JP2013256364A - シート給送装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】様々な種類のシートを確実に分離して給送することができるシート給送装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】シートの座屈力が小さい場合は、シートを第1の当接位置にある当接部25と当接させてループを形成する。また、シートが第1の当接位置にある当接部25と当接してもループを形成できないような座屈力が大きいシートの場合は、シートに押されて当接部25を第1の当接位置から第2の当接位置へ回動させ、シートの先端が当接部25に当接する当接角度を小さくすることにより、シートがループを形成することができるようにする。
【選択図】図4

Description

本発明は、シート給送装置及び画像形成装置に関し、特にシートを1枚ずつ分離するための構成に関する。
従来、プリンタ、複写機等の画像形成装置は、給紙トレイなどに積載されたシートを画像形成部へ給送するシート給送装置を備えている。このようなシート給送装置には、シートを1枚ずつ分離して給送するための分離機構が設けられている。
そして、このような分離機構として、図11に示すように、給紙トレイ103に積載されている最上位のシートSaを給送する給送ローラ105と、給送ローラ105により給送されたシートが当接する可動壁106を備えたものがある(特許文献1参照)。そして、このシート給送装置によれば、図11の(a)に示すように、給送ローラ105によりシートを給送して、給送ローラ105と可動壁106との間でシートにループを形成させる。その後、図11の(b)に示すように、可動壁106を、支点106aを中心に移動させてシートのループを解放する。その後、図11の(c)に示すように、可動壁106をもとの位置に戻すことによって、最上位のシートの先端側を持ち上げて、最上位のシートSaと2枚目以降のシートとを分離する。
特開2012−51731号公報
しかしながら、このような従来のシート給送装置は、シートが可動壁106と当接してループを形成する際の角度が一定であるので、多様な種類のシートを分離して給送するという点において改良の余地があった。以下、詳細に説明する。可動壁と給送ローラを用いてシートを分離させる分離機構においては、給紙トレイに積載された最上位のシートのみにループを形成させることが必要となる。
シートにループを形成させるためには、シートがループを形成するために要する力(以下、座屈力という)以上の力をシートに加える必要がある。可動壁と給送ローラを用いてシートを分離させる分離機構において、シートは、給送ローラにより給送されて可動壁に当接して可動壁から反力を受けることでループを形成する。
ここで、シートの座屈力は、シートの坪量や剛性等によって異なり、例えば、坪量や剛性が大きいシート(いわゆる厚紙)の場合、座屈力は大きくなり、坪量や剛性が小さいシート(いわゆる薄紙)の場合、座屈力は小さくなる。本発明者の検討によれば、可動壁からの反力によりシートにループを形成する際には、シートの可動壁と当接する当接角度を小さくする(鋭角にする)ことで、シートにループを形成しやすくなることがわかった。
したがって、シートと可動壁の当接する当接角度を小さく設定すれば、座屈力が大きいシートを給送する場合にループを形成させやすくすることができる。ここで、最上位シートの下のシート(2枚目のシート)には、最上位シートとの摩擦力により、給送方向に移動する力が働く。したがって、当接角度を小さくすると、座屈力が小さいシートを給送する場合に、2枚目のシートも同時に給送されてループが形成されてしまい、結果として重送につながってしまうことがある。
一方、シートと可動壁の当接する当接角度を大きく設定すれば、座屈力が小さいシートを給送する場合であっても、上記した重送が起こりにくくすることができる。しかし、当接角度を大きくすると、座屈力が大きいシートを給送する場合に、シートにループを形成することができず、結果として、シートを分離して給送することができない場合がある。
以上説明したように、特許文献1に記載のシート給送装置では、シートと可動壁の当接する当接角度が一定であるので、給送されるシートの種類が変わった場合に、シートを重送してしまったり、シートを分離できない場合がある。
