JP2013527332A - グラフェンリボン繊維の紡糸方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、凝固媒体がグラフェンリボン繊維と同方向に流れるグラフェンリボン繊維の紡糸方法に関する。グラフェンリボン繊維の紡糸方法は、先ず、カーボンナノチューブをアンジップしてグラフェンリボンを形成し、グラフェンリボンを精製および乾燥し、次いで適した溶剤、好ましくは超強酸(スーパーアシッド)にグラフェンリボンを溶解して紡糸原液を形成する。紡糸原液は紡糸され、未凝固糸束は貧溶媒として知られる凝固媒体に導かれ、そこで紡糸束すなわち未凝固糸束は凝固される。グラフェンリボン凝固繊維は凝固媒体から引き取られ、中和および洗浄され、ボビンに巻き取られる。

Description

本発明は、グラフェンリボンを繊維化する紡糸方法に関する。
現在の技術水準の高機能繊維としては、例えば、ケブラー(登録商標)、トワロン(登録商標)、ザイロン(登録商標)のように、大部分が炭素から構成されるもの、あるいは、例えばPAN系あるいはピッチ系炭素繊維のように、炭素のみからなるものが挙げられる。しかしながら今日の繊維は、構造的な欠陥のため、炭素―炭素分子結合の強度に対してごくわずかの、通常は10%未満の強度を実現しているのみである。高機能繊維を改良するためには、原料の前駆材料から最終産物である繊維に至るまでのナノ構造を制御することが重要課題となる。カーボンナノチューブに加えて、グラフェンリボンは、高機能繊維を紡糸するのに好適である。グラフェンリボンはカーボンナノチューブより可僥性であり、この性質は最終産物のみならず製造工程においても有利である。このような高機能グラフェンリボン繊維は、例えば、糸、不織布、膜、およびフィルムとして用いることができる。
グラフェンリボンは、いくつかの方法で得ることができ、例えば化学的手法を用いて、より大きなグラフェンシートからグラフェンリボンを切り取ることで製造することができる。しかしながら、この方法によってグラフェンリボンを切り取ると、グラフェンリボンの幅を制御することがほとんどできない。カーボンナノチューブの全長に沿って切れ目をいれて、カーボンナノチューブをアンジップする方法によれば、生成したグラフェンリボンの幅を十分に制御することが可能である。
グラフェンリボンを含む紡糸原液を紡糸口金に供給し、該紡糸原液を紡糸してグラフェンリボン未凝固繊維(accrued graphene ribbon fiber)とし、該グラフェンリボン未凝固繊維を貧溶媒として知られている凝固媒体に導き、そこで紡糸束すなわち未凝固繊維(accrued fibers)を凝固する。凝固したグラフェンリボン繊維は、過剰な凝固媒体から引き取り、必要に応じて中和および洗浄し、ボビンに巻き取る。
紡糸原液は、グラフェンリボンを適切な溶剤、好ましくは超酸中で溶解することにより作製することができる。必要に応じて、紡糸原液の作製においては、カーボンナノチューブを精製する工程、カーボンナノチューブをアンジップしてグラフェンリボンとする工程、グラフェンリボンを精製する工程、およびグラフェンリボンを乾燥する工程、の1工程以上を含むことができる。
本発明のグラフェンリボン繊維を製造する方法の一実施形態を概略的に示す図であり、垂直および水平部分からなる輸送管を含む。 本発明のグラフェンリボン繊維を製造する方法の別の実施形態を概略的に示す図であり、凝固槽中の凝固媒体面の高さが調節できるように出口の高さが変更できる一部が可動式の輸送管を含み、それによってエアギャップの長さを増減し、また、輸送管を通過する凝固媒体の流速を調節する。 本発明のグラフェンリボン繊維を製造する方法を概略的に示す図であり、ものであり、凝固した繊維が垂直管を通って下方向に走り、凝固槽から離れる。 本発明によるグラフェンリボン繊維を製造する方法を概略的に示す図であり、未凝固繊維は、凝固媒体を含む輸送管中に直接、垂直上方向に紡糸される。 本発明のグラフェンリボン繊維を製造する方法を概略的に示す図であり、未凝固繊維は、凝固媒体を含む輸送管中に直接、水平方向に紡糸され、輸送管中の凝固媒体の流速は、凝固槽の液体面と輸送管出口間の高低差により決定される。 本発明のグラフェンリボン繊維を製造する方法を概略的に示す図であり、未凝固繊維は、凝固媒体の液体カーテン中に紡糸される。 凝固媒体中にグラフェンリボン繊維を紡糸するのに適切な紡糸口金を、概略的に示す図である。
