JP2013515213A - ピストンリング - Google Patents

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Abstract

【課題】特に内燃機関もしくはコンプレッサーに用いるための、セラミック/金属多層の概念をベースとするコーティングを備えたピストンリングを提供する。
【解決手段】少なくとも1つの金属ベース(2)と、この金属ベースに物理蒸着(PVD)法により塗布されたコーティング(3)を含み、このコーティングは周期性(P)を有し、少なくとも1つの第1の層(5)と少なくとも1つの第2の層(5’)により形成され、これらの層は隣接しており、第1の層(5)は主に金属クロム(5)により形成されており、第2の層は主にセラミッククロム(5’)により形成されていることを特徴とするピストンリング。
【選択図】図2

Description

本発明は、特に内燃機関もしくはさまざまなコンプレッサーに用いるための、主に金属及びセラミックにより形成されている複数の交互のコーティング層を備えたピストンリングに関する。結果として、このリングは摩擦及び腐食に対して優れた耐性を有する。
内燃機関は基本的に2つの主要な部品により構成されており、その1つのシリンダーブロックには1以上のシリンダーと一式のクランクシャフトが配置され、1以上のシリンダーヘッドが組み合わされている。一式のクランクシャフトにはピストン及び接続ロッドから取り付けられ、ピストンはシリンダーの内部を移動する、通常はアルミニウム合金製である円筒形の部品である。
ピストンの上面と、シリンダーの壁と、シリンダーヘッドの底の間の空間は燃焼室であり、ディーゼルエンジンにおいては通常この燃焼室は、主にピストンヘッドに設けられるキャビティによって規定されている。
燃焼室の内部では、エンジンは混合物(燃料及び空気)の燃焼によって生じた化学エネルギーを、車輪を動作させることができる機械エネルギーに変換する。
圧縮及び燃焼の間に空気/燃料混合物及び排気ガスが燃焼室からオイルサンプに漏れることを防ぎかつオイルサンプ中のオイルが燃焼ゾーンに移ることを防ぐため、ピストンの外側縁とシリンダーの内壁の間にすべりシールを与えるリングを用いることが必要である。
シリンダーの内部をピストンが移動する間、ピストンはシリンダーの壁に全体として付着し、圧縮及び燃焼の間に空気/燃料混合物及び排気ガスが燃焼室からオイルサンプに漏れることを防ぎかつオイルサンプ中のオイルが燃焼ゾーンに移ることを防ぐべきである。そのような手段が引き起こす大きな磨滅のため、見出された手段はピストンとシリンダーの内壁の間に小さな緩みを設け、必要な隔離を確実にするためにピストンの周囲に1以上のリングが配置される。この緩みにより、ピストンがエンジンの熱により拡張してもシリンダーの壁に付着せず、ピストンの動きを止めないように空間を確保することが可能になる。
通常、近年の4気筒エンジンは各ピストンに3つのリング(2つは圧縮リングであり、1つはオイルリングである)を用いている。ピストンヘッドに近い位置にある2つのリングは圧縮セグメントと呼ばれ、その目的はピストンがその圧縮移動を行う際にオイルサンプの内部に気体混合物が漏れないようにすることである。ピストンヘッドから最も離れた位置において、いわゆるオイルリングが配置され、その目的は、ピストンが動く際(特にシリンダーヘッドから離れる際)に、シリンダー壁上の過剰のオイルを剥ぎ取り、オイルフィルムの厚みを調節し、その不適切な燃焼を防ぐことである。
通常、ピストンリング、特に圧縮リングは金属ベースにより形成され、この金属ベースには少なくとも1つのコーティング層が設けられ、シリンダー壁と接触している。
このコーティング層の目的は低スライディング磨滅、耐破損性、硬度及び頑強性のリング特性を与えることであるため、このコーティング層の役割はとても重要である。しかしながら、これらの特性の多くは相反するものであり、その1つを加えることは他の特性を失うことを意味し、従って用いるコーティングのタイプはエンジンの機能及びリングによって達成される作用によって選択される。
一連の高機能コーティングが専門家によって提案され、その1つは所望の特性を高めることを試みている。しかしながら、今日まで、内部応力の吸収、高い硬度及び薄い厚みの特性を同時に高めるに有効なコーティングは存在しない。
