JP2013258825A - 車両およびその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】昇圧コンバータを備えた車両において、昇圧コンバータによる昇圧制御を実施できない場合に昇圧コンバータにおける共振の発生を回避する。
【解決手段】モータと昇圧コンバータとを備えた車両において、制御装置は、LC回路が形成される上アームオン走行中(S20にてYES)、通常領域からLC回路で共振が生じ得る共振領域を除いた共振回避領域内でモータを動作させる(S22)とともに、パワーモード用マップを用いてモータの目標トルクを設定する(S25)。制御装置は、パワー不足となる走行状況である場合(S21にてYES)、一定時間、共振領域内でモータを制御することを許容する(S23)。また、制御装置は、車両前後方向の加速度αが所定値α0を超えている場合(S24にてYES)、パワーモード用マップに代えてエコモード用マップを用いてモータの目標トルクを設定する。
【選択図】図8

Description

この発明は、車両およびその制御方法に関する。
環境に配慮した車両として、電気自動車やハイブリッド自動車など、電力を用いて走行可能な電動車両が注目されている。電気自動車は、バッテリとインバータとインバータによって駆動されるモータとを走行用の動力源として搭載する。ハイブリッド自動車は、従来の内燃機関に加え、バッテリとインバータとモータとを走行用の動力源として搭載する。
上記のような電動車両においては、モータの高出力化の要求に伴なって駆動電圧の高電圧化が要求される。そして、走行用の電力を蓄えるバッテリとインバータとの間に、インバータに供給する電圧をバッテリの電圧以上に昇圧する昇圧コンバータを備えた電動車両が知られている。
特開2009−225633号公報(特許文献1)には、そのような昇圧コンバータを備えた電動車両において、モータの目標動作点が昇圧コンバータで共振が発生する領域に含まれるときに、昇圧コンバータのインバータ側の電圧がバッテリ側の電圧よりも高くなるように昇圧コンバータを制御する技術が開示されている。この技術によれば、昇圧コンバータにおける共振の発生を回避することができる。
特開2009−225633号公報 特開2005−278293号公報 特開2007−245779号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、昇圧コンバータのインバータ側の電圧を検出する電圧センサに異常が発生するなどして昇圧コンバータによる昇圧制御を行なうことができない場合には、昇圧コンバータにおける共振の発生を回避することができない。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、昇圧コンバータを備えた車両において、昇圧コンバータによる昇圧制御を実施できない場合に昇圧コンバータにおける共振の発生を回避することである。
この発明に係る車両は、車両駆動力を発生するモータと、モータを駆動するための電力を蓄える蓄電装置と、蓄電装置の電圧を変換する昇圧コンバータと、昇圧コンバータからモータに給電するための電力線と、電力線に接続され電力線の電圧を平滑化するためのコンデンサと、モータを制御する制御装置とを備える。昇圧コンバータは、蓄電装置の正極に一端が接続されるリアクトルと、リアクトルの他端と電力線との間に接続される第1スイッチング素子と、リアクトルの他端と蓄電装置の負極との間に接続される第2スイッチング素子とを含む。制御装置は、第1スイッチング素子をオン状態に固定する上アームオン状態で走行する上アームオン走行中である場合、上アームオン状態でモータが動作可能な領域から昇圧コンバータで共振が生じる共振領域を除いた共振回避領域内でモータを動作させる。
好ましくは、制御装置は、上アームオン走行中でない場合は、ユーザによるアクセル操作量とモータのトルクとの対応関係が第1の関係となるようにモータのトルクを制御し、上アームオン走行中である場合は、対応関係が第1の関係よりもアクセル操作量に対応するモータのトルクの値が大きい第2の関係となるようにモータのトルクを制御する。
好ましくは、制御装置は、上アームオン走行中である場合であっても、車両の前後方向の加速度が所定値よりも大きいときは、対応関係が第1の関係よりもアクセル操作量に対応するモータのトルクの値が小さい第3の関係となるようにモータのトルクを制御する。
好ましくは、制御装置は、上アームオン走行中である場合、車両の走行場所および走行状態の少なくともいずれかに基づいて予め定められた条件の成否を判定し、予め定められた条件が成立したときは、モータを共振領域内で制御することを一時的に許容する。
