本発明は、食品調理のためのフードプロセッサーに関し、ハウジングと、調理の間食品を保持するための食品調理容器を含み、前記食品調理容器が使用の間前記ハウジングにより支持され、ユーザインタフェースを含み、前記ユーザインタフェースが使用の間前記ユーザと情報交換し、及び食品秤量手段を含み、前記食品秤量手段が前記食品を前記食品調理容器内に入れられる前に食品を秤量するための食品秤量ボール及び前記食品秤量ボールの重量を検知するための少なくとも1つの秤量センサを含む。
欧州特許番号1123678B1には、ミキシング容器、前記ミキシング容器中の攪拌器のための駆動装置及び秤量装置を有するキッチンマシンが開示されている。欧州特許番号1123678B1のキッチンマシンの秤量装置は、前記キッチンマシンのそれぞれの脚部に組み込まれている。それぞれの脚部内に秤量装置を含む必要性のためにキッチンマシンのデザイン上の自由度が抑えられる。さらに欧州特許番号1123678B1のキッチンマシンの秤量装置は、キッチンマシン全体の重量を秤量する必要がある。秤量されるべき食品の重量はキッチンマシンの全重量よりもずっと小さいものであることから、秤量結果が不正確なものとなる恐れがある。ユーザの見地から、欧州特許番号1123678B1のキッチンマシンの欠点は、成分はそれが前記ミキシング容器に追加される間に秤量される、ということである。このミキシング容器には既に他の食品が存在し得る。このような場合にはユーザは成分を追加し過ぎないように非常に注意することが必要である。というのは不可能ではないとしても過剰に加えられた成分を戻すことは難しいからである。このことは液体成分が加えられる場合に特にそうであり、また固体成分が加えられる場合でも、例えば、前記成分の色及び物質が前記ミキシング容器内に既に存在する食品と適合する場合にもそうである。これはユーザフレンドリーではない。
本発明の課題は、秤量装置を含むよりユーザフレンドリーなフードプロセッサーを提供することである。
本発明の課題は以下説明するフードプロセッサーを実現することである。特に本発明によるフードプロセッサーは食品秤量ボールを含み、秤量の間、食品調理容器の上に位置される。
特定の量の食材をフードプロセッサーの食品調理容器に入れることを望むユーザはその秤量ボールを前記食品調理容器の上の位置に置く。前記秤量ボールが前記食品調理容器の上に置かれる際には、前記秤量ボールは空で食材は含まれていないか、又は既に食材を含む。前記秤量ボール及び前記秤量ボールに既に入れられている可能性のある食材の重量が、例えばフードプロセッサーのユーザインタフェース又は前記秤量手段上に表示され得る。
実用的な実施態様では、前記ユーザインタフェースは、表示重量から前記秤量ボールの重量を差し引くネット重量表示の選択を選ぶことができる。
例えばユーザは空の秤量ボールを食品調理容器の上に置き、秤量ボールの重量を差し引く選択をすることができる。これによりユーザインタフェース上にはゼロ表示がなされる。次に、ユーザは最初の食材を秤量ボールに加えることを開始する。その結果、ユーザインタフェース重量表示は前記秤量ボールに加えられた食材の重量増加を示すこととなる。ユーザは、ユーザが望ましい量が加えられるまで最初の食材を加え続ける。加え過ぎた場合、即ちユーザが望む量よりも最初の食材を加えた場合、ユーザは前記秤量ボールから過剰の食材を容易に取り出すことができる。ユーザが秤量ボール内の最初の食材の量に満足すると、ユーザは前記秤量ボールを空にして前記食品調理容器内に入れ、新たな秤量、例えば第2の食材の秤量を開始することができる。またユーザは、前記秤量ボール内に望ましい量の第2の食材が入るまで追加し続ける。ユーザが第2の食材を秤量ボールに過剰に加えた場合、前記秤量ボールには第2の食材のみが含まれているので、ユーザは容易に過剰分を取り出すことができる。前記第2の食材は、ユーザが第2の食材を前記食品調理容器内に入れて空にするまでは、第1の食材と混合されることはない。秤量ボールへの過剰量の食材の添加を容易に訂正できるという選択肢は非常にユーザフレンドリーなものである。前記食品調理容器に食材の追加を終えた場合、ユーザは調理工程を開始することができる。
必要な場合、ユーザは食品調理工程の間に、追加成分、いわゆる中間成分を前記食品調理容器に添加するため、追加成分を秤量するために前記食品調理容器の上に秤量ボールを置くことができる。中間成分の秤量の間、前記食品調理工程は継続されるか又は停止され得る。中間成分の秤量は前記説明した方法と類似の方法で行われる。
他の実用的な実施態様では、ユーザインタフェースは、ユーザが、ネット重量をリセットし、前記秤量ボールを空にすることなくゼロとして新たな秤量作業を開始することを可能とする。かかる実施態様では、ユーザは、それぞれの食材を秤量した後前記秤量ボールを空にする必要はない。これはユーザの努力を節約するものであることからユーザフレンドリーである。
本発明によるフードプロセッサーの好ましい実施態様では、少なくとも1つの計量センサが食品調理容器の上縁に含まれる。食品調理容器の上縁は、少なくとも1つの計量センサの有利な位置である。というのはそれぞれの食品調理容器は食品調理容器の上側に位置する上縁を有するからである。ユーザにとって、秤量を開始するために食品調理容器の上に秤量ボールを置くことは直感的である。この構成が直感的なものであることはまた、ユーザフレンドリーである。
本発明によるフードプロセッサーの好ましい実施態様では、少なくとも1つの計量センサは前記ハウジングの上縁に含まれる。フードプロセッサーが、使用の間に秤量秤を支持するために使用され得る食品調理容器の周辺部などを囲むハウジングを含む構成では、少なくとも1つの計量センサを前記ハウジングの上縁に設けることは有利である。このことは、前記少なくとも1つの計量センサと前記フードプロセッサーのユーザインタフェースとの間の接続の確立を容易にし、フードプロセッサーを設計し製造することにおいてより簡単なものとし、従ってより安価にする。
本発明によるフードプロセッサーの好ましい実施態様では、秤量ボール支持構造が、秤量の間に前記秤量ボールを支持するために設けられ、かつ前記秤量支持構造はさらに、前記秤量ボールの重量を前記少なくとも1つの計量センサに伝達するように構成される。かかる実施態様は特に有利である。というのは、設計者に、前記計量センサの位置について完全な制御を与えるからである。さらに、前記秤量支持構造は次のように設計され得る。即ち、ユーザが秤量を開始するために前記食品調理容器の上に秤量ボールをそれほど注意深く置かなくてもすむように前記秤量ボールの固体支持を実現するように、である。さらに、秤量支持構造は、広い種類のボール及びプレート、カップ、ボックスなどのその他のタイプの調理器具が使用できるように構成され得る。留意すべきは、秤量の間に食材を保持するための手段を支持する要素がそのようの適合される限り、そのような広い種類のボール及びその他の調理器具は本発明の全ての実施態様で同様に使用され得るということである。
本発明によるフードプロセッサーの好ましい実施態様では、少なくとも1つの計量センサが前記秤量ボールの底側に位置される。
好ましい実施態様では、少なくとも1つの計量センサは無線手段で前記フードプロセッサーユーザインタフェースと交信できる。無線手段は例えば、近距離通信(NFC)、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)又はその他の適切な技術が挙げられる。前記フードプロセッサーユーザインタフェースと前記少なくとも1つの計量センサとの間の無線通信の範囲内で、秤量秤が、食材とは限られない物品を前記食品調理容器の上に置かれない場合に秤量するために使用され得る。これは前記秤量ボールの利用性を改良し従ってユーザフレンドリー性を改良する。
本発明によるフードプロセッサーの好ましい実施態様では、秤量ボールはフードプロセッサーに取り外し可能に付設される。これは次の点で有利である。即ち、取り外し可能な秤量ボールをフードプロセッサーから取り外し、かつ例えばフードプロセッサーが操作される位置とは異なる位置に置かれ得る、例えばフードプロセッサーがキッチンに置かれる一方で秤量ボールは貯蔵室に置かれ得る、という点である。さらに、秤量ボールは調理される食品がよく見えるように取り外され、又は調理工程の間に食材が食品調理容器から飛び出さないように食品調理容器の上にカバーを置くために、取り外され得る。さらにこのことは秤量ボールを洗浄することを容易にする。即ち、秤量ボールがフードプロセッサーから取り外されると、例えばフードプロセッサー一体として洗浄するために使用できない食器洗浄機を用いて別々に洗浄され得る、からである。
本発明による好ましい実施態様では、秤量ボールは3つの計量センサを含む。前記秤量ボールは秤量のために計量センサ上に置く必要がある。複数の計量センサを設けることはユーザフレンドリーである。というのは、これはユーザが秤量ボールを計量センサ上に正しく置くことを容易にする。ここでは秤量ボールを正しく置くことは、秤量ボールを計量センサの上にのみに置き、従って、秤量ボールは完全に又は部分的にも前記計量センサ以外の他の要素には支持されないことを意味する。秤量ボールは完全に又は部分的にも前記計量センサ以外の他の要素に支持される場合には不正確又は不適切な測定を与える結果となり得る。一方で計量センサのコストのため、計量センサは少ない方が望ましい。容易な使用と計量センサの全コストとの好ましい妥協は、3つの計量センサを適用することで見出される。
