JP2013257755A - 透明二次元通信シート - Google Patents

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Abstract

【課題】高速大量情報通信を可能とする透明性な二次元通信シートを、大面積化が可能な方法で簡便に提供する。
【解決手段】第1透明導電層102および透明誘電体層103からなり、第1透明導電層102は導電性網目状構造を有し、透明誘電体層103はガラス等の透明な無機酸化物からなるものであって、透明誘電体層103とその表面に形成される第1透明導電層102を合わせた2層全体の可視光線透過率が40%以上である透明二次元通信シート100。
【選択図】図1

Description

本発明は、透明性に優れた二次元通信シート、およびその製造方法、およびその利用方法に関する。
近年、ケーブル接続による“一次元通信”、無線を使った“三次元通信”に加えて、平面から浸出するエバネッセント(evanescent)波を利用した“二次元通信”が提案されている(特許文献1、非特許文献1)。二次元通信によると、多くのコードが絡み合うこともなくなるため見栄えが良くなり、また無線LANなどの三次元通信において懸念される不特定多数への情報漏洩の問題が解決される。さらに、電波の届く範囲が限られることから有線扱いとされ、使用する周波数を選ぶことができる、ワイヤレス電力伝送も可能である、など様々な優れた点を有しており、将来性ある有望な技術コンセプトである。
従来の二次元通信に用いられる構造体として、二つの導電体層の間に誘電体層を挟み込んだ三層構造体が知られている。特に、導電体層の一方(第1導電体層)を導電性網目状構造とし、その他方(第2導電体層)を導電性網目状構造またはシート構造とした三層構造体が知られている。このような三層構造体において、第2導電体層を網目状構造または錫ドープ酸化インジウム(Indium Tin Oxide : 以下、「ITO」という)膜とし、かつ、挟間領域である誘電体層を透明部材とすることにより、三層構造体の裏側をある程度透視することはできる。しかし、従来の三層構造体で採用されている網目状構造の導電体層は、線幅が0.6〜1mm程度であるためその網目が視認され、全体として完全に透明な三層構造体は実現されていない。
またITO膜は、スパッタリング法、真空蒸着法等の気相法により製造されるが、気相法には高真空装置が必須であり、多大な設備投資を要する。特に、大面積が必要とされる用途においては、その設備投資および維持費は莫大となる。また、ITO膜を製造する毎に、製造装置内の成分ガス圧を精密に制御しなければならないことから、製造コストと量産性には課題がある。ITO微粒子分散液を塗布して乾燥することにより、ITO膜を形成する方法が報告されているが、ITO膜は、インジウムが高価であること、透明性を維持したままで導電性を向上させることが困難であること、曲げに弱いこと等、解決すべき課題は多い。曲げられるものとして導電性布帛を縫製した二次元通信シート構造体を提案したものもある(特許文献2)が、第1導電体層の網目状構造の線幅が0.5mm〜数mmであり、各層が布帛で構成されるため、完全に透明なものにはならない。
近年では、ITOに代わる導電材料を用いた導電膜の開発が進んでいる。特に、金属微粒子や極細ワイヤーを溶液中に分散したものを、スクリーン印刷、インクジェット印刷、または自己組織化現象を利用して、網目状等のパターンを形成する方法が提案されている。
特許文献3には、導電性微粒子と、網目状構造の開口部を有する鋳型を用いて、導電性に優れた導電膜を形成する方法が提案されている。しかしながら、特許文献3には、二次元通信シートへの適用可能性について何らの記載も示唆もない。
特開2007−82178号公報 特開2009−296220号公報 国際公開第2011/090034号公報
篠田裕之、素材表面に形成する高速センサネットワーク、計測と制御、Vol.46、No.2、pp.98−103(2007)
完全に透明な二次元通信シートに対するニーズがある。特に、ディスプレイやタッチパネルに重ねて使用する、或いは窓やタッチパネルとして使用することができる、透明な二次元通信シートに対するニーズがある。また、そのような透明二次元通信シートを安価かつ簡便に製造できる方法に対するニーズもある。
本発明者らは上記ニーズを満たすべく鋭意検討した結果、すべての部材を実質的に透明化した新規な二次元通信シートを簡便に提供できることを見出した。
また第1透明導電層への給電点の左右一方の側に同軸ケーブルの中心導線、もう一方の側に編組線を配線してダイポールアンテナのような配線とし、閉回路とすることで、第1透明導電層と透明誘電体層だけで透明二次元通信シートを形成できることを見出した。かかる透明二次元通信シートは、基板表面に形成すべきパターンと同形状の鋳型を配置した後、金属等の導電材料を分散させた分散液を基板表面に展開し、分散媒を乾燥させることで、鋳型の線幅よりも微細な線幅で鋳型と同形状のパターンが基板表面上に形成されることを見出した。更には、形成されたパターンが、転写法により、フィルム等の基板上に容易に転写でき、よって透明な二次元通信シートが得られること、そしてそのような透明二次元通信シートを各種ディスプレイに重ねること、或いは全く新しいウィンドウやタッチパネルができることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明の第1の態様は、第1透明導電層および透明誘電体層(E)からなり、かつ可視光線透過率が40%以上である透明二次元通信シートに関する。
本発明の第2の態様は、第1の態様に係る透明二次元通信シートであって、第1透明導電層が導電性網目状構造(C)を有するものに関する。
本発明の第3の態様は、第1または第2の態様に係る透明二次元通信シートであって、透明誘電体層(E)の第1透明導電層とは反対側に第2透明導電層を有するものに関する。
本発明の第4の態様は、第3の態様に係る透明二次元通信シートであって、第2透明導電層が導電性網目状構造(C’)を有するものに関する。
本発明の第5の態様は、第1〜第4のいずれかの態様に係る透明二次元通信シートであって、導電性網目状構造(C、C’)の網目の線幅dが200μm以下で、かつピッチpが、使用する波長λに対してλ≧pであるものに関する。
本発明の第6の態様は、基板(A)の表面上に、基板(A)と接触させる面とその裏面とを貫通する、網目状構造の開口部を有する鋳型(B)を配置し、鋳型(B)を配置した基板(A)の表面に、導電性粒子(P)の分散液(D)を展開して乾燥させることで、基板(A)と鋳型(B)との接点近傍に、導電性粒子(P)による網目状構造(C)または(C’)を形成させた後、鋳型(B)を基板(A)から外すことにより、基板(A)の表面上に導電性粒子(P)による網目状構造(C)または(C’)を形成させ、更に加熱して焼成した後、基板(A)の表面上に単量体組成物(X)を塗布し、その上にさらに基板を配置/または配置せずに、前記単量体組成物(X)を重合し、その重合体である基板(E)を基板(A)から剥離することにより、基板(E)の表面に導電性粒子(P)による網目状構造(C)または(C’)を転写して透明導電層を形成させて得られる透明二次元通信シートに関する。
本発明の第7の態様は、第1〜第6のいずれかの態様に係る透明二次元通信シートであって、ディスプレイ、タッチパネルまたは窓に重ねて設置して通信に利用される透明二次元通信シートに関する。
本発明の第8の態様は、第1〜第6のいずれかの態様に係る透明二次元通信シートを含む透明二次元通信ウィンドウに関する。
本発明の第9の態様は、第1〜第6のいずれかの態様に係る透明二次元通信シートを含む透明二次元通信タッチパネルに関する。
本発明によると、透明性に優れた二次元通信シートを、大面積化が可能な方法で簡便に製造でき、これを用いた高速大量情報通信が可能となる。
