次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
まず、図1〜図3を参照して、本発明の基本実施形態である第1の実施形態を説明する。
図1は本発明の第1の実施形態の通信システムの構成を示すブロック図である。
この通信システムは、携帯端末1と、携帯端末1で使用するユーザデータを蓄積するネットワーク3に設置されたサーバ2を含んで構成される。
携帯端末1は、ユーザデータ制御手段12と一時記憶手段11を含む。なお、一時記憶手段11はRAM(Random Access Memory)に代表される揮発性メモリで構成された記憶手段である。
ユーザデータ制御手段12は、ユーザデータに関するメモリアクセスを含むアプリケーションを実行する場合に、サーバとの間の通信を確立し、アプリケーションで使用するユーザデータを揮発性メモリで構成された一時記憶手段11にダウンロードする。ユーザデータ制御手段12は、一時記憶手段11に蓄積されたユーザデータを用いて実行したアプリケーションにおいて、当該アプリケーションで改変した一時記憶手段11のユーザデータをサーバ2にアップロードする。さらに、ユーザデータ制御手段12は、当該アプリケーションで使用した一時記憶手段11のユーザデータを当該アプリケーションの終了時に消去する。
サーバ2は、携帯端末1のユーザデータを蓄積するユーザデータ蓄積手段21とそのユーザデータの読み出しおよび書き込みを制御する蓄積データ制御手段22を含む。
蓄積データ制御手段22は、携帯端末1との間で通信が確立され、携帯端末1から受信するユーザデータのダウンロードまたはアップロードの要求に応じて、ユーザデータ蓄積手段21に蓄積された携帯端末1に対応するユーザデータの読み出しまたは書き込みを制御する。
図2は第1の実施形態の携帯端末の構成を示すブロック図である。
携帯端末1は、揮発性メモリで構成された一時記憶手段11、ユーザデータ送受信管理手段13およびユーザデータアクセス制御手段14を含んで構成される。
本図におけるユーザデータ送受信管理手段13およびユーザデータアクセス制御手段14が図1で示したユーザデータ制御手段12に相当する。
ユーザデータアクセス制御手段14は、ユーザデータに関するメモリアクセスを含むアプリケーションのユーザデータのメモリアクセスを制御する。つまり、アプリケーションの処理動作において、ユーザデータに関するメモリアクセスが行われる際の制御を司る。
ユーザデータ送受信管理手段13は、ユーザデータアクセス制御手段14から起動され、ネットワークに設置されてアプリケーションで使用するユーザデータを蓄積管理するサーバ2に対する通信を確立する。そして、ユーザデータ送受信管理手段13は、ユーザデータアクセス制御手段14の指示に基づいてアプリケーションで使用するユーザデータを、一時記憶手段11とサーバ2との間で送受信する。
そして、ユーザデータアクセス制御手段14は、アプリケーションを実行する場合にサーバ2に蓄積されている当該アプリケーションで使用するユーザデータを一時記憶手段11にダウンロードすることをユーザデータ送受信管理手段13に指示する。さらに、ユーザデータアクセス制御手段14は、一時記憶手段11に蓄積されたユーザデータを用いて実行したアプリケーションにおいて、当該アプリケーションで改変したユーザデータをサーバ2にアップロードすることをユーザデータ送受信管理手段13に指示する。そしてさらに、ユーザデータアクセス制御手段14は、当該アプリケーションで使用した一時記憶手段11のユーザデータを当該アプリケーションの終了時に消去する。
図3は第1の実施形態のユーザデータ管理方法を示すフロー図である。
携帯端末のユーザデータに関するメモリアクセスを含むアプリケーションを起動する(S101)。当該アプリケーションで使用するユーザデータの種別を識別すると、ネットワークに設置されてアプリケーションで使用するユーザデータを蓄積管理するサーバに対する通信を確立する(S102)。アプリケーションで使用するユーザデータを、サーバから読み出して携帯端末にダウンロードする(S103)。ダウンロードしたユーザデータを、携帯端末の揮発性メモリで構成された一時記憶手段に保存する(S104)。一時記憶手段に保存したユーザデータに基づいてアプリケーションを実行する(S105)。一時記憶手段に蓄積されたユーザデータを用いて実行したアプリケーションにおいて、当該アプリケーションで改変したユーザデータをサーバにアップロードする(S106)。そして、当該アプリケーションで使用した一時記憶手段のユーザデータを当該アプリケーションの終了時に消去する(S107)。