実用上の実施態様では、フードプロセッサーは少なくとも2つの計量センサを含み、計量センサは秤量の間に秤量ボールを均一に支持するように分配される。このことは、少なくとも2つのセンサは、それぞれが360/n度で分離される仮想の円の上に設けられる、ここでnは計量センサの数である。
本発明によるフードプロセッサーの好ましい実施態様では、秤量ボールは、食品調理の間に食品調理容器をカバーするために適している。一般に、食品調理の間に食材が食品調理容器から飛び出て例えばフードプロセッサー周りを汚すことを防止するために、カバーが食品調理容器の上に置かれる。秤量ボールを食品調理容器のカバーとして使用することで、秤量ボールは複数の機能を持つこととなり、秤量ボールと別の食品調理容器カバーは、本発明のフードプロセッサーと一緒には提供されない。これは、余分の貯蔵空間を必要としないことから、非常にユーザフレンドリーである。さらにフードプロセッサーの部品数が低減されるので、部品を失う恐れが少なくなる。これはまたユーザフレンドリーである。
本発明によるフードプロセッサーの好ましい実施態様では、秤量ボールは落下メカニズムを含み、食材が秤量の後食品調理容器内に落下する。前記落下メカニズムにより、ユーザは秤量ボールをその秤量位置から取り外して食品調理容器内に空けることは必要なくなる。その代りユーザは、秤量ボールを開いてそれを食品調理容器内に空けるために落下メカニズムを使用することができる。落下メカニズムがユーザの労力を節約することから、この実施態様はユーザフレンドリーである。
本発明によるフードプロセッサーの実用上の実施態様では、前記落下メカニズムは可動要素を含み、可動要素は食材を秤量するために閉位置と食材を食品調理容器内に落とすことができる開位置との間を動き得る。これは、本発明によるフードプロセッサーを設計し製造する費用対効果を可能とする落下メカニズムを実現する非常に直接的なかつ容易な実施態様である。本発明によるフードプロセッサーの実用的実施態様では、落下メカニズムは中心開口部を含み、前記中心開口部は、食材の秤量のための閉位置と前記食材を食品調理容器内に落下させるための開位置との間で調節可能である。秤量のために秤量ボールの上に食材を置くユーザは、通常は多かれ少なかれ秤量ボールの中心領域に食材を置くものである。秤量ボールの中心から開く落下メカニズムを持つ秤量ボールを持つことは有利である。というのは食材は前記開口部が完全に開く前にでも落下するからである。かかる場合に開口部が部分的に開くので、ユーザの労力は最小化されユーザフレンドリー性が改善される。
本発明によるフードプロセッサーの実用的実施態様では、落下メカニズムは2つの部分からなり、これらはお互いに、食材を秤量するために閉位置と食材を食品調理容器に落とすことを可能とする開位置の間を回転することができる。これは、落下メカニズムを比較的安価に生産できる、落下メカニズムを実装する非常に容易な方法である。さらに、このメカニズムはユーザに直感的であり、本発明によるフードプロセッサーをよりユーザフレンドリーなものとする。
本発明によるフードプロセッサーの実用的実施態様では、秤量ボールは前記ボール底を形成する2つの実質的に平行なプレートを含み、前記2つのプレートのそれぞれは前記ボール底部の一部分をカバーし、前記2つのプレートは、前記秤量ボールの実質的に中心に位置する回転軸の回りにお互いに関して回転可能であり、前記回転軸が前記プレートに垂直であり、前記2つのプレートは、前記プレートが食材を秤量するために食材が落ちることを防止する全ボール底部をカバーする閉位置へ回転可能であり、かつ前記食材を前記食品調理容器内に落とすために前記秤量ボールの底部の一部が前記プレートでカバーされない、開位置へ回転可能である。この種類の落下メカニズムは非常に直感的であり、理解して使用することが容易である。これにより本フードプロセッサーをよりユーザフレンドリーにする。
本発明によるフードプロセッサーの好ましい実施態様ではフードプロセッサーは調理の間に食材を加熱するための加熱手段を含む。加熱手段はさらに本フードプロセッサーの使用可能性を増加させ、ユーザが同じ装置を用いてより食品調理活動を行うことを可能とする。加熱手段を持つフードプロセッサーのいくつかの実施態様では、ユーザは、全食事を1つの装置で調理することも可能にする。そのような多目的装置は非常にユーザフレンドリーなものである。
本発明によるフードプロセッサーの好ましい実施態様では、前記秤量ボールが複数の孔を持つ2つの実質的に平行なプレート、前記プレートは前記ボール底部を形成し、前記2つのプレートは、前記秤量ボールの実質的に中心に位置する回転軸の回りにお互いに関して回転可能であり、前記回転軸が前記プレートに垂直であり、前記2つのプレートが前記第1のプレートが前記第2のプレートでカバーされる閉位置内に回転し、及び前記第1のプレート及び前記第2のプレートの前記孔が共軸となる開位置へ回転可能である。このタイプの秤量ボールは、閉位置で、秤量ボールとして使用され得る。本発明によるフードプロセッサーを食材を蒸すために操作するユーザは、まず食品調理容器に水を満たして、前記加熱手段のスイッチを入れる。次に、ユーザは前記秤量ボールを前記上縁の開位置に置き、蒸される食材を秤量ボールに加える。前記加熱手段は水を沸騰させ、蒸気を発生させ始める。前記蒸気は前記孔を通って移動し食材に到達する。前記食材は蒸される。多くのユーザは、蒸すことは健康な調理方法として認識されている。フードプロセッサーを用いて蒸すことができるということは、前記装置の使用の選択をさらに拡張し、さらにユーザフレンドリーな装置となる。さらに前記秤量ボールは、前記秤量位置でフードプロセッサーに設けられる際か、又は取り外し可能な秤量ボールの場合に、前記フードプロセッサーから流し(シンク)へ取り外される際のいずれかの場合に、ふるいとして使用され得る。そのようなさらなる使用の選択は本発明によるフードプロセッサーをよりユーザフレンドリーなものにする。
特許請求の範囲に関して、留意すべきことは、本発明はまた、種々の請求項で定められる構成及び/又は方法の全ての可能な組合せに関連する、ということである。
留意すべきことは、欧州特許第1731068B1には、食品を加工し調理するための食品調理ミキサーが開示されている。この食品調理ミキサーは、秤量手段に維持される支持を有する基礎構造を含む。前記食品は、前記基礎構造により維持される容器内で混合し調理される。欧州特許第1731068B1による装置は、前記容器へ入れられる食品の重量を秤量する。前記容器内に既に他の成分が存在する場合に、特定の成分が同じ容器内に他の成分と一度混合されると、過剰な特定の成分を取り出すことは、ユーザにとって、不可能ではないが難しいこととなる。
さらに留意すべきことは、欧州特許番号0959982B1には、フレームに接続される秤量ビンと、前記表量ビンの下に混合チャンバを持つ重量測定ブレンダが開示されている、ということである。前記フレームは前記ビン中の材料の重量を検知するための手段を含む。欧州特許番号0959982B1に開示される重量測定ブレンダは、工業環境、例えばプラスチック樹脂の製造において材料貯蔵ホッパと関連付けて使用されることが意図されている。欧州特許番号0959982B1の装置はまた、材料の既定の量が前記ビンに供給される場合に、前記表量ビンを開きかつ閉じるためのメカニズムを含む。前記重量測定ブレンダは、成形又は射出成形プラスチックのためのさらなるプロセス機械の直上に設けられることが意図される。
以下、本発明の詳細な説明が記載される。記載は、図面を参照しながら非限定的な例示の方法により適用される。同じ実施態様又はその同じ部品を示す図面において、同じ番号が同じ部品のために使用される。さらに異なる実施態様で類似の機能を有する部品も同様に同じ番号で参照される。
図1は、本発明の第1の実施態様による例示的フードプロセッサーを模式的に示す。
図2は、本発明の第2の実施態様による例示的フードプロセッサーを模式的に示す。
図3は、本発明の第3の実施態様による例示的フードプロセッサーを模式的に示す。
図4は、本発明の第4の実施態様による例示的フードプロセッサーを模式的に示す。
図5は、フードプロセッサー容器の上縁に沿って前記秤量センサの例示的空間分布を模式的に示す。
図6Aは、本発明のフードプロセッサーに適用するための落下メカニズムを有する例示的食品秤量ボールを模式的に示す。
図6Bは、本発明のフードプロセッサーに適用するための落下メカニズムを有するさらなる例示的食品秤量ボールを模式的に示す。
図7Aは、本発明のフードプロセッサーに適用するためのスチーム機能を有する例示的食品秤量ボールを上面から模式的に示す。
図7Bは、図7Aによる食品秤量ボールの側面図を示す。
図7Cは、図7Aによる食品秤量ボールのさらなる側面図を示す。
図1は、本発明の第1の実施態様による例示的フードプロセッサー10を示す。前記フードプロセッサー10は、ハウジング18と食品調理容器11を含む。前記食品調理容器11はどのような形状でも良い。しかし、流体力学の理由により、滑らかな内側表面を持つ食品調理容器が好ましい。この実施態様で、円筒形食品調理容器が使用される。前記食品調理容器11は上縁17を含む。前記上縁17は秤量センサ14aと14bを含む。図1は、1つの秤量センサを示しているが、その他の実施態様では、2以上の秤量センサ、又は1つのみの秤量センサを含む他の構成も可能である。前記フードプロセッサー10はさらに、前記食品調理容器11に入れる前に食品を秤量するための秤量ボール16を含む。使用の間、前記表量ボール16は前記秤量センサ14a及び14bの上に置かれている。
