JP2013515498A - c−Metの発現を阻害するsiRNA及びこれを含む抗癌組成物 - Google Patents
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Abstract
c−Met転写体(mRNA transcript)の塩基配列に相補的に結合して、細胞内でc−Metの発現を抑制すると同時に、免疫反応を誘発しない(optionally)低分子干渉リボ核酸(small interfering RNA、siRNA)、及び前記siRNAの癌の予防及び/または治療における用途が提供される。前記c−Metを暗号化するmRNAと相補結合されるsiRNAは、リボ核酸の媒介干渉現象(RNA interference、RNAi)によってほとんど全ての癌細胞に共通的に過発現されるc−Metの発現を抑制して、癌細胞の増殖及び転移を阻害することができるので、抗癌剤として有用に使用される。
Description
本発明は、c−Met転写体(mRNA transcript)の塩基配列に相補的に結合して、細胞内でc−Metの発現を抑制すると同時に、免疫反応を誘発しない、低分子干渉リボ核酸(small interfering RNA、siRNA)及び前記siRNAの癌の予防及び/または治療における用途に関する。
c−Metは、HGF(hepatocyte growth factor)の受容体であるため、HGFRとも命名され、1984年に化学的癌誘発剤(carcinogene)を処理したヒトの骨肉腫で初めて発見された後、1986年にtpr(translocated promoter region)との遺伝的結合(genetic fusion)現象によって潜在的癌誘発遺伝子(proto−oncogene)であることが明らかになった(Cooper et al.,Nature,311,29−33,1984;Dean et al.,Mol cell Biol.,7,921−924,1987;Park et al.,Cell,45,895−904,1986)。
細胞膜蛋白質として受容体チロシンキナーゼ(receptor tyrosine kinase、RTK)の一種であるc−Met受容体が間葉系幹細胞(mesenchymal cell)で生成された肝細胞成長因子あるいは分散因子(hepatocyte growth factor/scatter factor)と呼ばれるリガンドと結合すると、正常細胞では細胞の成長及び分化を誘発して、正しい個体の発生及び傷の治癒、新生血管の形成に関与し、癌細胞では癌細胞の増殖、転移などを促進させる(Nakamura et al.,J Clin Invest.,106,1511−9,2000;Comoglio et al.,Semin Cancer Biol,11,153−65,2001;Boccaccio,Nat Rev Cancer,6,637−45,2006;Huh CF et al.,Proc Natl Acad Sci USA,101,4477−82,2004)。
HGF/c−Metの非正常的な信号伝達は、大部分がHGFあるいはc−Metが過発現されたり突然変異が起こって活性が増加した結果であり、多様な癌患者の良くない予後と密接に関連していると言われている。
このように、c−Met蛋白質の活性と癌の発生及び転移との間の密接な相互関係が明らかになって、他の受容体チロシンキナーゼ阻害剤の臨床的成功によって、c−Metをターゲットとした抗癌剤の開発研究が活発に進められているが、現在臨床段階にある候補物質は、c−Met受容体に拮抗する抗体またはc−Metの信号伝達を阻害するチロシンキナーゼ抑制剤などの蛋白質の3次構造を基盤にして設計された化学的合成抑制剤が大部分である。低分子キナーゼ阻害剤は、広範囲キナーゼ阻害剤に比べてc−Metに対する選択性は向上したが、薬品がc−Met以外の類似した蛋白質の活性を阻害することによる副作用の恐れが依然としてあり、抗体薬品は、選択性は比較的優れているが、複雑な製造工程による生成の困難性及び保管上の安定性の問題がある。したがって、c−Metの機能を効果的に阻害する薬品の開発の必要性が要求されてきた。
一方、最近では、リボ核酸の媒介干渉現象が、既存の方法では医薬的に不可能(non−druggable)であったターゲットに対しても精密な遺伝子選択性を示す先導物質を迅速に導出すことによって、合成医薬品の開発時に発生する制限されたターゲット及び非選択性に対する解決策を提示して、化学合成医薬品の限界を克服することができる技術として見なされ、既存の方式では治療が難しい各種疾病、特に腫ようの治療剤の開発に利用しようとする研究が活発に進められている。
しかし、siRNA(small interfering RNA)が初期免疫反応を誘発して、予想より非特異的なRNAi効果を頻繁に誘発するということを発見した。
ほ乳動物の細胞で長さが長い二重鎖siRNAは、有害なインターフェロン反応を起こし、長さが短い二重鎖siRNAも、人体や細胞に有害な初期インターフェロン免疫反応を起こすと報告されており、予想より高い非特異的なRNAi効果を誘発すると言われている(Kleirman et al.,Nature,452:591−7,2008)。
一方、癌の進行に重要な役割を果たすc−MetをターゲットとしたsiRNA抗癌剤の開発が試みられているが、現在までその成果は僅かな水準である。siRNAの個別シークエンスの遺伝子抑制効果に対して提示されておらず、特に免疫活性に対する考慮は全く行われていない実情である。
このように、既存の方法では医薬品化が不可能なターゲットを含む全ての疾患ターゲット遺伝子の発現を阻害することができるsiRNA薬品は、高い活性及び優れたターゲット選択性などの長所によって、新たな治療剤として無限の可能性を示しているが、治療剤の開発を成功させるためには、血液中の低い安定性、制約的薬品分布、ターゲット以外の効果(off−target effect)、免疫反応の誘発の問題点を解決することが必要である。
最近、このような弱点を改善して、臨床での適用を可能にするために、siRNAに化学的変形を導入する研究が進められている(Davidson,Nat.Biotechnol.,24:951−952,2006;Sioud and Furset,J.Biomed.Biotechnol.,2006:23429,2006)。
ここで、本発明者は、本発明の配列特異性が高く、標的遺伝子の転写体に特異的に結合してRNAi効果を増加させ、免疫毒性を誘発しない、siRNAを開発して、本発明を完成した。
本発明の一例は、c−Met転写体の塩基配列に相補的に結合して、c−Metの合成及び/または発現を特異的に阻害するsiRNAを提供する。
また他の例は、前記siRNAを発現する発現ベクターを提供する。
また他の例は、前記siRNAまたはsiRNAを発現する発現ベクターを有効成分として含むc−Metの合成及び/または発現阻害用薬学的組成物を提供する。
また他の例は、前記siRNAまたはsiRNAを発現する発現ベクターを有効成分として含む抗癌組成物を提供する。
また他の例は、前記siRNAまたはsiRNAを発現する発現ベクターを準備する段階;及び前記siRNAまたはsiRNAを発現する発現ベクターをc−Metを発現する細胞と接触させる段階;を含む、c−Metの合成及び/または発現を抑制する方法、及び前記siRNAまたはsiRNAを発現する発現ベクターのc−Metを発現する細胞でのc−Metの合成及び/または発現抑制のための用途を提供する。
また他の例は、前記siRNAまたはsiRNAを発現する発現ベクターを準備する段階;及び前記siRNAまたはsiRNAを発現する発現ベクターをc−Metを発現する癌細胞と接触させる段階;を含む、癌細胞の成長を抑制する方法、及び前記siRNAまたはsiRNAを発現する発現ベクターのc−Metを発現する癌細胞での癌細胞の成長抑制のための用途を提供する。
また他の例は、前記siRNAまたはsiRNAを発現する発現ベクターを準備する段階;及び前記siRNAまたはsiRNAを発現する発現ベクターを治療的有効量で投与して、癌を予防及び/または治療する方法、及び前記siRNAまたはsiRNAを発現する発現ベクターの癌の予防及び/または治療のための用途を提供する。
本発明は、c−Met転写体の塩基配列に相補的に結合して、細胞内でc−Metの合成及び/または発現を抑制するsiRNA、これを含む医薬組成物、及びその用途を提供する。
一実施例として、本発明は、c−Metの合成及び/または発現を特異的に阻害するsiRNAを提供する。
また他の例として、本発明は、前記c−Metの合成及び/または発現を特異的に阻害するsiRNAを有効成分として含むc−Met合成及び/または発現抑制用薬学的組成物を提供する。
また他の例として、本発明は、前記c−Metの合成及び/または発現を特異的に阻害するsiRNAを有効成分として含む癌細胞成長阻害剤または癌の予防及び/または治療用薬学的組成物(抗癌組成物)を提供する。
本発明は、ヒトを含むほ乳動物のc−MetのmRNA、その選択的スプライシング形態(alternative splice form)、突然変異形態、または同一な系統のc−Met遺伝子の発現を阻害する技術に関連し、これは、本発明で提供されるsiRNAを特定容量で患者に投与した時に、ターゲットmRNAが減少することによって成就する。
以下、これをより詳細に説明する。
前記c−Metは、ほ乳動物由来、好ましくはヒトまたはヒトと同一な系統のc−Met及びその突然変異体であり得る。ヒトと同一な系統とは、遺伝子またはmRNAがヒトのc−Met遺伝子またはこれから由来するmRNAと80%以上の配列類似性を有する他のほ乳動物を言い、具体的に、ヒト、霊長類、齧歯類などを含む。