第一の従来の方法は、米国特許第5,316,321号に示されており、物理蒸着(PVD)を用いて硬質フィルムが外部滑り表面にコートされている、チタン合金製の、内燃機関用のピストンリングが記載されている。
この米国特許第5,316,321号には、ピストンリングをコートするための1以上のタイプのフィルム、特にTiN(窒化チタン)及びCrN(窒化クロム)の使用が記載されている。
第二の従来の方法は、米国特許第5,820,131号に示されており、3μm〜30μmの厚み及び11wt%〜17wt%の窒素の割合のCr2N又はCr2NとCrNの混合物の1つの層のフィルムにより形成されたコーティングを有するピストンリングが記載されている。このコーティング層はPVD法により設けられ、その硬度は1300HV〜2000HVである。
米国特許第5,618,590号には、カソードアーク付着法により設けられた1以上の層のフィルムによりコートされたピストンリングが記載されている。
この米国特許第5,618,590号にはその適用方法が、炭化物もしくは窒化物を形成することができない金属(例えばコバルト、ニッケルもしくはモリブデン)を用いる第1の層及び炭化物もしくは窒化物を形成することができる金属(例えばチタン、バナジウム、クロム、鉄、ジルコニウム、ニオブ、タングステンもしくはケイ素)を用いる第2の層を形成することができることも記載されている。
欧州特許EP0 707 092には、PVDにより設けられた、金属クロムと窒化クロムの混合物により形成されたコーティング層を備えたピストンリングが記載されている。この文献には、窒素の濃度が金属ベースからリングの外部に向かって徐々に増加していることも記載されている。
他の従来技術は米国特許第5,601,293号に示されており、窒化モリブデン、窒化クロムからなり、窒素の比率が4wt%〜22wt%である1つの3成分層により形成されたコーティングを有するピストンリングが記載されている。このコーティング層はPVD方により適用され、その硬度は1400HV〜2600HVである。
特開平6−293954号公報には、PVD法により少なくとも窒化クロムにより形成された1つの層によりコートされたピストンリングが記載されている。形成された層の結晶は基材の表面から窒化層の表面まで延びている円筒形である。
特開平6−248425号公報には、厚さ1〜60μmのCrN及び/又はCr2Nにより形成された層でコートされたピストンリングが記載されている。この文献は、上記の文献と同様に、形成された層が結晶からなり、その円筒形が基材の表面から窒化層の表面まで延びていることが記載されている。
特開2006−316912号公報には、その金属ベースがスチール、アルミニウムもしくはチタン合金から形成され、PVD法を用いてしわの少ない表面フィルムを形成したピストンリングが記載されている。この文献も、基材の表面上のフィルムがTi及び/又はCr、C、N及びOの組み合わせにより構成されることを記載している。
最後に、最近の従来技術は米国特許第6,631,907号に記載されており、CrNもしくはCr2N、又は窒化物の混合物からなり、PVDにより形成されたコーティング層を含むピストンリングが記載されている。この文献CrNとCr2N及び金属Crとの混合物の適用、及び成分の重量パーセントの報告が含まれている。
従って、従来技術のいずれも、クロムをベースとするセラミック/金属層により形成された多層コーティングの形成については関与していない。
換言すると、本発明のピストンリングは、コーティング層によりもたらされる特性において有利である。まず、その主要な組成において、窒化クロム(CrN)と金属クロム(Cr)の多数のセラミック/金属層からなる多層コーティングが提供される。
結果として、セラミックと金属層の望ましい特性をもたらすため、最良な2成分のフィルムを得ることができる。
各化合物の最良の特性はより強力にされ、延性の金属層(Cr)は硬質セラミック層(CrN)の適用を容易にし、コーティングに高い硬度と耐摩耗性を与え、一方金属クロムにより形成される層の高い可塑性は内部応力を大きく低下させ、より厚いコーティングを可能にする。