食品調理具12が、前記食品調理容器11内に置かれる。前記食品調理具12は全ての知られたタイプのものであってよく、これらは本発明の一部ではない。前記食品調理具12は前記食品調理容器11に脱着可能に接続され得る。かかる接続は従来技術、例えば国際特許出願番号第IB2009/052119号で知られており、これは本発明の一部ではない。前記食品調理具12は駆動手段13、例えば電気モーターにより駆動される。しかし他の駆動手段もまた同様に好ましい。
前記食品調理容器11の下には前記ハウジング18内に設けられる加熱手段19がある。加熱手段19は、前記食品調理容器11、かつより具体的には前記フードプロセッサーの使用の間、この食品調理容器11内に存在する食品を加熱するように構成される。留意すべきことは、本発明によるフードプロセッサーのその他の実施態様では加熱手段は存在しない、ということである。従来技術から、多くの異なる加熱手段が知られており、例えば欧州特許第09176159.3号に記載されており、ここではこれ以上説明しない。ハウジング18はさらに、前記ユーザとフードプロセッサーとの間で情報を交換するためのユーザインタフェース15を含む。
例えばフードプロセッサー10を用いることで食材を調理することが必要なユーザは、ある量の食品を調理することが必要である。かかる量は、塊、例えば1以上の卵、玉葱、リンゴなどであり得る。通常はかかる塊の食材は食品調理容器11に加える前に数えるだけが必要となる。その他の食材はより連続的な性質のものであり、そのような食材の正確な量を持たせるために食品調理容器に加える前に秤量する必要がある。より連続的な性質を持つかかる食材の例は、液体、バター、砂糖などが挙げられる。食品調理の当業者にとっては、どのような食材が食品調理容器に加える前に秤量される必要があるか、及び数えるだけでよいのかは、例えば前記当業者が調理したいレシピの成分リストを読む際に明らかである。しかし留意すべきことは、レシピによっては、より連続的性質の成分はレシピで指示されるような秤量を必要としないで、例えばある食材のスプーン何杯分かを加えるなどの他の秤量方法で必要量が特定され得る、ということである。本発明は、ユーザが、より連続的性質の食材を秤量し、かつ非常にユーザフレンドリーに秤量された量を食品調理容器に加えることを可能とする。また塊で使用される食材も、食品調理容器11へ加えられる前に秤量される必要があり得る。例えばこのことは、レシピが、ある量の食材、例えば人参350グラムなどの使用を示す場合に望ましい。
本発明の装置がフードプロセッサー及び秤量装置を組み合わせていることから、ユーザは1つの装置を必要とするだけであり、非常にユーザフレンドリーなものとなる。というのはこれにより前記装置を使用する間はキッチンテーブル上の空間を節約でき、片付ける際にはキッチンクロ−ゼットに入れることができるからである。さらに、1つの装置を使用するので、使用後の掃除の量が低減される。秤量装置とフードプロセッサーとを組み込み他の利点は、ユーザが前記フードプロセッサーを使用する際には常に手近に秤を持つことになるので調理する場合に秤を探す必要がないからである。
食品を調理するためにフードプロセッサー10を使用する場合に、ユーザは最初、食品調理容器11に成分を加える必要がある。塊又はスプーンや手などの離散的手段で加えられる食材は、秤量せずに加えられ得る。しかし他の食材は秤量を必要とする。これらの食材を秤量するために、ユーザは食品秤量ボール16を食品調理容器11の上に置く。それにより食品秤量ボール16は、食品調理容器11の上縁17に含まれる秤量センサ14aと14bの上に置かれることとなる。そのような秤量センサは知られたものであり、本発明の一部ではない。秤量センサ14aと14bは、フードプロセッサー10のユーザインタフェース15へ接続される。この接続は、食品調理容器11壁内部を走り、食品調理容器11がフードプロセッサー10の基底部に置かれた領域でインタフェースされ、さらにフードプロセッサー内部を通る、秤量センサ14aと14b及びユーザインタフェース15との間の、有線導電路又はZigbee(登録商標)やNFCなどの無線接続を介してなされる。秤量センサ14aと14b及びユーザインタフェース15を接続するその他の方法も同様に可能である。秤量センサ14aと14b及びユーザインタフェース15の間の接続は本発明の一部ではなく、図1には詳細には示されていない、この実施態様では、ユーザインタフェース15は、前記表量センサ14aと14bから受け取られるシグナルを解釈し、かつ現在の重量についてユーザに知らせるためのシグナルを出力することができるプロセス手段(図示されていない)を含む。他の実施態様では、前記プロセス手段は、フードプロセッサー10とは別のコンポーネントであり得る。
重量秤がいわゆる「セロ機能」を持つことは知られており、ユーザが測定された重量の出力の設定を、例えば秤量ボール16を置いた後にユーザインタフェース上でゼロに設定することができる。これにより、ユーザは非常に便利に、秤量操作を始める際に出力された重量をゼロに設定することを可能とする。これは非常にユーザフレンドリーなものである。この機能はしかし本発明によるフードプロセッサーにとっては必須のものではない。というのはこの機能は従来技術の主な課題を解決するために寄与するものではないからである。従来技術の主な課題とは、加えられた過剰の成分を取り戻すことは不可能ではないが難しいことであることから、既に他の成分が入った食品調理容器11に過剰にならないように成分を加えるために非常に注意を必要とするということである。
食材が秤量ボール16に載せられるとこの食材の重量がユーザインタフェース15を介してユーザへ出力される。ユーザが秤量ボール上の食材の重量に満足すると、ユーザは秤量ボール16を食材内に入れて空にし、望むならば他の食材を秤量することができる。他の使用シナリオでは、上で説明した「ゼロ機能」がユーザインタフェース15の前記出力をリセットするために使用され、秤量ボール16を食材を食品調理容器11内に空にすることなく秤量ボールで食材を秤量することを続けることができる。しかしこの方法は本発明のフードプロセッサーを使用する方法としては推奨できない。というのは、この方法ではユーザを以下の状況に置くことになり得るからである。即ち、ユーザがある過剰の食材を秤量ボール16から取り出そうとしても、この食材が秤量ボール16に既に存在する他の食材と分離不可能となっている、という状況である。
必要な食材が食品調理容器11へ加えられた後、ユーザは、例えばユーザインタフェース15を介して駆動手段13を開始することができる。駆動手段13が開始されて後、食品調理具12は操作が開始される。というのは食品調理具12が駆動手段13に駆動的に接続されているからである。食品調理具12は、当業者に知られる一般的な方法で、食品調理容器11内の食材を操作する。
あるレシピの調理では、食材を加熱することが望ましい。ユーザが本発明のフードプロセッサーの1つの実施態様を用いてこれらのレシピを作ることを可能とするために、加熱要素19がフードプロセッサー10の一部に含まれる。ユーザはユーザインタフェース15を介して当技術分野で知られる方法で加熱要素19を制御することができる。本発明によるフードプロセッサーのいくつかの実施態様では、ユーザプログラム可能なユーザインタフェース15が実装され、ユーザがフードプロセッサー10に対して食品調理具12及び加熱要素19を活性化してそれらがレシピを作るために協働するように指示することを可能とする。これは、食品調理具12及び加熱要素19がお互いに関連して活性化されることを意味する。例えば最初に、食品調理具12は食品調理具内で食材を刻むか混ぜるように活性化させられる。この刻みに続いて、次に加熱手段19は、例えば食材を茹でる又は煮るために活性化される。加熱手段19が活性化される間に、食品調理具12が時々活性化され、食材の良好な混合を促進して、食材が焦げ付いたり焼き付いたりすることを防止する。
図2Aには、本発明の第2の実施態様によるフードプロセッサー20のさらなる例示的実施態様が模式的に示される。この実施態様の不必要な長い説明を避けるために、前記のフードプロセッサー10との違いのみを説明する。フードプロセッサー20のハウジング18は、フードプロセッサー11を少なくとも部分的に囲む。これは、フードプロセッサーハウジング18が、食品調理容器11を完全に又は部分的に囲むことを意味する。しかし、この実施態様では、ハウジングは、食品調理容器11の周辺部の少なくとも2つの異なる区分に存在する。ハウジング18は上縁27を含み、その上に少なくとも1つの計量センサが設けられる。いくつかの実施態様では、少なくとも2つの計量センサが上縁27に組み込まれるか、又はこの上縁27に付設されている。図2の実施態様では、2つの計量センサ14a及び14bが存在する。他の実施態様では、他の数の計量センサが適用され得る。使用の間、秤量ボール16は前記計量センサ14a及び14bの上に置かれる。フードプロセッサー20の操作は、フードプロセッサー10の操作と同様であり、ここでは詳しくは説明しない。
図3には、本発明によるフードプロセッサーのさらなる実施態様が模式的に示される。ここではまた、既に説明した実施態様との差のみを説明する。フードプロセッサー30は支持構造31を含み、これは秤量ボール16を操作中支えるものである。前記支持構造31はフードプロセッサーハウジング18に蝶番32を介して吊り下げられて接続されている。前記蝶番32はまた旋回点であってよい。前記支持構造32はある程度フードプロセッサーハウジング18の内部へ伸びている。実用的実施態様では、支持構造31が蝶番32の周りを回転し得る角度は操作のために適切な範囲に制限され得る。フードプロセッサーハウジング18の内側で、計量センサ33が設けられ、これは前記支持構造31の部分と接触し、前記支持構造31がその部分に前記支持構造31に置かれた負荷に依存して計量センサ33に圧力を及ぼす。従って、計量センサ33はフードプロセッサーハウジング内に伸びる前記支持構造31の前記部分上に置かれる。他の実施態様では、計量センサ33は前記蝶番32に組み込まれ、より単純な構造を可能とし得る。
