JP2013507322A - 酸化アンチモン含有ガラス板の製造方法 - Google Patents

酸化アンチモン含有ガラス板の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、酸化アンチモンを含むガラス板の製造方法に関し、当該方法は、バッチを溶融させる工程、溶融したガラスを少なくとも1つの成形装置へ移送する工程、及び成形工程を含み、前記溶融工程の間に、又は溶融ガラスを少なくとも1つの成形装置へ移送する前記工程の間に、2〜30%の重量含有量の酸化アンチモンを含むガラスフリットを前記バッチ混合物へ連続して、又は交互に加える。好ましくは、ガラスフリットは、wt%で表して次の成分、すなわち、45〜65のSiO2、0〜10のAl23、0〜5のB23、5〜20のCaO、0〜10のMgO、5〜20のNa2O、0〜10のK2O、0〜5のBaO、0〜5のLi2O、5〜30のSb23、を含む。

Description

本発明は、ガラスフリットの分野に関する。より具体的に言えば、本発明は、ガラス板を製造するのに使用することができるガラスフリットに関する。
当該ガラス板は、多数の用途で、すなわち建物又は自動車用のガラス材で、エネルギー生産で、特に光起電力装置又は太陽エネルギーを集中させるための鏡で、表示スクリーンなどで、用いられるものである。
エネルギー生産の用途では、光透過率とエネルギー透過率が高く、「エクストラクリア」又は「超透明」ガラスと呼ばれることの多いガラスが使用されている。これらのガラスが含有している酸化鉄、特に第一鉄(Fe2+)は少量である。これは、後者が可視スペクトルと近赤外スペクトル、従って光電池の最大効率の範囲のスペクトルを、特に吸収するからである。光とエネルギーの透過を最大にするためには、第一鉄を酸化しその結果後者の含有量をできるだけ減らすためガラスに化学的酸化剤を加えるのが通例である。こうして、非常に小さなレドックスの値、とりわけゼロ又はほとんどゼロの値を得ることができる。レドックスという用語は、FeOの形で表した酸化第一鉄の重量含有量と、Fe23の形で表した全酸化鉄の重量含有量との比を意味すると理解される。
フランス国特許出願公開第2317242号明細書に例えば記載された、酸化アンチモンは、長年広く使用されている酸化剤の一つである。アンチモンは、五酸化アンチモン(Sb25)、アンチモン酸ナトリウム、あるいは三酸化アンチモン(Sb23)によってバッチ混合物に加えられ、後者の場合には一般に硝酸ナトリウムなどの硝酸塩と組み合わせて加えられる。
しかし、バッチ混合物へのアンチモンの添加は、ガラスの製造の点から見ると欠点がないわけではない。特に、酸化された溶融ガラスによる赤外線の高い透過率は、バーナーから炉の床への放射による熱移動を促進するという影響を及ぼす。工業炉におけるガラスの高さが高いことを考慮に入れると、レドックスの点から見た差が小さいことは、放射線の透過に非常に大きな影響をもたらす。その結果、床で観測される温度は非常に上昇し、これは炉の耐用年数を損なう。更に、酸化アンチモンは、溶融ガラスを液体金属、一般にはスズの上へ流し込むフロート法を含めた、一部のガラス成形プロセスとの相性が悪い。このため、バッチ混合物へアンチモンを加えることによる酸化アンチモンの使用は、少なくとも1つはフロート装置であるいくつかの成形装置に接続した単一の炉の場合、可能ではない。最後に、酸化アンチモンの貯蔵と取り扱いには、環境上及び職業上の衛生及び安全面から厳しい管理がなされねばならない。
フランス国特許出願公開第2317242号明細書
本発明の目的は、これらの欠点の少なくとも一つを克服することである。