好ましくは、予め定められた条件は、車両が交差点内を走行しているという条件、車両が坂道発進しているという条件、車速が所定値よりも低いという条件の少なくともいずれかを含む。
好ましくは、制御装置は、少なくとも上アームオン走行を行なう前に、モータの動作点を意図的に変化させたときの電流の変化に基づいて共振領域を設定して予め記憶する初期処理を行なう。制御装置は、上アームオン走行中である場合、初期処理で記憶された共振領域を上アームオン状態でモータが動作可能な領域から除いた領域を共振回避領域に設定する。
好ましくは、制御装置は、車両の製造工程内で初期処理を行なう。
この発明の別の局面に係る制御方法は、車両の制御方法である。車両は、車両駆動力を発生するモータと、モータを駆動するための電力を蓄える蓄電装置と、蓄電装置の電圧を変換する昇圧コンバータと、昇圧コンバータからモータに給電するための電力線と、電力線に接続され電力線の電圧を平滑化するためのコンデンサと、モータを制御する制御装置とを備える。昇圧コンバータは、蓄電装置の正極に一端が接続されるリアクトルと、リアクトルの他端と電力線との間に接続される第1スイッチング素子と、リアクトルの他端と蓄電装置の負極との間に接続される第2スイッチング素子とを含む。制御方法は、第1スイッチング素子をオン状態に固定する上アームオン状態で走行する上アームオン走行中であるか否かを判定するステップと、上アームオン走行中である場合、上アームオン状態でモータが動作可能な領域から昇圧コンバータで共振が生じる共振領域を除いた共振回避領域内でモータを動作させるステップとを含む。
本発明によれば、昇圧コンバータを備えた車両において、昇圧コンバータによる昇圧制御を実施できない場合に昇圧コンバータにおける共振の発生を回避することができる。
電動車両の電気システムを示した図である。 インバータの制御モードを説明するための図である。 上アームオン走行時の等価回路を示す図である。 制御装置の処理手順を示すフローチャート(その1)である。 共振判定処理の内容を説明するための図である。 通常領域、共振領域、共振回避領域の一例を示す図である。 アクセル−トルクマップの一例を示す図である。 電動車両の処理手順を示すフローチャート(その2)である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態による電動車両100の電気システムを示した図である。なお、図1に示す電動車両100は電気自動車であるが、本発明は、電気自動車に限定されず、ハイブリッド自動車や燃料電池自動車などを含めた電動車両全般に適用可能である。
電動車両100は、蓄電装置Bと、昇圧コンバータ10と、インバータ20と、モータM1と、駆動輪35と、正極線PL1,PL2と、負極線NLと、平滑コンデンサCとを備える。また、電動車両100は、制御装置40と、電圧センサ52,54と、電流センサ56と、レゾルバ58と、アクセルペダルポジションセンサ59と、ナビゲーション装置60とをさらに備える。
昇圧コンバータ10は、リアクトルLと、電力用半導体スイッチング素子(以下、単に「スイッチング素子」と称する。)Q1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。リアクトルLの一方端は、蓄電装置Bの正極に接続される正極線PL1に接続され、他方端は、スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2との接続ノード、すなわち、スイッチング素子Q1のエミッタとスイッチング素子Q2のコレクタとの接続点に接続される。スイッチング素子Q1,Q2は、正極線PL2と蓄電装置Bの負極に接続される負極線NLとの間に直列に接続される。スイッチング素子Q1のコレクタは正極線PL2に接続され、スイッチング素子Q2のエミッタは負極線NLに接続される。ダイオードD1,D2は、それぞれスイッチング素子Q1,Q2に逆並列に接続される。すなわち、スイッチング素子Q1,Q2のコレクタ−エミッタ間に、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD1,D2がそれぞれ接続される。
なお、上記のスイッチング素子Q1,Q2および後述のスイッチング素子Q11〜Q16として、たとえば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)や電力用MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ等を用いることができる。