操作では、食品秤量ボール16は前記支持構造31の上に置かれる。前記支持構造31の立体構造は前記食品秤量ボール16の立体構造に対応する。例えば円形状の秤量ボール16は環状に形成される支持構造31で支持される。有利には、支持構造31が中心開口部を有することとである。というのはこれによりユーザが、食材を支持構造31から邪魔されることなく食品調理容器11へ加えることを可能にするからである。食品秤量ボール16が支持構造31上に置かれ、食材が食品秤量ボール16に加えられると、それによって計量センサ33への力は増加される。このことは当業者であれば物理学の教科書に基づき理解されることである。
留意すべきことは、フードプロセッサー30は、食品調理容器11内の食材を加熱するための加熱手段19を含まない、ということである。従って、フードプロセッサー30は、図1及び2で示される実施態様に比較して限定的な機能を持つことになる。しかし当業者は、本発明の前記課題は、加熱手段の有無にかかわらず、共に実現されていることを理解する。
図4では、本発明によるフードプロセッサーのさらなる例示的実施態様が模式的に示される。ここでも既に説明された実施態様との差のみを説明する。フードプロセッサー40は食品秤量ボール16を含む。計量センサ14a及び14bが秤量ボール16に組み込まれている。この実施態様では、計量センサ14a、14bは、食品調理容器11と食品秤量ボール16との間にあるインタフェースに設けられる。即ち、食品秤量ボール16を使用する際に、食品秤量ボール16は食品調理容器11の上縁17上に計量センサ14aと14bを介して置かれていることになる。この実施態様では、計量センサ14a及び14bは好ましくはユーザインタフェース15と無線により交信する。フードプロセッサー40の他の実施態様では、食品秤量ボール16はフードプロセッサーのハウジングの上縁の上に置かれる。
図1、2及び4の例示的実施態様は、2つの計量センサの使用を示唆してるが、留意するべきことは、本発明は2つの計量センサを持つフードプロセッサーのみに限定されるものではない、ということである。実際、当業者が基本的物理から分かるように、物体の安定な配置は3点支持により得られる。従って3つの計量センサを使用することが好ましい。しかし強調されるべきことは、いかなる数のセンサもまた本発明の課題を達成するために使用され得る、ということである。図1、2及び4の実施態様と類似の実施態様では、計量センサを前記秤量ボール及び食品調理容器の上縁(図2のような)又はフードプロセッサーハウジングの上縁(図1及び4のような)との間の接触表面上に均一に分配することが好ましい。これは図5に示されている。図5は、図1で示される実施態様に類似のフードプロセッサーの食品調理容器11の上縁17を模式的に示す。ここで計量センサは食品調理容器の上縁に組み込まれているか付設されている。この実施態様では、3つの計量センサ51、52と53が、実質的に円形状の食品調理容器11の上縁17上に設けられている。隣接するセンサ間の距離は、上縁17に沿って測定する場合に等しくなる。より一般的には、食品調理容器の想像上の中心軸と計量センサとの間にラインを引く場合、隣接するセンサのこれらのラインの間の角度は360/n度となる。図5で示される実施態様では、角度は360/3=120度となる。例えば、5つの計量センサの適用が選択される場合、この角度は360/5=72度となる。
図6Aには、本発明のフードプロセッサーで適用される落下メカニズムを持つ例示的秤量ボールが模式的に示される。落下メカニズムを持つ食品秤量ボール60は、図1の実施態様の1つに類似するフードプロセッサーへの適用のために表される。しかし留意すべきことは、図6の目的は落下メカニズムを説明するためであるということ、及び当業者であれば落下メカニズムを持つ食品秤量ボールは本発明の全ての実施態様においても適用され得る、とうことは理解するであろう、ということである。図6では秤量ボール11の上縁17が示される。使用の際は、食品秤量ボール60は計量センサ14a及び14b上に置かれる。秤量ボール60は、環状側部65及び2つの中心部63と64を含み、これらは蝶番61及び62の回りにそれぞれ回転する。前記中心部は、図6Aで実線で示されるように閉位置で設けられ、かつ図6Aで点線で示されるように開位置で設けられる。秤量ボール60を使用するために、ユーザは食品秤量ボール60を食品調理容器11の上縁17上に置いて、中心部63と64を閉位置に設定する。望ましい量の食材を食品秤量ボール60に加えた後、ユーザは2つの中心部63と64の接続を外す。これによりこれらの中心部63と64は重力の作用で開位置へ動き食材が食品調理容器11内に落下する。ユーザがさらに続けて食材を食品調理容器11へ加えることを望む場合は、中心部63と64を閉位置に戻して秤量を続ける。
中心部63及び64は、例えば、中心部63及び64の1つの設けられた電磁石66及びもう一方に強磁性体部67を用いることで閉位置を維持することができる。電磁石66への給電が止められると、電磁石66で生じていた磁力が消失し、重力の作用で中心部63及び64がそれらの開位置へ動く。ユーザは電磁石66への給電を、例えば食品秤量ボール60にあるボタン(図示されていない)を押すことで止めることができる。2つの中心部63及び64を閉位置に固定する他のメカニズムもまた可能である。例えば図6Bは、中心部63及び64の上に付設される2つのリング68a及び68bを含む固定メカニズムが示される。リング68a及び68bは、それらがお互いに対向しており、ピン69がリング68aと68bの両方に貫通挿入されるように、中心部63及び64の上に付設される。ユーザはリング68a及び68bを中心部63及び64をそれらの閉位置にするように使用することができる。ピン69を両方の中心部63及び64へ挿入した後はこれらは開位置へは動けない。しかしピン69をリング68a及び68bから取り除くと、中心部63及び64は重力作用でそれらの開位置へと動く。
図1および2に示される実施態様のように、加熱要素を含む本発明のフードプロセッサーは、具体的に適合させた食品秤量ボール70を用いることで、蒸し調理器としても使用され得る。かかる食品秤量ボールは図7A、7B及び7Cに示される。食品秤量ボール70は、環状側部71及び2つの中心部72及び73を含む。中心部72及び73の両方は、それぞれ閉鎖部72a及び73a、及び穿孔74を持つ穿孔部72b及び73bをそれぞれ含む。中心部72及び73は、食品秤量ボール70が食品調理容器の上に置かれる場合に、食品調理容器(図示されていない)の長手方向軸に垂直な平面に対し、実質的にお互いに平行に設けられる。2つの中心部72及び73は、前記長手方向軸に実質的に垂直な方向でお互いについて回転軸75の周りを回転可能である。ユーザが中心部72及び73をお互いについて回転させるために回転ノブ76が設けられ、この実施態様では中心部72に設けられる。回転ノブ76を用いることは、2つの中心部をお互いに関して図7Bで示される位置と図7Cで示される蒸し位置との間を調節することを可能にする。
図7Bで示される秤量位置で、前記第1の中心部の閉位置は前記他の中心部の穿孔部での穿孔と重なる。この実施態様では、食品秤量ボール70上に置かれた食材は食品秤量ボールを通過できず従って秤量され得る。この位置で、食品秤量ボール70は前記のように使用され得る。
食品を蒸すために前記フードプロセッサー10、20を使用することを望むユーザは、まず食品調理容器11を水で満たし、その後加熱要素19のスイッチを入れる。続いて、食品調理容器11内の水が加熱されてしばらくすると沸騰し始めて蒸気を生成する。図7Cで示される蒸し位置で食品秤量ボール70が食品調理容器11の上に置かれると、蒸気は穿孔74を通じて流れることとなる。これらの穿孔の上に置かれた食品は蒸気と接触し従って蒸されることとなる。
本発明は図面及びこれまでの記載で詳細に説明されたが、かかる記載及び説明は説明を目的とする例示的なものであり、なんらを制限するものではない。本発明は開示された実施態様に限定されるものではない。留意されるべきことは、本発明によるフードプロセッサー及び全てのその部品・コンポーネントは自体知られている工程及び材料により作られ得る、ということである。特許請求の範囲及び明細書で、用語「含む」は他の要素を除外するものではなく、「ひとつの」は複数を除外するものではない。特許請求の範囲の参照符号は、特許請求の範囲を限定するように解釈されるべきではない。さらに留意されるべきことは、特許請求の範囲に定められる構成の全ての組合せもまた本発明に含まれる、ということである。
本発明は、食品調理のためのフードプロセッサーに関し、ハウジングと、調理の間食品を保持するための食品調理容器を含み、前記食品調理容器が使用の間前記ハウジングにより支持され、ユーザインタフェースを含み、前記ユーザインタフェースが使用の間前記ユーザと情報交換し、及び食品秤量手段を含み、前記食品秤量手段が前記食品を前記食品調理容器内に入れられる前に食品を秤量するための食品秤量ボール及び前記食品秤量ボールの重量を検知するための少なくとも1つの秤量センサを含み、前記秤量の間、前記食品秤量ボールが前記食品調理容器の上に置かれる。