そこで、本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、多様な種類のシートを確実に分離して給送することができるシート給送装置及び画像形成装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、シートを支持するシート支持部と、前記シート支持部に支持されたシート束の最上位シートを給送するシート給送部と、前記シート支持部に支持されたシート束のシート給送方向下流に配置され、シート束の給送方向への移動を規制する規制位置と、前記規制位置から給送方向へ倒れることによってシート束の規制を解除する規制解除位置との間で回動可能に設けられた可動規制部と、前記可動規制部を前記規制位置と前記規制解除位置との間で移動させる可動規制部移動機構とを有し、前記可動規制部移動機構は、前記シート給送部によるシート給送動作が開始されると、前記可動規制部を前記規制位置に位置させて前記シート給送部と前記可動規制部の間で最上位シートにループを形成させ、ループを形成した後に前記可動規制部を前記規制位置から前記規制解除位置に移動させることにより形成した最上位シートのループを解放し、さらに、ループを解放した後に前記可動規制部を前記規制解除位置から前記規制位置に移動させることにより、最上位シートの前記給送方向の先端側を持ち上げて他のシートから分離するシート給送装置において、前記可動規制部の一部を回動させることで、前記規制位置にある前記可動規制部と前記シート給送部に給送される最上位シートの給送方向の先端が当接する当接角度を変える当接角度可変機構を有することを特徴とするものである。
ものである。
本発明によれば、当接角度可変機構により、規制位置にある可動規制部と給送ローラに給送される最上位シートの給送方向の先端が当接する当接角度を変えることができる。これにより、多様な種類のシートを確実に分離して給送することができる。
本発明の第1の実施の形態に係るシート給送装置を備えた画像形成装置の一例としてのレーザプリンタの概略構成を示す図。 上記シート給送装置の構成を説明する図。 上記シート給送装置に設けられた可動壁及び保持部のシート分離給送時の動きを説明する図。 上記シート給送装置の剛性の低いシートの分離給送動作を説明する図。 上記シート給送装置の剛性の高いシートの分離給送動作を説明する図。 上記剛性の高いシートにループを形成させる構成を説明する図。 本発明の第2の実施の形態に係るシート給送装置の構成を示す図。 上記シート給送装置の剛性の高いシートを分離給送する動作を説明する図。 本発明の第3の実施の形態に係るシート給送装置の構成を示す図。 上記シート給送装置のシート分離給送時の動作を説明する図。 従来のシート給送装置を示す図。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係るシート給送装置を備えた画像形成装置の一例としてのレーザプリンタの概略構成を示す図である。図1において、1はレーザプリンタ、1Aはレーザプリンタ本体(以下、装置本体という)、1Bは画像形成部であり、この装置本体1Aの下部に、画像形成部1Bにシートを給送するシート給送装置1Cが設けられている。
画像形成部1Bは、像担持体としての感光体ドラム10を有するカートリッジユニット10Aと、感光体ドラム10を露光するレーザスキャナ10Bを備えている。そして、画像形成の際には、レーザスキャナ10Bにより感光体ドラム10を露光して感光体ドラム表面に潜像を形成し、この後、この潜像を現像することにより、感光体ドラム表面にトナー画像を形成するようにしている。また、シート給送装置1Cは、装置本体1Aに設けられたシート支持部である給紙トレイ3と、この給紙トレイ3の上方に昇降自在に設けられ、給紙トレイ3に収納されたシートSを送り出す給送ローラ5とを備えている。
このような構成のレーザプリンタ1において、画像形成動作が開始されると、まず不図示のパソコン等からの画像情報に基づきレーザスキャナ10Bは不図示のレーザ光を照射し、感光体ドラム10の表面を順次露光する。これにより、感光体ドラム上に静電潜像が形成され、この後、この静電潜像をトナーにより現像する。
また、このトナー画像形成動作に並行して、給紙トレイ3に収納されたシートSの最上位シートSaを給送するシート給送部としての給送ローラ5により、シート搬送路Rに送り出される。このシートSaは中間搬送ローラ23により、レジストレーションローラ23aに搬送される。この後、シートSaは、レジストレーションローラ23aにより斜行が補正されると共に、所定のタイミングで転写ローラ21aと感光体ドラム10とにより構成される転写部21に搬送される。
