JP2013518602A - 部分的に一本鎖のドナー分子による標的化ゲノム改変 - Google Patents

部分的に一本鎖のドナー分子による標的化ゲノム改変 Download PDF

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Abstract

本明細書に開示されるのは、目的の1つ以上の配列に隣接する一本鎖相補性領域を含むドナー分子である。このドナー分子および/またはこれらの分子を含む組成物を、細胞のゲノムにおける目的の特定の領域への外因性配列の標的化組み込みのための方法において用いてもよい。

Description

技術分野
本開示は、ゲノム工学、特に細胞のゲノムの標的化改変の分野にある。
関連出願の相互参照
本出願は、2010年2月9日出願の米国特許仮出願第61/337,756号、および2010年4月21日出願の同第61/342,934号の利益を主張し、これらの開示の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
背景
ゲノム生物学における目的の主要な領域とは、特に多数のゲノムの完全なヌクレオチド配列の決定を考えると、ゲノム配列への標的化組み込みである。相同組み換えという自然な現象を利用することによって、培養細胞中でゲノム配列を変更する試みを行った。例えば、Capecchi(1989)Science 244:1288−1292;米国特許第6,528,313号および同第6,528,314号を参照のこと。
さらに、ゲノムDNAの標的化切断のための種々の方法および組成物が記載されている。このような標的化切断事象は、例えば、標的化突然変異を誘導するため、細胞DNA配列の標的化欠失を誘導するため、ならびに所定の染色体位置での標的化組み換えおよび標的化組み込みを容易にするために用いられ得る。例えば、これらの開示が全ての目的のために全内容が参照により組み込まれる、米国特許出願公開第20030232410号;同第20050208489号;同第20050026157号;同第20050064474号;および同第20060188987号、ならびに国際公開第2007/014275号を参照のこと。例えば、ジンクフィンガーヌクレアーゼを用いる標的化組み込みは、長い(約750塩基対)相同性アームを有する環状(プラスミド)DNAで実証された。Moehleら、(2007)Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 104(9):3055〜3060を参照のこと。
標的化組み込みは、正常な細胞過程を操作することに依拠する。典型的には、細胞は、テンプレートとして姉妹染色分体を用いるゲノム中の自然な二本鎖断裂(double strand break)(DSB)を修復する相同指向修復(homology−directed repair)(HDR)に依存する場合が多い。目的の外因性配列の標的化挿入のために、外因性DNA配列を、それが標的されているゲノム位置に対して相同性を有するドナープラスミド中の2つの領域の間になるように構築する。細胞性DNA修復機構は、この遺伝子情報を染色体中に意図せずにコピーするが、一方で生じ得る任意の自然なDSBを修復する(Thomasら、(1986)Cell 44:419〜428およびKollerら、(1989)Proc Natl Acad Sci USA 86:8927〜8931を参照のこと)。
植物では、バイオテクノロジーは、食物生産のための世界的な需要の増大という課題を満たす労力において必須のツールとして出現した。農業的な生産性を向上する、例えば、収量の向上または害虫抵抗性の遺伝子操作のための従来のアプローチは、突然変異育種または形質転換による作物種のゲノム中への新規な遺伝子の導入に依拠する。両方のプロセスとも本質的に非特異的であり、相対的に非効率的である。例えば、従来の植物形質転換法は、ゲノム中へ無作為な位置に組み込む外因性のDNAを送達する。従って、所望の特質を有するトランスジェニック株を特定および単離するためには、数千個の固有の無作為な組み込み事象を生じ、その後に所望の個体をスクリーニングする必要がある。結果として、従来の植物形質の遺伝子操作は、面倒で、時間がかかり、予測不能な事業である。さらに、これらの組み込みが無作為な性質を有することで、意図しないゲノム破壊に起因する多面的な影響が生じるか否かを予測することが困難になる。結果として、遺伝子操作された遺伝子または形質を有する植物株の生成、単離および特徴付けは、極めて労力を要し、かつコストのかかるプロセスであり成功の可能性は低い。
標的化された遺伝子改変は、植物系における従来の実務のロジスティカルな課題を克服するので、それ故、基本的な植物の生物学的研究および農業的なバイオテクノロジーの両方において長年にわたる、ただし捕らえにくい目標であった。しかし、イネにおける陽性−陰性の薬物選択または事前に遺伝子操作された制限部位の使用を介する「遺伝子標的化」を除いて、全ての植物種における標的化されたゲノム改変は、モデルおよび作物の両方とも、極めて困難であることが最近まで証明されている。テラダ(Terada)ら、(2002)Nat Biotechnol 20(10):1030;テラダ(Terada)ら、(2007)Plant Physiol 144(2):846;D’Halluinら、(2008)Plant Biotechnology J.6(1):93。
標的化DSBの作成は、導入遺伝子組み込みの頻度および特異性を劇的に向上し得る(Rouet,P.ら、(1994)Proc Natl Acad Sci USA,91:6064−6068)。従って、部位特異的なヌクレアーゼの慣習的遺伝子操作は、標的化組み込みの技術を加速した。ジンクフィンガーヌクレアーゼ(zinc−finger nucleases)(ZFN)は、ジンク・フィンガーDNA結合ドメインとII型制限酵素FokIのヌクレアーゼドメインとの間の融合物である。2つのこのようなZFN融合物が、染色体の隣接部位に結合するとき、ヌクレアーゼドメインは、DNA中の二本鎖断裂を作成するように相互作用する。非相同末端結合(non−homologous end−joining)(NHEJ)経路は、破壊された末端を一緒に直接連結し得、ここでいくつかの塩基対の獲得または喪失が起こる場合が多い(Weteringsおよびvan Gent(2004)DNA Repair(Amst),3:1425−1435)。
以前の研究者らは、非特異的なDNAが、S.cerevisiaeにおける二本鎖断裂修復の部位で捕獲され得ることを見出した(Havi−Chesnnerら、(2007)Nucleic Acids Res,35,5192〜5202)。さらに、反復性のエレメントおよびミトコンドリアのDNAフラグメントもまた、S.cerevisiaeにおけるDSBの部位に組み込むことが観察された(Moore,J.K.およびHaber,J.E.(1996)Nature,383,644〜646、ならびにYu,X.およびGabriel,A.(1999)Mol Cell,4,873〜881)。哺乳動物、植物および糸状菌を含めて多くの生物体がDSBの修復に関してNHEJに主に依拠する傾向であるが、S.cerevisiaeは、これらの病変を修復するためにHDRを用いる可能性がかなり高いことが公知である(イシバシ(Ishibashi)ら、(2006)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 103(40):14871〜14876)。従って、S.cerevisiaeにおいて行われた実験に基づく哺乳動物細胞においてDSB修復機構について結論を導くことは極めて困難である。外因性の一本鎖オリゴヌクレオチドを用いて、一本鎖アニーリング(SSA)を介して酵母中でDSBを修復したが、この相同性に基づく修復プロセスはNHEJ修復とは基本的に異なる(Storiciら、(2003)Proc Natl Acad Sci U S A,100:14994〜14999,Storiciら、(2006)Mol Cell Biol,26:7645〜7657)。
マウスの線維芽細胞では、研究者らは、ホーミングエンドヌクレアーゼSce−Iを用いてDSBを誘導することが可能で、ヌクレアーゼ消化したΦX174ゲノムDNA由来の外因性に誘導されたフラグメントが断裂内で捕獲され得ることを見出した。接合部の配列決定によって、2つのDNA間のマイクロホモロジーの領域が明らかになった(Lin,Y.およびWaldman,A.S.(2001)Nucleic Acids Res,29,3975−3981)。他の実験によって、DNAの他の外因性フラグメントの捕獲が明らかになった(Lin,Y.およびWaldman,A.S.(2001)Genetics,158,1665〜1674)。しかし、この結果によって、研究者が、Sce−IホーミングエンドヌクレアーゼによるDSBの誘導に結び付けられ、従って目的の位置がSce−I部位を天然に含まなければならないか、または研究者がランダムな組み込みもしくはいくつかの他のこのような技術を通じてSce−I部位を挿入するという困難なプロセスを経なければならないという点で、実際の適用性は制限された。外因性のDNA導入のための別の技術は、ドナーと標的されるゲノム領域との間の相同性の大きいストレッチ(6キロベースまたは7キロベースのDNA)内で生じる偶発的なDSBに依存する場合が多い、これらの技術の領域の配列同一性について広範な知識を有する実践者に依拠する。近年では、より短い領域の相同性(50〜100bp)は、標的化された二本鎖断裂の作成と組み合された場合、HDR中で機能的であることが実証された(共同所有の米国特許出願公開第20090263900号を参照のこと)。
従って、今まで、ドナー分子は、切断の部位に直接組み込まれることは示されなかった。そのため、細胞中の所望のドナー核酸の標的化挿入が内因性の遺伝子座で正確な、研究者の特定した対立遺伝子を生成することを可能にするために、追加の方法および組成物が依然として必要である。
要旨
本発明の開示は、非相同末端結合(NHEJ)経路を利用する細胞中へのドナー核酸分子の挿入のための方法および組成物を提供する。詳細には、本発明は、ヌクレアーゼ切断によって作成される標的配列中の5’オーバーハング中に含まれる配列情報を用いて、染色体配列の望ましくない獲得または損失なしに、断裂ポイント(break point)およびインサートDNAにDNAを追加する。対照的に、ブラントエンド(平滑末端)を用いるかまたは制限酵素で生成されたオーバーハングを用いるフラグメントの同時トランスフェクションに関与する以前の技術は、フラグメント結合のために必要なマイクロホモロジーを明らかにするために、標的およびドナーの切除の両方を要する。染色体およびドナー配列保護がほぼ不可能であることで、直接のDNA付加のためのこのような以前のアプローチの有用性は低下する。
従って、本発明は、外因性(ドナー)核酸、これらの核酸を含む組成物、ならびにこれらのドナー分子を作製および用いる方法を提供する。一態様では、本明細書に記載されるドナー分子は、DSBのいずれかの側に隣接する配列に対して相補的な一本鎖DNA配列の短い領域を含む。一般には、本明細書に記載されるドナー分子は、二本鎖の直鎖状核酸分子の一方または両方の末端に一本鎖相補性領域を有する二本鎖である。ドナー分子の一本鎖領域(複数可)は、任意の長さであってもよい。特定の実施形態では、一本鎖領域(複数可)は、約1ヌクレオチド〜10ヌクレオチド(1、2、3、4、5、6、7、8、9および10ヌクレオチド長を含む)である。いくつかの実施形態では、この一本鎖領域(複数可)は、約4ヌクレオチドを含み、そしていくつかの実施形態では、この一本鎖領域(複数可)は、約5ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、この一本鎖相補性領域は、直鎖状ドナー分子の一方の末端上のみである。
一態様では、本明細書に記載されるのは、挿入されるべき目的の配列に隣接する約1〜10ヌクレオチド(すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10ヌクレオチド)の一本鎖相補性領域を含む直鎖状核酸分子(ドナー分子)である。特定の実施形態では、直鎖状ドナー分子は導入される細胞中に安定に存続する。他の実施形態では、直鎖状ドナー分子は、例えば、ドナー分子の末端上の1つ以上の塩基対の間に1つ以上のホスホロチオエートホスホジエステル結合を配置することによって、エキソヌクレアーゼ分解切断に耐えるように改変される。特定の実施形態では、このドナー分子は、このドナー分子の末端または内部領域内に修飾されたヌクレオチド(例えば、メチル化)または天然ではないヌクレオチドアナログを含む。
ドナー分子の目的の配列は、機能的なポリペプチドをコードする1つ以上の配列(例えば、cDNA)を、プロモーターの有無とともに含み得る。特定の実施形態では、核酸配列は、抗体、抗原、酵素、成長因子、レセプター(細胞表面または核)、ホルモン、リンホカイン、サイトカイン、レポーター、任意の上記の機能的なフラグメント、および上記の組み合わせをコードする配列を含む。機能的なポリペプチドコード配列がプロモーターである実施形態では、次いで、組み込まれた配列の発現は、内因性プロモーター、または目的の領域内の他の制御エレメントによって駆動される転写によって保証される。他の実施形態では、「タンデム」カセットは、この方式で選択部位に組み込まれ、このカセットの第一の成分は、上記に記載されるようなプロモーターなしの配列、続いて転写終結配列、および自律発現カセットをコードする第二の配列を含む。追加の配列(コード配列または非コード配列)は、2Aペプチド、SA部位、IRESなどをコードする配列を含むがこれに限定されない相同性アームの間のドナー分子内に含まれてもよい。特定の実施形態では、ドナー核酸は、機能的なRNA、例えば、miRNAまたはshRNAをコードする配列を含む。
いくつかの実施形態では,ドナー分子の目的の配列は、非コード配列である、1つ以上の配列を含んでもよい。特定の実施形態では、非コード配列は、部位特異的なリコンビナーゼ、トランスポサーゼまたはインテグラーゼ系、例えばCre、FLP、またはスリーピング・ビューティー(Sleeping Beauty)認識部位の組み込み部位を含む。1つ以上のコード配列と1つ以上の非コード配列との組み合わせもまた、ドナー分子に含まれてもよい。特定の実施形態では、次に、導入された組み込み部位をさらに用いて、他の所望の核酸を組み込む。例えば、ドナー核酸上に含まれるloxP部位は、所望の標的位置に対して本発明のNHEJ依存性の方法を介して導入され得る。次いで、Creリコンビナーゼが細胞中で発現され得、目的の追加の核酸の挿入を可能にするが、この追加の核酸はまた、loxP部位も含む。この方法では、本発明の方法を介したloxP部位の追加により、目的の位置での広範な核酸の挿入が容易になる。
別の態様では、本明細書に記載されるのは、細胞のゲノムへ本明細書に記載されるようなドナー核酸を組み込む方法である。この方法は、ドナー核酸がDSBの部位に組み込まれるように、細胞のゲノム中に二本鎖断裂(DSB)を作成することを包む。上記で注記のとおり、ドナー配列は、DSBの位置で細胞のゲノム中へ標的方式で組み込まれ得る。DSBは、任意の機構によって作成され得る。特定の実施形態では、DSBは、ジンクフィンガー結合ドメイン(目的の領域内に配列を結合するように遺伝子操作されている)および切断ドメインまたは切断ハーフドメインを含む融合タンパク質である1つ以上のジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)によって作成される。他の実施形態では、DSBは、1つ以上のメガヌクレアーゼ(標的部位に結合するように遺伝子操作された天然に存在するかまたは天然には存在しないメガヌクレアーゼ)によって作成される。他の実施形態では、DSBは、ヌクレアーゼドメイン(TALEN)に融合された、1つ以上のTALE DNA結合ドメイン(天然に存在するかまたは天然には存在しない)によって作成される。
別の態様では、本明細書に提供されるのは、細胞のゲノム中の目的の領域中に本明細書に記載のような外因性の配列を組み込むための方法であり、この方法は以下:(a)細胞中で融合タンパク質を発現することであって、この融合タンパク質が、DNA−結合ドメイン(例えば、ジンクフィンガーまたはTALE結合ドメイン)および切断ドメインまたは切断ハーフドメインを含み、ここでDNA−結合ドメイン(例えば、ジンクフィンガーまたはTALE結合ドメイン)が、細胞のゲノム中の目的の領域における標的部位に結合するように遺伝子操作されていることと;(b)細胞を本明細書に記載のようなドナーポリヌクレオチドと接触することであって、ここで標的部位に対する融合タンパク質の結合が、目的の領域中の細胞のゲノムを切断し、それによって、目的の領域中の細胞のゲノムに外因性配列の組み込みを生じることと、を含む。
特定の実施形態では、この方法は、(a)細胞中で第一の融合タンパク質を発現する工程であって、この第一の融合タンパク質が、第一のDNA結合ドメインおよび第一の切断ハーフドメインを含み、ここでこの第一のDNA−結合ドメインが、、細胞のゲノム中の目的の領域における第一の標的部位に結合するように遺伝子操作されている工程と;(b)細胞中で第二の融合タンパク質を発現する工程であって、この第二の融合タンパク質が、第二のDNA結合ドメインおよび第二の切断ハーフドメインを含み、ここでこの第二のDNA結合ドメインが、細胞のゲノム中の目的の領域における第二の標的部位に結合し、ここでこの第二の標的部位が、第一の標的部位とは異なる工程と;(c)この細胞を、本明細書に記載のような一本鎖相補性領域を含む外因性ドナー分子と接触させる工程であって、ここでこの第一の標的部位に対する第一の融合タンパク質の結合、および第二の標的部位に対する第二の融合タンパク質の結合は、目的の領域内で細胞のゲノムが切断されるように切断ハーフドメインを配置し、これによって、目的の領域内の細胞のゲノム中に外因性のドナー分子の組み込みが生じる工程とを含む。
特定の実施形態では、この方法は、(a)細胞中で第一の融合タンパク質を発現する工程であって、この第一の融合タンパク質が、第一のDNA結合ドメインおよび第一の切断ハーフドメインを含み、ここでこの第一のDNA−結合ドメインが、細胞のゲノム中の目的の領域における第一の標的部位に結合するように遺伝子操作されている工程と;(b)細胞中で第二の融合タンパク質を発現する工程であって、この第二の融合タンパク質が、第二のDNA結合ドメインおよび第二の切断ハーフドメインを含み、ここでこの第二のDNA結合ドメインが、細胞のゲノム中の目的の領域における第二の標的部位に結合し、ここでこの第二の標的部位が、第一の標的部位とは異なる工程と;(c)この細胞中で第三の融合タンパク質を発現する工程であって、この第三の融合タンパク質が、第三のDNA結合ドメインおよび第三の切断ハーフドメインを含み、ここでこの第三のDNA結合ドメインが、この細胞のゲノム中の目的の領域における第三の標的部位に結合するように遺伝子操作されており;ここでこの第三の標的部位が、第一および第二の標的部位とは異なる工程と;(d)この細胞中で第四の融合タンパク質を発現する工程であって、この第四の融合タンパク質が、第四のDNA結合ドメインおよび第四の切断ハーフドメインを含み、ここでこの第四のDNA結合ドメインが、この細胞のゲノム中の目的の領域における第四の標的部位に結合し;ここでこの第四の標的部位が、第一、第二および第三の標的部位とは異なる工程と;(e)この細胞を、本明細書に記載のような一本鎖相補性領域を含む外因性ドナー分子と接触させる工程であって、ここでこの第一の標的部位に対する第一の融合タンパク質の結合、および第二の標的部位に対する第二の融合タンパク質の結合は、ならびにここでこの第三の標的部位に対する第三の融合タンパク質の結合、および第四の標的部位に対する第四の融合タンパク質の結合は、目的の領域内で細胞のゲノムが切断されるように切断ハーフドメインを配置し、これによって、もとのゲノムストレッチの目的の領域内の細胞のゲノム中への外因性ドナー分子の組み込みを生じ、これによってドナー特異的なストレッチでのその領域の置換と同時に起こるゲノム中の欠失を作成する工程とを包む。
本明細書に記載の任意の方法では、ドナーポリヌクレオチドは、配列が細胞のゲノムに挿入される、機能的なポリペプチドをコードする配列を含む。
さらに、本明細書に記載の任意の方法では、第一および第二の切断ハーフドメインは、IIS型制限エンドヌクレアーゼ、例えば、FokIまたはStsI由来であり得る。さらに、本明細書に記載の任意の方法では、融合タンパク質の少なくとも1つは、切断ハーフドメインの二量体化の境界面のアミノ酸配列中に変更を含み得、例えば、その結果、切断ハーフドメインの偏性のヘテロ二量体が形成される。あるいは、本明細書に記載の任意の方法では、切断ドメインは天然に存在するか、または天然には存在しない(遺伝子操作された)メガヌクレアーゼであり得る。
本明細書に記載の任意の方法では、細胞は、哺乳動物細胞、例えば、ヒト細胞であってもよい。さらに、細胞は、細胞周期のG2期で停止され得る。本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態では、細胞は、効果的な相同性ベースのDNA修復を欠く細胞であってもよい。特定の実施形態では、細胞は、NHEJ DNA修復経路を優先的に用いる初代細胞または非分裂細胞であってもよい。いくつかの実施形態では、細胞は、植物細胞であっても真菌細胞であってもよい。他の実施形態では、本明細書に記載の方法は、配列決定されてないゲノムを有する細胞中で用いられてもよい。
