JP2008546637A - ルデテラ・ブロンキセプチカp68抗原及びワクチン製造のための製剤及び製法プロセス - Google Patents

ルデテラ・ブロンキセプチカp68抗原及びワクチン製造のための製剤及び製法プロセス Download PDF

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シールズ,シェリー・リン
ソレンセン,ロバート・グレッグ
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ファルマシア・アンド・アップジョン・カンパニー・エルエルシー
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Abstract

本発明は、ボルデテラ・ブロンキセプチカp68抗原を含んでなるワクチン組成物のための新規製剤及びこうした製剤を作製するための方法を含んでなる。

Description

本発明はボルデテラ・ブロンキセプチカ(Bordetella bronchiseptica)p68抗原を含んでなる新規ワクチン製剤、及びこうした製剤を作製するための新規方法、及びボルデテラ・ブロンキセプチカにより引き起こされる感染性気管気管支炎(「ケンネルコフ(kennel cough)」)に対して犬を保護するための当該製剤の使用に関する。本発明のワクチンは、ワクチン接種への増強された免疫応答及びp68への増強された抗体価を提供する。
現在商業的に入手可能なイヌ ボルデテラ・ブロンキセプチカ ワクチン製品は、不活性化、非アジュバント添加ボルデテラ・ブロンキセプチカ全細胞バクテリンで構成されている。こうした全細胞バクテリンは、細胞タンパク質が関与するワクチン接種後反応を導く可能性がある。B.ブロンキセプチカのp68タンパク質は、百日咳菌(B.pertussis)の外膜タンパク質(OMP)及びパラ百日咳菌(B.parapertussis)のOMPと抗原的に類似している(Shahin et al., 「Characterization of the Protective Capacity and Immunogenicity of the 69-kD Outer Membrane Protein of Bordetella pertussis」, J. Exp. Med., 171:63-73, 1990 )。このOMPの保護的役割は、マウス(Shahin et al., 上記文献;Novotny et al., 「Biologic and Protective Properties of the 69-kD Outer Membrane Protein of Bordetella pertussis: A Novel Formulation for a Acellular Pertussis Vaccine」,J. Infect. Dis. 164:114-22,1991)、ヒト(He et al., 「Protective Role of Immunoglobulin G Antibodies to Filamentous Hemagglutinin and Pertactin of Bordetella pertussis in Bordetella parapertussis Infection」, Eur. J Clin Microbiol Infect Dis. 10:793-798, 1996)及びブタ(Kobisch et al., 「Identification of a 68-Kilodalton Outer Membrane Protein as the Major Protective Antigen of Bordetella bronchiseptica by Using Specific-Pathogen-Free Piglets”, Infect. Immun. 58(2):352-357, 1990)について示されている。
p68抗原を含んでなる従来のワクチン組成物は、ボルデテラ・ブロンキセプチカにより引き起こされる感染性気管気管支炎(「ケンネルコフ」)に対してイヌを保護することにおいて有効であることが示されている(米国特許出願番号10/767,809を参照されたい)。本出願は、p68抗原に加えて他のイヌ病原体を含んでなるワクチンにも関する。p68抗原を有しないいくつかの併用ワクチンが開発されており、それらは、Vanguard(登録商標)として販売されているもの、及び米国特許出願番号10/959,757に開示されているものを含む。
上で言及された併用ワクチンは、イヌジステンパー(CD)ウイルス、イヌアデノウイルスタイプ1(CAV−1)、イヌアデノウイルスタイプ2(CAV−2)、イヌパラインフルエンザ(CPI)ウイルス、イヌコロナウイルス(CCV)、イヌパルボウイルス(CPV)、レプトスピラ・ブラティスラヴァ(Leptospira bratislava)、レプトスピラ・カニコラ(Leptospira canicola)、レプトスピラ・グリポティフォーサ(Leptospira grippotyphosa)、レプトスピラ・イクテロヘモラジー(Leptospira icterohaemorrhagiae)、レプトスピラ・ポモナ(Leptospira pomona)、レプトスピラ・ハージョボビス(Leptospira hardjobovis)、レプトスピラ・ハージョ(Leptospira hardjo)、ポルフィロモナス菌種、バクテロイデス菌種、リーシュマニア菌種、ボレリア菌種、エーリキア菌種、マイコプラズマ菌種及びミクロスポラム・カニス(Microsporum canis)のような他のイヌ病原体の一つ又はそれより多くの抗原を含むことができる。
CDは不定の徴候を有する普遍的、高死亡率ウイルス疾患である。CDウイルスに感染した非ワクチン接種非免疫イヌのおよそ50%は臨床徴候を発生し、これらのイヌのおよそ90%が死亡する。
イヌアデノウイルスタイプ1(CAV−1)により引き起こされる感染性イヌ肝炎(ICH)は、肝性及び全身性内皮病変により特徴付けられるイヌの普遍的で、しばしば致死的なウイルス疾患である。イヌアデノウイルスタイプ2(CAV−2)は、重症例では、肺炎及び気管支肺炎を含む呼吸器疾患を引き起こす。
CPIは、普通のウイルス性上気道疾患である。無併発性CPIは軽度又は無症候性であることができ、もし他の呼吸器病原体による同時感染が存在すれば、徴候はより重度になる。
CPV感染は、しばしば出血性の嘔吐及び下痢の突然の発症により特徴付けられる腸疾患を生じる。白血球減少症が通常臨床徴候に付随する。いずれの年齢の感受性のイヌも冒され得るが、子イヌでの死亡率が最も大きい。4〜12週齢の子イヌにおいて、CPVは、短期の及び目立たない病気の後、急性心不全を生じ得る心筋炎を起こすこともある。感染後、多くのイヌは1年又はそれより長い期間、この疾患に対して不応性である。同様に、血清陽性雌イヌは、それらの子イヌにCPV抗体を移すことができ、そのことは16週齢までの子イヌの能動免疫化を妨害し得る。
CCVは、世界中ですべての年齢の感受性イヌに腸疾患も引き起こす。高度に伝染性である本ウイルスは、感染性糞便との直接接触を介して主として伝染し、暴露1〜4日以内に臨床症状として腸炎を起こすことができる。疾患の重度は他の因子の同時感染により悪化してもよい。CCVの一次徴候には、食欲不振、嘔吐及び下痢が含まれる。嘔吐の頻度は通常下痢発症後1又は2日以内に減少するが、下痢は感染の経過を通して長引くかもしれず、及び便が時には血の線条を含むこともある。CCV感染により、ほとんどのイヌは発熱したままであり、及び無併発性のケースにおいては、白血球減少症は観察されない。
レストスピラ症はすべての年齢のイヌで起こり、広範囲の臨床徴候を伴い、及び一般に急性感染に続いて慢性腎炎が続く。
新規な製法により作製される新規製剤を含んでなる本発明のp68ワクチン組成物は、驚くほど上昇したp68抗原に対する抗体価を産生し、イヌにおいて安全であり及び有効である。
発明の要旨
本発明は、ワクチンを作製するための方法、及びボルデテラ・ブロンキセプチカp68抗原を含有するワクチン組成物のための製剤を含んでなり、それは驚くほど上昇したp68に対する抗体価を生じ、ボルデテラ・ブロンキセプチカにより起こされる疾患に対してイヌを効果的に保護する。本発明のワクチン組成物は著しいワクチン接種後反応を起こさず、子イヌへの投与について安全であり、イヌにおいて長期間持続する保護的免疫を誘導する。
一つの側面において、本発明は療法的に有効量のp68タンパク質及び所定の量のドデシル硫酸ナトリウムを含んでなる抗原組成物を提供し、ドデシル硫酸ナトリウムの量は約0.0005パーセント〜約0.08パーセント(w/v)であり、又はドデシル硫酸ナトリウムの量は約0.001パーセント〜約0.01パーセント(w/v)であり、又はドデシル硫酸ナトリウムの量は約0.0025パーセント〜約0.0035パーセント(w/v)である。
別の側面において、本発明は抗原組成物を提供し、ここでp68タンパク質は、配列番号1に示したアミノ酸配列;及び配列番号1に示したアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性及び/又は相同性を有するアミノ酸配列から成る群より選択されるポリペプチドを含んでなる。さらなる側面において、p68タンパク質は、配列番号1に示したアミノ酸配列、又は配列番号1に示したアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性及び/又は相同性を有するアミノ酸配列を含んでなるp68タンパク質をコードするポリヌクレオチドから生成される。さらに別の側面において、p68タンパク質は、配列番号2に示したポリヌクレオチド配列、又は配列番号2に示したポリヌクレオチド配列と少なくとも90%の配列同一性及び/又は相同性を有するポリヌクレオチド配列から生成される。
追加の側面において、本発明は抗原組成物を提供し、p68タンパク質の量は用量当たり約2〜約100μgであるか、又はp68タンパク質の量は用量当たり約4〜約45μgである。
別の側面において、本発明は抗原組成物を提供し、組成物は約9.5〜約13のpHを有しているか、又は抗原組成物は約10〜約12のpHを有している。
さらなる側面において、本発明は坦体を含んでなるワクチン組成物を提供し、より好ましくは、坦体は表面活性剤としてサポニンを含んでなり、及び最も好ましくは、表面活性剤としてのサポニンはQuil Aであり、コレステロールと組み合わされている。本発明はワクチン組成物を提供し、Quil Aの量は用量当たり約1〜約100μgであり、及びコレステロールの量は用量当たり約1〜約100μgであり、又はより好ましくはQuil Aの量は用量当たり約10〜約50μgであり、及びコレステロールの量は用量当たり約10〜約50μgである。本発明は、坦体が水酸化アルミニウムを含んでなるワクチン組成物も提供する。
本発明のさらに別の側面において、ワクチン組成物は約6〜約9のpHを有し、又はより好ましくは約6.5〜約8.0のpHを有する。
本発明は、イヌジステンパー(CD)ウイルス、イヌアデノウイルスタイプ1(CAV−1)、イヌアデノウイルスタイプ2(CAV−2)、イヌパラインフルエンザ(CPI)ウイルス、イヌコロナウイルス(CCV)、イヌパルボウイルス(CPV)、レプトスピラ・ブラティスラヴァ、レプトスピラ・カニコラ、レプトスピラ・グリポティフォーサ、レプトスピラ・イクテロヘモラジー、レプトスピラ・ポモナ、レプトスピラ・ハージョボビス及びレプトスピラ・ハージョから成る群より選択される一つ又はそれより多くの抗原をさらに含んでなるワクチン組成物を提供する。
