JP2013503207A - (1s,4r)−2−オキサ−3−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エンの製造方法 - Google Patents

(1s,4r)−2−オキサ−3−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エンの製造方法 Download PDF

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Abstract

以下の式で表される鏡像異性的に濃縮された(1S,4R)-2-オキサ-3-アザビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エンは、
【化1】
Figure 2013503207

式中、PG1はアミノ保護基である;
ヘテロディールスアルダー付加環化を介して、シクロペンタジエンと以下の式で表される保護された1-C-ニトロソ-β-D-リボフラノシルハライドから調製される:
【化2】
Figure 2013503207

式中、Xは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選択されるハロゲン原子であり、PG2は、ヒドロキシル保護基であり、PG3は、1,2-ジオール保護基である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、鏡像異性的に濃縮された以下の式で表される(1S,4R)-2-オキサ-3-アザビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エンの製造方法に関する:
Figure 2013503207
式中、PG1はアミノ保護基である。
本発明はさらに、以下の式で表される新規の5-O-保護(1S,4R)-3-(1-C-ハロ-α-D-リボフラノシル)-2-オキサ-3-アザビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エンに関する:
Figure 2013503207
式中、Xは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選択されるハロゲン原子であり、PG2はヒドロキシル保護基であり、PG3は1,2-ジオール保護基である。
N-保護 2-オキサ-3-アザビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エンは、種々の薬学的活性成分の合成において有用な中間体である。例えば、N-ベンジルオキシカルボニル誘導体についてのEP-A-0 322 242 およびEP-A-0 658 539を参照されたい。いくつかのラセミ混合物が、ベンジルニトロソホルメート(例えば、過ヨウ素酸塩を用いた酸化により、ベンジルN-ヒドロキシカルバメートから得られる)のようなニトロソ化合物とシクロペンタジエンとのヘテロディールスアルダー付加環化により、比較的容易に得られる一方、広範な許容される保護基を有する鏡像異性的に純粋であるか、または鏡像異性的に濃縮された化合物の商業的に実施可能な製造方法は、利用可能になっていない。
それ故、本発明の目的は、鏡像異性的に濃縮されたN保護(1S,4R)-2-オキサ-3-アザビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エンの製造のための方法を提供することにあり、それは、商業的に入手可能であるか、または少なくとも容易に入手可能な出発物質を使用し、種々の保護基を有する化合物の合成を可能にする。
以下の式で表される鏡像異性的に濃縮された(1S,4R)-2-オキサ-3-アザビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エンが、以下の工程を含む方法により調製され得ることが見出された:
Figure 2013503207
式中、PG1はアミノ保護基である;
(i)以下の式で表される保護された1-C-ニトロソ-β-D-リボフラノシルハライドを、シクロペンタジエンと反応させ、
Figure 2013503207
式中、
Xは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選択されるハロゲン原子であり;
PG2は、ヒドロキシル保護基であり;
PG3は、1,2-ジオール保護基である;
以下の式で表される(1S,4R)-3-(1-C-ハロ-α-D-リボフラノシル)-2-オキサ-3-アザビシクロ[2.2.1]へプト-5-エンを得る工程と;
Figure 2013503207
式中、X、PG2およびPG3は、上記で定義した通りである;
