JP2013513685A - アニオン重合によって合成された機能性ポリマーを含む機能性多分岐ポリマー、及びその使用 - Google Patents

アニオン重合によって合成された機能性ポリマーを含む機能性多分岐ポリマー、及びその使用 Download PDF

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Abstract

カップリング剤とアニオン重合によって合成されたポリマーとの反応生成物を含む、機能性多分岐ポリマーに関する。さらに、それらの調製方法及びそれらの種々の使用、特にホットメルト接着剤としての使用に関する。

Description

発明の詳細な説明
〔技術分野〕
本発明は、アニオン重合によって合成された高分子とカップリング剤との反応生成物を含む機能性多分岐ポリマー、それらの合成方法、及びそられの種々の使用、特にホットメルト接着剤としての使用に関する。従って、本発明はポリマーの分野に属する。
〔背景技術〕
分子構造、及び、特に分枝、すなわちカップリング剤に化学的に結合された多数のアームの導入は、ポリマーの加工可能性及び特性において奥深い影響を有し得る。多分岐ポリマーを作り出すために最も普通に使用される方法論は、アニオン重合である。文献において、種々のカップリング剤は分枝化されたポリマーを調製するために報告されているが、最も広く使用されているカップリング剤のうちの2つは、多機能のクロロシラン類及びジビニルベンゼンである。例えば、米国特許3280084号は、ポリブタジエニルリチウム鎖のカップリング剤として、ジビニルベンゼンの使用を開示している。その結果として生じるポリマーは分枝構造を有しており、その中心は、ポリブタジエン鎖が表面に出てくるポリビニルベンゼンによって形成されている。この方法論によって、上記アームが、スチレン及びブタジエンの共重合体によって形成された多分岐ポリマーの合成も可能になった。米国特許3639517号は、上記アームが異なる分子量を有している、スチレン及びブタジエンの多分岐共重合体を調製するための、ジビニルベンゼンの使用も開示している。上記アームは、異なる分子量のポリスチレンブロックを形成するためのスチレン及び開始剤の複合的な添加を利用することによって形成される。その後ブタジエンの添加に続き、最終的に上記多分岐共重合体を形成するための、これらアームとジビニルベンゼンのカップリングへと続く。これら機能化(官能化)されていない多分岐ポリマーは、潤滑油の粘度指数のエンハンサーとして使用されている。
Roovers、Hadjichristidis及びFetters(Macromolecules, volume 16, 214(1983))、並びに、Toporowski及びRoovers(J. Polym. Sci., Part A, Polym. Chem., Volume 24, 3009(1986) )は、多機能のクロロシラン類の使用による多分岐ポリマーの調製のための方法について述べている。この方法論は、ポリクロロシラン類と活性ポリマーの鎖とをカップリングすること、Si[CHCHSiCl、又は[CHSi−(CHCHSiCl)]を各々使用することによって、12、又は18のアームを備えるポリイソプレン、ポリブタジエン、及びポリスチレンを獲得することからなる。
スチレンと共に共重合体化された、アクリルモノマー(少なくとも1つのエステル、カルボン酸、無水物、又はエポキシ基によって機能化されている)によって形成されたオリゴマーも、多分岐ポリマーを調製するための、アニオン的に獲得されるポリマーのカップリング剤として首尾よく使用されている(米国特許7517934号)。具体的に言うと、開始剤としてn−ブチルリチウムを使用する第1の段階において、ポリ(スチレン−ブタジエン)リチウム共重合体が調製された。第2の段階において、アクリル系オリゴマーの決定された量が、ポリ(スチレン−ブタジエン)リチウム共重合体に1より低い比率において加えられた。そうすることで、上記アクリルオリゴマーは、鎖のカップリングに有利に働く。この方法論によって、12から14の間のカップリングされた鎖を含有する機能化されていない多分岐ポリマーを作り出すことが、可能になった。これら機能化されていない多分岐ポリマーは、プラスチックの改良、アスファルトの改良、とりわけ粘着剤のような用途に使用されている。
〔発明の概要〕
本発明は、アニオン重合によって合成されたポリマーであって、一般式Li−Q−Z−T−(A−Rで表されるポリマーと、1〜30の官能基を有するカップリング剤との間の、開始剤の機能化から保護までの反応から生じる機能性多分岐ポリマーに関する。また、本発明は、上記保護基(A−Rの脱保護によって得られるポリマー、及び、機能性水素化多分岐ポリマーに関する。また、本発明は、上述するポリマーの調製工程と共に、それらの使用、特にホットメルト、プラスチックの改質、及びアスファルトの改質における使用を開示する。本発明に係る上記ポリマーは、従来の技術に係るものに比較して、機械的特性、混合物中における流動性(レオロジー特性)、及び、異なる基材との物理的又は化学的相互作用に関して利点を有する。これが、それらポリマーをホットメルト接着剤のような用途、アスファルトの改質、とりわけエンジニアリングプラスチックの衝撃改質において有利に使用されることを可能にする。
最初に考慮される第1の態様は、機能性多分岐ポリマーは、以下の(a)と(b)との反応生成物からなることである:
(a)は、1〜30個、好ましくは5〜20個の官能基を有するカップリング剤である。カップリング剤は、例えば、スチレン(例えば、米国特許7517934号)又は代わりにジビニルベンゼン(米国特許3280084号及び米国特許3949020号)又は代わりに多機能のクロロシラン(Roovers, Hadjichristidis, and Fetters (Macromolecules, volume 16, 214(1983)), and Toporowski and Roovers (J.Polym.Sci., Part A, Polym. Chem., Volume 24, 3009(1986)) と共重合した、アクリルモノマー(少なくとも1つのエステル、カルボン酸、無水物、又はエポキシ官能基によって機能化されている)によって形成されるオリゴマーのように、本発明に係る多分岐ポリマーのような種類に有用な技術として、従来知られている。好ましいカップリング剤は、芳香族ビニルモノマーからなる群から選択される少なくとも1つのモノマーと、エポキシ機能化アクリルモノマー、無水物機能性アクリルモノマー、エステル機能性アクリルモノマー、カルボン酸機能性アクリルモノマー、及びそれらの混合物からなる群から選択される1つのモノマーとを、フリーラジカル重合することによって得られるオリゴマーである。ここで、上記カップリング剤は、およそ1,000〜10,000g/molの数平均分子量、及びおよそ1,500〜20,000g/molの重量平均分子量を有する。ここで、上記アクリルモノマーにおいて存在する官能基は、カップリング反応を担う。(b)は、アニオン重合によって合成されたポリマー(本発明の文脈において、アニオン的にポリマー化されたポリマーとしても知られる)である。アニオン重合によって合成されたポリマーは、化学式(I):Li−Q−Z−T−(A−Rで表される。化学式(I)において、Qは、Li−Zからアニオン重合した、アルケニル芳香族モノマー、共役ジエン、又は、これらの混合物であり、Zは、3〜25の炭素原子を含む分枝又は非分枝の炭化水素連結基(hydrocarbyl connector group)であり、Tは、酸素、硫黄、及び、窒素の群から選択される元素であり、(A−R)は保護基であり、Tが酸素又は硫黄の場合、mは1であり、Tが窒素の場合、2であり、nは、ジエンモノマーの構成単位の数、アルケニル芳香族モノマーの構成単位の数、又は、アニオン重合した混合物中のいずれかの構成単位の数であることを特徴とする。上記(A−R)において、Aは、炭素(C)又はシリコン(Si)から選択される元素であり、Rは、水素、アルキル基、C〜Cのアルキル、C〜Cのチオアルキル、C〜Cのジアルキルアミンによって置換されたアルキル基、アリル基、C〜Cのアルキル、C〜Cのチオアルキル、C〜Cのジアルキルアミンによって置換されたアリル基、5〜12の炭素原子からなるシクロアルキル基、又は、C〜Cのアルキル、C〜Cのチオアルキル、C〜Cのジアルキルアミンによって置換された5〜12の炭素原子からなるシクロアルキル基から独立して選択される。本発明の文脈における、C〜Cのアルキルは、直鎖又は分枝しており、好ましくは直鎖の1〜5の炭素原子からなるアルキル鎖として知られる。そのようなアルキルの例は、明らかに従来の技術においても知られ、以下においても説明されるように、メチル、エチル、プロピル、ブチル、及び、ペンチルである。これによって、カップリング反応は、上記カップリング剤とアニオン重合によって合成されるポリマーとの間で発生する。二次構造体は、全体的又は部分的に活性であるか、又は活動的であるはずである。これら材料は、線形のものよりも処理が容易であり、同じ分子量の線形のものよりも低い粘性を示す。さらには、多分岐ポリマーの流動性、親和性、及び、極性における改良が観察された。これは、より多くの基材との親和性のような利点を、それらにもたらす。その上、表面活性が改良され、密着性、親和性、混和性、及び分散性を改良することを望む用途において、それらを有用にしている。上記多分岐ポリマーに存在する官能基は、機能化されていないポリマーの表面特性を改質するために有利に使用される。本発明に係る多分岐ポリマーが、機能化されていないポリマーと混合された場合、機能化されていないポリマーと異なる性質の官能基は、分離されて、混合物の表面へ移動し、このためそれらの表面特性が改質する。
第2の態様は、第1の態様の機能性多分岐ポリマー中に存在する保護基(A−Rの脱保護によって得ることができるポリマー、第1の態様において定義された上記ポリマーのうちのいずれかの水素化によって得られる機能性水素化多分岐ポリマー、又は、機能性水素化多分岐ポリマーを、第2の態様において定義されるように脱保護することによって得られるポリマーに由来する。
考慮するための第3の態様は、カップリング剤と反応させるために、アニオン重合によって合成されたポリマーを作製することを包含している、第1及び第2の態様において定義されたポリマーのうちのいずれかを調製するための方法であり、加えて、上記機能性多分岐ポリマーを、保護基を除去する前に、25〜150℃の間において水素化することを包含することを特徴とする、第1の態様の水素化多分岐ポリマーの調製のための方法である。
第4の態様は、保護基を除去した後に、25〜150℃の間において、機能性多分岐ポリマーを水素化することを包含することを特徴とする、第2の態様の水素化多分岐ポリマーを調製するための方法である。
第1及び第2の態様において述べた利点に加えて、第3及び第4の態様の水素化多分岐ポリマーは、高い熱安定性を要求する用途、又は、材料が湿度の高い環境又は雰囲気に曝される用途に必要な、熱、加水分解、及び、紫外線への安定性を有する材料をもたらす。
第5の態様は、多分岐ポリマーの溶剤の還流温度において、塩酸、酢酸、パラトルエンスルホン酸、Amberlyst(商標)15イオン交換樹脂のような酸によって、又は、T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, Second edition, Wiley, New York, 1991に記載されている方法によって、保護基を除去することを特徴とする、第2の態様に定義された脱保護された多分岐ポリマーを調製する方法である。