このために、本発明の一つの対象は、酸化アンチモンを含むガラス板を得るための方法であって、バッチ混合物を溶融させる工程、溶融したガラスを少なくとも1つの成形装置へ移送する工程、及び成形工程を含み、前記溶融工程の間に、又は溶融したガラスを少なくとも1つの成形装置へ移送する前記工程の間に、2〜30%の、特に2〜20%の重量含有量の酸化アンチモンを含むガラスフリットを前記バッチ混合物へ、同時に又は交互に加える、酸化アンチモンを含むガラス板を得るための方法である。
本発明のもう一つの対象は、2〜30%の、特に2〜20%の重量含有量の酸化アンチモンを含むガラスフリットである。
ガラスフリットに酸化アンチモンを混入することは、その取り扱いを容易にするのを可能にする。更に、溶融工程の後にフリットを加えることは、床の過度の加熱を受けて炉の耐用年数が少なくなるのを回避するのを可能にする。実際に、鉄分含有量の少ない、従って透過率がより低いガラスの場合特に0.4〜0.5の、標準的なレドックスのガラスを、炉において溶融させることが可能である。溶融後、且つ溶融炉と成型装置との間での移送中に、流路で又はフィーダーで、本発明によるガラスフリットを加えることができる。意外にも、このような添加は、アンチモンをバッチ混合物に加える場合よりも高いレベルまでガラスを非常に強く酸化するのを可能にし、そしてこれは清澄と均一性の面においてガラスの品質を少しも低下させない。
本発明によるガラスフリット又は本発明による方法で使用する(従って添加前の)それは、以下の好ましい構成のうちの1つ以上を、いずれかの可能な組み合わせでもって、有することが好ましい。その好ましい構成とは、以下のとおりである。
・酸化アンチモンの重量含有量が好ましくは8〜15%であること。およそ10%の含有量は工業的規模で完全に実現可能である希釈率で0.2〜0.3%の重量含有量を得るのを可能にする。
・全てのアンチモンに対する五価アンチモン(Sb5+)の割合が好ましくは20%以上であること。この割合はメスバウアー分光法により求めることができる。大量の五価アンチモンは、フリットを溶融ガラスへ添加する際に第一鉄をより効果的に酸化するのを可能にする。ガラスの最終の酸化状態に近い、酸化されたフリットは更に、ガラス中の硫酸塩の存在に関連する、又はアンチモンの過度の還元の際の酸素の放出に起因する再沸騰の危険を回避するのを可能にする。
・ガラスの粘度が100ポアズ(1ポアズ=0.1Pa・s)となる温度が好ましくは850〜1150℃であること。
・1050℃の温度での粘度が30〜300ポアズであること。後の方の2つの好ましい構成は、溶融ガラスに加えるときの、好ましくは1000〜1150℃での、フリットの溶融を促進するのを可能にし、また、溶融したフリットと溶融したガラスとの混合を容易にするのを可能にする。
・フリットが好ましくは、次の成分を下記の重量範囲内で変動する含有量でもって含むこと。
SiO2 45〜65%
Al23 0〜10%
23 0〜5%、好ましくは0
CaO 5〜20%
MgO 0〜10%
Na2O 5〜20%
2O 0〜10%
BaO 0〜5%、好ましくは0
Li2O 0〜5%
Sb23 5〜30%
・フリットの組成が有利には、ホウ素、ヒ素、遷移元素の酸化物、例えばCoO、CuO、Cr23及びMnO2など、希土類元素の酸化物、例えばCeO2、La23及びNd23など、あるいは元素状態の着色剤、例えばSe、Ag、Cu及びAuなど、を含まないこと。
・ガラスフリットが有利には、破片の形をしており、その最大寸法が、その融解とガラス浴によるその温浸を容易にするように、10mmを超えず、あるいは2mmを超えないこと。しかし、この最大寸法は、溶融ガラス中にガスを、特に空気を導入しないように、0.1mm以上であるのが好ましい。
本発明の別の対象は、本発明によるフリットを得るための方法である。これらのフリットは、粉体のバッチ混合物を溶融させることによって得るのが好ましい。溶融は連続(例えばタンク炉での)であってもよく、あるいはバッチ式(例えばポット炉での)であってもよい。溶融したフリットを得るのに必要なエネルギーは火炎により(例えばオーバーヘッドバーナー又は浸漬バーナーにより)供給してもよく、あるいは電気により(例えば、溶融ガラス浴に浸漬された、特にモリブデン製の、電極により)供給してもよい。