同軸ケーブルを接続した透明二次元通信シートを示す概略図である。 同軸ケーブルを表裏両面に接続した透明二次元通信シートを示す概略図である。 図1の第1透明導電層Aの部分の拡大図である。 図1の第1透明導電層Aの部分の拡大図である。 製造方法1の工程1−1を説明するための概略図である。 製造方法1の工程1−2を説明するための概略図である。 製造方法1の工程1−4を説明するための概略図である。 製造方法2の工程2−1を説明するための概略図である。 製造方法2の工程2−2を説明するための概略図である。 製造方法2の工程2−4を説明するための概略図である。 「導電膜」の形成を連続的に実施する場合に想定される、プロセスの概略図である。 「転写」を連続的に実施する場合に想定される、プロセスの概略図である。 「導電膜」の形成〜「転写」までを一連の工程として行なうプロセスの一例である。 製造例13で得た導電膜(転写前)の顕微鏡写真である。 製造例1で得た導電膜(転写前)の顕微鏡写真である。 製造例3で得た導電膜(転写前)の顕微鏡写真である。 製造例3で得た導電膜(転写後)の顕微鏡写真である。 製造例7で得た導電膜(転写前)の顕微鏡写真である。 製造例7で得た導電膜(転写後)の顕微鏡写真である。 製造例11で得た導電膜(転写前)の顕微鏡写真である。 製造例3で得られた導電膜(転写前)の断面形状のAFM(原子間力顕微鏡)コンタクトモード図である。 用途例1を説明するための概略図である。 用途例2を説明するための概略図である。 用途例3を説明するための概略図である。 用途例3を説明するための概略図である。 用途例4を説明するための概略図である。 比較例1のシートを示す概略図である。 比較例1の計算結果を示すグラフである。 比較例2のシートを示す概略図である。 比較例2の計算結果を示すグラフである。 実施例1のシートを示す概略図である。 実施例1のシートを示す拡大図である。 実施例1の計算結果を示すグラフである。 実施例2のシートを示す概略図である。 実施例2のシートを示す拡大図である。 実施例2の計算結果を示すグラフである。 比較例3のシートを示す概略図である。 比較例3のシートを示す拡大図である。 比較例3の計算結果を示すグラフである。 実施例3のシートを示す概略図である。 実施例3のシートを示す拡大図である。 実施例3の計算結果を示すグラフである。 実施例4のシートを示す概略図である。 実施例4のシートを示す拡大図である。 実施例4の計算結果を示すグラフである。
<透明二次元通信シート>
本発明において、「透明」とは、人間の視覚で網目状構造が視認できず、かつ、可視光線の透過率が40%以上であることを意味する。人間の視覚の分解能は個人差・年齢差あるが、約200μmである。したがって、約200μm以下の線幅dで構成された網目状構造体は人間の眼では実質的に視認されない。よって、より具体的には線幅が200μm以下であり、かつ、可視光線の透過率が40%以上であることを「透明」と定義する。
図1に、同軸ケーブル105を接続した透明二次元通信シート100の一例を示す。また図2に、同軸ケーブル105を表裏両面に接続した透明二次元通信シート100の一例を示す。図1の第1透明導電層Aの部分の拡大図である図3aに示した網目状構造107の線幅dは、視認性から200μm以下であることが好ましく、60μm以下であることがさらに好ましく、0.5〜6μmの範囲内にあることが最も好ましい。また、図3aに示したピッチpとは、網目状構造107を構成する線の中心から隣の線の中心までの間隔をさすが、ピッチpは、一般に50mm以下であればよく、視認性の観点から200μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがさらに好ましく、15〜50μmの範囲内にあることが最も好ましい。さらに、ピッチpは、有効なエバネッセント波を創出する観点から、二次元通信側の導電層の網目状構造については、使用する電磁波の波長λに対してλ≧p≧λ/10000であることが好ましく、λ/10≧p≧λ/1000であることがさらに好ましい。例えば、第1透明導電層102側のみで二次元通信する場合(図1)、第1透明導電層102を構成する網目状構造のピッチp1はλ≧p1≧λ/10000であればよいが、第2透明導電層104も網目状構造を構成している場合(図2)のそのピッチp2は、電磁遮蔽の観点から、p1より充分小さいことが好ましく、例えばp2<0.01×p1、より好ましくはp2<0.001×p1とすべきである。第1透明導電層側と第2透明導電層側の両面で共通の周波数を使用して二次元通信する場合は、p1とp2の間に有意な差を設ける必要はなく、例えば0.1<p1/p2<10、好ましくは0.5<p1/p2<2、さらにはp1=p2であってよい。第1透明導電層側と第2透明導電層側とで異なる周波数を使用する場合はλ≧p≧λ/10000、かつ、p1≠p2であってよい。本発明による透明二次元通信シートのシート抵抗値は30Ω/□以下であることが好ましく、5Ω/□以下であることがさらに好ましく、0.0001〜1Ω/□の範囲内にあることが最も好ましい。また網目状構造とは格子形状が正方形、三角形、円形などでもよく、さらに線が波状に波打っていてもよい。また網目の線自体が網目状構造になっていてもよい。規則性は問わず、全体として均一の電磁波強度となるよう傾斜構造を採用してもよい。
透明誘電体層(E)は、ガラス等の透明な無機酸化物からなるものであっても、各種透明樹脂等の有機物であってもよい。また後述する単量体(X)の重合体そのものでもよい。透明誘電体層(E)は、可視光線透過率が80%以上であるものが好ましく、90%以上であるものがさらに好ましい。透明誘電体層(E)とその表面に形成される第1透明導電層を合わせた2層全体の可視光線透過率としては、好ましくは60%以上、さらに好ましくは80%以上とすることができる。透明誘電体層(E)には、真空や各種気体・液体・固体が含まれていてもよく、またそれらが混在しても構わない。透明誘電体層(E)の厚さhは、二次元通信側の導電層の網目状構造のピッチpと同程度であることが好ましく、また、使用する電磁波長λより充分小さい、例えばλ/10≧hである、ことが好ましい。
第2透明導電層については、電磁波を閉じ込める目的で設けられる場合は網目状構造でなくてもよく、ITO膜や最近開発されているITO代替膜のような均一な層であってもよい。しかしながら、3層全体として可視光線透過率40%以上を満たすことが必要であるため、透明誘電体層(E)と第2透明導電層を合わせた2層全体の可視光線透過率は60%以上であることが好ましく、80%以上であることがさらに好ましい。
本発明による透明二次元通信シートは、全体としての可視光線透過率が40%以上であれば「透明」であるとされるが、該シート全体としての可視光線透過率は、60%以上であることがさらに好ましく、80%以上であることが最も好ましい。
本透明による透明二次元通信シート100は、同軸ケーブルで有線接続されることができ、また、特許文献1または非特許文献1に記載されているような近接コネクタを介して第1透明導電層側から電磁波を導入してもよい。同軸ケーブルで接続するには、例えば第1透明導電層102への給電点の左右一方の側に同軸ケーブル105の中心導線、もう一方の側に編組線を配線してダイポールアンテナのような配線とし、閉回路とするか(図1)、または第1透明導電層に中心導線を接続し、第2透明導電層に編組線を接続すればよく、その逆でもよい(図2)。特許文献1では図2のようにすることで挟間領域103に電磁波を閉じ込めているが、この場合、第2透明導電層104は電磁シールドの役割をしており、ディスプレイなどに重ねる場合など電磁シールドが必要な場合が想定されている。一方、透明二次元通信できる窓(ウィンドウ)として使用する場合には電磁シールドを設ける必要はなく、その場合、同軸ケーブルからの対極の接続は、アースとしてもよいし、また、ダイポールアンテナのように第1透明導電層の給電点両側に配線してもよいし(図1)、または第1透明導電層に中心導線を接続し、網目状構造の第2透明導電層に編組線を接続すればよい(図2)。さらに、極細同軸ケーブルを利用することで、配線スペースを削減することもできる。以上により、エバネッセント波が網目状構造から浸出するが、遠方への電磁放射はなく、近接場の高さLは、L=p/(2π)程度であり、表面からの距離をzとすると、浸出する電磁波の振幅は、e−z/Lのように減衰していく。エバネッセント波による二次元通信の理論的背景については、特許文献1または非特許文献1を参照されたい。
本発明の導電膜の製造方法の一例について説明する。
本発明の導電膜は、基板(A)の表面上に、基板(A)と接触させる面とその裏面とを貫通する、網目状構造の開口部を有する鋳型(B)を配置し、鋳型(B)を配置した基板(A)の表面に、導電性粒子(P)の分散液(D)を展開して乾燥させることで、基板(A)と鋳型(B)との接点近傍に、導電性粒子(P)による網目状構造(C、C’)を形成させた後、鋳型(B)を基板(A)から外すことにより、基板(A)の表面上に導電性粒子(P)による網目状構造(C、C’)を形成させることによって、製造することができる。
