JP2013519386A - 家庭用ヨーグルトメーカーおよびヨーグルトの迅速な製造方法 - Google Patents

家庭用ヨーグルトメーカーおよびヨーグルトの迅速な製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、瓶(3)のための少なくとも1つの定位置(28)と加熱手段(15)とを備えた家庭用電気ヨーグルトメーカーに関する。本発明によれば、家庭用電気ヨーグルトメーカーは液体のためのタンクを備え、加熱手段(15)は加熱出力を液体に伝達することができ、それによって熱移動により瓶(3)の中の調製品の温度を30分以内にヨーグルトの製造温度範囲内にまで高めることを可能にする。本発明はまた、ミルク主体の調製品を入れた瓶(3)の温度上昇のステップを含むヨーグルト製造方法であって、瓶(3)の近傍に配置した液体を加熱して、ミルク主体の調製品の温度をヨーグルトの製造温度範囲にまで持っていく30分以下の継続時間の第1の段階がそのステップに含まれるヨーグルト製造方法にも関する。

Description

本発明は、家庭用電気ヨーグルトメーカーに特に適合したヨーグルトの製造方法に関する。本発明はまた、かかる方法を使用する家庭用電気ヨーグルトメーカーに関する。
伝統的な家庭用ヨーグルトメーカーは、ミルクおよび酵素を主体とする調製品を入れた瓶をその中に置く空間と、その調製品が一定時間経過後にヨーグルトに変化するための所定の温度に調製品を持っていくことができる加熱手段とを備える。
第1のグループの従来のヨーグルトメーカーは、パラフィンの中に配設した加熱体を使用して調製品を加熱することに依拠している。第2のグループの従来のヨーグルトメーカーは、雰囲気中に、または槽の底の裏側に配設した低出力の加熱要素を使用して調製品を加熱することに依拠している。いずれの場合も、加熱手段は、調製品が存在する空間の雰囲気を漸進的に加熱することができるものである。従来のこうした解決法における大きな不都合は、平均8時間前後と、非常に長い製造時間を要するところに由来する。実際のところ、使用される製造方法は一般に、およそ1時間から4時間にわたる温度上昇の第1の段階であって、その間に調製品をおよそ40℃から50℃の範囲の温度に徐々に持っていく第1の段階と、次いで、およそ4時間にわたる温度維持または温度低下の第2の段階とを含む。ヨーグルトの製造サイクルに要するこうした時間は、ユーザーが消費したいと願うその日のうちにヨーグルトを製造することを難しくしている。一般にユーザーは、ヨーグルトメーカーのスイッチを晩のうちに入れておき、夜寝ている間にサイクルが進んで出来上がったヨーグルトを翌朝回収する。そのため、従来のヨーグルトメーカーでは、ユーザーが少なくとも前日には、希望する翌日の消費を先回りして把握していることが必要となる。その上、この手法には柔軟性がなく、ヨーグルトメーカーの様子を見る、調整を行う、サイクル時間を短縮する等の目的で製造中に介入することができない。
そのため、本発明の目的は、従来の解決法にある不都合のないヨーグルト製造の解決法を提供することにある。
本発明の考え方は、はるかに迅速な製造方法を使用することが可能なきわめて効率的な加熱手段に依拠している。
そこで、本発明は、瓶入りのミルク主体の調製品からのヨーグルト製造方法であって、少なくとも部分的にエンクロージャの中に配設された瓶を加熱するステップを含むヨーグルト製造方法において、瓶の加熱ステップは、エンクロージャ内の瓶の近傍に配置した液体を加熱する継続時間30分以下の第1の段階であって、それによって前記ミルク主体の調製品の温度をヨーグルトの製造温度範囲内にまで持っていく第1の段階を含むヨーグルト製造方法に関する。液体を加熱することで、接触法または直接的な気体対流法による瓶の加熱と比べて、より漸進的で、より均一な温度上昇を得ることができる。そのため、前記調製品の温度上昇を十分均一に保ったまま、より強力な加熱手段を利用することができる。有利には、前記第1の段階は10分以下の継続時間を有する。
1つの有利な構成によれば、前記方法は、瓶を液体から離して配設するものであり、前記第1の段階は、前記液体を加熱することによって瓶に接触するガス状流体の温度を上げることからなる。瓶を液体の中に配設する場合に比べ、ガス状流体は液体と瓶の間に熱ブレーキを作り出すことができ、それによって瓶内における均一な温度をより一層得やすくするとともに、調製品の過熱を防ぐことができる。
そこで、第1の実施形態によれば、第1の段階は、所定の量の水のエンクロージャ内における蒸発と、それによって得られた蒸気の瓶の周囲における循環とからなる。蒸気は、瓶との間で特に効率的で均一な熱移動を得ることを可能にするものであり、所定の量の水はエンクロージャ内の到達温度の制御を可能にする。
また、第2の実施形態によれば、第1の段階は、エンクロージャ内に配置された液浴の集中的な加熱であって、50℃超、ただし前記液体の蒸発温度未満である温度までの加熱からなる。ヨーグルトの製造に必要な温度以上にまで温度が引き上げられた液浴であって、有利には水浴である液浴の利用は、加熱手段から与えられるカロリーを漸進的に放出する大きな温熱質量を得ることを可能にする。これにより、効率的で均一な漸進的熱移動が得られる。
あるいは、第3の実施形態によれば、前記方法は、エンクロージャ内に配設した液浴の中に瓶を少なくとも部分的に配設するものであり、前記第1の段階は、液体を加熱することによって前記液体の温度をヨーグルトの製造温度範囲に到達するところまで高めるものである。
有利には、前記方法は、ヨーグルトの製造温度範囲内でミルク主体の調製品の温度を調節する継続時間4時間以下の第2の段階を含む。つまり、ミルク主体の調製品の温度は、断続的であろうとなかろうと、熱供給によってヨーグルトの製造温度範囲内に保たれる。こうした熱供給はとりわけ、第1の段階と比べて低めの加熱出力を用いることによって、および/または第1の段階の加熱出力と同じであることができる加熱出力を逐次用いることによって、行うことができる。この構成は、より漸進的な温度上昇と比べて、および/またはより迅速な自然冷却と比べて、達成時間を短縮しながら、ヨーグルトの品質を高めることができる。望むならば、追加の加熱手段の利用を検討することもできよう。別法として、または補完的に、熱損失が抑えられるようにエンクロージャの断熱を強化することもできよう。