図1、パネルAおよびBは、ZFNによって作成されるオーバーハング型の分析を示す。図1Aは、ZFNオーバーハングを決定するためのスキームを示す。ZFE切断部位を有するスーパーコイル状のプラスミドは、インビトロで転写され翻訳されたZFNの滴定によって切断される。ZFN線形化プラスミドは、ゲル電気泳動によって精製し、5’オーバーハングをクレノウ(Klenow)ポリメラーゼ(グレーヌクレオチド)で充填し、得られた平滑末端(ブラントエンド)をライゲーションする。この混合物を、ハイスループットDNA配列決定に供する。パネルBは、コントロールの制限酵素(HindIII)およびこの作業で用いた3つのZFN対によって生成されるオーバーハング型を示す。明瞭性のために、DNA鎖は1つだけ示す。酵素結合部位は、グレーで示す;隣接する3つのヌクレオチドのみを、ZFN結合部位について示す。一時切断部位、黒い三角;二次および三次切断部位はそれぞれ、濃いグレーおよび薄いグレーの三角;欠失、Δ。標的部位内のマイクロホモロジーは、オーバーハング型のあいまいな推論を妨げ得る。このような状況では、可能なオーバーハングが、連結された三角として示される。2つの示されたチミジン残基のいずれかは、HindIII消化後に欠失されてもよい。 図2、パネルA〜Dは、非相同末端結合を介した標的化DNA組み込みを示す。図2Aは、4bpの5’オーバーハングを生じるAAVS1遺伝子座でのZFN切断、続いて相補的なオーバーハングドナーのインビボライゲーションの図を示す。このドナーは、BamHIおよびEcoRIの両方の制限酵素部位を含む。 図2Bは、K562細胞中のAAVS1遺伝子座でNHEJベースの捕獲を測定するPCR−ベースのRFLPノックイン(knock in)(Urnovら、(2005)Nature 435(7042):646〜651)アッセイの結果を示す。示したオーバーハング型を有するドナーDNAの3つの10倍希釈を、AAVS1 ZFNで同時にトランスフェクトした。この実験中の全てのドナーは、末端のホスホロチオエート残基を含んだ。 図2Cは、CHO−K1細胞中のGS遺伝子座でNHEJ−ベースの捕獲を測定するPCR−ベースのRFLPノックインアッセイの結果を示す。示したオーバーハング型を有するドナーDNAの4つの10倍希釈およびホスホロチオエート用法を、GS ZFNで同時にトランスフェクトした。 図2Dは、相同性指向修復を介したGSの標的化組み込みを示す。CHO−K1細胞を、17bpのパッチを挿入するように設計したプラスミドドナー(P)の有無でトランスフェクトした。パッチの正確な挿入は、BamHI消化の際に884bpおよび778bpのフラグメントを生じる(レーン8)。図2B〜2Dについては、改変(修飾)された染色体の割合およびレーンの構成内容を、各々のレーンの下に、それぞれ黒およびグレーの文字で示す;用いられる分子量マーカーの位置は、ゲルの左側上にグレーの文字で示す。 図3、パネルA〜Cは、非相同末端結合を介した欠失中への標的化DNA組み込みを示す。図3Aは、POU5F1での二重ZFN切断を示す概略図であり、これは、左ZFN対由来の5bpの5’オーバーハング、および右ZFN対由来の4bpの5’オーバーハング、続いて相補的なオーバーハングドナーのインビボライゲーションを生じる。このドナーは、BamHIおよびEcoRIの両方の制限酵素部位を含む。 図3Bは、PCRによって検出される、K562細胞中のPOU5F1欠失で、およびCHO−K1細胞におけるBAKでのNHEJ捕獲を示す。左(L)および右(R)のZFN対を、個々におよび組み合わせ(LR)で、ドナー同時トランスフェクションの有り(+)および無し(−)でトランスフェクトした。有意なPCR産物の大きさを、ゲルの右側に、左カラムにPOU5F1を、右側にBAKを示す。ドナー配列の捕獲は、PCR中で二重に生じる(例えば、図3B中のレーン7、14および21)。欠失は異種であるので、それらの予想サイズを、波形で示す。POU5F1で行われる比較的小さい欠失に起因して、野生型遺伝子座の増幅を示し(1956bp)、同様に、約907bpのPCR媒介性欠失生成物は、POU5F1のイントロン2における2つのAluエレメントのアニーリングによって形成される可能性が高い。ゲルの下に示される欠失の定量は、大きい文字で示す細胞プールの独立した分析からである。 図3Cは、POU5F1およびBAK欠失中への制限部位を含むドナー分子の標的化組み込みを確認する制限酵素消化を示す。図3Bにおけるレーン3、6、7、11、14、15、18、21および22由来のPCR反応を3つに分け、三分の一は左の未切断(ブランク)、三分の一をBamHI(B)で消化、そして三分の一をEcoRI(E)で消化した。BamHIおよびEcoRI消化生成物の大きさを、ゲルの右側に示し、左のカラムにPOU5F1、右にBAKを示す。消化されたDNAの量を濃度測定によって決定した。 図4は、オフターゲットのZFN作用の分析を示す。サンプルは、ZFNのみ、ドナーのみ、およびZFNに加えてドナーで処理し、次いで、オリゴヌクレオチドの接合部および各々のオフターゲットの遺伝子座に特異的なPCRによって上の10個の潜在的なAAVS1オフターゲット部位でのオフターゲットオリゴヌクレオチド組み込みについて分析した。オフターゲット組み込みから期待されるPCR産物の大きさを各々のレーンの下に示す。 図5、パネルA〜Dは、TALEN対による切断後のNHEJによって媒介されるオリゴヌクレオチド二重鎖の捕獲を示す。図5Aは、NTF3標的遺伝子座のストレッチ(トップ)およびこの研究で用いられるオリゴヌクレオチド二重鎖のうちの1つである(ボトム、配列番号94〜97)の略図を示す。NT−L+28およびNT−R+63の結合部位を、トップの配列で下線付けする。二重鎖(5’CTGG)を最も効率的に捕獲する切断オーバーハングもまた強調する(ボックスで囲む)。図5B(配列番号98〜101)は、NTF3標的遺伝子座のストレッチ(トップ)および本研究で用いられる第二のオリゴヌクレオチド二重鎖(ボトム)の略図を示す。NT−L+28およびNT−R+63の結合部位は、トップの配列で下線付けする。この第二の二重鎖(5’TGGT)を最も効率的に捕獲する切断オーバーハングもまた強調する。図5C(配列番号102〜104)は、オリゴヌクレオチド二重鎖の組み込み後の予想配列およびドナーの存在下でK562細胞中のTALENの発現後に回収された配列を示す。これはまた、本研究で得られた接合部の配列も示す。図5D(配列番号105〜109)は、図5B由来のオリゴヌクレオチドドナーを用いる結果を示す、ここでは、4bpのオーバーハングは、図5Cに用いられる二重鎖に対して1塩基ずつシフトされる。図5Dのボトムに示されるのは、NHEJ媒介性の捕獲の前に生じる切除術と一致する短い欠失を示す、本実験で得られる配列である。
詳細な説明
本開示は、ゲノム中の目的の領域への標的化組み込み(TI)に有用な外因性の(ドナー)ポリヌクレオチドに関する。具体的には、本明細書に記載されるドナーポリヌクレオチドは、約1〜10ヌクレオチドである一本鎖相補性配列を含む直鎖状分子である。一本鎖相補性領域は、典型的には、非相同末端結合(NHEJ)機構を介して、細胞のゲノム中に挿入されるべき目的の1つ以上の配列に隣接する。これらのドナー分子は、切断ドメイン(または切断ハーフドメイン)およびDNA結合ドメイン(および/またはこれらのタンパク質をコードするポリヌクレオチド)を含む融合タンパク質(ジンクフィンガーまたはTALEヌクレアーゼ)と組み合わせて用いられる場合、ゲノム中の目的の特定の領域に組み込まれる。DNA結合ドメインは1つ以上のジンクフィンガー(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9またはそれ以上のジンクフィンガー)、または1つ以上のTALE DNA結合ドメインを含んでもよく、そして目的の領域内の任意の配列に対して結合するように遺伝子操作されてもよい。これらのヌクレアーゼの存在下では、記載される直鎖状のドナーポリヌクレオチドを、NHEJ依存性の方法によって切断部位中に高率で組み込む。
本明細書に記載される方法および組成物の利点としては、初代細胞および/または非分裂細胞のような、相同性駆動DNA修復なしに、細胞中でNHEJ依存性の標的組み込み(NHEJベースの捕獲)を用いる能力が挙げられる。本明細書に記載される方法は、標的化組み込みを可能にする短い(約1〜10ヌクレオチドの)一本鎖相補性領域に依拠するので、DSB部位に隣接する配列同一性の大きい領域に関する知識は、必要がない。相同性指向性の標的化組み込みと対照的に、隣接するDNA(ヌクレアーゼ切断によって作成されるオーバーハングを超える)に対するこの非感受性によって、ゲノム配列の知識が限られているゲノムを有する生物体中への標的化挿入が可能になる。いくつかの場合には、ドナー分子は、PCR増幅または化学造成によって作製されてもよく、従って、即時使用のために数時間内に構築され得、これによって目的の核酸の迅速な実験および挿入が可能になる。さらに、本明細書に記載の直鎖状ドナーの使用によって、宿主細胞によるプラスミドドナーの安定な維持の現象が軽減または排除される。本発明の方法および組成物はまた、正確な接合部が、ドナー挿入の部位で必要である場合、用いられてもよい。これは、オープンリーディングフレーム中にコード配列を挿入する場合に重要である。なぜなら、これは、ドナー組み込み後のフレームシフトの導入(ナンセンス対立遺伝子またはミスセンス対立遺伝子を生じる場合が多い)変異の可能性を排除するからである。
概略
本明細書で開示する方法の実践、ならびに組成物の調製と使用は、別段示さない限り、分子生物学、生化学、クロマチン構造および分析、計算化学、細胞培養、組み換えDNA、および関連分野における従来の技術を、当該分野の技術範囲内であるものとして使用する。これらの技術は、文献に詳細に説明されている。例えば、Sambrookら、MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL,第2版,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989および第3版,2001、Ausubelら、CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY,John Wiley&Sons,New York,1987および定期改訂版、METHODS IN ENZYMOLOGYシリーズ,Academic Press,San Diego、Wolffe,CHROMATIN STRUCTURE AND FUNCTION,第3版,Academic Press,San Diego,1998、METHODS IN ENZYMOLOGY,Vol.304,「Chromatin」(P.M.WassarmanおよびA.P.Wolffe,編集),Academic Press,San Diego,1999、ならびにMETHODS IN MOLECULAR BIOLOGY,Vol.119,「Chromatin Protocols」(P.B.Becker,編集)Humana Press,Totowa,1999を参照のこと。
定義
「核酸」「ポリヌクレオチド」、および「オリゴヌクレオチド」という用語は、互換的に使用され、線状または環状の高次構造で、一本鎖または二本鎖形態の、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドポリマーを指す。本開示の目的に関しては、これらの用語をポリマーの長さに関する限定と解釈すべきではない。この用語は、天然ヌクレオチドの公知のアナログ、ならびに塩基、糖、および/またはリン酸部分(例えば、ホスホロチオエート主鎖)内で改変されるヌクレオチドを包含し得る。一般に、特定ヌクレオチドのアナログは、同一の塩基対形成特異性を有し、すなわち、Aのアナログは、Tと塩基対を形成する。
「ポリペプチド」「ペプチド」および「タンパク質」という用語は、アミノ酸残基のポリマーを指して互換可能に用いられる。この用語はまた、1つ以上のアミノ酸が、対応する天然に存在するアミノ酸の化学的アナログまたは改変誘導体である、アミノ酸ポリマーにも適用される。
「結合」とは、高分子間(例えば、タンパク質と核酸との間)の配列特異的で、非共有結合的な相互作用を指す。結合相互作用が全体として配列特異的であるかぎり、結合相互作用の全ての構成要素が配列特異的である必要はない(例えば、DNA骨格中のリン酸残基との接触)。そのような相互作用は、一般に、10-6-1以下の解離定数(Kd)によって特徴付けられる。「親和性」とは、結合強度を指し:結合親和性の増加は、Kdの低下と相関する。
「結合タンパク質」とは、別の分子に非共有結合的に結合することが可能なタンパク質である。結合タンパク質は、例えば、DNA分子(DNA結合タンパク質)、RNA分子(RNA結合タンパク質)、および/またはタンパク質分子(タンパク質結合タンパク質)に結合することができる。タンパク質結合タンパク質の場合においては、それは、それ自体に結合する(その結果、ホモ二量体、ホモ三量体などを形成する)ことが可能であり、および/または異なるタンパク質(複数可)の1つ以上の分子に結合することが可能である。結合タンパク質は、2種類以上の結合活性を有することができる。例えば、ジンクフィンガータンパク質は、DNA結合、RNA結合、およびタンパク質結合活性を有する。
「ジンクフィンガーDNA結合タンパク質」(または結合ドメイン)とは、1つ以上のジンクフィンガー(それは、亜鉛イオンの配位によって安定化される構造を有する結合ドメイン内のアミノ配列の領域である)によって配列特異的な形でDNAを結合するタンパク質、またはより大きなタンパク質内のドメインである。ジンクフィンガーDNA結合タンパク質という用語は、しばしば、ジンクフィンガータンパク質またはZFPと略称される。
ジンクフィンガー結合ドメインは、所定のヌクレオチド配列に結合されるように「遺伝子操作する(engineered)」ことができる。ジンクフィンガータンパク質を操作するための方法の非限定的な例は、設計(デザイン)および選択である。設計されたジンクフィンガータンパク質は、天然に存在しないタンパク質であり、その設計/組成は、主として合理的な基準からもたらされる。設計のための合理的基準としては、置換規則の適用、ならびに既存のZFP設計および結合データの情報を格納したデータベース中の情報を処理するためのコンピュータアルゴリズムの適用が挙げられる。例えば、米国特許第6,140,081号、同第6,453,242号、および同第6,534,261号を参照のこと;また国際公開第98/53058号、同第98/53059号、同第98/53060号、同第02/016536号、および同第03/016496号も参照のこと。
「選択された」ジンクフィンガータンパク質は、天然には見出されないタンパク質であり、その産生は主に、ファージディスプレイ、相互作用トラップ、またはハイブリッド選択などの実験的プロセスによってもたらされる。例えば、米国特許第5,789,538号、米国特許第5,925,523号、米国特許第6,007,988号、米国特許第6,013,453号、米国特許第6,200,759号、国際公開第95/19431号、国際公開第96/06166号、国際公開第98/53057号、国際公開第98/54311号、国際公開第00/27878号、国際公開第01/60970号、国際公開第01/88197号、および国際公開第02/099084号を参照のこと。
「配列」という用語は、任意の長さのヌクレオチド配列を指し、それは、DNAまたはRNAであってもよく、線状、環状または分岐状であってもよく、一本鎖または二本鎖のいずれかであってもよい。「ドナー配列」という用語は、ゲノム内に挿入されるヌクレオチド配列を指す。ドナー配列は、任意の長さ、例えば、2〜10,000長(またはそれらの間もしくはそれ以上の任意の整数)のヌクレオチド、好ましくは、約100〜1,000長(またはそれらの間の任意の整数値)のヌクレオチド、より好ましくは、約200〜500長のヌクレオチドであってもよい。
「相同的非同一配列」とは、第二の配列とある程度の配列同一性を共有するが、それらの配列が第二の配列の配列とは同一ではない、第一の配列を指す。例えば、変異体遺伝子の野生型配列を含むポリヌクレオチドは、変異体遺伝子の配列に対して相同かつ非同一である。特定の実施形態においては、2つの配列間の相同性の程度は、通常の細胞機構を利用して、それらの間での相同組み換えを可能とするのに十分である。2つの相同非同一配列は、任意の長さであってもよく、それらの非相同性の度合は、単一ヌクレオチドという小さなもの(例えば、ゲノム点突然変異を標的化相同組み換えによって修正するため)、または10キロベース以上の塩基という大きなもの(例えば、染色体中の所定の異所部位に遺伝子を挿入するため)であってもよい。相同非同一配列を含む2つのポリヌクレオチドが同一の長さである必要はない。例えば、20〜10,000個のヌクレオチドまたはヌクレオチド対の外来ポリヌクレオチド(すなわち、ドナーポリヌクレオチド)を用いてもよい。
核酸およびアミノ酸の配列同一性を決定するための技術は、当該分野において公知である。典型的に、そのような技術としては、遺伝子のmRNAのヌクレオチド配列を決定すること、および/またはそれによってコードされるアミノ酸配列を決定すること、ならびにそれらの配列を第二のヌクレオチドまたはアミノ酸配列と比較すること、が挙げられる。ゲノム配列もまた、この方法で決定し、比較することができる。一般に、同一性とは、それぞれ、2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の、厳密なヌクレオチド対ヌクレオチド、またはアミノ酸対アミノ酸対応を指す。2つ以上の配列(ポリヌクレオチドまたはアミノ酸)は、それらの同一性パーセントを決定することによって比較することができる。2つの配列の同一性パーセントは、核酸またはアミノ酸配列を問わず、2つの整列された配列間の厳密な合致数を短い方の配列の長さで割り、100をかけたものである。本明細書で説明する配列に関して、望ましい配列同一性の度合の範囲は、約80%〜100%、およびそれらの間の任意の整数である。典型的に、配列間の同一性パーセントは、少なくとも70〜75%、好ましくは、80〜82%、より好ましくは、85〜90%、さらに好ましくは、92%、より一層好ましくは、95%、最も好ましくは、98%の配列同一性である。
「組み換え」とは、2つのポリヌクレオチド間で遺伝情報が交換されるプロセスを指す。本開示の目的に関して、「相同組み換え(HR)」とは、例えば、細胞において二本鎖切断の修復中等に起こるそのような交換の特殊な形態を指す。このプロセスには、ヌクレオチド配列相同性を必要とし、「標的」分子(すなわち、二本鎖断裂を受けた分子)のテンプレート修復に対して「ドナー」分子を用い、かつそれは、ドナーから標的への遺伝情報の移動をもたらすという理由で、「非交差遺伝子変換(non−crossover gene conversion)」または「ショートトラクト遺伝子変換(short tract gene conversion)」として、様々な名称で公知である。いかなる特定の理論にも束縛されることは望まないが、そのような移動は、切断された標的とドナーとの間に形成されるヘテロ二重鎖DNAのミスマッチ修正、および/または、標的の一部になる遺伝情報の再合成にドナーが使用される「合成依存的鎖アニーリング」、および/または関連のプロセスを含み得る。そのような特殊なHRは、ドナーポリヌクレオチドの配列の一部または全部が標的ポリヌクレオチドに組み込まれるような、標的分子配列の変更をもたらす場合が多い。
「切断」とは、DNA分子の共有結合骨格の破壊を指す。切断は、リン酸ジエステル結合の酵素的または化学的加水分解が挙げられるが、これらに限定されない、種々の方法によって開始することができる。一本鎖切断および二本鎖切断の両方とも可能であり、二本鎖切断は、2つの異なる一本鎖切断事象の結果として生じ得る。DNA切断は、平滑末端または互い違いの(スタガード)末端のいずれかの産生を生じ得る。特定の実施形態においては、融合ポリペプチドが、標的化二本鎖DNA切断に用いられる。
「切断ドメイン」は、DNA切断のための触媒活性を有する1つ以上のポリペプチド配列を含む。切断ドメインは、単一ポリペプチド鎖に含まれてもよく、または切断活性は、2つ(またはそれ以上)のポリペプチドの会合から生じ得る。
「切断ハーフドメイン」は、第二のポリペプチド(同一または異なるいずれか)と併せて、切断活性(好ましくは、二本鎖切断活性)を有する複合体を形成するポリペプチド配列である。
「クロマチン」とは、細胞ゲノムを含む核タンパク質構造である。細胞クロマチンは、核酸、主にDNA、ならびに、ヒストンおよび非ヒストン染色体タンパク質を含めてタンパク質を含む。真核細胞クロマチンの大半は、ヌクレオソームの形態で存在し、そこでは、ヌクレオソームコアが、2つのヒストンH2A、H2B、H3およびH4のうちそれぞれ2つを含む八量体と会合した約150塩基対のDNAを含み;そしてリンカーDNA(生物に依存して長さはさまざま)がヌクレオソームコアの間に延在する。1分子のヒストンH1は、一般にリンカーDNAと会合する。本開示の目的に関して、「クロマチン」という用語は、原核性および真核性の両方のあらゆる種類の細胞核タンパク質を包含することを意味する。細胞クロマチンは、染色体およびエピソームクロマチンの両方を含む。
「染色体」とは、細胞のゲノムの全てまたは一部を含むクロマチン複合体である。細胞のゲノムは、しばしば、その細胞のゲノムを含む全染色体の集合である、その核型によって特徴付けられる。細胞のゲノムは、1つ以上の染色体を含んでもよい。
「エピソーム」とは、細胞の染色体核型の一部ではない核酸を含む、複製する核酸、核タンパク質複合体、または他の構造である。エピソームの例としては、プラスミドおよび一定のウイルスゲノムが挙げられる。
「アクセス可能領域、接近可能領域」とは、核酸に存在する標的部位が、標的部位を認識する外因性分子に結合され得る、細胞のクロマチン中の部位である。いかなる特定の理論によっても束縛されることは望まないが、アクセス可能領域とは、ヌムレオソーム構造へパッケージングされない領域であると考えられる。アクセス可能領域の別個の構造は、化学的および酵素的なプローブ例えば、ヌクレアーゼに対するその感受性によって検出され得る場合が多い。
「標的部位」または「標的配列」とは、結合にとって十分な条件が存在する条件下で結合分子が結合するであろう核酸の一部を規定する、核酸配列である。例えば、配列5’−GAATTC−3’は、EcoRI制限エンドヌクレアーゼの標的部位である。
「外因性、外来」分子とは、通常は細胞内に存在しないが、1つ以上の遺伝学的、生化学的、または他の方法によって細胞内に導入することができる分子である。「通常は細胞内に存在」とは、細胞の特定の発生段階および環境条件に関して決定される。従って、例えば、筋の胚発生中のみに存在する分子は、成体筋細胞については外因性分子である。同様に、熱ショックによって誘導される分子は、非熱ショック細胞については外因性分子である。外因性分子は、例えば、任意のポリペプチドまたはそのフラグメントのコード配列、機能不全型内因性分子の機能性バージョンまたは正常機能性の内因性分子の機能不全バージョンを含み得る。外因性分子はまた、内因性分子と同じ種類の分子であってもよいが、その内因性分子が由来する種とは異なる種に由来してもよい。例えば、ヒト核酸配列を、ハムスターまたはマウスに由来する細胞株中に導入してもよい。
外因性分子は、とりわけ、低分子、例えば、コンビナトリアルケミストリープロセスによって生成される低分子、または、高分子、例えば、タンパク質、核酸、糖質、脂質、糖タンパク質、リポタンパク質、多糖、上記分子の任意の改変誘導体、または1つ以上の上記分子を含む任意の複合体であってもよい。核酸としては、DNAおよびRNAが挙げられ、それは一本または二本鎖であってもよく、線状、分岐状または環状であってもよく、任意の長さであってもよい。核酸としては、二重鎖を形成できる核酸、ならびに三重鎖形成核酸が挙げられる。例えば、米国特許第5,176,996号および同第5,422,251号を参照のこと。ゲノムへの挿入のために標的化され得る外因性の核酸分子はまた、「ドナー」ポリヌクレオチドとも呼ばれる。タンパク質としては、限定するものではないが、DNA結合タンパク質、転写因子、クロマチンリモデリング因子、メチル化DNA結合タンパク質、ポリメラーゼ、メチラーゼ、デメチラーゼ、アセチラーゼ、デアセチラーゼ、キナーゼ、ホスファターゼ、インテグラーゼ、リコンビナーゼ、リガーゼ、トポイソメラーゼ、ジャイレースおよびヘリカーゼが挙げられる。