以上に説明したように、本実施形態においては、ユーザデータに関するメモリアクセスを含むアプリケーションが起動して、そのアプリケーションで使用するユーザデータの種別が識別される。そして、その識別を契機として、該当するユーザデータがネットワークに設置されているサーバから携帯端末の一時記憶手段に移し替えられる。携帯端末では一時記憶手段に移し替えられたユーザデータを用いてアプリケーションが実行される。アプリケーションの実行内容によっては一時記憶手段のユーザデータが書き換えられていることも有り得る。そこで、一時記憶手段に蓄積されたユーザデータを用いて実行したアプリケーションにおいて、当該アプリケーションで改変したユーザデータはサーバにアップロードされて管理される。そして、当該アプリケーションの終了を契機として、当該アプリケーションで使用した一時記憶手段のユーザデータが消去される。
このように、本実施形態は、携帯端末のユーザが携帯端末で使用するユーザデータを、ユーザの携帯端末操作の過程においてユーザが意図することなく、ネットワークに設置されたサーバに蓄積して管理することができる。
つまり、50〜100Mbpsの無線通信速度を実現する次世代携帯電話の環境下では、ネットワーク上にユーザデータを保存して、それを端末にリストアして使用する形態をとったとしても、操作上の待ちなどのユーザストレスがなくなる。次世代携帯電話としては、LTE(Long Term Evolution)やWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)等がある。
本実施形態では、携帯端末の揮発性メモリで構成された一時記憶手段を各アプリケーションで使用するユーザデータの共通使用エリアとしている。各アプリケーションは、サーバから一時記憶手段に書き込まれたユーザデータを用いてアプリケーションを実行し、当該アプリケーションの実行によりユーザデータの改変が伴う場合にはそのユーザデータをサーバにアップロードする。そして、アプリケーションの終了に伴い、一時記憶手段は0クリアされて書き込まれていたユーザデータが消去される。つまり、本実施形態は、携帯端末の不揮発性メモリにユーザデータ領域を確保する必要がなく、また、揮発性メモリは各アプリケーションのユーザデータにより共有される。そして、アプリケーションが終了する度に揮発性メモリは0クリアされる。そのため、本実施形態は、メモリコストの削減が可能になると同時に、盗難や紛失による情報漏洩にも対処することができる。
次に第2の実施形態を説明する。
図4は、本発明の第2の実施形態の携帯端末の構成を示すブロック図である。
図5は、第2の実施形態のサーバの構成を示すブロック図である。
図4に示すように、第2の実施形態の携帯端末10は、アプリケーション101、ユーザデータアクセス制御部102、ユーザ操作部103、表示部104、通信制御部105、無線送受信部106および一時記憶部107を含んで構成される。なお、図4は、本実施形態にかかわる主要な機能ブロックを示すものであり、携帯端末としてのその他の一般的な構成の図示は省略されている。つまり、携帯端末10は、図示しないCPU(Central Processing Unit)が、図示しないFLASH ROM等の不揮発性メモリに蓄積されたプログラムを読み出して、そのプログラムに従った機能を実行するように構成されている。なお、携帯端末10が有する不揮発性メモリには、プログラムやプログラムの実行上で必要とされるシステムデータが蓄積されるだけである。そして、ユーザが任意に使用するユーザデータは携帯端末内の不揮発性メモリには蓄積されず、図5に示す、ネットワークに設置されたサーバに蓄積される。
また、第2の実施形態のサーバ20は、図5に示すように、通信制御部201、蓄積データ管理制御部202およびユーザデータ蓄積部203を含んで構成される。この場合、図5も本実施形態にかかわる主要な機能ブロックを示すものであり、サーバとしてのその他の一般的な構成の図示は省略されている。
ここで、ユーザデータには、電話帳データ、電話発着信の履歴データ、スケジュール管理データ、写真・動画データ、音楽ファイルデータ、メールデータ、音声ファイルデータおよび文書データ等のデータが含まれる。もちろん、その他にもユーザが当該携帯端末で任意に使用するデータが含まれることは言うまでも無い。
