JP2013530713A - (r)−選択的アミノ化 - Google Patents

(r)−選択的アミノ化 Download PDF

Info

Publication number
JP2013530713A
JP2013530713A JP2013519103A JP2013519103A JP2013530713A JP 2013530713 A JP2013530713 A JP 2013530713A JP 2013519103 A JP2013519103 A JP 2013519103A JP 2013519103 A JP2013519103 A JP 2013519103A JP 2013530713 A JP2013530713 A JP 2013530713A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
deposited
dsm
seq
protein
identity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013519103A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5999565B2 (ja
Inventor
マーティン シュルマン,
ウィジナンド ピーター ヘレナ ペーテルス,
ナターシャ フベルティナ ヨハネス スミーツ,
ヘルムート シュワブ,
ケルスタイン シュタイナー,
カテリナ ミコライヴナ リペツカ,
ゲルノット ストロメイアー,
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DSM IP Assets BV
Original Assignee
DSM IP Assets BV
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DSM IP Assets BV filed Critical DSM IP Assets BV
Publication of JP2013530713A publication Critical patent/JP2013530713A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5999565B2 publication Critical patent/JP5999565B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P13/00Preparation of nitrogen-containing organic compounds
    • C12P13/001Amines; Imines
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/10Transferases (2.)
    • C12N9/1096Transferases (2.) transferring nitrogenous groups (2.6)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12YENZYMES
    • C12Y206/00Transferases transferring nitrogenous groups (2.6)
    • C12Y206/01Transaminases (2.6.1)

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)

Abstract

本発明は、新規トランスアミナーゼの使用により、一般式[1]「a]の対応するケトンから一般式[1][c]の鏡像異性的に濃縮された(R)−アミンを酵素的に合成するための方法に関する。これらの新規トランスアミナーゼは、2つの異なる群、すなわち、本明細書で指定される配列を含む約20のタンパク質の群、またはトランスアミナーゼ活性を有し、かつラーネラ・アクアティリス(Rahnella aquatilis)、オクロバクテリウム・アンスロピ(Ochrobactrum anthropi)、オクロバクテリウム・トリティシ(Ochrobactrum tritici)、シノリゾビウム・モレレンス(Sinorhizobium morelense)、クルトバクテリウム・プシルム(Curtobacterium pusilllum)、ペキロマイセス・リアシヌス(Paecilomyces lilacinus)、ミクロバクテリウム・ゲンセンギソリ(Microbacterium ginsengisoli)、ミクロバクテリウム・トリコテセノリティクム(Microbacterium trichothecenolyticum)、シュードモナス・シトロネロリス(Pseudomonas citronellolis)、エルシニア・クリステンセニイ(Yersinia kristensenii)、アクロモバクター・スパニウス(Achromobacter spanius)、アクロモバクター・インソリタス(Achromobacter insolitus)、マイコバクテリウム・フォーチュイタム(Mycobacterium fortuitum)、マイコバクテリウム・フレデリクスバーゲンス(Mycobacterium frederiksbergense)、マイコバクテリウム・サクルム(Mycobacterium sacrum)、マイコバクテリウム・フルオランセニボランス(Mycobacterium fluoranthenivorans)、バークホルデリア(Burkholderia)種、バークホルデリア・トロピカ(Burkholderia tropica)、コスモスポラ・エピスファエリア(Cosmospora episphaeria)、およびフザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)からなる生物の群から選択される微生物から単離されるタンパク質の群のいずれかから選択される。
Figure 2013530713


【選択図】

Description

発明の詳細な説明
本発明は、ケトンの(R)−選択的アミノ化のための方法およびこの方法で使用するための酵素に関する。
相当数の医薬として活性な化合物(既存および開発中)が、天然アミノ酸から合成的に直接誘導することができないキラルアミン官能性を含有している。医薬製造業者によれば、ケトンからのアミンの不斉合成は、今後最も所望される反応の1つである(Constable et al.,Green Chem.2007,9,411)。さらに、それらの医薬として活性な化合物の合成において、「グリーン」経路に可能な限り依存することが医薬製造業者の目標である。したがって、生体触媒による変換が好ましい。
キラルアミンの生体触媒による生成のための魅力的な経路は、式[1]に示す、ケトンおよびアミンドナーを出発とする立体選択的アミノ基転移である。
Figure 2013530713

必要とされる立体選択的酵素(互換的にトランスアミナーゼ、アミノトランスフェラーゼ、またはアミノフェラーゼと呼ばれる)として、例えば、ビブリオ・フルビアリス(Vibrio fluvialis)由来の(S)−選択的ω−トランスアミナーゼ(Shin et al.,Appl.Microbiol.Biotechnol.2003,61,463)が報告されている。ただし、(S)−選択的酵素は、(R)−選択的酵素よりもはるかに豊富である。
例えば、立体選択的トランスアミナーゼは、欧州特許刊行物の欧州特許第1038953号明細書および欧州特許第987332号明細書に記載されている。
欧州特許第1038953号明細書は、sec‐ブチルアミンの存在下で光学活性な(R)−α−メチルベンジルアミンを合成することができるトランスアミナーゼをコードするDNAに関する。
欧州特許第987332号明細書は、具体的には、鏡像異性的に濃縮された(R)−α−メチルベンジルアミンおよび2−ブタノンへのアセトフェノンおよびsec‐ブチルアミンの立体選択的アミノ基転移を触媒することができるマイコバクテリウム・オーラム(Mycobacterium aurum)種由来のトランスアミナーゼに関する。同じトランスアミナーゼはまた、鏡像異性的に濃縮された(S)−α−メチルベンジルアミンを得るための(RS)−α−メチルベンジルアミンまたはラセミ分割ならびに鏡像異性的に濃縮されたD−アラニンおよびD−セリンの合成に使用される。
米国特許第7169592号明細書は、組換えトランスアミナーゼをコードするアルトロバクター(Arthrobacter)種由来のDNAに関し、このトランスアミナーゼは、アミノドナーの存在下でいくつかのケトンの(R)−立体特異的アミノ基転移を触媒し、鏡像異性的に濃縮された(R)−アミンを生成することができる。
より広範囲の化合物に立体選択的アミノ基転移反応を適用することができるように、さらなる立体選択的トランスアミナーゼに対する必要性がある。
本発明は、新規トランスアミナーゼの使用により、一般式[1]「a]の対応するケトンから一般式[1][c]の鏡像異性的に濃縮された(R)−アミンを酵素的に合成するための方法に関する。
これらの新規トランスアミラーゼは、
a)配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;
b)配列番号3のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;
c)配列番号5のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;
d)配列番号7のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;
e)配列番号9のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;
f)配列番号11のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;
g)配列番号13のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;
h)配列番号15のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;
i)配列番号17のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;
j)配列番号19のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;
k)配列番号21のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;
l)配列番号23のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;
m)配列番号25のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;
n)配列番号30のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;
o)配列番号33のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;
p)配列番号35のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;
q)配列番号38のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;
r)配列番号40のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;
s)配列番号43のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;
t)配列番号46のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;および
u)トランスアミナーゼ活性を有し、かつラーネラ・アクアティリス(Rahnella aquatilis)、オクロバクテリウム・アンスロピ(Ochrobactrum anthropi)、オクロバクテリウム・トリティシ(Ochrobactrum tritici)、シノリゾビウム・モレレンス(Sinorhizobium morelense)、クルトバクテリウム・プシルム(Curtobacterium pusilllum)、ペキロマイセス・リアシヌス(Paecilomyces lilacinus)、ミクロバクテリウム・ゲンセンギソリ(Microbacterium ginsengisoli)、ミクロバクテリウム・トリコテセノリティクム(Microbacterium trichothecenolyticum)、シュードモナス・シトロネロリス(Pseudomonas citronellolis)、エルシニア・クリステンセニイ(Yersinia kristensenii)、アクロモバクター・スパニウス(Achromobacter spanius)、アクロモバクター・インソリタス(Achromobacter insolitus)、マイコバクテリウム・フォーチュイタム(Mycobacterium fortuitum)、マイコバクテリウム・フレデリクスバーゲンス(Mycobacterium frederiksbergense)、マイコバクテリウム・サクルム(Mycobacterium sacrum)、マイコバクテリウム・フルオランセニボランス(Mycobacterium fluoranthenivorans)、バークホルデリア(Burkholderia)種、バークホルデリア・トロピカ(Burkholderia tropica)、コスモスポラ・エピスファエリア(Cosmospora episphaeria)、およびフザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)からなる生物の群から選択される微生物から単離されるタンパク質、
からなる群から選択される。
本発明によれば、デフォルト設定のClustalW2多重配列アラインメント(http:/www.ebi.ac.uk/Tools/clustalw2,Larkin et al.,Bioinformatics 2007,23,2947)を使用した配列アラインメント研究により、本発明の配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、および25のトランスアミナーゼでは、トランスアミナーゼの野生型アミノ酸配列である配列番号1との同一性パーセントが広範囲にわたって変動することが見出された。配列番号1との同一性パーセントが約30%であっても、極めて適切なトランスアミナーゼが本発明により見出されている。
しかしながら、本発明者らは、本発明で使用することができるトランスアミナーゼ(およびそれから誘導される変異体)はすべて、共通して、配列番号1の野生型アミノ酸配列と比較すると、配列番号1のアミノ酸配列の下記位置に対応する位置に、少なくとも37の保存アミノ酸、すなわちA32、A44、D50、G52、D57、Y60、V65、G68、F71、L73、R79、V106、V116、R122、G123、P145、P177、K180、N181、W183、D185、E213、G216、N218、P230、L235、G237、R240、V243、E269、A276、G277、G278、P281、G296、W307、およびY321を有することを見出した。
配列番号1のトランスアミナーゼの野生型アミノ酸配列におけるアミノ酸残基の位置に対応する野生型または変異型タンパク質配列のアミノ酸残基は、デフォルト設定のClustalW2多重配列アラインメントを実施することにより同定することができる。このようなアライメントにおいて、配列番号1で示されるトランスアミナーゼ配列のアミノ酸残基と同じ列に配置されるアミノ酸残基は、配列番号1のトランスアミナーゼ配列のこの各アミノ酸残基に対応する位置にあると定義される。
微生物ラーネラ・アクアティリス(Rahnella aquatilis)、オクロバクテリウム・アンスロピ(Ochrobactrum anthropi)、オクロバクテリウム・トリティシ(Ochrobactrum tritici)、シノリゾビウム・モレレンス(Sinorhizobium morelense)、クルトバクテリウム・プシルム(Curtobacterium pusilllum)、ペキロマイセス・リアシヌス(Paecilomyces lilacinus)、ミクロバクテリウム・ゲンセンギソリ(Microbacterium ginsengisoli)、ミクロバクテリウム・トリコテセノリティクム(Microbacterium trichothecenolyticum)、シュードモナス・シトロネロリス(Pseudomonas citronellolis)、エルシニア・クリステンセニイ(Yersinia kristensenii)、アクロモバクター・スパニウス(Achromobacter spanius)、アクロモバクター・インソリタス(Achromobacter insolitus)、マイコバクテリウム・フォーチュイタム(Mycobacterium fortuitum)、マイコバクテリウム・フレデリクスバーゲンス(Mycobacterium frederiksbergense)、マイコバクテリウム・サクルム(Mycobacterium sacrum)、マイコバクテリウム・フルオランセニボランス(Mycobacterium fluoranthenivorans)、バークホルデリア(Burkholderia)種、バークホルデリア・トロピカ(Burkholderia tropica)、コスモスポラ・エピスファエリア(Cosmospora episphaeria)、およびフザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)の各試料は、German Collection of Microorganisms and Cell Cultures(DSMZ) at Braunschweig,Germanyに2010年7月13日に寄託された。
上記化学構造[1][a]および[1][c]では、RおよびRは異なっており、かつ独立して直鎖もしくは分岐鎖脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族でありうるか、または環式構造を形成することができる。
より具体的には、RおよびRは異なっており、かつRおよびRは、独立して1〜30の炭素原子を含有し、RおよびRは、独立して、置換または非置換脂肪族;置換または非置換分岐鎖脂肪族;置換または非置換環状脂肪族;少なくとも1つの酸素、イオウ、または窒素原子を含有する置換または非置換ヘテロ環式脂肪族;置換または非置換芳香族;少なくとも1つのイオウ、酸素、または窒素原子を含有する置換または非置換ヘテロ環式芳香族であるか;あるいは一緒になって、置換もしくは非置換環式構造または少なくとも1つの酸素、イオウ、もしくは窒素原子を含有するヘテロ環式構造を形成し;これらの置換基は、これらに限定されないが、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、ヒドロキシル基、メトキシ基、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、およびトリフルオロメチル基からなる群から選択される。
好ましくは、鏡像異性的に濃縮された(R)−アミン生成物の最終濃度は、反応混合物の1〜50重量%の間にある。最も好ましくは、鏡像異性的に濃縮された(R)−アミン生成物の最終濃度は、反応混合物の5〜35重量%の間にある。
本発明の方法は、すべての反応物が溶解している水性反応混合物、または反応物の一部が少なくとも部分的に溶解し、反応物の一部が少なくとも部分的に固形物になっているスラリー状の水性反応混合物において実施することができる。
トランスアミナーゼを含有する緩衝化された水相に隣接して第2の液層を形成する有機溶媒などの非水混和性溶媒の使用は、有機溶媒が難水溶性のケトンおよびアミノドナーのリザーバーとして機能することができるため、純粋な水性反応または水性スラリー反応よりもトランスアミナーゼ反応において有利となりうる。これにより、スラリー反応(固体−水)と比較して、難水溶性のケトンまたはアミノドナーがトランスアミナーゼを含有する水相に溶出するための物質移動速度を増加させることができる。さらに、これにより、潜在的な基質または生成物阻害を、これらの潜在的阻害物質の抽出除去により、減少させることができる。さらに、トランスアミナーゼ反応生成物の少なくとも1つのそのような抽出除去により、水相におけるトランスアミナーゼ反応の平衡が生成物側に傾くため、トランスアミナーゼ触媒反応の収率および/または効率を改善することができる。
本発明の工程は、水相および第2の有機相を含む反応混合物中で実施することができる。水相および第2の有機相を含む反応混合物を使用する場合は、反応混合物は、好ましくは、水相および第2の有機相を含み、水相:有機相の容積比は100〜0.01の間である。より好ましくは、反応混合物は、水相および第2の有機相を含み、水相:有機相の容積比は20〜0.1の間である。より好ましくは、反応混合物は、水相および第2の有機相を含み、水相:有機相の容積比は20〜1の間である。
適切な有機溶媒は、例えば、これらに限定されないが、シクロヘキサノン、ジクロロメタン、ペンタン、ヘプタン、MTBE(メチル−tert−ブチルエーテル)、トルエン、2−メチル−テトラヒドロフラン、酢酸ブチル、および酢酸エチルの群から選択することができる。
本発明の上記トランスアミナーゼa)〜m)は、EMBL/GenBank/DDBJ、Swiss−Prot/UniProtKB(2010年6月15日に公開)、RefSeq、またはEMBL−EBI(http://www.ebi.ac.uk)もしくはNCBI(http://www.ncbi.nlm.nih.gov)サーバー経由の非重複データのような公開ヌクレオチドおよびポリペプチドデータベースのデータベース検索で、分岐鎖L−アミノ酸アミノトランスフェラーゼまたはピリドキサル5’−リン酸依存性酵素クラスIV(PLPDE_IV)スーパーファミリーに帰属する4−アミノ−4−デオキシコリスマートリアーゼ(EC4.1.3.38)に高度な類似性を有する「仮想タンパク質」と注釈を付けられたものが同定されている。この注釈を支持する機能的発現および活性は、これまで報告されていない。
驚くべきことに、トランスアミナーゼa)〜m)は、実際、以下に記載されるように、(S)−選択的アミノ酸アミノトランスフェラーゼではなく(R)−選択的ω−トランスアミナーゼであることが見出された。さらに、トランスアミナーゼa)〜m)は、欧州特許第1038953号明細書、欧州特許第987332号明細書、および米国特許第7169592号明細書に記載の(R)−トランスアミナーゼとは基質スペクトルが異なっている。
本発明の上記トランスアミナーゼa)〜t)は、以下のω−トランスアミナーゼ変換の1つまたは複数におけるそれらの活性および鏡像異性選択性によって特徴づけられた。
[(i)(RS)−α−メチルベンジルアミンのラセミ分割]
Figure 2013530713


