JP2013501705A - 多層被覆系を有する光ファイバ - Google Patents

多層被覆系を有する光ファイバ Download PDF

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Abstract

発明はガラスファイバ及びガラスファイバを封入する3層以上の被覆を有する光ファイバに関し、3層以上の被覆は、ガラスファイバに接している一次被覆、一次被覆を囲む1層以上の中間被覆及び中間被覆を囲む二次被覆を含む。3層被覆系及び4層被覆系のいずれも改善されたマイクロベンディング性能を与えることが説明される。

Description

関連出願の説明
本出願は、2009年8月12日に出願された、名称を「多層被覆系を有する光ファイバ(Optical Fiber Containing Multi-Layered Coating System)」とする、米国仮特許出願第61/233273号の恩典を特許出願し、その優先権を主張する。この特許出願の明細書の内容はその全体が本明細書に参照として含まれる。
本発明は全般的に、光ファイバ被覆系、被覆系を有する光ファイバ、及びその作製方法に関する。
光ファイバは一般にガラスコア及び少なくとも2層の被覆、例えば、一次(または内層)被覆及び二次(または外層)被覆、を有する。一次被覆はガラスファイバに直接施され、硬化されると、ガラスファイバを封入する、軟らかく、弾力があり、しなやかな材料を形成する。一次被覆は、ガラスファイバが曲げられるか、編組されるかまたはスプールに巻き取られたときに、ガラスファイバコアを緩衝及び保護するためのバッファとしてはたらくだけでなく、故障の元になる、亀裂の成長の促進及び静的疲れの増大をおこし得る、水の吸収からのガラス表面の防護も行う。二次被覆は一次被覆の上に重ねて施され、処理及び使用中のガラスファイバへの損傷を防ぐ、強靱な保護外層として機能する。
いくつかの特徴が二次被覆に望ましい。硬化前は、二次被覆組成物は適する粘度を有するべきであり、光ファイバの処理を可能にするために迅速に硬化できるべきである。硬化後は、二次被覆は以下の特徴:封入ガラスファイバを保護するに十分な剛性と同時にハンドリングに十分な可撓性(例えば弾性率)、低水吸収、光ファイバのハンドリングを可能にする低粘着性、耐化学薬品性及び一次被覆への十分な密着性、を有するべきである。
いくつかの特徴が一次被覆に望ましい。硬化前は、一次被覆組成物も適する粘度を有するべきであり、光ファイバの処理を可能にするために迅速に硬化できるべきである。硬化後は、一次被覆は、マイクロベンディングを誘起することができ、したがって信号伝送効率を低下させ得る、ファイバにかかる応力を容易に解放することによってファイバを緩衝及び保護するに十分に低い弾性率を有していなければならない。この緩衝効果はファイバの寿命にわたって維持されなければならない。一次被覆と二次被覆の間で熱膨張特性が異なるため、一次被覆は予測し得る最低使用温度より低いガラス転移温度(T)も有していなければならず、これにより、一次被覆が使用温度範囲にわたって弾力性を維持することが可能になる。最後に、一次被覆は、良好なガラス密着性を有し、同時に、残渣を僅かにしか(好ましくは全く)残さずに妥当な力で個々のファイバから、またはリボンから、機械的に除去可能であることが重要である。
上記の要件は被覆に、特に一次被覆に、相反する制約を課す。例えば、一次被覆が軟らかく、厚い場合に、リボン可剥性能及び一次被覆への機械的損傷は悪化するが、同じ条件の下で耐マイクロベンディング性は向上する。被覆が非常に軟らかい場合には、静的疲れに対する保護も一般に悪化する。
これまで、製造業者等はこれらの特性の間の折衷である被覆しか提供してこなかった。高密度であるかまたは非常に小さいケーブルにおけるファイバのための、耐マイクロベンディング性がさらに高い被覆への要求に応えて、市販の被覆は10年前の被覆より軟らかくなっているが、この間、ファイバ被覆の基本2層構造は変わっていない。しかし、ケーブル製造業者はさらなる向上を要求し続けており、2層複合構造はもはや十分ではあり得ない。したがって、従来の2層被覆系で達成される性能より優れて、耐マイクロベンディング性能を向上させ、疲労による故障率を改善し、同時に被覆可剥性能も維持するかまたは向上させる、光ファイバ被覆系を開発することが望ましいであろう。
本発明は、従来技術のこれらの欠点を克服することに関する。
本発明の第1の態様は、ガラスファイバ及びガラスファイバを封入する3層以上の被覆を有する光ファイバに関し、3層以上の被覆は、ガラスファイバに接している一次被覆、一次被覆を囲む1層以上の中間被覆、及び1層以上の中間被覆を囲む外層被覆を含む。本発明の光ファイバは約300μmより小さい外層被覆直径(または断面寸法)を有することが好ましい。
好ましい実施形態の1つにしたがえば、一次被覆は、約0.025〜約3MPa,さらに好ましくは約0.05〜約3MPaのヤング率及び/または約−100℃〜約−25℃のTを有し、中間被覆は、一次被覆のヤング率と実施的に同じであるか、またはさらに低い、ヤング率及び一次被覆のTと実質的に同じであるか、またはさらに、低いTのいずれかをまたはいずれをも有する。
別の好ましい実施形態にしたがえば、光ファイバは、ガラスファイバを封入する、少なくとも4層の被覆を有し、少なくとも4層の被覆は、ガラスファイバに接している一次被覆、一次被覆を囲む第1中間被覆、第1中間被覆を囲む第2中間被覆、及び第2中間被覆を囲む外層被覆を含む。第1中間被覆は一次被覆のヤング率より高いヤング率及び一次被覆のガラス転移温度(T)より高いTのいずれかをまたはいずれをも有し、第2中間被覆は第1中間被覆のヤング率より低いヤング率及び第1の中間被覆のTより低いTのいずれかをまたはいずれをも有し、外層被覆は第2中間被覆のヤング率より高いヤング率及び第2の中間被覆のTより高いTのいずれかをまたはいずれをも有する。本発明の光ファイバは約300μmより小さい外層被覆直径(または断面寸法)を有することが好ましい。
本明細書に用いられるように、硬化した一次被覆材料または第2中間被覆材料のヤング率は、スティーマン(Steeman)等,「光ファイバ要素のその場一次被覆弾性率試験の機械的解析(Mechanical Analysis of the in-situ Primary Coating Modulus Test for Optical Fibers)」,Proc. of the 52nd International Wire and Cable Symposium (IWC的), 2003年11月10〜13日,米国フィラデルフィア,p.41に説明されているような、引抜型その場弾性率試験を用いて測定される。硬化した第1中間被覆材料または外層被覆材料の弾性率は、1Hzの周波数における動的機械的解析または一次/二次複合被覆の(ガラスファイバから複合材を剥ぎ取った後の)3点曲げを用いて決定することができる。二次被覆の弾性率は一次被覆の弾性率よりおよそ3桁高いから、一次被覆の寄与は無視することができる。「実質的に同じ」は、硬化品のヤング値が、同等の高分子材料の硬化品のヤング率値より、約20%高い値より大きくはないかまたは約20%低い値より小さくはないか、さらに好ましくは約17.5%高い値より大きくはないかまたは約17.5低い値より小さくはないか、最も好ましくは約15%高い値より大きくはないかまたは約15%低い値より小さくはないことを意味する。
本明細書に用いられるように、被覆材料のガラス転移温度(T)は、その熱膨張係数が急激に変化する(すなわち、温度の関数としての損失正接(tanδ)が最大になる)温度点を指す。Tより低い温度で材料は脆く、Tより高い温度で材料は可撓性である。Tは、1Hzの周波数における動的機械解析によって決定することができる。「実質的に同じ」は、Tが、同等の高分子材料のT測定値より、約10℃高い温度より高くないかまたは約10℃低い温度より低くはないか、さらに好ましくは約5℃高い温度より高くないかまたは約5℃低い温度より低くはないか、最も好ましくは約2℃高い温度より高くないかまたは約2℃低い温度より低くはないことを意味する。
本発明の第2の態様は本発明の第1の態様にしたがう複数本の光ファイバ及び複数本の光ファイバを封入しているマトリックス材料を有する、光ファイバリボンまたは光ファイバ束に関する。
本発明の第3の態様は本発明の第1の態様にしたがう光ファイバあるいは本発明の第2の態様にしたがう光ファイバリボンまたは光ファイバ束を備える遠距離通信システムに関する。
本発明の第4の態様は本発明の第1の態様にしたがう光ファイバの作製方法に関する。本方法は、3つ以上の重合可能な組成物で光ファイバを被覆する工程、及び3つ以上の重合可能な組成物を重合させ、よってガラスファイバを封入する3層以上の被覆を形成し、よって光ファイバを作製する工程を含む。
本発明にしたがう光ファイバ被覆の構成により、多くの利点が得られる。重要な利点の1つは、それぞれの特性を制御するために高価な添加剤を、または主要な成分さえ、含むことが多い、最内層(一次)被覆及び最外層(二次)被覆をファイバの単位長当たりのそのような添加剤/成分の消費量を減じるように調節し得ることである。例えば、最内層被覆の寸法を制御することによってファイバの単位長当たりに用いられるガラス定着剤及び界面活性剤の量を低減することができ、最外層被覆の寸法を制御することによってファイバの単位長当たりの、粘着付与剤、滑剤、スリップ剤、ワックス及び、光子捕獲効率を向上させる、添加剤(蛍光剤)の量を低減することができる。さらに、中間被覆の1つ以上における、より少ないオリゴマーまたは光重合開始剤の使用も、ファイバの単位長当たりのオリゴマーまたは光重合開始剤の総含有量を低減させるはずである。最後に、本発明のいくつかの実施形態において、3層以上の被覆は、今日入手できる市販ファイバに利用できる被覆系に比較して減じられた総厚を有することができる。これらの変化の全てが、かなりのコスト削減を可能にするはずである。例として、定着剤は高価であることが多い−被覆コストに20%も多く付加する−が、被覆のバルク特性にはほとんど益を提供しない。したがって、一次被覆の寸法を減じることによって、定着剤の全コストを被覆の総コストの、10%未満に、さらに一層好ましくは5%未満に、低減することができる。
別の重要な利点は、最内層(一次)被覆及び最外層被覆の特性を、従来の2層構成において生じるであろうような、これらの被覆間の望ましくない相互作用による干渉無しにそれぞれの機能について向上させ得ることである。例えば、2層構成において、二次被覆の弾性率及びTは、ガラスから一次被覆を引き離し得るであろうから、制限を受ける(アロイシオ(Aloisio)等,「モデル被覆材料を用いる光ファイバ被覆離層(Optical Fiber Coating Delamination Using Model Coating Materials)」,Proc. of the 51st International Wire and Cable Symposium,2002年,p.738〜747;アロイシオ等,「2層被覆光ファイバにおける熱誘起残留応力の粘弾性解析(A Viscoelastic Analysis of Thermally Induced Residual Stresses in Dual Coated Optical Fibers)」,Proceedings 44th International Wire and Cable Symposium,1995年,p.139〜145。これらの文献のそれぞれはそれぞれの全体が本明細書に参照として含まれる)。しかし、本発明の多層構造においては、これらの2つの被覆がもはや直に接していないから、それぞれの特性の選択におけるフレキシビリティが高くなる。この結果、弾性率がかなり高い外層被覆を採用することができる。最後に、4層(以上の)構成に関して、弾性率及びTが比較的高い第1の中間被覆の存在により、外層二次被覆が損傷を受けた場合にも、ファイバに対してある程度の保護が提供される。
本発明のさらなる特徴及び利点は以下の詳細な説明に述べられ、ある程度は、当業者にはその説明から容易に明らかであろうし、以下の詳細な説明及び添付される特許請求の範囲を含み、添付図面も含む、本明細書に説明されるように実施することによって認められるであろう。