本発明のグラフェンリボンを繊維化する紡糸方法は、グラフェンリボンを含む紡糸原液を紡糸口金に供給する工程、および紡糸原液をグラフェンリボン未凝固繊維束に紡糸する工程を含む。未凝固繊維束は、モノフィラメントを製造する1本の繊維からマルチフィラメントグラフェンリボン糸束を製造する数千本の繊維まで、いかなる本数の繊維とすることができる。未凝固繊維は凝固媒体、好ましくは硫酸あるいはトリクロロメタン中で凝固され、凝固した繊維は機械的に剥離されて過剰な凝固媒体が除去され、必要に応じて中和および洗浄され、ボビンに巻き取られる。凝固した繊維は、中和および洗浄されることが好ましい。
紡糸原液は、適切な溶剤、好ましくは超強酸(スーパーアシッド)、さらに好ましくはクロロスルホン酸あるいは発煙硫に、大きいグラフェンシートから化学的手法を用いて切断したグラフェンリボンを溶解して製造することができる。好ましくは、カーボンナノチューブ(CNT)を精製して非−CNT成分、例えば無定形炭素、グラファイトおよび触媒残渣を除去し、カーボンナノチューブをアンジップしてグラフェンリボンとし、必要に応じてグラフェンリボンを乾燥し、次いでグラフェンリボンを適切な溶剤、好ましくは超強酸(スーパーアシッド)、さらに好ましくはクロロスルホン酸あるいは発煙硫酸に溶解して紡糸原液を生成する。
紡糸原液を紡糸し、すなわち未凝固繊維を貧溶媒としても知られている凝固媒体中に導びき、紡糸繊維すなわち未凝固繊維を凝固する。凝固媒体として用いられる適切な貧溶媒としては、例えば、硫酸、PEG−200、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、エーテル、水、アルコール(例えばメタノール、エタノールおよびプロパノール)、アセトン、N−メチルピロリドン(NMP)、あるいは、ジメチルスルホキシド(DMSO)が挙げられる。
グラフェンリボン繊維は、溶剤として発煙硫酸を含有する紡糸原液から、凝固媒体となる水中に紡糸されることが好ましい。
未凝固繊維は、凝固媒体に直接、紡糸することができるが、エアギャップを経て凝固媒体に導かれることが好ましい。このエアギャップ中で、グラフェンリボン未凝固繊維は加速され、繊維の配向性を高めることができ、また、エアギャップによって紡糸口金と凝固媒体との直接接触を回避することができる。
グラフェンリボン未凝固繊維の凝固は、多数の異なる変量、例えば紡糸原液中のグラフェンリボン濃度、紡糸原液に添加される添加物、紡糸原液の温度、グラフェンリボン未凝固繊維の本数、およびグラフェンリボン未凝固繊維の直径、により影響を受ける。
凝固媒体の組成と濃度、および/または凝固槽の温度を変更して、凝固速度を調整し、グラフェンリボン未凝固繊維の延伸性および最終繊維中のグラフェンリボンの配向性を制御することができる。
カーボンナノチューブ(CNT)繊維の紡糸分野においては、濃度96%の硫酸を凝固媒体として用いると、非常に小規模な実験装置でごく少量の溶剤量で利用できることが知られている。今日、凝固媒体中の硫酸濃度が、硫酸中におけるクロロスルホン酸の反応に影響を及ぼすことが明らかになってきた。凝固媒体として高濃度の硫酸、例えば濃度96%の硫酸を用いた場合には、反応は緩やかとなる。凝固媒体中の硫酸濃度が低下するほど、クロロスルホン酸の反応は速くなる。例えば、凝固媒体として濃度70%の硫酸を用いた場合には、濃度96%の硫酸を用いた場合より反応は著しく速くなり、なお制御可能であった。クロロスルホン酸と水のみ、すなわち濃度0%の硫酸となる凝固媒体との反応は、非常に強烈であった。
異なる濃度の凝固媒体を用いて、凝固媒体中におけるグラフェンリボン未凝固繊維の凝固速度を制御することができる。凝固媒体としては、濃度70%から100%の範囲にある硫酸であることが好ましく、濃度90%から100%の範囲にあることが特に好ましい。
凝固媒体の硫酸が高濃度の場合、凝固反応は緩やかとなり、グラフェンリボン未凝固繊維を延伸することができる。凝固媒体の硫酸濃度が比較的低い場合には、凝固反応は速くなり、グラフェンリボン繊維の延伸性は減少する。したがって、凝固剤の濃度を変更することによって、グラフェンリボン未凝固繊維の延伸性を調整することができる。