(ii)工程(i)で得られた化合物を加水分解し、遊離(1S,4R)-2-オキサ-3-アザビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン (I; PG1 = H) または対応するヒドロハライドおよび対応する保護D-リボノラクトンを得る工程と;
(iii)アミノ保護基PG1を導入する工程。
構造的に関連するキシロース由来のα-クロロニトロソ化合物が、1,3-シクロヘキサジエンおよび1,3-シクロヘプタジエンの両方とのヘテロディールスアルダー付加環化を受けるが、シクロペンタジエンとの反応によりいずれの付加環化生成物も得られないことを見出したため、この知見は、非常に驚くべきものである(A. Hall et al., Chem. Commun. 1998, 2251-2252)。
適切なアミノ保護基PG1は、特に、アミノ窒素と共にカルバメート部分を形成する基である(例えば、単純なアルコキシカルボニル基、特にメトキシ-、エトキシ-またはtert-ブトキシカルボニル基、または置換メトキシカルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル(フェニルメトキシカルボニル)または(9-フルオレニルメトキシ)カルボニル基);ここで、フェニルまたはフルオレニル部分は、任意に、1つ以上のアルキル基またはハロゲン原子で置換されてよい)。そのようなカルバメート形成保護基は、保護されていないアミノ化合物と各クロロホルメートとの反応により、容易に導入される。他の可能なアミノ保護基は、保護されていないアミノ化合物と各アシルクロリドもしくは無水物との反応により導入され得るアセチルもしくはベンゾイル基のようなアシル基であるか、または保護されていないアミノ化合物とベンジルクロリドもしくはブロミドとの反応により導入され得るベンジル基である。アセチル基は、保護されていないアミノ化合物とケテンとの反応により導入されてもよい。
最も好ましいアミノ保護基PG1は、保護されていないアミノ化合物とベンジルクロロホルメートとの反応により導入され得るベンジルオキシカルボニル基である。
ヒドロキシル保護基PG2は、本発明の方法の条件下またはニトロソリボフラノシルハライド(II)の合成の間に切断されないいずれかの基であってよい。本発明の方法は、PG2の切断を含まないため、PG2が容易におよび/または選択的に切断され得る必要はない。適切なヒドロキシル保護基は、リボース分子のC-5におけるヒドロキシ基と共に、エーテル(シリルエーテルを含む)またはエステル(カルボン酸、炭酸、スルホン酸およびアルキル-もしくはアリール-カルバミン酸のエステルを含む)部分を形成するものである。エーテルは、メチルもしくは置換メチル(例えば、メトキシメチル、ベンゾイルオキシメチルもしくはトリフェニルメチル)エーテルのようなアルキルエーテル、またはトリアルキルシリル(例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリルもしくはトリイソプロピルシリル)エーテルのようなシリルエーテルであってよい。エステルは、例えば、アセテートもしくはベンゾエートのような単純なアルカンもしくはアレーンカルボン酸のエステル、またはメタンスルホネート(メシレート)もしくはp-トルエンスルホネート(トシレート)のようなアルカン-またはアレーンスルホン酸のエステル、またはN-フェニルカルバメートのようなN-アリールカルバミン酸のエステルであってよい。これらおよび他の保護基ならびにそれらを導入するための適切な方法は、当業者に既知であるか、またはGreene’s Protective Groups in Organic Synthesis by Peter G. M. Wuts and Theodora W. Greene, John Wiley & Sons, Hoboken, NJのような周知のテキストおよび研究論文において見出される。
特に好ましいヒドロキシル保護基PG2は、トリフェニルメチル(トリチル)基であり、そのフェニル基にC1-4アルキル基またはハロゲン原子のような1つ以上の置換基を有してよい。
適切な1,2-ジオール保護基には、アルデヒドおよびケトンに由来する基が含まれ、酸素原子(O-2およびO-3)と隣接する炭素原子(C-2およびC-3)が一緒になって環状アセタールまたはケタールを形成する。そのような保護基は、保護されていないジオールを脂肪族もしくは芳香族アルデヒドまたは脂肪族、脂環式もしくは芳香族ケトンと直接的に反応させることにより、あるいは、適切な鎖状アセタールもしくはケタール(例えば、ジメトキシメタンもしくは2,2-ジメトキシプロパン)を用いたトランスアセタール化またはトランスケタール化を介して導入され得る。これら(トランス)アセタール化またはケタール化反応は、通常、酸により触媒される。アセタールまたはケタールを形成する1,2-ジオール保護基は、メチレン(ホルムアルデヒドまたはホルムアルデヒドアセタールとの反応により導入される)、エチリデン(アセトアルデヒドまたはそのアセタールとの反応による)、ベンジリデン(ベンズアルデヒドまたはそのアセタールとの反応による)、イソプロピリデン(アセトンまたは2,2-ジメトキシプロパンとの反応による)、シクロペンチリデン(シクロペンタノンまたは1,1-ジメトオキシシクロペンタンとの反応による)およびシクロヘキシリデン(シクロヘキサノンまたは1,1-ジメトオキシシクロヘキサンとの反応による)である。