酵素一般、具体的にはトランスアミナーゼの鏡像異性選択性は、キラル中心を含む基質のラセミ混合物のラセミ分割で決定することができる。本発明によれば、(R)−選択的トランスアミナーゼは、ピルビン酸などのケトン基質の存在下で、(R)−α−メチルベンジルアミン(MBA)をラセミMBAから優先的にアミノ基転移させる酵素である。本発明の(R)−トランスアミナーゼは、ピルビン酸の存在下で、α−メチルベンジルアミンの(S)−鏡像異性体よりも(R)−鏡像異性体を優先的に変換する酵素であり、それによって、少なくとも10%の鏡像異性過剰(e.e.)となる、残存(S)−鏡像異性体の濃縮が生じる。好ましくは、(S)−MBAの得られるe.e.は、少なくとも50%である。より好ましくは、e.e.は少なくとも60%である。より一層好ましくは、e.e.は少なくとも70%である。より一層好ましくは、e.e.は少なくとも80%である。より一層好ましくは、e.e.は少なくとも90%である。より一層好ましくは、e.e.は少なくとも95%である。より一層好ましくは、e.e.は少なくとも96%である。より一層好ましくは、e.e.は少なくとも97%である。より一層好ましくは、e.e.は少なくとも98%である。最も好ましくは、e.e.は少なくとも99%である。
典型的には、80mMラセミα−メチルベンジルアミン(MBA)を、0.1mMピリドキサル5′−リン酸(PLP)を含有する100mMリン酸カリウム(KPi)緩衝液pH7.0中で、トランスアミナーゼの存在下、28℃で20時間、40mMピルビン酸ナトリウムと反応させる。(R)−および/または(S)−MBAの濃度および鏡像異性過剰は、例えば、適切なキラルカラム材料を備えた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)またはガスクロマトグラフィー(GC)により決定することができる。(R)−トランスアミナーゼの調製形態は、重要ではない;(R)−トランスアミナーゼは、(部分的に)精製された酵素、無細胞抽出物(CFE)、もしくは粗細胞抽出物;液体、粉末、もしくは固定形態;透過性細胞、細胞全体、もしくはトランスアミナーゼを含む細胞を含有する培養液、または任意の他の形態として加えることができる。
[(ii)α−メチルベンジルアミンの純粋な鏡像異性体に対する活性および選択性]
酵素の鏡像異性選択性はまた、特異的基質の個々の鏡像異性体へのその比活性によって特徴づけられる。これらは、高光学純度形態の個々の基質について、個別に活性測定して決定することができる。本発明によれば、α−メチルベンジルアミン(MBA)の2つの鏡像異性体に対するトランスアミナーゼ比活性は、トランスアミナーゼの(R)−選択性の尺度となる。本発明の文脈では、(S)−MBAに関する比活性に対する(R)−MBAに関する比活性比が、トランスアミナーゼ鏡像異性選択性値(TEV)として定義される。(R)−選択的トランスアミナーゼとは、TEV値が1を超えるトランスアミナーゼとして定義される。トランスアミナーゼの良好な(R)−選択性とは、(S)−MBAに対する(R)−MBAの比活性比であるTEVが10以上であるとして定義される。トランスアミナーゼの高度な(R)−選択性とは、(S)−MBAに対する(R)−MBAの比活性比であるTEVが100以上であるとして定義される。
Figure 2013530713