有利には、ヨーグルトの製造温度範囲は37℃から52℃の間、好ましくは40℃から50℃の間である。
本発明は、また、ミルク主体の調製品を入れた瓶のための少なくとも1つの定位置と加熱手段とを備えた家庭用電気ヨーグルトメーカーであって、前記瓶は少なくとも部分的にエンクロージャの中に配設された家庭用電気ヨーグルトメーカーにおいて、前記家庭用電気ヨーグルトメーカーは液体を入れるためのタンクを備えており、そのタンクはエンクロージャと通じており、加熱手段は加熱出力を液体に伝達することができ、それによって熱移動により前記ミルク主体の調製品の温度を30分以内にヨーグルトの製造温度範囲内にまで高めることができることを特徴とする家庭用電気ヨーグルトメーカーにも関する。これらの構成は、家庭用電気ヨーグルトメーカーにおけるヨーグルト製造に必要な時間を短縮することを可能にする。有利には、加熱手段は加熱出力を液体に伝達することができ、それによって熱移動により前記調製品の温度を10分以内にヨーグルトの製造温度範囲内にまで高めることを可能にする。
有利な特徴によれば、家庭用電気ヨーグルトメーカーは、前記少なくとも1つの定位置を含むバスケットを備える。この構成は、瓶の装着および取出しを容易にするものであり、ヨーグルトメーカーが複数の瓶を有するものである場合には特に有益である。
その際、1つの実施態様では、バスケットはエンクロージャの内部に配設される。
その際に有利には、瓶の周囲における蒸気または加熱された空気の循環を円滑にするため、バスケットは透かし構造である。
もう1つの実施態様によれば、バスケットは、前記瓶を受けるために用意された前記少なくとも1つの定位置を形成することができる少なくとも1つの開口部を有しており、エンクロージャはその上部を前記バスケットによって画定される。
その際に有利には、よりスムーズな熱移動が得られるようにするため、瓶は、バスケットに収まった状態でその最大部分がエンクロージャ内に位置するように、その上部を前記開口部レベルで保持される。
1つの有利な特徴によれば、バスケットは、複数の瓶を受けるように設けられた複数の定位置を備える。
その際に有利には、各々の瓶の間で調製品のより高い均一性が得られるように、各々の定位置はバスケットの円環状のゾーンに配設される。
さらに有利には、各々の定位置はタンクの周縁に配設され、瓶の基部はタンク内の液位よりも高い。さらに有利には、定位置に配置される瓶は、タンク内に配置された液体から離して配設される。このような構成はとりわけ、瓶がタンク内の液体またはタンクの加熱によって生じる蒸気と直接接触するのを防ぐことができる。
第1の実施形態によれば、加熱手段は、タンク内の水を30分以内に、好ましくは10分以内に蒸発させることができる。
その際に有利には、加熱手段は、加熱手段の乾燥状態での加熱を許容する温度調節手段と連係する。この構成は、第1の温度上昇の段階の終了後、エンクロージャ内をヨーグルトの製造に適した温度に保つことを可能にする。あるいは、第2の段階における本機のエンクロージャ内の温度変化を筐体の断熱によって抑制することもできよう。さらに、追加的な加熱手段の利用も考えられよう。
複数の瓶を均一に加熱するのに適した1つの有利な実施形態によれば、タンクおよび加熱手段はエンクロージャ底部の中央に配設される。
その際に有利には、タンクはその底部の中央の窪みによって形成され、加熱手段は前記中央の窪みの中に収まる。この構成は、本機の動作に必要な水の量を定めることを可能にする。
その際に有利には、中央の窪みは、敷居によってタンクと隔てられた底部の円環状のゾーンによって囲まれており、前記底部の円環状のゾーンは周縁方向に下向きの傾斜を有する。この構成により、前記円環状のゾーンに凝縮液の回収スペースを形成することができる。
第2の実施形態によれば、エンクロージャは、タンクを形成する槽を含む下部を有しており、加熱手段はその槽を加熱することができる。有利には、加熱手段は槽と一体をなす。あるいは、槽は加熱手段の上に載置することなどができる。
その際に有利には、加熱手段は、第1の切断温度および第1の切断温度よりも低い第2の切断温度を有する温度調節手段と連係する。それにより、液浴は、第1の段階でヨーグルトの製造温度範囲を超える温度まで持っていくことが可能であり、さらに第2の段階でヨーグルトの製造温度範囲に近い、またはその範囲に含まれる温度に維持することが可能である。あるいは、第2の段階で、追加的な加熱手段などを利用することもできよう。
さらに有利には、ヨーグルトの製造温度範囲は37℃から52℃の間、好ましくは40℃から50℃の間である。
さらに有利には、加熱手段は150W以上の出力を有する。130Wの出力を有するパラフィン式ヨーグルトメーカーは、市販品として公知のものの中でも最も強力なヨーグルトメーカーである。加熱要素が雰囲気中または槽底部の裏側に配設されるヨーグルトメーカーは、それよりもはるかに低い、最大で15Wの出力の加熱要素を使用する。
本発明の上記の目的、特徴および利点については、添付の図面と関連づけながら非限定的になされる具体的な実施形態に関する以下の説明の中で詳細に述べる。
本発明の第1の実施形態によるヨーグルトメーカーの主カバーを取り去った状態の斜視図である。 本発明の第1の実施形態によるヨーグルトメーカーの垂直面に沿った断面図である。 本発明の第1の実施形態によるバスケットの斜視図である。 本発明の第1の実施形態によるヨーグルトメーカーの分解斜視図である。 本発明の第1の実施形態によるヨーグルトメーカーの動作時に得られた温度と時間の関係を示す曲線である。 本発明の第2の実施形態によるヨーグルトメーカーの主カバーを一部切り取った状態の斜視図である。 本発明の第2の実施形態によるヨーグルトメーカーの垂直面に沿った断面図である。 本発明の第2の実施形態によるヨーグルトメーカーの分解斜視図である。 本発明の第2の実施形態によるヨーグルトメーカーの動作時に得られた温度と時間の関係を示す曲線である。
本発明は、ミルク主体の調製品のヨーグルトへの変化に関する。ミルク主体の調製品は特に、ミルクおよび乳酸酵素を、またはミルクおよびヨーグルトを含むことができる。