第6の態様は、反応生成物が、カップリンク剤と、第1の態様において反応させるために作製したアニオン重合によって合成されたポリマーとの総量に対して、およそ0.001〜5重量%のカップリング剤を含むことを特徴とする、第1及び第2の態様の機能性多分岐ポリマーを含有する接着剤組成物である。
第7の態様は、補強材料又は補強される材料に混合した、第1又は第2の態様のうちのいずれかに記載された機能性多分岐ポリマーを含む、補強された材料又は複合材料である。この補強された材料は、以下に限定されないが、アスファルト、接着剤、他のプラスチックとの混合物、及び、ナノ材料を含む。
第8の態様は、第1及び第2の態様のいずれかの機能性多分岐ポリマーに混合したアスファルトを含む改質されたアスファルトである。上記ポリマーを含むアスファルトは、媒体中における良好な親和性及び良好な物理的特性を示す。
第9の態様は、第1及び第2の態様のいずれかに定義された機能性多分岐ポリマーに混合したプラスチックを含む改質されたプラスチックである。上記混合物は、機能性多分岐ポリマーとプラスチックとの総量に対して、1〜40重量%の機能性多分岐ポリマーを含む。上記ポリマーは、物理的特性、特に未使用のプラスチックに対しての耐衝撃を改良する。
〔発明の詳細な説明〕
以下に、本発明の好ましい実施形態について説明する。
通常、アニオン重合によって合成された反応性ポリマー鎖のモル量は、カップリング剤のモル量よりもはるかに多い。このことは、アニオン重合によって合成されたポリマーのうち、全てがカップリング剤と共有結合せず、好ましくは1と30との間の鎖がカップリング剤と共有結合する場合があり得ることを意味する。
好ましい実施形態において、上記第1の態様にて記載された、式Li−Q−Z−T−(A−Rの機能性多分岐ポリマーは、Tが酸素であることを特徴とする。他の実施形態において、上記第1の態様にて記載された、式Li−Q−Z−T−(A−Rの機能性多分岐ポリマーは、Tが窒素であることを特徴とする。これらの機能性(官能性)は、表面活性を改善し、接着性、相溶性、混和性、及び分散性を改善したい用途に有用性がある。他の実施形態において、上記第1の態様にて記載された、式Li−Q−Z−T−(A−Rの機能性多分岐ポリマーは、Tが硫黄であることを特徴とする。
必要な保護基の数は、誘導される官能基付与に依存する。例えば、Tが硫黄である場合、mは好ましくは1であり、Tが窒素である場合、mは好ましくは2である。
上記第1の態様において既に述べた通り、Zは、3から25までの炭素原子を含む、分枝または非分枝の炭化水素連結基(hydrocarbyl connector group)である。本発明のポリマーの合成に有用なZ基は、従来公知である。しかし、Zは、好ましくはプロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、またはオクタデシルである。
基、R基、及びR基は、Aとともに、保護基を形成する。O、N、またはSの保護基は、従来公知であり、従来使用されている。R、R、及びRは、独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、及びtert−ペンチルから選択されてもよい。通常、炭素ベースの保護基(すなわち、Aが炭素(C)である場合)が好ましい。なぜなら、これらは、一般に、容易に入手可能であり、経済的であるからである。一方、Zが酸素(O)である場合、シリコンベース(Si)の保護基とともに、良好な結果が得られる。
本発明に有用でありアニオン重合によって合成されるポリマーは、従来公知である。アニオン重合によって合成されるこれらのポリマーは、カップリング剤と、最終反応する、あるいは、カップリング反応し得る。アニオン重合は、公知の技術であり、ジオレフィンまたは他のアニオン重合可能なモノマーと共役して重合するため、アルカリ金属の有機開始剤といった開始剤を使用する。アニオン重合は、バッチによって連続的なプロセスで行われ得る、あるいは半連続的なプロセスで行われ得る。アニオン重合によって生成されるポリマーは、各モノマー反応ステップがカルバニオンを形成し、これによって、モノマーが全部消費されるまでポリマーが連続成長することから、共通して「リビングポリマー」と呼ばれる。ポリマーは、モノマーが消耗された後であっても活性を維持しており、さらにモノマーが供給されれば反応し成長し続ける。この方法の詳細な説明は、本願において参照として援用される「Anionic Polymerization: Principles and Practical Applications(Hsieh, H.L., Quirk, Roderic P., Marcel Dekker Inc, New York, 1996)」にみられる。アニオン重合は、明確に定義された構造を有するブロック共重合体の生成に際し、非常に興味深い方法である。このルートによって得られたポリマーは、調製に用いられる開始剤またはカップリング剤の機能性に依存して、放射状、直線状、または分枝したポリマーであってもよい。
アニオン重合は、開始剤または重合された鎖が途中で終了するのを回避するために、一般的に、高純度の試薬を用いて、真空または不活性雰囲気下、中程度の温度、非極性炭化水素溶剤中で行われる。上記ポリマーは、ホモ重合体、またはランダム共重合体及びブロック共重合体の両方を包含する共重合体であってもよい。アニオン重合によって合成された、すなわちアニオン重合された市販のポリマーは、熱可塑性ポリマー、エラストマー系ポリマー、及び熱可塑性エラストマー系ポリマーを包含する。
本発明での利用に際し、アニオン重合によって合成されるポリマーは、分布のピークでの平均分子量が約3,000g/mol〜約400,000g/molである。これは、約20,000g/mol〜200,000g/molの平均分子量を有する、アニオン重合によって合成されたポリマーを包含するが、本発明は、分子量がこれらの範囲内にあるポリマーに限定されない。本発明において、アニオン重合によって合成されるポリマーの分子量及び機能性多分岐ポリマーの分子量の両方は、分布のピークMでの分子量に関連する。
アニオン重合によって合成されるポリマーの調製における使用に適した、共役ジオレフィン(すなわちジエン)は、従来公知であり、限定されないが、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−3−エチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−3−エチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2−メチル−1,3−ヘキサジエン、1,3−ヘプタジエン、3−メチル−1,3−ヘプタジエン、1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、3,4−ジメチル−1,3−ヘキサジエン、3−n−プロピル−1,3−ペンタジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、2,4−ジエチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジ−n−プロピル−1,3−ブタジエン、2−メチル−3−イソプロピル−1,3−ブタジエン、及びミルセンを包含する。
アニオン重合可能なアルケニル芳香族モノマーは、限定されないが、一例として、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、1−α−メチルビニルナフタレン、2−α−メチルビニルナフタレン、1,2−ジフェニル−4−メチルヘキセン及びこれらの混合物に加え、これらのアルキル誘導体、シクロアルキル誘導体、アリル誘導体、並びにアルキルアリル誘導体(組み合わさった構成要素における総炭素原子数が一様に18を超えない)を包含する。これらの最終的な化合物は、一例として、3−メチルスチレン、3,5−ジエチルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−フェニルスチレン、4−p−トリルスチレン、4−(tert−ブチル)−スチレン、2,4−ジビニルトルエン、及び4,5−ジメチル−1−ビニルナフタレンを包含する。
他のアニオン重合可能なモノマーは、アクリルアミド、アクリロニトリル、ニトロブテン、ビニルイソシアネート、無水物、メタクリル酸塩、アクリル酸塩、カルボジイミド、ラクトン、ラクタム、環状シロキサン及びエチレンを包含する。
限定されないが、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリエーテル、ポリアセタール、及びポリフェニレン酸化物を包含するアニオン重合可能なモノマーから、異なるポリマー/共重合体が得られ得る。これらのポリマーは、可変サイズ及びブロック量で調整された、スチレン(S)、ブタジエン(B)及びイソプレン(I)のブロック共重合体、テーパード共重合体、またはランダム共重合体のエラストマー及び熱可塑性エラストマーであってもよい。これらエラストマー及び熱可塑性エラストマーは、一例として、ブロック共重合体SB、SI、SBR、(SB),S(ここでmは整数)、SBS、SIS、BSB、ISIに加え、これらの水素化された対応物及び部分水素化された対応物(SEBS、SEB、SEP及びその他のものを含む)を包含する。実例として、アスファルトの改質剤及び接着剤としての使用に適した、アニオン重合によって合成されたポリマーは、例えば、少なくとも1つのアルケニル芳香族モノマーと少なくとも1つの共役ジエンモノマーとの共重合によって生成された直線状エラストマーを包含する。
好ましい実施形態において、上記機能性多分岐ポリマーは、アニオン重合によって合成されたポリマーが共役ジエンモノマー及びアルケニル芳香族モノマーから合成され、上記ジエン部分は、含有量が1,2構造の約8〜80モル%であることを特徴とする。
直線状エラストマーのいくつかの態様において、共役ジエンモノマーに対するアルケニル芳香族モノマーのモル比は、好ましくは、0.1〜約1.0であり、好ましくは約0.2〜約0.5であり、より好ましくは約0.3〜0.4である。
好ましい重合プロセスにおいて、上記第1の態様にて記載された機能性多分岐ポリマーは、アニオン重合によって合成されたポリマーが、アルケニル芳香族モノマー、共役ジエンモノマー、またはこれらの混合物から得られることを特徴とする。例えば、プラスチックにブレンドして使用するために、驚くべきことに、本発明者らは、ポリスチレンを含有する場合に良好な結果が得られることを見出した。
上記好ましい重合の一例としては、アニオン重合によって合成されたポリマーは、共役ジエンモノマーに対する芳香族ビニルモノマーのモル比を約0.05〜1.0にして、アルケニル芳香族モノマー及び共役ジエンモノマーから調製される。
好ましくは、上記機能性多分岐ポリマーは、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、並びに、スチレン、ブタジエン、及びイソプレンからなる群から選択されるモノマーから調製された、ランダム共重合体、ブロック共重合体、またはテーパード共重合体からなる群から選択される少なくとも1つのポリマーを含有する。
