JP2013530705A - ループ媒介性等温増幅(lamp)の配列特異的実時間モニタリング - Google Patents

ループ媒介性等温増幅(lamp)の配列特異的実時間モニタリング Download PDF

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Abstract

選択された病原体の選択された系統を、同じ種内の他の集団と迅速に区別することができる遺伝子ベースの診断法が開示される。DNAのLAMPの配列特異的実時間モニタリングが、「同化プローブ」と呼ばれるオリゴヌクレオチドプローブの使用により達成され得る。同化プローブは2つのオリゴヌクレオチド鎖を含み、その1つはクエンチャーを含み(消光プローブと呼ばれる)、そして他方はフルオロフォアを含む(蛍光プローブと呼ばれる)。これら2つの鎖がLAMP反応の間に互いに置き換わる場合に蛍光シグナルが生じる。放射された蛍光をモニタリングすることにより、配列特異的増幅が検出され得る。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、米国仮特許出願第61/357,428号(表題「SYSTEMS AND METHODS FOR SEQUENCE SPECIFIC REAL−TIME MONITORING OF LOOP−MEDIATED ISOTHERMAL AMPLIFICATION(LAMP)」、2010年6月22日出願)に対して優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に加入され、そして本明細書の一部とみなされるべきである。
連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載
本発明は、助成番号2006−55605−16683及び07−55605−17843で政府支援を受けて行われ、そして米国農務省(USDA−NRI)により認められたプロジェクトHAW00559−04Gであった。政府は本発明に所定の権利を有する。
背景
病原性細菌は、植物、動物、及びヒトにおいて病害を引き起こし得る細菌である。病原性細菌の多様性のために、多種多様な病原性細菌及び付随する病害が存在する。これらの病害の例としては、植物における立ち枯れ病、軟腐病、及び胴枯れ病、イヌにおけるパルボウイルス、ジアルジア(giardia)、及びロッキー山紅斑熱、並びにヒトにおける結核、肺炎、及び破傷風が挙げられる。
細菌性病原体により引き起こされる病害は、資産及び生命に深刻な被害を生じ得る。例えば、青枯病菌(Ralstonia solanacearum)は、200を超える植物種において立ち枯れ病を引き起こす細菌性病原体である。主にジャガイモ作物に影響を及ぼすこの病原体のうちの1つの種race3biovar2は、毎年約9億5千万ドルを超える損害を生じると見積もられている。
細菌性病害の伝染を減速及び防止することは、最初に病原性細菌の存在を同定することを含む。しかし、病原性細菌の検出技術は比較的遅いかもしれない。さらに、これらの技術は、細菌性病原体の選択された種を他の種と区別することができないかもしれない。生物学的病原体を正確に同定することができないことの結果として、蔓延を封じ込めて根絶するための行動が極度に遅れるかもしれない。
従って、選択された病原体株を迅速に検出し、そして選択された病原体株の亜集団を同じ種内の他の集団と区別することができる検出技術を開発することに大いに興味が持たれている。
要旨
一局面において、標的DNAのループ媒介性等温増幅(LOOP−mediated isothermal amplification)(LAMP)をモニタリングする方法が提供される。本方法は、一般的に、標的DNA、及び標的DNAを増幅することができる1つ又はそれ以上のLAMPプライマーを含むLAMP反応混合物を供給することを含む。同化(assimilating)プローブがLAMP反応混合物に加えられ得、ここでこの同化プローブは2つのオリゴヌクレオチド鎖を含み、第一のオリゴヌクレオチド鎖は3’末端に位置するクエンチャープローブを含み、そして同化プローブの第二のオリゴヌクレオチド鎖は、5’末端に結合されたフルオロフォアを含む。LAMP反応混合物に加えられる第一のオリゴヌクレオチド鎖の量に対する第二のオリゴヌクレオチド鎖の量の比は、1:1未満であり得る。DNAポリメラーゼを、同化プローブを含むLAMP反応混合物に加えてもよい。同化プローブ及びDNAポリメラーゼを含むLAMP反応混合物により発せられる蛍光を測定することができる。
別の局面において、標的DNAのループ媒介性等温増幅(LAMP)をモニタリングするための同化プローブが提供される。プローブは典型的に、その鎖の3’末端に位置するクエンチャープローブを含む第一のオリゴヌクレオチド鎖を含む。いくつかの実施態様において、プローブは、その鎖の5’末端に結合されたフルオロフォアを含む第二のオリゴヌクレオチド鎖を含む。さらに、いくつかの実施態様において、第一のオリゴヌクレオチド鎖に対する第二のオリゴヌクレオチド鎖の量の比は1:1未満であり得る。
温度制御のためのレーザードライバー及びハイブリダイゼーションプローブのモニタリングのための蛍光光度計の回路の略図である。 CDベースのプラットフォームにおける放射源の略図である。 図3Aは、本開示の実施態様のカスタムの蛍光光度計及びレーザードライバーのための回路基板レイアウトの略図である;図3Bは、図3Aのカスタムの蛍光光度計及びレーザードライバーのために装着された回路基板の光学写真である。パイロメーターヘッドがポリカーボネートCD上にさらに示されている。 様々なサイズの反応ウェルを有するABSにおいてプリントされたCDの光学写真である。 熱電対により測定された実際のウェル温度と比較した、非接触温度計(例えばパイロメーター)から見積もられた補正したウェル温度のプロットである。ウェルを通る放射の透過及びウェル表面からの周囲放射の反射に関する係数を見積もるために使用された較正データを挿入図に示す。 周囲温度付近から約65℃の設定点までの反応ウェルにおける温度制御を示す温度測定値のプロットである。 約0.4μMの分子ジッパーを用いたrsfliC LAMPについての時間に対する相対的蛍光のプロットである。 分子ジッパー構造の形成前にLAMP反応混合物に蛍光鎖及びクエンチャー鎖を直接加えることによる、rsfliC LAMP反応の実時間モニタリングを示す、時間に対する相対的蛍光のプロットである。 rsfliC標的化同化プローブ(0.08μMの蛍光鎖及び0.16μMのクエンチャー鎖)を用いたrsfliC LAMP及びラムダファージLAMPについての時間に対する相対的蛍光のプロットである。 rsfliC LAMP増幅の終点検出のための分子ビーコン及びrsfliC LAMP反応の速度観測の使用を示す、時間に対する相対的蛍光のプロットである。 増加する濃度のBst DNAポリメラーゼと組み合わせてrk2208.1及びrsfliCプライマーセットを使用した場合に測定された蛍光を示す、時間に対する相対的蛍光のプロットである。 増加する濃度のBst DNAポリメラーゼを用いてrk2208.1プライマーセットを使用して得られた観察可能な蛍光増加を示す、時間に対する相対的蛍光のプロットである。 図12からのデータにおける、検出閾値に到達するまでの時間対Bst DNAポリメラーゼ含有量のプロットである。 同化プローブを用いてモニタリングされた、ループFプライマーを用いずにプライマーセットrk2208.1を用いたLAMP反応についての、時間に対する相対的蛍光のプロットである。蛍光鎖は、約0.08μM、約0.4μM、及び約0.8μMの濃度で供給され、そしてクエンチャー鎖は、約0.16μM、約0.8μM、及び約1.6μMの濃度で供給された。 異なる濃度の同化プローブ蛍光鎖及びクエンチャー鎖と共に、ループFを用いたrk2208.1 LAMP反応についての時間に対する相対的蛍光のプロットである。クエンチャー鎖の濃度は、蛍光鎖の濃度の約2倍であった。 本開示の同化プローブの実施態様及び挿入色素(EvaGreen)を使用したLAMP反応についての、時間に対する相対的蛍光のプロットである。 サルモネラ菌(Salmonella enterica)及びバクテリオファージラムダゲノムDNAについての多重化LAMP反応の、時間に対する相対的蛍光のプロットである。 サルモネラ菌についてフルオレセイン標識同化プローブを使用した、サルモネラ菌及び/又はバクテリオファージラムダゲノムDNAを増幅する多重化LAMP反応についての、フルオレセインのためのスペクトル設定を使用して観察された相対蛍光の時間に対するプロットである。 ラムダファージについてcy3標識同化プローブを使用した、サルモネラ菌及び/又はバクテリオファージラムダゲノムDNAを増幅する多重化LAMP反応についての、cy3のためのスペクトル設定を使用して観察された相対蛍光の時間に対するプロットである。
詳細な説明
本明細書で使用される用語「約(approximately)」、「約(about)」、及び「実質的に」は、望まれる機能をなお果たすか又は望まれる結果をなお達成する、示された量に近い量を表す。例えば、用語「約(approximately)」、「約(about)」、及び「実質的に」は、示された量の10%未満以内、5%未満以内、1%未満以内、0.1%未満以内、又は0.01%未満以内を指し得る。
本開示の実施態様は、選択された病原体の選択された株を、同じ種内の他の集団と迅速に区別することができる遺伝子ベースの診断法を提供する。例としては、限定されないが、バクテリオファージラムダ、青枯病菌のrace3biovar2、青枯病菌、サルモネラ菌、及び黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)が挙げられ得る。標的DNAのループ媒介性等温増幅(LAMP)の配列特異的実時間モニタリングは、LAMPプライマー及び標的DNAを含む混合物に、特定のオリゴヌクレオチドプローブ(本明細書では「同化プローブ」と呼ぶ)を加えることにより達成され得る。
同化プローブ自体は、2つの異なるオリゴヌクレオチド鎖を含み得る。第一のオリゴヌクレオチド鎖はクエンチャーを含み得(消光プローブと呼ばれる)、そして第二のオリゴヌクレオチド鎖はフルオロフォアを含み得る(蛍光プローブと呼ばれる)。これら2つの鎖がLAMP反応の間に互いに置き換わる場合に蛍光シグナルが生じる。放射された蛍光をモニタリングすることにより、LAMP反応が検出され得る。
さらに、同化プローブの実施態様は、選択された標的DNAの増幅が起こる場合に実質的な置き換えを受ける鎖を含み得る。従って、同化プローブは、標的DNAの増幅が起きない場合は実質的に蛍光を発しないかもしれず、そして標的DNAの増幅が存在する場合には実質的に蛍光を発し得る。従って、標的DNAの増幅は配列特異的であり得る。