欧州特許番号1123678B1には、ミキシング容器、前記ミキシング容器中の攪拌器のための駆動装置及び秤量装置を有するキッチンマシンが開示されている。欧州特許番号1123678B1のキッチンマシンの秤量装置は、前記キッチンマシンのそれぞれの脚部に組み込まれている。それぞれの脚部内に秤量装置を含む必要性のためにキッチンマシンのデザイン上の自由度が抑えられる。さらに欧州特許番号1123678B1のキッチンマシンの秤量装置は、キッチンマシン全体の重量を秤量する必要がある。秤量されるべき食品の重量はキッチンマシンの全重量よりもずっと小さいものであることから、秤量結果が不正確なものとなる恐れがある。ユーザの見地から、欧州特許番号1123678B1のキッチンマシンの欠点は、成分はそれが前記ミキシング容器に追加される間に秤量される、ということである。このミキシング容器には既に他の食品が存在し得る。このような場合にはユーザは成分を追加し過ぎないように非常に注意することが必要である。というのは不可能ではないとしても過剰に加えられた成分を戻すことは難しいからである。このことは液体成分が加えられる場合に特にそうであり、また固体成分が加えられる場合でも、例えば、前記成分の色及び物質が前記ミキシング容器内に既に存在する食品と適合する場合にもそうである。これはユーザフレンドリーではない。
独国特許出願公開第102008027353A1には、キッチンマシンが開示され、とりわけハウジング、ミキシング容器、回転可能に設けられた食材の撹拌具、表示装置を有するユーザインタフェース、及び秤量されるべき食材の量を受けるための受部を含む秤量装置を含む。特に前記受部は、秤量表面を含む、これはいつでもアクセス可能なように構成され得るものであり、又は前記ハウジングに関して突き出る位置と前記ハウジング内部か下に引き込まれる位置の間を可動なように構成され得るものである。1つの実施態様では、前記受部は前記ミキシング容器のカバーの上に設けられ、計量センサが前記カバーに組み込まれている。前記カバーは中心開口部を有し、食材が前記受部から前記ミキシング容器に落ちることを可能とする。前記受部は、前記秤量表面が多かれ少なかれ水平方向にある位置と、前記秤量表面が前記水平に関して傾けられた位置の間を可動であり、食材が前記カバーの中心開口部を通ってミキシング用に滑り落ちることができる。この実施態様では、前記カバーの上に位置する前記受部は、食材の比較的小量を秤量する作業に特に適するものである。
欧州特許番号1123678B1号明細書
独国特許出願公開第102008027353A1号明細書
本発明の課題は、秤量装置を含むよりユーザフレンドリーなフードプロセッサーを提供することである。
本発明の課題は以下説明するフードプロセッサーを実現することである。特に本発明によるフードプロセッサーは食品秤量ボールを含み、秤量の間、食品秤量ボールは食品調理容器の上に位置され、かつ食品調理の間食品調理容器をカバーするために適する。
特定の量の食材をフードプロセッサーの食品調理容器に入れることを望むユーザはその秤量ボールを前記食品調理容器の上の位置に置く。前記秤量ボールが前記食品調理容器の上に置かれる際には、前記秤量ボールは空で食材は含まれていないか、又は既に食材を含む。前記秤量ボール及び前記秤量ボールに既に入れられている可能性のある食材の重量が、例えばフードプロセッサーのユーザインタフェース又は前記秤量手段上に表示され得る。
実用的な実施態様では、前記ユーザインタフェースは、表示重量から前記秤量ボールの重量を差し引くネット重量表示の選択を選ぶことができる。
例えばユーザは空の秤量ボールを食品調理容器の上に置き、秤量ボールの重量を差し引く選択をすることができる。これによりユーザインタフェース上にはゼロ表示がなされる。次に、ユーザは最初の食材を秤量ボールに加えることを開始する。その結果、ユーザインタフェース重量表示は前記秤量ボールに加えられた食材の重量増加を示すこととなる。ユーザは、ユーザが望ましい量が加えられるまで最初の食材を加え続ける。加え過ぎた場合、即ちユーザが望む量よりも最初の食材を加えた場合、ユーザは前記秤量ボールから過剰の食材を容易に取り出すことができる。ユーザが秤量ボール内の最初の食材の量に満足すると、ユーザは前記秤量ボールを空にして前記食品調理容器内に入れ、新たな秤量、例えば第2の食材の秤量を開始することができる。またユーザは、前記秤量ボール内に望ましい量の第2の食材が入るまで追加し続ける。ユーザが第2の食材を秤量ボールに過剰に加えた場合、前記秤量ボールには第2の食材のみが含まれているので、ユーザは容易に過剰分を取り出すことができる。前記第2の食材は、ユーザが第2の食材を前記食品調理容器内に入れて空にするまでは、第1の食材と混合されることはない。秤量ボールへの過剰量の食材の添加を容易に訂正できるという選択肢は非常にユーザフレンドリーなものである。前記食品調理容器に食材の追加を終えた場合、ユーザは調理工程を開始することができる。
必要な場合、ユーザは食品調理工程の間に、追加成分、いわゆる中間成分を前記食品調理容器に添加するため、追加成分を秤量するために秤量ボールを使用することができる。中間成分の秤量の間、前記食品調理工程は継続されるか又は停止され得る。中間成分の秤量は前記説明した方法と類似の方法で行われる。
他の実用的な実施態様では、ユーザインタフェースは、ユーザが、ネット重量をリセットし、前記秤量ボールを空にすることなくゼロとして新たな秤量作業を開始することを可能とする。かかる実施態様では、ユーザは、それぞれの食材を秤量した後前記秤量ボールを空にする必要はない。これはユーザの努力を節約するものであることからユーザフレンドリーである。
本発明によるフードプロセッサーの好ましい実施態様では、少なくとも1つの計量センサが食品調理容器の上縁に含まれる。食品調理容器の上縁は、少なくとも1つの計量センサの有利な位置である。というのはそれぞれの食品調理容器は食品調理容器の上側に位置する上縁を有するからである。ユーザにとって、秤量を開始するために食品調理容器の上に秤量ボールを置くことは直感的である。この構成が直感的なものであることはまた、ユーザフレンドリーである。
本発明によるフードプロセッサーの好ましい実施態様では、少なくとも1つの計量センサは前記ハウジングの上縁に含まれる。フードプロセッサーが、使用の間に秤量秤を支持するために使用され得る食品調理容器の周辺部などを囲むハウジングを含む構成では、少なくとも1つの計量センサを前記ハウジングの上縁に設けることは有利である。このことは、前記少なくとも1つの計量センサと前記フードプロセッサーのユーザインタフェースとの間の接続の確立を容易にし、フードプロセッサーを設計し製造することにおいてより簡単なものとし、従ってより安価にする。
本発明によるフードプロセッサーの好ましい実施態様では、秤量ボール支持構造が、秤量の間に前記秤量ボールを支持するために設けられ、かつ前記秤量支持構造はさらに、前記秤量ボールの重量を前記少なくとも1つの計量センサに伝達するように構成される。かかる実施態様は特に有利である。というのは、設計者に、前記計量センサの位置について完全な制御を与えるからである。さらに、前記秤量支持構造は次のように設計され得る。即ち、ユーザが秤量を開始するために前記食品調理容器の上に秤量ボールをそれほど注意深く置かなくてもすむように前記秤量ボールの固体支持を実現するように、である。さらに、秤量支持構造は、広い種類のボール及びプレート、カップ、ボックスなどのその他のタイプの調理器具が使用できるように構成され得る。留意すべきは、秤量の間に食材を保持するための手段を支持する要素がそのようの適合される限り、そのような広い種類のボール及びその他の調理器具は本発明の全ての実施態様で同様に使用され得るということである。
本発明によるフードプロセッサーの好ましい実施態様では、少なくとも1つの計量センサが前記秤量ボールの底側に位置される。
好ましい実施態様では、少なくとも1つの計量センサは無線手段で前記フードプロセッサーユーザインタフェースと交信できる。無線手段は例えば、近距離通信(NFC)、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)又はその他の適切な技術が挙げられる。前記フードプロセッサーユーザインタフェースと前記少なくとも1つの計量センサとの間の無線通信の範囲内で、秤量秤が、食材とは限られない物品を前記食品調理容器の上に置かれない場合に秤量するために使用され得る。これは前記秤量ボールの利用性を改良し従ってユーザフレンドリー性を改良する。
本発明によるフードプロセッサーの好ましい実施態様では、秤量ボールはフードプロセッサーに取り外し可能に付設される。これは次の点で有利である。即ち、取り外し可能な秤量ボールをフードプロセッサーから取り外し、かつ例えばフードプロセッサーが操作される位置とは異なる位置に置かれ得る、例えばフードプロセッサーがキッチンに置かれる一方で秤量ボールは貯蔵室に置かれ得る、という点である。さらに、秤量ボールは調理される食品がよく見えるように取り外され、又は調理工程の間に食材が食品調理容器から飛び出さないように食品調理容器の上にカバーを置くために、取り外され得る。さらにこのことは秤量ボールを洗浄することを容易にする。即ち、秤量ボールがフードプロセッサーから取り外されると、例えばフードプロセッサー一体として洗浄するために使用できない食器洗浄機を用いて別々に洗浄され得る、からである。
