JP2013522209A - 二次病原体に起因する疾患から保護するための方法 - Google Patents
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Abstract
一次病原体に対する抗原を含むワクチンを提供すること、および一次病原体に対する免疫学的に有効量のワクチンを動物に投与することを含む、二次病原体に起因する疾患から動物を保護するための方法
Description
本特許出願は、2010年3月10日出願の米国仮特許出願61/312,380号に基づく米国特許法第119条下での優先権を主張し、その開示内容は内容全体が参照され本明細書で援用される。
一次病原体に対するワクチン投与により、二次病原体すなわち日和見感染菌に起因する疾患から保護されることが見出された。例えば、二次病原体に対し免疫することによってイヌは、Streptococcus equi subspecies zooepidemicus(S.equi)等の二次病原体に起因する疾患から保護された。
S.equiはイヌ感染性呼吸器疾患(CIRD)と関係づけられてきたが、CIRDは主として飼い犬で発症する多因子性感染症と認識されてきた(Chalker et al.,Veterinary Microbiology 95(2003):149−156)。しかしながらS.equiは、無症状で健康な飼い犬以外の犬から単離され得ることが見出された。S.equiは、他の病原体と組み合されて、CIRDの重篤化のみに関与している。
イヌインフルエンザ(CIV)は、ウマインフルエンザウイルスと相同性が高いH3N8ウイルスとして同定された。イヌインフルエンザは、一定の犬種において病原性の強いことが見出されている。例えば、それはフロリダ州ジャクソンビルの飼育場で数匹の競走犬グレーハウンドが死亡した集団発生の原因であることが分かっている。暴露されたイヌの100%が感染するにも拘わらず、80%だけに感染の臨床徴候が現れることが見出された。さらに、CIVに暴露されたイヌ数匹が肺炎の臨床徴候を有する急性疾患にかかるが、ほとんどのイヌは、10から21日間持続する咳嗽等の軽い症候群になるにすぎない。
発明者らは、S.equiとCIVの双方の重篤性がこれら病原体の同時感染によって高められることを見出した。
二次病原体に起因する疾患からイヌを保護する方法には、一次病原体に対するワクチンを投与することが含まれる。好ましい一実施態様において、保護すべきイヌをCIVワクチンにより免疫し、それによってS.equi等の二次病原体に起因する疾患からイヌを保護する。結果として、イヌはCIVとS.equiの双方から保護される。
本発明は、例えば他の病原体との同時感染等の危険な要因がないときは、臨床徴候を呈さない二次病原体に起因する疾患からイヌを保護するための方法に関する。同時感染等の場合、たとえどちらの病原体も単独では臨床徴候を呈さないとしても、二ついっしょになると、結果として病原性を高め臨床的に重要な疾患を引き起こす。
イヌインフルエンザウイルス(CIV)亜型H3N8は一定のイヌに急性呼吸器疾患を引き起こすかもしれない。発明者らは、イヌのCIVとStreptococcus equi subsp. zooepidemicus(S.equi)による同時感染後の病原性を検討することによって、S.equiがCIVに起因する疾患を悪化させることを確定した。同様に発明者らは、S.equiに単独感染したイヌは臨床徴候を呈さないが、CIVとS.equiの双方に攻撃感染したときは活発な臨床疾患が観察されることを見出した。発明者らは次にCIVワクチンによる免疫化が病原性CIVとS.equiによる重複攻撃感染からイヌを保護することを見出した。意外なことにはS.equiに起因する呼吸器疾患は、CIVに対するワクチンを投与することによって予防することができた。
S.equiに単独攻撃感染したイヌは、如何なる臨床徴候、細菌排出または肺病変も示さなかった。CIVに単独攻撃感染したイヌは、いくつかの臨床徴候、ウイルス排出および肺病変の症状を呈した。臨床スコア、CIVおよび/またはS.equi排出、および肺スコアは、CIVまたはS.equiに単独攻撃感染したイヌと比較したとき、CIVプラスS.equiに攻撃感染したイヌでの方がかなり高かった。肺スコア、臨床スコアおよび細菌排出は、CIVに単独攻撃感染かまたはCIVプラスS.equiに攻撃感染した非ワクチン接種イヌと比較したとき、CIVプラスS.equiに攻撃感染したCIVワクチン接種イヌでの方が顕著に低かった。