本明細書で使用される用語同化(assimilating)プローブは、当業者に理解されるその通常の意味を示し得、そしてさらに、互いにハイブリダイズしていない場合、そしてまた蛍光プローブ及び消光プローブが一緒にハイブリダイズしている場合も、蛍光プローブ及び消光プローブを指し得る。
以下でより詳細に考察されるように、LAMP反応混合物内の同化プローブの存在は、LAMP反応が進行する速度を低下させ得る。しかし、同化プローブの存在に起因するLAMP反応速度に対する同化プローブの効果を低減する同化プローブのパラメーターが確認されている。これらのパラメーターとしては、限定されないが、クエンチャープローブに対する蛍光プローブの比、鎖(蛍光プローブ及びクエンチャープローブ)を混合して同化プローブを生成する方法、及び同化プローブの総量が挙げられる。LAMP反応速度に対する同化プローブの効果を低減することにより、LAMP反応の実時間モニタリングが容易になる。これらのパラメーターはまた、LAMP反応を検出するために必要とされる時間を低減するように選択された範囲内で変更され得、さらに実時間検出を容易にし得る。
別々のLAMP反応のために設計された同化プローブの実施態様はまた、1つより多い特有の遺伝子配列の実時間検出(多重化検出)のために使用され得る。LAMP反応の実時間での多重化検出を行うために、各同化プローブは、独立してモニタリングすることができるスペクトル的に特異的なフルオロフォアを使用し得る。
本開示のさらなる実施態様は、実時間でのこれらの遺伝子ベースの診断法の適用を容易にする基板ベースのハードウェアプラットフォームを提供する。いくつかの実施態様において、このプラットフォームは、LAMP反応を行うためのウェルのパターンを形成されたコンパクトディスク(CD)又は他の基板を含む。いくつかの実施態様において、基板ベースのプラットフォームの反応ウェル内の温度をモニタリングするための非接触温度センサーとしてパイロメーターが使用され得る。パイロメーターは、反応ウェルから発せられる熱放射の測定に基づいて基板の反応ウェル内の温度を見積もり得る。水の存在及び反応ウェルを密封する透明フィルムに起因する、パイロメーターにより測定される温度の誤差を補正するために較正手順がさらに開発される。これらの温度測定値は、加熱源を制御するためにさらに使用され得る。このやり方で、反応ウェル内の温度はその中で起こるLAMP反応の間ほぼ一定に維持され得る。
これらのツールは、病原体の正確な区別を有利に容易にし得、そして例えば、病害の導入に応じた適時な管理決定がなされることを可能にする。開示される実施態様が多くの他の状況(限定されないが、少ない供給源の状況のような臨床診断、並びに軍及び国家安全の人員による生物学的因子の同定を含む)でも同様に有用であり得る。
一実施態様において、DNAの選択された配列のLAMPによる実時間検出方法が提供される。本方法は、選択された基板(例えばCD)にパターンを形成して反応ウェルを形成することを含み得る。本方法は、本明細書に記載されるLAMP反応混合物及び同化プローブを反応ウェルに加えることをさらに含み得る。本方法は、ウェルを密封し、そして標的DNAをそのウェルに加えることをさらに含み得る。本方法は、熱源(例えばレーザー)を用いて、蛍光を誘導するために十分な温度までウェルの内容物を加熱することをさらに含み得る。本方法はまた、蛍光を検出することを含み得る。
ハードウェア設計
LAMPプロセスは、個々のLAMP反応のための複数のウェルを含む基板上で行われ得る。基板は当該分野で公知のいずれかの材料、例えばプラスチック、金属、又は複合材料のものであり得る。いくつかの実施態様において、コンパクトディスク(CD)プラットフォームは、DNA増幅及び検出のためのループ媒介性等温増幅(LAMP)を行うために使用され得る。CDプラットフォームは、サンプル調製及び反応工程の自動化を可能にし、さらに良好な閉じ込め(containment)をもたらす。CD基板の点から本明細書において一般的に記載されるが、複数の反応ウェルを提供する他の基板が使用され得る。
LAMP反応は、CD又は他の基板内に含まれる反応ウェル内で行われる。特定の実施態様において、反応ウェルはパターン形成により製造され得る。CDのような基板におけるパターンは、ラピッドプロトタイピングのためのレーザー及び/又は印刷、大量生産のための射出成形、並びに当該分野で公知のコンパクトディスク及び他の基板にパターン形成するための他の機構を含むがこれらに限定されない機構により作製され得る。
例えば、一実施態様において、パターンは、黒いポリカーボネート(例えばLexan)のディスク上でレーザー彫刻機(例えばVenus−30、GCC Systems、Taipei Hsien、Taiwan)を使用して作製され得る。別の実施態様において、ポリカーボネートのブランクディスクはコンピュータ数値制御(CNC)機械を用いてパターン形成され得る。さらなる実施態様において、パターン形成されたアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)ディスクは、それら全体が3Dプリンタ(例えばSST 1200、Dimension Inc、Eden Prairie MN)を使用して製造され得る。ディスクの断面の形状は、所望の用途に従って製造され得る。例えば、特定の実施態様において、ウェルは概して円形の断面を有する円筒形構造で製造され得る。
いくつかの実施態様において、LAMPモニタリングに使用される基板の厚さは、約1.2mmから約1.8mmの範囲内であり得る。しかし、基板の実施態様が、限定されることなく、当該分野で公知の他のポリマーのような材料から形成され得るということが理解され得る。
反応ウェルの断面積も必要に応じて変更され得る。例えば、概して円形の断面を有する円筒形構造を有するウェルの実施態様において、反応ウェルの直径は、限定されることなく、ウェルにおいて行われる特定の反応に基づいて変更され得る。いくつかの実施態様において、ウェルの直径の値は、約3mmから約4mm、又はその間のいずれかの値であり得る。
さらなる非限定的な例において、1つ又はそれ以上の反応ウェルが1つ又はそれ以上の壁及びチャネルにより囲まれ得る。壁及び/又はチャネルの存在は、反応ウェルの周りの断熱を有利に改善し得る。壁厚さの値は、特定の実施態様において、約0.5mm〜5mmの範囲内で選択され得る。チャネル厚さの値は、特定の実施態様において、約0.5〜約5mmの範囲内の値を有するように選択され得る。しかし、壁厚さ及びチャネル厚さは、必要に応じて、LAMPモニタリングに適したいずれかの値を選ぶように選択され得るということが理解され得る。別の記載がなければ、以下で考察される実施例において使用された反応ウェル厚さ及びチャネル厚さは、それぞれ約1mm及び約2mmであった。いくつかの実施態様において、反応ウェル及びチャネルの深さは、反応ウェル及び/又はチャネルの下に5mm、4mm、3mm、2mm、1mm、0.5mm、0.3mm又はそれ以下の基板材料を保持するように選択され得る。以下の実施例において、反応ウェル及びチャネルの深さは、反応ウェルの下のディスク材料の厚さが約0.3mmを保持するように選択された。
CD又は他の基板の温度は、非接触温度センサーを使用して記録することができる。一実施態様において、非接触温度センサーは、光源及び検出器を含むパイロメーターを含み得る。例えば、小型光学ヘッドを有する市販のパイロメーターを可撓性のケーブル(例えばMID20LTCB3、Raytek、Santa Cruz、CA)に取り付けてもよい。あるいは、モノリシック型(例えばMLX90614ESF−BAA、Melexis、Ieper Belgium)を反応ウェルの配置に隣接した回路基板上に直接備え付けてもよい。較正のために、熱電対(例えば、細熱電対線から作られたK型熱電対、例えばOmega Engineering、Stamford、CT)を使用して標準温度を記録し得る。熱電対線をソフトウェア補正マルチメーターに接続してもよい(例えばFluke 186、Everett、WA)。
以下により詳細に記載されるように、非接触温度センサーの較正を容易にするために、ウェルを蒸留水(又は他の非反応性液体)で実質的に満たし、そして接着性裏地を有する透明フィルム(例えば、Microseal 「B」 adhesive seals、Bio−Rad、Hercules CA)で覆ってもよい。非接触温度センサーを較正して反応ウェルにおける非放射性液体及びフィルムの影響を補正することにより、反応ウェル内の温度はより正確に有利に制御され得る。
反応ウェルの加熱は熱源によっても行われ得る。熱源としては、限定されないが、当該分野で公知の接触型及び非接触型の熱源が挙げられ得る。一実施態様において、熱源は光学加熱デバイスを含み得る。例えば、この光学デバイスは、反応ウェルの下面に向けられた脱焦点(defocused)レーザーを含み得る。例えば、加熱は、ウェルの下面上付近に向けられた約150mWで作動する808nm赤外半導体レーザーモジュール(例えばicetec−UK)を使用して達成され得る。レーザーはディスクの燃焼を抑制し、そして熱をウェルに一様に分布させるためにほぼ脱焦点され得る。レーザーの出力は、マイクロコントローラ(例えば、Fox LP3500、Rabbit Semiconductor、Davis、CA)からのパルス幅変調(PWM)信号により駆動されるロジックオプトカプラー(logic optocoupler)(図1を参照のこと)によりゲート制御されるn形パワーMOSFETにより制御され得る。
温度制御を行うために、コントローラはパイロメーターからのフィードバックを使用する修正比例積分制御ルーチンを用いてプログラムされ得る。パイロメーターフィードバックは、以下に記載されるように、較正補正が適用された後にマイクロコントローラにより受信され得る。光学的温度検出を行うために、サンプルを、例えば選択された波長を有する高光度光源により斜めに照射し得る。一実施態様において、光源は約450nmから約475nmの範囲内で選択された波長(例えば約470nm)の光を放射する青色発光ダイオード(LED)を含み得る。この照射をすることができるLED光源の例は、Agilent Technologies(Santa Clara、CA)製のHLMP CB28 STD00である。
反応ウェルから発せられる熱放射は検出器により検出され得る。一実施態様において、検出器は光源に隣接して位置づけられたフォトダイオードを含み得る。検出器は、水及び透明フィルムを通ってきたウェル表面からの熱放射を受け取るために取り付けられ得る。検出器は、図1において示されるように、約1010V/A〜1012V/Aの範囲内で作動する高利得光増幅回路(例えばT−5 Series、Intor Inc.、Socorro NM)を使用して操作され得る。検出器によって測定される励起及び発光スペクトルを、狭帯域パス干渉フィルタ(例えばIntor)を使用して調整し得る。しかし、代替の実施態様において、接触温度センサーが上記のフォトダイオード検出器の代わりに、又は上記のフォトダイオードと組み合わせて使用され得るということが理解され得る。
