JP2013529074A - 除草剤に対する耐性が増加した植物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、植物栽培地域における望ましくない植生を防除する方法に言及する。本方法は、前記地域において、クマロン誘導体系除草剤に対して抵抗性若しくは耐性である、野生型ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ若しくは突然変異ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(mut-HPPD)をコードするヌクレオチド配列及び/又はクマロン誘導体系除草剤に対して抵抗性若しくは耐性である、野生型ホモゲンチジン酸ソラネシルトランスフェラーゼ若しくは突然変異ホモゲンチジン酸ソラネシルトランスフェラーゼ(mut-HST)をコードするヌクレオチド配列を含む少なくとも一種の核酸を含む植物を提供するステップ、及びその後前記植物栽培地域に、有効量の前記除草剤を適用するステップを含む。本発明は、mut-HPPDを含む植物及びこのような植物を得る方法にさらに言及する。
【選択図】なし

Description

本発明は、概して、除草剤に対する農業レベルの耐性を植物にもたらす方法に関する。特に本発明は、「クマロン誘導体」系除草剤に対する耐性が増加した植物に言及する。より具体的には、本発明は、突然変異誘発及び交雑育種及び形質転換により得られた、「クマロン誘導体」系除草剤に対する耐性が増加した方法及び植物に関する。
プレニルキノン、プラストキノン及びトコフェロールの生合成における鍵酵素である、4-ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(4-HPPD; EC 1.13.11.27)を阻害する除草剤は、1990年代初期から選択的雑草防除に使用されてきた。それらは、生合成経路において4-ヒドロキシフェニルピルビン酸のホモゲンチジン酸への変換をブロックする(Matringeら、2005年、Pest Manag Sci.、61巻:269-276; Mitchellら、2001年、Pest Manag Sci.、57巻:120-128)。プラストキノンは、カロテノイド生合成における酵素であるフィトエンデサチュラーゼの必須補因子であると考えられる(Boeger及びSandmann、1998年、Pestic Outlook、9巻:29-35)。その阻害は、植物プラストキノン及びビタミンEのプールの枯渇をもたらし、漂白化症状につながる。特に、光酸化に対する光化学系のプロテクターとしてのそれらの機能において、カロテノイドの喪失は、成長するシュート組織中の葉緑素及び光合成膜の酸化分解につながる。結果として、葉緑体の合成及び機能が妨げられる(Boeger及びSandmann、1998年)。酵素のホモゲンチジン酸ソラネシルトランスフェラーゼ(HST)は、プラストキノン生合成経路中のHPPDの次のステップを触媒する。HSTはホモゲンチジン酸の脱炭酸、さらにそれへのソラネシル二リン酸由来ソラネシル基の移動の両方を行い、したがってプラストキノンへの生合成経路の間の中間体である2-メチル-6-ソラネシル-1,4-ベンゾキノール(MSBQ)を形成する、プレニルトランスフェラーゼである。HST酵素は膜に結合し、これらをコードする遺伝子は、色素体標的化配列を含む。
市販の4-HPPD阻害除草剤の最も重要な化学的クラスは、ピラゾロン、トリケトン及びイソオキサゾールを含む。阻害剤は、安定したイオン双極子電荷移動複合体を形成することによって、基質の4-ヒドロキシフェニルピルビン酸と活性部位中の酵素結合第一鉄イオンとの結合を模倣する。4-HPPD阻害除草剤の中で、トリケトン サルコトリオンは農業に使用されるこの除草剤グループの第1例であり、その作用機序は同定されていた(Schulzら、1993年、FEBS Lett.318巻:162-166)。トリケトンは、ボトルブラッシュ植物、カリステモン属の種(Callistemon spp)由来の除草剤成分であるレプトスペルモン(leptospermone)の誘導体であることが報告されている(Leeら、1997年、Weed Sci.45巻、162-166)。
植物中の反応の阻害は処理された植物の葉の白化につながり、前記植物の死につながるので、これらの分子のいくつかは、除草剤として使用されている(Pallett, K. E.ら、1997年Pestic. Sci. 50 83-84)。HPPDを標的とする、現況技術において報告されている除草剤は、具体的にはイソオキサゾール類(EP418175、EP470856、EP487352、EP527036、EP560482、EP682659、米国特許第5,424,276号)、具体的にはトウモロコシ用の選択性除草剤であるイソキサフルトール、ジケトニトリル類(EP496630、EP496631)、具体的には2-シアノ-3-シクロプロピル-1-(2-SO2CH3-4-CF3フェニル)プロパン-1,3-ジオン及び2-シアノ-3-シクロプロピル-1-(2-SO2CH3-4-2,3Cl2フェニル)プロパン-1,3-ジオン、EP625505、EP625508、米国特許第5,506,195号に記載のトリケトン類、具体的にはサルコトリオン又はその他のピラゾリネート類である。さらに、周知の除草剤トプラメゾンは、成長中のシュート組織における葉緑素の喪失及び壊死を含む、感受性植物種において上記の4-HPPD阻害性、漂白化除草剤と同じタイプの植物毒性症状を引き起こす。トプラメゾンは、ピラゾロン類又はベンゾイルピラゾール類の化学的クラスに属し、2006年に市場に導入された。出芽後に適用した場合、この化合物は、コーンにおいて、広範囲の一年草及び広葉雑草を選択的に防除する。
「クマロン誘導体系除草剤」に対する植物の耐性が、多数の特許に報告されている。国際出願WO2010/029311は、概して、植物において除草剤耐性を引き起こすHPPD核酸及び/又はHST核酸の使用を記載している。WO2009/090401、WO2009/090402、WO2008/071918、WO2008/009908は、具体的には特定の「クマロン誘導体系除草剤」及び「クマロン誘導体系除草剤」耐性植物系統を開示している。
除草剤に対して耐性の植物を作るために三つの主要な戦略が利用可能であり、すなわち、(1)除草剤又はその活性代謝産物を非毒性産物に変換する酵素、例えば、ブロモキシニル(bromoxynil)に対する耐性又はバスタ(basta)に対する耐性のための酵素(EP242236、EP337899)などにより除草剤を解毒する、(2)標的酵素を、除草剤又はその活性代謝産物に対する感受性が低い機能酵素、例えばグリホセート(glyphosate)に対する耐性のための酵素(EP293356、Padgette S. R.ら、J.Biol. Chem.、266、33、1991年)などに突然変異を起こさせる、又は(3)植物において除草剤に関して十分な量の標的酵素を産生させるように、この酵素の反応速度定数を考慮して、その阻害剤の存在にもかかわらず利用可能な十分な機能酵素を有するように感受性酵素を過剰発現させる。第三の戦略は、HPPD阻害剤に対して耐性である植物を成功裏に得たことが記載されていた(WO96/38567)。US2009/0172831号は、アミノ酸配列がHPPD阻害剤の除草性化学的物質に対して抵抗性であるような酵素活性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列、具体的にはトリケトン阻害剤特異的HPPD突然変異体を開示している。
EP418175 EP470856 EP487352 EP527036 EP560482 EP682659 米国特許第5,424,276号 EP496630 EP496631 EP625505 EP625508 米国特許第5,506,195号 WO2010/029311 WO2009/090401 WO2009/090402 WO2008/071918 WO2008/009908 EP242236 EP337899 EP293356 WO96/38567 US2009/0172831
Matringeら、2005年、Pest Manag Sci.、61巻:269-276 Mitchellら、2001年、Pest Manag Sci.、57巻:120-128 Boeger及びSandmann、1998年、Pestic Outlook、9巻:29-35 Schulzら、1993年、FEBS Lett.318巻:162-166 Leeら、1997年、Weed Sci.45巻、162-166 Pallett, K. E.ら、1997年Pestic. Sci. 50 83-84 Padgette S. R.ら、J.Biol. Chem.、266、33、1991年
現在までに、先行技術は、少なくとも一種の突然変異HPPD核酸を含有する、クマロン誘導体系除草剤耐性植物を記載してはいない。先行技術は、HPPD遺伝子が由来するゲノム以外のゲノムにおいて突然変異を含有する、クマロン誘導体系除草剤耐性作物もまた記載していない。したがって、当分野において必要とされるものは、追加のゲノム及び種に由来するクマロン誘導体系除草剤耐性遺伝子の同定である。当分野においてさらに必要とされるものは作物であり、作物はクマロン誘導体系除草剤などの除草剤に対する耐性が増加し、少なくとも一種の突然変異HPPD核酸を含有する。さらに、このような作物の近傍及び作物における雑草の成長を防除する方法が必要である。除草剤を作物を含有する範囲又は作物に適用する場合、これらの組成物及び方法は、散布技術の使用が可能である。
上記問題は、本発明により解決され、本発明は、植物栽培地域における望ましくない植生を防除する方法であって、
a)前記地域において、
(i)クマロン誘導体系除草剤に対して抵抗性若しくは耐性である、野生型ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ若しくは突然変異ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(mut-HPPD)をコードするヌクレオチド配列、及び/又は
(ii)クマロン誘導体系除草剤に対して抵抗性若しくは耐性である、野生型ホモゲンチジン酸ソラネシルトランスフェラーゼ若しくは突然変異ホモゲンチジン酸ソラネシルトランスフェラーゼ(mut-HST)をコードするヌクレオチド配列
を含む少なくとも一種の核酸を含む植物を提供するステップ、
b)前記地域に、有効量の前記除草剤を適用するステップ
を含む方法に言及する。
加えて、本発明は、配列番号1、3若しくは5のヌクレオチド配列又はそれらの変異体を含む核酸によりコードされるmut-HPPDを使用することによって、及び/又は配列番号7若しくは9のヌクレオチド配列又はそれらの変異体を含む核酸によりコードされるmut-HSTを使用することによって、クマロン誘導体系除草剤を同定する方法に言及する。
前記方法は、
a)mut-HPPDをコードする核酸を含み、mut-HPPDが発現されるトランスジェニック細胞又は植物を作製するステップ、
b)クマロン誘導体系除草剤を、a)のトランスジェニック細胞又は植物及び同じ変種の対照細胞又は植物に適用するステップ、
c)前記試験化合物の適用後、トランスジェニック細胞又は植物及び対照細胞又は植物の成長又は生存能力を決定するステップ、並びに
d)トランスジェニック細胞又は植物の成長と比較して、対照細胞又は植物の成長を減少させる試験化合物を選択するステップ
を含む。
別の目的は、クマロン誘導体系除草剤に対して抵抗性又は耐性であるmut-HPPDをコードするヌクレオチド配列を同定する方法であって、
a)mut-HPPDコード核酸のライブラリーを作製するステップ、
b)細胞又は植物において個々の前記核酸を発現させ、クマロン誘導体系除草剤を用いて前記細胞又は植物を処理するステップにより、得られたmut-HPPDコード核酸の集団をスクリーニングするステップ、
c)mut-HPPDコード核酸の前記集団により提供されるクマロン誘導体系除草剤耐性レベルと、対照HPPD-コード核酸により提供されるクマロン誘導体系除草剤耐性レベルとを比較するステップ、
d)対照HPPDコード核酸により提供されるクマロン誘導体系除草剤に対する耐性のレベルと比較して、クマロン誘導体系除草剤に対する有意に増加したレベルの耐性を提供する、少なくとも一種のmut-HPPDコード核酸を選択するステップ
を含む方法に言及する。
好ましい実施形態において、ステップd)において選択されたmut-HPPDコード核酸は、対照HPPDコード核酸により提供されるクマロン誘導体系除草剤に対する耐性と比較して、少なくとも二倍高いクマロン誘導体系除草剤に対する耐性を提供する。
抵抗性又は耐性は、ステップa)のライブラリーの核酸配列を含むトランスジェニック植物を作製し、前記トランスジェニック植物と対照植物とを比較することよって決定することができる。
別の目的は、クマロン誘導体系除草剤に対して抵抗性又は耐性であるmut-HPPD又はmut-HSTをコードする核酸を含有する植物又は藻類を同定する方法であって、
a)植物細胞又は緑藻類の培養液において有効量のクマロン誘導体系除草剤を同定するステップ、
b)前記植物細胞又は緑藻類を、突然変異誘発剤を用いて処理するステップ、
c)前記突然変異誘発細胞の集団と、a)において同定された有効量のクマロン誘導体系除草剤とを接触させるステップ
d)これらの試験条件で生存する少なくとも一つの細胞を選択するステップ、
e)d)において選択された細胞由来のHPPD遺伝子及び/又はHST遺伝子をPCR増幅及び配列決定し、このような配列と野生型のHPPD又はHST遺伝子配列とをそれぞれ比較するステップ
を含むに言及する。
好ましい実施形態において、突然変異誘発剤は、エチルメタンスルホン酸である。
別の目的は、mut-HPPDをコードする単離された核酸であって、上記の方法によって同定可能である核酸に言及する。
別の実施形態において、本発明は、野生型若しくはmut-HPPDの核酸により形質転換された植物細胞、又は野生型若しくはmut-HPPDの核酸を発現する、好ましくは過剰発現する植物を得るような突然変異を起こした植物であって、植物細胞における核酸の発現が、野生型変種の植物細胞と比較して、クマロン誘導体系除草剤に対する抵抗性又は耐性の増加をもたらす植物に言及する。
別の実施形態において、本発明は、本発明による植物細胞を含むトランスジェニック植物であって、植物における核酸の発現が、野生型変種の植物と比較して、クマロン誘導体系除草剤に対する植物の抵抗性の増加をもたらすトランスジェニック植物に言及する。
本発明の植物は、トランスジェニック植物であっても、又は非トランスジェニック植物であってもよい。
好ましくは、植物における核酸の発現が、野生型変種の植物と比較して、クマロン誘導体系除草剤に対する植物の増加した抵抗性をもたらす。
別の実施形態において、本発明は、本発明の植物細胞を含むトランスジェニック植物により産生された種子であって、野生型変種の種子と比較してクマロン誘導体系除草剤に対する抵抗性の増加のための純粋育種である種子に言及する。
別の実施形態において、本発明は、野生型変種の植物細胞と比較してクマロン誘導体系除草剤に対する抵抗性が増加したトランスジェニック植物細胞を作製する方法であって、野生型又はmut-HPPD核酸を含む発現カセットにより植物細胞を形質転換するステップを含む方法に言及する。
別の実施形態において、本発明は、(a)野生型又はmut-HPPD核酸を含む発現カセットを用いて植物細胞を形質転換するステップ、及び(b)植物細胞から、クマロン誘導体系除草剤に対する抵抗性が増加した植物を作製するステップを含む方法に言及する。
好ましくは、発現カセットは、植物において機能性である転写開始制御領域及び翻訳開始制御領域をさらに含む。
別の実施形態において、本発明は、選択可能なマーカーとして本発明のmut-HPPDを使用することに関する。本発明は、形質転換された植物細胞、植物組織、植物又はこれらの一部を同定又は選択するための方法であって、a)形質転換された植物細胞、植物組織、植物又はこれらの一部を提供するステップであって、前記形質転換された植物細胞、植物組織、植物又はこれらの一部が以下に記載の本発明のmut-HPPDポリペプチドをコードする単離された核酸を含み、このポリペプチドが選択マーカーとして使用され、前記形質転換された植物細胞、植物組織、植物又はこれらの一部が対象となる単離された核酸を場合によりさらに含み得るステップ、b)形質転換された植物細胞、植物組織、植物又はこれらの一部と、少なくとも一種のクマロン誘導体阻害化合物とを接触させるステップ、c)植物細胞、植物組織、植物又はこれらの一部が、阻害剤又は阻害化合物により影響を受けたかどうか決定するステップ、及びd)形質転換された植物細胞、植物組織、植物又はこれらの一部を同定又は選択するステップを含む方法を提供する。
本発明は、また、本明細書に記載の突然変異を含有する、精製されたmut-HPPDタンパク質において実施され、これらは除草剤耐性に対するさらなる改良を設計するための分子モデリング研究において有用である。タンパク質精製の方法は周知であり、市販の製品又は例えば、Protein Biotechnology、Walsh及びHeadon (Wiley、1994年)に説明されているような、特別に設計された方法を使用して容易に達成できる。
コナミドリムシ(Chlamydomonas reinhardtii)(Cr_HPPD1a、Cr_HPPD1b)ヒメツリガネゴケ(Physcomitrella patens)(Pp_HPPD1)、イネ(Oryza sativa)(Osj_HPPD1)、コムギ(Triticum aestivum)(Ta_HPPD1)、トウモロコシ(Zea mays)(Zm_HPD1)、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)(At_HDDP)、ダイズ(Glycine max)(Gm_HPPD)、ブドウ(Vitis vinifera)(Vv_HPPD)由来のHPPD酵素のアミノ酸配列アライメント及び保存領域の図である。*ゲノム・シーケンシング・プロジェクト(genome sequencing project)に由来する配列。Locus ID: GRMZM2G088396**NCBI GenPept受託番号CAG25475に基づくアミノ酸配列 コナミドリムシ(Chlamydomonas reinhardtii)(Cr_HPPD1a、Cr_HPPD1b)ヒメツリガネゴケ(Physcomitrella patens)(Pp_HPPD1)、イネ(Oryza sativa)(Osj_HPPD1)、コムギ(Triticum aestivum)(Ta_HPPD1)、トウモロコシ(Zea mays)(Zm_HPD1)、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)(At_HDDP)、ダイズ(Glycine max)(Gm_HPPD)、ブドウ(Vitis vinifera)(Vv_HPPD)由来のHPPD酵素のアミノ酸配列アライメント及び保存領域の図である。*ゲノム・シーケンシング・プロジェクト(genome sequencing project)に由来する配列。Locus ID: GRMZM2G088396**NCBI GenPept受託番号CAG25475に基づくアミノ酸配列 「クマロン誘導体系除草剤」に対して抵抗性のコナミドリムシ系統の選択の図である。(A)選択化剤を含まない固体培地にプレーティングされた突然変異誘発細胞の図である。(B)50μMの4-ヒドロキシ-3-[2-メチル-3-(5-メチル-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-3-イル)-4-メチルスルホニル-フェニル]ピラノ[3,2-b]ピリジン-2オンを含有する固体培地にプレーティングされた突然変異誘発細胞の図である。「クマロン誘導体系除草剤」に対して抵抗性である細胞はコロニー(丸で囲まれている)を形成できるが一方、感受性細胞は、成長できない。 HPPD/HST配列を用いた大豆の形質転換に使用される、植物形質転換ベクターのベクターマップを示す図である。 シロイヌナズナ(Arabidopsis)野生型HPPD(AtHPPD)を発現する、トランスジェニックT0大豆の挿し穂に対する、除草剤スプレー試験の図である。AV3639、AV3641及びAV3653は、個別の事象である。非形質転換の対照植物は、野生型として記した。星印を付けた「クマロン誘導体」は、*3-[2,4-ジクロロ-3-(3-メチル-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-5-イル)フェニル]-1-(2,2-ジフルオロエチル)-2,2-ジオキソ-ピリド[3,2-c]チアジン-4-オールに対応する。
配列表の作成
Figure 2013529074
本明細書において使用される冠詞「a」及び「an」は、冠詞の文法的目的語の一つ又は複数(すなわち、少なくとも一つ)を指す。例としては、「ある要素(an element)」は一つ又は複数の要素を意味する。
本明細書において使用する場合、「含む(comprising)」という単語又は「含む(comprises)」若しくは「含む(comprising)」などの変形は、述べられた要素、整数若しくはステップ、又は要素、整数若しくはステップの群を組み入れるが、任意の他の要素、整数若しくはステップ、又は要素、整数若しくはステップの群の除外を意味するものではないことは理解されるであろう。
本発明は、植物栽培地域における望ましくない植生を防除する方法であって、
c)前記地域において、
(i)「クマロン誘導体系除草剤」に対して抵抗性若しくは耐性である、野生型ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)若しくは突然変異ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(mut-HPPD)をコードするヌクレオチド配列、及び/又は
(ii)「クマロン誘導体系除草剤」に対して抵抗性若しくは耐性である、野生型ホモゲンチジン酸ソラネシルトランスフェラーゼ(HST)若しくは突然変異ホモゲンチジン酸ソラネシルトランスフェラーゼ(mut-HST)をコードするヌクレオチド配列
を含む少なくとも一種の核酸を含む植物を提供するステップ、
d)前記地域に、有効量の前記除草剤を適用するステップ
を含む方法に言及する。
「望ましくない植生の防除」という用語は、雑草の死滅及び/又は、さもなければ雑草の正常な成長の遅延若しくは阻害の意味として理解されるべきである。最も広い意味において、雑草は、その植物が望ましくない場所において成長する、すべての植物を意味すると理解される。本発明の雑草は、例えば、双子葉植物及び単子葉植物の雑草を含む。双子葉植物の雑草は、限定するものではないが、下記の属の雑草を含む:シロガラシ属(Sinapis)、マメグンバイナズナ属(Lepidium)、ヤエムグラ属(Galium)、ハコベ属(Stellaria)、シカギク属(Matricaria)、ローマカツミレ属(Anthemis)、コゴメギク属(Galinsoga)、アカザ属(Chenopodium)、イラクサ属(Urtica)、キオン属(Senecio)、ヒユ属(Amaranthus)、スベリヒユ属(Portulaca)、オモナミ属(Xanthium)、セイヨウヒルガオ属(Convolvulus)、サツマイモ属(Ipomoea)、タデ属(Polygonum)、ツノクサネム属(Sesbania)、ブタクサ属(Ambrosia)、アザミ属(Cirsium)、ヒレアザミ属(Carduus)、ノゲシ属(Sonchus)、ナズ属(Solanum)、イヌガラシ属(Rorippa)、キカシグサ属(Rotala)、アゼナ属(Lindernia)、オドリコソウ属(Lamium)、クワガタソウ属(Veronica)、イチビ属(Abutilon)、エメクス属(Emex)、チョウセンアサガオ属(Datura)、スミレ属(Viola)、チシマオドリコ属(Galeopsis)、ケシ属(Papaver)、ヤグルマギク属(Centaurea)、シャジクソウ属(Trifolium)、キンポウゲ属(Ranunculus)及びタンポポ属(Taraxacum)。単子葉植物の雑草は、限定するものではないが、下記の属の雑草を含む:ヒエ属(Echinochloa)、エノコログサ属(Setaria)、キビ属(Panicum)、メシヒバ属(Digitaria)、アワガエリ属(Phleum)、イチゴツナギ属(Poa)、ウシノケグサ属(Festuca)、オシヒバ属(Eleusine)、ビローソキビ属(Brachiaria)、ソクムギ属(Lolium)、スズメノチャヒキ属(Bromus)、カラスムギ属(Avena)、カヤツリグサ属(Cyperus)、モロコシ属(Sorghum)、カモジグサ属(Agropyron)、ギョウギシバ属(Cynodon)、ミズアオイ属(Monochoria)、テンツキ属(Fimbristyslis)、オモダカ属(Sagittaria)、ハリイ属(Eleocharis)、ホタルイ属(Scirpus)、スズメノヒエ属(Paspalum)、カモノハシ属(Ischaemum)、ナガボノウルシ属(Sphenoclea)、タツノツメガヤ属(Dactyloctenium)、コヌカグサ属(Agrostis)、スズメノテッポウ属(Alopecurus)及びアペラ属(Apera)。加えて、本発明の雑草は、例えば、望ましくない場所において成長する作物を含み得る。例えば、大豆植物の畑においてトウモロコシ植物が望ましくない場合、大豆植物を優勢に含む畑に存在する自生のトウモロコシ植物は、雑草と考えることができる。
「植物」という用語は、最も広い意味において、有機材料に属し、植物界のメンバーである真核生物を包含することが意図され、これらの例は、限定するものではないが、維管束植物、野菜、穀物、花、樹木、ハーブ、灌木、牧草、蔓植物、シダ、コケ、菌類及び藻など並びに分枝系、側枝、並びに無性繁殖に使用される植物の一部(例えば、挿し穂、パイピング(pipings)、シュート、根茎、地下茎、木立、樹冠、球根、鱗茎、塊茎、根茎、組織培養において作製された植物/組織など)を含む。「植物」という用語は、全植物、植物の祖先及び子孫並びに種子、シュート、茎、葉、根(塊茎を含む)、花、小花、果実、小花柄、花柄、雄ずい、葯、柱頭、花柱、子房、花弁、萼片、心皮、根端、根冠、根毛、葉毛、種子毛、花粉粒、小胞子、子葉、胚軸、上胚軸、木部、師部、柔組織、内胚乳、伴細胞、孔辺細胞を含む植物の一部並びに植物の任意の他の公知の器官、組織及び細胞並びに組織及び器官をさらに包含し、前述のそれぞれが対象となる遺伝子/核酸を含むものとして使用される。「植物」という用語はまた、植物細胞、懸濁培養液、カルス組織、胚、成長点領域、配偶体、胞子体、花粉及び小胞子を包含し、これらもまた前述のそれぞれが対象となる遺伝子/核酸を含む。