インバータ20は、U相アーム22と、V相アーム24と、W相アーム26とを含む。U相アーム22、V相アーム24およびW相アーム26は、正極線PL2と負極線NLとの間に並列に接続される。U相アーム22は、直列に接続されたスイッチング素子Q11,Q12を含む。V相アーム24は、直列に接続されたスイッチング素子Q13,Q14を含む。W相アーム26は、直列に接続されたスイッチング素子Q15,Q16を含む。また、スイッチング素子Q11〜Q16のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD11〜D16がそれぞれ接続される。各相アームの中間点は、モータM1の各相コイルにそれぞれ接続されている。
蓄電装置Bは、再充電可能な直流電源であり、たとえばニッケル水素やリチウムイオン等を含んで構成される二次電池である。蓄電装置Bは、走行用の電力を蓄える。なお、蓄電装置Bとして、二次電池に代えて、電気二重層キャパシタや大容量のコンデンサ等を用いてもよい。
昇圧コンバータ10は、制御装置40からの信号に基づいて、正極線PL2および負極線NL間の電圧(以下「システム電圧VH」とも称する。)が蓄電装置Bの出力電圧以上になるように、蓄電装置Bの出力電圧を昇圧する。昇圧コンバータ10の昇圧比(蓄電装置Bの出力電圧に対するシステム電圧VHの割合)は、スイッチング素子Q1,Q2のデューティ比を調整することによって変更することができる。なお、スイッチング素子Q1をオン状態に固定しかつスイッチング素子Q2をオフ状態に固定した状態(以下「上アームオン状態」という)では、昇圧コンバータ10の昇圧比が「1」となり、蓄電装置Bの出力電圧がそのまま正極線PL2および負極線NL間に印加される。
インバータ20は、制御装置40からの信号に基づいて、正極線PL2から供給される直流電力を三相交流に変換してモータM1へ出力し、モータM1を駆動する。また、インバータ20は、電動車両100の制動時、モータM1により発電された三相交流電力を直流に変換し、正極線PL2へ出力する。
平滑コンデンサCは、正極線PL2と負極線NLとの間に接続される。平滑コンデンサCは、正極線PL2および負極線NL間の電圧変動の交流成分を平滑化する。
モータM1は、交流電動発電機であり、たとえば、永久磁石が埋設されたロータを備える三相交流電動発電機である。モータM1は、駆動輪35に機械的に連結され、走行トルクを発生する。また、モータM1は、電動車両100の制動時、車両の運動エネルギを駆動輪35から受けて発電する。なお、電動車両100がエンジンを備えるハイブリッド自動車であれば、モータM1はエンジンの動力を用いて発電しかつエンジンの始動も行なうものであってもよい。また、電動車両100がモータM1とは別に他のモータを備えるようにしてもよい。
電圧センサ52は、平滑コンデンサCの端子間電圧、すなわちシステム電圧VHを検出する。電圧センサ54は、蓄電装置Bの電圧VBを検出する。電流センサ56は、蓄電装置Bに入出力される電流IBを検出する。レゾルバ58は、モータM1のロータの回転角θ1を検出する。アクセルペダルポジションセンサ59は、アクセル開度A(ユーザによるアクセルペダルの操作量)を検出する。これらの各センサは、検出結果を制御装置40へ出力する。なお、モータM1の回転速度(以下「モータ回転速度N」という)は、回転角θ1を用いて制御装置40によって算出される。
ナビゲーション装置60は、たとえばGPS(Global Positioning System)を利用して、電動車両100の現在位置を取得する。さらに、ナビゲーション装置60は、メモリに記憶された地図情報を参照して、電動車両100の現在位置に対応する道路情報を読み出して制御装置40に出力する。
制御装置40は、図示しないCPU(Central Processing Unit)およびメモリを内蔵した電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)により構成され、当該メモリに記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、所定の演算処理を実行するように構成される。
制御装置40は、アクセル開度AとモータM1の目標トルクTtagとの対応関係を予め定めたマップ(以下「アクセル−トルクマップ」という、後述の図7参照)を用いて、実際のアクセル開度Aに対応する目標トルクTtagを決定する。そして、制御装置40は、実際のモータM1のトルク(以下「モータトルクT」という)が目標トルクTtagとなるように、昇圧コンバータ10およびインバータ20を制御する。