外因性分子は、内因性分子と同じの種類の分子、例えば、外因性タンパク質または核酸であってもよい。例えば、外因性核酸は、感染ウイルスゲノム、細胞中に導入されたプラスミドもしくはエピソーム、または細胞内に通常は存在しない染色体を含んでもよい。細胞中に外因性分子を導入するための方法は、当業者には公知であり、これには限定するものではないが、脂質媒介導入(すなわち、中性およびカチオン性脂質を含むリポソーム)、エレクトロポレーション、直接注入、細胞融合、微粒子銃、リン酸カルシウム共沈、DEAE−デキストラン媒介導入およびウイルスベクター媒介性の移入が挙げられる。
対照的に、「内因性」分子とは、特定の環境条件下で特定の発生段階にある特定の細胞内に通常存在する分子である。例えば、内因性核酸は、染色体、ミトコンドリア、クロロプラストもしくは他の細胞小器官のゲノム、または天然に存在するエピソーム核酸を含んでもよい。さらなる内因性分子は、タンパク質、例えば、転写因子および酵素を含んでもよい。
「融合」分子は、2つ以上のサブユニット分子が、好ましくは共有結合的に連結されている分子である。サブユニット分子は、同一の化学種の分子であってもよいし、または異なる化学種の分子であってもよい。第一の種類の融合分子の例としては、限定するものではないが、融合タンパク質(例えば、ZFP DNA結合ドメインと切断ドメインとの間の融合物)、および融合核酸(例えば、上記の融合タンパク質をコードする核酸)が挙げられるが、これらに限定されない。第二の種類の融合分子の例としては限定するものではないが、三重鎖形成核酸とポリペプチドとの間の融合物、およびマイナーグルーブバインダー(minor groove binder)と核酸との間の融合物が挙げられる。
細胞における融合タンパク質の発現は、細胞に融合タンパク質を送達することによって、または細胞に融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを送達し、そこで、ポリヌクレオチドが転写され、転写物が翻訳されて融合タンパク質を生成することによって、生じてもよい。トランススプライシング、ポリペプチド切断およびポリペプチド連結はまた、細胞におけるタンパク質の発現に関与することができる。細胞へのポリヌクレオチドおよびポリペプチドの送達の方法を、本開示の他所に提示する。
本開示の目的に関して、「遺伝子」とは、遺伝子産物(以下参照のこと)をコードするDNA領域、ならびに遺伝子産物の産生を調節する全てのDNA領域を含み、そのような調節配列がコード配列および/または転写配列に隣接しているか否かは問わない。従って、遺伝子としては、プロモーター配列、ターミネーター、翻訳調節配列、例えば、リボソーム結合部位および内部リボソーム侵入部位、エンハンサー、サイレンサー、インスレーター、境界エレメント、複製起点、マトリックス付着部位および遺伝子座制御領域が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されない。
「遺伝子発現」とは、遺伝子産物への遺伝子に含まれる情報の変換を指す。遺伝子産物は、遺伝子の直接転写産物(例えば、mRNA、tRNA、rRNA、アンチセンスRNA、リボザイム、構造RNAまたは他のあらゆる種類のRNA)、またはmRNAの翻訳によって産生されるタンパク質であってもよい。遺伝子産物としてはまた、キャッピング、ポリアデニル化、メチル化、および編集等のプロセスによって改変(修飾)されたRNA、ならびに、例えば、メチル化、アセチル化、リン酸化、ユビキチン化、ADPリボシル化、ミリスチリル化、およびグリコシル化によって改変(修飾)されたタンパク質が挙げられる。
遺伝子発現の「調節」とは、遺伝子の活性の変化を指す。発現の調節には、遺伝子活性化および遺伝子抑制を挙げることができるが、これらに限定されない。
「真核」細胞としては、限定するものではないが、真菌細胞(酵母など)、動物細胞、哺乳類細胞、およびヒト細胞が挙げられる。
「植物」細胞としては、限定するものではないが、単子葉植物(monocotyledonous)(単子葉類(monocotos))または双子葉植物(dicotyledonous)(双子葉類(dicots))が挙げられる。単子葉植物類の非限定的な例としては、穀物用植物、例えば、トウモロコシ、イネ、オオムギ、オートムギ、コムギ、ソルガム、ライムギ、サトウキビ、パイナップル、タマネギ、バナナおよびココナツが挙げられる。双子葉植物の非限定的な例としては、タバコ、トマト、ヒマワリ、ワタ、サトウダイコン、ジャガイモ、レタス、メロン、ダイズ、キャノーラ(アブラナ)およびアルファルファが挙げられる。植物細胞は、植物の任意の部分由来であっても、および/または植物の発生の任意の段階由来であってもよい。
「目的の領域」とは、例えば、遺伝子または遺伝子内のもしくはそれに隣接する非コード配列などの、その中で外因性分子と結合することが望ましい細胞クロマチンの任意の領域である。結合は、標的DNA切断および/または標的組み換えの目的のためであってもよい。目的の領域は、例えば、染色体、エピソーム、細胞小器官のゲノム(例えば、ミトコンドリア、クロロプラスト)、または感染ウイルスゲノム中に存在してもよい。目的の領域は、遺伝子のコード領域内であっても、転写非コード領域(例えば、リーダ配列、トレーラー配列またはイントロンなど)、またはコード領域の上流または下流のいずれかにある非転写領域内であってもよい。目的の領域は、長さが単一のヌクレオチド対程度の小さなものから最大2,000個のヌクレオチド対の長さ、または任意の整数値のヌクレオチド対にまで及んでもよい。
「セーフハーバー(safe harbor)」遺伝子座とは、ゲノム内の遺伝子座であって、ある遺伝子が宿主細胞になんら、有害な影響なしに挿入され得る遺伝子座である。最も有益なのは、挿入された遺伝子配列の発現が、近隣の遺伝子から任意の読み飛ばし(read−through)発現によって動揺されないセーフハーバーである。哺乳動物細胞におけるセーフハーバー遺伝子座の例は、AAVS1遺伝子(米国特許出願公開第20080299580号を参照のこと)またはCCR5遺伝子(米国特許出願公開第20080159996号を参照のこと)である。
「作動可能な連結」および「作動可能に連結される」(または「作動可能に連結される」)という用語は、2つ以上の構成要素(例えば、配列エレメント)の並列であって、ここでこの構成要素が、両方の構成要素が正常に機能し、かつその構成要素の少なくとも1つが他の構成要素の少なくとも1つに発揮される機能を媒介し得ることを可能にするように配列されている並列に関して交換可能に用いられる。実例として、転写調節性配列、例えば、プロモーターは、転写調節性配列が、1つ以上の転写調節性因子の有無に応答してコード配列の転写のレベルを制御する場合、コード配列に対して作動可能に連結されている。転写調節性配列は一般には、コード配列とcisで作動可能に連結されるが、そこに直接隣接する必要はない。例えば、エンハンサーとは、たとえ連続していない場合でさえ、コード配列に対して作動可能に連結されている転写調節性配列である。
融合ポリペプチドに関して、「作動可能に連結される」という用語は、それぞれの構成要素が、そのように連結されていない場合に、それが果たすのと同じ機能を他の構成要素に連動して実行するという事実を指し得る。例えば、ZFP DNA結合ドメインが切断ドメインに融合されている融合ポリペプチドに関して言えば、ZFP DNA結合ドメインおよび切断ドメインは、融合ポリペプチドにおいて、ZFPDNA結合ドメイン部分がその標的部位および/またはその結合部位に結合することが可能で、一方で切断ドメインがその標的部位の近傍でDNAを切断することが可能である場合に、作動的連結状態にある。
典型的な「コントロールエレメント」としては、限定するものではないが、転写プロモーター、転写エンハンサーエレメント、シス作用性転写調節性エレメント(転写調節因子、例えば、遺伝子の転写に影響するシス作用性エレメント、例えば、プロモーターの領域であって、転写因子が相互作用して遺伝子の発現を調節する領域)、転写終止シグナル、ならびにポリアデニル化配列(翻訳停止コドンに対して5’側に位置する)、翻訳の開始の最適化のための配列(コード配列に対して5’側に位置する)、翻訳増強配列、および翻訳終止配列が挙げられる。コントロールエレメントは、その機能的なフラグメントを含む、任意のポリヌクレオチド、例えば、約5〜約50ヌクレオチド(またはその間の任意の整数)の長さのポリヌクレオチド;好ましくは約5〜約25ヌクレオチド(またはその間の任意の整数)、なおさらに好ましくは約5〜約10ヌクレオチド(またはその間の任意の整数)、そして最も好ましくは9〜10ヌクレオチド由来である。転写プロモーターとしては、誘導性プロモーター(プロモーターに対して作動可能に連結されたポリヌクレオチド配列の発現が、分析物、補因子、調節性タンパク質などによって誘導される場合)、抑制性プロモーター(プロモーターに対して作動可能に連結されたポリヌクレオチド配列の発現が、分析物、補因子、調節性タンパク質などによって抑制される場合)、および構成的プロモーターが挙げられる。
「レポーター遺伝子」または「レポーター配列」とは、好ましくは慣用的なアッセイで容易に測定されるタンパク質産物を生成する任意の配列を指す。適切なレポーター遺伝子としては、限定するものではないが、Mell、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、発光タンパク質、例えば、GFP、ルシフェラーゼ、および/またはβガラクトシダーゼが挙げられる。適切なレポーター遺伝子はまた、チミジンキナーゼのようにインビボで測定され得、PETスキャニングまたはルシフェラーゼを用いてインビボで測定され得、全身発光画像化を介してインビボで測定され得るマーカーまたは酵素をコードし得る。選択マーカーはまた、レポーターの代わりに、またはそれに加えて用いられてもよい。陽性選択マーカーとは、この遺伝子を担持および発現する細胞のみが、特定の条件下で生存および/または増殖することができる産物をコードするポリヌクレオチドである。例えば、ネオマイシン耐性(Neor)遺伝子を発現する細胞は、化合物G418に耐性であるが、Neorを発現しない細胞は、G418によって死滅(skilled)させられる。陽性選択マーカーの他の例として、ハイグロマイシン耐性などが挙げられ、これらは、当業者に公知である。陰性選択マーカーは、この遺伝子を保有し、かつ発現する細胞のみが、特定の条件下で死滅させられるのを可能にする産物をコードするポリヌクレオチドである。例えば、チミジンキナーゼ(例えば、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ、HSV−TK)を発現する細胞は、ガンシクロビルが添加される場合、死滅する。他の陰性選択マーカーが、当業者に公知である。選択マーカーは導入遺伝子である必要はなく、そしてさらにレポーターと選択可能マーカーは、種々の組み合わせで用いられ得る。
タンパク質、ポリペプチドまたは核酸の「機能的なフラグメント」とは、タンパク質、ポリペプチド、または核酸であって、それらの配列が、全長タンパク質、ポリペプチド、または核酸と同一ではないが、全長タンパク質、ポリペプチド、または核酸と同一の機能を保持するものである。機能的フラグメントは、対応する天然分子より多いか、少ないか、または同じ数の残基を有してもよく、および/または1つ以上のアミノ酸またはヌクレオチド置換を含んでもよい。核酸の機能(例えば、コード機能、別の核酸にハイブリダイズする能力)を決定するための方法は、当該分野において周知である。同様に、タンパク質機能を決定するための方法は周知である。例えば、ポリペプチドのDNA結合機能は、例えば、フィルター結合、電気泳動移動度シフト、または免疫沈降アッセイによって決定することができる。DNA切断は、ゲル電気泳動によってアッセイすることができる(Ausubelら、(上記)を参照のこと)。あるタンパク質が別のタンパク質と相互作用する能力は、例えば、共免疫沈降、ツーハイブリッドアッセイ、または相補性(遺伝的相補性および生化学的相補性の両方)によって決定することができる。例えば、Fieldsら、(1989)Nature 340:245〜246、米国特許第5,585,245号、およびPCT国際公開第98/44350号を参照のこと。
概要
本明細書に記載されるのは、NHEJ経路を介して選択標的中にドナー配列を標的化組み込みするための方法および組成物である。これらの方法は、ヌクレアーゼ切断後の標的配列に残る一本鎖オーバーハングに対して相補的である1つ以上の短い一本鎖相補性領域を含むドナー分子を用いる。ヌクレアーゼ、例えば、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)またはTALエフェクターDNAドメイン(TALEN)を有するヌクレアーゼは、DNAを非対称的に切断し、個体のヌクレアーゼが反対側の鎖の上に6または5bp離れて結合する否かに依存して主に4または5bpのいずれかの5’オーバーハングを残す(Smith,J.ら、(2000)Nucleic Acids Res,28:3361〜3369)。より広いギャップで標的配列に結合するZFNまたはTALENの対は、より長いオーバーハングを残す可能性が高い。本明細書に記載される方法および組成物は、標的配列の5’オーバーハング中に含まれる配列情報を用いて、DSBに対してDNAを付加し、ここでこのドナーDNAは、挿入された配列の周囲の染色体配列の損失なしに挿入される。対照的に、平滑末端フラグメントの同時トランスフェクションには、フラグメントの連結のために必要なマイクロホモロジーの領域を生成するために、標的およびドナーの両方の切除を要し(Smithら、同書)そしてこの切除は、標的配列中で望ましくないかまたは制御できない変更を作成し得る。従って、本明細書に記載されるのは、ヌクレアーゼ(例えば、ZFNまたはTALEN)消化後に残るオーバーハング配列を有するドナー末端の正確なアニーリングを可能にする、一本鎖相補性領域を有するドナー配列を用いる、選択された遺伝子座での標的化組み込みのための方法および組成物、ならびに挿入部位に直に隣接する染色体配列情報の維持である。
外因性(ドナー)ポリヌクレオチド
本明細書に記載されるのは、選択された位置への挿入のための任意のポリヌクレオチドの標的化挿入の方法である。挿入のためのポリヌクレオチドはまた、「外因性」ポリヌクレオチドまたは「ドナー」ポリヌクレオチドと呼ばれてもよい。
驚くべきことに、約1〜10ヌクレオチドの短い一本鎖相補性領域を含む本開示の直鎖状ドナー配列は、細胞のゲノムの選択された標的領域中に効果的に組み込まれ得ることが本明細書で示される。一本鎖相補性領域は、ヌクレアーゼ消化後の標的配列中に残るオーバーハングに対して相補的である。
特定の実施形態では、本明細書に記載される一本鎖相補性領域は、約1〜10ヌクレオチド長(または、その間の任意の数であって、2、3、4、5、6、7、8および9ヌクレオチドを含む)である。いくつかの実施形態では、一本鎖相補性領域は、ドナー分子のトップ鎖の5’末端、およびドナーのボトム鎖の5’末端から延伸して、ドナー分子の各々の末端上に5’オーバーハングを作成する。他の実施形態では、一本鎖相補性領域は、ドナー分子のトップ鎖の3’末端、およびドナーのボトム鎖の3’末端から延伸して、3’オーバーハングを作成する。
本明細書に記載のドナー配列は、PCRのような当該分野で公知の標準的な技術を用いて、プラスミド、細胞または他の供給源から単離され得る。使用のためのドナーは、環状のスーパーコイル状の、環状の弛緩、および直鎖を含めて種々の種類の位相幾何学であり得る。あるいは、標準的なオリゴヌクレオチド合成技術を用いて化学的に合成されてもよい。さらに。ドナーをメチル化してもよいし、メチル化を欠いてもよい。
本明細書に記載される直鎖状ドナーポリヌクレオチドは、エキソヌクレアーゼ分解から直鎖状ドナーポリヌクレオチドを保護するために、例えば、末端ヌクレオチドの間で1つ以上のホスホロチオエートホスホジエステル結合を含んでもよい。これらの結合は、ドナー分子の5’および/または3’末端で2つ以上の位置であってもよく、標準的な方法論を用いて単離または合成の間に付加され得る。例えば、Ciafreら、(1995)Nucleic Acids Res.23(20):4134〜42;Johanssonら、(2002)Vaccine 20(27−28):3379〜88を参照のこと。あるいは、直鎖状ドナーポリヌクレオチドは、1つ以上の5’デオキシヌクレオチド、ビオチンおよび/1つ以上のアミン基を含んでもよく、その全てがエキソヌクレアーゼ分解を軽減することが示された。さらに、ドナー分子は、天然ではない塩基および/または骨格を含んでもよい。詳細には、メチル化シトシンを有するドナー分子の挿入は、目的の領域における転写休止の状態を達成するために本明細書に記載の方法を用いて行ってもよい。
外因性(ドナー)ポリヌクレオチドは、目的の任意の配列(外因性配列)を含んでもよい。例示的な外因性配列としては限定するものではないが、任意のポリペプチドコード配列(例えば、cDNA)、プロモーター配列、エンハンサー配列、エピトープタグ、マーカー遺伝子、切断酵素認識部位および種々の種類の発現構築物が挙げられる。マーカー遺伝子としては、限定するものではないが、抗生物質耐性(例えば、アンピシリン耐性、ネオマイシン耐性、G418耐性、ピューロマイシン耐性)を媒介するタンパク質をコードする配列、着色されるか、または蛍光または発光性のタンパク質(例えば、緑色蛍光タンパク質、増強された緑色蛍光タンパク質、赤色蛍光タンパク質、ルシフェラーゼ)をコードする配列、ならびに増強された細胞増殖および/または遺伝子増幅を媒介するタンパク質(例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素)をコードする配列が挙げられる。エピトープタグとしては、例えば、FLAG、His、myc、Tap、HAまたは任意の検出可能なアミノ酸配列の1つ以上のコピーが挙げられる。
挿入され得る追加の遺伝子配列としては、例えば、変異された配列を置換するための野生型遺伝子を挙げることができる。例えば、野生型第IX因子遺伝子配列は、遺伝子の内因性コピーが変異される肝細胞のゲノムに挿入され得る。野生型コピーは、内因性の遺伝子座に挿入されてもよいし、あるいは、セーフハーバー遺伝子座に標的されてもよい。
本明細書の教示によれば、このような発現カセットの構築は、分子生物学の当該分野で周知である方法論を利用する(例えば、AusubelまたはManiatisを参照のこと)。トランスジェニック動物を生成するための発現カセットの使用の前に、選択された制御エレメントに関連するストレス誘導因子に対する発現カセットの応答性は、適切な細胞株(例えば、初代細胞、形質転換された細胞、または不死化細胞株)へ発現カセットを導入することによって試験され得る。好ましい実施形態では、外因性配列は、限定するものではないが、抗体、抗原、酵素、レセプター(細胞表面または核)、ホルモン、リンホカイン、サイトカイン、レポーターポリペプチド、成長因子、および上記の任意の機能的なフラグメントを含む、細胞中での発現が所望される任意のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。このコード配列は、例えば、cDNAであってもよい。
例えば、外因性配列は、遺伝性疾患を患う被験体において欠けているか、または非機能的であるポリペプチドをコードする配列を含んでもよく、この遺伝的疾患としては限定するものではないが任意の以下の遺伝性疾患が挙げられる:軟骨形成不全、色覚異常、酸性マルターゼ欠損、アデノシン・デアミナーゼ欠損(OMIM番号102700)、副腎白質ジストロフィー、アイカルディ症候群、α−1抗トリプシン欠乏、α−セラセミア、アンドロゲン不感性症候群、アペール症候群、催不整脈性右室異形成、毛細血管拡張性運動失調、バース症候群、β−サラセミア、青色ゴムまり様母斑症候群、カナヴァン病、慢性肉芽腫性疾患(CGD)、猫鳴き症候群、嚢胞性線維症、有痛脂肪症、外胚葉異形成症、ファンコニ貧血、進行性骨化性線維形成異常症、脆弱性X症候群、ガラクトース血症、ゴーシェ病、全身性ガングリオシドーシス(例えば、GM1)、ヘモクロマトーシス、β−グロビンの6番目のコドンにおけるヘモグロビンC突然変異(HbC)、血友病、ハンチントン病、フルラー症候群、低ホスファターゼ血症、クラインフェルター症候群、クラッペ病、ランガー・ギーディオン症候群、白血病接着不全症(LAD、OMIM番号116920)、大脳白質萎縮症、QT延長症候群、マルファン症候群、メビウス症候群、ムコ多糖症(MPS)、爪・膝蓋骨症候群、腎性尿崩症、神経線維腫症、ニーマン・ピック病、骨形成不全症、ポルフィリン症、プラダーウィリ症候群、早老症、プロテウス症候群、網膜芽細胞腫、レット症候群、ルビンシュタイン・テイビ症候群、サンフィリポ症候群、重度複合免疫不全症(SCID)、シュワックマン症候群、鎌状赤血球症(鎌状赤血球貧血)、スミス・マゲニス症候群、スティックラー症候群、テイ・サックス病、血小板減少性橈骨欠損症(TAR)症候群、トレチャー・コリンズ症候群、トリソミー、結節硬化症、ターナー症候群、尿素サイクル異常症、フォン・ヒッペル・リンドウ病、ワーデンバーグ症候群、ウィリアムズ症候群、ウィルソン病、ウィスコット・アルドリッチ症候群、X連鎖リンパ増殖性症候群(XLP、OMIM番号308240)。
標的化組み込みによって処置することができるさらなる例示的疾患としては、後天性免疫不全症、リソソーム蓄積症(例えば、ゴーシェ病、GM1、ファブリ病、およびテイ・サックス病)、ムコ多糖症(例えば、ハンター病、ハーラー病)、異常ヘモグロビン症(例えば、鎌状赤血球病、HbC、α−サラセミア、β−サラセミア)、および血友病が挙げられる。
特定の実施形態においては、外因性配列は、マーカ遺伝子(上述)を含んでもよく、それによって、標的組み込みを受けた細胞、およびさらなる機能性をコードする連結された配列の選択が可能になる。マーカー遺伝子の非限定的な例としてはGFP、薬物選択マーカー(複数可)などが挙げられる。
さらに、発現には必要ではないが、外因性配列は、転写または翻訳抑制配列、例えば、プロモーター、エンハンサー、インスレーター、内部リポソーム侵入部位、2Aペプチドおよび/またはポリアデニル化信号をコードする配列であってもよい。さらに、目的の遺伝子の制御エレメントは、キメラ遺伝子を作成するためにレポーター遺伝子に対して作動可能に連結され得る(例えば、レポーター発現カセット)。
非コード核酸配列の標的化挿入もまた達成され得る。アンチセンスRNA、RNAi、shRNAおよびマイクロRNA(miRNA)をコードする配列もまた、標的化挿入のために用いられ得る。
いくつかの実施形態では、ドナー核酸は、特定のリコンビナーゼシステムについての標的部位である非コード配列を含む。非限定的な例としては、loxP部位(Creリコンビナーゼでの使用のため)、FRT部位(FLPリコンビナーゼでの使用のため)または特定のトランスポーゼースの認識部位、例えば、ピギーバック(piggybac)またはスリーピング・ビューティー(Sleeping Beauty)が挙げられる。これらのリコンビナーゼまたはトランスポーゼース認識部位のうちの1つの挿入によって、伝統的な方法による管理が困難な核酸の追加の挿入が可能になり得る。例えば、大型の人工染色体、(YACまたはBAC)は、一旦リコンビナーゼ/トランスポーゼース認識部位が挿入されれば、目的の選択された標的部位に挿入され得る。