また、本発明の導電膜は、基板(A)の表面上に、導電性粒子(P)の分散液(D)を展開し、基板(A)の表面に展開した分散液(D)の上から、基板(A)と接触させる面とその裏面とを貫通する、網目状構造の開口部を有する鋳型(B)を配置して乾燥させることで、基板(A)と鋳型(B)との接点近傍に、導電性粒子(P)による網目状構造(C、C’)を形成させた後、鋳型(B)を基板(A)から外すことにより、基板(A)の表面上に導電性粒子(P)による網目状構造(C、C’)を形成させることによって、製造することもできる。
<基板(A)>
本発明に用いる基板(A)は、その表面と、後述する導電性粒子(P)の分散液(D)との接触角が0.1〜50°であることが好ましく、接触角が0.1〜30°であることがより好ましく、接触角が0.1〜20°であることが更に好ましい。
基板(A)の表面と、導電性粒子(P)の分散液(D)との接触角を上記の範囲内とするために、基板(A)を予め表面処理しておくことが好ましい。表面処理の方法としては、例えば、UV照射処理やプラズマ照射処理(親水化処理);アセトン、アルコール等の有機溶剤による洗浄処理が挙げられる。
基板(A)の形状としては、例えば、平板状、フィルム状が挙げられる。取り扱いの容易さを考慮すると、平板状が好ましい。
基板(A)の素材としては、例えば、ガラス;ステンレス、アルミ等の金属;ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等の樹脂が挙げられる。
後述する網目状構造(C、C’)を形成した基板(A)を、透明導電部材として用いる場合、基板(A)として、ガラスや透明樹脂等の透明基板を選択すればよい。
基板(A)として透明樹脂を用いる場合、ヤング率は0.5GPa以上、130℃での熱収縮率は1%以下、融点は70℃以上であることが好ましく、膜厚は15μm以上であることが好ましい。
透明樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂;ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂;ポリカーボネート;ポリエーテルスルホン;ポリスルホン;ポリオレフィン;ポリイミド;ポリアミド;ポリアミドイミド;ポリスチレンが挙げられる。
網目状構造(C、C’)の焼成工程を要する場合には、焼成温度を勘案して、基板(A)の素材を選択すればよい。
<鋳型(B)>
本発明に用いる鋳型(B)は、基板(A)と接触する面(s)と、その裏面(r)を貫通する網目状構造の開口部を有する。この開口部を通じて、後述する導電性粒子(P)の分散液(D)の分散媒を蒸発させることができる。また、開口部ではない部分(鋳型の網目の辺部分)に、導電性粒子(P)を表面張力により自己組織的に集積させることができる。
鋳型の網目の辺部分に、導電性粒子(P)を表面張力により自己組織的に集積させるには、基板(A)に対向する鋳型の各辺が全て基板(A)に密着していない方が好ましい。尚、基板(A)と鋳型(B)が密着している場合でも、後述する工程1−3の乾燥工程において、分散液(D)の表面張力によって鋳型(B)が押し上げられる。
鋳型(B)としては、例えば、ステンレス製、アルミ製等の金網が挙げられる。特に、ステンレス製、アルミ製の細線で平織りまたは綾織りされた金網は、網目辺の交点が盛り上がっており、これを基板(A)に乗せると、網目の各辺が基板(A)に密着しないことから好ましい。
このような金網を用いる場合、本発明の製造方法により作製される網目状構造(C、C’)の線幅、開口部の幅は、この金網を構成するワイヤー(針金)の直径、開口部の幅で調整することができる。用いるワイヤーの断面は、丸型、角型等、いずれの形のものでも用いることができる。尚、開口部の幅とは、金網を構成するワイヤーとワイヤーの間隔を示す。また、金網のピッチとは、金網を構成するワイヤーの中心からワイヤーの中心までの間隔を示す。
エレクトフォーミング法で作製された網目状構造の鋳型や、マイクロシーブも、鋳型(B)として用いることができる。マイクロシーブを用いる場合、表面に微細粒子(例えば、ナノまたはマイクロサイズのシリカ粒子。)を付着または融着させ、シリカ粒子が付着または融着した面を基板(A)に対向させて、基板(A)に乗せて用いることが好ましい。
本発明の製造方法によると、鋳型(B)に用いた金網のワイヤーの直径に対して、1/10〜1/3程度の線幅の網目状構造(C、C’)を、基板(A)上に形成することが可能である。
ワイヤーの直径は、5〜60μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。ワイヤーの直径が5〜60μmであれば、形成される網目状構造(C、C’)の線幅も細いため、得られる導電膜の透明性が高くなる。マイクロシーブを鋳型に用いる場合、その網目各辺の幅は、上記のワイヤーの直径と同程度であることが好ましい。
開口部の幅は、15〜100μmが好ましく、15〜50μmがより好ましい。開口部の幅が15〜100μmであれば、得られる導電膜の透明性が高くなる。
鋳型(B)が、欠陥のない規則正しい網目状構造であれば、この鋳型を用いて作製される導電膜のパターンは規則正しい網目状構造107となる(図3a)。規則正しい網目状構造とは、それぞれの網目が同一の形状である網目状構造を意味する。この形状には、正方形、長方形、三角形、正六角形、等の多角形の他、円形、楕円形であってもよく、さらには波線で画定される形状であったり、網線自体が網目状構造を有するものであってもよい(図3b)。
例えば、正方形の網目、長方形の網目、正六角形の網目がそれぞれの辺を共有して連続している場合、これらは規則正しい網目状構造である。規則正しい網目状構造が連続していることにより、導電性が均一になる。即ち、どの場所においても同じ導電性を発現する。また、数種の図形の配列が規則正しく配列していればそれでもよい。この場合は場所により導電性は異なる。さらに、規則性は問わず、全体として均一の電磁波強度となるよう傾斜構造を採用してもよい。
<導電性粒子(P)>
本発明に用いる導電性粒子(P)としては、例えば、金属微粒子、導電性ポリマーの微粒子、カーボンが挙げられる。
金属微粒子としては、例えば、Au、Ag、Cu、Ni、Pt、Pd、Fe、Cr、Zn、Sn等の金属、これらの酸化物、およびこれらの合金が挙げられる。これらの中では、導電性が高いことから、Au、Ag、Cu、Ptが好ましい。また、コスト面からは、Ag、Cu、洋銀(Cu、Zn、Niの合金)が好ましい。金属微粒子は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
導電性ポリマーとしては、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールやこれらの誘導体が挙げられる。導電性ポリマーは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
導電性粒子(P)の質量平均粒子径は、1〜1000nmが好ましく、1〜100nmがより好ましく、1〜30nmが更に好ましく、1〜20nmが特に好ましい。導電性粒子(P)の質量平均粒子径が小さいほど、鋳型(B)のパターン形状に対する追随性が高くなる。
<分散液(D)>
導電性粒子(P)の分散液(D)の固形分は、0.01〜80質量%が好ましく、0.01〜10質量%がより好ましく、0.01〜5質量%が更に好ましく、0.01〜3質量%が特に好ましい。分散液(D)の固形分が低いほど、網目状構造(C、C’)の線幅が細くなるため、色味が薄く、透明性の高い導電膜を得ることできる。
分散液(D)の分散媒としては、例えば、水;アルコール等の有機溶剤が挙げられる。これらの中では、蒸発速度が適度であること、VOC(Volatile Organic Compounds)がないことから、水が好ましい。分散媒は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、導電性粒子(P)の分散安定化のため、分散助剤を使用することもできる。
<網目状構造(C、C’)の形成>
本発明の網目状構造(C、C’)は、導電性粒子(P)の分散液(D)を基板(A)の表面に展開する順序を変えて、下記の製造方法1または2により作製することができる。この方法では、網目状構造の開口部を有する鋳型(網目状の鋳型)を用いているので、網目状のパターンの導電膜を容易に得ることができる。
尚、本発明では、導電性粒子(P)により形成された網目状構造(C、C’)を、「導電膜」という。
本発明の製造方法を用いることで、例えばメートルオーダーの大面積の導電膜であっても、簡便に製造することができる。
以下、各製造方法について説明する。