本発明の機能性多分岐ポリマーの分子量は、条件に応じて重合されるモノマー量(n)を変更させて、調整され得る。しかし、機能性多分岐ポリマーは、分布のピークMでの分子量が約3,000〜300,000g/molである。好ましくは、上記アームのMは、20,000g/mol〜200,000g/molの範囲である。
本発明において、アニオン重合によって合成されるポリマーの分子量は、通常、ゲル透過クロマトグラフィ(GPC)装置によって測定され、普遍検量線法を用いて校正される。上記校正は、既知の分子量のポリマーとともに行われ、これらポリマーは、特徴づけられるポリマーと、同じ分子構造、及び同じ組成を有する。アニオン重合によって合成されたポリマーは、必須に単分散であり(重量平均分子量/数平均分子量の比が1に近い)、上記ポリマーの分子量として分布のピークでの分子量Mを記録するのに適している。同様に、報告されている多分岐ポリマーの分子量は、結合鎖(coupled chains)の分布のピークでの分子量に対応する。分枝したポリマーの結合度の定量、すなわち、多分岐ポリマーの共有結合アーム数の定量は、分布のピークでの多分岐ポリマーの分子量と、分布のピークでの上記アームの分子量とを関連付けることによって決定される。
アニオン重合によって合成されるポリマーは、アルケニル芳香族モノマー、共役ジエンモノマー、または、アニオン重合されるこれらの混合物を含んでいてもよい。一実施形態において、共役ジエンモノマー量は、8〜80モル%の間で変化する。
式(II)Li−Z−T−(A−Rの、アニオン重合によって合成される官能化保護ポリマーの開始剤は、限定されないが、例えば、
tert−アルコキシ−アルキルリチウム、
3−(1,1−ジメチルエトキシ)−1−プロピルリチウム及び3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−1−プロピルリチウムといった、ω(tert−アルコキシ)−1−アルキルリチウム、
tert−アルキルチオ−アルキルリチウム、
3−(1,1−ジメチルエチルチオ)−1−プロピルリチウムといった、ω−(tert−アルキルチオ)−1−アルキルリチウム、
ω−(tert−ブトキシジメチルシリルオキシ)−1−アルキルリチウム、
ω−(tert−ブトキシジメチルシリルチオ)−1−アルキルリチウム、
(ジアルキルアミノ)−1−アルキルリチウム、
3−(ジメチルアミノ)−1−プロピルリチウムといった、ω−(ジアルキルアミノ)−1−アルキルリチウム、
(ビス−tert−アルキルシリルアミノ)−1−アルキルリチウム、
並びに、3−(ジ−tert−ブチルジメチルシリルアミノ)−1−プロピルリチウムといった、ω−(ビス−tert−アルキルシリルアミノ)−1−アルキルリチウム、を包含する。
本発明で用いられる、さらなる例は、限定されないが、
3−(1,1−ジメチルエトキシ)−1−プロピルリチウム、
3−(1,1−ジメチルエトキシ)−2−メチル−1−プロピルリチウム、
3−(1,1−ジメチルエトキシ)−2,2−ジメチル−1−プロピルリチウム、
4−(1,1−ジメチルエトキシ)−1−ブチルリチウム、
5−(1,1−ジメチルエトキシ)−1−ペンチルリチウム、
6−(1,1−ジメチルエトキシ)−1−ヘキシルリチウム、
8−(1,1−ジメチルエトキシ)−1−オクチルリチウム、
3−(1,1−ジメチルプロポキシ)−1−プロピルリチウム、
3−(1,1−ジメチルプロポキシ)−2−メチル−1−プロピルリチウム、
3−(1,1−ジメチルプロポキシ)−2,2−ジメチル−1−プロピルリチウム、
4−(1,1−ジメチルプロポキシ)−1−ブチルリチウム、
5−(1,1−ジメチルプロポキシ)−1−ペンチルリチウム、
6−(1,1−ジメチルプロポキシ)−1−ヘキシルリチウム、
8−(1,1−ジメチルプロポキシ)−1−オクチルリチウム、
3−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−1−プロピルリチウム、
3−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−2−メチル−1−プロピルリチウム、
3−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−2,2−ジメチル−1−プロピルリチウム、
4−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−1−ブチルリチウム、
5−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−1−ペンチルリチウム、
6−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−1−ヘキシルリチウム、
8−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−1−オクチルリチウム、
3−(トリメチルシリルオキシ)−2,2−ジメチル−1−プロピルリチウム、
3−(ジメチルアミノ)−1−プロピルリチウム、
3−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−プロピルリチウム、
3−(ジメチルアミノ)−2,2−ジメチル−1−プロピルリチウム、
4−(ジメチルアミノ)−1−ブチルリチウム、
5−(ジメチルアミノ)−1−ペンチルリチウム、
6−(ジメチルアミノ)−1−ヘキシルリチウム、
8−(ジメチルアミノ)−1−プロピルリチウム、
3−(ヘキサメチレンイミン)−1−プロピルリチウム、
4−(ヘキサメチレンイミン)−1−ブチルリチウム、
5−(ヘキサメチレンイミン)−1−ペンチルリチウム、
6−(ヘキサメチレンイミン)−1−ヘキシルリチウム、
8−(ヘキサメチレンイミン)−1−オクチルリチウム、
3−(t−ブチルジメチルシリルチオ)−1−プロピルリチウム、
3−(t−ブチルジメチルシリルチオ)−2−メチル−1−プロピルリチウム、
3−(t−ブチルジメチルシリルチオ)−2,2−ジメチル−1−プロピルリチウム、
4−(t−ブチルジメチルシリルチオ)−1−ブチルリチウム、
6−(t−ブチルジメチルシリルチオ)−1−ヘキシルリチウム、
3−(トリメチルシリルチオ)−2,2−ジメチル−1−プロピルリチウム、
3−(1,1−ジメチルエチルチオ)−1−プロピルリチウム、
3−(1,1−ジメチルエチルチオ)−2−メチル−1−プロピルリチウム、
3−(1,1−ジメチルエチルチオ)−2,2−ジメチル−1−プロピルリチウム、
4−(1,1−ジメチルエチルチオ)−1−ブチルリチウム、
5−(1,1−ジメチルエチルチオ)−1−ペンチルリチウム、
6−(1,1−ジメチルエチルチオ)−1−ヘキシルリチウム、
8−(1,1−ジメチルエチルチオ)−1−オクチルリチウム、
3−(1,1−ジメチルプロピルチオ)−1−プロピルリチウム、
3−(1,1−ジメチルプロピルチオ)−2−メチル−1−プロピルリチウム、
3−(1,1−ジメチルプロピルチオ)−2,2−ジメチル−1−プロピルリチウム、
4−(1,1−ジメチルプロピルチオ)−1−ブチルリチウム、
5−(1,1−ジメチルプロピルチオ)−1−ペンチルリチウム、
6−(1,1−ジメチルプロピルチオ)−1−ヘキシルリチウム、
及び、8−(1,1−ジメチルプロピルチオ)−1−オクチルリチウムを包含する。
式(II)Li−Z−T−(A−Rの化合物は、該式が式Li−Z−O−C−R、Li−Z−O−Si−R、Li−Z−N−(C−R、Li−Z−N−(C−R、Li−Z−S−C−R及びLi−Z−S−Si−Rの化合物を表す場合、不活性炭化水素溶媒を還流温度で用いて、これらの対応するハロアルケン(例えば、Cl−Z−T−(A−R及びBr−Z−T−(A−R)とリチウム金属とを反応させることによって、調製されてもよい。
例えば、本発明の上記Li−Z−N−(A−R化合物の調製に有用な第3アミン−1−ハロアルケンは、以下の構造を有する化合物である。
X−Z−N−(A−R
及び、
Figure 2013513685
zは、1〜7の整数であり、
Xは、ハロゲン、好ましくは、ClまたはBrである。
第3アミン−1−ハロアルケンは、限定されないが、例えば、
3−(N,N−ジメチルアミノ)−1−プロピルハライド、
3−(N,N−ジメチルアミノ)−2−メチル−1−プロピルハライド、
3−(N,N−ジメチルアミノ)−2,2−ジメチル−1−プロピルハライド、
4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−ブチルハライド、
5−(N,N−ジメチルアミノ)−1−ペンチルハライド、
6−(N,N−ジメチルアミノ)−1−ヘキシルハライド、
3−(N,N−ジエチルアミノ)−1−プロピルハライド、
3−(N,N−ジエチルアミノ)−2−メチル−1−プロピルハライド、
3−(N,N−ジエチルアミノ)−2,2−ジメチル−1−プロピルハライド、
4−(N,N−ジエチルアミノ)−1−ブチルハライド、
5−(N,N−ジエチルアミノ)−1−ペンチルハライド、
6−(N,N−ジエチルアミノ)−1−ヘキシルハライド、
3−(N−エチル−N−メチルアミノ)−1−プロピルハライド、
3−(N−エチル−N−メチルアミノ)−2−メチル−1−プロピルハライド、
3−(N−エチル−N−メチルアミノ)−2,2−ジメチル−1−プロピルハライド、
4−(N−エチル−N−メチルアミノ)−1−ブチルハライド、
5−(N−エチル−N−メチルアミノ)−1−ペンチルハライド、
6−(N−エチル−N−メチルアミノ)−1−ヘキシルハライド、
3−(ピペリジノ)−1−プロピルハライド、
3−(ピペリジノ)−2−メチル−1−プロピルハライド、
3−(ピペリジノ)−2,2−ジメチル−1−プロピルハライド、
4−(ピペリジノ)−1−ブチルハライド、
5−(ピペリジノ)−1−ペンチルハライド、
6−(ピペリジノ)−1−ヘキシルハライド、
3−(ピロリジノ)−1−プロピルハライド、
3−(ピロリジノ)−2−メチル−1−プロピルハライド、
3−(ピロリジノ)−2,2−ジメチル−1−プロピルハライド、
4−(ピロリジノ)−1−ブチルハライド、
5−(ピロリジノ)−1−ペンチルハライド、
6−(ピロリジノ)−1−ヘキシルハライド、
3−(ヘキサメチレンイミノ)−1−プロピルハライド、
3−(ヘキサメチレンイミノ)−2−メチル−1−プロピルハライド、
3−(ヘキサメチレンイミノ)−2,2−ジメチル−1−プロピルハライド、
4−(ヘキサメチレンイミノ)−1−ブチルハライド、
5−(ヘキサメチレンイミノ)−1−ペンチルハライド、
6−(ヘキサメチレンイミノ)−1−ヘキシルハライド、
3−(N−イソプロピル−N−メチル)−1−プロピルハライド、
2−(N−イソプロピル−N−メチル)−2−メチル−1−プロピルハライド、
3−(N−イソプロピル−N−メチル)−2,2−ジメチル−1−プロピルハライド、
及び、4−(N−イソプロピル−N−メチル)−1−ブチルハライド、を包含する。
上記ハロ−またはハライド基は、塩素及び臭素から選択される。
本発明におけるω−ヒドロキシ保護ハロアルカンは、限定されないが、
3−(1,1−ジメチルエトキシ)−1−プロピルハライド、
3−(1,1−ジメチルエトキシ)−2−メチル−1−プロピルハライド、