原料は、一般に、ケイ砂、長石、あられ石閃長岩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、石灰石及びドロマイトから選ばれる。アンチモンキャリヤは、できるだけ五価アンチモンに富むフリットを得るように、三価アンチモン酸化物(Sb23)よりも五価アンチモン酸化物(Sb25)が好ましい。同じ理由から、溶融温度は、1400℃を超えず、特に1350℃又は1300℃を超えないことが好ましい。これは、最低の温度がより酸化されたフリットを保持するのを可能にすることが観測されたからである。同じ目的で、バッチ混合物に酸化剤、例えば硫酸塩又は硝酸塩など、例として硫酸ナトリウム又は硝酸ナトリウム、を混ぜ入れることが可能である。
フリットの作製は、特に、圧延し、次いでフレークを得るために破砕及び粉砕することにより行うことができる。
本発明によるガラス板を得るための方法では、ガラスフリットを、溶融ガラスを少なくとも1つの成形装置へ移送する工程中に添加するだけであるのが好ましい。実際のところ、本発明が最も効果的であるのがこの実施形態である。添加は、溶融ガラスの温度が1200〜1350℃、特に1200〜1300℃であるときに行うのが好ましい。
成形は、いくつかのロール間で圧延して行うのが好ましい。キャスティングロールのうちの少なくとも1つは、ガラス板の少なくとも一方の面に表面装飾模様を形成するように、表面模様付きであるのが好ましい。以下で一層詳しく説明するように、一部の表面装飾模様は光を捕捉して光電池へのエネルギー量を増加させるのを可能にする。例えばフーコードローイング法あるいは下方引き抜きタイプの方法などの、そんほかの成形法が可能である。
ガラス板は、溶融と処理するのが容易であるという理由から、ソーダ−石灰−シリカタイプの組成を有するのが好ましい。しかし、そのほかのタイプのガラス、特にホウケイ酸塩、アルミノケイ酸塩又はアルミノホウケイ酸塩タイプのガラス、を使用してもよい。
「ソーダ−石灰−シリカタイプの組成」というのは、成形用の酸化物としてのシリカ(SiO2)を含み、且つ酸化ナトリウム(ソーダNa2O)と酸化カルシウム(石灰CaO)を含む組成を意味するものと理解される。この組成は、好ましくは、次の成分を下記の重量範囲内で変動する含有量でもって含む。
SiO2 60〜75%
Al23 0〜10%
23 0〜5%、好ましくは0
CaO 5〜15%
MgO 0〜10%
Na2O 5〜20%
2O 0〜10%
BaO 0〜5%、好ましくは0
本発明により得られるガラス板は、好ましくは、ISO 9050: 2003標準規格の意味の範囲内の光透過率が3.2mmの厚さについて90%以上、特に90.5%、あるいは91%以上であるようなものである。
本発明により得られるガラス板は、好ましくは、ISO 9050: 2003標準規格に従って計算されるエネルギー透過率(TE)が3.2mmの厚さについて90%以上、特に90.5%、あるいは91%、更には91.5%以上であるようなものである。
本発明により得られるガラス板の化学組成は、Fe23として表した重量含有量で、酸化鉄を0.003〜0.05%、特に0.007〜0.02%、あるいは0.015%以下、含むのが好ましい。このような含有量は、高い光透過率を得るのを可能にする。とは言え、0.005%未満の含有量は、原料の非常に徹底的な、従って費用のかかる、精製を意味することから、得ることが困難である。
酸化アンチモンを添加することから、得られるレドックス値は一般に0.1以下であり、好ましくは0.05以下であり、あるいはゼロでさえある。