加えて、本発明は、p68タンパク質の量が用量当たり約4〜約45μgであり;坦体が、用量当たり約10〜約50μgの量のQuil A及び用量当たり約10〜約50μgの量のコレステロールであり;組成物が約6.5〜約8.0のpHを有するワクチン組成物を提供し;及び本組成物はイヌジステンパー(CD)ウイルス、イヌアデノウイルスタイプ2(CAV−2)、イヌパラインフルエンザ(CPI)ウイルス、イヌコロナウイルス(CCV)、イヌパルボウイルス(CPV)、レプトスピラ・ブラティスラヴァ、レプトスピラ・カニコラ、レプトスピラ・グリポティフォーサ、レプトスピラ・イクテロヘモラジー及びレプトスピラ・ポモナから成る群より選択される一つ又はそれより多くの抗原をさらに含んでなる。
本発明はイヌを感染から保護する方法を提供し、前記方法は本発明のワクチン組成物の療法的に有効量をイヌに投与する工程を含んでなる。
本発明の別の重要な目的は、抗原組成物を製造するための方法であり、前記方法は、p68タンパク質を含有している封入体を約9.5〜約13のpHを有している緩衝溶液中に懸濁し;及び約0.0005パーセント〜約0.08パーセント(w/v)の濃度までドデシル硫酸ナトリウムを加える工程を含んでなる。
本発明は抗原組成物を製造する方法を提供し、ドデシル硫酸ナトリウムの量は約0.001パーセント〜約0.01パーセント(w/v)であるか、又はドデシル硫酸ナトリウムの量は約0.0025パーセント〜約0.0035パーセント(w/v)である。
本発明の別の重要な目的は、配列番号1に示したアミノ酸配列;及び配列番号1に示したアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性及び/又は相同性を有するアミノ酸配列から成る群より選択されるポリペプチドを含んでなるp68タンパク質の抗原組成物を製造する方法における使用を提供する。本発明は、p68タンパク質の量が用量当たり約2〜約100μg、又は好ましくは用量当たり約4〜約45μgとなることも提供する。
本発明の別の重要な目的は、ドデシル硫酸ナトリウムを添加した後、抗原組成物を坦体と混合する追加の工程をさらに含んでなる方法を提供することであり、前記坦体は、約6.5〜約8.0のpHを有している。本発明はQuil A及びコレステロールである坦体も提供する。
本発明の重要な目的は、感染からイヌを保護する方法を提供することであり、前記方法は、本発明の方法により製造された組成物の療法的に有効量をイヌに投与する工程を含んでなる。
本発明は、緩衝溶液が炭酸塩緩衝液である、抗原組成物を製造する方法を提供する。
本発明は、イヌジステンパー(CD)ウイルス、イヌアデノウイルスタイプ2(CAV−2)、イヌパラインフルエンザ(CPI)ウイルス、イヌコロナウイルス(CCV)、イヌパルボウイルス(CPV)、レプトスピラ・ブラティスラヴァ、レプトスピラ・カニコラ、レプトスピラ・グリポティフォーサ、レプトスピラ・イクテロヘモラジー、レプトスピラ・ポモナ、レプトスピラ・ハージョボビス及びレプトスピラ・ハージョから成る群より選択される一つ又はそれより多くの抗原を抗原組成物に加える工程をさらに含んでなる、抗原組成物を製造する方法を提供する。
本発明は、濾過又は遠心分離により組成物を清澄化する工程をさらに含んでなる、抗原組成物を製造する方法を提供する。加えて、本発明は組成物を滅菌する工程をさらに含んでなる、抗原組成物を製造する方法を提供する。本発明において、組成物は濾過により滅菌することができる。
本発明のさらに別の重要な目的は、抗原組成物を製造する方法であり、p68タンパク質は、配列番号1に示したアミノ酸配列、又は配列番号1に示したアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性及び/又は相同性を有するアミノ酸配列を含んでなるp68タンパク質をコードしているポリヌクレオチド配列を発現ベクター内にクローニングし;発現ベクターを細菌細胞内に導入し;及び封入体に蓄積されるp68タンパク質を発現させることを含んでなる工程により産生する。本発明のさらに重要な側面において、ポリヌクレオチド配列は配列番号2の配列、又は配列番号2に示したポリヌクレオチド配列と少なくとも90%の配列同一性及び/又は相同性を有するポリヌクレオチド配列を有する。本発明の別の側面において、細菌細胞は大腸菌である。
本発明のさらなる側面は、イヌ病原体により引き起こされる疾患に対してイヌを保護するための医薬の製造における本発明の新規組成物の使用を提供することである。
これら及び他の側面は当業者には容易に明らかになるであろう。
発明の詳細な説明
定義
用語「封入体」とは、多様な物質の貯蔵のために細菌細胞内に形成された物体を指す。細胞質内でタンパク質を発現する細菌系は、誤って折りたたまれたタンパク質の凝集によりタンパク質で満たされた封入体を形成する。封入体は、細胞が異種又は変異体タンパク質を発現するように強いられた場合、又はそれらがいくつかの内因性タンパク質を過剰発現する場合に特に形成される。封入体は一般に非常に高濃度の凝集タンパク質を含有する。このことは、タンパク質を折りたたむ及び/又はプロセッシングする機構が飽和していることを示唆している。例えば、細菌細胞が組換えp68を発現するように誘導された場合、p68は細胞の細胞質中の封入体に観察される。
本明細書で使用される用語「イヌ病原体により引き起こされる疾患に対してイヌを保護すること」とは、病原体による感染の危険性を減少すること又は除去すること、感染の徴候を寛解させること又は軽減すること、又は感染からの回復を促進することを意味する。例えば、もしウイルス又は細菌負荷の低下、ウイルス又は細菌排出の低下、感染の発生又は持続の減少、低下した急性期血清タンパク質レベル、低下した直腸温度及び/又は、食物摂取及び/又は成長の増加があれば、保護は達成される。
本明細書で使用される用語「一価ワクチン」とは、一つの主たる抗原成分を有するワクチンを指す。例えば、p68一価ワクチンは、ワクチンの主たる抗原成分としてボルデテラ・ブロンキセプチカp68抗原を含み、ボルデテラ・ブロンキセプチカにより引き起こされる疾患に対して、ワクチンが投与された動物を保護することが可能である。
用語「併用ワクチン」とは、動物において保護的免疫応答を誘導することが可能である抗原の二価又は多価の組み合わせを指す。病原体又は複数の病原体に対する併用ワクチンの保護効果は、細胞仲介又は体液性免疫応答又は両方の組み合わせの免疫応答を動物対象に誘導することにより通常は達成される。例えば、p68併用ワクチンは、ワクチンの主抗原成分として、一つ又はそれより多くの他のイヌ病原体の抗原と組み合わされたボルデテラ・ブロンキセプチカp68抗原を含み、ボルデテラ・ブロンキセプチカ及び他の病原体により引き起こされる疾患に対して、ワクチンが投与された動物を保護することが可能である。
用語「p68ワクチン」とは、p68一価及びp68併用ワクチンの両方を指す。
「免疫原性」とは、特定の病原体に対し、動物に免疫応答を誘発する組成物の能力を意味する。免疫応答は細胞毒性T細胞及びサイトカイン産生T細胞により主として仲介される細胞性免疫応答、又はヘルパーT細胞により主として仲介され、順にB細胞を活性化して抗体産生を導く体液性免疫応答であることができる。
用語「療法的に有効量」又は「有効量」とは、投与された動物に保護的免疫応答を惹起するのに十分な一価又は併用ワクチンの量を指す。免疫応答は、限定ではなく、細胞性及び/又は体液性免疫の誘導を含んでなることができる。療法的に有効であるワクチンの量は、ワクチンに使用された特定の抗原、動物の年齢及び状態、及び/又は感染の程度に依存して変化してもよく、当業者が決定することが可能である。
本発明の目的のためには、用語「p68抗原」は、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動により決定された68kDaの分子量で、p68特異的モノクローナル抗体Bord2−7(ATCC# LN15898/PTA-5791)により認識され、及び配列番号1に示したアミノ酸配列又は配列番号1と実質的に同一であるアミノ酸配列を有するタンパク質を指す。用語「p68抗原」は、このモノクローナル抗体により認識されるタンパク質の断片も含む。「実質的に同一」とは、配列同一性の程度が少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約95%、又はより好ましくは少なくとも約98%を意味する。配列番号1と実質的に同一のアミノ酸配列を有するp68抗原の例は、配列番号3に示されているWO92/17587に記載されたp68抗原である。本発明のp68特異的モノクローナル抗体は、天然のp68タンパク質、組換えp68タンパク質及び例えば、細菌の表面上のp68タンパク質を認識する。
用語「坦体」、「許容できる坦体」及び「獣医学的に許容できる坦体」には、いずれか及びすべての溶媒、分散媒質、コーティング、アジュバント、安定化剤、希釈剤、保存剤、抗菌剤及び抗真菌剤、等張剤、吸収遅延剤などが含まれる。希釈剤は、水、食塩水、デキストロース、エタノール、グリセリンなどを含むことが可能である。等張剤は、中でも、塩化ナトリウム、デキストロース、マンニトール、ソルビトール及びラクトースを含むことが可能である。安定剤又は安定化剤には、中でも、アルブミンが含まれる。
用語「緩衝液」とは、pHの変化に抵抗するイオン性化合物を含んでなる、溶液、懸濁液、乳化液などを意味する。それには、限定ではないが、炭酸塩、リン酸塩、TRIS、酢酸塩、塩類及びホウ酸塩が含まれる。
用語「C」が温度に関して使用された場合、摂氏又はセルシウスを意味する。
「外界温度」は、物体を取り囲んでいる空気温度であり、一般には15〜25摂氏温度である。
発明の説明
以下の本発明の説明において、本発明を実施することができる具体的態様が説明される。これらの態様は、当業者が本発明を実施することを可能にするために十分詳細に説明されている。他の態様を使用することができ、及び論理的及び他の変更を本発明の範囲から離れることなく行うことができる。以下の詳細な説明は、それ故、制限的意味でとられるべきでなく、そして本発明の範囲は、付随する特許請求の範囲とともに、こうした請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲によってのみ規定される。
本発明に従うと、本発明での使用に適したp68抗原には、天然のp68タンパク質(即ち、ボルデテラ・ブロンキセプチカから精製された天然に存在するp68タンパク質)及び組換え的に産生されたp68タンパク質の両方が含まれる。
p68の組換え体産生は、当業者には周知の分子クローニング及び組換え発現技術のいずれか一つを使用して達成することが可能である。例えば、p68をコードする核酸分子を、細菌、酵母細胞(例えば、ピキア(Pichia)細胞)、昆虫細胞又は哺乳類細胞(例えば、CHO細胞)のような、適した宿主細胞内へ導入することが可能である。p68をコードする核酸分子は、宿主細胞におけるp68抗原の発現を達成することが可能なプロモーターに、機能可能な連結で置くことが可能である。
ボルデテラ・ブロンキセプチカからの天然p68の精製は、例えば、Montaraz et al.、Infection and Immunity 47:744-751 (1985) に記載されており、前に参照した米国特許出願番号10/767,809にも例示されている。宿主細胞により発現された、組換え的産生p68は、日常のタンパク質精製技術を使用して精製することが可能である。