本発明による好ましい実施態様では、秤量ボールは3つの計量センサを含む。前記秤量ボールは秤量のために計量センサ上に置く必要がある。複数の計量センサを設けることはユーザフレンドリーである。というのは、これはユーザが秤量ボールを計量センサ上に正しく置くことを容易にする。ここでは秤量ボールを正しく置くことは、秤量ボールを計量センサの上にのみに置き、従って、秤量ボールは完全に又は部分的にも前記計量センサ以外の他の要素には支持されないことを意味する。秤量ボールは完全に又は部分的にも前記計量センサ以外の他の要素に支持される場合には不正確又は不適切な測定を与える結果となり得る。一方で計量センサのコストのため、計量センサは少ない方が望ましい。容易な使用と計量センサの全コストとの好ましい妥協は、3つの計量センサを適用することで見出される。
実用上の実施態様では、フードプロセッサーは少なくとも2つの計量センサを含み、計量センサは秤量の間に秤量ボールを均一に支持するように分配される。このことは、少なくとも2つのセンサは、それぞれが360/n度で分離される仮想の円の上に設けられる、ここでnは計量センサの数である。
本発明によると、秤量ボールは、食品調理の間に食品調理容器をカバーするために適している。一般に、食品調理の間に食材が食品調理容器から飛び出て例えばフードプロセッサー周りを汚すことを防止するために、カバーが食品調理容器の上に置かれる。秤量ボールを食品調理容器のカバーとして使用することで、秤量ボールは複数の機能を持つこととなり、秤量ボールと別の食品調理容器カバーは、本発明のフードプロセッサーと一緒には提供されない。これは、余分の貯蔵空間を必要としないことから、非常にユーザフレンドリーである。さらにフードプロセッサーの部品数が低減されるので、部品を失う恐れが少なくなる。これはまたユーザフレンドリーである。
本発明によるフードプロセッサーの好ましい実施態様では、秤量ボールは落下メカニズムを含み、食材が秤量の後食品調理容器内に落下する。前記落下メカニズムにより、ユーザは秤量ボールをその秤量位置から取り外して食品調理容器内に空けることは必要なくなる。その代りユーザは、秤量ボールを開いてそれを食品調理容器内に空けるために落下メカニズムを使用することができる。落下メカニズムがユーザの労力を節約することから、この実施態様はユーザフレンドリーである。
本発明によるフードプロセッサーの実用上の実施態様では、前記落下メカニズムは可動要素を含み、可動要素は食材を秤量するために閉位置と食材を食品調理容器内に落とすことができる開位置との間を動き得る。これは、本発明によるフードプロセッサーを設計し製造する費用対効果を可能とする落下メカニズムを実現する非常に直接的なかつ容易な実施態様である。本発明によるフードプロセッサーの実用的実施態様では、落下メカニズムは中心開口部を含み、前記中心開口部は、食材の秤量のための閉位置と前記食材を食品調理容器内に落下させるための開位置との間で調節可能である。秤量のために秤量ボールの上に食材を置くユーザは、通常は多かれ少なかれ秤量ボールの中心領域に食材を置くものである。秤量ボールの中心から開く落下メカニズムを持つ秤量ボールを持つことは有利である。というのは食材は前記開口部が完全に開く前にでも落下するからである。かかる場合に開口部が部分的に開くので、ユーザの労力は最小化されユーザフレンドリー性が改善される。
本発明によるフードプロセッサーの実用的実施態様では、落下メカニズムは2つの部分からなり、これらはお互いに、食材を秤量するために閉位置と食材を食品調理容器に落とすことを可能とする開位置の間を回転することができる。これは、落下メカニズムを比較的安価に生産できる、落下メカニズムを実装する非常に容易な方法である。さらに、このメカニズムはユーザに直感的であり、本発明によるフードプロセッサーをよりユーザフレンドリーなものとする。
本発明によるフードプロセッサーの実用的実施態様では、秤量ボールは前記ボール底を形成する2つの実質的に平行なプレートを含み、前記2つのプレートのそれぞれは前記ボール底部の一部分をカバーし、前記2つのプレートは、前記秤量ボールの実質的に中心に位置する回転軸の回りにお互いに関して回転可能であり、前記回転軸が前記プレートに垂直であり、前記2つのプレートは、前記プレートが食材を秤量するために食材が落ちることを防止する全ボール底部をカバーする閉位置へ回転可能であり、かつ前記食材を前記食品調理容器内に落とすために前記秤量ボールの底部の一部が前記プレートでカバーされない、開位置へ回転可能である。この種類の落下メカニズムは非常に直感的であり、理解して使用することが容易である。これにより本フードプロセッサーをよりユーザフレンドリーにする。
本発明によるフードプロセッサーの好ましい実施態様ではフードプロセッサーは調理の間に食材を加熱するための加熱手段を含む。加熱手段はさらに本フードプロセッサーの使用可能性を増加させ、ユーザが同じ装置を用いてより食品調理活動を行うことを可能とする。加熱手段を持つフードプロセッサーのいくつかの実施態様では、ユーザは、全食事を1つの装置で調理することも可能にする。そのような多目的装置は非常にユーザフレンドリーなものである。
本発明によるフードプロセッサーの好ましい実施態様では、前記秤量ボールが複数の孔を持つ2つの実質的に平行なプレート、前記プレートは前記ボール底部を形成し、前記2つのプレートは、前記秤量ボールの実質的に中心に位置する回転軸の回りにお互いに関して回転可能であり、前記回転軸が前記プレートに垂直であり、前記2つのプレートが前記第1のプレートが前記第2のプレートでカバーされる閉位置内に回転し、及び前記第1のプレート及び前記第2のプレートの前記孔が共軸となる開位置へ回転可能である。このタイプの秤量ボールは、閉位置で、秤量ボールとして使用され得る。本発明によるフードプロセッサーを食材を蒸すために操作するユーザは、まず食品調理容器に水を満たして、前記加熱手段のスイッチを入れる。次に、ユーザは前記秤量ボールを前記上縁の開位置に置き、蒸される食材を秤量ボールに加える。前記加熱手段は水を沸騰させ、蒸気を発生させ始める。前記蒸気は前記孔を通って移動し食材に到達する。前記食材は蒸される。多くのユーザは、蒸すことは健康な調理方法として認識されている。フードプロセッサーを用いて蒸すことができるということは、前記装置の使用の選択をさらに拡張し、さらにユーザフレンドリーな装置となる。さらに前記秤量ボールは、前記秤量位置でフードプロセッサーに設けられる際か、又は取り外し可能な秤量ボールの場合に、前記フードプロセッサーから流し(シンク)へ取り外される際のいずれかの場合に、ふるいとして使用され得る。そのようなさらなる使用の選択は本発明によるフードプロセッサーをよりユーザフレンドリーなものにする。
特許請求の範囲に関して、留意すべきことは、本発明はまた、種々の請求項で定められる構成及び/又は方法の全ての可能な組合せに関連する、ということである。
留意すべきことは、欧州特許第1731068B1には、食品を加工し調理するための食品調理ミキサーが開示されている。この食品調理ミキサーは、秤量手段に維持される支持を有する基礎構造を含む。前記食品は、前記基礎構造により維持される容器内で混合し調理される。欧州特許第1731068B1による装置は、前記容器へ入れられる食品の重量を秤量する。前記容器内に既に他の成分が存在する場合に、特定の成分が同じ容器内に他の成分と一度混合されると、過剰な特定の成分を取り出すことは、ユーザにとって、不可能ではないが難しいこととなる。
さらに留意すべきことは、欧州特許番号0959982B1には、フレームに接続される秤量ビンと、前記表量ビンの下に混合チャンバを持つ重量測定ブレンダが開示されている、ということである。前記フレームは前記ビン中の材料の重量を検知するための手段を含む。欧州特許番号0959982B1に開示される重量測定ブレンダは、工業環境、例えばプラスチック樹脂の製造において材料貯蔵ホッパと関連付けて使用されることが意図されている。欧州特許番号0959982B1の装置はまた、材料の既定の量が前記ビンに供給される場合に、前記表量ビンを開きかつ閉じるためのメカニズムを含む。前記重量測定ブレンダは、成形又は射出成形プラスチックのためのさらなるプロセス機械の直上に設けられることが意図される。
以下、本発明の詳細な説明が記載される。記載は、図面を参照しながら非限定的な例示の方法により適用される。同じ実施態様又はその同じ部品を示す図面において、同じ番号が同じ部品のために使用される。さらに異なる実施態様で類似の機能を有する部品も同様に同じ番号で参照される。
図1は、本発明の第1の実施態様による例示的フードプロセッサーを模式的に示す。
図2は、本発明の第2の実施態様による例示的フードプロセッサーを模式的に示す。
図3は、本発明の第3の実施態様による例示的フードプロセッサーを模式的に示す。
図4は、本発明の第4の実施態様による例示的フードプロセッサーを模式的に示す。
図5は、フードプロセッサー容器の上縁に沿って前記秤量センサの例示的空間分布を模式的に示す。
図6Aは、本発明のフードプロセッサーに適用するための落下メカニズムを有する例示的食品秤量ボールを模式的に示す。
図6Bは、本発明のフードプロセッサーに適用するための落下メカニズムを有するさらなる例示的食品秤量ボールを模式的に示す。
図7Aは、本発明のフードプロセッサーに適用するためのスチーム機能を有する例示的食品秤量ボールを上面から模式的に示す。
図7Bは、図7Aによる食品秤量ボールの側面図を示す。
図7Cは、図7Aによる食品秤量ボールのさらなる側面図を示す。