本明細書で用いられる用語一次病原体とは、ある動物において疾患の臨床徴候を呈するかもしれないが、当該病原体に暴露された動物全てにおいて必ずしも検出可能なほどの発病度を呈さない病原体を意味する。
本明細書で用いられる用語二次病原体とは、動物が他の病原体に暴露されることによって衰弱させられるかまたは別な方法で衰弱した状態にあるのでなければ、病原体に暴露された動物において疾患の臨床徴候を呈しそうもない病原体を意味し、またしばしば日和見病原体とも呼ばれる。
本明細書で用いられる用語二次病原体とは、動物が他の病原体に暴露されることによって衰弱させられるかまたは別な方法で衰弱した状態にあるのでなければ、病原体に暴露された動物において疾患の臨床徴候を呈しそうもない病原体を意味し、またしばしば日和見病原体とも呼ばれる。
単独では二次病原体であり疾患の臨床徴候を呈しそうもない病原体は、一または複数の他の二次病原体と共存するときに主病原体として働くことができる。
限定ではなく説明の目的で、本明細書で示す実施態様においてCIVは一次病原体と、S.equiは二次病原体と呼ぶことができよう。
限定ではなく説明の目的で、本明細書で示す実施態様においてCIVは一次病原体と、S.equiは二次病原体と呼ぶことができよう。
イヌ気管支炎は多数のウイルス性および細菌性の病原体に起因するイヌの重要な疾患である。CIVおよびS.equiは、イヌ呼吸器疾患症例、特に飼育場および動物保護施設のイヌから近年しばしば単離された2つの新規病原体である。
発明者らは、イヌにおけるCIVとS.equiによる重複感染の病原性を研究し、重複感染におけるCIVワクチンの有効性を評価した。CIVに単独感染したイヌと違って、CIVプラスS.equiに感染したイヌの大多数は長期間持続する臨床的な発熱、およびより重い臨床徴候、特に長期間持続する咳嗽を示した。重複攻撃感染したイヌにおける経鼻S.equi排出は、排出陽性のイヌの数および排出持続期間に関して非常に高い値を示した。さらに重複攻撃感染は、CIV単独かまたはS.equi単独かと比較してかなり高い肺スコアを誘発した。発明者らは、S.equiに単独攻撃感染したイヌが臨床的な発熱、呼吸器疾患の臨床徴候または肺病変を示さないことを見出した。さらにS.equiは、S.equiに単独攻撃感染したイヌの鼻腔分泌物に検出されなかった。発明者らは、S.equi単独では如何なる疾患も誘導することができないこと、S.equiがCIVの存在下で細菌性コロニー形成へと導く日和見感染菌であることを見出した。S.equiは、CIVに起因する発熱、他の臨床徴候および関連する肺症状を悪化させる。発明者らは、CIVワクチン投与が、CIV単独のみならずCIVプラスS.equiによって誘発される臨床徴候、ウイルス/細菌の排出および肺病変を軽減することを発見した。CIVに対するワクチン接種化は、CIVおよびS.equi等の日和見病原体に起因する呼吸器疾患を予防した。
攻撃感染用のS.equiは、以下の実施例で使用する単離株等、感染動物から入手可能であり、またはATCCから入手可能な単離株ATCC番号6580等、寄託機関から入手可能である。
例えば下記の実施例等における攻撃感染のために使用し得るイヌインフルエンザウイルス、および/または発明に従って投与用のワクチンを調製するためのイヌインフルエンザウイルスの例には、2006年10月18日出願の米国特許出願11/582,652号(出願公開US 2007/0092537号)、2006年10月6日出願の米国特許出願11/544,841号(出願公開US 2007/0082012号)、2006年10月19日出願の国際出願PCT/US2006/04161号、および2007年12月14日出願の米国特許出願11/956,658号に記載された任意のH3N8ウイルスが含まれ、それら全ては本明細書で参照され内容全体が援用される。
本発明のCIVワクチンは、非病原性、弱毒化もしくは不活化ワクチンを有するか、または抗原性サブユニットを含む。非病原性および弱毒化ウイルスには、非病原性単離株、継代ウイルス、低温適応ウイルスおよび他の方法によって病原性の低下したもしくは非病原性となったウイルスはもちろん組換えウイルスも含まれることを意図している。CIVワクチンは、例えばIntervet Inc./Schering−Plough Animal Health、Elkhorn、NEから入手可能なCIVワクチン、NOBIVAC(登録商標)Canine Flu H3N8等の市販のワクチンであってもよい。本発明に従って任意の有効なCIVワクチンを使用することができよう。