本発明の一実施例として、c−MetをコーディングするmRNAに相当するセンス鎖のcDNA配列は、配列番号1であり得る。
本発明によるsiRNAは、前記c−MetのmRNAまたはcDNAの内部の連続する15乃至25bp、好ましくは18乃至22bpからなる領域、好ましくは配列番号2乃至21からなる群より選択された1種以上の塩基配列に該当するmRNAまたはcDNA領域を標的とする。前記好ましいcDNA上の標的領域を下記の表1に整理した。したがって、本発明の一実施例で、配列番号1のc−MetのcDNA領域のうち、配列番号2乃至21からなる群より選択された1種以上の塩基配列に該当するmRNAまたはcDNA領域を標的とするsiRNAを提供する。具体的に、配列番号3、18、及び21からなる群より選択された塩基配列に該当するmRNA領域を標的とするsiRNAを提供する。
本明細書で使用された「標的mRNA」とは、ヒトのc−MetのmRNA、ヒトと同一な系統のc−MetのmRNA、その突然変異体、または選択的スプライシング構造体を称する。具体的に、NM_000245、Musmusculus:NM_008591、Macacamulatta:NM_001168629、NM_001127500:塩基配列2262〜2317が削除されたスプライシング形態、Y1230C/A3689G、D1228H/G3682C、V1092I/G3274A、M1268T/T3795Cなどのアミノ酸、または塩基配列の突然変異体などが含まれる。したがって、本発明のsiRNAは、ヒトまたはヒトと同一な系統のc−MetのmRNAやその選択的スプライシング形態、突然変異体を標的とするものであり得る。
本明細書で、「mRNA(またはcDNA)領域を標的とする」とは、siRNAが前記mRNA(またはcDNA)領域の塩基配列のうちの全てまたは一部、例えば塩基配列の85−100%と相補的な塩基配列を有して、前記mRNA(またはcDNA)領域に特異的に結合することができることを意味する。
本明細書で、「相補的」とは、ポリヌクレオチドの両鎖が塩基対を形成することができることを意味する。相補的ポリヌクレオチドの両鎖は、ワトソン−クリック方式で塩基対を形成して、二重鎖を形成する。本発明で、塩基Uが言及される場合、特別な言及がない限り、塩基Tに置換え可能である。
本発明の薬学的組成物のc−Metの合成及び/または発現抑制効果及び癌治療効果は、c−Metの効果的な合成及び/または発現抑制によって成就するため、前記薬学組成物に有効成分として含まれているsiRNAは、前記特定のmRNA領域のうちの1つ以上を標的とする15−30bpの二重鎖siRNAであり得る。好ましい具体的な例として、前記siRNAは、配列番号22乃至98のヌクレオチド配列からなる群より選択された1種以上のヌクレオチド配列を含むものであり得る。より具体的に、前記siRNAは、下記の表2に示したsiRNA1乃至siRNA40からなる群より選択された1種以上であり得る。
前記表2で、化学的変形siRNA(配列番号65乃至98)の化学的変形表記法及び化学的構造変形に関する内容を各々下記の表3及び表4に示した。
前記siRNAは、c−Met転写体(mRNA transcript)の塩基配列の特定標的領域に対する配列特異性が高く、標的遺伝子の転写体に特異的に相補的に結合して、RNA干渉効果が増加し、細胞内でc−Metの発現及び/または合成抑制効果が優れている。また、免疫誘発活性が最小化されたことを特徴とする。
前記のように、本発明で提供するsiRNAは、配列番号1のc−MetのcDNA領域のうち、配列番号2乃至21からなる群より選択された1種以上の領域に対するmRNAを標的とするsiRNA、好ましくは配列番号22乃至98のヌクレオチド配列からなる群より選択された1種以上のヌクレオチド配列を含むsiRNA、より好ましくは配列番号22乃至98からなる40種のsiRNAからなる群より選択された1種以上であり得る。前記siRNAは、リボ核酸の配列そのもの、またはこれを発現する再組合わせベクター(発現ベクター)形態を全て含む概念である。前記発現ベクターは、プルズミドまたはアデノ付属ウイルス(adeno−associated virus)、レトロウイルス、ワクシニアウイルス、癌細胞溶解性ウイルス(oncolytic adenovirus)などからなる群より選択されるウイルスベクターであり得る。
また、本発明による薬学的組成物は、有効成分としてsiRNAと薬学的に許容される担体を含む。前記薬学的に許容される担体は、この分野に通常使用される全ての担体を含み、例えば水、食塩水、リン酸緩衝食塩水、デキストリン、グリセロール、エタノールなどからなる群より選択された1種以上であり得るが、これに限定されない。
本発明のsiRNAまたは薬学的組成物の投与対象患者は、ほ乳動物、好ましくはヒト、猿、齧歯類(マウス、ラット)であり、特に、c−Metの発現と関連する病気や症状を有したり、c−Metの発現抑制を必要とする全てのほ乳動物、例えばヒトであり得る。
c−Metの抑制に有効な効果を得て、免疫反応などの好ましくない副反応を最小化するために、組成物内のsiRNAの濃度、または使用または処理濃度は、0.001乃至1000nM、好ましくは0.01乃至100nM、より好ましくは0.1乃至10nMであり得るが、これに限定されない。
本発明によるsiRNAまたはこれを含む薬学的組成物によって治療可能な癌は、肺癌、肝癌、大腸癌、すい臓癌、胃癌、乳癌、卵巣癌、腎臓癌、甲状腺癌、食道癌、前立腺癌などの固形癌、及び骨肉腫、軟部組織肉腫、神経膠腫などからなる群より選択された1種以上であり得る。
以下、siRNAの構造、設計過程、及びこれを含む薬学的組成物をより詳細に説明する。
本発明のsiRNAは、RNAi機転によってc−MetのmRNA分解を起こして、c−Met蛋白質の発現を誘発しなかったり減少させる機能をする。
一実施例で、siRNAは、RNA interference(RNAi)経路を誘発する小さな阻害RNA二重鎖(small inhibitory RNA duplexes)を意味する。具体的に、siRNAは、センスRNA鎖及びそれに相補的なアンチセンス鎖を含み、両鎖が15−30bp、具体的には19−25bpまたは27bp、さらに具体的には19−21bpを含むRNA二重鎖である。siRNAは、二重鎖領域を含み、単一鎖がヘアピン(hairpin)またはstem−loop構造を形成する構造であったり、2個の分離された鎖の二重鎖であり得る。センスRNA鎖は、標的遺伝子のmRNA配列のヌクレオチド配列と同一な配列を有し、センス鎖及びこれに相補的なアンチセンス鎖が互いにワトソン−クリックの相補的な塩基配列の結合により二重鎖をなしている。siRNAのアンチセンス鎖は、RISC(RNA−Induced Silencing Complex)に捕集されて、RISCがアンチセンス鎖と相補的な目標mRNAを確認した後、切断または翻訳(translational)阻害を誘発するようにする。一実施例で、二重鎖siRNAは、3´末端、5´末端、または両末端に1乃至5ヌクレオチド突出部(overhang)を有する。または、両末端が平滑末端(blunt end)に切断された形態を有するものである。具体的には、US20020086356及びUS7056704に開示されたsiRNAである(前記文献は本明細書に参考として含まれている)。
本発明の一実施例で、siRNAは、センス鎖及びアンチセンス鎖を含み、センス鎖及びアンチセンス鎖が15−30bpの二重鎖であり、突出部がない平滑末端(blunt end)を有する対称構造、または少なくとも1つ、例えば1−5個のヌクレオチド突出部を有する非対称構造であり得る。ヌクレオチド突出部は、いかなる配列でもよいが、dT(deoxythymidine、ジオキシチミジン)2個を付着させることができる。
前記アンチセンス鎖は、生理学的条件で配列番号1のmRNAの標的領域に混成化される。「生理学的条件で混成化」とは、siRNAのアンチセンス鎖がin vivoでmRNAの特定標的領域と混成化されることを意味する。具体的に、前記アンチセンス鎖は、mRNAの標的領域、好ましくは前記表1の配列番号2乃至21の塩基配列と85%以上の配列相補性を有することができ、より具体的に、前記アンチセンス鎖は、配列番号1の塩基配列内の連続する15乃至25bp、好ましくは18乃至22bpの塩基配列、好ましくは前記表1の配列番号2乃至21の塩基配列に完全相補的な配列を含むことができる。
また、一実施例で、siRNAは、一鎖が他の鎖より短い非対称的な二重鎖構造であり得る。具体的に、19〜21ヌクレオチド(nucleotide,nt)のアンチセンス鎖;及び前記アンチセンス鎖に相補的な配列を有する15〜19ntのセンス鎖から構成される二重鎖(double strand)のsiRNA分子(small interfering RNA molecule)であって、前記siRNAは、アンチセンス鎖の5´末端が平滑末端(blunt end)であり、アンチセンス鎖の3´末端に1−5ヌクレオチド突出部(overhang)を有する非対称siRNAである。具体的に、WO09/078685に開示されたsiRNAであり得る。