3−(1,1−ジメチルエトキシ)−2,2−ジメチル−1−プロピルハライド、
4−(1,1−ジメチルエトキシ)−1−ブチルハライド、
5−(1,1−ジメチルエトキシ)−1−ペンチルハライド、
6−(1,1−ジメチルエトキシ)−1−ヘキシルハライド、
8−(1,1−ジメチルエトキシ)−1−オクチルハライド、
3−(1,1−ジメチルプロポキシ)−1−プロピルハライド、
3−(1,1−ジメチルプロポキシ)−2−メチル−1−プロピルハライド、
3−(1,1−ジメチルプロポキシ)−2,2−ジメチル−1−プロピルハライド、
4−(1,1−ジメチルプロポキシ)−1−ブチルハライド、
5−(1,1−ジメチルプロポキシ)−1−ペンチルハライド、
6−(1,1−ジメチルプロポキシ)−1−ヘキシルハライド、
8−(1,1−ジメチルプロポキシ)−1−オクチルハライド、
4−(メトキシ)−1−ブチルハライド、
4−(エトキシ)−1−ブチルハライド、
4−(プロピルオキシ)−1−ブチルハライド、
4−(1−メチルエトキシ)−1−ブチルハライド、
3−(トリフェニルメトキシ)−2,2−ジメチル−1−プロピルハライド、
4−(トリフェニルメトキシ)−1−ブチルハライド、
3−[3−(ジメチルアミノ)−1−プロピルオキシ]−1−プロピルハライド、
3−[2−(ジメチルアミノ)−1−エトキシ]−1−プロピルハライド、
3−[2−(ジエチルアミノ)−1−エトキシ]−1−プロピルハライド、
3−[2−(ジイソプロピルアミノ)−1−エトキシ]−1−プロピルハライド、
3−[2−(1−ピペリジン)−1−エトキシ]−1−プロピルハライド、
3−[2−(1−ピロリジノ)−1−エトキシ]−1−プロピルハライド、
4−[3−(ジメチルアミノ)−1−プロピルオキシ]−1−ブチルハライド、
6−[2−(1−ピペリジン)−1−エトキシ]−1−ヘキシルハライド、
3−[2−(メトキシ)−1−エトキシ]−1−プロピルハライド、
3−[2−(エトキシ)−1−エトキシ]−1−プロピルハライド、
(メトキシ)−1−エトキシ−1−ブチルハライド、
5−[2−(エトキシ)−1−エトキシ]−1−ペンチルハライド、
3−[3−(メチルチオ)−1−プロピルオキシ]−1−プロピルハライド、
3−[4−(メチルチオ)−1−ブチルオキシ]−1−プロピルハライド、
3−(メチルチオメトキシ)−1−プロピルハライド、
6−[3−(メチルチオ)−1−プロピルオキシ]−1−ヘキシルハライド、
3−[4−(メトキシ)−ベンジルオキシ]−1−プロピルハライド、
3−[4−(1,1−ジメチルエトキシ)−ベンジルオキシ]−1−プロピルハライド、
3−[2,4−(ジメトキシ)−ベンジルオキシ]−1−プロピルハライド、
8−[4−(メトキシ)−ベンジルオキシ]−1−オクチルハライド、
4−[4−(メチルチオ)−ベンジルオキシ]−1−ブチルハライド、
3−[4−(ジメチルアミノ)−ベンジルオキシ]−1−プロピルハライド、
6−[4−(ジメチルアミノ)−ベンジルオキシ]−1−ヘキシルハライド、
5−(トリフェニルメトキシ)−1−ペンチルハライド、
6−(トリフェニルメトキシ)−1−ヘキシルハライド、
8−(トリフェニルメトキシ)−1−オクチルハライド、
3−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−1−プロピルハライド、
3−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−2−メチル−1−プロピルハライド、
3−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−2,2−ジメチル−1−プロピルハライド、
4−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−1−ブチルハライド、
5−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−1−ペンチルハライド、
6−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−1−ヘキシルハライド、
8−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−1−オクチルハライド、
3−(t−ブチルジフェニルイルシリルオキシ)−1−プロピルハライド、
3−(t−ブチルジフェニルイルシリルオキシ)−2−メチル−1−プロピルハライド、
3−(t−ブチルジフェニルイルシリルオキシ)−2,2−ジメチル−1−プロピルハライド、
6−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−1−ヘキシルハライド、
及び、3−(トリメチルシリルオキシ)−2,2−ジメチル−1−プロピルハライド、を包含する。
上記ハロ−またはハライド基は、塩素及び臭素から選択される。
これらω−ヒドロキシ保護ハロアルカンは、「A. Alexaquis, M. Gardette, and S. Colin, Tetrahedron Letters, 29,1988, 2951. B. Figadere, X. Franck and A. Cave, Tetrahedron Letters, 34, 1993, 5893, J. Almena, F. Foubelo and M. Yus, Tetrahedron, 51,1995,11883. T. Ferrari and P.Vogel, SYNLETT, 1991,233.」に記述されたプロセスによって調製されてもよい。
本発明におけるω−チオ−保護ハロアルカンは、限定されないが、
3−(メチルチオ)−1−プロピルハライド、
3−(メチルチオ)−2−メチル−1−プロピルハライド、
3−(メチルチオ)−2,2−ジメチル−1−プロピルハライド、
4−(メチルチオ)−1−ブチルハライド、
5−(メチルチオ)−1−ペンチルハライド、
6−(メチルチオ)−1−ヘキシルハライド、
8−(メチルチオ)−1−オクチルハライド、
3−(メトキシメチルチオ)−1−プロピルハライド、
3−(メトキシメチルチオ)−2−メチル−1−プロピルハライド、
3−(メトキシメチルチオ)−2,2−ジメチル−1−プロピルハライド、
4−(メトキシメチルチオ)−1−ブチルハライド、
5−(メトキシメチルチオ)−1−ペンチルハライド、
6−(メトキシメチルチオ)−1−ヘキシルハライド、
8−(メトキシメチルチオ)−1−オクチルハライド、
3−(1,1−ジメチルエチルチオ)−1−プロピルハライド、
3−(1,1−ジメチルエチルチオ)−2−メチル−1−プロピルハライド、
3−(1,1−ジメチルエチルチオ)−2,2−ジメチル−1−プロピルハライド、
4−(1,1−ジメチルエチルチオ)−1−ブチルハライド、
5−(1,1−ジメチルエチルチオ)−1−ペンチルハライド、
6−(1,1−ジメチルエチルチオ)−1−ヘキシルハライド、
8−(1,1−ジメチルエチルチオ)−1−オクチルハライド、
3−(1,1−ジメチルプロピルチオ)−1−プロピルハライド、
3−(1,1−ジメチルプロピルチオ)−2−メチル−1−プロピルハライド、
3−(1,1−ジメチルプロピルチオ)−2,2−ジメチル−1−プロピルハライド、
4−(1,1−ジメチルプロピルチオ)−1−ブチルハライド、
5−(1,1−ジメチルプロピルチオ)−1−ペンチルハライド、
6−(1,1−ジメチルプロピルチオ)−1−ヘキシルハライド、
8−(1,1−ジメチルプロピルチオ)−1−オクチルハライド、
3−(シクロペンチルチオ)−1−プロピルハライド、
3−(シクロペンチルチオ)−2−メチル−1−プロピルハライド、
3−(シクロペンチルチオ)−2,2−ジメチル−1−プロピルハライド、
4−(シクロペンチルチオ)−1−ブチルハライド、
5−(シクロペンチルチオ)−1−ペンチルハライド、
6−(シクロペンチルチオ)−1−ヘキシルハライド、
8−(シクロペンチルチオ)−1−オクチルハライド、
3−(シクロヘキシルチオ)−1−プロピルハライド、
3−(シクロヘキシルチオ)−2−メチル−1−プロピルハライド、
3−(シクロヘキシルチオ)−2,2−ジメチル−1−プロピルハライド、
4−(シクロヘキシルチオ)−1−ブチルハライド、
5−(シクロヘキシルチオ)−1−ペンチルハライド、
6−(シクロヘキシルチオ)−1−ヘキシルハライド、
8−(シクロヘキシルチオ)−1−オクチルハライド、
3−(t−ブチルジメチルシリルチオ)−1−プロピルハライド、
3−(t−ブチルジメチルシリルチオ)−2−メチル−1−プロピルハライド、
3−(t−ブチルジメチルシリルチオ)−2,2−ジメチル−1−プロピルハライド、
3−(t−ブチルジメチルシリルチオ)−2−メチル−l−プロピルハライド、
4−(t−ブチルジメチルシリルチオ)−1−ブチルハライド、
6−(t−ブチルジメチルシリルチオ)−1−ヘキシルハライド、
及び、3−(トリメチルシリルチオ)−2,2−ジメチル−1−プロピルハライド、を包含する。
上記ハロ−またはハライド基は、塩素及び臭素から選択される。
これらのω−チオ−保護ハロアルカンは、「Franck and A. Cave, Tetrahedron Letters, 34,1993, 5893, J. Almena, F. Foubelo, and M. Yus, Tetrahedron, 51, 1995, 11883, D. F. Taber and Y. Wang, J. Org, Chem., 58,1993, 6470, F. D. Toste and I. W. J. Still, Synlett, 1995, 159 及び米国特許5,493,044号」に記述されたプロセスによって調製されていてもよい。
上述したように、アニオン重合によって合成されるポリマー鎖は、全て、カップリング剤と共有結合するとは限らない。結合した鎖の比率は、2〜98重量%で変化し得、好ましくは、アニオン重合によって合成されたポリマーのうち1と30との間の鎖で、カップリング剤と共有結合している。好ましくは、カップリング剤の添加量は、カップリング剤に対するアニオン重合によって合成されるポリマーのモル比が1:1〜30:1になるような量である。
アニオン重合によって合成されるポリマーは、分布のピークでの分子量が約20,000〜500,000g/molである。
本発明の第1態様の他の実施形態において、上記機能性多分岐ポリマーは、分布のピークでの分子量が5,000〜2,000,000g/molであることを特徴とする。
通常、カップリング剤は、低い比率で含まれている。このような理由から、好ましい実施形態において、カップリング剤とアニオン重合反応によって合成されたポリマーとの総量を基準として、カップリング剤の量は、0.001重量%から5重量%の間で変化させる。
本発明の好ましいカップリング剤は、アルケニル芳香族モノマー、エポキシ官能性アクリル系モノマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つのモノマーと、アルケニル芳香族モノマー、エポキシ官能性アクリル系モノマー、無水官能性アクリル系モノマー、エステル官能性アクリル系モノマー、カルボン酸官能性アクリル系モノマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つのモノマーとのフリーラジカル重合から得られるオリゴマーである。ここで、カップリング剤は、数平均分子量が約500〜約10,000g/molであり、重量平均分子量が約1,000〜約20,000g/molである。重量平均分子量及び数平均分子量は、上述したように、GPCによって算出される。ただし、ポリスチレン基準で参照される。このカップリング剤は、例えば、BASFによって、ADR−4318(登録商標)として市販されている。カップリング剤として好ましいオリゴマーは、約1〜60モル%のエポキシ機能性またはカルボン酸機能性アクリル系モノマーを含むものである。