他の適切な1,2-ジオール保護基は、環状オルトエステルまたは環状カーボネートを形成するものである。環状オルトエステルを形成する保護基の例は、メトキシおよびエトキシメチレン(それぞれ、トリメチルおよびトリエチルオルトホルメートとの反応による)、または1-メトキシエチリデン(トリメチルオルトアセテートもしくは1,1-ジメトキシエテンとの反応による)である。環状カーボネート基は、1,2-ジオールと、ホスゲン、ジホスゲン(トリクロロメチルクロロホルメート)またはトリホスゲン(ビス(トリクロロメチル)カーボネート)とを反応させることにより導入されてよい。
特に好ましい実施形態において、1,2-ジオール保護基PG3は、イソプロピリデン(=C(CH3)2)である。
好ましい実施形態において、置換基Xは塩素である。
付加環化工程(i)は、脂肪族または芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、または直鎖状もしくは環状エーテルのような不活性溶媒中で首尾よく実施される。そのような分類の溶媒の非限定的な例は、ヘキサン、トルエン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、メチル、tert-ブチルエーテル等である。
付加環化工程(i)は、−100〜+40℃、好ましくは−80〜0℃、最も好ましくは約−78℃で首尾よく実施される。
付加環化工程(i)の反応時間は、典型的に、数分〜約1時間の範囲である。
好ましい実施形態において、本発明の方法の3つの工程(工程(i)〜(iii))は、中間体である式IIIの (1S,4R)-3-(1-C-ハロ-α-D-リボフラノシル)-2-オキサ-3-アザビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン、および/または保護されていない(1S,4R)-2-オキサ-3-アザビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン (式I; PG1=H)もしくは以下の式で表されるそのヒドロハライドを単離することなく実施される:
Figure 2013503207
式中、Xは上記で定義した通りである。
好ましい実施形態において、工程(i)で使用される式IIの5-O-保護1-C-ニトロソ-β-D-リボフラノシルハライドは、以下の式で表される対応する5-O-保護D-リボフラノースオキシムを、
Figure 2013503207
式中、PG2およびPG3は、上記で定義した通りである;
2当量の以下の式で表される次亜ハロゲン酸塩(hypohalite)と反応させることにより調製されてきた:
Figure 2013503207
式中、Xは、塩素、臭素またはヨウ素であり、nは1または2であり、Mは、アルカリ金属およびアルカリ土類金属からなる群より選択され、すなわち、亜ハロゲン酸塩は、アルカリ金属次亜ハロゲン酸塩およびアルカリ土類金属次亜ハロゲン酸塩からなる群より選択される。
5-O-保護D-リボフラノースオキシム(IV)は、直鎖アルドキシム形態中に存在してもよく、または直鎖アルドキシム形態と上述したフラノース形態との混合物として存在してもよい。対応するオキシムからの5-O-保護1-C-ニトロソ-β-D-リボフラノシルハライドおよび関連化合物の先行技術の合成は、2つの工程、すなわち対応するオキシミノラクトンへの酸化工程(例えば、過ヨウ素酸塩を使用)およびニトロソリボフラノシルハライドへの酸化ハロゲン化(例えば、tert-ブチル次亜塩素酸塩を使用)を含む一方、変換が、酸化剤およびハロゲン化剤としての役割を有する2当量の安価なアルカリまたはアルカリ土類金属次亜ハロゲン酸塩を使用して、1つのプロセス工程で達成され得ることが見出された
最も好ましくは、変換は、次亜ハロゲン酸塩として次亜塩素酸ナトリウムを用いて行われる。
他の好ましい実施形態において、以下の式で表される5-O-保護D-リボノラクトンは、
Figure 2013503207
式中、PG2およびPG3は上記で定義した通りである