上記の全般的説明及び以下の詳細な説明がいずれも本発明の例示に過ぎず、特許請求されるような本発明の本質及び特質の理解のための概要または枠組みの提供が目的とされていることは当然である。添付図面は本発明のさらに深い理解を提供するために含められ、本明細書に組み入れられて本明細書の一部をなす。図面は本発明の様々な実施形態を示し、記述とともに、本発明の原理及び動作の説明に役立つ。
図1は本発明の第1の実施形態にしたがう光ファイバ上の4層被覆の断面図である。 図2は本発明の第2の実施形態にしたがう光ファイバ上の3層被覆の断面図である。 図3は、1本以上の本発明の光ファイバを有する、本発明の光ファイバリボンの断面図である。 図4は4層被覆系を有する光ファイバを線引き及び被覆するためのプロセスの略図である。 図5は、4層被覆系を有する光ファイバについての相対コア変位の予測値を2本の市販コンプライアント光ファイバG652についての相対コア変位の予測値に対して示す、グラフである。コア変位は4層被覆系において第2中間被覆層がコア中心から約190μmで始まるときに低減され得る。これは、第2中間層を2層被覆タイプにおける一次被覆よりかなり軟らかくし得るから、4層被覆はマイクロベンディング性能において2層被覆に優るはずであることを示す。 図6は試験ファイバ1のマイクロベンディング性能を−60〜70℃の温度サイクル中の1310nm、1550nm及び1625nmにおける減衰損失によって示すグラフである。 図7は試験ファイバ2のマイクロベンディング性能を−60〜70℃の温度サイクル中の1310nm、1550nm及び1625nmにおける減衰損失によって示すグラフである。 図8はワイアメッシュドラム試験において100g張力時に測定された減衰損失に基づくコア変位予測値を示すグラフである。変位計算値は減衰損失測定値とそれぞれの被覆層の弾性率及び厚さに基づいて推定される。
本発明はファイバを内部に封入する3層以上の被覆を有する光ファイバに関し、またそのような光ファイバの製造方法及び、光ファイバリボン/ケーブル及び遠距離通信システム内での使用にも関する。
本発明の光ファイバは内部ファイバを封入する3層以上の被覆を有する。3層以上の被覆は、ガラスファイバに接している一次被覆、1層以上の中間被覆、及び外層被覆を含む。1層以上の中間被覆が存在するため、一次被覆及び外層被覆の特性を、相互に有害な影響を与えずにそれぞれの所期の目的に対して一層良く調整することが可能になる。これらの中間被覆は、減衰損失が低い、光ファイバの改善された総合マイクロベンディング性能を与える。
初めに図1を参照すれば、本発明の一実施形態にしたがう光ファイバ10は、ファイバ12及び、ファイバ12を封入する、4層の被覆14,15,16及び18を有する。ファイバ12はガラスコアを有することが好ましい。被覆14は一次(最内層)被覆であり、上述したような一次被覆の従来の目的を満たす。被覆18は外層被覆であり、上述したような二次被覆の従来の目的を満たす。一次被覆と二次被覆の間に、第1中間被覆15及び第2中間被覆16がある。これらの被覆の作製に用いられる材料及び組成は以下で説明される。
ファイバ12は一般にガラス、主として石英ガラスで形成され、ガラスコア及び、クラッド層として知られる、ガラス被覆を有する。ガラスファイバは技術上既知の多くのプロセスにしたがって形成することができる。多くの用途において、ガラスコアとクラッド層は識別可能なコア/クラッド境界を有する。あるいは、コアとクラッド層に明確な境界がないこともある。そのようなガラスファイバの1つはステップインデックス型ファイバである。ステップインデックス型ファイバの例は、チャン(Chang)の米国特許第4300930号及び4402570号の明細書に説明されている。これらの明細書はそれぞれの全体が本明細書に含まれる。別のそのようなファイバは、屈折率がファイバ中心からの距離にしたがって変化する、グレーデッドインデックス型ファイバである。グレーデッドインデックス型ファイバは基本的に、ガラスコア及びクラッド層の相互拡散によって形成される。グレーデッドインデックス型ファイバの例は、ガリト(Garito)等の米国特許第5729645号、ジューアマン(Joormann)等の米国特許第4439008号、マーカティリ(Marcatili)等の米国特許第4176911号、及びディマルチェロ(DiMarcello)等の米国特許第4076380号の明細書に説明されている。これらの明細書はそれぞれの全体が本明細書に含まれる。ガラスファイバは重要な波長、例えば1310nmまたは1550nmにおいて、単一モードまたは多モードとすることもできる。本発明の光ファイバは、現在既知の上記または他のいずれかの従来型コア/クラッド層構成または今後開発されるコア/クラッド構成を有することができる。
本発明の光ファイバに用いられる様々な被覆は一般に、以下に注記されるような場合を除き、硬化プロセス中に架橋する。これらの被覆は、1つ以上のオリゴマーまたはポリマー、1つ以上のモノマー、(望ましければ)重合開始剤及び、必要に応じて、1つ以上の添加剤で形成することができる。
オリゴマー成分は、存在する場合、エチレン不飽和オリゴマーであることが好ましく、(メタ)アクリレートオリゴマーであることがさらに好ましい。「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートのいずれも、またこれらの組合せも、包含するとされる。そのようなオリゴマーにおける(メタ)アクリレート末端基は、既知の態様において、モノヒドロポリ(メタ)アクリレートキャッピング成分によるかまたは、2-ヒドロキシエチルアクリレートのような、モノ(メタ)アクリレートキャッピング成分によって、与えることができる。
ウレタンオリゴマーは従来、脂肪族または芳香族のジイソシアネートをジヒドロポリエーテルまたはジヒドロポリエステル、最も一般的にはポリエチレングリコールのようなポリオキシアルキレングリコールと反応させることによって得られる。そのようなオリゴマーは一般に4〜10のウレタン基を有し、高い、例えば2000〜80000の分子量を有し得る。しかし、分子量が500〜2000の範囲の、低分子量オリゴマーを用いることもできる。コーディ(Coady)等の米国特許第4608409号及びビショップ(Bishop)等の米国特許第4609718号の明細書にそのような合成が詳細に説明されている。これらの明細書のそれぞれは参照として本明細書に含まれる。
耐湿性オリゴマーの使用が望ましい場合、そのようなオリゴマーは、極性ポリエーテルグリコールまたは極性ポリエステルグリコールが避けられ、代わりに飽和優勢/非極性優勢の脂肪族ジオールが選ばれることを除いて、類似の態様で合成することができる。そのようなジオールには、例えば、炭素原子が2〜250であって、好ましくはエーテル基またはエステル基を実質的に有していない、アルケンジオールまたはアルキレンジオールがある。これらの系において得ることができるオリゴマーの粘度及び分子量の範囲はそれらの粘度及び被覆特性が実質的に不変に保たれ得るように、不飽和/極性オリゴマー系において得ることができる特性と同様である。これらの被覆の低減された酸素含有量は、被覆されているガラスファイバの表面への被覆の密着特性を受け入れ難いほど低下させないことが分かっている。
周知のように、ポリユリア成分は、合成過程において単にジアミンまたはポリアミンでジオールまたはポリオールを置換することによって、これらの方法で作製されるオリゴマーに取り入れることができる。本被覆系における小比のポリユリア成分の存在は、合成に用いられるジアミンまたはポリアミンが系の耐湿性の悪化を回避するに十分に非極性で、飽和している限り、被覆性能に有害ではないと考えられる。
適するエチレン不飽和オリゴマーには、ポリエーテルウレタンアクリレートオリゴマー(米国ペンシルバニア州ウエストチェスター(West Chester)のSartomer Company, Inc,から入手できるCN986,及び米国コネチカット州ウインステッド(Winstead)のBomar Specialty Co.から入手できるBR3731,BR3741及びSTC-149)、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートベースアクリレートオリゴマー、(メタ)アクリレート化アクリルオリゴマー、ポリエステルウレタンアクリレートオリゴマー(Sartomer Company, Inc,から入手できるCN966及びCN973,及びBomar Specialty Co.から入手できるBR7432)、ポリユリアウレタンアクリレートオリゴマー(例えば、ツィマーマン(Zimmerman)等の米国特許第4690502号及び第4798852号、ビショップの米国特許第4609718号、及びビショップ等の米国特許第4629287号の明細書に開示されているオリゴマー−これらの明細書のそれぞれはそれぞれの全体が本明細書に参照として含まれる)、ポリエーテルアクリレートオリゴマー(スイス国チューリッヒ(Zurich)のRahn AGから入手できるGenomer 3456)、エポキシアクリレートオリゴマー(Sartomer Company, Inc,から入手できるCN120,及びUCB Radcureから入手できるEbecryl 3201及び3604)、水素添加ポリブタジエンオリゴマー(米国ミズリー州ヴェルサイユ(Versailles)のEcho Resins and Laboratoryから入手できるEcho Resin MBNX)、及びこれらの組合せがある。
あるいは、オリゴマー成分には、シゼル(Schissel)等の米国特許出願公開第2007/0100039号の明細書に説明されている、非反応性オリゴマー成分を含めることができる。この明細書はその全体が本明細書に参照として含まれる。これらの非反応性オリゴマー成分は、脆くなりすぎることはない、高弾性率被覆を達成するために用いることができる。これらの非反応性オリゴマー材料は高弾性率被覆に特に好ましい。
(1つないし複数の)オリゴマー成分は一般に、重量で約0%〜約90%、さらに好ましくは重量で約25%〜約75%、最も好ましくは重量で約40%と約65%の間の量で、被覆組成物に存在する。
(1つないし複数の)被覆組成物は、オリゴマー成分の代わりとして、またはオリゴマー成分と組み合わせて、1つ以上のポリマー成分を含有することもできる。ポリマー成分の使用は、例えば、フュークス(Fewkes)等の米国特許第6869981号明細書に説明されている。この明細書はその全体が本明細書に参照として含まれる。
ポリマーは、少なくとも1つのハードブロック及び少なくとも1つのソフトブロックを含むブロックコポリマーとすることができ、ハードブロックはソフトブロックのTより高いTを有する。ソフトブロックの主鎖は脂肪族であることが好ましい。適する脂肪族主鎖には、ポリ(ブタジエン)、ポリイソプレン、ポリエチレン/ブチレン、ポリエチレン/プロピレン、及びジオールブロックがある。ブロックコポリマーの一例は、一般構造がA-Bの二ブロックコポリマーである。適するコポリマーの別の例は、一般構造がA-B-Aの三ブロックコポリマーである。中間ブロックは、少なくとも約10000より高いことが好ましく,約20000より高いことがさらに好ましく、約50000より高いことがさらに一層好ましく、約100000より高いことが最も好ましい、分子量を有する。三ブロックコポリマー(A-B-A)の場合、中間ブロック(本明細書で定められるSBSコポリマーにおけるブタジエンのような、B)は約20℃より低いTを有する。3より多くのブロックを有する多ブロックコポリマーの例には、熱可塑性ポリウレタン(TPU)がある。TPUの入手先には、BASF, B.F.Goodrich及びBayerがある。ブロックコポリマーはいかなる数の多重ブロックも有することができる。
ポリマー成分は硬化したときに化学的に架橋していることもあれば、架橋していないこともある。ポリマーは熱可塑性エラストマーポリマーであることが好ましい。ポリマー成分は、少なくとも2つの熱可塑性末端ブロック及び、合成ブロックコポリマーのような、2つの末端ブロックの間のエラストマー主鎖を有することが好ましい。適する熱可塑性末端ブロック材料にはポリスチレン及びポリメチルメタクリレートがある。好ましい中間ブロックには、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)及びエチレンプロピレンゴムがある。エラストマー中間ブロックは、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリエチレン/ブチレン、及びポリエチレン/プロピレンとすることができる。