グラフェンリボン繊維の延伸性が高いと、長いグラフェンリボンを含む繊維を得る場合に特に有利である。グラフェンリボン未凝固繊維の加速が増強されると、グラフェンリボンの配向性が益々高くなり、その結果、グラフェンリボン繊維の強度が増加する。
また、凝固媒体の温度を変更して、凝固媒体における溶剤の反応速度を制御し、グラフェンリボン未凝固繊維の凝固速度を制御し、その結果、グラフェンリボン未凝固繊維の延伸性を制御することができる。
硫酸からなる凝固媒体における、グラフェンリボンを含むクロロスルホン酸からなる紡糸原液の凝固反応は、極めて発熱性が大きい場合がある。凝固媒体の沸騰を回避するために、凝固媒体の熱容量は十分に大きいことが好ましい。凝固媒体として硫酸を含む凝固槽の熱容量は、硫酸濃度と凝固槽の温度の両方に依存する。凝固槽の温度は、装置上への氷の形成を回避するため、0℃未満であってはならない。凝固槽の温度は、凝固媒体の融点より高くしなければならない。凝固媒体が水である場合には、凝固槽の温度は、凝固槽中で氷が形成するのを回避するため、0℃より高くしなければならない。凝固媒体として硫酸を用いる場合には、硫酸の融点はその濃度に強く依存することから、凝固槽の温度は入念に維持しなければならない。装置上および/または凝固槽中に氷を形成することなく、凝固媒体中で最大限の熱容量を得るためには、凝固槽の温度は0℃から10℃°の範囲内とするが好ましく、5℃とすることが特に好ましい。
グラフェンリボン繊維の速度、すなわちエアギャップ中および凝固媒体中での加速は、一般的には速度駆動性ゴデットの速度によって決定され、速度駆動性ゴデットはグラフェンリボン繊維を中和および洗浄する場所に設置することが好ましい。しかしながら、未凝固繊維を凝固媒体中に直接、紡糸する場合、あるいはグラフェンリボン未凝固繊維を選択した凝固媒体中でゆっくり凝固させる場合には、凝固媒体の流速によってもグラフェンリボン繊維の加速は促進されるであろう。
本発明による方法においては、凝固媒体はグラフェンリボン繊維と同方向に流れることが好ましい。凝固媒体の流速は、グラフェンリボン繊維の速度より小さいか、等しいか、あるいは大きく設定することができる。凝固速度が比較的小さい場合、例を挙げると凝固媒体が高濃度の硫酸、例えば濃度96%の硫酸と一緒に用いられる場合には、あるいは凝固媒体を中濃度硫酸、例えば濃度70%の硫酸と一緒に用いられる場合には、凝固媒体の流速によりグラフェンリボン未凝固繊維の凝固速度をさらに調節することができる。凝固中、スルホン酸は硫酸中に存在する水と反応して、HCl蒸気および硫酸を生成し、その結果、凝固媒体中の硫酸濃度は増大する。したがって、硫酸濃度の著しい上昇を回避するために、紡糸原液に対する凝固媒体の比率は大きくしなければならない。
凝固媒体の流速とグラフェンリボン繊維の速度とが同等である場合には、凝固媒体が未凝固繊維束に浸透するのが困難であること、および繊維と凝固媒体の接触面で凝固媒体が更新されないことから、凝固速度への影響は制限される。凝固媒体の流速がグラフェンリボン繊維の速度より小さい場合には、速度差により凝固媒体が確実に未凝固繊維束に浸透することから、凝固効果は増大する。しかしながら、グラフェンリボン未凝固繊維と凝固媒体の接触面における凝固媒体の更新率は、境界層が形成されるために制限される。一般に、凝固媒体を確実に繊維束に浸透させ、繊維と凝固媒体の接触面における凝固媒体の更新率を高くするためには、凝固媒体の流速をグラフェンリボン繊維の速度より大きくすることが好ましい。しかしながら、例えばエアギャップ中で突然繊維速度を上昇させてグラフェンリボン繊維を加速すべきでなく、繊維速度をゆっくり増加させてグラフェンリボン繊維を加速したい場合には、凝固媒体の流速を、グラフェンリボン繊維の速度より小さいか同等とすることが望ましい。凝固速度は、グラフェンリボン未凝固繊維の加速時間に適合させるべきである。
凝固媒体を低濃度の硫酸、最も極端な場合、濃度0%の硫酸とする場合には、凝固は瞬時にして起こるため、凝固媒体の流速によりグラフェンリボン未凝固繊維の凝固速度を調整することができない。
凝固媒体は、グラフェンリボン繊維と共に輸送管を通過させることが好ましい。輸送管の長さは、グラフェンリボン繊維の速度およびグラフェンリボン繊維の凝固に要する時間に依存する。凝固槽のレベルと輸送管出口との間の高低差を利用して、グラフェンリボン繊維に及ぼす凝固媒体の摩擦力が所定の値に達するように調節してよい。ハンズフリーで工程の始動を可能にするためには、凝固媒体が進入した後に、グラフェンリボン繊維を輸送管に直接、進入させることが好ましい。