さらなる実施形態では、ドナー核酸は、追加のヌクレアーゼ設計のための特定の標的部位である非コード配列を含んでもよい。引き続き、追加のヌクレアーゼは細胞中で発現され得、その結果もとのドナー分子が切断されて、目的の別のドナー分子の挿入によって改変される。この方法では、ドナー分子の反復性の組み込みが生成されて、目的の特定の遺伝子座で、またはセーフハーバー遺伝子座で特質のスタッキングが可能になり得る。
標的部位
上で注記されるとおり、ドナー分子は典型的には、標的領域におけるゲノムの切断後の細胞のゲノムに組み込まれる。標的領域中の切断は、ヌクレアーゼ、例えば、ZFN、TALEN、またはメガヌクレアーゼを用いて達成され得る。特定の実施形態では、開示される方法は、切断ドメイン(または切断ハーフドメイン)およびジンクフィンガーまたはTALEDNA結合ドメインを含む融合タンパク質を利用し、ここでこのジンクフィンガーまたはTALE DNA結合ドメインは、細胞のゲノム中の目的の領域の配列に対して結合することによって、この配列の近傍に対してこの切断ドメイン(または切断ハーフドメイン)の活性を指向し、それによって、切断(例えば、二本鎖断裂)を目的の領域中に誘導する。
本開示のいずれかに示されるように、DNA結合ドメイン、例えば、ジンクフィンガーまたはTALEドメインは、実質上任意の所望の配列に結合するように遺伝子操作され得る。従って、1つ以上のDNA結合ドメインは、目的の領域における1つ以上の配列に結合するように遺伝子操作され得る。細胞における、DNA結合ドメインおよび切断ドメインを含む融合タンパク質の発現(またはDNA結合ドメインおよび切断ハーフドメインを各々が含む2つの融合タンパク質の発現)は、目的の領域における切断を果たす。
DNA結合ドメインによる結合のための目的の領域(例えば、標的部位)における配列の選択は、例えば、選択された配列に対して結合するZFPを設計するための方法をこれも開示する、共同所有の米国特許第6,453,242号(2002年9月17日)に開示される方法によって、達成され得る。ヌクレオチド配列の簡易な視覚検査はまた、標的部位の選択のために用いられ得ることが当業者には明確である。従って、標的部位選択のための任意の手段は、本明細書に記載の方法で用いられ得る。
標的部位は一般には、複数の隣接する標的のサブサイトから構成される。標的のサブサイトとは、個々のジンクフィンガーによって結合される配列(通常は、ヌクレオチド三つ組、または隣接する四つ組と1ヌクレオチドずつ重複し得るヌクレオチド四つ組のいずれか)を指す。例えば、国際公開第02/077227号を参照のこと。ジンクフィンガータンパク質が最も接触する鎖が標的鎖「一次認識鎖」または「一次接触鎖」と命名される場合、いくつかのジンクフィンガータンパク質が、標的鎖の中の3塩基の三つ組、および非標的鎖上の第四の塩基に結合する。標的部位は、一般に少なくとも9ヌクレオチドの長さを有し、従って、少なくとも3つのジンクフィンガーを含むジンクフィンガー結合ドメインによって結合される。しかしながら、例えば4フィンガー結合ドメインの12ヌクレオチド標的部位への結合、5フィンガー結合ドメインの15ヌクレオチド標的部位への結合、または6フィンガー結合ドメインの18ヌクレオチド標的部位への結合も可能である。明白であるとおり、より大きな結合ドメイン(例えば、7、8、9フィンガー以上)のより長い標的部位への結合もまた可能である。
標的部位がヌクレオチドの3倍である必要はない。例えば、交差鎖相互作用が生じる場合(例えば、米国特許第6,453,242号および国際公開第02/077227号を参照のこと)、マルチフィンガー結合ドメインの1つ以上の個々のジンクフィンガーは、重複している四重のサブサイトに結合し得る。結果として、3フィンガータンパク質は、10番目のヌクレオチドが末端フィンガーによる四重結合の一部である10ヌクレオチド配列に結合し得、4フィンガータンパク質は、13番目のヌクレオチドが末端フィンガーによる四重結合の一部である13ヌクレオチド配列に結合し得る。
マルチフィンガー結合ドメインにおける個々のジンクフィンガー間のアミノ酸リンカー配列の長さおよび性質も、標的配列への結合に影響を及ぼす。例えば、マルチフィンガー結合ドメインにおける隣接するジンクフィンガー間のいわゆる「非標準的リンカー」、「長いリンカー」、または「構造化リンカー」の存在によって、それらのフィンガーは直接に隣接していないサブサイトに結合することが可能になる。そのようなリンカーの非限定的な例は、例えば米国特許第6,479,626号および国際公開第01/53480号に記載されている。従って、ジンクフィンガー結合ドメインに対する標的部位内の1つ以上のサブサイトは、1、2、3、4、5、またはそれ以上のヌクレオチドずつ互いに分離し得る。一例として、4フィンガー結合ドメインは、配列中に2つの連続する3ヌクレオチドサブサイト、介在ヌクレオチド、および2つの連続する三重のサブサイトを含む13ヌクレオチド標的部位に結合し得る。
配列(例えば、標的部位)間の距離とは、互いに最も近隣の配列の端から測定される、2つの配列間に介在するヌクレオチドまたはヌクレオチド対の数を指す。
2つのジンクフィンガードメイン/切断ハーフドメイン融合分子の離れた標的部位への結合に切断が依存している、特定の実施態様では、この2つの標的部位は向かい合ったDNA鎖上にあり得る。他の実施態様では、両方の標的部位は同じDNA鎖上にある。
挿入のための標的部位の位置を選択することは、多くの要因に依存し得る。例えば、いくつかの実施形態では、標的部位は、高度に特徴付けられる(例えば、βグロビンのLCR)おかげで選択され得るが、他の実施形態では、標的部位は、セーフハーバー遺伝子座としてのその特徴付けに起因して選択される(例えば、CCR5またはAAVS1遺伝子、それぞれ米国特許出願公開20080159996号および同第20080299580号を参照のこと)。
DNA結合ドメイン
任意のDNA結合ドメインを、本明細書に開示される方法において用いてもよい。特定の実施形態では、DNA結合ドメインは、TALE DNA結合ドメインを含む。他の実施形態では、DNA結合ドメインは、ジンクフィンガータンパク質を含む。ジンクフィンガー結合ドメインは、1つ以上のジンクフィンガーを含む。Millerら、(1985)EMBO J.4:1609〜1614;Rhodes(1993)Scientific American Feb.:56〜65;米国特許第6,453,242号。本明細書に記載されるジンクフィンガー結合ドメインは、概して2、3、4、5、6、またはさらに多くのジンクフィンガーを含む。
典型的には、単一のジンクフィンガードメインは、長さが約30アミノ酸である。構造研究によって、各々のジンクフィンガードメイン(モチーフ)は、2個のシステインおよび2個のヒスチジンによる亜鉛原子の配位を通じて特定の高次構造に保持される、2つのβシート(2個の不変のシステイン残基を含有するβターンに保持されている)およびαヘリックス(2個の不変のヒスチジン残基を含有している)を含有することが証明されている。
ジンクフィンガーには、標準的C22ジンクフィンガー(すなわち、亜鉛イオンが2個のシステインと2個のヒスチジン残基によって配位されているもの)、ならびに、例えばC3Hジンクフィンガー(亜鉛イオンが3個のシステイン残基と1個のヒスチジン残基によって配位されているもの)およびC4ジンクフィンガー(亜鉛イオンが4個のシステイン残基によって配位されているもの)等の非標準的ジンクフィンガーの両方が含まれる。また、国際公開第02/057293号も参照のこと。
ジンクフィンガー結合ドメインは、標準的な技術を用いて標的部位(上記を参照のこと)に結合するように遺伝子操作され得る。例えば、Beerliら、(2002)Nature Biotechnol.20:135〜141;Paboら、(2001)Ann.Rev.Biochem.70:313〜340;Isalanら、(2001)Nature Biotechnol.19:656〜660;Segalら、(2001)Curr.Opin.Biotechnol.12:632〜637;Chooら、(2000)Curr.Opin.Struct.Biol.10:411〜416;共同所有の米国特許第6,453,242号および同第6,534,261号(引用される引用文献を含む)を参照のこと。遺伝子操作されたジンクジンクフィンガー結合ドメインは、天然に存在しているジンクフィンガータンパク質と比較して新規な結合特異性を有し得る。一般には、天然に存在しない遺伝子操作された認識ヘリックス領域は、新規な結合特異性を提供する。遺伝子操作法としては、限定するものではないが、合理的設計および様々な種類の選択が挙げられる。合理的設計としては、例えば三重(または四重)ヌクレオチド配列と個々のジンクフィンガーアミノ酸配列とを含むデータベースであって、それぞれの三重または四重ヌクレオチド配列が、特定の三重または四重配列に結合するジンクフィンガーの1つ以上のアミノ酸配列と関連付けされているデータベースを用いることが挙げられる。例えば、共同所有の米国特許第6,453,242号および同第6,534,261号(その全体が本明細書において参照により組み込まれる)を参照のこと。
ファージディスプレイおよびツーハイブリッドシステムを含む例示的選択法は、米国特許第5,789,538号;同第5,925,523号;同第6,007,988号;同第6,013,453号;同第6,410,248号;同第6,140,466号;第同6,200,759号;および同第6,242,568号;ならびに国際公開第98/37186号;国際公開第98/53057号;国際公開第00/27878号;国際公開第01/88197号、および英国特許第2,338,237号に開示されている。さらに、ジンクフィンガー結合ドメインに対する結合特異性の増強は、例えば共同所有の国際公開第02/077227号に記載されている。
標的部位の選択;融合タンパク質(およびそれをコードするポリヌクレオチド)の設計および構築のためのZFPおよび方法は、当業者に公知であり、参照によってその全体が本明細書に援用される、米国特許出願公開第20050064474号および同第20060188987号に詳細に記載されている。
個々のジンクフィンガーは、3−ヌクレオチド(すなわち、三重)配列(または隣接するジンクフィンガーの4ヌクレオチド結合部位と、1ヌクレオチドずつ重複し得る4−ヌクレオチド配列)に結合するので、ジンクフィンガー結合ドメインが結合するように遺伝子操作される配列(例えば、標的配列)の長さは、遺伝子操作されたジンクフィンガー結合ドメインにおけるジンクフィンガーの数を決定する。例えば、フィンガーモチーフが、重複するサブサイトに結合しないZFPについては、6−ヌクレオチドの標的配列が、2−フィンガー結合ドメインによって結合され;9−ヌクレオチド標的配列は、3−フィンガー結合ドメインによって結合される、などなど。本明細書において注記されるとおり、標的部位中の個々のジンクフィンガーの結合部位(すなわち、サブサイト)は、連続である必要はないが、マルチフィンガー結合ドメイン中のジンクフィンガーの間のアミノ酸配列(すなわち、フィンガー間のリンカー)の長さおよび性質に依存して、1つまたはいくつかのヌクレオチドによって分離されてもよい。
さらに、これらの引用文献および他の引用文献に開示するように、ジンクフィンガードメインおよび/またはマルチフィンガーのジンクフィンガータンパク質は、例えば、長さ5個以上のアミノ酸のリンカーを含む、任意の好適なリンカー配列を用いて互いに連結されてもよい。長さ6個以上のアミノ酸の例示的リンカー配列については、米国特許第6,479,626号、同第6,903,185号;および同第7,153,949号も参照のこと。本明細書に記載されるタンパク質は、タンパク質の個々のジンクフィンガー間の好適なリンカーの任意の組み合わせを含んでもよい。さらなるリンカー構造の例は、米国特許出願公開第2009/0305419号に見出される。
マルチフィンガージンクフィンガー結合ドメインにおいて、隣接するジンクフィンガーは、およそ5アミノ酸のアミノ酸リンカー配列(いわゆる「標準的」フィンガー間リンカー)によって、あるいは1つ以上の非標準的リンカーによって分離され得る。例えば、共同所有の米国特許第6,453,242号および第6,534,261号を参照のこと。3つを上回るフィンガーを含む遺伝子操作されたジンクフィンガー結合ドメインについて、特定のジンクフィンガーの間のより長い(「非標準的」)フィンガー間リンカーの挿入は、そのおかげで結合ドメインによる結合の親和性および/または特異性が増加し得るため、好ましい場合がある。例えば、米国特許第6,479,626号および国際公開第01/53480号を参照のこと。従って、マルチフィンガージンクフィンガー結合ドメインはまた、非標準的フィンガー間リンカーの存在および位置に関して特徴付けしてもよい。例えば、3つのフィンガー(2個の標準的フィンガー間リンカーによって接合している)、長いリンカー、および3つのさらなるフィンガー(2個の標準的フィンガー間リンカーによって接合している)を含む6フィンガーのジンクフィンガー結合ドメインは、2×3配置と表示される。同様に、2つのフィンガー(その間に標準的リンカーを有する)、長いリンカー、および2つのさらなるフィンガー(標準的リンカーによって接合している)を含む結合ドメインは、2×2タンパク質と表示される。3つの2フィンガー単位(そのそれぞれにおいて、2つのフィンガーが標準的リンカーによって接合している)を含み、かつそれぞれの2フィンガー単位が隣接する2つのフィンガー単位と長いリンカーによって接合しているタンパク質は、3×2タンパク質として表される。
マルチフィンガー結合ドメイン内の2つの隣接するジンクフィンガー間での長いまたは非標準的フィンガー間リンカーの存在によって、2つのフィンガーは、標的配列における直接に連続していないサブサイトに結合することが可能になる場合が多い。従って、標的部位におけるサブサイト間には1つ以上のヌクレオチドのギャップが存在し得;すなわち、標的部位はジンクフィンガーによって接触されていない1つ以上のヌクレオチドを含有し得る。例えば、2×2ジンクフィンガー結合ドメインは、1つのヌクレオチドによって分離された2つの6ヌクレオチド配列に結合し得、すなわち、それは13ヌクレオチド標的部位に結合する。Mooreら、(2001a)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 98:1432〜1436;Mooreら、(2001b)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 98:1437〜1441、および国際公開第01/53480号も参照のこと。
先に言及しているように、標的サブサイトは、単一のジンクフィンガーによって結合される3ヌクレオチドまたは4ヌクレオチド配列である。特定の目的のために、2フィンガー単位を、結合モジュールと表示する。結合モジュールを、例えば、特定の6ヌクレオチド標的配列に結合するマルチフィンガータンパク質(一般に3つのフィンガー)の状況で、2つの隣接するフィンガーを選択することによって獲得することができる。あるいは、個々のジンクフィンガーの集合によってモジュールを構築してもよい。国際公開第98/53057号および国際公開第01/53480号も参照のこと。
あるいは、DNA結合ドメインはヌクレアーゼに由来してもよい。例えば、ホーミングエンドヌクレアーゼおよびメガヌクレアーゼの認識配列、例えばI−SceI、I−CeuI、PI−PspI、PI−Sce、I−SceIV、I−CsmI、I−PanI、I−SceII、I−PpoI、I−SceIII、I−CreI、I−TevI、I−TevII、およびI−TevIIIが公知である。米国特許第5,420,032号;米国特許第6,833,252号;Belfortら、(1997)Nucleic Acids Res.25:3379〜3388;Dujonら、(1989)Gene 82:115〜118;Perlerら、(1994)Nucleic Acids Res.22,1125〜1127;Jasin(1996)Trends Genet.12:224〜228;Gimbleら、(1996)J.Mol.Biol.263:163〜180;Argastら、(1998)J.Mol.Biol.280:345〜353、およびNew England Biolabsカタログも参照のこと。さらに、ホーミングエンドヌクレアーゼおよびメガヌクレアーゼのDNA結合特異性を、天然でない標的部位に結合するように遺伝子操作してもよい。例えば、Chevalierら、(2002)Molec.Cell 10:895〜905;Epinatら、(2003)Nucleic Acids Res.31:2952〜2962;Ashworthら、(2006)Nature 441:656〜659;Paquesら、(2007)Current Gene Therapy 7:49〜66;米国特許出願公開第20070117128号を参照のこと。
いくつかの実施形態では、DNA結合ドメインは、植物病原体Xanthomonas由来のTALエフェクター(TALE)由来の遺伝子操作されたドメインである(Millerら、(2010)Nature Biotechnology,Dec 22[印刷前にEpub];Bochら、(2009)Science 29 Oct 2009(10.1126/science.117881)ならびにMoscou and Bogdanove,(2009)Science 29 Oct 2009(10.1126/science.1178817)を参照のこと;また、2010年5月17日出願、米国特許仮出願第61/395,836号;2010年8月21日出願、同第61/409,421号;2010年10月13日出願、同第61/45,121号;2010年12月20日出願、同第61/459,891号および2011年2月2日の出願番号未割当の出願(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)も参照のこと。
特定の実施形態では、4−フィンガー、5−フィンガーまたは6−フィンガーのジンクフィンガーの結合ドメインは、例えば、FokIのようなII型制限エンドヌクレアーゼなどの切断ハーフドメインに同様に融合される。このようなジンクフィンガー/ヌクレアーゼハーフドメイン融合物の1つ以上の対は、例えば、米国特許出願公開第20050064474号および同第20070218528号に開示されるように、標的化切断に用いられる。
標的化切断のために、結合部位の近位の端は、5つ以上のヌクレオチド対で隔てられてもよく、融合タンパク質の各々は、DNA標的の反対の鎖に結合し得る。本開示によれば、ZFNは、例えば、CCR5、PPP1R12C(AAVS1としても公知)およびその他を含む、選択された細胞中の任意の遺伝子の任意の配列に標的され得る。参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第/2008/133938号および米国特許出願公開第2008015996号(CCR5およびAAVS1に標的されるZFNを記載する)を参照のこと。特定の実施形態では、ZFNは、その部位への標的化組み込みが、細胞が増殖および/または分化する能力を妨げないという点で「非必須」の遺伝子に標的される。
切断ドメイン
本明細書に開示される融合タンパク質の切断ドメイン部分は、任意のエンドヌクレアーゼまたはエキソヌクレアーゼから得てもよい。切断ドメインが由来し得る例示的エンドヌクレアーゼとしては、限定するものではないが、制限エンドヌクレアーゼおよびホーミングエンドヌクレアーゼが挙げられる。例えば、2002−2003カタログ,New England Biolabs,Beverly,MA;およびBelfortら、(1997)Nucleic Acids Res.25:3379−3388を参照のこと。DNAを切断するさらなる酵素が既知である(例えば、S1ヌクレアーゼ;マングビーンヌクレアーゼ;膵臓DNaseI;ミクロコッカスヌクレアーゼ;酵母HOエンドヌクレアーゼ;Linnら、(編集)Nucleases,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1993も参照のこと)。ホーミングエンドヌクレアーゼおよびメガヌクレアーゼの非限定的な例としては、I−SceI、I−CeuI、PI−PspI、PI−Sce、I−SceIV、I−CsmI、I−PanI、I−SceII、I−PpoI、I−SceIII、I−CreI、I−TevI、I−TevII、およびI−TevIIIが挙げられ公知である。米国特許第5,420,032号;米国特許第6,833,252号;Belfortら、(1997)Nucleic Acids Res.25:3379−3388;Dujonら、(1989)Gene 82:115−118;Perlerら、(1994)Nucleic Acids Res.22,1125−1127;Jasin(1996)Trends Genet.12:224−228;Gimbleら、(1996)J.Mol.Biol.263:163−180;Argastら、(1998)J.Mol.Biol.280:345−353;およびthe New England Biolabsカタログもまた参照のこと。1つ以上のこれらの酵素(またはその機能性フラグメント)を、切断ドメインおよび切断ハーフドメインの供給源として用いてもよい。
同様に、上記に説明するように、切断ハーフドメインは、切断活性のために二量体化を必要とする、任意のヌクレアーゼまたはその部分に由来してもよい。一般に、融合タンパク質が切断ハーフドメインを含む場合には、2つの融合タンパク質が切断に必要とされる。代替的には、2つの切断ハーフドメインを含む、単一のタンパク質を用いてもよい。2つの切断ハーフドメインは、同一のエンドヌクレアーゼ(またはその機能的フラグメント)に由来してもよいし、または各切断ハーフドメインが、異なるエンドヌクレアーゼ(またはその機能的フラグメント)に由来してもよい。加えて、2つの融合タンパク質のための標的部位は、それらの各標的部位への2つの融合タンパク質の結合が、互いに対して空間的配向に切断ハーフドメインを定置し、これによって、例えば、二量体化することによって、切断ハーフドメインに機能的切断ドメインを形成させるように、互いに対して配置されることが好ましい。従って、特定の実施形態では、標的部位の近傍端は、5〜8個のヌクレオチドによって、または15〜18個のヌクレオチドによって分離される。しかしながら、任意の整数のヌクレオチドまたはヌクレオチド対は、2つの標的部位(例えば、2〜50対以上のヌクレオチド)の間に介入することができる。一般に、切断部位は、標的部位の間に位置する。