そして、この転写部21において、感光体ドラム上のトナー像がシートSaに転写され、この後、シートSaは定着部22に搬送される。次に、この定着部22において、トナー像が転写されたシートSaに熱と圧力を加えることにより、トナー像がシートSaに定着される。そして、このようにトナー像が定着されたシートSaは、排紙ローラ24aにより排紙トレイ24上に排出される。
ところで、シート給送装置1Cのシート束がセットされる給紙トレイ3には、図2に示すように、シートのシート給送方向と直交する幅方向の位置を規制するための幅規制部8が幅方向に移動可能に設けられている。なお、本実施の形態において、給紙トレイ3は装置本体1Aに固定されていて、シートを載置するシート積載面3aは略水平に配置されている。
また、給紙トレイ3の上方に配置されている給送ローラ5は、装置本体1Aの奥側のフレームFに設けられている回動軸4に回動可能に支持された保持部17の回動端に回転可能に保持されている。なお、奥側のフレームFには、駆動源であるモータMからの駆動により、保持部17を回動させると共に、給送ローラ5を駆動する駆動伝達機構5Aが配置されている。ここで、この駆動伝達機構5Aは、保持部17と係脱可能に係合して保持部17を上下方向に回動させる昇降カム18と、昇降カム18が固定された保持部駆動ギア19と、保持部駆動ギア19により回転する駆動ギア列Gとを有している。
また、図2において、16は規制部駆動ギア、MGは保持部駆動ギア19と規制部駆動ギア16との間に配置される中間ギア、Dは駆動源であるモータMからの駆動により回転する駆動伝達ギアである。そして、モータからの駆動は、駆動伝達ギアD、規制部駆動ギア16、中間ギアMGを介して駆動伝達機構5Aの保持部駆動ギア19に伝達され、保持部駆動ギア19が回転すると、この回転が駆動ギア列Gを介して給送ローラ5に伝達され、給送ローラ5が回転する。
また、保持部駆動ギア19が回転すると、図3に示すように、昇降カム18は保持部17の端部に設けられた係止部17aに摺接しながら回転するが、保持部駆動ギア19が所定量回転すると、図3の(a)に示すように昇降カム18が係止部17aから外れる。そして、このように昇降カム18が係止部17aから外れると、図3の(b)に示すように、給送ローラ5と共に保持部17が自重又は不図示のバネにより下降する。これにより、給送ローラ5が給紙トレイ3に支持されているシートSの最上位シートSaの上面に当接し、最上位シートSaが送り出される。
なお、図2に示すように、保持部駆動ギア19の駆動ギア列Gと噛み合う歯面には、切り欠き部19aが形成されている。ここで、保持部駆動ギア19は、給送ローラ5が最上位シートSaを送り出した後、切り欠き部19aが駆動ギア列Gに達するように取り付けられている。そして、このように給送ローラ5が最上位シートSaを送り出した後、切り欠き部19aが駆動ギア列Gと達すると、駆動が給送ローラ5に伝達されなくなるため給送ローラ5の回転が一時的に停止する。
ところで、給紙トレイ3のシート給送方向下流側には、図1及び図2に示すように、可動規制部6が、給紙トレイ3のシート積載面3aから上方に略垂直状態で突出するように配置されている。可動規制部6は下端に設けられた回動軸6aを支点として回動可能となっており、不図示のバネによりシート給送方向に付勢されている。
可動規制部6は、図3の(a)及び図3の(b)に示すように、規制位置では、略垂直状態でシートのシート給送方向への移動を規制する。可動規制部6が規制位置で略垂直状態にあるときには、シートの先端を規制する当接部25は、給紙トレイ3のシートを載置するシート積載面3aに対して略直角(約90°)となっている。なお、本実施の形態では、シート積載面3aが水平面となっているが、多少は傾いていてもよい。また、当接部25の上端側は回動軸25aにより回動自在に支持されており、付勢部材であるバネ26によりシート給送方向と反対方向に付勢されている。
可動規制部6は図3の(a)に示すように、規制部駆動ギア16に固定された規制部駆動軸29に固定された回動カム7と係脱自在に係合する係合部6bを有している。ここで、通常、この係合部6bは、既述したようにシート給送方向に付勢するバネにより回動カム7の外周部7aに当接している。そして、このように回動カム7の外周部7aが係合部6bに当接しているときには、可動規制部6は略垂直状態となり、このように可動規制部6が略垂直状態となっているとき、可動規制部6によりシートの先端を規制することができる。以下、可動規制部6が略垂直状態となる位置を「規制位置」という。