siRNAを利用した治療において、最も先に考慮されなければならない点は、標的化された遺伝子の塩基配列で最も大きな活性を有する最適の塩基配列を選定することが必要である。具体的に、一実施例で、前臨床試験と臨床試験との間の関連性を高めるために、 種間保存された配列を含むc−MetのsiRNAをデザインするのが好ましい。また、一実施例で、RISCに結合するアンチセンス鎖がRISCとの結合力が高くなるようにデザインするのが好ましい。したがって、センス鎖及びアンチセンス鎖の熱力学的安定性に違いが発生するようにデザインされて、センス鎖はRISCと結合せずに、ガイド配列のアンチセンス鎖がRISCとの結合力が高くなるようにする。具体的に、センス鎖のGC配列が60%を越えず、センス鎖の5´末端から15番目及び19番目の間にはアデニン/グアニン塩基が3個以上あり、1〜7番目の間にはG/C塩基が多いものであり得る。また、反復塩基配列によってsiRNAそのものの内部塩基配列同士が結合して、mRNAに相補的に結合する能力を低下させることがあるので、4個以上の反復塩基配列があるようにデザインするのは避けるのが好ましい。また、19個の塩基からなるセンス配列の場合、標的遺伝子のmRNAに結合して転写体分解を起こすためには、センス鎖の5´末端から3番目、10番目、及び19番目の塩基配列がアデニンであり得る。
また、本発明の一実施例で、siRNAは、非特異的な結合及び免疫誘発活性が最小化されたことを特徴とする。siRNAによるインターフェロンなどの免疫反応の誘発は、主に抗原を提示する免疫細胞のエンドソーム(endosome)に存在するTLR7(Toll−like receptor−7)によって起こり、siRNAのTLR7との結合(binding)は、GUが豊富な配列のように配列特異的に起こるので、TLR7によって認知されない配列を含むものであり得る。具体的に、5´−GUCCUUCAA−3´及び5´−UGUGU−3´のような免疫反応誘発配列を含まず、c−Met以外の他の遺伝子との相補性が最小70%以下であり得る。
本発明の一実施例のc−MetのcDNA標的配列の例は、前記表1に記載した配列のヌクレオチドを含む。表1の標的配列に基づいてsiRNAの長さを標的配列の長さより長かったり短くデザインしたり、前記DNA配列に相補的なヌクレオチドを加えたり外して、siRNA配列をデザインすることができる。
本発明の一実施例で、siRNAは、センス鎖及びアンチセンス鎖を含み、センス鎖及びアンチセンス鎖が15−30bpの二重鎖であり、突出部がなかったり、少なくとも1つの末端が1−5ヌクレオチド突出部を有し、前記アンチセンス鎖は、生理学的条件で配列番号2乃至21、好ましくは配列番号3、18、21に対応するmRNA領域に混成化される。つまり、前記アンチセンス鎖が配列番号2乃至21、好ましくは配列番号3、18、21の相補的な配列を含む。つまり、本発明のc−MetのsiRNA及びこれを含む薬学的組成物は、有害なインターフェロン反応を誘発せず、c−Met遺伝子の発現を阻害する特徴を有する。
本発明は、配列番号3(5´−GCACTAGCAAAGTCCGAGA−3´)、配列番号18(5´−GTGAGAATATACACTTACA−3´)、及び配列番号21(5´−CCAAAGGCATGAAATATCT−3´)からなる群より選択された1種以上の配列に対応するmRNA領域に相補的に結合して、細胞内でc−Metの発現を抑制する。
本発明の具体的な例によるc−MetのsiRNAは、前記表2に記載した通りである。
一実施例で、前記c−MetのsiRNAは、配列番号24のセンス配列及び配列番号25のアンチセンス配列を含むsiRNA2、配列番号54のセンス配列及び配列番号55のアンチセンス配列を含むsiRNA17、配列番号60のセンス配列及び配列番号61のアンチセンス配列を含むsiRNA20、配列番号62のセンス配列及び配列番号25のアンチセンス配列を含むsiRNA21、配列番号63のセンス配列及び配列番号55のアンチセンス配列を含むsiRNA22、配列番号64のセンス配列及び配列番号61のアンチセンス配列を含むsiRNA23からなる群より選択される1種以上であり得る。
ノックダウン(c−Metの発現抑制)は、定量PCR(qPCR)増幅、bDNA アッセイ(branched DNA assay)、ウェスタンブロット、ELISAなどの方法でmRNAまたは蛋白質水準の変化を測定して確認することができる。本発明の一実施例で、リポゾーム複合体を製造して、腫よう細胞株に処理した後、リボ核酸の媒介による発現干渉現象をmRNA段階でbDNA測定法を使用して確認することができる。
本発明のsiRNA配列は、c−Metの合成または発現を効果的に阻害するだけでなく、免疫反応誘発活性が低いという特徴を有する。
本発明の一実施例で、免疫毒性は、ヒトの末梢血液単核細胞(peripheral blood mononuclear cells:PBMC)にsiRNA−DOTAP(N−[1−(2,3−Dioleoyloxy)propyl]−N,N,N−trimetylammonium metylsulfate)複合体(complex)を処理した後、培養液中に遊離されたサイトカインであるインターフェロンアルファ及びガンマ(INF−a及びINF−γ)、腫よう壊死因子(Tumor necrosis factor−a:TNF−a)、インターリューキン12(Interleukin−12,IL−12)などの増加有無を測定して確認することができる。
前記siRNAは、変形せずに自然に存在するリボ核酸の単位構造を有するものであったり、または1つ以上のリボ核酸の糖構造や塩基構造、または前記リボ核酸間の結合部位が化学的変形(modification)されたものであり得る。
前記化学的変形によってRNAi能力に影響を与えず、例えばニュークレアーゼ(nuclease)に対する抵抗性の増進、細胞内吸収(uptake)の増加、細胞標的化の向上、安定性の増加、インターフェロン活性の減少、免疫反応及びセンス(sense)効果などのターゲット以外の(off−target)効果の減少など、siRNAの多様な特性を変形しないsiRNAより向上させることができる。
siRNAの化学的変形方法は、特に制限されず、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する当業者であれば、当該技術分野に公知された方法を利用して、所望の方式のとおり前記siRNAを合成して変形させることができる(Andreas Henschel,Frank Buchholz1 and Bianca Habermann(2004)DEQOR:a webbased tool for the design and quality control of siRNAs.Nucleic Acids Research 32(Web Server Issue):W113−W120)。
siRNAの化学的変形の一例として、siRNAセンス(sense)及びアンチセンス(antisense)鎖のホスホジエステル結合をホスホロチオネート(phosphorothioate)またはボラノホスフェート(boranophosphate)結合に置換える方法があり、これによってニュークレアーゼ(nuclease)の核酸分解に対する抵抗性を高めることができる。一例として、siRNAセンス(sense)及びアンチセンス(antisense)の両鎖の3´−末端ホスホジエステル結合をホスホロチオネート結合に置換えることができる。
他の一例として、siRNAセンス(sense)またはアンチセンス鎖の5´末端、3´末端、または両末端にENA(Ethylene bridge nucleic acid)またはLNA(Locked nucleic acid)を導入する方法があり、好ましくはsiRNAセンス(sense)鎖の5´末端に導入する。これによってRNAi能力に影響を与えず、siRNA安定性を増加させて、免疫反応及び非特異的な抑制効果を減少させることができる。
また他の一例として、リボース環(ribose ring)の2´−位置にある−OH(ヒドロキシ基)を−NH2(アミノ基)、−C−allyl(アリル基)、−F(フルオロ基)、または−O−Me(またはCH3、メチル基)に置換える化学的変形を与えることができる。例えば、センス鎖の1番目及び2番目の度核酸のリボース環で2´−OHを2´−O−Meに置換えたり、アンチセンス鎖の2番目の核酸のリボース環で2´−OHを2´−O−Meに置換えたり、またはグアニン(G)またはウリジン(U)を含む一部ヌクレオチドでリボース環の2´−OHを2´−O−Me(メチル基)または2´−F(フルオロ基)に置換えることができる。
前記化学的変形以外にも多様な化学的変形を与えることができ、このような化学的変形は、ある1つ形態の化学的変形だけで行われることもあり、多様な形態の化学的変形が共に行われることもある。
ただし、前記変形において、siRNA二重鎖構造を安定化させると同時に、遺伝子の発現阻害活性を減少させないように、好ましくは最小限の変形が行われるようにするのが好ましい。
また、siRNAにコレステロール、ビオチン、細胞浸透性質を有するペプチド(cell penetrating peptide)などのリガンド(ligand)をセンス鎖の5´または3´−末端に付着させることも可能である。
本発明のsiRNAは、化学的合成、in vitro転写、またはダイサー(Dicer)や、その他の類似した活性を有するヌクレアーゼで長い二重鎖RNAを切断して製造することができる。または、前記のように、siRNAをプラジミドやウイルス性発現ベクターなどによって発現させて使用することができる。
siRNAの特定配列がインターフェロンを誘発するか否かを樹枝状細胞を含むヒトの末梢血液単核細胞(peripheral blood mononuclear cells:PBMC)で実験的に確認した後、免疫反応を誘発しない配列を選別して、候補siRNA配列として選定することができる。
以下、前記siRNAの伝達のための薬品伝達システム(DDS)を説明する。