制限エンドヌクレアーゼ(制限酵素)は、多くの種に存在し、DNAに(認識部位において)配列特異的に結合し得、かつ結合の部位においてまたは近隣においてDNAを切断し得る。特定の制限酵素(例えば、IIS型)は、認識部位から外れた部位でDNAを切断し、かつ分離可能な結合ドメインおよび切断ドメインを有する。例えば、IIS型酵素のFokIは、一方の鎖上にあるその認識部位から9ヌクレオチドの部位で、かつもう一方の鎖上のその認識部位から13ヌクレオチドの部位でDNAの二本鎖切断を触媒する。例えば、米国特許第5,356,802号;第5,436,150号および第5,487,994号;ならびにLiら、(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:4275−4279;Liら、(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:2764−2768;Kimら、(1994a)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:883−887;Kimら、(1994b)J.Biol.Chem.269:31,978−31,982を参照のこと。従って、一実施態様では、融合タンパク質は、少なくとも1種のIIS型制限酵素由来の切断ドメイン(または切断ハーフドメイン)、および遺伝子操作されていてもされていなくてもよい1つ以上のジンクフィンガー結合ドメインを含む。
その切断ドメインが結合ドメインから分離可能である例示的なIIS型制限酵素とは、FokIである。この特定の酵素は、二量体として活性である。Bitinaiteら、(1998)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:10,570−10,575。従って、本開示の目的に関して、開示される融合タンパク質に用いられたFokI酵素の一部は、切断ハーフドメインと考えられる。従って、ジンクフィンガー−FokI融合体を用いた細胞配列の標的化二本鎖切断および/または標的置換のために、それぞれがFokI切断ハーフドメインを含む2つの融合タンパク質を用いて、触媒活性のある切断ドメインを再構築してもよい。あるいは、ジンクフィンガー結合ドメインと2つのFokI切断ハーフドメインとを含有する単一のポリヌクレオチド分子も用いてもよい。ジンクフィンガー−FokI融合体を用いる、標的切断および標的配列変更に対するパラメーターは、本開示の別の部分で提供されている。
切断ドメインまたは切断ハーフドメインは、切断活性を保持している、または多量体化(例えば、二量体化)して機能性切断ドメインを形成する能力を保持しているタンパク質の任意の部分であってもよい。
例示的IIS型制限酵素は、参照によってその全体が本明細書に援用されている、共同所有の国際公開第2007/014275号に記載されている。追加的な制限酵素はまた、分離可能な結合ドメインおよび切断ドメインを含み、これらは、本発明の開示によって考慮される。例えば、Robertsら、(2003)Nucleic Acids Res.31:418〜420を参照のこと。
切断特異性を向上させるためにはまた、切断ドメインを改変してもよい。特定の実施形態では、切断ハーフドメインの改変体を使用するが、これらの改変体は切断ハーフドメインのホモ二量体化を最小限にするかまたは阻止する。そのような改変された切断ハーフドメインの非限定的な例は、参照によってその全体として本明細書に援用されている、国際公開第2007/014275号に詳細に記載されている。実施例も参照のこと。特定の実施形態では、切断ドメインは、ホモ二量体化を最小限にするかまたは阻止し、当業者に公知であり、かつ参照によってそれらの全体として本明細書に援用されている、例えば米国特許出願公開第20050064474;同第20060188987号;同第20080131962号;同第20090305346号および米国特許仮出願第61/337,769号(2010年2月8日出願)および同第61/403,916号(2010年9月23日出願)(本明細書においてその全体が参照により組み込まれる)に記載されている遺伝子操作された切断ハーフドメイン(二量体化ドメイン変異体とも称される)を含む。FokIの446、447、479、483、484、486、487、490、491、496、498、499、500、531、534、537、および538位のアミノ酸残基は全て、FokI切断ハーフドメインの二量体化に影響を与えるための標的である。
偏性ヘテロ二量体を形成するFokIのさらなる遺伝子操作された切断ハーフドメインも、本明細書に記載されるZFNに用いることができる。第一の切断ハーフドメインは、FokIの490および538位のアミノ酸残基における変異を含み、かつ第二の切断ハーフドメインは、アミノ酸残基486および499における変異を含む。
従って、一実施形態では、490における変異は、Glu(E)をLys(K)で置換し、538における変異は、Iso(I)をLys(K)で置換し、486における変異は、Gln(Q)をGlu(E)で置換し、499位における変異は、Iso(I)をLys(K)で置換する。具体的には、本明細書に説明する改変切断ハーフドメインは、「E490K:I538K」と命名された遺伝子操作された改変切断ハーフドメインを生成するために、1つの切断ハーフドメイン内の490位(E→K)および538位(I→K)を変異させることによって、および「Q486E:I499L」と命名された改変切断ハーフドメインを産生するために、別の切断ハーフドメイン内の486位(Q→E)および499位(I→L)を変異させることによって調製された。本実施例に記載のとおり、1つのZFNが「E490K:I538K」切断ドメインを含み、もう一方が「Q486E:I499L」切断ドメインを含む、1対のZFNは、「EL/KK」ZFN対とも呼ばれる。本明細書に記載される遺伝子操作された切断ハーフドメインは、これらの切断ハーフドメインを含むヌクレアーゼの1つ以上の対が切断のために用いられる場合、異常な切断が最小化されるか、または無効にされる、偏性へテロ二量体突然変異体である。例えば、米国特許出願公開第20080131962号;同第20090305346号および米国特許仮出願第61/337,769(2010年2月8日出願)および同第61/403,916号(2010年9月23日出願)(その開示が、全ての目的のためにその全体が参照により組み込まれる)を参照のこと。
本明細書に記載する遺伝子操作された切断ハーフドメインは、任意の好適な方法を用いて、例えば、米国特許出願公開第20050064474号(実施例5)および同第20070134796号(実施例38)に記載されるような、野生型切断ハーフドメイン(FokI)の部位特異的突然変異誘発法によって調製することができる。
特定の実施形態では、切断ドメインは、その両方ともが、結合ドメイン、第一の切断ハーフドメイン、および第二の切断ハーフドメインを含む単一のポリペプチドの一部である、2つの切断ハーフドメインを含む。この切断ハーフドメインは、それらがDNAを切断する機能を果たす限り、同じアミノ酸配列を有しても、または異なるアミノ酸配列を有してもよい。
一般に、融合タンパク質が切断ハーフドメインを含む場合、2つの融合タンパク質が切断に必要とされる。あるいは、2つの切断ハーフドメインを含む1つのタンパク質を用いてもよい。この2つの切断ハーフドメインは同じエンドヌクレアーゼ(または、その機能性フラグメント)に由来してもよく、あるいはそれぞれの切断ハーフドメインは異なるエンドヌクレアーゼ(またはその機能性フラグメント)に由来してもよい。さらに、前記2つの融合タンパク質に対する標的部位は、2つの融合タンパク質のそれらそれぞれの標的部位への結合により、空間的方向に互いに切断ハーフドメインを配置し、これは切断ハーフドメインが、例えば二量体化することによって機能性切断ドメインを形成することを可能にするように、互いに対して配置されることが好ましい。従って、特定の実施形態では、標的部位の近隣の端を、5〜8ヌクレオチドずつ、または15〜18ヌクレオチドずつ分離する。しかしながら、任意の整数値のヌクレオチドまたはヌクレオチド対を、2つの標的部位間に介在させてもよい(例えば、2〜50ヌクレオチド以上)。一般に、切断の地点は標的部位の間にある。
DNA−結合ドメイン−切断ドメイン融合物
融合タンパク質(およびそれをコードするポリヌクレオチド)の設計および構築のための方法は、当業者に公知である。例えば、ジンクフィンガータンパク質(およびこれをコードするポリヌクレオチド)を含む融合タンパク質の設計および構築のための方法は、共同所有の米国特許第6,453,242号および第6,534,261号;ならびに国際公開第2007/014275号に記載されている。特定の実施形態では、このような融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを構築する。これらのポリヌクレオチドをベクター内に挿入してもよく、このベクターを細胞内に導入してもよい(細胞内にポリヌクレオチドを導入するためのベクターおよび方法に関するさらなる開示については、下記を参照のこと)。
本明細書に記載される方法の特定の実施形態では、融合タンパク質は、ジンクフィンガー結合ドメインおよびFokI制限酵素由来の切断ハーフドメインを含み、2つのこのような融合タンパク質が細胞内で発現される。細胞内での2つの融合タンパク質の発現は、この2つのタンパク質の細胞への送達;1つのタンパク質およびこのタンパク質の一方をコードする1つの核酸のこの細胞への送達;それぞれがこのタンパク質の一方をコードする2つの核酸のこの細胞への送達;または両方のタンパク質をコードする単一の核酸のこの細胞への送達によって生じ得る。さらなる実施態様では、融合タンパク質は、2つの切断ハーフドメインとジンクフィンガー結合ドメインとを含む1本のポリペプチド鎖を含む。この場合、単一の融合タンパク質が細胞内で発現され、かつ理論に束縛されることは望まないが、この切断ハーフドメインの分子内二量体の形成の結果としてDNAを切断すると考えられている。
2つの融合タンパク質(それぞれが、ジンクフィンガーまたはTALE DNA結合ドメインおよび切断ハーフドメインを含む)は、細胞中で発現されてもよく、標的部位(機能的な切断ドメインが再構成されるような方法で並置される)に結合され得、そしてDNAは、この標的部位の近傍で切断される。一実施形態では、切断は、2つのジンクフィンガーの標的部位またはTALE DNA結合ドメインの間で生じる。ジンクフィンガーまたはTALE DNA結合ドメインおよび/または切断ドメインの一方または両方が遺伝子操作されてもよい。
融合タンパク質(例えば、ZFP−FokI融合体)の構成成分を、ジンクフィンガードメインまたはTALE DNA結合ドメインが融合タンパク質のアミノ末端の最も近隣にあり、かつ切断ハーフドメインがカルボキシ末端の最も近隣にあるように配列してもよい。機能的ヌクレアーゼを形成するための切断ハーフドメインの二量体化は、融合タンパク質を向かい合ったDNA鎖上の部位に結合することによって引き起こされ、ここでこの結合部位の5’末端は互いに隣接している。
あるいは、融合タンパク質(例えば、ZFP−FokIまたはTALEN融合体)の構成成分を、切断ハーフドメインが融合タンパク質のアミノ末端の最も近隣にあり、かつジンクフィンガーまたはTALE DNA結合ドメインがカルボキシ末端の最も近隣にあるように配置してもよい。これらの実施形態では、機能的ヌクレアーゼを形成するための切断ハーフドメインの二量体化は、融合タンパク質を向かい合ったDNA鎖上の部位に結合することによって引き起こされ、ここでこの結合部位の3’末端は互いに近位である。
なおさらなる実施態様では、第一の融合タンパク質は、融合タンパク質のアミノ末端の最も近隣にある切断ハーフドメイン、およびカルボキシ末端の最も近隣にあるジンクフィンガーまたはTALE DNA結合ドメインを含有し、かつ第二の融合タンパク質が、ジンクフィンガードメインが融合タンパク質のアミノ末端の最も近隣にあり、かつ切断ハーフドメインがカルボキシ末端の最も近隣にあるように配列される。これらの実施態様では、両方の融合タンパク質は同じDNA鎖に結合し、カルボキシ末端の最も近隣にあるジンクフィンガーまたはTALE DNA結合ドメインを含有する第一の融合タンパク質の結合部位が、アミノ末端の最も近隣にあるジンクフィンガーまたはTALE DNA結合ドメインを含有する第二の融合タンパク質の結合部位の5’側に位置する。
2つの融合タンパク質は、同じまたは反対の極性で目的の領域で結合し得、そしてそれらの結合部位(すなわち、標的部位)は、多数のヌクレオチド、例えば、0〜200ヌクレオチドまたはその間の任意の整数値で隔てられ得る。特定の実施形態では、各々がジンクフィンガー結合ドメインおよび切断ハーフドメインを含む2つの融合タンパク質の結合部位は、他の結合部位に最も近位の各々の結合部位の末端から測定して、5〜18ヌクレオチド離れて、例えば、5〜8ヌクレオチド離れて、または15〜18ヌクレオチド離れて、または6ヌクレオチド離れて、または16ヌクレオチド離れて位置してもよく、そして切断は結合部位の間で生じる。
DNAが切断される部位は一般には、2つの融合タンパク質の結合部位の間にある。DNAの二本鎖破損は、2つの一本鎖断裂、または1、2、3、4、5、6、またはそれ以上のヌクレオチドによる「ニック」オフセットから生じる場合が多い(例えば、天然のFokIによる二本鎖DNAの切断は、4ヌクレオチドによる一本鎖断裂オフセットから生じる)。従って、切断は、各々のDNA鎖上の正確に反対側の部位で生じる必要はない。さらに、融合タンパク質の構造および標的部位の間の距離は、切断が単一ヌクレオチド対に隣接して生じるか否か、または切断がいくつかの部位で生じるか否かに影響し得る。しかし、標的化組み込みのために、ヌクレオチドの範囲内の切断は一般に十分であり、特定の塩基対の間の切断は、必要が無い。
開示された融合タンパク質では、ジンクフィンガードメインと切断ドメイン(または切断ハーフドメイン)との間のアミノ酸配列は、「ZCリンカー」と示される。ZCリンカーは、上記で考察されるフィンガー間のリンカーから識別されるべきである。ZCリンカーは、例えば、国際公開第2007/014275号中に詳細に記載される。
標的組み込み
開示される方法および組成物を用いて、細胞クロマチンのDNAを切断することができ、それによって、本明細書に記載されるように、外因性配列(ドナーポリヌクレオチド)の標的組み込みが容易になる。標的化組み込みのためには、1つ以上のジンクフィンガーまたはTALE DNA結合ドメインを遺伝子操作して、標的部位に対して、所定の切断部位にまたはその近位に結合させ、そして遺伝子操作されたジンクフィンガまたはTALE DNA結合ドメインおよび切断ドメインを含む融合タンパク質が細胞中で発現される。標的部位に対する融合タンパク質のジンクフィンガーまたはTALE DNA結合部分の結合の際、DNAは、切断ドメインによって標的部位の近隣で、好ましくは二本鎖断裂によって切断される。二本鎖断裂の存在によって、NHEJ機構を介して、本明細書に記載されるような外因性配列の組み込みが容易になる。
本明細書に開示される、外因性配列の標的化組み込みは、タンパク質発現のための細胞および細胞株の生成のために用いられ得る。例えば、共同所有の米国特許出願公開第2006/0063231(その開示は、全ての目的のために、その全体が、本明細書において参照により組み込まれる)を参照のこと。ゲノムに組み込まれる外因性配列によってコードされる1つ以上のタンパク質の最適発現のために、染色体組み込み部位は、好ましくは、広範な範囲の細胞種および発達状態で、組み込まれた配列の高レベル転写と適合しなければならない。しかし、組み込まれた配列の転写は、とりわけ、組み込み部位でゲノムのクロマチン構造に起因して、組み込み部位次第で変化することが観察された。従って、組み込まれた配列の高レベル転写を支持するゲノム標的部位が所望される。特定の実施形態では、外因性配列の組み込みは、1つ以上の細胞の遺伝子(例えば、癌遺伝子)の異所性の活性化を生じないことも所望される。他方では、プロモーターおよび/またはエンハンサーの組み込みの場合、異所性発現が所望され得る。
外因性(ドナー)配列は、融合タンパク質(複数可)の発現の前、同時、または後に細胞中に導入されてもよい。
追加のZFP機能的ドメイン融合体の使用を含むがこれに限定されない、標的化改変(修飾)のレベルを増強し得る方法および組成物もまた提供される。国際公開第2007/014275号を参照のこと。
さらに、ジンクフィンガーまたはTALE/ヌクレアーゼ融合分子およびドナーDNA分子を含んでいる細胞中の、標的化修飾の有効性の増大は、相同性駆動修復プロセスが最大活性であるとき、細胞周期のG2期で細胞をブロックすることによって達成される。このような停止は、多数の方法で達成され得る。例えば、細胞は、例えば、G2期で細胞を停止するために、細胞周期進行に影響する薬物、化合物および/または低分子で処置されてもよい。この種類の例示的な分子としては、限定するものではないが、微小管重合化に影響する化合物(例えば、ビンブラスチン、ノコダゾール、タキソール)、DNAと相互作用する化合物(例えば、シス−白金(II)ジアミンジクロリド、シスプラチン、ドキソルビシン)および/またはDNA合成に影響する化合物(例えば、チミジン、ヒドロキシウレア、L−ミモシン、エトポシド、5−フルオロウラシル)が挙げられる。組み換え有効性における追加の増大は、クロマチン構造を変更して、ゲノムDNAを細胞の組み換え機構に対してより接近可能にさせる、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)インヒビター(例えば、酪酸ナトリウム、トリコスタチンA)の使用によって達成される。
細胞周期停止のための追加の方法としては、例えば、タンパク質をコードするcDNAを細胞に導入することによる、または遺伝子操作されたZFPもしくはTALE(タンパク質をコードする遺伝子の発現を活性化する)を細胞中に導入することによる、CDK細胞周期キナーゼの活性を阻害するタンパク質の過剰発現が挙げられる。細胞周期停止はまた、例えば、RNAi方法を用いてサイクリンおよびCDKの活性を阻害することによって(例えば、米国特許第6,506,559号)、または、例えば、サイクリンおよび/またはCDKの遺伝子のような、細胞周期進行に関与する1つ以上の遺伝子の発現を抑制する、遺伝子操作されたZFPを細胞に導入することによって、達成される。例えば、遺伝子発現の調節のための遺伝子操作されたジンクフィンガータンパク質の合成のための方法については、共同所有の米国特許第6,534,261号を参照のこと。あるいは、特定の場合には、標的化切断は、ドナーポリヌクレオチドの非存在下で(好ましくは、SまたはG2期)行い、そして組み換えは、相同な染色体の間で生じる。
送達
本発明に記載されるような核酸(例えば、ZFNおよび/またはドナー配列をコードするポリヌクレオチド)は、任意の適切な方法を用いて細胞に導入され得る。ジンクフィンガーを含む、タンパク質を送達する方法は、例えば、米国特許第6,453,242号;同第6,503,717号;同第6,534,261号;同第6,599,692号;同第6,607,882号;同第6,689,558号;同第6,824,978号;同第6,933,113号;同第6,979,539号;同第7,013,219号;および同第7,163,824号に説明されており、それらの全ての開示は、参照によってその全体が本明細書に援用される。
同様に、融合タンパク質(複数可)(例えば、TALENまたはZFN)は、ポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドとして導入され得る。例えば、各々が前述のポリペプチドのうちの1つをコードする配列を含む、2つのポリヌクレオチドを、細胞中に導入してもよく、そして、ポリペプチドが発現され、各々がその標的配列に結合する場合、標的配列でまたはその付近で切断が生じる。あるいは、両方の融合ポリペプチドをコードする配列を含む単一のポリヌクレオチドは、細胞中に導入される。ポリヌクレオチドは、DNA、RNAまたは任意の改変型またはアナログまたはDNAおよび/もしくはRNAであってもよい。
特定の実施形態では、1つ以上の融合タンパク質を、複製および/または発現のために原核生物細胞または真核生物細胞中への形質転換のためのベクター中にクローニングしてもよい。任意のベクター系を用いてもよく、これには限定するものではないが、プラスミドベクター、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクター、ポックスウイルスベクター;ヘルペスウイルスベクターおよびアデノ随伴ウイルスベクターなどが挙げられる。また、その全体が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第6,534,261号;同第6,607,882号;同第6,824,978号;同第6,933,113号;同第6,979,539号;同第7,013,219号;および同第7,163,824号も参照のこと。さらに、任意のこれらのベクターは、1つ以上のヌクレアーゼコード遺伝子および/または目的1つ以上の配列を含んでもよい。例えば、ヌクレアーゼの1つ以上の対が、細胞に導入される場合、ヌクレアーゼを同じベクター上に、または異なるベクター上に担持してもよい。複数のベクターを用いる場合、各々のベクターは、1つ以上のヌクレアーゼおよび/または1つ以上の構築物をコードする配列を含んでもよい。
本明細書に記載される配列をコードする核酸(ZFNまたはTALEN)は、植物細胞、動物細胞、好ましくは哺乳動物細胞またはヒト細胞、真菌細胞、細菌細胞または原生動物細胞に対して投与するために、発現ベクター中にクローニングされ得る。適切な細菌および真核生物のプロモーターは、当該技術分野において周知であり、例えばSambrookら、Molecular Cloning,A Laboratory Manual(第2版.1989;第3版,2001);Kriegler,Gene Transfer and Expression:A Laboratory Manual(1990);ならびにCurrent Protocols in Molecular Biology(Ausubelら、上記)に記載されている。ZFPを発現させるための細菌発現システムは、例えばE.coli、バチルス属菌(Bacillus sp.)、およびSalmonella(サルモネラ菌)で利用可能である(Palvaら、Gene 22:229〜235(1983)。そのような発現システム用のキットが市販されている。哺乳類細胞、酵母、および昆虫細胞のための真核細胞発現システムは、当業者に周知であり、市販もされている。
融合タンパク質をコードする核酸の発現を指向するのに用いられるプロモーターは、特定の用途に依存する。例えば、宿主細胞に適した強力な構成的プロモーターは、典型的に融合タンパク質の発現および精製のために用いられる。
対照的に、融合タンパク質を植物遺伝子の調節のためにインビボで投与する場合(下記の「植物細胞への核酸の送達」を参照のこと)、この融合タンパク質の特定の使用に応じて、構成的、調節性(例えば、発達の間、組織もしくは細胞種による、または環境による)または誘導性プロモーターのいずれかが用いられる。植物プロモーターの非限定的な例としては、A.thaliana(シロイヌナズナ)のユビキチン−3(ubi−3)(Callisら、1990,J.Biol.Chem.265−12486−12493);ツメファシエンス(A.tumifaciens)のマンノピンシンターゼ(Δmas)(Petolinoら、米国特許第6,730,824号);および/またはキャッサバベインモザイクウイルス(CsVMV)(Verdaguerら、1996,Plant Molecular Biology 31:1129−1139)に由来するプロモーター配列が挙げられる。