他の好ましいカップリング剤は、ジビニルベンゼン、または代替的に、多機能性クロロシランを包含する。他の態様では、好ましいカップリング剤の混合物も使用され得る。
本発明の第1態様における全ての実施形態は、第2態様においても有効である。
第1態様及び第2態様の機能性多分岐ポリマーの調製方法、並びに本発明の好ましい実施形態は、当業者にとって公知である。上記ポリマーの合成方法の好ましい実施形態について、以下に詳述する。
好ましい実施形態は、アニオン重合によって合成されたポリマーをカップリング剤に反応させることを含む。カップリング反応は、好ましくは、アニオン重合によって合成されるポリマーの合成が行われる領域と同じ反応領域で行われる。
好ましくは、アニオン重合によって合成されるポリマーは、第1反応段階で合成され、第2反応段階でカップリング剤に反応させる。
他の実施形態において、合成方法は、モノマーを重合し、アニオン重合によって合成されたポリマーとすること、アニオン重合によって合成されたポリマーにおけるリビング鎖の部分を不活性化するのに十分な量の終了剤を添加すること、及びリビング鎖における少なくとも数個をカップリング剤に反応させることを含む。
他の好ましい実施形態において、アニオン重合によって合成されたポリマーに対する、カップリング剤の比率は、0.001〜5重量%であり得る。好ましくは、カップリング剤と反応する、アニオン重合によって合成された平均重合鎖数は、約2〜30である。
上記態様によれば、上記重合方法は、好ましくは、アニオン重合によって合成されたポリマーのうち2〜90モル%(好ましくは20モル%と60モル%との間)がカップリング反応を起こすことを特徴としている。
本発明に有用な水素付加方法の一例は、US特許4,970,254号、US特許5,166,277号、US特許5,393,843号、US特許5,496,898号、及びUS特許5,583,185号に開示されている。機能性多分岐ポリマーの水素付加は、ヘキサン、シクロヘキサン、またはヘプタンといった反応媒体中にて、in situで行われ得る。例えば、ニッケル、チタン触媒等といった触媒存在下で、水素ガスと接触して溶液が配されている。水素付加は、典型として、25℃〜150℃の温度、水素圧0.5atm〜20atmで行われる。水素付加プロセスは、赤外分光法(IR)または核磁気共鳴(NMR)によって制御されてもよい。水素付加反応は、アニオン重合によって合成された不飽和のアームの少なくとも85%が飽和されるまで、好ましくは不飽和のアームの少なくとも90%が水素付加されるまで行われ、より好ましくは、不飽和のアームの少なくとも99%が水素付加されるまで続ける。
脱保護工程を、不飽和多分岐ポリマーに対する任意の水素付加の前又は後に行うことができる。例えば、tert−アルキル基を除去するために、保護されたポリマーをAmberlyst(登録商標)15のようなイオン交換樹脂と混合し、例えば150℃のような高温、又は、溶液(シクロヘキサン)の還流温度において、脱保護工程が完了するまで加熱する。さらに、tert−アルキル保護基を、ポリマーと、トリフルオロ酢酸又はp−トルエンスルホン酸との反応により除去してもよい。tert−アルキルを脱保護する他の方法は、T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Protective groups in Organic Synthesis, Second Edition, Wiley, New York, 1991, page 41に見出すことができる。tert−ブチルジメチルシリルを、機能性多分岐ポリマーを塩酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸、Dowes 50W−X8のような酸で処理すること、又は、例えば、テトラ−n−ブチルアンモニウム、フッ化カリウムのようなフッ素イオン源と、18−コロナ−6、若しくは、ピリジン−フッ化水素酸複合体とで処理すること、によって除去することができる。tert−ブチルジメチルシリルを除去する他の方法は、T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Protective groups in Organic Synthesis, Second Edition, Wiley, New York, 1991, page 80-83に見出すことができる。不飽和又は水素化機能性多分岐ポリマーは、酸性水溶液を用いた触媒を洗浄により除去した後、溶液又はポリマーの沈殿物を除去するような、従来の方法により回復させることができる。驚くべきことに、脱保護された機能性多分岐ポリマーにおいて観察された改良点は、保護された機能性多分岐ポリマーの多くの場合、特に、接着剤、アスファルト、及び、プラスチックの改良の用途において妥当である。このことは、例えば、ホットメルト接着剤組成物における保護ポリマーの直接使用を可能にし、脱保護を行う必要がないため、プロセスの所要時間及び製造コストの削減につながる。この理論に結び付けようとしなくても、この挙動は、ポリマーが異なる組成物型の形成プロセス中に脱保護されるという事実の結果かもしれない。
本発明は、新規なポリマー及びその合成プロセスに限定されず、その組成物も含む。例えば、機能性多分岐ポリマーの第1及び第2の特徴は、接着剤組成物を含み得る。好ましくは、上記接着剤組成物に含まれるポリマーは、カップリング剤と、反応系のためにアニオン重合によって合成されたポリマーとの総重量に対して、重量約0.001〜5%のカップリング剤が、反応系に含まれることを特徴としている。本発明に係るポリマーを用いて作製された、特にホットメルト接着剤のような接着剤は、従来のホットメルト接着剤に対して向上した剥離、粘着性、及び、剪断性を示す。
接着剤組成物は、粘着性樹脂、安定剤、可塑剤、及び、酸化防止剤からなる群より選択される少なくとも1つの添加剤を含んでいてもよい。これらのいくつかの適用において、本発明に係る多分岐ポリマーの約15〜30重量部、より好ましくは18〜25重量部を、従来の接着構築物の他の構成要素と混合する。このような構成要素は、粘着剤、安定剤、可塑剤、及び酸化防止剤のようなものである。このような構成要素は、末端位置に、保護されたものにしろ、保護されていないものにしろ、官能基が導入されていない、及び/又は、不飽和鎖の水素付加されていない同じ型のポリマーを用いて、同じ組成物により調製された接着剤と比較して、これらの接着剤組成物の特性を向上させる。好ましい粘着樹脂の例は、ポリマーと一致する、高い及び低い軟化点を有する樹脂を含む。これらの樹脂には、水素化樹脂、コロフォニーエステル、ポリペルテン樹脂、テルペンフェノール樹脂、及び、クマロンインデン樹脂が含まれる。いくつかの例示態様において、組成物中の定着樹脂の量は、約45〜65重量%の範囲である。一般に、エクステンダー油として知られる可塑剤には、ミネラル油、パラフィン油、及び、ナフテン油が含まれる。いくつかの例示態様において、組成物中の可塑剤の量は、約15〜30重量%の範囲である。酸化防止剤は、熱及び紫外線酸化プロセスを抑制するために用いられ得、一般に、約0.05〜3重量%の量で接着剤組成物に添加される。酸化防止剤の例には、フェノール化合物及びチオ化合物が含まれる。好ましい実施形態において、組成物は、15〜30重量%の粘着樹脂と、約15〜30重量%の可塑剤と、約0.05〜2重量%の酸化防止剤とを含む。好ましい実施形態において、接着剤組成物は、多様な用途に用いることができる。例えば、接着剤組成物は、梱包、ラベル、及び、接着テープの接着剤、構築物、並びに、使い捨て弾性包装物品の製造において使用される感圧接着剤として、用いることができる。
さらに、本発明のポリマーは、補強材料として、又は、複合材料を作製するために使用される。このことは、これらのポリマーが、補強材料、又は、補強される材料と混合できることを意味している。補強される材料は、アスファルト、プラスチック、及び、タイヤからなる群より選択することができる。ポリアミド類、ポリウレタン類、ポリエーテル類、ポリサルフォン類、ポリエーテルケトン類、ポリエーテルエーテルケトン類、ポリエーテルイミド類、ポリカーボネート類、ポリエステル類、ポリスチレン、及び、これらの共重合体から選択されるプラスチックが補強されるとき、よい結果が得られる。補強された材料又は化合物は、物品の製造に有用であり、押し出し成形された物品、注入成形された物品、圧縮成形された物品、又は、タイヤになり得る。
他の態様は、第1及び第2態様のいずれかの機能性多分岐ポリマーと混合されたアスファルトを含む、改変されたアスファルトである。アスファルトは、アスファルトと機能性多分岐ポリマーとの総量に対して、約1〜25重量%の機能性多分岐ポリマーを含んでもよい。好ましくは、改変されたアスファルトは、約5〜20重量%の機能性多分岐ポリマーを含む。これらの機能性多分岐ポリマーにより改変されたアスファルト混合物は、道及びアスファルト膜のような用途に用いることができる。
さらに、本発明のポリマーは、改変したプラスチックとして有用であり、好ましくは、機能性多分岐ポリマーとプラスチックとの総量に対して、約1〜40重量%の機能性多分岐ポリマーを含む混合物として用いられる。プラスチックは、好ましくは、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、及び、任意のブロック共重合体又はテーパード共重合体からなる群より選択された、少なくとも1つのポリマーを含む。任意のブロック共重合体又はテーパード共重合体は、スチレン、ブタジエン、及び、イソプレンからなる群より選択されるモノマーから作製される。これらのポリマーは、分布のピークでの平均分子量が約3,000〜300,000g/molである。プラスチックに混合された機能性多分岐ポリマーは、好ましくは、機能性多分岐ポリマーの総量に対して、約0.1〜8重量%のカップリング剤を含む反応生成物であることを特徴としている。本発明に係るポリマーは、好ましくは、プラスチックに混合するために、ポリスチレンを含むことが好ましい。本発明に係るポリマーとプラスチックとは、広い比率範囲で混合することが可能であるが、機能性多分岐ポリマーとプラスチックとの総量に対して、機能性多分岐ポリマーが1〜20重量%であることが好ましい。多くの種類のプラスチックを混合することが可能であるが、好ましくは、プラスチックは、ポリアミド類、ポリウレタン類、ポリエーテル類、ポリサルフォン類、ポリエーテルケトン類、ポリエーテルエーテルケトン類、ポリイミド類、ポリエーテルイミド類、ポリカーボネート類、ポリエステル類、ポリスチレン、及び、これらの共重合体からなる群より選択される。さらに、本発明に係るポリマーに混合される上記プラスチックは、改変のために他のプラスチックと混合することができる。プラスチックの混合比率は、プラスチックと機能性多分岐ポリマーとの総量に対して、機能性多分岐ポリマーにより改変されたプラスチックの量を、1〜40重量%の間で変更することができる。