<製造方法1>
工程1−1:基板(A)の表面上に、鋳型(B)を、工程1−2〜1−3の操作によってずれないように配置する。(図4)
工程1−2:鋳型(B)を配置した基板(A)に、鋳型(B)の上面から、導電性粒子(P)の分散液(D)を展開する。(図5)
工程1−3:分散液(D)の分散媒を乾燥させることで、導電性粒子(P)を基板(A)と鋳型(B)との接点近傍に凝縮させた網目状構造(C、C’)を、自己組織的に形成させる。
工程1−4:鋳型(B)を外すことで、基板(A)の表面上に導電性粒子(P)による網目状構造(C、C’)を形成させ、導電膜を得る。(図6)
<製造方法2>
工程2−1:基板(A)の表面上に、導電性粒子(P)の分散液(D)を展開する。(図7)
工程2−2:分散液(D)を展開した基板(A)の表面に、鋳型(B)を、工程2−3の操作によってずれないように配置する。(図8)
工程2−3:分散液(D)の分散媒を乾燥させることで、導電性粒子(P)を基板(A)と鋳型(B)との接点近傍に凝縮させた網目状構造(C、C’)を、自己組織的に形成させる。
工程2−4:鋳型(B)を外すことで、基板(A)の表面上に導電性粒子(P)による網目状構造(C、C’)を形成させ、導電膜を得る。(図9)
製造方法1または2によって、網目状構造(C、C’)を容易に得ることができるが、歩留まりが良好であることから、製造方法1が好ましい。
本発明の製造方法により、鋳型(B)の線幅よりも細い線幅で、鋳型(B)と同形状のパターンを、基板(A)の表面上に形成することができる。例えば、ステンレス製の金網を鋳型(B)として用いると、この金網を構成しているステンレスワイヤーの直径の1/10〜1/3程度の線幅の網目状構造(C、C’)が、導電性粒子(P)によって基板(A)の表面上に形成される。
網目状構造(C、C’)の線幅が、鋳型(B)を構成する線幅よりも格段に細くなる現象は、本発明者らにより見出された現象である。
この現象は、上記工程1−3または2−3において、分散液(D)を乾燥させる過程で、分散液(D)の表面張力によって鋳型(B)が押し上げられ、乾燥の進行に伴い、鋳型(B)を構成する細線の下方で、基板(A)の表面上に導電性粒子(P)が凝縮するためと推測される。
本発明の製造方法では、網目状構造(C、C’)の線の断面形状が、上方に弧を描いたような弓形(凸型)であるものを容易に形成することができる。線の断面形状が弓形であることで、表面抵抗値が小さくなり、後の転写工程においては、転写が容易となる。
以下、製造方法1の各工程について詳細に説明する。
<工程1−1>
本工程は、基板(A)の表面上に、鋳型(B)を配置する工程である。製造方法1をバッチ操作で実施する場合には、鋳型(B)を基板(A)から外す工程1−4までの間、両者の位置がずれることがなければよく、公知の接着剤または接着テープ等を用いることができる。
但し、基板(A)の表面で接着を行なうと、その部分は導電膜が形成されなくなることから、接着部分は基板の隅であることが望ましい。
基板(A)と鋳型(B)は、密着している必要はない。鋳型(B)の、基板(A)と接触する面(s)と基板(A)の間隔は、0.01〜20μmであることが好ましく、0.01μm〜2μmであることがより好ましい。面(s)と基板(A)の間隔がこの範囲内であれば、鋳型(B)のパターン形状をほぼ完全に再現した導電膜が得られる。
<工程1−2>
鋳型(B)を配置した基板(A)に、導電膜の原料となる導電性粒子(P)の分散液(D)を展開する工程である。本工程では、導電膜を形成する部分一面に、分散液(D)が展開されていればよく、鋳型(B)が基板(A)からずれることなく、鋳型(B)の開口部に均一に導入が可能な方法であれば限定されない。
開口部に分散液(D)を導入する方法としては、例えば、スピンコート法、ドクターブレード法、ディップコート法、スプレー法、剪断塗布法が挙げられる。
前述したように、基板(A)を予め表面処理することにより、分散液(D)との接触角を小さくし、更に、鋳型(B)と分散液(D)との接触角を50°以下、好ましくは30°以下とすることで、鋳型(B)を配置した基板(A)に、分散液(D)を部分的に滴下した場合でも、表面張力によって、分散液(D)を速やかに一面に展開することができる。
<工程1−3>
分散液(D)を展開した後、分散液(D)の分散媒を乾燥(蒸発除去)させる工程である。乾燥温度は0〜100℃が好ましく、3〜60℃がより好ましく、3〜30℃が更に好ましい。
分散媒を乾燥させる方法としては、例えば、静置する方法、熱風をあてる方法、大気圧以下に減圧する方法が挙げられる。乾燥条件は、乾燥時間が10秒以上、好ましくは30秒以上、より好ましくは1分以上となるように決めることが望ましい。
分散媒を乾燥する過程で、導電性粒子(P)が、自己組織的に、鋳型(B)と基板(A)が密着または近接した部分へと集積していく。その結果、鋳型(B)と同形状のパターンを形成していく。
その他の条件が同じであれば、乾燥温度が低くなるほど乾燥速度は遅くなり、鋳型(B)のパターン形状に対する追随性が高く、密度の高い線を形成させることができる。
この工程で自己組織的に導電膜が形成されるのは、分散媒が乾燥していく過程で、導電性粒子(P)が濃縮されながら、分散媒自身の表面張力により、基板(A)と鋳型(B)の間隙の方へと引き寄せられていくためである。
分散媒の乾燥後に、工程1−2〜1−3を繰り返すこともできる。これにより、導電膜の導電性をさらに向上させることもできる。
<工程1−4>
鋳型(B)を基板(A)から外す工程である。形成した導電膜を壊さなければ、特に方法は限定されない。
次に、製造方法2の各工程について詳細に説明する。
<工程2−1>
本工程は、基板(A)の表面上に、導電膜の原料となる導電性粒子(P)の分散液(D)を展開する工程である。本工程では導電膜を形成する部分一面に、分散液(D)が展開されていればよい。
分散液(D)を展開する方法としては、例えば、スピンコート法、ドクターブレード法、ディップコート法、スプレー法、剪断塗布法が挙げられる。
<工程2−2>
工程2−1で基板(A)上に展開した分散液(D)の上から、鋳型(B)を基板(A)に配置する工程である。本工程では、工程2−1で展開した分散液(D)が乾燥したり、表面張力によって分散液がない部分が発生しなければ、鋳型(B)を配置する方法は特に限定されない。鋳型(B)を配置する方法としては、工程1−1で例示した方法が挙げられる。
<工程2−3>
工程1−3と同様の工程である。
乾燥後、再度、更に導電性粒子(P)の分散液(D)を展開し、工程2−3を行なうこともできる。これにより、導電膜の導電性をさらに向上させることもできる。
<工程2−4>
工程1−4と同様の工程である。
<導電膜>
本発明で得られる導電膜は、線幅を、鋳型(B)の線幅の1/10〜1/3程度にすることができる。導電膜の線幅は、0.5〜6μmであることが好ましい。
導電膜の透明性は、鋳型(B)の開口部の幅を変えることにより、自由に変えることができる。鋳型(B)としてマイクロシーブを用いた場合、マイクロシーブは規則性が高いため、得られる導電膜のパターンも規則性に優れたものとなる。
導電膜の線幅が0.5〜6μmである場合、導電膜の開口部の幅を調整することにより、例えば、1mm厚のガラス基板(光線透過率:90〜93%)上に導電膜を形成した場合の光線透過率を、80%以上とすることができる。
本発明の導電膜は、線幅を従来にない細さにできるため、開口部の幅を小さくすることができる。
従来技術の太い線幅である場合には、導電膜の透明性を上げるために開口部の幅を広くする必要があった。開口部は絶縁部分であるため、透明性を上げれば絶縁部分が大きくなり、透明導電膜としての性能は充分ではなかった。
<焼成処理>
本発明で得られる導電膜は、導電性粒子(P)による網目状構造(C、C’)を形成させた後、更に加熱して焼成することが好ましい。
一般に金属微粒子は、水または有機溶剤に分散した分散液の状態であり、表面には分散安定性を維持するための分散剤が吸着している。導電性粒子(P)として金属微粒子を用いた場合、金属微粒子による網目状構造(C、C’)を形成させた後、焼成することにより、金属微粒子同士を融着させ、導電性の高い導電膜を形成することができる。
焼成時の加熱温度は、50〜600℃が好ましく、100〜450℃がより好ましい。焼成時間は、加熱温度や分散液(D)の物性によって異なるが、5〜30分程度が好ましい。
焼成は、工程1−4または2−4で鋳型(B)を外した後に行なっても、外す前に行なってもよい。
<電解めっき>