制御装置40は、モータトルクTおよびモータ回転速度Nに応じて、インバータ20の制御モードを適宜切り替える。
図2は、インバータ20の制御モードを説明するための図である。制御モードには、正弦波PWM制御モード、過変調PWM制御モードおよび矩形波電圧制御モードの3つのモードが存在する。
正弦波PWM制御モードでは、正弦波状の電圧指令と搬送波(代表的には三角波)との電圧比較に従って、各相上下アーム素子のオン/オフが制御される。この結果、一定期間内でその基本波成分が正弦波となるようにデューティが制御される。なお、正弦波PWM制御モードでは、正弦波状の電圧指令の振幅が搬送波振幅以下の範囲に制限されるので、モータM1への印加電圧(以下、単に「モータ印加電圧」とも称する。)の基本波成分を入力電圧の約0.61倍程度までしか高めることができない(以下、入力電圧(システム電圧)に対するモータ印加電圧(線間電圧)の実効値の比を「変調率」と称する。)。
過変調PWM制御モードは、電圧指令(正弦波成分)の振幅が搬送波振幅より大きい範囲で上記正弦波PWM制御モードと同様のPWM制御を行なうものである。特に、電圧指令を本来の正弦波波形から歪ませる(振幅補正)ことによって基本波成分を高めることができ、正弦波PWM制御モードでの最高変調率から0.78の範囲まで変調率を高めることができる。
矩形波電圧制御モードでは、上記一定期間内で矩形波1パルス分がモータM1に印加される。これにより、矩形波電圧制御モードでは、変調率は0.78まで高められる。
再び図1を参照して、制御装置40は、予め定められた「上アームオン走行条件」が成立すると、昇圧コンバータ10の昇圧動作を禁止して、上アームオン状態(スイッチング素子Q1をオン状態に固定しかつスイッチング素子Q2をオフ状態に固定した状態)で電動車両100を走行させる「上アームオン走行」を実行する。なお、上アームオン走行条件には、システム異常(電圧センサ52の異常などによってモータM1を正常には制御できない異常)が発生したという条件が含まれる。なお、上アームオン走行条件に他の条件が含まれるようにしてもよい。上アームオン走行時は、制御装置40は、矩形波電圧制御モードでインバータ20を制御する。上アームオン走行時はシステム異常の影響でシステム電圧VHを電圧VBよりも高い値にはできないので、変調率の高い矩形波電圧制御モードによって高トルクを実現するものである。
図3は、上アームオン走行時の等価回路を示す図である。図3に示されるように、上アームオン走行時は、平滑コンデンサCと昇圧コンバータ10のリアクトルLとが電気的に直結され、平滑コンデンサCとリアクトルLとによりLC回路が形成される。一方、モータM1においては、回転に応じてトルクリップルが発生し、このトルクリップルに応じた電圧リップルが正極線PL2に発生する。トルクリップルの変動周波数は、モータ回転速度Nに依存し、正極線PL2に発生する電圧リップルの変動周波数も、モータ回転速度Nに依存する。そして、正極線PL2に発生する電圧リップルの変動周波数が、モータ回転速度Nに応じてLC回路の共振周波数に近づくと、電圧リップルに誘引されてLC回路の共振が発生する。
より詳しく説明すると、上アームオン走行時に平滑コンデンサCおよび昇圧コンバータ10のリアクトルLにより形成されるLC回路の共振周波数f1は、次の式(1)によって表される。
f1=1/{2π√(L×C)} …(1)
式(1)において、「L」はリアクトルLのインダクタンスを示し、「C」は平滑コンデンサCの容量を示す。
一方、モータM1のトルクリップルに応じて正極線PL2に発生する電圧リップルの変動周波数f2は、たとえば次の式(2)によって表される。
f2=N×4×6/60 …(2)
式(2)において、モータM1のロータの永久磁石は4極対とし、変動周波数f2は、6次高調波成分の周波数としている。
このように、電圧リップルの変動周波数f2はモータ回転速度Nに依存する。そのため、モータ回転速度Nによっては、電圧リップルの変動周波数f2が共振周波数f1近傍となりLC回路が共振してしまう。
そこで、本実施の形態に係る制御装置40は、上アームオン走行時に、モータ回転速度NおよびモータトルクTで定まるモータM1の動作点(以下「モータ動作点」という)がLC回路の共振が生じ得る領域(以下、単に「共振領域」という)に含まれることがないように、上アームオン状態でモータM1が動作可能な領域(以下「通常領域」という)よりもモータM1の動作領域を制限する。より具体的には、制御装置40は、上アームオン走行時には、通常領域から上記の共振領域を除いた領域(以下「共振回避領域」という)内でモータM1を動作させる。