プロモーターに加えて、発現ベクターは典型的に、原核または真核のいずれかの宿主細胞における核酸の発現に必要とされる全てのさらなるエレメントを含有する転写単位または発現カセットを含有する。従って、典型的な発現カセットは、例えば融合タンパク質をコードする核酸配列に作動可能に連結されたプロモーター、および、例えば転写産物の効率的なポリアデニル化、転写終結、リボソーム結合部位、または翻訳終結に必要とされるシグナルを含有する。カセットのさらなるエレメントとしては、例えばエンハンサー、異種スプライシングシグナル、および/または核局在化シグナル(NLS)を挙げることができる。
遺伝情報を細胞内へ輸送するのに用いられる特定の発現ベクターは、融合タンパク質の意図する用途、例えば植物、動物、細菌、真菌、原生動物などでの発現に関して選択される。標準的な細菌用および動物用発現ベクターは、当該技術分野において公知であり、例えば米国特許出願公開第20050064474号(A1)、ならびに国際公開第05/084190号、国際公開第05/014791号、および国際公開第03/080809号に詳細に記載されている。
特定の実施形態では、ヌクレアーゼおよびドナー配列は、遺伝子治療用途のために、細胞(例えば、哺乳動物細胞)および標的組織中で、インビボでまたはエキソビボで送達される。このような方法はまた、幹細胞に対してこのような核酸をインビトロで投与するために用いられ得る。細胞にポリヌクレオチドを送達するための非ウイルスベクター送達系としては、DNAプラスミド、裸の核酸、および、リポソームまたはポロキサマーのような送達ビヒクルと複合された核酸が挙げられる。ZFNの送達のためのウイルスベクター送達系としては、細胞への送達後にエピソームまたは組み込まれたゲノムのいずれかを有する、DNAおよびRNAウイルスが挙げられる。遺伝子治療手順の概説に関しては、Anderson,Science 256:808−813(1992);Nabel & Felgner,TIBTECH 11:211−217(1993);Mitani & Caskey,TIBTECH 11:162−166(1993);Dillon,TIBTECH 11:167−175(1993);Miller,Nature 357:455−460(1992);Van Brunt,Biotechnology 6(10):1149−1154(1988);Vigne,Restorative Neurology and Neuroscience 8:35−36(1995);Kremer & Perricaudet,British Medical Bulletin 51(1):31−44(1995);Haddadaら、in Current Topics in Microbiology and Immunology Doerfler and Boehm(編集)(1995);ならびに Yuら、Gene Therapy 1:13−26(1994)(本明細書に参照により組み込まれる)を参照のこと。
インビボまたはエキソビボでの核酸の非ウイルス性の送達の方法としては、エレクトロポレーション、リポフェクション(米国特許第5,049,386号;同第4,946,787号;および市販の試薬例えば、Transfectam(商標)およびLipofectin(商標)を参照のこと)、マイクロインジェクション、微粒子銃、ビロゾーム、リポソーム(例えば、Crystal,Science 270:404−410(1995);Blaeseら、Cancer Gene Ther.2:291−297(1995);Behrら、Bioconjugate Chem.5:382−389(1994);Remyら、Bioconjugate Chem.5:647−654(1994);Gaoら、Gene Therapy 2:710−722(1995);Ahmadら、Cancer Res.52:4817−4820(1992);米国特許第4,186,183号、同第4,217,344号、同第4,235,871号、同第4,261,975号、同第4,485,054号、同第4,501,728号、同第4,774,085号、同第4,837,028号、および同第4,946,787号)、免疫リポソーム、ポリカチオンまたは脂質:核酸の結合体、裸のDNA、人工ビリオン、ウイルスベクター系(例えば、レトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴、ワクシニアおよび単純ヘルペスウイルスベクター(ZFPを含むタンパク質を送達するための国際公開第2007/014275号に記載のもの))およびDNAの因子増強性取り込みが挙げられる。例えば、Sonitron2000系(Rich−Mar)を用いるソノポレーション(sonoporation)もまた、核酸の送達に用いられ得る。さらに、遺伝子操作されたZFPをコードするmRNAもまた、当該分野で公知の任意の適切な手段によって細胞に送達され得る。
追加の例示的な核酸送達システムとしては、Amaxa Biosystems(Cologne,Germany)、Maxcyte,Inc.(Rockville,Maryland)およびBTX Molecular Delivery Systems(Holliston,MA)およびCopernicus Therapeutics Inc.,(例えば米国特許第6,008,336号を参照のこと)によって提供されるシステムが挙げられる。
リポフェクションは、例えば、米国特許第5,049,386号;米国特許第4,946,787号;および米国特許第4,897,355号に記載されており、リポフェクション試薬は、市販されている(例えば、Transfectam(商標)およびLipofectin(商標))。ポリヌクレオチドの有効なレセプター認識リポフェクションに好適なカチオン性および中性脂肪としては、Felgner、国際公開第91/17424号、国際公開第91/16024号のものが挙げられる。送達は、細胞(エクスビボ投与)または標的組織(インビボ投与)対してであってもよい。
免疫脂質複合体などの標的化リポソームを含む脂質:核酸複合体の調製は、当業者に周知である(例えば、Crystal,Science 270:404〜410(1995)、Blaeseら、Cancer Gene Ther.2:291〜297(1995);Behrら、Bioconjugate Chem.5:382〜389(1994);Remyら、Bioconjugate Chem.5:647〜654(1994);Goら、Gene Therapy 2:710〜722(1995);Ahmadら、Cancer Res.52:4817〜4820(1992);米国特許第4,186,183号、同第4,217,344号、同第4,235,871号、同第4,261,975号、同第4,485,054号、同第4,501,728号、同第4,774,085号、同第4,837,028号、および同第4,946,787号を参照のこと)。
遺伝子操作されたZFPまたはTALEをコードする核酸の送達のためのRNAまたはDNAウイルスベースのシステムの使用は、体内の特定の細胞に対してウイルスを標的するためおよび核へウイルスペイロードを輸送するための高度に進化したプロセスを利用する。ウイルスベクターは、患者に直接送達されてもよいし(インビボ)、またはそれらは、インビトロで細胞を処置するために用いられてもよく、改変された細胞が患者に投与される(エキソビボで)。ZFPの送達のための従来のウイルスベースのシステムとしては限定するものではないが、遺伝子移入のためのレトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ワクシニアおよび単純ヘルペスウイルスベクターが挙げられるが、これらに限定されない。宿主ゲノム内の組み込みは、レトロウイルス、レンチウイルス、およびアデノ随伴ウイルス遺伝子移入方法を用いて可能であり、挿入された導入遺伝子の長期発現をもたらす場合が多い。さらに、高い形質導入効率が多くの異なる細胞種および標的組織で観察されている。
レトロウイルスの指向性は、外因性のエンベロープタンパク質を組み込むことによって変更することができ、それによって、標的細胞の潜在的な標的群を拡張させる。レンチウイルスベクターは、非分裂細胞を形質導入または感染させることが可能であり、かつ典型的に、高ウイルス価を産生する、レトロウイルスベクターである。レトロウイルス遺伝子送達システムの選択は、標的組織に依存する。レトロウイルスベクターは、最大6〜10kbの外因性配列のパッケージング能力を有する、シス作用の長末端反復から構成される。最小限のシス作用のLTRは、ベクターの複製およびパッケージングに十分であり、次いでそれらを用いて、治療遺伝子を標的細胞内に組み込みんで、永久的な導入遺伝子の発現をもたらす。広く使用されているレトロウイルスベクターとしては、マウス白血病ウイルス(MuLV)、テナガザル白血病ウイルス(GaLV)、サル免疫不全ウイルス(SIV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、およびそれらの組み合わせに基づくベクターが挙げられる(例えば、Buchscherら、J.Virol.66:2731〜2739(1992);Johannら、J.Virol.66:1635〜1640(1992);Sommerfeltら、Virol.176:58〜59(1990);Wilsonら、J.Virol.63:2374〜2378(1989);Millerら、J.Virol.65:2220〜2224(1991);PCT/US94/05700号を参照のこと)。
特定の実施形態では、核酸(例えば、ZFNをコードする)は、レンチウイルスベクターなどのウイルスベクターを用いて送達される。ウイルスベクターは、そのドナーが、ZFN、またはヌクレアーゼ切断後に組み込み部位でそれと適合する一本鎖オーバーハングを有する直鎖ドナー分子の生成を可能にする他のヌクレアーゼ標的部位に隣接する場合と同様に、ドナー核酸を送達するために用いられ得る。レンチウイルス移入ベクターは、当該分野で周知の方法によって一般に生成され得る。例えば、米国特許第5,994,136号;同第6,165,782号;および同第6,428,953を参照のこと。好ましくは、レンチウイルスドナー構築物は、インテグラーゼ欠損レンチウイルスベクター(IDLV)である。IDLVは、記載のように、例えば、Leavittら、(1996)J.Virol.70(2):721−728;Philippeら、(2006)Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 103(47):17684〜17689;および国際公開第06/010834号に開示されるように、天然のレンチウイルスインテグラーゼ遺伝子において1つ以上の変異を含む、レンチウイルスベクターを、例えば、用いて生成され得る。特定の実施形態では、IDLVは、Leavittら、(1996)J.Virol.70(2):721−728に記載のように、インテグラーゼタンパク質(D64V)の64位置で変異を含むHIVレンチウイルスベクターである。本明細書における使用に適切な追加のIDLVベクターは、本明細書において参照により組み込まれる、米国特許出願公開第2009/0117617に記載されている。
例えば、融合タンパク質の一過性の発現が好ましい、特定の実施形態では、アデノウイルスベースの系を用いてもよい。アデノウイルスベースのベクターは、多くの細胞種で極めて高い形質導入効率であり得、細胞分裂は必要としない。このようなベクターでは、高力価かつ高レベルの発現が得られた。このベクターは、比較的単純なシステムで大量に産生され得る。アデノ随伴ウイルス(「AAV」ベクターがまた、例えば、核酸およびペプチドのインビトロ産生において、ならびにインビボおよびエキソビボの遺伝子治療手順のために、標的核酸で細胞を形質導入するために用いられる(例えば、Westら、Virology 160:38−47(1987);米国特許第4,797,368号;国際公開第93/24641号;Kotin,Human Gene Therapy 5:793−801(1994);Muzyczka,J.Clin.Invest.94:1351(1994)を参照のこと)。組み換えAAVベクターの構築は、米国特許第5,173,414号;Tratschinら、Mol.Cell.Biol.5:3251−3260(1985);Tratschin,ら、Mol.Cell.Biol.4:2072−2081(1984);Hermonat & Muzyczka,PNAS 81:6466−6470(1984);およびSamulskiら、J.Virol.63:03822−3828(1989)を含めて多数の刊行物に記載される。
少なくとも6つのウイルスベクターアプローチが現在、臨床試験における遺伝子移入のために利用可能であり、これは、形質導入因子を生成するためにヘルパー細胞株中に挿入された遺伝子による欠損ベクターの相補性に関与するアプローチを利用する。
pLASNおよびMFG−Sとは、臨床試験で用いられたレトロウイルスベクターの例である(Dunbarら、Blood 85:3048−305(1995);Kohnら、Nat.Med.1:1017−102(1995);Malechら、PNAS 94:22 12133−12138(1997))。PA317/pLASNは、遺伝子治療トライアルで用いされた最初の治療ベクターであった(Blaeseら、Science 270:475−480(1995))。50%以上の形質導入効率が、MFG−Sパッケージングベクターで観察された(Ellemら、Immunol Immunother.44(1):10−20(1997);Dranoffら、Hum.Gene Ther.1:111−2(1997)。
組み換えアデノ随伴ウイルスベクター(rAAV)は、欠損および非病原性のパルボウイルスアデノ随伴2型ウイルスに基づいた見込みのある別の遺伝子送達系である。全てのベクターは、導入遺伝子発現カセットに隣接するAAVの145bpの逆方向末端反復のみを保持するプラスミド由来である。形質導入された細胞のゲノムへの組み込みに起因する、効率的な遺伝子移入および安定な導入遺伝子送達は、このベクターシステムの重要な特徴である。(Wagnerら、Lancet 351:9117 1702−3(1998),Kearnsら、Gene Ther.9:748−55(1996))。
複製欠損組み換えアデノウイルスベクター(Ad)は、高力価で産生することが可能で、かつ多数の異なる細胞種に容易に感染し得る。ほとんどのアデノウイルスベクターは、導入遺伝子がAdE1a、E1b、および/またはE3遺伝子を置換し;その後、複製欠損性ベクターが、欠失した遺伝子機能をトランスで供給するヒト293細胞において増幅されるように、遺伝子操作される。Adベクターは、非分裂の分化した細胞、例えば、肝臓、腎臓、および筋肉に見られるものなどを含む、複数の種類の組織をインビボで形質導入し得る。従来のAdベクターは、大きな搬送能力を有する。臨床試験におけるAdベクターの使用の例は、筋肉内注入を用いる抗腫瘍免疫のポリヌクレオチド治療に関与する(Stermanら、Hum.Gene Ther.7:1083〜9(1998))。臨床試験における遺伝子移入のためのアデノウイルスベクターの使用のさらなる例としては、Roseneckerら、Infection 24:1 5〜10(1996);Stermanら、Hum.Gene Ther.9:7 1083〜1089(1998)、Welshら、Hum.Gene Ther.2:205〜18(1995)、Alvarezら、Hum.Gene Ther.5:597〜613(1997);Topfら、Gene Ther.5:507〜513(1998)、Stermanら、Hum.Gene Ther.7:1083〜1089(1998)が挙げられる。
パッケージング細胞を用いて、宿主細胞を感染させることが可能なウイルス粒子を形成する。そのような細胞としては、アデノウイルスをパッケージングする293細胞、およびレトロウイルスをパッケージングするΨ2細胞またはPA317が挙げられる。遺伝子治療に用いられるウイルスベクターは、通常、核酸ベクターをウイルス粒子中にパッケージングするプロデューサー細胞株によって生成される。典型的には、これらのベクターは、パッケージングおよびその後の宿主への組み込みに必要とされる最小限のウイルス配列(適用可能な場合)、発現されるべきタンパク質をコードする発現カセットによって置換されている他のウイルス配列を含む。欠損しているウイルス機能は、パッケージングする細胞株によってトランスで提供される。例えば、遺伝子治療に用いられるAAVベクターは、典型的には、宿主ゲノム中へのパッケージングおよび組み込みに必要とされる、AAVゲノムからの逆方向末端反復(ITR)配列のみを有する。ウイルスDNAは、他のAAV遺伝子すなわち、repおよびcapをコードするが、ITR配列を欠失するヘルパープラスミドを含む細胞株内にパッケージングされる。この細胞株はまた、ヘルパーとしてアデノウイルスで感染させられる。このヘルパーウイルスは、ヘルパープラスミドからAAVベクターの複製、およびAAV遺伝子の発現を促進する。このヘルパープラスミドは、ITR配列の欠失のせいで、有意な量ではパッケージングされない。アデノウイルスの汚染は、例えば、アデノウイルスの方がAAVよりも鋭敏である熱処理によって低減することができる。
多くの適用において、ベクターが高度の特異性で特定の細胞型に送達されることが望ましい。従って、ウイルスベクターは、ウイルスの外表面上のウイルスコートタンパク質を用いて、融合タンパク質としてのリガンドを発現させることによって、所与の細胞型に対する特異性を有するように改変(修飾)することができる。このリガンドは、目的の細胞型上に存在することが公知のレセプターに対する親和性を有するように選択される。例えば、Hanら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA92:9747〜9751(1995)は、モロニーマウス白血病ウイルスが、gp70に融合されたヒトヘレグリンを発現させるように修飾することができ、その組み換えウイルスが、ヒト上皮成長因子レセプターを発現する特定のヒト乳癌細胞を感染させることを報告した。この原理は、標的細胞がレセプターを発現し、ウイルスが細胞表面レセプターのためのリガンドを含む融合タンパク質を発現する、他のウイルス標的細胞対にまで及び得る。例えば、線状ファージは、事実上、任意の選択された細胞レセプターに特異的結合親和性を有する抗体フラグメント(例えば、FABまたはFv)を提示するように遺伝子操作することができる。上記の説明は、主にウイルスベクターに適用されるが、同じ原理を非ウイルスベクターに適用することができる。そのようなベクターは、特異的標的細胞による取り込みを好む、特異的な取り込み配列を含むように遺伝子操作することができる。
ベクターは、代表的には全身投与(例えば、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、または頭蓋内の注入)によって局所的に、個々の患者への投与によってインビボで送達されてもよい。あるいは、ベクターは、細胞に対して、エキソビボで、例えば、個人の患者から移植された細胞(例えば、リンパ球、骨髄穿刺液、組織生検)または万能ドナーの造血幹細胞に送達され、続いて、通常、ベクターを組み込んだ細胞の選択後、この細胞が患者へ再移植されてもよい。
診断、研究、または遺伝治療のためのエキソビボでの細胞のトランスフェクション(例えば、宿主生物体へのトランスフェクト細胞または幹細胞の再注入を介する)は、当業者には周知である。好ましい実施形態においては、細胞は、被験体生物から単離され、ZFP核酸(遺伝子またはcDNA)および外因性配列をトランスフェクトされ、被験体生物(例えば、患者)内に再注入される。エキソビボトランスフェクションに好適な種々の細胞型は、当業者には周知である(例えば、Freshneyら、Culture of Animal Cells,A Manual of Basic Technique(第3版.1994)、および患者からの細胞をどのように単離し、かつ培養するかの考察のために本明細書に引用した参考文献を参照のこと)。
一実施形態においては、幹細胞は、細胞トランスフェクションおよび遺伝子治療のためのエキソビボ手順に用いられる。幹細胞を用いる利点とは、それらがインビトロで他の細胞型に分化することができるか、または哺乳動物(細胞のドナーなど)に導入して、それらの細胞を骨髄内に移植することができることである。GM−CSF、IFN−γ、およびTNF−αなどのサイトカインを用いて、CD34+細胞をインビトロで臨床的に重要な免疫細胞型に分化するための方法は、公知である(イナバ(Inaba)ら、J.Exp.Med.176:1693〜1702(1992)を参照のこと)。
幹細胞は、公知の方法を用いて、形質導入および分化のために単離される。例えば、幹細胞は、CD4+およびCD8+(T細胞)、CD45+(panB細胞)、GR−1(顆粒球)、およびIad(分化された抗原提示細胞)などの不要細胞を結合する抗体を有する骨髄細胞をパンニングすることによって、骨髄から単離される(Inabaら、J.Exp.Med.176:1693〜1702(1992)を参照のこと)。さらに、誘導性の多能性幹細胞(iPSC)も利用され得る。
本明細書に記載される核酸を含むベクター(例えば、レトロウイルス、アデノウイルス、リポソームなど)はまた、インビボでの細胞の形質導入のために、生物体に直接投与することもできる。あるいは、裸のDNAを投与することができる。投与は、限定するものではないが、注射、注入、局所適用、およびエレクトロポレーションを含めて、血液または組織細胞との最終接触に分子を導入するために通常用いられる任意の経路による。そのような核酸を投与する適切な方法は、利用可能でかつ当業者に周知であり、2つ以上の経路を用いて特定の組成物を投与することができるが、特定の経路は、別の経路よりも即時的かつ有効な反応を提供し得る場合が多い。
DNAを造血幹細胞に導入する方法は、例えば、米国特許第5,928,638号に開示されている。造血幹細胞、例えば、CD34+細胞への導入遺伝子の導入に有用なベクターとしては、アデノウイルス35型が挙げられる。
免疫細胞(例えば、T細胞)への導入遺伝子の導入に好適なベクターとしては、非組み込みレンチウイルスベクターが挙げられる。例えば、Oryら、(1996)Proc.Natl.Acad.Sci.USA93:11382〜11388、Dullら、(1998)J.Virol.72:8463〜8471、Zufferyら、(1998)J.Virol.72:9873〜9880;Follenziら、(2000)Nature Genetics 25:217〜222を参照のこと。
薬学的に許容される担体は、投与されている特定の組成物、ならびに組成物を投与するために使用される特定の方法によって部分的には決定される。従って、下記に説明するように、使用可能な多種多様な適切な薬学的組成物の処方物が存在する(例えば、Remington‘s Pharmaceutical Sciences,第17版,1989を参照のこと)。