本発明で得られる導電膜は、導電性粒子(P)による網目状構造(C、C’)を形成させた後、形成された導電膜を電極として、電解めっきを行なうこともできる。これにより、金属の細線の密度が向上することから、導電性を向上させることができる。
但し、この場合、めっきの形成速度が速く、導電膜の線幅および膜厚が急激に増加するため、電解めっき浴の金属イオン濃度、電圧、電流値の調整等が必要である。
<表面保護>
本発明では、後述する転写工程を実施せず、導電膜を、透明樹脂等によりコーティング(固定化)することも可能である。基板(A)がガラス等の透明基板の場合、これにより透明導電基板が得られる。
但し、この場合、コーティング層を導電膜よりも厚くしてしまうと、透明樹脂等により導電膜が完全に被覆され、基板表面の導電性がなくなってしまう。透明導電基板の表面の導電性を維持しつつ、導電膜の基板への密着性を向上させたい場合は、コーティング層の厚さを調整すること必要がある。
<その他>
本発明で得られる導電膜は、酸化亜鉛、酸化錫等の透明導電膜でコーティングすることも可能である。これにより、本来絶縁層である、開口部にも導電性を持たせることができる。透明導電膜としては、例えば、酸化亜鉛、酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、錫ドープ酸化インジウム、アルミドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛が挙げられる。
透明導電膜の形成方法としては、従来既知の方法を用いることができる。例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱分解法、スプレーCVD法、コロイド法、ゾルーゲル法が挙げられる。
<転写工程>
本発明の製造方法では、基板(A)の表面上に導電膜を形成させた後、更に、基板(A)の表面上に単量体組成物(X)を塗布して重合し、得られた重合体を基板(A)から剥離することにより、重合体の表面に導電膜を転写することができる(転写方法1)。
また、本発明の製造方法では、基板(A)の表面上に導電膜を形成させた後、更に、基板(A)の表面上に単量体組成物(X)を塗布し、その上に基板(E)を配置した後、単量体組成物(X)を重合し、基板(E)を基板(A)から剥離することにより、単量体組成物(X)を重合して得られた重合体をバインダーとして、基板(E)の表面に導電膜を転写することができる(転写方法2)。
単量体組成物(X)を塗布する前に、導電膜が形成された基板(A)の表面を、UV照射処理、プラズマ照射処理、コロナ放電処理、電子線処理等により予め処理しておくことが好ましい。この操作により、導電膜の転写が容易になる。
<単量体組成物(X)>
本発明に用いる単量体組成物(X)は、光硬化性単量体組成物(X1)または熱硬化性単量体組成物(X2)であり、これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、基板(E)として透明な基板を用いる場合には、得られる重合体と基板(E)との屈折率差を0.1以下とすることが好ましい。重合体と基板(E)との屈折率差が小さいほど、透明性が高くなる。尚、屈折率は、JIS K−7105に従って、カルニュー光学工業(株)製KPR−2により測定することができる。
<光硬化性単量体組成物(X1)>
光硬化性単量体組成物(X1)を用いる場合、基板(A)の表面上に塗布した光硬化性単量体組成物(X1)に、紫外線等の活性エネルギー線を照射して重合することにより、導電膜を転写することができる。
光硬化性単量体組成物(X1)は、ビニル単量体(x1)と光重合開始剤(x2)を含有する。
その混合比率は、硬化速度が適度であることから、ビニル単量体(x1)100質量部に対して、光重合開始剤(x2)0.1〜10質量部であることが好ましい。光重合開始剤(x2)が0.1質量部以上であれば、光硬化性単量体組成物(X1)の硬化性が向上する。また、光重合開始剤(x2)が10質量部以下であれば、得られる重合体の着色が抑制される。
<ビニル単量体(x1)>
ビニル単量体(x1)としては、例えば、少なくとも2つのビニル基を有するビニル単量体(x1−1)、1つのビニル基を有するビニル単量体(x1−2)が挙げられる。
少なくとも2つのビニル基を有するビニル単量体(x1−1)としては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。また、公知のエステルポリ(メタ)アクリレート、公知のウレタンポリ(メタ)アクリレート、公知のエポキシポリ(メタ)アクリレート、公知のエチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等を挙げることもできる。
これらは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
1つのビニル基を有するビニル単量体(x1−2)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フォスフォエチル(メタ)アクリレート、スチレンが挙げられる。
これらは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ビニル単量体(x1)として、ビニル単量体(x1−1)とビニル単量体(x1−2)を併用する場合、ビニル単量体(x1−1)100質量部に対して、ビニル単量体(x1−2)を0.1〜20質量部用いることが好ましく、0.5〜15質量部用いることがより好ましく、1〜10質量部用いることが更に好ましい。ビニル単量体(x1−2)を0.1質量部以上用いれば、光硬化性単量体組成物(X1)の粘度を低下させることができる。また、ビニル単量体(x1−2)を20質量部以下用いれば、得られる重合体の耐熱性を低下させることがない。
<光重合開始剤(x2)>
光重合開始剤(x2)としては、例えば、ベンゾインモノメチルエーテル、ベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ジャパン(株)製、IRGACURE184(商品名))、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン(チバ・ジャパン(株)製、IRGACURE127(商品名))等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド類;ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム(チバ・ジャパン(株)製、IRGACURE784(商品名))が挙げられる。これらの中では、硬化性に優れることから、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドが好ましい。
これらは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<光硬化の方法>
光硬化に用いる活性エネルギー線の光源としては、例えば、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、無電極UVランプ(フュージョンUVシステムズ社製)、可視光ハロゲンランプ、キセノンランプ、太陽光が挙げられる。
活性エネルギー線照射時の雰囲気は、空気中でもよいし、窒素、アルゴン等の不活性ガス中でもよい。
活性エネルギー線の照射エネルギーとしては、200〜600nm、好ましくは320〜390nmの波長範囲での積算エネルギーが、0.01〜10J/cm、好ましくは0.5〜8J/cmとなるように照射することが好ましい。
活性エネルギー線は、基板(A)側を裏面として、表面側から照射することが好ましい。
<熱硬化性単量体組成物(X2)>
熱硬化性単量体組成物(X2)を用いる場合、基板(A)の表面上に塗布した熱硬化性単量体組成物(X2)に、熱を加えて重合することにより、導電膜を転写することができる。
熱硬化性単量体組成物(X2)は、ビニル単量体(x1)と熱重合開始剤(x3)を含有する。
その混合比率は、硬化速度が適度であることから、ビニル単量体(x1)100質量部に対して、熱重合開始剤(x3)0.1〜10質量部であることが好ましい。熱重合開始剤(x3)が0.1質量部以上であれば、熱硬化性単量体組成物(X2)の硬化性が向上する。また、熱重合開始剤(x3)が10質量部以下であれば、得られる重合体の着色が抑制される。
尚、熱硬化性単量体組成物(X2)で用いるビニル単量体(x1)は、光硬化性単量体組成物(X1)で用いるビニル単量体(x1)と同じである。
<熱重合開始剤(x3)>