図4を参照すると、アプリケーション101には、アプリケーション1、アプリケーション2、・・・アプリケーションnの複数のアプリケーションが含まれる。各アプリケーションは、その動作においてユーザデータに関するメモリアクセスを含むアプリケーションである。これらのアプリケーションは、図示しない中央制御部による携帯端末としての全体的な制御の下で動作する。
例えば、電話の発着信アプリケーション、メールの送受信アプリケーション、画像撮影アプリケーション、データ閲覧アプリケーション、データ編集アプリケーション等のアプリケーションがある。そして、電話の発着信アプリケーションでは、電話帳データや発着信の履歴データが関与する。メールの送受信アプリケーションでは、作成して送信したメール、受信したメール、メールアドレスデータ等が関与する。画像撮影アプリケーションでは、撮影した静止画や動画が関与する。データ閲覧アプリケーションやデータ編集アプリケーションでは、閲覧や編集が可能なあらゆるユーザデータが関与する。例えば、電話帳データ、発着信履歴データ、送受信済みメール、スケジュールデータ、その他の写真・動画データ、音楽ファイルデータ、メールデータ、音声ファイルデータおよび文書データ等が閲覧や編集の対象となり得る。
ユーザ操作部103は、ユーザが当該携帯端末に対して、数字・文字・記号等の入力や各種の操作を行う入力手段である。例えば、携帯端末がカメラを備えている場合には、カメラを用いた撮影に関連する操作情報の入力も含まれる。表示部104は、文字や画像、Webページ等を表示する表示手段である。
ユーザデータアクセス制御部102は、図示しない中央制御部による携帯端末としての全体的な制御の下で、アプリケーションと連携して当該アプリケーションが使用するユーザデータのメモリアクセスを制御する。つまり、アプリケーションの処理動作において、ユーザデータに関するメモリアクセスが行われる際にはユーザデータアクセス制御部102が関与してそのメモリアクセスを制御する。ユーザデータアクセス制御部102は、ユーザデータに関するメモリアクセスの動作を含むアプリケーションの起動およびアプリケーションの実行において、後述するユーザデータのダウンロードおよびアップロードを通信制御部105に指示する。アプリケーションの実行においては、アプリケーションの各タスクの中でユーザデータに関するメモリアクセスが行われる際に、ユーザデータアクセス制御部102が連携してユーザデータのダウンロードおよびアップロードを通信制御部105に指示する。
通信制御部105は、携帯端末がその上位装置との間で無線通信を行うための機能ブロックであり、チャネルコーデックや無線のタイミング制御等を行う。上位装置は、携帯電話システムの場合は携帯電話機基地局で、LTEの場合はeNodeBが相当する。また、通信制御部105は、その上位装置との間で無線区間の通信を確立すると、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet protocol)などの通信プロトコルを用いて、ネットワークに設置されているサーバとの接続を行う。さらに、通信制御部105は、サーバとの間の通信が確立されたら、FTP(File Transfer Protocol)などのファイル転送プロトコルを用いて、ユーザデータの送受信を行う。サーバ20からダウンロードしたユーザデータは一時記憶部107に保存される。
無線送受信部106は、上位装置との間でアンテナを介して電波の送信/受信を司る無線装置である。
一時記憶部107はRAMに代表される揮発性メモリで構成された記憶手段である。ユーザデータを使用するアプリケーションの動作中、そのアプリケーションで使用するユーザデータがサーバからダウンロードされて一時記憶部107に保存される。アプリケーションは一時記憶部107に保存されたユーザデータを使用してそのアプリケーションを実行する。アプリケーションの実行において、アプリケーションで改変されたユーザデータはサーバにアップロードされる。アプリケーションが終了すると、一時記憶部107に保存されていたユーザデータは消去される。そして、別のアプリケーションが動作すると、その別のアプリケーションが使用する別のユーザデータが同様に一時記憶部107に保存される。このように、一時記憶部107は複数のアプリケーションで共通的に使用されるユーザデータの一時記憶領域である。そのため、上述したように、各アプリケーションでの使用が終了すると、一時記憶部107は次に使用するアプリケーションでの使用に供するために0クリアされ、保存していたユーザデータが消去される。このように、アプリケーションで使用したユーザデータをアプリケーションの終了に際して消去することにより情報漏洩にも対処することができる。