式IIIの中間体の加水分解において形成され、回収され、例えば、それを対応する保護されたD-リボフラノースに還元し、その後、ヒドロキシルアミンと反応させて式IVの対応するオキシムを得、それを上述したような次亜ハロゲン酸塩と反応させることにより、オキシミノラクトンを介して式IIの保護された1-C-ニトロソ-β-D-リボフラノシルハライドに再変換される。このリサイクル方法が使用される場合、キラル補助剤の消費が最小化され、理論的に、シクロペンタジエン、ヒドロキシルアミン、次亜塩素酸ナトリウム、ラクトンの還元のための適切な還元剤、およびアミノ保護基PG1の源のみが、理論量で要求される。
以下の式で表される保護された(1S,4R)-3-(1-C-ハロ-α-D-リボフラノシル)-2-オキサ-3-アザビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エンは、新規であり、本発明の目的でもある:
Figure 2013503207
式中、X、PG2およびPG3は上記で定義した通りである。
式IIIの(1S,4R)-3-(1-C-ハロ-α-D-リボフラノシル)-2-オキサ-3-アザビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エンの好ましい実施形態において、Xは塩素である。
式IIIの(1S,4R)-3-(1-C-ハロ-α-D-リボフラノシル)-2-オキサ-3-アザビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エンの他の好ましい実施形態において、PG2はトリフェニルメチル基である。
式IIIの(1S,4R)-3-(1-C-ハロ-α-D-リボフラノシル)-2-オキサ-3-アザビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エンのさらに他の好ましい実施形態において、PG3はイソプロピリデン基である。
本発明の方法によると、所望の鏡像異性的に濃縮された (1S,4R)-2-オキサ-3-アザビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン(I)を、80%以上、好ましくは90%以上および特に好ましくは95%以上の鏡像体過剰率(ee)で得られる。
以下の非限定的な例により、本発明の方法および新規中間体の調製について説明する。
実施例1
2,3-O-イソプロピリデン-D-リボフラノース
濃硫酸 (0.3 mL) を、アセトン (125 mL) 中のD-リボース (12.5 g, 83 mmol) の懸濁液に添加した。反応混合物を室温で90分間撹拌し、透明の水溶液を得、その後それを飽和炭酸ナトリウム水で中和した。混合物をセライト(登録商標)を通して濾過し、真空中で濃縮した。
収量:15.7 g (≒100%)。
実施例2
2,3-O-イソプロピリデン-5-O-トリチル-D-リボフラノース
2,3-O-イソプロピリデン-D-リボフラノース (15.7 g, 83.1 mmol) を、ピリジン (100 mL) 中に溶解し、トリチルクロリド (27.8 g, 0.1 mol) を加えた。混合物を室温で24時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、シリカゲルおよび溶離液としてのヘキサン/酢酸エチル (v:v = 4:1) を用いたカラムクロマトグラフィーにより、残留物を精製した。
収量: 32.3 g (90%)。
実施例3
2,3-O-イソプロピリデン-5-O-トリチル-D-リボフラノース
2,3-O-イソプロピリデン-D-リボフラノース (20 g, 105.2 mmol) を、0℃でジクロロメタン (200 mL) に溶解した。トリエチルアミン (10.9 g, 107.5 mmol) および触媒量のピリジンを反応混合物に加え、その後トリチルクロリド (27.8 g, 0.1 mol) を加えた。混合物を0℃で3時間撹拌し、さらに室温で12時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水 (80 mL) を反応混合物に加え、相を分離した。無水硫酸ナトリウムで有機相を乾燥し、濾過し、溶媒を真空中で除去した。粗生成物は、さらに精製することなく次のステップに使用した。
収量:38.5 g (85%)。
実施例4
2,3-O-イソプロピリデン-5-O-トリチル-D-リボフラノースオキシム (IV; PG2 = トリチル, PG3 = =C(CH3)2)
ヒドロキシルアミン塩酸塩 (58 g, 0.83 mol) を、ピリジン (200 mL) 中の2,3-O-イソプロピリデン-5-O-トリチル-D-リボフラノース (30 g, 0.69 mol) の溶液に加えた。混合物を室温で3時間撹拌し、その後、水 (250 mL) およびジクロロメタン (250 mL) を加え、相を分離した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させた。残留物を、シリカゲルおよび溶離液としてのヘキサン/酢酸エチル (v:v = 7:3) を使用したカラムクロマトグラフィーにより精製した。