本発明はさらにインフルエンザウイルス、例えばイヌインフルエンザウイルス(CIV)および他の疾患、例えば他のイヌ感染症に対する防御免疫を誘発する混合ワクチンを提供する。当該ワクチンは、非病原性、弱毒化もしくは/または不活化ワクチンもしくは/または細菌を有し、および/または抗原性サブユニットを含む。従って本発明は、例えば、イヌジステンパーウイルス、イヌアデノウイルス、イヌアデノウイルス2型、イヌパルボウイルス、イヌパラインフルエンザウイルス、イヌコロナウイルス、イヌヘルペスウイルス、イヌニューモウイルス、および/またはLeptospira属血清型菌種(serovar)、例えばLeptospira kirschneri serovar grippotyphosa、Leptospira interrogans serovar canicola、Leptospira interrogans icterohaemorrhagiae、および/またはLeptospira interrogans serovar pomonaに対する免疫を誘発するための病原体/免疫原等を含む、一または複数の他のイヌ病原体および/または免疫原と組み合わせた、例えば不活化CIV H3N8等の一または複数のCIV菌株含む混合ワクチンを提供する。さらに本発明の混合ワクチンに添加可能なイヌの病原体/免疫原には、Bordetella bronchiseptica;Leishmania majorおよびLeishmania infantum等のLeishmania属生物体;B.burgdorferi sensu stricto(ss)、B.burgdorferi ss、B.garinii、およびB.afzeliiを含むBorrelia属菌種(spp.)spirochetes;Mycoplasma属菌種(例えば、Mycoplasma cynos);狂犬病ウイルス;およびEhrlichia canisが含まれる。特定の実施態様において本発明の混合ワクチンは、組合せ自由でイヌパラインフルエンザウイルス(CPI)および/またはイヌアデノウイルス2型(CAV2)および/またはBordetella bronchiseptica(BB)および/またはイヌパルボウイルス(CPV)、および/またはイヌジステンパーウイルス(CDV)、および/またはイヌコロナウイルスと共にCIPを含む。一当該実施態様においてワクチンはイヌインフルエンザウイルス、Bordetella bronchisepticaおよびイヌパラインフルエンザウイルスを含む。他の当該実施態様においてワクチンは、イヌインフルエンザウイルス、イヌジステンパーウイルス、イヌアデノウイルス2型、イヌパルボウイルス、およびイヌパラインフルエンザウイルスを含む。特定の実施態様において本発明の混合ワクチンが一または複数のウイルスおよび/または細菌の株を含むときは、当該株は非病原性、弱毒化、および/または不活化株である。
本発明のワクチンは、非経口投与、筋肉内注射、皮下注射、腹腔内注射、皮内注射、経口投与、鼻腔内投与、傷付処理およびそれらの組み合せを含む任意の経路によって投与できよう。本発明の好ましい一実施態様においてワクチンは筋肉内注射によって投与される。
本発明のワクチンは、アジュバントを含むこともまたはアジュバントを含まないことも可能である。本発明のワクチンに使用するアジュバントの例には、油と水の乳剤、および/または水酸化アルミニウムを含有するアジュバントが含まれる。後者の場合、市販の水酸化アルミニウム、例えばアルハイドロゲル(Superfos Biosector、Fredeikssund、Denmark)およびリハイドロゲル(Reheis Inc.)を使用することができる。油と水の乳剤は典型的には鉱物油または代謝可能な油(例えば、植物油、魚油)を含む。乳化剤として非イオン性の洗浄剤または界面活性剤を使用してもよい。乳化剤の例には、Tween80/Span80、Arlecel80/Tween80、およびMontanides(Seppic、Paris、France)が含まれる。アジュバント乳剤の場合、一般的には容量の5〜25%が油で容量の75〜95%が水性である。いくつかの実施態様において、アジュバント乳剤は容量の20%が油で80%が水性である。水酸化アルミニウムの容量は通常、水相の約5%から15%である。いくつかの実施態様においては、Emunade(登録商標)がアジュバントである。