本発明によれば、家庭用ヨーグルトメーカーの瓶に入れたミルク主体の調製品は、製造方法の第2の段階の過程で、ミルク主体の調製品の温度が37℃から52℃の間、好ましくは40℃から50℃の間に達したときにのみヨーグルトに変化するものであることが確認されている。
そのため、ヨーグルトの製造を加速させるため、本発明による家庭用電気ヨーグルトメーカーは、ミルク主体の調製品の温度が製造温度範囲まで上昇する初期段階が大幅に短縮されて30分未満となる方法を使用する。ミルク主体の調製品の温度は、次いでヨーグルトの製造温度範囲、有利には37℃から52℃の間、好ましくは40℃から50℃の間に、好ましくは2時間半以上、かつ好ましくは4時間以内にわたって保たれる。
図1から4は、本発明の第1の実施形態による家庭用電気ヨーグルトメーカーを図示したものである。
図1は、本発明の第1の実施形態による家庭用電気ヨーグルトメーカーを図示したもので、その内部空間の一部が見えるように、主カバーを取り外してある。
図2に示すように、本発明の第1の実施形態による家庭用電気ヨーグルトメーカーは、加熱手段15およびタンク14と連係するエンクロージャ25を形成する筐体24を備える。加熱手段15は、タンク14内の水を蒸発させることができ、それによってエンクロージャ25に蒸気を供給する。
筐体24は、ヨーグルトを調製するためにミルク主体の調製品を入れる瓶3を受けるために用意された区画を形成する加熱台23を備える。瓶3は、図3に見やすく示したバスケット5の中に配設される。好ましくはガラス製であるそれぞれの瓶3は、高温に耐えるシリコーン製などのプラスチックキャップの形をとることができる密閉蓋4によって閉ざされる。
加熱台23は、バスケット5を受ける前記区画を形成する槽2を備える。加熱台23は、槽2を上に持つ台座1をその下部に有する。図1および2から見て取れるように、槽2は少なくとも部分的に瓶3を取り囲む。筐体24は主カバー12を備える。主カバー12は取外し自在で、加熱台23の上に収まる。加熱台23は、主カバー12とともにエンクロージャ25を形成する。エンクロージャ25は、バスケット5を設置するために用意された空間を形成する。バスケット5を設置するために用意された空間は、その上に主カバー12を持つ。エンクロージャ25は、有利には閉ざされるが、必ずしも完全に密閉される必要はない。
図2は、電気式食品蒸気加熱機の内部を垂直面による断面図で示したものであり、この図では、台座1レベルの中央下部に配置された加熱手段15を見ることができ、さらに、主カバー12を上に持つ槽2によって形成される本機の上部空間に瓶3を保持するバスケット5を見ることができる。主カバー12は、槽2の円筒形の側壁に支えられて配置され、気密性が確保されるようにエンクロージャ25全体を閉ざす。バスケット5はエンクロージャ25の中に配設される。主カバー12は、本機外への熱損失を抑制するために、好ましくは断熱性の二重壁を備える。エンクロージャ25は、台座1との境界をなす底部16を有する。エンクロージャ25の底部16は槽2に属する。
さらに、主カバー12は、中央補強部、すなわち、主カバー中央の空所部を形成する区画19であって、バスケット5の中央把持具6(これについてはこの先でさらに詳しく説明する)の部分に設けられた中央注入スペース7を形成する中央の空間の中に入り込む区画19を有する。主カバー12のこの中央区画19の中には、水計量容器13が配置される。図1に示すように、水計量容器13はバスケット5の中央注入スペース7の中に挿入される。図2に示すように、水計量容器13は、水計量容器13を区画19の中に配置したときに主カバー12の表面より外に出る取っ手22を備える。さらに有利には、水計量容器13は注ぎ口を有する。
任意選択の特徴によれば、槽2全体またはその一部は、透明なプラスチックなど、透明な材料で製作することで、ユーザーが本機内の瓶3を見られるようにすることができよう。有利には、主カバー12は不透明にして、本機の動作時に主カバー12の内面に凝縮によって生じる水滴が見えないようにする。
図3は、それぞれの瓶3を受ける支持体を形成するバスケット5をさらに詳しく示している。バスケット5は透かし構造である。バスケット5は、複数の瓶3を受けるように用意された複数の定位置28を備える。バスケット5は横断方向に延びる。より具体的には、バスケット5は、各々の定位置28に囲まれた中央把持具6を備える支持体を形成する。各々の定位置28はバスケット5の円環状のゾーンに配設される。
図1および2に示すように、各々の定位置28はそれぞれ瓶3を受ける。中央把持具6には中央注入スペース7が設けられている。より具体的には、中央把持具6は、水計量容器13を収めるための区画19を形成する主カバー12の空所部がその位置に来る中央注入スペース7を画定する。中央把持具6は、片手でバスケット5を把持するのに適しており、バスケット5を容易に移動することができるが、これは、ヨーグルト製造後に瓶3を冷蔵庫に移動する場合に特に便利である。
上に説明した実施形態では、中央把持具6は、中央注入スペース7の両側に配置された2つの把持部26を備える。さらに、2つの把持部26のうちの少なくとも一方は、中央注入スペース7に向けて窪んだ補強部27を有しており、それによって人間工学的形状を得る。図に示したところでは、2つの把持部26はそれぞれ、中央注入スペース7に向けて窪んだ補強部27を有する。
図1から見て取ることができるように、図示されたバスケット5は9つの瓶3を、図3でよりよく見ることができる定位置28に設置することを可能にする。
バスケット5は、瓶3を受けるための複数の定位置28を有しており、それらは中央把持具6の周りの円環状のゾーンに対称形に配設されている。バスケット5がエンクロージャ25によって画定される空間の中に配設された状態では、バスケット5の各々の定位置28はタンク14の周縁部に配置される。これらの定位置28は、ヨーグルト製造段階で瓶の周囲の蒸気の流れが円滑となるように意図的に側方に穴が明けられ、それによって、瓶3内の調製品の効率的かつ均一な加熱を達成することが可能になる。そこで、それぞれの定位置28は、それぞれの瓶3の外壁を囲む円弧状の細い帯からなる側方保持の外周手段9を備える。これら側方保持の外周手段9は、それぞれの定位置28の間に配置した垂直壁10によって互いに連結される。そのため、定位置28は側方が透かし構造である。そして、図2を見ると特にわかりやすい透かし構造の内周壁11は、瓶3の内周保持手段に対して補完的機能を果たす。こうして、バスケット5は、中央注入スペース7と各々の定位置28の間の蒸気の通りがよくなるように透かし構造となっている。さらに、これらの定位置28は、瓶3をその上に載置する下部支持手段8を備えており、その下部支持手段8は、少なくとも中心が円盤状に大きく開くようにして、蒸気とそれぞれの瓶の基部との接触も可能にしながら、瓶の基部を支えることができる複数のフックからなる。