しかしながら、封入体の産生のため、細菌中での発現後に可溶性活性タンパク質を得ることはしばしば困難である。封入体は容易に精製することが可能であるが、発現されたタンパク質の可溶化は通常強い変性条件を使用してのみ得ることができる。凝集を防止しながら、インビトロでタンパク質の有効な折りたたみを達成することは困難である。変性剤が溶液から除去されると同時に、まだ折りたたまれておらず、及び変性剤と相互作用していた疎水領域がお互いにすぐに相互作用するので、タンパク質は凝集を起こしやすい。再折りたたみ工程の間に温和な可溶化剤の使用を介して凝集を制限することができる。しかしながら、ほとんどの方法は凝集したタンパク質の量をわずかしか減少させていない。
発明者は、高pHの緩衝液中に低レベルのSDSを含んでなる本発明が、濾過及び滅菌することが可能である可溶化p68タンパク質を生じることを見出した。この可溶化タンパク質は、p68に対する驚くほど上昇した抗体価を産生し、ボルデテラ・ブロンキセプチカにより引き起こされる疾患に対してイヌを効果的に保護している。
本発明に従うと、封入体中の天然p68か又は組換えp68が、低濃度のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を使用する塩基性pHの緩衝液に可溶化され、抗原組成物を形成する。抗原組成物を清澄化し及び滅菌する。本発明にさらに従うと、ほとんど中性のpHを有する獣医学的に許容できる担体と抗原組成物を混合してワクチン組成物を形成する。
ワクチン中のp68の量は免疫化有効であるべきであり、一般に用量当たり約0.5〜約1000μgの範囲である。好ましくは、p68の量は用量当たり約1〜約260μgの範囲である。より好ましくは、p68の量は用量当たり約2〜約100μgの範囲である。より好ましくは、p68の量は用量当たり約4〜約45μgの範囲である。
p68タンパク質を可溶化するために使用されるドデシル硫酸ナトリウムの量は約0.0005パーセント〜約0.08パーセント(w/v)、又はより好ましくは約0.001パーセント〜約0.01パーセント(w/v)、及び最も好ましくは約0.0025パーセント〜約0.0035パーセント(w/v)である。
本発明に従って使用するために適したアジュバントには、限定されるわけではないが、無機塩、例えば、Alum、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム及びリン酸カルシウム;界面活性剤及び微粒子、例えば、非イオン性ブロック重合界面活性剤(例えば、コレステロール)、ビロソーム、サポニン(例えば、Quil A、QS−21及びGPI−0100)、プロテオソーム、免疫刺激複合体、蝸牛状物(cochleate)、四級アミン(ジメチルジオクタデシルアンモニウム(DDA))、アブリジン、ビタミンA、ビタミンE;RIBIアジュバントシステム(Ribi Inc.)のような細菌製品、チモテ菌の細胞壁骨格(Detox(登録商標))、ムラミルジペプチド(MDP)及びトリペプチド(MTP)、モノホスホリル脂質A、バシラス・カルメット−ゲラン(Bacillus Calmete-Guerin)、熱不安定性大腸菌腸毒素、コレラ毒素、トレハロースジミコレート、CpGオリゴデオキシヌクレオチド;サイトカイン及びホルモン、例えば、インターロイキン(IL−1、IL−2、IL−6、IL−12、IL−15、IL−18)、顆粒細胞−マクロファージコロニー刺激因子、デヒドロエピアンドロステロン、1,25−ジヒドロキシビタミンD;ポリアニオン、例えば、デキストラン;ポリアクリルエステル(例えば、ポリメチルメタクリレート、カルボポール934P);坦体、例えば、破傷風トキソイド、ジフテリアトキソイド、コレラ毒素Bサブユニット、毒素原性大腸菌の変異体熱不安定性腸毒素(rmLT)、熱ショックタンパク質;水中油乳剤、例えば,AMPHIGEN(登録商標)(Hydronics、USA);及び、例えば、フロイント完全及び不完全アジュバントのような油中水乳剤が含まれる。
本発明のワクチンでの使用に好ましいアジュバントには、Quil A及びコレステロール(QAC)が含まれる。本発明のワクチンでの使用に好ましい別のアジュバントには、水酸化アルミニウムが含まれる。
ワクチンでの使用に適したアジュバントの量は、使用されるアジュバントの性質に依存する。例えば、Quil A及びコレステロールがアジュバントとして使用される場合、Quil Aは一般的には用量当たり約1〜約100μg、好ましくは用量当たり5〜約75μg、より好ましくは用量当たり約10〜約50μgの量である。水酸化アルミニウムがアジュバントとして使用される場合、それは一般的に約0〜5〜約20%、好ましくは約0〜5〜約10%、及びより好ましくは約1〜約2%の量である。
抗原組成物及び許容できる坦体は、都合のよい又は実際的な様式で合わせて、例えば、混合物、溶液、懸濁液、乳化、カプセル化、吸収などによりワクチン組成物を形成させ、注射、移植、吸入、摂取などに適している錠剤、散剤、シロップ、液剤又は懸濁剤のような製剤を作製することが可能である。好ましくは、ワクチンは、約0.1〜約5mlの用量で、又は好ましくは約0.5〜約2.5ml、又はさらにより好ましくは約1mlの用量での注射によりイヌに投与可能であるように製剤する。
適切な場合、本発明の医薬組成物は公知の手順により滅菌することが可能である。媒質及び試薬の滅菌は、加熱滅菌又は濾過滅菌により達成することができる。最低限の加熱滅菌要件は摂氏約121度にて約30分である。濾過滅菌は約0.22〜約0.3ミクロンの最大孔サイズのフィルターを利用する。ワクチン組成物は一般に濾過滅菌する。
溶液のpHは、必要とされる調整の方向に依存して、いずれかの適切な酸又は塩基を使用して調整することができる。好ましい酸はクエン酸であり;好ましい塩基は水酸化ナトリウムである。可溶化の間、抗原組成物のpHは約8.5〜約13.5、又はより好ましくは約9.5〜約13、又は最も好ましくは約10〜約12である。ワクチン組成物の最終pHは約5〜約9、又はより好ましくは約6〜約8、又は最も好ましくは約6.5〜約8.0である。
p68の可溶化の間、抗原組成物は約1〜約10時間、又は好ましくは約1〜5時間、又はより好ましくは約1〜約2時間、外界温度でインキュベートする。
本発明の一つの態様において、配列番号1のアミノ酸配列を有するp68抗原をコードした配列番号2に示すヌクレオチド配列を、発現ベクターにクローン化し、温度感受性プロモーターへ機能可能な連鎖位置に置く。発現ベクターを大腸菌内に導入し、p68抗原を加熱誘導により発現させる。細胞を溶解し、p68抗原が蓄積した封入体を遠心分離により分離する。封入体を、約9.5〜約13のpHを有する炭酸塩緩衝液に懸濁する。都合よくは、可溶化の間、pHを水酸化ナトリウムで約12に調整することができ、そして溶液を外界室温で約2時間インキュベートする。インキュベーションに続いて、クエン酸でpHを約10に調整する。ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を約0.003パーセント(w/v)の濃度まで加える。溶液を濾過により清澄化及び滅菌して抗原組成物を形成させる。抗原組成物を次ぎに、約7のpHを有する獣医学的に許容できる坦体と混合し、ワクチン組成物を形成させる。
別の態様において、本発明は、本明細書で上に記載したp68ワクチン組成物をイヌに投与することにより、ボルデテラ・ブロンキセプチカにより引き起こされる疾患に対してイヌを保護する方法を提供する。本発明に従うと、p68ワクチン組成物は、少なくとも約4ヶ月、好ましくは少なくとも約6ヶ月、又はさらにより好ましくは約1年又はより長くにわたる長期間の免疫を有するイヌを提供する。
本発明に従うと、p68ワクチンは、経口、鼻腔内、粘膜、局所、経皮及び非経口(例えば、静脈内、腹腔内、皮内、皮下又は筋肉内)を含むいずれかの既知の経路によりイヌに投与することが可能である。投与は無針送達装置を使用しても達成することが可能である。投与は、経路の併用、例えば、最初に非経口経路を使用する投与、及び続いての粘膜経路を使用する投与を使用して達成することが可能である。投与の好ましい経路には皮下及び筋肉内経路が含まれる。
本発明のp68ワクチン組成物は、いずれの年齢のイヌにも投与することが可能である。好ましくは、イヌは約6週〜約9週齢である。イヌに、p68ワクチンの1又はそれより多くの用量でワクチン接種することが可能であり、各用量間は約2〜4週、好ましくは、各用量間は約3週である。好ましくは、2用量のp68ワクチンが2投与の間に、約2〜4週、好ましくは約3週の間隔で投与される。4ヶ月齢未満の子イヌにおいては母系性抗体が適切な免疫応答の発生を妨害するので、もしイヌが4ヶ月齢の前にワクチン接種されるならば、約4ヶ月齢に達したら、単回用量で再ワクチン接種することが推奨される。イヌを単回投与で毎年再ワクチン接種することも可能である。繁殖、寄宿及び展示会状況のような、B.ブロンキセプチカ暴露の可能性がある場合、これらの出来事の発生の約1年、又は好ましくは約6ヶ月以内にさらなる追加免疫を与えることができる。
併用ワクチン
本発明の併用ワクチンは、他の病原体により引き起こされる疾患に対してイヌに保護的免疫応答を誘導することが可能な他のイヌ病原体からの少なくとも一つの抗原と組み合わされた、上記のように作製することが可能であるボルデテラ・ブロンキセプチカp68抗原を含んでなる。こうした他の病原体には、限定されるわけではないが、イヌジステンパー(CD)ウイルス、イヌアデノウイルスタイプ1(CAV−1)、イヌアデノウイルスタイプ2(CAV−2)、イヌパラインフルエンザ(CPI)ウイルス、イヌパルボウイルス(CPV)、イヌコロナウイルス(CCV)、イヌヘルペスウイルス及び狂犬病ウイルスが含まれる。本発明のワクチン組成物に使用するためのこれらの病原体の抗原は、改変生ウイルス調製物又は不活性化ウイルス調製物の形態であることが可能である。これらのウイルスの病原性株を弱毒化する方法、及び不活性化ウイルス調製物を作製する方法は当該技術分野では公知であり、例えば、米国特許第4,567,042及び4,567,043号に記載されている。
他の病原体には、レプトスピラ・ブラティスラヴァ、レプトスピラ・カニコラ、レプトスピラ・グリポティフォーサ、レプトスピラ・イクテロヘモラジー、レプトスピラ・ポモナ、レプトスピラ・ハージョボビス、レプトスピラ・ハージョ、ポルフィロモナス菌種、バクテロイデス菌種、リーシュマニア菌種、ボレリア菌種、エーリキア菌種、マイコプラズマ菌種及びミクロスポラム・カニスも含まれる。本発明のワクチン組成物に使用するためのこれらの病原体の抗原は、当該技術分野では公知の方法を使用する、不活性化全又は部分細胞調製物の形態であることが可能である。例えば、不活性化全又は部分細胞調製物を作製する方法は当該技術分野では既知であり、例えば、Yan、K-T、“Aspects of Immunity to Letospra borgpetersenii serovar hardjo”,PhD Thesis、Appendix I、1996. Faculty of Agriculture and Food Science、The Queen’s University of Belfast; Mackintosh et al.,“The use of a hardjo-pomona vaccine to prevent leptospiruria in cattle exposed to natural 攻撃接種 with Leptospia interrogans serovar hardjo”, New Zealand Vet. J. 28:174-177、1980;Bolin et. al.,“Effect of vaccination with a pentavalent leptopsiral vaccine on Letospra interrogans serovar hardjo type hardjo-bovis infection of pregnant cattle”, Am. J. Vet. Res. 50:161-165、1989 、に記載されている。