また、図3の(c)に示すように、規制部駆動ギア16と共に回動カム7が回転して回動カム7の凹部7bが係合部6bに対向する位置に達すると、回動カム7との係合が解除される。これにより、バネによってシート給送方向に付勢されている可動規制部6は、シート給送方向の方向に下方回動する。そして、このように可動規制部6がシート給送方向の方向に回動すると、すなわち可動規制部6がシート給送方向に倒れると、可動規制部6によるシート先端の規制が解除される。以下、可動規制部6がシート給送方向に回動した位置を「規制解除位置」という。
このように、モータMが駆動伝達ギアDを介して規制部駆動ギア16を回転させることにより、規制部駆動ギア16に固定された回動カム7が回転して可動規制部6を規制位置と規制解除位置との間で揺動させる。このように、本実施の形態のシート給送装置1は、回動カム7を有し、可動規制部6を規制位置と規制解除位置との間で移動させる可動規制部移動機構300を備えている。そして、可動規制部移動機構300は、モータMからの駆動力を用いて回動カム7を回転させることで、可動規制部50を規制位置と規制解除位置との間で移動させる。
次に、本実施の形態に係るシート給送装置1Cのシート分離給送動作について説明する。まず、坪量や剛性の低い(コシの弱い)シートを分離給送する場合について、図4を用いて説明する。図4の(a)は、ユーザが給紙トレイ3に坪量や剛性の低いシートSの束をセットした状態を示している。このとき、シートSの先端付近は略水平な状態で、シートSの先端は当接部25に当接する。また、このとき、給送ローラ5は上方の退避位置に退避しており、可動規制部6は規制位置にあり、当接部25は、シートSのシート給送方向への移動を規制する略垂直な規制位置に位置している。
次に、シート給送動作が開始されると、モータMが回転して駆動伝達ギアD、規制部駆動ギア16、中間ギアMG、駆動伝達機構5Aの保持部駆動ギア19、駆動ギア列Gが回転する。これに伴い、図3の(a)に示すように、昇降カム18が保持部17の係止部17aから外れ、保持部17が下降する。これにより、上方に退避していた給送ローラ5が下方回動して、積載されたシートSの束の最上位シートSaに当接しながら回転する。そして、給送ローラ5が回転すると、最上位シートSaが給送され、この最上位シートSaの先端が規制位置に位置している可動規制部6の当接部25に当接する。
ここで、本実施の形態において、給送ローラ5による給送力がシートSの座屈力(シートの剛性により平面を維持する力)を上回るように給送ローラ5とシートとの間の摩擦係数が設定されている。また、当接部25を付勢するバネ26による付勢力は、普通紙や剛性の低いシートが当接部25と当接しても、当接部25が回動することがない大きさに設定されている。
このため、最上位シートSaの先端が当接部25に当接しても当接部25は回動せず、当接部25により最上位シートSaの先端が規制される。これにより、この後、更に給送ローラ5が回転すると、図4の(b)に示すように、給送ローラ5と当接部25との間で、最上位シートSaは略垂直方向に湾曲し、ループ12を形成する。一方、2枚目以降のシートSbも、シート間の摩擦力によって下流側へ給送されようとするが、このシート間の摩擦力はシートSの座屈力より小さいため、2枚目以降のシートSbはループを形成することはない。
次に、このように最上位シートSaがループ12を形成した後、保持部駆動ギア19の切り欠き部19aが駆動ギア列Gと対向する位置に移動する。つまり、保持部駆動ギア19の切り欠き部19aは、最上位シートSaにループ12が形成されると、駆動ギア列Gと対向するような位置に形成されている。そして、このように保持部駆動ギア19の切り欠き部19aが駆動ギア列Gと対向する位置に達すると、駆動力が給送ローラ5に伝達されなくなって給送ローラ5が一時的に停止し、これに伴いループの形成が終わる。
この後、規制部駆動ギア16がさらに回転すると、図3の(c)に示すように回動カム7の凹部7bが可動規制部6に対向する位置に達し、これにより可動規制部6は規制位置から回動軸6aを支点として回動し、規制解除位置に移動する。ここで、このように可動規制部6が規制解除位置に移動すると、図4の(c)に示すように最上位シートSaに形成されていたループ12が解消される。これにより、最上位シートSaの先端は、当接部25に当接しながら、形成していたループ分だけ2枚目以降のシートSbの先端位置より下流側へ突出する。