いくつかの実施態様に関して、ISCOMがアジュバントとして用いられてよい。ISCOMは免疫刺激複合体(Immune Stimulating Complex)の頭字語であり、その技術はMoreinらによって記載された(Nature、308:457−460(1984))。ISCOMは2方法の中の1つによって簡便に形成できる。いくつかの実施態様において抗原は、ISCOMの形成の際にその構造に物理的に組み込まれる。他の実施態様において、ISCOMマトリックス(例えば、Isconovaから供給されるもの)は抗原を含有しないが、免疫化の前にエンドユーザに選択された抗原と混合される。混合後、抗原はISCOMマトリックスとともに溶液中に存在するが、物理的に構造の中に組み込まれていない。
以下の実施例は本発明を明瞭に理解するために提供される。実施例は説明するものにすぎず、なんら本発明の範囲または根本的な原理を制限するものではないことを了解されたい。特許請求の範囲内での本発明の種々の改変は、実施例および本明細書の記載から本発明が関係する技術分野の当業者にとって明白であろう。
諸言
7から8週令の総数32匹のイヌを本研究において使用した。イヌ10匹からなる1群を2の投与量のイヌインフルエンザH3N8不活化ウイルスワクチンに接種し、21日間隔で投与した。ワクチン接種イヌを、ブースターワクチン接種の2週間後に病原性CIVおよびS.equiに攻撃感染した。残りのイヌ3群は、ワクチン接種せず単独および重複攻撃感染後の病原性を評価するために使用した。イヌ6匹からなる1群をCIVに単独攻撃感染し、もう一つのイヌ6匹からなる群をS.equiに単独攻撃感染した。イヌ10匹からなる1群をCIVおよびS.equiの双方に攻撃感染した。
7から8週令の総数32匹のイヌを本研究において使用した。イヌ10匹からなる1群を2の投与量のイヌインフルエンザH3N8不活化ウイルスワクチンに接種し、21日間隔で投与した。ワクチン接種イヌを、ブースターワクチン接種の2週間後に病原性CIVおよびS.equiに攻撃感染した。残りのイヌ3群は、ワクチン接種せず単独および重複攻撃感染後の病原性を評価するために使用した。イヌ6匹からなる1群をCIVに単独攻撃感染し、もう一つのイヌ6匹からなる群をS.equiに単独攻撃感染した。イヌ10匹からなる1群をCIVおよびS.equiの双方に攻撃感染した。
全てのイヌは、その呼吸器疾患の臨床徴候およびウイルスおよび/または細菌排出に関しモニターした。CIVに対する抗体力価を測定するために、ワクチン接種した群からはワクチン接種前に、全ての群からは攻撃感染投与前および死体解剖時に血清試料を採取した。CIV攻撃感染後14日目(研究49日目)にイヌを安楽死させ、その病変に関し肺を評価した。死体解剖時にS.equi単離のために肺洗浄試料を採取した。
群4の7〜8週令のイヌをワクチン接種するためにイヌインフルエンザH3N8不活化ウイルスワクチン(Intervet Inc.、Elkhorn、NE)の市販品を使用した。
群4の全てのイヌは最初のワクチン接種時にCIV血清陰性であり、群1、2および3の全てのイヌはCIV攻撃感染時にCIV血清陰性だった。
群4のイヌ全10匹に研究0日目および21日目に、CIVワクチン1mL(製造番号219104)の皮下注射によってCIVのワクチンを接種した。
臨床評価:臨床評価を実施し研究33日目と34日目(CIV攻撃感染前の2日間)、およびCIV攻撃感染日(研究35日目)に全てのイヌの体温を記録した。臨床所見は臨床評価ガイドに従って実施した。
試料採取:全てのイヌからCIV攻撃感染投与の前日(研究34日目)に約5mLの血液試料を採取した。またCIV排出を検出するために、群1、3および4のイヌの全てから研究34日目に鼻腔スワッブも採取した。
イヌインフルエンザウイルス:3回の継代で集めたウイルス単離株CIV14−06A(イヌインフルエンザウイルス、CIV14−06A(P3)と呼ぶ)を攻撃感染ウイルスとして使用した。本ウイルスは元来イヌ呼吸器疾患に罹患したイヌから単離された。攻撃感染の日、凍結したウイルス含有液体を使用直前に解凍し、無菌で冷温のダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)で、目的攻撃感染投与量7.5Log10 TCID50を含有するイヌ当たり2mLの終容量まで希釈した。
Streptococcus equi subsp zooepidemicus:細菌単離株は動物保護施設に収容されイヌ呼吸器病症候群により死亡したイヌから獲得した。細菌を単離し、純化しS.equi subsp zooepidemicusと同定した。細菌をブレインハートインフュージョン培地(BHI)で増殖し1X109cfu/mLとなるまで希釈して攻撃感染物質を調製した。