図4は本機の分解斜視図を示したもので、それ以前の図面を補足するものである。この図では、台座1を識別することができるが、そこに取り付けられた側面キャップ17には、本機、とりわけ加熱手段15の動作の操作装置30が備え付けられており、これには動作時間を管理するタイマなどが含まれる。操作装置30と連係する選択ボタン18により、ユーザーは本機の起動や、場合によって複数の動作モードの切替えを行うことができる。そのため、側面キャップ17および選択ボタン18は加熱台23に属する。
加熱手段15は、好ましくは150W以上の出力を有する。加熱手段15は、好ましくは3000W以下の出力を有する。図示した実施例では、加熱手段15は600Wの出力を有する。
加熱手段15は、底部16の開口部に設置された加熱プレートを形成する円環状の加熱抵抗器からなる。そのため、タンク14および加熱手段15はエンクロージャ25の底部16の中央部に配設される。加熱手段15は、加熱手段15の乾燥状態での加熱を許容する温度調節手段と連係する。温度調節手段は、たとえばサーモスタットによって形成される。加熱手段15と槽2底部の開口部の間には環状継手29が介挿される。タンク14は、底部16の中央の窪みによって形成される。加熱手段15は前記中央の窪みの中に収まる。より具体的には、タンク14は、加熱手段15の上の底部16の小さな体積のわずかな窪みによって形成され、本機の動作に必要な水を受けるようになっている。そのため、加熱手段15とタンク14の機能を果たす体積とを同時に含むこの窪みは、槽2底部に配設された中空部分の形をなし、台座1によって画定される空間の中に収まる。かくして、バスケット5を収めたエンクロージャ25は加熱手段15およびタンク14の上に広がる。中央の窪みは、敷居21によってタンク14と隔てられた底部16の円環状のゾーンによって囲まれており、底部16の前記円環状のゾーンは周縁方向に下向きの傾斜を有する。
したがって、第1の実施形態による家庭用電気ヨーグルトメーカーは、ミルク主体の調製品を入れる瓶3のための少なくとも1つの定位置28を備え、前記瓶3は加熱台23および主カバー12によって画定されるエンクロージャ25の中に少なくとも部分的に配設される。前記ヨーグルトメーカーは、液体を入れるためのタンク14も備える。定位置28に配置される瓶3は、タンク14内に配置された液体から離して配設される。タンク14はエンクロージャ25に通じており、加熱手段15は加熱出力を液体に伝達することができ、それによって熱移動により前記ミルク主体の調製品の温度を30分以内にヨーグルトの製造温度範囲内にまで高めることができる。前記ヨーグルトメーカーは、前記少なくとも1つの定位置28を含むバスケット5を備える。
ここからは、第1の実施形態によるヨーグルトメーカーの動作について説明する。
ヨーグルトメーカーのタンク14は、計量容器13を使って、ヨーグルトメーカーの中央部分上方から中央注入スペース7を通して注入を行うことにより定量の水で満たす。次いで、主カバー12を閉じ、ヨーグルトメーカーのスイッチを入れる。加熱手段15は、加熱手段15に近接したタンク14内の水の迅速な蒸発をもたらす。加熱手段15は、タンク14内の水を30分以内に、好ましくは10分以内に蒸発させることができる。発生した蒸気はヨーグルトメーカーの上部空間、とりわけバスケット5内に配置された瓶3の周囲に広がる。瓶3内の調製品に伝達された熱はヨーグルトの製造を可能にする。
ヨーグルトメーカー内部で得られる最終温度は蒸発した水の量に依存するため、ヨーグルトメーカーの動作サイクルで使用する水の量を正しく定量することは重要である。そこで、水計量容器13は、ユーザーがその正しい水量を容易に間違いなく得ることを可能にする。
水計量容器13の容積は有利には、電気式食品加熱機の1回の動作サイクルに必要な水量に対応する。変形形態では、計量容器13の容積はその必要な水量よりもわずかに大きく、正しい水量を示すための目盛がその水計量容器13に付け加えられる。水計量容器13は、異なる動作サイクルの数に応じて複数の目盛を含むものであってよいことは言うまでもない。
本発明が上述の実施形態だけに限定されるものでないことは言うまでもない。図示したヨーグルトメーカーは、これと異なる形態をとることができ、9つ以外の数の瓶を収容できる他のあらゆる空間を含むことができ、その瓶は、加熱または調理する食品のためのいかなる容器であってもよく、容器は、プラスチックなど、その他の材料のものであってよい。たとえば、ヨーグルトメーカーは、台座と、上に主カバーを持つ槽とが別の形で組み合わされることによって得られるものであってよい。加熱または調理の空間は、説明した槽とは別のあらゆる要素、より一般的には、エンクロージャを形成するあらゆる筐体であって、加熱要素と組み合わされ、加熱する瓶または容器を入れるように適合されたあらゆる筐体によって構成されるものであってよい。さらに、その筐体は必ずしも主カバーを備える必要はなく、ヨーグルトメーカーは、様々な要素が他のあらゆる形で重ね合わされることによって形成されるものであってよい。
さらに、すでに説明したように、底部16の中央部の窪みによって形成されるヨーグルトメーカーのタンク14は、窪みを取り囲む底部16の円環部分の敷居21によって画定される。この幾何学形状は水の越流機能を果たすもので、それによって、水が過剰に注入された場合にその分の水を、越流水の自然な横溢によって自動的に側方に排出し、底部16の円環部分の方に循環させることができる。さらに、底部16の円環部分は、過剰に注入されてタンク14からあふれた水であれ、ヨーグルトメーカーの動作中に凝縮した水であれ、その部分の水がヨーグルトメーカーの円筒形の外壁に向けて円滑に流れるように、エンクロージャ25の周縁に向かって下向きの傾斜を有しており、水がタンク14に、または加熱手段15の近傍に戻るのを防ぐ。水が戻れば、それによって新たな蒸発が引き起こされ、それが温度を無用に上昇させて、ヨーグルトメーカーで行われている加熱の統御を損いかねない。ちなみに、主カバー12は、有利には底部12の周縁部の形状と似通った形状であって、周縁に向けて下向きに傾斜した形状を有しており、それによって、同じく凝縮水をヨーグルトメーカーの側壁の方へ循環させる機能を果たす。