市販スチレンブロックコポリマーには、KRATON(商標)(Kraton Polymers, 米国テキサス州オースティン(Austin)),CALPRENE(商標)(Repsol Quimics S.A. Corporation, スペイン国),SOLPRENE(商標)(Philips Petroleum Co.),STEREON(商標)(Firestone Tire & Rubber Co., 米国オハイオ州アクロン(Akron)),スチレン-ブタジエン線状ブロックコポリマーである、KRATON(商標)D1101(Kraton Polymers),スチレン-イソプレン線状ブロックコポリマーである、KRATON(商標)D1193(Kraton Polymers),約2重量%の金属無水酸化物グラフト化スチレン-エチレン-ブチレンブロックコポリマーである、KRATON(商標)FG1901X(Kraton Polymers),スチレン-イソプレン線状ブロックコポリマーである、KRATON(商標)D1107(Kraton Polymers)及び、液体イソプレンである、HARDMAN ISOLENE(商標)(Elementis Performance Polymers, 米国ニュージャージー州ベルビル(Belleville))がある。
用いられる場合、(1つないし複数の)ポリマー成分は一般に、重量で約5%〜約90%、好ましくは重量で約10%から重量で約30%まで、最も好ましくは重量で約12%から重量で約20%までの量で、被覆組成物に存在する。
1つ以上のモノマー成分はエチレン不飽和であることが好ましい。本発明にしたがって用いられるエチレン不飽和モノマーに適する官能基には、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、N-ビニルアミド、スチレン、ビニルエーテル、酸エステル及び(多官能価モノマーについて)これらの組合せがあるが、これらには限定されない。もちろん、通常は(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。
一般に、分子量が低い(すなわち、約120〜600の)液体(メタ)アクリレート機能性モノマーが、通常の液体コーティング装置で被覆組成物を塗布するために必要な流動性を与えるために、配合物に加えられる。これらの系における代表的なアクリレート機能性液体には、一官能価アクリレート及び多官能価アクリレート(すなわち2つ以上の官能基を有するモノマー)がある。そのような多官能価アクリレートの例は、2つの官能基を有するに官能価アクリレート、3つの官能基を有する三官能価アクリレート、及び4つの官能基を有する四官能価アクリレートである。一官能価メタクリレート及び多官能価メタクリレートを一緒に用いることができる。
耐湿性成分の利用が望ましい場合、モノマー成分は選ばれた耐湿性オリゴマーとの互換性に基づいて選ばれることになろう。そのようなオリゴマーは非極性が強いから、そのような液体ポリマーの全てが耐湿性オリゴマーと交合されて共重合化され得るとは限らない。満足できる被覆互換性及び耐湿性には、飽和優勢の脂肪族のモノアクリレートモノマーまたはジアクリレートモノマーまたはアルコキシアクリレートモノマーを含む液体アクリレートモノマー成分の使用が望ましい。
適する多官能価エチレン不飽和モノマーには、エトキシル化度が2ないしさらに高く、好ましくは2〜約30の範囲の、エトキル化ビスフェノールAジアクリレート(Sartomer Company, Inc,から入手できるSR349及びSR601, 及び米国ペンシルバニア州アンブラー(Ambler)のCognis Corp.から入手できるPhotomer 4025及びPhotomer 4028)及び、プロポキシル化度が2ないしさらに高く、好ましくは2〜約30の範囲の、プロポキシル化ビスフェノールAジアクリレートのような、アルコキシル化ビスフェノールAジアクリレート;エトキシル化度が3ないしさらに高く、好ましくは3〜約30の範囲の、エトキシル化トリメチロールプロパンポリアクリレート(Cognis Corp.から入手できるPhotomer 4149, 及びSartomer Company, Inc,から入手できるSR499)、プロポキシル化度が3ないしさらに高く、好ましくは3〜約30の範囲の、プロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート(Cognis Corp.から入手できるPhotomer 4072, 及びSartomer Company, Inc,から入手できるSR492)及びジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(Cognis Corp.から入手できるPhotomer 4355)のような、アルコキシル化されているかされていないメチロールプロパンポリアクリレート;プロポキシル化度が3ないしさらに高いプロポキシル化グリセリルトリアクリレート(Cognis Corp.から入手できるPhotomer 4096, 及びSartomer Company, Inc,から入手できるSR9020)のような、アルコキシル化グリセリルトリアクリレート;ペンタエリトリトールテトラアクリレート(Sartomer Company, Inc,から入手できるSR295)、エトキシル化ペンタエリトリトールテトラアクリレート(Sartomer Company, Inc,から入手できるSR494)及びジペンタエリトリトールペンタアクリレート(Cognis Corp.から入手できるPhotomer 4399, 及びSartomer Company, Inc,から入手できるSR399)のような、アルコキシル化されているかされていないエリトリトールポリアクリレート;トリス-(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート(Sartomer Company, Inc,から入手できるSR368)及びトリス-(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジアクリレートのような、適切な感応性イソシアヌレートのアクリル酸または塩化アクリロイルとの反応によって形成されたイソシアヌレートポリアクリレート;トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(Sartomer Company, Inc,から入手できるCD406)及び、エトキシル化度が2ないしさらに高い、好ましくは約2〜30の範囲の、エトキシル化ポリエチレングリコールジアクリレートのような、アルコキシル化されているかされていないアルコールポリアクリレート;ビスフェノールAジグリシジルエーテル等にアクリレートを加えることで形成されたエポキシアクリレート(Cognis Corp.から入手できるPhotomer 3016);及び、ジシクロペンタジエンジアクリレートのような、単環状または多環状の芳香族または非芳香族のポリアクリレートがあるが、これらには限定されない。
硬化品の吸水度、他の被覆材料への密着度または応力下での挙動に影響を与えるために導入することができる、一官能価エチレン不飽和モノマーのいくらかの量を用いることも望ましいことがあり得る。一官能価エチレン不飽和モノマーの例には、2-ヒドロキシエチル−アクリレート、2-ヒドロキシプロピル-アクリレート及び2-ヒドロキシブチル-アクリレートのような、ヒドロキシアルキルアクリレート;メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アミルアクリレート、イソブチルアクリレート、t-ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、イソアミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレート、オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート(Sartomer Company, Inc,から入手できるSR440、及び米国ニュージャージー州オールドブリッジ(Old Bridge)のCPS Chemical Co.から入手できるAgeflex FA8)、2-エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、イソデシルアクリレート(Sartomer Company, Inc,から入手できるSR395、及びCPS Chemical Co.から入手できるAgeflex FA10)、ウンデシルアクリレート、ドデシルアクリレート、トリデシルアクリレート(Sartomer Company, Inc,から入手できるSR489)、ラウリルアクリレート(Sartomer Company, Inc,から入手できるSR335、CPS Chemical Co.から入手できるAgeflex FA12、及びCognis Corp.から入手できるPhotomer 4812)、オクタデシルアクリレート、及びステアリルアクリレート(Sartomer Company, Inc,から入手できるSR257)のような、長鎖及び短鎖アルキルアクリレート;ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート及び7-アミノ-3,7-ジメチルオクチルアクリレートのような、アミノアルキルアクリレート;ブトキシルエチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート(Sartomer Company, Inc,から入手できるSR339、CPS Chemical
Co.から入手できるAgeflex PEA、及びCognis Corp.から入手できるPhotomer 4035)、フェノキシグリシジルアクリレート(Sartomer Company, Inc,から入手できるCN131)、ラウリルオキシグリシジルアクリレート(Sartomer Company, Inc,から入手できるCN130)及びエトキシエトキシエチルアクリレート(Sartomer Company, Inc,から入手できるSR256)のような、アルコキシアルキルアクリレート;シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジシクロペンタジエンアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、ボルニルアクリレート、イソボルニルアクリレート(Sartomer Company, Inc,から入手できるSR423及びSR506、及びCPS Chemical Co.から入手できるAgeflex IBOA)、テトラヒドロフルフリルアクリレート(Sartomer Company, Inc,から入手できるSR285)、カプロラクトンアクリレート(Sartomer Company, Inc,から入手できるSR495、及び米国コネチカット州ダンベリー(Dunbury)のUnion Carbide Companyから入手できるTone M100)及びアクリロイルモルホリンのような、単環状及び多環状の芳香族アクリレートまたは非芳香族アクリレート;ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、メトキシポリプロピレングリコールノアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレートのような、アルコールベースアクリレート、及び、エトキシル化(4)ノニルフェノールアクリレート(Cognis Corp.から入手できるPhotomer 4003、及びSartomer Company, Inc,から入手できるSR504)及びプロポキシル化ノニルフェノールアクリレート(Cognis Corp.から入手できるPhotomer 4960)のような、様々なアルコキシル化アルキルフェノールアクリレート;ジアセトンアクリルアミド、イソブトキシメチルアクリルアミド、N,N'-ジメチル-アミノプロピルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド及びt-オクチルアクリルアミドのような、アクリルアミド;(いずれも米国ニュージャージー州ウエイン(Wayne)のInternational Specialty Productsから入手できる)N-ビニルピロリドン及びN-ビニルカプロラクタムのような、ビニル化合物;及び、マレイン酸エステル及びフマル酸エステルのような、酸エステルがあるが、これらには限定されない。