siRNAの細胞内の伝達効果を高めるためには、核酸伝達体(nucleic acid delivery system)を活用することができる。
細胞内に核酸物質を伝達するための核酸伝達体には、ウイルス性ベクター、非ウイルス性ベクター、リポゾーム、陽イオン性高分子、ミセル(micelle)、エマルジョン、脂質ナノ粒子(solid lipid nanoparticles)などがある。ウイルスベクター(viral vector)として、伝達効果が高く、持続時間が長い利点がある。前記ウイルスベクターには、レトロウイルスベクター(retroviral vector)、アデノウイルスベクター(adenoviral vector)、ワクシニアウイルスベクター、アデノ付属ウイルスベクター(adeno−associated viral vector)、癌細胞溶解性ウイルスベクターなどが含まれる。非ウイルスベクター(nonviral vector)は、プラズミドを含むことができる。それ以外にも、リポゾーム、陽イオン性高分子、ミセル(micelle)、エマルジョン、脂質ナノ粒子(solid lipid nanoparticles)などの多様な剤形を使用することができる。核酸伝達のための陽イオン性高分子には、キトサン、アテロコラーゲン(atelocollagen)、陽イオン性ポリペプチド(cationic polypeptide)などの天然高分子と、poly(L−lysin)、線型または分枝型PEI(polyethylene imine)、サイクロデキストリン系列多価陽イオン(cyclodextrin−based polycation)、デンドリマー(dendrimer)などの合成高分子とが含まれる。
本発明のsiRNAまたはsiRNA及び核酸伝達体の複合体(薬学的組成物)は、癌の治療のためにin vivoまたはex vivo上で細胞内に導入されることができる。下記の実施例で確認することができるように、本発明のsiRNAまたはsiRNA及び核酸伝達体の複合体を細胞内に導入すると、標的蛋白質であるc−Metの発現を選択的に減少させたり、標的遺伝子に発生した変異を修正する役割を果たして、癌の生成に関与するc−Metの発現が抑制されて、癌細胞が死滅して、癌の治療が可能になる。
本発明のsiRNAまたはこれを含む薬学的組成物は、局所、経口、または非経口などで投与するために製剤化されることができる。具体的に、siRNAの投与は、目の粘膜、膣、または肛門内投与を含む局所投与、または肺、気管支、鼻腔、外皮、内皮、静脈、動脈、皮下、腹腔、筋肉、頭蓋(脳膜または脳室)などの非経口投与、または経口投与などの経路によることができる。局所投与のために、siRNAまたはこれを含む薬学的組成物は、パッチ、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、滴剤、座薬、スプレー、溶液、パウダーなどの形態に製剤化されることができる。非経口投与、脳硬膜あるいは脳室内投与のために、siRNAまたはこれを含む薬学的組成物は、バッファー、希釈剤、透過促進剤、その他の通常な薬剤学的に使用可能な伝達体あるいは賦形剤などの適切な添加剤を含む滅菌水溶液を含むことができる
また、本発明のsiRNAまたはこれを含む薬学的組成物は、siRNAを注射用組成物と混合して、腫ようが発生した部位に注射形態で投与したり、ゲル組成物または経皮吸収用粘着組成物と混合して、患部に直接塗ったり張付けて、経皮経路で投与することができるように具現するのが好ましい。前記注射用組成物は、特別な制限はないが、等張性水溶液または懸濁液形態であるのが好ましく、滅菌処理及び/または補助剤(例えば防腐剤、安定化剤、湿潤剤、または乳化剤溶液促進剤、浸透圧調節のための塩、緩衝剤、及び/またはリポゾーム製剤)を含むことができる。前記ゲル組成物は、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、アクリル酸重合体、カーボポール(carbopol)などの通常のゲル製剤と薬学的に許容される担体及び/またはリポゾーム製剤を含み、前記経皮吸収用粘着組成物は、有効成分層が粘着剤層、皮脂吸収のための吸着層、及び治療薬物層を含み、治療薬物層は、薬学的に許容される担体及び/またはリポゾーム製剤を含むものであり得るが、これに制限されない。
また、本発明のsiRNAまたはこれを含む薬学的組成物は、c−MetのsiRNAと共に抗癌化学療法剤を追加的に含んだり、または成長因子、成長因子受容体、下位信号伝達蛋白質、ウイルス性腫よう誘発因子、及び抗癌剤耐性遺伝子からなる群より選択されるものの発現を阻害するsiRNAを追加的に含むことができる 。
このように、c−MetのsiRNAと共に化学療法剤を併用して化学療法に対する敏感度を高めることによって、治療効果を極大化して、副作用を減少させることができるだけでなく、各種成長因子(例えばVEGF、EGF、PDGFなど)、成長因子受容体、及び下位信号伝達蛋白質、ウイルス性腫よう誘発因子、抗癌剤耐性遺伝子の発現を阻害するsiRNAと併用して、癌の多様な経路を同時に遮断することによって、抗癌効果を極大化することができる。
本発明のc−Metの発現を抑制するsiRNAと併用投与が可能な抗癌化学療法剤は、例えばシスプラチン(cisplatin)、カルボプラチン(carboplatin)、オクサリプラチン(oxaliplatin)、ドキソールビシン(doxorubicin)、ダウノルビシン(daunorubicin)、エピルビシン(epirubicin)、イダルビシン(idarubicin)、ミトサントロン(mitoxantrone)、バルビシン(valubicin)、コキュミン(curcumin)、ゲフィニチブ(gefitinib)、エルロチニフ(erlotinib)、イリノテカン(irinotecan)、トポテカン(topotecan)、ビンプラシチン(vinblastine)、ビンクリスチン(vincristine)、ドセタキセル(docetaxel)、パクリタキセル(paclitaxel)などからなる群より選択された1種以上であり得る。
本発明のまた他の例は、c−Metの合成及び/または発現抑制のための有効量の前記c−MetsiRNAを準備する段階;及びc−Metを発現する細胞に前記siRNAを接触させる段階;を含む、c−Metの発現及び/または合成を抑制する方法を提供する。
また他の例は、c−Metの合成及び/または発現抑制のための有効量の前記c−MetsiRNAを準備する段階;及びc−Metを発現する癌細胞に前記siRNAを接触させる段階;を含む、癌細胞の成長を抑制する方法を提供する。
また他の例は、前記c−MetのsiRNAを準備する段階;及び前記siRNAを治療学的有効量で患者に投与する段階;を含む、癌を予防及び/または治療する方法を提供する。
前記癌を予防及び/または治療する方法は、好ましくは、前記投与段階以前に前記siRNAの投与対象である癌の予防及び/または治療が要求される患者を特定する段階;をさらに含むことができる。
本発明によって治療可能な癌は、大部分の固形癌(肺癌、肝癌、大腸癌、すい臓癌、胃癌、乳癌、卵巣癌、腎臓癌、甲状腺癌、食道癌、前立腺癌)、骨肉腫、軟部組織肉腫、神経膠腫などからなる群より選択された1種以上であり得る。
前記患者は、ほ乳動物、好ましくはヒト、猿、齧歯類(マウス、ラットなど)などであり、特に、c−Metの発現と関連する病気や症状(例えば癌)を有したり、c−Metの発現抑制を必要とする全てのほ乳動物、例えばヒトであり得る。
本発明によるsiRNAの有効量は、c−Metの発現または合成抑制またはこれによる癌細胞成長阻害及び癌治療効果を得るために要求される投与量を意味する。したがって、疾患の種類、症状の程度、投与されるsiRNAの種類、剤形の種類、患者の年令、体重、一般健康状態、性別、食事、投与時間、投与経路、治療期間、同時に使用される化学抗癌剤などの薬品をはじめとする多様な因子により適切に調節されることができる。例えば、1日投与容量は、0.001mg/kg〜100mg/kgであるのが好ましく、前記容量は、一度に全てが投与されたり、数回にわたって分量して投与されることができる。
本発明のc−Met転写体(mRNA)の塩基配列に相補的なsiRNAまたはその化学的変形された構造は、リボ核酸の媒介干渉現象(RNA−mediated interference、RNAi)によって癌細胞に共通的に発現するc−Metの発現を抑制して癌細胞を死滅させるので、優れた抗癌効果を発揮することができる。また、免疫反応を最小限に誘発する長所がある。
既存の大部分の薬品がすでに発現した蛋白質の機能を抑制するのに対して、本発明のRNAi機転は、特定の病気の誘発蛋白質の発現を高い選択性及び活性で阻害することができるだけでなく、蛋白質が合成される前段階のmRNAを分解するので、副作用を誘発せずに癌の成長及び転移を抑制して、より根源的な癌治療技術になると期待される。
また、c−MetのsiRNAと共に化学療法剤を併用して、化学療法に対する敏感度を高めることによって、治療効果を極大化して、副作用を減少させることができるだけでなく、各種成長因子(VEGF、EGF、PDGFなど)、成長因子受容体、及び下位信号伝達蛋白質、ウイルス性腫よう誘発因子、抗癌剤耐性遺伝子の発現を阻害するsiRNAと併用して、癌の多様な経路を同時に遮断することによって、抗癌効果を極大化することができる付加的な利点がある。
以下、実施例を通して本発明をより詳細に説明する。しかし、これらの実施例は、本発明を代表的に例示するためのものであり、本発明の範囲がこれらの実施例によって制限されるのではない。
実施例1.c−Metの発現抑制用siRNAが結合する標的塩基配列のデザイン