この開発されたコーティングは、従来の方法、特に窒化クロムコーティングと比較して、耐摩耗性が高く、弾性率が低く、同時に内部応力が低く、コーティングに亀裂が発生することを抑制し、破壊を防ぐピストンリングを提供する。
本発明の目的は、特に内燃機関もしくはコンプレッサーに用いるための、セラミック/金属多層の概念をベースとするコーティングを備えたピストンリングである。
本発明の目的はまた、特に内燃機関もしくはコンプレッサーに用いるための、少なくとも1つの金属ベースと、この金属ベースに物理蒸着法により塗布された金属クロムと窒化クロムのコーティングを含み、硬度、耐磨耗性、延性と、弾性率及び内部応力の低下の相反する特性を動じに達成するピストンリングである。
また、本発明の目的は、特に内燃機関もしくはコンプレッサーに用いるための、従来の窒化クロムコーティングによるリングのコーティングの厚さと比較して厚さがより薄い多くのセラミック/金属CrN/Crコーティング層を備えるピストンリングである。
最後に、本発明の目的は、物理蒸着法において窒素ガスの圧力の変化により、1回の工程で金属ピストンリングの本体上に多くのセラミック/金属コーティング層を適用する方法である。
本発明の目的は、特に内燃機関もしくはコンプレッサー用のピストンリングであって、少なくとも1つの金属ベースと、この金属ベースに物理蒸着(PVD)法により塗布されたコーティング(3)を含み、このコーティングは周期性を有し、少なくとも1つの第1の層と少なくとも1つの隣接する第2の層により形成され、第1の層は主に金属クロムにより形成されており、第2の層は主にセラミッククロムにより形成されているピストンリングによって達成される。
シリンダーの壁と接触する、ピストンの小さな溝に組み込まれた、本発明のピストンリングの略断面図である。 金属ベースと多層コーティングを示す、本発明のピストンリングの横断面の拡大金属組織写真である。
本発明のピストンリング1は、そのコーティング3の有利なかつ革新的な特徴のため、現在のものとは異なっている。
リング1は好ましくは、4気筒内燃機関に用いる圧縮リングであり、他のものであってもよく、例えばオイルを擦り取るリング、ピストンコンプレッサーに適用されるリング、2気筒エンジンのリング等であってよく、ここでリング1は革新的な特徴を有するコーティング3を有している。
どのような形状でも、本発明のピストンリング1は少なくとも1つの金属ベース2を含み、これに物理蒸着(PVD)法により金属層5とセラミック層5’の交互の複数の層(5、5’)のコーティング3が適用されている。
コーティング3は、少なくとも2つの周期(各周期は金属クロム5の少なくとも1つの層と隣接するセラミッククロム5’の少なくとも1つの層により形成されている)を形成するように配置されている金属/セラミック多層5、5’から構成されている。
さらに、ベース2は、その形成に適したあらゆる金属材料より構成され、リング1の特徴及び作動条件に応じて、様々な形状の横断面を有していてよい。このため、好ましくは、ベース2の組成に適した鉄合金を用いることが好ましく、他の材料を用いることも可能である。さらに好ましくは、ベース2は、通常ステンレススチールとして知られている、10〜17%クロムを含むスチールから構成されている。
ベース2には、従来のもの、すなわち単層窒化クロムコーティングを用いるものと比較して、高い耐摩耗性、低い弾性率、及び同時に内部応力の大きな低下、コーティング中の亀裂発生の低下、及び破損の低下をリング1に与える、クロムをベースとする金属/セラミックコーティング3が適用される。
上記のように、コーティング3は、周期Pを形成するように配列された、クロムをベースとする複数の金属/セラミック層5、5’を含む。従って、周期Pは少なくとも2つの隣接する層5、5’を含み、これらは構成が異なり、すなわち1つの層5は主に金属相を有し、他の層5’は主にセラミック相を有する。従って、コーティング3は少なくとも4つの層5、5’を有する。
コーティング3を構成する金属層5の成分の1つは、金属形態のクロム(Cr)(図2においてより明るい層として示す)を含み、その最も重要な機械的特徴は延性が高いことであり、硬質セラミック層5’との適応を容易にする。