本発明により得られるガラス板は好ましくは、平板ガラス又は湾曲ガラスである。太陽エネルギーを集中させるための放物面鏡を製造するのに使用しようとする場合には、それは楕円−放物面形状に湾曲しているのが有利である。本発明によるガラス板は、任意の大きさでよく、一般には0.5〜6mの大きさでよい。その厚さは一般には1〜10mmであり、特に2〜6mmである。
本発明により得られるガラス板は好ましくは、既に挙げたもの以外に可視又は赤外線を(特に380〜1000nmの波長について)吸収する何らかの化学物質を含まない。特に、本発明による組成は好ましくは、次の化学物質、すなわち、遷移元素の酸化物、例えばCoO、CuO、Cr23及びMnO2など、希土類元素の酸化物、例えばCeO2、La23及びNd23など、あるいは元素状態の着色剤、例えばSe、Ag、Cu及びAuなど、から選ばれる化学物質を含有せず、あるいはそれらのいずれをも含有しない。これらの化学物質は、非常に低い、時によっては数ppm以下(1ppm=0.0001%)程度の含有量で発現する非常に強力な望ましくない着色効果を及ぼすことが非常に多い。よって、それらの存在はガラスの透過率を非常に大きく低下させる。
溶融は、電極を用いて、及び/又は、オーバーヘッドバーナー及び/又は浸漬バーナー及び/又は火炎が原料もしくはガラス浴に接触するように炉の天井に配置されたバーナーを用いて加熱される、連続炉内で行うことができる。原料は一般には粉体状であり、そして天然材料(砂、長石、石灰石、ドロマイト、あられ石閃長岩など)又は合成材料(炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム、無水ホウ酸、硫酸ナトリウムなど)を含む。原料は炉に装填され、次いで物理的意味での溶融反応と、ガラス浴を生じさせる様々な化学反応とを受ける。溶融ガラスはその後、成形工程へ送られて、その間にガラス板がその形状を獲得する。
本発明により得られたガラス板は、その表面のうちの少なくとも一方を少なくとも1つの追加の機能性をもたらす少なくとも1つの薄層又は少なくもも1つの多層で被覆してもよく、これらの層とは、すなわち、反射防止層あるいは逆に反射層(例えば鏡用の銀めっき層)、導電性層(例えばフッ素をドープしたもしくはアンチモンをドープした酸化スズ、又はアルミニウムをドープしたもしくはガリウムをドープした酸化亜鉛、又はインジウムとスズの混合酸化物を、基礎材料とするもの)、低輻射率又は太陽光防護層(例えば銀を基礎材料とし、一般に他の層によって保護されたもの)、汚染防止又は自己クリーニング層(例えば酸化チタン、特にアナタース型に結晶化したもの、を基礎材料とするもの)、である。ガラス板を鏡に、特に太陽エネルギーを集中させるための鏡に使用しようとする場合には、ガラス板を、少なくとも1つの塗装層により酸化に対して保護される銀の層で被覆する。
本発明により得られるガラス板は、光電池、太陽電池、太陽エネルギーを集中させるための平らな又は放物面の鏡、あるいはLCD(液晶ディスプレイ)タイプのバックライト表示画面のためのディフューザーで使用するのが有利である。それは、有機発光ダイオードを基礎材料とするフラットランプ又はスクリーンで使用することもできる。
光起電力分野における用途の場合、そして電池のエネルギー効率を最大限にするためには、いくつかの改良を、同時に又は別々に、行うことができる。それらの改良とは、すなわち次のものである。
・ガラス板は、有利には、少なくとも1つの薄い透明な導電性層、例えばSn2O:F、SnO2:Sb、ZnO:Al又はZnO:Gaを基礎材料とするもの、で被覆することができる。これらの層は基材上に、様々な被着方法により、例えば化学気相成長(CVD)によって被着させることができ、あるいは、特に磁場によって支援される場合に、スパッタリング(マグネトロンスパッタリング法)により被着させることができる。CVD法の場合は、ハロゲン化物又は有機金属の前駆物質を気化させ、キャリヤガスによって高温のガラスの表面に移送し、そしてそれらはそこで熱の作用を受けて分解し、薄い層を形成する。