siDesign Center(Dharmacon)、BLOCK−iTTM RNAi Designer(Invitrogen)、Asi Designer(KRIBB)、siDirect(University of Tokyo)、及びsiRNA Target Finder(Ambion)のsiRNAデザインプログラムを使用して、c−MetのmRNA配列(NM_000245)の中からsiRNAが結合する標的塩基配列を導出した。
siDesign Center(Dharmacon)、BLOCK−iTTM RNAi Designer(Invitrogen)、Asi Designer(KRIBB)、siDirect(University of Tokyo)、及びsiRNA Target Finder(Ambion)のsiRNAデザインプログラムを使用して、c−MetのmRNA配列(NM_000245)の中からsiRNAが結合する標的塩基配列を導出した。
実施例2.c−Metの発現抑制用siRNAの製造
実施例1でデザインした標的塩基配列に結合することができるsiRNAの23種を三千里製薬(韓国)に合成依頼して使用した。23種のsiRNAの配列は、表6のように両鎖の3´末端にdTdTを含むようにした。
実施例1でデザインした標的塩基配列に結合することができるsiRNAの23種を三千里製薬(韓国)に合成依頼して使用した。23種のsiRNAの配列は、表6のように両鎖の3´末端にdTdTを含むようにした。
実施例3.siRNAを利用した腫よう細胞株でのc−Metの発現抑制試験
前記実施例2で製造した各々のsiRNAを利用して、腫よう細胞株のヒト肺癌細胞株(A549、ATCC)及びヒト肝癌細胞株(SK−Hep−1、ATCC)を形質転換させて、形質転換された腫よう細胞株でc−Metの発現様相を測定した。
前記実施例2で製造した各々のsiRNAを利用して、腫よう細胞株のヒト肺癌細胞株(A549、ATCC)及びヒト肝癌細胞株(SK−Hep−1、ATCC)を形質転換させて、形質転換された腫よう細胞株でc−Metの発現様相を測定した。
実施例3−1.腫よう細胞株の培養
アメリカ合衆国種菌協会(American Type Culture Collection、ATCC)から入手したヒト肺癌細胞株(A549)、ヒト肝癌細胞株(SK−Hep−1)を10%の牛胎児血清、ペニシリン(100units/ml)、及びストレプトマイシン(100ug/ml)を含むRPMI培養培地(GIBCO/Invitrogen、USA)で37℃、5%(v/v)のCO2の条件下で培養した。
アメリカ合衆国種菌協会(American Type Culture Collection、ATCC)から入手したヒト肺癌細胞株(A549)、ヒト肝癌細胞株(SK−Hep−1)を10%の牛胎児血清、ペニシリン(100units/ml)、及びストレプトマイシン(100ug/ml)を含むRPMI培養培地(GIBCO/Invitrogen、USA)で37℃、5%(v/v)のCO2の条件下で培養した。
実施例3−2.c−Metの発現抑制用siRNA及びリポゾームの複合体の製造
実施例2のsiRNA1乃至23の23個のsiRNAを10nMで各々含むOpti−MEM培地(Gibco)25ul及びウェル(well)当り0.4ulのリポフェクタミン2000(Lipofectamine 2000,Invitrogen)を含むOpti−MEM培地を同一な体積で混合して、常温で20分間反応させて、siRNA及びリポゾームの複合体を各々製造した。
実施例2のsiRNA1乃至23の23個のsiRNAを10nMで各々含むOpti−MEM培地(Gibco)25ul及びウェル(well)当り0.4ulのリポフェクタミン2000(Lipofectamine 2000,Invitrogen)を含むOpti−MEM培地を同一な体積で混合して、常温で20分間反応させて、siRNA及びリポゾームの複合体を各々製造した。
実施例3−3.c−MetターゲットsiRNAを利用した腫よう細胞株でのc−MetのmRNAの発現抑制
前記実施例3−1で培養した肺癌細胞株及び肝癌細胞株を96ウェルプレートに各々ウェル当り104細胞数ずつ分株(seeding)した。24時間後に培地を除去して、Opti−MEM培地をウェル(well)当り50μlずつ添加した。前記実施例3−2で製造したsiRNA及びリポゾームの複合体組成物50μlを添加して、24時間、37℃、5%の二酸化炭素が維持される細胞培養器で培養した。
c−MetのmRNAの発現が50%阻害される薬品濃度であるIC50数値の計算のために、肺癌細胞株(A−549)に各々のsiRNAを0.0064nM乃至100nMの間の7種類の濃度範囲で処理した。
前記実施例3−1で培養した肺癌細胞株及び肝癌細胞株を96ウェルプレートに各々ウェル当り104細胞数ずつ分株(seeding)した。24時間後に培地を除去して、Opti−MEM培地をウェル(well)当り50μlずつ添加した。前記実施例3−2で製造したsiRNA及びリポゾームの複合体組成物50μlを添加して、24時間、37℃、5%の二酸化炭素が維持される細胞培養器で培養した。
c−MetのmRNAの発現が50%阻害される薬品濃度であるIC50数値の計算のために、肺癌細胞株(A−549)に各々のsiRNAを0.0064nM乃至100nMの間の7種類の濃度範囲で処理した。
実施例3−4.c−MetのmRNAの定量分析_肺癌細胞
siRNAリポゾーム複合体によって発現抑制されたc−MetのmRNAの発現程度は、Quantigene 2.0 system(Panomics社)を利用したbDNA測定法で測定した。
siRNAリポゾーム複合体によって発現抑制されたc−MetのmRNAの発現程度は、Quantigene 2.0 system(Panomics社)を利用したbDNA測定法で測定した。
10nMのsiRNAリポゾーム複合体をヒト肺癌細胞株に24時間処理した後、mRNAを定量した。製造会社のプロトコル通り、96ウェルプレートの1ウェル(well)当り100μlの溶菌混合物(Lysis mixture)(Panomics、Quantigene 2.0 bDNA kit)を処理して、50℃で1時間細胞を溶解した。Panomics社でc−MetのmRNAに特異的に結合するプローブ(Panomics,Cat.#SA−10157)を購入して、得られた細胞サンプルのうちの80μlと共に96ウェルプレートに混合した。mRNAがウェルに固定されてプローブと結合することができるように、55℃で16時間乃至20時間反応させた。続いて、各ウェルにキットの増幅作用試薬100μlを入れて、55℃で反応させて洗浄する過程を二段階行った。第3増幅作用試薬100μlを入れて、50℃で反応させた後、発光を誘発する試薬100μlを入れて、5分後に蛍光及び発光測定器(Bio−Tek,Synergy−HT)に入れて、発光値を測定して、リポフェクタミン(lipofectamine)だけを処理した対照群の発光値(100%)に対する百分率値を算出して表7に示した。この百分率値は、対照群及び各siRNAを処理した試験群でのc−MetのmRNA発現率を示す。
表7から分かるように、20種のsiRNAのうち、c−Metの発現を40%以下に抑制するsiRNAが16種、40%以上70%以下に抑制するsiRNAが1種、70%以上に抑制するsiRNAが3種であることを確認した。
前記表7において、優れた遺伝子の発現抑制効果を有する3種のsiRNA2、17、及び20番に対してA549細胞株を使用して100nMから0.0064nMの範囲でc−MetのmRNAの発現減少効果を調査して、IC50を求めて、下記の表8に示した。IC50数値は、Spectra Max 190(ELISA機器)モデルで支援されるSofr Max pro softwareを利用して計算した。siRNA2、17、及び20のIC50数値をsiRNA14及び15と比較した時、5乃至100倍ほど優れていることが分かる。
実施例3−5.c−MetのmRNAの定量分析_肝癌細胞
配列番号3、18、21を標的とする対称構造のsiRNA2、17、及び20とセンス鎖がアンチセンス鎖より短い非対称構造のsiRNA21、22、23とを4nMの濃度で肝癌細胞株であるSK−Hep−1に処理してc−MetのmRNAの抑制効果を調査して、下記の表9に示した。実験方法は、実施例3−4と同一な方式で行った。
配列番号3、18、21を標的とする対称構造のsiRNA2、17、及び20とセンス鎖がアンチセンス鎖より短い非対称構造のsiRNA21、22、23とを4nMの濃度で肝癌細胞株であるSK−Hep−1に処理してc−MetのmRNAの抑制効果を調査して、下記の表9に示した。実験方法は、実施例3−4と同一な方式で行った。
表9に示されているように、配列番号3、18、及び21を標的とする場合、非対称構造siRNAでも対称構造siRNAと類似した程度にc−Metの発現を効果的に抑制することが分かった。
実施例4.siRNAによる細胞増殖抑制試験
siRNA2、14、及び15による細胞増殖抑制効果を測定した。ヒト肺癌細胞株A549を96ウェルプレートにウェル(well)当り2.5×103細胞数で分株(seeding)した24時間後に、ウェル(well)当り0.4μlで実施例3−2の方法で製造したsiRNAリポゾーム複合体をsiRNA濃度別にOpti−MEM培地で実施例3−3の方法の通り添加した。添加した後、24時間ごとに新鮮な細胞培養培地200μlに交換して、5日間、37℃、5%の二酸化炭素が維持される細胞培養器で維持させた。その後、TCA(Trichloroacetic acid)に30分間固定(fixation)させ、SRB(Sulforhodamine B,Sigma)で30分間室温で染色した。10%(v/v)の酢酸でウェル(well)を4〜5回洗浄した後、自然乾燥させて、一日おいた後、10mMの非緩衝トリス(unbuffered tris)溶液(Sigma)200μlを入れて吸光度測定器(Bio−Tek、Synergy−HT)を使用して540nmでの吸光度を測定して、Lipofectamineだけ処理した対照群(100%)の吸光度に対する百分率値を算出した。