一方、セラミック層5’は、好ましくはCrNの形態で(Cr2N及び/又は他の化合物/元素が少量存在していてもよい)、最も重要な機械的特性としてその高い硬度を有する窒化クロム(図2において暗い層として示す)を含む。セラミック層5’の窒化クロムもCrN相のかわりにCr2N相を含んでいてもよい。
上記を考慮して、周期Pは、主にCrから構成される少なくとも1つの金属層5と主にCrNもしくはCr2Nから構成されるセラミック層5’を有する。
好ましくは、図2に示すように、金属層5はセラミック層5’に隣接して配置されなければならない。従って、コーティング層5、5’は繰り返すことなく交互になっているようにすることが可能である。
層5、5’のいずれかがベース2の表面上に配置され、従ってベース2上の第1の層として金属層5とセラミック層5’の両方を配置することが可能である。当然に、各層の後に、異なる層を交互にしてもよく、すなわち、ベース2の表面上の第1の層がセラミック層5’である場合、金属層5を続け、次いでこれを続ける。
あるいは、コーティング3に望む耐久性に応じて、例外として、2つの同じ隣接する層がリング1に存在してもよい。
図2に明確に示されているように、リング1の好ましい態様のコーティング3は9つの金属/セラミック層5、5’を含んでおり、コーティング5、5’の層の特質は繰り返すことなく交互になっている。
必要によりもしくは所望により、層5、5’は1以上の追加化学元素を様々な比で含んでよい。個々の層5、5’中の混合物の発現度によって、同じ程度の利点が達成されることが予想され、すなわち1つの層がセラミック主体であり、その後の層が金属主体であるような多層5、5’コーティング3に、すでに述べた本発明の利点が予想される。
同様に、金属/セラミック多層コーティングを与える同様の元素を用いる場合にも同じ利点が予想される。そのような可能な化学元素は、そのうち一部もしくはすべては、金属/セラミック多層コーティングの特性が維持されるように少なくとも1つの層5、5’に存在してよい。
以下に本発明及び従来技術によって達成される様々な特性についての比較表を示す。
Figure 2013515213
上記表に示されるように、本発明のコーティング3は全ての測定した特性において優れた結果を得ている。従って、反対の特性の向上は本発明のコーティング3の成功を示している。
従って、本発明は、典型的なCrN単層コーティングと比較した場合、かなり低い弾性率の低下及び内部応力の低下(3.5倍以下)を達成する。
これらの値は、内部応力の低下、及び弾性率の低下により可能となる弾性エネルギーの増加による、接着エネルギーの増加を明らかにする。
図2は2つの異なる層5、5’を有するコーティング3を示しており、ここでその差は基本的にクロムの含量であり、従って、層5、5’の間の接着を保証するための金属/セラミック層5、5’の間の結合境界が予想され、結果としてその界面での亀裂の伝播が防がれる。
従って、本発明のコーティング3の使用により、内部応力の値の低下が、低延性及び張力の蓄積による微小亀裂の発生による小さなコーティング片のはがれであるスポーリング現象に対する高い抵抗性となる。最も大きな構造的技術的不都合さは、スポーリングがリングのある領域で起こる傾向にあり、一方、他の領域ではコーティングは無傷に保たれ、又はほとんどダメージがないことである。
内部応力の低下は、層の接着エネルギーの増加を可能にする利点をもたらし、これはコーティングの厚さを低下させ、スポーリングを大きく低下させ、薄い厚みにおいてさえもリングの寿命の間にコーティング3が存在することを確実にしている。
スクラッチテストで得られた結果は、本発明の場合、特に優れており、CrN/Cr多層コーティング3が従来のコーティング(Cr単層コーティング)よりも頑強であり、コーティングの剥離に対して高い耐久性を与えることを明らかにしている。
従って、本発明の金属/セラミック5、5’多層コーティング3(好ましくは金属クロムと窒化クロム(CrNもしくはCr2N相)の構成の)は高い応力吸収能と外部剪断における耐応力の特性による亀裂の表面伝播に対する高い耐性を同時に向上させ、凝集接着についてのピストンリング1に対して本発明のコーティング3の優れた特性(耐剥離)を与える。
本発明において用いられる付着法は物理蒸着(PVD)法であり、好ましくはカソードアークもしくはアークPVDにより、これは電気アークを用いてカソードターゲットから材料を蒸発させるPVD法である。次いで、蒸発した材料は基材上で凝縮し、薄いフィルムを形成する。