熱重合開始剤(x3)としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、4,4’−アゾビス−(4−シアノバレリックアシッド)等のアゾ化合物;過硫酸アンモニウム塩等の過硫酸化合物;ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、キュメインハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物が挙げられる。
<熱硬化の方法>
熱硬化性単量体組成物(X2)は、60〜130℃の温度で、0.1〜2時間程度加熱することが好ましい。
<基板(E)>
転写方法2で用いる基板(E)としては、透明な導電部材が得られることから、透明な素材を用いることが好ましい。
透明の素材としては、可撓性透明樹脂フィルム、透明樹脂シートが好ましく、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルフィルム;ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム;ポリカーボネートフィルム;アクリルフィルム;ノルボルネンフィルムが挙げられるが、ガラスなどの透明無機酸化物であってもよい。
<連続プロセスのフロー>
本発明の製造方法は、生産性を考慮して、連続プロセスとすることが好ましい。連続プロセスについて、概略図(図10〜12)を用いて説明する。
<導電膜形成工程の連続化>
本発明における「導電膜」の形成を連続的に実施する場合に想定される、プロセスの概略図を図10に示す。
基板(A)は、導電性粒子(P)の分散液(D)との接触角を調整するための表面処理工程10に送られ、鋳型(B)を基板(A)の上面に配置後、分散液(D)を展開する工程20、乾燥工程30へと順次送られる。
この際、鋳型(B)を、円筒状またはエンドレスベルト状とすることで、より効率的に、連続的に導電膜を形成することができる。
表面処理工程10により、分散液(D)に対する基板(A)の接触角を小さくすることで、表面張力によって、分散液(D)は速やかに基板(A)上面に一様に展開する。
また、工程20〜工程30を2回以上繰り返すことにより、導電性を更に向上させることもできる。
乾燥工程の後に、必要に応じて、焼成工程を設けることもできる。
<転写工程の連続化>
本発明における「転写」を連続的に実施する場合に想定される、プロセスの概略図を図11に示す。
導電膜が形成された基板(A)は、必要に応じて、表面処理工程10で表面処理を行なった後、単量体組成物(X)を塗布する工程40、単量体組成物(X)を重合する工程50へと順次送られる。
工程40の後、工程50の前に、単量体組成物(X)を塗布した基板(A)に、基板(E)を押し付けて単量体組成物(X)を重合し、基板(E)を剥離することで、導電膜を基板(E)に転写することができる(転写方法2)。
基板(E)を基板(A)に押し付けるには、押さえつけロールを用いればよい。押さえつけロールは、単量体組成物(X)を基板(A)の表面に拡げながら、単量体組成物(X)に巻き込まれた空気を追い出す役割も担う。
<導電膜形成〜転写工程の連続化>
「導電膜」の形成〜「転写」までを一連の工程として行なうこともできる。その場合に想定されるプロセスの一例を図12に示す。
<透明二次元通信シート>
本発明で得られる、導電膜の形成された基板(A)、導電膜を転写した重合体(転写方法1)、および導電膜を転写した基板(E)(転写方法2)は、いずれも透明性および導電性に優れる。ここに配線して使用するか、裏面に同様な方法で透明導電層を形成するか、蒸着などの方法でITO膜などにすることにより、透明二次元通信シートができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<線幅・開口部の幅(ピッチ)の測定>
光学顕微鏡(オリンパス(株)製、システム顕微鏡BX51123MDS(商品名))を用い、導電膜を観察し、画像から線幅・開口部の幅をそれぞれ5箇所測定し、その平均値を、線幅・開口部の幅とした。
<透明性(光線透過率)の測定>
ヘーズメーター(日本電色工業(株)製、NDH2000(商品名))を用い、試料の5箇所の光線透過率を測定し、その平均値を透明性(光線透過率)とした。
<導電性(表面抵抗値)の測定>
抵抗率計(三菱化学(株)製、ロレスタGP(商品名))に直列四探針プローブを装着し、試料の5箇所の表面抵抗値を測定し、その平均値を導電性(表面抵抗値)とした。
<単量体組成物(X)の調製>
以下に示す割合で各原料を混合し、単量体組成物(X)を調製した。
単量体組成物(X);
ニューフロンティアBPEM−10 40質量%
(エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジメタクリレート)
ニューフロンティアGX−8662V 35質量%
(ウレタンポリアクリレート)
アクリエステルPBOM 20質量%
(ポリブチレングリコールジメタクリレート)
ニューフロンティアPHE 5質量%
(フェノキシエチルアクリレート)
IRGACURE184 1.6質量%
上記の原料で、ニューフロンティアBPEM−10、ニューフロンティアGX−8662V、ニューフロンティアPHEは、いずれも第一工業製薬(株)製、アクリエステルPBOMは三菱レイヨン(株)製、IRGACURE184はチバ・ジャパン(株)製である。
<製造例1〜11>
基板(A)として、ガラス基板(寸法:50mm×50mm×1.0mm、光線透過率:91%、表面抵抗値:1010Ω/□以上、松浪硝子工業(株)製)を用いた。
鋳型(B)として、表1に示す、ステンレス製の金網(平織りの金網)を用いた。
分散液(D)として、下記の金微粒子の水分散液を、表1に示す固形分となるように適宜脱イオン水で希釈して用いた。
AuW011 (日本ペイント(株)製、導電性微粒子:金、質量平均粒子径10nm、固形分10質量%(商品名))
AUW101 (日本ペイント(株)製、導電性微粒子:金、質量平均粒子径20nm、固形分10質量%(商品名))
ガラス基板の表面に、ステンレス製の金網を配置し、表1に示す塗布量の金微粒子の水分散液を展開し、5℃で60分間静置して、水分散液を乾燥させた。
ステンレス製の金網をガラス基板の表面から外した後、表1に示す焼成温度に加熱した乾燥機中で金微粒子を焼成し、ガラス基板上に金の網目状構造(正方形の規則正しい網目)を形成させ、導電膜を得た。
次に、卓上型光表面処理装置(セン特殊光源(株)製、低圧水銀ランプPL16−110(商品名))を用い、光源からの距離:15mmの位置に、導電膜を形成したガラス基板を設置し、ガラス基板の表面(導電膜側)に約1分間、UV照射した。
次いで、ガラス基板の導電膜の上方から、ガラスピペットを用いて単量体組成物(X)を塗布し、気泡を巻き込まないように押さえつけながら基板(E)としてのPETフィルム(東洋紡績(株)製、A4300(商品名)、厚さ:188μm、光線透過率:88%、表面抵抗値:1015Ω/□以上、反射防止膜なし)を配置した。
その後、6kW(120W/cm)の高圧水銀ランプを用い、800mJ/cmの紫外線をPETフィルム側から照射し、単量体組成物(X)を重合させた。PETフィルムを、ガラス基板からゆっくり剥離することによって、導電膜が転写されたPETフィルムを得た。
導電膜が転写されたPETフィルムの厚さを、マイクロメータ((株)ミツトヨ製、MDC−25MJ(商品名))を用いて測定した結果、いずれも、220〜230μmであった。これより、単量体組成物(X)の重合体の厚さは30〜40μmであった。
<製造例12>
金微粒子の水分散液を展開して5℃で60分間乾燥した後、更に同じ操作を繰り返す(2回展開〜乾燥)こと以外は製造例5と同様にして、導電膜を得た。
<例1(鋳型(B5)の作製)>
250メッシュのマイクロシーブ(東京プロセスサービス(株)製、線幅:20μm、ピッチ:102μm、開口率:75%)の底面部に粒径100nmのシリカ粒子を分散させたサスペンジョンを塗布した後、乾燥させた。更に、450℃に加熱することで、シリカ粒子をマイクロシーブの底面部に融着させ、底面部を親水化させ、表面に凹凸のある細線状とした。
<製造例13>
例1で作製した鋳型(B5)を、シリカ粒子を融着させた面を下にして、ガラス基板の表面に配置し、金微粒子の水分散液(質量平均粒子径:20nm、固形分:1wt%)110μLを展開し、5℃で60分間静置して、水分散液を乾燥させた。乾燥過程で、金微粒子が細線に引き寄せられ、規則的な網目状構造を形成した。