上記のとおり、1つ以上の融合タンパク質はまた、例えば、国際公開第2007/014275号に記載される方法を用いてポリペプチドとして細胞に導入されてもよい。タンパク質送達ビヒクルの非限定的な例としては、「膜転位ポリペプチド」が挙げられ、例えば、膜転位担体、毒素分子、リポソーム、およびリポソーム誘導体、例えば、免疫リポソーム(標的化リポソームを含む)として機能する能力を有する両親媒性または疎水性アミノ酸のサブ配列を有するペプチドが挙げられる。
ヌクレアーゼ、ドナー、ならびにこれらのヌクレアーゼおよび/またはドナーを含む発現ベクターは、治療または予防の適用のために、例えば、癌、虚血、糖尿病性網膜症、黄斑変性症、関節リウマチ、乾癬、HIV感染、鎌状赤血球貧血、アルツハイマー病、筋ジストロフィー、神経変性症、血管病、のう胞性線維症、脳卒中などの治療または予防用途のために、所望の遺伝子座、例えば、PPP1R12C遺伝子座への標的切断および組み込みのために、患者に直接投与されてもよい。(共同所有の米国特許出願公開第20080299580号を参照のこと)。
治療的有効な量の投与は、融合タンパク質を導入して治療すべき組織と最終的に接触させるための任意の正常に用いられる経路のいずれかによる。このタンパク質は、任意の適した様式で、好ましくは、薬学的に許容される担体と共に投与される。そのようなモジュレーターを投与するのに適した方法が使用可能で、当業者に周知であり、特定の組成物を投与するために2つ以上の経路を用いてもよいが、特定の経路が、別の経路よりも、より速効性で、かつより有効な反応を提供し得る場合が多い。
薬学的に許容される担体は、一部、投与される特定の組成物によって、ならびに組成物を投与するために用いられる特定の方法によって決定される。従って、利用可能な薬学的組成物の広範囲にわたる適切な処方物が存在する(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第17版、1985)を参照のこと)。
融合タンパク質は、単独でまたは他の適した成分と組み合わせて、吸入により投与されるエアロゾル処方物(すなわち、「噴霧」させることができる)にされてもよい。エアロゾル処方物は、許容される加圧噴霧剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素など中に入れられてもよい。
例えば、静脈内、筋内、皮内および皮下経路のような非経口投与に適切な処方物としては、酸化防止剤、緩衝剤、静菌薬、およびこの処方物を意図するレシピエントの血液と等張にする溶質を含み得る水性および非水性の等張滅菌注射液、ならびに懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤、安定化剤および保存剤を含んでもよい水性および非水性滅菌懸濁液が挙げられる。開示した組成物は、例えば、静脈内注射により、経口で、局所的に、腹腔内に、膀胱内に、または髄腔内に投与されてもよい。化合物の処方物は、単位用量または複数回用量の密閉容器内、例えば、アンプルおよびバイアル内で提供されてもよい。注射液および懸濁液は、前に記載した種類の滅菌粉末、顆粒、および錠剤から調製されてもよい。
上で注記したとおり、DNA構築物は、種々の従来の技術によって所望の植物宿主中に(例えば、そのゲノム中に)導入されてもよい。このような技術の概説については、例えば、Weissbach & Weissbach Methods for Plant Molecular Biology(1988,Academic Press,N.Y.)Section VIII,pp.421〜463;およびGrierson & Corey,Plant Molecular Biology(1988,第2版),Blackie,London,Ch.7〜9を参照のこと。
例えば、DNA構築物は、植物細胞プロトプラストのエレクトロポレーションおよびマイクロインジェクションなどの技術を用いて植物細胞のゲノムDNA中に直接導入されてもよいし、またはDNA構築物は、DNA粒子ボンバードメントなどの微粒子銃法を用いて植物組織に直接導入されてもよい(例えば、Kleinら、(1987)Nature 327:70〜73を参照のこと)。あるいは、DNA構築物は、ナノ粒子形質転換を介して植物細胞中に導入されてもよい(例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第20090104700号を参照のこと)。あるいは、DNA構築物は、安定なT−DNA境界/隣接領域と組み合わせて、従来のAgrobacterium tumefaciens(アグロバクテリウム・ツメファシエンス)宿主ベクター内に導入してもよい。AgrobacteriumのT−DNA送達は、そのドナーが、一本鎖オーバーハング(ヌクレアーゼ切断後に組み込み部位でそれらと適合する)を有する直鎖状ドナー分子の生成を可能にする、ZFEまたは他のヌクレアーゼ標的部位に隣接する場合、そのドナー核酸を送達するために用いられ得る。Agrobacterium tumefaciens媒介性の形質転換技術、例としては、バイナリーベクターの非病害化(ディサーミング)(disarming)および使用は、科学文献で十分に記載される。例えば、Horschら、(1984)Science 233:496−498;およびFraleyら、(1983)Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 80:4803を参照のこと。
さらに、上記で考察されるような遺伝子移入は、非アグロバクテリウム性の細菌またはウイルス、例えばRhizobium sp.、NGR234、Sinorhizoboium meliloti、Mesorhizobium loti、ジャガイモウイルスX、カリフラワーモザイクウイルスおよびキャッサバベインモザイクウイルスおよび/またはタバコモザイクウイルスを用いて達成され得る。例えば、Chungら、(2006)Trends Plant Sci.11(1):1〜4を参照のこと。
バイナリーT DNAベクター(Bevan(1984)Nuc.Acid Res.12:8711−8721)または共培養手順(Horschら、(1985)Science 227:1229−1231)を用いて細胞を細菌に感染させる場合、Agrobacterium tumefaciens宿主の毒性機能は、この構築物および隣接マーカーを含有するT鎖の植物細胞DNA内への挿入を指向する。一般に、Agrobacteriumの形質転換システムは、双子葉植物を遺伝子操作するために用いられる(Bevanら、(1982)Ann.Rev.Genet 16:357−384;Rogersら、(1986)Methods Enzymol.118:627−641)。アグロバクテリウム形質転換システムを用いて、DNAを単子葉性の植物および植物細胞に形質転換ならびに移入することもできる。米国特許第5,591,616号;Hernalsteenら、(1984)EMBO J 3:3039−3041;Hooykass−Van Slogterenら、(1984)Nature 311:763−764;Grimsleyら、(1987)Nature 325:1677−179;Boultonら、(1989)Plant Mol.Biol.12:31−40;およびGouldら、(1991)Plant Physiol.95:426−434を参照のこと。
代替的な遺伝子移入および形質転換方法としては、限定するものではないが、カルシウム−、ポリエチレングリコール(PEG)、またはエレクトロポレーション媒介性の裸のDNAの取込みを通じたプロトプラスト形質転換が挙げられる(Paszkowskiら、(1984)EMBO J 3:2717−2722,Potrykusら、(1985)Molec.Gen.Genet.199:169−177;Frommら、(1985)Proc.Nat.Acad.Sci.USA 82:5824−5828;およびShimamoto(1989)Nature 338:274−276)、ならびに植物組織のエレクトロポレーション(D’Halluinら、(1992)Plant Cell 4:1495−1505)。植物細胞の形質転換のためのさらなる方法には、マイクロインジェクション、炭化ケイ素媒介性のDNAの取り込み(Kaepplerら、(1990)Plant Cell Reporter 9:415−418)、ならびにマイクロプロジェクタイル・ボンバードメント(Kleinら、(1988)Proc.Nat.Acad.Sci.USA 85:4305−4309;およびGordon−Kammら、(1990)Plant Cell 2:603−618を参照のこと)が挙げられる。
開示される方法および組成物を用いて、植物細胞のゲノム内に挿入された複数の挿入部位へ外因性配列を挿入してもよい。これは、植物ゲノム内に導入された導入遺伝子の発現は、その組み込み部位に決定的に依存するので有用である。従って、例えば除草剤耐性、虫害抵抗性、栄養素、抗生物質、または治療用分子をコードする遺伝子を、標的組み換えによってそれらの発現に有利な植物ゲノムの領域内に挿入することができる。
上記の形質転換技術のいずれかによって作製される形質転換した植物細胞を培養して、形質転換した遺伝子型、従って、所望の表現型を保有する植物全体を再生してもよい。そのような再生技術は、所望のヌクレオチド配列とともに導入されている殺生物剤および/または除草剤マーカーに典型的には依拠する、組織培養成長培地における特定の植物ホルモンの操作に依拠する。培養したプロトプラストからの植物再生は、Evansら、「Protoplasts Isolation and Culture」in Handbook of Plant Cell Culture,pp.124−176,Macmillian Publishing Company,New York,1983;およびBinding,Regeneration of Plants,Plant Protoplasts,pp.21−73,CRC Press,Boca Raton,1985に記載されている。再生はまた、植物のカルス、外植片、器官、花粉、胚、またはその一部から得ることもできる。そのような再生技術はKleeら、(1987)Ann.Rev.of Plant Phys.38:467−486に概して記載されている。
植物細胞に導入された核酸を用いて、本質的に任意の植物に所望の特質を与えることができる。多種多様な植物および植物細胞システムを、本開示の核酸構築物および前述の種々の形質転換法を用いることによって、本明細書に記載される所望の生理学的かつ農学的特徴のために遺伝子操作してもよい。好ましい実施態様では、遺伝子操作のための標的植物および植物細胞としては、限定するものではないが、単子葉および双子葉植物、例えば、作物、例としては、穀類作物(例えば、コムギ、トウモロコシ、イネ、キビ、オオムギ)、果実作物(例えば、トマト、リンゴ、ナシ、イチゴ、オレンジ)、飼料作物(例えば、アルファルファ)、根菜作物(例えば、ニンジン、ジャガイモ、サトウキビ、ヤムイモ)、葉菜作物(例えば、レタス、ホウレンソウ);顕花植物(例えば、ペチュニア、バラ、キク)、針葉樹、および松の木(例えば、パインファー、トウヒ);ファイトレメディエーションに用いられる植物(例えば、重金属を蓄積する植物);油料作物(例えば、ヒマワリ、ナタネ)、ならびに実験的目的のために用いられる植物(例えば、シロイヌナズナ)が挙げられる。従って、開示される方法および組成物は、限定するものではないが、アスパラガス属、カラスムギ属、アブラナ属、ミカン属、スイカ属、トウガラシ属、カボチャ属、ニンジン属、ムカシヨモギ属、ダイズ属、ワタ属、オオムギ属、アキノノゲシ属、ドクムギ属、トマト属、リンゴ属、キャッサバ属、タバコ属、オオアラセイトウ(Orychophragmus)属、イネ属、ワニナシ属、インゲンマメ属、エンドウ属、ナシ属、サクラ属、ダイコン属、ライムギ属、ナス属、モロコシ属、コムギ属、ブドウ属、ササゲ属、およびトウモロコシ属由来の種を含む広範囲の植物にわたって用途を有する。
当業者であれば、外因性配列をトランスジェニック植物に安定的に組み込み、操作可能であると確認した後に、それを生殖交配によって他の植物内に導入することができるということを理解するであろう。任意の多数の標準的な育種技術を、交配される種に応じて用いてもよい。
形質転換するDNA上に存在するマーカー遺伝子によってコードされる形質について、遺伝子操作された植物物質を選択またはスクリーニングすることによって、形質転換した植物細胞、カルス、組織、または植物を同定しかつ単離してもよい。例えば、阻害量の抗生物質または除草剤(それに対して形質転換する遺伝子構築物が耐性を付与する)を含有する培地上で遺伝子操作された植物物質を成長させることによって、選択を行ってもよい。さらに、組み換え核酸構築物上に存在し得る、任意の可視的マーカー遺伝子(例えば、β−グルクロニダーゼ、ルシフェラーゼ、BまたはC1遺伝子)の活性についてスクリーニングすることによっても、形質転換した植物および植物細胞を同定することができる。そのような選択およびスクリーニング方法論は、当業者に周知である。
物理学的かつ生化学的方法をまた用いて、挿入した遺伝子構築物を含有する植物または植物細胞の形質転換体を同定してもよい。これらの方法としては、限定するものではないが以下が挙げられる:1)組み換えDNAインサートの構造を検出かつ決定するためのサザン分析またはPCR増幅;2)遺伝子構築物のRNA転写産物を検出かつ検査するためのノーザンブロット、S1 RNase保護、プライマー伸長もしくは逆転写酵素PCR増幅;3)酵素またはリボザイムの活性を検出するための酵素アッセイであって、そのような遺伝子産物が遺伝子構築物によってコードされているアッセイ;4)遺伝子構築物の産物がタンパク質である場合、タンパク質ゲル電気泳動、ウェスタンブロット技術、免疫沈降、または酵素結合免疫測定法(ELISA)。インサイチュのハイブリダイゼーション、酵素染色、および免疫染色等のさらなる技術を用いて、特定の植物器官および組織における組み換え構築物の存在または発現を検出してもよい。これら全てのアッセイを行うための方法は当業者に周知である。
本明細書に開示される方法を用いた遺伝子操作の効果は、例えば、目的の組織から単離したRNA(例えば、mRNA)のノーザンブロットによって観察してもよい。典型的には、mRNAが存在しているかまたはmRNAの量が増加している場合、対応する導入遺伝子が発現していると推測することができる。遺伝子および/またはコードされたポリペプチドの活性を測定する他の方法を用いてもよい。用いられた基質、および反応産物または副産物の増加または減少を検出する方法に応じて、様々な種類の酵素アッセイを用いてもよい。さらに、発現させたポリペプチドの量は、免疫化学的に、すなわちELISA、RIA、EIA、および当業者に周知の他の抗体に基づくアッセイ、例えば電気泳動検出アッセイ(染色またはウェスタンブロッティングのいずれかを伴う)などによって測定してもよい。非限定的な一例として、ELISAアッセイを用いたAAD−1およびPATタンパク質の検出は、参照によりその全体として本明細書に援用される、米国特許出願第11/587,893号に記載されている。植物のある組織においてもしくはある発生段階において、導入遺伝子を選択的に発現させてもよく、または実質的に全ての植物組織において、実質的にそのライフサイクル全体にわたって、導入遺伝子を発現させてもよい。しかしながら、任意のコンビナトリアルの発現様式も適用可能である。
本開示はまた、上記のトランスジェニック植物の種子を包含するものであって、この種子は導入遺伝子または遺伝子構築物を有する。本開示はさらに、上記のトランスジェニック植物の後代、クローン、細胞株、または細胞を包含するものであって、この後代、クローン、細胞株、または細胞は、導入遺伝子または遺伝子構築物を有する。
融合タンパク質(例えば、ZFNまたはTALEN)および融合タンパク質をコードする発現ベクターを、遺伝子制御、標的切断および/または組み換えのために、植物に直接投与してもよい。ある実施態様では、植物は複数のパラロガス標的遺伝子を含有する。植物が複数のパラロガス遺伝子を含み得ることは公知である。従って、1つ以上の異なる融合タンパク質または融合タンパク質をコードする発現ベクターを植物に投与して、植物における1つ以上のZp15遺伝子を標的としてもよい。
有効量の投与は、処理される植物細胞と最大限に接触して融合タンパク質を導入するために通常用いられる任意の経路によるものである。この融合タンパク質を、任意の適切な様式で、好ましくは許容可能な担体とともに投与する。そのようなモジュレーターを投与する適切な方法は利用可能であり、当業者に周知であり、また2つ以上の経路を用いて特定の組成物を投与することができるが、特定の経路では別の経路より即時かつ効果的な反応を提供し得る場合が多い。
担体もまた、用いてもよく、投与される特定の組成物によって、ならびにこの組成物を投与するのに用いられる特定の方法によって、一部は決定される。従って、使用可能である多種多様な担体の適切な処方物が存在する。
適用
開示される方法および組成物は、標的化組み込みがNHEJ経路を介して達成される、細胞中への任意の配列の標的化組み込みのために用いられ得る。相同性指向性の修復(HDR)媒介性の遺伝子付加とは異なり、本明細書に記載されるようなNHEJによるドナー捕獲は、ドナー(外因性)DNAの染色体への直接組み込みを生じる。さらに、捕獲(組み込み)は、標的部位の広範な配列情報に頼ることなく生じる。また、ドナーDNAは直接捕獲されるので、ホスホロチオエートドナーの使用は、化学的に異常なDNAの染色体挿入を生じ得る。NHEJ捕獲技術のための1つの注目すべき潜在的な用途は、種々の天然ではないDNAの塩基および骨格による細胞の作成である。詳細には、メチル化シトシンのDNAの挿入は、転写の静止状態の領域を達成するように機能し得る。オリゴヌクレオチドドナーの標的化組み込みは、エピトープタグ化に、作成もしくは修飾もしくは転写因子の結合部位のために、またはRNAスプライシングを調節する部位の挿入のために用いられ得る。
リコンビナーゼ認識配列を含む合成ドナー(例えば、loxP部位)を、このような部位でCre媒介性の導入遺伝子とともに用いてもよい。このようなストラテジーを用いて、もとの遺伝子の改変体で欠失領域を置き換えてもよいし(これによって単離されたハプロタイプの研究が可能になる)、または所望の位置へ任意の所望の核酸を組み込んでもよい。例えば、細菌中に効率的にクローニングするには、またはHDRを介して組み込むには大きすぎる任意の導入遺伝子は、二工程のリコンビナーゼ媒介性のプロセスを介して、さらに良好に組み込まれ得る。例えば、loxP部位で機能化された酵母人工染色体ドナーを、トランスフェクション後に部位特異的に組み込んでもよい(Marschallら、(1999)Gene Ther,6,1634〜1637)。さらに、このような認識部位の挿入は、同じ認識部位を介して種々の異なるドナーを組み込むために用いられ得る、細胞の産生を可能にする。例えば、これは、組み換えタンパク質産生のために独自のまたは高プロデューサー細胞株を構築するために有用であり得る。
NHEJ媒介性の標的化組み込みは、HDRシステムが容易に利用できない場合、任意の核酸の挿入のための好ましい方法である。非限定的な例としては、非分裂細胞、初代細胞、および相同性ベースのDNA修復が劣る細胞中へ標的化組み込みを可能にすることが挙げられる。本明細書に記載されるような直鎖状ドナーが作成され得る、ZFNまたはTALENの設計および速度の可塑性によって、哺乳動物ゲノムへの標的化導入遺伝子組み込みは加速される。最終的に、外因性DNAの直接捕獲は、合理的なドナー設計の影響を受け易い規定のオーバーハングを残す、他のヌクレアーゼ(例えば、メガヌクレアーゼ)によって作成されるDSBに対して拡張可能であると証明しなければならない。
実施例1
ZFNの調製
AAVS1、GS、BAK、POU5F1およびIL2Rγに標的化されたZFNは、本質的に、Urnovら、(2005)Nature 435(7042):646−651,Perezら、(2008)Nature Biotechnology 26(7):808−816、および米国特許出願公開第2008/0131962号に記載のとおり、設計して、プラスミドまたはアデノウイルスベクター中に組み込んだ。さらに、AAVS1に標的化されるZFNについては、米国特許出願公開第20080299580号、およびGSに標的化するZFNについては、米国特許出願公開第20100129869号に対応する米国特許出願公開を参照のこと。
代表的なZFN設計のための認識らせんを、下の表1に示す。ジンクフィンガー設計の標的部位は、第一のカラムに示す。ZFN認識らせんに接触する認識部位中のヌクレオチドは、大文字で示し;接触しないヌクレオチドは、小文字で示す。
Figure 2013518602
Figure 2013518602
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実施例2
AAVS1中のNHEJ駆動ドナー捕獲
ZFNは、DNAを非対称に切断して、個々のZFNが反対側の鎖上で6bp離れてまたは5bp離れて結合するか否かに依存して4bpまたは5bpのいずれかの5’オーバーハングを主に残す(Smithら、(2000)Nucleic Acids Res,28:3361−3369)。Smithの報告以来、種々のデザインを有するZFNが開発された。これによって、ZFN切断オーバーハングを測定する簡易なアッセイが考案された。
要するに、ZFN切断標的プラスミドを精製し、Klenowポリメラーゼで処理して、平滑末端フラグメント、cisで連結されるフラグメント、および配列決定された連結された領域(図1A)を作成した。この手順は、ZFN結合部位の間で短い重複を生じ、これからオーバーハングの同一性が推定され得る。ZFN標的プラスミドを作成するために、AAVS1のZFN標的部位を含むオリゴ類(5’−tgt ccc ctc cAC CCC ACA GTG Ggg cca cTA GGG ACA GGA Ttg gtg aca ga−3’,配列番号91)、GS(5’−gac cCC AAG CCC ATT CCT GGG Aac tgg aAT GGT GCA GGC Tgc cat acc aa−3’、配列番号92)、およびIL2Rγ(5’−gtt tcg tgt tCG GAG CCG CTT Taa ccc ACT CTG TGG AAG tgc tca gca tt−3’、配列番号93)ZFN対を、それらの逆の相補体に対して、50mMのNaCl、10mMのTris pH7.5、および1mMのEDTA中でアニーリングした。大文字は、ZFN結合部位を示すが、小文字は、隣接する配列およびスペーサー配列を示す。
次いで、二本鎖生成物を、pBluescript II KS(Stratagene)のEcoRV部位中にクローニングした。ZFNをインビトロで、ウサギ網状赤血球溶血液(Promega)を用いるT7−カップリングした転写/翻訳キットによって合成した。2Aで連結したZFN AAVS1(SBS15556および15590)およびGS(SBS9372および9075)については、30ngのプラスミドを用いた;未結合のIL2Rγ ZFN(SBS7263および7264)、20ngの各々のプラスミドを用いた。転写および翻訳の反応物(60μL)に500μMのZnCl2を補充し、30℃で1.5時間インキュベートした。ZFN−含有溶解液を30分内にDNA切断に用いた。標的化IL2Rγのものは除いて、用いる全てのZFNは、HiFiの亜種であった(Millerら、(2005)Nature,435,646−651)。