図5を参照すると、通信制御部201は、当該サーバ20が接続されているネットワークを介して、前述した携帯端末の通信制御部105との通信を司る機能ブロックである。
ユーザデータ蓄積部203は、携帯端末ごとに、各携帯端末のユーザデータを蓄積・保持するハードディスクドライブ等の装置である。
蓄積データ管理制御部202は、ユーザデータ蓄積部203に蓄積・保持されているユーザデータの読み出し、書込みのメモリアクセスを制御する機能ブロックである。
以上のように構成された第2の実施形態の動作を説明する。
図6は、第2の実施形態のユーザデータアクセス制御部102の動作を示すフロー図である。
携帯端末10のユーザは、ユーザ操作部103において所定の操作を行って、必要とするアプリケーションを起動する。電話発信を行う場合であれば電話アプリケーション、メール発信を行う場合であればメールアプリケーション、カメラ撮影を行う場合であれば撮影アプリケーション、保存データを閲覧参照・編集する場合であればデータの閲覧や編集のアプリケーションが起動される。また、電話着信やメール着信のようにユーザ操作が無くても起動されるアプリケーションもある。
このように、携帯端末10が有するアプリケーションの起動があると、ユーザデータアクセス制御部102は、そのアプリケーションを識別し(S201)、そのアプリケーションがユーザデータを使用するものであるか否かを識別する(S202)。また、この識別処理ステップには、アプリケーションの処理途中において、特定のタスクの実行で必要とされるユーザデータを識別する処理も含まれる。つまり、あるアプリケーションで必ず使用されるユーザデータがある場合はそのアプリケーションが起動された時点でユーザデータを識別する。また、あるアプリケーションでは特定のタスクの実行有無に応じてユーザデータが使用される場合はそのタスクの実行の時点でユーザデータを識別する。
携帯端末10は、システムデータとして各アプリケーションやタスクとユーザデータの使用有無の対応情報を予め保持している。なお、ここでのユーザデータの使用有無とは、既に蓄積されているユーザデータの使用有無を意味し、新たにユーザデータを作成する場合は該当しない。
起動するアプリケーションがユーザデータを使用しない場合(S202、No)は、当該アプリケーションがそのまま実行される(S208)。例えば、カメラ撮影を行うアプリケーションの場合には、撮影後には撮影データがユーザデータとして作成されるが、撮影に際しては既に蓄積されているユーザデータは必要としない。
この場合の動作としては、アプリケーションの実行において、新規に作成されて保存すべきユーザデータが有るか否かが適宜確認される(S209)。
例えば、カメラ撮影した画像データが一時記憶部107に作成される。そして、ユーザが撮影画像の保存操作を行った場合には(S209、有り)、保存すべきユーザデータとしてこの画像データが確定されて、サーバ20にアップロードされる。そのため、ステップS206の処理が行われる。なお、カメラ撮影の場合は、ユーザが終了操作を行うまでこのステップS208、S209、S206が繰り返されるが図示上は割愛する。
アップリケーションが終了するとステップS207の処理が行われて、一時記憶部107のユーザデータは消去される。例えば、カメラ撮影を行った場合は、作成された画像データが一時記憶部107に残っているが、それは消去される。なお、ステップS206およびS207については後述する。
一方、カメラ撮影においてユーザが撮影画像の保存操作を行わない場合には、保存すべきユーザデータは無いものとして、画像データはサーバ20にアップロードされない。そして、一時記憶部107に作成された画像データはアプリケーションの終了時に削除される。つまり、ステップS209の判断では、保存すべきユーザデータが無い(S209、無し)として、ステップS207の処理で一時記憶部107が0クリアされてアプリケーションが終了する。
また、ステップS202の判断で、起動するアプリケーションがユーザデータを使用する場合(S202、Yes)は、以下の動作となる。電話着信があった場合の処理を例にして説明する。
電話着信があると電話着信アプリケーションが起動される。電話着信の場合、着信メッセージに含まれる発信者番号が電話帳に登録されているか否かを比較し、登録されている場合には発信者の電話番号に対応する登録情報(例えば、氏名、会社名等)を表示する処理が行われる。また、発信者番号を着信履歴として登録する処理も行われる。