非接触温度センサーの較正
非接触温度センサーは、例えば使い捨てのCDプラットフォームにおいて、汚染を防止するようにシステムにおける温度測定のために選択され得る。例えば、パイロメーターは非接触温度センサーとして使用され得る。しかし検出器は、調べられた領域における温度(例えば、個々のウェルの温度又は選択された一群のウェルの平均温度)を決定するために、反応ウェルの表面から発せられる熱放射を測定する。この熱放射は、反応液(例えば水)、そしてウェルを密封するために使用される材料(例えば透明フィルム)フィルムの存在)を通過する。理論により限定されないが、これらの材料は低い放射率を有するので、ウェルの内側から発生する放射、さらには周囲からの熱放射に反射を導入し得ると考えられる。結果として、これらの材料は、パイロメーターにより測定される熱放射から計算された温度に誤差を導入し得る。
パイロメーターは、これらの誤差を補正するために較正され得る。以下に考察されるように、反応ウェル内の温度は、定常状態の熱源からの異なる光出力の関数として、パイロメーター、さらには反応ウェルと接触した熱電対を使用して測定され得る。これらの測定値は、パイロメーターにより測定された温度に基づいて反応ウェルの正しい温度を計算する較正モデルに入力され得る。
CDベースの検出システム200の略図を図2に放射源とともに示す。システム200は、1つ又はそれ以上の反応ウェル204を有する基板202(例えば、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、又は別の適切なプラスチック材料のようなプラスチックディスク)を含む。透明フィルム206は、汚染物質が反応ウェル204に入るのを阻止するために反応ウェル204上に配置される。
検出器210は、基板202から発生される熱放射を測定するために基板202上に位置づけられ得る。いくつかの実施態様において、検出器210はパイロメーターを含み得る。較正モデルは、反応ウェル内の物質(例えば、LAMP反応混合物、ウェルを覆う保護フィルム)を通る熱放射の透過及び基板自体による入射蛍光の吸収に起因する検出器210の温度測定値の誤差を補正するために使用され得る。図1において示されるように、Ecは、反応ウェル204の温度を制御するための熱源から基板202中に吸収される熱放射である。ETは、反応ウェル204の表面から発せられる熱放射である。Etは、反応ウェル204及び透明フィルム206を通って検出器210に達する、反応ウェル204の表面からの熱放射の一部である。Eambは、透明フィルム206に影響を与える周囲から発せられる熱放射である。Erは、検出器210中に反射される周囲熱エネルギーの一部である。一実施態様において、較正モデルは、反応ウェル204の表面から、又は周囲から生じ、そして反応ウェル204中の水及び透明フィルム206のいずれかを横切った後、又はこれらの表面に反射した後に検出器210で検出される放射の実質的に全てを想定し得る。
これらの状況下でのマクスウェル方程式の解は、それらのそれぞれの境界における様々な材料の正規化波動インピーダンスに関連付けられる反射及び透過係数を生じる。次にこれらの波動インピーダンスは、波動が通過する材料のそれぞれの誘電率及び透磁率に関連付けられる。最終結果は、反応ウェル204から発られる全熱放射の割合aが検出器210に達し、そして周囲から生じる全熱放射の割合bが、反応ウェル204から離れて反射されて検出器210に達するということである。
灰色体に適用されるステファン−ボルツマンの法則から、物体から放射される全熱エネルギーEは、等式1に従って、材料の放射率ε、及び透明フィルム206の表面の絶対温度Tに関連付けられる:
Figure 2013530705
ここでσはステファン−ボルツマン定数である。検出器210は、選択された放射率の材料を仮定して、パイロメーター210の検出器に達する熱放射に基づいて透明フィルム206の表面の温度を見積もり得る。パイロメーター210の検出器に達する全熱エネルギーEを使用して、等式2に従って表示される温度Tiを計算し得る:
Figure 2013530705
tは反応ウェル204内の反応物質の体積及び透明フィルム206を通って伝達された後に検出器パイロメーター210に達する、反応ウェル204から生じた熱放射である。Erは、透明フィルム206の表面に反射した後に検出器210の検出器に達する、周囲からの熱エネルギーである(例えば図2を参照のこと)。
ステファン−ボルツマンの法則、並びに上記からの経験的係数a及びbを前記の等式における各項に適用して、等式3が得られ得る:
Figure 2013530705
εsetは検出器210の放射率設定である。特定の実施態様において、εsetについてのデフォルトの値が想定され得る(例えば約0.95)。しかし、検出器210に依存して他の放射率の値が採用され得る。εwellは、反応ウェル表面の放射率である。εambは、周囲温度Tambでの周囲の材料の放射率である。
温度Ti、Tamb、及びTは互いに関連し得る。例えば等式3を書き換えることにより、TiはTamb、T及び経験的係数(A及びBと呼ばれる)、並びに周囲環境(伝達及び/又は反射の損失に関する補正を含む)で表され得る:
Figure 2013530705
経験的係数A及びBは、系(例えばウェル)の放射率の比を表し、そして一定の周囲温度Tambでの真のウェル温度Tの4乗の関数として、表示された温度Tiの4乗の線形回帰を行うことにより決定され得る。実際のウェル温度Tについて等式4aを解くことにより、係数A及びBが得られる。次にこれらの係数を使用して、等式5に従って所定の検出器温度表示TiからTが見積もられ得る:
Figure 2013530705
このやり方で、検出器210は、非接触温度測定値の精度を改善するために較正され得る。しかし、他の実施態様において、温度測定値は他の機構により、例えば反応ウェルと接触した熱電対により得られ得る。
蛍光光度計及びレーザードライバー
図3Aは、本開示の実施態様のカスタムの蛍光光度計及びレーザードライバーのための回路基板レイアウトの略図である。
図3Bは、図3Aのカスタムの蛍光光度計及びレーザードライバーのために装着された回路基板の写真である。パイロメーターヘッドがポリカーボネートCD上にさらに示されている。
ループ媒介性等温増幅及び検出:
ループ媒介性増幅(LAMP)は、等温的に、かつテンプレートDNAを変性させることなく遺伝子複製を達成するために使用され得る。LAMPはまた、細胞を溶解も抽出もすることなくその標的DNAを増幅することができるが、より低い検出限界をもたらす。LAMPの実施態様は以下の書類に詳細に記載され、それらは各々それらの全体が参照により加入される。
・N. Tsugunori、et al.、「Loop−mediated isothermal amplification of DNA」 Nucleic Acids Research、Vol.28、No.2、June 15、2000.
・Y. Mori、et al.、「Detection of loop−mediated isothermal amplification reaction by turbidity derived from magnesium pyrophosphate formation」 Biochemical.Biophys.
Res.Comm.、Vol.289、No.1、p.150−154、Nov.23、2001.
・K. Nagamine,「Isolation of single−stranded DNA from loop−mediated isothermal amplification products」 Biochemical and Biophysical Research Communications、Vol.290、No.4、p.1195−1198、Feb 1、2002.
・K. Nagamine、et al.、Accelerated reaction by loop−mediated isothermal amplification using loop primers」 Molecular and Cellular Probes、Vol.16、No.3、p.223−229、June 2002.
一実施態様において、LAMPは4つのプライマーのセットを使用し得る。これらの4つのプライマーは、6つの個別の配列を認識し得、そして例えばBst DNAポリメラーゼラージフラグメントによる自己サイクリング鎖置換(auto−cycling strand−displacing)DNA合成に依存し得る。LAMP反応のためのプライマーは内部プライマー(例えばFIP及びBIP)及び外部プライマー(例えばF3及びB3)であり得る。LAMP反応は、内部プライマー(例えばFIP又はBIP)のずれかの標的DNA上のそのそれぞれのプライミング部位(例えばF2c又はB2c)へのハイブリダイゼーションにより開始され得る。外部プライマー(例えばF3又はB3)は、標的DNA上のそのプライミング部位(例えばF3c又はB3c)に二次的にハイブリダイズし、そして既に内部プライマーから伸長されたDNA配列を置き換える新しい相補配列の合成を開始する。その結果は、両端にステムループ構造を形成し得るDNA配列である。この自己プライム「ダンベル」構造は、LAMP自己サイクリング増幅の出発物質である。
LAMP反応はまた、ループプライマーと呼ばれるさらなるプライマーを使用して加速され得る。ループプライマーは、標的DNAテンプレートから転写されたループの部分にハイブリダイズし得る。このさらなるプライミングがLAMP反応を加速し得、そして正しい出発物質の転写を必要とするのでLAMP選択性を改善し得る。特定の実施態様において、LAMP反応は、所望の範囲内、例えば約60℃〜約70℃、又は約60℃〜約65℃の間で選択される温度値で等温条件下で行われ得る。増幅産物はステムループDNAであり得、これは典型的には標的のいくつかの逆方向反復を有する。逆方向反復は典型的には複数のループを有するカリフラワー様の構造を示す。
LAMPによるDNAのポジティブ増幅を検出するために様々な機構が開発されている。一局面において、DNAのポジティブ増幅は、挿入色素、例えばSYBR Green又はEvaGreen(R)を使用して実時間でモニタリングされ得る。SYBR Greenは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)又は好熱性ヘリカーゼ依存性増幅(tHDA)に対して阻害作用を有することが知られている。対照的に、EvaGreenはPCRに対するより低い阻害作用を有することが報告されており、そしてまたLAMP反応を検出するために使用されてきた。しかし、以下により詳細に考察するように、EvaGreenのLAMP反応に対する高い阻害作用が観察され得る。さらに、この機構はDNA産物の配列特異的な確認を可能にしない。しかしとりわけ、この機構はDNA産物の配列特異的な確認を可能にしない。むしろこの技術はポジティブ増幅を単に検出するだけである。
