシールを採用する実施形態においては、外側部品と容器リップの上面との間における内側部品の柔軟部の挟みこみは、もはや必要でないであろう。この場合、外側部品は、柔軟シール部品に係合する必要はなく且つ／又は柔軟シール部品をリップの上面に押し付ける必要はない。

従って、これらの更なる実施形態は、軸を定義する円形の開口と開口の周りのリップとを有する容器のための密閉器を提供し、密閉器は内側部品と外側部品とを備え、内側部品は、容器のリップの下の容器の外部の周りに位置するためのカラー部と使用に際してカラー部からリップの上面の上に広がるシール部とを有し、外側部品は、内側部品の上に装着するためのものであり且つそのカラー部をリップの下に取り外し可能に固定するためにそれと相互作用するためのものであり、密閉器は、密閉器と容器の上面又は内面との間のシールを提供するためのＯリングシールを有する。

Ｏリングはボア特徴上に設けられていてよく、ボア特徴は使用に際して開口を介して容器の内部へと突出し、ボア特徴は内側及び／又は外側部品の一部である。

望ましい構成においては、カラー部は比較的強固であってよく且つシール部は比較的柔軟であってよく、またカラー部及びシール部は、例えば２段階成型(two-stage moulding)処理よって互いに一体に形成されてよい。

望ましくは、外側部品は内側部品のカラー部の周りに位置するためのスカート部を有し、カラー部は、その外周の周りに間隔をあけて置かれる複数の半径方向可動部を備え、半径方向可動部は、それらの下端にて、カラー部の全周の周りに延びる構造によって枢動可能に結合される(pivotally joined)。

ボア部材と容器本体の内面との間にＯリングシールを設けることは、以下に示す数々の利点を有する。
・密閉器の圧力誘起の持ち上げにさらされたときに比較的安定な幾何的形状を有する（容器リップの上面上に設けられるシールのそれに比べて）。
・必要とされるＯリング圧縮の程度が低減され（容器リップの上面上のシールに比べて）、また圧縮の方向はネジの摩擦係合を増大させないので、シールを圧縮するのに必要なトルクが低減される。
・容器内で増大された圧力は容器とキャップの間の間隙内へとＯリングシールをよりきつく押し込むので、より高い圧力でのシール品質を向上させる。
・正の内圧もまた、密閉器の下側に対する上向きの力を印加することによって、シールを解放することを支援するので、Ｏリングと容器壁の間の摩擦係合を打開するのに役立つ。
・シール面は容器リップから間隔をあけられているので、例えば容器の取り扱いの間に損傷を受けにくい。
・ボア部材は、容器内の上部空間が顕著に減少することを可能にする。
・内圧が外圧よりも高いか低いかにかかわらず、Ｏリング（適切に形作られたグランド内にある）はシールを提供することができ、従って炭酸飲料及び真空パックの両方のために用いられ得る。シールの他の形態が種々の用途の要求を満たすように設計されるであろう。

キャップとは別体に形成されるボア特徴を用いることにより、次のような追加的な利点も提供される。
・ボア特徴は（従ってそれにより運ばれるシールも）キャップと共に回転する必要がないので、必要なトルクを更に低減する。
・ボア特徴が異なる材料、例えばそのガス透過性をほぼゼロに低減する金属から形成されることを可能にする。
・再生利用を容易にするために密閉器の異なる部品に分けるのが容易になる。

上述したように、Ｏリングは、望ましくは、ボア部材の外周の周りで延びる凹部内に配置される円形断面（他の断面形状も可能である）を典型的には有する別体の部品である。しかし、他の実施形態においては、シール部材は、Ｏリングと同等のシール作用をなす他の形態を有していてよく、例えば事実上のＯリング要素を形成するためにオーバ成型された(over-moulded)エラストマーを用いることによって、ボア部材と一体的に形成されてよい。

Ｏリングは効果的なシールを提供するために典型的には１０〜３０％だけ圧縮される必要があるのに対して、圧縮ガスケットは更に高い圧縮度を必要とする可能性がある。

Ｏリングが図８に示される溝４Ａ内に配置される場合、容器本体内の圧力の増大又は低下に応答してＯリングが軸方向に移動可能であることが望ましい。これにより、Ｏリングは圧力の増大に応答してより良好に圧力に抵抗することができる形状／位置をとることが可能になる。

説明された実施形態の各々において、密閉器と容器の間のシールを提供するためにＯリングが用いられる。Ｏリングは望ましくは容器の内面に対してシールするが、幾つかの実施形態においては、容器の上面に対してシールしてよい（特に内面を満たす位置で）。シール面は、容器の内面又は上面のいずれかの周りに延在する。

Ｏリングは少なくとも１つの側壁を有する溝内に配置され、密閉器が容器に実装され且つ圧力差にさらされたときに、側壁と容器の間の間隙をシールするようにＯリングが動かされ且つ／又は変形させられるような構成であり、間隙の幅はＯリングの断面幅よりも小さい。