攻撃感染投与
イヌインフルエンザウイルス:群1、3および4のイヌを35日目にCIVに攻撃感染した。攻撃感染を加えるために、イヌ4匹をプレキシグラスチャンバー内に収容し、約25〜30分間にわたってエアロゾルを発生するために攻撃感染ウイルス8mL(2mL/イヌ)を使用した。イヌはエアロゾルに合計40分間暴露した。
攻撃感染投与
イヌインフルエンザウイルス:群1、3および4のイヌを35日目にCIVに攻撃感染した。攻撃感染を加えるために、イヌ4匹をプレキシグラスチャンバー内に収容し、約25〜30分間にわたってエアロゾルを発生するために攻撃感染ウイルス8mL(2mL/イヌ)を使用した。イヌはエアロゾルに合計40分間暴露した。
S.equi subsp zooepidemicus:群2、3および4のイヌを研究38日目にS.equiに攻撃感染した。mL当たりS.equiを1x109cfu含有する攻撃感染物質半ミリリットル(0.5mL)をイヌの全ての各鼻孔に鼻カニューレを使用して点滴した。
攻撃感染後のモニタリング
臨床徴候:攻撃感染後の13日間毎日、各イヌについて直腸温を記録し臨床評価を実施した。
鼻腔スワッブの採取
イヌインフルエンザウイルス:CIV排出を評価するために、攻撃感染の日から10日間毎日、各イヌから鼻腔スワッブを採取した。鼻腔スワッブはウイルス輸送用培地に採取した。
攻撃感染後のモニタリング
臨床徴候:攻撃感染後の13日間毎日、各イヌについて直腸温を記録し臨床評価を実施した。
鼻腔スワッブの採取
イヌインフルエンザウイルス:CIV排出を評価するために、攻撃感染の日から10日間毎日、各イヌから鼻腔スワッブを採取した。鼻腔スワッブはウイルス輸送用培地に採取した。
S.equiの単離:細菌単離のために、攻撃感染後死体解剖日まで3日に1度、細菌輸送用培地を使用して鼻腔スワッブを採取した。
採血:CIVに対する抗体力価を評価するために、死体解剖日に血液試料(約5〜10mL)を採取した。
死体解剖/処分
群3のイヌ1匹(IDはCAUELW)は重篤な呼吸困難のために研究43日目(すなわちCIVに攻撃感染後8日、S.equiに攻撃感染後5日)に死亡した。当該イヌは死亡前の2日間、発熱、抑うつ状態、重篤な咳嗽および呼吸困難を示した。死体解剖により、肺葉と胸壁間の線維素性癒着、肺葉の硬化および微膿瘍で特徴付けられる重症肺炎であることが明らかになった。
死体解剖/処分
群3のイヌ1匹(IDはCAUELW)は重篤な呼吸困難のために研究43日目(すなわちCIVに攻撃感染後8日、S.equiに攻撃感染後5日)に死亡した。当該イヌは死亡前の2日間、発熱、抑うつ状態、重篤な咳嗽および呼吸困難を示した。死体解剖により、肺葉と胸壁間の線維素性癒着、肺葉の硬化および微膿瘍で特徴付けられる重症肺炎であることが明らかになった。
群1のイヌ1匹(IDはCAUELZ)は研究43および44日目に発熱、重篤な咳嗽、抑うつ状態および呼吸困難を示した。それ故に研究獣医は44日目(CIV攻撃感染後9日)に当該イヌを安楽死させ死体解剖を実施した。肺病変は肺炎を暗示する硬化によって特徴付けられた。
攻撃感染後死体解剖所見および標本:残りのイヌの全てはCIV攻撃感染後14日目に安楽死させた。迅速な肺評価を可能とするために、イヌは死後変化が始まる前、死体解剖の直前に安楽死させた。また細菌の単離のために新鮮な肺組織由来の肺洗浄液も採取した。
臨床評価ガイド
隔離室への入室の際に、臨床評価を実施する研究員は動物の態度を評価するためにざっと見渡して歩き、それから臨床所見を続けた。攻撃感染投与等の他の処置を行う前に、臨床所見は最初に各イヌに対し完了させた。各臨床徴候をスコア化するために以下のガイドラインを使用した。
鼻漏
0=無
0.5=漿液性排膿:希薄で清澄な液体が鼻孔から滴る。ここに記録されるためには、液体が鼻から流出していなければならない。
1=粘液膿性排膿、軽度ないし中度:粘液と混ざった濁った液体が少なくとも鼻から口の中間まで流れる。
2=粘液膿性排膿、重度:粘液が口を通り過ぎて流れる。
眼漏
0=無:目頭、目尻中の少量の乾燥固化物質は眼漏とはみなさない。
0.5=漿液性排膿:清澄な液体が少なくとも眼から少なくとも口の中間まで流れるように排膿される。
1=粘液膿性排膿、軽度ないし中度:粘液と混ざった濁った液体が少なくとも眼から口の中間まで流れる。
2=粘液膿性排膿、重度:液体または粘液が鼻の中間まで流れるかまたは眼を縁取り、目頭または目尻で髪をびしょ濡れにする。
咳嗽
0=無
0.5=軽度:1回の短い咳だけが観察される。
1.0=中度:咳が持続し、観察期間中に繰り返し起きる。