併用ワクチンは、弱毒化ウイルス株(又は噴霧乾燥又は乾燥(desiccation)のような他の方法により作製された調製物)及びウイルス調製物の凍結乾燥調製物を液体調製物で再水和することにより調製でき、液体調製物は滅菌食塩水溶液で溶解されたレプトスピラ及びp68抗原を含んでなり、及びQuil A及びコレステロールがアジュバントとして加えられている。こうした併用ワクチンは、弱毒化ウイルス株及びレプトスピラ抗原調製試料(又は噴霧乾燥又は乾燥のような他の方法により作製された調製物)の凍結乾燥調製物を滅菌溶液で再水和し、及びQuil A及びコレステロールをアジュバントとして加えることにより、又は前記凍結乾燥調製物を、CCV、p68に加えて希釈剤で再水和し、及びQuil A及びコレステロールをアジュバントとして加えることによっても調製することができる。p68抗原は、ドデシル硫酸ナトリウムを約0.0005パーセント〜約0.08パーセント(w/v)、より好ましくは約0.001パーセント〜約0.01パーセント(w/v)、及び最も好ましくは約0.0025パーセント〜約0.0035パーセント(w/v)の量で使用し、本発明の方法に従って可溶化する。
本発明に従うと、併用ワクチンはいずれの年齢のイヌにも投与することが可能である。好ましくは、イヌは約6週〜約9週齢である。併用ワクチンは2〜4用量、好ましくは2〜3用量で投与することが可能である。用量は、各用量の間に約2〜約6週、好ましくは各用量の間に約2〜約6週、及び最も好ましくは各用量の間に約3週の間隔で投与することが可能である。
好ましい併用ワクチン
好ましい併用ワクチンには、「Snyder Hill」と名付けられた弱毒化CDウイルス株(National Veterinary Service/ Laboratory、Ames、IA )、「Manhattan」株と名付けられた弱毒化CAV−2株(National Veterinary Service/ Laboratory、Ames、IA )、「NL−CPI−5」の名称を有する弱毒化CPIウイルス株(National Veterinary Service/ Laboratory、Ames、IA)、「NL−35−D」の名称を有する弱毒化CPV株(National Veterinary Service/ Laboratory、Ames、IA )、「NL−18」の名称を有するCCV株の不活性化調製試料(National Veterinary Service/ Laboratory、Ames、IA )、及び配列番号1の配列を有する組換えボルデテラ・ブロンキセプチカp68抗原が含まれる。こうした併用ワクチンは、五つのレプトスピラ種:レプトスピラ・カニコラ(例えば、C−5株、National Veterinary Service/ Laboratory、Ames、IA )、レプトスピラ・グリポティフォーサ(例えば、MAL1540株、National Veterinary Service/ Laboratory、Ames、IA. )、レプトスピラ・イクテロヘモラジー(例えば、NADL11403株、National Veterinary Service/ Laboratory、Ames、IA )、レプトスピラブラティスラヴァ(例えば、JEZ株、National Veterinary Service/ Laboratory、Ames、IA )及びレプトスピラ・ポモナ(例えば,T262株、National Veterinary Service/ Laboratory, Ames, IA )の不活性化全細胞調製試料も含まれる。こうした併用ワクチンは、好ましくは、弱毒化ウイルス株(又は噴霧乾燥又は乾燥のような他の方法により作製された調製物)及びウイルス調製試料の凍結乾燥調製物を液体調製物で再水和することにより調製でき、液体調製物は滅菌食塩水溶液で溶解されたレプトスピラ及びp68抗原を含んでなり、及びQuil A及びコレステロールをアジュバントとして加える。p68タンパク質を可溶化するために使用されるドデシル硫酸ナトリウムの濃度は、好ましくは約0.0025パーセント〜約0.0035パーセント(w/v)である。
本発明は以下の非制限的実施例により、さらに詳細に説明される。
〔実施例1〕
ボルデテラ・ブロンキセプチカ菌抽出物サブユニット(p68)の大規模量は以下の様式で製造された。
I.製品の組成物
使用された微生物
ボルデテラ・ブロンキセプチカからの外膜タンパク質p68を発現するように構築された大腸菌の組換え株(LWP68)を調製した。
この構築物の単一コロニーを、50mg/Lの硫酸カナマイシンを補給したルリア−ベルターニ(Luria−Bertani)寒天(LB−KAN)上で継代培養した。この培養からの単一コロニーを次ぎにLB−KANブロス培地で継代培養した。この継代培養からの増殖物を低温保存剤と混合し、−70℃で保存した。プレマスターシード(Pre−Master Seed)は、1994年5月9日にこの材料から作製され、マスターシード ボルデテラ・ブロンキセプチカ抽出物ワクチン、ロット番号001と名付けられた。マスターシードはこのプレマスターシードから調製され、マスターシードLWP68、大腸菌/ボルデテラ・ブロンキセプチカ組換えp68、ロット番号002と名付けられた。
細菌はプラスミド挿入物を含み、それはカナマイシンによる増殖阻害に対する耐性を提供する。細菌はボルデテラ・ブロンキセプチカのp68タンパク質をコードする遺伝子を含有するプラスミド挿入物も運んでいる。p68タンパク質の発現は、p68特異的抗体を使用する免疫ブロットによりアッセイした場合、培養物の加熱誘導の後に観察することが可能である。
II.培養
1.生産培養に使用された培地の組成及び反応
最低限の加熱滅菌要件は摂氏約121度にて約30分である。培地及び試薬の濾過滅菌は0.22μの最大孔サイズのフィルターを利用する。
Figure 2008546637
Figure 2008546637
Figure 2008546637
Figure 2008546637
2.培養物の増殖に使用された容器の特性、サイズ及び形状
Figure 2008546637
3.シード培養物の保存条件
Figure 2008546637
4.播種又は接種のための懸濁液を調製する方法
作業シード培養物は、p68完全培地を含有し、マスターシード又は作業シードが接種されたフラスコ培養物から調製する。培養物はグリセロールで安定化することができ、滅菌バイアルに分注し、凍結する。
5.シードを接種する技術及び生産培地
Figure 2008546637
マスター又は作業シードを急速に融解し、フラスコを接種するために使用した。フラスコをシードの接種又は生産発酵装置として使用する。
6.インキュベーションの期間及び条件
全ての培養物は30±2℃でインキュベートする。
Figure 2008546637
生産発酵装置
10〜50(600nm)のODにて、最低で39℃まで温度を急速に上昇させ、そして39±2℃の温度に2〜4時間維持することにより培養物を誘導してp68タンパク質を発現させる。
7.増殖物の特性及び量
収集に先だって、培養物を純度、特徴的な形態及びグラム反応について顕微鏡的に試験する。増殖は、600nmでの定期的な光学密度読み取りによりモニターする。
III.採取
A.採取に先だった培養物の取り扱い及び調製
製造サイクルの終わりに、培養物は、特徴的な形態を顕微鏡法により試験し、グラム染色調製試料を夾雑物の存在について試験し、細菌がグラム陰性であることを確認する。
B.採取についての最短及び最長時間
Figure 2008546637
C.生産目的に対する採取の技術
細胞密度を決定した後、撹拌を遅くし、温度を<20℃に下げ、通気及びpH制御を中止する。遠心分離又は微量濾過により、細胞を培養液から分離する。上清を廃棄し、細胞を溶解緩衝液に再懸濁する。ホモジナイザー中での物理的破壊により細胞から封入体を放出させる。液体を遠心分離し(又は微量濾過し)、封入体を分離及び濃縮する。封入体を炭酸塩緩衝液中、高pHで可溶化する。ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を加え、液体を滅菌濾過する。
D.許容できる採取材料の規格
節II.7に記載したように、誘導期間の終点で、培養物は夾雑物を含んでいてはならない。
E.追加情報
可溶化は、NaOH及びクエン酸を使用し、pH9.5〜12.9の間で実施する。可溶化が完了したら、SDSの溶液を、0.003±0.0005%(w/v)の最終濃度まで加える。
IV.製品の製造
A.アジュバントの組成及び使用された比率
節IV.Dに記載されたように、50mcg/mlのQuil A及び50mcg/mlのコレステロールをアジュバントとして加えた。
B.方法及び濃度の程度
遠心分離又は微量濾過による大腸菌の濃縮。ホモジネーションによる細胞の溶解。封入体の濃縮は、遠心分離又は微量濾過により行われるであろう。
C.製品の標準化
液体を、定量的SDS−PAGEによりp68濃度についてアッセイする。mL当たりのSDSのレベルは、節III.Cで加えられた量に基づいて計算した。これらの結果に基づいて、各用量が0.003%(w/v)のドデシル硫酸ナトリウム(計算値)及び下記の計算値の抗原レベル/用量を含有するように一連のものを標準化する:
Figure 2008546637
D.一連のワクチンを製造するためのユニットの組み立て
系列を組み立てるため、p68の一つ又はそれより多くの全又は部分ロットとQuil A及び水相としての食塩水を混合する。水性相の十分な混合後、連続的にホモジナイズ化しながらコレステロールを水相にゆっくりと加えて、系列を乳化する。
Figure 2008546637
1.0mL/用量の最終容量に基づいて、この300,000用量最終生成物は用量当たり、以下の組み立てられた抗原レベルを有しているであろう:
Figure 2008546637
〔実施例2〕
この研究は、最低年齢非ビーグル犬において、他の製品と併用されたp68一価ワクチンの安全性を比較し及び評価した。およそ6週齢でワクチン接種した時、子イヌにおいてワクチンに対する全身性及び局所組織反応を評価した。p68一価ワクチンは実施例1の方法に従って作製した。
材料及び方法
動物. この研究では、両方の性の商業的に飼育された小さな血統の犬を使用した。血統にはマルチーズ、ビション・フリーゼ、ヨークシャー・テリア、パグ、ダックスフント、ウエストハイランドホワイトテリア及びシーズーが含まれる。ワクチン接種時、犬は6+/−1週齢であった。動物はリター(litter)による囲いで飼い、研究観察に加え、毎日少なくとも一回死亡率及び罹患率を観察した。
研究デザイン 研究デザインは、一般化乱塊研究デザイン(GRBD)であった。リターはブロッキング因子であった。動物は実験ユニットであった。処置は下記に要約されている。
Figure 2008546637
ワクチン.