siRNA2、14、及び15による細胞増殖抑制効果を測定した。ヒト肺癌細胞株A549を96ウェルプレートにウェル(well)当り2.5×103細胞数で分株(seeding)した24時間後に、ウェル(well)当り0.4μlで実施例3−2の方法で製造したsiRNAリポゾーム複合体をsiRNA濃度別にOpti−MEM培地で実施例3−3の方法の通り添加した。添加した後、24時間ごとに新鮮な細胞培養培地200μlに交換して、5日間、37℃、5%の二酸化炭素が維持される細胞培養器で維持させた。その後、TCA(Trichloroacetic acid)に30分間固定(fixation)させ、SRB(Sulforhodamine B,Sigma)で30分間室温で染色した。10%(v/v)の酢酸でウェル(well)を4〜5回洗浄した後、自然乾燥させて、一日おいた後、10mMの非緩衝トリス(unbuffered tris)溶液(Sigma)200μlを入れて吸光度測定器(Bio−Tek、Synergy−HT)を使用して540nmでの吸光度を測定して、Lipofectamineだけ処理した対照群(100%)の吸光度に対する百分率値を算出した。
この百分率値は、対照群と比較したsiRNA2、14、15のsiRNAを処理した試験群での細胞増殖率を意味する。siRNA処理濃度別に算出された百分率値を利用してIC50値を求めて、下記の表10に示した。表10に示したように、siRNA2のIC50値がsiRNA14及び15より20〜50倍の低い数値を示し、siRNA2の細胞増殖阻害効果が20〜50倍と非常に優れていることを確認することができた。したがって、本発明のsiRNA2は、c−MetのmRNAの発現を減少させるだけでなく、c−Metの発現減少による癌細胞の増殖抑制を直接的に誘発して、非常に優れた抗癌効果を示すことを確認することができた。
実施例5.siRNAによる免疫活性サイトカインの遊離抑制効果
本発明のsiRNAが免疫毒性があるかを評価するために、下記のような過程で実験を行った。
本発明のsiRNAが免疫毒性があるかを評価するために、下記のような過程で実験を行った。
実施例5−1.末梢血液単核細胞の準備
ヒトの末梢血液単核細胞(PBMC)は、試験当日に健康な支援者が供給した血液からヒストペイク1077試薬(Histopaque1077)(Sigma,St Louis,MO,USA)を使用して、密度傾斜遠心分離法(density gradient centrifugation)を利用して分離した(Boyum A.Seperation of leukocytes from blood and bone marrow.Scand J Clin Lab Invest 21(Suppl97):77,1968)。血液は、1:1比率で互いに混合されないように15mlチューブに分株されたヒストペイク1077(Histopaque1077)試薬上に注意深く入れた。400xg、常温で30分間遠心分離した後、滅菌パイペットでPBMCが含まれている層だけを分離した。分離されたPBMCが入れられたチューブに10mlのリン酸塩緩衝液(Phosphate buffered saline:PBS)を入れた後、250xgで10分間遠心分離して、5mlのPBSで二回さらにPBMCを洗浄した。分離されたPBMCは、血清が含まれない培地であるx−vivo15(Lonza,Walkersville,MD,USA)培地に4×106細胞/mlになるように浮遊させた後、96ウェルプレートにウェル(well)当り100ulずつ分株した。
ヒトの末梢血液単核細胞(PBMC)は、試験当日に健康な支援者が供給した血液からヒストペイク1077試薬(Histopaque1077)(Sigma,St Louis,MO,USA)を使用して、密度傾斜遠心分離法(density gradient centrifugation)を利用して分離した(Boyum A.Seperation of leukocytes from blood and bone marrow.Scand J Clin Lab Invest 21(Suppl97):77,1968)。血液は、1:1比率で互いに混合されないように15mlチューブに分株されたヒストペイク1077(Histopaque1077)試薬上に注意深く入れた。400xg、常温で30分間遠心分離した後、滅菌パイペットでPBMCが含まれている層だけを分離した。分離されたPBMCが入れられたチューブに10mlのリン酸塩緩衝液(Phosphate buffered saline:PBS)を入れた後、250xgで10分間遠心分離して、5mlのPBSで二回さらにPBMCを洗浄した。分離されたPBMCは、血清が含まれない培地であるx−vivo15(Lonza,Walkersville,MD,USA)培地に4×106細胞/mlになるように浮遊させた後、96ウェルプレートにウェル(well)当り100ulずつ分株した。
実施例5−2.siRNA−DOTPA複合体の製造
前記実施例5−1で準備されたPBMC細胞に分株のためのsiRNA−DOTPA複合体を下記のような方法で製造した。DOTAPトランスフェクション(transfection)試薬(ROCHE,Germany)5ulとx−vivo15培地45ul及びsiRNA1ul(50uM)とx−vivo15培地49ulを各々混合して製造した後、10分間室温で反応させた。10分後、DOTAPが含まれている溶液及びsiRNAが含まれている溶液を混合して、20分間20〜25℃で反応させた。
前記実施例5−1で準備されたPBMC細胞に分株のためのsiRNA−DOTPA複合体を下記のような方法で製造した。DOTAPトランスフェクション(transfection)試薬(ROCHE,Germany)5ulとx−vivo15培地45ul及びsiRNA1ul(50uM)とx−vivo15培地49ulを各々混合して製造した後、10分間室温で反応させた。10分後、DOTAPが含まれている溶液及びsiRNAが含まれている溶液を混合して、20分間20〜25℃で反応させた。
実施例5−3.細胞の培養
分株されたPBMC培養液100uLに実施例5−2の方法によって製造されたsiRNA2、14、及び15のsiRNA−DOTAP複合体をウェル当り100ulずつ添加した後(siRNA最終濃度250nM)、37℃のCO2細胞培養器で18時間培養した。対照群として、siRNA−DOTAP複合体を処理しない細胞培養群及びsiRNAを含まずにDOTAPだけが処理された細胞培養群を使用し、陽性対照群としては、siRNAの代わりに免疫反応を誘発すると言われている物質であるPolyI:C(Polyinosinic−polycytidylic acid postassium salt,Sigma,USA)及びAPOB−1siRNA(センス GUC AUC ACA CUG AAU ACC AAU(配列番号99),アンチセンス:*AUU GGU AUU CAG UGU GAU GAC AC(配列番号100),:5´phosphates,三千里製薬)を前記実施例5−2と同様な方法でDOTAPと複合体を形成して処理した細胞培養群を使用した。培養後、細胞上層液だけを分離した。
分株されたPBMC培養液100uLに実施例5−2の方法によって製造されたsiRNA2、14、及び15のsiRNA−DOTAP複合体をウェル当り100ulずつ添加した後(siRNA最終濃度250nM)、37℃のCO2細胞培養器で18時間培養した。対照群として、siRNA−DOTAP複合体を処理しない細胞培養群及びsiRNAを含まずにDOTAPだけが処理された細胞培養群を使用し、陽性対照群としては、siRNAの代わりに免疫反応を誘発すると言われている物質であるPolyI:C(Polyinosinic−polycytidylic acid postassium salt,Sigma,USA)及びAPOB−1siRNA(センス GUC AUC ACA CUG AAU ACC AAU(配列番号99),アンチセンス:*AUU GGU AUU CAG UGU GAU GAC AC(配列番号100),:5´phosphates,三千里製薬)を前記実施例5−2と同様な方法でDOTAPと複合体を形成して処理した細胞培養群を使用した。培養後、細胞上層液だけを分離した。
実施例5−4.免疫活性の測定
上層液内に含まれているインターフェロンアルファ及びガンマ(INF−a、及びINF−γ)、腫よう壊死因子(TNF−a)、インターリューキン12(IL−12)の含有量は、Procarta Cytokine assay kit(Affimetrix,SA)を使用して測定した。つまり、各サイトカインに対する抗体が付着されたビード(antibody bead)50ulをフィルタープレート(filter plate)に移して、洗浄緩衝液(wash buffer)で1回洗浄した後、50ulのPBMC培養液の上層液及びサイトカイン標準液を分注して、常温で60分間500rpmで揺さぶって培養した。