(R)−および(S)−MBAに対するトランスアミナーゼ比活性は、分光光度法を使用して個別に測定される。最終反応容量を1mlとして、適切に希釈された液体形態のトランスアミナーゼ50μlを、0.1mM PLP含有50mM KP緩衝液pH7.5の存在下で、12.5mM (R)−または(S)−MBAおよび5mMピルビン酸ナトリウムとキュベット中で混合する。30℃で5分間プレインキュベートした後、0.5Mピルピン酸ナトリウム(50mM KP緩衝液pH7.5、0.1mM PLP中)10μlを他のアッセイ成分に添加して反応を開始する。ピルピン酸ナトリウムの添加後、300nmの吸収を記録し、300nmでのアセトフェノンのモル吸光係数ε=0.28cm/μmolを使用して、ランバート−ベールの法則に従って試料中のトランスアミナーゼ活性を計算する。トランスアミナーゼ活性の1単位(U)は、0.1mM PLP含有50mM KP緩衝液pH7.5中で、12.5mM(R)−MBAまたは(S)−MBAおよび5mMピルピン酸ナトリウムから、30℃で1分間にアセトフェノン1μmolを形成するものとして定義される。CFEのトランスアミナーゼ比活性(U/mg総CFEタンパク質)は、容積活性値(U/ml CFE)をトランスアミナーゼ液体試料中の総タンパク質濃度で割ることにより計算される。トランスアミナーゼ鏡像異性選択性値(TEV)は、(R)−MBAに対する容積活性または比活性をそれぞれ、(S)−MBAに対する容積活性または比活性で割ることにより計算される。
好ましくは、(R)−トランスアミナーゼのTEVは少なくとも1であり、より好ましくは、(R)−トランスアミナーゼのTEVは少なくとも10であり、より一層好ましくは、(R)−トランスアミナーゼのTEVは少なくとも100である。
[(iii)対応するケトンおよびベンジルアミンまたはα−メチルベンジルアミンなどの適切なアミノドナーからの鏡像異性的に濃縮された(R)−アミンの合成]
(R)−選択的トランスアミナーゼにより触媒される反応の所望される典型的な結果は、アミノドナーおよびケトン基質からの、式1[c]に記載の鏡像異性的に濃縮された(R)−アミンの形成である。(R)−選択的トランスアミナーゼ反応にとって適切なアミノドナーは、例えば、ラセミMBAもしくは(R)−MBA、ラセミ1−アミノインダンもしくは(R)−1−アミノインダン、ラセミ1−アミノテトラリンもしくは(R)−1−アミノテトラリン、ラセミアラニンもしくはD−アラニン、イソプロピルアミン、ベンジルアミン、ラセミsec−ブチルアミン(2−アミノブタン)もしくは(R)−sec−ブチルアミン(2−アミノブタン)、β−アラニン、またはラセミ3−アミノ酪酸もしくはD−3−アミノ酪酸を含む。
一般に、特定のトランスアミナーゼに対しては、特定のアミノドナーが好ましい。驚くべきことに、我々は、配列番号1、配列番号3、配列番号7、配列番号9、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号21、配列番号23、および配列番号43のトランスアミナーゼについて、好ましいアミノドナーは、ラセミMBAもしくは(R)−MBA、またはラセミsec−ブチルアミンもしくは(R)−sec−ブチルアミンであることを見出した。
典型的には、70mMアミノドナーを、100mMリン酸カリウム(KPi)でpH7.5に緩衝化された水性反応混合物中で、(R)−トランスアミナーゼ存在下、28℃で70mMケトン基質と反応させる。場合によっては、水混和性または水非混和性溶媒を使用して、アミノドナーまたはケトン基質を可溶化することができる。本発明の(R)−選択的トランスアミナーゼは、等モル量のアミノドナーおよびケトン基質から出発して、28℃で一晩にわたる反応の後に、少なくとも50%の鏡像異性過剰を有する鏡像異性的に濃縮された(R)−アミンを有する所望の鏡像異性的に濃縮された(R)−アミンへの少なくとも最低0.5%の変換を示すことになる。(R)−トランスアミナーゼの形態は、重要ではない;(R)−トランスアミナーゼは、(部分的に)精製された酵素、無細胞抽出物、もしくは粗細胞抽出物;液体、粉末、もしくは固定形態;透過性細胞、細胞全体、もしくはトランスアミナーゼを含む細胞を含有する培養液、または任意の他の形態として加えることができる。
トランスアミナーゼ反応が可逆反応であり、その変換率が特異的な基質および生成物の平衡により影響を受けることは当業者には公知である。さらに、等モルのアミノドナーおよびケトン基質濃度における基質変換率を、例えば、反応生成物の1つを蒸発させることによりその場で生成物を除去すること、または樹脂を使用すること、またはピルビン酸デカルボキシラーゼまたは乳酸デヒドロゲナーゼなど、反応生成物の1つをさらに変換する酵素を添加することによって、増加させることができることは当業者には公知である。さらに、ケトン基質1[a]のアミン生成物1[c]への変換率は、過剰量のアミノドナー1[b]によって増加させることができる。
好ましくは、生成された鏡像異性的に濃縮された(R)−アミンは、少なくとも50%のe.e.を有する。より好ましくは、e.e.は少なくとも60%である。より一層好ましくは、e.e.は少なくとも70%である。より一層好ましくは、e.e.は少なくとも80%である。より一層好ましくは、e.e.は少なくとも90%である。より一層好ましくは、e.e.は少なくとも95%である。より一層好ましくは、e.e.は少なくとも96%である。より一層好ましくは、e.e.は少なくとも97%である。より一層好ましくは、e.e.は少なくとも98%である。より一層好ましくは、e.e.は少なくとも99%である。最も好ましくは、生成された鏡像異性的に濃縮された(R)アミンは、99%を超えるe.eを有する。
本出願では、「(参照配列)のアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するタンパク質」とは、そのようなタンパク質が、BLASTP(http://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast)、ClustalW(http://www.ebi.ac.uk/Tools/clustalw2)、またはAlign Plus 5(Scientific & Educational Software,Cary,NC,USA)などの配列アラインメントツールを用いて実施される配列アラインメントで決定された場合に、参照配列のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有する、それぞれの参照配列のホモログであることを意味する。
用語「ホモログ」は、少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、より好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、具体的には少なくとも85%、より具体的には少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有するポリヌクレオチドまたはポリペプチドに対して、具体的に本明細書で使用される。用語ホモログはまた、遺伝暗号の縮重により他の核酸配列とは異なるが、同じポリペプチド配列をコードする核酸配列(ポリヌクレオチド配列)も含むことを意味する。
本明細書においては、配列同一性または配列類似性は、配列の比較により決定される、2つ以上のポリペプチド配列間または2つ以上の核酸配列間の関係として定義される。通常、配列同一性または配列類似性は配列の全長にわたって比較するが、互いにアライメントした配列の一部に対してのみ比較する場合もある。当技術分野では、「同一性」または「類似性」はまた、場合によってはそのような配列間の一致によって決定される、ポリペプチド配列間または核酸配列間の配列関連性度を意味する。同一性または類似性を決定する好ましい方法は、検査される配列間に最大の一致を与えるように設計されている。本発明の文脈では、2つの配列間の同一性および類似性を決定する好ましいコンピュータプログラム法としては、NCBIならびに他の供給源(BLAST Manual,Altschul,S.et al.,NCBI NLM NIH, Bethesda,MD,USA)から公的に入手できるBLASTPおよびBLASTN(Altschul,S.F.et al,J.Mol.Biol.1990,215,403−410)が挙げられる。BLASTPを使用するポリペプチド配列比較用の好ましいパラメーターは、ギャップ開始10.0、ギャップ伸長0.5、Blosum62マトリックスである。BLASTNを使用する核酸配列比較用の好ましいパラメーターは、ギャップ開始10.0、ギャップ伸長0.5、DNA完全マトリックス(DNA同一性マトリックス)である。
本発明のトランスアミナーゼは、任意の形態で使用することができる。例えば、トランスアミナーゼは、例えば分散液、溶液、または固定化形態で、粗酵素として、市販酵素として、市販調製物からさらに精製された酵素として、公知精製法を組み合わせてその供給源から得られた酵素として、天然にまたは遺伝子改変によって必要とされるトランスアミナーゼ活性を有する全(場合によっては透過化および/または固定化)細胞で、またはそのような活性を有する細胞の溶解物で、使用することができる。
本発明の方法におけるトランスアミナーゼを含む細胞は、当技術分野でそれ自体公知である分子生物学的手法を使用して構築することができる。例えば、トランスアミナーゼを異種の系で生成させることにする場合、トランスアミナーゼをコードする遺伝子を含むベクターを準備するためにそのような手法を使用することができる。
トランスアミナーゼ活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子は、ポリペプチドの発現レベルを改善するために、ポリペプチドの生成に使用される宿主細胞の好ましいコドン使用に適合させることができる。このような適合を達成するための適切な方法は、例えば、国際公開第08000632号パンフレットに記載のコドン対最適化(Codon−Pair−Optimization)である。
このような遺伝子を含むベクターは、トランスアミナーゼをコードする遺伝子に機能的に連結することができる1つまたは複数の調節エレメント、例えば1つまたは複数のプロモーターを含むことができる。このようなベクターの例は、pBAD/Myc−HisC、pBAD−DEST49、pET−DEST42(すべてInvitrogen,Carlsbad,CA,USA)のようなプラスミド、pET系列のプラスミド、例えばpET−26b(+)(Novagen,Nottingham,UK)またはpMS470Δ8(Balzer et al.,Nucleic Acids Research,1992,20(8):1851−1858)を含む。
本明細書で使用する用語「実施可能に連結された」とは、機能的な関係にあるポリヌクレオチドエレメント(またはコード配列もしくは核酸配列)の連結を指す。核酸配列は、それが別の核酸配列と機能的な関係に配置されている場合、「実施可能に連結されて」いる。例えばプロモーターまたはエンハンサーがコード配列の転写に影響を及ぼす場合、それはコード配列と実施可能に連結している。
本明細書で使用する用語「プロモーター」とは、遺伝子の転写開始部位の転写方向に関して上流に位置して、1つまたは複数の遺伝子の転写を制御するために機能し、DNA依存性RNAポリメラーゼのための結合部位、転写開始部位、ならびにこれらに限定されないが、転写因子結合部位、リプレッサー、および活性化タンパク質結合部位を含む、他の任意のDNA配列の存在、ならびに直接的または間接的に作用してプロモーターからの転写量を調節する、当業者には公知の他の任意のヌクレオチド配列によって構造的に同定される核酸断片を指す。「構成的」プロモーターとは、大部分の環境および発生の条件下で活性なプロモーターである。「誘導性」プロモーターとは、環境および発生の調節下で活性なプロモーターである。所与の(組換え)核酸またはポリペプチド分子と所与の宿主生物または宿主細胞との間の関係を示すために使用する場合、用語「同種(homologous)」とは、自然界ではその核酸またはポリペプチド分子が、同じ種の、好ましくは同じ品種または株の宿主細胞または生物によって産生されることを意味するものと理解される。
本明細書で上記に記載されたものなど、本発明の方法で使用するための酵素、具体的にはトランスアミナーゼをコードするヌクレオチド配列の発現を達成するために使用することができるプロモーターは、その発現される酵素をコードするヌクレオチド配列にとって天然のものであってもよく、またそれが実施可能に連結しているヌクレオチド配列(コード配列)にとって異種であってもよい。プロモーターはその宿主細胞と同種、すなわち内因性であることが好ましい。
異種プロモーター(目的の酵素をコードするヌクレオチド配列にとって)を使用する場合、この異種プロモーターは、そのコード配列にとって天然のものであるプロモーターより、高い定常状態レベルでそのコード配列を含む転写産物を生成することができる(または、単位時間当たり、より多くの転写分子すなわちmRNA分子を生成することができる)ことが好ましい。この文脈で適切なプロモーターとしては、構成的および誘導性の両方の天然プロモーターならびに人工プロモーターが挙げられ、これらは当業者には周知である。
「強力な構成的プロモーター」とは、天然の宿主細胞に比べて、mRNAを高頻度で発生させるプロモーターである。
グラム陽性微生物におけるこのような強力な構成的プロモーターの例としては、SP01−26、SP01−15、veg、pyc(ピルベートカルボキシラーゼプロモーター)、およびamyEが挙げられる。
グラム陽性微生物における誘導プロモーターの例としては、IPTG誘導性Pspacプロモーター、キシロース誘導性PxylAプロモーターが挙げられる。
グラム陰性微生物における構成的および誘導性プロモーターの例としては、これらに限定されないが、tac、tet、trp−tet、lpp、lac、lpp−lac、laclq、T7、T5、T3、gal、trc、ara(PBAD)、SP6、λ−P、およびλ−Pが挙げられる。
酵母および真菌類などの真核微生物における構成的および誘導性プロモーターの例としては、これらに限定されないが、AOX−、GAP−、およびTEF−プロモーターが挙げられる。
用語「異種」とは、核酸(DNAもしくはRNA)またはタンパク質に関して使用される場合、それが存在する生物、細胞、ゲノム、またはDNAもしくはRNA配列の一部としては天然に存在しない核酸またはタンパク質を指すか、あるいはそれが自然界に見出されるものとは異なる細胞の中に、またはゲノムまたはDNAもしくはRNA配列の中の一部位または複数部位の中に見出される核酸またはタンパク質を指す。これら異種の核酸またはタンパク質は、それが導入される細胞にとって内因性のものではないが、別の細胞から得られたものか、または合成もしくは組換えにより生成されたものである。必ずしもそうとは限らないが、一般にそのような核酸は、そのDNAが転写または発現される細胞によって通常は産生されないタンパク質をコードする。同様に外因性RNAは、その外因性RNAが存在する細胞中で通常は発現されないタンパク質をコードする。これら異種の核酸およびタンパク質はまた、外来の核酸およびタンパク質と呼ぶこともできる。それを発現する細胞にとって異種または外来であると当業者が認識する任意の核酸またはタンパク質は、本明細書においては異種の核酸およびタンパク質という用語によって包含される。
宿主細胞または微生物は、具体的には、アスペルギルス属(Aspergillus)、バチルス属(Bacillus)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、エシェリキア属(Escherichia)、サッカロミセス属(Saccharomyces)、シュードモナス属(Pseudomonas)、グルコノバクター属(Gluconobacter)、ペニシリウム属(Penicillium)、およびピチア属(Pichia)からなる属の群から選択することができる。具体的には、トランスミナーゼ(transminase)の生成に適した宿主株、つまり宿主細胞は、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)、バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、コリネバクテリウム・グルタミクム(Corynebacterium glutamicum)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、ペニシリウム・クリゾゲヌム(Penicillium chrysogenum)、およびピチア・パストリス(Pichia pastoris)宿主細胞の群から選択することができる。
上記のn)で言及のトランスアミナーゼ活性を有するタンパク質は、オランダおよびドイツで収集された土壌試料に存在する微生物により生成される。これらの微生物は、増殖するための微生物の唯一の窒素源として(R)−アミンを使用する培地中で、これらの土壌試料から増菌された。この目的のために、以下の6つの構造的に多様な(R)−アミンが唯一の窒素源として使用された:(R)−2−アミノブタン、(R)−3,3−ジメチル−2−アミノブタン、(R)−α−メチルベンジルアミン、(R)−α−エチルベンジルアミン、(R)−1−アミノインダン、および(R)−1−アミノテトラリン)。
液体培地中での増菌に続いて、微生物を、唯一の窒素源としてそれぞれの(R)−アミンを含有する寒天プレート上で単離し、純粋培養物を再度それぞれの液体増菌培地中で増殖させ、全細胞系におけるトランスアミナーゼ反応のために使用した。得られる生成(R)−アミンの変換および鏡像異性過剰は、HPLCまたはGC分析によりモニターされた。
(R)−選択的トランスアミナーゼにより触媒される反応の所望される典型的な結果は、アミノドナーおよびケトン基質からの、式1[c]に記載の鏡像異性的に濃縮された(R)−アミンの形成である。(R)−選択的トランスアミナーゼ反応にとって適切なアミノドナーは、例えば、ラセミMBAもしくは(R)−MBA、ラセミ1−アミノインダンもしくは(R)−1−アミノインダン、ラセミ1−アミノテトラリンもしくは(R)−1−アミノテトラリン、ラセミアラニンもしくはD−アラニン、イソプロピルアミン、ベンジルアミン、ラセミsec−ブチルアミン(2−アミノブタン)もしくは(R)−sec−ブチルアミン(2−アミノブタン)、β−アラニン、またはラセミ3−アミノ酪酸もしくはD−3−アミノ酪酸を含む。
典型的には、80mMアミノドナーを、100mMリン酸カリウム(KP)でpH7.5に緩衝化された水性反応混合物中で、(R)−トランスアミナーゼ存在下、28℃で40mMケトン基質と反応させる。好ましくは、100mMリン酸カリウム(KP)でpH7.5に緩衝化された水性反応混合物中で、(R)−トランスアミナーゼ存在下、28℃で少なくとも100mMのケトン基質を使用する。場合によっては、水混和性または水非混和性溶媒を使用して、アミノドナーまたはケトン基質を可溶化することができる。本発明の(R)−選択的トランスアミナーゼは、等モル量のアミノドナーおよびケトン基質から出発して、28℃で一晩にわたる反応の後に、少なくとも50%の鏡像異性過剰を有する鏡像異性的に濃縮された(R)−アミンを有する所望の鏡像異性的に濃縮された(R)−アミンへの少なくとも0.5%の低変換を示すことになる。
(R)−トランスアミナーゼの形態は、重要ではない;(R)−トランスアミナーゼは、(部分的に)精製された酵素、無細胞抽出物、もしくは粗細胞抽出物;液体、粉末、もしくは固定形態;透過性細胞、細胞全体、もしくはトランスアミナーゼを含む細胞を含有する培養液、または任意の他の形態として加えることができる。
トランスアミナーゼ反応が可逆反応であり、その変換率が特異的な基質および生成物の平衡により影響を受けることは当業者には公知である。さらに、等モルのアミノドナーおよびケトン基質濃度における基質変換率を、例えば、反応生成物の1つを蒸発させることによりその場で生成物を除去すること、または樹脂を使用すること、またはピルビン酸デカルボキシラーゼもしくは乳酸デヒドロゲナーゼなど、反応生成物の1つをさらに変換する酵素を添加することによって、増加させることができることは当業者には公知である。
好ましくは、生成された鏡像異性的に濃縮された(R)−アミンは、少なくとも50%のe.e.を有する。より好ましくは、e.e.は少なくとも60%である。より一層好ましくは、e.e.は少なくとも70%である。より一層好ましくは、e.e.は少なくとも80%である。より一層好ましくは、e.e.は少なくとも90%である。より一層好ましくは、e.e.は少なくとも95%である。より一層好ましくは、e.e.は少なくとも96%である。より一層好ましくは、e.e.は少なくとも97%である。最も好ましくは、生成された鏡像異性的に濃縮された(R)−アミンは、少なくとも99%のe.e.を有する。
最終結果は、31種の微生物の収集であり、それらの特徴は表1に示すとおりである。
Figure 2013530713