希釈剤
1.アジュバントとして50mcgのQuil A及び50mcgのコレステロールを含有する1mlの滅菌ハル緩衝液に溶解した25mcgのp68抗原(系列番号59433−12)(真の名前:ボルデテラ・ブロンキセプチカ菌抽出物、サブユニット、コード2B05.R0)、レプトスピラの五つの血清型(L.カニコラ、L.グリポティフォーサ、L.ブラティスラヴァ、L.イクテロヘモラジー、L.ポモナ)と混合され、ハル(Hal)緩衝液中で不活性化及び再構築される。
2.商業的に入手可能なDuramune(登録商標)Max 5−CvK/4L希釈剤(系列番号 094132A)。
プラグ(Plug)
1.実験系列311002−B、以下の改変生ウイルス成分から構成される:イヌジステンパーウイルス、イヌアデノウイルス−2、イヌパルボウイルス、イヌパラインフルエンザウイルス及びイヌコロナウイルス、25mcgのQACをアジュバントとして加えた(真の名前:イヌジステンパー−アデノウイルスタイプ2−コロナウイルス−パラインフルエンザ−パルボウイルスワクチン、改変生及び死滅ウイルス、コード1597.20)。
2.商業的に入手可能なDuramune(登録商標)Max5−CvK/4L(イヌジステンパー−アデノウイルスタイプ2−コロナウイルス−パラインフルエンザ−パルボウイルスワクチン、改変生及び死滅ウイルス−レプトスピラバクテリン、Fort Dodge Animal Health)(系列番号116432A)。
感染接種(攻撃接種). この研究において攻撃接種は行わなかった。
測定された適切な変数
全身性反応スコア. ワクチン接種に先だって、ワクチン接種後5時間及び次ぎに総計で9日間について毎日全身性変化について動物を観察した。活動レベルを評価し、そしてスコア化した。もしその活動レベルが動物の年齢及び環境に適切であったならば、動物に「1」のスコアを与えた。もし遊び活動に嗜眠性であり及び気が進まないようであれば、動物に「2」のスコアを与え、及びもし動物が瀕死であり及び著しい強制なしには動こうとしなければ、「3」のスコアを与えた。もし「2」又は「3」のスコアが与えられたら、動物の活動レベルを記述しているコメントをつけた。
局所反応スコア. ワクチン接種に先だって、可能な注射部位に前もって存在している病変があるかどうかを決定するために、動物を検査した。ワクチン接種に続いて(5時間後、次ぎに14日間毎日)、注射部位を反応について評価した。もし反応が存在していれば測定を行い、それを記録した。注射部位反応が動物にとって痛そうであるか、ならびに反応に関連するいかなる他のコメントも書き留めた。もし触診可能な腫張又は熱が存在しなければ、動物に「1」のスコアを、もし小さな(最も大きな測定値が1インチ未満)、痛くない腫張が存在したならば「2」のスコアを、及びもし腫張がいずれの測定値においても1インチより大きく、温かく、又は有痛性であれば「3」のスコアを与えた。「2」又は「3」のスコアには病変の記述又は測定値を付けた。
注射部位反応容積. 局所反応スコアについて得られた測定値を、反応部位容積を決定するために使用した。
体温. ワクチン接種に先だって、及びワクチン接種に続いて2日目まで各観察時点で体温を決定し及び記録した。
データ要約及び分析
注射部位反応容積. 注射部位容量は以下の式を使用して計算した:容量=長さx高さx厚さ。もし局所反応スコアが1であれば、0の容積を使用した。処置、観察時間及び処置観察時間相互作用の固定された効果を含むモデルで繰り返された測定についての一般化線形混合モデル(general linear mixed model)を使用して分析した。もし、処置又は処置観察時間相互作用が有意であれば、各観察時間で対処置比較を行った。もし、観察時間又は処置観察時間相互作用が有意であれば、第一の観察時間及び続いての観察時間間の比較を、各処置内で行った。
全身性及び局所反応. 全身性及び局所反応の頻度分布を、各処置及び観察時間について計算した。
直腸温度. 動物数、算術平均、標準誤差、最小及び最大を含む記述統計学を、各処理各時点について計算し、温度を記録した。
全ての仮説試験は0.05の有意差レベル(P≦0.05)で行われた。
結果
どの動物も研究の間、「3」の全身性反応スコアを受けなかった。しかしながら、2匹の動物はワクチン接種後5時間の観察時点で全身的に異常であると決定され、それ故、「2」のスコアを受けた。これらは、群T01の一匹の犬及び群T03のもう一匹から成り、それらは嗜眠性であると判断された。各処置及び時点についての全身性反応スコアの数字は表1に要約されている。
Figure 2008546637
各処置群において数匹の動物は「2」及び「3」の局所反応スコアを有していることが観察された。これらの動物の大多数は種々のサイズの無痛領域を有しており、それは不定期間持続し、群T01の2動物及び群T02の5動物では2週間より長く持続した。どの動物も2日後に「3」の局所反応スコアを受けなかった。各処置及び時点についての局所反応スコアの数字は表2に示されている。
Figure 2008546637
Figure 2008546637
注射部位容積のいくつかの相違が注目された。0.2、1及び2日目、T01及びT02はT03と異なっていた。2日目、T01はまたT03と異なっていた。3日目、T02はT03と比較して異なっており、及びこのことは5日目の場合に再び起こった。0より大きな注射部位容積(測定値はインチである)が表3に示されている。
Figure 2008546637
Figure 2008546637
直腸温度は観察期間(0日目〜2日目)を通して、通常許容できる(<103.5°F)ままであった。T01の一匹の動物及びT02の二匹の動物はワクチン接種後5時間の観察時点(0.2日目)で103.5°より高い直腸温度を有しており、及びT02の三匹目の動物は1日目の観察時点で上昇した直腸温度を有していた。
議論
コンパニオン・アニマルにおけるワクチン反応は、測定する及び関連づけることが歴史的に困難である。この研究の意図は、全身性及び局所反応の両方について最も大きな危険性を示す動物の集団において、ワクチン反応を測定することであった。ワクチン接種後、2匹の動物(開発中のワクチンの1x用量を受けた群の1匹、及び商業的に入手可能なワクチンを受けた群の1匹)は嗜眠性であり及びわずかに感覚が鈍いようであった。全身性反応のこの程度は関係がなかった。
局所反応を評価するため、測定を行い、そして処置群間の相違に注目した。しかしながら、測定された最も大きな反応サイズは、2x処置群のワクチン接種の次の日で0.375立方インチであった。すべての他の反応サイズは0.25立方インチ又は未満であり、そしてワクチン接種の2日後、注射部位は容積で1立方インチの1/8を超えていないことが測定された。この程度の組織腫張は熟練した研究者にしか触知できず、平均的なペット所有者又はコンパニオン・アニマル獣医は多分認めることができない。加えて、その領域を繰り返して触知することにより、注射部位が刺激され、それを測定する行為により何らかの組織反応が持続されたことを仮定するのは妥当である。
結論
複数の抗原と併用されたp68ワクチンは臨床的に許容できる安全パラメータを示した。

〔実施例3〕
この研究は、犬における二つのワクチン製剤に対する血清学的応答を特徴付けるため、及び製法の変化がワクチン組成物の抗原性における材料相違を生じなかったことを確かめるために実行した。一つのワクチン製剤は本発明の方法(実施例1)により作製した;これはこの実施例において「新製法」と称される。米国特許出願番号10/767,809で使用したワクチン組成物を作製するために使用された製法と同一の方法により作製された;これはこの実施例において「旧製法」と称される。10/767,809出願で使用されたワクチン組成物は、約0.1%(w/v)ドデシル硫酸ナトリウムの使用を含んでなる可溶化方法を使用して作製された。
材料及び方法
動物. 0日目に7〜8ヶ月齢間であり、及び−4日目に研究場所に到着した雄雌混合の10匹の雑種犬。動物は商業的供給源により提供された許容できる動物のプールから選択され、ボルデテラp68について血清陰性であると決定された(ELISA終点力価≦1:200)。動物は、研究使用に先立ってB.ブロンキセプチカに対する抗原を含有するいずれのワクチンも受けていない。すべての動物は独特の耳入れ墨により同定した。
管理. 動物は一つの部屋内の囲いに個々に飼育した。動物には施設SOPに従って給餌し、及び水は適宜提供した。
割当て(Allotment). 研究デザインは完全ランダムデザインであった。動物は実験ユニットであった。
マスキング. 血清学的試験を実施している要員は個々の動物の処置を知らなかった。
研究デザイン. すべての動物は、0日目及び21日目に、肩甲骨内空間に適切なワクチンを皮下ワクチン接種した。
Figure 2008546637
ワクチン. この研究で使用した実験ワクチンは以下に簡単に記載されている:すべてのワクチンは冷蔵庫温度で保存した。各ワクチンで十分な滅菌性が示された。
1.本発明の方法に従って、新規に処理された抗原で調製された(実施例1)15mcgのp68抗原を、50mcgのQuilA及び50mcgのコレステロールと混合し(実験系列番号59433-81)、ハル緩衝液で容量を調節した。
2.本発明より前に使用された方法に従って、以前のように処理された抗原で調製された15mcgのp68抗原を、50mcgのQuilA及び50mcgのコレステロールと混合し(実験系列番号59433-9)、ハル緩衝液で容量を調節した。
攻撃接種. 攻撃接種はこの研究においては投与されなかった。
測定された適切な変数.
血液試料採取. すべての動物は、0日目、14日目、21日目及び35日目に血液サンプル集めた(およそ8〜10ml)。すべての日でのすべての動物からのサンプルをボルデテラp68特異的LISAで試験し、結果を逆数終点力価として報告した。
効力の評価.
妥当な試験についての判断基準. すべての犬はp68に対して最初は血清陰性でなければならない(ELISA終点力価≦1:200)。すべての犬はp68に対して血清陽性にならなければならない(ELISA終点力価>1:200)。
結果判断基準. もし、すべての犬がp68に対して血清陽性になり、及び両群が同様の幾何平均力価を有していれば、本研究は成功したと考えられる。
データ要約及び分析. 各動物が0日目に始まる研究サンプル採取の各日で、p68抗原に対して血清陽性又は血清陰性であったかどうか、各動物について決定した。血清陽性/血清陰性の頻度分布を、各試料採集日に各処置について計算した。
p68力価の記述統計学を各処置及び研究日について計算し、幾何平均、試料数、最小、最大及び幾何平均の95%CIが含まれていた。
結果
ワクチン接種に対する血清学的応答. 0日目、すべての動物のボルデテラp68に対する抗体についての血清陰性(ELISA終点力価≦1:200)を試験した。14日目、21日目及び35日目、21日目のT02の1匹の動物を除いて、すべての動物はボルデテラp68に対する抗体について血清陽性(ELISA終点力価>1:200)であると試験された。ボルデテラp68終点力価は、表4に処置群により要約されている。すべての日の滴定は50から始めた。「未満」として報告されているいずれの値も、分析に先立って2で割った。
Figure 2008546637
第一のワクチン接種後、14日目及び21日目のT01及びT02幾何平均抗体価間の相違は各々、およそ2及び3倍であった。第二のワクチン接種(35日目)後の幾何平均抗体価はT01(新製法)でおよそ16倍高かった。
有害な反応. ワクチン接種過程によって生じる有害な反応はどちらのワクチン接種日にも記録されていない。
議論
この研究は、新規方法により処理されたp68を配合したワクチンは、どちらかといえば、旧方法を使用して処理された同一量のp68抗原を配合したワクチンよりも免疫学的に優れていることを示した。力強い血清学的応答が、いずれのアジュバントを加えたサブユニットワクチンからも望ましい。
重要なことには、p68抗原が製造される新製法はより扱いやすい製造方法である。それはより力強い免疫学的応答も生み出す。
結論
この研究は、ワクチン接種後、ボルデテラp68に対する抗体についてすべての動物が血清陽性(ELISA終点力価>1:200)になるという判断基準を満たした。第二のワクチン接種(35日目)後、処置群間の幾何平均力価におよそ16倍の相違があったので、両群は同様の幾何平均力価を有しておらず、それ故、本研究は記載した目標には適合しない。しかしながら、新製法を使用して処理したp68抗原を配合したワクチンは、旧方法を使用して製造したp68抗原を配合したワクチンよりも、実質的により強い血清学的応答を惹起した。新製法は、免疫学的に優れた抗原を生じた。