本発明の方法において特に有用な植物は、カエデ属の種(Acer spp.)、マタタビ属の種(Actinidia spp.)、トロロアオイ属の種(Abelmoschus spp.)、サイザルアサ(Agave sisalana)、カモジグサ属の種(Agropyron spp.)、ハイコヌカグサ(Agrostis stolonifera)、アリウム属の種(Allium spp.)、ヒユ属の種(Amaranthus spp.)、アンモフィラ・アレナリア(Ammophila arenaria)、パイナップル(Ananas comosus)バンレイシ属の種(Annona spp.)、セロリ(Apium graveolens)、ラッカセイ属の種(Arachis spp.)、パンノキ属の種(Artocarpus spp.)、アスパラガス(Asparagus officinalis)、カラスムギ属の種(Avena spp.)(例えば、エンバク(Avena sativa)、カラスムギ(Avena fatua)、レッドオート(Avena byzantina)、アベナ・ファツアvar.サチバ(Avena fatua var. sativa)、アベナ・ヒブリダ(Avena hybrida)、スターフルーツ(Averrhoa carambola)、ホウライチク属の種(Bambusa sp.)、トウガン(Benincasa hispida)、ブラジルナッツ(Bertholletia excelsea)、サトウダイコン(Beta vulgaris)、アブラナ属の種(Brassica spp.)(例えば、セイヨウアブラナ(Brassica napus)、カブ属の種(Brassica rapa ssp)[キャノーラ、アブラナ、ナバナ(turnip rape)]、カダバ・ファリノーサ(Cadaba farinosa)、チャノキ(Camellia sinensis)、カンナ・インディカ(Canna indica)、アサ(Cannabis sativa)、トウガラシ属の種(Capsicum spp.)、カレックス・エラータ(Carex elata)、パパイヤ(Carica papaya)、カリッサ・マクロカルパ(Carissa macrocarpa)、ペカン属の種(Carya spp.)、ベニバナ(Carthamus tinctorius)、クリ属の種(Castanea spp.)、パンヤノキ(Ceiba pentandra)、エンダイブ(Cichorium endivia)、ニッケイ属の種(Cinnamomum spp.)、スイカ(Citrullus lanatus)、シトラス属の種(Citrus spp.)、ココス属の種(Cocos spp.)、コーヒーノキ属の種(Coffea spp.)、サトイモ(Colocasia esculenta)、コラノキ属の種(Cola spp.)、シナノキツナソ属の種(Corchorus sp.)、コリアンダー(Coriandrum sativum)、ハシバミ属の種(Corylus spp.)、サンザシ属の種(Crataegus spp.)、サフラン(Crocus sativus)、カボチャ属の種(Cucurbita spp.)、キュウリ属の種(Cucumis spp.)、チョウセンアザミ属の種(Cynara spp.)、ニンジン(Daucus carota)、ヌスビトハギ属の種(Desmodium spp.)、リュウガン(Dimocarpus longan)、ヤマノイモ属の種(Dioscorea spp.)、カキノキ属の種(Diospyros spp.)、ヒエ属の種(Echinochloa spp.)、アブラヤシ属(Elaeis)(例えば、ギニアアブラヤシ(Elaeis guineensis)、アメリカアブラヤシ(Elaeis oleifera))、エレウシン・コラカナ(Eleusine coracana)、エラグロスティス・テフ(Eragrostis tef)、エリアンサス属の種(Erianthus sp.)、ビワ(Eriobotrya japonica)、ユーカリ属の種(Eucalyptus sp.)、ビタンガ(Eugenia uniflora)、ソバ属の種(Fagopyrum spp.)、ブナ属の種(Fagus spp.)、オニウシノケグサ(Festuca arundinacea)、イチジク(Ficus carica)、キンカン属の種(Fortunella spp.)、フラガリア属の種(Fragaria spp.)、ギンコ・ビローバ(Ginkgo biloba)、グリシン属の種(Glycine spp.)(例えば、ダイズ、ソヤ・ヒスピダ又はソヤ・マックス)、ワタ(Gossypium hirsutum)、ヒマワリ属の種(Helianthus spp.)(例えば、ヒマワリ(Helianthus annuus)、ノカンゾウ(Hemerocallis fulva)、ハイビスカス属の種(Hibiscus spp.)、オオムギ属の種(Hordeum spp.)(例えば、オオムギ(Hordeum vulgare)、サツマイモ(Ipomoea batatas)、クルミ属の種(Juglans spp.)、レタス(Lactuca sativa)、ラチルス属の種(Lathyrus spp.)、レンズマメ(Lens culinaris)、アマ(Linum usitatissimum)、レイシ(Litchi chinensis)、ハス属の種(Lotus spp.)、トカドヘチマ(Luffa acutangula)、ルピナス属の種(Lupinus spp.)、ルズラ・シルバチカ(Luzula sylvatica)、トマト属の種(Lycopersicon spp.)(例えば、リコペルシコン・エスクレンタム(Lycopersicon esculentum)、リコペルシコン・リコペルシカム(Lycopersicon lycopersicum)、リコペルシコン・ピリフォルメ(Lycopersicon pyriforme)、マクロチローマ属の種(Macrotyloma spp.)、リンゴ属の種(Malus spp.)、アセロラ(Malpighia emarginata)、マミーアップル(Mammea americana)、マンゴー(Mangifera indica)、キャッサバ属の種(Manihot spp.)サポジラ(Manilkara zapota)、ムラサキウマゴヤシ(Medicago sativa)、シナガワハギ属の種(Melilotus spp.)、ハッカ属の種(Mentha spp.)、ススキ(Miscanthus sinensis)、ツルレイシ属の種(Momordicaspp.)、クロミグワ(Morus nigra)、バショウ種(Musa spp.)、タバコ種(Nicotiana spp.)、オリーブ属種(Olea spp.)、オプンティア属の種(Opuntia spp.)、オルニトプス属の種(Ornithopus spp.)、オリザ属の種(Oryza spp.)(例えば、イネ、オリザ・ラティフォリア(Oryza latifolia))、キビ(Panicum miliaceum)、スイッチグラス(Panicum virgatum)、パッションフルーツ(Passiflora edudis)、バースニップ(Pastinaca sativa)、チカラシバ属の種(Pennisetum sp.)、ワニナシ属の種(Persea spp.)、イタリアンパセリ(Petroselinum crispum)、クサヨシ(Phalaris arundinacea)、インゲンマメ属の種(Phaseolus spp.)、オオアワガエリ(Phleum pratense)、ナツメヤシ属の種(Phoenix spp.)、ヨシ(Phragmites australis)、ホオズキ属の種(Physalis spp.)、マツ属の種(Pinus spp.)、ピスタチオ(Pistacia vera)、エンドウ属の種(Pisum spp.)、イチゴツナギ属の種(Poa spp.)、ハコヤナギ属の種(Populus spp.)、プロソピス属の種(Prosopis spp.)、サクラ属の種(Prunus spp.)、パンジロウ属の種(Psidium spp.)、ザクロ(Punica granatum)、セイヨウナシ(Pyrus communis)、コナラ属の種(Quercus spp.)、ラディッシュ(Raphanus sativus)、ショクヨウダイオウ(Rheum rhabarbarum)、スグリ属の種(Ribes spp.)、トウゴマ(Ricinus communis)、キイチゴ属の種(Rubus spp.)、サトウキビ属の種(Saccharum spp.)、ヤナギ属の種(Salix sp.)、ニワトコ属の種(Sambucus spp.)、ライムギ(Secale cereale)、ゴマ属の種(Sesamum spp.)、シナピス属の種(Sinapis sp.)、ナス属の種(Solanum spp.)(例えば、ジャガイモ(Solanum tuberosum)、ヒラナス(Solanum integrifolium)又はトマト(Solanum lycopersicum))、モロコシ(Sorghum bicolor)、ホウレンソウ属の種(Spinacia spp.)、シジジウム属の種(Syzygium spp.)、マンジュギク属の種(Tagetes spp.)、タマリンディス・インディカ(Tamarindus indica)、テオブロマ・カカオ(Theobroma cacao)、トリフォリウム属の種(Trifolium spp.)、トリプサカム・ダクチロイデス(Tripsacum dactyloides)、トリチコセケル・リンパウイ(Triticosecale rimpaui)、コムギ属の種(Triticum spp.)(例えば、コムギ、デュラムコムギ(Triticum durum)、リベットコムギ(Triticum turgidum)、トリチカム・ヒベルナム(Triticum hybernum)、トリチカム・マチャ(Triticum macha)、トリチカム・サチバム(Triticum sativum)、マカロニコムギ(Triticum monococcum)又はトリチカム・バルガレ(Triticum vulgare))、トロパエオルム・ミヌス(Tropaeolum minus)、トロパエオルム・マジャス(Tropaeolum majus)、スノキ属の種(Vaccinium spp.)、ソラマメ属の種(Vicia spp.)、ササゲ属の種(Vigna spp.)、ニオイスミレ(Viola odorata)、ブドウ属の種(Vitis spp.)、トウモロコシ、ワイルドライス(Zizania palustris)、ナツメ属の種(Zizphus spp.)、アマランス、アーティチョーク、アスパラガス、ブロッコリ、芽キャベツ、キャベツ、キャノーラ、ニンジン、カリフラワー、セロリ、コラードグリーン、アマ、ケール、レンズマメ、アブラナ、オクラ、タマネギ、ジャガイモ、イネ、大豆、イチゴ、テンサイ、サトウキビ、ヒマワリ、トマト、カボチャ、茶及び藻などを含むリストから選択される、上科の緑色植物亜界に属するすべての植物、特に、飼葉若しくはマメ科牧草を含む単子葉植物及び双子葉植物、観賞植物、食用作物、樹木若しくは低木を含む。本発明の好ましい実施形態に従って、植物は作物である。作物の例は、特に、大豆、ヒマワリ、キャノーラ、アルファルファ、ナタネ、ワタ、トマト、ジャガイモ又はタバコを含む。さらに好ましくは、植物は、サトウキビなどの単子葉植物である。さらに好ましくは、植物は、イネ、トウモロコシ、小麦、大麦、雑穀、ライ麦、モロコシ又はオート麦などの穀類である。
好ましい実施形態において、植物は、これ以下により詳細に記載のように、野生型若しくはmut-HPPD及び/又は野生型若しくはmut-HSTの導入遺伝子を導入又は過剰発現させることにより植物を組換えによって調製するステップを含む方法によってあらかじめ作製されている。
別の好ましい実施形態において、植物は、in situで植物細胞を突然変異誘発させ、mut-HPPD及び/又はmut-HSTを発現する植物細胞を得るステップを含む方法によってあらかじめ作製されている。
本明細書に開示するように、本発明の核酸は、それらのゲノム中に除草剤-耐性の野生型若しくはmut-HPPD及び/又は野生型若しくはmut-HSTのタンパク質をコードする遺伝子を含む植物の、除草剤耐性の強化への使用が見出される。これ以下に記載のように、このような遺伝子は、内因性遺伝子であっても、又は導入遺伝子であってもよい。さらに、特定の実施形態において本発明の核酸は、所望の表現型を有する植物を創造するために、対象となるポリヌクレオチド配列の任意の組み合わせで積み重ねられてもよい。例えば、本発明の核酸は、殺有害生物性及び/又は殺虫性の活性を有するポリペプチド、例えば、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)毒タンパク質などをコードする任意の他のポリヌクレオチドを積み重ねてもよい(米国特許第5,366,892号、第5,747,450号、第5,737,514号、第5,723,756号、第5,593,881号及びGeiserら(1986年) Gene 48: 109に記載)。作製された組み合わせは、対象となるポリヌクレオチドの任意の一つの複数のコピーをさらに含んでいてよい。
特に好ましい実施形態において、植物は、(iii)例えば5-エノールピルビルシキミ酸-3-リン酸合成酵素(EPSPS)、グリホセートアセチルトランスフェラーゼ(GAT)、チトクロームP450、ホスフィノトリシン(phosphinothricin)アセチルトランスフェラーゼ(PAT)、アセトヒドロキシ酸合成酵素(AHAS;EC4.1.3.18、アセト乳酸合成酵素若しくはALSとしても公知)、プロトポルフィノーゲンオキシダーゼ(PPGO)、フィトエンデサチュラーゼ(PD)及びWO 02/068607に開示のジカンバ(dicamba)分解酵素からなる群から選択される除草剤耐性酵素をコードするヌクレオチド配列を含む少なくとも一種の追加の異種核酸を含む。
概して、「除草剤」という用語は、死滅、防除又はさもなければ植物の成長を不利に修正する有効成分を意味するために本明細書において使用される。除草剤の好ましい量又は濃度は、「有効量」又は「有効濃度」である。「有効量」及び「有効濃度」は、それぞれ同様の野生型、植物、植物組織、植物細胞又は宿主細胞の成長を死滅又は阻害するために十分であるが、前記量が本発明の除草剤抵抗性の植物、植物組織、植物細胞及び宿主細胞の成長を死滅又は激しく阻害しない量及び濃度を意図する。通常、有効量の除草剤は、対象となる雑草を死滅させるために農業生産系において日常的に使用される量である。このような量は、当業者には公知である。成長の任意の段階又は植え付け若しくは出芽前に植物又は植物遺伝子座に直接用いた場合、除草剤の活性は、本発明のクマロン誘導体系除草剤により示される。観察される効果は、防除される植物種、植物の成長段階、希釈及びスプレー液滴サイズの適用パラメーター、固体成分の粒径、使用時の環境条件、用いる具体的な化合物、用いる具体的なアジュバント及び担体、土壌の型など、並びに用いる化学物質に依存する。これら及び他の因子は、当分野において公知のように調整可能であり、非選択性又は選択性除草剤の作用を促進する。概して、クマロン誘導体系除草剤を出芽後に、比較的未熟な望ましくない植生に適用し、雑草の最大防除を達成することが好ましい。
「除草剤耐性」又は「除草剤抵抗性」の植物は、正常な又は野生型の植物の成長を正常に死滅又は阻害すると思われるレベルで、少なくとも一種の除草剤に耐性又は抵抗性である植物を意図する。HPPD活性に干渉されることが公知である少なくとも一種の除草剤の存在下、及び野生型mut-HPPDタンパク質のHPPD活性を阻害することが公知である除草剤の濃度又はレベルの場合、「除草剤耐性mut-HPPDタンパク質」又は「除草剤抵抗性mut-HPPDタンパク質」は、このようなmut-HPPDタンパク質が、野生型mut-HPPDタンパク質のHPPD活性と比較して、より高いHPPD活性を示すことを意図する。さらに、このような除草剤耐性又は除草剤抵抗性のmut-HPPDタンパク質のHPPD活性は、本明細書において「除草剤耐性」又は「除草剤抵抗性」のHPPD活性と称することができる。
本発明の「クマロン誘導体系除草剤」は、下記の表2に表した化合物を包含する。
Figure 2013529074
Figure 2013529074
上に参照した出願、特に表2の化合物に関する開示及びそれらの潜在的置換基は、全体が参照により組み込まれる。
本発明の特に好ましい実施形態は、式:
Figure 2013529074
を有する、上記の表2の13番のクマロン誘導体系除草剤に言及し、
式中、可変部は下記の意味を有する:
Rは、O-RA、S(O)n-RA又はO-S(O)n-RAであり、
RAは、水素、C1-C4-アルキル、Z-C3-C6-シクロアルキル、C1-C4-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル、Z-C3-C6-シクロアルケニル、C2-C6-アルキニル、Z-(トリC1-C4-アルキル)シリル、Z-C(=O)-Ra、Z-NRi-C(O)-NRiRii、Z-P(=O)(Ra)2、NRiRii、三から七員の単環式又は九若しくは十員の二環式の飽和、不飽和若しくは芳香族の、O、N及びSからなる群から選択される一個、二個、三個若しくは四個のヘテロ原子を含有する複素環であり、これらはRa基及び/又はRb基により部分的に若しくは完全に置換されていてもよく、
Raは、水素、OH、C1-C8-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、Z-C3-C6-シクロアルキル、C2-C8-アルケニル、Z-C5-C6-シクロアルケニル、C2-C8-アルキニル、Z-C1-C6-アルコキシ、Z-C1-C4-ハロアルコキシ、Z-C3-C8-アルケニルオキシ、Z-C3-C8-アルキニルオキシ、NRiRii、C1-C6-アルキルスルホニル、Z-(トリ-C1-C4-アルキル)シリル、Z-フェニル、Z-フェノキシ、Z-フェニルアミノ又は五若しくは六員の単環式又は九若しくは十員の二環式の、O、N及びSからなる群から選択される一個、二個、三個若しくは四個のヘテロ原子を含有する複素環であり、環状基は、非置換であっても、又は一個、二個、三個若しくは四個のRb基により置換されてもよく、
Ri、Riiは、互いに独立して、水素、C1-C8-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C3-C8-アルケニル、C3-C8-アルキニル、Z-C3-C6-シクロアルキル、Z-C1-C8-アルコキシ、Z-C1-C8-ハロアルコキシ、Z-C(=O)-Ra、Z-フェニル、三から七員の単環式又は九若しくは十員の二環式の、飽和、不飽和若しくは芳香族の、O、N及びSからなる群から選択される一個、二個、三個若しくは四個のヘテロ原子を含有する複素環であり、Zを介して結合しており、
Ri及びRiiはまた、それらが結合している窒素原子と一緒に、五若しくは六員の単環式又は九若しくは十員環の二環式の、O、N及びSからなる群から選択される一個、二個、三個若しくは四個のヘテロ原子を含有する複素環を形成でき、
Rbは、互いに独立して、Z-CN、Z-OH、Z-NO2、Z-ハロゲン、オキソ(=O)、=N-Ra、C1-C8-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C2-C8-アルケニル、C2-C8-アルキニル、Z-C1-C8-アルコキシ、Z-C1-C8-ハロアルコキシ、Z-C3-C10-シクロアルキル、O-Z-C3-C10-シクロアルキル、Z-C(=O)-Ra、NRiRii、Z-(トリ-C1-C4-アルキル)シリル、Z-フェニル及びS(O)nRbbであり、二つの基Rbは一緒に、三から六の環員を有する環を形成でき、炭素原子に加えて、O、N及びSからなる群からヘテロ原子もまた含有でき、非置換であっても、又はさらなるRb基により置換されていてもよく、
Rbbは、C1-C8-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C2-C6-ハロアルケニル、C2-C6-ハロアルキニル又はC1-C6-ハロアルキルであり、
Zは、共有結合又はC1-C4-アルキレンであり、
nは、0、1又は2であり、
R1は、シアノ、ハロゲン、ニトロ、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-ハロアルキル、Z-C1-C6-アルコキシ、Z-C1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルコキシ、Z-C1-C4-アルキルチオ、Z-C1-C4-アルキルチオ-C1-C4-アルキルチオ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ-C1-C4-アルコキシ、S(O)nRbb、Z-フェノキシ、Z-ヘテロシクリルオキシであり、ヘテロシクリルは、五若しくは六員の単環式又は九若しくは十員の二環式の、飽和、部分不飽和若しくは芳香族の、O、N及びSからなる群から選択される一個、二個、三個若しくは四個のヘテロ原子を含有する複素環であり、環状基は、非置換であっても、又はRbにより、部分的若しくは完全に置換されてもよく、
Aは、N又はC-R2であり、
R2,R3,R4,R5は互いに独立して、水素、Z-ハロゲン、Z-CN、Z-OH、Z-NO2、C1-C8-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C2-C8-アルケニル、C2-C8-アルキニル、C2-C8-ハロアルケニル、C2-C8-ハロアルキニル、Z-C1-C8-アルコキシ、Z-C1-C8-ハロアルコキシ、Z-C1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルコキシ、Z-C1-C4-アルキルチオ、Z-C1-C4-アルキルチオ-C1-C4-アルキルチオ、Z-C1-C6-ハロアルキルチオ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ-C1-C4-アルコキシ、Z-C3-C10-シクロアルキル、O-Z-C3-C10-シクロアルキル、Z-C(=O)-Ra、NRiRii、Z-(トリ-C1-C4-アルキル)シリル、S(O)nRbb、Z-フェニル、Z1-フェニル、Z-ヘテロシクリル、Z1-ヘテロシクリルであり、ヘテロシクリルは、五若しくは六員の単環式又は九若しくは十員の二環式の飽和、部分的不飽和若しくは芳香族の、O、N及びSからなる群から選択される一個、二個、三個若しくは四個のヘテロ原子を含有する複素環であり、環状基は、非置換であっても、若しくはRbにより部分的又は完全に置換されてもよく、
R2は、隣接する炭素原子と結合した基と一緒に五から十員の飽和、部分的若しくは完全に不飽和の単環式若しくは二環式の、炭素原子に加えてO、N及びSからなる群から選択される一個、二個、若しくは三個のヘテロ原子を含有する複素環を形成することができ、さらなるRb基により置換されてもよく、
Z1は、共有結合、C1-C4-アルキレンオキシ、C1-C4-オキシアルキレン又はC1-C4-アルキレンオキシ-C1-C4-アルキレンであり、
R6は、水素、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-アルキルチオ、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C4-ハロアルキルチオであり、
R7、R8は、互いに独立して、水素、ハロゲン又はC1-C4-アルキルであり、
Rxは、C1-C6-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C2-アルコキシ-C1-C2-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-ハロアルケニル、C3-C6-アルキニル、C3-C6-ハロアルキニル又はZ-フェニルであり、非置換であっても、又は一から五個のRb基により置換されてもよく、
式中、RA並びにR1、R2、R3、R4及びR5の各基並びにそれらの置換基、炭素鎖及び/又は環状基は、Rb基により部分的又は完全に置換されてもよく、
又はN-オキシド若しくは農業的に適切なそれらの塩であってもよい。
本発明のさらに好ましい実施形態は式:
Figure 2013529074
を有する、上記の表2の1及び2番のクマロン誘導体系除草剤に言及し、
式中、可変部はWO2010/049270及びWO2010/049269に開示されたとおりである。
さらに好ましい実施形態において、本発明にとって有用なクマリン誘導体除草剤は下記の式を有する(表2、8番)
Figure 2013529074
式中、可変部は下記の意味を有する:
Rは、O-RA、S(O)n-RA又はO-S(O)n-RAであり、
RAは、水素、C1-C4-アルキル、Z-C3-C6-シクロアルキル、C1-C4-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル、Z-C3-C6-シクロアルケニル、C2-C6-アルキニル、Z-(トリ-C1-C4-アルキル)シリル、Z-C(=O)-Ra、Z-NRi-C(O)-NRiRii、Z-P(=O)(Ra)2、NRiRii、三から七員の単環式又は九若しくは十員の二環式の飽和、不飽和若しくは芳香族の、O、N及びSからなる群から選択される一個、二個、三個若しくは四個のヘテロ原子を含有する複素環であり、Ra基及び/又はRb基により部分的に若しくは完全に置換されていてもよく、
Raは、水素、OH、C1-C8-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、Z-C3-C6-シクロアルキル、C2-C8-アルケニル、Z-C5-C6-シクロアルケニル、C2-C8-アルキニル、Z-C1-C6-アルコキシ、Z-C1-C4-ハロアルコキシ、Z-C3-C8-アルケニルオキシ、Z-C3-C8-アルキニルオキシ、NRiRii、C1-C6-アルキルスルホニル、Z-(トリ-C1-C4-アルキル)シリル、Z-フェニル、Z-フェノキシ、Z-フェニルアミノ又は五若しくは六員の単環式又は九若しくは十員の二環式の、O、N及びSからなる群から選択される一個、二個、三個若しくは四個のヘテロ原子を含有する複素環であり、環状基は、非置換であっても、又は一個、二個、三個若しくは四個のRb基により置換されてもよく、
Ri、Riiは互いに独立して、水素、C1-C8-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C3-C8-アルケニル、C3-C8-アルキニル、Z-C3-C6-シクロアルキル、Z-C1-C8-アルコキシ、Z-C1-C8-ハロアルコキシ、Z-C(=O)-Ra、Z-フェニル、三から七員の単環式又は九若しくは十員の二環式の、飽和、不飽和若しくは芳香族の、O、N及びSからなる群から選択される一個、二個、三個若しくは四個のヘテロ原子を含有する複素環であり、Zを介して結合しており、
Ri及びRiiはまた、それらが結合している窒素原子と一緒に、五若しくは六員の単環式又は九若しくは十員環の二環式の、O、N及びSからなる群から選択される一個、二個、三個若しくは四個のヘテロ原子を含有する複素環を形成でき、
Zは、共有結合又はC1-C4-アルキレンであり、
nは、0、1又は2であり、
R1は、シアノ、ハロゲン、ニトロ、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-ハロアルキル、Z-C1-C6-アルコキシ、Z-C1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルコキシ、Z-C1-C4-アルキルチオ、Z-C1-C4-アルキルチオ-C1-C4-アルキルチオ、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ-C1-C4-アルコキシ、S(O)nRbb、Z-フェノキシ、Z-ヘテロシクリルオキシであり、ヘテロシクリルは、五若しくは六員の単環式又は九若しくは十員の二環式の、飽和、部分不飽和若しくは芳香族の、O、N及びSからなる群から選択される一個、二個、三個若しくは四個のヘテロ原子を含有する複素環であり、環状基は、非置換であっても、又はRbにより、部分的若しくは完全に置換されてもよく、
Rbbは、C1-C8-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C2-C6-ハロアルケニル、C2-C6-ハロアルキニル又はC1-C6-ハロアルキルであり、nは、0、1又は2であり、
AはN又はC-R2であり、
R2は、Z1-フェニル、フェノキシ又はZ1-ヘテロシクリルであり、ヘテロシクリルは、五若しくは六員の単環式又は九若しくは十員の二環式の、飽和、部分不飽和若しくは芳香族の、O、N及びSからなる群から選択される一個、二個、三個若しくは四個のヘテロ原子を含有する複素環であり、環状基は、非置換であっても、又はRbにより、部分的若しくは完全に置換されてもよく、C1-C8-アルキル、C2-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルキル、C1-C4-アルキルチオ-C1-C4-アルキル、C2-C8-アルケニル、C2-C8-アルキニル、C2-C8-ハロアルケニル、C2-C8-ハロアルキニル、C2-C6-アルコキシ、Z-C1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルコキシ、Z-C1-C4-ハロアルコキシ-C1-C4-アルコキシ、C2-C6-ハロアルコキシ、C3-C6-アルケニルオキシ、C3-C6-アルキニルオキシ、C2-C6-アルキルチオ、C2-C6-ハロアルキルチオ、Z-C(=O)-Ra、S(O)1-2Rbbであり、
Z1は、共有結合、C1-C4-アルキレンオキシ、C1-C4-オキシアルキレン又はC1-C4-アルキレンオキシ-C1-C4-アルキレンであり、
Rbは、互いに独立して、Z-CN、Z-OH、Z-NO2、Z-ハロゲン、オキソ(=O)、=N-Ra、C1-C8-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C2-C8-アルケニル、C2-C8-アルキニル、Z-C1-C8-アルコキシ、Z-C1-C8-ハロアルコキシ、Z-C3-C10-シクロアルキル、O-Z-C3-C10-シクロアルキル、Z-C(=O)-Ra、NRiRii、Z-(トリ、-C1-C4-アルキル)シリル、Z-フェニル及びS(O)nRbbであり、二つの基Rbは一緒に、三から六の環員を有する環を形成でき、炭素原子に加えて、O、N及びSからなる群からヘテロ原子もまた含有でき、非置換であっても、又はさらなるRb基により置換されていてもよく、
R2は、隣接する炭素原子と結合した基と一緒に、五から十員の飽和、部分的若しくは完全に不飽和の、炭素原子に加えてO、N及びSからなる群から選択される一個、二個、若しくは三個のヘテロ原子を含有する単環若しくは二環を形成することができ、さらなるRb基により置換されてもよく、
R3は、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル、C2-C4-アルケニルオキシ、C2-C4-アルキニルオキシ、S(O)nRbbであり、
R4は、水素、ハロゲン又はC1-C4-ハロアルキルであり、