明細書及び請求の範囲を通して、用語「含む」及びその変形は、他の技術的特徴、添加物、構成要素、又は、工程を排除する意図ではない。当業者は、本発明の他の目的、利点及び特徴を、明細書の一部、及び、本発明の実施の一部を当然読み出すことができる。以下の実施例は、説明のために提供されるものであり、本発明を限定する意図ではない。
〔実施例〕
(アルコール機能性多分岐ポリマーの合成)
OH基(水酸基)機能性(保護又は脱保護)SB多分岐共重合体を、PFI‐103として商業的に知られる、FMIによって商品化された3−(第三級ブチルジメチルシロキシ)−1−プロピルリチウムを開始剤として使用して、20Lのビュッヒ(Buchi)反応装置内で合成した。すべての場合において、15分間、65℃において、反応が起こるように、6500gのシクロヘキサン及び1130gのスチレンを含むシクロヘキサン溶液(24重量%)、50mLのTHF(10mLのTHFを添加し、中(Medium)ビニルポリマーを除去する)、並びに、46mLのPFI‐103のシクロヘキサン溶液(15重量%)を使用した。その後、610gの1,3−ブタジエンを加えた。およそ35分後に、上記系の温度を70℃に上昇させ、20分間放置し、SB共重合体を11mLのADR‐4318のシクロヘキサン溶液(20重量%)を加えることによってカップリングした。水素化した共重合体の場合、上記系の温度は90℃に速やかに上昇させ、THF/シクロヘキサン溶液(0.2M)31mL中のチタニウムのメタロセン触媒を加えた。水素化する必要のないブロック共重合体を、23mLのBHT溶液(シクロヘキサン中10重量%)によって不活性化した。比較目的のために、機能化されていないSB多分岐共重合体を合成した。これら機能化されていない共重合体は、PFI‐103に変えて48mLのn−ブチルリチウム(シクロヘキサン中2.6重量%)を添加されたことを除いて、機能性ものと同じ手順を用いて合成した。
合成後、保護されたOH基を有する機能性SB多分岐共重合体を、脱保護された多分岐ポリマー(OHによって機能化したサンプル)を調製するために、水素化段階に供した。この反応を、10Lのガラス反応装置において行い、3時間、80℃において、塩酸によって重合体の溶液を処理した。上記共重合体を、溶剤を除去するために蒸発によって処理し、80℃において真空オーブン中で乾燥した。
分子量、分枝の程度、及びカップリングの割合を求めるためのGPC(溶離液としてTHF、一般的な較正曲線)、及び微細構造、組成、及び脱保護の程度を測定するためのH−NMRを用いて、上記共重合体の特性を明らかにした。分枝した共重合体の特性を、表1に示す。
Figure 2013513685
(第三級アミン機能性多分岐ポリマーの合成)
第三級アミン機能性SBSB多分岐共重合体を、Al−200として商業的に知られる、3−ジメチルアミノ−1−プロピルリチウムを開始剤として使用して、2Lのビュッヒ反応装置内で合成した。すべての場合において、15分間、65℃において、反応が起こるように、723gのシクロヘキサンと180mLのスチレンとを含むシクロヘキサン溶液(24重量%,密度0.78)、3.7gのTHF、及び4.4mLのAl−200のシクロヘキサン溶液(11重量%,密度0.8g/mL,MW229.3g/mol)を使用した。15分間、60℃において、反応が生じるようにして、その後、68gの1,3−ブタジエンを加えた。およそ40分後、開始剤に対して、カップリング剤のモル比がそれぞれ0.04、0.07、0.1になるように、0.8mL、1.3mL、1.8mLに決定した量のカップリング剤ADR‐4318を加えた(シクロヘキサン中20重量%,密度0.79g/mL)。上記重合体の溶液を、4.7mLのBHT溶液(シクロヘキサン中10重量%)によって不活性化した。
分子量、分枝の程度、及びカップリングの割合を求めるためのGPC(溶離液としてTHF、一般的な較正曲線)、及び微細構造、組成、及び脱保護の度合いを測定するためのH−NMRを用いて、上記共重合体の特性を明らかした。
この方法において、鎖の末端に第三級アミンを有し、表2に示された特性を有する機能性多分岐共重合体が得られた。
Figure 2013513685
上記結果は、ADR‐4318をより多く加えると、カップリングされた生成物の量が増加する一方、カップリングの程度は実際には一定に留まっている。従って、カップリングの程度は、SB共重合体鎖の初期サイズに依存する一方、カップリングの割合は加えられたカップリング剤に依存する。
Figure 2013513685
(ESCOREZ 5380樹脂を含むホットメルト接着剤調製物)
多分岐の分枝した水素化共重合体のサンプル(SEBS−r高ビニル,RO−SEBS−r高ビニル及びHO−SEBS−r)を、表3に示す接着剤調製物を用いて評価した。Primo l352オイルはナフサ型であり、ESCOREZ 5380樹脂は脂環式の炭化水素樹脂であり、l−1010は酸化防止剤である。
Figure 2013513685
加熱システム及び攪拌速度を調節するシステムを備えた金属の容器において、粘着性ホットメルト接着剤を調製した。温度は、177±2℃の範囲で制御した。調製の時間は、各接着剤サンプルに対して、ほぼ2時間程度であった。
上記接着剤を、厚み0.002”のマイラーフィルム(PET)に、165℃において塗布し、汚染を避けるためにシリコンペーパーを用いて覆った。上記接着剤を、評価する前に、23℃及び湿度50%に制御された条件の区域に保管した。
接着剤を含浸させたフィルムから、180℃における剥離、ループタック(Loop Tack)及びせん断を測定するための試料を得た。評価のために使用した基材は、鏡面仕上げしたステンレス鋼のパネルであった。すべての評価を、制御された条件の区域(23℃及び50%)において実施した。粘度は、ブルックフィールド粘度計、モデルRVIIにおいて測定した。次の装置:ループタック試験器、AR-100接着開放試験器(adhesion release tester)、シヤーバンク(shear bank)を用いて、接着特性を求めた。
表4は、接着剤調製物の熱的、機械的、及び粘性的な特性を示している。177℃における接着剤の粘度は、違いが観察されているものの、すべてのものが処理しやすく、それらの値はホットメルトにとって標準的である。軟化温度の挙動は粘度の挙動と類似する傾向を有し、そこで、RO−SEBS−r高ビニルサンプルは最も高い値を示す。上記3つの接着剤の伸張値はとても高く、接着剤の性能において、それらの効果を説明することができない。
Figure 2013513685
表5は、177℃のオーブンにおいて、エイジングを受けた後の接着剤の特性評価の結果を示す。粘度が所要の72時間前において増大する傾向がないことから、上記結果は、上記接着剤が商業的な安定性の仕様を上回ることを示唆している。通常、SBS及びSEBS製品において、粘度の増大は、ポリマーのゲル化過程に関係する。上記接着剤の熱安定性のもう一つの実証は、72時間、177℃におけるオーブンにおいて、熱エイジングを受けたサンプルにおいて、“皮膜”が存在しないことである。
Figure 2013513685
表6は、製品の接着力に関する評価結果を示している。せん断の場合において、機能化されていない生成物(SEBS−r高ビニル)を用いて調製したサンプルに対してよりも、保護された官能基(RO−SEBS−r高ビニル)を用いて調製したサンプルに対して、及び脱保護された官能基(HO−SEBS−r高ビニル)を用いて調製したサンプルに対しての両方で、より高いせん断値を示していることが明確に観察されている。保護された機能性水素化ポリマーを用いて調製された接着剤のせん断値は、機能化されていない水素化ポリマーに対して、100%よりも高い割合で向上した一方、機能性水素化ポリマーを用いて調製された接着剤のせん断値は、ほとんど200%の割合で向上した。
ループタック測定は、含浸密度がこのパラメーターにあまり効果を有さないという理由から、基材上の接着剤の表面間の吸着力を示している。保護された機能性水素化ポリマー(RO−SEBS−r高ビニル)を用いて調製したサンプルの接着力はわずかに減少している一方、脱保護された機能性水素化ポリマー(HO−SEBS−r高ビニル)の接着力は、水素化のみされたサンプル(SEBS−r高ビニル)に対しておよそ50%まで増大した。
180°剥離測定の場合において、HO−SEBS−r高ビニルゴムを含有する接着剤が、最大の値を示しているというループタック測定において示唆されたのと同じ傾向が観察された。
Figure 2013513685
(PICCOLYTE HM−106樹脂を用いたホットメルト接着剤調製物)
PICCOLYTE HM−106樹脂を含有する接着剤調製物を、表7に示す処方に従って調製した。上記接着剤は、1Lのガラス反応装置において、最初の段階でオイルを加え、続いて、酸化防止剤、樹脂、及びポリマーを加えることで調製した。混合物を、一定の窒素流の条件下、およそ1時間継続的に攪拌して、作製した。上記接着剤を、165℃においてマイラーフィルム(PET)上に塗布し、汚染を避けるためにシリコンペーパーを用いて覆った。
プローブタック(Probe Tack)及びSAFT(せん断接着破壊温度)を測定するために、接着剤を含浸したフィルムから試料を得た。ASTM規格D2979の方法に従って、2.5cm辺の試料上において、0.5cmのステンレス鋼の探針を備えたDigital Polyken Probe Tack Tester TMI 80−02−01器具を用いて、プローブタックを測定した。SAFTは、48℃における強制空気循環のオーブン(Cheminstruments)において、0.25Kgの錘を用いて実施した。評価のために使用した基材は、鏡面仕上げしたステンレス鋼のパネルであった。粘度を、ブルックフィールド粘度計、モデルRVIIにより測定した。
Figure 2013513685
PICCOLYTE HM−106樹脂を用いて調製したホットメルト接着剤に対する評価の結果を、表8に示す。接着剤の各群において、160℃及び180℃におけるブルックフィールド粘度に対して観察された傾向は、測定温度に関係なく類似している。中ビニルポリマー及び水素化ポリマーを含んでいる接着剤の粘度は、水素化されていない高ビニルポリマーを用いて調製されたものよりも、高かった。このことは、すなわち、ポリマーサンプルの本質に由来するものであり、高ビニルポリマーを用いて調製した接着剤が、同じ組成や分子量の中ビニルポリマーを含有する他のものよりも、より低い粘度を有することを反映している。一方、水素化されていないポリマーのビニル基の程度は、接着剤の軟化温度に影響しておらず、水素化ポリマーを用いて調製した接着剤に対して、より高かった。
Figure 2013513685
水素化されていないポリマーを用いて調製した接着剤のプローブタックは、水素化ポリマーのそれらと類似する傾向を示している。保護された又は脱保護された機能性ポリマーを含有する接着剤は、極めて類似するタック値を示し、機能化されていないポリマーを用いて調製されたものよりも常に高く、水素化されていない中ビニルポリマーよりも1.6倍より高く、水素化されていない高ビニルゴムを用いて調製したものよりも2倍より高く、水素化されたゴムを用いて作られたものよりも1.5倍より高い。ビニル基の程度の増加は、タックの減少を導くことも観察した。