鋳型(B5)をガラス基板の表面から外した後、ガラス基板を450℃に加熱した乾燥機中で17.5分間焼成し、ガラス基板上に金の網目状構造を形成させ、導電膜を得た。(図13)
この導電膜を構成する金の網目状構造は、規則正しい正方形であり、線幅は4.5μm、網目のピッチは102μmであった。また、この導電膜の表面抵抗値は15Ω/□であった。
製造例1〜12の評価結果を表1に示す。
いくつかの製造例における、ガラス基板上の導電膜(転写前)の顕微鏡写真と、PETフィルム上の導電膜(転写後)の顕微鏡写真を図14〜19に示す。
転写前後の導電膜を構成する金の網目状構造は、用いた鋳型の構造とほぼ同じであり、網目状構造の線幅は鋳型の線幅(金網の場合は、ワイヤーの直径)よりも細いことが確認できた。
また、製造例3で得られたガラス基板上の導電膜(転写前)の細線の断面形状を、AFM(原子間力顕微鏡)のコンタクトモードで観察したところ、ガラス基板上で上方に弧を描いた弓形であることが確認できた。(図20)
<製造例14>
厚さ100μmの4cmのPETフィルム(ユニチカ(株)製、エンブレットS(商品名))に、厚さ2μmの銅箔を、150℃、20kgf/cmの条件でロールラミネートし、銅箔を表面にもつフィルムを作製した。
このフィルムに、フォトリソグラフ工程により、線幅18μm、ピッチ250μmのメッシュ状幾何学的模様を形成した。フォトリソグラフ工程においては、レジスト(DFR)貼り付け工程、露光工程、現像工程、ケミカルエッチング工程、レジスト剥離工程を行なった。
評価結果を表1に示す。
<製造例15>
Niを表面に被覆したナイロン繊維(直径:30μm)を、厚さ125μmの4cmのPETフィルムに、200℃、20kgf/cmの条件で、メッシュ状に圧着することでピッチが220μm、線幅25μm、膜厚25μmのNiメッシュを表面にもつPETフィルムを作製した。評価結果を表1に示す。
<製造例16>
粒子径2.2μmのポリスチレン微粒子4gを水10gに分散し、剪断塗布法によりガラス基板上に塗布し、単層膜を形成した。次いで、ホットプレート上で150℃、30秒間加熱し、ポリスチレン微粒子の熱変形により単層平面六角構造とした。
粒子径20nmの金の微粒子0.1gを水0.9gに分散し、前記のポリスチレン単層膜を形成したガラス基板に剪断塗布法により10回塗布し、金粒子を浸透させた。
ヒーターにより、450℃に熟することにより金粒子を融着させ、且つ、ポリスチレン単層膜を加熱により除去し、金の平面六角構造を有する導電膜を作製した。評価結果を表1に示す。
裏面には表面と網目のピッチが同じか、または小さくした網目状構造を形成するか、またはITO膜などの透明導電膜を形成することにより、三層構造の透明二次元通信シートが出来上がる。本発明で得られる三層構造の透明二次元通信シートは、各種ディスプレイやタッチパネルに重ねて、またはタッチパネルそのものとして使用でき、背景の映像を見ながら高速情報通信することができる。
<用途例1>:透明二次元通信パネル
図21に示したように、会社内など、多数あるパソコン(PC)108のどのPCにもディスプレイ表面に本シート100を重ねることができる。本シートには同軸ケーブルや近接コネクタにより電磁波を供給することができる。本シート表面にRFID仕様の社内IDカード109かそれに準じたものを浸出領域101に接近させるとIDカード内の情報を読み取り、これがパスワード代わりになる。これにより、パスワードを覚えておく必要が無くなり、社内のどのPCでもこのようにしてログインすることができる。またRFIDを内蔵した物品をディスプレイの浸出領域に接近させるだけで物品チェックができ、専用のリーダーは不要となる。
<用途例2>:透明二次元通信パネル
図22に示したように、スマートフォン110などの携帯電話や小型PCどうしや、それらとテレビ、PCで大量情報を送受信することができる。携帯電話やPC、テレビのディスプレイ表面に本シート100を重ね、本シートには同軸ケーブルや近接コネクタにより電磁波を供給することができる。本シート表面の浸出領域101に携帯電話や小型PCを近づけると、一方からの情報を他方が受信することができる。本用途例は、数cm以内の近い範囲での情報機器間通信を行うもので、使用する周波数として2GHz以上、好ましくは5GHzより高い帯域を使用することにより音楽や映像情報などの大容量情報を高速通信することを可能とし、専用のカプラが不要で相互のディスプレイ間で通信できるという利点がある。携帯電話の場合、それぞれの画面を重ねるように近付けるだけでよい。
<比較例1>:近距離無線通信
用途例2と同様なものにBluetooth(登録商標)やTransferJetTMがある。Bluetooth(登録商標)は数mから数十mという広い範囲での情報機器間通信を行うもので、中心周波数2.4GHzを使用し、最大24Mbps(メガビット毎秒)という低い通信速度である。一方、TransferJetTMは数cm以内の近い範囲での情報機器間通信を行うもので、中心周波数4.48GHzを使用し、最大560Mbpsの高通信速度であるものの、専用の誘導電場カプラを介しての通信であるからこれを使用しないと通信できないという不便さがあった。
<用途例3>:透明二次元通信タッチパネル
図23および図24に、本発明による透明二次元通信タッチパネルの一例を示す。座標の決定方法は本シートの透明導電層の四隅106から同軸ケーブル105で電圧をかける表面型静電容量方式である。座標の決定と大容量通信を同じケーブルで同時に行う。座標情報の静電容量の変化を検出するために通信用電磁波を相殺させる機構を備えている。本シート100をテレビやスマートフォン110、PC、銀行ATMや鉄道会社の切符販売機、ガソリンスタンドの給油機などのディスプレイ上に設置して使用する。第1透明導電層をタッチパネルと大容量通信に使用した場合、第2透明導電層は通信情報の漏洩防止と同時にその下のディスプレイからの不要電磁波をキャンセルする役割も担っている。これによりディスプレイに表示された内容に従い画面にタッチして座標情報を送り、各種金融カード111を浸出領域101に接近させることにより送入金、物品購入ができる。これまでの銀行ATMや鉄道会社の切符販売機、給油機などでは、機械内部にカードを導入しなければならなかったが、それを画面上でできるようになるため機械の部品や構造が簡単になるという利点がある。
<用途例4>:透明二次元通信ウィンドウ
図25に、本発明による透明二次元通信ウィンドウの一例を示す。片面または両面を二次元通信に使用した車両用ウィンドウ、家庭用ウィンドウ(窓・戸)等が挙げられる。誘電体層に透明・堅固なガラスやポリカーボネートなどを採用した本シート100において、表裏を同じ網目状構造の導電体層とし、本シートに同軸ケーブルや近接コネクタにより電磁波を導入することができる。例えば、クルマ113のウィンドウ内外からRFID仕様の運転免許証112かそれに準ずるものを浸出領域101に近づけるだけでキーレスエントリーが可能である。また、必要な信号を送るとエンジン・エアコン・オーディオ等の操作ができる。ウィンドウの片面または両面をさらに用途例3のようなタッチパネルとし、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)などを用いた透明ディスプレイを重ねると、ウィンドウに浮かび上がった指示情報に従いウィンドウに触れることで設備の操作ができる。
本発明による透明二次元通信シートの通信シミュレーションを行った。シミュレーションソフトとして平面三次元電磁界シミュレータ「Sonnet Lite Plus V13.51」(有限会社ソネット技研)を用いた。
評価方法として、給電点であるPORT1から0.1〜5GHzまたは0.1〜20GHzの周波数の電磁波を与えた場合に、PORT1に戻ってきた割合(Sパラメータ:S11)をdB(デシベル)で表す。具体的には、S11は、高周波電子回路における反射係数であって、PORT1へ信号を入力したときにPORT1に戻る信号の割合を表し、入力の電力の平方根a1と戻りの電力の平方根b1から下式で算出される:
11=b1/a1
したがって、S11が1であれば電磁波が完全に戻ってきたことを、S11が0であれば完全に電磁放射して戻りがないことを、それぞれ意味する。また、S11とdBの関係は下式で表される:
dB=20log|S11
したがって、S11=1のときは0dBとなり、S11=0のときは−∞dBとなる。アンテナの場合、使用する周波数のdBは大きく負の値となり放射されたことを示すが、二次元通信の場合は、放射ではないためdBが0に近いほど好ましい。なお計算空間の壁は導電率∞の理想的シールドボックスとした。