R5は、水素、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-アルキルチオ、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C4-ハロアルキルチオであり、
R6,R7は、互いに独立して水素、ハロゲン又はC1-C4-アルキルであり、
Yは、O又はSであり、
Xは、O、S又はN-Rxであり、
Rxは、水素、C1-C6-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル、C3-C6-アルキニル、Z-C3-C10-シクロアルキル、C1-C6-アルコキシ-C1-C6-アルキル、C1-C6-シアノアルキル、Z-フェニル、Z-C(=O)-Ra2又はトリC1-C4-アルキルシリルであり、
Ra2は、C1-C6-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、Z-C1-C6-アルコキシ、Z-C1-C4-ハロアルコキシ又はNRiRiiであり、
式中、RA基並びにそれらの置換基、炭素鎖及び/又は環状基は、Rb基により部分的又は完全に置換されてもよく、
又はN-オキシド若しくは農業的に適切なそれらの塩であってもよい。
本発明のクマロン誘導体は、より広範囲の望ましくない植生の防除を得るために、一種又は複数種の他のHPPD及び/又はHST標的化除草剤と併せて適用することが多くの場合最も良い。他のHPPD及び/又はHST標的化除草剤と併せて使用する場合、現在特許請求されている化合物は、他の除草剤又は除草剤(複数種)と一緒に製剤化でき、他の除草剤又は除草剤(複数種)と一緒にタンクで混合でき又は他の除草剤又は除草剤(複数種)と一緒に連続して適用できる。
本発明のクマロン誘導体と併せて有用である除草剤の一部は、ベンソビシクロン(benzobicyclon)、メソトリオン(mesotrione)、サルコトリオン、テフリルトリオン(tefuryltrione)、テンボトリオン(tembotrione)、4-ヒドロキシ-3-[[2-(2-メトキシエトキシ)メチル]-6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジニル]カルボニル]-ビシクロ[3.2.1]-オクト-3-エン-2-オン(ビシクロピロン)、ケトスピラドックス(ketospiradox)又はこれらの遊離酸、ベンゾフェナップ(benzofenap)、ピラスルホトール(pyrasulfotole)、ピラゾリネート、ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen)、トプラメゾン、[2-クロロ3-(2-メトキシエトキシ)-4-(メチルスルホニル)フェニル](l-エチル-5-ヒドロキシ-1H-ピラゾール-4-イル)-メタノン、(2,3-ジヒドロ-3,3,4-トリメチル-1,1-ジオキシドベンゾ[b]チエン-5-イル)(5-ヒドロキシ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-メタノン、イソキサクロルトール(isoxachlortole)、イソキサフルトール、α-(シクロプロピルカルボニル)-2-(メチルスルホニル)-β-オキソ-4-クロロ-ベンゼンプロパンニトリル及びα-(シクロプロピルカルボニル)-2-(メチルスルホニル)-β-オキソ-4-(トリフルオロメチル)-ベンゼンプロパンニトリルを含む。
好ましい実施形態において、追加の除草剤はトプラメゾンを含む。
特に好ましい実施形態において、追加の除草剤は、
(1-エチル-5-プロパ-2イニルオキシ-1H-ピラゾール-4-イル)-[4-メタンスルホニル-2-メチル-3-(3-メチル-4,5-ジヒドロ-イソオキサゾール-5-イル)-フェニル]-メタノン
Figure 2013529074
又は
(1-エチル-5-ヒドロキシ-1H-ピラゾール-4-イル)-[4-メタンスルホニル-2-メチル-3-(3-メチル-4,5-ジヒドロ-イソオキサゾール-5-イル)-フェニル]-メタノン
Figure 2013529074
である。
上記の化合物は、EP09177628.6により詳細の記載されており、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の除草剤化合物は、さらに、作物が天然に耐性である追加の除草剤又は上述の一種又は複数種の追加の導入遺伝子の発現を介して抵抗性である追加の除草剤と併せて使用できる。本発明の化合物を併せて用いることができる除草剤の一部は、メトスラム(metosulam)、フルメツラム(flumetsulam)、クロランスラム-メチル(cloransulam-methyl)、ジクロスラム(diclosulam)、ペンキススラム(penoxsulam)及びフロラスラム(florasulam)などのスルホンアミド類、クロリムロン(chlorimuron)、トリベヌロン(tribenuron)、スルホメチュロン(sulfometuron)、ニコスルフロン(nicosulfuron)、クロルスルフロン(chlorsulfuron)、アミドスルフロン(amidosulfuron)、トリアスルフロン(triasulfuron)、プロスルフロン(prosulfuron)、トリトスルフロン(tritosulfuron)、チフェンスルフロン(thifensulfuron)、スルホスルフロン(sulfosulfuron)及びメトスルフロン(metsulfuron)などのスルホニルウレア類、イマザキン(imazaquin)、イマザピック(imazapic)、イマゼタピル(ima-zethapyr)、イマザピル(imzapyr)、イマザメタベンズ(imazamethabenz)及びイマザモックス(imazamox)などのイミダゾリノン類、2,4-D、MCPA、ジクロルプロップ(dichlorprop)及びメコプロップ(mecoprop)などのフェノキシアルカン酸類、トリクロピル(triclopyr)及びフルロキシピル(fluroxypyr)などのピリジニルオキシ酢酸類、クロピラリド(clopyralid)、ピクロラム(picloram)、アミノピラリド(aminopyralid)及びジカンバなどのカルボン酸類、トリフルラリン(trifluralin)、ベネフィン(benefin)、ベンフルラリン(benfluralin)及びペンジメタリン(pendimethalin)などのジニトロアニリン類、アラクロール(alachlor)、アセトクロル(acetochlor)及びメトラクロル(metolachlor)などのクロロアセトアニリド類、クロルフルレノール(chlorflurenol)及びジフルフェンゾピル(diflufenzopyr)などのセミカルバゾン類(オーキシン輸送阻害剤類)、フレアジホップ(fluazifop)、ハロキシホップ(haloxyfop)、ジクロホップ(diclofop)、クロジナホップ(clodinafop)及びフェノキサプロップ(fenoxaprop)などのアリールオキシフェノキシプロピオネート類並びにグリホセート、グルホシネート(glufosinate)、アシフルオルフェン(acifluorfen)、ベンタゾン(bentazon)、クロマゾン(clomazone)、フミコロラック(fumiclorac)、フルオメチュロン(fluometuron)、ホメサフェン(fomesafen)、ラクトフェン(lactofen)、リニュロン(linuron)、イソプロチュロン(isoproturon)、シマジン(simazine)、ノルフルラゾン(norflurazon)、パラコート(paraquat)、ジウロン(diuron)、ジフルフェニカン(diflufenican)、ピコリナフェン(picolinafen)、シニドン(cinidon)、セトキシジム(sethoxydim)、トラルコキシジム(tralkoxydim)、キンメラック(quinmerac)、イソキサベン(isoxaben)、ブロモキシニル、メトリブジン(metribuzin)及びメソトリオンを含む他の一般的除草剤を含む。
本発明のクマロン誘導体系除草剤はさらに、グリホセート及びグルホシネートと併せて、グリホセート耐性又はグルホシネート耐性の作物に使用できる。
上の開示にすでに含まれるものを除き、本発明のクマロン誘導体系除草剤はさらに、下記の化合物を併せて使用できる:
(a)脂質生合成阻害剤の群から:
アロキシジム(Alloxydim)、アロキシジム-ナトリウム(Alloxydim-natrium)、ブトキシジム(Butroxydim)、クレトジム(Clethodim)、クロジナホップ、クロジナホップ-プロパルギル(Clodinafop-propargyl)、シクロキシジム(Cycloxydim)、シハロホップ(Cyhalofop)、シハロホップ-ブチル(Cyhalofop-butyl)、ジクロホップ、ジクロホップ-メチル(Diclofop-methyl)、フェノキサプロップ、フェノキサプロップ-エチル(Fenoxaprop-ethyl)、フェノキサプロップ-P(Fenoxaprop-P)、フェノキサプロップ-P-エチル(Fenoxaprop-P-ethyl)、フレアジホップ、フレアジホップ-ブチル(Fluazifop-butyl)、フレアジホップ-P(Fluazifop-P)、フレアジホップ-P-ブチル(Fluazifop-P-butyl)、ハロキシホップ、ハロキシホップ-メチル(Haloxyfop-methyl)、ハロキシホップ-P(Haloxyfop-P)、ハロキシホップ-P-メチル(Haloxyfop-P-methyl)、メタミホップ(Metamifop)、ピノキサデン(Pinoxaden)、プロホキシジム(Profoxydim)、プロパキザホップ(Propaquizafop)、キザロホップ(Quizalofop)、キザロホップ-エチル(Quizalofop-ethyl)、キザロホップ-テフリル(Quizalofop-tefuryl)、キザロホップ-P(Quizalofop-P)、キザロホップ-P-エチル(Quizalofop-P-ethyl)、キザロホップ-P-テフリル(Quizalofop-P-tefuryl)、セトキシジム、テプラロキシジム(Tepraloxydim)、トラルコキシジム、ベンフレセート(Benfuresat)、ブチラート(Butylat)、シクロエート(Cycloat)、ダラポン(Dalapon)、ジメピレート(Dimepiperat)、EPTC、エスプロカルブ(Esprocarb)、エトフメセート(Ethofumesat)、フルプロパネート(Flupropanat)、モリネート(Molinat)、オルベンカルブ(Orbencarb)、ペブレート(Pebulat)、プロスルホカルブ(Prosulfocarb)、TCA、チオベンカルブ(Thiobencarb)、チオカルバジル(Tiocarbazil)、トリアレート(Triallat)及びベルノレート(Vernolat)、
(b)ALS-阻害剤の群から:
アミドスルフロン、アジムスルフロン(Azimsulfuron)、ベンスルフロン(Bensulfuron)、ベンスルフロン-メチル(Bensulfuron-methyl)、ビスピリバック(Bispyribac)、ビスピリバック-ナトリウム(Bispyribac-natrium)、クロリムロン、クロリムロン-エチル(Chlorimuron-ethyl)、クロルスルフロン、シノスルフロン(Cinosulfuron)、クロランスラム(Cloransulam)、クロランスラム-メチル、シクロスルファムロン(Cyclosulfamuron)、ジクロスラム、エタメトスルフロン(Ethametsulfuron)、エタメトスルフロン-メチル(Ethametsulfuron-methyl)、エトキシスルフロン(Ethoxysulfuron)、フラザスルフロン(Flazasulfuron)、フロラスラム、フルカルバゾン(Flucarbazon)、フルカルバゾン-ナトリウム(Flucarbazon-natrium)、フルセトスルフロン(Flucetosulfuron)、フルメツラム、フルピルスルフロン(Flupyrsulfuron)、フルピルスルフロン-メチル-ナトリウム(Flupyrsulfuron-methyl-natrium)、ホラムスルフロン(Foramsulfuron)、ハロスルフロン(Halosulfuron)、ハロスルフロン-メチル(Halosulfuron-methyl)、イマザメタベンズ、イマザメタベンズ-メチル(Imazamethabenz-methyl)、イマザモックス、イマザピック、イマザピル(Imazapyr)、イマザキン、イマゼタピル、イマゾスルフロン(Imazosulfuron)、ヨードスルフロン(Iodosulfuron)、ヨードスルフロン-メチル-ナトリウム(Iodosulfuron-methyl-natrium)、メソスルフロン(Mesosulfuron)、メトスラム、メトスルフロン、メトスルフロン-メチル(Metsulfuron-methyl)、ニコスルフロン、オルトスルファムロン(Orthosulfamuron)、オキサスルフロン(Oxasulfuron)、ペンキススラム、プリミスルフロン(Primisulfuron)、プリミスルフロン-メチル、プロポキシカルバゾン(Propoxycarbazon)、プロポキシカルバゾン-ナトリウム(Propoxycarbazon-natrium)、プロスルフロン、ピラゾスルフロン(Pyrazosulfuron)、ピラゾスルフロン-エチル(Pyrazosulfuron-ethyl)、ピリベンゾキシム(Pyribenzoxim)、ピリミスルファン(Pyrimisulfan)、ピリフタリド(Pyriftalid)、ピリミノバック(Pyriminobac)、ピリミノバック-メチル(Pyriminobac-methyl)、ピリチオバック(Pyrithiobac)、ピリチオバック-ナトリウム(Pyrithiobac-natrium)、ピロックススラム(Pyroxsulam)、リムスルフロン(Rimsulfuron)、スルホメチュロン、スルホメチュロン-メチル(Sulfometuron-methyl)、スルホスルフロン、チエンカルバゾン(Thiencarbazon)、チエンカルバゾン-メチル(Thiencarbazon-methyl)、チフェンスルフロン(Tthifensulfuron)、チフェンスルフロン-メチル(Thifensulfuron-methyl)、トリアスルフロン、トリベヌロン、トリベヌロン-メチル(Tribenuron-methyl)、トリフロキシスルフロン(Trifloxysulfuron)、トリフルスルフロン(Triflusulfuron)、トリフルスルフロンメチル(Triflusulfuron-methyl)及びトリトスルフロン;
(c)光合成阻害剤の群から:
アメトリン(Ametryn)、アミカルバゾン(Amicarbazon)、アトラジン(Atrazin)、ベンタゾン、ベンタゾン-ナトリウム(bentazon-natrium)、ブロマシル(Bromacil)、ブロモフェノキシム(Bromofenoxim)、ブロモキシニル並びにその塩及びエステル、クロロブロムロン(Chlorobromuron)、クロリダゾン(Chloridazon)、クロロトルロン(Chlorotoluron)、クロロクスロン(Chloroxuron)、シアナジン(Cyanazin)、デスメディファム(Desmedipham)、デメストリン(Desmetryn)、ジメフロン(Dimefuron)、ジメタメトリン(Dimethametryn)、ジクワット(Diquat)、ジクワット-ジブロミド、ジウロン、フルオメチュロン、ヘキサジノン(Hexazinon)、イオキシニル(Ioxynil)並びにその塩及びエステル、イソプロチュロン、イソウロン(Isouron)、カルブチレート(Karbutilat)、レナシル(Lenacil)、リニュロン、メタミトロン(Metamitron)、メタベンズチアズロン(Methabenzthiazuron)、メトベンズロン(Metobenzuron)、メトキスロン(Metoxuron)、メトリブジン、モノリニュロン(Monolinuron)、ネブロン(Neburon)、パラコート、パラコート-ジクロリド(Paraquat-dichlorid)、パラコート-硫酸ジメチル(Paraquat-dimetilsulfat)、ペンタノクロル(Pentanochlor)、フェンメジファム(Phenmedipham)、フェンメジファム-エチル(Phenmedipham-ethyl)、プロメトン(Prometon)、プロメトリン(Prometryn)、プロパニル(Propanil)、プロパジン(Propazin)、ピリダフォル(Pyridafol)、ピリデート(Pyridat)、シデュロン(Siduron)、シマジン(Simazin)、シメトリン(Simetryn)、テブチウロン(Tebuthiuron)、テルバシル(Terbacil)、テルブメトン(Terbumeton)、テルブチラジン(Terbuthylazin)、テルブトリン(Terbutryn)、チジアズロン(Thidiazuron)及びトリエタジン(Trietazin);
d)プロトポルフィノーゲン-IX-オキシダーゼ-阻害剤の群から:
アシフルオルフェン、アシフルオルフェン-ナトリウム(Acifluorfen-natrium)、アザフェニジン(Azafenidin)、ベンカルバゾン(Bencarbazon)、ベンズフェンジゾン(Benzfendizon)、ビフェノックス(Bifenox)、ブタフェナシル(Butafenacil)、カルフェントラゾン(Carfentrazon)、カルフェントラゾン-エチル(Carfentrazon-ethyl)、クロメトキシフェン(Chlomethoxyfen)、シニドン-エチル(Cinidon-ethyl)、フルアゾレート(Fluazolat)、フルフェンピル(Flufenpyr)、フルフェンピル-エチル(Flufenpyr-ethyl)、フルミクロラック(Flumiclorac)、フルミクロラック-ペンチル(Flumiclorac-pentyl)、フルミオキサジン(Flumioxazin)、フルオログリコフェン(Fluoroglycofen)、フルオログリコフェン-エチル(Fluoroglycofen-ethyl)、フルチアセット(Fluthiacet)、フルチアセット-メチル(Fluthiacet-methyl)、ホメサフェン、ハロサフェン(Halosafen)、ラクトフェン、オキサジアルギル(Oxadiargyl)、オキサジアゾン(Oxadiazon)、オキシフルオルフェン(Oxyfluorfen)、ペントキサゾン(Pentoxazon)、プロフルアゾール(Profluazol)、ピラクロニル(Pyraclonil)、ピラフルフェン(Pyraflufen)、ピラフルフェン-エチル(Pyraflufen-ethyl)、サフルフェナシル(Saflufenacil)、スルフェントラゾン(Sulfentrazon)、チジアジミン(Thidiazimin)、2-クロル-5-[3,6-ジヒドロ-3-メチル-2,6-ジオキソ-4-(トリフルオロメチル)-1(2H)-ピリミジニル]-4-フルオロ-N-[(イソピロピル)メチルスルファモイル]ベンズアミド(H-1;CAS372137-35-4)、[3-[2-クロル-4-フルオロ-5-(1-メチル-6-トリフルオロメチル-2,4-ジオキソ-1,2,3,4,-テトラヒドロピリミジン-3-イル)フェノキシ]-2-ピリジロキシ]酢酸エチルエステル(H-2; CAS 353292-31-6)、N-エチル-3-(2,6-ジクロロ-4-トリフルオロメチルフェノキシ)-5-メチル-1H-ピラゾール-1-カルボキサミド(H-3; CAS 452098-92-9)、N-テトラヒドロフルフリル-3-(2,6-ジクロロ-4-トリフルオロメチルフェノキシ)-5-メチル-1H-ピラゾール-1-カルボキサミド(H-4; CAS 915396-43-9)、N-エチル-3-(2-クロル-6-フルオロ-4-トリフルオロメチルフェノキシ)-5-メチル-1H-ピラゾール-1-カルボキサミド(H-5; CAS 452099-05-7)及びN-テトラヒドロフルフリル-3-(2-クロル-6-フルオロ-4-トリフルオロメチルフェノキシ)-5-メチル-1H-ピラゾール-1-カルボキサミド(H-6; CAS 45100-03-7);
e)漂白化型除草剤の群から:
アクロニフェン(Aclonifen)、アミトロール(Amitrol)、ベフルブタミド(Beflubutamid)、ベンソビシクロン、ベンゾフェナップ、クロマゾン(Clomazon)、ジフルフェニカン、フルリドン(Fluridon)、フルロクロリドン(Flurochloridon)、フルルタモン(Flurtamon)、イソキサフルトール(Isoxaflutol)、メソトリオン(Mesotrion)、ノルフルラゾン、ピコリナフェン、ピラスルフトール(Pyrasulfutol)、ピラゾーリネート、ピラゾキシフェン、スルコトリオン(Sulcotrion)、テフリルトリオン(Tefuryltrion)、テンボトリオン、トプラメゾン(Topramezon)、4-ヒドロキシ-3-[[2-[(2-メトキシエトキシ)メチル]-6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]カルボニル]ビシクロ[3.2.1]オクト-3-エン-2-オン(H-7; CAS 352010-68-5)及び4-(3-トリフルオロメチルフェノキシ)-2-(4-トリフルオロメチルフェニル)ピリミジン(H-8; CAS 180608-33-7);
f)EPSP-合成酵素-阻害剤の群から:
グリホサート(Glyphosat)、グリホサート-イソピロピルアンモニウム(Glyphosat-isopropylammonium)及びグリホサートトリメシウム(Glyphosattrimesium)(スルホサート(Sulfosat));
g)グルタミン合成酵素阻害剤の群から:
ビラナホス(Bilanaphos)(ビアラホス(Bialaphos))、ビラナホス-ナトリウム(Bilanaphos-natrium)、グルホシネート(Glufosinat)及びグルホシネート-アンモニウム(Glufosinat-ammonium);
h)DHP合成酵素阻害剤の群から:アシュラム(Asulam);
i)有糸分裂阻害剤の群から:
アミプロホス(Amiprophos)、アミプロホス-メチル(Amiprophos-methyl)、ベンフルラリン、ブタミフォス(Butamiphos)、ブトラリン(Butralin)、カルベタミド(Carbetamid)、クロルプロファム(Chlorpropham)、クロルタール(Chlorthal)、クロルタール(Chlorthal)-dimethyl、ジニトラミン(Dinitramin)、ジチオピル(Dithiopyr)、エタルフルラリン(Ethalfluralin)、フルクロラリン(Fluchloralin)、オリザリン(Oryzalin)、ペンジメタリン、プロジアミン(Prodiamin)、プロファム(Propham)、プロピザミド(Propyzamid)、テブタム(Tebutam)、チアゾピル(Thiazopyr)及びトリフルラリン;
j)VLCFA-阻害剤の群から:
アセトクロル、アラクロール、アニロホス(Anilofos)、ブタクロール(Butachlor)、カフェンストロール(Cafenstrol)、ジメタクロル(Dimethachlor)、ジメタナミド(Dimethanamid)、ジメテナミド-P(Dimethenamid-P)、ジフェナミド(Diphenamid)、フェントラザミド(Fentrazamid)、フルフェナセット(Flufenacet)、メフェナセット(Mefenacet)、メタザクロル(Metazachlor)、メトラクロル、メトラクロル-S(Metolachlor-S)、ナプロアニリド(Naproanilid)、ナプロパミド(Napropamid)、ペトキサミド(Pethoxamid)、ピペロホス(Piperophos)、プレチラクロール(Pretilachlor)、プロパクロル(Propachlor)、プロピソクロル(Propisochlor)、ピロキサスルホン(Pyroxasulfon)(KIH-485)及びテニルクロル(Thenylchlor);
式2の化合物:
Figure 2013529074
特に好ましい式2の化合物は、:
3-[5-(2,2-ジフルオロ-エトキシ)-1-メチル-3-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-イルメタンスルホニル]-4フルオロ-5,5-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イソオキサゾール(2-1);3-{[5-(2,2-ジフルオロ-エトキシ)-1-メチル-3-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-イル]-フルオロ-メタンスルホニル}-5,5-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イソオキサゾール(2-2);4-(4-フルオロ-5,5-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イソオキサゾール-3-スルホニルメチル)-2-メチル-5-トリフルオロメチル-2H-[1,2,3]トリアゾール(2-3);4-[(5,5-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イソオキサゾール-3-スルホニル)-フルオロ-メチル]-2-メチル-5-トリフルオロメチル-2H-[1,2,3]トリアゾール(2-4);4-(5,5-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イソオキサゾール-3-スルホニルメチル)-2-メチル-5-トリフルオロメチル-2H-[1,2,3]トリアゾール(2-5);3-{[5-(2,2-ジフルオロ-エトキシ)-1-メチル-3-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-イル]-ジフルオロ-メタンスルホニル}-5,5-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イソオキサゾール(2-6);4-[(5,5-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イソオキサゾール-3-スルホニル)-ジフルオロ-メチル]-2-メチル-5-トリフルオロメチル-2H-[1,2,3]トリアゾール(2-7);3-{[5-(2,2-ジフルオロ-エトキシ)-1-メチル-3-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール-4イル]-ジフルオロ-メタンスルホニル}-4-フルオロ-5,5-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イソオキサゾール(2-8);4-[ジフルオロ-(4-フルオロ5,5-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イソオキサゾール-3-スルホニル)-メチル]-2-メチル-5-トリフルオロメチル-2H-[1,2,3]トリアゾール(2-9)である;
k)セルロース生合成阻害剤の群から:
クロルチアミド(Chlorthiamid)、ジクロベニル(Dichlobenil)、フルポサキム(Flupoxam)及びイソキサベン;
l)脱共役型除草剤の群から:
ジノセブ(Dinoseb)、ジノテルブ(Dinoterb)並びにDNOC及びその塩;
m)オーキシン-型除草剤の群から:
2,4-D並びにその塩及びエステル、2,4-DB並びにその塩及びエステル、アミノピラリド並びにアミノピラリド-トリス(2-ヒドロキシプロピル)アンモニウムのようなその塩及びエステル、ベナゾリン(Benazolin)、ベナゾリン-エチル(Benazolin-ethyl)、クロルランベン(Chloramben)並びにその塩及びエステル、クロメプロップ(Clomeprop)、クロピラリド並びにその塩及びエステル、ジカンバ並びにその塩及びエステル、ジクロルプロップ並びにその塩及びエステル、ジクロルプロップ-P(Dichlorprop-P)並びにその塩及びエステル、フルロキシピル、フルロキシピル-ブトメチル(Fluroxypyr-butometyl)、フルロキシピル-メプチル(Fluroxypyr-meptyl)、MCPA並びにその塩及びエステル、MCPA-チオエチル、MCPB並びにその塩及びエステル、メコプロップ並びにその塩及びエステル、メコプロップ-P(Mecoprop-P)並びにその塩及びエステル、ピクロラム並びにその塩及びエステル、キンクロラック(Quinclorac)、キンメラック、TBA(2,3,6)並びにその塩及びエステル、トリクロピル並びにその塩及びエステル、並びに5,6-ジクロル-2-シクロプロピル-4-ピリミジン炭酸(H-9;CAS 858956-08-8)並びにその塩及びエステル;