あるいは、グラフェンリボン未凝固繊維は、基本的に凝固媒体が静止状態の液体である凝固槽中に直接、あるいはエアギャップを経て紡糸してもよい。一部の液体凝固媒体は、凝固槽中を通して輸送されるグラフェンリボン繊維により、および/または凝固媒体を補充するために凝固槽に流入させる凝固媒体のわずかな流れにより、グラフェンリボン繊維に沿って引摺られ、またグラフェンリボン繊維が凝固槽を離れる時に、グラフェンリボン繊維と共に道連れにされるため、凝固媒体は凝固槽中で極わずかに動く。しかしながら、グラフェンリボン繊維の速度に比較して、凝固槽は静止しているとみなすことができる。
凝固媒体は、グラフェンリボン繊維と共に輸送管を流れることが好ましい。輸送管を用いることで、グラフェンリボン繊維の紡糸工程をハンズフリーで開始することが可能となる。紡糸原液が紡糸され、すなわち未凝固繊維が凝固槽中に導かれる。凝固媒体は輸送管内を流れ、輸送管内に沿って未凝固繊維を引摺る。スタートアップ時にグラフェンリボン繊維を巻取機に輸送するため、凝固したグラフェンリボン繊維および凝固媒体が輸送管出口から輸送管を離れる時に、グラフェンリボン繊維を固定バスケットで拾い上げてもよい。
紡糸口金、凝固槽または凝固カーテン、および中和/洗浄区域は、単一の収納容器、例えば密閉容器に収納されることが好ましい。溶媒と凝固媒体との反応によって生じるいかなるガス状の媒体、例えば溶媒としてのクロロスルホン酸と硫酸含有凝固媒体中に存在する水との反応によって生じるSOおよびHClは、収納容器の制御された出口から容易に除去可能であり、次いでスクラバーにて処理可能である。グラフェンリボン繊維は、シーリングまたは覆いを通して収納容器から離れ、ガス状の媒体は収納容器内部に保持される。
グラフェンリボン繊維は、輸送管から離れた後、凝固媒体の残渣の一部を機械的に剥離し、巻き取る前に、例えば水/NaOHによって洗浄および中和することができる。
本発明で用いられるグラフェンリボンは、様々な幅長比を有するハニカム配列の単相の炭素原子からなるグラフェンリボンを意味する。グラフェンリボンの幅長比が1.5未満である場合には、グラフェンリボンは時としてグラフェンシートとも呼ばれる。グラフェンリボンの幅長比が1.5より大きい場合、グラフェンリボンは一般にグラフェンリボンと呼ばれる。カーボンナノチューブから幅長比が1.5未満のグラフェンシートを得るためには、カーボンナノチューブのアスペクト比、すなわちカーボンナノチューブの直径に対する長さと比を、4.7未満とする必要がある。カーボンナノチューブから幅長比が1.5より大きいグラフェンリボンを得るためには、カーボンナノチューブのアスペクト比を、4.7より大きくする必要がある。あるいは、1.5未満の幅長比を有するグラフェンシートは、化学的手法を用いて、より大きなグラフェンシートを切断することにより得ることができる。
単分散分布を示すグラフェンリボン、すなわち、すべてのグラフェンリボンが同等の長さと同等の幅を持つグラフェンリボンは、単層カーボンナノチューブ(SWNT)をアンジップすることにより製造することができ、アンジップする前に個々のSWNTはすべて、同じの長さを有する。
すべてが同じの長さを有する二層カーボンナノチューブ(DWNT)をアンジップする場合には、アンジップされたDWNTの外壁は内壁より広い幅を有するグラフェンリボンとなるため、二分散分布を示すグラフェンリボン、すなわち、すべてが同等の長さを有するグラフェンリボンを製造することができる。そして、両タイプのグラフェンリボンは、同数で存在する。
すべてが同じの長さを有する多層カーボンナノチューブ(MWNT)をアンジップする場合には、MWNTの各壁がアンジップされ、異なる幅を有するグラフェンリボンになるため、基本的にすべて同等の長さであるが異なる幅を有するグラフェンリボンが製造され多分散系分布を示すグラフェンリボンが製造される。異なる幅を有する全タイプのグラフェンリボンは、同数存在する。MWNTは多数の同心ナノチューブから作ることができ、例えば、20の同心ナノチューブからなるMWNTからは、20の異なるタイプのグラフェンリボンを同数ずつ含む混合物が得られ、20のタイプの各々は異なる幅を有する。