テトラロンから鏡像異性的に濃縮された(R)−アミノテトラリンを合成するために、好ましくは、微生物シノリゾビウム・モレレンス(Sinorhizobium morelense)、ラーネラ・アクアティリス(Rahnella aquatilis)、もしくはオクロバクテリウム・アンスロピ(Ochrobactrum anthropi)、またはこれらの種のいずれかから得られるトランスアミナーゼが使用される。より好ましくは、微生物ラーネラ・アクアティリス(Rahnella aquatilis)もしくはオクロバクテリウム・アンスロピ(Ochrobactrum anthropi)、またはこれらの種のいずれかから得られるトランスアミナーゼ。最も好ましくは、微生物オクロバクテリウム・アンスロピ(Ochrobactrum anthropi)またはこの種から得られるトランスアミナーゼが使用される。
インダノンから鏡像異性的に濃縮された(R)アミノインダンを合成するために、好ましくは、微生物ペキロマイセス・リアシヌス(Paecilomyces lilacinus)もしくはクルトバクテリウム・プシルム(Curtobacterium pusillum)、またはこれらの種のいずれかから得られるトランスアミナーゼが使用される。最も好ましくは、微生物クルトバクテリウム・プシルム(Curtobacterium pusillum)またはこの種から得られるトランスアミナーゼが使用される。
プロピオフェノンから鏡像異性的に濃縮された(R)−α−エチルベンジルアミンを合成するために、好ましくは、微生物ミクロバクテリウム・ゲンセンギソリ(Microbacterium ginsengisoli)、エルシニア・クリステンセニイ(Yersinia kristensenii)、シュードモナス・シトロネロリス(Pseudomonas citronellolis)、もしくはオクロバクテリウム・アンスロピ(Ochrobactrum anthropi)、またはこれらの種のいずれかから得られるトランスアミナーゼが使用される。より好ましくは、微生物エルシニア・クリステンセニイ(Yersinia kristensenii)、シュードモナス・シトロネロリス(Pseudomonas citronellolis)、またはオクロバクテリウム・アンスロピ(Ochrobactrum anthropi)、またはこれらの種のいずれかから得られるトランスアミナーゼが使用される。より一層好ましくは、微生物シュードモナス・シトロネロリス(Pseudomonas citronellolis)もしくはオクロバクテリウム・アンスロピ(Ochrobactrum anthropi)、またはこれらの種のいずれかから得られるトランスアミナーゼが使用される。最も好ましくは、微生物オクロバクテリウム・アンスロピ(Ochrobactrum anthropi)またはこの種から得られるトランスアミナーゼが使用される。
アセトフェノンから鏡像異性的に濃縮された(R)−α−メチルベンジルアミンを合成するために、好ましくは、微生物マイコバクテリウム・フォーチュイタム(Mycobacterium fortuitum)、オクロバクテリウム・トリティシ(Ochrobactrum tritici)、もしくはアクロモバクター・スパニウス(Achromobacter spanius)、またはこれらの種のいずれかから得られるトランスアミナーゼが使用される。より好ましくは、微生物オクロバクテリウム・トリティシ(Ochrobactrum tritici)もしくはアクロモバクター・スパニウス(Achromobacter spanius)、またはこれらの種のいずれかから得られるトランスアミナーゼが使用される。最も好ましくは、微生物アクロモバクター・スパニウス(Achromobacter spanius)またはこの種から得られるトランスアミナーゼが使用される。
3,3−ジメチル−2−ブタノンから鏡像異性的に濃縮された(R)−3,3−ジメチル−2−アミノブタンを合成するために、好ましくは、マイコバクテリウム(Mycobacterium)属の微生物またはこの属から得られるトランスアミナーゼが使用される。より好ましくは、マイコバクテリウム・フレデリクスバーゲンス(Mycobacterium frederiksbergense)、マイコバクテリウム・サクルム(Mycobacterium sacrum)、もしくはマイコバクテリウム・フルオランセニボランス(Mycobacterium fluoranthenivorans)の群からの微生物、またはこれらの種の1つから得られるトランスアミナーゼが、それぞれ使用される。より一層好ましくは、微生物ミクロバクテリウム・ゲンセンギソリ(Microbacterium ginsengisoli)もしくはアクロモバクター・インソリタス(Achromobacter insolitus)、またはこれらの種のいずれかから得られるトランスアミナーゼが使用される。最も好ましくは、微生物アクロモバクター・インソリタス(Achromobacter insolitus)またはこの種から得られるトランスアミナーゼが使用される。
2−ブタノンから鏡像異性的に濃縮された(R)−2−アミノブタンを合成するために、好ましくは、バークホルデリア(Burkholderia)属の微生物またはこの属から得られるトランスアミナーゼが使用される。より好ましくは、コスモスポラ・エピスファエリア(Cosmospora episphaeria)もしくはフザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)の群からの微生物、またはこれらの種のいずれかから得られるトランスアミナーゼが、それぞれ使用される。より一層好ましくは、微生物ミクロバクテリウム・トリコテセノリティクム(Microbacterium trichothecenolyticum)またはこの種から得られるトランスアミナーゼが使用される。最も好ましくは、バークホルデリア(Burkholderia)種、バークホルデリア・トロピカ(Burkholderia tropica)もしくはラーネラ・アクアティリス(Rahnella aquatilis)の群からの微生物、またはこれらの種のいずれかから得られるトランスアミナーゼが、それぞれ使用される。
寄託されたプールからの個々の微生物の再単離は、プールされた微生物を適切に希釈して播種し、それらが初めに増菌された、それぞれの(R)−アミンを含有する選択増菌培地上に再画線することにより達成することができる。均一形態のコロニーのみが得られるまで、それぞれの(R)−アミンを含有する選択的増菌培地上への再画線を反復して実施する。続いて、16SリボソームRNAまたはD2−LSUリボソームRNAの配列決定を、例えば検証済みのMicroSEQ(登録商標)(Applied Biosystems,Carlsbad,CA,USA)システムを使用して実施し、個々の微生物を再同定する。
表1の株から得ることができるトランスアミナーゼには、表1の株のトランスアミナーゼ遺伝子配列に由来した酵素が含まれる。これらの遺伝子配列は、ゲノム配列決定および公知トランスアミナーゼとの配列比較、DNA単離および公知トランスアミナーゼ遺伝子と高度の同一性(少なくとも80%)を有するDNA配列のプローブの使用、酵素精製および酵素配列決定、他の宿主生物へのこれらの株に由来するDNAの形質転換および(R)−アミン上での増殖による選別、その後のDNA配列決定、またはこれらの手法の組合せ(Ausubel et al.,eds.,”Current protocols in molecular biology”,Green Publishing and Wiley Interscience,New York 1987)など、当業者に公知の種々の方法により同定および単離することができる。
したがって、本発明はまた、ラーネラ・アクアティリス(Rahnella aquatilis)(DSM 23797として寄託された)、オクロバクテリウム・アンスロピ(Ochrobactrum anthropi)(DSM 23793として寄託された)、オクロバクテリウム・トリティシ(Ochrobactrum tritici)(DSM 23786として寄託された)、シノリゾビウム・モレレンス(Sinorhizobium morelense)(DSM 23794として寄託された)、クルトバクテリウム・プシルム(Curtobacterium pusilllum)(DSM 23787として寄託された)、ペキロマイセス・リアシヌス(Paecilomyces lilacinus)(DSM 23771として寄託された)、ミクロバクテリウム・ゲンセンギソリ(Microbacterium ginsengisoli)、ミクロバクテリウム・トリコテセノリティクム(Microbacterium trichothecenolyticum)(DSM 23788として寄託された)、シュードモナス・シトロネロリス(Pseudomonas citronellolis)(DSM 23795として寄託された)、エルシニア・クリステンセニイ(Yersinia kristensenii)(DSM 23792として寄託された)、アクロモバクター・スパニウス(Achromobacter spanius)(DSM 23791として寄託された)、アクロモバクター・インソリタス(Achromobacter insolitus)(DSM 23790として寄託された)、マイコバクテリウム・フォーチュイタム(Mycobacterium fortuitum)(DSM 23789として寄託された)、マイコバクテリウム・フレデリクスバーゲンス(Mycobacterium frederiksbergense)(DSM 23798として寄託された)、マイコバクテリウム・サクルム(Mycobacterium sacrum)(DSM 23785として寄託された)、マイコバクテリウム・フルオランセニボランス(Mycobacterium fluoranthenivorans)(DSM 23796として寄託された)、バークホルデリア(Burkholderia)種、バークホルデリア・トロピカ(Burkholderia tropica)(DSM 23799として寄託された)、コスモスポラ・エピスファエリア(Cosmospora episphaeria)(DSM 23772として寄託された)およびフザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)(DSM 23770として寄託された)からなる生物の群に由来する(R)−トランスアミナーゼ活性を有する酵素を含む微生物に関する。
さらなる実施形態によれば、本発明は、Cpu−TA1[配列番号30]、Cpu−TA2[配列番号33]、Cpu−TA3[配列番号35]、Raq−TA2[配列番号38]、Raq−TA3[配列番号40]、Asp−TA1[配列番号43]、およびMgi−TA1[配列番号46]からなる群から選択される(R)−トランスアミナーゼ活性を有する酵素、またはこれらのアミノ酸配列のいずれかと少なくとも90%、好ましくは少なくとも91%、好ましくは少なくとも92%、好ましくは少なくとも93%、好ましくは少なくとも94%、好ましくは少なくとも95%、好ましくは少なくとも96%、好ましくは少なくとも97%、好ましくは少なくとも98%、好ましくは少なくとも99%の同一性を有するタンパク質を含む微生物に関する。
さらなる実施形態によれば、本発明は、(R)−トランスアミナーゼ活性を有し、かつラーネラ・アクアティリス(Rahnella aquatilis)(DSM 23797として寄託された)、オクロバクテリウム・アンスロピ(Ochrobactrum anthropi)(DSM 23793として寄託された)、オクロバクテリウム・トリティシ(Ochrobactrum tritici)(DSM 23786として寄託された)、シノリゾビウム・モレレンス(Sinorhizobium morelense)(DSM 23794として寄託された)、クルトバクテリウム・プシルム(Curtobacterium pusilllum)(DSM 23787として寄託された)、ペキロマイセス・リアシヌス(Paecilomyces lilacinus)(DSM 23771として寄託された)、ミクロバクテリウム・ゲンセンギソリ(Microbacterium ginsengisoli)、ミクロバクテリウム・トリコテセノリティクム(Microbacterium trichothecenolyticum)(DSM 23788として寄託された)、シュードモナス・シトロネロリス(Pseudomonas citronellolis)(DSM 23795として寄託された)、エルシニア・クリステンセニイ(Yersinia kristensenii)(DSM 23792として寄託された)、アクロモバクター・スパニウス(Achromobacter spanius)(DSM 23791として寄託された)、アクロモバクター・インソリタス(Achromobacter insolitus)(DSM 23790として寄託された)、マイコバクテリウム・フォーチュイタム(Mycobacterium fortuitum)(DSM 23789として寄託された)、マイコバクテリウム・フレデリクスバーゲンス(Mycobacterium frederiksbergense)(DSM 23798として寄託された)、マイコバクテリウム・サクルム(Mycobacterium sacrum)(DSM 23785として寄託された)、マイコバクテリウム・フルオランセニボランス(Mycobacterium fluoranthenivorans)(DSM 23796として寄託された)、バークホルデリア(Burkholderia)種、バークホルデリア・トロピカ(Burkholderia tropica)(DSM 23799として寄託された)、コスモスポラ・エピスファエリア(Cosmospora episphaeria)(DSM 23772として寄託された)およびフザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)(DSM 23770として寄託された)からなる生物の群から選択される生物から得ることができるポリペプチドに関する。
さらなる実施形態によれば、本発明は、(R)−トランスアミナーゼ活性および(R)−トランスアミナーゼ活性を有するポリペプチドと少なくとも90%、好ましくは少なくとも91%、好ましくは少なくとも92%、好ましくは少なくとも93%、好ましくは少なくとも94%、好ましくは少なくとも95%、好ましくは少なくとも96%、好ましくは少なくとも97%、好ましくは少なくとも98%、好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有し、かつラーネラ・アクアティリス(Rahnella aquatilis)(DSM 23797として寄託された)、オクロバクテリウム・アンスロピ(Ochrobactrum anthropi)(DSM 23793として寄託された)、オクロバクテリウム・トリティシ(Ochrobactrum tritici)(DSM 23786として寄託された)、シノリゾビウム・モレレンス(Sinorhizobium morelense)(DSM 23794として寄託された)、クルトバクテリウム・プシルム(Curtobacterium pusilllum)(DSM 23787として寄託された)、ペキロマイセス・リアシヌス(Paecilomyces lilacinus)(DSM 23771として寄託された)、ミクロバクテリウム・ゲンセンギソリ(Microbacterium ginsengisoli)、ミクロバクテリウム・トリコテセノリティクム(Microbacterium trichothecenolyticum)(DSM 23788として寄託された)、シュードモナス・シトロネロリス(Pseudomonas citronellolis)(DSM 23795として寄託された)、エルシニア・クリステンセニイ(Yersinia kristensenii)(DSM 23792として寄託された)、アクロモバクター・スパニウス(Achromobacter spanius)(DSM 23791として寄託された)、アクロモバクター・インソリタス(Achromobacter insolitus)(DSM 23790として寄託された)、マイコバクテリウム・フォーチュイタム(Mycobacterium fortuitum)(DSM 23789として寄託された)、マイコバクテリウム・フレデリクスバーゲンス(Mycobacterium frederiksbergense)(DSM 23798として寄託された)、マイコバクテリウム・サクルム(Mycobacterium sacrum)(DSM 23785として寄託された)、マイコバクテリウム・フルオランセニボランス(Mycobacterium fluoranthenivorans)(DSM 23796として寄託された)、バークホルデリア(Burkholderia)種、バークホルデリア・トロピカ(Burkholderia tropica)(DSM 23799として寄託された)、コスモスポラ・エピスファエリア(Cosmospora episphaeria)(DSM 23772として寄託された)およびフザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)(DSM 23770として寄託された)からなる生物の群から選択される生物から得ることができるポリペプチドに関する。
さらなる実施形態によれば、本発明は、Cpu−TA1[配列番号30]、Cpu−TA2[配列番号33]、Cpu−TA3[配列番号35]、Raq−TA2[配列番号38]、Raq−TA3[配列番号40]、Asp−TA1[配列番号43]、およびMgi−TA1[配列番号46]からなる群から選択される(R)−トランスアミナーゼ活性を有するポリペプチド、またはこれらのポリペプチド配列のいずれかと少なくとも90%、好ましくは少なくとも91%、好ましくは少なくとも92%、好ましくは少なくとも93%、好ましくは少なくとも94%、好ましくは少なくとも95%、好ましくは少なくとも96%、好ましくは少なくとも97%、好ましくは少なくとも98%、好ましくは少なくとも99%の同一性を有するタンパク質に関する。
さらなる実施形態によれば、本発明は、(R)−トランスアミナーゼ活性および(R)−トランスアミナーゼ活性を有するポリペプチドと少なくとも90%、好ましくは少なくとも91%、好ましくは少なくとも92%、好ましくは少なくとも93%、好ましくは少なくとも94%、好ましくは少なくとも95%、好ましくは少なくとも96%、好ましくは少なくとも97%、好ましくは少なくとも98%、好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有し、かつラーネラ・アクアティリス(Rahnella aquatilis)(DSM 23797として寄託された)、オクロバクテリウム・アンスロピ(Ochrobactrum anthropi)(DSM 23793として寄託された)、オクロバクテリウム・トリティシ(Ochrobactrum tritici)(DSM 23786として寄託された)、シノリゾビウム・モレレンス(Sinorhizobium morelense)(DSM 23794として寄託された)、クルトバクテリウム・プシルム(Curtobacterium pusilllum)(DSM 23787として寄託された)、ペキロマイセス・リアシヌス(Paecilomyces lilacinus)(DSM 23771として寄託された)、ミクロバクテリウム・ゲンセンギソリ(Microbacterium ginsengisoli)、ミクロバクテリウム・トリコテセノリティクム(Microbacterium trichothecenolyticum)(DSM 23788として寄託された)、シュードモナス・シトロネロリス(Pseudomonas citronellolis)(DSM 23795として寄託された)、エルシニア・クリステンセニイ(Yersinia kristensenii)(DSM 23792として寄託された)、アクロモバクター・スパニウス(Achromobacter spanius)(DSM 23791として寄託された)、アクロモバクター・インソリタス(Achromobacter insolitus)(DSM 23790として寄託された)、マイコバクテリウム・フォーチュイタム(Mycobacterium fortuitum)(DSM 23789として寄託された)、マイコバクテリウム・フレデリクスバーゲンス(Mycobacterium frederiksbergense)(DSM 23798として寄託された)、マイコバクテリウム・サクルム(Mycobacterium sacrum)(DSM 23785として寄託された)、マイコバクテリウム・フルオランセニボランス(Mycobacterium fluoranthenivorans)(DSM 23796として寄託された)、バークホルデリア(Burkholderia)種、バークホルデリア・トロピカ(Burkholderia tropica)(DSM 23799として寄託された)、コスモスポラ・エピスファエリア(Cosmospora episphaeria)(DSM 23772として寄託された)およびフザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)(DSM 23770として寄託された)からなる生物の群から選択される生物から得ることができるポリペプチドをコードする配列を含む核酸に関する。
さらなる実施形態によれば、本発明は、Cpu−TA1[配列番号30]、Cpu−TA2[配列番号33]、Cpu−TA3[配列番号35]、Raq−TA2[配列番号38]、Raq−TA3[配列番号40]、Asp−TA1[配列番号43]、およびMgi−TA1[配列番号46]からなる群から選択される(R)−トランスアミナーゼ活性を有するポリペプチド、またはこれらのポリペプチド配列のいずれかと少なくとも90%、好ましくは少なくとも91%、好ましくは少なくとも92%、好ましくは少なくとも93%、好ましくは少なくとも94%、好ましくは少なくとも95%、好ましくは少なくとも96%、好ましくは少なくとも97%、好ましくは少なくとも98%、好ましくは少なくとも99%の同一性を有するタンパク質をコードする配列を含む核酸に関する。
表1の株の遺伝子配列に由来する酵素には、表1の株に由来する遺伝子の突然変異誘発により得られる、少なくとも90%、好ましくは少なくとも91%、好ましくは少なくとも92%、好ましくは少なくとも93%、好ましくは少なくとも94%、好ましくは少なくとも95%、好ましくは少なくとも96%、好ましくは少なくとも97%、好ましくは少なくとも98%、好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有する酵素も含まれる。突然変異誘発法は当業者には公知であり、遺伝子合成および突然変異誘発プライマー(Bloom & Arnold,Proc Natl Acad Sci USA 2009,106,9995)を使用する突然変異誘発法を含む。
[実施例]
[全般]
[微生物増殖培地]
LB(Luria Bertani)培地
10g/l Bacto Trypton(BD,Le Pont de Claix,France)
5g/l Bacto Yeast Extract(BD,Le Pont de Claix,France)
5g/l NaCl(Sigma−Aldrich,Steinheim,Germany)
15g/l Bacto Agar(固体培地用、BD,Le Pont de Claix,France)
成分を脱イオン水に溶解し、必要に応じてpHを7.0に調整した。培地は、121℃で20分間高圧蒸気滅菌した。固体培地のために、高圧蒸気滅菌前に寒天を加えた。高圧蒸気滅菌した培地を60℃まで放冷した後、抗生物質を加えた。
[選択増菌培地(SEM)]
10g/l Difco Yeast Carbon Base(YCB,BD,Sparks,MD,USA)
55mMグリセロール(Merck,Darmstadt,Germany)
10mMピルビン酸(Sigma−Aldrich,Steinheim,Germany)
5mM(R)−アミン基質
15g/l Difco Agar Noble(BD,Le Pont de Claix,France)
YCB培地(100g/l)、550mMグリセロール、および100mMピルビン酸の原液は、MilliQ水(Millipore,Billerica,MA,USA)で調製し、0.22μm滅菌フィルターを通す濾過により滅菌した。液体増菌培地は、(R)−2−アミノブタン、(R)−3,3−ジメチル−2−アミノブタン、(R)−α−メチルベンジルアミン、(R)−α−エチルベンジルアミン、(R)−1−アミノインダン、および(R)−1−アミノテトラリンの群から選択される(R)−アミン基質を、滅菌MilliQ水で希釈した増菌培地の原液に1:10の割合で加えることにより調製した。固体増菌培地は、最終濃度15g/lになるように、Agar Nobleを含有する高圧蒸気滅菌したMilliQ水を用いて適宜調製した。
[抗生物質]
カルベニシリンまたはネオマイシン(neomycine)を100μg/mlの最終濃度で含有するLB培地を、[配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26]を含む発現ベクターを含有する組換えエシェリキア・コリ(Escherichia coli)株を選択し培養するために使用し、これらのプラスミドを維持した。カルベニシリンおよびネオマイシンの原液(50mg/ml)は、0.22μm滅菌フィルターを通す濾過により滅菌した。
[分子および遺伝子の手法]
標準的な遺伝子および分子生物学の手法については、当技術分野で一般に知られており、以前に記載されている(Maniatis et al.1982 ”Molecular cloning:a laboratory manual”.Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,N.Y.;Miller 1972 ”Experiments in molecular genetics”,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor;Sambrook and Russell 2001 ”Molecular cloning:a laboratory manual”(3rd edition),Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor Laboratory Press;F.Ausubel et al,eds.,”Current protocols in molecular biology”,Green Publishing and Wiley Interscience,New York 1987)。
[プラスミドおよび株]
E.コリ(E. coli)株TOP10(Invitrogen,Carlsbad,CA,USA)を、すべてのクローニング手順に使用した。E.コリ(E.coli)はまた、タンパク質発現のためにも使用した。遺伝子発現の誘導のために、L−アラビノースを最終濃度0.02%(w/v)で使用した。
[標的遺伝子のクローニング]
[配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26]の標的遺伝子を、国際公開第08000632号パンフレットに記載の手順に従って、コドン対最適化を行った。Gateway技術(Invitrogen,Carlsbad,CA,USA)を使用するクローニングを容易にするために、すべての遺伝子に対して、リボソーム結合部位および開始コドンの上流、ならびに停止コドンの下流にattB部位を付加した。合成遺伝子は、Geneart(Regensburg,Germany)から入手した。これらの遺伝子構築物を、Gateway技術(Invitrogen)を使用し、導入したattB部位および製造業者のプロトコール(www.invitrogen.com)に記載のエントリーベクターとしてのpDONR201(Invitrogen)を介してpBAD/Myc−HisC(Invitrogen,Carlsbad,CA,USA)由来の発現ベクターにクローニングした。このようにして、pBAD発現ベクターをそれぞれ得た。化学的にコンピテントなE.コリ(E.coli)細胞を、それぞれのpBAD−発現ベクターにより形質転換して、対応する発現株を得た。
[プラスミドの同定]
相異なる遺伝子を保持するプラスミドを、形質転換細胞の抗生物質に対する抵抗性、形質転換細胞のPCR診断分析またはプラスミドDNAの精製、精製プラスミドDNAの制限酵素分析またはDNA配列分析などの当技術分野で一般に公知の遺伝的、生化学的、および/または表現型手段によって同定した。
[溶液中のタンパク質濃度の測定]
無細胞抽出物(CFE)など、溶液中のタンパク質濃度は、Anal.Biochem.72:248−254(1976)でBradfordが記載するような改変タンパク質色素結合法を使用して測定した。適切に希釈した各試料50μlを、試薬(エタノール46mlに溶解した100mgのブリリアントブルーG250および85%オルトリン酸100mlをmilli−Q水で1,000mlにした)950μlと共に、室温で少なくとも5分間インキュベートした。各試料の波長595nmにおける吸収を、Perkin Elmer Lambda20またはLambda35 UV/VIS分光光度計で測定した。既知濃度のウシ血清アルブミン(BSA、0.0125mg/ml〜0.20mg/mlの範囲)を含有する溶液を用いて決定した検量線を使用して、試料中のタンパク質濃度を計算した。
[分析]
[高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)分析]
芳香族基を含有するケトンおよびアミンは、Prevail C18の15cmカラム上で分析した。α−メチルベンジルアミン、α−エチルベンジルアミン、2−アミノテトラリンの鏡像異性体の分離および定量については、Crownpak Cr(+)カラム(Daicel)に加えて、o−フタルアルデヒドおよびメルカプトエタノールを使用するアミンのポストカラム誘導体化ならびに蛍光検出を使用した。1−アミノテトラリンおよび1−アミノインダンの鏡像異性体の分離および定量ついては、Prevail C18 15cmおよびCrownpak Cr(+)カラムに加えて、o−フタルアルデヒドおよびメルカプトエタノールを使用するアミンのポストカラム誘導体化を使用し、蛍光検出を使用した。
[ガスクロマトグラフィー]
2−ブタノン、2−アミノブタン、3,3−ジメチル−ブタノン、および3,3−ジメチル−2−アミノブタンなどのアルキルケトンおよびアルキルアミンは、アミンカラム用のCP−Sil 8 CBカラム(Varian)上で、市販の参照物質(Sigma−Aldrich)を使用して分析した。(R)−および(S)−アルキルアミンの分離および定量については、Chiralsil−CBカラム(Agilent)を使用した。
[実施例1−唯一の窒素源としての(R)−アミン上での微生物の増菌]
オランダおよびドイツの様々な場所からの土壌試料を100mMリン酸カリウム(KP)緩衝液pH7.0に懸濁し、180の毎分回転数(rpm)で振盪させながら、28℃で1時間インキュベートした。この懸濁液をワットマン濾紙に通して濾過した。濾液100μlをそれぞれ使用して、(R)−2−アミノブタン、(R)−3,3−ジメチル−2−アミノブタン、(R)−α−メチルベンジルアミン、(R)−α−エチルベンジルアミン、(R)−1−アミノインダン、および(R)−1−アミノテトラリンの群から選択される6種の(R)−アミンの1つを含有するSEM10mlが入っている100mlの三角フラスコに接種した。このフラスコを、オービタリーシェーカー(orbitary shaker)上にて180rpmで振盪させながら、28℃でインキュベートした。微生物増殖が顕著な培地濁度または「細胞凝集物」の形態で得られた場合に、この培地100μlを使用して、同じ(R)−アミン(5mM)を含有するSEMに接種した。このような継代接種を2回した後に、1:100希釈した最後の培地100μlを、対応する(R)−アミン(5mM)を含有するSEM寒天プレート上に播種した。さらに、無希釈培養物約10μlを、対応する(R)−アミン(5mM)を含有するSEM寒天プレート上に画線した。接種した寒天プレートを、増殖が観察されるまで、28℃でインキュベートした。種々の形態のコロニーを、新たなSEMプレート上に再画線し、異なる微生物種を分離した。均一形態を有する純粋培養物が28℃のインキュベーションおよび4℃での保存の後に得られるまで、再画線接種を継続した。
選択された微生物は、MicroSEQ(商標登録)(Applied Biosystems,Carlsbad,CA,USA)Identificationのために、BaseClear(Leiden,The Netherlands)に送った。細菌または真菌の16SまたはD2−LSUリボソームRNAの得られた配列を、検証済みMicroSEQ(登録商標)配列データベース(BaseClear,Leiden,The Netherlandsにおける)と比較し、99%を超える同一性が得られない場合は、NCBI Blastホームページ(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/)上のBlastNアルゴリズムを使用して、非重複性(nr)ヌクレオチドデータベースと比較した。これらの配列分析結果の概要を表2に示す。
Figure 2013530713