密閉器は、説明されたようなカラー上キャップ型構成及び他の２部型構成の他に一片型密閉器を含み広範な種類の形態をとり得る。望ましくは、密閉器は、容器開口を通る軸の周りの回転によって容器に実装され且つ／又は容器から解放されるように構成される。

容器の内部へと広がるボア部材を有することによる追加的な利点は、ボア部材がなければ飲料容器において飲料の上方で通常はガスによって占められるであろう又は「上部空間(headspace)」をもたらしてしまうであろう容器の上端の空間をこのボア部材が占めることである。この上部空間の容積の減少は、これが空気によって占められている場合、容器内に閉じ込められている酸素の量を少なくするので、飲料の保存寿命を長くし、あるいは上部空間が不活性ガスで満たされている場合には、必要な不活性ガスの量が少なくてすむ。

場合によっては、キャップ又は外側部品は上部及びスカート部を有する環状部品を備えていてよく、上部は、リップに対して又はリップとキャップの間に配置されるシール部材に対して下向きの力を提供し得るように容器リップの上面を覆うように設けられ、スカート部はカラー又は内側部品と相互作用し（上述したように）それによりキャップは容器本体に固定される。

キャップとカラー若しくは内側及び外側部品との間（２部型密閉器に対して）又はキャップと容器の間（一片型密閉器に対して）で用いられるネジ形状は、望ましくは、密閉器を実装し又は取り外すのに３６０度未満の回転で済む多条ネジ形状である。８条ネジ形状では、密閉器を実装し又は解放するために約４５度だけ密閉器を回転させればよい。

ＷＯ２００６／０００７７４及びＷＯ２００７／０９１０６８に記載される間欠的ネジ形状及びバイオネット型ネジ形状等が用いられてよい。バイオネット型ネジ形状の場合、外側部品が内側部品に回転可能に固定されるので、キャップ又は外側部品は軸方向に動かされる必要はない。同様のネジ形状が一片型密閉器と共に用いられてもよい（ネジ形状はカラーよりもむしろ容器ネックに設けられる）。

疑義の回避のため、ここで用いられる「〜を備える、〜からなる(comprise)」の動詞は、通常の辞書的な意味、即ち非排他的な包含を示すものとしての意味を有する。従って、「〜を備える、〜からなる」の語（又はその任意の派生語）は、更なる特徴が含まれている可能性を排除しない。

この出願書類（添付の特許請求の範囲及び図面を含む）に記載される全ての特徴は、任意の組み合わせ（少なくとも幾つかの特徴が相互排他的である組み合わせを除く）において組み合わされてよい。

この出願書類（添付の特許請求の範囲及び図面を含む）に開示される各特徴は、明示的に別段の説明がなされていない限り、同一の、均等な又は同様の目的のために機能する代替的な特徴によって置換されてよい。従って、明示的に別段の説明がなされていない限り、開示される各特徴は、一般的な一連の均等な又は同様の特徴の例である。

また、本発明は、ここに説明される実施形態の詳細又は説明される実施形態の特徴の特定の組み合わせに限定されない。特に、本発明は、ここに説明され又は特許請求される任意の１つ以上の特徴の追加を伴って、当該１つ以上の特徴が例示される一般化を含めて、特許請求の範囲に記述される構成を含む。

Claims (37)