SAFTの場合において、他の水素化されたゴムを用いて作製した接着剤は、水素化されていないゴムを用いて調製したものよりも、長時間のせん断に対して、優れた抵抗性を示している。SAFTの結果は、機能性多分岐ポリマーを含有する接着剤が、機能化されていない多分岐ゴムを含有するものよりも、長時間のせん断に対して、優れた抵抗性を示すことを示唆している。
最初に考慮される第1の態様は、機能性多分岐ポリマーは、以下の(a)と(b)との反応生成物からなることである:
(a)は、1〜30個、好ましくは5〜20個の官能基を有するカップリング剤である。カップリング剤は、例えば、スチレン(例えば、米国特許7517934号)又は代わりにジビニルベンゼン(米国特許3280084号及び米国特許3949020号)又は代わりに多機能のクロロシラン(Roovers, Hadjichristidis, and Fetters (Macromolecules, volume 16, 214(1983)), and Toporowski and Roovers (J.Polym.Sci., Part A, Polym. Chem., Volume 24, 3009(1986)) と共重合した、アクリルモノマー(少なくとも1つのエステル、カルボン酸、無水物、又はエポキシ官能基によって機能化されている)によって形成されるオリゴマーのように、本発明に係る多分岐ポリマーのような種類に有用な技術として、従来知られている。好ましいカップリング剤は、芳香族ビニルモノマーからなる群から選択される少なくとも1つのモノマーと、エポキシ機能化アクリルモノマー、無水物機能性アクリルモノマー、エステル機能性アクリルモノマー、カルボン酸機能性アクリルモノマー、及びそれらの混合物からなる群から選択される1つのモノマーとを、フリーラジカル重合することによって得られるオリゴマーである。ここで、上記カップリング剤は、およそ1,000〜10,000g/molの数平均分子量、及びおよそ1,500〜20,000g/molの重量平均分子量を有する。ここで、上記アクリルモノマーにおいて存在する官能基は、カップリング反応を担う。(b)は、アニオン重合によって合成されたポリマー(本発明の文脈において、アニオン的にポリマー化されたポリマーとしても知られる)である。アニオン重合によって合成されたポリマーは、化学式(I):Li−Q−Z−T−(A−Rで表される。化学式(I)において、Qは、Li−Zからアニオン重合した、アルケニル芳香族モノマー、共役ジエン、又は、これらの混合物であり、Zは、3〜25の炭素原子を含む分枝又は非分枝の炭化水素連結基(hydrocarbyl connector group)であり、Tは、酸素、硫黄、及び、窒素の群から選択される元素であり、(A−R)は保護基であり、Tが酸素又は硫黄の場合、mは1であり、Tが窒素の場合、2であり、nは、ジエンモノマーの構成単位の数、アルケニル芳香族モノマーの構成単位の数、又は、アニオン重合した混合物中のいずれかの構成単位の数であることを特徴とする。上記(A−R)において、Aは、炭素(C)又はシリコン(Si)から選択される元素であり、Rは、水素、アルキル基、C〜Cのアルキル、C〜Cのチオアルキル、C〜Cのジアルキルアミンによって置換されたアルキル基、アリール基、C〜Cのアルキル、C〜Cのチオアルキル、C〜Cのジアルキルアミンによって置換されたアリール基、5〜12の炭素原子からなるシクロアルキル基、又は、C〜Cのアルキル、C〜Cのチオアルキル、C〜Cのジアルキルアミンによって置換された5〜12の炭素原子からなるシクロアルキル基から独立して選択される。本発明の文脈における、C〜Cのアルキルは、直鎖又は分枝しており、好ましくは直鎖の1〜5の炭素原子からなるアルキル鎖として知られる。そのようなアルキルの例は、明らかに従来の技術においても知られ、以下においても説明されるように、メチル、エチル、プロピル、ブチル、及び、ペンチルである。これによって、カップリング反応は、上記カップリング剤とアニオン重合によって合成されるポリマーとの間で発生する。二次構造体は、全体的又は部分的に活性であるか、又は活動的であるはずである。これら材料は、線形のものよりも処理が容易であり、同じ分子量の線形のものよりも低い粘性を示す。さらには、多分岐ポリマーの流動性、親和性、及び、極性における改良が観察された。これは、より多くの基材との親和性のような利点を、それらにもたらす。その上、表面活性が改良され、密着性、親和性、混和性、及び分散性を改良することを望む用途において、それらを有用にしている。上記多分岐ポリマーに存在する官能基は、機能化されていないポリマーの表面特性を改質するために有利に使用される。本発明に係る多分岐ポリマーが、機能化されていないポリマーと混合された場合、機能化されていないポリマーと異なる性質の官能基は、分離されて、混合物の表面へ移動し、このためそれらの表面特性が改質する。
アニオン重合可能なアルケニル芳香族モノマーは、限定されないが、一例として、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、1−α−メチルビニルナフタレン、2−α−メチルビニルナフタレン、1,2−ジフェニル−4−メチルヘキセン及びこれらの混合物に加え、これらのアルキル誘導体、シクロアルキル誘導体、アリール誘導体、並びにアルキルアリール誘導体(組み合わさった構成要素における総炭素原子数が一様に18を超えない)を包含する。これらの最終的な化合物は、一例として、3−メチルスチレン、3,5−ジエチルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−フェニルスチレン、4−p−トリルスチレン、4−(tert−ブチル)−スチレン、2,4−ジビニルトルエン、及び4,5−ジメチル−1−ビニルナフタレンを包含する。

Claims (57)

  1. (a)1〜30個、好ましくは5〜20個の官能基を有するカップリング剤と、
    (b)アニオン重合によって合成されたポリマーと、
    の反応生成物を含む、機能性多分岐ポリマーであって、
    上記アニオン重合によって合成されたポリマーは、化学式(I):Li−Q−Z−T−(A−Rによって表されるものであり、
    上記化学式(I)において、
    Qは、Li−Zからアニオン重合された、アルケニル芳香族モノマー、共役ジエン、又は、これらの混合物であり;
    Zは、3〜25の炭素原子を含む分枝又は非分枝の炭化水素連結基(hydrocarbyl connector group)であり;
    Tは、酸素、硫黄、及び、窒素の群から選択される元素であり;
    (A−R)は保護基であり;
    Tが酸素又は硫黄の場合、mは1であり、Tが窒素の場合、mは2であり;
    nは、ジエンモノマーの構成単位の数、アルケニル芳香族モノマーの構成単位の数、又は、これらをアニオン重合した混合物中のいずれかの構成単位の数であり、
    上記(A−R)において、
    Aは、炭素(C)又はシリコン(Si)から選択される元素であり;
    は、
    水素、
    アルキル基、
    〜Cのアルキル、C〜Cのチオアルキル、C〜Cのジアルキルアミンによって置換されたアルキル基、
    アリル基、
    〜Cのアルキル、C〜Cのチオアルキル、C〜Cのジアルキルアミンによって置換されたアリル基、
    5〜12の炭素原子からなるシクロアルキル基、又は、
    〜Cのアルキル、C〜Cのチオアルキル、C〜Cのジアルキルアミンによって置換された5〜12の炭素原子からなるシクロアルキル基、
    から独立して選択されることを特徴とする機能性多分岐ポリマー。
  2. 上記アニオン重合によって合成されたポリマーは、上記カップリング剤に共有結合した1〜30の鎖を含むことを特徴とする請求項1に記載の機能性多分岐ポリマー。
  3. 上記Tが酸素(O)であることを特徴とする請求項1又は2に記載の機能性多分岐ポリマー。
  4. 上記Tが窒素(N)であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の機能性多分岐ポリマー。
  5. 上記Tが硫黄(S)であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の機能性多分岐ポリマー。
  6. 上記Aがシリコン(Si)であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の機能性多分岐ポリマー。
  7. 上記Zが、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二級ブチル、第三級ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、第三級ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、又は、オクタデシルであることを特徴とする請求項6に記載の機能性多分岐ポリマー。
  8. 上記R、R及びRが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二級ブチル、第三級ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、第三級ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、又は、オクタデシルから独立して選択されることを特徴とする請求項6又は7に記載の機能性多分岐ポリマー。
  9. 上記Aが炭素(C)であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の機能性多分岐ポリマー。
  10. 上記Zが、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二級ブチル、第三級ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、第三級ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、又は、オクタデシルであることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の機能性多分岐ポリマー。
  11. 上記R、R及びRが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二級ブチル、第三級ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、第三級ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、又はオクタデシルから独立して選択されることを特徴とする請求項9又は10に記載の機能性多分岐ポリマー。
  12. 上記アニオン重合によって合成されたポリマーが、アルケニル芳香族モノマー、共役ジエンモノマー、又は、これらの混合物から調製されたことを特徴とする請求項1に記載の機能性多分岐ポリマー。
  13. 上記アニオン重合によって合成されたポリマーは、アルケニル芳香族モノマー及び共役ジエンモノマーから調製され、共役ジエンモノマーに対するアルケニル芳香族モノマーのモル比が、およそ0.05〜1.0であることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の機能性多分岐ポリマー。