2.0=重度:咳にゼイゼイまたはゲイゲイ言う音が伴う。
くしゃみ
0=無
2=有
呼吸困難
0=無(正常呼吸)
2=有(努力呼吸)
抑うつ状態
0=無(正常活動)
2=有:正常と比較してイヌが活動的または陽気でない。観察の最中に立つのを嫌がり無気力または寝転んでいるならば、仔イヌは記録される。
分析方法
赤血球凝集抑制(HAI)アッセイ:赤血球凝集抑制(HAI)アッセイによってイヌ血清試料中のCIVに対する抗体を測定した。手短に言えば、96穴U底マイクロタイタープレートでPBSにより試験用血清の2倍段階希釈を実施した。試験用血清を含有する各ウェルに4HA単位のCIV25−06Bを含有する等容量(25μL)のウイルス懸濁液を添加し、抗原抗体反応を起こすためにプレートを20〜25℃で60±5分間インキュベートした。それから50μLの0.5%雄鶏赤血球懸濁液を添加した。プレートを20〜25℃で45〜60分間インキュベートしHAI結果を読み取った。HAI力価は、赤血球凝集抑制を示す血清の最高希釈度の逆数として記録した。アッセイ全てを繰り返して実施しエンドポイント法によるHAI力価を測定した。
臨床評価ガイド
隔離室への入室の際に、臨床評価を実施する研究員は動物の態度を評価するためにざっと見渡して歩き、それから臨床所見を続けた。攻撃感染投与等の他の処置を行う前に、臨床所見は最初に各イヌに対し完了させた。各臨床徴候をスコア化するために以下のガイドラインを使用した。
鼻漏
0=無
0.5=漿液性排膿:希薄で清澄な液体が鼻孔から滴る。ここに記録されるためには、液体が鼻から流出していなければならない。
1=粘液膿性排膿、軽度ないし中度:粘液と混ざった濁った液体が少なくとも鼻から口の中間まで流れる。
2=粘液膿性排膿、重度:粘液が口を通り過ぎて流れる。
眼漏
0=無:目頭、目尻中の少量の乾燥固化物質は眼漏とはみなさない。
0.5=漿液性排膿:清澄な液体が少なくとも眼から少なくとも口の中間まで流れるように排膿される。
1=粘液膿性排膿、軽度ないし中度:粘液と混ざった濁った液体が少なくとも眼から口の中間まで流れる。
2=粘液膿性排膿、重度:液体または粘液が鼻の中間まで流れるかまたは眼を縁取り、目頭または目尻で髪をびしょ濡れにする。
咳嗽
0=無
0.5=軽度:1回の短い咳だけが観察される。
1.0=中度:咳が持続し、観察期間中に繰り返し起きる。
2.0=重度:咳にゼイゼイまたはゲイゲイ言う音が伴う。
くしゃみ
0=無
2=有
呼吸困難
0=無(正常呼吸)
2=有(努力呼吸)
抑うつ状態
0=無(正常活動)
2=有:正常と比較してイヌが活動的または陽気でない。観察の最中に立つのを嫌がり無気力または寝転んでいるならば、仔イヌは記録される。
分析方法
赤血球凝集抑制(HAI)アッセイ:赤血球凝集抑制(HAI)アッセイによってイヌ血清試料中のCIVに対する抗体を測定した。手短に言えば、96穴U底マイクロタイタープレートでPBSにより試験用血清の2倍段階希釈を実施した。試験用血清を含有する各ウェルに4HA単位のCIV25−06Bを含有する等容量(25μL)のウイルス懸濁液を添加し、抗原抗体反応を起こすためにプレートを20〜25℃で60±5分間インキュベートした。それから50μLの0.5%雄鶏赤血球懸濁液を添加した。プレートを20〜25℃で45〜60分間インキュベートしHAI結果を読み取った。HAI力価は、赤血球凝集抑制を示す血清の最高希釈度の逆数として記録した。アッセイ全てを繰り返して実施しエンドポイント法によるHAI力価を測定した。
細胞培養液でのCIV滴定:攻撃感染物質の力価を確認し、攻撃感染イヌにおけるウイルス排出を測定するために、攻撃感染物質および鼻腔スワッブ中のウイルス力価をMDCK細胞における滴定によって測定した。MDCK細胞を96穴組織培養プレートに2〜3日間播種し、10倍段階希釈ウイルス懸濁液または鼻腔スワッブから調製した試料と共にインキュベートした。プレートは、温度36±2およびCO24〜6%下でインキュベートした。攻撃感染後7日目にプレートを細胞変性効果(CPE)について観察し、Spearman−Karber法を使用して攻撃感染力の50%エンドポイント(細胞50%に対する感染力)を算出した。ウイルス力価はLog10 TCID50/mLとして表した。
S.equiの単離:試料上清を血液寒天培地(10μL)に接種し、平板培地を36±2℃で24〜48時間培養した。溶血現象を示したコロニーを、グラム染色、形態、コロニー特性および標準同定試験(例えば、オキシダーゼ、カタラーゼおよびコアグラーゼ試験)によってさらにS.equiと同定した。