本質的に、用いられるガス圧力(例えば、窒素)の調節は、層5、5’の形成を可能にし、窒化クロムからなる層は22〜25wt%の窒素原子の比率を有し、一方金属クロムからなる層は窒素原子は実質的にゼロである。各層5、5’における異なるレベルの窒素の干渉を避けるため、ターボポンプによる高速ポンピングが適用される。
厚さ及び周期はコーティング全体においてとても安定であると考えられるが(図2参照)、層5、5’はベース2の変形に追随し、図2に示す形状となる。
本発明のコーティング3の場合、窒化クロムの組成により最も高い硬度が得られ、金属クロムの使用により高い延性が得られる。上記のような層5、5’の形態の2つの成分の組成は驚くべき利点をもたらし、特に全体として内部応力の高い吸収能をコーティング3にもたらす。金属クロムの層5は延性が高く、変形を吸収し、より硬質である窒化クロムの層5’への変形力を低下させ、微小亀裂の発生の傾向を低下させる。この結果はリング1の特性を大きく向上させる。
また、延性のクロム金属層5は硬質の窒化クロム層5’との適応を向上させ、耐摩耗性を失うことなくコーティング3の厚さを低下させることができる。
図2に示す好ましいリング1は、1000〜2000HV、好ましくは約1350HVの硬度をもたらし、内部応力は約−310N/mm2である。好ましくは、コーティング3の厚さは10〜60ミクロンであり、すなわちとても薄い(ナノ層)。
所望により、ベース2とコーティング3の間に、クロム、ニッケルもしくはコバルトからなる接着層を配置してもよい。
好ましくは、コーティング3はリング1の外表面全体に設けてもよいが、所定の部位に適用し、一部除去し、又はその上に他のコーティングを設けてもよい。こうして形成されたピストンリングは本発明の保護範囲内に含まれる。
好ましい態様を説明したが、本発明の範囲は他の可能な変形を包含し、特許請求の範囲によってのみ限定される。

Claims (11)

  1. 特に内燃機関もしくはコンプレッサー用のピストンリングであって、少なくとも1つの金属ベース(2)と、この金属ベースに物理蒸着(PVD)法により塗布されたコーティング(3)を含み、このコーティングは周期性(P)を有し、少なくとも1つの第1の層(5)と少なくとも1つの第2の層(5’)により形成され、これらの層は隣接しており、第1の層(5)は主に金属クロム(5)により形成されており、第2の層は主にセラミッククロム(5’)により形成されていることを特徴とするピストンリング。
  2. 周期性が2つの隣接する層(5、5’)のみからなり、第1の層(5)が主に金属クロム(5)により形成され、第2の層が主にセラミッククロム(5’)から形成されていることを特徴とする、請求項1記載のリング。
  3. 第1の層及び第2の層(5、5’)が、酸素及び炭素からなる群より選ばれる追加化学元素を10質量%以下含むことを特徴とする、請求項1又は2記載のリング。
  4. 前記コーティングのビッカース硬度が1,000〜2,000HVであることを特徴とする、請求項1記載のリング。
  5. 前記コーティング(3)の厚さが10〜60ミクロンであることを特徴とする、請求項1記載のリング。
  6. 前記コーティング(3)がナノ層であることを特徴とする、請求項5記載のリング。
  7. 前記ベース(2)が10%〜17%のクロムを含むスチールから構成されていることを特徴とする、請求項1記載のリング。
  8. 前記ベース(2)が鋳鉄から構成されていることを特徴とする、請求項1記載のリング。
  9. 第2の層(5’)を構成するセラミッククロムが好ましくは窒化クロム(CrN)であり、この第2の層が11wt%〜17wt%の窒素の比率を有することを特徴とする、請求項1記載のリング。
  10. 窒化クロム層(5’)がCrN又はCr2N相を有することを特徴とする、請求項1記載のリング。
  11. ベース(2)とコーティング(3)の間に配置された、クロム、ニッケルもしくはコバルトから構成された接着層を有することを特徴とする、請求項1記載のリング。
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