別の実施態様において、ポジティブLAMP反応は、LAMP反応混合物の白濁を測定することにより同定され得る。この白濁は、ピロリン酸マグネシウムがLAMP反応の副生成物であるのでポジティブLAMP反応の指標である。しかし、白濁はポジティブ増幅が起こったことの指標を提供し得るが、その濁り自体は目的の特定の配列がLAMPを受けたことの決定的な指標ではない。従って、配列特異性を決定するための濁りのみの信頼性は、より高い率の疑陽性を生じやすい。
蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)ベースの検出方法、例えば分子ビーコン、Taqmanプローブ、及び分子ジッパーは、DNA増幅プロセスの実時間配列特異的モニタリングを提供する技術である。分子ビーコンは、一方の末端で蛍光分子に、そして反対の末端でクエンチャー分子に結合された自己相補的ステムループ構造を有する核酸プローブを含む。標的配列が存在しない場合、相補ステムループ配列のためにクエンチャーはフルオロフォアに近接しているので、蛍光は発せられない。ループ領域が標的にハイブリダイズする場合、クエンチャー及びフルオロフォアは互いに離れて蛍光発光が検出され得る。
しかしとりわけ、LAMPをモニタリングするための分子ビーコンの使用は困難であり得る。例えば、分子ビーコンは等温条件下でLAMPアンプリコンのようなdsDNA産物に対して十分接近可能でないかもしれない。さらに、Bst DNAポリメラーゼにはエキソヌクレアーゼ活性がないので、Taqmanプローブは一般的にはLAMP反応を検出するために使用されない。それでもなお、これらの技術のいずれかが特定の実施態様において使用され得る。
分子ジッパーは、部分的に二本鎖の短いDNAフラグメントを含む分子である。分子ジッパーの第一の鎖は、3’末端にクエンチャーを含み、そして消光プローブと呼ばれ得る。分子ジッパーの第二の鎖は、5’末端に結合されたフルオロフォア、及び標的DNAの選択された小片に相補的なプライミング配列(例えばラムダファージF、ラムダファージB、rk1249.1 F、rk2208.1 F、rk2403.1 F、rsfliC B、rsfliC F、Se01 F、SE01 B、spa1.)を有する部分的相補鎖を含む。この第二の鎖は蛍光プローブと呼ばれ得る。クエンチャーの例としては、限定されないが、DABCYL、TAMRA、及びブラックホールクエンチャー(Black Hole Quencher)(BHQ)(Biosearch Technologies、Novato、CA)が挙げられ得る。フルオロフォアの例としては、限定されないが、フルオレセイン、cy3、cy5、及び当該分野で公知のいずれかの数の量子ドットが挙げられ得る。フルオロフォアに結合された末端は、組み立てられたジッパー構築物においてクエンチャーと整列する。特定の実施態様において、DNA重合反応においてプライマーとして作用する蛍光鎖のオーバーハングした(overhanging)非対応部分を除いて、分子ジッパーの鎖は相補的である必要がある。いくつかの実施態様において、分子ジッパーは、ジッパーの2つの鎖が互いにハイブリダイズする場合に蛍光が実質的に消光されるような配置にされ得る。
ジッパーの2つの鎖が置き換わる場合に分子ジッパーから蛍光シグナルが生じる。結果として、分子ジッパーはLAMPにおいて使用され得る。さらなる実施態様において、LAMP産物のループ領域にハイブリダイズするようにオーバーハングした領域を設計することにより、Bst DNAポリメラーゼの鎖置換活性による分子ジッパーの分離が、次の重合反応の間に起こり得る。また、さらなる実施態様において、LAMPプロセスの温度(例えば約65℃)を超える融点を有するジッパー配列を構成することにより、分子ジッパーは低いバックグラウンドレベルでLAMP反応における実時間モニタリングのために使用され得る。分子ジッパーは、ローリングサークル増幅(RCA)及び分枝(ramification)増幅(RAM)の実時間モニタリングに関して以前に実証されている。
分子ジッパーにおいて、蛍光プローブ及びクエンチャープローブは典型的にはほぼ等しい量で混合され、そしてハイブリダイズして二本鎖ジッパーを形成する。例えば、特定の実施態様において、等量の蛍光プローブ及びクエンチャープローブ(例えば約20μM)を約95℃で約5分間インキュベートし、そして二本鎖分子ジッパーを形成するために室温付近までゆっくりと冷却し得る。
ハイブリダイズした分子ジッパープローブをLAMP反応混合物に加える。いくつかの実施態様において、ハイブリダイズした分子ジッパープローブを加えて、約0〜約100μMの範囲で選択された最終濃度値にし得る。特定の実施態様いおいて、分子ジッパーの濃度は、約0μM〜約10μMの範囲内で選択された値を有し得る。さらなる実施態様において、分子ジッパーの濃度は、約0μM〜約1μMの範囲内であり得る。一実施態様において、分子ジッパーの濃度は約0.4μMであり得る。
いくつかの実施態様において、本開示は改善された検出技術を提供する。本明細書で「同化プローブ」と呼ばれる一対の標識されたオリゴヌクレオチドプローブが、FRETの原理を使用してDNAのLAMPの配列特異的実時間モニタリングを行うために設計された。プローブ対は上で考察した分子ジッパーと類似している。しかし、分子ジッパーと本開示の同化プローブの実施態様とは、反応プロセスのそれらの実行に関して少なくとも異なっている。
表1は、様々なLAMPプライマー及び標的生物とともに使用するための蛍光プローブ及びクエンチャープローブの実施態様を示す。
Figure 2013530705
各プライマー及びプローブの分子構造/配列を表2にまとめる。
Figure 2013530705
Figure 2013530705
Figure 2013530705
同化プローブに関連するいくつかのパラメーターが同定されており、これらは、いくつかの実施態様において、他の検出技術と比較して同化プローブの性能を有意に改善し得る
。これらのパラメーターとしては、クエンチャープローブに対する蛍光プローブの量の比、LAMP反応混合物に同化プローブを加える方法、及びLAMPアンプリコンの単鎖ループ上のアニーリング部位に関して競合する同化プローブの総量が挙げられる。例えば、LAMP反応混合物中の同化プローブの存在はLAMP反応速度の減少を引き起こし得るが、パラメーター値が選択された範囲内にある場合、LAMP反応混合物中の同化プローブの存在がLAMP反応速度を抑制する程度は無視できるほどになり得る。
蛍光プローブ及びクエンチャープローブに関して、特定の実施態様において、クエンチャープローブに対する蛍光プローブの比は、約1:1未満(例えば、蛍光プローブより高い濃度のクエンチャープローブ)になるように選択され得る。このような比の例としては、限定されないが、約1:1.1未満、約1:1.2未満、約1:1.3未満、約1:1.4未満、約1:1.5未満、約1:1.6未満、約1:1.7未満、約1:1.8未満、約1:1.9未満、及びより小さいものが挙げられ得る。このような比の例としては、限定されないが、約1:2未満、約1:3未満、約1:4未満、約1:5未満及びより小さいものがさらに挙げられ得る。
この範囲内の比が、同化プローブの存在がLAMP反応の速度を抑制する程度を減少させ、かつバックグラウンド蛍光の交絡検出の程度を減少させるということが有利に見出されている。例えば、以下により詳細に考察されるように、実施例4は、約1:1のクエンチャープローブに対する蛍光プローブの比(例えば分子ジッパー)が、約65℃で約120分間のインキュベーション後に、高い蛍光バックグラウンドを伴って、蛍光シグナルの実質的な増加をもたらさないということを説明し、これはその反応温度での分子ジッパーにおける蛍光鎖の不完全な組み立てを示している。
対照的に、約1:2のクエンチャープローブ対蛍光プローブ比を使用する場合、大量のアンプリコンが、約65℃で約60分のインキュベーション後に観察された(実施例6)。いくつかの実施態様において、同様の結果が約1:2未満の比について得られ得る。
さらなる実施態様において、同化プローブ鎖をLAMP反応混合物中に混合する方法は、LAMPの速度を増加させ、従って検出に十分な増幅された標的DNAの量を生成するために必要とされる時間を減少させるように変更され得る。蛍光プローブ及びクエンチャープローブは、LAMP反応混合物に加えられた場合に互いに対してハイブリダイズしていない状態であり得る。すなわち、蛍光プローブ及びクエンチャープローブは、LAMP反応混合物に別々に加えられ得る。これは、蛍光プローブ及びクエンチャープローブを一緒にハイブリダイズさせ、次いでLAMP反応混合物に加える分子ジッパーの場合と対照的である。特定の実施態様において、本開示の蛍光プローブ及びクエンチャープローブは、LAMP反応混合物に互いに同時に加えられても異なる時点で加えられてもよい。
二本鎖同化プローブ構造(蛍光プローブ及びクエンチャープローブを含む)をLAMP反応混合物に加えることとは対照的に、蛍光プローブ及びクエンチャープローブをLAMP反応混合物に個別に直接加えると、LAMP反応速度は比較的抑制されず、ポジティブな反応のより速い表示をもたらすということが観察される(実施例5)。
さらなる実施態様において、ポリメラーゼ濃度を変更してLAMP反応の速度に影響を与え、従ってポジティブ反応を同定するために必要とされる時間を減少させ得るということが確認された。例えば、一実施態様において、ポリメラーゼ濃度は、約8Uに等しいか又はそれ以上、約16Uに等しいか又はそれ以上、約24Uに等しいか又はそれ以上、約32Uに等しいか又はそれ以上などのポリメラーゼであり得、LAMP反応速度を増加させ、そして検出時間を減少させるために使用され得る。
例えば、以下で詳細に考察されるように(実施例8)、rk2208.1プライマーセット及び約8UのBst DNAポリメラーゼを使用して約20分後に蛍光が検出された。対照的に、Bst DNAポリメラーゼの量を約8Uから約16Uに二倍にした場合、蛍光は約10分後に検出された。この結果は、LAMP反応速度はポリメラーゼ濃度を二倍にするとおよそ二倍になるということを示す。ポリメラーゼ濃度をさらに増加させることは、検出時間を減少させると予測される。律速的プライマーアニーリング速度が、酵素触媒重合速度がそれらを超えるにつれて制限されるようになる時点付近まで、速度のさらなる増加はほぼ線形であるとも考えられる。