そのため、ユーザデータアクセス制御部102は、サーバ20への通信を確立して当該アプリケーションに対応するユーザデータとして電話帳データを読み出すことを通信制御部105に指示する(S203)。通信制御部105は、当該携帯端末10の上位装置(携帯電話機基地局、eNodeB)との間の無線区間のデータ通信リンクを確立する。無線区間のデータ通信リンク確立が完了したあと、通信制御部105はTCP/IPなどの通信プロトコルを用いてサーバ20との接続を行い、FTPなどのファイル転送プロトコルなどを利用してサーバ20との間でデータの送受信を行う。
このとき、携帯端末10の通信制御部105からサーバ20の通信制御部201に対してユーザデータの読み出しを要求するメッセージが送られる。当該メッセージには、処理パラメータとしてデータ種別(電話帳)、端末ID(Identification)(携帯端末識別情報)、処理指定(読出し)および指定データ(電話帳データ)を特定する情報が含まれる。そして、当該メッセージに含まれる情報(処理パラメータ)は通信制御部201から蓄積データ管理制御部202に転送される。なお、処理パラメータについては図7を参照して後述する。
サーバ20の蓄積データ管理制御部202は、転送された処理パラメータに基づいてユーザデータ蓄積部203を検索し、該当する携帯端末10の電話帳データを読み出す。読み出された電話帳データは、読み出し要求メッセージに対する応答メッセージとして、サーバ20の通信制御部201から携帯端末10の通信制御部105に送られる。なお、この場合、送信される電話帳データはコピーデータであり、オリジナルデータはユーザデータ蓄積部203に蓄積されたままであるものとする。
携帯端末10の通信制御部105は、受信した応答メッセージから電話帳データを取り出し、一時記憶部107に保存する。また、その旨をユーザデータアクセス制御部102に通知する(S204)。
通信制御部105から電話帳データを一時記憶部107に保存した旨の通知を受けたユーザデータアクセス制御部102は、この一時記憶部107に保存された電話帳データを使用してのアプリケーションの実行を継続させる(S205)。例えば、アプリケーションでは次の処理が実行される。
受信した着信メッセージに含まれる発信者番号が電話帳に登録されているか否かが比較される。そして、登録されている場合には発信者の電話番号に対応する登録情報(例えば、氏名、会社名等)を発信者番号とともに表示部104に表示する。また、着信メッセージに含まれる発信者番号を着信時刻とともに着信履歴として記録する処理が行われる。このとき、発信者番号が電話帳に登録されている番号の場合には、その登録情報(例えば、氏名、会社名等)とともに記録する。
その後、ユーザによる応答があれば通話状態になり、終話で電話着信アプリケーションが終了する。また、ユーザが無応答であれば、発信者による途中放棄等により電話着信アプリケーションが終了する。
このような電話着信アプリケーションの場合、アプリケーションの実行において、電話帳データは参照するために使われるだけで追加修正削除等の改変が行われないので、アップロードはされない。しかし、新規に作成されて保存すべきユーザデータとして着信履歴データがある。
ユーザデータアクセス制御部102は、着信履歴データがデータとして確定した時点でサーバ20にアップロードする。例えば、ユーザによる応答があればその時点で、またユーザが無応答で発信者による途中放棄等がされた場合はその時点で、ユーザデータアクセス制御部102は、着信履歴データをサーバ20にアップロードするように、通信制御部105に指示する(S206)。
携帯端末10の通信制御部105からサーバ20の通信制御部201に対して着信履歴データの書き込みを要求するメッセージが送られる。当該メッセージには、処理パラメータとして、データ種別(着信履歴)、端末ID(携帯端末識別情報)、処理指定(書込み)および指定データ(着信履歴データ内容)を特定する情報が含まれる。そして、当該メッセージに含まれる情報(処理パラメータ)は通信制御部201から蓄積データ管理制御部202に転送される。
サーバ20の蓄積データ管理制御部202は、転送された処理パラメータに基づいてユーザデータ蓄積部203に、該当する携帯端末10の着信履歴データ内容を書き込む。