その後、洗浄緩衝液で1回洗浄して、キット内に含まれている検出用(detection)抗体25ulを分株して、500rpmで揺さぶって30分間常温で反応させた。再び減圧下で反応液を除去して洗浄した後、キット内に含まれているストレプトアビジン−PE(streptavidin phycoerythrin)50ulを分株して500rpmで揺さぶって常温で30分間反応させた後、減圧下で反応液を除去して、3回洗浄した。120ulの測定緩衝液(reading buffer)を分株して500rpmで5分間揺さぶった後に、Luminex機器(Bioplex luminex system、Biorad,USA)を使用して各サイトカインビード(cytokine bead)別PE蛍光程度を測定し、その結果を図1a−1dに示した。試料中のサイトカイン濃度は、1.22〜20,000pg/mlの範囲の標準減量曲線から計算した。
上層液内に含まれているインターフェロンアルファ及びガンマ(INF−a、及びINF−γ)、腫よう壊死因子(TNF−a)、インターリューキン12(IL−12)の含有量は、Procarta Cytokine assay kit(Affimetrix,SA)を使用して測定した。つまり、各サイトカインに対する抗体が付着されたビード(antibody bead)50ulをフィルタープレート(filter plate)に移して、洗浄緩衝液(wash buffer)で1回洗浄した後、50ulのPBMC培養液の上層液及びサイトカイン標準液を分注して、常温で60分間500rpmで揺さぶって培養した。
その後、洗浄緩衝液で1回洗浄して、キット内に含まれている検出用(detection)抗体25ulを分株して、500rpmで揺さぶって30分間常温で反応させた。再び減圧下で反応液を除去して洗浄した後、キット内に含まれているストレプトアビジン−PE(streptavidin phycoerythrin)50ulを分株して500rpmで揺さぶって常温で30分間反応させた後、減圧下で反応液を除去して、3回洗浄した。120ulの測定緩衝液(reading buffer)を分株して500rpmで5分間揺さぶった後に、Luminex機器(Bioplex luminex system、Biorad,USA)を使用して各サイトカインビード(cytokine bead)別PE蛍光程度を測定し、その結果を図1a−1dに示した。試料中のサイトカイン濃度は、1.22〜20,000pg/mlの範囲の標準減量曲線から計算した。
図1a−1dで、「Medium」は何も処理しない対照群、「DOTAP」はDOTAP単独処理群、「POLYI:C」または「APOB−1」は陽性対照物質処理群、「siRNA2」は配列番号24及び25のsiRNAを処理した試験群、「siRNA14」は配列番号48及び49のsiRNA、及び「siRNA15」は配列番号50及び51のsiRNAを処理した試験群を示す。図1a−1dを通してPBMCで分泌されるサイトカインの水準が分かるが、1aはインターフェロンアルファ、1bはインターフェロンガンマ、1cはインターリューキン12、1dは腫よう壊死因子を示したものである。
siRNA2は、対照群及びDOTAP単独処理群に比べて全てのサイトカインで非常に弱い水準の増加だけを示し、陽性対照物質として使用されたPOLYI:C及びAPOB−1によって誘発されたサイトカインの増加量に比べれば、非常に僅かな水準の増加である。また、siRNA14及びsiRNA15に比べると、インターフェロンアルファ及びインターフェロンガンマ、特にインターフェロンアルファの増加が顕著に低いことが分かる。したがって、siRNA2は、ヒトのPBMCで免疫活性をほとんど誘発しないことを確認することができた。
実施例6.化学的変形されたc−Metの発現抑制用siRNAの製造
前記実施例2で製造したsiRNA2、17、及び20を、前記表4に示されているように6種類の形態(mod1〜6)に化学的構造が変形するようにデザインし、デザインされた化学的変形siRNAは、三千里製薬(韓国)に合成依頼して使用した。化学的に変形された17種のsiRNAを下記の表11に示し、化学的変形の表記法は、前記表3と同一である。
前記実施例2で製造したsiRNA2、17、及び20を、前記表4に示されているように6種類の形態(mod1〜6)に化学的構造が変形するようにデザインし、デザインされた化学的変形siRNAは、三千里製薬(韓国)に合成依頼して使用した。化学的に変形された17種のsiRNAを下記の表11に示し、化学的変形の表記法は、前記表3と同一である。
実施例7.化学的変形siRNAを利用した腫よう細胞株でのc−MetのmRNAの発現抑制試験
siRNAを化学的構造変形させた時にも腫よう細胞株でmRNAの抑制効果が維持されるかを確認するために、化学的構造変形しない前記実施例2のsiRNA(siRNA2、17、及び20)、化学的構造変形した前記実施例6のsiRNA24乃至40の17個のsiRNAを使用したこと以外は、前記実施例3−2と同様な方法でリポゾーム複合体を製造して、ヒト肺癌細胞株(A549,ATCC)を形質転換させて(10nMのsiRNA)、形質転換された腫よう細胞株でc−Metの発現様相を実施例3−4と同一に定量分析し、その結果を下記の表12に示した。表12で、mod0は化学的構造変形しない状態のsiRNAを示し、NDは測定されないことを示す。
siRNAを化学的構造変形させた時にも腫よう細胞株でmRNAの抑制効果が維持されるかを確認するために、化学的構造変形しない前記実施例2のsiRNA(siRNA2、17、及び20)、化学的構造変形した前記実施例6のsiRNA24乃至40の17個のsiRNAを使用したこと以外は、前記実施例3−2と同様な方法でリポゾーム複合体を製造して、ヒト肺癌細胞株(A549,ATCC)を形質転換させて(10nMのsiRNA)、形質転換された腫よう細胞株でc−Metの発現様相を実施例3−4と同一に定量分析し、その結果を下記の表12に示した。表12で、mod0は化学的構造変形しない状態のsiRNAを示し、NDは測定されないことを示す。
前記表12から分かるように、siRNA2、17、及び20を化学的構造変形させた時にも腫よう細胞株でmRNAの抑制効果が維持されることが分かった。特に、mod2、mod3、mod5、そしてmod6の場合、化学的構造変形しないsiRNAと比較する時、同等または類似した効果を示した。
実施例8.化学的変形siRNAの免疫活性サイトカインの遊離抑制試験
化学的構造変形によるsiRNAの免疫毒性減少程度を確認するために、siRNA番号2、17、及び20番を各々mod1−mod6まで構造変形させた後、ヒトの末梢血液単核細胞(PBMC)に処理して、遊離されるサイトカインを定量した。試験は、前記実施例5の方法と同一に実施し、PBMCで遊離されたサイトカイン(インターフェロンアルファ、インターフェロンガンマ、インターリューキン12、腫よう壊死因子)の培養液中の濃度を定量して、下記の表13に示した。表13で、「Medium」は何も処理しない対照群、「DOTAP」はDOTAP単独処理群、「POLYI:C」または「APOB−1」は陽性対照物質処理群、「siRNA2」はsiRNA2にmod0〜5を処理した試験群、「siRNA17」はsiRNA17にmod0〜6を処理した試験群、「siRNA20」はsiRNA20にmod0〜6を処理した試験群を示す。mod0は、化学的構造変形しない状態のsiRNAを示し、mod1〜6は、表4で説明した通りである。
化学的構造変形によるsiRNAの免疫毒性減少程度を確認するために、siRNA番号2、17、及び20番を各々mod1−mod6まで構造変形させた後、ヒトの末梢血液単核細胞(PBMC)に処理して、遊離されるサイトカインを定量した。試験は、前記実施例5の方法と同一に実施し、PBMCで遊離されたサイトカイン(インターフェロンアルファ、インターフェロンガンマ、インターリューキン12、腫よう壊死因子)の培養液中の濃度を定量して、下記の表13に示した。表13で、「Medium」は何も処理しない対照群、「DOTAP」はDOTAP単独処理群、「POLYI:C」または「APOB−1」は陽性対照物質処理群、「siRNA2」はsiRNA2にmod0〜5を処理した試験群、「siRNA17」はsiRNA17にmod0〜6を処理した試験群、「siRNA20」はsiRNA20にmod0〜6を処理した試験群を示す。mod0は、化学的構造変形しない状態のsiRNAを示し、mod1〜6は、表4で説明した通りである。
前記表13から分かるように、siRNA2の場合、構造変形に関係なく対照群及びDOTAP単独処理群に比べて全てのサイトカインで変化がなかったり、非常に低い水準の増加だけを示した。
反面、siRNA17及び20の場合、化学的構造変形によってインターフェロンアルファの水準が急激に減少することを確認することができた。その他の残りのサイトカインは、大きな変化がなかったり、非常に低い水準の増加だけを示した。したがって、siRNA17及び20の場合で化学的構造変形することにより、免疫活性を顕著に減少させる可能性があることを確認することができた。
実施例9.化学的変形siRNAのセンス(sense)鎖によるターゲット以外の(off−target)効果の抑制試験
本発明のsiRNAの化学的構造変形によってセンス鎖によるターゲット以外の効果を除去することができるかを下記のような方法で実験した。
本発明のsiRNAの化学的構造変形によってセンス鎖によるターゲット以外の効果を除去することができるかを下記のような方法で実験した。
実施例9−1.ホタルルシフェラーゼベクター(firefly luciferase vector)の準備