〔実施例4〕
新規イヌボルデテラワクチンは、大腸菌株LWP68により発現されたボルデテラ・ブロンキセプチカのp68外膜タンパク質を含んでなる。このタンパク質は前記の実験において効力を示した。この研究の目的は、最後のワクチン接種後一ヶ月以内の攻撃接種で、15μg及び45μg用量を投与した場合の、最低年齢、感受性犬におけるp68の免疫原性を示すことであった。
材料及び方法
動物. 0日目に9±1週齢であり、−7日目に研究場所に到着した雄雌混合の45匹の雑種犬。動物は商業的供給源により提供された許容できる動物のプールから選択され、それらは陰性気管拭き取り検体培養及びB.ブロンキセプチカについての血清学的アッセイでの血清凝集力価1:16により、−21日目にB.ブロンキセプチカへの暴露がないことを決定した。動物は、研究使用に先立ってB.ブロンキセプチカに対する抗原を含有するいずれのワクチンも受けていない。すべての動物は独特の耳入れ墨により同定した。
管理. 動物は誕生から研究場所に出荷されるまで仕切のある施設で飼った。ワクチン接種フェーズの間、動物は隔離ビルの九つの部屋で、部屋当たり5匹の動物で群飼した。攻撃接種フェーズの間、動物は三つの部屋で、部屋当たり15匹の犬で共通飼育した。
割当て. ワクチン接種及び攻撃接種フェーズに対して、部屋がブロックである一般化ブロックデザインで動物をランダム化した。動物は実験ユニットであった。
マスキング. 動物観察を行っている、及び血清学的及び微生物学的試験を行っている個人には、動物の処置は知らされなかった。
研究デザイン. 動物は、0日目に左胸壁、及び21日目に右胸壁へ、適切なワクチン又はプラセボを皮下にワクチン接種した。研究デザインは以下に示されており、略語は下記の略である:Tx=処置群;IVP=調査獣医学製品;SC=皮下;CFU=コロニー形成単位、BC=Bihr Cat、mcg=マイクログラム、mL=ミリリッター 及びQAC=Quil Aコレステロール。
Figure 2008546637
ワクチン. この研究で使用した実験ワクチン及びプラセボは以下に簡単に記載されている:すべてのワクチンは冷蔵庫温度で保存した。各実験ワクチンで十分な滅菌性が示された。
1.食塩水− 商業的に入手可能な0.9%滅菌NaCl溶液(AmTech ロット番号304118F 実験4/06 )。
2.上記実施例1の方法に従って調製された15mcgのp68抗原を、50mcgのQuilA及び50mcgのコレステロールと混合し、リン酸塩緩衝塩水で容量を調節した(系列番号:91703A)。
3.上記実施例1の方法に従って調製された45mcgのp68抗原を、50mcgのQuilA及び50mcgのコレステロールと混合し、リン酸塩緩衝塩水で容量を調節した(系列番号:91703C)。
攻撃接種. 攻撃接種材料は下記の手順に従って調製した。B.ブロンキセプチカの一つのバイアル(ロット番号051397-85B-2 )をボルデテラ食塩水に1:100で希釈した。3から4のボルデー−ジャングー寒天プレート(ロット番号3357049)を各々白金耳量で画線し、次ぎにパラフィンで覆い、37.5±2.5℃で48±2時間インキュベートした。二つのフェーズIコロニーを選択し、12のボルデー−ジャングー寒天プレート(ロット番号3357049)上、プレートごとに画線し、37.5±2.5℃で24±4時間インキュベートした。インキュベーション後、プレート当たり4mlのボルデテラ食塩水(ロット番号0400905)を使用して寒天からコロニーを洗浄し、抗原を600nmで0.732の光学密度まで希釈した。ケタミン及びキシラジンでの鎮静化後、各動物の鼻錐体に取り付けたDeVilbissネブライザーを介し、およそ1.8mlの攻撃接種材料を4分以上かけて投与した。攻撃接種前及び後、攻撃接種材料の0.1mlを10−5、10−6及び10−7希釈で、二重のボルデー−ジャングー寒天プレート(ロット番号3357049)に置き、37.5±2.5℃で48±4時間インキュベートした。30〜300のコロニーを有するプレートを計数し、平均濃度が9.35x10CFU/ml(攻撃接種前)及び1.27x10CFU/ml(攻撃接種後)であると計算された。
測定された適切な変数
気管拭き取り検体. −21日目、−5日目及び45日目に、鎮静下ですべての動物から気管拭き取り検体を集めた。
すべての気管拭き取り検体をボルデテラ特異的寒天上で画線培養し、37℃+/−5℃で48時間増殖させた。プレートを次ぎにB.ブロンキセプチカについて視覚的に試験し、結果を陰性又は陽性で記録した。さらなる同定を必要とするコロニーは、古典的培地と組み合わせたAPI 20NE(bioMerieux )同定システムを使用して分析した。
血液サンプル. −21日目、−5日目、0日目、21日目、45日目及び59日目に、すべての動物から血液サンプル(1本の5〜6ml血清分離チューブ)を集めた。
−21、−5及び45日目のサンプルはボルデテラ血清凝集アッセイにより分析した。各サンプルの連続希釈液を、96ウェルマイクロタイタープレート中で標準化B.ブロンキセプチカ抗原と混合した。混合液を37℃で2時間、続いて4℃で20時間インキュベートした。力価は、観察可能な凝集を生じる最も高い血清の希釈として記録した。酵素結合ヤギ抗イヌIgGで抗体を検出した。色素源基質を、抗原抗体複合体を検出するために使用し、ODはELISAリーダーを介して読み取った。標準化陽性対照血清に基づいて終点力価を決定し、記録した。
ワクチン接種前観察. ワクチン接種の0及び21日前、動物を検査した。直腸温度、全身性及び局所スコアおよび気付いた何らかの病理学的変化も記録した。
ワクチン接種後観察. 動物を毎日2回、朝に1回及び午後に1回、46から59日目まで、15〜40分間、集団観察した。動物の咳嗽及びどのような他の疾患の徴候について観察した。
効力の評価
妥当な試験についての判断基準. 動物は第一のワクチン接種及び攻撃接種の両方に先立って、気管拭き取り検体で培養陰性及び血清凝集アッセイで血清陰性であるべきである。もし動物がどちらかのパラメータについて陽性であれば、その動物からのデータは、研究調査員の判断で除かれた。
結果判断基準. もしワクチン接種及び対照間で、動物が咳嗽すると観察された平均パーセント観察期間に有意な(α=0.05)相違があれば、研究は成功であり及びワクチン免疫原性の陽性試験であると考えられる。
データ要約及び分析
すべての結果は、Pfizer Veterinary Medicine Biometrics, Technology and Quality により要約され及び統計的に評価された。有意性の5%(P≦0.05、両側)レベルを、統計的差違を測定するために使用した。
咳嗽. 動物が咳嗽した観察期間のパーセンテージを各動物について計算した。咳嗽した最小及び最大パーセント観察期間を各処置について計算した。統計分析に先立って、100で割ったパーセントの平方根のアークサインを使用してデータを変換した。変換されたパーセンテージは一般化線形混合モデルを使用して分析した。ペアワイズ処置比較を、T01及び処置T02及びT03間で行った。処置最小二乗平均を本来のスケールに逆変換した。2又は3連続観察期間咳嗽した動物の頻度も各処置について計算した。
パーセンテージ時間咳嗽を分析するために使用された混合線形モデルは:
ijkl=μ+ρ+βj(i)+τ+εijkl
式中
ijkl=i番目の部屋、i番目の部屋内のj番目のブロック、k番目の処置及びi番目の部屋内のl番目の動物、j番目のブロック及びk番目の処置の変換された観察、
μ=全定数
ρ=i番目の攻撃接種部屋のランダム要因、
βj(i)=i番目の部屋内のj番目のブロック(ワクチン接種部屋)のランダム要因、
τ=k番目の処置の固定要因、
εijkl=残余
(i=1...部屋番号、
j=1...部屋内のブロック番号、
k=1...処置番号、
l=1...ブロック、治療及び部屋内の動物の番号)
であった。
力価. 統計分析に先立って、力価の2を底とする対数をとることにより力価を変換した。変換された力価は一般化線形混合モデルを使用して分析した。各収集日でペアワイズ処置比較を、処置T01及び処置T02及びT03間で行った。各採取日についての処置最小二乗平均を幾何平均に逆変換した。各採取日での各処置について最小及び最大も計算した。
変換した力価を分析するために使用された混合線形モデルは:
ijkl=μ+ρ+βj(i)+τ+αl(ijk)+δ+τδkm+εijkl
式中
ijkl=i番目の部屋、i番目の部屋内のj番目のブロック、k番目の処置及びi番目の部屋内のl番目の動物、j番目のブロック及びk番目の処置及びm番目の時間点の変換された観察、
μ=全定数
ρ=i番目の攻撃接種部屋のランダム要因、
βj(i)=i番目の部屋内のj番目のブロック(ワクチン接種部屋)のランダム要因、
τ=k番目の処置の固定要因、
αl(ijk)=i番目の部屋、j番目のブロック及びk番目の処置のl番目の動物のランダム要因、
δ=m番目の時間点の固定要因、
τδkm=k番目の処置及びm番目の時間点の固定相互作用要因、
εijkl=残余
(i=1...部屋番号、
j=1...部屋内のブロック番号、
k=1...処置番号、
l=1...ブロック、治療及び部屋内(又はバッチ)の動物の番号
m=1...時間点の番号)
である。
結果
細菌学的及び血清学的スクリーニング. 攻撃接種の日まで、すべての動物はb.ブロンキセプチカへの検出可能な暴露を受けずにいた。すべての動物は−21、−5及び45日目で気管拭き取り検体ならびに血清凝集アッセイにより陰性とスクリーニングされ、≦1:16と定義されている陰性力価を有していた。
ワクチン接種に対する血清学的応答. 0及び21日目のp68ボルデテラワクチン接種に続いて、0、21、45及び59日目の犬のp68 ELISA終点力価の幾何平均は表5に要約されている。すべての日の滴定は50から始めた。「未満」として報告されているいずれの値も、分析に先立って2で割った。
Figure 2008546637
ワクチン接種後p68 ELISA終点力価についての有意な相違は表6に掲げられている。ワクチン接種(0日目)に先立っては、処置群間で有意な相違は観察されなかった。有意な(P≦0.05)対比のみが示されている。
Figure 2008546637
攻撃接種後観察. 攻撃接種法に続いて、14日にわたり2回、資格を与えられた人物により咳嗽について動物を観察した。動物をY(咳嗽が観察された)又はN(咳嗽は観察されない)で記録し、どのような他の疾患の徴候もコメントとして記録した。
表7に示されているのは、平均、最小及び最大パーセント観察期間であり、咳嗽が非ワクチン接種及びB.ブロンキセプチカをエアロゾル攻撃接種した後のp68ボルデテラワクチン接種犬で観察された。
Figure 2008546637
非ワクチン接種及びB.ブロンキセプチカをエアロゾル攻撃接種後のp68ボルデテラワクチン接種動物間の、咳嗽したパーセント観察期間についての処置比較の有意な相違は表8に示されている。有意な(P≦0.05)対比のみが示されている。T01(食塩水)及びT02(15μg p68)間、ならびにT01(食塩水)及びT03(45μg p68)間で有意な相違が観察された。
Figure 2008546637
咳嗽した2及び3連続観察期間の各処置群における動物の頻度が表9に掲げられている。
Figure 2008546637
有害反応. ワクチン接種法に起因した有害反応は、どのワクチン用量でも又はどのワクチン接種日付でも記録されなかった。
議論
この研究は、犬に9及び12±1週齢で投与された場合、最小免疫化用量及び45μg p68/用量の両方での毒性攻撃接種に対して、ワクチンが保護的であることを成功裏に示している。
動物が攻撃接種に先だってB.ブロンキセプチカに暴露されていないことを確かめるため、動物をスクリーニングした。この偏在性生物体への暴露から動物を保護するため、並々ならぬ注意を払わなければならなかった。感受性動物に臨床徴候を引き起こすその一貫した能力のため、動物を攻撃接種するために歴史的に使用されている攻撃接種材料、B.ブロンキセプチカの株は、この研究においても再び高度に毒性であると証明された。食塩水−ワクチン接種群動物の、15動物の内の13が有意な臨床徴候を示した。これらの徴候には咳嗽のみでなく、レッチング、感染性気管気管支炎に古くから付随してきた増殖性痙性病状発生も含まれる。これが適切な攻撃接種であることには疑いがない。