CVD法の利点は、それをガラス板の成形プロセス内で、とりわけこれがフロート法である場合に、使用することが可能なことである。こうして、ガラス板がスズ浴上にあるときに、スズ浴の出口で、あるいは徐冷炉内で、すなわちガラス板を機械的応力を除去するため徐冷しているときに、層を被着することが可能になる。透明で導電性の層で被覆したガラス板は、次には、光電池を作製するために、非晶質又は多結晶性シリコン、黄銅鉱(とりわけCIS、すなわちCuInSe2、又はCIGS、すなわちCuInGaSe2タイプの)、あるいはCdTeを基礎材料とする、半導体で被覆することができる。この場合、光の捕捉現象を生じさせ、そしてそれが半導体によって吸収される光子の量を増加させる、より大きな粗さが得られることに、CVD法のもう一つの利点がある。
・ガラス板は、その表面の少なくとも一方を、反射防止コーティングで被覆することができる。このコーティングは、1つの層(例えば低屈折率の多孔質シリカを基礎材料とするもの)又はいくつかの層を含むことができる。後者の場合、高屈折率と低屈折率の誘電材料層が交互になっていて低屈折率の層で終えているものを基礎材料とする多層積重体が好ましい。それは特に、国際公開第01/94989号パンフレット又は国際公開第2007/077373号パンフレットに記載されている多層積重体であることができる。反射防止コーティングは、国際公開第2005/110937号パンフレットに教示されているような、光触媒作用のある酸化チタンを基礎材料とする自己クリーニング性の汚染防止層を、最後の層として含むことができる。こうして、長期間効果のある低反射を得ることができる。光起電力分野における用途では、反射防止コーティングを外側表面に、すなわち大気と接触する面に被着させる一方で、任意選択的な透明導電性層を内側表面に、すなわち半導体側に被着させる。
・ガラス板の表面は、国際公開第03/046617号、同第2006/134300号、同第2006/134301号、あるいは同第2007/015017号各パンフレットに記載されたように、表面模様付きでよく、例えば繰り返し模様(特にピラミッド状の繰り返し模様)を有することができる。これらの表面模様は一般に、ガラス成形のための圧延プロセスを使って得られる。
本発明は、限定されない代表的実施形態の下記の詳しい説明を読むことでよりよく理解される。
いろいろな例について得られた透過率の光学スペクトルを示すグラフである。
アンチモンを含有している2つのフリットを製造した。それらの組成(重量百分率で表したもの)を、下記の表1に示す。この表に示したように、酸化ナトリウム(Na2O)の一部は硝酸塩の形で加え、他方の部分は炭酸塩の形で加える。1300℃で2時間溶融させることにより、2つのフリットを得る。それらは粉砕することにより、直径が数ミリメートルの粒子で形成される。
Figure 2013507322
おのおののフリットを使用して、次のとおりの組成(重量百分率で表して)であるガラスを得る。
SiO2 71.3
Al23 0.55
CaO 9.5
MgO 4.0
Na2O 13.85
Fe23 0.03
Sb23 0.50
試験に応じて、フリットを1300℃の温度で、バッチ混合物(溶融工程の前)に加えるか、あるいは溶融工程後に加える。
比較試験C2によれば、等しい量のアンチモンを五酸化アンチモンの形でバッチ混合物に加える。
比較例C1の場合は、アンチモンを添加しない。
下記の表2は、得られたレドックス値とエネルギー透過率の値を要約して示しており、各事例において使用したフリット(A又はB)と、バッチ混合物に加えることによる(「バッチ」様式)かあるいは溶融後加えることによる(「フィーダー」様式)、フリットの導入方法を示している。
TEで表示したエネルギー透過率は、3.2mmのガラス厚さについてISO 9050: 2003標準規格に従って計算される。
Figure 2013507322