本実施の形態においては、制御装置40は、まず、上アームオン走行前に、共振領域および共振回避領域を設定する「初期処理」を行なう。この初期処理には、モータ動作点を意図的に変化させて共振を発生させる「共振発生処理」と、共振発生処理中の各センサの出力から実際に共振が発生しているか否かを判定する「共振判定処理」とが含まれる。制御装置40は、共振判定処理によって実際に共振が発生していると判定された時のモータ動作点を基準として、共振領域を設定する。なお、共振領域は、平滑コンデンサCやリアクトルLなどの設計仕様によってある程度は予測可能であるが、実際には個々の部品の製造ばらつきなどによって電動車両100ごとに異なる。この点に鑑み、制御装置40は、上アームオン走行前に、実際に上述の初期処理(共振発生処理および共振判定処理)を行なって共振領域を設定する。
図4は、制御装置40が共振領域を設定する際の処理手順の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、電動車両100の製造工程内(たとえば車両完成後の検査工程内)で、上記の共振発生処理中に自動的に開始される。なお、このフローチャートが開始されるタイミングは、少なくとも上アームオン走行前であればよく、必ずしも電動車両100の製造工程内であることに限定されない。
S10にて、制御装置40は、電流IBを取得する。S11にて、制御装置40は、電流IBに基づいて上記の共振判定処理を行なう。
図5は、共振判定処理の内容を説明するための図である。制御装置40は、共振発生処理中に、電流IBの極大値(以下「電流ピーク値IBp」という)、所定期間Δtの電流IBの平均値(以下「電流平均値IBave」という)、モータ回転速度N、モータトルクTを監視する。
そして、制御装置40は、電流平均値IBaveに所定値K1を加えた値よりも電流ピーク値IBpが小さい状態(IBp<IBave+K1の状態)から、電流平均値IBaveに所定値K2(>K1)を加えた値よりも電流ピーク値IBpが大きい状態(IBp>IBave+K2の状態)に変化し、かつ、その時のモータ回転速度Nが設計上の共振回転速度から所定値K3以内に存在する場合に、LC回路の共振が発生していると判定する。
図5に示す例では、時刻t1〜t2までの間はIBp<IBave+K1の状態であるが、時刻t2〜t3までの間はIBp>IBave+K2の状態に変化している。そのため、制御装置40は、時刻t2のモータ回転速度Nが設計上の共振回転速度から所定値K3以内に存在する場合には、時刻t2でLC回路の共振が発生し始めたと判定する。なお、上述した共振判定処理の内容はあくまで例示であって、これに限定されるものではない。
図4に戻って、S11にて共振が発生していると判定されない場合(S11にてNO)、処理は終了される。
一方、共振が発生していると判定された場合(S11にてYES)、制御装置40は、S12にて、共振が発生していると判定された時点のモータ動作点を基準として、共振領域を設定する。具体的には、制御装置40は、共振が発生していると判定された時点のモータ回転速度Nから所定範囲以内の領域を「共振回転速度領域」とし、共振が発生していると判定された時点のモータトルクTから所定範囲以内の領域を「共振トルク領域」とし、共振回転速度領域に含まれかつ共振トルク領域に含まれる領域を「共振領域」に設定する。
その後、制御装置40は、S13にて、通常領域から共振領域を除いた領域を「共振回避領域」に設定し、内部メモリに記憶する。
図6は、通常領域、共振領域、共振回避領域の一例を示す図である。図6に示す「通常上限ライン」は、上アームオン走行時(昇圧コンバータ10の昇圧なし時)にモータM1が動作可能な上限ラインを示す。この通常上限ラインよりも下側の領域が「通常領域」である。制御装置40は、通常上限ラインの一部を共振領域よりも低下させたラインを「共振回避上限ライン」に設定し、この共振回避上限ラインよりも下側の領域を「共振回避領域」に設定する。
このように、本実施の形態においては、上アームオン走行前である電動車両100の製造工程内で、上述の初期処理を行なって共振領域および共振回避領域を予め設定し、内部メリに記憶しておく。
次に、電動車両100の実走行環境下で制御装置40が行なうモータ駆動制御について説明する。