[実施例2−増菌単離物における(R)−トランスアミナーゼ活性の検出]
SEM寒天プレート上の増菌単離物の純粋培養物を、微生物が増菌した、5mMのそれぞれの(R)−アミンを含有するSEM培養液25mlに接種し、培養物が濁るまで、オービタリーシェーカー上で180の毎分回転数(rpm)、28℃で培養した。次いで、培養物を50mlの遠心管に移し、Beckman Avanti J−20 XPI遠心分離機(Beckman−Coulter,Woerden,The Netherlands)にてJA−25.50ローター中、50,000×gで10分間遠心分離した。細胞ペレットを、0.1mMピリドキサル5’−リン酸(PLP)を含有する、2mlの100mMリン酸カリウム(KP)緩衝液pH7.0に再懸濁した。この細胞懸濁液を使用し、40mMのアミノドナーおよびケトン基質を用いて、(R)−トランスアミナーゼ活性を測定した。増菌単離物3Kb、3Na、3Ba、3Db、および3H1の細胞懸濁液について、アミンドナーとして40mM(R)−α−メチルベンジルアミン、ケトン基質として1−テトラロンを用い、生成物としてアセトフェノンおよび1−アミノテトラリンを生成させる試験を実施した。増菌単離物5BaBおよび5BaSの細胞懸濁液について、アミンドナーとして40mM(R)−α−メチルベンジルアミン、ケトン基質として1−アミノインダンを用い、生成物としてアセトフェノンおよび1−アミノインダンを生成させる試験を実施した。増菌単離物2A2、2Ca、2Cb、2M1、2Da、および2K1の細胞懸濁液について、アミンドナーとして40mM(R)−α−メチルベンジルアミン、ケトン基質としてプロピオフェノンを用い、生成物としてアセトフェノンおよびα−エチルベンジルアミンを生成させる試験を実施した。増菌単離物5BaBおよび5BaSの細胞懸濁液について、アミンドナーとして40mM(R)−α−メチルベンジルアミン、ケトン基質として1−アミノインダンを用い、生成物としてアセトフェノンおよび1−アミノインダンを生成させる試験を実施した。増菌単離物6Ab、6Bb、6I、および6Fの細胞懸濁液について、アミンドナーとして40mMベンジルアミン、ケトン基質としてアセトフェノンを用い、生成物としてベンズアルデヒドおよびα−メチルベンジルアミンを生成させる試験を実施した。形成されたアミン生成物の濃度および鏡像異性過剰(e.e.)を、全般の部で記載のようにHPLCにより測定した。HPLC分析の結果を表3に要約する。
Figure 2013530713

これらの結果は、増菌された微生物における、良好から優秀な(R)−選択性を有するトランスアミナーゼの存在を示す。
[実施例3−公的データベースからの(R)−トランスアミナーゼの発現]
表4にまとめられている推定上のトランスアミナーゼのポリペプチドをコードするコドン対最適化遺伝子を、全般の部に記載のように、製造業者のプロトコール(www.invitrogen.com)に従い、Gateway技術(Invitrogen)を使用して、pBAD/Myc−HisC由来発現ベクターにクローニングした(欧州特許第1513946号明細書に記載のように)。
Figure 2013530713

さらに、ストレプトミセス・アベルミチリス(Streptomyces avelmitilis)由来のL−スレオニンアルドラーゼ(LTA_SAV、受託番号Q82N15)(陰性対照として)、ならびに(R)−トランスアミナーゼABN35871(米国特許第7169592号明細書の配列2)およびAAN21261(米国特許第6413752号明細書の配列1)のポリペプチドをコードするコドン対最適化合成遺伝子を注文し、上記のようにクローニングした。コンピテントE.コリ(E.coli)TOP10細胞を形質転換し、100μg/mlの抗生物質を含有する選択的LB寒天プレート上に播種した後、表4に示す、組換えE.コリ(E.coli)pBAD株をそれぞれ得た。5mlのLB前培養物および50μg/ml抗生物質の前培養物に、それぞれの寒天プレートから接種し、オービタリーシェーカー上で180rpm、28℃で一晩培養した。このような前培養物から、発現培養物を、50〜100mlのLBおよび50μg/ml抗生物質を含有する三角フラスコに、OD620=0.05の開始細胞密度で接種した。これらの培養物を、オービタリーシェーカー上で180rpm、28℃でインキュベートした。指数増殖期(約0.6のOD620)の途中で、培養フラスコに0.02%(w/v)のL−アラビノースを添加して、標的遺伝子の発現を誘導した。誘導後、オービタリーシェーカー上で180rpm、28℃で一晩(約20時間)培養を継続した。続いて、細胞を4℃で10分間、5,000×gで遠心分離して集めた。上清を廃棄し、細胞を再懸濁して秤量した。細胞ペレットは、含水重量の2倍容量となる、0.1mM PLP含有氷冷50mM KP緩衝液pH7.5に再懸濁した。無細胞抽出物(CFE)は、氷/アセトン槽で冷却しながら、Sonics(Meyrin/Satigny,Switzerland)Vibra−Cell VCX130 sonifier(出力100%、10秒オン/10秒オフ、10分間)を使用して、細胞懸濁液を超音波処理し、Eppendorf(Hamburg,Germany)5415R遠心分離機で4℃、30分間、13,000×gで遠心分離することにより得た。上清(=CFE)を新たなチューブに移し、直ぐに使用する場合には氷上に保存し、そうでなければ−20℃に保存した。CFEのタンパク質濃度は、全般の部に記載のようにBradfordに準拠した改変方法を使用して測定した。
[実施例4−(RS)−α−メチルベンジルアミンのラセミ分割]
E.コリ(E.coli)で異種性に発現されたトランスアミナーゼXP_001209325およびEDH25885を含む無細胞抽出物(CFE)を、(R)−トランスアミナーゼ活性について試験し、E.コリ(E.coli)で異種性に発現された、ストレプトミセス・アベルミチリス(Streptomyces avelmitilis)由来のL−スレオニンアルドラーゼ(LTA_SAV、受託番号Q82N15)(陰性対照として)ならびに(R)−トランスアミナーゼABN35871(米国特許第7169592号明細書の配列2)およびAAN21261(欧州特許第987332号明細書の配列1)を含有するCFEと、(RS)−α−メチルベンジルアミンのラセミ分割に関して比較した。全反応容量0.25mlにおいて、CFE0.1mlを、0.1mM PLP含有100mM KP緩衝液中の80mM(RS)−α−メチルベンジルアミン(MBA)、40mMピルピン酸ナトリウムと混合し、28℃で20時間インキュベートした。停止試薬(0.1%(v/v)ギ酸を含有するH0中の50%(v/v)アセトニトリル)0.9mlを反応容量0.1mlに添加して反応を停止し、全般の部に記載のように、キラル相上でHPLCにより分析した。HPLC分析の結果を表5に示す。
Figure 2013530713