モノマー成分は一般に、重量で10%〜約90%、さらに好ましくは重量で約20%〜約60%の間、最も好ましくは重量で約25%〜約50%の間の量で、被覆組成物内に存在する。
周知のように、光ファイバ被覆組成物は、ガラスファイバへの塗布後に組成物の重合化(すなわち硬化)をおこさせるに適する、重合開始剤も含有することができる。本発明の一次被覆組成物における使用に適する重合開始剤には、熱重合開始剤、化学的重合開始剤、電子ビーム重合開始剤及び光重合開始剤がある。光重合開始剤が特に好ましい。ほとんどのアクリレートベース被覆配合物に対しては、既知のケトン光重合開始剤及び/または酸化リン光重合開始剤のような、従来の光重合開始剤が好ましい。本発明の組成物に用いられる場合、光重合開始剤は急速紫外線硬化が得られるに十分な量で存在する。一般に、十分な量とは、重量で約0.5%〜約10.0%、さらに好ましくは重量で約1.5%と約7.5%の間を含む。程度が低い硬化が望ましいか、あるいは硬化が必要ではない場合、特定の組成物に用いられる光重合開始剤の量は、重量で0.5%より少なくするかまたは完全に省くことができる。
光重合開始剤は、小量ではあるが光硬化を促進するに有効な量で用いられる場合、被覆組成物の早期ゲル化をおこさせずに妥当な硬化速度を与えるべきである。望ましい硬化速度は、被覆材料の実質的硬化をおこさせるに十分ないずれかの速度である。照射線量対弾性率曲線で測定すると、約25〜30μmの塗布厚に対する硬化速度は、例えば1.0J/cm未満、好ましくは0.5J/cm未満である。
適する光重合開始剤には、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(米国ニューヨーク州ホーソーン(Hawthorne)のChiba Specialty Chemicalから入手できるIrgacure 184)、(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルフェニル-酸化リン(Chiba Specialty Chemicalから市販されるブレンドIrgacure 1800, 1850及び1700)、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン(Chiba Specialty Chemicalから入手できるIrgacure 651)、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニル-酸化リン(Chiba Specialty Chemicalから入手できるIrgacure 819)、(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ジフェニル-酸化リン(独国ミュンヘン(Munich)のBASFから入手できるLUCIRIN TPO)、(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニル-酸化リン(BASFから入手できるLYCILIN TPO-L)、及びこれらの組合せがある。
被覆組成物は必要に応じて1つ以上の添加剤をさらに含有することができる。これらの添加剤には、触媒、キャリア界面活性剤、粘着付与剤、定着剤、酸化防止剤、安定剤、反応性希釈剤、滑剤、蛍光剤及び低分子量非架橋樹脂があるが、これらには限定されない。いくつかの添加剤、例えば、触媒、反応性界面活性剤及び蛍光剤は、重合過程を制御し、よって被覆組成物から形成された重合品の物理特性(例えば、弾性率、ガラス転移温度)に影響を与えるためにはたらくことができる。他の添加剤は被覆組成物の重合品の結合性(例えば解重合または酸化崩壊に対する防護)に影響を与えることができる。
触媒の例は、いくつかのオリゴマー成分におけるウレタン結合の形成を触媒するために用いられる、スズ触媒である。触媒がオリゴマー成分の添加剤として残るか、追加の量の触媒が本発明の組成物に取り入れられるかにかかわらず、触媒の存在は組成物内のオリゴマー成分を安定化させるためにはたらくことができる。
適するキャリア、さらに詳しくは反応性界面活性剤として機能するキャリアには、ポリアルコキシポリシロキサンがある。好ましいキャリアは、TEGORAD 2200及びTEGORAD 2700(アクリル化シロキサン)の商品名で(米国バーモント州ホープウエル(Hopewell)の)Goldschmidt Chemical Co.から入手できる。これらの反応性界面活性剤は、好ましくは約0.01pph〜約10pphの間、さらに好ましくは約0.05pph〜約5pphの間、最も好ましくは約0.1pph〜約2.5pphの間の量で存在することができる。
適するキャリアの別の部類はポリオール及び非反応性界面活性剤である。適するポリオール及び非反応性界面活性剤の例には、(米国ペンシルバニア州ニュータウンスクエア(Newtowne Square))の(以前はArco Chemicalとして知られていた)Lyondelから入手できるポリオール,Aclaim 3201(エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体)及びGoldschmidt Chemical Co.から入手できる非反応性界面活性剤,Tegoglide 435(ポリアルコキシ−ポリシロキサン)がある。ポリオールまたは非反応性界面活性剤は、好ましくは約0.01pph〜約10pphの間、さらに好ましくは約0.05pph〜約5pphの間、最も好ましくは約0.1pph〜約2.5pphの間の量で存在することができる。
適するキャリアは両親媒性分子とすることもできる。両親媒性分子は親水性セグメントと疎水性セグメントのいずれも有する。疎水性セグメントは代わりに親油性(脂肪/油嗜好性)セグメントと称することができる。粘着付与剤はそのような両親媒性分子の一例である。粘着付与剤はポリマー品の有効期間限定流動学的性質を改変することができる分子である。一般に、粘着付与添加剤は、歪速度が高くなるほどまたは剪断速度が高くなるほどポリマー品を硬質にし、歪速度が低いかまたは剪断速度が低いとポリマー品を軟質にするであろう。粘着付与剤は接着剤工業で普通に用いられている添加剤であり、被覆の、被覆がその上に施される物体の結合を形成できる能力を強めることで知られている。
好ましい粘着付与剤は米国ニューヨーク州パーチェイス(Purchase)のInternational Paper Co.から入手できるUni-tac(登録商標)R-40(以降‘R-40’と称する)である。R-40は、ポリエーテルセグメントを有する、タル油ロジンであり、アビエチン酸エステルの化学的同族体から得られる。粘着付与剤は、好ましくは約0.01pph〜約10pphの間、さらに好ましくは約0.05pph〜約5pphの間の量で組成物内に存在する。適する代替粘着付与剤は、Exxonから入手できるEscorezファミリーの炭化水素粘着付与剤である。Escorez粘着付与剤に関するさらなる情報については、マオ(Mao)の米国特許第5242963号の明細書を見よ。この明細書はその全体が本明細書に参照として含まれる。上述したキャリアは組み合わせて用いることもできる。
適するいかなる定着剤も用いることができる。適する定着剤の例には、有機機能性シラン、チタン酸塩、ジルコン酸塩及びこれらの混合物がある。定着剤はポリ(アルコキシ)シランが好ましく、ビス(トリメトキシシリルエチル)ベンゼンが最も好ましい。適する代替定着剤には、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(米国ペンシルバニア州ブリストル(Bristol)のUnited chemical Technologiesから入手でき、米国ペンシルバニア州モリスビル(Morrisville)のGelestからも入手できる、3-MPTMS)、(Gelestから入手できる)3-アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、(Gelestから入手できる)3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシラン、及び(Gelestから入手できる)ビス(トリメトキシシリルエチル)ベンゼンがある。その他の適する定着剤はリー(Lee)等の米国特許第4921880号及び第5188864号の明細書に説明されている。これらの明細書のそれぞれは本明細書に参照として含まれる。定着剤は、存在する場合、約0.1pph〜約10pphの間、さらに好ましくは約0.25pph〜約3pphの間の量で用いられる。
適するいかなる酸化防止剤も用いることができる。好ましい酸化防止剤には、ビスヒンダードフェノールサルファイドまたはチオジエチレンビス(3,5-ジ-tert-ブチル)-4-ヒドロキシヒドロケイ皮酸エステル(Chiba Specialty Chemicalから入手できるIrganox 1035)があるがこれらには限定されない。酸化防止剤は、存在すれば、約0.1pph〜約3pphの間、さらに好ましくは約0.25pph〜約2pphの間の量で用いられる。
適するいかなる安定剤も用いることができる。好ましい安定剤の1つは四官能価チオール、例えば、Sigma-Aldrich(米国ミズリー州セントルイス(St. Louis))から入手できる、ペンタエリトリトールテトラキス(3-メルカプトプロプリオネート)である。安定剤は、存在する場合、約0.01pph〜約1pphの間、さらに好ましくは約0.01pph〜約0.2pphの間の量で用いられる。
適するいかなる蛍光剤も用いることができる。蛍光剤の例には、Uvitex OB、2,5-チオフェンジルビス(5-ター-ブチル-1,3-ベンゾオキサゾール)(Chiba Specialty Chemical)、Bayerから入手できるBlankophor KLA、ビスベンゾオキサゾール化合物、フェニルクマリン化合物及びビス(スチリル)ビフェニル化合物があるが、これらには限定されない。蛍光染料は、約0.003pph〜約0.5pph、さらに好ましくは約0.005pph〜約0.3pphの濃度で組成物内に存在することが望ましい。
本明細書に用いられるように、特定の成分の重量%はいずれの添加剤も除いたバルク組成物に取り入れられる量を指す。本発明の組成物を作製するためにバルク組成物に取り入れられる添加剤の量はpph(百分の一量)で挙げられている。例えば、オリゴマー、モノマー及び光重合開始剤は、これらの成分の総重量%が100%に等しくなるように、バルク組成物を形成するために組み合わされる。このバルク組成物に、バルク組成物の100重量%をこえる、ある量の、例えば1pphの、特定の添加剤が取り入れられる。
図1、及び図1に示される被覆系に戻れば、一次被覆14は、低い(例えば25℃において約5MPaより低い)ヤング率及び低い(例えば約10℃より低い)Tを有する、軟質架橋ポリマー材料で形成されることが好ましい。一次被覆14のヤング率は、約0.025MPa〜約3MPaの間であることが好ましく、約0.05MPaと約3MPaの間であることがさらに好ましく、約0.1MPaと約3MPaの間であることがさらに好ましく、約0.05MPaと約0.5MPaの間であることがさらに一層好ましく、約0.05MPaと約0.3MPaの間であることが最も好ましい。Tは、約−100℃と約−25℃の間であることが好ましく、約−100℃と約−40℃の間であることがさらに好ましく、約−100℃と約−50℃の間であることが最も好ましい。一次被覆の厚さは、約25μm未満であることが好ましく、約20μm未満であることがさらに好ましく、約15μm未満であることがさらに一層好ましく、約5μm〜約10μmの範囲にあることが最も好ましい。一次被覆は一般に、本明細書で以下にさらに詳細に説明されるように、液体としてガラスファイバに塗布され、硬化させられる。酸化防止剤、定着剤、キャリア界面活性剤、粘着付与剤、触媒、安定剤、表面剤及び蛍光剤を含む、一次被覆の1つ以上の特性を強化する様々な添加剤も存在することができる。