データ解析
結果変数:肺病変スコアが主要な変数だった。他の変数には、臨床徴候、ウイルス排出、細菌排出および血清学が含まれた。
統計解析
肺病変スコア:死体解剖の間に採点された各肺葉の硬化%は、肺スコアリングシステムに基づく重み付けしたスコアに変換した。種々の群の関する肺スコアの中央値は、ウィルコクソン順位和検定を使用して比較した。非ワクチン接種群に関する減少したワクチン有効率の推定値および当該推定値に対する95%の信頼区間についても報告する。
データ解析
結果変数:肺病変スコアが主要な変数だった。他の変数には、臨床徴候、ウイルス排出、細菌排出および血清学が含まれた。
統計解析
肺病変スコア:死体解剖の間に採点された各肺葉の硬化%は、肺スコアリングシステムに基づく重み付けしたスコアに変換した。種々の群の関する肺スコアの中央値は、ウィルコクソン順位和検定を使用して比較した。非ワクチン接種群に関する減少したワクチン有効率の推定値および当該推定値に対する95%の信頼区間についても報告する。
臨床スコア:各イヌに対する総臨床スコアを得るために、発熱、眼漏、鼻漏、くしゃみ、咳嗽、抑うつ状態および呼吸困難に関する攻撃感染後13日間の臨床スコアを合計した。総スコアはウィルコクソン順位和検定を使用して処理群の間で比較した。
ウイルス排出:各イヌに対するウイルス力価(Log10 TCID50/mL)を攻撃感染後10日間にわたり合計した。平均曲線下面積(AUC)およびウイルス排出日数は、ウィルコクソン順位和検定を使用して解析した。
細菌排出:細菌排出の日数は、ウィルコクソン順位和検定を使用して解析し排出陽性の日数を処理群間で比較した。
血清転換:異なる時点における幾何平均抗体力価を報告した。
統計解析は、SASバージョン9.1.3(SAS Institute、Cary、NC、USA)を使用して実施した。p<0.05で統計的有意と判定した。
検査妥当性およびロット判定基準
群4のイヌ以外のイヌの全ては、CIV攻撃感染時にCIV抗体陰性だった。
検査妥当性およびロット判定基準
群4のイヌ以外のイヌの全ては、CIV攻撃感染時にCIV抗体陰性だった。
群2のイヌ以外のイヌの全ては、CIV攻撃感染時に経鼻CIV排出陰性だった。群2のイヌはCIV排出の試験をしなかった。
CIVに攻撃感染した非ワクチン接種イヌの全ては(群1および3)、CIV攻撃感染後に高変動度の肺病変を示した。
結果と考察
妥当性:群4のイヌの全ては最初のワクチン接種の前はCIV血清陰性で、非ワクチン接種イヌの全て(群1、2および3)はCIV攻撃感染攻撃前、血清陰性のままだった(表2)。またイヌの全ては、CIV攻撃感染時にCIVおよび/Sequi排出も陰性だった(表5および6)。
結果と考察
妥当性:群4のイヌの全ては最初のワクチン接種の前はCIV血清陰性で、非ワクチン接種イヌの全て(群1、2および3)はCIV攻撃感染攻撃前、血清陰性のままだった(表2)。またイヌの全ては、CIV攻撃感染時にCIVおよび/Sequi排出も陰性だった(表5および6)。
血清転換:HAI抗体力価を表にまとめ処理群間で比較した(表2)。ワクチン接種後にワクチン接種イヌの全てがCIVに血清転換した。HAI抗体力は10から160の間で変動し、34日目のGMT(幾何平均力価)が73だった。ワクチン接種した大多数(80%)は、40またはそれ以上のHAI力価を発生した。非ワクチン接種群のイヌの全ては、CIV攻撃感染時にCIV血清陰性だった(HAI力価<10)。攻撃感染後、ワクチン接種イヌの抗体力価は非常に高いレベルに達したが(GMT>6378)、このことは病原性CIVに対する免疫系の抗原刺激におけるワクチンの有効性を証明している。当該イヌの全てのHAI力価は少なくとも2560だった。群1および3のCIVに攻撃感染した非ワクチン接種イヌは、CIV攻撃感染後に血清転換し、GMTがそれぞれ226および278だった。群2のイヌの全ては死体解剖時にCIV血清陰性のままだったが、このことは当該イヌがCIVに暴露されなかったことおよびバイオセキュリティー手法が有効だったことを裏付けている。
血液寒天培地で滴定したS.equi保存試料は、攻撃感染物質の力価が1X109pfu/mLであることを確認した。攻撃感染投与の過程において細菌は生存可能なままだった。