収量:25.5 g (82%)。
実施例5
2,3-O-イソプロピリデン-5-O-トリチル-D-リボフラノースオキシム (IV; PG2 = トリチル, PG3 = =C(CH3)2)
エタノール (150 mL) 中のヒドロキシルアミン塩酸塩 (10.9 g, 0.16 mol)に、炭酸水素ナトリウム (13.11 g, 0.16 mol) を加えた。二酸化炭素の発生が終わるまで、反応混合物を室温で撹拌した。その後、エタノール (50 mL) 中に溶解した2,3-O-イソプロピリデン-5-O-トリチル-D-リボフラノース (15 g, 0.34 mol) を加え、撹拌を2時間続けた。その後、シリカの断片を通して反応混合物を濾過し、酢酸エチル (200 mL) および水 (200 mL) を加えた。無水硫酸ナトリウムで有機相を乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させた。粗生成物は、さらに精製することなく次のステップで使用した。
収量:13.4 g (86%)。
実施例6
2,3-O-イソプロピリデン-1-C-ニトロソ-5-O-トリチル-β-D-リボフラノシルクロリド (II, X = Cl, PG2 = トリフェニルメチル, PG3 = =C(CH3)2)
次亜塩素酸ナトリウム (5 wt.% 水溶液, 140 mL, 0.92 mol) を、0℃で撹拌しながら、ジクロロメタン (150 mL) 中の2,3-O-イソプロピリデン-5-O-トリチル-D-リボフラノースオキシム (25.5 g, 0.57 mol) の溶液に滴下した。0℃で30分後、反応混合物を室温まで温め、さらに30分間撹拌した。水 (50 mL) を加え、相を分離した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。溶媒を蒸発させることにより、生成物を単離した。
収量:25 g (88%)。
実施例7
(1S,4R)-3-ベンジルオキシカルボニル-2-オキサ-3-アザビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン (I, PG1 = -COOCH2C6H5)
2,3-O-イソプロピリデン-1-C-ニトロソ-5-O-トリチル-β-D-リボフラノシルクロリド (1 g, 1.96 mmol) をトルエンまたはジクロロメタン (10 mL) 中に溶解した。溶液を-78℃に冷却し、シクロペンタジエン (1 g, 14.6 mmol) を、撹拌しながら30分以内に加えた。反応混合物を-78℃で1時間撹拌し、0℃に温めた。水 (25 mL) を0℃で加え、相を分離した。メチルtert-ブチルエーテル (5 mL)、ベンジルクロロホルメート (350 mg, 2.0 mmol) および水酸化ナトリウム (25 wt.% 水溶液, 800 mg, 5 mmol) を加え、得られる混合物を室温で30分間撹拌した。相を分離し、有機相をブライン (5 mL) で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。溶媒を蒸発させることにより、生成物を単離した。
収率:89%
ee: 96%。
シクロペンタジエンとの反応を-20℃および0℃で繰り返した場合、生成物のeeは、それぞれ88%および82%であった。

Claims (15)

  1. 以下の式の鏡像異性的に濃縮された(1S,4R)-2-オキサ-3-アザビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エンの調製方法であって、
    Figure 2013503207
    式中、PG1はアミノ保護基である;
    以下の工程を含む方法:
    (i)以下の式の保護された1-C-ニトロソ-β-D-リボフラノシルハライドを、シクロペンタジエンと反応させ、
    Figure 2013503207
    式中、
    Xは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選択されるハロゲン原子であり;
    PG2は、ヒドロキシル保護基であり;
    PG3は、1,2-ジオール保護基である;
    以下の式の(1S,4R)-3-(1-C-ハロ-α-D-リボフラノシル)-2-オキサ-3-アザビシクロ[2.2.1]へプト-5-エンを得る工程と;
    Figure 2013503207
    式中、X、PG2およびPG3は、上記で定義した通りである;