本発明の1つの有利な特徴によれば、ヨーグルト調製品を入れた瓶3は、バスケット5によってそれぞれ正確な定位置を与えられることにより、加熱手段15の周りに対称形をなすように均一に振り分けられる。これにより、それぞれの瓶3で同じ結果を得ることができる。さらに、瓶3のどの部分も加熱手段15と直接重なり合うことがないため、同一の瓶3内で均一でない結果を生じるのを防ぐことができる。実際、図から、とりわけ図2から明らかに見て取れるように、瓶3は、ヨーグルトメーカーの中央の位置に設置した加熱手段15の周りに円環状の位置取りで配置されており、部分的にも前記加熱手段15の上に来ることはない。この幾何学形状は、それぞれの瓶3でほぼ同じ内部温度を得る上で、そして、それぞれの瓶3の中で均一のヨーグルトを得る上で有利に作用する。
そして、バスケット5の透かし構造は、それぞれの瓶の周縁全体にわたる蒸気の循環を可能にし、瓶との間における均一で最適な熱移動を保証する。ちなみに、バスケット5は、瓶の下部支持手段8が底部16の上方に、離れて位置するようにエンクロージャ25の中に設置され、瓶3の下でも蒸気が循環できる自由な空間を空けるようにする。そのため、バスケット5は、槽2の側壁の縁部20に載置されるための支持具を備える。図示した実施形態では、その支持具は側方保持の外周手段9に相当し、したがって側方保持の外周手段9は二重の機能を果たすことになる。かくして、バスケット5は、底部16の上方、タンク14の上方、かつ加熱手段15の上方に吊り下げられる。さらに、タンク14が、瓶3を含む底部16の下端レベルよりも下にあることは、瓶3の下方における蒸気の循環を促進する第2の要因である。瓶3の基部はタンク14内の液位よりも高い。さらに、蒸気の循環は、すでに指摘した瓶3の側壁部位におけるバスケット5の透かし構造によって、瓶3の側壁沿いにおいても促進される。とりわけ、バスケットの内周壁11の透かし構造は、中央注入スペース7から瓶3の側壁への蒸気の通り抜けを促進する。瓶3はタンク14の壁から離して保持される。
上述のヨーグルトメーカーは、以下に説明するヨーグルト製造の有利な方法の実施を可能にするものである。
最初の加熱段階では、加熱手段15がタンク14内の水を沸騰まで持っていく。加熱は、タンク14内に含まれる量の水が完全に蒸発するまで続けられる。この最初の段階で形成される蒸気は、すでに説明したように、調製品を入れた瓶3が収容されている上部空間全体に広がる。それにより、蒸気は、加熱手段15によって伝達されるエネルギーを瓶3に迅速に効率よく運ぶことができる。この熱は、伝導によって瓶3内部に、瓶3に含まれる調製品まで伝達される。蒸発水量は、瓶3内の温度が、ヨーグルトの製造に最適な40℃から50℃の間の所望の値に到達するように計算される。600Wの加熱出力を使用すれば、約5分間でこの温度に到達することができる。変形形態として、30分以内に所望の温度上昇を得ることができるものであれば、それ以外のいかなる加熱手段も適当でありうる。
第1の段階の最後で、貯えられていた水が完全に蒸発することによって所望の温度に到達した時点から始まるヨーグルト製造の第2の段階では、加熱手段15と連係した温度調節手段により、ヨーグルトメーカーの内部温度をヨーグルトの製造温度範囲内に調節し、安定させることができる。この第2の段階は約3時間にわたって続けられ、最終的にヨーグルトを得る。第2の調節の段階は、好ましくは2時間半以上であり、有利には4時間以下の継続時間を有する。
ちなみに、この第2の段階で凝縮した水は、すでに明記したとおり、側方に排出され、それによって温度の維持が容易になる。
図5は、上述のような家庭用電気ヨーグルトメーカーを用いてヨーグルト製造方法を実施したときに得られた温度曲線を示したものである。曲線62は、ヨーグルトメーカーのエンクロージャ25内の温度を示している。この温度については、曲線65で示される室温に近い初期温度から、50℃をわずかに超える安定した温度まで、第1の段階の急激な上昇がはっきりと見て取れる。曲線63および64は、異なる2つの瓶3の内部で測定した温度を示している。まず気づくことは、この2つの曲線が互いにきわめて近接しているということである。さらに、50℃近傍の安定温度まで上昇する第1の温度上昇段階を見て取ることができるが、この安定温度は時間とともにやや低下する。境界線69は、迅速な温度上昇を得る第1の加熱段階と、それに続く第2の温度維持段階との境を示す。図5に示した例では、この第1の加熱段階は約10分間続く。10分後に短い過渡期があり、そこでエンクロージャ内部の温度は再び下がり、瓶内の調製品の温度は調節値に到達することができる。次いで、第2の段階は、ヨーグルトメーカーを約3時間にわたって安定した温度に保持することからなる。
当然のことながら、上述の曲線は一例を非限定的な形で示したものである。第1の段階は他の特徴を有することもできるが、継続時間は30分以下であり、有利には10分未満である。実際、この第1の段階はヨーグルト製造そのものにはほとんど、または全く影響しないものであり、ヨーグルトメーカーにおいて利用可能な使用最大出力について許容される折り合いの限度内で最大限短縮することは意義がある。
ヨーグルトメーカー内に生み出される湿潤雰囲気は、調製品を加熱してヨーグルトに変化させるための迅速で効率的な熱移動を可能にしながらも、ヨーグルトメーカーの動作サイクル終了時に瓶3が最終的に乾燥状態に保たれることを可能にするものであって、ヨーグルトが出来上がって瓶3を回収するユーザーに心地よい手触りを与える。
当初、タンク14内にあった水が蒸気に変わってエンクロージャ25内の瓶3の周りを循環することで、ヨーグルトメーカー内部は、ヨーグルトメーカーのクリーニング、さらには殺菌という付加的な機能を果たしうる温度にさらされる。