これらの結果は、XP_001209325が、(S)−α−ΜΒΑではなく、(R)−α−MBAをすべて選択的に変換したので、極めて効率的かつ選択的な(R)−トランスアミナーゼであることを示す。ABN35871またはAAN21261のような他の(R)−トランスアミナーゼもまた選択的であったが、その生成効率は明確に低く、(RS)−α−MBAのラセミ分割において低いe.e.が得られた。EDH25885も(RS)−α−MBAに対する(R)−選択的トランスアミナーゼ活性が低いことを示した。
[実施例5−鏡像異性的に濃縮された(R)−アミンの合成]
100mMリン酸カリウム(KP)pH7.5で緩衝化された最終容量0.25μlにおいて、等モル量の70mMアミノドナーおよび70mMケトン基質を、CFE0.1mlのトランスアミナーゼの存在下、28℃で24時間反応させた。トランスアミナーゼXP_001209325、AAN21261、およびABN35871をそれぞれ含むCFEを、4−フェニル−2−ブチルアミンおよびアセトフェノンを生成するベンジルアセトンおよびα−メチルベンジルアミン;α−エチルベンジルアミンおよびアセトフェノンを生成するプロピオフェノンおよびα−メチルベンジルアミン;1−アミノインダンおよびアセトフェノンを生成する1−インダノンおよびα−メチルベンジルアミン;1−アミノテトラリンおよびアセトフェノンを生成する1−テトラロンおよびα−メチルベンジルアミン;2−アミノテトラリンおよびアセトフェノンを生成する2−テトラロンおよびα−メチルベンジルアミン;2−アミノブタンおよびアセトフェノンを生成するブタノンおよびα−メチルベンジルアミン;3,3−ジメチル−2−アミノブタンおよびアセトフェノンを生成する3,3−ジメチル−2−ブタノンおよびα−メチルベンジルアミンのそれぞれと共にインキュベートした。停止試薬(0.1%(v/v)ギ酸を含有するHO中の50%(v/v)アセトニトリル)0.75mlを反応容量0.25mlに添加して反応を停止した。生成物濃度および鏡像異性過剰を、全般の部に記載のように、HPLCにより分析した。HPLC分析の結果を表6に示す。
Figure 2013530713

さらに、トランスアミナーゼYP_955297を含むCFEを、α−エチルベンジルアミンおよびアセトフェノンを生成するプロピオフェノンおよびα−メチルベンジルアミンと共にインキュベートした。停止試薬(0.1%(v/v)ギ酸を含有するHO中の50%(v/v)アセトニトリル)0.75mlを反応容量0.25mlに添加して反応を停止した。生成物濃度および鏡像異性過剰を、全般の部に記載のように、HPLCにより分析した。28℃で24時間のインキュベーション後、0.87mmol/lの(R)−α−エチルベンジルアミンが、99%のe.eを伴って得られた。
上記の結果は、トランスアミナーゼXP_001209325およびYP_955297が高度に選択的な(R)−トランスアミナーゼであることを示す。さらに、XP_001209325は、トランスアミナーゼAAN21261およびABN35871とは異なる基質スペクトルを有することが明確になる。すなわち、4−フェニル−2−ブチルアミンは、XP_001209325により顕著な濃度で形成されたが、トランスアミナーゼAAN21261およびABN35871によっては形成されなかった(表6)。さらに、XP_001209325は、2−ブタノンから鏡像異性的に濃縮された(R)−2−アミノブタンを生成したが、ABN35871は、鏡像異性的に濃縮された(S)−2−アミノブタンを導いた(表6)。
[実施例6−キラルα−メチルベンジルアミンに対する(R)−トランスアミナーゼの選択性]
(R)−トランスアミナーゼの鏡像異性選択性を検討するために、α−メチルベンジルアミン(MBA)の純粋な鏡像異性体形態の変換に関し試験した。実施例3で調製されたトランスアミナーゼを含有する無細胞抽出物について、(R)−MBAおよび(S)−MBAそれぞれに対する活性を、ケトン基質としてピルベートを用い、サーモスタット付きPerkin Elmer Lambda35 UV/VIS分光光度計において、波長300nm、30℃で分光光度法にて個別に試験した。
最終反応容量を1mlとして、適切に希釈された、トランスアミナーゼを含有するCFE50μlを、0.1mM PLP含有50mM KP緩衝液pH7.5の存在下で、12.5mM(R)−または(S)−MBAおよび5mMピルビン酸ナトリウムと、使い捨てプラスチックUVまたは石英キュベット中で混合した。光度計中で30℃、5分間プレインキュベートされた他のアッセイ成分に、0.5Mピルピン酸ナトリウム(50mM KP緩衝液pH7.5、0.1mM PLP中)10μlを添加して反応を開始した。ピルピン酸ナトリウムの添加後、300nmの吸収を記録し、アセトフェノンのモル吸光係数ε=0.28cm/μmolを使用して、ランバート−ベールの法則に従って試料(CFE)中のトランスアミナーゼ活性を計算した。トランスアミナーゼ活性の1単位(U)は、0.1mM PLP含有50mM KP緩衝液pH7.5中で、12.5mM(R)−MBAまたは(S)−MBAおよび5mMピルピン酸ナトリウムから、30℃で1分間にアセトフェノン1μmolを形成するものとして定義される。一般手順に従って、CFEのトランスアミナーゼ比活性(U/mg総CFEタンパク質)は、容積活性値(U/ml CFE)を測定された総タンパク質濃度で割ることにより計算した。(S)−MBA対する(R)−MBAのトランスアミナーゼ比活性比が、トランスアミナーゼ鏡像異性選択性値(TEV)として定義される。(R)−選択的トランスアミナーゼとは、TEV値が1を超えるトランスアミナーゼとして定義される。良好な(R)−選択性とは、(S)−MBAに対する(R)−MBAの比活性比であるTEVが5以上であるとして定義される。高度な(R)−選択性とは、(S)−MBAに対する(R)−MBAの比活性比であるTEVが10以上であるとして定義される。これらの実験で測定された、(R)−および(S)−MBAに対する、CFE中のトランスアミナーゼの比活性およびTEVを表7に示す。
Figure 2013530713

この実験から明らかになるように、トランスアミナーゼABN35871およびAAN21261と同様に、トランスアミナーゼXP_001209325、XP_002564064、YP_761201、YP_955297、NP_085750、EBP64591、およびEDI73966は、(R)−選択的トランスアミナーゼである。トランスアミナーゼYP_955297およびNP_085750は、TEVが5を超える良好な(R)−選択性を示し、一方、XP_001209325およびXP_002564064は、TEVが10を超える高度な(R)−選択性さえも示した。
[実施例7−プールされた寄託物からの微生物の再単離]
全般の部および実施例1に記載のように、プールされた寄託物からの個々の微生物の再単離は、6種の(R)−アミンの1つを唯一の窒素源として含有する選択増菌培地(SEM)寒天プレート上に、1:1000、1:10,000、およびさらなる希釈のプールされた寄託物を播種することにより達成される。初めにその上で培養物が増菌された、それぞれの(R)−アミンを含有するSEM寒天プレート上に再画線を反復することにより、純粋な培養物が得られる。均一形態のコロニーのみが得られるまで、それぞれの(R)−アミンを含有する選択的増菌培地上への再画線を反復して実施する。続いて、16SリボソームRNAまたはD2−LSUリボソームRNAの配列決定を、検証済みのMicroSEQ(登録商標)(Applied Biosystems,Carlsbad,CA,USA)システムを使用して実施し、個々の微生物を再同定する。
[実施例8−フェノキシアセトンの酵素的アミノ基転移]
実施例3および実施例6のように生成およびアッセイされた、E.コリ(E.coli)で異種性に発現された(R)−トランスアミナーゼXP_001209325[配列番号1](2U/ml)を含む無細胞抽出物を、0.1Mのケトン基質であるフェノシキアセトンならびに0.5Mのアミノドナーであるイソプロピルアミン、(RS)−2−ブチルアミン(事実上、0.25M(R)−2−ブチルアミン)、および(RS)−α−メチルベンジルアミン(事実上、0.25M(R)−MBA)のそれぞれと、0.1mM PLP含有50mM KPi緩衝液pH7.5中で、30℃、24時間インキュベートした。形成された1−フェノキシ−2−プロピルアミンの量をHPLC分析により測定した。HPLCの条件は以下の通りであった。
反応混合物50μlを、アセトニトリル/水と0.01%(v/v)ギ酸との50:50混合物950μlに加え、13,000rpmで5分間遠心分離した。
HPLCの条件:
カラム:Purospher Star RP C18(250×4.0,5μm)
溶出液A:0.01%ギ酸水溶液
溶出液B:アセトニトリル
流速:0.8ml/分
カラム温度:30℃
注入容量:4μl
検出:UV210nm(または254nm)
これらの実験結果を表8に示す。
Figure 2013530713

アキラル性のアミノドナーであるイソプロピルアミンの0.5Mに対して、(R)−2−ブチルアミンおよび(R)−MBAの有効濃度が0.25Mであるので、2−ブチルアミンおよびMBAは、(R)−選択的トランスアミナーゼXP_001209325[配列番号1]にとって、イソプロピルアミンよりも事実上良好なアミノドナーである。したがって、アミノドナーのイソプロピルアミンに比較して低いアミノドナー濃度で、同等または良好でさえある変換が、アミノドナーの2−ブチルアミンおよびMBAそれぞれについて得られる。1.0重量%の高い生成物濃度も得られた(アミノドナーとして2−ブチルアミンを用いて)。
[実施例9−第2の有機溶媒相の存在下でのベンジルアセトンのアミノ基転移]
実施例3および実施例6のように生成およびアッセイされた、E.コリ(E.coli)で異種性に発現された(R)−トランスアミナーゼXP_001209325[配列番号1](2U/ml)を含む無細胞抽出物を、0.1Mのケトン基質であるベンジルアセトンおよび0.25Mのアミノドナーである(RS)−α−メチルベンジルアミンと、0.5mM PLP含有50mM KP緩衝液pH7.5中で、30℃、24時間インキュベートした。反応は、15%(v/v)の非水混和性有機溶媒シクロヘキサンの存在下および非存在下で実施した。形成された4−フェニル−2−プロピルアミンの量および反応の鏡像異性過剰(e.e.)は、実施例8に記載のように、HPLC分析により測定した。鏡像異性過剰の測定は、キラル固定相上でHPLC分析により以下のように実施した。
反応混合物20μlを、Marfey試薬溶液(アセトン中の1%w/v N−α−[2,4−ジニトロフェニル5−フルオロフェニル]−L−アラニンアミド)50μlおよびNaHCOの飽和溶液10μlと混合した。この混合物を40℃で1時間インキュベートした後、2N HClを10μlおよびアセトニトリルを920μl加え、その試料を5分間遠心分離した後注入した。
HPLCの条件:
カラム:Purospher Star RP C18(250×4.0,5μm)
溶出液A:0.01%ギ酸水溶液
溶出液B:アセトニトリル
流速:1ml/分
カラム温度:30℃
注入容量:2μl
検出:UV338.1nm
均一濃度50/50 溶出液A/溶出液B
これらの実験結果を表9に示す。
Figure 2013530713

これらの結果は、(R)−選択的トランスアミナーゼXP_001209325[配列番号1]が、非水混和性有機溶媒シクロヘキサンの存在に十分耐性であること、およびその存在が、酵素反応の鏡像異性選択性に影響を与えないことを示す。
[実施例10−増菌された微生物のゲノムに由来する組換え(R)−トランスアミナーゼ]
(R)−選択的トランスアミナーゼ活性に対する選択培地上で増菌された6株(実施例1および2)、すなわち、ラーネラ・アクアティリス(Rahnella aquatilis)3Kb、ミクロバクテリウム・ゲンセンギソリ(Microbacterium ginsengisoli)1A1 DSM 23784、シノリゾビウム・モレレンス(Sinorhizobium morelense)3H1 DSM 23794、クルトバクテリウム・プシルム(Curtobacterium pusillum)5BaB DSM 23787、マイコバクテリウム・フレデリクスバーゲンス(Mycobacterium frederiksbergense)1la DSM 23798、およびアクロモバクター・スパニウス(Achromobacter spanius)6l DSM 23791から、ゲノムDNAを、製造業者のマニュアルに従い、Easy−DNAキット(Invitrogen)を用いて単離し、最終的にTE緩衝液で溶出した。DNAの品質は、測光法ならびにBsp143lまたはBamHI(Fermentas,St.Leon−Rot)による消化とその後のアガロースゲル電気泳動により確認した。ラーネラ・アクアティリス(Rahnella aquatilis)3Kb、ミクロバクテリウム・ゲンセンギソリ(Microbacterium ginsengisoli)1A1 DSM 23784、クルトバクテリウム・プシルム(Curtobacterium pusillum)5BaB DSM 23787、アクロモバクター・スパニウス(Achromobacter spanius)6I DSM 23791およびミクロバクテリウム・ゲンセンギソリ(Microbacterium ginsengisoli)1A1 DSM 23784から、このようにして単離されたゲノムDNA試料を使用してゲノムの配列決定を行った。
これらのゲノム配列をサーバーにアップロードし、公知の(R)−トランスアミナーゼ配列である配列番号1に対して、またゲノムの1つで見出されたヒットに対してBLAST検索を実施した。種々の類似度を有するいくつかのヒットが同定され、その後のpMS470Δ8(Balzer et al,Nucleic Acids Research,1992,20(8):1851−1858)へのNdel/HindlllクローニングおよびE.コリ(E.coli)での発現のために選択された。遺伝子のうちの3つはPCRにより増幅することができず、1つは天然配列中にNdelおよびHindlllを含有していたため、Asp−TA1、Cpu−TA1、Cpu−TA3、Raq−TA2、およびMgi−TA1について、E.コリ(E.coli)における発現のために最適化されたコドンをGeneart/life technologies(Regensburg,Germany)に注文した。
Figure 2013530713