B.ブロンキセプチカモデルにおける咳嗽はいくつかの方法で分析されてきた。パーセント観察咳嗽は最も広く受け入れられているが、レスポンダー(responder)及びノンレスポンダーとして動物を分類する分析を好む人もいる。前例によると、レスポンダーは、咳嗽すると観察された2又は3の連続観察期間を有する動物と定義されている。群T02には1匹のレスポンダーのみ(いずれの定義でも)、及び群T03には、2連続期間判断基準を使用すると、5匹のレスポンダーのみがあり、一方群T01には、2連続期間判断基準を使用すると、14匹のレスポンダーがあったことは議論に値する。いずれの定義によっても、ワクチンは毒性攻撃接種から動物を保護した。
結論
この研究は、15μg p68/用量ワクチンの成功した基準適格性である。この研究は攻撃接種を保護するものとしての、45μg p68/用量ワクチンも確立する。

〔実施例5〕
この研究は、Vanguard(登録商標)5rB[イヌジステンパー−アデノウイルスタイプ2−パラインフルエンザ−パルボウイルス、改変生ウイルス−ボルデテラ・ブロンキセプチカ菌抽出物、サブユニット(USDA 製品コード46E9.R0)]の併用ワクチンを若い動物に投与すると、上昇したp68抗体価を生じるかを決定するためにデザインされた。これらの動物における抗体価を、食塩水に加えてワクチンの改変生成分[Vanguard(登録商標)Plus5−イヌジステンパー−アデノウイルスタイプ2−パラインフルエンザ−パルボウイルス、改変生ウイルス(USDA 製品コード13D1.22)]をワクチン接種した動物のものと比較した。p68抗体価の上昇したレベルは、ワクチン組成物の改変生成分からの干渉がないことを示すであろう。
材料及び方法
動物. 両性の30匹のビーグル犬をこの研究に使用した。動物は、最初のワクチン接種において6±1週齢であった。動物は、最初のワクチン接種に先立っては、イヌジステンパーウイルス(CDV)、イヌアデノウイルスタイプ2(CAV−2)、イヌパラインフルエンザ(CPI)、イヌパルボウイルス(CPV)及びボルデテラp68に対する抗体について血清陰性であった。動物は、最初のワクチン接種に先立っては、気管拭き取り検体及び血清凝集アッセイにより、ボルデテラ・ブロンキセプチカへの暴露はないことが決定された。動物は、0日目に先立っては、CDV、CAV−2、CPI、CPV又はボルデテラ抗原を含有するいずれのワクチンも受けていなかった。
動物管理. 動物は、部屋当たり6匹の動物で、5つの部屋内で群飼した。すべての動物は、年齢に適した飼料及び水にアクセスできた。動物は資格を与えられた人物により、少なくとも毎日、死亡率及び罹患率が観察された。
割り当て. 動物には処置、部屋及び囲いをランダムに割り当てた。
マスキング. 動物観察を行っているすべての人物には個々の処置を知らせなかった。非スクリーニング血清サンプルは、実験室の人に処置群又は動物起源を知らせないような方法でラベルした。
Figure 2008546637
ワクチン. この研究で使用された実験ワクチン及びプラセボは以下に簡単に記載されている。すべてのワクチンは冷蔵庫温度で保存した。
1.Vanguard(登録商標)Plus5[イヌジステンパー−アデノウイルスタイプ2−パラインフルエンザ−パルボウイルスワクチン、改変生ウイルス、USDA 製品コード13D1.22 ]、すべての抗原≧公表レベル(通し番号:A365332B)。
2.上記実施例1に従って調製されたボルデテラ・ブロンキセプチカ菌抽出物、サブユニット、45mcg p68抗原を、50mcgのQuilA及び50mcgのコレステロールと混合し、リン酸塩緩衝塩水で容量を調節した(系列番号:91703A)。
方法
ワクチン接種に先立って、動物を検査し、血液サンプル(1本の5〜6ml血清分離チューブ[SST])を集めた。可能な注射部位を検査した。局所及び全身性スコア、及び何らかの病理学的変化も記録した。動物に、割り当てに従って適切なワクチンを肩甲骨内空間に皮下ワクチン接種した。動物はワクチン接種に続いておよそ20分間、何らかの有害事象について観察した(群として)。
62日目±3日目. 動物を検査し、血液サンプル(1本の6〜8ml SST)及び気管拭き取り検体を集めた。
検体のアッセイ. 血清試料を遠心分離し、血清はラベルを貼った個々のプラスチッククリオバイアル内にデカントした。
0日目に先立ってスクリーニング目的のために集められた血清サンプルは、B.ブロンキセプチカへの暴露について血清凝集アッセイにより分析した。簡単には、候補血清の一連の希釈液を96ウェルマイクロタイタープレート中で標準化B.ブロンキセプチカ抗原と混合した。混合液を37℃で2時間、続いて4℃で20時間インキュベートした。力価は、観察可能な凝集を生じる最も高い血清の希釈として記録した。
0日目に先立って及び62+/−3日目に集めた気管拭き取り検体をボルデテラ特異的寒天上で画線培養し、37℃+/−5℃で48時間増殖させた。プレートを次ぎに増殖について視覚的に試験した。もし同定が必要であったならば、古典的培地と組み合わせたAPI 20NE(bioMerieux )同定システムを使用した。
0日目及び62日目に集めた血清サンプルを、特異的ボルデテラp68 ELISA及びCDV、CAV−2、CPI及びCPVについて血清中和アッセイで試験した。
結果判断基準. もし62日目に、T02群の動物が、T01処置群のp68抗体価と比較して、有意に上昇したp68抗体価を示すならば、ボルデテラp68へのCDV、CAV−2、CPI及びCPVの干渉がないことが示されるであろう。
結果
ワクチン接種に対する血清学的応答. 0日目及び62日目の動物から採取した気管拭き取り検体からは、ボルデテラ菌は単離されなかった。0日目、試験されたすべての動物は、ボルデテラp68に対する抗体について血清陰性(ELISA終点力価≦1:200)であった。62日目、T01群の2匹を除いて試験されたすべての動物は、ボルデテラp68に対する抗体について血清陽性(ELISA終点力価>1:200)であった。2匹の動物は200に等しい終点力価を有していた。ボルデテラp68終点力価は処置群別に表10に要約されている。すべてのサンプルの滴定は50から始めた。「未満」として報告されているいずれの値も、分析に先立って2で割った。第62研究日目、処置群T02の平均p68抗体価は、処置群T01の平均p68抗体価より50倍以上高かった。
Figure 2008546637
p68 ELISA終点力価についての処置比較は表11に示されている。0日目では、p68抗体価において処置群間で有意な相違はなかった。62日目には、p68抗体価は処置群間で有意に(p≦0.05)異なっていた。
Figure 2008546637
議論
この研究において、実施例1の方法に従って調製されたVanguard(登録商標)5rB併用ワクチン(イヌジステンパー−アデノウイルスタイプ2−パラインフルエンザ−パルボウイルス、改変生ウイルス−ボルデテラ・ブロンキセプチカ菌抽出物サブユニット)中の45mcgのp68を受けた動物は、改変生成分(Vanguard(登録商標)Plus5ワクチン−イヌジステンパー−アデノウイルスタイプ2−パラインフルエンザ−パルボウイルス、改変生ウイルス)のみを受けた動物よりも50倍より高い平均p68抗体価(P≦0.0001)を有していた。Vanguard(登録商標)5rB併用ワクチンを受けた群におけるこうした抗体レベルの上昇は、実施例1の方法に従って調製された一価ワクチン組成物の先だった研究においても見られた(実施例3及び4を参照されたい)。このことは、組成物の改変生成分はp68抗体の産生を妨害しなかったことを示している。
実施例1の方法に従って製剤されたp68ワクチン組成物は、約0.1%SDS(w/v)で調製された抗原組成物で製剤されたp68ワクチンの従来の研究(実施例3)で見られるよりも実質的により大きな血清学的応答を惹起した。約0.003%SDSで調製された抗原組成物を含有するワクチン組成物は、0.1%SDS抗原組成物で製剤されたワクチン組成物と比較して、免疫学的により優れたワクチンである。
この研究は、Vanguard(登録商標)5rB併用ワクチンが、およそ6週齢の若い犬において有意に上昇したp68抗体価を生じることを成功裏に示した。
ワクチン接種前及び後、B.ブロンキセプチカへの暴露から動物を保護するため、並々ならぬ注意を払った。加えて、動物がワクチン接種に先立ってB.ブロンキセプチカへ暴露されていないことを確認するために動物のスクリーニングを行った。0日目及び62日目の動物から採取された気管拭き取り検体からボルデテラ菌は単離されなかったが、62日目のT01群についての抗体価のわずかな上昇は、動物が62日目までに該菌にいくらか暴露されていてもよいことを示している。
結論
Vanguard(登録商標)5rBワクチンは、ボルデテラ・ブロンキセプチカに対するボルデテラ・ブロンキセプチカ菌抽出物、サブユニット(p68)ワクチンの効力及び安全性と、イヌジステンパーウイルス(CDV)、イヌアデノウイルスタイプ2(CAV−2)、イヌパルボウイルス(CPV)及びイヌパラインフルエンザウイルス(CPI)に対するVanguard(登録商標)Plus5改変生ウイルスワクチンの証明された能力を結合させる。

本発明は、多様な具体的及び好ましい態様及び技術に言及することにより詳細に記述されてきた。しかしながら、本発明の範囲内にありながら、多くの変形及び修飾を行うことが可能であることを理解しなければならない。
〔配列表〕
〔配列番号1〕
DPNTVSIIKAGERQHGIHIKQSDGAGVRTATGTTIKVSGRQAQGVLLENPAAELRFQNGSVTSSGQLFDEGVRRFLGTVT
VKAGKLVADHATLANVSDTRDDDGIALYVAGEQAQASIADSTLQGAGGVRVERGANVTVQRSTIVDGGLHIGTLQPLQPE
DLPPSRVVLGDTSVTAVPASGAPAAVSVFGANELTVDGGHITGGRAAGVAAMDGAIVHLQRATIRRGDAPAGGAVPGGAV
PGGFGPLLDGWYGVDVSDSTVDLAQSIVEAPQLGAAIRAGRGARVTVSGGSLSAPHGNVIETGGGARRFPPPASPLSITL
RAGARAQGRALLYRVLPEPVKLTLAGGAQGQGDIVATELPPIPGASSGPLDVALASQARWTGATRAVDSLSIDNATWVMT
DNSNVGALRLASDGSVDFQQPAEAGRFKVLMVDTLAGSGLFRMNVFADLGLSDKLVVMRDASGQHRLWVRNSGSEPASAN
TMLLVQTPRGSAATFTLANKDGKVDIGTYRYRLAANGNGQWSLVGAKAPPAPKPAPQPGPQPGPQPGPQPPQPPQPPQPP
QRQPEAPAPQPPAGRELSAAANAAVNTGGVGLASTLWYAESN

〔配列番号2〕
GATCCAAACACTGTGTCAATCATCAAGGCCGGCGAGCGCCAGCACGGCATCCACATCAAGCAAAGCGATGGCGCCGGCGT
ACGGACCGCCACCGGAACGACCATCAAGGTAAGCGGTCGTCAGGCCCAGGGCGTCCTGCTGGAAAATCCCGCGGCCGAGC
TGCGGTTCCAGAACGGCAGCGTCACGTCTTCGGGACAGCTGTTCGACGAAGGCGTCCGGCGCTTTCTGGGCACCGTCACC
GTCAAGGCCGGCAAGCTGGTCGCCGATCACGCCACGCTGGCCAACGTCAGCGACACCCGGGACGACGACGGCATCGCGCT
CTATGTGGCCGGCGAGCAGGCCCAGGCCAGCATCGCCGACAGCACCCTGCAGGGCGCGGGCGGCGTGCGGGTCGAGCGCG
GCGCCAATGTCACGGTCCAACGCAGCACCATCGTTGACGGGGGCTTGCATATCGGCACCCTGCAGCCGCTGCAGCCGGAA
GACCTTCCGCCCAGCCGGGTGGTGCTGGGCGACACCAGCGTGACCGCCGTGCCCGCCAGCGGCGCGCCCGCGGCGGTGTC
TGTATTCGGGGCCAATGAGCTTACGGTTGATGGCGGGCACATCACCGGGGGGCGGGCAGCGGGGGTGGCGGCCATGGACG
GGGCGATCGTGCATCTGCAGCGCGCGACGATACGGCGGGGGGACGCGCCTGCCGGCGGTGCGGTTCCAGGCGGTGCGGTT
CCCGGCGGCTTCGGCCCCCTCCTTGACGGCTGGTATGGCGTGGATGTATCGGACTCCACCGTGGACCTCGCTCAGTCGAT
CGTCGAGGCGCCGCAGCTGGGCGCCGCGATCCGGGCGGGCCGCGGCGCCAGGGTGACGGTGTCGGGCGGCAGCTTGTCCG