なお、このとき、給送ローラ5は停止しているので、最上位シートSaの移動に伴う2枚目以降のシートSbの移動を防ぐことができる。このように、可動規制部6が規制解除位置に移動する前に給送ローラ5の回転を一時停止することにより、可動規制部6が回動した時に2枚目以降のシートSbが連れ出されることを確実に防ぐことができる。
次に、最上位シートSaのループ12が解放された後、回動カム7が可動規制部6を押圧し、規制解除位置にある可動規制部6を上方回動させ、再び規制位置に戻す。このとき、最上位シートSaの先端は、ループ解消により2枚目以降のシートSbの先端より下流側に突出しているため、可動規制部6が規制位置に戻る際、最上位シートSaの先端が規制位置に戻りつつある可動規制部6の当接部25に接触する。なお、このとき可動規制部6の回動量によっては、最上位シートSaの先端が当接部25と接触した状態となっている場合もある。
これにより、最上位シートSaの先端部は当接部25により上方に押し上げられ、可動規制部6が規制位置に戻ったとき、図4の(d)に示すように、最上位シートSaの先端部分が可動規制部6に乗り上げるようになる。また、このとき、下位のシートである2枚目以降のシートSbは当接部25によって先端部が規制される。この結果、最上位シートSaの先端部側が2枚目のシートSbから離間した状態となる。
なお、このように構成した場合、可動規制部6が規制位置に戻る際に必ず最上位シートSaが当接部25により押し上げられるようにする必要がある。そこで、本実施の形態においては、規制位置に戻りつつある当接部25と当接した瞬間の最上位シートSaの先端部と当接部25とのなす角度(鋭角側の角度)が60°以下となるように回動カム7の形状を設定している。
次に、保持部駆動ギア19がさらに回転し、切り欠き部19aが駆動ギア列Gと対向する位置から移動すると、一時的に停止されていた給送ローラ5が回転を再開し、これにより最上位シートSaのみが可動規制部6の上面からシート搬送路Rへ給送される。なお、このとき、2枚目以降のシートSbは当接部25により移動が規制されているので、最上位シートSaにより連れ送りされることはなく、重送の発生を防止することができる。このように、モータの駆動により回転する昇降カム18と回動カム7によって給送ローラ5(保持部17)の昇降と可動規制部6の回動とを適正なタイミングで行わせることにより、最上位シートSaのみを分離して給送することができる。
次に、封筒などの坪量や剛性が高いシートSを分離給送する場合について、図5を用いて説明する。図5の(a)は、封筒などの坪量や剛性の高いシートSの束をセットした後、シート給送動作を開始した状態を示している。シート給送動作が開始されると、上方に退避していた給送ローラ5が回動して、積載されたシートSの束の最上位シートSaに当接して回転し、最上位シートSaは給送される。
ここで、この時、シートSの剛性が高いため、最上位シートSaはループを形成しない。このため、当接部25は、最上位シートSaに押されると、バネ26の付勢力に抗して、回動軸25aを回動支点としてシート給送方向下流側に回動する。これにより、当接部25とシート積載面3aが鋭角の角度をなす。そして、このように当接部25が回動することにより、剛性が高くループ形成が困難なシートSでも、図6に示すようにシート先端部に反力Fの鉛直下方成分Fyの力が加わるようになり、この結果、図5の(b)のようにシートSaにはループ12が形成される。
このときの当接部25の回動する前の位置を第1の当接位置、当接部25がシートに押されて回動した後の位置を第2の当接位置とする。図5(a)に示すように、第2の当接位置での最上位シートの給送方向の先端が当接部25と当接する当接角度は、第1の当接位置での最上位シートの給送方向の先端が当接部25と当接する当接角度よりも小さくなる。このように、本実施の形態のシート給送装置1Cは、バネ26と回動軸25aを有し、可動規制部6の一部である当接部25を回動させることで、当接部25と給送されるシートの先端が当接する当接角度を変える当接角度可変機構200を備えている。