1. 軸を定義する実質的に円形の開口を有する容器のための密閉器であって、前記密閉器は前記開口を閉じるように前記容器に固定可能であり、前記密閉器は前記密閉器が前記容器に固定されるときに前記容器のシール面と共にシールを提供するように前記密閉器上に取り付けられた又は取り付け可能なＯリングシール部材を有し、前記シール面は前記容器の上面又は内側面の周りに延在する密閉器。
2. 前記Ｏリングシール部材は前記密閉器内に設けられる溝内に配置される弾性材料の円環である請求項１に記載の密閉器。
3. 前記溝は前記密閉器が前記容器に固定されるときに前記容器の前記シール面と共に前記円環の断面を拘束するための包囲空間を画定する２つ又は３つの面を備える請求項２に記載の密閉器。
4. 前記容器の前記シール面は前記軸に対して平行であり又は傾斜している請求項１、２又は３に記載の密閉器。
5. 前記密閉器が前記容器に固定されるときに前記開口を介して前記容器の内部へと拡張するボア部材を有する先行するいずれかの請求項に記載の密閉器。
6. 前記Ｏリングシール部材は前記ボア部材の外面内又は外面上に設けられる請求項５に記載の密閉器。
7. 前記Ｏリングシール部材は前記ボア部材の外面内又は外面上に設けられる弾性材料の成型品の一部である請求項５に記載の密閉器。
8. 前記Ｏリングシール部材は前記ボア部材の前記外面内に設けられる溝内に配置され、前記溝は前記シール部材の断面を拘束するための少なくとも２つの面を備える請求項６又は７に記載の密閉器。
9. 前記密閉器は上部と前記上部から垂下するスカート部とを有するキャップを備える先行するいずれかの請求項に記載の密閉器。
10. 前記上部は円形であり且つ前記密閉器が前記容器に固定されるときに前記容器の前記開口をまたいで広がる請求項９に記載の密閉器。
11. 前記ボア部材は前記キャップと一体的に形成される請求項９又は１０に記載の密閉器。
12. 前記ボア部材は前記キャップ内に取り付けられる別部品である請求項９又は１０に記載の密閉器。
13. 前記ボア部材は前記キャップに対して前記軸の周りに回転可能である請求項１２に記載の密閉器。
14. 前記シール面は前記容器の内部上の実質的に平行な円筒側面である先行するいずれかの請求項に記載の密閉器。
15. 前記シール面はその最大幅端が前記開口に向く円錐表面である請求項１〜１３のいずれかに記載の密閉器。
16. 前記シール面は前記容器の前記内側面に隣接する前記容器の上面の半径方向内側部分である請求項１に記載の密閉器。
17. 前記密閉器は前記軸の周りの回転によって前記容器に固定可能である先行するいずれかの請求項に記載の密閉器。
18. ネジ形状を有し、それにより前記容器のネジ形状に固定可能である請求項１７に記載の密閉器。
19. 前記ネジ形状は、前記容器に対して前記密閉器を締結し且つ／又は前記容器から前記密閉器を解放するために前記キャップと前記容器の間での３６０度未満の回転を必要とする多条ネジ形状である請求項１８の密閉器。
20. 前記密閉器は、前記容器の外部の周りに位置するためのカラー部を有する内側部品と、前記内側部品の上に及び／又は周りに装着し且つ前記内側部品を前記容器に解放可能に固定するように前記内側部品と相互作用するための外側部品と、を備える請求項１〜１９のいずれかに記載の密閉器。
21. 前記外側部品は上部及びそこから垂下するスカート部を有するキャップを備え、前記内側部品はカラーを備え、前記カラーは前記容器の外側に突出するリップの下に係合するように構成され且つ前記キャップを当該容器本体に固定すべく前記容器と前記キャップの間に装着するように構成される請求項２０に記載の密閉器。
22. 前記内側部品はカラー部及びシール部を備え、前記シール部は使用に際して前記カラー部から前記リップの上面の上に広がり、前記外側部品は前記カラー部を前記容器の外側に突出するリップの下に解放可能に固定すべく前記内側部品の上に装着するように構成される請求項２０に記載の密閉器。
23. 前記カラー部は比較的強固であり、前記シール部は比較的柔軟である請求項２２に記載の密閉器。
24. 前記カラー部及び前記シール部は互いに一体的に形成される請求項２２又は２３に記載の密閉器。
25. 前記外側部品は軸方向に且つ／又は回転可能に前記内側部品に係合可能である請求項２０〜２４のいずれかに記載の密閉器。
26. 当該回転的係合は多条ネジ形状によって提供され、前記多条ネジ形状は前記密閉器を前記容器に対して締め付け且つ／又は取り外すために前記外側部品と前記内側部品の間での３６０度未満の回転を必要とする請求項２５に記載の密閉器。
27. 前記外側部品が前記内側部品に対して締め付け方向に回転させられるときに、前記外側部品の上部が前記容器のリップに向けて下方向に引き寄せられる請求項２０〜２６のいずれかに記載の密閉器。
28. 前記カラー又はカラー部は、前記カラー部の全周の周りに延在するリング部又は他の構造と、前記リング部の周囲の周りに間隔をあけて置かれる複数の半径方向可動部と、を備える請求項２０〜２７のいずれかに記載の密閉器。
29. 前記半径方向可動部はそれらの下端にて前記リング部又は他の構造に結合される請求項２８に記載の密閉器。
30. 前記外側部品はその内周に間隔をあけて置かれる複数のカムを伴うスカート部を有し、前記カムは前記半径方向可動部をそれらが当該容器本体のリップの下に係合する内側位置へと促し且つ／又はその位置で保持するためのものである請求項２８又は２９に記載の密閉器。
31. 前記半径方向可動部は前記内側位置に向けて弾性的に付勢される請求項２８〜３０のいずれかに記載の密閉器。
32. 前記半径方向可動部は比較的強固であり且つ前記リング部に対して枢動すること又は撓むことにより半径方向に可動である請求項２８〜３１のいずれかに記載の密閉器。
33. 前記Ｏリングはボア特徴に設けられ、前記ボア特徴は前記内側及び／又は外側部品の一部である請求項５及び２０並びにそれらに従属する請求項のいずれかに記載の密閉器。
34. 前記密閉器によって閉じられるように構成される容器との組み合わせに係る先行する請求項のいずれかに記載の密閉器。
35. 前記Ｏリングの圧縮比（明細書において定義される）は５％〜３５％の範囲内、望ましくは２０％〜２５％の範囲内である請求項３４に記載の密閉器。
36. グランド充填（明細書において定義される）は５０％〜９０％の範囲内、望ましくは６５％〜８５％の範囲内である請求項３４又は３５に記載の密閉器。
37. 前記Ｏリングが配置される溝の深さは対応する方向における前記Ｏリングの断面の幅の少なくとも５０％、望ましくは少なくとも６０％である請求項３４、３５又は３６に記載の密閉器。

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