多くの適する一次被覆が、例えば、チェン(Chien)等の米国特許第6326416号、ウィニンガム(Winningham)等の米国特許第6531522号、フュークス等の米国特許第6539152号、ウィニンガムの米国特許第6563996号、フュークス等の米国特許第6869981号、ベイカー(Baker)等の米国特許第7010206号及び第7221842号、及びウィニンガムの米国特許第7423105号の明細書に開示されている。これらの明細書はそれぞれの全体が本明細書に参照として含まれる。
適する一次被覆組成物には、約25重量%〜75重量%の1つ以上のウレタンアクリレートオリゴマー、約25重量%〜約65重量%の1つ以上の一官能価エチレン不飽和モノマー、約0重量%〜約10重量%の1つ以上の多官能価エチレン不飽和モノマー、約1重量%〜約5重量%の1つ以上の光重合開始剤、約0.5pph〜約1.5pphの1つ以上の酸化防止剤、約0.5pph〜約1.5pphの1つ以上の定着剤、及び0.01pph〜約0.5pphの1つ以上の安定剤が含まれるが、これらには限定されない。
他の適する一次被覆組成物には、約52重量%のポリエーテルウレタンアクリレート(Bomar Specialty CompanyのBR3741)、約40重量%〜約45重量%の間の多官能価アクリレートモノマー(CognisのPhotomer 4003またはPhotomer 4960)、0〜約5重量%の一官能価アクリレートモノマー(カプロラクトンアクリレートまたはN-ビニルカプロラクトン)、約1.5重量%までの光重合開始剤(Chiba Specialty ChemicalのIrgacure 819またはIrgacure184, BASFのLUCIRIN(登録商標)TPO、またはこれらの組合せ)が含まれ、これに、約1pphの定着剤(3-アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン)、及び約1pphの酸化防止剤(Chiba Specialty ChemicalのIrganox 1035)が加えられ、必要に応じて約0.05pphまでの蛍光剤(Chiba Specialty ChemicalのUvitex OB)及び約0.03pphまでの安定剤(Sigma-Aldrichから入手できるペンタエリトリトールテトラキス(3-メルカプトプロプリオネート))が加えられる。
一次被覆組成物の例には以下の配合物:
(1)52重量%のポリエーテルウレタンアクリレートオリゴマー(BR3741, Bomar Specialty)、40重量%のエトキシル化(4)ノニルフェノールアクリレート(Photomer 4003, Cognis Corp.)、5重量%のN-ビニルピロリジノン、1.5重量%のビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニル-酸化リン(Irgacure 819, Chiba Specialty)、1.5重量%の1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(Irgacure 184, Chiba Specialty)、1pphのチオジエチレンビス(3,5-ジ-tert-ブチル)-4-ヒドロキシヒドロケイ皮酸エステル(Irganox 1035, Chiba Specialty)、及び1pphの3-アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン;
(2)52重量%のポリエーテルウレタンアクリレートオリゴマー(BR3741, Bomar Specialty)、40重量%のエトキシル化(4)ノニルフェノールアクリレート(Photomer 4003, Cognis Corp.)、5重量%のN-ビニルカプロラクタム、1.5重量%のビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニル-酸化リン(Irgacure 819, Chiba Specialty)、1.5重量%の1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(Irgacure 184, Chiba Specialty)、1pphのチオジエチレンビス(3,5-ジ-tert-ブチル)-4-ヒドロキシヒドロケイ皮酸エステル(Irganox 1035, Chiba Spechialty)、及び1pphの3-アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン;
(3)52重量%のポリエーテルウレタンアクリレートオリゴマー(BR3731, Sartomer Co.)、45重量%のエトキシル化(4)ノニルフェノールアクリレート(SR504, Sartomer Co.)、3重量%の(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルフェニル-酸化リン(Irgacure 1850, Chiba Specialty)、1pphのチオジエチレンビス(3,5-ジ-tert-ブチル)-4-ヒドロキシヒドロケイ皮酸エステル(Irganox 1035, Chiba Specialty)、1pphのビス(トリメトキシシリルエチル)ベンゼン定着剤、及び0.5pphのポリアルコキシポリシロキサンキャリア(Tegorad 2200, Goldschmidt);及び
(4)52重量%のポリエーテルウレタンアクリレートオリゴマー(BR3731, Sartomer Co.)、45重量%のエトキシル化(4)ノニルフェノールアクリレート(Photomer 4003, Cognis Corp.)、3重量%の(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルフェニル-酸化リン(Irgacure 1850, Chiba Specialty)、1pphのチオジエチレンビス(3,5-ジ-tert-ブチル)-4-ヒドロキシヒドロケイ皮酸エステル(Irganox 1035, Chiba Specialty)、1pphのビス(トリメトキシシリルエチル)ベンゼン定着剤及び0.5pphの粘着付与剤(Unitac R-40, Union Camp);
(5)52重量%のポリエーテルウレタンアクリレートオリゴマー(BR3731, Sartomer Co.)、45重量%のエトキシル化ノニルフェノールアクリレート(SR504, Sartomer Co.)、及び3重量%の(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルフェニル-酸化リン(Irgacure 1850, Chiba Specialty);及び
(6)52重量%のウレタンアクリレートオリゴマー(BR3741, Bomar)、41.5重量%のエトキシル化ノニルフェノールアクリレートモノマー(Photomer 4003, Cognis)、5重量%のカプロラクトンアクリレートモノマー(Tone M-100, Dow)、1.5重量%のIrgacure 819光重合開始剤(Chiba)、1pphのチオジエチレンビス(3,5-ジ-tert-ブチル)-4-ヒドロキシヒドロケイ皮酸エステル(Irganox 1035, Chiba Specialty)、1pphの3-アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(Gelest)、及び0.032pphのペンタエリトリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)(Aldrich);
があるが、これらには限定されない。
外層被覆18の材料は一般に、重合すると分子の架橋率が高くなるウレタンアクリレート液を含有する被覆組成物の重合品である。いくつかの好ましい実施形態において外層被覆は熱可塑性材料ではない。外層被覆18は高い(例えば25℃において約0.08GPaより高い)ヤング率及び高い(例えば約50℃より高い)Tを有する。ヤング率は、約0.1GPaと約8GPaの間であることが好ましく、約0.5GPaと約5GPaの間であることがさらに好ましく、約0.5GPaと約3GPaの間であることが最も好ましい。Tは、約50℃と約120℃の間であることが好ましく、約50℃と約100℃の間であることがさらに好ましい。二次被覆の厚さは、約40μm未満であり、約20μmと約40μmの間であることがさらに好ましく、約20μmと約30μmの間であることが最も好ましい。
外層被覆材料に用いるに適するその他の材料は、またそのような材料の選択に関係する要件も、技術上周知であり、チャピン(Chapin)の米国特許第4962992号及び第5104433号の明細書に説明されている。これらの明細書はそれぞれの全体が本明細書に参照として含まれる。そのような被覆の代替として、ボテロ(Bothelho)等の米国特許第6775451号及びチョウ(Chou)等の米国特許第6689463号の明細書に説明されているように、低オリゴマー含有量/低ウレタン含有量被覆系を用いても高弾性率被覆が得られている。さらに、シゼル(Schissel)等の米国特許出願公開第2007/0100039号の明細書に説明されているように、高弾性率被覆を達成するために非反応性オリゴマー成分が用いられている。この明細書はその全体が本明細書に参照として含まれる。外層被覆は一般に、以下でさらに詳細に説明されるように、(硬化しているかまたはいない)既に被覆されているファイバに塗布され、続いて硬化される。酸化防止剤、触媒、滑剤、低分子量非架橋樹脂、安定剤、界面活性剤、表面剤、スリップ剤、ワックス、超微粉ポリテトラフルオロエチレン、等を含む、外層被覆の1つ以上の特性を強化する様々な添加剤も存在することができる。二次被覆は、技術上周知であるように、インクも含むことができる。
適する外層被覆組成物は、約0〜20重量%の1つ以上のウレタンアクリレートオリゴマー、約75〜約90重量%の1つ以上の一官能価エチレン不飽和モノマー、約0〜約10重量%の1つ以上の多官能価エチレン不飽和モノマー、約1〜約5重量%の1つ以上の光重合開始剤、及び約0.5〜約1.5pphの1つ以上の酸化防止剤を含むが、これらには限定されない。
他の適する外層被覆組成物は、約10重量%のポリエーテルウレタンアクリレートオリゴマー(Bomar SpecialtyのKWS4131)、約72〜約82重量%のエトキシル化(4)ビスフェノールAジアクリレートモノマー(CognisのPhotomer 4028)、及び約5重量%のビスフェノールAジグリシジルジアクリレート(CognisのPhotomer 3016)を含み、必要に応じて、約10重量%までのジアクリレートモノマー(CognisのPhotomer 4002)またはN-ビニルカプロラクタム、約3重量%までの光重合開始剤(Chiba SpecialtyのIrgacure 184またはBASFのLUCIRIN TPO、あるいはこれらの組合せ)が含められ、これに約0.5pphの酸化防止剤(Chiba SpecialtyのIrganox 1035)が含められるが、これらには限定されない。
外層被覆組成物の例には以下の配合物:
(1)40重量%のウレタンアクリレートオリゴマー(CN981, Sartomer Company, Inc.)、17重量%のプロポキシル化(3)グリセリルトリアクリレートモノマー(SR9030, Sartomer Inc.)、25重量%のペンタエリトリトールテトラアクリレート(SR349, Sartomer Inc.)、及び3重量%の1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン/ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチル-リン酸化物ブレンド(Irgacure 1850, Chiba Specialty);及び
(2)10重量%のポリエーテルウレタンアクリレート(KWS4131, Bomar)、5重量%のビスフェノールAジグリシジルジアクリレート(Photomer 3016, Cognis)、82重量%のエトキシル化(4)ビスフェノールアジアクリレート(Photomer 4028, Cognis)、1.5重量%のLUCIRIN TPO光重合開始剤(BASF)、1.5重量%の1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(Irgacure 184, Chiba)、及び0.5pphのチオジエチレン(3,5-ジ-tert-ブチル4-ヒドロキシ)ヒドロケイ皮酸エステル酸化防止剤(Irganox 1035, Chiba Specialty Chemical);