図1は、本発明の第1の実施態様による例示的フードプロセッサー10を示す。前記フードプロセッサー10は、ハウジング18と食品調理容器11を含む。前記食品調理容器11はどのような形状でも良い。しかし、流体力学の理由により、滑らかな内側表面を持つ食品調理容器が好ましい。この実施態様で、円筒形食品調理容器が使用される。前記食品調理容器11は上縁17を含む。前記上縁17は秤量センサ14aと14bを含む。図1は、1つの秤量センサを示しているが、その他の実施態様では、2以上の秤量センサ、又は1つのみの秤量センサを含む他の構成も可能である。前記フードプロセッサー10はさらに、前記食品調理容器11に入れる前に食品を秤量するための秤量ボール16を含む。使用の間、前記表量ボール16は前記秤量センサ14a及び14bの上に置かれている。
食品調理具12が、前記食品調理容器11内に置かれる。前記食品調理具12は全ての知られたタイプのものであってよく、これらは本発明の一部ではない。前記食品調理具12は前記食品調理容器11に脱着可能に接続され得る。かかる接続は従来技術、例えば国際特許出願番号第IB2009/052119号で知られており、これは本発明の一部ではない。前記食品調理具12は駆動手段13、例えば電気モーターにより駆動される。しかし他の駆動手段もまた同様に好ましい。
前記食品調理容器11の下には前記ハウジング18内に設けられる加熱手段19がある。加熱手段19は、前記食品調理容器11、かつより具体的には前記フードプロセッサーの使用の間、この食品調理容器11内に存在する食品を加熱するように構成される。留意すべきことは、本発明によるフードプロセッサーのその他の実施態様では加熱手段は存在しない、ということである。従来技術から、多くの異なる加熱手段が知られており、例えば欧州特許第09176159.3号に記載されており、ここではこれ以上説明しない。ハウジング18はさらに、前記ユーザとフードプロセッサーとの間で情報を交換するためのユーザインタフェース15を含む。
例えばフードプロセッサー10を用いることで食材を調理することが必要なユーザは、ある量の食品を調理することが必要である。かかる量は、塊、例えば1以上の卵、玉葱、リンゴなどであり得る。通常はかかる塊の食材は食品調理容器11に加える前に数えるだけが必要となる。その他の食材はより連続的な性質のものであり、そのような食材の正確な量を持たせるために食品調理容器に加える前に秤量する必要がある。より連続的な性質を持つかかる食材の例は、液体、バター、砂糖などが挙げられる。食品調理の当業者にとっては、どのような食材が食品調理容器に加える前に秤量される必要があるか、及び数えるだけでよいのかは、例えば前記当業者が調理したいレシピの成分リストを読む際に明らかである。しかし留意すべきことは、レシピによっては、より連続的性質の成分はレシピで指示されるような秤量を必要としないで、例えばある食材のスプーン何杯分かを加えるなどの他の秤量方法で必要量が特定され得る、ということである。本発明は、ユーザが、より連続的性質の食材を秤量し、かつ非常にユーザフレンドリーに秤量された量を食品調理容器に加えることを可能とする。また塊で使用される食材も、食品調理容器11へ加えられる前に秤量される必要があり得る。例えばこのことは、レシピが、ある量の食材、例えば人参350グラムなどの使用を示す場合に望ましい。
本発明の装置がフードプロセッサー及び秤量装置を組み合わせていることから、ユーザは1つの装置を必要とするだけであり、非常にユーザフレンドリーなものとなる。というのはこれにより前記装置を使用する間はキッチンテーブル上の空間を節約でき、片付ける際にはキッチンクロ−ゼットに入れることができるからである。さらに、1つの装置を使用するので、使用後の掃除の量が低減される。秤量装置とフードプロセッサーとを組み込み他の利点は、ユーザが前記フードプロセッサーを使用する際には常に手近に秤を持つことになるので調理する場合に秤を探す必要がないからである。
食品を調理するためにフードプロセッサー10を使用する場合に、ユーザは最初、食品調理容器11に成分を加える必要がある。塊又はスプーンや手などの離散的手段で加えられる食材は、秤量せずに加えられ得る。しかし他の食材は秤量を必要とする。これらの食材を秤量するために、ユーザは食品秤量ボール16を食品調理容器11の上に置く。それにより食品秤量ボール16は、食品調理容器11の上縁17に含まれる秤量センサ14aと14bの上に置かれることとなる。そのような秤量センサは知られたものであり、本発明の一部ではない。秤量センサ14aと14bは、フードプロセッサー10のユーザインタフェース15へ接続される。この接続は、食品調理容器11壁内部を走り、食品調理容器11がフードプロセッサー10の基底部に置かれた領域でインタフェースされ、さらにフードプロセッサー内部を通る、秤量センサ14aと14b及びユーザインタフェース15との間の、有線導電路又はZigbee(登録商標)やNFCなどの無線接続を介してなされる。秤量センサ14aと14b及びユーザインタフェース15を接続するその他の方法も同様に可能である。秤量センサ14aと14b及びユーザインタフェース15の間の接続は本発明の一部ではなく、図1には詳細には示されていない、この実施態様では、ユーザインタフェース15は、前記表量センサ14aと14bから受け取られるシグナルを解釈し、かつ現在の重量についてユーザに知らせるためのシグナルを出力することができるプロセス手段(図示されていない)を含む。他の実施態様では、前記プロセス手段は、フードプロセッサー10とは別のコンポーネントであり得る。
重量秤がいわゆる「セロ機能」を持つことは知られており、ユーザが測定された重量の出力の設定を、例えば秤量ボール16を置いた後にユーザインタフェース上でゼロに設定することができる。これにより、ユーザは非常に便利に、秤量操作を始める際に出力された重量をゼロに設定することを可能とする。これは非常にユーザフレンドリーなものである。この機能はしかし本発明によるフードプロセッサーにとっては必須のものではない。というのはこの機能は従来技術の主な課題を解決するために寄与するものではないからである。従来技術の主な課題とは、加えられた過剰の成分を取り戻すことは不可能ではないが難しいことであることから、既に他の成分が入った食品調理容器11に過剰にならないように成分を加えるために非常に注意を必要とするということである。
食材が秤量ボール16に載せられるとこの食材の重量がユーザインタフェース15を介してユーザへ出力される。ユーザが秤量ボール上の食材の重量に満足すると、ユーザは秤量ボール16を食材内に入れて空にし、望むならば他の食材を秤量することができる。他の使用シナリオでは、上で説明した「ゼロ機能」がユーザインタフェース15の前記出力をリセットするために使用され、秤量ボール16を食材を食品調理容器11内に空にすることなく秤量ボールで食材を秤量することを続けることができる。しかしこの方法は本発明のフードプロセッサーを使用する方法としては推奨できない。というのは、この方法ではユーザを以下の状況に置くことになり得るからである。即ち、ユーザがある過剰の食材を秤量ボール16から取り出そうとしても、この食材が秤量ボール16に既に存在する他の食材と分離不可能となっている、という状況である。
必要な食材が食品調理容器11へ加えられた後、ユーザは、例えばユーザインタフェース15を介して駆動手段13を開始することができる。駆動手段13が開始されて後、食品調理具12は操作が開始される。というのは食品調理具12が駆動手段13に駆動的に接続されているからである。食品調理具12は、当業者に知られる一般的な方法で、食品調理容器11内の食材を操作する。
あるレシピの調理では、食材を加熱することが望ましい。ユーザが本発明のフードプロセッサーの1つの実施態様を用いてこれらのレシピを作ることを可能とするために、加熱要素19がフードプロセッサー10の一部に含まれる。ユーザはユーザインタフェース15を介して当技術分野で知られる方法で加熱要素19を制御することができる。本発明によるフードプロセッサーのいくつかの実施態様では、ユーザプログラム可能なユーザインタフェース15が実装され、ユーザがフードプロセッサー10に対して食品調理具12及び加熱要素19を活性化してそれらがレシピを作るために協働するように指示することを可能とする。これは、食品調理具12及び加熱要素19がお互いに関連して活性化されることを意味する。例えば最初に、食品調理具12は食品調理具内で食材を刻むか混ぜるように活性化させられる。この刻みに続いて、次に加熱手段19は、例えば食材を茹でる又は煮るために活性化される。加熱手段19が活性化される間に、食品調理具12が時々活性化され、食材の良好な混合を促進して、食材が焦げ付いたり焼き付いたりすることを防止する。
図2Aには、本発明の第2の実施態様によるフードプロセッサー20のさらなる例示的実施態様が模式的に示される。この実施態様の不必要な長い説明を避けるために、前記のフードプロセッサー10との違いのみを説明する。フードプロセッサー20のハウジング18は、フードプロセッサー11を少なくとも部分的に囲む。これは、フードプロセッサーハウジング18が、食品調理容器11を完全に又は部分的に囲むことを意味する。しかし、この実施態様では、ハウジングは、食品調理容器11の周辺部の少なくとも2つの異なる区分に存在する。ハウジング18は上縁27を含み、その上に少なくとも1つの計量センサが設けられる。いくつかの実施態様では、少なくとも2つの計量センサが上縁27に組み込まれるか、又はこの上縁27に付設されている。図2の実施態様では、2つの計量センサ14a及び14bが存在する。他の実施態様では、他の数の計量センサが適用され得る。使用の間、秤量ボール16は前記計量センサ14a及び14bの上に置かれる。フードプロセッサー20の操作は、フードプロセッサー10の操作と同様であり、ここでは詳しくは説明しない。