ヨーグルト製造方法の第2の段階の変形実施形態では、温度の維持は、少量の水の蒸発および凝縮の繰り返しによって、37℃から52℃の間、好ましくは40℃超および/または50℃未満の平均温度の前後で瓶3内部の調製品の温度の上下動を得ることによっても得られる。
図6から8は、本発明による家庭用電気ヨーグルトメーカーの第2の実施形態を図示したものである。
この家庭用電気ヨーグルトメーカーは、槽32を上に持つ台座31を備える。このヨーグルトメーカーは、台座31部分に様々なキースイッチ48およびスクリーン47を備え、少なくとも1つはヨーグルト製造のために用意された可能なモードである複数の加熱モードの選択肢の中からユーザーが動作モードを選べるようになっている。槽32は、液体、有利には水を入れるために用意されたタンク44を形成する。槽32は、その下部に加熱手段45を内蔵する。より具体的には、槽32は金属製であり、加熱手段45は槽32の底部46の下に配設される。そのため、加熱手段45はタンク44の下に位置する。槽32は、槽32の底部46から槽32の高さ全体にわたって延びる円錐台形のチムニー37を有する。
バスケット35は槽32の上に配設される。バスケット35は、槽32上部の環状の縁部およびチムニー37の上に載置される。それにより、バスケット35は、槽32の底部46の上方、タンク44の上方、かつ加熱手段45の上方に吊り下げられる。主カバー42はバスケット35を覆う。
バスケット35は、その外周に対称形に振り分けられた円盤状の6つの開口部38を備える。バスケット35は、チムニー37上部の周りに載置される中央連結部36と、槽32の上端部位に支えられる側縁部39とを備える。この幾何学形状は、槽32上部へのバスケット35の設置を可能にする。
バスケット35のそれぞれの開口部38は、ヨーグルト製造のための調製品を入れた瓶33のための定位置58を形成する。そのため、バスケット35は、複数の瓶33を受けるように用意された複数の定位置58を備える。瓶33はタンク44の壁から離して保持される。各々の定位置58はバスケット35の円環状のゾーンに配設される。それぞれの瓶33は、その上部が開口部38の円周に支えられて、瓶33の大部分がバスケット35よりも下に出る形状を有する。有利には、瓶33の高さの少なくとも4分の3がバスケット35の下面よりも下に出る。
加熱ゾーンをなすヨーグルトメーカーのエンクロージャ55は、その側面を槽の側壁32とチムニー37とによって、その下部を槽32の底部46によって、さらにその上部をバスケット35によって画定される。したがって、エンクロージャ55は槽32とバスケット35によって画定される。そのため、エンクロージャ55は、タンク44を形成する槽32を含む下部を有し、加熱手段は槽32を加熱することができる。バスケット35の開口部38は、瓶33がそこにあることによって密閉またはほぼ密閉状態で閉ざされる。そのため、エンクロージャ55は密閉またはほぼ密閉状態で閉ざされるが、必ずしも完全に密閉される必要はない。
ちなみに、それぞれの瓶33には蓋34が付帯している。ヨーグルトの調製の際には、蓋34は使用しない。しかし、バスケット35の一部の開口部38に瓶33がないときには、図6および7に示すように、蓋34でその開口部38を閉じるべきである。そうすることで、エンクロージャ55は密閉またはほぼ密閉状態で閉ざされる。
図8は、ヨーグルトメーカーの各構成要素を分解図で示したものである。台座31は、加熱手段45(図8には図示せず)に給電するために、槽32下部の図示されない対応する手段との間の電気的な接続手段40を備える。
そこで、第2の実施形態による家庭用電気ヨーグルトメーカーは、ミルク主体の調製品を入れる瓶33のための少なくとも1つの定位置58を備えており、前記瓶33はエンクロージャ55の中に少なくとも部分的に配設される。前記ヨーグルトメーカーは、液体を受けるためのタンク44であって、エンクロージャ55に通じるタンク44と、加熱出力を液体に伝達することができ、それによって熱移動により前記ミルク主体の調製品の温度を30分以内にヨーグルトの製造温度範囲内にまで高めることができる加熱手段45とを備える。
より具体的には、前記ヨーグルトメーカーは、前記少なくとも1つの定位置58を含むバスケット35を備える。バスケット35は、前記瓶33を受けるために用意された前記少なくとも1つの定位置58を形成することができる少なくとも1つの開口部38を有する。エンクロージャ55はその上部を前記バスケット35によって画定される。瓶33は、バスケット35に収まった状態で、その最大部分がエンクロージャ55の中に位置するように、上部を前記開口部38レベルで保持される。好ましい実施態様によれば、定位置58に配置される瓶33は、タンク44内に配置された液体から離して配設される。
加熱手段45は、有利には、第1の切断温度および第1の切断温度よりも低い第2の切断温度を有する温度調節手段と連係する。温度調節手段は、マイクロコントローラと連係したNTC抵抗を有することなどができる。
第2の実施形態によるヨーグルトメーカーの動作について、とりわけ、それによる本発明によるヨーグルトの製造方法の実施について、以下に説明する。
ヨーグルトメーカーのスイッチを入れる前に、ユーザーは、所定の量の液体、有利には水を槽32の中に配置する。したがって、槽32のこの下部は、加熱サイクルに必要な液体のためのタンク44を形成する。次いで、ヨーグルト製造方法は、タンク44内の液体の温度をきわめて迅速に高めることができる集中的な第1の加熱段階を実施する。発生したその熱は、対流によってエンクロージャ55内の各々の瓶33に伝達される。有利には、エンクロージャ55の下部に熱湯が存在するため、水面より上の空気は湿気を帯びており、瓶33までの熱伝導は効率的に素速く行われる。そのため、瓶33内にある調製品は、ヨーグルトの製造に必要とされる温度に素速く到達する。加熱手段45への給電は、温度調節手段の第1の切断温度を用いて切断される。続いて、温度調節手段の第2の切断温度を用いて、第2の温度調節の段階が開始される。この調節は、常にヨーグルトの製造温度範囲に含まれる温度が瓶33の中の調製品のほぼ一定の平均温度として得られるように、継起する加熱期間と非加熱期間とによって得られる。第2の調節段階は、好ましくは3時間超であり、有利には4時間以内の継続時間を有する。