があるが、これらには限定されない。
第1中間被覆は一般に、一次被覆のヤング率及びTに比べて比較的高いヤング率及び比較的高いTを与える、被覆組成物の重合品である。ヤング率は、約0.1GPaと約2GPaの間であることが好ましく、約0.2GPaと約1GPaの間であることがさらに好ましく、約0.3GPaと約1GPaの間であることが最も好ましい。Tは、約0℃と約60℃の間であることが好ましく、約10℃と約60℃の間であることがさらに好ましく、約10℃と約50℃の間であることが最も好ましい。第1の中間被覆の厚さは、約25μm未満であり、さらに好ましくは約20μm未満であり、さらに一層好ましくは約15μm未満であり、最も好ましくは約5μm〜約10μmの範囲にある。
第1中間被覆の組成物は、外層(または二次)被覆の形成に用いるための、いかなる数の既知の成分も用いて配合することができ、そのような配合には、例えば、ボテロ等の米国特許第6775451号及びチョウ等の米国特許第6689463号の明細書、及びシゼル等の米国特許出願公開第2007/0100039号の明細書に説明されているような、低オリゴマー含有量/低ウレタン含有量被覆系が含まれる。これらの明細書はそれぞれの全体が本明細書に参照として含まれる。この被覆は、技術上周知であるように、必要に応じてインクを含むことができる。いくつかの実施形態において、第1の中間被覆では、滑剤、スリップ剤及びワックスのような、硬化品の特性の改変に有用な、高価な添加剤が省かれることが好ましい。
適する第1中間被覆の組成物は、約0〜20重量%の1つ以上のウレタンアクリレートオリゴマー、約75〜約95重量%の1つ以上の一官能価エチレン不飽和モノマー、約0〜約10重量%の1つ以上の多官能価エチレン不飽和モノマー、約1〜約5重量%の1つ以上の光重合開始剤、及び約0.5〜約1.5pphの1つ以上の酸化防止剤を含むが、これらには限定されない。
第1中間被覆組成物の例は以下の配合物:
(1)10重量%の脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー(KWS4131, Bomar Specialty Co.)、87重量%のエトキシル化(4)ビスフェノールAジアクリレートモノマー(Photomer 4028, Cognis Corp.)、3重量%の1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン/ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチル-リン酸化物ブレンド(Irgacure 1850, Chiba Specialty)、0.5pphのチオジエチレンビス(3,5-ジ-tert-ブチル4-ヒドロキシ)ヒドロケイ皮酸エステル酸化防止剤(Irganox 1035, Chiba Specialty Chemical)、及び1pphの、アクリレート官能価及び酸官能価を有する、定着剤(Ebecryl 170m UCB Radcure);
(2)10重量%のポリエーテルベースウレタンジアクリレートオリゴマー(BR301, Bomar Specialty Co.)、22重量%のエトキシル化(8)ビスフェノールアジアクリレートモノマー(Photomer 4025, Cognis Corp.)、65重量%のエトキシル化(4)ビスフェノールAジアクリレートモノマー(Photomer 4028, Cognis Corp.)、3重量%の1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン/ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチル-リン酸化物ブレンド(Irgacure 1850, Chiba Specialty)、0.5pphのチオジエチレンビス(3,5-ジ-tert-ブチル4-ヒドロキシ)ヒドロケイ皮酸エステル酸化防止剤(Irganox 1035, Chiba Specialty Chemical)、及び1pphの、アクリレート官能価及び酸官能価を有する、定着剤(Ebecryl 170m UCB Radcure);
(3)10重量%の脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー(KWS4131, Bomar Specialty Co.)、50重量%のエトキシル化(4)ビスフェノールAジアクリレートモノマー(Photomer 4028, Cognis Corp.)、37重量%のエトキシル化(3)ビスフェノールAジアクリレートモノマー(RCC12-984, Cognis Corp.)、3重量%の1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン/ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチル-リン酸化物ブレンド(Irgacure 1850, Chiba Specialty)、0.5pphのチオジエチレンビス(3,5-ジ-tert-ブチル4-ヒドロキシ)ヒドロケイ皮酸エステル酸化防止剤(Irganox 1035, Chiba Specialty Chemical);及び
(4)30重量%のエトキシル化(4)ビスフェノールAジアクリレートモノマー(SR601, Sartomer Co.)、37重量%のエトキシル化(10)ビスフェノールAジアクリレートモノマー(SR602, Sartomer Co.)、30重量%のエトキシル化(2)ビスフェノールAジアクリレートモノマー(SR349, Sartomer Co.)、及び3重量%の1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン/ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチル-リン酸化物ブレンド(Irgacure 1850, Chiba Specialty);
を含むが、これらには限定されない。
第2中間被覆16は、一次被覆14と同様の、軟質架橋ポリマー材料の形態、あるいは僅かに架橋しているか、または実質的に液体でさえある、被覆材料の形態にあることができる。第2中間被覆は、第1中間被覆のヤング率及びTと比べて、比較的低いヤング率及び/または比較的低いTを示すことが好ましい。例えば、好ましい実施形態の1つにおいて、第2中間被覆のヤング率はおよそ3桁小さく、これらの被覆材料のT間の差は約70℃である。
一実施形態にしたがえば、第2中間被覆は(残りの被覆を硬化させる)硬化プロセス後もかなり液体のままである。本明細書に用いられるように、「かなり液体」は、硬化プロセス後の被覆の硬化度が、約70%未満、さらに好ましくは約60%未満、最も好ましくは約50%未満であることを意味する。かなり液体のままである被覆では、被覆組成物内の成分の架橋が限定されている。これは、非反応性オリゴマー成分、非アクリレートモノマー成分並びに非架橋性樹脂及びフィラーの使用によって達成することができる。
第2中間被覆の組成物からの光重合開始剤反応体の低減も硬化度をかなり低めることができ、したがって架橋度の低下に寄与し得る。この実施形態において、光重合開始剤は、約5重量%未満まで、さらに好ましくは3重量%未満まで、最も好ましくは約1重量%未満まで、低減することができる。
別の実施形態にしたがえば、第2中間被覆は極めて軟らかいままの架橋被覆である。この実施形態において、第2中間被覆は、一次被覆のヤング率と実質的に同じであるかまたはさらに低い、ヤング率及び、一次被覆のTと実質的に同じであるかまたはさらに低い、Tを有することが好ましい。ヤング率は、約1MPa未満であることが好ましく、約0.01MPaと約0.5MPaの間であることがさらに好ましく、約0.03MPaと約0.3MPaの間であることが最も好ましい。一実施形態にしたがえば、第2中間被覆のヤング率は一次被覆のヤング率より、少なくとも約30%低く、さらに好ましくは少なくとも40%低く、最も好ましくは少なくとも約50%低い。第2中間被覆のTは、約−100℃と約−30℃の間であることが好ましく、約−100℃と約−40℃の間であることがさらに好ましく、約−100℃と約−50℃の間であることが最も好ましい。
第2中間被覆の厚さは、約40μm未満であり、さらに好ましくは約20〜約40μmの範囲にあり、最も好ましくは約20〜約30μmの範囲にある。
重要なことには、第2中間被覆では、定着剤及び界面活性剤のような、一次被覆として用いられるときには硬化品のいくつかの特性の改変に有用な、高価な添加剤が省かれることが好ましい。第2中間被覆の組成物は、0.25pph未満、さらに好ましくは0.15pph未満、最も好ましくは0.05pph未満の、定着剤及び、0.25pph未満、さらに好ましくは0.15pph未満、最も好ましくは0.05pph未満の、界面活性剤を含有する。第2中間被覆はガラスファイバに接しないから、これらの添加剤は完全に省くことができる。一実施形態にしたがえば、第2中間被覆は一次被覆と同等であるが、定着剤が完全に省かれる。
架橋被覆を形成する、第2中間被覆の組成物の好ましい部類の1つは、フュークスの米国特許第6869981号の明細書に説明されているようなUV硬化性自己粘着性組成物である。この明細書はその全体が本明細書に参照として含まれる。
第2中間被覆の組成物の例には、以下の配合物:
(1)40重量%のノニルフェノールエトキシル化モノアクリレート(Ph4003, Cognis Corp.)、5重量%のネオフェニルグリコールプロポキシル化ジアクリレート(Ph4127, Cognis Corp.)、52重量%のポリエーテルウレタンアクリレートオリゴマー(BR3731, Sartomer Co.)、1.5重量%の1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(Irgacure 184, Chiba Specialty)、1.5重量%のビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニル-酸化リン(Irgacure 819, Chiba Specialty)、1pphのチオジエチレンビス(3,5-ジ-tert-ブチル4-ヒドロキシ)ヒドロケイ皮酸エステル酸化防止剤(Irganox 1035, Chiba Specialty)、1pphの3-アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(Gelest)、0.3pphの3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(Gelest)、及び20pphのSylvatac RE-40Nロジンエステル(Arizona Chemical Company);
(2)43重量%のノニルフェノールエトキシル化モノアクリレート(Ph4003, Cognis Corp.)、2重量%のネオフェニルグリコールプロポキシル化ジアクリレート(Ph4127, Cognis Corp.)、52重量%のポリエーテルウレタンアクリレートオリゴマー(BR3731, Sartomer Co.)、1.5重量%の1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(Irgacure 184, Chiba Specialty)、1.5重量%のビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニル-酸化リン(Irgacure 819, Chiba Specialty)、1pphのチオジエチレンビス(3,5-ジ-tert-ブチル4-ヒドロキシ)ヒドロケイ皮酸エステル酸化防止剤(Irganox 1035, Chiba Specialty)、1pphの3-アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(Gelest)、及び15pphのSylvatac RE-40Nロジンエステル(Arizona Chemical Company);及び