6つの標的遺伝子を、25℃o/nにて0.5mM IPTGで誘導した後、アンピシリン(100μg/ml)添加のLB培地中のE.コリ(E.coli)TOP10F’で発現させた。対照として、トランスアミナーゼ遺伝子を挿入していないpMS470ベクターを含有するE.コリ(E.coli)TOP10F’培養物を使用した。細胞を採取し、0.1mM PLP含有50mM KP緩衝液pH7.5中で超音波処理により溶解し、遠心分離した。溶解物をVivaSpin濃縮器(Sartorius,Vienna,Austria)を使用して濃縮した。溶解物のタンパク質濃度は、Bradfordタンパク質アッセイにより測定した。
すべての溶解物について、ドナー微生物がその上で増菌した対応するかさ高いアミンをドナーとしてかつピルベートをアクセプターとして使用して、転移反応を試験した。ピルビン酸(10mM)より5倍過剰量のラセミまたは高光学純度のアミン(50mM)を、0.1mM PLP含有50mM KP緩衝液pH7.5中で30℃、24時間反応させた。Mgi−TA1についての反応では、10mMピルビン酸および10mMアミノドナーMBAまたは1−アミノテトラリンをそれぞれ、0.1mM PLP含有50mM KP緩衝液pH7.5中で30℃、19時間反応させた。対応するケトンの形成は、実施例8および9に記載のように、HPLCで検出した。新しいトランスアミナーゼの選択性は、L−またはD−アラニンの形成およびそれぞれのアミンの異なる鏡像異性体の反応性により決定される。新しいトランスアミナーゼCpu−TA1[配列番号30]、Cpu−TA2[配列番号33]、Cpu−TA3[配列番号35]、Raq−TA2[配列番号38]、Raq−TA3[配列番号40]、Asp−TA1[配列番号43]、およびMgi−TA1[配列番号46]は、(R)−選択性を示した(表11)。Cpu−TA2はまた、アミノドナーとしてMBAおよびアラニン、アクセプターケトンとしてフェノキシアセトンおよびアセトフェノンをそれぞれ用いて試験した。これらの2つの反応のアミン生成物はそれぞれ、鏡像異性的に濃縮された(R)−1−フェノキシ−2−プロピルアミンおよび(R)−MBAであった(表11)。
これらの結果は、新しいトランスアミナーゼCpu−TA1[配列番号30]、Cpu−TA2[配列番号33]、Cpu−TA3[配列番号35]、Raq−TA2[配列番号38]、Raq−TA3[配列番号40]、Asp−TA1[配列番号43]、およびMgi−TA1[配列番号46]は、実際、(R)−選択性であることを示す。
Figure 2013530713

[実施例11−非水混和性有機溶媒の存在下における、ベンジルアセトンおよび(R)−α−メチルベンジルアミンからの4−フェニル−2−プロピルアミンの合成]
実施例3および実施例6のように生成およびアッセイされた、E.コリ(E.coli)で異種性に発現された(R)−トランスアミナーゼXP_001209325[配列番号1]を含む無細胞抽出物を、0.08Mのアミノドナー(R)−α−メチルベンジルアミン(MBA)および1.5倍過剰量のケトン基質ベンジルアセトン(0.12M)と、0.1mM PLP含有50mM KP緩衝液pH7.5中で、28℃、20時間インキュベートした。反応は、10%(v/v)の非水混和性有機溶媒シクロヘキサンの存在下および非存在下で実施した。形成された4−フェノキシ−2−プロピルアミンの量を、全般の部で記載のように、HPLC分析により測定した。
シクロヘキサノンが無添加の場合、アミノドナーとして(R)−MBAを用いて、ベンジルアセトンから42.8mMの4−フェニル−2−プロピルアミンが形成されたが、10%(v/v)シクロヘキサノンの場合は、さらに高い濃度である44.3mMの4−フェニル−2−プロピルアミンが形成された。
[実施例12−(R)−α−メチルベンジルアミンからの(R)−sec−ブチルアミンの酵素的合成]
トランスアミナーゼXP_001209325[配列番号1]、XP_002564064[配列番号3]、EEU44019[配列番号5]、XP_001402221[配列番号7]、YP_761201[配列番号9]、YP_838940[配列番号11]、YP_955297[配列番号13]、EDI73966[配列番号15]、NP_085750[配列番号17]、EDH25885[配列番号19]、EBP64591[配列番号21]、およびECU93014[配列番号23]、ならびにABN35871およびAAN21261を、実施例3に記載のように生成した。異種性に発現されたトランスアミナーゼを含有する無細胞抽出物を、25mMブタノンおよび50mM(R)−α−メチルベンジルアミンと、全量1mlの0.1mM PLP含有100mM KP緩衝液pH7.5中で28℃、24時間、400rpmで振盪させながら反応させた。20時間後、各反応の試料100μlを2−ヘキサノン溶液50μlおよびアセトニトリル850μlに添加して反応を停止し、3000×gで10分間遠心分離した。参照物質として市販のMBA、アセトフェノン、ブタノンおよびsec−ブチルアミン(Sigma−Aldrich)を使用して、アミン用CpSil 8カラム(30m x 0.25 x 0.5)上でGC−FID検出により、試料を分析した。結果を表12にまとめてある。
Figure 2013530713

[実施例13−(R)−MBAおよび3,3−ジメチル−ブタノンからの(R)−3,3−ジメチル−2−ブチルアミンの酵素的合成]
実施例3に記載のように生成された、異種性に発現されたトランスアミナーゼXP_001209325[配列番号1]、YP_955297[配列番号13]、ABN35871、およびAAN21261を含有する無細胞抽出物を、25mM 3,3−ジメチル−ブタノンおよび50mM(R)−α−メチルベンジルアミンと、全量1mlの0.1mM PLP含有100mM KP緩衝液pH7.5中で28℃、24時間、400rpmで振盪させながら反応させた。20時間後、各反応の試料100μlを2−ヘキサノン溶液50μlおよびアセトニトリル850μlに添加して反応を停止し、3000×gで10分間遠心分離した。参照物質として市販のMBA、アセトフェノン、ブタノンおよびsec−ブチルアミン(Sigma−Aldrich)を使用して、アミン用CpSil 8カラム(30m x 0.25 x 0.5)上でGC−FID検出により、試料を分析した。結果を表13にまとめてある。
Figure 2013530713

Claims (17)

  1. 一般式[1][a]の対応するケトンおよび適切なアミノドナーからの一般式[1][c]の鏡像異性的に濃縮された(R)−アミンの酵素的合成のための方法であって、
    Figure 2013530713


    Figure 2013530713


    (式中、RおよびRは異なっており、かつ独立して直鎖または分岐鎖脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族であるか、または環式構造を形成する)
    a.配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;
    b.配列番号3のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;
    c.配列番号5のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;
    d.配列番号7のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;
    e.配列番号9のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;
    f.配列番号11のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;
    g.配列番号13のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;
    h.配列番号15のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;
    i.配列番号17のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;
    j.配列番号19のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;
    k.配列番号21のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;
    l.配列番号23のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;
    m.配列番号25のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;
    n.配列番号30のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;
    o.配列番号33のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;
    p.配列番号35のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;
    q.配列番号38のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;
    r.配列番号40のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;
    s.配列番号43のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;
    t.配列番号46のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質;および
    u.トランスアミナーゼ活性を有し、かつラーネラ・アクアティリス(Rahnella aquatilis)、オクロバクテリウム・アンスロピ(Ochrobactrum anthropi)、オクロバクテリウム・トリティシ(Ochrobactrum tritici)、シノリゾビウム・モレレンス(Sinorhizobium morelense)、クルトバクテリウム・プシルム(Curtobacterium pusilllum)、ペキロマイセス・リアシヌス(Paecilomyces lilacinus)、ミクロバクテリウム・ゲンセンギソリ(Microbacterium ginsengisoli)、ミクロバクテリウム・トリコテセノリティクム(Microbacterium trichothecenolyticum)、シュードモナス・シトロネロリス(Pseudomonas citronellolis)、エルシニア・クリステンセニイ(Yersinia kristensenii)、アクロモバクター・スパニウス(Achromobacter spanius)、アクロモバクター・インソリタス(Achromobacter insolitus)、マイコバクテリウム・フォーチュイタム(Mycobacterium fortuitum)、マイコバクテリウム・フレデリクスバーゲンス(Mycobacterium frederiksbergense)、マイコバクテリウム・サクルム(Mycobacterium sacrum)、マイコバクテリウム・フルオランセニボランス(Mycobacterium fluoranthenivorans)、バークホルデリア(Burkholderia)種、バークホルデリア・トロピカ(Burkholderia tropica)、コスモスポラ・エピスファエリア(Cosmospora episphaeria)、およびフザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)からなる生物の群から選択される生物から得ることができるタンパク質、
    からなる群から選択されるトランスアミナーゼを使用することによる方法。
  2. およびRが異なっており、かつRおよびRが独立して1〜30の炭素原子を含有し、RおよびRが、独立して、置換または非置換脂肪族;置換または非置換分岐鎖脂肪族;置換または非置換環状脂肪族;少なくとも1つの酸素、イオウ、または窒素原子を含有する置換または非置換ヘテロ環式脂肪族;置換または非置換芳香族;少なくとも1つのイオウ、または窒素原子を含有する置換または非置換ヘテロ芳香族であるか;あるいは一緒になって、置換もしくは非置換環式構造または少なくとも1つの酸素、イオウ、もしくは窒素原子を含有するヘテロ環式構造を形成し;前記置換基が、これらに限定されないが、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、ヒドロキシル基、メトキシ基、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、およびトリフルオロメチル基からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記鏡像異性的に濃縮された(R)−アミン生成物の最終濃度が、反応混合物の1〜50重量%の間にあることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記トランスアミナーゼが、配列番号1のアミノ酸と少なくとも90%の同一性を有するタンパク質である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記アミノドナーが、α−メチルベンジルアミンである、請求項4に記載の方法。
  6. 前記エミノドナーが、sec−ブチルアミンである、請求項4に記載の方法。
  7. 前記鏡像異性的に濃縮された(R)−アミン生成物の最終濃度が、反応混合物の5〜35重量%の間にあることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  8. 前記反応混合物が、水相および第2の有機相を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記反応混合物が、水相および第2の有機相を含み、水相:有機相の容積比が100〜0.01の間にある、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記反応混合物が、水相および第2の有機相を含み、水相:有機相の容積比が20〜0.1の間にある、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記反応混合物が、水相および第2の有機相を含み、水相:有機相の容積比が20〜1の間にある、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. ラーネラ・アクアティリス(Rahnella aquatilis)(DSM 23797として寄託された)、オクロバクテリウム・アンスロピ(Ochrobactrum anthropi)(DSM 23793として寄託された)、オクロバクテリウム・トリティシ(Ochrobactrum tritici)(DSM 23786として寄託された)、シノリゾビウム・モレレンス(Sinorhizobium morelense)(DSM 23794として寄託された)、クルトバクテリウム・プシルム(Curtobacterium pusilllum)(DSM 23787として寄託された)、ペキロマイセス・リアシヌス(Paecilomyces lilacinus)(DSM 23771として寄託された)、ミクロバクテリウム・ゲンセンギソリ(Microbacterium ginsengisoli)、ミクロバクテリウム・トリコテセノリティクム(Microbacterium trichothecenolyticum)(DSM 23788として寄託された)、シュードモナス・シトロネロリス(Pseudomonas citronellolis)(DSM 23795として寄託された)、エルシニア・クリステンセニイ(Yersinia kristensenii)(DSM 23792として寄託された)、アクロモバクター・スパニウス(Achromobacter spanius)(DSM 23791として寄託された)、アクロモバクター・インソリタス(Achromobacter insolitus)(DSM 23790として寄託された)、マイコバクテリウム・フォーチュイタム(Mycobacterium fortuitum)(DSM 23789として寄託された)、マイコバクテリウム・フレデリクスバーゲンス(Mycobacterium frederiksbergense)(DSM 23798として寄託された)、マイコバクテリウム・サクルム(Mycobacterium sacrum)(DSM 23785として寄託された)、マイコバクテリウム・フルオランセニボランス(Mycobacterium fluoranthenivorans)(DSM 23796として寄託された)、バークホルデリア(Burkholderia)種、バークホルデリア・トロピカ(Burkholderia tropica)(DSM 23799として寄託された)、コスモスポラ・エピスファエリア(Cosmospora episphaeria)(DSM 23772として寄託された)およびフザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)(DSM 23770として寄託された)からなる生物の群からの(R)−トランスアミナーゼ活性を有する酵素を含む微生物。
  13. (R)−トランスアミナーゼ活性を有する前記酵素が、Cpu−TA1[配列番号30]、Cpu−TA2[配列番号33]、Cpu−TA3[配列番号35]、Raq−TA2[配列番号38]、Raq−TA3[配列番号40]、Asp−TA1[配列番号43]、およびMgi−TA1[配列番号46]からなる群から選択されるか、またはこれらのアミノ酸配列のいずれかと少なくとも90%、好ましくは少なくとも91%、好ましくは少なくとも92%、好ましくは少なくとも93%、好ましくは少なくとも94%、好ましくは少なくとも95%、好ましくは少なくとも96%、好ましくは少なくとも97%、好ましくは少なくとも98%、好ましくは少なくとも99%の同一性を有するタンパク質である、請求項12に記載の微生物。
  14. ラーネラ・アクアティリス(Rahnella aquatilis)(DSM 23797として寄託された)、オクロバクテリウム・アンスロピ(Ochrobactrum anthropi)(DSM 23793として寄託された)、オクロバクテリウム・トリティシ(Ochrobactrum tritici)(DSM 23786として寄託された)、シノリゾビウム・モレレンス(Sinorhizobium morelense)(DSM 23794として寄託された)、クルトバクテリウム・プシルム(Curtobacterium pusilllum)(DSM 23787として寄託された)、ペキロマイセス・リアシヌス(Paecilomyces lilacinus)(DSM 23771として寄託された)、ミクロバクテリウム・ゲンセンギソリ(Microbacterium ginsengisoli)、ミクロバクテリウム・トリコテセノリティクム(Microbacterium trichothecenolyticum)(DSM 23788として寄託された)、シュードモナス・シトロネロリス(Pseudomonas citronellolis)(DSM 23795として寄託された)、エルシニア・クリステンセニイ(Yersinia kristensenii)(DSM 23792として寄託された)、アクロモバクター・スパニウス(Achromobacter spanius)(DSM 23791として寄託された)、アクロモバクター・インソリタス(Achromobacter insolitus)(DSM 23790として寄託された)、マイコバクテリウム・フォーチュイタム(Mycobacterium fortuitum)(DSM 23789として寄託された)、マイコバクテリウム・フレデリクスバーゲンス(Mycobacterium frederiksbergense)(DSM 23798として寄託された)、マイコバクテリウム・サクルム(Mycobacterium sacrum)(DSM 23785として寄託された)、マイコバクテリウム・フルオランセニボランス(Mycobacterium fluoranthenivorans)(DSM 23796として寄託された)、バークホルデリア(Burkholderia)種、バークホルデリア・トロピカ(Burkholderia tropica)(DSM 23799として寄託された)、コスモスポラ・エピスファエリア(Cosmospora episphaeria)(DSM 23772として寄託された)およびフザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)(DSM 23770として寄託された)からなる生物の群から選択される生物から得ることができる(R)−トランスアミナーゼ活性を有するポリペプチド。
  15. (R)トランスアミナーゼ活性および(R)−トランスアミナーゼ活性を有するポリペプチドと少なくとも90%、好ましくは少なくとも91%、好ましくは少なくとも92%、好ましくは少なくとも93%、好ましくは少なくとも94%、好ましくは少なくとも95%、好ましくは少なくとも96%、好ましくは少なくとも97%、好ましくは少なくとも98%、好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有し、かつラーネラ・アクアティリス(Rahnella aquatilis)(DSM 23797として寄託された)、オクロバクテリウム・アンスロピ(Ochrobactrum anthropi)(DSM 23793として寄託された)、オクロバクテリウム・トリティシ(Ochrobactrum tritici)(DSM 23786として寄託された)、シノリゾビウム・モレレンス(Sinorhizobium morelense)(DSM 23794として寄託された)、クルトバクテリウム・プシルム(Curtobacterium pusilllum)(DSM 23787として寄託された)、ペキロマイセス・リアシヌス(Paecilomyces lilacinus)(DSM 23771として寄託された)、ミクロバクテリウム・ゲンセンギソリ(Microbacterium ginsengisoli)、ミクロバクテリウム・トリコテセノリティクム(Microbacterium trichothecenolyticum)(DSM 23788として寄託された)、シュードモナス・シトロネロリス(Pseudomonas citronellolis)(DSM 23795として寄託された)、エルシニア・クリステンセニイ(Yersinia kristensenii)(DSM 23792として寄託された)、アクロモバクター・スパニウス(Achromobacter spanius)(DSM 23791として寄託された)、アクロモバクター・インソリタス(Achromobacter insolitus)(DSM 23790として寄託された)、マイコバクテリウム・フォーチュイタム(Mycobacterium fortuitum)(DSM 23789として寄託された)、マイコバクテリウム・フレデリクスバーゲンス(Mycobacterium frederiksbergense)(DSM 23798として寄託された)、マイコバクテリウム・サクルム(Mycobacterium sacrum)(DSM 23785として寄託された)、マイコバクテリウム・フルオランセニボランス(Mycobacterium fluoranthenivorans)(DSM 23796として寄託された)、バークホルデリア(Burkholderia)種、バークホルデリア・トロピカ(Burkholderia tropica)(DSM 23799として寄託された)、コスモスポラ・エピスファエリア(Cosmospora episphaeria)(DSM 23772として寄託された)およびフザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)(DSM 23770として寄託された)からなる生物の群から選択される生物から得ることができるポリペプチド。
  16. Cpu−TA1[配列番号30]、Cpu−TA2[配列番号33]、Cpu−TA3[配列番号35]、Raq−TA2[配列番号38]、Raq−TA3[配列番号40]、Asp−TA1[配列番号43]、およびMgi−TA1[配列番号46]からなる群から選択される(R)−トランスアミナーゼ活性を有する請求項14または15に記載のポリペプチド、またはこれらのアミノ酸配列のいずれかと少なくとも90%、好ましくは少なくとも91%、好ましくは少なくとも92%、好ましくは少なくとも93%、好ましくは少なくとも94%、好ましくは少なくとも95%、好ましくは少なくとも96%、好ましくは少なくとも97%、好ましくは少なくとも98%、好ましくは少なくとも99%の同一性を有するタンパク質。
  17. 請求項14〜16のいずれか一項に記載のポリペプチドをコードする核酸。
JP2013519103A 2010-07-14 2011-07-14 (r)−選択的アミノ化 Active JP5999565B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP10169573.2 2010-07-14
EP10169573 2010-07-14
PCT/EP2011/062056 WO2012007548A1 (en) 2010-07-14 2011-07-14 (r)-selective amination