様々な長さ、様々な直径、および/または様々な数の壁を有するカーボンナノチューブの混合物をアンジップすることにより、所望するとおりの分布を示すいかなるグラフェンリボンも製造することができる。
本発明で使用される「グラフェンリボン繊維」とは、紡糸グラフェンリボンのいかなる中間物のみならず最終製品も含む。したがって、「グラフェンリボン繊維」は、繊維、フィブリル、フィブリッド、テープ、および膜を含む。また、「グラフェンリボン繊維」は、紡糸口金の吐出孔から紡糸される紡糸原液の液体の流れを含み、凝固槽中あるいは凝固カーテン中および/または輸送管中に存在する一部または完全に凝固した繊維を含み、剥離され、中和および/または洗浄された最終繊維製品を含む。
図1 図1に、本発明のグラフェンリボン繊維の製造方法を概略的に示す。グラフェンリボンを乾燥し、次いで溶媒、好ましくは超強酸、最も好ましくはクロロスルホン酸に溶解して、紡糸原液を形成する。紡糸原液は紡糸口金に供給され、未凝固繊維束が形成される。未凝固繊維は、直接、凝固槽中に紡糸することができるが、エアギャップを経て凝固槽中に導かれることが好ましい。このエアギャップ中および/または凝固槽中で、グラフェンリボン未凝固繊維は加速されて、繊維内の配向性が高まる。エアギャップにより、紡糸口金と凝固媒体との直接接触を回避することができる。硫酸濃度および/または凝固槽の温度を変更することにより、凝固速度を調整でき、グラフェンリボン未凝固繊維の延伸性および最終繊維のグラフェンリボンの配向性を制御することができる。グラフェンリボン繊維の速度は、通常、グラフェンリボン繊維が中和、洗浄された後に、速度駆動性ゴデットの速度によって定められる。凝固媒体および未凝固繊維は輸送管内に導びかれ、少なくとも輸送管の一部は、重力方向に対して角度を持つ。輸送管は、望ましくない重力効果を回避するための水平部分、および繊維凝固槽に進入する時に未凝固繊維を採取するための垂直部分を有することが好ましい。凝固した繊維から過剰の凝固媒体が機械的に剥離され、必要に応じて、リボン繊維を巻き取る前に、凝固繊維は中和され洗浄される。
輸送管は垂直部分と水平部分を含むことが好ましい。輸送管の水平部分の長さは、紡糸速度とグラフェンリボン繊維の凝固に要する時間とに依存している。輸送管の垂直部分の長さは、グラフェンリボン繊維に及ぼす凝固媒体の摩擦力が所定の水準に達するように、凝固槽面と輸送管出口との間に必要とされる高低差に依存する。グラフェンリボン繊維に及ぼす凝固媒体の摩擦力を最適化し、工程をハンズフリーで開始できるようにするために、垂直部分は凝固槽の液体面の真下から始まることが好ましい。
輸送管を用いることで、グラフェンリボン繊維の紡糸工程をハンズフリーで開始することができる。紡糸原液が紡糸され、すなわち未凝固繊維が凝固槽中に、好ましくはエアギャップを経て導かれる。凝固媒体は輸送管中を流れ、輸送管内に沿って未凝固繊維を引摺る。スタートアップしてグラフェンリボン繊維を巻取機に輸送する間には、凝固したグラフェンリボン繊維および凝固媒体が輸送管の出口から輸送管を離れる時に、グラフェンリボン繊維を固定バスケットで拾い上げて糸を捕集してもよい。
あるいは、グラフェンリボン未凝固繊維は、直接あるいはエアギャップを経て、凝固媒体は基本的に静止した液体である凝固槽中に紡糸されてもよい。一部の液体凝固媒体は、凝固槽中を通して輸送されるグラフェンリボン繊維により、および/または凝固媒体を補充するために凝固槽に流入する凝固媒体のわずかな流れにより、グラフェンリボン繊維に沿って引摺られ、また、グラフェンリボン繊維が凝固槽を離れる時に、一部の凝固媒体はグラフェンリボン繊維と共に道連れにされるので、凝固槽中で凝固媒体は極わずか動く。しかしながら、グラフェンリボン繊維の速度に比較して、凝固槽は静止しているとみなすことができる。