(3)30重量%のノニルフェノールエトキシル化モノアクリレート(Ph4003, Cognis Corp.)、15重量%のカプロラクトンアクリレート(Tone M-100, Union Carbide)、52重量%のポリエーテルウレタンアクリレートオリゴマー(BR3741, Sartomer Co.)、1.5重量%の1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(Irgacure 184, Chiba Specialty)、1.5重量%のビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニル-酸化リン(Irgacure 819, Chiba Specialty)、1pphのチオジエチレンビス(3,5-ジ-tert-ブチル4-ヒドロキシ)ヒドロケイ皮酸エステル酸化防止剤(Irganox 1035, Chiba Specialty)、1pphの3-アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(Gelest)、及び0.5pphのSylvatac RE-10Lロジン(Arizona Chemical Company);
があるが、これらには限定されない。
これらの第2中間被覆組成物だけでなく、上で定めた一次被覆組成物も、上掲の第2中間被覆組成物と同じく、定着剤を省くように改変することができる。
4層被覆光ファイバの好ましい実施形態の1つにしたがえば、被覆組成物は、得られる被覆が以下の構成:一次被覆のヤング率より高いヤング率及び一次被覆のガラス転移温度(T)より高いTのいずれかをまたはいずれをも有する第1中間被覆、第1中間被覆のヤング率より低いヤング率及び第1中間被覆のTより低いTのいずれかをまたはいずれをも有する第2中間被覆、及び、第2中間被覆のヤング率より高いヤング率及び第2中間被覆のTより高いTのいずれかをまたはいずれをも有する二次被覆、を有するように選ばれる。この構成において、被覆の厚さは、第2中間被覆及び二次被覆のいずれかをまたはいずれもが、それぞれ、一次被覆及び第1中間被覆の厚さの、約1〜約10倍の厚さ、さらに好ましくは約1〜約8倍の厚さ、最も好ましくは約1〜約6倍の厚さを有するような、厚さである。
次に図2を参照すれば、本発明の第2の実施形態にしたがう光ファイバはファイバ22及び、ファイバ22を封入する、3層の被覆24,26及び28を有する。被覆24は一次(最内層)被覆であり、一次被覆の従来の目的を満たす。被覆28は外層被覆であり、二次被覆の従来の目的を満たす。一次被覆と二次被覆の間に単一の中間層26がある。改善されたマイクロベンディング性能を可能にするのはこの中間被覆の存在である。
被覆24,26及び28は全般に、第1の実施形態の被覆14,16及び18に関して上述したタイプと同じタイプの被覆とすることができる。
この第2の実施形態の好ましい構成の1つにしたがえば、一次被覆は約0.1〜約3MPaのヤング率及び/または約−100℃〜約−30℃のガラス転移温度(T)を有し、中間被覆26は一次被覆24のヤング率と実質的に同じであるかまたはさらに低いヤング率及び一次被覆のTと実質的に同じであるかまたはさらに低いTのいずれかをまたはいずれをも有する。二次被覆28は一般に、ヤング率及びTが中間被覆のヤング率及びTより高くなるように選ばれる。
一実施形態において、中間被覆を形成するために用いられる被覆組成物は一次被覆組成物を形成する組成物と実質的に同じであるか、一次被覆組成物内に存在するいかなる定着剤も中間被覆組成物から省かれていることを除き、その他の点では実質的に同じである組成物の重合品である。
本発明の光ファイバは、マトリックス材料で封入された、実質的に並列に揃えられて、実質的に共平面にある、複数本の光ファイバを含む光ファイバリボンの形にすることもできる。リボンの構成の一例が図3に示され、図3にはマトリックス材料32で封入された12本の光ファイバ20を有するリボン30が示されている。マトリックス材料は単層でまたは複合構造でつくることができる。適するマトリックス材料には、ポリ塩化ビニルまたはその他の熱可塑性材料があり、また二次被覆材料として有用であることが知られている材料もある。一実施形態において、マトリックス材料は外層被覆の形成に用いられる組成物の重合品とすることができる。
本発明の光ファイバは、ガラスファイバの作製及びガラスファイバの被覆形成のための、従来の線引きタワー技術を用いて作製することができる。簡潔に言えば、本発明にしたがう被覆光ファイバを作製するためのプロセスは、ガラスファイバ12を作製する工程、ガラスファイバに一次被覆組成物、1層以上の中間被覆組成物及び二次被覆組成物をを塗布する工程、及び、次いで全ての被覆組成物を同時に硬化させる工程を含む。これは、ウエットオンウエットプロセスとして知られている。必要に応じて、順次に塗布される被覆組成物のそれぞれは、下層被覆組成物の重合の前または後に、被覆ファイバに塗布することができる。後続して塗布される被覆組成物の塗布の前の下層被覆組成物の重合はウエットオンドライプロセスとして知られる。ウエットオンドライプロセスが用いられる場合、さらに重合プロセスが用いられなければならない。
局所的及び対称的に、例えば約2000℃の温度に加熱された、専用に作製された円柱形プリフォームからのガラスファイバの線引きは周知である。プリフォームを炉に送り込んで炉を通過させることによるように、プリフォームが加熱されると、溶融した材料からガラスファイバが線引きされる。ガラスファイバがプリフォームから線引きされた後、好ましくは冷却直後に、一次被覆、中間被覆及び二次被覆の組成物がガラスファイバに塗布される。次いで被覆組成物が硬化されて、被覆光ファイバになる。硬化方法は、ガラスファイバ上の未硬化被覆組成物を、被覆組成物の性質及び用いられる重合開始剤に依存して、熱または紫外光または電子ビームにさらすことによるような、熱誘起、化学誘起または放射線誘起による方法とすることができる。線引きプロセスに続いて一次被覆組成物及びいずれの二次被覆組成物も順次に塗布することが有利であることが多い。2層の被覆組成物を移動しているガラスファイバに塗布する方法は、テイラー(Taylor)の米国特許第4474830号及びレンネル(Rennell)等の米国特許第4851165号の明細書に開示されている。これらの明細書はそれぞれの全体が本明細書に参照として含まれる。
本発明にしたがう被覆光ファイバを作製するための方法の一実施形態が、全体として参照数字40で表されて、図4にさらに示される。図示されるように、(一部プリフォームとして示される)焼結プリフォーム42が線引きされて光ファイバ44になる。ファイバ44は、技術上既知であるように、1層の被覆組成物または複層の被覆組成物の塗布を可能にする1つ以上のダイを備えることができる、被覆形成素子46及び48を通過する。ダイは被覆厚の所望の寸法への調節も行う。一次被覆及び第1中間被覆の組成物が素子46でファイバ44に塗布されて、第2中間被覆及び二次被覆の組成物が素子48でファイバ44に塗布されることが好ましい。素子46の下流に硬化素子50が配置され、素子48の下流に硬化素子52が配置され、ファイバ44に塗布された被覆組成物を硬化させるために、素子46の下流に硬化素子50が配置されて、素子48の下流に硬化素子52が配置される。あるいは、素子46で塗布された被覆組成物は続いてファイバ44が素子48を通過した後に硬化させることができる。素子52を通して被覆光ファイバ54を引くために牽引装置56が用いられる。
当業者には当然であろうように、図4に示されるシステムは、既知のウエットオンウエットプロセスまたはウエットオンドライプロセスのいずれかの組合せにより、被覆組成物の個別または同時の塗布及び硬化を受け入れるように改変することができる。一手法にしたがえば、一次被覆組成物及び第1の中間被覆組成物のいずれかをまたはいずれをも、第2中間被覆組成物及び二次被覆組成物の塗布に先立って、硬化させることができる。あるいは、4層の被覆組成物の全てをファイバに塗布し、その後、1回の重合化工程において硬化させることができる。
本発明にしたがう光ファイバまたはファイバリボンが作製されると、これらの光ファイバまたはファイバリボンをデータ信号の伝送のための遠距離通信システムに組み込むことができる。
本発明の例示を目的とする以下の実施例によって本発明はさらに明解になるであろう。
実施例1−4層被覆光ファイバ
直径が約125μmの標準単一モードコンプライアント光ファイバG652を、以下に説明する組成物を用い、線引きタワーで被覆した。被覆組成物を(20m/秒の)線引き中に6個のランプ(375W/ランプ)を用い、1回の化学線照射で硬化させた。
試験ファイバ1は、125μm径市販ガラスファイバ、組成Aを用いて形成した4μm厚一次被覆(0.170MPa,−27℃T)(133μm径になる)、組成Bを用いて形成した8μm厚第1中間被覆(1.0GPa,64℃T)(149μm径になる)、組成Cを用いて形成した22μm厚第2中間被覆(0.125MPa,−26℃T)(193μm径になる)、及び組成Dを用いて形成した26μm厚外層被覆(1.6GPa,68℃T)(245μm径になる)を有する。
試験ファイバ2は、125μm市販ガラスファイバ、組成Cを用いて形成した5μm厚一次被覆(0.125MPa,−26℃T)(135μm径になる)、組成Bを用いて形成した9.5μm厚第1中間被覆(1.0GPa,64℃T)(154μm径になる)、組成Cを用いて形成した21μm厚二次被覆(0.125MPa,−26℃T)(196μm径になる)、及び組成Dを用いて形成した24.5μm厚外層被覆(1.6GPa,68℃T)(245μm径になる)を有する。
組成Aは、52重量%のウレタンアクリレートオリゴマー(GR3741,Bomar)、41.5重量%のエトキシル化ノニルフェノールアクリレートモノマー(Photomaer 4003, Cognis)、5重量%のカプロラクトンアクリレートモノマー(Tone M-100, Dow)、及び1.5重量%のIrgacure 819光重合開始剤(Chiba)を用い、これに、1pphのIrganox 1035酸化防止剤(Chiba)、1pphの3-アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(Galest)、及び0.032pphのペンタエリトリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)(Aldrich)を加えて、配合した。
組成Bは、1.0GPaの弾性率及び、Fusion Dバルブを用いて1.0J/cmで硬化させた75μm厚フィルムを動的機械解析で測定した、tanδピーク同定に基づく64℃のTを有する、市販の外層(二次)被覆配合物である。
組成Dは、10重量%のポリエーテルウレタンアクリレート(KWS4131, Bomar)、5重量%のビスフェノールAジグリシジルジアクリレート(Photomer 3016, Cognis)、82重量%のエトキシル化(4)ビスフェノールAジアクリレート(Photomer 4028, Cognis)、1.5重量%のLUCIRIN TPO光重合開始剤(BASF)、及び1.5重量%のIrgacure 184光重合開始剤(Chiba)を用い、これに、0.5pphのIrganox 1035酸化防止剤(Chiba)を加えて、配合した。
後に、光ファイバをスプールに巻き取り、マイクロベンディングについて試験した。
実施例2−4層被覆光ファイバにおけるファイバ変位のシミュレーション試験
ファイバコア変位への4層被覆系の効果を理論的に評価した。モデルにおいて、長さが短い(0.2cmの)ファイバを両端で留め付け、中点を一定の力で上方に反らせる。3次元有限要素解析を用いてコア変位の大きさを評価する。コア変位の大きさは一般に、印加力並びに各層の弾性率及び厚さに依存する。予測コア変位はマイクロベンディング損失に相関するはずであるから、この評価は有意である。
図5は、2本の2層被覆を有する市販コンプライアント光ファイバG652対4層被覆系を有するファイバの、コアの予測される相対変位を示すグラフである。x軸に沿って一次被覆厚が変化し、ファイバ外形は244μmである。図示されるように、約9400ダイン(0.094N)の定荷重の下で、2層被覆ファイバにおける推定コア変位は4層被覆系におけるコア変位よりかなり大きくなるはずである。一次被覆の寸法にほとんどフレキシビリティが与えられない2層被覆系とは異なり、第2中間被覆寸法はコア変位を最小にする(及び耐マイクロベンディング性を最大にする)ように容易に制御することができる。理論的には、モデル化した系において、4層の被覆の間の協力によってコア変位が低減されるはずである。