切断反応(35μL)は、2.5μgの標的プラスミド、28.5μLの網状赤血球溶血液、10mMのEGTA、および1XのRestriction Buffer 2(New England Biolabs)を含み、37℃でインキュベートした。ZFNなしの溶解液中のHindIII、および1×NEB緩衝液2中のHindIIIによるコントロールの実験も行った。プラスミドの直線化には、正確なZFNの対の存在を必要とした。AAVS1、IL2Rγ、およびHindIIIでの反応は、2分後に終わらせ、GS反応物には5分後、10mMのTris/1mMのEDTAを200μLまで添加し、続いてフェノール抽出およびエタノール沈殿した。直線化したプラスミドをアガロースゲル電気泳動によってゲル精製して、37℃で30分間、1×緩衝液2に加えて50μMのdNTP中で0.05UのKlenow DNAポリメラーゼ(New England Biolabs)とともにインキュベートした。Klenowポリメラーゼは、75℃で20分間インキュベーションすることによって不活性化し、続いて20UのT4 DNAリガーゼ(New England Biolabs)およびATPを1mMまで添加した。
ライゲーション反応は、標準のIllumina配列決定領域を含む標的特異的なプライマーを用いて30サイクルのPCRで増幅した。PCR産物は、QIAquick Gel Extraction Kitで精製し、次いで、GeneJET PCR Purification Kit(Fermentas)で再精製し、0.1×溶出緩衝液で溶出した。サンプルを等モル比で一緒に混合して、34bpの読み取り長さのIllumina DNA配列決定器(Elim Biopharmaceuticals)にかけた。配列決定の読み取りは、カスタムPytonスクリプト(custom Python script)を用いて、少なくとも30のクオリティースコアでビンニングした。配列の説明可能性に対する正確な有害効果なしにクオリティースコアを減じる、テンプレート特異的な配列決定異常に起因して、AAVS1読み取りには2というクオリティースコアのカットオフを用いた。野生型標的配列(全部で5〜15%)を破棄して、各々の標的についてのトップの10個のビンニングを手技的に分析した。本明細書で示すパーセンテージは、関連のビンニングを分子として、および読み取りの全体的なコレクションを分母として用いて算出した。未分析の配列(各々0.2〜0.0001%で約1500ビンニング)は分析しなかったので、示したパーセンテージは、合計100%ではない。緩衝液2中のHindIIIについては、573490の配列読み取りを分析した、網状赤血球溶血液中のHindIIIについては、3473683;IL2Rγについては、1985413;GSについては、2389486;AAVS1については、3111505。
ハイスループットDNA配列決定の使用によって、フルスペクトルの切断産物を明らかにすることが可能になった。このストラテジーは、十分特徴付けられたHindIII制限酵素によって生成される4bpの5’オーバーハングを測定することによって確認し、次いで、これを用いて、IL2Rγ、GS、およびAAVS1ジンク・フィンガーヌクレアーゼによって作成されたオーバーハングを決定した(図1B)。ZFNモノマーが5bp離れているIL2Rγについては、5bp離れた5bpの5’オーバーハングは、全てのオーバーハング型の93%を構成した。4bpのオーバーハングの二次および三次のクラスが、トップおよびボトムの鎖のニック部分における1bpのシフトに起因してみられた。類似の結果がGSおよびAAVS1について得られた:これらの6bpの隔てたZFNは、FokIヌクレアーゼ切断における1bpのシフトから生成される二次産物を有する主に4bpのオーバーハングを生成した。重要なことに、網状赤血球溶血液における切断は、生成されるオーバーハングの種類に影響しなかった(図1B)。
アニーリングされた場合、AAVS1 ZFNによって生成されるものに相補的な4bpの5’オーバーハングを有するように設計された2つの49bpの5’リン酸化オリゴヌクレオチド(図2Aの略図)を合成した。染色体中への直接挿入のための二本鎖オリゴヌクレオチドを、50mMのNaCl、10mMのTris pH7.5、および1mMのEDTA中で、各々最終濃度40または500uMでアニーリングした(それぞれ、図2および図3)。
正確なアニーリングは、非変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって確認した。用いたオリゴヌクレオチドを下の表3で示す。これらのオリゴヌクレオチドは、EcoRIおよびBamHI制限酵素認識部位(表3で下線で示す)を含む。これらのオリゴヌクレオチド、最初の4塩基を欠く同一バージョン、および最初の4塩基がそれぞれ、5’−ctgg−3’および5’−ccag−3’に変化したバージョンを図2Bにドナーとして用いた。
これらの二本鎖DNAドナーを、AAVS1 ZFN内で同時トランスフェクトした。NHEJによるドナー捕獲については、百万個のK562細胞、3μgの2A連結AAVS1 ZFN、および2000、200、20、または0nMのドナーを100μL中でトランスフェクトした。トランスフェクションの2日後、AAVS1遺伝子座をPCRによって増幅して、AAVS1部位へのドナーの挿入をEcoRI消化によってアッセイした(図2B)。NHEJによるドナー捕獲の分析のために行った全てのPCR反応物は、100ngのゲノムDNA、1×Accuprime Buffer II、および1UのAccuprime Taq DNA Polymerase High Fidelity(Invitrogen)、ならびに50uMの各々の適切なプライマーを含んだ。PCR反応は、30サイクルの増幅について行った。アニーリング温度は60°で、伸長時間は30秒であった。
全てのゲルの定量は、Imagequant 5.1ソフトウェアを用いてデンシトメトリーによって行った。写真およびオートラジオグラフィーの間、画像の一部が飽和しないことが保証されるように注意した。図で示されるゲル写真の曝露が長いほど、時には示されるバンドの量が低下する。
PCRに用いるプライマーを下の表3に示す。首尾よい挿入によれば、327bpおよび258bpのEcoRIフラグメントが生じ;挿入が、反対方向で生じる場合は、308bpおよび277bpのバンドが生じるであろう。7%を超えるPCR産物が、ドナー濃度依存性、オーバーハング依存性、およびZFN依存性の方式で予想のEcoRIフラグメントを生じた(図2B、レーン3)。
PCR産物をまた、CEL−I Surveyor(商標)アッセイ(Transgenomics)を用いてパーセント改変についてアッセイした。28±5%の染色体が、CEL−Iアッセイで測定したとおり、この実験でZFNによって切断された;従って、ドナー捕獲の効率は、27%程度の高さであった。
Figure 2013518602
AAVS1オーバーハングと正確に塩基対合できないドナーは、著しく低い頻度(3%)で染色体に挿入された(図2B、レーン6)。
実施例3
GS中のNHEJ由来のドナー捕獲
直鎖状ドナーのNHEJ捕獲が遺伝子座でも細胞型特異的でもないことを示すために、本発明者らは、この同じ技術をチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞;Cricetulus griseus)のGS遺伝子に拡張した。この実験では、上記のものに類似のドナーを、GS遺伝子を切断するZFNで同時トランスフェクトした(共同所有の 米国特許出願公開第20100129869も参照のこと)。ドナー構築のために用いられるオリゴを下の表4に示す。さらに、上記のとおり、最初の4塩基を欠く同一バージョン、および最初の4塩基が、それぞれ5’−aaga−3’および5’−tctt−3’に変化しているバージョンを用いた。
百万個のCHO−K1細胞、3μgのA−連結GS ZFN、および2000、200、20、2、または0nMのGSドナーを100μL中にトランスフェクトした。ドナーは、AAVS1について上記されたように表4中で下に示すオリゴをアニーリングすることによって作製した。比較のために、本発明者らは、GSでSDSA媒介性の標的化−組み込み反応を20μgのいずれかのドナープラスミドと2A−連結したZFNとを同時トランスフェクトすることによって行った。NHEJを介したドナー捕獲の分析のために、GS遺伝子座を、下の表4に示すプライマーを用いて上記のとおりPCR増幅して、生成物を両方とも上記のようなCEL−IおよびRFLPノックインアッセイに対して供した。
11パーセントの染色体が、ドナーDNAの挿入を含んだ(図2C、レーン7)。少なくとも24±3%のGS遺伝子座がこの実験でZFN切断されたので、ドナー捕獲の効率は46%程度の高さであった。非ホスホロチオエートドナーを用いた場合、8%の染色体がドナー挿入を受容し、挿入は低いドナー濃度に対してさらに鋭敏になった(図2C、レーン3〜6)。AAVS1遺伝子座で得られた結果と同様に、GSでの合成ドナーの挿入は、非相補性−オーバーハングドナーで、低頻度で生じ、ブラントエンド(平滑末端)のドナーを用いる場合、無効にされた(図2C、レーン11〜18)。GS遺伝子座では、NHEJを介するドナー組み込みの頻度は、従来のプラスミドドナーを用いる17bpのHDR媒介性の挿入に匹敵した(図2C、レーン7および図2Dレーン8)。22±3%のGS遺伝子座は、この実験ではZFN切断されたので、組み込みの効率は、31%程度の高さであった。
Figure 2013518602
本発明者らのPCRベースのドナー挿入アッセイの結果を確認するために、本発明者らは、ドナー配列の挿入を保有するCHO細胞クローンを単離した。135個のクローンを、BamHI消化によってスクリーニングして、11個のクローン(8%)を見出し、ここで真のドナー挿入は、DNA配列決定によって確認されるとおりであった。
不正確な塩基対合末端を有するドナーの挿入には、NHEJの不正確な結合モードが必要である。低いが受容可能な頻度の不正確な末端結合によって、いくつかのドナーが、完全に相補的なオーバーハングが提供される場合でさえ、忠実に挿入されなかったであろうことが示唆された。ドナー挿入の忠実度を決定するために、ドナー依存性PCR産物のプールをクローニングして配列決定した。ホスホロチオエートドナーが用いられるとき、55%の挿入物が、完全に連結された接合部を含んだ;この頻度は、標準的なDNAドナーの使用によってわずか9%まで低下した(表5)。ドナーおよび染色体末端の断裂でのエキソヌクレアーゼ消化によって、事象の残りでは不完全な挿入が生じた。
Figure 2013518602
実施例4
ゲノムの欠失領域へのNHEJ駆動の捕獲
2つの別個のZFN対のトランスフェクションは結果として、2つのDSBの作成を生じ、そして時には、欠失を作成するための介在するDNAの喪失を生じる(Leeら、(2010)Genome Res.20(1):81〜9)。種々のZFN対によって作成されるオーバーハングは、非相補性の末端を有するので、欠失の形成は、マイクロホモロジー媒介性の末端結合(MMEJ)を要する。ドナーが欠失の部位で捕獲され得るか否かを確認するために、本発明者らは、K562細胞中のPOU5F1遺伝子座に標的された2つのZFN対、およびCHO−K1細胞中のBAK遺伝子座の3つのZFN対によって生成された外部の2つのオーバーハングと適合するドナーを作成した(図3Aに略図)。BAK欠失AおよびBは、右側のZFN対を共有し、かつ同様の左側のZFN対を有する(3bpで相殺される)。BAK挿入については、POU5F1に用いたloxP Fオリゴの最初の5bpは、その最初の4bpが5’−ccca−3’に変化された、POU5F1に用いられるlox P Rオリゴと組み合わせた、5’−cagc−3’(欠失A)または5’−tggc−3’(欠失B)で置換された。表6は、ドナー挿入およびPCRのために用いられるオリゴを示し、ここでloxP部位は、ドナーオリゴ上に下線を引く。
ZFN対は、ドナーオリゴヌクレオチドを包含するものとしないものの両方で、個々におよび第二の対と組み合わせてトランスフェクトした。100万個のK562細胞、2μgの各々のPOU5F1 ZFN、および40,4、または0μMのドナーを100μL中にトランスフェクトした。欠失形成は、POU5F1およびBAK遺伝子座の上記のようなPCR増幅によってアッセイした。挿入およびPCRに用いるオリゴヌクレオチドの配列を下の表6に示す。全てのオリゴヌクレオチドは、5’リン酸化され、別段注記しない限り、5’末端の2塩基の間にホスホロチオエート連結を含む。
Figure 2013518602
両方のZFN対が同時トランスフェクトされた場合のみ、欠失特異的なPCR産物が出現する(例えば、図3B、レーン3、11、および18)。POU5F1については、約1617bpの欠失は、約339bpの欠失特異的なバンドの形成を生じた(レーン3)。BAKについては、約5833または5836bpの欠失は、約245または242bpの欠失特異的なバンドの形成を生じた(欠失AおよびBは、それぞれ、レーン11および18)。ドナーが、両方ZFN対で同時トランスフェクトされた場合、新しいバンドが、欠失でのドナー挿入に対応するサイズで出現した(図3B、レーン6および7、51bp以上;レーン14、15、21、および22、50bp以上)。POU5F1への挿入の効率は、ドナー濃度が、50μMまで10倍に上昇した場合に、比例して増大した;対照的に、BAKへの挿入は、ドナー濃度が50μMまで増大する場合、低下した(レーン6とレーン7、ならびにレーン14および21とレーン15および22を比較する)。
これらの実験で用いられるドナーは、BamHIおよびEcoRI制限酵素部位の両方を含む。図3Bから欠失PCR産物を、BamHIまたはEcoRIのいずれかとともにインキュベートした場合、ドナー依存性のバンドを消化した。POU5F1およびBAKの両方に関して、消化産物のサイズは、ドナー挿入から予測されるサイズと正確にマッチした。POU5F1へのドナー挿入は、230bpおよび160bpのBamHI産物、ならびに270bpおよび120bpのEcoRI産物を生じた(図3C、レーン5および8、6および9);BAK欠失A中への挿入は、176bpおよび119bpのBamHI産物、ならびに216bpおよび79bpのEcoRI産物(レーン14および17、15および18)を産生した。BAK欠失Bについては、最少消化産物のサイズは、3bp未満である。消化物の定量によって、52%のPOU5F1欠失および10〜20%のBAK欠失がドナー挿入を獲得することが示された。
ドナー内のBamHIおよびEcoRI部位の非対称性によって、消化物でドナー挿入の方向特異性を伝えることが可能になる。逆方向の挿入は、消化産物のおおよその逆転を生じる(図2Bのレーン6と同様)。POU5F1およびBAK欠失A挿入の検出可能だが極めてわずかな画分は、不正確な方向である(図3Cレーン9および15に最も明確に示される);BAK欠失Bについては、逆位挿入と一致するバンドは視認できない(レーン24).
これらの結果を確認するため、ならびに欠失および欠失に加えて挿入の頻度を決定するために、欠失特異的なPCR産物を含む図3Cの全てのレーン由来の細胞を希釈して、2週間増殖し、96個以上の10細胞のプール(>960細胞)を、上記のようにPCRによってアッセイした。POU5F1 ZFNで処理した約4%のK562細胞、およびBAK ZFNで処理した1%のCHO−K1細胞は、欠失または欠失およびドナー挿入のいずれかを含んだ。この欠失頻度は、ドナーが存在する場合、増大しなかった。これらのデータは、図3Bのそれぞれのレーンのもとで示される。
欠失でのドナー挿入の全体的忠実度は、ドナー挿入事象をクローニングおよび配列決定することによって決定した。GSで見出される55%のパーフェクト挿入頻度と同様、42%のPOU5F1ドナーおよび69%のBAK欠失Aドナーが、忠実に挿入された(下の表7)。BAK欠失Aへの正確な挿入についての主要失敗モードによって、EcoRI部位の破壊が生じた。これと一致して、EcoRI処理は、BAK欠失Aのドナー依存性バンドを完全には消化しなかった(図3Cレーン15)。
Figure 2013518602
パーフェクト挿入のある細胞のパーセントは、図3BのRFLP陽性細胞のおよその頻度(約2%および約0.2%)にパーフェクト挿入の確率(42%および69%)を掛けることによって得た。
実施例5
非特異的組み込み
DNAはまた、相同性に依存しない機構を介して二本鎖断裂中に組み込みんでもよい。DSBは、DNA代謝中のエラーに起因して細胞中で自然に生成され、また不適切なZFN作用によって作成されてもよい。
従って、本発明者らは、AAVS1 ZFNの公知の特異性から最初から予測される10個の最も可能性の高いオフターゲット部位の検査によってAAVS1でオフターゲットの組み込み事象について検索した(Hockemeyerら、(2009)Nat Biotechnol 27 p.851−857)。10個の遺伝子座の各々に特異的なPCRプライマーは、オリゴヌクレオチドドナー中のPCRプライマーと対にされた。ZFNおよびドナー分子で処理された細胞のプールを、ドナーと各々のオフターゲット部位との間の接合部についてアッセイした。図4に示すとおり、このような接合部は観察されなかった。
実施例6
NHEJによるオリゴヌクレオチド二重鎖のTALEN媒介性捕獲
本発明の方法はまた、部分的に一本鎖のオリゴヌクレオチド二重鎖の捕獲を駆動するためにTALE−ヌクレアーゼとともに用いた。TALENは、Millerら、(2011)Nat Biotechnol. Feb;29(2):143−8.Epub 2010 Dec 22に記載のようなNTF3標的遺伝子座を切断するために作製した。要するに、一対のTLENをコードする核酸ベクターを、Millerらに記載のように作製し、(NT−L+28およびNT−R+63)、4塩基対の一本鎖オーバーハングを含むオリゴヌクレオチド二重鎖ドナーの存在下で、K562細胞中で発現させた(図5A)。NTF3標的上のTALENの結合部位を図5Bに示す。次いで、首尾よく組み込まれた二重鎖とゲノムDNAとの間の接合部を、二重鎖内でアニーリングする1つのプライマーおよび天然のNTF3遺伝子座にアニーリングする1つのプライマーを用いて増幅した。
得られたアンプリコンをクローニングして配列決定した。図5C中で、トップで示される「予想」配列は、切断された遺伝子座に対するオリゴヌクレオチド二重鎖のパーフェクトな連結から生じる配列を示す。ボックスで、接合部配列における二重鎖オーバーハングの位置を強調する。図5Cのボトムの2つの線(配列番号103および104)は、本研究から得られる接合配列を示す。示されるとおり、11の接合配列は、切断オーバーハングに対する二重鎖のパーフェクトな連結から生じるが、1つの接合配列は、NHEJによる修復の前の切除と一致する短い欠失(12bp)を示した。
次に、パネルAに示される二重鎖に対して1塩基ずつシフトされる4bpのオーバーハングを有する、パネルB由来のオリゴヌクレオチド二重鎖を用いた。図5Dのボトムの4つの株に示されるとおり(配列番号106〜109)、NHEJ媒介性修復の前の切除と一致する短い欠失を各々が示す、4つの別個の接合配列を特定した。
まとめると、このデータによって、哺乳動物細胞における非相同性の末端結合機構が一般には、標的化二重鎖断裂で外因性直鎖状ドナーを捕獲し得ること、およびこの反応は、相補性の一本鎖ドナーオーバーハングの存在によって強力に促進されることが示される。
本明細書に言及される全ての特許、特許出願および刊行物は、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
理解を明確にする目的のために、図面および実施例によってある程度詳細に開示を示してきたが、種々の変化および改変が、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく、実践され得ることが当業者に明白になる。従って、前述の説明および実施例は、限定と解釈されるべきではない。

Claims (13)

  1. 目的の二本鎖配列を含む直鎖状の核酸分子であって、前記二本鎖配列は、第一および第二の末端、ならびに一本鎖ヌクレオチドを前記二本鎖配列の前記第一の末端に有する、直鎖状核酸分子。
  2. 前記二本鎖配列の前記第二の末端に第二の一本鎖配列をさらに備える、請求項1に記載の直鎖状核酸分子。
  3. 前記一本鎖配列が、1〜10ヌクレオチド長である、請求項1または2に記載の直鎖状核酸分子。
  4. 1つ以上の核酸の間に1つ以上のホスホロチオエートホスホジエステル結合をさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の直鎖状核酸分子。
  5. 1つ以上の核酸がメチル化されるか、または天然ではないヌクレオチドアナログを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の直鎖状核酸分子。
  6. 前記目的の配列が、機能的なポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の直鎖状核酸分子。
  7. 前記ポリペプチドが、抗体、抗原、酵素、成長因子、レセプター、ホルモン、リンホカイン、サイトカイン、レポーターおよびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項6に記載の直鎖状核酸分子。
  8. 前記目的の配列が機能的なRNAをコードする核酸を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の直鎖状核酸分子。
  9. 前記目的の配列が、組み込み部位を備える、請求項1〜8のいずれか一項に記載の直鎖状核酸分子。
  10. 細胞のゲノム中に直鎖状核酸分子を組み込む方法であって、
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の直鎖状核酸分子が前記二本鎖断裂の部位に組み込まれるように、前記細胞の前記ゲノム中に二本鎖断裂を作成すること、
    を含む、方法。
  11. 前記二本鎖断裂が、少なくとも1つのヌクレアーゼを用いて作成される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記ヌクレアーゼが、ジンクフィンガー結合ドメインまたはTALE結合ドメインを含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記ヌクレアーゼが、IIS型制限エンドヌクレアーゼ由来の天然に存在するかまたは天然には存在しない切断ドメインを含む、請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法。
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