反応混合物内の同化プローブの総量はまた、LAMP反応の速度及び観察可能な蛍光の開始に影響を及ぼすように変更され得る。反応混合物に加えられる蛍光プローブ及びクエンチャープローブの量を増加させることにより検出時間が有意に減少されるということが確認されている(例えば、実施例10を参照のこと)。例えば実施例8において考察されるように、LAMP反応混合物に加えられる蛍光プローブの量は、約0.08μMより高い、約0.4μMに等しいか又はそれより高い、約0.8μMに等しいか又はそれより高い、などであり得、そしてクエンチャープローブのそれぞれの濃度は、約0.16μMに等しいか又はそれより高い、約1.6μMに等しいか又はそれより高い、などでありえる。
さらなる実施態様において、クエンチャープローブに対する蛍光プローブの比は約1:1未満である。このような比の例としては、限定されないが、約1:1.5未満より低い、約1:2未満、約1:2.5未満、約1:3未満、約1:3.5未満、約1:1.4未満、約1:1.4.5未満、約1:5未満、約1:5.5未満、約1:1.60未満、約1:1.65未満、約1:1.70未満、約1:1.75未満、約1:1.80未満、約1:8.5未満、約1:9未満、約1:9.5、及びより小さいものが挙げられ得る。このような比の例としては、限定されないが、約1:2、約1:3、約1:4、約1:5及びより小さいものがさらに挙げられ得る。
特定の実施態様において、蛍光プローブ及びクエンチャープローブの量は、LAMPによるDNAのポジティブな増幅がLAMP反応混合物中で起こる場合に検出可能なレベルの蛍光がまだ生じている間は、できるだけ低く維持され得る。この方法では、同化プローブの存在に起因するLAMP反応速度の減少を実質的に排除している間は検出がまだ行われ得る。特定の実施態様において、蛍光プローブの量は、約0.01〜約0.4μMの範囲内であり得る。さらなる実施態様において、クエンチャープローブの量は、約0.02〜約0.8μMの範囲内で選択され得る。他の実施態様において、同化プローブの総量は約0.03μM〜約1.2μMの範囲内であり得る。
実施例において以下でより詳細に考察されるように、LAMP反応混合物中の同化プローブの量を多くするほど、蛍光検出の開始の遅延が長くなるということが、実施例10において決定された。これは、同化プローブが多量に存在する場合にLAMP反応速度を抑制するために起こり得る。例えば、蛍光プローブ及びクエンチャープローブ濃度を10倍増加させると(例えばそれぞれ約0.08μM及び約0.16μMから約0.8μM及び1.6μM)、蛍光検出時間は、約20分から約120分へと約6倍の増加を生じる。
以下の実施例において、同化プローブの実施態様を、LAMP反応をモニタリングするそれらの能力を評価するために試験する。同化プローブの実施態様と、分子ジッパー、分子ビーコン、及び挿入色素を使用する検出技術との比較も行う。
LAMPプライマー
様々な異なるLAMPプライマーセットを使用して同化プローブの性能を評価した:ラムダファージLAMP、rk1249.1、rk2208.1、rk2403.1、rsfliC、並びにSe01及びSpa1。rsfliC LAMPプライマーセットは、この種の大部分のメンバーに存在する青枯病菌(Rs)フラゲリンサブユニットC(fliC)遺伝子を標的とするように設計されている。
rk1249.1、rk2208.1及びrk2403.1プライマーセットは、Race3Biovar2(R3B2)として分類されるRs株のサブグループに固有のDNA配列領域を標的とするように設計されている。ラムダファージDNA LAMPプライマーセットは、ラムダファージDNAを標的とするように設計されている。Se01プライマーセットは、サルモネラ菌を標的とするように設計されている。Spa1 LAMPプライマーセットは、黄色ブドウ球菌を標的とするように設計されている。
一実施態様において、LAMPプライマーは供給業者から得られ得る。他の実施態様において、LAMPプライマーは誘導体化されるように設計され得る。このような誘導体化LAMPプライマーの例としては、限定されないが、Kubota、R.、B. G. Vine、A. M. Alvarez、and D.M. Jenkins、「Detection of Ralstonia solanacearum by loop−mediated isothermal amplification」 Phytopathology.98(9):1045−1051(2008)(その全体が参照により本明細書に加入される)に開示されるものが挙げられ得る。プライマーセット及び同化プローブ鎖の各々についての配列は表2に見られ得る。
以下で考察される実験において、Kubotaらのプロトコルを、異なる標的配列を選択的に増幅するために使用した。一実施態様において、DNA標的は、バクテリオファージラムダ、青枯病菌のrace3biovar2株、青枯病菌、サルモネラ菌及び黄色ブドウ球菌のうちの1つを含み、共著者のSchell及びAllenにより提供された配列比較情報(データは示していない)を使用した。
一実施態様において、LAMP反応を、約1.6μMのFIP及びBIP、約0.2μM濃度のF3及びB3プライマー、約0.4μM濃度のループBプライマー、約400μMのデオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)、約1.0Mのベタイン(例えばSigma−Aldrich Corp、St Louis、MO)、20mM Tris−HCl(約pH8.8)、約10mM KCl、約10mM (NH42SO4、約6mM
MgSO4、約0.1% Triton X−100及びテンプレートDNAを含有する反応混合物約25μl(総体積)で行った。温度制御のためにサーマルサイクラーを使用して、約0.2mlのマイクロチューブ中で反応を行った。この混合物を約95℃の温度に約5分間加熱し、次いで約8U Bst DNAポリメラーゼラージフラグメント(例えばNew England Biolabs、Inc.、Beverly、MA)を加える前に氷上で冷却した。
別の実施態様において、多重化実時間LAMP反応を、Se01 LAMP及びラムダファージLAMPプライマーセットの両方を以下の濃度で含有する25μlで行った:1.6μM FIP及びBIP;0.2μM F3及びB3、並びに;0.4μMループF及びB。同化プローブを、FAM Se01 Fプローブ、FAM Se01 Bプローブ、及びラムダファージFプローブをそれぞれ0.08μMで、並びに0.4μMのクエンチャープローブ01の濃度で反応混合物中に含有させた。
他の試薬の濃度は以下のとおりであった:400μM dNTP;1.0Mベタイン(Sigma−Aldrich Corp、St Louis、MO);20mM Tris−HCl (pH8.8);10mM KCl、10mM (NH42SO4;8mM MgSO4;0.1%Triton X−100;8U Bst DNAポリメラーゼラージフラグメント(New England Biolabs)、及び;テンプレートDNA(50ngサルモネラ菌DNA及び/又はラムダDNAについては5ng)。
LAMP反応の実時間モニタリングのために、反応混合物を65℃で60分間インキュベートし、そして蛍光シグナル(フルオレセイン;λex/em=500/530、Cy3;λex/em=550/570)をiQ5実時間PCR検出システム(Bio−Rad Laboratories、Inc.、Hercules、CA)を使用して1分ごとに測定した。次いで80℃に10分間加熱することにより反応を終了させた。各サンプルについて反応を四重に行い、そして蛍光値を反応の各時点についてサンプルの各組について平均した。チャネル間の蛍光データの比較のために、0及び1,000RFUが、反応の間に所定のチャネルにおいて最も広い範囲の蛍光値で平均されたサンプルについて観察された最小及び最大の蛍光値にそれぞれ対応する場合の値に対して、全ての蛍光値を正規化した。
ポリメラーゼを加えた後、この混合物を約65℃で約60分間インキュベートした。ポリメラーゼを変性させるために約80℃に加熱することにより反応を終了させた。増幅産物を約85Vで約90分間、約2%アガロースゲル(1×Tris−アセテート−EDTA)を通して電気泳動させ、続いて適切なサイズマーカー(例えばHyper ladder II;Bioline USA、Inc.、Randolph、MA)を使用して臭化エチジウムで染色した。
LAMP反応を、分子ジッパー及び同化プローブを使用して実時間でモニタリングした。分子ジッパーを、種特異的プライマー(例えば、青枯病菌の全ての株からのDNAの増幅を生じたプライマー)から生じたLAMPアンプリコンのループ領域を標的とするように設計した。一実施態様において、分子ジッパーを、約100mM Tris−HCl(約pH8.0)及び約10mM EDTA(約8.0のpH)を含有する緩衝液中で約2μMのポジティブ鎖(フルオロフォア)及びネガティブ鎖(クエンチャー)を混合し、約95℃で約5分間加熱し、そして室温までゆっくりと冷却することにより製造した。約0.04μM濃度の分子ジッパーを実時間LAMP反応に使用した。
次いでこれらの分子ジッパーを、種選択的LAMPプライマー、標的DNA(例えば青枯病菌)を含む反応混合物に加え、そしてネガティブコントロール(例えばラムダファージ由来のDNA、又はDNAを含有しない反応混合物)に加えた。
同化プローブのLAMP反応を検出する能力を調べるために、種特異的プライマーから生じたLAMPアンプリコンのループ領域を標的とするように設計された同化プローブもまた製造した。特定の実施態様において、ポジティブ鎖(フルオロフォア)及びネガティブ鎖(クエンチャー)を互いに分離したままにし、そしてLAMP混合物に直接加えた。フルオロフォアとクエンチャーとの濃度比はそれぞれ約1:1未満であった。
LAMP反応混合物中で起こるLAMP反応を検出する分子ジッパー及び同化プローブの能力を、反応混合物から発せられる蛍光から決定した。例えば、IQ5実時間PCRシステム(例えば、Bio−Rad、Hercules CA)を使用して蛍光を測定した。
実施例1−ハードウェア性能
カスタムの蛍光光度計を使用して、分子ビーコンを含有するがLAMPアンプリコンを含有しないネガティブコントロールと比較して、ループ領域の1つを標的とする分子ビーコンで標識されたLAMP産物間の差異を首尾よく観察した(データは示していない)。ABSに様々なサイズの反応ウェルをプリントしたカスタムのCDを図4に示す。
実施例2−温度較正及び制御の試験
温度較正を、較正技術を評価するために上で考察したように行った。較正測定を、パターン形成したABS及びポリカーボネートにおける反応ウェルで行い、そしてウェル及び透明フィルムを通した放射損失にもかかわらず高度に正確な非接触温度測定値が得られた。例えば、図5は、K型熱電対により測定された実際のウェル温度と比較した、非接触温度計(例えばパイロメーター)から見積もられた補正されたウェル温度を示す。円はポリカーボネートに切削されたウェルから測定されたデータを表し、一方で三角形はABSに切削されたウェルから測定されたデータを表す。ウェルを通る放射伝達及びウェル表面からの周囲放射の反射についての係数を見積もるために使用された較正データを図5の挿入図に示す。ポリカーボネートCDにおける個々の較正されたウェルの温度において観察された標準誤差は約0.35℃であった。同じ較正を合計で5つのウェル(ABSに形成されたいくつかのパターンを含む)に適用し、測定された温度における標準誤差約0.93℃を得た。後者の結果は、観察された温度における熱放射のスペクトル範囲にわたって、ABS及びポリカーボネートの放射率が非常に類似しているということを示唆する。