図9は、本発明の第2の実施形態によるヨーグルトメーカーを用いて、上述したヨーグルトの製造方法を実施したときに得られた温度曲線である。
曲線71は、水浴として形成した液浴の温度を示している。曲線72および73は、異なる2つの瓶33の内部で測定した温度を示している。この2つの曲線が互いにきわめて近接していることに気づく。曲線71からは、室温に近い初期温度から、80℃超、ただし100℃未満の温度まで、液浴温度の初期の急激な上昇がはっきりと見て取れる。加熱手段45に対する給電の切断は、温度調節手段の第1の切断温度を用いて行われる。その際、液浴の温度は瓶33の内部の温度とほぼ同じである。瓶33内のミルク主体の調製品の温度をヨーグルト製造温度範囲にまで持っていくことができる第1の段階も30分以内に行われる。
加熱手段45に対する給電再開後、温度調節は、温度調節手段の第1の切断温度よりも低い第2の切断温度を用いて行われる。第2の段階は一連の1分前後の短い加熱期間からなり、液浴の温度を再び約55℃まで高めることを可能にする。それにより、図9に示すように、瓶内の温度は42から45℃の間で上下動し、何時間にもわたって維持することが可能である。第2の調節段階は、好ましくは3時間以上であり、有利には4時間以下の継続時間を有する。
図示したこの実施例では、加熱手段45は900Wの抵抗器からなる。加熱手段45は、それ以外の出力値、好ましくは400W超、有利には3000W未満の出力値を有することができる。さらに、ヨーグルトメーカーは、ヨーグルト製造のための、より多数の、またはより少数の容器を受けるために、それ以外の等価の幾何学形状、それ以外の寸法を有することもできよう。
上述した実施形態では、瓶33は常に槽32内の水浴の外に置かれる。すなわち、タンク44に満たされる水は、バスケット35の開口部38の中に設置された瓶33の基部の高さよりも低いところまででしかない。
ただし、変形形態として、瓶33が少なくとも部分的に水浴と接触する類似の解決法を想像することは可能である。好ましくは、そうした瓶もタンク44の壁から離して保持される。そのほか、変形形態として、加熱手段45から瓶33内の調製品に熱移動を行うために水以外のあらゆる流体を用いることができよう。
本発明はまた、瓶3、33に入ったミルク主体の調製品からヨーグルトを製造する方法であって、少なくとも部分的にエンクロージャ25、55の中に配設された瓶3、33を加熱するステップを含む方法にも関する。前記方法によれば、瓶3、33の加熱ステップは、エンクロージャ25、55内の瓶3、33の近傍に配置した液体を加熱して、前記ミルク主体の調製品の温度をヨーグルトの製造温度範囲にまで持っていくことからなる継続時間30分以下の第1の段階を含む。
図示した本発明の2つの実施形態では、前記方法は、瓶3、33を液体から離して配設するものであり、前記第1の段階は、前記液体を加熱して瓶3、33に接触するガス状流体の温度を上げることからなる。より具体的には、第1の段階では、液体の温度はヨーグルトの製造温度範囲を超えるところまで上げて、ガス状流体を媒介として瓶3、33の方にそのカロリーを放出する熱質量が生成されるようにする。
変形形態では、瓶33は、タンク44内の加熱された液体と接触することができよう。
図示した本発明の第1の実施形態では、第1の段階は、所定の量の水のエンクロージャ25内における蒸発と、それによって得られた蒸気の瓶3の周囲における循環とからなる。したがって、ガス状流体には水蒸気が含まれる。
図示した本発明の第2の実施形態では、第1の段階は、エンクロージャ55内に配置された液浴の集中的な加熱であって、50℃超、ただし前記液体の蒸発温度未満である温度までの加熱からなる。液体は、有利には水であるが、食用に供されるどのような液体でも用いることができる。ガス状流体は雰囲気空気によって形成される。
図示した本発明の2つの実施形態では、前記方法は有利には、ヨーグルトの製造温度範囲内でミルク主体の調製品の温度を調節するための継続時間4時間以下の第2の段階を含む。
変形形態として、いずれの図にも示していない第3の実施形態によれば、方法は、エンクロージャ内に配置した液浴の中に瓶を少なくとも部分的に配設するものであり、第1の段階は、瓶に接触する液体を加熱することによって前記液体の温度をヨーグルトの製造温度範囲に到達するところまで高めるものである。その後、液体の温度はヨーグルトの製造温度範囲の中で調節することができる。
上のように説明したヨーグルト製造の解決法は、1つまたは複数のヨーグルトを迅速に製造するのに適したものであり、1日のうちに容易に実施することができるものである。
変形形態では、本発明の第1の実施形態による家庭用電気ヨーグルトメーカーのバスケット5および主カバー12は、本発明の第2の実施形態による家庭用電気ヨーグルトメーカーで使用することができようし、本発明の第2の実施形態による家庭用電気ヨーグルトメーカーのバスケット35および主カバー42は本発明の第1の実施形態による家庭用電気ヨーグルトメーカーで使用することができよう。
変形形態として、加熱手段15、45は、同時および/または個別に給電される複数の加熱要素を備えることができよう。
本発明は、説明した実施例にいささかも限定されるものではなく、特許請求の範囲内における数々の変更を包含するものである。

Claims (26)

  1. 瓶(3、33)入りのミルク主体の調製品からのヨーグルト製造方法であって、少なくとも部分的にエンクロージャ(25、55)の中に配設された前記瓶(3、33)を加熱するステップを含むヨーグルト製造方法において、前記瓶(3、33)の前記加熱ステップは、エンクロージャ(25、55)内の前記瓶(3、33)の近傍に配置した液体を加熱する継続時間30分以下の第1の段階であって、それによって前記ミルク主体の調製品の温度をヨーグルトの製造温度範囲内にまで持っていく第1の段階を含むことを特徴とするヨーグルト製造方法。
  2. 前記瓶(3、33)を前記液体から離して配設すること、および、前記第1の段階は、前記液体を加熱することによって前記瓶(3、33)に接触するガス状流体の温度を高めるものであることを特徴とする請求項1に記載のヨーグルト製造方法。