次に、最上位シートSaがループ12を形成した後、保持部駆動ギア19の切り欠き部19aが駆動ギア列Gと対向する位置に移動することにより、給送ローラ5が一時的に停止し、これに伴いループの形成が終わる。この後、規制部駆動ギア16がさらに回転すると、図3の(c)に示すように回動カム7の凹部7bが可動規制部6に対向する位置に達し、これにより可動規制部6は規制位置から回動軸6aを支点として回動し、規制解除位置に移動する。ここで、可動規制部6が規制解除位置に移動すると、図5の(c)に示すように最上位シートSaに形成されていたループ12が解消され、最上位シートSaの先端位置は、形成していたループ分だけ2枚目以降のシートSbの先端位置より下流側へ突出する。
次に、最上位シートSaのループが解放された後、回動カム7が可動規制部6を押圧し、規制解除位置にある可動規制部6を再び規制位置に戻す。このとき、最上位シートSaの先端は、ループ解消により2枚目以降のシートSbの先端より下流側に突出しているため、可動規制部6が規制位置に戻る際、最上位シートSaの先端が規制位置に戻りつつある可動規制部6の当接部25に接触するようになる。
これにより、最上位シートSaの先端部は当接部25に沿って上方に移動し、最上位シートSaの先端側が可動規制部6の上に乗り上げる。そして、可動規制部6が略垂直な規制位置に戻ったときには、図5の(d)に示すように、最上位シートSaの先端側が可動規制部6の上に乗り上げ、2枚目以降のシートSbは当接部25によって先端部が規制される。この結果、最上位シートSaの先端部側が2枚目のシートSbから離間した状態となる。
次に、保持部駆動ギア19がさらに回転し、切り欠き部19aが駆動ギア列Gと対向する位置から移動すると、一時的に停止されていた給送ローラ5が回転を再開し、これにより最上位シートSaのみが可動規制部6の上面からシート搬送路Rへ給送される。なお、このとき、2枚目以降のシートSbは当接部25により移動が規制されているので、最上位シートSaにより連れ送りされることはなく、重送の発生を防止することができる。
以上説明したように、本実施の形態では、坪量や剛性が小さな普通紙等の座屈力が小さいシートは、第1の当接位置にある当接部25と当接することでループを形成する。そして、第1の当接位置にある当接部25と当接することでループを形成できないような、坪量や剛性の大きな封筒等の座屈力が大きいシートが給送される場合には、シートに押されて当接部25が第1の当接位置から第2の当接位置へ回動する。
このように、当接部25を回動させてシートの先端が当接部25に当接する当接角度を小さくすることで、坪量や剛性の大きな封筒等のシートであっても、ループを形成することができる。したがって、本実施の形態によれば、座屈力が小さいシートから座屈力が大きいシートまで多様な種類のシートを確実に分離して給送することができる。
なお、本実施の形態においては、給送ローラ5と可動規制部6との間で最上位シートにループを形成した後に、給送ローラ5を一時的に停止させる構成について説明したが、本発明はこれに限定されるべきではない。給送ローラ5を停止させない構成の場合、規制位置から規制解除位置へ移動させた可動規制部6を規制解除位置から規制位置へ再び戻す間に、2枚目以降のシートがシート同士の摩擦力により給送方向にわずかに連れ出されることがある。
しかし、最上位シートに充分な量のループを形成することができれば、ループの解放により最上位シートの先端位置を2枚目以降のシート先端位置より大きく下流側へ突出させることができる。これにより、確実に最上位シートと2枚目以降のシートとの分離を行うことができる。このように、給送ローラ5の一時的な停止を行わない場合には停止させる分の時間が必要なくなり、単位時間あたりのシート搬送枚数を増加(スループットをアップ)させることができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について、図7及び8を参照して説明する。図7は、本実施の形態に係るシート給送装置の構成を示す図である。なお、図7において、既述した図2と同一符号は、同一又は相当部分を示している。本実施の形態は、ユーザが操作部としてのレバー20を操作することで、当接部25を第1の当接位置と第2の当接位置との間で回動させることができる点が既述した第1の実施の形態と異なる。その他の構成及び動作については、第1の実施の形態とほぼ同じであるため、適宜説明を省略する。