ホタルルシフェラーゼを発現するpMIR−REPORT(Ambion)ベクターに、各々のsiRNAに対してアンチセンス鎖に相補的な配列及びセンス鎖に相補的な配列を各々クローニングして入れて、二つの異なるプラジミドを各々準備した。前記相補的な配列は、コスモジンテクに依頼して、両末端にSpeI及びHindIIIの制限酵素シート突出(overhang)を有するようにデザインして合成した後に、pMIR−REPORTベクターのSpeI及びHindIII制限酵素シートを利用してクローニングして入れた。
ホタルルシフェラーゼを発現するpMIR−REPORT(Ambion)ベクターに、各々のsiRNAに対してアンチセンス鎖に相補的な配列及びセンス鎖に相補的な配列を各々クローニングして入れて、二つの異なるプラジミドを各々準備した。前記相補的な配列は、コスモジンテクに依頼して、両末端にSpeI及びHindIIIの制限酵素シート突出(overhang)を有するようにデザインして合成した後に、pMIR−REPORTベクターのSpeI及びHindIII制限酵素シートを利用してクローニングして入れた。
実施例9−2.siRNAの化学的構造変形によるターゲット以外の(off−target)効果の抑制測定
前記実施例9−1で準備されたsiRNAのセンス及びアンチセンス各鎖の相補的な配列が含まれているプラジミドを利用して、siRNAのアンチセンス及びセンス鎖の効果程度を測定した。センス鎖によるターゲット以外の(off−target)効果が起こる程度は、センス鎖がRISCと結合して、センス鎖と相補的な塩基配列を有する配列に作用する時に、センス鎖の相補的な配列を有するホタルルシフェラーゼプラジミドにより発現するルシフェラーゼ量がsiRNAを処理しない細胞に比べて減少することを確認することによって知ることができる。また、アンチセンスの相補的な配列を有するホタルルシフェラーゼプラジミドを処理した細胞については、siRNAによって発現するルシフェラーゼの減少程度にアンチセンスによるsiRNAの効果が化学的構造変形した後にある程度維持されるかを確認することができる。
前記実施例9−1で準備されたsiRNAのセンス及びアンチセンス各鎖の相補的な配列が含まれているプラジミドを利用して、siRNAのアンチセンス及びセンス鎖の効果程度を測定した。センス鎖によるターゲット以外の(off−target)効果が起こる程度は、センス鎖がRISCと結合して、センス鎖と相補的な塩基配列を有する配列に作用する時に、センス鎖の相補的な配列を有するホタルルシフェラーゼプラジミドにより発現するルシフェラーゼ量がsiRNAを処理しない細胞に比べて減少することを確認することによって知ることができる。また、アンチセンスの相補的な配列を有するホタルルシフェラーゼプラジミドを処理した細胞については、siRNAによって発現するルシフェラーゼの減少程度にアンチセンスによるsiRNAの効果が化学的構造変形した後にある程度維持されるかを確認することができる。
具体的に、ホタルルシフェラーゼベクター(fireflyluciferasevector)をsiRNAと共にHeLaとA549細胞(ATCC)内にトランスフェクション(transfection)させた後に、発現するホタルルシフェラーゼの量をルシフェラーゼアッセイ(luciferase assay)で測定した。トランスフェクション(transfection)一日前にHeLa及びA549細胞株を24wellplateに6*10^4cells/wellで準備した。相補的な塩基配列がクローニングされたルシフェラーゼベクター(100ng)をsiRNA(10nM)と補正ベクターであるレニルラルシフェラーゼ(renillaluciferase)を発現するpRL−SV40ベクター(2ng,Promega)と共にリポフェクタミン2000(lipofectamine2000)(Invitrogen)を利用してOpti−MEM培地(Gibco)でトランスフェクションさせた。細胞は、トランスフェクション24時間後に、自然型溶解バッファー(Passive lysis buffer、Promega)を利用して溶解(lysis)させた後、デュアルルシフェラーゼアッセイキット(Dual luciferase assay kit,Promega)でルシフェラーゼ活性(luciferase activity)を測定した。
ホタルルシフェラーゼ測定値は、レニラルシフェラーゼ(renilla luciferase)測定値にトランスフェクション効果を補正した後、siRNAなく各鎖の相補的な配列をクローニングして入れたホタルルシフェラーゼベクター及びレニラルシフェラーゼベクターだけトランスフェクションさせた対照群の補正されたルシフェラーゼ数値(100%)に対する百分率値を算出して、下記の表14に示した。表14で、mod0は化学的構造変形しない状態のsiRNAを示し、mod1〜6は表4で説明した通りである。
前記表14から分かるように、ヒトの肺癌細胞株A549及び子宮頸部癌細胞株Helaの全てが、siRNA2の場合、化学的構造変形しないsiRNA(mod0)そのものにもセンス鎖によるターゲット以外の効果がなかった。しかし、siRNA20は、センス鎖に相補的な配列を有するホタルルシフェラーゼの活性が減少することによって、センス鎖によるオフターゲット(off−target)効果を示したが、化学的構造変形させた場合、特に、mod2及び5でセンス鎖の効果が明確に減少した。つまり、アンチセンスの効果はそのまま維持され、センス鎖の効果は減少することを確認することができた。
Claims (19)
- 前記siRNAは、配列番号3、18、及び21からなる群より選択される1つ以上の塩基配列に該当するmRNA領域を標的とするものである、請求項1に記載のsiRNA。
- 前記siRNAは、前記3´末端、5´末端、または両末端に1−5ヌクレオチドからなる突出部が導入されたものである、請求項1に記載のsiRNA。
- 前記siRNAは、
配列番号24のセンス配列及び配列番号25のアンチセンス配列を含むsiRNA2;
配列番号54のセンス配列及び配列番号55のアンチセンス配列を含むsiRNA17;
配列番号60のセンス配列及び配列番号61のアンチセンス配列を含むsiRNA20;
配列番号62のセンス配列及び配列番号25のアンチセンス配列を含むsiRNA21;
配列番号63のセンス配列及び配列番号55のアンチセンス配列を含むsiRNA22;及び
配列番号64のセンス配列及び配列番号61のアンチセンス配列を含むsiRNA23からなる群より選択されたものである、請求項4に記載のsiRNA。 - 前記siRNAは、1つ以上のリボ核酸の糖構造、または塩基構造、または前記リボ核酸間の結合部位が化学的変形(modification)されたものである、請求項1に記載のsiRNA。
- 前記化学的変形(modification)は、
3´末端、5´末端、または両末端のホスホジエステル(phosphodiester)結合をボラノホスフェート(boranophosphate)またはホスホロチオネート(phosphorothioate)結合に変形するものである、請求項6に記載のsiRNA。 - 前記化学的変形(modification)は、
3´末端、5´末端、または両末端にENA(Ethylene bridge nucleic acid)を導入するものである、請求項6に記載のsiRNA。 - 前記化学的変形(modification)は、
リボース環(ribose ring)の2´−位置にある−OH(ヒドロキシ基)を−NH2(アミノ基)、−C−アリル基、−F(フルオロ基)、及び−O−Me(メチル基)からなる群より選択された1つ以上に置換えるものである、請求項6に記載のsiRNA。 - 請求項1乃至10のうちのいずれか一項によるsiRNAを含む、発現ベクター。
- 前記発現ベクターは、プラジミド、アデノ付属ウイルス(adeno−associated virus)ベクター、レトロウイルスベクター、ワクシニアウイルスベクター、及び癌細胞溶解性ウイルス(oncolytic adenovirus)ベクターからなる群より選択されたものである、請求項11に記載の発現ベクター。
- 請求項1乃至10のうちのいずれか一項によるsiRNAを有効成分として含む、抗癌組成物。
- 前記siRNAを核酸伝達体(nucleic acid delivery system)との複合体形態で含む、請求項13に記載の抗癌組成物。
- 前記核酸伝達体は、ウイルス性ベクター、非ウイルス性ベクター、リポゾーム、陽イオン性高分子、ミセル(micelle)、エマルジョン、及び脂質ナノ粒子(solid lipid nanoparticles)からなる群より選択されたものである、請求項14に記載の抗癌組成物。
- 抗癌化学療法剤、または
成長因子、成長因子受容体、下位信号伝達蛋白質、ウイルス性腫よう誘発因子、及び抗癌剤耐性遺伝子からなる群より選択されたものの発現を阻害するsiRNAを追加的に含む、請求項13に記載の抗癌組成物。 - 請求項1乃至10項のうちのいずれか一項によるsiRNAを準備する段階;及び
前記siRNAをc−Metを発現する細胞と接触させる段階;を含む、c−Metの合成及び/または発現を抑制する方法。 - 請求項1乃至10のうちのいずれか一項によるsiRNAを準備する段階;及び
前記siRNAをc−Metを発現する癌細胞と接触させる段階;を含む、癌細胞の成長を抑制する方法。 - 請求項1乃至10のうちのいずれか一項によるsiRNAを準備する段階;及び
前記siRNAを治療的有効量で患者に投与する段階;を含む、癌を予防及び/または治療する方法。
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