<比較例1>ダイポールアンテナ
比較例として、下記条件のダイポールアンテナ(図26)を設定して通信シミュレーションを行った。結果を図27に示す。
Cell Size:0.2mm
計算空間:PET層250mm×250mm×厚0.2mm、上空間厚30mm(空気)、下空間厚30mm(空気)
第1導電体層:銀線ダイポールアンテナ、線幅0.2mm×30mm×厚0.1μm×2本
誘電体層:PET層
第2導電体層:なし
PORT1:ダイポールアンテナ中心部
VIA:なし
2GHz付近に放射がある。
<比較例2>平面アンテナ
比較例として、下記条件の平面アンテナ(図28)を設定して通信シミュレーションを行った。結果を図29に示す。
Cell Size:2mm
計算空間:PET層250mm×250mm×厚0.2mm、上空間厚30mm(空気)、下空間厚30mm(空気)
第1導電体層:銀層、60.2mm×60.2mm×厚0.1μm
誘電体層:PET層
第2導電体層:なし
PORT1:平面アンテナ側辺中央部
VIA:なし
1.5GHz、4GHz付近に放射がある。
<実施例1>50μm銀線格子
発明例として、下記条件の50μm銀線格子(図30、31)を設定して通信シミュレーションを行った。結果を図32に示す。
Cell Size:0.05mm
計算空間:PET層250mm×250mm×厚0.2mm、上空間厚30mm(空気)、下空間厚30mm(空気)
第1導電体層:銀格子、線幅0.05mm×60mm×60mm×厚0.1μm×ピッチ60mm
誘電体層:PET層
第2導電体層:なし
PORT1:銀格子側辺中央部
VIA:なし
0.1〜20GHzに放射が無い。
<実施例2>200μm銀線格子
発明例として、下記条件の200μm銀線格子(図33、34)を設定して通信シミュレーションを行った。結果を図35に示す。
Cell Size:0.2mm
計算空間:PET層250mm×250mm×厚0.2mm、上空間厚30mm(空気)、下空間厚30mm(空気)
第1導電体層:銀格子、線幅0.2mm×60.2mm×60.2mm×厚0.1μm×ピッチ15mm以下で変化
誘電体層:PET層
第2導電体層:なし
PORT1:銀格子側辺中央部
VIA:なし
0.1〜20GHzで放射が無い。
<比較例3>特許文献1記載の「透明」ではない二次元通信シート
比較例として、下記条件の通信シート(図36、37)を設定して通信シミュレーションを行った。結果を図38に示す。
Cell Size:0.5mm
計算空間:FR-4層250mm×250mm×厚1.6mm、上空間厚30mm(空気)、下空間厚30mm(空気)
第1導電体層:銅線格子、線幅1mm×厚35μm×ピッチ15mm
誘電体層:FR-4層
第2導電体層:銅層、31mm×31mm×厚35μm
VIA:1角に1mm×1mm
PORT1:VIA同位置、上向き
特許文献1では無線LANの周波数帯である2.4GHzを含む1〜5GHzのSパラメータが記載されている。特許文献1の図12、13、14は図10のインターフェイス装置と図11の二次元通信シートを使用してSパラメータを測定した結果であるが、S12とS22が、特定の周波数をキャッチしている。これは図10のインターフェイス装置がアンテナの役割をしているからであり、横から見ると20mm×2本のダイポールアンテナとなっている。S11は振動が激しいが、原理的にはS11は特定波長の放射が無ければほぼ1となって良いはずである。
<実施例3>比較例3を「透明」二次元通信シートとした場合
発明例として、下記条件の通信シート(図39、40)を設定して通信シミュレーションを行った。結果を図41に示す。
Cell Size:0.1mm
計算空間:PET層250mm×250mm×厚1.6mm、上空間厚30mm(空気)、下空間厚30mm(空気)
第1導電体層:銅線格子、線幅0.1mm×厚35μm×ピッチ15mm
誘電体層:PET層
第2導電体層:ITO層、30.1mm×30.1mm×厚35μm
VIA:原点に0.1mm×0.1mm
PORT1:VIA同位置、上向き
比較例3の誘電体層FR-4は比誘電率εrが4.5であるが、実施例3の誘電体層PETは3.37であり、それによりグラフは横軸方向にずれているものの、銅線幅100μm、誘電体層PET、第2導電体層ITOとして透明にしてもS11は比較例3と同様の傾向となる。
比較例3(特許文献1記載の「透明」ではない二次元通信シート)、実施例3(比較例3を「透明」二次元通信シートとした場合)では格子数が少ないためS11が負の値となり放射のある計算結果になったが、実施例1、2、4に見るごとく、格子数が多いと放射は無くなる。
<実施例4>200μm銀線両面格子
発明例として、下記条件の通信シート(図42、43)を設定して通信シミュレーションを行った。結果を図44に示す。
Cell Size:0.2mm
計算空間:PET層250mm×250mm×厚1.6mm、上空間厚30mm(空気)、下空間厚30mm(空気)
第1導電体層:銀線格子、線幅0.2mm×60.2mm×60.2mm×厚0.1μm×ピッチ15mm以下変化
誘電体層:PET層
第2導電体層:銀線格子、線幅0.2mm×60.2mm×60.2mm×厚0.1μm×ピッチ15mm以下変化
VIA:格子側辺Edge VIA 長さ60.2mm
PORT1:Edge VIA中央部
第1導電体層、第2導電体層両面格子でもほとんど電磁放射が無い。
本発明の透明二次元通信シートは、透明性に優れる網目状の導電体層外側の浸出領域において電磁場を変化させてカプラを介して信号を伝達する信号伝達システムにより、各種ディスプレイ、タッチパネル、壁面へ重ねたり、窓・タッチパネルそのものとして用いることにより、高速大量情報通信用途として好適に用いられる。
100 透明二次元通信シート
101 浸出領域
102 第1透明導電層
103 透明誘電体層(挟間領域)
104 第2透明導電層
105 同軸ケーブル
106 透明電極
107 網目状構造
108 パソコン
109 IDカード
110 スマートフォン
111 金融カード
112 RFID仕様の運転免許証
113 クルマ

Claims (9)

  1. 第1透明導電層および透明誘電体層(E)からなり、かつ可視光線透過率が40%以上である透明二次元通信シート。
  2. 第1透明導電層が導電性網目状構造(C)を有する、請求項1に記載の透明二次元通信シート。
  3. 透明誘電体層(E)の第1透明導電層とは反対側に第2透明導電層を有する、請求項1または2に記載の透明二次元通信シート。
  4. 第2透明導電層が導電性網目状構造(C’)を有する、請求項3に記載の透明二次元通信シート。
  5. 導電性網目状構造(C、C’)の網目の線幅dが200μm以下で、かつピッチpが、使用する波長λに対してλ≧pである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の透明二次元通信シート。
  6. 基板(A)の表面上に、基板(A)と接触させる面とその裏面とを貫通する、網目状構造の開口部を有する鋳型(B)を配置し、鋳型(B)を配置した基板(A)の表面に、導電性粒子(P)の分散液(D)を展開して乾燥させることで、基板(A)と鋳型(B)との接点近傍に、導電性粒子(P)による網目状構造(C)または(C’)を形成させた後、鋳型(B)を基板(A)から外すことにより、基板(A)の表面上に導電性粒子(P)による網目状構造(C)または(C’)を形成させ、更に加熱して焼成した後、基板(A)の表面上に単量体組成物(X)を塗布し、その上にさらに基板を配置/または配置せずに、前記単量体組成物(X)を重合し、その重合体である基板(E)を基板(A)から剥離することにより、基板(E)の表面に導電性粒子(P)による網目状構造(C)または(C’)を転写して透明導電層を形成させて得られる透明二次元通信シート。
  7. ディスプレイ、タッチパネルまたは窓に重ねて設置して通信に利用される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の透明二次元通信シート。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の透明二次元通信シートを含む透明二次元通信ウィンドウ。
  9. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の透明二次元通信シートを含む透明二次元通信タッチパネル。
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