また、ユーザデータアクセス制御部102は、電話着信アプリケーションの終了に伴って、ステップS207の処理を行い、一時記憶部107に保存された電話帳データおよび作成した着信履歴データを消去する。
なお、上記の説明において、携帯端末10がサーバ20と接続したデータ転送のためのリンクは、データの読み出しやデータの書込みの都度確立するものであっても良い。また、一度確立したリンクをアプリケーションが終了するまで保持しておくものであっても良い。
このように、ユーザデータアクセス制御部102は、ユーザデータを使用するアプリケーションの実行において使用されるユーザデータを識別して、サーバ20から通信制御部105を介してダウンロードする。また、ユーザデータアクセス制御部102は、ユーザデータを使用するアプリケーションの実行において作成または改変されたユーザデータが存在する場合は、それを通信制御部105を介してサーバ20にアップロードする。そして、ユーザデータアクセス制御部102は、ユーザデータを使用するアプリケーションの終了に際して、ユーザデータのワークエリアとして使用されていた一時記憶部107を0クリアして、ユーザデータが残らないように消去する。なお、アプリケーションの実行において作成または改変されたユーザデータは、その作成または改変が確定したイベントに対応してサーバ20にアップロードされるものとしている。
次に、図7を参照して、サーバ20におけるユーザデータの読出し/書込みの概要を説明する。
図7は、第2の実施形態のサーバにおけるユーザデータの読出し/書込みを示す模式図である。
前述したように、携帯端末10の通信制御部105は、上位装置(携帯電話機基地局、eNodeB)を介してサーバ20と接続され、サーバ20の通信制御部201との間でデータ転送に関するメッセージを送受信する。そのメッセージには前述した処理パラメータが含まれ、サーバ20の通信制御部201がメッセージから処理パラメータを抽出して蓄積データ管理制御部202に伝える。そして、蓄積データ管理制御部202は、ユーザデータ蓄積部203に対して処理パラメータに基づくユーザデータの読出し/書込みに関する指示を出す。図7は、蓄積データ管理制御部202が通信制御部201から通知された処理パラメータに基づいてユーザデータ蓄積部203のユーザデータの読出し/書込みを行う様子を模式的に示している。
まず、ユーザデータ蓄積部203にユーザデータがどのように蓄積されているかを説明する。
ユーザデータは、その種別ごとに蓄積されている。図7では、電話帳、発信履歴、着信履歴、スケジュール、送信メール、受信メール、静止画像、動画像、文書データ、音声データがデータ種別として例示されている。各種別のデータ内には、その種別の個々のデータが蓄積されている。つまり、処理パラメータのデータ種別により当該種別のデータが蓄積されている領域が特定される。そして、処理パラメータの指定データにより個々のデータを特定することができる。
また、ユーザデータは、携帯端末ごとに蓄積されている。そして、携帯端末ごとの蓄積領域は処理パラメータの端末IDで特定される。端末IDは、携帯端末を識別する情報を意味し、通常は携帯端末に付与されている機体番号が使われる。機体番号はシステムデータとして携帯端末の不揮発性メモリに保持されている。図7では、端末IDがA、B、・・・、Nの携帯端末の蓄積領域が例示されている。
つまり、処理パラメータのデータ種別、端末IDおよび指定データによりユーザデータ蓄積部203のアクセスすべきユーザデータ領域を特定することができる。それに対して、書込みを行うのか読出しを行うのかの処理種別(書込み/読出し)を指定することによりユーザデータ蓄積部203へのユーザデータ書込みまたはユーザデータ蓄積部203からのユーザデータ読出しが行われる。
以上のようにユーザデータが蓄積されているユーザデータ蓄積部203に対して、蓄積データ管理制御部202が、携帯端末10から受信したメッセージに含まれる処理パラメータに基づく指示を出すことにより、ユーザデータの書込みまたは読出しが行われる。
携帯端末10から書込み要求メッセージを受信した場合、通信制御部201は蓄積データ管理制御部202に、書込み要求メッセージに含まれている処理パラメータを通知する。この処理パラメータには、データ種別(書込み対象のデータ種別)、端末ID(処理対象の携帯端末の識別情報)、処理種別(書込み)および指定データ(書込み対象のデータ内容)が指定されている。