n)オーキシン-輸送-型阻害剤の群から:ジフルフェンゾピル、ジフルフェンゾピル-ナトリウム(Diflufenzopyr-natrium)、ナプタラム(Naptalam)及びナプタラム-ナトリウム(Naptalam-natrium);
o)他の除草剤の群から:ブロモブチド(Bromobutid)、クロルフルレノール、クロルフルレノール-メチル、シンメチリン(Cinmethylin)、クミルロン(Cumyluron)、ダラポン、ダゾメット(Dazomet)、ジフェンゾクワット(Difenzoquat)、ジフェンゾクワット-メチル硫酸(Difenzoquat-metilsulfate)、ジメチピン(Dimethipin)、DSMA、ダイムロン(Dymron)、エンドタール(Endothal)及びその塩、エトベンザニド(Etobenzanid)、フラムプロップ(Flamprop)、フラムプロップ-イソピロピル、フラムプロップ-メチル(Flamprop-methyl)、フラムプロップ-M-イソピロピル(Flamprop-M-isopropyl)、フラムプロップ-M-メチル(Flamprop-M-methyl)、フラレノール(Flurenol)、フラレノール-ブチル(Flurenol-butyl)、フルルプリミドール(Flurprimidol)、ホサミン(Fosamin)、ホサミンアンモニウム(Fosamine-ammonium)、インダノファン(Indanofan)、マレイン酸ヒドラジド、メフルイジド(Mefluidid)、メタム(Metam)、アジ化メチル、臭化メチル、メチル-ダイムロン(Methyl-dymron)、ヨウ化メチル、MSMA、オレイン酸、オキサジクロメホン(Oxaziclomefon)、ペラルゴン酸、ピリブチカルブ(Pyributicarb)、キノクラミン(Quinoclamin)、トリアジフラム(Triaziflam)、トリジファン(Tridiphan)及び6-クロル-3-(2-シクロプロピル-6-メチルフェノキシ)-4-ピリダジノール(H-10; CAS 499223-49-3)並びにその塩及びエステル。
好ましい薬害軽減剤Cの例は、ベノキサコール(Benoxacor)、クロキントセット(Cloquintocet)、シオメトリニル(Cyometrinil)、シプロスルファミド(Cyprosulfamid)、ジクロルミド(Dichlormid)、ジシクロノン(Dicyclonon)、ジエトレート(Dietholate)、フェンクロラゾール(Fenchlorazol)、フェンクロリム(Fenclorim)、フルラゾール(Flurazol)、フルキソフェニム(Fluxofenim)、フリラゾール(Furilazol)、イソキサジフェン(Isoxadifen)、メフェンピル(Mefenpyr)、メフェナート(Mephenat)、無水ナフタル酸、オキサベトリニル(Oxabetrinil)、4-(ジクロロアセチル)-1-オキサ-4-アザスピロ[4.5]デカン(H-11; MON4660、CAS 71526-07-3)及び2,2,5-トリメチル-3-(ジクロロアセチル)-1,3-オキサソリジン(H-12; R-29148、CAS 52836-31-4)である。
a)からo)群の化合物及び薬害軽減剤Cは公知の除草剤及び薬害軽減剤であり、例えば、The Compendium of Pesticide Common Names (http://www.alanwood.net/pesticides/); B. Hock, C. Fedtke, R. R. Schmidt、Herbicides、Georg Thieme Verlag、Stuttgart 1995年を参照されたい。他の除草剤のエフェクターはWO 96/26202、WO 97/41116、WO 97/41117、WO 97/41118、WO 01/83459及びWO 2008/074991並びにW. Kramerら、(編)「Modern Crop Protection Compounds」、1巻、Wiley VCH、2007年並びにそれらに引用された文献により公知である。
概して、本発明の化合物は、処理される作物に選択的であり、これらの化合物を施用量で用いて防除される雑草の範囲を補う除草剤と組み合わせて使用することが好ましい。概して、本発明の化合物及び他の補足的な除草剤を、配合剤又はタンク混合物のいずれかとして、同時に適用することが、さらに好ましい。
「mut-HPPD核酸」という用語は、野生型HPPD核酸から突然変異を起こした配列を有し、それが発現した植物に「クマロン誘導体系除草剤」耐性の増加をもたらすHPPD核酸を指す。さらに、「突然変異ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(mut-HPPD)」は、野生型の一次配列の配列番号2、4、6、11、12、13、14、15、16、17、18、19のアミノ酸、それらの変異体、誘導体、ホモログ、オルソログ又はパラログと、別のアミノ酸との交換を指す。「突然変異アミノ酸」という表現は、別のアミノ酸により交換されたアミノ酸を示し、それによってタンパク質の一次配列中の突然変異部位を示すために、以下に使用するものとする。
「mut-HST核酸」という用語は、野生型HST核酸から突然変異を起こした配列を有し、それが発現した植物に「クマロン誘導体系除草剤」耐性の増加をもたらすHST核酸を指す。さらに、「突然変異を起こしたホモゲンチジン酸ソラネシルトランスフェラーゼ(mut-HST)」という用語は、野生型の一次配列の配列番号8又は10と、別のアミノ酸との交換を指す。「突然変異アミノ酸」という表現は、別のアミノ酸により交換されたアミノ酸を示し、それによってタンパク質の一次配列中の突然変異部位を示すために、以下に使用するものとする。
いくつかのHPPD及びそれらの一次配列は、具体的には、シュードモナス属(Pseudomonas)などの細菌(Ruetschiら、Eur.J.Biochem.、205、459-466、1992年、WO96/38567)、シロイヌナズナ属などの植物のHPPD(WO96/38567、Genebank AF047834)若しくはコクシジオイデス属(Coccicoides)(Genebank COITRP)のニンジンのHPPD(WO96/38567、Genebank 87257)、シロイヌナズナ属、アブラナ属(Brassica)、ワタ、シネコシスティス属(Synechocystis)及びトマトの(米国特許第7,297,541号)のHPPD、マウス又はブタなどの哺乳動物のHPPDに最先端の記載がある。さらに、人工的なHPPD配列は、例えば、米国特許第6,768,044号、米国特許第6,268,549号に記載されている。
好ましい実施形態において、(i)のヌクレオチド配列は、配列番号1、3若しくは5の配列又はそれらの変異体若しくは誘導体を含む。
別の好ましい実施形態において、(ii)のヌクレオチド配列は、配列番号7若しくは9の配列又はそれらの変異体若しくは誘導体を含む。
さらに、(i)又は(ii)のヌクレオチド配列は、それぞれ、これ以降定義される配列番号1、3若しくは5及び配列番号7若しくは9のホモログ、パラログ及びオルソログを包含することは、当業者に理解されると思われる。
配列(例えば、本発明の転写制御ヌクレオチド配列などのポリペプチド又は核酸配列)に関する「変異体」という用語は、実質的に同様の配列を意味することを意図する。オープンリーディングフレームを含むヌクレオチド配列に関しては、変異体は、遺伝子コードの縮重のために、天然タンパク質と同一のアミノ酸配列をコードする配列を含む。これらのような天然の対立遺伝子変異体は、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)及びハイブリダイゼーション技術を用いた周知の分子生物学技術の使用により同定可能である。変異体ヌクレオチド配列は、例えば、オープンリーディングフレームに関する部位特異的突然変異誘発法の使用により作製された、天然タンパク質をコードするヌクレオチド配列並びに天然タンパク質と比べてアミノ酸置換を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列などの、合成的に誘導されたヌクレオチド配列をさらに含む。概して、本発明のヌクレオチド配列変異体は、配列番号1、3、5、7又は9のヌクレオチド配列と、少なくとも30、40、50、60から70%,例えば、好ましくは、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%から79%、概して、少なくとも80%、例えば、81%-84%、少なくとも85%、例えば、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%から98%及び99%のヌクレオチド「配列同一性」を有すると思われる。「変異体」ポリペプチドは、天然タンパク質のN末端及び/又はC末端への一個又は複数個のアミノ酸の欠失(いわゆる短縮)若しくは付加、天然タンパク質の一つ又は複数の部位における一個又は複数個のアミノ酸の欠失若しくは付加、又は天然タンパク質の一つ又は複数の部位における一個又は複数個のアミノ酸の置換により、配列番号2、4、6、8又は10のタンパク質から生じたポリペプチドを意図する。このような変異体は、例えば、遺伝的多型又はヒトの操作による結果であり得る。このような操作の方法は、当分野において周知である。
特に好ましい実施形態において、配列番号2のHPPDの変異体の作製のための部位特異的突然変異誘発法は、配列番号32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67からなる群から選択される一種又は複数種のプライマーを使用することによって実施する。
本発明のポリヌクレオチド分子及びポリペプチドは、配列番号1、3、5、7若しくは9で表されるヌクレオチド配列又は配列番号2、4、6、8、10、11、12、13、14、15、16、17、18若しくは19で表されるアミノ酸配列と十分に同一であるヌクレオチド又はアミノ酸配列を含むポリヌクレオチド分子及びポリペプチドを包含することが認識される。「十分に同一」という用語は、第1及び第2のアミノ酸又はヌクレオチド配列が共通の構造ドメイン及び/又は共通の機能活性を有するような、十分又は最小数の、第2のアミノ酸又はヌクレオチド配列と同一又は等価の(例えば同様の側鎖を有する)アミノ酸残基又はヌクレオチドを含有する第1のアミノ酸又はヌクレオチド配列を指すように、本明細において使用する。
「配列同一性」は、二つの最適にアライメントされたDNA又はアミノ酸配列が、成分、例えばヌクレオチド又はアミノ酸のアライメントのウインドウを通して不変である程度を指す。試験配列及び参照配列のアライメントされたセグメントに関する「同一性割合」は、参照配列セグメント中、すなわち、全参照配列又は参照配列のより小さい定義された部分の成分の合計数で割った、二つのアライメントされた配列により共有される同一成分の数である。「同一性パーセント」は、同一性割合×100である。比較ウインドウをアライメントするための配列の最適アライメントは当業者に周知であり、Smith及びWatermanの局所相同性アルゴリズム、Needleman及びWunschの相同性アライメントアルゴリズム、Pearson及びLipmanの類似性方法に関する検索などのツールにより、並びに好ましくは、GAP、BESTFIT、FASTA及びGCG Wisconsin Package(Accelrys Inc. Burlington、Mass.)の一部として利用可能なTFASTAなどのこれらのアルゴリズムのコンピュータ化された実行により実施できる。
「ポリヌクレオチド(複数可)」、「核酸配列(複数可)」、「ヌクレオチド配列(複数可)」、「核酸(複数可)」、「核酸分子」という用語は、本明細書において交換可能に使用され、任意の長さの非分枝型ポリマー形態の、リボヌクレオチド若しくはデオキシリボヌクレオチドのいずれか、又は両方の組み合わせのヌクレオチドを指す。
タンパク質の「誘導体」は、問題となる未修飾のタンパク質と比べてアミノ酸の置換、欠失及び/又は挿入を有し、それらが由来する未修飾のタンパク質と同様の生物学活性及び機能活性を有するペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質及び酵素を包含する。
タンパク質の「ホモログ」は、問題となる未修飾のタンパク質と比べてアミノ酸の置換、欠失及び/又は挿入を有し、それらが由来する未修飾のタンパク質と同様の生物学活性及び機能活性を有するペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質及び酵素を包含する。
欠失は、タンパク質からの一個又は複数個のアミノ酸の除去を指す。
挿入は、一個又は複数個のアミノ酸残基がタンパク質の所定の部位へ導入されることを指す。挿入は、N末端及び/又はC末端の融合並びに単一若しくは複数のアミノ酸の配列内挿入を含み得る。概して、アミノ酸配列内の挿入は、N-末端若しくはC末端の融合より小さい、約一個から十個の残基の大きさである。N末端又はC末端融合のタンパク質又はペプチドの例は、酵母ツーハイブリッド系に使用される転写活性化因子の結合ドメイン若しくは活性化ドメイン、ファージコートタンパク質、(ヒスチジン)-6-タグ、グルタチオンS-トランスフェラーゼ-タグ、プロテインA、マルトース-結合タンパク質、ジヒドロ葉酸レダクターゼ、Tag・100エピトープ、c-mycエピトープ、FLAG(登録商標)エピトープ、lacZ、CMP(カルモジュリン-結合ペプチド)、HAエピトープ、プロテインCエピトープ及びVSVエピトープを含む。
置換は、タンパク質のアミノ酸と、同様の特性(同様の疎水性、親水性、抗原性、αへリックス構造又はβシート構造の形成又は破壊の傾向など)を有する他のアミノ酸との交換を指す。アミノ酸置換は、通常、単一の残基であるが、ポリペプチドに配置された機能的制約によりクラスター化されてもよく、一個から十個のアミノ酸範囲であってもよく、挿入は、普通、約一個から十個のアミノ酸残基の大きさである。アミノ酸置換は、好ましくは保存的アミノ酸置換である。保存的置換の表は、当分野において周知である(例えば、Creighton (1984年) Proteins. W.H. Freeman及びCompany (編)を参照されたい)。
Figure 2013529074
アミノ酸の置換、欠失及び/又は挿入は、固相ペプチド合成法などの当分野において周知のペプチド合成技術を使用して、又は組換えDNA操作により容易に作ることができる。タンパク質の置換、挿入又は欠失変異体を作るためにDNA配列を操作する方法は、当分野において周知である。例えば、DNAの所定の部位における置換突然変異を作る技術は、当業者に周知であり、M13突然変異誘発、T7-Gen in vitro mutagenesis (USB、Cleveland、OH)、QuickChange Site Directed mutagenesis (Stratagene、San Diego、CA)、PCR媒介部位特異的突然変異誘発又は他の部位特異的突然変異誘発プロトコルを含む。
「誘導体」は、対象となるタンパク質などのタンパク質の天然型のアミノ酸配列と比較して、アミノ酸と非天然のアミノ酸残基との置換又は非天然アミノ酸残基の付加を含み得るペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチドをさらに含む。タンパク質の「誘導体」は、ポリペプチドの天然型のアミノ酸配列と比較して、天然に改変された(グリコシル化、アシル化、プレニル化、リン酸化、ミリストイル化、硫酸化など)又は非天然に改変されたアミノ酸残基を含むペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチドもまた包含する。誘導体は、それが由来したアミノ酸配列と比較して、一個又は複数個の非アミノ酸置換基又は付加、例えば、その検出を容易にするために結合させたリポーター分子などの、アミノ酸配列に共有結合若しくは非共有結合したリポーター分子若しくは他のリガンド及び天然タンパク質のアミノ酸配列と比べて非天然のアミノ酸残基を含んでよい。さらに、「誘導体」は、FLAG、HIS6又はチオレドキシンなどのペプチドのタグ付を有する天然型のタンパク質の融合もまた含む(ペプチドのタグ付の総説に関しては、Terpe、Appl. Microbiol. Biotechnol. 60、523-533、2003年を参照されたい)。
「オルソログ」及び「パラログ」は、遺伝子の組先の関係を記載するために使用される進化的概念を包含する。パラログは、祖先の遺伝子の複製を介して起こった同じ種内の遺伝子であり、オルソログは、種分化を介して起こり、さらに共通の祖先の遺伝子に由来する異なる生物由来の遺伝子である。このようなオルソログの例の、限定されない一覧表を、表1に示す。
パラログ及びオルソログが、特定の基質のための結合ポケット又は他のタンパク質との相互作用のための結合モチーフなどの所与の部位に、適切なアミノ酸残基を有する異なるドメインを共有できることは、当分野において周知である。
「ドメイン」という用語は、進化的に関連のあるタンパク質の配列のアライメントに沿った特定の位置において保存されたアミノ酸のセットを指す。一方、他の位置にあるアミノ酸はホモログの間で変化してもよく、特定の位置において高度に保存されたアミノ酸は、タンパク質の構造、安定性又は機能において必須であると思われるアミノ酸を示す。タンパク質ホモログのファミリーのアライメントされた配列において、それらの高度な保存が同定されると、問題となる任意のポリペプチドがすでに同定されたポリペプチドファミリーに属する場合、それらは、決定の識別子として使用できる。
「モチーフ」又は「コンセンサス配列」という用語は、進化的に関連のあるタンパク質の配列中の短い保存領域を指す。モチーフは、ドメインの高い頻度で高度に保存された部分であるが、ドメインのほんの一部を含んでもよく、又は保存されたドメインの外側に位置してもよい(モチーフのアミノ酸のすべてが、既定のドメインの外側に収まる場合)。
専門的なデータベースがドメインの同定のために存在する、例えば、SMART(Schultzら、(1998年) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95、5857-5864; Letunicら、(2002年) Nucleic Acids Res 30、242-244)、InterPro (Mulderら、(2003年) Nucl. Acids. Res. 31、315-318)、Prosite (Bucher及びBairoch (1994年)、A generalized profile syntax for biomolecular sequences motifs and its function in automatic sequence interpretation. ISMB-94; Proceedings 2nd International Conference on Intelligent Systems for Molecular Biology. Altman R.、Brutlag D.、Karp P.、Lathrop R.、Searls D.編、53-61頁、AAAI Press, Menlo Park; Huloら、Nucl. Acids. Res. 32:D134-D137 (2004年))又はPfam (Batemanら、Nucleic Acids Research 30(1): 276-280 (2002年))。タンパク質配列のin silico分析のためのツールのセットが、ExPASy proteomics server (Swiss Institute of Bioinformatics (Gasteigerら、ExPASy: the proteomics server for in-depth protein knowledge and analysis, Nucleic Acids Res. 31:3784-3788(2003年))において利用可能である。ドメイン又はモチーフは、配列アライメントなどの日常の技術を使用しても同定できる。
比較のための配列アライメント方法は当分野において周知であり、このような方法は、GAP、BESTFIT、BLAST、FASTA及びTFASTAを含む。GAPは、Needleman及びWunschのアルゴリズム((1970年) J Mol Biol 48: 443-453)を使用し、包括的な(すなわち、完全配列に及ぶ)一致数を最大にし、ギャップ数を最小にする、二つの配列のアライメントを見出す。BLASTのアルゴリズム(Altschulら(1990年) J Mol Biol 215: 403-10)は、配列同一性パーセントを計算し、二つの配列の間の類似性の統計分析を実施する。BLAST分析を実施するためのソフトウェアは、National Centre for Biotechnology Information (NCBI)を介して公的に利用可能である。ホモログは、例えば、ClustalW多重配列アライメントアルゴリズム(バージョン1.83)及びデフォルトペアワイズアライメントのパラメーター並びに百分率でのスコア付け方法を使用して容易に同定できる。類似性及び同一性の包括的百分率もまた、MatGATソフトウェアパッケージ(Campanellaら、BMC Bioinformatics. 2003年7月10日;4:29. MatGAT: an application that generates similarity/identity matrices using protein or DNA sequences.)において利用可能な方法の一つを使用して決定できる。小さな手作業の編集が、保存モチーフ間のアライメントを最適化するために実施でき、このことは当業者には明らかである。さらに、ホモログの同定のために完全長配列を使用する代わりに、特異的ドメインを使用することもできる。配列同一性の値は、全核酸若しくはアミノ酸配列にわたって、又は選択されたドメイン若しくは保存モチーフ(複数可)にわたって、上述のプログラムを使用して、デフォルトパラメーターを使用して決定できる。局所アライメントに関しては、Smith-Watermanのアルゴリズムが特に有用である(Smith TF、Waterman MS (1981年) J. Mol. Biol 147(1);195-7)。
本発明の発明者らは、驚くべきことに、一個又は複数個の鍵となるアミノ酸残基を置換することによって、配列番号2、4又は6の野生型HPPD酵素の活性と比較して除草剤耐性又は除草剤抵抗性を著しく増加させ得ることを見出した。mut-HPPDの好ましい置換は、植物の除草剤耐性を増加するが、ジオキシゲナーゼ活性の生物学的活性はそのままで、実質的に影響を受けないものである。
したがって、本発明の別の目的において、HPPD酵素、それらの変異体、誘導体、オルソログ、パラログ又はホモログの鍵となるアミノ酸残基は、任意の他のアミノ酸により置換される。
好ましい実施形態において、HPPD酵素、それらの変異体、誘導体、オルソログ、パラログ又はホモログの鍵となるアミノ酸残基は、上記の表3に表された保存アミノ酸により置換される。
以下に述べるアミノ酸の位置に密接して位置するアミノ酸もまた置換できることは、当業者に理解されるものと思われる。したがって、別の実施形態において、配列番号2、4、6、11、12、13、14、15、16、17、18、19の変異体、それらの変異体、誘導体、オルソログ、パラログ又はホモログは、mut-HPPDを含み、鍵となるアミノ酸からアミノ酸からアミノ酸±3、±2又は±1個のアミノ酸位が、任意の他のアミノ酸により置換される。
当分野において周知の技術に基づいて、高度に特徴的な配列パターンが開発でき、これを用いて、所望の活性を有するさらなるmut-HPPD候補を調査できる。
適切な配列パターンの適用によるさらなるmut-HPPD候補の調査もまた、本発明に包含される。本配列パターンは、前記パターンの二つの隣接するアミノ酸残基の間の正確な距離を制限するものではないことは当業者には理解されるであろう。上記のパターンにおける二個の隣接アミノ酸の間のそれぞれの距離は、所望の活性に実質的に影響することなく、例えば、互いに独立して±10、±5、±3、±2又は±1個のアミノ酸位置まで変動してよい。
本発明に従って得られた結晶学的データに基づく個別のアミノ酸残基の、上記機能的及び空間的分析に沿って、本発明の潜在的に有用なmut-HPPD候補の特徴的な固有の部分的アミノ酸配列を同定できる。
特に好ましい実施形態において、配列番号2のmut-HPPDの変異体又は誘導体は下記の表4aから選択され、配列番号2のmut-HPPDの組み合わされたアミノ酸置換は表4bから選択される。
Figure 2013529074
上記の表に述べられたアミノ酸のそばの任意のアミノ酸は、置換基として使用できることは理解されるべきである。このような変異体の機能性を試験するアッセイは、当分野において容易に利用可能であり、それぞれ、本発明の実施例の項に記載している。
好ましい実施形態において、アミノ酸配列は、下記の位置:293、335、336、337、392、363、422、427、382、385、393の一つ又は複数において、配列番号2のHPPDのアミノ酸配列とは異なる。
これらのアミノ酸の位置の違いの例は、限定するものではないが、下記の一つ又は複数を含む:293位のアミノ酸がグルタミン以外である;335位のアミノ酸がメチオニン以外である;336位のアミノ酸がプロリン以外である;337位のアミノ酸がセリン以外である;392位のアミノ酸がフェニルアラニン以外である;363位のアミノ酸がグルタミン酸以外である;422位のアミノ酸がグリシン以外である;427位のアミノ酸がロイシン以外である;382位のアミノ酸がトレオニン以外である;385位のアミノ酸がロイシン以外である;393位のアミノ酸がイソロイシン以外である。
いくつかの実施形態において、配列番号2のHPPD酵素は、下記の一つ又は複数を含む:293位のアミノ酸がアラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、ヒスチジン、又はアスパラギンである;335位のアミノ酸がアラニン、トリプトファン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、アスパラギン又はグルタミンである;336位のアミノ酸がアラニン;337位のアミノ酸がアラニン又はプロリンである;392位のアミノ酸がアラニン又はロイシンである;363位のアミノ酸がグルタミンである;422位のアミノ酸がヒスチジン、メチオニン、フェニルアラニン又はシステインである;427位のアミノ酸がフェニルアラニン又はトリプトファンである;382位のアミノ酸がプロリンである;385位のアミノ酸がバリン又はアラニンである;393位のアミノ酸がアラニン又はロイシンである。
特に好ましい実施形態において、配列番号2のHPPD酵素は、下記の一つ又は複数を含む:336位のアミノ酸がアラニンである;363位のアミノ酸がグルタミンである;393位のアミノ酸がロイシンである;385位のアミノ酸がバリンである。
さらに好ましい実施形態において、アミノ酸配列は、配列番号6のHPPDのアミノ酸配列と418位において異なる。好ましくは、418位のアミノ酸はアラニン以外である。より好ましくは、418位のアミノ酸はトレオニンである。
表1に表されるような、配列番号1、3又は5のホモログ、オルソログ及びパラログ並びにそれぞれ配列番号7又は9に共有される保存された領域及びモチーフの同定は、当業者の見識の範囲内であると思われる。適切な結合モチーフを提示できるこのような保存領域を同定すると、表4a及び4bに記載したアミノ酸に対応するアミノ酸は任意の他のアミノ酸、好ましくは表3に示す保存アミノ酸、より好ましくは表4a及び4bのアミノ酸による置換のために選択され得る。
加えて、本発明は、配列番号1、3若しくは5のヌクレオチド配列又はそれらの変異体若しくは誘導体を含む核酸によりコードされるmut-HPPDを使用することによって、及び/又は配列番号7若しくは9のヌクレオチド配列又はそれら変異体若しくは誘導体を含む核酸によってコードされるmut-HSTを使用することによって、クマロン誘導体系除草剤を同定する方法に言及する。
前記方法は、
a)mut-HPPDコード核酸を含み、mut-HPPDをが発現されするトランスジェニック細胞又は植物を作製するステップ、
b)クマロン誘導体系除草剤を、a)のトランスジェニック細胞又は植物及び同じ変種の対照細胞又は植物に適用するステップ、
c)前記クマロン誘導体系除草剤の適用後、トランスジェニック細胞又は植物及び対照細胞又は植物の成長又は生存能力を決定するステップ、並びに
d)トランスジェニック細胞又は植物の成長と比較して、対照細胞又は植物に成長の減少をもたらす「クマロン誘導体系除草剤」を選択するステップ
を含む。
「対照細胞」又は「同様の野生型の、植物、植物組織、植物細胞又は宿主細胞」は、除草剤抵抗性特徴及び/又は本明細書に開示の本発明の特定のポリヌクレオチドを欠いた、それぞれ、植物、植物組織、植物細胞又は宿主細胞を意図する。したがって、「野生型」という用語の使用は、そのゲノム中に組換えDNAを欠いた、及び/又は本明細書に開示のものとは異なる除草剤抵抗性特徴を保有しない植物、植物組織、植物細胞又は他の宿主細胞を意味することを意図しない。