制御装置40は、上アームオン走行時(システム異常発生時)は、LC回路の共振を回避するために、初期処理で設定および記憶された共振回避領域内でモータM1を動作させて、電動車両100を退避走行させる。
この際、制御装置40は、退避走行時の加速性を良くするため、目標トルクTtagの設定に用いられるアクセル−トルクマップを「通常モード用マップ」から「パワーモード用マップ」に切り替える。ただし、加速フィーリングを良くするため、車両前後方向の加速度αを監視し、加速度αが所定値α0よりも大きい場合にはアクセル−トルクマップを「エコモード用マップ」にする。
図7は、アクセル−トルクマップの一例を示す図である。図7に示すように、「パワーモード用マップ」は、「通常モード用マップ」よりも、アクセル開度Aに対する目標トルクTtagの値が大きい値に設定される。退避走行時は、この「パワーモード用マップ」を用いて目標トルクTtagが設定される。そのため、加速性を重視した走行が可能となる。
また、「エコモード用マップ」は、「パワーモード用マップ」および「通常モード用マップ」よりも、アクセル開度Aに対する目標トルクTtagの値が小さい値に設定される。退避走行時であっても、車両前後方向の加速度αの変動が大きい場合には「エコモード用マップ」を用いて目標トルクTtagが設定される。そのため、急激な加速が抑制され、加速フィーリングを良くすることができる。
さらに、制御装置40は、モータM1を共振回避領域内で制御するとパワー不足となる走行状況である場合は、モータM1の動作領域を一時的に「共振回避領域」から「通常領域」に切り替えて、モータM1を共振領域内で制御することを一時的に許容する。具体的には、制御装置40は、ナビゲーション装置60からの情報などに基づいて、電動車両100が交差点内を走行しているという条件(以下「第1条件」という)、電動車両100が坂道発進しているという条件(以下「第2条件」という)、車速が所定値よりも低いという条件(以下「第3条件」という)の成否をそれぞれ判定する。そして、第1条件〜第3条件の少なくともいずれかの条件が成立した場合には、パワー不足となる走行状況であるとして、モータM1の動作領域を一定時間だけ「通常領域」に切り替える。一定時間が経過した後は、制御装置40は、モータM1の動作領域を再び「共振回避領域」に戻す。
なお、上述した第1条件〜第3条件は、あくまで例示であって、必要に応じて修正したり、組み合わせたり、削除したり、追加したりするようにしてもよい。
図8は、電動車両100の実走行環境下で制御装置40が行なう処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、制御装置40の作動中に所定周期で繰り返し実行される。
S20にて、制御装置40は、上アームオン走行中であるか否かを判定する。上アームオン走行中でない場合(S20にてNO)、処理は終了される。
上アームオン走行中である場合(S20にてYES)、制御装置40は、S21にて、パワー不足となる走行状況であるか否か、具体的には、上述の第1〜第3条件の成否を判定する。
パワー不足となる走行状況ではない場合(S21にてNO)、制御装置40は、S22にて、モータM1を共振回避領域内で制御する。パワー不足となる走行状況である場合(S21にてYES)、制御装置40は、S23にて、一定時間、モータM1を通常領域内で制御する。
その後、制御装置40は、S24にて、車両前後方向の加速度αが所定値α0を超えたか否かを判定する。なお、加速度αは、図示しない加速度センサで検出される。
加速度αが所定値α0を超えていない場合(S24にてNO)、制御装置40は、S25にて、パワーモード用マップを用いて目標トルクTtagを設定する。
加速度αが所定値α0を超えている場合(S24にてYES)、制御装置40は、S26にて、エコモード用マップを用いて目標トルクTtagを設定する。なお、この処理で、通常モード用マップを用いて目標トルクTtagを設定するようにしてもよい。
以上のように、本実施の形態による制御装置40は、上アームオン走行時に、モータM1が動作可能な通常領域からLC回路の共振が生じ得る共振領域を除いた共振回避領域内でモータM1を動作させる。そのため、昇圧コンバータ10による昇圧制御を実施できない場合においても、共振の発生を回避しつつ電動車両100を退避走行させることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 昇圧コンバータ、20 インバータ、22 U相アーム、24 V相アーム、26 W相アーム、35 駆動輪、40 制御装置、52,54 電圧センサ、56 電流センサ、58 レゾルバ、59 アクセルペダルポジションセンサ、60 ナビゲーション装置、100 電動車両、B 蓄電装置、C 平滑コンデンサ、D1,D2,D11〜D16 ダイオード、L リアクトル、M1 モータ、NL 負極線、PL1,PL2 正極線、Q1,Q2,Q11〜Q16 スイッチング素子。