図3には、本発明によるフードプロセッサーのさらなる実施態様が模式的に示される。ここではまた、既に説明した実施態様との差のみを説明する。フードプロセッサー30は支持構造31を含み、これは秤量ボール16を操作中支えるものである。前記支持構造31はフードプロセッサーハウジング18に蝶番32を介して吊り下げられて接続されている。前記蝶番32はまた旋回点であってよい。前記支持構造32はある程度フードプロセッサーハウジング18の内部へ伸びている。実用的実施態様では、支持構造31が蝶番32の周りを回転し得る角度は操作のために適切な範囲に制限され得る。フードプロセッサーハウジング18の内側で、計量センサ33が設けられ、これは前記支持構造31の部分と接触し、前記支持構造31がその部分に前記支持構造31に置かれた負荷に依存して計量センサ33に圧力を及ぼす。従って、計量センサ33はフードプロセッサーハウジング内に伸びる前記支持構造31の前記部分上に置かれる。他の実施態様では、計量センサ33は前記蝶番32に組み込まれ、より単純な構造を可能とし得る。
操作では、食品秤量ボール16は前記支持構造31の上に置かれる。前記支持構造31の立体構造は前記食品秤量ボール16の立体構造に対応する。例えば円形状の秤量ボール16は環状に形成される支持構造31で支持される。有利には、支持構造31が中心開口部を有することとである。というのはこれによりユーザが、食材を支持構造31から邪魔されることなく食品調理容器11へ加えることを可能にするからである。食品秤量ボール16が支持構造31上に置かれ、食材が食品秤量ボール16に加えられると、それによって計量センサ33への力は増加される。このことは当業者であれば物理学の教科書に基づき理解されることである。
留意すべきことは、フードプロセッサー30は、食品調理容器11内の食材を加熱するための加熱手段19を含まない、ということである。従って、フードプロセッサー30は、図1及び2で示される実施態様に比較して限定的な機能を持つことになる。しかし当業者は、本発明の前記課題は、加熱手段の有無にかかわらず、共に実現されていることを理解する。
図4では、本発明によるフードプロセッサーのさらなる例示的実施態様が模式的に示される。ここでも既に説明された実施態様との差のみを説明する。フードプロセッサー40は食品秤量ボール16を含む。計量センサ14a及び14bが秤量ボール16に組み込まれている。この実施態様では、計量センサ14a、14bは、食品調理容器11と食品秤量ボール16との間にあるインタフェースに設けられる。即ち、食品秤量ボール16を使用する際に、食品秤量ボール16は食品調理容器11の上縁17上に計量センサ14aと14bを介して置かれていることになる。この実施態様では、計量センサ14a及び14bは好ましくはユーザインタフェース15と無線により交信する。フードプロセッサー40の他の実施態様では、食品秤量ボール16はフードプロセッサーのハウジングの上縁の上に置かれる。
図1、2及び4の例示的実施態様は、2つの計量センサの使用を示唆してるが、留意するべきことは、本発明は2つの計量センサを持つフードプロセッサーのみに限定されるものではない、ということである。実際、当業者が基本的物理から分かるように、物体の安定な配置は3点支持により得られる。従って3つの計量センサを使用することが好ましい。しかし強調されるべきことは、いかなる数のセンサもまた本発明の課題を達成するために使用され得る、ということである。図1、2及び4の実施態様と類似の実施態様では、計量センサを前記秤量ボール及び食品調理容器の上縁(図2のような)又はフードプロセッサーハウジングの上縁(図1及び4のような)との間の接触表面上に均一に分配することが好ましい。これは図5に示されている。図5は、図1で示される実施態様に類似のフードプロセッサーの食品調理容器11の上縁17を模式的に示す。ここで計量センサは食品調理容器の上縁に組み込まれているか付設されている。この実施態様では、3つの計量センサ51、52と53が、実質的に円形状の食品調理容器11の上縁17上に設けられている。隣接するセンサ間の距離は、上縁17に沿って測定する場合に等しくなる。より一般的には、食品調理容器の想像上の中心軸50と計量センサとの間にラインを引く場合、隣接するセンサのこれらのラインの間の角度は360/n度となる。図5で示される実施態様では、角度は360/3=120度となる。例えば、5つの計量センサの適用が選択される場合、この角度は360/5=72度となる。
図6Aには、本発明のフードプロセッサーで適用される落下メカニズムを持つ例示的秤量ボールが模式的に示される。落下メカニズムを持つ食品秤量ボール60は、図1の実施態様の1つに類似するフードプロセッサーへの適用のために表される。しかし留意すべきことは、図6A及び6Bの目的は落下メカニズムを説明するためであるということ、及び当業者であれば落下メカニズムを持つ食品秤量ボールは本発明の全ての実施態様においても適用され得る、とうことは理解するであろう、ということである。図6では秤量ボール11の上縁17が示される。使用の際は、食品秤量ボール60は計量センサ14a及び14b上に置かれる。秤量ボール60は、環状側部65及び2つの中心部63と64を含み、これらは蝶番61及び62の回りにそれぞれ回転する。前記中心部は、図6Aで実線で示されるように閉位置で設けられ、かつ図6Aで点線で示されるように開位置で設けられる。秤量ボール60を使用するために、ユーザは食品秤量ボール60を食品調理容器11の上縁17上に置いて、中心部63と64を閉位置に設定する。望ましい量の食材を食品秤量ボール60に加えた後、ユーザは2つの中心部63と64の接続を外す。これによりこれらの中心部63と64は重力の作用で開位置へ動き食材が食品調理容器11内に落下する。ユーザがさらに続けて食材を食品調理容器11へ加えることを望む場合は、中心部63と64を閉位置に戻して秤量を続ける。
中心部63及び64は、例えば、中心部63及び64の1つの設けられた電磁石66及びもう一方に強磁性体部67を用いることで閉位置を維持することができる。電磁石66への給電が止められると、電磁石66で生じていた磁力が消失し、重力の作用で中心部63及び64がそれらの開位置へ動く。ユーザは電磁石66への給電を、例えば食品秤量ボール60にあるボタン(図示されていない)を押すことで止めることができる。2つの中心部63及び64を閉位置に固定する他のメカニズムもまた可能である。例えば図6Bは、中心部63及び64の上に付設される2つのリング68a及び68bを含む固定メカニズムが示される。リング68a及び68bは、それらがお互いに対向しており、ピン69がリング68aと68bの両方に貫通挿入されるように、中心部63及び64の上に付設される。ユーザはリング68a及び68bを中心部63及び64をそれらの閉位置にするように使用することができる。ピン69を両方の中心部63及び64へ挿入した後はこれらは開位置へは動けない。しかしピン69をリング68a及び68bから取り除くと、中心部63及び64は重力作用でそれらの開位置へと動く。
図1および2に示される実施態様のように、加熱要素を含む本発明のフードプロセッサーは、具体的に適合させた食品秤量ボール70を用いることで、蒸し調理器としても使用され得る。かかる食品秤量ボールは図7A、7B及び7Cに示される。食品秤量ボール70は、環状側部71及び2つの中心部72及び73を含む。中心部72及び73の両方は、それぞれ閉鎖部72a及び73a、及び穿孔74を持つ穿孔部72b及び73bをそれぞれ含む。中心部72及び73は、食品秤量ボール70が食品調理容器の上に置かれる場合に、食品調理容器(図示されていない)の長手方向軸に垂直な平面に対し、実質的にお互いに平行に設けられる。2つの中心部72及び73は、前記長手方向軸に実質的に垂直な方向でお互いについて回転軸75の周りを回転可能である。ユーザが中心部72及び73をお互いについて回転させるために回転ノブ76が設けられ、この実施態様では中心部72に設けられる。回転ノブ76を用いることは、2つの中心部をお互いに関して図7Bで示される位置と図7Cで示される蒸し位置との間を調節することを可能にする。
図7Bで示される秤量位置で、前記第1の中心部の閉位置は前記他の中心部の穿孔部での穿孔と重なる。この実施態様では、食品秤量ボール70上に置かれた食材は食品秤量ボールを通過できず従って秤量され得る。この位置で、食品秤量ボール70は前記のように使用され得る。
食品を蒸すために前記フードプロセッサー10、20を使用することを望むユーザは、まず食品調理容器11を水で満たし、その後加熱要素19のスイッチを入れる。続いて、食品調理容器11内の水が加熱されてしばらくすると沸騰し始めて蒸気を生成する。図7Cで示される蒸し位置で食品秤量ボール70が食品調理容器11の上に置かれると、蒸気は穿孔74を通じて流れることとなる。これらの穿孔の上に置かれた食品は蒸気と接触し従って蒸されることとなる。
本発明は図面及びこれまでの記載で詳細に説明されたが、かかる記載及び説明は説明を目的とする例示的なものであり、なんらを制限するものではない。本発明は開示された実施態様に限定されるものではない。留意されるべきことは、本発明によるフードプロセッサー及び全てのその部品・コンポーネントは自体知られている工程及び材料により作られ得る、ということである。特許請求の範囲及び明細書で、用語「含む」は他の要素を除外するものではなく、「ひとつの」は複数を除外するものではない。特許請求の範囲の参照符号は、特許請求の範囲を限定するように解釈されるべきではない。さらに留意されるべきことは、特許請求の範囲に定められる構成の全ての組合せもまた本発明に含まれる、ということである。