  3. 前記第1の段階は、所定の量の水の前記エンクロージャ(25)内における蒸発と、それによって得られた蒸気の前記瓶(3)の周囲における循環とからなることを特徴とする請求項2に記載のヨーグルト製造方法。
  4. 前記第1の段階は、前記エンクロージャ(55)内に配置された液浴の集中的な加熱であって、50℃超、ただし前記液体の蒸発温度未満である温度までの加熱からなることを特徴とする請求項2に記載のヨーグルト製造方法。
  5. 前記エンクロージャ内に配設した液浴の中に前記瓶を少なくとも部分的に配設すること、および、前記第1の段階は、前記液体を加熱することによって前記液体の温度をヨーグルトの前記製造温度範囲に到達するところまで高めるものであることを特徴とする請求項1に記載のヨーグルト製造方法。
  6. ヨーグルトの前記製造温度範囲内で前記ミルク主体の調製品の温度を調節する継続時間4時間以下の第2の段階を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のヨーグルト製造方法。
  7. ヨーグルトの前記製造温度範囲は37℃から52℃の間、好ましくは40℃から50℃の間であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のヨーグルト製造方法。
  8. ミルク主体の調製品を入れる瓶(3、33)のための少なくとも1つの定位置(28、58)と加熱手段(15、45)とを備えた家庭用電気ヨーグルトメーカーであって、前記瓶(3、33)は少なくとも部分的にエンクロージャ(25、55)の中に配設された家庭用電気ヨーグルトメーカーにおいて、液体を入れるためのタンク(14、44)を備えること、前記タンク(14、44)は前記エンクロージャ(25、55)と通じていること、および、前記加熱手段(15、45)は加熱出力を前記液体に伝達することができ、それによって熱移動により前記ミルク主体の調製品の温度を30分以内にヨーグルトの製造温度範囲内にまで高めることができることを特徴とする家庭用電気ヨーグルトメーカー。
  9. 前記少なくとも1つの定位置(28、58)を含むバスケット(5、35)を備えることを特徴とする請求項8に記載の家庭用電気ヨーグルトメーカー。
  10. 前記バスケット(5)は前記エンクロージャ(25)の内部に配設されることを特徴とする請求項9に記載の家庭用電気ヨーグルトメーカー。
  11. 前記バスケット(5)は透かし構造であることを特徴とする請求項10に記載の家庭用電気ヨーグルトメーカー。
  12. 前記バスケット(35)は、前記瓶(33)を受けるために用意された前記少なくとも1つの定位置(58)を形成することができる少なくとも1つの開口部(38)を有すること、および、前記エンクロージャ(55)はその上部を前記バスケット(35)によって画定されることを特徴とする請求項9に記載の家庭用電気ヨーグルトメーカー。
  13. 前記瓶(33)は、前記バスケット(35)に収まった状態でその最大部分が前記エンクロージャ(55)内に位置するように、その上部を前記開口部(38)レベルで保持されることを特徴とする請求項12に記載の家庭用電気ヨーグルトメーカー。
  14. 前記バスケット(5、35)は、複数の瓶(3、33)を受けるように設けられた複数の定位置(28、58)を備えることを特徴とする請求項9から13のいずれか一項に記載の家庭用電気ヨーグルトメーカー。
  15. 各々の前記定位置(28、58)は前記バスケット(5、35)の円環状のゾーンに配設されることを特徴とする請求項14に記載の家庭用電気ヨーグルトメーカー。
  16. 各々の前記定位置(28)は前記タンク(14)の周縁に配設されること、および、前記瓶(3)の基部は前記タンク(14)内の液位よりも高いことを特徴とする請求項14または15に記載の家庭用電気ヨーグルトメーカー。
  17. 前記定位置(28、58)に配置される前記瓶(3、33)は、前記タンク(14、44)内に配置された液体から離して配設されることを特徴とする請求項8から13のいずれか一項に記載の家庭用電気ヨーグルトメーカー。
  18. 前記加熱手段(15)は、前記タンク(14)内の水を30分以内に、好ましくは10分以内に蒸発させることができることを特徴とする請求項16または17に記載の家庭用電気ヨーグルトメーカー。
  19. 前記加熱手段(15)は、前記加熱手段(15)の乾燥状態での加熱を許容する温度調節手段と連係することを特徴とする請求項18に記載の家庭用電気ヨーグルトメーカー。
  20. 前記タンク(14)および前記加熱手段(15)は前記エンクロージャ(25)底部(16)の中央に配設されることを特徴とする請求項18または19に記載の家庭用電気ヨーグルトメーカー。
  21. 前記タンク(14)は前記底部(16)の中央の窪みによって形成されること、および、前記加熱手段(15)は前記中央の窪みの中に収まることを特徴とする請求項20に記載の家庭用電気ヨーグルトメーカー。
  22. 前記中央の窪みは、敷居(21)によって前記タンク(14)と隔てられた底部(16)の円環状のゾーンによって囲まれていること、および、前記底部(16)の前記円環状のゾーンは周縁方向に下向きの傾斜を有することを特徴とする請求項21に記載の家庭用電気ヨーグルトメーカー。
  23. 前記エンクロージャ(55)は、前記タンク(44)を形成する槽(32)を備える下部を有すること、および、加熱手段(45)は前記槽(32)を加熱できることを特徴とする請求項8から17のいずれか一項に記載の家庭用電気ヨーグルトメーカー。
  24. 前記加熱手段(45)は、第1の切断温度および第1の切断温度よりも低い第2の切断温度を有する温度調節手段と連係することを特徴とする請求項23に記載の家庭用電気ヨーグルトメーカー。
  25. ヨーグルトの前記製造温度範囲は37℃から52℃の間、好ましくは40℃から50℃の間であることを特徴とする請求項8から24のいずれか一項に記載の家庭用電気ヨーグルトメーカー。
  26. 前記加熱手段(15、45)は150W以上の出力を有することを特徴とする請求項8から25のいずれか一項に記載の家庭用電気ヨーグルトメーカー。
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