図6は、補正した非接触温度測定値を使用した、反応ウェルにおいて約65℃の設定点での温度制御を示す過渡的温度測定値を示す。このデータは、設定点に約1分以内に到達したことを示す。さらに、データの解析により、設定点に到達した後の系の(system)二乗平均平方根誤差が約0.27℃であったことがわかった。これらの結果は、反応ウェル内の温度が開示される較正方法の実施態様を使用して高度に制御され得るということを示す。
温度制御の範囲及び速度を改善するために、DNAをLAMPの前に変性させてもよい。一実施態様において、これをウェルを加熱するために使用したものより高い出力のレーザーを使用して行ってもよい。さらなる実施態様において、反応ウェルの設計は、その熱質量を限定し、そして断熱を改善するために変更されてもよい。
実施例3−LAMP反応設定
a) 細菌株及びDNA精製
Rs株GMI1000(R1B3)及びUW551(R3B2)を、Norman及びAlvarez(Norman、D.、and Alvarez、A. M.,「A rapid method for presumptive identification of Xanthomonas campestris pv. dieffenbachiae and other xanthomonads」 Plant Disease、73、654−658(1989)、その全体が参照により本明細書に加入される)にしたがって、改変塩化テトラゾリウム(TZC)寒天培地で増殖させた。Rs株を約48〜72時間約28℃でインキュベートした。DNAを、製造者の指示に従ってWizard(R)ゲノムDNA精製キット(Promega Corp.、Madison、WI)を用いてこれらの細胞から精製し、そして分光光度法で定量した。ラムダDNA LAMP反応のために、精製したラムダDNAを購入した(New England Biolabs、Inc.、Beverly、MA)。
黄色ブドウ球菌株を、溶原培地(Lysogeny broth)(LB)を使用してさらに増殖させ、そして約18〜24時間約38℃でインキュベートした。これらの細胞をddH2Oに懸濁し、そして100℃で15分間熱殺菌した。
多重化検出の実施態様において、サルモネラ菌株をキシロース−リジン−デソキシコレート(XLD)寒天培地(Zajic−Satler and Gragas、1977)でさらに増殖させ、そして18〜24時間38℃でインキュベートした。Wizard(R)ゲノムDNA精製キット(Promega Corp.、Madison、WI)を用いて製造者の指示に従ってこれらの細胞からDNAを精製し、そして分光光度法で定量した。ラムダファージLAMP反応のために、精製したラムダDNAを購入した(New England Biolabs、Inc.、Beverly、MA)。
b) LAMP反応
単一増幅検出のための同化プローブの実施態様において、そうではないと示されている場合以外は、LAMP反応を25μlの総体積を有するLAMP反応混合物を使用して行った。特定の実施態様において、反応混合物は、約1.6μM FIP及びBIP、約0.2μMのF3及びB3プライマー、並びに約0.4μM濃度のループプライマーを含んでいた。
LAMP反応混合物中の他の試薬の濃度は以下のとおりであった:約400μM dNTP、約1.0Mベタイン(Sigma−Aldrich Corp、St Louis、MO)、約20mM Tris−HCl(pH約8.8)、約10mM KCl、約10mM (NH42SO4、約6mM MgSO4、約0.1%Triton X−100及びテンプレートDNA約50ng(又はラムダDNAについては約50pg)。
rsfliC LAMPプライマーセットについては、GMI1000株の精製したゲノムDNAをポジティブコントロールとして使用し、そしてrk2208.1 LAMPプライマーセットについてはUW551株のDNAをポジティブコントロールとして使用した。この混合物を約95℃に約5分間加熱し、次いで約8U Bst DNAポリメラーゼラージフラグメント(New England Biolabs)を加える前に氷上で冷却した。ポリメラーゼを加えた直後に、反応混合物を約65℃で約60分間インキュベートし、次いで約80℃に加熱することにより反応を終了させた。
多重化増幅検出のための同化プローブの実施態様について、そうではないと示されている場合を除いて、LAMP反応を25μlの総体積を有するLAMP反応混合物を使用して行った。特定の実施態様において、反応混合物は約1.6μM FIP及びBIP、約0.2μM F3及びB3、並びに約0.4μMループF及びBを含んでいた。同化プローブはまた、反応混合物中にFAM Se01 Fプローブ、FAM Se01 Bプローブ、及びラムダファージFプローブについてはそれぞれ約0.08μM、そしてクエンチャープローブ01は約0.4μMの濃度で含有されていた。
LAMP反応混合物中の他の試薬の濃度は以下のとおりであった:400μM dNTP;1.0Mベタイン(Sigma−Aldrich Corp、St Louis、MO);20mM Tris−HCl(pH8.8);10mM KCl、10mM (NH42SO4;8mM MgSO4;0.1%Triton X−100;8U Bst DNAポリメラーゼラージフラグメント(New England Biolabs)、及び;テンプレートDNA(50ngサルモネラ菌DNA及び/又はラムダDNAについては5ng)。
LAMP反応の実時間モニタリングのために、反応混合物を65℃で60分間インキュベートし、そして蛍光シグナル(フルオレセイン;λex/em=500/530、Cy3;λex/em=550/570)を1分ごとにiQ5実時間PCR検出システム(Bio−Rad Laboratories、Inc.、Hercules、CA)を使用して測定した。次いで80℃に10分間加熱することにより反応を終了させた。各サンプルについて反応を四重に行い、そして蛍光値を反応の各時点についてサンプルの各組について平均した。
チャネル間の蛍光分析データの比較のために、0及び1,000RFUが、反応の間に所定のチャネルにおいて最も広い範囲の蛍光値で平均されたサンプルについて観察された最小及び最大の蛍光値にそれぞれ対応する場合の値に対して、全ての蛍光値を正規化した。
反応混合物に加えるテンプレートDNAの量を、使用したLAMPプライマーによって変更した。例えばラムダファージプライマーの場合、約5ngバクテリオファージラムダDNAを加えた。rk1249.1、rk2208、及びrk2403.1プライマーの場合は、約50g青枯病菌Race3 Biovar2 DNAを加えた。rsfliCプライマーの場合、約50g青枯病菌DNAを加えた。Se01プライマーの場合、約50ngサルモネラ菌DNAを加えた。Spa1プライマーの場合、黄色ブドウ球菌DNAの熱殺菌した細胞約1.0μlを加えた。
c) LAMP反応のための同化プローブの設計
単一増幅検出のための同化プローブの実施態様において、同化プローブの蛍光鎖を、rsfliCループB又はrk2208.1ループFプライマー配列を3’末端に、そしてクエンチャープローブに相補的な配列を5’末端に含有するように設計した。同化プローブ中の消光鎖にアニーリングされた場合に、クエンチャー鎖の3’末端に結合されたクエンチャー分子(例えばブラックホールクエンチャー−1)が蛍光を効果的に消光するように、蛍光分子(例えばフルオレセイン)を蛍光プローブの5’末端に結合させた。各プライマー及びプローブの分子構造/配列を表1にまとめる。
多重化増幅検出のための同化プローブの実施態様において、同化プローブの蛍光鎖を、Se01ループF、Se01ループB又はラムダファージループFプライマー配列を3’末端に、そしてクエンチャープローブに相補的な配列を5’末端に含有するように設計した。同化プローブ中の消光鎖にアニーリングされた場合に、クエンチャー鎖の3’末端に結合されたクエンチャー分子(例えばブラックホールクエンチャー−1)が蛍光を効果的に消光するように、フルオレセイン分子をSe01 Fプローブ及びSe01 Bプローブの5’末端に結合し、そしてCy3分子をラムダファージFプローブの5’末端に結合した。各プライマー及びプローブの分子構造/配列を表2にまとめる。
実施例4−rsfliC LAMP反応についての分子ジッパーの評価
LAMP反応を実時間でモニタリングするための分子ジッパーの性能を調べるために、分子ジッパーをYiらにより以前に記載されたプロトコル(Yi、J.Z.、W.D.Zhang、and D.Y.Zhang、「Molecular Zipper:a fluorescent probe for real−time isothermal DNA amplification」Nucleic Acids Research、34(2006)、その全体が参照により加入される)にしたがって形成した。rsfliC LAMPプライマーセットをこの実験において使用し、そして蛍光プローブを、表1に示されるように、rsfliC LAMPループBプライマー配列を3’末端側に含有するように設計した。最終濃度約0.4μMの分子ジッパーをrsfliC LAMP反応混合物と混合し、そしてこの混合物を約65℃で約120分間インキュベートした。
蛍光シグナルを、iQ5実時間PCR検出システムを使用して観察した。Rs株のゲノムDNA(50ng)、GMI1000をポジティブサンプルとして使用し、そして二重蒸留水(ddH2O)をネガティブコントロールとして使用した。両方の処理を三重に準備し、そして反復したデータを平均して、所定の反応の全期間にわたって平均蛍光プロフィールを生成した(例えば図7)。
図7に示されるように、分子ジッパーを使用した2つの処理(GMI1000ゲノムDNA対ddH2O)の蛍光プロフィールに有意な差は観察されなかった。さらに、いずれの反応の過程においても蛍光シグナルの増加は観察されなかった。両方の処理が実質的に高いバックグラウンド蛍光シグナルを示し、この反応温度における分子ジッパーへの蛍光鎖の不完全な会合を示していた。
実施例5−同化プローブを使用するrsfliC LAMP反応の実時間モニタリング
反応速度を実質的に犠牲にすることなく実時間でrsfliC LAMP反応をモニタリングするために、約0.08μMの蛍光プローブ及び約0.16μMのクエンチャープローブを二本鎖分子ジッパー構造の形成前に直接反応混合物に含有させた。反応混合物を約65℃で約120分間インキュベートし、そして蛍光シグナルをiQ5実時間PCR検出システムを使用して観察した。