すなわち、本発明の4層被覆はマイクロベンディング性能において従来の2層被覆より優れているはずである。
実施例3−試験ファイバ1及び2の減衰損失の測定
ファイバ1及び2をマイクロベンディング損失についてバスケット織り試験にかけた。光ファイバを、バスケット織りパターンで、低張力の下で緩く巻き付け、次いで高張力で再巻付けした。バスケット織り巻付けパターンは、それぞれの回旋に対していくつかのファイバ交錯点がある巻付けパターンの1つである。−60℃と70℃の間の様々な温度において光ファイバの温度サイクル後に、1310nm、1550nm及び1625nmにおける減衰損失を測定した。
初めの温度サイクリングでは70℃に達する前に高損失になった。これは初期硬化後の被覆欠陥の結果であると考えられる。しかし、70℃ソーキングがこれらの欠陥を治癒したと思われ、その後の減衰は−60℃においてさえ大きく改善されていた。この結果は、試験ファイバ1及び2のいずれもが、市販被覆付ファイバに比較して、1625nmにおいて改善されたマイクロベンディング性能を示したが、1310nm及び1550nmにおける損失は対照ファイバと同等であったことを示す(図6及び7)。すなわち、4層被覆系は改善されたマイクロベンディング性能を示し、被覆の組合せの最適化によってさらなる改善を達成できると考えられる。
実施例4−ワイアメッシュドラム試験によるマイクロベンディング損失の測定後のコア変位の評価
4層被覆光ファイバ(試験ファイバ1及び2)及び標準2層被覆光ファイバのサンプルをワイアメッシュドラム試験を用いて評価した。この試験においては、750mのファイバの損失を大径で表面が平滑な無張力ドラム上で3回測定した。次いでファイバを、ワイアメッシュで覆われたアルミニウムドラム上に(例えば80gまたは100gの)張力の下で巻き付け、再び、損失を3回測定した。無張力にある間の平均減衰と張力下にある間の平均減衰との差が、マイクロベンディング損失の計算値である。
理論において、被覆光ファイバのマイクロベンディング損失は、グログ(Gloge),「光ファイバのパッケージ化及びそのファイバの直線性及び損失への影響(Optical Fiber Packaging and its Influence on Fiber Straightness and Loss)」,Bell System Technical Journal,1975年、第54巻、第2号,p.245に示されているように、コアの変位に比例する。この文献はその全体が本明細書に参照として含まれる。変位は、続いて、印加される力に対する、及びファイバが押し付けられる表面の粗さに対する、ファイバ及び被覆の機械的特性に関係する。変位は、既知の長さのファイバの中点に一定の力が印加されているという仮定の下で、有限要素解によって推定される。コア変位の近似計算法は、バルドゥフ(Baldauf)等,「2層被覆単一モード光ファイバに機械的性質とマイクロベンディング損失の関係(Relationship of Mechanical Characteristics of Dual Coated Single Mode Optical Fibers and Microbending Loss)」,IEICE Tans. Commun.,1993年,E76-B(4),p.352〜357に説明されている。この文献は全体が本明細書に参照として含まれる。
100gの張力で巻き付けられたいくつかの被覆が異なる光ファイバについて測定した付加損失を、コア変位モデルの予測値と比較した。上の実施例1で定めた4つの被覆層の弾性率及び厚さを用いてコア変位パラメータを評価した。2層被覆ファイバのコア変位パラメータは下の表1に提示される弾性率及び厚さを用いて評価した。
Figure 2013501705
dB/kmで表した損失は変位の対数関数である。dBが対数尺度であるから、これにより損失と変位の間の直線関係が確証される。図8に示されるように、いずれの4層被覆ファイバ(試験ファイバ1及び2)も曲線より下にある。これは、被覆が2段階で施され、第3層は第1と第2の層のランプの半分でしか露光されていないから、硬化不全の第3層の結果であると思われる。低減された損失は、やはり、弾性率が非常に低い第2中間層が大きく改善されたマイクロベンディング性能をもたらすことを示す。
実施例5−3層被覆光ファイバの作製
図2に示したタイプの光ファイバを、中間被覆から定着剤が省かれていることを除いて同等である、一次被覆及び中間被覆を用いて作製した。
一次被覆及び中間被覆の配合物のいずれにも、52重量&のポリウレタンアクリレートオリゴマー(BR3741, Bomar Spechalty)、40重量%のエトキシル化(4)ノニルフェノールアクリレート(Photomer 4002, Cognis Corp.)、5重量%のN-ビニルピロリジノン、1.5重量%のビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニル-酸化リン(Irgacure 810, Chiba Specialty)、及び1pphのチオジエチレンビス(3,5-ジ-tert-ブチル)-4-ヒドロキシヒドロ経皮酸塩(Irgabox 1035, Chiba Specialty)を含めた。一次被覆配合物には1pphの3-アクリルオキシプロピルトリメトキシシランも含めたが、中間被覆には含めなかった。
これらの一次被覆配合物及び中間被覆配合物を用いてファイバ3を作製し、線引き中に総直径を190μmに調節した。一次被覆の厚さは約7.5μmとし、中間被覆の厚さは約25μmとした。
2つの2層被覆対照ファイバを作製した。対照ファイバ5は、一次被覆の厚さを線引き中に総直径が190μmになるように(約32.5μm厚に)調節したことを除いて、試験ファイバ3に用いたものと同じ一次被覆配合物を用いて作製した。対照ファイバ6は、中間被覆の厚さを線引き中に総直径が190μmになるように(約32.5μm厚に)調節したことを除いて、試験ファイバに用いたものと同じ中間被覆配合物を(一次被覆配合物として)用いて作製した。
3つのファイバの全てを、1.642MPaのヤング率及び65℃のTを有する被覆が得られる、同じ二次被覆配合物を用いて作製した。二次被覆配合物の厚さは線引き中に総ファイバ直径が245μmになるように調節した。
試験ファイバ3は、一次被覆配合物がまだ液態のままで(硬化されずに)いる間に中間被覆配合物が一次被覆配合物層の上に塗布されるように、ウエットオンウエット法を用いて作製した。これは、2層の被覆が同じブロック上で順次に塗布される、ウエットオンウエットコーターブロックを用いて達成した。定着剤を含有する一次被覆配合物をコーターブロックの上部チャンバに配し、中間被覆配合物を下部チャンバに配した。両層をUV光列で全体として硬化させ、次いで二次被覆配合物を塗布して硬化させた。
対照ファイバ5及び6は、ガラスファイバに塗布されたそれぞれの層を二次被覆配合物の塗布に先立って硬化させる、ウエットオンドライ法を用いて作製した。
後に、3つの光ファイバは全てスプールに巻き取り、微細離層形成について試験した。
実施例6−3層被覆光ファイバの微細離層試験
試験ファイバ3及び対照ファイバ5と6を微細離層試験にかけた。それぞれに対し、緩く巻いたファイバを室温または65℃で水浴に30日間浸した。ファイバを水浴から取り出し、吸取紙で水を除去して、ガラスと一次被覆の界面のいかなる離層部位についても顕微鏡の下で繰り返して検査した。
試験ファイバ3にも対照ファイバ5にも、30日間の室温または65℃において、いかなる離層の形跡も見られなかった。一次被覆配合剤に定着剤が全く含まれていない、対照ファイバ6は激しい離層を示した。これにより本発明の3層被覆ファイバと2層被覆ファイバの間で密着の耐水性能に差がないことが確認される。ガラスファイバに直接施される薄膜に(定着剤を含有する)一次被覆を限定し、整合する特性を有する(ただし定着剤を含有していない)中間被覆を用いることによって、単位長当たりに用いられる定着剤の量のかなりの低減を達成することができる。これはファイバ生産に対するより低いコストに換言され、ファイバ性能にいかなる有害な効果ももたないはずである。
好ましい実施形態を本明細書に示し、詳細に説明したが、当業者には、本発明の精神を逸脱することなく様々な改変、付加、置換、等がなされ得ることが明らかであろう。したがって、そのような改変、付加、置換、等は、添付される特許請求の範囲に定められる本発明の範囲内にあると見なされる。
10,20 光ファイバ
12,22 ファイバ
14,24 一次(最内層)被覆
15 第1中間被覆
16 第2中間被覆
18,28 二次(外層)被覆
26 中間被覆
30 光ファイバリボン
32 マトリックス材料

Claims (9)

  1. 光ファイバにおいて、
    ガラスファイバ、及び
    前記ガラスファイバを封入する3層以上の被覆であって、前記ガラスファイバに接している一次被覆、前記一次被覆を囲む中間被覆及び前記中間被覆を囲む外層被覆を含む3層以上の被覆、
    を有し、
    前記一次被覆が約0.1から約3MPaのヤング率及び/または約−100℃から約−25℃のガラス転移温度(T)を有し、前記中間被覆が、前記一次被覆の前記ヤング率と実質的に同じであるか、またはさらに低いヤング率及び前記一次被覆の前記Tと実質的に同じであるか、またはさらに低いTのいずれかをまたはいずれをも有し、
    前記光ファイバが約300μmより小さい直径を有することを特徴とする光ファイバ。
  2. 前記中間被覆が、約0.2MPaより低いヤング率及び約−100℃から約−25℃のTのいずれかをまたはいずれをも有することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ。
  3. 前記外層被覆が、約0.5から約8.0GPaのヤング率及び約50℃から約120℃のTのいずれかをまたはいずれをも有することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ。
  4. 前記一次被覆が、約15μmより薄い、厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ。
  5. 前記中間被覆が、約15μmより薄い、厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ。
  6. 光ファイバにおいて、
    ガラスファイバ、及び
    前記ガラスファイバを封入する少なくとも4層の被覆であって、前記ガラスファイバに接している一次被覆、前記一次被覆を囲む第1中間被覆、前記第1中間被覆を囲む第2中間被覆及び前記第2中間被覆を囲む二次被覆を含む少なくとも4層の被覆、
    を有し、
    前記第1中間被覆が、前記一次被覆のヤング率より高いヤング率及び前記一次被覆のガラス転移温度(T)より高いTのいずれかをまたはいずれをも有し、
    前記第2中間被覆が、前記第1中間被覆の前記ヤング率より低いヤング率及び前記第1中間被覆の前記Tより低いTのいずれかをまたはいずれをも有し、
    前記外層被覆が、前記第2中間被覆の前記ヤング率より高いヤング率及び前記第2中間被覆の前記Tより高いTのいずれかをまたはいずれをも有し、
    前記光ファイバが約300μmより小さい直径を有することを特徴とする光ファイバ。
  7. 前記第2中間被覆が、前記一次被覆の前記ヤング率と実質的に同じであるか、またはさらに低いヤング率、及び前記一次被覆の前記Tと実質的に同じであるか、またはさらに低いTのいずれかをまたはいずれをも有することを特徴とする請求項6に記載の光ファイバ。
  8. 前記一次被覆が、約0.1から約3MPaのヤング率及び約−100℃から約−25℃のTのいずれかをまたはいずれをも有することを特徴とする請求項6に記載の光ファイバ。
  9. 前記第1中間被覆が、約0.1から約2.0GPaのヤング率及び約0℃から約60℃のTのいずれかをまたはいずれをも有することを特徴とする請求項8に記載の光ファイバ。
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