別の目的は、クマロン誘導体系除草剤に対して抵抗性又は耐性であるmut-HPPDをコードするヌクレオチド配列を同定する方法であって、
a)mut-HPPDコード核酸のライブラリーを作製するステップ、
b)細胞又は植物において個々の前記核酸を発現させ、クマロン誘導体系除草剤を用いて前記細胞又は植物を処理することによって、得られたmut-HPPDコード核酸の集団をスクリーニングするステップ、
c)mut-HPPDコード核酸の前記集団により提供されるクマロン誘導体系除草剤耐性レベルと、対照HPPDコード核酸により提供されるクマロン誘導体系除草剤-耐性レベルとを比較するステップ、
d)対照HPPD-コード核酸により提供されるものと比較して、クマロン誘導体系除草剤に対する耐性レベルの有意な増加を提供する、少なくとも一種のmut-HPPDコード核酸を選択するステップ
を含む方法に言及する。
好ましい実施形態において、ステップd)において選択されたmut-HPPDコード核酸は、対照HPPD-コード核酸により提供されるものと比較して、クマロン誘導体系除草剤に対する少なくとも2倍高い細胞又は植物の抵抗性又は耐性を提供する。
さらに好ましい実施形態において、ステップd)において選択されたmut-HPPDコード核酸は、対照HPPD-コード核酸により提供されるものと比較して、少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも500倍高いクマロン誘導体系除草剤に対する細胞又は植物の抵抗性又は耐性を提供する。
抵抗性又は耐性は、ステップa)のライブラリーの核酸配列を含むトランスジェニックな植物又は宿主細胞、好ましくは植物細胞を作製し、前記トランスジェニック植物と、対照の植物又は宿主細胞、好ましくは植物細胞とを比較することによって決定することができる。
別の目的は、クマロン誘導体系除草剤に対して抵抗性又は耐性であるmut-HPPD又はmut-HSTをコードするヌクレオチド配列を含む核酸を含有する植物又は藻を同定する方法であって、
a)植物細胞又は緑藻類の培養液における、前記細胞の死につながる有効量のクマロン誘導体系除草剤を同定するステップ、
b)前記植物細胞又は緑藻類を、突然変異誘発剤を用いて処理するステップ、
c)前記突然変異誘発細胞の集団と、a)で同定された有効量のクマロン誘導体系除草剤とを接触させるステップ、
d)これらの試験条件で生存する少なくとも一種の細胞を選択するステップ、
e)d)において選択された細胞からHPPD及び/又はHST遺伝子のPCR増幅及び配列決定をし、このような配列と野生型のHPPD又はHST遺伝子配列とをそれぞれ比較するステップ、
を含む方法に言及する。
好ましい実施形態において、前記突然変異誘発剤はエチルメタンスルホン酸(EMS)である。
技術者に周知の多くの方法が、微生物、植物、菌類、藻、混合培養液などを含むさまざまな異なる潜在的供給源生物並びに土壌などのDNAの環境的供給源由来のmut-HPPDをコードするヌクレオチド配列を同定するための、適切な候補核酸を得るために利用可能である。これらの方法は、特に、cDNA又はゲノムDNAライブラリーの調製、適切に縮重されたオリゴヌクレオチドプライマーの使用、公知の配列又は相補性アッセイに基づくプローブの使用(例えば、チロシンにおける成長)並びに組換えられた、又はシャッフルされたmut-HPPD-コード配列を提供するための、突然変異誘発及びシャッフリングの使用を含む。
候補及び対照のHPPDコード配列を含む核酸は、酵母、細菌宿主株、藻類又はタバコ又はシロイヌナズナなどの高等植物において発現可能であり、スクリーニングされたHPPDコード配列の先天的耐性の相対的レベルは、選択されたクマロン誘導体系除草剤のさまざまな濃度の存在下で、形質転換された菌株又は植物の目に見える指標となる表現型に一致する。これらの指標となる表現型(褐色形成、成長阻害、除草効果など)に伴う用量応答及び用量応答における相対的移行、例えば、GR50(成長が50%減少する濃度)又は値の増加が発現されたHPPDの先天性耐性の増加と一致するMIC(最小阻害濃度)値の用量応答及び用量応答における相対的移行は、都合の良いことに、明確に発現される。例えば、大腸菌(E.coli)などの細菌の形質転換に基づく比較的高速なアッセイ系において、個々のmut-HPPDコード配列は、例えば、lacZプロモーターなどの調節可能なプロモーターの発現調節下のDNA配列として、例えば合成DNAの使用により、異なるHPPD配列のレベルと可能な限り同等のレベルの発現を得るためのコドンの使用などの問題を適切に考慮して発現できる。別の候補HPPD配列を含む核酸を発現するような菌株は、場合によりチロシンを添加した培地中のさまざまな濃度の選択されたクマロン誘導体系除草剤にプレーティングでき、発現されたHPPD酵素の先天的耐性の相対的レベルを、茶色の、組織褐変性色素の形成の阻害に関する程度及びMICに基づいて推定した。
別の実施形態において、候補核酸を植物材料内に形質転換し、トランスジェニック植物を作製し、選択されたクマロン誘導体系除草剤に対する差次的耐性がその後測定され、形態的に正常な繁殖性植物が再生される。カナマイシンなどの適切な選択マーカー、アグロバクテリウム属(Agrobacterium)由来などのバイナリーベクター及び例えば、タバコのリーフディスク法などの植物再生を使用する、形質転換のための多くの適切な方法が、当分野において周知である。場合により、植物の対照集団は、対照HPPDを発現する核酸を用いて同様に形質転換される。代替的に、非形質転換のシロイヌナズナ又はタバコ(Tobacco)などの双子葉植物を、これはどんな場合にもその自分の内因性HDDPを発現するので、対照として使用できる。表2から選択されたクマロン誘導体に対する、さまざまな一次植物形質転換事象又はそれらの子孫の除草剤耐性レベルの平均及び分布は、さまざまな異なる濃度の除草剤における、植物の損傷、成長点漂白化症状などに基づく正常な様式で評価される。これらのデータは、例えば、「用量」をx軸にプロットし、「死滅百分率」、「除草剤効果」「新生緑色植物の数」などをy軸にプロットした用量/応答曲線に由来するGR50値に関して表すことができ、GR50値の増加は、発現されたHPPDの先天的耐性レベルの増加に一致する。除草剤は、出芽前又は出芽後に適切に適用される。
別の目的は、mut-HPPDをコードする単離された核酸であって、上記の方法により同定可能である核酸に言及する。
別の実施形態において、本発明は、野生型若しくはmut-HPPD核酸により形質転換された植物細胞又は野生型若しくはmut-HPPD核酸を発現する植物を得るために突然変異を起こした植物細胞であって、植物細胞における核酸の発現は、野生型変種の植物細胞と比較して、クマロン誘導体系除草剤に対する抵抗性若しくは耐性の増加をもたらす植物細胞に言及する。
「発現(expression)/発現する(expressing)」又は「遺伝子発現」という用語は、特定の遺伝子若しくは特定の遺伝子(複数)又は特定の遺伝子構築体の転写を意味する。「発現」又は「遺伝子発現」という用語は、具体的には、遺伝子若しくは遺伝子(複数)又は遺伝子構築体の、構造RNA(rRNA、tRNA)又はmRNAへの、後者のタンパク質へのその後の翻訳を伴う又は伴わない転写を意味する。この過程は、DNAの転写及び得られたmRNA産物のプロセシングを含む。
所望の効果、すなわち、本発明のクマロン誘導体系除草剤に対して耐性又は抵抗性である植物を得ることは、少なくとも一種の核酸が、当業者に公知の方法及び手段により「過剰発現」されることは理解されるであろう。
本明細書において使用する場合、「発現の増加」又は「過剰発現」という用語は、もともとの野生型の発現レベルに追加される、任意の形態の発現を意味する。遺伝子又は遺伝子産物の発現を増加させる方法は、当分野において十分文書化されており、例えば、適切なプロモーターにより駆動される過剰発現、転写エンハンサー又は翻訳エンハンサーの使用を含む。プロモーター又はエンハンサー要素として機能する単離核酸は、対象となるポリペプチドをコードする核酸の発現を上方制御するように、ポリヌクレオチドの非異種形態の適切な位置(通常上流)に導入できる。例えば、内因性プロモーターは、突然変異、欠失、及び/又は置換によりin vivoで改変でき(Kmiec、米国特許第5,565,350号、Zarlingら、WO9322443を参照されたい)又は単離プロモーターは、遺伝子の発現が調節されるように、固有の配向及び本発明の遺伝子から離れて植物細胞に導入できる。
ポリペプチドの発現が望ましい場合、概して、ポリヌクレオチドコード領域の3'末端にポリアデニル化領域を含むことが望ましい。ポリアデニル化領域は、天然の遺伝子、さまざまな他の植物遺伝子又はT-DNAに由来してよい。加えられる3'末端配列は、例えば、ノパリン合成酵素若しくはオクトピン合成酵素の遺伝子又は代替的には、別の植物遺伝子又はあまり好ましくはないが任意の他の真核性遺伝子に由来してよい。
イントロン配列もまた、サイトゾル中に蓄積した成熟メッセージの量を増加するために、5'非翻訳領域(UTR)又は部分的コード配列のコード配列に加えることができる。植物及び動物の両方の発現構築体の転写ユニット中にスプライシング可能なイントロンを含むことで、mRNA及びタンパク質の両方の遺伝子発現レベルが、1000倍まで増加することが示されている(Buchman及びBerg(1988年)Mol. Cell biol. 8: 4395-4405; Callisら(1987年) Genes Dev 1:1183-1200)。転写ユニットの5'末端近くに配置された場合、遺伝子発現のこのようなイントロン強化が通常最も高い。トウモロコシのイントロンである、Adh1-Sイントロン1、2及び6、Bronze-1イントロンの使用が、当分野において公知である。概説に関しては、The Maize Handbook, Chapter 116、Freeling及びWalbot編、Springer、N.Y. (1994年)を参照されたい。
本明細書において言及される「導入」又は「形質転換」という用語は、移入に使用する方法にかかわりなく、外因性のポリヌクレオチドの宿主細胞への移入を包含する。器官形成によってであろうと胚形成によってであろうと、その後クローン増殖可能な植物組織は、本発明の遺伝子構築体を用いて形質転換でき、それから植物全体を再生できる。選択された特定の組織は、形質転換される特定の種に利用可能で、最も適したクローン増殖系に依存して変更される。例示的組織標的は、リーフディスク、花粉、胚、子葉、胚軸、大配偶体、カルス組織、既存の分裂組織(例えば、頂端分裂組織、腋芽及び根の分裂組織)及び誘導性分裂組織(例えば、子葉分裂組織及び胚軸分裂組織)を含む。ポリヌクレオチドは、一時的に、又は安定して宿主細胞に導入でき、非統合的に、例えば、プラスミドとして維持され得る。代替的には、ポリヌクレオチドは宿主ゲノムに統合され得る。得られた形質転換された植物細胞は、その後、当業者に公知の様式で形質転換された植物を再生するために使用できる。
外来遺伝子の植物ゲノムへの移入を、形質転換と呼ぶ。植物種の形質転換は、現在きわめて日常の技術である。有利なことに、任意のいくつかの形質転換方法は、対象となる遺伝子を適切な祖先細胞に導入するために使用できる。植物組織又は植物細胞から植物の形質転換及び再生に関して記載された方法は、一時的な、又は安定した形質転換に利用できる。形質転換方法は、リポソーム、エレクトロポレーション、遊離のDNAの取り込みを増加する化学物質的、植物へのDNAの直接注入、微粒子銃、ウイルス又は花粉を使用する形質転換及び顕微鏡投影の使用を含む。方法は、プロトプラストのためのカルシウム/ポリエチレングリコール法(Krens, F.A.ら、(1982年) Nature 296、72-74; Negrutiu Iら(1987年) Plant Mol Biol 8: 363-373);プロトプラストのエレクトロポレーション(Shillito R.D.ら(1985年) Bio/Technol 3、1099-1102);植物材料へのマイクロインジェクション(Crossway Aら、(1986年)Mol. Gen Genet 202: 179-185); DNA又はRNAによりコーティングされた粒子衝撃(Klein TMら、(1987年) Nature 327: 70)(非統合的)ウイルスによる感染などから選択できる。トランスジェニック作物を含むトランスジェニック植物は、好ましくは、アグロバクテリウム属媒介形質転換を介して作製される。有利な形質転換方法は、植物体における形質転換である。この目的のために、例えば、アグロバクテリアを植物種子に作用させる、又は植物分裂組織にアグロバクテリアを接種することが可能である。形質転換されたアグロバクテリアの懸濁液を無傷の植物若しくは少なくとも花原基に作用させることは、本発明に従って特に好都合に証明されている。植物は、処理した植物の種子が得られるまで続けて成長させる。(Clough及びBent、Plant J. (1998年) 16、735-743)。コメのアグロバクテリウム属媒介形質転換の方法は、下記のいずれかに記載の方法などの、コメの形質転換の周知の方法を含む:欧州特許出願EP 1198985 A1、Aldemita及びHodges (Planta 199: 612-617、1996年); Chanら、(Plant Mol Biol 22 (3): 491-506、1993年)、Hieiら、(Plant J 6 (2): 271-282、1994年)、これらの開示は、完全に説明されたかのように、参照により本明細書に組み込まれる。コーンの形質転換の場合、好ましい方法は、Ishidaら(Nat. Biotechnol 14(6): 745-50、1996年)又はFrameら(Plant Physiol 129(1): 13-22、2002年)のいずれかに記載の方法であり、これらの開示は、完全に説明されたかのように、参照により本明細書に組み込まれる。前記方法は、B. Jenesら、Techniques for Gene Transfer、Transgenic Plants、1巻、Engineering and Utilization、S.D. Kung及びR. Wu編、Academic Press (1993年) 128-143及びPotrykus Annu. Rev. Plant Physiol. Plant Molec. Biol. 42 (1991年) 205-225)に例としてさらに記載されている。発現される核酸又は構築体は、好ましくは、アグロバクテリウム・ツメファシエンシス(Agrobacterium tumefaciens)の形質転換に適切なベクター、例えば、pBin19 (Bevanら、Nucl. Acids Res. 12 (1984年) 8711)内にクローニングされる。このようなベクターにより形質転換されたアグロバクテリアは、その後、シロイヌナズナ(シロイヌナズナは本発明の範囲内であり、作物とはみなさない)のようなモデルとして使用される植物などの植物、例としてタバコ植物などの作物などの作物の形質転換のための公知の様式に、例えば、傷ついた葉又は刻んだ葉をアグロバクテリアの溶液に浸し、その後それらを適切な培地において培養することによって使用できる。アグロバクテリウム・ツメファシエンシスを用いた植物の形質転換が、例えば、Hofgen及びWillmitzerによるNucl. Acid Res. (1988年) 16、9877により記載され、又は特に、F.F. White、Vectors for Gene Transfer in Higher Plants; in Transgenic Plants、1巻、Engineering and Utilization、S.D. Kung及びR. Wu編、Academic Press、1993年、15-38頁により公知である。
その後、無傷の植物に再生されなければならない体細胞の形質転換に加えて、植物分裂組織の細胞、特に配偶子に生育するそれらの細胞もまた形質転換できる。この場合、形質転換された配偶子は天然の植物の生育をたどり、トランスジェニック植物を生じる。したがって、例えば、シロイヌナズナの種子をアグロバクテリアを用いて処理し、種子が、特定の部分が形質転換された、したがってトランスジェニックな生育中の植物から得られる[Feldman, KA及びMarks MD (1987年)。Mol Gen Genet 208:274-289; Feldmann K (1992年) C Koncz、N-H Chua及びJ Shell編、Methods in Arabidopsis Research。Word Scientific、Singapore、274-289頁]。代替の方法は、花序の反復除去及びロゼットの中心の切除部位と形質転換されたアグロバクテリアとのインキュベーションに基づき、それによって、形質転換された種子を同様にのちの時点で得ることができる(Chang (1994年)。Plant J. 5: 551-558; Katavic (1994年)。Mol Gen Genet、245: 363-370)。しかし、特に有効な方法は、減圧浸潤法及び「フローラルディップ」法などのその変形である。シロイヌナズナの減圧浸潤の場合、減圧下で無傷の植物をアグロバクテリアの懸濁液を用いて処理し[Bechthold, N (1993年)。C R Acad Sci Paris Life Sci、316: 1194-1199]、一方、「フローラルディップ」法の場合、生育中の花の組織を、界面活性剤により処理されたアグロバクテリアの懸濁液と一緒に少しの間インキュベートする[Clough, SJ及びBent AF (1998年) The Plant J. 16、735-743]。両方の場合に、トランスジェニック種子特定の集団を収穫し、これらの種子は、上記の選択的条件下で成長した非トランスジェニック種子とは識別可能である。加えて、母方から遺伝する色素体は、大部分の作物において導入遺伝子が花粉に流入する危険性を減少又は排除するので、色素体の安定した形質転換が有利である。葉緑体ゲノムの形質転換は、概して、Klausら、2004年[Nature Biotechnology 22 (2)、225-229]に概略的に表示されている方法によって達成される。簡潔に言うと、形質転換された配列を、葉緑体ゲノムに相同な隣接配列の間に、選択可能なマーカー遺伝子と一緒に、クローニングする。これらの相同な隣接配列は、プラストーム内に部位特異的統合に向かう。色素体の形質転換は、多数のさまざまな植物種に関して記載されており、概要は、Bock (2001年) Transgenic plastids in basic research and plant biotechnology. J Mol Biol. 2001年9月21日; 312 (3):425-38又はMaliga, P (2003年) Progress towards commercialization of plastid transformation technology. Trends Biotechnol. 21、20-28に示されている。さらなるバイオテクノロジーの進歩が、無マーカー色素体形質転換体の形態で近年報告されており、これらは一次的に共組込みされたマーカー遺伝子により作製できる(Klausら、2004年、Nature Biotechnology 22(2)、225-229)。遺伝子組換え植物細胞は、技術者によく知られたすべての方法を介して再生できる。適切な方法は、S.D.Kung及びR.Wu,Potrykus又はHofgen及びWillmitzerによる上記の刊行物に見出すことができる。
概して形質転換後、植物細胞又は細胞のグループは、対象となる遺伝子とともに同時移入される、植物の発現可能な遺伝子によりコードされる、一種又は複数種のマーカーの存在に関して選択され、その後、形質転換された材料を植物全体に再構成する。形質転換植物の選択のために、形質転換により得られた植物材料は一般に、形質転換された植物が、非形質転換植物と識別できるような選択条件に供される。例えば、上記の様式において得られた種子を植え付け、初期成長後、スプレーによる適切な選択に供することができる。さらなる可能性は、滅菌後適切な場合、形質転換された種子だけが植物に成長できるように、適切な選択剤を使用して寒天プレート上で種子を成長させることにある。代替的には、形質転換された植物を、上記の一種などの選択可能なマーカーの存在に関してスクリーニングする。
DNAの移入及び再生後、推定上形質転換された植物を、例えば、サザン分析を使用して、対象となる遺伝子、コピー数及び/又はゲノムの組織化の存在に関してさらに評価することができる。代替的には又は追加的に、新しく導入されたDNAの発現レベルはノーザン分析及び/またウエスタン分析を使用してモニターすることができ、双方とも当業者に周知の技術である。
作製された形質転換植物は、クローン増殖又は伝統的な育種技術などのさまざまな手段により繁殖させることができる。例えば、第1世代(又はT1)形質転換植物は自家受粉でき、ホモ接合性の第2世代(又はT2)形質転換体を選択し、T2植物は、その後伝統的な育種技術を介してさらに繁殖させることができる。作製された形質転換生物は、さまざまな形態をとり得る。例えば、それらは、形質転換細胞及び非形質転換細胞のキメラ、クローン性形質転換体(例えば、発現カセットを含有するように形質転換されたすべての細胞)、形質転換組織及び非形質転換組織のグラフト(例えば、植物において、非形質転換の接ぎ穂にグラフトされた形質転換された根茎)であってよい。
好ましくは、野生型若しくはmut-HPPDの核酸(a)又は野生型若しくはmut-HSTの核酸(b)は、a)配列番号1、3若しくは5で示されるポリヌクレオチド又はそれらの変異体若しくは誘導体、b)配列番号7若しくは9で示されるポリヌクレオチド又はそれらの変異体若しくは誘導体、c)配列番号2、4、6、8若しくは10で示されるポリペプチド又はそれらの変異体若しくは誘導体をコードするポリヌクレオチド、d)a)からc)の任意の少なくとも60個の連続するヌクレオチドを含むポリヌクレオチド、並びにe)a)からd)の任意のポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチド配列を含む。
好ましくは、植物における核酸の発現は、野生型変種の植物と比較して、クマロン誘導体系除草剤に対する植物の抵抗性の増加をもたらす。
別の実施形態において、本発明は、本発明による植物細胞を含む植物、好ましくはトランスジェニック植物であって、植物における核酸の発現が、野生型変種の植物と比較して、クマロン誘導体系除草剤に対する植物の抵抗性の増加をもたらす植物に言及する。
本明細書に記載の植物は、トランスジェニック作物又は非トランスジェニック植物のいずれであってもよい。
本発明の目的に関して、「トランスジェニック」、「導入遺伝子」又は「組換え体」は、例えば、核酸配列、発現カセット、遺伝子構築体又は核酸配列を含むベクター若しくは本発明に従った核酸配列、発現カセット若しくはベクターを用いて形質転換された生物に関して意味し、それらすべての構築は組換え法により引き起こされ、
(a)本発明の方法に有用なタンパク質をコードする核酸配列、又は
(b)本発明に従った核酸配列と動作可能に連結された遺伝子調節配列(複数可)、例えばプロモーター、又は
(c)a)及びb)
のいずれかが、それらの天然の遺伝子環境に配置されていない、又は組換え法により修飾されており、例えば、一個又は複数個のヌクレオチド残基の置換、付加、欠失、反転又は挿入の形態をとる修飾が可能である。天然の遺伝子環境は、もともとの植物の天然のゲノム若しくは染色体の遺伝子座又はゲノムライブラリー中の存在の意味と理解される。ゲノムライブラリーの場合、核酸配列の天然の遺伝子環境は、少なくとも一部保有されることが好ましい。核酸配列に隣接する環境は、少なくとも片側であり、少なくとも50bp、好ましくは少なくとも500bp、特に好ましくは少なくとも1000bp、最も好ましくは少なくとも5000bpの配列長を有する。天然の発現カセット、例えば、上記のような、核酸配列の天然プロモーターと、本発明の方法に有用なポリペプチドをコードする、対応する核酸配列との天然の組み合わせは、この発現カセットが、例えば、変異原性処理などの非天然の、合成(「人工の」)方法により修飾された場合、トランスジェニック発現カセットとなる。適切な方法は、例えば、米国特許第5,565,350号又はWO 00/15815に記載されている。
本発明の目的のためのトランスジェニック植物は、したがって上記のように、本発明の方法に使用する核酸が前記植物のゲノム中のそれらの天然の遺伝子座にはないという意味であり、核酸が相同又は非相同に発現される可能性があることが理解されるべきである。しかし、上述のように、トランスジェニックは、本発明に従った核酸又は本発明の方法に使用する核酸は、植物のゲノムのそれらの天然の位置にあるが、この配列が天然配列に関して修飾されている、及び/又は天然配列の制御配列が修飾されているということも意味する。トランスジェニックは、好ましくは、ゲノム中の非天然遺伝子座における、本発明に従った核酸の発現、すなわち、核酸の相同又は好ましくは非相同の発現が起こるという意味に理解されるべきである。好ましいトランスジェニック植物を、本明細書において述べる。さらに「トランスジェニック」という用語は、少なくとも一種の組換えポリヌクレオチドのすべて又は一部を含有する任意の植物、植物細胞、カルス、植物組織又は植物部分を指す。多くの場合、組換えポリヌクレオチドのすべて又は一部は、後続世代に伝わるように染色体又は安定した染色体外の要素に安定に統合される。本発明の目的のために、「組換えポリヌクレオチド」という用語は、遺伝子操作により改変、再構成又は修飾されたポリヌクレオチドを指す。例は、任意のクローニングされたポリヌクレオチド、又は非相同配列に連結又は結合されたポリヌクレオチドを含む。「組換え」という用語は、自発的突然変異などの天然事象によりもたらされるポリヌクレオチドの改変又は非自発的突然変異誘発に続く選択的育種によりもたらされるポリヌクレオチドの改変を指すものではない。
本明細書において非自発的突然変異誘発及び選択的育種のために起こる突然変異を含有する植物は、本明細書において非トランスジェニック植物と称され、本発明に含まれる。植物がトランスジェニックであり、複数種のmut-HPPD核酸を含む実施形態において、核酸は異なるゲノムに由来しても、又は同じゲノムに由来してもよい。代替的には、植物が非トランスジェニックであり、複数種のmut-HPPD核酸を含む実施形態において、核酸は異なるゲノム上に配置されても、又は同じゲノム上に配置されてもよい。
特定の実施形態において、本発明は、突然変異育種により作製された除草剤抵抗性植物を含む。このような植物は、mut-HPPD及び/又はmut-HSTをコードするポリヌクレオチドを含み、一種又は複数種の「クマロン誘導体系除草剤」に対して耐性である。このような方法は、例えば、植物又は種子を、突然変異原、特に、例えば、エチルメタンスルホン酸(EMS)などの化学的突然変異原に曝露するステップ及び少なくとも一種又は複数種のクマロン誘導体系除草剤に対する耐性が強化された植物を選択するステップを含む。
しかし、本発明は、化学的突然変異原EMSを含む突然変異誘発方法により作製された除草剤-耐性植物に限定するものではない。当分野において公知の任意の突然変異誘発方法が、本発明の除草剤抵抗性植物の作製に使用できる。このような突然変異誘発方法は、例えば、任意の一種又は複数種の下記の突然変異原の使用を含み得る:X線、ガンマ線(例えばコバルト60又はセシウム137)、中性子線(例えば、原子炉におけるウラン235による核分裂の産物)、ベータ照射(例えば、リン32又は炭素14などの放射性同位元素からの放射)及び紫外線照射(好ましくは、2500から2900nm)などの照射並びに塩基類似体(例えば、5-ブロモウラシル)、関連化合物(例えば、8-エトキシカフェイン)、抗生物質(例えば、ストレプトニグリン)、アルキル化剤(例えば、スルファマスタード、ナイトロジェンマスタード、エポキシド、エチレンアミン、硫酸塩、スルホン酸塩、スルホン、ラクトン)、アジ化物、ヒドロキシルアミン、亜硝酸又はアクリジンなどの化学的突然変異原。除草剤抵抗性植物は、組織培養法を使用して除草剤抵抗性突然変異を含む植物細胞を選択し、その後、それらから除草剤抵抗性植物を再生することによって作製してもよい。例えば、米国特許第5,773,702号及び第5,859,348号を参照されたく、これらは両方とも、その全体を参照により本明細書に組み込む。突然変異育種のさらなる詳細は、「Principals of Cultivar Development」Fehr、1993年Macmillan Publishing Companyに見出すことができ、この開示は参照により本明細書に組み込まれる。
上の定義に加えて、「植物」という用語は、文脈において明示されていない限り、成熟又は生育の任意の段階の作物並びにこのような植物からとられた又はこのような植物に由来する任意の組織又は器官(植物部分)を包含することを意図する。植物部分は、限定するものではないが、茎、根、花、胚珠、雄ずい、葉、胚、成長点領域、カルス組織、葯培養、配偶体、胞子体、花粉、小胞子、プロトプラストなどを含む。