図8は、同化プローブ前駆体存在下でのrsfliC LAMP反応の蛍光シグナルが約30分のインキュベーション後に現れることを示し、分子ビーコンを使用して解明されたrsfliC反応速度(実験6)と実質的に一致する。同化プローブ鎖をハイブリダイズさせ、そしてハイブリダイズした同化プローブをLAMP反応混合物に加えることはLAMP反応を有意に妨げ、ポジティブ反応の出現の遅延をもたらした。しかし、蛍光プローブ及びクエンチャープローブを直接rsfliC LAMP反応混合物に加えることにより、プローブを用いたrsfliC LAMPの速度は劇的に改善され、抑制されていないrsfliC LAMP反応の速度を示した。
二本鎖DNAプローブは約65℃で動力学的平衡状態にあり、蛍光プローブ及びクエンチャープローブ分子は絶えず解離及び再会合しており、プローブのLAMPアンプリコンとの相互作用を容易にする。これらの条件下でバックグラウンド蛍光を抑えるために、蛍光プローブがLAMPアンプリコンに同化される(assimilated)場合にのみ消光されない蛍光が生じるように、クエンチャープローブの濃度は蛍光プローブの濃度より高くするべきである。
実施例6−LAMP反応速度に対する蛍光プローブとクエンチャープローブとの比の試験
分子ジッパーの蛍光プローブとクエンチャープローブとの比を、rsfliC LAMP反応をモニタリングするための同化プローブを提供するために調整した。蛍光プローブのバックグラウンドシグナルを減少させるために、クエンチャープローブに対する蛍光プローブの比を約1:2まで低くした。LAMP反応をモニタリングするために、約0.08の蛍光プローブ及び約0.16μMのクエンチャープローブを含む結果として得られた約0.08μMの同化プローブをrsfliC LAMP反応混合物と混合した。蛍光及びクエンチャープローブの配列特異性を検証するために、ラムダDNA LAMPプライマーセットを実時間LAMPのためのコントロールとしてrsfliC同化プローブと共に使用した。
同化プローブのLAMPアンプリコンへの同化に伴う蛍光シグナルは、GMI1000ゲノムDNAを含むrsfliC LAMP反応混合物からのみ観察され、ラムダDNA LAMP反応からは観察されなかった。この観察はrsfliC 同化プローブの配列特異性を実証する。
アガロースゲル電気泳動分析を、rsfliC及びラムダDNA LAMPアンプリコンの両方の存在をそれぞれの反応において確認するためにさらに行った。蛍光プロフィール(図9)は、所定の濃度の同化プローブを使用してrsfliC LAMP反応を検出することができるが、約65℃で約60分のインキュベーション後のみであるということを示した。対照的に、同化プローブが存在しない場合のrsfliC LAMP反応は、典型的には約65℃で約60分以内に大量のアンプリコンを生じた。これは、重合反応の副生成物である沈殿したピロリン酸マグネシウムの蓄積、及び分子ビーコン(以下の実験7を参照のこと)又はゲル電気泳動を用いた様々な間隔で停止された反応の調査により観察され得る。この結果は、同化プローブの存在がLAMP反応におけるループプライマーのアニーリングを阻害し得、その全体の進行を遅らせ得るということを示唆する。従って、同化プローブの全体の濃度は、実時間配列特異的検出をなお可能にしながらLAMP反応が完全な速度で進行することを可能にするように選択された範囲内で変更され得る。
実施例7−分子ビーコンによるrsfliC LAMPプライマーセットの速度の測定
rsfliC LAMP反応の真の速度を決定するために、表1に示される分子ビーコンを、rsfliCループF及びループB領域を標的とするように設計した。約0.4μMの分子ビーコンをrsfliC LAMP反応に加え、そして約65℃でそれぞれ約0、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60分間インキュベートした。各反応を、約80℃で約10分間インキュベートすることにより終了させた。分子ビーコンを含むrsfliC LAMP混合物の蛍光強度を、反応を終了させた後に約25℃で測定した。分子ビーコンが反応を遅らせなかったことを検証するために、分子ビーコンを用いずに様々な間隔で停止させた反応を、rsfliCアンプリコンの存在を確認するためにアガロースゲル電気泳動にかけた。
図10は、時間の関数としての相対的蛍光についての結果を示す。図10の結果は、rsfliCループF及びB領域について両方の分子ビーコンが、rsfliC LAMPアンプリコンのそれらの標的領域に首尾よくハイブリダイズすることができるということを示す。両方の分子ビーコンの配列特異性もまた、ネガティブコントロールとしてラムダDNA LAMP反応を使用して確認した(データは示していない)。分子ビーコンのデータは、rsfliC LAMP反応からの検出可能な量のアンプリコンの増殖が約30分以内のインキュベーションで生じ、そして約55分前後のインキュベーションで飽和が起こるということをさらに示した。
分子ビーコンを含まないrsfliC反応のアガロースゲル電気泳動分析はまた、分子ビーコン含有反応における蛍光の開始と相関する、約30分に始まるかすかなバンドの出現を示した(データは示していない)。これらの結果は、実験6の結果と比較して、分子ジッパーがrsfliC LAMP反応の速度を有意に減少させるという結論を支持する。
実施例8−LAMP反応速度に対する増加したポリメラーゼ濃度の影響
rsfliC及びR3B2特異的rk2208.1 LAMPプライマーセットを使用してLAMP反応を開始させ、約0.08μM濃度の蛍光プローブ及び約0.16μMのクエンチャープローブで対応する同化プローブを使用して実時間でモニタリングした。同化プローブを、二本鎖分子ジッパー構造の形成前に反応混合物中に直接含めた。反応速度の動力学的制約を調べるために、各プライマーセットを用いた反応を異なる量(約8U又は約16U)のBst DNAポリメラーゼを使用して行った。
図11に示されるように、rk2208.1プライマーセットを使用したLAMP反応は、約8UのBst DNAポリメラーゼを使用した場合に約20分以内に、そして約16Uを使用した場合は約10分以内に観察可能な蛍光の増加を生じた。rsfliC LAMPプライマーセットを用いたLAMP反応は、Bst DNAポリメラーゼ濃度に関わらず約30分以内に観察可能な蛍光の増加を生じた。
この結果は、rk2208.1反応の律速プライマーアニーリング段階の正(forward)結合速度定数が、rsfliC反応における対応する速度よりも有意に高いことを示した。この改善されたアニーリング速度は、ポリメラーゼ活性の増加によりrk2208.1反応において比例した速度論的増進が観察され得るのに有意に十分であった。反応におけるポリメラーゼ濃度の対応する増加により、さらなる増進が観察され得る。
実施例9−rk2208.1 LAMPでのBst DNAポリメラーゼ濃度の検出速度及び反応速度論に対する影響のさらなる試験
R3B2特異的rk2208.1 LAMPプライマーセットを使用してLAMP反応を開始し、そして約0.08μM蛍光プローブ及び約0.16μMクエンチャープローブの濃度を用いて対応する同化プローブを使用して実時間でモニタリングした。二本鎖分子ジッパー構造の形成前に反応混合物に同化プローブを直接含有させた。反応速度の動力学的制約を調べるために、各プライマーセットとの反応を、異なる量(約0U、約4U、約8U、約12U、約16U、約20U、約24U、約28U、及び約32U)のBst DNAを使用して行った。
rk2208.1プライマーセットを使用したLAMP反応は、約4UのBst DNAポリメラーゼの場合に約30分以内に観察可能な蛍光増加を生じた(図12)。ポリメラーゼ濃度を約8Uに増加させると、蛍光はより短い時間(約20分後)で観察された。ポリメラーゼ濃度を約15Uより高く増加させると(例えば、約15U、約20U、約24U、約28U、及び約32U)、約10〜15分以内に観察可能な蛍光が生じた。
Bst DNAポリメラーゼ濃度を増加させることは、最大速度に達するまでの時間の増加をさらにもたらす。図13は、毎分の蛍光増加の最大速度に達するまでの時間との関係を示す。最大速度までの時間は、Bst DNAポリメラーゼ濃度を約4Uから約32Uに増加させるのに伴って約40分から約15分に減少する。
実施例10−ループプライマーを含まない、rk2208.1 LAMPプライマーセットのための同化プローブ組成の試験
ループプライマーを含まないrk2208.1 LAMPプライマーセットを、LAMP反応混合物から蛍光を検出するための時間に対する蛍光プローブ及びクエンチャープローブの量の影響を決定するために使用した。ループプライマーを用いないLAMP反応において、それぞれ約0.16μM、約0.8μM、及び約1.6μMのクエンチャープローブ濃度と混合された、約0.08μM、約0.4μM、及び約0.8μの蛍光プローブ濃度を使用して反応を行った。これらの試験の結果を図14に示す。円は低いプローブ濃度(約0.08μM蛍光プローブ及び約0.16μMクエンチャープローブ)を表し、三角形は中程度のプローブ濃度(約0.4μM蛍光プローブ及び約0.8μMクエンチャープローブ)であり、そして四角形は高い中程度のプローブ濃度(約0.8μM蛍光プローブ及び約1.6μMクエンチャープローブ)である。網掛けの記号はテンプレートDNAを含む反応であり、そして白抜きの記号はネガティブコントロール(ddH2O)である。
図14に示されるように、概して、反応混合物中のより多い量の同化プローブの存在は、観察可能な蛍光の増加の開始のより長い遅延をもたらした。この結果は、より高濃度の同化プローブがrk2208.1 LAMP反応の速度を妨害し得るということを裏付けた。この実験はまた、ループプライマーが存在しない場合でも同化プローブがLAMPアンプリコン中に取り込まれ得るということを実証する。これらの結果はさらに、同化プローブによる反応の阻害がループプライマーのアニーリング及び伸長とは別にLAMPプロセスにおける段階に影響を及ぼすということを示唆する。
実施例11−ループプライマーを含むrk2208.1 LAMPプライマーセットのための同化プローブ組成の試験
ループプライマーを含むLAMP反応に対する同化プローブ組成の効果を決定するために、ループプライマーを反応に含めた後に実験10を繰り返した。実験の結果を図15に示し、ここで円は低いプローブ濃度(約0.08μM蛍光プローブ及び約0.16μMクエンチャープローブ)を表し、三角形は中程度のプローブ濃度(約0.4μM蛍光プローブ及び約0.8μMクエンチャープローブ)であり、そして四角形は高い中程度のプローブ濃度(約t0.8μM蛍光プローブ及び約1.6μMクエンチャープローブ)である。網掛けの記号はテンプレートDNAを含む反応であり、そして白抜きの記号はネガティブコントロール(ddH2O)である。