図2 図2に、本発明による別の実施形態を示す。紡糸原液は紡糸口金あるいは紡糸ユニットに供給され、未凝固繊維束が形成される。未凝固繊維は、直接、凝固槽中に紡糸することができるが、凝固槽中にエアギャップを経て導かれることが好ましい。エアギャップ中および/または凝固槽中で、グラフェンリボン未凝固繊維は加速され、繊維中の配向性が高まる。エアギャップによって、紡糸口金と凝固媒体との直接接触を回避することができる。硫酸濃度および/または凝固槽の温度を変更することにより、凝固速度を調整し、グラフェンリボン未凝固繊維の延伸性および最終繊維のグラフェンリボンの配向性を制御することができる。凝固媒体および未凝固繊維は、少なくとも二つの部分を含む輸送管内に導入され、輸送管の少なくともひとつの部分は可動式にして、輸送管出口の高さを変更することができる。この方法においては、凝固槽中の凝固媒体の高さを調節することができ、これにより、エアギャップの長さを増減少させ、グラフェンリボン繊維の配向性に影響を及ぼし、輸送管を通過する凝固媒体の流速を増減させることができる。あるいは、輸送管の最終部分の長さを変更して輸送管出口の高さを変更することができ、これによりエアギャップの長さを増減させ、同時に滞留時間、すなわち一般に、少なくともグラフェンリボン繊維が完全に凝固するまでの時間を変更することができる。凝固槽および輸送管に供給する凝固媒体の量を変更することで、輸送管を通過する凝固媒体の流速を調節することができる。輸送管の全長は、選択した凝固媒体における未凝固繊維の凝固速度によって決定される。一般に、輸送管の長さは、少なくともグラフェンリボン未凝固繊維が完全に凝固する最低限の長さに調節することができる。
凝固媒体の流速は、グラフェンリボン繊維の速度より小さく、等しく、あるいは大きく選択することができる。凝固媒体の流速およびグラフェンリボン繊維の速度が等しい場合には、繊維束に凝固媒体が浸透することが困難となり、また繊維と凝固媒体の接触面で凝固媒体が更新されないため、凝固効果は限定される。凝固媒体の流速がグラフェンリボン繊維より小さい場合には、速度差のため凝固媒体が繊維束に確実に浸透することができ、凝固効果は増大する。しかしながら、境界層が形成されるため、グラフェンリボン繊維と凝固媒体の接触面での凝固媒体の更新率は限定される。一般に、凝固媒体の流速がグラフェンリボン繊維より大きい場合には、凝固媒体が未凝固繊維束に確実に浸透し、かつ、繊維と凝固媒体の接触面における凝固媒体の更新率が高いため好ましい。しかしながら、例えばエアギャップ中で突然繊維速度を上昇させてグラフェンリボン繊維を加速させるべきではなく、繊維速度をゆっくり増加させてグラフェンリボン繊維を加速したい場合には、凝固媒体の流速を、グラフェンリボン繊維の速度より小さいか同等とすることが望ましい。凝固速度は、グラフェンリボン未凝固繊維が加速される時間に適合させるべきである。
この実施形態による方法は、凝固媒体の流速、すなわち流速と繊維速度の差を、供給される凝固媒体の流れによって容易に調整することができるため、小さい繊維速度、例えば速度1m/分というゆっくりした凝固プロセスにおいて、有利に用いることができる。
図3 図3には、本発明によるグラフェンリボン繊維を製造する方法を示す。紡糸原液は紡糸口金に供給され、未凝固繊維束が形成される。未凝固繊維は、直接、凝固槽中に紡糸することができるが、エアギャップを経て凝固槽中に導かれることが好ましい。このエアギャップ中および/または凝固槽中で、グラフェンリボン未凝固繊維は加速され、繊維内の配向性が高まる。エアギャップによって、紡糸口金と凝固媒体との直接接触を回避することができる。硫酸濃度および/または凝固槽の温度を変更することで、凝固速度を調整し、グラフェンリボン繊維の延伸性および最終繊維のグラフェンリボンの配向性を制御することができる。凝固媒体および未凝固繊維は、凝固槽の底部に位置する管を通じて凝固槽を離れ、重力方向すなわち垂直下方向に輸送される。凝固媒体の流速は、大部分は重力によって決定され、極わずかに、管壁と凝固媒体と間の摩擦力およびグラフェンリボン繊維と凝固媒体間との摩擦力によって決定される。この実施形態における凝固媒体の流速は、およそ100m/分となる。
この実施形態による方法は、繊維速度が、主として重力によって決定される凝固媒体の流速より大きい場合に、特に適している。