直腸温および臨床徴候:研究33日目から48日目までの毎日、処理群全ての直腸温を記録した(表3)。群1(CIV単独)のイヌ6匹中2匹に臨床的な発熱(≧39.5℃)が1日間だけ生じた。またそのイヌ2匹中1匹に重篤な抑うつ状態が生じ安楽死させた。群2のイヌ6匹中1匹(S.equi単独)に軽度の発熱が1日間だけ生じた。CIVとS.equiの双方に攻撃感染した群3のイヌ90%(10匹中9匹)に発熱が生じ、その大多数(70%)は少なくとも2日間発熱を呈した。またワクチン接種イヌの50%(10匹中5匹、群4)にも重複攻撃感染後に発熱が生じた。しかし初熱は1日間しか続かなかった。
ウイルス排出:CIV攻撃感染イヌ(群1、3および4)の全てにおいて、攻撃感染前日それから攻撃感染後1から10日目までの毎日、経鼻ウイルス排出をモニターした。各群に対する平均ウイルス力価を、Log10 TCID50/mLとして表し、攻撃感染後の日数に対して示した(表5および図2)。群1および4のイヌの50%および群3のイヌの全て(100%)は、攻撃感染後1日目から鼻汁中にCIVを排出し始めた。攻撃感染後2日目までに、全3群のイヌの全ては経鼻ウイルス排出陽性だった。ウイルス排出はCIV攻撃感染後4から5日目の間にピークに達しその後6日目に急激に低下した(図2)。非ワクチン接種およびワクチン接種の双方とも、攻撃感染後8日目までに鼻汁中へのCIV排出を停止した。各イヌのウイルス力価を攻撃感染後10日間にわたり合計し統計解析を実施した。平均曲線下面積の推定値は群4(8.9Log10 TCID50/mL)と比較して群1及び3(それぞれ17.0Log10 TCID50/mLおよび18.6Log10 TCID50/mL)の方が有意に高かった(群1および3に対し、それぞれP=0.0075およびP<0.0001)。また群1及び3の平均排出日数(それぞれ5.7日および5.8日)も群4(4日)と比較して有意に高かった(それぞれP=0.0356およびP=0.0033)。本結果により、CIVワクチンがワクチン接種イヌの経鼻ウイルス排出を有意に減少することが明らかとなった。
Claims (11)
- 一次病原体に対する抗原を含むワクチンを提供すること、および免疫学的に有効量の一次病原体に対するワクチンを動物に投与することを含む、二次病原体に起因する疾患から動物を保護するための方法。
- 一次病原体に対する抗原を含むワクチンを提供すること、および免疫学的に有効量の一次病原体に対するワクチンをイヌに投与することを含む、二次病原体に起因する疾患からイヌを保護するための方法。
- イヌインフルエンザウイルス(CIV)に対するワクチンを提供すること、および免疫学的に有効量のCIVワクチンをイヌに投与することを含む、二次病原体に起因する疾患からイヌを保護するための方法。
- 二次病原体がStreptococcus equi subsp. Zooepidemicus(S.equi)である請求項3記載の方法。
- イヌインフルエンザウイルス(CIV)に対するワクチンを提供すること、および免疫学的に有効量のCIVワクチンをイヌに投与することを含む、イヌ感染性呼吸器疾患(CIRD)からイヌを保護するための方法。
- ワクチンが1または複数の追加の免疫原を含む混合ワクチンである請求項5記載の方法。
- 1または複数の追加の免疫原が、イヌジステンパーウイルス、イヌアデノウイルス、イヌパルボウイルス、イヌパラインフルエンザウイルス、イヌコロナウイルス、イヌヘルペスウイルス、イヌニューモウイルス、Leptospira属血清型菌種、Leishmania属生物体、Borrelia属菌種(spp.)、Bordetella bronchiseptica、Mycoplasma属菌種、狂犬病ウイルス、Ehrlichia canis、およびその任意の組み合せから成る群から選択される請求項6記載の方法。
- ワクチンが1または複数の追加の免疫原をさらに含む混合ワクチンである請求項4記載の方法。
- 1または複数の追加の免疫原が、イヌジステンパーウイルス、イヌアデノウイルス、イヌパルボウイルス、イヌパラインフルエンザウイルス、イヌコロナウイルス、イヌヘルペスウイルス、イヌニューモウイルス、Leptospira属血清型菌種、Leishmania属生物体、Borrelia属菌種(spp.)、Bordetella bronchiseptica、Mycoplasma属菌種、狂犬病ウイルス、Ehrlichia canis、およびその任意の組み合せから成る群から選択される請求項8記載の方法。
- CIVワクチンをイヌに投与することを含む、二次病原体に起因する疾患からイヌを保護するためのCIVワクチンの使用。
- CIVワクチンをイヌに投与することを含む、S.equi疾患からイヌを保護するためのCIVワクチンの使用。
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