本発明の植物は、少なくとも一種のmut-HPPD核酸又は過剰発現された野生型HPPD核酸を含み、野生型変種の植物と比較してクマロン誘導体系除草剤に対する耐性が増加している。これらの植物は複数のゲノムを含有できるので、本発明の植物は、異なるゲノムに由来する複数の野生型又はmut-HPPD核酸を有することが可能である。例えば、植物は二種のゲノムを含有し、普通はAゲノム及びBゲノムと称される。HPPDは代謝に必要な酵素であるので、各ゲノムはHPPD酵素をコードする少なくとも一種の遺伝子(すなわち、少なくとも一種のHPPD遺伝子)を有すると想定される。本明細書において使用する場合、「HPPD遺伝子の遺伝子座」という用語は、ゲノム上のHPPD遺伝子の位置を指し、「HPPD遺伝子」及び「HPPD核酸」という用語は、HPPD酵素をコードする核酸を指す。各ゲノム上のHPPD核酸は、別のゲノム上のHPPD核酸とはそのヌクレオチド配列が異なる。当業者は、遺伝子交雑及び/又は当業者に公知の配列決定法又はエクソヌクレアーゼ消化法のいずれかを介して各HPPD核酸の起源のゲノムを決定できる。
本発明は、一、二、三種以上のmut-HPPD対立遺伝子を含む植物を含み、植物は、野生型変種の植物と比較してクマロン誘導体系除草剤に対する耐性が増加している。mut-HPPDの対立遺伝子は配列番号1、配列番号3若しくは配列番号5で定義されるポリヌクレオチド又はそれらの変異体若しくは誘導体、配列番号2、配列番号4又は配列番号6、11、12、13、14、15、16、17、18、19で定義されるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド又はそれらの変異体若しくは誘導体、ホモログ、オルソログ、パラログ、任意の前述のポリヌクレオチドの少なくとも60個の連続するヌクレオチドを含むポリヌクレオチド及び任意の前述のポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドからなる群から選択されるヌクレオチド配列を含むことができる。
「対立遺伝子」又は「対立遺伝子変異体」は、同じ染色体位置に配置された所与の遺伝子の代替の形態である。対立遺伝子変異体は、一塩基多型(Single Nucleotide Polymorphisms)(SNP)並びに小規模挿入/欠失多型(Small Insertion/Deletion Polymorphism)(INDEL)を包含する。INDELのサイズは、普通100bp未満である。SNP及びINDELは、大部分の生物の天然の多型系統中の最も大きなセットの配列変異体を形成する。
「変種」という用語は、一つの栽培品種又は変種と、別の栽培品種又は変種とを識別するために十分な、当業者に認められた特徴又は形質の共通セットの共有により定義される、種内の植物の群を指す。いずれの用語においても、任意の所与の栽培品種又は変種のすべての植物が、全遺伝子若しくは分子レベルのいずれかで遺伝的に同一であると思われる、又は任意の所与の植物が、すべての遺伝子座においてホモ接合性であると思われるという意味ではない。栽培品種又は変種は、特定の形質の「純粋育種」と考えられ、純粋育種の栽培品種又は変種が自家受粉である場合、すべての子孫がその形質を含有する。「育種系統」又は「系統」という用語は、一つの育種系統又は系統と、別の育種系統又は系統とを識別するために十分な、当業者に認められた特徴又は形質の共通セットの共有により定義される栽培品種内の植物の群を指す。いずれの用語においても、任意の所与の育種系統又は系統のすべての植物が、全遺伝子若しくは分子レベルのいずれかで遺伝的に同一であると思われる、又は任意の所与の植物が、すべての遺伝子座においてホモ接合性であると思われるという意味ではない。育種系統又は系統は、特定の形質の「純粋育種」と考えられ、純粋育種系統又は育種系統が自家受粉である場合、すべての子孫がその形質を含有する。本発明において、形質は植物又は種子のHPPD遺伝子における突然変異により起こる。
mut-HPPD及び/又はmut-HSTポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む本発明の除草剤抵抗性植物は、有性生殖を伴う従来の植物育種を介して植物の除草剤抵抗性を増加する方法における使用もまた見出されている。本方法は、本発明の除草剤抵抗性植物である第一の植物と、同じ除草剤又は除草剤(複数種)に対して抵抗性であっても抵抗性でなくてもよく、又は第一の植物とは異なる除草剤若しくは除草剤(複数種)に対して抵抗性であってもよい第二の植物とを交雑するステップを含む。第二の植物は、第一の植物と交雑する場合、生存能力のある子孫植物(すなわち種子)を産生できる任意の植物であってよい。通常、必ずしも必要ではないが、第一及び第二の植物は同じ種の植物である。本方法は、場合により、第一の植物のmut-HPPD及び/又はmut-HSTポリペプチド及び第二の植物の除草剤抵抗性特徴を含む子孫植物を選択するステップを含む。本発明のこの方法により作製された子孫植物は、第一の植物若しくは第二の植物のいずれか又は両方と比較した場合、除草剤に対する抵抗性が増加している。第一の植物及び第二の植物が、異なる除草剤に対して抵抗性である場合、子孫植物は、第一の植物及び第二の植物の組み合わされた除草剤耐性特徴を有すると思われる。本発明の方法は、初回交雑の子孫植物と第一の植物又は第二の植物のいずれかと同じ系統又は遺伝子型の植物との戻し交雑の、一つ又は複数の世代をさらに含むことができる。代替的には、初回交雑又は任意のその後の交雑の子孫を、第一の植物又は第二の植物のいずれかと異なる系統又は遺伝子型の第三の植物と交雑できる。本発明は、本発明の少なくとも一種のポリヌクレオチド分子、発現カセット又は形質転換ベクターを用いて形質転換された植物、植物器官、植物組織、植物細胞、種子及び非ヒト宿主細胞をさらに提供する。このような形質転換された植物、植物器官、植物組織、植物細胞、種子及び非ヒト宿主細胞は、それぞれ、非形質転換の植物、植物組織、植物細胞又は非ヒト宿主細胞の成長を死滅させる、又は阻害する除草剤レベルにおいて、少なくとも一種の除草剤に対する耐性又は抵抗性が強化している。好ましくは、本発明の形質転換された植物、植物組織、植物細胞、種子はシロイヌナズナ及び作物である。
本発明の植物が、mut-HPPD核酸に加えて野生型HPPD核酸を含み得ることは理解されるであろう。クマロン誘導体系除草剤耐性系統は、複数のHPPDアイソザイムの一種のみに突然変異を含有できることが企図される。したがって、本発明は、一種又は複数種の野生型HPPD核酸に加えて一種又は複数種のmut-HPPD核酸を含む植物を含む。
別の実施形態において、本発明は、本発明の植物細胞を含むトランスジェニック植物により産生された種子に言及し、この種子は、野生型変種の種子と比較してクマロン誘導体系除草剤に対する抵抗性の増加に関して純粋育種である。
別の実施形態において、本発明は、野生型変種の植物細胞と比較して、クマロン誘導体系除草剤に対する抵抗性が増加したトランスジェニック植物細胞を作製する方法であって、mut-HPPD核酸を含む発現カセットにより植物細胞を形質転換するステップを含む方法に言及する。
別の実施形態において、本発明は、(a)mut-HPPD核酸を含む発現カセットにより植物細胞を形質転換するステップ、及び(b)植物細胞からクマロン誘導体系除草剤に対する抵抗性が増加した植物を作製するステップを含む、トランスジェニック植物を作製する方法に言及する。
結果として、本発明のmut-HPPD核酸は、対象となる植物における発現のための発現カセット中に提供される。このカセットは、本発明のmut-HPPD核酸配列に動作可能に連結された制御配列を含むものとする。「制御要素」という用語は、本明細書において使用する場合、動作可能に連結されたポリヌクレオチドの転写を制御できるポリヌクレオチドを指す。制御要素は、限定するものではないが、プロモーター、エンハンサー、イントロン、5'UTR及び3'UTRを含む。「動作可能に連結された」は、プロモーターと第二の配列の間の機能的連結を意図し、プロモーター配列は第二の配列に対応するDNA配列の転写を開始し、媒介する。概して、動作可能に連結するは、連結されている核酸配列が隣接しており、二つのタンパク質コード領域を接合する必要がある場合、同じリーディングフレームにおいて隣接していることを意味する。カセットは、さらに、生物に同時形質転換するための、少なくとも一種の追加の遺伝子を含有することができる。代替的には、追加の遺伝子(複数可)は、複数の発現カセットに提供することができる。
このような発現カセットは、制御領域の転写制御下にある、mut-HPPD核酸配列の挿入のための複数の制限部位を備えている。この発現カセットは、選択可能なマーカー遺伝子をさらに、含有することができる。
発現カセットは、転写の5'-3'方向に、転写開始領域及び翻訳開始領域(すなわち、プロモーター)、本発明のmut-HPPD核酸配列及び植物において機能的な転写終止領域及び翻訳終止領域(すなわち、終止領域)を含むものとする。プロモーターは、植物宿主に対して、及び/又は本発明のmut-HPPD核酸配列に対して、天然若しくはアナログ又は外来性若しくは異種であってもよい。さらに、プロモーターは、天然配列又は代替的には合成配列であってよい。プロモーターが、植物宿主に対して「外来性」又は「異種」である場合、プロモーターは、プロモーターが導入される天然植物において見出されないことが意図される。プロモーターが、本発明のmut-HPPD核酸配列に対して「外来性」又は「異種」である場合、動作可能に連結された本発明のmut-HPPD核酸配列に対して天然又は天然に発生したプロモーターではないことが意図される。本明細書において使用する場合、キメラ遺伝子は、コード配列に対して異種である転写開始領域に動作可能に連結されたコード配列を含む。
異種プロモーターを使用して本発明のmut-HPPD核酸を発現させることが好ましいと思われるが、天然プロモーター配列も使用できる。このような構築体は、植物又は植物細胞においてmut-HPPDタンパク質の発現レベルを変化させる。したがって、植物又は植物細胞の表現型は改変される。
終止領域は、転写開始領域に天然であってもよく、動作可能に連結された対象となるmut-HPPD配列に天然であってもよく、植物宿主に天然であってもよく、又は別の供給源に由来してもよい(すなわち、プロモーター、対象となるmut-HPPD核酸配列、植物宿主又はそれらの任意の組み合わせに対して外来性又は異種)。都合の良い終止領域は、オクトピン合成酵素及びナポリン合成酵素の終止領域などの、A.ツメファシエンス(A.tumefaciens)のTi-プラスミドから利用可能である。Guerineauら(1991年) MoI. Gen. Genet. 262: 141-144; Proudfoot (1991年) Cell 64:671-674; Sanfaconら(1991年) Genes Dev. 5: 141-149; Mogen(1990年) Plant Cell 2: 1261-1272; Munroeら(1990年) Gene 91: 151-158; Ballasら(1989年) Nucleic Acids Res. 17:7891-7903;及びJoshi ^ [alpha]/. (1987年) Nucleic Acid Res. 15:9627-9639もまた参照されたい。必要に応じて、遺伝子(複数可)は、形質転換された植物における発現の増加のために最適化され得る。すなわち、遺伝子は、発現の改良のための植物優先型コドンを使用して合成できる。例えば、宿主優先型コドンの使用の考察に関してはCampbell及びGowri (1990年) Plant Physiol. 92: 1-11を参照されたい。植物優先型遺伝子を合成するための方法が、当分野において利用可能である。例えば、米国特許第5,380,831号及び第5,436,391号並びにMurrayら(1989年) Nucleic Acids Res. 17:477-498を参照されたく、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
追加の配列修飾は、細胞宿主における遺伝子発現を強化することが公知である。これらは、疑似ポリアデニル化シグナルをコードする配列、エクソン-イントロンスプライシング部位のシグナル、トランスポゾン様反復及び遺伝子発現に有害であり得る、十分特徴付けられた他の配列の除去を含む。配列のG-C含有量は、宿主細胞において発現された公知の遺伝子に対する参照により計算された、所与の細胞宿主にとって平均的なレベルに調整できる。可能であれば、配列を、予測されるヘアピン二次mRNA構造を避けるように修正する。遺伝子発現を強化するためのヌクレオチド配列は、植物の発現ベクターにおいても使用することができる。これらは、トウモロコシのAdhlのイントロン、intronl遺伝子(Callisら、Genes and Development 1: 1183-1200、1987年)及びタバコモザイクウイルス(Tobacco Mosaic virus)(TMV)、トウロコシ緑斑病ウイルス(Maize Chlorotic Mottle Virus)及びアルファルファモザイクウイルス(Alfalfa Mosaic Virus)由来のリーダー配列、(W-配列)(Gallieら、Nucleic Acid Res. 15:8693-8711、1987年及びSkuzeskiら、Plant MoI. Biol. 15:65-79、1990年)を含む。トウモロコシのshrunken-1遺伝子座から最初のイントロンは、キメラ遺伝子構築体中の遺伝子の発現を増加させることが示されている。米国特許第5,424,412号及び第5,593,874号は、遺伝子発現構築体における特定のイントロンの使用を開示しており、Gallieら(Plant Physiol. 106:929-939、1994年)もまた、イントロンが、組織特異的基準において遺伝子発現を制御するために有用であることを示している。mut-HPPD遺伝子の発現をさらに強化するため、又は最適化するために、本発明の植物発現ベクターは、マトリックス結合領域(MAR)を含有するDNA配列をさらに含有することができる。このような修飾された発現系を用いて形質転換された植物細胞は、その後、本発明のヌクレオチド配列の過剰発現又は構成的発現を示し得る。
発現カセットは、発現カセット構築体中に5'リーダー配列をさらに含有することができる。このようなリーダー配列は、翻訳を強化するために作用できる。翻訳リーダーは当分野において公知であり、ピコルナウイルスリーダー、例えば、EMCVリーダー(脳心筋炎5'非コード領域)(Elroy-Steinら、(1989年) Proc. Natl. Acad. ScL USA 86:6126-6130);ポチウイルスリーダー、例えば、TEVリーダー(タバコエッチ病ウイルス(tabacco Etch Virus))(Gallieら、(1995年) Gene 165(2):233-238)、MDMVリーダー(トウモロコシ萎縮モザイクウイルス(Maize Dwarf Mosaic Virus))(Virology 154:9-20)及びヒト免疫グロブリン重鎖結合タンパク質(BiP)(Macejakら、(1991年)Nature 353:90-94);アルファルファモザイクウイルスのコートタンパク質mRNA(AMV RNA 4)由来の非翻訳リーダー(Joblingら、(1987年) Nature 325:622-625);タバコモザイクウイルスリーダー(TMV)(Gallieら、(1989年) Molecular Biology of RNA、Cech (Liss、New York)編、237-256頁);並びにトウモロコシ緑斑病ウイルスリーダー(MCMV)(Lommelら、(1991年) Virology 81:382-385)を含む。Della-Cioppaら、(1987年) Plant Physiol. 84:965-968もまた参照されたい。翻訳を強化することが公知の他の方法、例えば、イントロンなどもまた利用できる。
発現カセットの調製において、さまざまなDNA断片を、適切な配向で、必要に応じて、適切なリーディングフレーム中にDNA配列を提供するように操作することができる。このような目的で、アダプター又はリンカーを用いてDNA断片をつなぐことができ、又は他の操作により、都合の良い制限部位の提供、無関係なDNAの除去、制限部位の除去などを伴うことができる。この目的のために、in vitroの突然変異誘発、プライマー修復、制限、アニーリング、再置換、例えば、転位及び転換を伴うことができる。
多数のプロモーターを本発明の実践に使用することができる。プロモーターは、所望の成果に基づいて選択できる。核酸は、構成的プロモーター、組織優先型プロモーター又は植物における発現のための他のプロモーターと組み合わせることができる。このような構成的プロモーターは、例えば、Rsyn7プロモーターのコアプロモーター及びWO 99/43838及び米国特許第6,072,050号に隠された他の構成的プロモーター;コアCaMV 35Sプロモーター(Odellら、(1985年) Nature 313:810-812);コメアクチン(McElroyら、(1990年) Plant Cell 2: 163-171);ユビキチン(Christensenら、(1989年) Plant MoI. Biol. 12:619-632及びChristensenら、(1992年) Plant MoI. Biol. 18:675-689);pEMU(Lastら、(1991年) Theor. Appl. Genet. 81:581- 588); MAS (Veltenら、(1984年) EMBO J. 3:2723-2730);ALSプロモーター(米国特許第5,659,026号)などを含む。他の構成的プロモーターは、例えば、米国特許第5,608,149号、第5,608,144号、第5,604,121号、第5,569,597号、第5,466,785号、第5,399,680号、第5,268,463号、第5,608,142号及び第6,177,611号を含む。
組織優先型プロモーターは、特定の植物組織内でmut-HPPD発現の強化を標的とするために利用できる。このような組織優先型プロモーターは、限定するものではないが、葉優先型プロモーター、根優先型プロモーター、種子優先型プロモーター及び茎優先型プロモーターを含む。組織優先型プロモーターは、Yamamotoら、(1997年) Plant J. 12(2):255-265; Kawamataら、(1997年) Plant Cell Physiol. 38(7):792-803; Hansenら、(1997年) MoI. Gen Genet. 254(3):337-343; Russellら、(1997年) Transgenic Res. 6(2): 157-168; Rinehartら、(1996年) Plant Physiol. 112(3): 1331-1341; Van Campら、(1996年) Plant Physiol. 112(2):525-535; Canevasciniら、(1996年) Plant Physiol. 112(2):513-524; Yamamotoら、(1994年) Plant Cell Physiol. 35(5):773-778; Lam (1994年) Results Probl. Cell Differ. 20: 181-196; Orozcoら、(1993年) Plant MoI Biol. 23(6): 1129-1138; Matsuoka e/ [alpha]/. (1993年) Proc Natl. Acad. Sci. USA 90(20):9586-9590;及びGuevara-Garciaら、(1993年) Plant J. 4(3):495-505を含む。このようなプロモーターは、必要であれば、弱い発現のために修飾できる。一実施形態において、対象となる核酸は、発現に関して葉緑体を標的化する。この様式において、対象となる核酸が、葉緑体に直接挿入されない場合、発現カセットは、対象となる遺伝子産物を葉緑体に向ける葉緑体輸送ペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、葉緑体標的化配列をさらに含有する。このような輸送ペプチドは当分野において公知である。葉緑体標的化配列に関しては、「動作可能に連結された」は、輸送ペプチドをコードする核酸配列(すなわち、葉緑体標的化配列)が、本発明のmut-HPPD核酸と、二つの配列が隣接し、同じリーディングフレーム内にあるように連結されることを意味する。例えば、Von Heijneら、(1991年) Plant MoI. Biol. Rep. 9: 104-126; Clarkら、(1989年) J. Biol. Chem. 264:17544-17550; Della-Cioppaら、(1987年) Plant Physiol. 84:965-968; Romerら、(1993年) Biochem. Biophys. Res. Commun. 196:1414-1421;及びShahら、(1986年) Science 233:478-481を参照されたい。当分野において公知の任意の葉緑体輸送ペプチドは、葉緑体標的化配列を、本発明の成熟mut-HPPDタンパク質をコードするヌクレオチド配列の5'-末端に、動作可能に連結することによって、本発明の成熟mut-HPPDタンパク質のアミノ酸配列と融合できる。葉緑体標的化配列は当分野において公知であり、リブロース-l,5-二リン酸カルボキシラーゼ(Rubisco)の葉緑体小サブユニット(de Castro Silva Filhoら、(1996年) Plant MoI. Biol. 30:769-780; Schnellら、(1991年) J. Biol. Chem. 266(5):3335-3342); 5 -(エノールピルビル)シキミ酸-3-リン酸合成酵素(EPSPS) (Archerら、(1990年) J. Bioenerg. Biomemb. 22(6):789-810);トリプトファン合成酵素(Zhaoら、(1995年) J. Biol. Chem. 270(11):6081-6087);プラストシアニン(Lawrenceら、(1997年) J. Biol. Chem. 272(33):20357-20363);コリスミ酸合成酵素(Schmidtら、(1993年) J. Biol. Chem. 268(36):27447-27457);及び集光性葉緑素a/b結合タンパク質(LHBP)(Lamppaら、(1988年) J. Biol. Chem. 263: 14996-14999)を含む。Von Heijneら、(1991年) Plant MoI. Biol. Rep. 9: 104-126; Clarkら、(1989年) J. Biol. Chem. 264:17544-17550; Della-Cioppaら、(1987年) Plant Physiol. 84:965-968; Romerら、(1993年) Biochem. Biophys. Res. Commun. 196: 1414-1421;及びShahら、(1986年) Science 233:478-481もまた参照されたい。
葉緑体の形質転換の方法は、当分野において公知である。例えば、Svabら(1990年) Proc. Natl. Acad. ScL USA 87:8526-8530; Svab及びMaliga (1993年) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:913-917; Svab及びMaliga (1993年) EMBO J. 12:601-606を参照されたい。この方法は、選択可能なマーカーを含有するDNAの粒子銃送達及び相同組換えを介した色素体ゲノムへのDNAの標的化に頼っている。さらに、色素体の形質転換は、核によりコードされた、色素体指向性RNAポリメラーゼの組織優先型発現によるサイレントな色素体担持導入遺伝子のトランス活性化により達成できる。このような系は、McBrideら(1994年) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:7301-7305に報告されている。葉緑体を標的とする対象となる核酸は、葉緑体において発現が最適化され、植物の核とこの細胞小器官との間のコドン使用頻度の差を説明できる。この様式において、対象となる核酸は葉緑体優先型コドンを使用して、合成され得る。例えば、米国特許第5,380,831号を参照されたく、これは参照により本明細書に組み込まれる。
好ましい実施形態において、mut-HPPD核酸(a)又はmut-HST核酸(b)は、a)配列番号1、3若しくは5で示されるポリヌクレオチド又はそれらの変異体若しくは誘導体;b)配列番号7若しくは9で示されるポリヌクレオチド又はそれらの変異体若しくは誘導体;c)配列番号2、4、6、8若しくは10で示されるポリペプチド又はそれらの変異体若しくは誘導体をコードするポリヌクレオチド;d)a)からc)の任意の少なくとも60の連続するヌクレオチドを含むポリヌクレオチド;並びにe)a)からd)の任意のポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチド配列を含む。
好ましくは、発現カセットは、植物において機能性である転写開始制御領域及び翻訳開始制御領域をさらに含む。
本発明のポリヌクレオチドは、植物形質転換のための選択可能なマーカー遺伝子としての使用を見出したが、本発明の発現カセットは、形質転換された細胞の選択のための別の選択可能なマーカー遺伝子を含むことができる。本発明のものを含む選択可能なマーカー遺伝子は、形質転換された細胞又は組織の選択に利用される。マーカー遺伝子は、限定するものではないが、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼII(NEO)及びヒグロマイシンホスホトランスフェラーゼ(HPT)をコードする遺伝子などの抗生物質抵抗性をコードする遺伝子並びにグルホシネートアンモニウム(glufosinate-ammonium)、ブロモキシニル、イミダゾリノン及び2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)などの除草剤化合物に対する抵抗性をもたらす遺伝を子含む。一般には、Yarranton (1992年) Curr. Opin. Biotech. 3 :506-511 ; Christophers onら(1992年) Proc. Natl. Acad. ScL USA 89:6314-6318; Yaoら(1992年) Cell 71:63-72; Reznikoff (1992年) MoI Microbiol 6:2419-2422; Barkleyら(1980年) The Operon、177-220頁; Huら(1987年) Cell 48:555-566; Brownら(1987年) Cell 49:603-612; Figgeら(1988年) Cell 52:713-722; Deuschleら(1989年) Proc. Natl Acad. AcL USA 86:5400-5404; Fuerst et al (1989年) Proc. Natl Acad. ScL USA 86:2549-2553; Deuschle et al (1990年) Science 248:480-483; Gossen (1993年) Ph.D. Thesis、University of Heidelberg; Reinesら(1993年) Proc. Natl Acad. ScL USA 90: 1917-1921; Labowら(1990年) MoI Cell Biol 10:3343-3356; Zambrettiら(1992年) Proc. Natl Acad. ScL USA 89:3952-3956; Bairnら(1991年) Proc. Natl Acad. ScL USA 88:5072-5076; Wyborskiら(1991年) Nucleic Acids Res. 19:4647-4653; Hillenand-Wissman (1989年) Topics MoI Struc. Biol 10: 143-162; Degenkolbら(1991年) Antimicrob. Agents Chemother. 35: 1591-1595; Kleinschnidtら(1988年) Biochemistry 27: 1094-1104; Bonin (1993年) Ph.D. Thesis、University of Heidelberg; Gossenら(1992年) Proc. Natl Acad. ScL USA 89:5547- 5551; Olivaら(1992年) Antimicrob. Agents Chemother. 36:913-919; Hlavkaら(1985年) Handbook of Experimental Pharmacology、78巻(Springer-Verlag、Berlin); Gillら(1988年)Nature 334:721-724を参照されたい。このような開示は、参照により本明細書に組み込む。選択可能なマーカー遺伝子の上記の一覧表は、限定する意味ではない。任意の選択可能なマーカー遺伝子が、本発明において使用できる。