Claims (8)

  1. 車両駆動力を発生するモータと、
    前記モータを駆動するための電力を蓄える蓄電装置と、
    前記蓄電装置の電圧を変換する昇圧コンバータと、
    前記昇圧コンバータから前記モータに給電するための電力線と、
    前記電力線に接続され前記電力線の電圧を平滑化するためのコンデンサと、
    前記モータを制御する制御装置とを備え、
    前記昇圧コンバータは、
    前記蓄電装置の正極に一端が接続されるリアクトルと、
    前記リアクトルの他端と前記電力線との間に接続される第1スイッチング素子と、
    前記リアクトルの他端と前記蓄電装置の負極との間に接続される第2スイッチング素子とを含み、
    前記制御装置は、前記第1スイッチング素子をオン状態に固定する上アームオン状態で走行する上アームオン走行中である場合、前記上アームオン状態で前記モータが動作可能な領域から前記昇圧コンバータで共振が生じる共振領域を除いた共振回避領域内で前記モータを動作させる、車両。
  2. 前記制御装置は、前記上アームオン走行中でない場合、ユーザによるアクセル操作量と前記モータのトルクとの対応関係が第1の関係となるように前記モータのトルクを制御し、前記上アームオン走行中である場合、前記対応関係が前記第1の関係よりも前記アクセル操作量に対応する前記モータのトルクの値が大きい第2の関係となるように前記モータのトルクを制御する、請求項1に記載の車両。
  3. 前記制御装置は、前記上アームオン走行中である場合であっても、前記車両の前後方向の加速度が所定値よりも大きいときは、前記対応関係が前記第1の関係よりも前記アクセル操作量に対応する前記モータのトルクの値が小さい第3の関係となるように前記モータのトルクを制御する、請求項2に記載の車両。
  4. 前記制御装置は、前記上アームオン走行中である場合、前記車両の走行場所および走行状態の少なくともいずれかに基づいて予め定められた条件の成否を判定し、前記予め定められた条件が成立したときは、前記モータを前記共振領域内で制御することを一時的に許容する、請求項1に記載の車両。
  5. 前記予め定められた条件は、前記車両が交差点内を走行しているという条件、前記車両が坂道発進しているという条件、車速が所定値よりも低いという条件の少なくともいずれかを含む、請求項4に記載の車両。
  6. 前記制御装置は、少なくとも前記上アームオン走行を行なう前に、前記モータの動作点を意図的に変化させたときの電流の変化に基づいて前記共振領域を設定して予め記憶する初期処理を行ない、
    前記制御装置は、前記上アームオン走行中である場合、前記初期処理で記憶された前記共振領域を前記上アームオン状態で前記モータが動作可能な領域から除いた領域を前記共振回避領域に設定する、請求項1に記載の車両。
  7. 前記制御装置は、前記車両の製造工程内で前記初期処理を行なう、請求項6に記載の車両。
  8. 車両の制御方法であって、
    前記車両は、
    車両駆動力を発生するモータと、
    前記モータを駆動するための電力を蓄える蓄電装置と、
    前記蓄電装置の電圧を変換する昇圧コンバータと、
    前記昇圧コンバータから前記モータに給電するための電力線と、
    前記電力線に接続され前記電力線の電圧を平滑化するためのコンデンサと、
    前記モータを制御する制御装置とを備え、
    前記昇圧コンバータは、
    前記蓄電装置の正極に一端が接続されるリアクトルと、
    前記リアクトルの他端と前記電力線との間に接続される第1スイッチング素子と、
    前記リアクトルの他端と前記蓄電装置の負極との間に接続される第2スイッチング素子とを含み、
    前記制御方法は、
    前記第1スイッチング素子をオン状態に固定する上アームオン状態で走行する上アームオン走行中であるか否かを判定するステップと、
    前記上アームオン走行中である場合、前記上アームオン状態で前記モータが動作可能な領域から前記昇圧コンバータで共振が生じる共振領域を除いた共振回避領域内で前記モータを動作させるステップとを含む、車両の制御方法。
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