    (ii)工程(i)で得られた化合物を加水分解し、遊離(1S,4R)-2-オキサ-3-アザビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン (I; PG1 = H) または対応するヒドロハライドおよび対応する5-O-保護D-リボノラクトンを得る工程と;
    (iii)アミノ保護基PG1を導入する工程。
  2. 請求項1の方法であって、前記アミノ保護基PG1は、ベンジルオキシカルボニル基であり、(1S,4R)-2-オキサ-3-アザビシクロ[2.2.1]へプト-5-エンをベンジルクロロホルメートと反応させることにより導入される方法。
  3. 請求項1または2の方法であって、Xは塩素である方法。
  4. 請求項1〜4のいずれかの方法であって、前記1,2-ジオール保護基PG3は、イソプロピリデン基である方法。
  5. 請求項1〜5のいずれかの方法であって、前記工程(i)〜(iii)は、式IIIの中間体または遊離(1S,4R)-2-オキサ-3-アザビシクロ[2.2.1]へプト-5-エン (I; PG1 = H) もしくはそのヒドロハライドを単離することなく行われる方法。
  6. 請求項1〜6のいずれかの方法であって、前記式IIの保護された1-C-ニトロソ-β-D-リボフラノシルハライドは、以下の式の対応する保護されたD-リボフラノースオキシムを、
    Figure 2013503207
    式中、PG2はヒドロキシル保護基であり、PG3は1,2-ジオール保護基である;
    2当量の以下の式の次亜ハロゲン酸塩と反応させることにより調製される方法:
    Figure 2013503207
    式中、Xは、塩素、臭素またはヨウ素であり、nは1または2であり、Mはアルカリ金属およびアルカリ土類金属からなる群より選択される。
  7. 以下の式の保護された1-C-ニトロソ-β-D-リボフラノシルハライドの調製方法であって、
    Figure 2013503207
    式中、Xは、塩素、臭素およびヨウ素から選択されるハロゲン原子であり、PG2はヒドロキシル保護基であり、PG3は1,2-ジオール保護基である;
    以下の式の保護されたD-リボフラノースオキシムを、
    Figure 2013503207
    式中、PG2およびPG3は、上記で定義した通りである;
    2当量の以下の式の次亜ハロゲン酸塩と反応させる方法:
    Figure 2013503207
    式中、Xは上記で定義した通りであり、nは1または2であり、Mはアルカリ金属およびアルカリ土類金属からなる群より選択される。
  8. 請求項6または7の方法であって、次亜ハロゲン酸塩は次亜塩素酸ナトリウムである方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかの方法であって、工程(ii)で得られる前記保護されたD-リボノラクトンは、回収され、保護された1-C-ニトロソ-β-D-リボフラノシルハライド(II)に再変換される方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかの方法であって、前記ヒドロキシル保護基PG2は、任意に置換されたトリフェニルメチル基である方法。
  11. 請求項1〜10のいずれかの方法であって、前記1,2-ジオール保護基PG3はイソプロピリデン基である方法。
  12. 以下の式の (1S,4R)-3-(1-C-ハロ-α-D-リボフラノシル)-2-オキサ-3-アザビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン:
    Figure 2013503207
    式中、
    Xは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選択されるハロゲン原子であり;
    PG2は、ヒドロキシル保護基であり;
    PG3は、1,2-ジオール保護基である。
  13. Xが塩素である、請求項12の(1S,4R)-3-(1-C-ハロ-α-D-リボフラノシル)-2-オキサ-3-アザビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン。
  14. PG2がトリフェニルメチル基である、請求項12または13の(1S,4R)-3-(1-C-ハロ-α-D-リボフラノシル)-2-オキサ-3-アザビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン。
  15. PG3がイソプロピリデン基である、請求項12〜14のいずれかの(1S,4R)-3-(1-C-ハロ-α-D-リボフラノシル)-2-オキサ-3-アザビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン。
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