本発明は、上記のmut-HPPD核酸を含有する発現カセットを含む単離された組換え発現ベクターをさらに提供し、宿主細胞においてベクターの発現は、野生型変種の宿主細胞と比較してクマロン誘導体系除草剤に対する耐性の増加をもたらす。本明細書において使用する場合、「ベクター」という用語は、連結されている別の核酸を輸送できる核酸分子を指す。ベクターの一種は「プラスミド」であり、追加のDNAセグメントをライゲーションできる環状二本鎖DNAループを指す。別の型のベクターは、ウイルスベクターであり、追加のDNAセグメントをウイルスゲノム内にライゲーションできる。あるベクターは、それらが導入された宿主細胞において自律的複製できる(例えば、複製の細菌起源を有する細菌ベクター及びエピソーム性哺乳動物ベクター)。他のベクター(例えば、非エピソーム性哺乳動物ベクター)は、宿主細胞内への導入において、宿主細胞のゲノムに統合され、それによって、宿主ゲノムにとともに複製される。さらに、あるベクターは、動作可能に連結された遺伝子の発現を指示できる。このようなベクターは「発現ベクター」と称される。概して、組換えDNA技術において有用な発現ベクターは、多くの場合プラスミドの形態である。プラスミドは最も一般的に使用されるベクターの形態なので、本明細書において、「プラスミド」及び[ベクター」は交換可能に使用できる。しかし、本発明は、他の形態の発現ベクター、例えば、同等の機能を果たすウイルスベクター(例えば、複製欠損レトロウイルス、アデノウイルス及びアデノ随伴ウイルス)を含むことを意図する。
本発明の組換え発現ベクターは、宿主細胞における核酸の発現に適切な形態で本発明の核酸を含み、これは、組換え発現ベクターが、発現に使用される宿主細胞に基づいて選択され、発現される核酸配列に動作可能に連結される一種又は複数種の制御配列を含むことを意味する。制御配列は、多くの型の宿主細胞においてヌクレオチド配列の構成的発現を指示する配列及び特定の宿主細胞において、又は特定の条件下でだけヌクレオチド配列の発現を指示する配列を含む。発現ベクターの設計が、形質転換される宿主細胞の選択、所望のポリペプチドの発現レベルなどの因子に依存し得ることは当業者により理解されるものと思われる。本発明の発現ベクターは、宿主細胞に導入され、それによって、本明細書に記載の核酸(例えば、mut-HPPDポリペプチド、融合ポリペプチドなど)によりコードされる、融合ポリペプチド又は融合ペプチドを含むポリペプチド又はペプチドを産生できる。
本発明の好ましい実施形態において、mut-HPPDポリペプチドは、単細胞植物細胞(藻類など)(Falciatoreら、1999年、Marine Biotechnology 1(3):239-251及びその中の参考文献を参照されたい)及び高等植物由来の植物細胞(例えば、作物などの種子植物)などの植物及び植物細胞において発現される。mut-HPPDポリヌクレオチドはトランスフェクトション、形質転換又はトランスダクション、エレクトロポレーション、粒子衝撃、アグロインフェクション、微粒子銃などを含む任意の手段により植物細胞に「導入」され得る。
植物細胞を含む宿主細胞を形質転換又はトランスフェクトする適切な方法は、Sambrookら(Molecular Cloning: A Laboratory Manual.第二版、Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、NY、1989年)及びMethods in Molecular Biology、1995年、44巻、Agrobacterium protocols、Gartland及びDavey編、Humana Press、Totowa、New Jerseyなどの他の実験マニュアルにおいて見出すことができる。クマロン誘導体系除草剤に対する耐性の増加は、トウモロコシ、小麦、ライ麦、オート麦、ライコムギ、コメ、大麦、大豆、落花生、ワタ、ナタネ及びキャノーラ、キャッサバ、コショウ、ヒマワリ及びマンジュギクのような広範囲の植物、ジャガイモ、タバコ、ナス及びトマトのようなナス科植物、ソラマメ属の種(Vicia species)、エンドウ、アルファルファ、灌木植物(コーヒー、カカオ、茶)、シダレヤナギ属の種(Salix species)、樹木(アブラヤシ、ココナッツ)、多年生牧草並びに飼料作物に遺伝されることが望まれる一般的形質であるので、これらの作物また、本発明の一つのさらなる実施形態として、遺伝子操作のための好ましい標的植物である。好ましい実施形態において、この植物は作物である。飼料作物は、限定するものではないが、小麦の草(Wheatgrass)、カナリアクサヨシ(Canarygrass)、ブロムグラス(Bromegrass)、ワイルドライグラス(Wildrye Grass)、イナゴツナギ(Bluegrass)、カモガヤ(Orchardgrass)、アルファルファ、サルホイン(Salfoin)、ミヤコグサ(Birdsfoot Trefoil)、タチクローバー(Alsike Clover)、アカツメクサ(Red Clover)及びスイートクローバー(Sweet Clover)を含む。
本発明の一実施形態において、mut-HPPDポリヌクレオチドの植物へのトランスフェクトションは、アグロバクテリウム属媒介の遺伝子移入により達成される。当業者に公知の一形質転換方法は、開花植物のアグロバクテリア(Agrobacteria)溶液への浸漬であり、アグロバクテリアは、mut-HPPD核酸を含有し、次いで形質転換された配偶子の育種である。アグロバクテリウム属媒介の植物形質転換は、例えば、GV3101(pMP90)(Koncz及びSchell、1986年、Mol. Gen. Genet. 204:383-396)又はLBA4404 (Clontech)アグロバクテリウム・ツメファシエンス株を使用して実施できる。形質転換は、標準的な形質転換及び再生の技術により実施できる(Deblaereら、1994年、Nucl. Acids. Res. 13:4777-4788; Gelvin, Stanton B.及びSchilperoort, Robert A、Plant Molecular Biology Manual、第二版- Dordrecht : Kluwer Academic Publ.、1995年 Sect., Ringbuc Zentrale Signatur: BT11-P ISBN 0-7923-2731-4; Glick, Bernard R.及びThompson, John E.、Methods in Plant Molecular Biology and Biotechnology、Boca Raton : CRC Press、1993年 360 S.、ISBN 0-8493-5164-2)。例えば、ナタネは、子葉又は胚軸の形質転換を介して形質転換され得る(Moloneyら、1989年、Plant Cell Report 8:238-242; De Blockら、1989年、Plant Physiol. 91:694-701)。アグロバクテリウム属に対する抗生物質の使用及び植物の選択は、形質転換のために使用するバイナリーベクター及びアグロバクテリウム属株に依存する。ナタネの選択は、選択可能な植物マーカーとしてカナマイシンを使用して正常に実施される。亜麻へのアグロバクテリウム属媒介性遺伝子移入は、例えば、Mlynarovaら、1994年、Plant Cell Report 13:282-285に記載の技術を使用して実施できる。さらに、大豆の形質転換は、例えば、欧州特許第0424 047号、米国特許第5,322,783号、欧州特許第0397 687号、米国特許第5,376,543号又は米国特許第5,169,770号に記載の技術を使用して実施できる。トウモロコシの形質転換は、粒子衝撃、ポリエチレングリコール媒介のDNAの取り込みにより、又は炭化ケイ素線維技術を介して達成できる。(例えば、Freeling及びWalbot「The maize handbook」Springer Verlag: New York (1993年) ISBN 3-540-97826-7を参照されたい)。トウモロコシの形質転換の具体的な例は、米国特許第5,990,387号に見出され、小麦の形質転換の具体例は、PCT出願WO 93/07256に見出される。
本発明に従って、導入されたmut-HPPDポリヌクレオチドは、それが非染色体の自律的レプリコンに組み込まれた場合、又は植物染色体に統合された場合、植物細胞において安定に維持され得る。代替的には、導入されたmut-HPPDポリヌクレオチドは、染色体外の非複製ベクターに存在でき、一時的に発現され得る、又は一時的に活性であり得る。一実施形態において、相同組換え微生物を作り出すことができ、その際に、mut-HPPDポリヌクレオチドが染色体に統合され、その結果として内因性HPPD遺伝子が改変、例えば機能的に破壊され、mut-HPPD遺伝子が作り出されるように、欠失、付加又は置換が導入されているHPPD遺伝子の少なくとも一部を含有するベクターが調製される。相同組換えを介して点突然変異を作り出すために、DNA-RNAハイブリッドを、キメラ形成法として公知の技術に使用することができる(Cole-Straussら、1999年、Nucleic Acids Research 27(5):1323-1330及びKmiec、1999年、Gene therapy American Scientist 87(3):240-247)。コムギ属の種における他の相同組換え手順もまた、当分野において周知であり、本発明における使用が企図される。
相同組換えベクターにおいてmut-HPPD遺伝子は、その5'末端及び3'末端において追加のHPPD遺伝子の核酸分子に隣接され、微生物又は植物において、ベクターにより運ばれる外因性mut-HPPD遺伝子及び内因性HPPD遺伝子の間に起こる相同組換えを可能にさせる。追加の隣接HPPD核酸分子は、内因性遺伝子との相同組換えが成功するために十分な長さである。通常、隣接DNAの、最大キロベースの数百塩基対(5'末端及び3'末端の両方において)がベクターに含まれる(例えば、相同組換えベクターの記載に関しては、Thomas, K. R.及びCapecchi, M. R.、1987年、Cell 51:503又はヒメツリガネゴケにおけるcDNAに基づく組換えに関しては、Streppら、1998年、PNAS、95(8):4368-4373を参照されたい)。しかし、普通はmut-HPPD遺伝子はHPPD遺伝子と異なるアミノ酸がほとんどないので、隣接配列は必ずしも必要ではない。相同組換えベクターは、微生物又は植物細胞に導入され(例えば、ポリエチレングリコール媒介DNAを介して)、mut-HPPD遺伝子が導入された細胞は、当分野において公知の技術を使用して選択された内因性HPPD遺伝子を用いて相同的に組換えられている。
別の実施形態において、導入された遺伝子の発現の制御が可能な、選択された系を含有する組換え微生物が作製できる。例えば、mut-HPPD遺伝子をlacオペロンの調節下に配置してベクターに組み入れることで、IPTGの存在下でmut-HPPD遺伝子のみの発現が可能である。このような制御系は当分野において周知である。
本発明の別の態様は、本発明の組換え発現ベクターが導入されている宿主細胞に関する。「宿主細胞」及び「組換え宿主細胞」という用語は、本明細書において交換可能に使用される。このような用語が、特定の対象細胞だけを指すものではなく、このような細胞の子孫又は潜在的子孫にも適用されることは理解されるであろう。特定の修飾が、突然変異又は環境的影響のいずれかのためにその後の世代に起こり得るので、このような子孫は、実際、親細胞とは同一ではないと思われるが、本明細書において使用する場合、それでもやはりこの用語の範囲内に含まれる。宿主細胞は、任意の原核細胞又は真核細胞であってよい。例えば、mut-HPPDポリヌクレオチドは、コリネバクテリウム・グルタミクム(C.glutamicum)などの細菌細胞、昆虫細胞、菌類細胞又は哺乳動物細胞(チャイニーズハムスターの卵巣細胞(CHO)又はCOS細胞など)、藻類、絨毛虫、植物細胞、菌類又はコリネバクテリウム・グルタミクムのような他の微生物において発現可能である。他の適切な宿主細胞は、当業者に公知である。
培養液中の原核宿主細胞又は真核宿主細胞などの本発明の宿主細胞は、mut-HPPDポリヌクレオチドの作製(すなわち発現)のために使用できる。したがって、本発明は、本発明の宿主細胞を使用してmut-HPPDポリペプチドを作製する方法を、さらに提供する。一実施形態において、本方法は、(mut-HPPDポリペプチドをコードする組換え発現ベクターが導入された、又はゲノムが野生型又はmut-HPPDポリペプチドをコードする遺伝子に導入されている)発明の宿主細胞を、適切な培地においてmut-HPPDポリペプチドが産生されるまで培養するステップを含む。別の実施形態において、本方法は、培地又は宿主細胞からmut-HPPDポリペプチドを単離するステップをさらに含む。本発明の別の態様は、単離されたmut-HPPDポリペプチド及びそれらの生物学的に活性な部分に関する。「単離された」又は「精製された」ポリペプチド又はそれらの生物学的に活性な部分は、組換えDNA技術より作製された場合、細胞材料の一部を含まず、又は化学的に合成された場合、化学的前駆物質若しくは他の化学物質を含まない。「細胞材料を実質的に含まない」という専門用語は、ポリペプチドが、天然に又は組換え的に作製された細胞の細胞成分の一部から分離された、mut-HPPDポリペプチドの調製を含む。一実施形態において、「細胞材料を実質的に含まない」という専門用語は、約30%未満(乾燥重量で)の非mut-HPPD材料(本明細書において「混入したポリペプチド」とも称される)、より好ましくは約20%未満の非mut-HPPD材料、さらにより好ましくは約10%未満の非mut-HPPD材料及び最も好ましくは約5%未満の非mut-HPPD材料を有するmut-HPPDポリペプチドの調製を含む。
mut-HPPDポリペプチド又はそれらの生物学的に活性な部分が組換え的に作製された場合、mut-HPPDポリペプチド又はそれらの生物学的に活性な部分はまた、好ましくは、培養培地を実質的に含まない、すなわち、培養培地が、約20%未満、より好ましくは約10%未満及び最も好ましくは約5%未満の体積のポリペプチドの調製を表す。「化学的前駆物質又は他の化学物質を実質的に含まない」という専門用語は、ポリペプチドが、ポリペプチドの合成に伴われる化学的前駆物質又は他の化学物質から分離されたmut-HPPDポリペプチドの調製を含む。一実施形態において、「化学的前駆物質又は他の化学物質を実質的に含まない」という専門用語は、約30%未満(乾燥重量で)の化学的前駆物質又は非mut-HPPD化学物質、より好ましくは約20%未満の化学的前駆物質又は非mut-HPPD化学物質、さらにより好ましくは約10%未満の化学的前駆物質又は非mut-HPPD化学物質、及び最も好ましくは約5%未満の化学的前駆物質又は非mut-HPPD化学物質を有するmut-HPPDポリペプチドの調製を含む。好ましい実施形態において、単離されたポリペプチド又はそれらの生物学的に活性な部分は、mut-HPPDポリペプチドが由来する同じ生物からの混入ポリペプチドを欠いている。通常、このようなポリペプチドは、植物において、又はそれ以外にはコリネバクテリウム・グルタミクムなどの微生物、絨毛虫、藻類又は菌類において、例えば、mut-HPPDポリペプチドの組換え発現により作製される。
上記のように、本発明は、野生型変種の植物又は種子と比較して、作物又は種子のクマロン誘導体耐性を増加させるための組成物及び方法を教示する。好ましい実施形態において、作物又は種子のクマロン誘導体耐性は、植物又は種子が、好ましくはおよそ1-1000 g ai ha-1、より好ましくは20-160 g ai ha-1、及び最も好ましくは、40-80 g ai ha-1のクマロン誘導体系除草剤の適用に耐え得るように増加される。本明細書において使用する場合、クマロン誘導体系除草剤の適用に「耐える」ことは、植物が、このような適用により死滅、又は損傷のいずれもされないことを意味する。
さらに、本発明は、表2に表した少なくとも一種のクマロン誘導体系除草剤の使用を伴う方法を提供する。
これらの方法において、クマロン誘導体系除草剤は、限定するものではないが、種子処理、土壌処理及び茎葉処理を含む、当分野において公知の任意の方法により適用され得る。適用前に、クマロン誘導体系除草剤は、慣例の製剤、例えば、溶液、エマルジョン、懸濁液、細粉、散剤、ペースト及び顆粒に変換できる。使用形態は、特定の意図される目的に依存し、各々の事例において、本発明に従った化合物の細かく均等な分配を確実にするべきである。
クマロン誘導体系除草剤に対する耐性が増加した植物を提供することで、広範囲の製剤を、植物の成長を強化し、栄養に対する競合を減少させるように、雑草から植物を保護するために用いることができる。クマロン誘導体系除草剤は、本明細書に記載の作物の周囲の地域において、出芽前、出芽後、植え付け前及び植え付け時の雑草の防除に、単独で使用でき、又は他の添加剤を含有するクマロン誘導体系除草剤製剤も使用できる。クマロン誘導体系除草剤は、種子処理としても使用できる。クマロン誘導体系除草剤製剤中に見出される添加剤は、他の除草剤、界面活性剤、アジュバント、展着剤、固着剤、分解防止剤などを含む。クマロン誘導体系除草剤製剤は、湿潤調製品であっても、又は乾燥調製品であってもよく、限定するものではないが、流動性散剤、乳化可能濃縮物及び液体濃縮物を含み得る。クマロン誘導体系除草剤及び除草剤製剤は、従来の方法に従って、例えば、スプレー噴霧、灌水、散粉などにより適用できる。
適切な製剤は、PCT/EP2009/063387及びPCT/EP2009/063386に詳細に記載され、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
前述は、本発明の好ましい実施形態に関し、多数の変形が本発明の範囲を逸脱することなくその中で作ることができることもまた、理解すべきである。本発明を、下記の実施例によりさらに例示するが、これらは、本発明の範囲に限定を課すものとは、決して解釈すべきではない。対照的に、本明細書の記載の読後、本発明の精神及び/又は添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、それら自体を当業者に示唆することができる、さまざまな他の実施形態、それらの変形及び等価物に対する報告ができることは明らかに理解されるべきである。
[実施例]
HPPDコード遺伝子のクローニング
(A)シロイヌナズナHPPDのクローニング
部分的シロイヌナズナAtHPPDコード配列(配列番号1)を、標準PCR技術により、シロイヌナズナcDNAから、プライマーHuJ101及びHuJ102(表5)を使用して増幅する。
Figure 2013529074
PCR産物を、ベクターpEXP5-NT/TOPO(登録商標)(Invitrogen、Carlsbad、USA)中に、製造業者の取扱説明書に従ってクローニングする。得られたプラスミドpEXP5-NT/TOPO(登録商標)-AtHPPDを、大腸菌TOP10からプラスミドの少量調製を実施することによって単離する。N末端His6-タグ付けAtHPPDをコードする発現カセットを、DNA配列決定により確認する。
(B)コナミドリムシHPPD1のクローニング
コナミドリムシHPPD1(CrHPPD1)コード配列(配列番号3)を、大腸菌における発現のためにコドンを最適化し、合成遺伝子として提供する(Entelechon、Regensburg、Germany)。部分的合成遺伝子を、標準PCR技術により、プライマーTa1-1及びTa1-2(表6)を使用して増幅する。
Figure 2013529074
PCR産物を、ベクターpEXP5-NT/TOPO(登録商標)(Invitrogen、Carlsbad、USA)中に、製造業者の取扱説明書に従ってクローニングする。得られたプラスミドpEXP5-NT/TOPO(登録商標)-CrHPPD1を、大腸菌TOP10からプラスミドの少量調製を実施することによって単離する。N末端His6-タグ付けCrHPPD1をコードする発現カセットを、DNA配列決定により確認する。
(C)コナミドリムシHPPD2のクローニング
コナミドリムシHPPD2(CrHPPD2)コード配列(配列番号5)を、大腸菌における発現のためにコドンを最適化し、合成遺伝子として提供する(Entelechon、Regensburg、Germany)。部分的合成遺伝子を、標準PCR技術により、プライマーTa1-3及びTa1-4(表7)を使用して増幅する。
Figure 2013529074
PCR産物を、ベクターpEXP5-NT/TOPO(登録商標)(Invitrogen、Carlsbad、USA)中に、製造業者の取扱説明書に従ってクローニングする。得られたプラスミドpEXP5-NT/TOPO(登録商標)-CrHPPD2を、大腸菌TOP10からプラスミドの少量調製を実施することによって単離する。N末端His6-タグ付けCrHPPD2をコードする発現カセットを、DNA配列決定により確認する。
(D)ダイズHPPDのクローニング
ダイズHPPD(GmHPPD; Glyma14g03410)コード配列を、大腸菌における発現のためにコドンを最適化し、合成遺伝子として提供する(Entelechon、Regensburg、Germany)。部分的合成遺伝子を、標準PCR技術により、プライマーTa2-65及びTa2-66(表8)を使用して増幅する。
Figure 2013529074
PCR産物を、ベクターpEXP5-NT/TOPO(登録商標)(Invitrogen、Carlsbad、USA)中に、製造業者の取扱説明書に従ってクローニングする。得られたプラスミドpEXP5-NT/TOPO(登録商標)-GmHPPDを、大腸菌TOP10からプラスミドの少量調製を実施することによって単離する。N末端His6-タグ付けGmHPPDをコードする発現カセットを、DNA配列決定により確認する。
(E)トウモロコシHPPDのクローニング
トウモロコシHPPD(ZmHPPD;GRMZM2G088396)コード配列を、大腸菌における発現のためにコドンを最適化し、合成遺伝子として提供する(Entelechon、Regensburg、Germany)。部分的合成遺伝子を、標準PCR技術により、プライマーTa2-45及びTa2-46(表9)を使用して増幅する。
Figure 2013529074
PCR産物を、ベクターpEXP5-NT/TOPO(登録商標)(Invitrogen、Carlsbad、USA)中に、製造業者の取扱説明書に従ってクローニングする。得られたプラスミドpEXP5-NT/TOPO(登録商標)-ZmHPPDを、大腸菌TOP10からプラスミドの少量調製を実施することによって単離する。N末端His6-タグ付けZmHPPDをコードする発現カセットを、DNA配列決定により確認する。
(F)イネHPPDのクローニング
イネHPPD(OsHPPD;Os02g07160)コード配列を、大腸菌における発現のためにコドンを最適化し、合成遺伝子として提供する(Entelechon、Regensburg、Germany)。部分的合成遺伝子を、標準PCR技術により、プライマーTa2-63及びTa2-64(表10)を使用して増幅する。
Figure 2013529074
PCR産物を、ベクターpEXP5-NT/TOPO(登録商標)(Invitrogen、Carlsbad、USA)中に、製造業者の取扱説明書に従ってクローニングする。得られたプラスミドpEXP5-NT/TOPO(登録商標)OsHPPDを、大腸菌TOP10からプラスミドの少量調製を実施することによって単離する。N末端His6-タグ付けOsHPPDをコードする発現カセットを、DNA配列決定により確認する。
組換えHPPD酵素の異種発現及び精製
組換えHPPD酵素は、大腸菌において産生され、過剰発現される。化学的コンピテントBL21(DE3)細胞(Invitrogen、Carlsbad、USA)を、pEXP5-NT/TOPO(登録商標)(実施例1を参照されたい)を用いて、製造業者の取扱説明書に従って形質転換する。
形質転換細胞を、37℃において、100μg/mlのアンピシリンを添加したLBブロス(Invitrogen、Carlsbad、USA)中で成長させる。タンパク質を、IPTG(イソピロピル-D-1-チオガラクトピラノシド)による誘導はせずに発現させる。
OD600(600nmにおける光学密度)が4から5において、細胞を、遠心分離(8000×g)により収穫する。細胞ペレットを、完全EDTA非含有プロテアーゼミックス(Roche-Diagnostics)を添加した結合バッファー(50mMのリン酸ナトリウムバッファー、0.5MのNaCl、10mMのイミダゾール、pH7,0)に再懸濁し、Avestin Pressを使用して均一化する。ホモジネートを、遠心分離(20,000×g)によりクリアにする。His6-タグ付けHPPD又は突然変異体を、アフィニティクロマトグラフィーによりHisTrap(商標)HPカラム(GE Healthcare、Munich、Germany)において、製造業者の取扱説明書に従って精製する。精製されたHPPD又は突然変異体を、10%のグリセリンを添加した100mMのリン酸ナトリウムバッファーpH7.0に対して透析し、-86℃において保存する。タンパク質含有量を、Bradfordに従ってBio-Radタンパク質アッセイ(Bio-Rad Laboratories、Hercules、USA)を使用して決定する。酵素調製品の純度を、SDS-PAGEにより推定する。
HPPD活性に関するアッセイ
HPPDは、4-ヒドロキシフェニルピルビン酸(4-HPP)及びO2からホモゲンチジン酸及びCO2を産生する。HPPDに関する活性アッセイは、逆相HPLCによるホモゲンチジン酸の分析に基づく。
方法(A)
アッセイ混合物は、合計体積1ml中に150mMのリン酸カリウムバッファーpH7.0、50mMのL-アスコルビン酸、1μMのFeSO4及び7μgの精製酵素を含有することができる。
阻害剤を、DMSO(ジメチルスルホキシド)に、それぞれ濃度が20mM又は0.5mMになるように溶解する。このストック溶液から、DMSO中5倍段階希釈液を調製し、これをアッセイに使用する。それぞれの阻害剤溶液は、アッセイ体積の1%を占める。したがって、最終阻害剤濃度範囲は、それぞれ200μMから2.5nM又は5μMから63pMである。
30分の予備インキュベーション後、反応を、4-HPPを最終濃度0.1mMになるように加えることによって開始させる。この反応を、120分間室温において進行させる。反応を、100μlの4.5Mリン酸の添加により停止させる。
試料を、63mMのリン酸を用いて予備平衡化させたOasis(登録商標)HLBカートリッジ3cc/60mg(Waters)において抽出する。L-アスコルビン酸を、3mlの63mMリン酸を用いて洗い流す。ホモゲンチジン酸を、63mMリン酸及びメタノール(w/w)の1:1混合物の1mlを用いて溶出する。
10μlの溶出液を、逆相HPLCにより、Symmetry(登録商標)C18カラム(粒径3.5μm、寸法4,6×100mm;Waters)において5mM H3PO4/15%エタノール(w/w)を溶出剤として使用して分析する。
ホモゲンチジン酸を、電気化学的に検出し、ピーク面積を測定することによって定量する(Empower software;Waters)。
活性を、阻害されていない酵素活性を100%に設定することによって正規化する。IC50値を、非線形回帰を使用して計算する。
方法(B)
アッセイ混合物は、合計体積505μl中に150mMのリン酸カリウムバッファーpH7.0、50mMのL-アスコルビン酸、100μMのカタラーゼ(Sigma-Aldrich)、1μMのFeSO4及び0.2ユニットの精製HPPD酵素を含有することができる。1ユニットは、1nmolのHGA/分を20℃において産生するために必要とされる酵素の量として定義される。
30分の予備インキュベーション後、反応を、4-HPPを最終濃度0.05mMになるように加えることによって開始させる。この反応を、45分間室温において進行させる。反応を、50μlの4.5Mリン酸の添加により停止させる。試料を、0.2μMの細孔径のPVDFろ過装置を使用してろ過する。
5μlのクリアにした試料を、AtlantisT3カラム(粒径3μm、寸法3×50mm;Waters)において、イソラクティック溶出により、90%の10mM NaH2PO4、pH2.2、10%メタノール(v/v)を使用して分析する。
HGAを、電気化学的に750mV(モード:DC;極性:陽性)において検出し、ピーク面積を積算することによって定量する(Empower software;Waters)。