図15に示されるように、試験した低濃度でのrk2208.1のための同化プローブ(約0.08μM蛍光プローブ及び約0.16μMクエンチャープローブ)は、約20分後に蛍光シグナルを生じた。中程度の濃度(約0.4μM蛍光プローブ及び約0.8μMクエンチャープローブ)では、約70分後に増加した蛍光を生じた。最も高い同化プローブ濃度を含む反応(約0.8μM蛍光プローブ及び約1.6μMクエンチャー鎖)は、約120分の反応の間のいずれの時点でも増加した蛍光を生じなかった。この結果は、より高い濃度の同化プローブがrk2208.1 LAMP反応の速度を妨害すること、及びrk2208.1ループFプライマーの存在が反応の速度を増大するということを裏付けた。
実施例12−挿入色素(EvaGreen)のLAMP反応及び速度に対する影響の評価
挿入色素(EvaGreen)のLAMP反応に対する影響を評価するために、EvaGreenをrk2208.1 LAMP反応混合物に加え(rk2208.1ループFプライマーを含むもの及び含まないもの)、そして蛍光シグナルを測定することにより反応を観察した。これらの条件下での増加した蛍光の開始の時間を、最適な同化プローブ組成を用いるrk2208.1 LAMP反応の速度と比較した。この実験の結果を図16に示す。
EvaGreenを用いたrk2208.1 LAMP反応(rk2208.1ループFプライマーを含むもの及び含まないもの)は、それぞれ約30分及び約80分のインキュベーション後に蛍光シグナルを示した。同化プローブを用いたRk2208.1 LAMP反応は約20分以内に反応を示した。これらの結果は、挿入色素がrk2208.1
LAMP反応を有意に阻害するということを示唆した。この酵素は鎖置換活性を有し、そして挿入色素は二本鎖DNAを安定化するので、EvaGreenはBst DNAポリメラーゼの有効性を妨害し得る。
実施例13−サルモネラ菌及びバクテリオファージラムダゲノムDNAの同時LAMPベースの検出のための同化プローブ性能の試験
図17は、サルモネラ菌及びバクテリオファージラムダゲノムDNAを増幅するLAMP反応についての時間に対する相対的蛍光のプロットである。蛍光値を、フルオレセインチャネル(λex/em=500/530−Se01Fのためのプローブ標識)及びcy3チャネル(λex/em=550/570−ラムダファージFのためのプローブ標識)で測定した。サルモネラ菌及びバクテリオファージラムダゲノムDNAの両方を含有するサンプルを塗りつぶした円(●/●)で表し、テンプレートDNAを含まないネガティブコントロールを白抜きの円(○/○)で表し、サルモネラ菌ゲノムDNAのみを含むサンプルを塗りつぶした三角形(▼/▼)で表し、そしてバクテリオファージラムダゲノムDNAのみを含むサンプルを塗りつぶした菱形(◆/◆)で表す。
図18は、サルモネラ菌及び/又はバクテリオファージラムダゲノムDNAを増幅するLAMP反応についての時間に対する相対的蛍光のプロットである。蛍光値を、同化プローブを使用した多重検出の間フルオレセインチャネル(λex/em=500/530−Se01Fのためのプローブ標識)で測定した。サルモネラ菌及びバクテリオファージラムダゲノムDNAの両方を含むサンプルを塗りつぶした円(●)で表し、ddH2Oを用いたネガティブコントロールを白抜きの円(○)で表し、サルモネラ菌ゲノムDNAのみを含むサンプルを塗りつぶした三角形(▼)で表し、そしてバクテリオファージラムダゲノムDNAのみを含むサンプルを塗りつぶした菱形(◆)で表す。
図19は、サルモネラ菌及び/又はバクテリオファージラムダゲノムDNAを増幅するLAMP反応についての時間に対する相対的蛍光のプロットである。蛍光値を、同化プローブを使用した多重化検出の間cy3チャネル(λex/em=550/570−ラムダファージFのためのプローブ標識)で測定した。サルモネラ菌及びバクテリオファージラムダゲノムDNAの両方を含むサンプルを塗りつぶした円(●)で表し、ddH2Oを用いたネガティブコントロールを白抜きの円(○)で表し、サルモネラ菌ゲノムDNAのみを含むサンプルを塗りつぶした三角形(▼)で表し、そしてバクテリオファージラムダゲノムDNAのみを含むサンプルを塗りつぶした菱形(◆)で表す。
特に、図17、18、及び19の各実施例において、個々の病原体に対して独特な配列特異的同化プローブをスペクトル的に独特のフルオロフォアと共に使用することにより、異なる病原体を同時に特異的に検出することができる。
要約すれば、いくつかの強力な新しい技術の実施態様が開示され、これは単独で、又はいずれかの組み合わせで、非常に類似した抗原決定基を示すにもかかわらす、宿主特異性、病原性、又は蔓延する疾患に重要な他の生物学的特徴においてかなり異なり得る細菌性病原体の密接に関連した亜集団のはるかに迅速なタイピングを可能にし得る。遺伝子ベースの技術は、目的の様々な集団を区別するために所定の配列データに容易に移され得る。DNA複製に対して等温アプローチを使用することにより、検出の感度及び選択性が、熱サイクルの装置の費用、複雑さ、及びエネルギー必要量を加えることなく比較的大きなサンプル体積でも改善される。
標準的なデジタル媒体と類似した仕様のレーザー、並びに反応ウェル及び周囲熱放射の反射による伝達損失を補正した後の非接触温度測定値を使用して、コンパクトディスク媒体でのLAMP反応のために工程温度を制御することができるということが実証された。
光学プローブを使用して実時間でLAMP複製の進行を観察することができるということも実証された。分子プローブのハイブリダイゼーション条件に影響を及ぼし、かつ検出の改善された速度及び感度を生じ得るパラメーターが同定された。これらのパラメーターには、蛍光プローブに対するクエンチャーの比、同化プローブを生成するために鎖を混合する方法、ポリメラーゼ濃度、及びLAMP反応混合物内の同化プローブの総量が含まれ得る。
CDベースのシステムを用いるカスタムの蛍光光度計の性能は、この反応がCD媒体で実時間でモニタリングされ得ることを示唆し、そしてこれを確実に実証するための実験が進行中である。非接触制御と、サンプル捕捉、洗浄、溶解、及びDNA抽出の遠心分離ベースの配列決定を用いた検出システムとの統合は、現場において、そして動物及び植物の検疫の状況での病原体の検出を可能にする、迅速でユーザーフレンドリーなシステムを生じ得る。
前述の記載は本教示の基本的な新規の特徴を示し、記載し、そして指摘してきたが、当然のことながら、示された装置の細部の形態の様々な省略、置換、変更、及び/又は追加、さらにはそれらの使用が、本教示の範囲から逸脱することなく、当業者により為され得る。それ故、本教示の範囲は、前述の考察に限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲によって規定されるべきである。

Claims (16)

  1. 標的DNAのループ媒介性等温増幅(LAMP)をモニタリングする方法であって:
    標的DNA、及び標的DNAを増幅することができる1つ又はそれ以上のLAMPプライマーを含むLAMP反応混合物を供給する工程;
    同化プローブをLAMP反応混合物に加える工程[該同化プローブは、第一及び第二のオリゴヌクレオチド鎖を含み、ここで第一のオリゴヌクレオチド鎖は3’末端に位置するクエンチャープローブを含み、そして同化プローブの第二のオリゴヌクレオチド鎖は5’末端に結合したフルオロフォアを含み;
    ここでLAMP反応混合物に加えられる第一のオリゴヌクレオチド鎖の量に対する第二のオリゴヌクレオチド鎖の量の比は、1:1未満である];
    DNAポリメラーゼを、同化プローブを含むLAMP反応混合物に加える工程;並びに
    同化プローブ及びDNAポリメラーゼを含むLAMP反応混合物により放射される蛍光を測定する工程;
    を含む、上記方法。
  2. 第一のオリゴヌクレオチド鎖が、DABCYL、TAMRA、及びブラックホールクエンチャー(Black Hole Quencher)のうちの1つを含む、請求項1に記載の方法。
  3. フルオロフォアが、フルオレセイン、cy3、cy5及び1つ又はそれ以上の量子ドットのうちの1つを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 第一のオリゴヌクレオチド鎖及び第二のオリゴヌクレオチド鎖が、互いに対してハイブリダイズしていない状態でLAMP反応混合物に加えられる、請求項1に記載の方法。
  5. DNAポリメラーゼの濃度が、8Uに等しいか又はそれより高い、請求項1に記載の方法。
  6. 反応混合物に加えられる第一のオリゴヌクレオチド鎖の量が、0.02〜0.8μMの範囲内である、請求項1に記載の方法。
  7. LAMP反応混合物に加えられる第二のオリゴヌクレオチド鎖の量が、0.01μM〜0.4μMの範囲内である、請求項1に記載の方法。
  8. LAMPプライマーが、rsfliC、rk1249.1、rk2208.1、rk2403.1、ラムダファージ、Se01、及びSpa1のうちの1つを含む、請求項1に記載の方法。
  9. 標的DNAが、バクテリオファージラムダ、青枯病菌のrace3biovar2株、青枯病菌、サルモネラ菌、及び黄色ブドウ球菌のうちの1つを含む、請求項8に記載の方法。
  10. 標的DNAのループ媒介性等温増幅(LAMP)をモニタリングするための同化プローブであって:
    鎖の3’末端に位置するクエンチャープローブを含む第一のオリゴヌクレオチド鎖;及び
    鎖の5’末端に結合したフルオロフォアを含む第二のオリゴヌクレオチド鎖;
    を含み、
    ここで第一のオリゴヌクレオチド鎖に対する第二のオリゴヌクレオチド鎖の量の比は1:1未満である、上記同化プローブ。
  11. フルオロフォアが、フルオレセイン、cy3、cy5、及び1つ又はそれ以上の量子ドットのうちの1つを含む、請求項10に記載のプローブ。
  12. 第一のオリゴヌクレオチド鎖が、DABCYL、TAMRA、及びブラックホールクエンチャーのうちの1つを含む、請求項10に記載のプローブ。
  13. 第一のオリゴヌクレオチド鎖及び第二のオリゴヌクレオチド鎖が、1つ又はそれ以上のLAMPプライマー及び標的DNAを含む溶液と接触する前に、互いに対してハイブリダイズしていない状態にある、請求項10に記載の方法。
  14. 第一のオリゴヌクレオチド鎖の量が、0.02〜0.8μMの範囲内である、請求項10に記載のプローブ。
  15. 第二のオリゴヌクレオチド鎖の量が、0.01μM〜0.4μMの範囲内である、請求項10に記載のプローブ。
  16. 第一及び第二のオリゴヌクレオチドが、第二のオリゴヌクレオチド鎖のオーバーハングした非対応部分を除いて相補的である、請求項10に記載のプローブ。
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