酸化アンチモンをフリットの形でバッチ混合物に加えるのは、五酸化アンチモンを加えるのと同様の程度までレドックスを低下させるのを可能にする。
他方において、溶融工程後にフリットを加えるのは、レドックスを低下させる点でより効果的であり、光とエネルギーの透過率がはるかに高いガラス板を得るのを可能にする。
酸化の効果も図1の光学スペクトルに見ることができ、第一鉄による吸収バンド(ほぼ1000nmを中心とする)の減少を見ることができる。
フリットAは、恐らくは流動性がより大きいために、フリットBよりも良好な結果を得るのを可能にする。

Claims (14)

  1. 酸化アンチモンを含むガラス板を得るための方法であって、バッチ混合物を溶融させる工程、溶融したガラスを少なくとも1つの成形装置へ移送する工程、及び成形工程を含み、前記溶融工程の間に、又は溶融ガラスを少なくとも1つの成形装置へ移送する前記工程の間に、2〜30%の重量含有量の酸化アンチモンを含むガラスフリットを前記バッチ混合物へ、同時に又は交互に加える、酸化アンチモンを含むガラス板を得るための方法。
  2. 前記ガラスフリットの酸化アンチモンの重量含有量が8〜15%である、請求項2記載の方法。
  3. 前記ガラスフリットにおいて、全アンチモンに対する五価アンチモン(Sb5+)の割合が20%以上である、請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記ガラスフリットが、前記ガラスの粘度が100ポアズとなる850〜1150℃の温度を有する、請求項1〜3の1つに記載の方法。
  5. 前記ガラスフリットの1050℃の温度での粘度が30〜300ポアズである、請求項1〜4の1つに記載の方法。
  6. 前記ガラスフリットが次の成分を下記の重量範囲内で変動する含有量でもって含む、請求項1〜5の1つに記載の方法。
    SiO2 45〜65%
    Al23 0〜10%
    23 0〜5%、好ましくは0
    CaO 5〜20%
    MgO 0〜10%
    Na2O 5〜20%
    2O 0〜10%
    BaO 0〜5%、好ましくは0
    Li2O 0〜5%
    Sb23 5〜30%
  7. 前記ガラスフリットが破片の形をしており、その最大寸法が10mmを超えず、あるいは2mmを超えない、請求項1〜6の1つに記載の方法。
  8. 前記ガラスフリットを、溶融ガラスを少なくとも1つの成形装置へ移送する前記工程の間にだけ加える、請求項1〜7の1つに記載の方法。
  9. 前記成形をいくつかのロールの間で圧延することにより行う、請求項1〜8の1つに記載の方法。
  10. 前記ガラス板が、Fe23として表して、0.003〜0.05%、特に0.007〜0.02%の重量含有量の酸化鉄を含むソーダ−石灰−シリカタイプの組成を有する、請求項1〜9の1つに記載の方法。
  11. 前記ガラス板のレドックスが0.1以下、特に0.05以下、あるいはゼロである、請求項1〜10の1つに記載の方法。
  12. 前記ガラス板のISO 9050: 2003標準規格の意味の範囲内の光透過率が3.2mmの厚さについて90%以上、特に91%以上である、請求項1〜11の1つに記載の方法。
  13. 請求項1〜12の一つに記載の方法により得ることができるガラス板。
  14. 光電池、太陽電池、太陽エネルギーを集中させるための平らな又は放物面の鏡、あるいはLCD(液晶ディスプレイ)タイプのバックライト表示画面のためのディフューザーでの、請求項13記載のガラス板の使用。
JP2012533674A 2009-10-12 2010-10-11 酸化アンチモン含有ガラス板の製造方法 Withdrawn JP2013507322A (ja)

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