阻害剤を、DMSO(ジメチルスルホキシド)中に、濃度0.5mMになるように溶解する。このストック溶液から、DMSO中5倍段階希釈液を調製し、これをアッセイに使用する。それぞれの阻害剤溶液は、アッセイ体積の1%を占める。したがって、最終阻害剤濃度範囲は、それぞれ5μMから320pMである。活性を、阻害されていない酵素活性を100%に設定することによって正規化する。IC50値を、非線形回帰を使用して計算する。
野生型HPPD酵素のin vitroの特徴付け
上記の実施例に記載の方法又は当分野において周知の方法を使用して、精製された、組換え野生型HPPD酵素を、それらの動態特性及びHPPD阻害除草剤に対する感受性に関して特徴付ける。見かけのミカエリス定数(Km)及び最大反応速度(Vmax)を、非線形回帰により、ソフトウェアGraphPad Prism 5(GraphPad Software、La Jolla、USA)を用いて、基質阻害モデルを使用して計算する。見かけのkcat値は、100%純度の酵素調製品と仮定してVmaxから計算する。(標準誤差による)Kmの加重平均及びIC50値を、少なくとも三つの独立した実験から計算する。競合阻害に関するCheng-Prusoff式(Cheng, Y. C.; Prusoff, W. H. Biochem Pharmacol 1973年、22、3099-3108)を使用して、解離定数(Ki)を計算する。得られたデータの例を、表11に表す。
Figure 2013529074
このHPPD酵素との複合体からの「クマロン誘導体系除草剤」の解離を管理する解離定数が、他のHPPD酵素との複合体からの「クマロン誘導体系除草剤」の解離を管理する解離定数より大きいことが見出されるので、HPPD酵素が、「クマロン誘導体系除草剤」に対して抵抗性であるものとして選択できることを、上記実施例から見ることができる。
上記実施例は、「クマロン誘導体系除草剤」に対するそれらの解離定数が、シロイヌナズナHPPDのような他のHPPD酵素からの解離定数より大きいので、コナミドリムシHPPD1のような選択されたHPPD酵素が、本発明に関連して特に有用であることをさらに示す。
「クマロン誘導体系除草剤」に対して抵抗性である任意のHPPD酵素は、たとえこのタンパク質が本テキストに例示されていなくても、本発明の主題の一部であることは明らかである。
さらに、この実施例はこのHPPD酵素との複合体からのトプラメゾンの解離を管理する解離定数が、他のHPPD酵素との複合体からのトプラメゾンの解離を管理する解離定数より大きいことが見出されるので、HPPD酵素が、トプラメゾンに対して抵抗性であるものとして選択できることを示す。
合理的突然変異誘発
構造生物学及び配列アライメントを用いて、「クマロン誘導体系除草剤」の結合に関与することが見出される特定数のアミノ酸を選択し、その後、それらに突然変異を誘発し、耐性HPPD酵素を得ることが可能である。
(A)部位特異的突然変異誘発
pEXP5-NT/TOPO(商標登録)-AtHPPDのPCRに基づく部位特異的突然変異誘発を、QuikChange II Site-Directed Mutagenesis Kit (Stratagene、Santa Clara、USA)を用いて、製造業者の取扱説明書に従って実施される。この技術は、各突然変異に関して二つの化学的に合成されたDNAプライマー(フォワードプライマー及びリバースプライマー)を必要とする。AtHPPDの部位特異的突然変異誘発に使用されるプライマーを、表12に載せる。
Figure 2013529074
突然変異体プラスミドを、大腸菌TOP10からプラスミドの少量調製を実施することによって単離し、DNA配列決定により確認した。
単一アミノ酸置換の組み合わせは、段階的突然変異誘発アプローチにより達成される。
(B)シロイヌナズナHPPD突然変異体のin vitroの特徴付け
精製された、突然変異体HPPD酵素は、上記の方法によって得る。用量応答及び動態測定は、上記のHPPD活性アッセイを使用して実施する。見かけのミカエリス定数(Km)及び最大反応速度(Vmax)を、非線形回帰により、ソフトウェアGraphPad Prism 5 (GraphPad Software、La Jolla、USA)を用いて、基質阻害モデルを使用して計算する。見かけのkcat値は、100%純度の酵素調製品と仮定してVmaxから計算する。(標準誤差による)Kmの加重平均及びIC50値を少なくとも三つの独立した実験から計算する。競合阻害に関するCheng-Prusoff式(Cheng, Y. C.; Prusoff, W. H. Biochem Pharmacol 1973年、22、3099-3108)を使用して、解離定数(Ki)を計算する。得られたデータの例を、表13に表す。
Figure 2013529074
HPPD変異体との複合体からの「クマロン誘導体系除草剤」の解離を管理する解離定数が、野生型HPPD酵素との複合体からの「クマロン誘導体系除草剤」の解離を管理する解離定数より大きいことが見出されるので、突然変異体HPPD酵素が、「クマロン誘導体系除草剤」に対して抵抗性であるものとして選択できることを、上記実施例から見ることができる。上記実施例は、I393L、L385V又はP336A E363Qのような選択されたHPPD突然変異体が、それらの触媒効率(kcat/Km)が野生型酵素と比較して最大五倍減少しただけなので、本発明に関連して特に有用であることをさらに示す。
さらに、この実施例は、HPPD突然変異体との複合体からのトプラメゾンの解離を管理する解離定数が、野生型HPPD酵素との複合体からのトプラメゾンの解離を管理する解離定数より大きいことが見出されるので、突然変異体HPPD酵素が、トプラメゾンに対して抵抗性であるものとして選択できることを示す。
「クマロン誘導体系除草剤」に対して耐性であるクローンを同定するための、藻類細胞のランダムな突然変異誘発及びスクリーニング並びにHPPD/HST遺伝子における原因となる突然変異の同定
プラストキノン又はトコフェロールの生合成における作用様式を有する漂白化除草剤は、藻類の成長を阻害できる(表14及び15)。これらの効果は、ホモゲンチジン酸生合成の中間体により部分的に逆転できる(表14)。HPPD又はHST遺伝子に「クマロン誘導体系除草剤」抵抗性をもたらす突然変異を作製するために、化学的突然変異誘発又はUV突然変異誘発を使用できる。特に、コナミドリムシ又はセネデスムス・オブリカス(Scenedesmus obliquus)のような単細胞生物は、除草剤抵抗性において優勢な突然変異の同定に有用である。
Figure 2013529074
Figure 2013529074
コナミドリムシ系統の藻類細胞CC-503及びCC-1691(Duke University、Durham、USA)を、TAP培地(Gorman及びLevine (1965年) PNAS 54: 1665-1669)において、100rpm、22℃及び30μmolのPhot * m-2 * s-2光照明における定期的振とうにより繁殖させた。セネデスムス・オブリカス(University of Gottingen、Germany)を、(Boger及びSandmann、(1993年) : Target assays for modern herbicides and related phytotoxic compounds、Lewis Publishers)に記載の藻類培地において、コナミドリムシに関して述べた同じ培養条件下で繁殖させた。化合物のスクリーニングを、450μmolのPhot * m-2 * s-2照明において実施した。
コナミドリムシ又はセネデスムス・オブリカスの感受性系統(表14、15)に、Loppes (1969年、Mol Gen Genet 104: 172-177)により記載のように0.14Mのエチルメタンスルホン酸(EMS)を1時間用いて突然変異を起こした。耐性系統を、野生型に致命的な濃度の「クマロン誘導体系除草剤」又は他のHPPD阻害性除草剤を含有する固体栄養溶液プレートにおいて突然変異誘発細胞のスクリーニングにより同定した。得られたデータの例を表16及び図2に表す。
Figure 2013529074
「クマロン誘導体系除草剤」含有培地において選択された突然変異誘発系統が、野生型系統より高いIC50値及びしたがって低い成長阻害を示したことが見出されたので、突然変異誘発コナミドリムシ系統を、「クマロン誘導体系除草剤」に対して抵抗性であるものとして選択できることを、上記実施例から見ることができる。
さらに、これらの除草剤を含有する培地において選択された突然変異誘発系統が、野生型系統より高いIC50値及びしたがって低い成長阻害を示したことが見出されたので、この実施例は、突然変異誘発コナミドリムシ系統が、メソトリオン又はトプラメゾンのような他のHPPD阻害除草剤に対して抵抗性であるものとして選択できることを示す。
上記の実施例は、選択された突然変異体が、すべての被験化合物(例えばCMr06)に対して高レベルの耐性又は広い交差抵抗性を示すことをさらに示す。
鋳型のゲノムDNA又はコピーDNAからの、野生型及び抵抗性のコナミドリムシ由来のHPPD及びHST遺伝子の増幅を、標準PCR技術により、表17に記載のDNAオリゴヌクレオチドを用いて実施する。DNAオリゴヌクレオチドは配列番号3、5及び7に由来する。得られたDNA分子を、標準配列決定ベクター中にクローニングし、標準配列決定技術により配列決定する。突然変異を、野生型と、突然変異体HPPD/HST配列とを、配列アライメントツールAlign X (Vector NTI Advance Software Version 10.3、Invitrogen、Carlsbad、USA)により比較することによって同定する。
Figure 2013529074
得られたデータの例を表18に表す。
Figure 2013529074
セネデスムス・オブリカス由来のオルソログHPPD及びHST遺伝子を同定するために、縮重したPCRプライマーを、それぞれHPPD又はHSTのタンパク質アライメントに基づいて、保存領域から定義した(図1A及びB)。HPPDのためのフォワードプライマーは、コンセンサス配列R-K-S-Q-I-Q-T(表19A)又はS-G-L-N-S-A/M/V-V-L-A(表19B)から作製し、リバースプライマーは、コンセンサス配列Q-(I/V)-F-T-K-P-(L/V)(表19A)又はC-G-G-F-G-K-G-N-F(表19B)に由来する。HSTのためのフォワードプライマーは、コンセンサス配列W-K-F-L-R-P-H-T-I-R-G-Tから作製し、リバースプライマーは、コンセンサス配列F-Y-R-F/W-I-W-N-L-F-Y-A/S/V(表19)に由来する。受け取ったHPPD/HST遺伝子配列タグに基づいて、タンパク質コード配列は、コピーDNA又はゲノムDNAにおけるLiu及びWhittier (1995年、Genomics 25: 674-681)並びにYuanxinら(2003年 Nuc Acids Research 31: 1-7)又はSpertiniら(1999年 Biotechniques 27: 308-314)により記載されたアダプターPCR又はTAIL PCR技術により完了させる。
Figure 2013529074
除草剤耐性植物を同定するためのEMS突然変異誘発シロイヌナズナ集団のスクリーニング及びHPPD/HST遺伝子における原因となる突然変異の同定
EMS処理シロイヌナズナ植物のM2集団は、Lehle Seeds(Round Rock、TX、USA)から得る。スクリーニングを、シロイヌナズナの種子を、0.5%ゼラチン化剤Gelrite(登録商標)及び化合物の活性に依存して0.1から100μMのクマロン誘導体系除草剤を含有する1/2濃度のムラシゲ・スクーグ(murashige skoog)栄養溶液へプレーティングすることによって実施する。プレートを、成長チャンバーにおいて、16:8hの明:暗サイクル中22℃において最大三週間インキュベートした。強度の低い漂白化表現型を示す耐性植物を土壌に植え付け、成熟まで温室条件下で成長させる。ロゼット植物期において、DNeasy Plant Mini Kit(Qiagen、Hilden、Germany)を用いたゲノムDNAの単離又はRNeasy Plant Mini Kit(Quagen、Hilden、Germany)を用いた全mRNAの単離のために、リーフディスクをクマロン誘導体系除草剤耐性植物から収穫する。HPPD又はHST配列を、標準PCR技術により、ゲノムDNAから表11に記載の個別のオリゴヌクレオチドを用いて増幅させる。mRNAからのHPPD又はHSTの増幅のために、コピーDNAを、Superscript III Reverse Transcriptase (Invitrogene、Carlsbad、CA、USA)を用いて合成し、HPPD又はHSTを、表11に記載のDNAオリゴヌクレオチドを用いて増幅させる。標準配列決定プラスミドにおけるPCR産物のクローニング後、突然変異HPPD/HST遺伝子のDNA配列を、標準配列決定技術により同定する。突然変異を、野生型と、突然変異体HPPD/HST配列とを、配列アライメントツールAlign X (Vector NTI Advance Software Version 10.3、Invitrogen、Carlsbad、USA)により比較することによって同定する。
Figure 2013529074
異種HPPD及び/又はHST酵素を発現し、「クマロン誘導体系除草剤」に対して耐性である植物の調製
安定に形質転換された植物の作製のためのさまざまな方法は、当分野において周知である。クマロン誘導体系除草剤耐性大豆(ダイズ)植物は、Olhoftら(米国特許出願公開第2009/0049567号)に記載の方法によって作製できる。簡潔に言うと、HPPD又はHSTコードポリヌクレオチドを、バイナリーベクター内に、Sambrookら(Molecular cloning (2001年) Cold Spring Harbor Laboratory Press)により記載された標準クローニング技術を使用してクローニングする。最終ベクター構築体は、プロモーター配列(例えばユビキチンプロモーター(PcUbi)配列)及びターミネーター配列(例えばノパリン合成酵素ターミネーター(NOS)配列)及び抵抗性マーカー遺伝子カセット(例えばAHAS)(図3)に隣接するHPPD又はHSTコード配列を含有する。場合により、HPPD又はHST遺伝子は、選択手段を提供できる。アグロバクテリウム属媒介形質転換を使用して、DNAを実生外殖片の初生節の大豆の腋生分裂組織細胞内に導入する。アグロバクテリアの接種及び共栽培後、この外殖片を、選択なしのシュート誘導培地に1週間移す。外殖片を、続けて1-3μMのイマザピル(Arsenal)を含むシュート誘導培地に3週間移し、形質転換細胞を選択する。初生節の健康なカルス/シュートパッド(callus/shoot pads)を有する外殖片を、その後1-3μMのイマザピルを含有するシュート伸長培地にシュート伸長又は外殖片が死ぬまで移す。再生後、形質転換体を、小型ポット中の土壌に移植し、成長チャンバー(16時間昼/8時間夜;25℃昼/23℃夜;65%相対湿度;130-150mE m-2 s-1)に配置し、続いてTaqman分析を介したT-DNAの存在に関して試験した。数週間後、健康な、トランスジェニック陽性の単一コピー事象を、より大きなポットに移植し、成長チャンバーにおいて成長させる。
コーン植物の形質転換を、McElver及びSingh(WO 2008/124495)により記載された方法により実施する。HPPD又はHST配列を含有する植物形質転換ベクター構築体を、トウモロコシの未熟胚にアグロバクテリウム属媒介形質転換を介して導入する。形質転換細胞を、0.5-1.5μMのイマゼタピルを添加した選択培地において3-4週間選択する。トランスジェニック小植物を、植物再生培地において再生させ、その後根付かせる。トランスジェニック小植物を、鉢植え用混合物に移植する前に導入遺伝子の存在に関するTaqMan分析に供し、温室において成熟まで成長させる。
シロイヌナズナを、HPPD又はHST配列を用いて、McElver及びSingh(WO 2008/124495)により記載されたフローラルディップ方法により形質転換する。
イネ(コメ)の形質転換を、Pengら(米国特許第6,653,529号)により記載されたプロトプラスト形質転換により実施する。
HPPD又はHST配列を含有する大豆、コーン、コメ及びシロイヌナズナのT0又はT1トランスジェニック植物を、温室研究における「クマロン誘導体系除草剤」耐性の改善に関して試験する。
温室実験
異種HPPD又はHST酵素を発現するトランスジェニック植物を、温室実験におけるクマロン誘導体系除草剤に対する耐性に関して試験する。
出芽前処理のために、除草剤を、細かく分配するノズルを用いて播種後直接適用する。容器に、発芽及び成長を促進するために容器に穏やかに灌水し、続いて植物が根付くまで透明なプラスチックフードで覆う。このカバーは、植物が除草剤により損なわれていなければ、試験植物の均一な発芽を引き起こす。
出芽後処理のために、試験植物を、まず、草性に依存して3から15cmの高さまで成長させ、その後にだけ除草剤を用いて処理する。この目的のために、試験植物を、同じ容器に直接播種し成長させる、又はそれらをまず、分離して成長させ、処理の数日前に試験容器に移植する。T0植物の試験のために、挿し穂を使用できる。大豆植物の場合、挿し穂に最適なシュートは約7.5から10cmの高さで、少なくとも二つの節が存在する。各挿し穂は、もともとの形質転換体(母植物)から採取し、発根ホルモン散剤(インドール-3-酪酸、IBA)に浸漬する。挿し穂をその後、バイオドーム(biodome)内のオアシスウェッジ(oasis wedges)に配置する。野生型の挿し穂もまた同時に採取し、対照として機能する。挿し穂をバイオドームにおいて5-7日育て、その後ポットに移植し、その後成長チャンバーにおいて2日以上馴化させる。続いて、挿し穂を温室に移し、およそ4日間馴化させ、その後表示のようなスプレー試験に供する。
種に依存して、植物を、10-25℃又は20-35℃において育てる。試験期間は、3週間を超えて延長する。この間、植物の世話をし、個別の処理に対する応答を評価する。除草剤損傷評価を、処理の2及び3週間後に行う。植物の損傷は、0から9の基準で格付けし、0は損傷なし、0は完全な死である。
得られたデータの例を、表21及び図4に表す。
Figure 2013529074
このようなポリヌクレオチドを用いて形質転換された植物が、非形質転換対照植物よりクマロン誘導体系除草剤による損傷が少ないことが見出されるので、植物内に形質転換されたHPPDコードポリヌクレオチドが、クマロン誘導体系除草剤に対して抵抗性をもたらすものとして選択できることを、上記実施例から見ることができる。
さらに、このようなポリヌクレオチドを用いて形質転換された植物が、非形質転換対照植物よりトプラメゾンによる損傷が少ないことが見出されるので、この実施例は、植物に形質転換されたHPPDコードポリヌクレオチドは、トプラメゾンに対する抵抗性をもたらすものとして選択できることを示す。

Claims (23)

  1. 植物栽培地域における望ましくない植生を防除する方法であって、
    a)前記地域において、
    (i)クマロン誘導体系除草剤に対して抵抗性若しくは耐性である、野生型ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ若しくは突然変異ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(mut-HPPD)をコードするヌクレオチド配列、及び/又は
    (ii)クマロン誘導体系除草剤に対して抵抗性若しくは耐性である、野生型ホモゲンチジン酸ソラネシルトランスフェラーゼ若しくは突然変異ホモゲンチジン酸ソラネシルトランスフェラーゼ(mut-HST)をコードするヌクレオチド配列
    を含む少なくとも一種の核酸を含む植物を提供するステップ、
    b)前記地域に、有効量の前記除草剤を適用するステップ
    を含む方法。
  2. (i)のヌクレオチド配列が、配列番号1、3若しくは5の配列又はそれらの変異体若しくは誘導体を含む、請求項1に記載の方法。
  3. (ii)のヌクレオチド配列が、配列番号7若しくは9の配列又はそれらの変異体若しくは誘導体を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 植物が、(iii)除草剤耐性酵素をコードするヌクレオチド配列を含む少なくとも1種の追加の異種核酸を含む、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. クマロン誘導体系除草剤が、一種又は複数種の他のHPPD及び/又はHST標的化除草剤と併せて適用される、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. 配列番号1、3若しくは5のヌクレオチド配列又はそれらの変異体若しくは誘導体を含む核酸によりコードされるmut-HPPDを使用することによって、及び/又は配列番号7若しくは9のヌクレオチド配列又はそれら変異体若しくは誘導体を含む核酸によってコードされるmut-HSTを使用することによって、クマロン誘導体系除草剤を同定する方法。
  7. a)mut-HPPDをコードする核酸を含み、mut-HPPDが発現されるトランスジェニック細胞又は植物を作製するステップ、
    b)クマロン誘導体を、a)のトランスジェニック細胞又は植物及び同じ変種の対照細胞又は植物に適用するステップ、
    c)前記試験化合物の適用後、トランスジェニック細胞又は植物及び対照細胞又は植物の成長又は生存能力を決定するステップ、並びに
    d)トランスジェニック細胞又は植物の成長と比較して、対照細胞又は植物の成長を減少させる試験化合物を選択するステップ
    を含む、請求項6に記載の方法。
  8. クマロン誘導体系除草剤に対して抵抗性又は耐性であるmut-HPPDをコードするヌクレオチド配列を同定する方法であって、
    a)mut-HPPDコード核酸のライブラリーを作製するステップ、
    b)細胞又は植物において個々の前記核酸を発現させ、クマロン誘導体を用いて前記細胞又は植物を処理するステップによって、得られたmut-HPPDコード核酸の集団をスクリーニングするステップ、
    c)mut-HPPDコード核酸の前記集団により提供される「クマロン誘導体」耐性レベルと、対照HPPDコード核酸により提供される「クマロン誘導体」耐性レベルとを比較するステップ、
    d)対照HPPDコード核酸により提供される「クマロン誘導体」に対する耐性のレベルと比較して、「クマロン誘導体」に対する有意に増加したレベルの耐性を提供する、少なくとも一種のmut-HPPDコード核酸を選択するステップ
    を含む方法。
  9. ステップd)において選択されたmut-HPPDコード核酸が、対照HPPDコード核酸により提供されるクマロン誘導体系除草剤に対する耐性と比較して、少なくとも二倍高いクマロン誘導体系除草剤に対する耐性を提供する、請求項8に記載の方法。
  10. 抵抗性又は耐性が、ステップa)のライブラリーの核酸配列を含むトランスジェニック植物を作製し、前記トランスジェニック植物と対照植物とを比較することよって決定される、請求項8又は9に記載の方法。
  11. mut-HPPDをコードする単離された核酸であって、請求項8から10のいずれかに記載の方法によって同定可能である核酸。
  12. コードされたmut-HPPDが、配列番号2の変異体であり、293位のアミノ酸がグルタミン以外であること;335位のアミノ酸がメチオニン以外であること;336位のアミノ酸がプロリン以外であること;337位のアミノ酸がセリン以外であること;363位のアミノ酸がグルタミン酸以外であること;422位のアミノ酸がグリシン以外であること;385位のアミノ酸がロイシン以外であること;及び/又は393位のアミノ酸がイソロイシン以外であることの一つ又は複数を含む、請求項11に記載の核酸。
  13. 野生型又はmut-HPPDの核酸により形質転換されたトランスジェニック植物細胞であって、植物細胞における核酸の発現が、野生型変種の植物細胞と比較して、クマロン誘導体系除草剤に対する抵抗性又は耐性の増加をもたらすトランスジェニック植物細胞。
  14. 野生型又はmut-HPPDの核酸が、a)配列番号1、3若しくは5で示されるポリヌクレオチド又はそれらの変異体若しくは誘導体、b)配列番号7若しくは9で示されるポリヌクレオチド又はそれらの変異体若しくは誘導体、c)配列番号2、4、6、8若しくは10で示されるポリペプチド又はそれらの変異体若しくは誘導体をコードするポリヌクレオチド、d)a)からc)の任意の少なくとも60個の連続するヌクレオチドを含むポリヌクレオチド、並びにe)a)からd)の任意のポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチド配列を含む、請求項13に記載のトランスジェニック植物細胞。
  15. c)の配列番号2のポリペプチドの変異体が、293位のアミノ酸がグルタミン以外であること;335位のアミノ酸がメチオニン以外であること;336位のアミノ酸がプロリン以外であること;337位のアミノ酸がセリン以外であること;363位のアミノ酸がグルタミン酸以外であること;422位のアミノ酸がグリシン以外であること;385位のアミノ酸がロイシン以外であること;及び/又は393位のアミノ酸がイソロイシン以外であることの一つ又は複数を含む、請求項14に記載のトランスジェニック植物細胞。
  16. 請求項13から15のいずれかに記載の植物細胞を含むトランスジェニック植物であって、植物における核酸の発現が、野生型変種の植物細胞と比較して、クマロン誘導体系除草剤に対する植物の抵抗性の増加をもたらす、トランスジェニック植物。
  17. 配列番号2を含む突然変異誘発又は組換えmut-HPPDを発現する植物であって、アミノ酸配列が、一つ又は複数のアミノ酸の位置において野生型植物に対応するHPPDのアミノ酸配列と異なり、293位のアミノ酸がグルタミン以外であり、335位のアミノ酸がメチオニン以外であり、336位のアミノ酸がプロリン以外であり、337位のアミノ酸がセリン以外であり、363位のアミノ酸がグルタミン酸以外であり、422位のアミノ酸がグリシン以外であり、385位のアミノ酸がロイシン以外であり、及び/又は393位のアミノ酸がイソロイシン以外であり、前記HPPDが、前記植物において発現されると、対応する野生型変種の植物と比較して、除草剤耐性の増加をもたらす、植物。
  18. 請求項13から15のいずれかに記載の植物細胞を含むトランスジェニック植物により、又は請求項16又は17の植物により産生された種子であって、野生型変種の種子と比較してクマロン誘導体系除草剤に対する抵抗性の増加のための純粋育種である種子。
  19. 野生型変種の植物細胞と比較してクマロン誘導体系除草剤に対する抵抗性が増加したトランスジェニック植物細胞を作製する方法であって、mut-HPPD核酸を含む発現カセットを用いて植物細胞を形質転換するステップを含む方法。
  20. (a)mut-HPPD核酸を含む発現カセットを用いて植物細胞を形質転換するステップ、及び(b)植物細胞から、クマロン誘導体系除草剤に対する抵抗性が増加した植物を作製するステップを含む、トランスジェニック植物を作製する方法。
  21. mut-HPPD核酸が、a)配列番号1、3若しくは5で示されるポリヌクレオチド又はそれらの変異体若しくは誘導体、b)配列番号7若しくは9で示されるポリヌクレオチド又はそれらの変異体若しくは誘導体、c)配列番号2、4、6、8若しくは10で示されるポリペプチド又はそれらの変異体若しくは誘導体をコードするポリヌクレオチド、d)a)からc)の任意の少なくとも60個の連続するヌクレオチドを含むポリヌクレオチド、並びにe)a)からd)の任意のポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチド配列を含む、請求項19又は20の方法。
  22. 発現カセットが、植物において機能性である転写開始制御領域及び翻訳開始制御領域をさらに含む、請求項19から21のいずれかの方法。
  23. 形質転換された植物細胞、植物組織、植物又はこれらの一部を同定又は選択するための方法であって、i)形質転換された植物細胞、植物組織、植物又はこれらの一部を提供するステップであって、前記形質転換された植物細胞、植物組織、植物又はそれらの一部が、配列番号1、3若しくは5で示されるポリヌクレオチド又はそれらの変異体若しくは誘導体を含み、このポリヌクレオチドが、選択マーカーとして使用されるmut-HPPDポリペプチドをコードし、前記形質転換された植物細胞、植物組織、植物又はそれらの一部が単離されたポリヌクレオチドをさらに含み得るステップ、ii)形質転換された植物細胞、植物組織、植物又はそれらの一部と、少なくとも一種のクマロン誘導体化合物とを接触させるステップ、iii)植物細胞、植物組織、植物又はそれらの一部が、阻害化合物により影響を受けたかどうか決定するステップ、及びiv)形質転換された植物細胞、植物組織、植物又はそれらの一部を同定又は選択するステップを含む方法。
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