図4 図4には、本発明によるグラフェンリボン繊維を製造する方法を示す。未凝固繊維は、直接、凝固槽中に垂直上方向に、すなわち重力とは反対方向に紡糸される。この実施形態においては、グラフェンリボン繊維中の配向性に影響するエアギャップは適用しない。しかしながら、硫酸濃度および/または凝固槽の温度を変更して、凝固速度を調整し、グラフェンリボン未凝固繊維の延伸性および最終繊維のグラフェンリボンの配向性を制御することができる。グラフェンリボン未凝固繊維の密度が凝固媒体の密度より小さい場合には、グラフェンリボン未凝固繊維を垂直上方向に紡糸することが特に好ましい。プロセスのスタートアップ時には、未凝固繊維は、管の上端に向けて浮揚し、管の上端で凝固したグラフェンリボンを表面からすくい上げることができる。凝固媒体の流速は、輸送管に供給される凝固媒体の流量および輸送管の直径によって決定され、グラフェンリボン繊維の速度に対して所望の値で流速を設定することができる。
未凝固繊維を垂直上方向に紡糸する方法もまた、選択した凝固媒体における未凝固繊維の凝固速度が小さい場合に好ましい。このようにゆっくり凝固するグラフェンリボン繊維がエアギャップを通して紡糸される場合には、重力による繊維自体の重みがグラフェンリボン未凝固繊維の引っ張り強度より大きくなるため、未凝固繊維が破断されて小片になる危険性がある。凝固媒体中に直接、垂直上方向に紡糸されることにより、グラフェンリボン未凝固繊維は液体凝固媒体によって支持されるため、それ自体の重みが原因で破断して小片になることはない。グラフェンリボン繊維の速度は、通常、グラフェンリボン繊維が中和され洗浄された後、速度駆動性ゴデットの速度によって定まるが、この実施形態における未凝固繊維の速度もまた、グラフェンリボン繊維の配向性に影響を及ぼすように、凝固媒体の上方向の流速を変更して増加させることができる。
この実施形態による方法は、凝固媒体の流速、すなわち流速と繊維速度の差を、供給される凝固媒体の流れによって容易に調整することができるため、小さい繊維速度において、例えば速度1m/分というゆっくりした凝固プロセスにおいて、有利に用いることができる。
図5 図5には、本発明に関わるグラフェンリボン繊維の製造方法を示す。未凝固繊維は、直接、凝固槽中に、水平方向に紡糸される。この実施形態では、グラフェンリボン繊維の配向性に影響を及ぼすエアギャップは適用しない。しかしながら、硫酸濃度および/または凝固槽の温度を変更することにより、凝固速度を調整し、グラフェンリボン未凝固繊維の延伸性および最終繊維のグラフェンリボンの配向性を制御することができる。繊維は液体凝固媒体により支持され、それ故、グラフェンリボン未凝固繊維に対する重力の影響はより小さくなるため、それ自体の重みで小片に破断することがない。糸がない場合には、輸送管内の凝固媒体の流速は、凝固槽液面と輸送管出口間との高低差によって決定される。この原理に基づくと、オーバーフロー注入口の高さを変えることで、凝固槽液面のレベルを制御でき、凝固中または輸送管に流入する前に、凝固媒体とグラフェンリボン繊維との間の摩擦力を制御することができる。この実施形態は、必要に応じて輸送管中に凝固媒体の層流を作りだすのに特に適している。
グラフェンリボン未凝固繊維を凝固媒体中に、直接、水平方向、垂直方向あるいは垂直下方向のいずれかの方向で導入して紡糸する方法は、選択した凝固媒体においてグラフェンリボン未凝固繊維をゆっくり凝固させる場合に特に適している。グラフェンリボン未凝固繊維の凝固速度が、選択した凝固媒体中で大きくなる場合には、紡糸口金の出口であるいは紡糸口金の吐出孔の中でさえも、グラフェンリボン繊維が直接凝固し始めて、吐出孔を塞ぐ危険性がある。
この実施形態による方法は、凝固媒体の流速、すなわち流速と繊維速度の差を、供給される凝固媒体の流れによって容易に調整することができるため、小さい繊維速度において、例えば速度1m/分というゆっくりした凝固プロセスにおいて、有利に用いることができる。
図6 図6には、本発明によるグラフェンリボン繊維を製造する方法を示す。紡糸原液は紡糸口金あるいは紡糸ユニットに供給され、未凝固繊維の束が形成される。未凝固繊維は、直接、液体凝固媒体のカーテン中に紡糸することができるが、エアギャップを経て凝固媒体のカーテン中に導かれることが好ましい。エアギャップ中および/または凝固媒体のカーテン中において、グラフェンリボン未凝固繊維は加速され、繊維中のグラフェンリボンの配向性が高まる。エアギャップによって、紡糸口金と凝固媒体との直接接触を回避することができる。硫酸濃度および/または凝固槽の温度を変更することにより、凝固速度を調節し、グラフェンリボン未凝固繊維の延伸性および最終繊維のグラフェンリボンの配向性を制御することができる。凝固媒体のカーテンは、オーバーフローシステムを用いることで容易に形成することができる。