図8(a)に示すように、ユーザがレバー20を第1の操作位置に設定した場合には、当接部25は第1の当接位置に設定される。このとき、当接部25は、レバー20の端部20aにより揺動しないように規制されている。また、図8(b)に示すように、ユーザがレバー20を第2の操作位置に設定した場合には、当接部25は第2の当接位置に設定される。レバー20の端部20aは当接部25を規制しない位置まで移動する。なお、シートの給送動作等については第1の実施の形態と同じであるため、説明を省略する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、ユーザが当接角度可変機構としてのレバー20を第1の操作位置と第2の操作位置の間で動かすことにより、当接部25を、回動軸25aを支点に回動させることができる。例えば、ユーザは、給送されるシートが座屈力の小さなシートの場合はレバー20を第1の操作位置に、給送されるシートが座屈力の大きなシートの場合はレバー20を第2の操作位置に操作することができる。
ところで、既述した第1及び第2の実施の形態においては、当接部25をシートの剛性に応じて回動させる場合について説明したが、本発明は、これに限らない。例えば、当接部25をシートの剛性の高さではなく、シートに当接した後、シートの剛性の高さに応じて変化する給送ローラの回転負荷の大きさに応じて回動させるようにしても良い。
次に、このような給送ローラの回転負荷の大きさに応じて当接部25を回動させるようにした本発明の第3の実施の形態について説明する。図9は、本実施の形態に係るシート給送装置の構成を示す図である。なお、図9において、既述した図2と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
図9において、28は駆動伝達ギアDで駆動される駆動ギアであり、この駆動ギア28と、規制部駆動ギア16との間には、図10に示すラチェット機構32が設けられている。なお、本実施の形態において、規制部駆動ギア16に固定されている規制部駆動軸29は付勢バネ31によって駆動ギア28の方向へ付勢されている。
また、図9において、25bは当接部25に形成されたリブ、30は規制部駆動軸29に回動カム7と同軸上に設けられた制御部材であり、この制御部材30はテーパ形状を有している。そして、図10に示すように、この制御部材30の外周面に、既述した可動規制部6をシート給送方向に付勢する不図示のバネによる付勢力により、当接部25のリブ25bが圧接している。
ところで、シートを給送する際、既述したように、最上位シートSaの先端が当接部25に当接しても当接部25は回動せず、当接部25により最上位シートSaの先端が規制される。そして、このように最上位シートSaの先端が規制されると、給送ローラ5の回転負荷(=給送負荷トルク)が増加する。
ここで、このように給送ローラ5の回転負荷が増加すると、それまで図10の(a)の矢印方向に回転していた駆動ギア28が、規制部駆動ギア16を矢印方向に回転させることができなくなる。これにより、給送負荷トルクに応じて制御部材30を軸方向に移動させる移動部であるラチェット機構32は、図10の(a)に示す状態から図10の(b)に示す状態に移行する。これに伴い、規制部駆動ギア16は付勢バネ31の付勢力に抗して駆動ギア28から離れる方向に移動する。
なお、図10の(a)及び図9の(a)は、薄紙または普通紙を給送する場合を示している。この場合、当接部25のリブ25bは、制御部材30の径大部に当接しており、この場合、当接部25は回動しない。このため、薄紙または普通紙は略垂直な状態の当接部25に当接してループを形成し、分離動作を行う。
そして、このように規制部駆動ギア16が駆動ギア28から離れる方向に移動すると、制御部材30も軸方向に移動し、当接部25のリブ25bは、制御部材30の径小部に当接するようになる。この結果、当接部25は、図9の(b)に示すように回動してシート積載面3aと鋭角をなす。そして、このように当接部25が鋭角をなすことにより、剛性の高い厚紙もループを形成するようになる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、付勢バネ31の付勢力の設定により、少載から満載までシート積載量に関わらず、シートの剛性の高さの違いによって正確に当接部25を回動させることが可能となり、安定したシートの分離給送が可能となる。
1…レーザプリンタ、1A…レーザプリンタ本体、1B…画像形成部、1C…シート給送装置、3…給紙トレイ、5…給送ローラ、5A…駆動伝達機構、6…可動規制部、7…回動カム、12…ループ、17…保持部、20…レバー、25…当接部、25b…リブ、26…バネ、30…制御部材、32…ラチェット機構、S…シート、Sa…最上位シート、Sb…2枚目以降のシート、200…当接角度可変機構、M…モータ、300…可動規制部移動機構

Claims (11)