  14. 上記アニオン重合によって合成されたポリマーが、
    ポリスチレン、
    ポリブタジエン、
    ポリイソプレン、並びに、
    スチレン、ブタジエン、及び、イソプレンからなる群より選択されるモノマーから調製されたランダム共重合体、ブロック共重合体、又は、テーパード共重合体、
    から選択される少なくとも1つのポリマー含むことを特徴とする請求項13に記載の機能性多分岐ポリマー。
  15. 上記アニオン重合によって合成されたポリマーが、分布のピークにおいて、およそ3,000〜300,000g/molの平均分子量を有することを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載の機能性多分岐ポリマー。
  16. 上記アニオン重合によって合成されたポリマーが、分布のピークにおいて、およそ20,000〜300,000g/molの平均分子量を有することを特徴とする請求項1から15のいずれかに記載の機能性多分岐ポリマー。
  17. 上記アニオン重合によって合成されたポリマーが、共役ジエンモノマーから重合され、1,2構造の含有量がおよそ8〜80モル%であることを特徴とする請求項1から16のいずれかに記載の機能性多分岐ポリマー。
  18. 上記アニオン重合によって合成されたポリマーが、およそ2〜90重量%の結合鎖(coupled chain)を有することを特徴とする請求項1から17のいずれかに記載の機能性多分岐ポリマー。
  19. 上記アニオン重合によって合成されたポリマーが、分布のピークにおいて、およそ5,000〜2,000,000g/molの平均分子量を有することを特徴とする請求項1から18のいずれかに記載の機能性多分岐ポリマー。
  20. 分布のピークにおいて、およそ5,000〜2,000,000g/molの平均分子量を有することを特徴とする請求項1から19のいずれかに記載の機能性多分岐ポリマー。
  21. カップリング反応の上記反応生成物が、上記カップリング剤と上記アニオン重合によって合成されたポリマーとの総量に対して、0.001〜5重量%の上記カップリング剤を含有することを特徴とする請求項1から20のいずれかに記載の機能性多分岐ポリマー。
  22. 上記カップリング剤は、
    アルケニル芳香族モノマー、エポキシ機能化アクリルモノマー、及び、これらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つのモノマーと、
    アルケニル芳香族モノマー、エポキシ機能性アクリルモノマー、無水物機能性アクリルモノマー、エステル機能性アクリルモノマー、カルボン酸機能性アクリルモノマー、及び、これらのいずれかの混合物からなる群から選択される少なくとも1つのモノマーと、
    のフリーラジカル重合によって得られたオリゴマーであり、
    数平均分子量が、およそ1,000〜およそ10,000g/molであり、
    重量平均分子量が、およそ1,500〜およそ20,000g/molであることを特徴とする請求項1から21のいずれかに記載の機能性多分岐ポリマー。
  23. 請求項1から22のいずれかに記載の機能性多分岐ポリマーにおける、上記保護基(A−Rの脱保護によって得られる、機能性多分岐ポリマー。
  24. 請求項1から23のいずれかに記載の機能性多分岐ポリマーを水素化することよって得られることを特徴とする機能性水素化多分岐ポリマー。
  25. 上記アニオン重合によって合成されたポリマーとカップリング剤とを反応させる工程を包含する、請求項1から24のいずれかに記載の機能性水素化多分岐ポリマーを調製する方法。
  26. 上記アニオン重合によって合成されたポリマーが得られたのと同じ反応領域において、上記アニオン重合によって合成されたポリマーと反応させるための上記カップリング剤を生成することを特徴とする請求項25に記載の方法。
  27. 上記アニオン重合によって合成されたポリマーは、第2の反応段階において上記カップリング剤と反応させるために、第1の反応段階において合成することを特徴とする請求項26に記載の方法。
  28. 上記アニオン重合によって合成されたポリマーを調製する工程と、
    上記アニオン重合によって合成されたポリマーのリビング鎖(living chain)の部分を失活させるために十分な量の停止剤を添加する工程と、
    上記カップリング剤と反応する、少なくともいくつかのリビング鎖を作製する工程と、
    を包含することを特徴とする請求項27に記載の方法。
  29. 上記反応において、上記アニオン重合によって合成されるポリマーに対する上記カップリング剤の比率が、0.001〜5重量%であることを特徴とする請求項27から30のいずれかに記載の方法。
  30. 上記アニオン重合によって合成されたポリマーに上記カップリング剤を反応させる工程において、上記アニオン重合によって合成されたポリマーを上記カップリング剤とカップリングさせ、上記カップリング剤と反応させるために作製された上記ポリマー鎖の平均数は、およそ2〜30であることを特徴とする請求項27から29のいずれかに記載の方法。
  31. 上記アニオン重合によって合成されるポリマーのうちの2〜90モル%は、カップリング反応の対象であることを特徴とする請求項32に記載の方法。
  32. 上記保護基を除去する前に、25〜150℃の間において、上記機能性多分岐ポリマーを水素化することを包含する、水素化多分岐ポリマーを調製する請求項26に記載の方法。
  33. 上記保護基を除去した後に、25〜150℃の間において、上記機能性多分岐ポリマーを水素化することを包含する、水素化多分岐ポリマーを調製する請求項26に記載の方法。
  34. 上記水素化を、不飽和基のうちの少なくとも85%が水素化されるまで継続させることを特徴とする請求項32又は33に記載の方法。
  35. 上記水素化を、不飽和基のうちの少なくとも90%が水素化されるまで継続させることを特徴とする請求項34に記載の方法。
  36. 上記水素化を、不飽和基のうちの少なくとも99%が水素化されるまで継続させることを特徴とする請求項35に記載の方法。
  37. 上記保護基を、酸によって除去することを特徴とする、脱保護された多分岐ポリマーを調製する請求項25に記載の方法。
  38. 上記反応生成物は、反応させるために作製したカップリング剤とアニオン重合によって合成されたポリマーとの総量に対して、およそ0.001〜5重量%のカップリング剤を含有することを特徴とする請求項1から26のいずれかに記載の機能性多分岐ポリマーを含有する接着剤組成物。
  39. 上記カップリング剤が、およそ10〜75モル%のアルケニル芳香族モノマーから合成されたことを特徴とする請求項38に記載の接着剤組成物。
  40. 粘着性樹脂、安定剤、可塑剤、及び、酸化防止剤からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含有することを特徴とする請求項38又は39に記載の接着剤組成物。
  41. およそ15〜30重量%の粘着性樹脂、およそ15〜30重量%可塑剤、及び、およそ0.05〜2重量%の酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項38から40のいずれかに記載の接着剤組成物。
  42. 補強材料又は補強される材料に混合された、請求項1から24のいずれかに記載の機能性多分岐ポリマーを含む、補強された材料又は複合物。
  43. 上記補強される材料が、アスファルト、プラスチック、及びタイヤからなる群から選択されることを特徴とする請求項42に記載の上記補強された材料又は複合物。
  44. 上記補強された材料が、ポリアミド類、ポリウレタン類、ポリエーテル類、ポリサルフォン類、ポリエーテルケトン類、ポリエーテルエーテルケトン類、ポリイミド類、ポリエーテルイミド類、ポリカーボネート類、ポリエステル類、ポリカーボネート、ポリスチレン、及び、これらの共重合体からなる群から選択されるプラスチックであることを特徴とする請求42又は43に記載の補強された材料又は複合物。
  45. 請求項42から44のいずれかに記載された上記補強された材料から製造された物品。
  46. 押出成形された物品、射出成形された物品、圧縮成形された物品、又は、タイヤであることを特徴とする請求項45に記載の物品。
  47. 請求項1から請求項26のいずれかに記載の機能性多分岐ポリマーに混合されたアスファルトを含む、改質されたアスファルト。
  48. 上記アスファルトと上記機能性多分岐ポリマーとの総量に対して、およそ1〜25重量%の上記機能性多分岐ポリマーを含有する、請求項47に記載の改質されたアスファルト。
  49. およそ5〜20重量%の上記機能性多分岐ポリマーを含有する、請求項48に記載の改質されたアスファルト。
  50. 請求項1から24のいずれかに記載の機能性多分岐ポリマーに混合されたプラスチックを含み、当該混合物が、上記機能性多分岐ポリマーと上記プラスチックとの総量に対して、およそ1〜40重量%の上記機能性多分岐ポリマーを含有する、改質されたプラスチック。
  51. 上記プラスチックが、
    ポリスチレン、
    ポリブタジエン、
    ポリイソプレン、並びに、
    スチレン、ブタジエン、及びイソプレンからなる群から選択されるモノマーから調製したランダム共重合体、ブロック共重合体、又は、テーパード重合体、
    からなる群から選択されるポリマーを含有し、分布のピークにおいて、およそ3,000〜300,000g/molの平均分子量を有することを特徴とする請求項50に記載の改質されたプラスチック。
  52. 上記反応生成物が、上記機能性多分岐ポリマーの総量に対して、0.1〜8重量%のカップリング剤を含有することを特徴とする請求項50又は51に記載の改質されたプラスチック。
  53. 上記カップリング剤が、およそ0.5〜50モル%の、エポキシ機能性アクリルモノマー、無水物機能性アクリルモノマー、又は、カルボン酸機能性アクリルモノマーを含有することを特徴とする請求項50から52のいずれかに記載の改質されたプラスチック。
  54. 上記アニオン重合によって合成されたポリマーが、ポリスチレンを含有することを特徴とする請求項50から53のいずれかに記載の改質されたプラスチック。
  55. 上記混合物が、上記機能性多分岐ポリマーと上記プラスチックとの総量に対して、およそ1〜20重量%の機能性多分岐ポリマーを含有することを特徴とする請求項50から54のいずれかに記載の改質されたプラスチック。
  56. 上記アニオン重合によって合成されたポリマーが、ポリスチレンを含有することを特徴とする請求項55に記載の改質されたプラスチック。
  57. 上記プラスチックが、ポリアミド類、ポリウレタン類、ポリエーテル類、ポリサルフォン類、ポリエーテルケトン類、ポリエーテルエーテルケトン類、ポリイミド類、ポリエーテルイミド類、ポリカーボネート類、ポリエステル類、ポリスチレン、及び、これらの共重合体からなる群から選択されることを特徴とする請求項50から56に記載の改質されたプラスチック。
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