この実施形態における凝固媒体の流速は、大部分は重力により決定され、極わずかに、グラフェンリボン繊維と凝固媒体との間の摩擦力によって決定される。この実施形態における凝固媒体の流速は、およそ100m/分である。
この実施形態により方法は、繊維速度が、主として重力によって決定される凝固媒体の流速より大きい場合に、特に適している。
図7 図7には、本発明の方法においてグラフェンリボン繊維を紡糸するのに適している紡糸ユニットを概略的に示す。紡糸口金は、紡糸原液が最適な温度に加熱されるように、液状加熱媒体のための注入口および排出口を有する二重ジャケットの紡糸ユニットを含む。紡糸原液は、紡糸口金にある吐出孔の詰まりを避けるために、紡糸口金に流入する前にろ過される。吐出孔を有する紡糸口金は、凝固媒体が二重ジャケット紡糸ユニット内の加熱媒体で加熱されないように、加熱二重ジャケット紡糸ユニットと凝固媒体との直接接触を回避する目的で、紡糸ユニットから突き出ていることが好ましい。さらに、凝固媒体が、例えば高濃度の硫酸のように腐食性を有する場合があることから、凝固媒体と二重ジャケット紡糸ユニットとの直接接触は避けることが望ましい。紡糸ユニットから突き出ている吐出孔を含む紡糸口金の材料は、腐食性の凝固媒体に抵抗できるものを選択することができ、例えばガラスなどのセラミック材料、あるいは、例えば白金、金、またはタンタルなどの金属、あるいは、白金、金、および/またはタンタルの合金が好ましい。

Claims (15)

  1. グラフェンリボンを繊維化する紡糸方法であって、
    グラフェンリボンからなる紡糸原液を紡糸口金に供給する工程、
    紡糸原液をグラフェンリボン未凝固繊維へと紡糸する工程、
    グラフェンリボン未凝固繊維を凝固媒体中で凝固してグラフェンリボン凝固繊維を形成する工程、
    引き取り工程、
    必要に応じてグラフェンリボン凝固繊維を中和および洗浄する工程、および
    グラフェンリボン凝固繊維を巻き取る工程、を含むグラフェンリボン繊維の紡糸方法。
  2. 前記グラフェンリボンを溶媒中に溶解して紡糸原液を形成する請求項1に記載のグラフェンリボン繊維の紡糸方法。
  3. 前記凝固媒体が、前記グラフェンリボン未凝固繊維と同方向に流れる請求項1または2に記載のグラフェンリボン繊維の紡糸方法。
  4. 前記グラフェンリボン未凝固繊維および前記凝固媒体が、垂直方向に輸送される請求項3に記載のグラフェンリボン繊維の紡糸方法。
  5. 前記グラフェンリボン未凝固繊維および前記凝固媒体が、垂直に上方向に輸送される請求項4に記載のグラフェンリボン繊維の紡糸方法。
  6. 前記グラフェンリボン未凝固繊維および前記凝固媒体が、垂直に下方向に輸送される請求項4に記載のグラフェンリボン繊維の紡糸方法。
  7. 前記グラフェンリボン未凝固繊維および前記凝固媒体が、水平方向に輸送される請求項3に記載のグラフェンリボン繊維の紡糸方法。
  8. 前記グラフェンリボン未凝固繊維および前記凝固媒体が、垂直方向および垂直方向に対して角度を持つ少なくともひとつの別の方向に輸送される請求項6に記載のグラフェンリボン繊維の紡糸方法。
  9. 前記少なくともひとつの別の方向が、水平方向である請求項8に記載のグラフェンリボン繊維の紡糸方法。
  10. 前記少なくともひとつの別の方向が、水平方向および垂直上方向の間の角度である請求項8に記載のグラフェンリボン繊維の紡糸方法。
  11. 前記凝固媒体が、濃度70%から96%の範囲にある硫酸である請求項1から10何れか記載のグラフェンリボン繊維の紡糸方法。
  12. 前記凝固媒体が、濃度90%から100%の範囲にある硫酸である請求項11に記載のグラフェンリボン繊維の紡糸方法。
  13. 凝固槽の温度が、0℃から10℃の範囲にある請求項1から請求項12何れか記載のグラフェンリボン繊維の紡糸方法。
  14. 前記凝固槽の温度が、5℃である請求項13に記載のグラフェンリボン繊維の紡糸方法。
  15. 前記グラフェンリボン未凝固繊維が、エアギャップを経て前記凝固媒体中に紡糸される請求項6に記載のグラフェンリボン繊維の紡糸方法。
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