CACCGCACGGCAATGTCATCGAGACCGGCGGCGGTGCGCGTCGCTTCCCGCCTCCGGCCTCGCCCCTGTCGATCACCTTG
CGGGCGGGCGCACGGGCGCAGGGGAGGGCGCTGCTGTACCGGGTCCTGCCGGAGCCCGTGAAGCTGACGCTGGCGGGCGG
CGCCCAGGGGCAGGGCGACATCGTCGCGACGGAGCTGCCTCCCATTCCAGGCGCGTCGAGCGGGCCGCTCGACGTGGCGC
TGGCCAGCCAGGCCCGATGGACGGGCGCTACCCGCGCGGTCGACTCGCTGTCCATCGACAACGCCACCTGGGTCATGACG
GACAACTCGAACGTCGGCGCGCTGCGGCTGGCCAGCGACGGCAGCGTCGATTTCCAGCAGCCGGCCGAAGCTGGGCGGTT
CAAGGTCCTGATGGTCGATACGCTGGCGGGTTCGGGGCTGTTCCGCATGAATGTCTTCGCGGACCTGGGGCTGAGCGACA
AGCTGGTCGTCATGCGGGACGCCAGCGGCCAGCACAGGCTGTGGGTCCGCAACAGCGGCAGCGAGCCGGCCAGCGCCAAC
ACCATGCTGCTGGTGCAGACGCCACGAGGCAGCGCGGCGACCTTTACCCTTGCCAACAAGGACGGCAAGGTCGATATCGG
TACCTACCGCTATCGATTGGCCGCCAACGGCAATGGGCAGTGGAGCCTGGTGGGCGCGAAGGCGCCGCCGGCGCCCAAGC
CCGCGCCGCAGCCCGGTCCCCAGCCCGGTCCCCAGCCCGGTCCCCAGCCGCCGCAGCCGCCGCAGCCGCCGCAGCCGCCA
CAGAGGCAGCCGGAAGCGCCGGCGCCGCAACCGCCGGCGGGCAGGGAGTTGTCCGCCGCCGCCAACGCGGCGGTCAACAC
GGGTGGGGTGGGCCTGGCCAGCACGCTCTGGTACGCCGAAAGCAAT

〔配列番号3〕
DWNNQSIIKAGERQHGIHIKQSDGAGVRTATGTTIKVSGRQAQGVLLENPAAELRFQNG
SVTSSGQLFDEGVRRFLGTVTVKAGKLVADHATLANVSDTRDDDGIALYVAGEQAQASI
ADSTLQGAGGVRVERGANVTVQRSTIVDGGLHIGTLQPLQPEDLPPSRVVLGDTSVTAV
PASGAPAAVSVFGANELTVDGGHITGGRAAGVAAMDGAIVHLQRATIRRGDAPAGGAVP
GGAVPGGFGPLLDGWYGVDVSDSTVDLAQSIVEAPQLGAAIRAGRGARVTVSGGSLSAP
HGNVIETGGGARRFPPPASPLSITLQAGARAQGRALLYRVLPEPVKLTLAGGAQGQGDI
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Claims (43)

  1. 療法的に有効量のp68タンパク質及び所定の量のドデシル硫酸ナトリウムを含んでなる抗原組成物であって、該組成物中のドデシル硫酸ナトリウムの量が約0.0005パーセント〜約0.08パーセント(w/v)である前記抗原組成物。
  2. ドデシル硫酸ナトリウムの量が約0.001パーセント〜約0.01パーセント(w/v)である、請求項1に記載の組成物。
  3. ドデシル硫酸ナトリウムの量が約0.0025パーセント〜約0.0035パーセント(w/v)である、請求項1に記載の組成物。
  4. p68タンパク質が、
    a)配列番号1に示したアミノ酸配列;及び
    b)配列番号1に示した該アミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性及び/又は相同性を有するアミノ酸配列;
    から成る群より選択されるポリペプチドを含んでなる、請求項1に記載の組成物。
  5. p68タンパク質が、配列番号1に示したアミノ酸配列又は配列番号1に示した該アミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性及び/又は相同性を有するアミノ酸配列を含んでなるp68タンパク質をコードするポリヌクレオチド配列から産生される、請求項1に記載の組成物。
  6. ポリヌクレオチド配列が配列番号2の配列、又は配列番号2に示した該ポリヌクレオチド配列と少なくとも90%の配列同一性及び/又は相同性を有するポリヌクレオチド配列を有する、請求項5に記載の組成物。
  7. p68タンパク質の量が用量当たり約2〜約100μgである、請求項1に記載の組成物。
  8. p68タンパク質の量が用量当たり約4〜約45μgである、請求項1に記載の組成物。
  9. 組成物が約9.5〜約13のpHを有する、請求項1の組成物。
  10. 組成物が約10〜約12のpHを有する、請求項1の組成物。
  11. 請求項1に記載の抗原組成物、及びさらに担体を含んでなるワクチン組成物。
  12. 前記坦体が界面活性剤としてサポニンを含んでなる、請求項11に記載のワクチン組成物。
  13. 界面活性剤として該サポニンがQuil Aであり、コレステロールと組み合わされている、請求項12に記載のワクチン組成物。
  14. Quil Aの量が用量当たり約1〜約100μgであり、及び該コレステロールの量が用量当たり約1〜約100μgである、請求項13に記載のワクチン組成物。
  15. Quil Aの量が用量当たり約10〜約50μgであり、及び該コレステロールの量が用量当たり約10〜約50μgである、請求項13に記載のワクチン組成物。
  16. 前記担体が水酸化アルミニウムを含んでなる、請求項11に記載のワクチン組成物。
  17. 組成物が約6〜約9のpHを有する、請求項11に記載のワクチン組成物。
  18. 組成物が約6.5〜約8.0のpHを有する、請求項11に記載のワクチン組成物。
  19. 請求項11に記載の組成物の療法的に有効な量をイヌに投与する工程を含んでなる、感染からイヌを保護する方法。
  20. イヌジステンパー(CD)ウイルス、イヌアデノウイルスタイプ1(CAV−1)、イヌアデノウイルスタイプ2(CAV−2)、イヌパラインフルエンザ(CPI)ウイルス、イヌコロナウイルス(CCV)、イヌパルボウイルス(CPV)、レプトスピラ・ブラティスラヴァ、レプトスピラ・カニコラ、レプトスピラ・グリポティフォーサ、レプトスピラ・イクテロヘモラジー、レプトスピラ・ポモナ、レプトスピラ・ハージョボビス及びレプトスピラ・ハージョから成る群より選択される一つ以上の抗原をさらに含んでなる、請求項11に記載のワクチン組成物。
  21. 請求項20に記載の組成物の療法的に有効な量をイヌに投与する工程を含んでなる、感染からイヌを保護する方法。
  22. p68タンパク質の量が用量当たり約4〜45μgであり;坦体が、用量当たり約10〜約50μgの量のQuil Aであり、及びコレステロールが、用量当たり約10〜約50μgの量であり;組成物が約6.5〜約8.0のpHを有し;及び該組成物がさらにイヌジステンパー(CD)ウイルス、イヌアデノウイルスタイプ2(CAV−2)、イヌパラインフルエンザ(CPI)ウイルス、イヌコロナウイルス(CCV)、イヌパルボウイルス(CPV)、レプトスピラ・ブラティスラヴァ、レプトスピラ・カニコラ、レプトスピラ・グリポティフォーサ、レプトスピラ・イクテロヘモラジー及びレプトスピラ・ポモナの抗原を含んでなる、請求項11に記載のワクチン組成物。
  23. 請求項22に記載の組成物の療法的に有効な量をイヌに投与する工程を含んでなる、感染からイヌを保護する方法。
  24. 抗原組成物を製造するための方法であって、
    a)p68タンパク質を含有する封入体を、約9.5〜約13のpHを有する緩衝溶液に懸濁すること;及び
    b)約0.0005パーセント〜約0.08パーセント(w/v)の濃度までドデシル硫酸ナトリウムを加えること;
    の工程を含んでなる方法。
  25. ドデシル硫酸ナトリウムの量が約0.001パーセント〜約0.01パーセント(w/v)である、請求項24に記載の方法。
  26. ドデシル硫酸ナトリウムの量が約0.0025パーセント〜約0.0035パーセント(w/v)である、請求項24に記載の方法。
  27. p68タンパク質が、
    a)配列番号1に示したアミノ酸配列;及び
    b)配列番号1に示した該アミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性及び/又は相同性を有するアミノ酸配列;
    から成る群より選択されるポリペプチドを含んでなる、請求項24に記載の方法。
  28. p68タンパク質の量が用量当たり約2〜約100μgである、請求項24に記載の方法。
  29. p68タンパク質の量が用量当たり約4〜約45μgである、請求項24に記載の方法。
  30. 緩衝溶液が炭酸塩緩衝液である、請求項24に記載の方法。
  31. 濾過又は遠心分離により該組成物を清澄化する工程をさらに含んでなる、請求項24に記載の方法。
  32. 組成物を滅菌する工程をさらに含んでなる、請求項24に記載の方法。
  33. 組成物が濾過により滅菌される、請求項32に記載の方法。
  34. p68タンパク質が、
    a)配列番号1に示したアミノ酸配列、又は配列番号1に示した該アミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性及び/又は相同性を有するアミノ酸配列を含んでなるp68タンパク質をコードするポリヌクレオチド配列を発現ベクター内にクローニングすること;
    b)該発現ベクターを細菌細胞内に導入すること;及び
    c)p68タンパク質を発現させ、それが封入体に蓄積されること;
    を含んでなる工程により製造される、請求項24に記載の方法。
  35. ポリヌクレオチド配列が配列番号2の配列、又は配列番号2に示した該ポリヌクレオチド配列と少なくとも90%の配列同一性及び/又は相同性を有するポリヌクレオチド配列を有する、請求項34に記載の方法。
  36. 細菌細胞が大腸菌である、請求項34に記載の方法。
  37. 工程bの後、抗原組成物を担体と混合する追加の工程を含んでなり、前記担体が約6.5〜約8.0のpHを有している、請求項24に記載の方法。
  38. 前記坦体がQuil A及びコレステロールである、請求項37に記載の方法。
  39. 請求項37に記載の方法により製造された組成物の療法的有効量をイヌに投与する工程を含んでなる、イヌを感染から保護する方法。
  40. イヌを感染から保護する方法であって、請求項37に記載の方法により製造された組成物の療法的有効量を当該イヌに投与する工程を含んでなり、p68タンパク質が、
    a)配列番号1に示したアミノ酸配列、又は配列番号1に示した該アミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性及び/又は相同性を有するアミノ酸配列を含んでなるp68タンパク質をコードするポリヌクレオチド配列を発現ベクター内にクローニングすること;
    b)該発現ベクターを細菌細胞に導入すること;及び
    c)p68タンパク質を発現させ、それが封入体に蓄積されること;
    を含んでなる工程により製造される、前記方法。
  41. ポリヌクレオチド配列が配列番号2の配列、又は配列番号2に示した該ポリヌクレオチド配列と少なくとも90%の配列同一性及び/又は相同性を有するポリヌクレオチド配列を有する、請求項40に記載の方法。
  42. 抗原組成物に、イヌジステンパー(CD)ウイルス、イヌアデノウイルスタイプ2(CAV−2)、イヌパラインフルエンザ(CPI)ウイルス、イヌコロナウイルス(CCV)、イヌパルボウイルス(CPV)、レプトスピラ・ブラティスラヴァ、レプトスピラ・カニコラ、レプトスピラ・グリポティフォーサ、レプトスピラ・イクテロヘモラジー、レプトスピラ・ポモナ、レプトスピラ・ハージョボビス及びレプトスピラ・ハージョから成る群より選択される一つ以上の抗原を加える工程をさらに含んでなる、請求項37に記載の方法。
  43. 請求項42に記載の製造方法により製造された組成物の療法的有効量をイヌに投与する工程を含んでなる、イヌを感染から保護する方法。
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