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013530713A true JP2013530713A (ja) 2013-08-01
JP5999565B2 JP5999565B2 (ja) 2016-09-28

Family

ID=43844620

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013519103A Active JP5999565B2 (ja) 2010-07-14 2011-07-14 (r)−選択的アミノ化

Country Status (8)

Country Link
US (2) US20140199734A1 (ja)
EP (1) EP2593556B1 (ja)
JP (1) JP5999565B2 (ja)
CN (1) CN103189519B (ja)
ES (1) ES2650245T3 (ja)
MX (1) MX350510B (ja)
PT (1) PT2593556T (ja)
WO (1) WO2012007548A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021503306A (ja) * 2017-11-17 2021-02-12 エンザイミカルズ アーゲー 塩沈殿下のトランスアミナーゼ反応によりカルボニル化合物からアミンを調製する方法

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
PT2593556T (pt) 2010-07-14 2017-12-11 Dpx Holdings Bv Método enzimático de (r)-aminação seletiva
KR102057590B1 (ko) * 2012-03-23 2019-12-19 노파르티스 아게 스피로인돌론을 제조하기 위한 화학적 방법 및 그의 중간체
CN104185634B (zh) * 2012-03-23 2017-05-03 诺华股份有限公司 制备螺旋吲哚酮和其中间体的化学工艺
WO2014037376A1 (en) 2012-09-04 2014-03-13 C5 Ligno Technologies In Lund Ab Stereoselective biosynthesis in microbial host cells
WO2014060571A1 (en) * 2012-10-18 2014-04-24 Sandoz Ag A process for preparing indoline derivatives
US9777301B2 (en) * 2012-12-13 2017-10-03 Industry-Academic Cooperation Foundation, Yonsei University Method for producing optically active amine compounds by deracemization
KR101493311B1 (ko) 2012-12-13 2015-02-16 연세대학교 산학협력단 광학 활성 아민 및 호모알라닌의 제조방법
GB201316410D0 (en) * 2013-09-13 2013-10-30 Bial Portela & Ca Sa Processes for preparing peripherally-selective inhibitors of dopamine-?-hydroxylase and intermediates for use therein
CN104630170A (zh) * 2013-11-08 2015-05-20 中国科学院天津工业生物技术研究所 一种来源于里氏木霉的新(r)-转氨酶及其应用
US10131926B2 (en) * 2013-11-26 2018-11-20 Asymchem Laboratories (Tianjin) Co., Ltd Transaminase and uses thereof
CN105018440B (zh) * 2014-04-24 2018-06-05 上海弈柯莱生物医药科技有限公司 一种转氨酶及其在合成西他列汀中间体中的应用
CN105734089A (zh) * 2014-12-11 2016-07-06 南京博优康远生物医药科技有限公司 一种不对称合成(r)-3-氨基哌啶衍生物的方法
EP3283622B1 (en) * 2015-04-16 2019-07-03 H. Hoffnabb-La Roche Ag Mutant transaminases as well as methods and uses relating thereto
CN107384887B (zh) * 2017-07-05 2020-08-21 浙江工业大学 一种氨基转移酶、突变体及其制备西他列汀的应用
US10853439B2 (en) 2017-08-08 2020-12-01 Nice Ltd. Systems and methods for fast play back of recorded data
CN108866021B (zh) * 2018-05-30 2021-06-08 浙江工业大学 一种转氨酶突变体及在制备西他列汀中间体中的应用
CN111748590B (zh) * 2019-03-29 2024-05-28 弈柯莱(台州)药业有限公司 转氨酶在制备Sacubitril中间体中的应用
CN111117979B (zh) * 2020-01-14 2020-08-21 中国科学院苏州生物医学工程技术研究所 转氨酶突变体、酶制剂、重组载体、重组细胞及其制备方法和应用

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000342276A (ja) * 1999-03-19 2000-12-12 Sumitomo Chem Co Ltd 蛋白質、その遺伝子及びその利用
JP4213771B2 (ja) * 1997-04-23 2009-01-21 株式会社カネカ 光学活性アミノ化合物の製造方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1038953B1 (en) 1999-03-19 2004-09-22 Sumitomo Chemical Company, Limited Stereoselective transaminase, gene encoding said protein and use thereof
DE60313866T2 (de) 2002-06-14 2008-04-17 Dsm Ip Assets B.V. Polypeptide mit alpha-h alpha amino acid amide racemase aktivitität und nukleinsäuren kodierend dafür
EP2035561A1 (en) 2006-06-29 2009-03-18 DSMIP Assets B.V. A method for achieving improved polypeptide expression
EP1897956A1 (en) * 2006-09-06 2008-03-12 Lonza AG Process for preparation of optically active amines by optical resolution of racemic amines employing a bacterial omega-transaminase
CN103472093A (zh) 2009-09-02 2013-12-25 罗扎股份公司 用于分析(R)-特异性ω-转氨酶的方法
PT2593556T (pt) 2010-07-14 2017-12-11 Dpx Holdings Bv Método enzimático de (r)-aminação seletiva

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4213771B2 (ja) * 1997-04-23 2009-01-21 株式会社カネカ 光学活性アミノ化合物の製造方法
JP2000342276A (ja) * 1999-03-19 2000-12-12 Sumitomo Chem Co Ltd 蛋白質、その遺伝子及びその利用

Non-Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6015035590; Muzny, D., et al.: 'D-amino-acid transaminase [Achromobacter piechaudii ATCC 43553]' Database DDBJ/EMBL/GenBank [online] , 20100401, Accession No. EFF78320 *
JPN6015035593; Lucas, S., et al.: 'branched-chain amino acid aminotransferase [Pectobacterium carotovorum subsp. carotovorum PC1].' Database DDBJ/EMBL/GenBank [online] , 20090707, Accession No. ACT15045 *
JPN6015035596; Science Vol.329, No.16, 201006, p.305-309 *
JPN6015035600; Applied Microbiology and Biotechnology Vol.69, 2006, p.499-505 *
JPN6015035602; Pel, H.J., et al.: 'unnamed protein product [Aspergillus niger].' Database DDBJ/EMBL/GenBank [online] , 20070324, Accession No. CAK38950 *
JPN6015035607; Monteiro-Vitorello, C.B., et al.: 'branched-chain amino acid aminotransferase [Leifsonia xyli subsp. xyli str. CTCB07]' Database DDBJ/EMBL/GenBank [online] , 20100305, Accession No. AAT89149 *
JPN6015035610; van den Berg, M.A., et al.: 'Pc22g00160 [Penicillium chrysogenum Wisconsin 54-1255]' Database DDBJ/EMBL/GenBank [online] , 20081101, Accession No. CAP97304 *
JPN6015035614; Kaneko, T., et al.: 'branched-chain amino acid aminotransferase (plasmid) [Mesorhizobium loti MAFF303099].' Database DDBJ/EMBL/GenBank [online] , 20100424, Accession No. BAB54591 *
JPN6015035615; Badger, J.H., et al.: 'aminotransferase, class IV [Hyphomonas neptunium ATCC 15444]' Database DDBJ/EMBL/GenBank [online] , 20100311, Accession No. ABI75539 *
JPN6015035618; Copeland, A., et al.: 'branched chain amino acid: 2-keto-4-methylthiobutyrate aminotransferase [Burkholderia cenocepacia HI' Database DDBJ/EMBL/GenBank [online] , 20100305, Accession No. ABK12047 *
JPN6015035620; Copeland, A., et al.: 'branched chain amino acid: 2-keto-4-methylthiobutyrate aminotransferase [Mycobacterium vanbaalenii P' Database DDBJ/EMBL/GenBank [online] , 20071018, Accession No. ABM15291 *
JPN6015035623; Copeland, A., et al.: 'branched chain amino acid: 2-keto-4-methylthiobutyrate aminotransferase [Burkholderia sp. 383]' Database DDBJ/EMBL/GenBank [online] , 20090102, Accession No. ABB05831 *

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021503306A (ja) * 2017-11-17 2021-02-12 エンザイミカルズ アーゲー 塩沈殿下のトランスアミナーゼ反応によりカルボニル化合物からアミンを調製する方法
JP7250807B2 (ja) 2017-11-17 2023-04-03 エンザイミカルズ アーゲー 塩沈殿下のトランスアミナーゼ反応によりカルボニル化合物からアミンを調製する方法
US12018303B2 (en) 2017-11-17 2024-06-25 Enzymicals Ag Method for preparing amines from carbonyl compounds by transaminase reaction under salt precipitation

Also Published As

Publication number Publication date
CN103189519A (zh) 2013-07-03
MX2013000494A (es) 2013-02-15
US10023886B2 (en) 2018-07-17
WO2012007548A1 (en) 2012-01-19
CN103189519B (zh) 2018-01-26
US20160032335A1 (en) 2016-02-04
MX350510B (es) 2017-09-08
ES2650245T3 (es) 2018-01-17
JP5999565B2 (ja) 2016-09-28
PT2593556T (pt) 2017-12-11
EP2593556B1 (en) 2017-08-30
EP2593556A1 (en) 2013-05-22
US20140199734A1 (en) 2014-07-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5999565B2 (ja) (r)−選択的アミノ化
EP2949755B1 (en) Biochemical synthesis of 1,4-butanediamine
AU2016249780B2 (en) Mutant transaminases as well as methods and uses relating thereto
CA2571531C (en) Biochemical synthesis of 1,4-butanediamine
US8168412B2 (en) Method for producing optically-active amine compound, recombinant vector, and transformant containing the vector
JP7496814B2 (ja) 改良されたトランスアミナーゼタンパク質をコードする核酸
EP3307880B1 (en) Transaminases
RU2662815C2 (ru) Химический способ получения спироиндолонов и их промежуточных соединений
TW201217535A (en) Preparation of 6-aminocaproic acid from alpha-ketopimelic acid
JP2011024572A (ja) 光学活性アミノ酸の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20130110

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140701

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20150107

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150908

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20151208

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160107

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160223

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160518

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160802

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160819

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5999565

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250