  1. シートを支持するシート支持部と、
    前記シート支持部に支持されたシート束の最上位シートを給送するシート給送部と、
    前記シート支持部に支持されたシート束のシート給送方向下流に配置され、シート束の給送方向への移動を規制する規制位置と、前記規制位置から給送方向へ倒れることによってシート束の規制を解除する規制解除位置との間で回動可能に設けられた可動規制部と、
    前記可動規制部を前記規制位置と前記規制解除位置との間で移動させる可動規制部移動機構とを有し、
    前記可動規制部移動機構は、前記シート給送部によるシート給送動作が開始されると、前記可動規制部を前記規制位置に位置させて前記シート給送部と前記可動規制部の間で最上位シートにループを形成させ、ループを形成した後に前記可動規制部を前記規制位置から前記規制解除位置に移動させることにより形成した最上位シートのループを解放し、さらに、ループを解放した後に前記可動規制部を前記規制解除位置から前記規制位置に移動させることにより、最上位シートの前記給送方向の先端側を持ち上げて他のシートから分離するシート給送装置において、
    前記可動規制部の一部を回動させることで、前記規制位置にある前記可動規制部と前記シート給送部に給送される最上位シートの給送方向の先端が当接する当接角度を変える当接角度可変機構を有することを特徴とするシート給送装置。
  2. 前記可動規制部は、前記シート給送部により給送される最上位シートと当接する当接部を有し、
    前記当接角度可変機構は、前記当接部を回動させることを特徴とする請求項1記載のシート給送装置。
  3. 前記当接部は、上端側を回動支点に、前記給送方向に回動することを特徴とする請求項2記載のシート給送装置。
  4. 駆動源からの駆動を前記シート給送部に伝達する駆動伝達機構を有し、
    前記可動規制部移動機構は、前記駆動源からの駆動を用いて、前記可動規制部を移動させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシート給送装置。
  5. 前記可動規制部移動機構は、前記可動規制部に摺接する回動カムを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート給送装置。
  6. 前記当接角度可変機構は、前記当接部を第1の当接位置と第2の当接位置との間で移動させ、
    前記当接部は、前記第2の当接位置では、前記第1の当接位置よりもシートと当接する角度が小さいことを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載のシート給送装置。
  7. 前記当接角度可変機構は、前記当接部を前記給送方向と反対方向に付勢する付勢部材を有し、
    前記当接部が、前記シート給送部に給送される最上位シートに押されることにより、前記付勢部材の付勢力に抗して前記第1の当接位置から前記第2の当接位置へ移動することを特徴とする請求項6記載のシート給送装置。
  8. 給送されるシートの坪量が所定の値よりも小さい場合には、前記当接部は、前記第1の当接位置で前記シート給送部との間でシートにループを形成させるように、前記付勢部材の付勢力が設定されていることを特徴とする請求項7記載のシート給送装置。
  9. 前記当接角度可変機構は、前記可動規制部の一部を前記給送方向に回動させるために、ユーザが操作する操作部を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のシート給送装置。
  10. 前記回動カムと同軸上に設けられたテーパ形状を有する制御部材と、
    前記当接部に設けられ、前記制御部材に圧接するリブと、
    シートを送り出す際、前記シート給送部に掛かる給送負荷トルクに応じて前記制御部材を軸方向に移動させる移動部と、を備え、
    前記移動部は、シートの剛性の大きさに応じて前記制御部材を軸方向に移動させ、前記当接部をシート給送方向に回動させることを特徴とする請求項5記載のシート給送装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載されたシート給送装置により給送されたシートに画像を転写する転写部と、前記転写部により転写された画像をシートに定着する定着部を有することを特徴とする画像形成装置。
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