蓄積データ管理制御部202は、ユーザデータ蓄積部203に対して、上記の処理パラメータに基づく処理指示を出す。これにより、ユーザデータ蓄積部203のデータ種別と端末IDとで特定されるユーザデータ領域に、指定データである書込み対象データ内容が、処理種別としての書込みが実行される。指定データには、書込み対象データ内容に加えて、データ種別で特定されるユーザデータ内の個々の領域を指定する情報またはファイル名称等の個々のユーザデータ名称を含んでもかまわない。
また、携帯端末10から読出し要求メッセージを受信した場合、通信制御部201は蓄積データ管理制御部202に、読出し要求メッセージに含まれている処理パラメータを通知する。この処理パラメータには、データ種別(読出し対象のデータ種別)、端末ID(処理対象の携帯端末の識別情報)、処理種別(読出し)および指定データ(読出し対象のデータを特定する情報)が指定されている。
蓄積データ管理制御部202は、ユーザデータ蓄積部203に対して、上記の処理パラメータに基づく処理指示を出す。これにより、ユーザデータ蓄積部203のデータ種別と端末IDとで特定されるユーザデータ領域に、指定データである読出し対象のデータを特定する情報に基づいて、処理種別としての読出しが実行される。読出し対象のデータを特定する情報には、例えば個々のユーザデータ領域を指定する情報またはファイル名称等の個々のユーザデータ名称が含まれる。また、データ種別で指定されたユーザデータ内容が複数あり、処理パラメータの指定データで読出し対象のデータを特定する情報が指定されていない場合には、データ種別で指定されたユーザデータの一覧が読み出されるものとする。
読み出されたデータは、読出し要求メッセージに対する応答メッセージとして、サーバ20の通信制御部201から携帯端末10の通信制御部105に送られる。なお、この場合、送信される読出しデータはコピーデータであり、オリジナルデータはユーザデータ蓄積部203に蓄積されたままであるものとする。
このように、本実施形態は、携帯端末で起動されるアプリケーションがユーザデータを使用する場合に、ユーザデータアクセス制御部がそれを識別してネットワークに設置されたサーバに蓄積されているユーザデータを携帯端末に取り込むように構成されている。そのため、ユーザはユーザデータが携帯端末内に存在するのと同じ状態で端末操作をすることができる。つまり、本実施形態は、ユーザの携帯端末操作の過程においてユーザが意図することなくユーザデータをネットワークに設置されたサーバに蓄積して管理することができる。
また、アプリケーションの実行により作成または編集されたユーザデータは、データとして確定した段階でサーバに保存され、ユーザデータをリアルタイムに最新にしておくことができる。
本実施形態では、携帯端末の揮発性メモリで構成された一時記憶手段を各アプリケーションで使用するユーザデータの共通使用エリアとしている。アプリケーションの実行において作成または改変されたユーザデータはネットワーク上のサーバにアップロードされる。そして、アプリケーションの終了に際して、一時記憶手段は0クリアされて使用していたユーザデータは消去される。つまり、本実施形態は、携帯端末の不揮発性メモリにユーザデータ領域を確保する必要がなく、また、揮発性メモリは各アプリケーションのユーザデータにより共有される。そして、アプリケーションが終了する度に揮発性メモリは0クリアされる。そのため、本実施形態は、メモリコストの削減が可能になると同時に、盗難や紛失による情報漏洩にも対処することができる。
以上に、カメラ撮影のアプリケーションと、電話着信のアプリケーションを例にして第2の実施形態を説明したが、他のアプリケーションとして電話発信、メール着信、メール閲覧、メール送信およびデータ編集の場合の動作を以下に説明する。なお、以降の説明においてはアプリケーションとユーザデータアクセス制御部の動作を区別せず、ユーザデータのダウンロードやアップロード、および一時記憶部のユーザデータの削除もアプリケーションの動作として説明する。つまり、上記処理はユーザデータアクセス制御部が実行するものであるが、説明を簡単にするためにアプリケーションでの動作として説明する。
図8は、第2の実施形態における電話発信の場合の動作を示すフロー図である。
ユーザが携帯端末において所定の操作を行い電話発信のアプリケーションを起動する(S301)。
電話発信では電話帳が使われる可能性が高いので、この時点でサーバから電話帳を読み出しておき、一時記憶部に保存する(S302)。なお、電話発信の動作において電話帳以外にも使用されるユーザデータがある場合は、それも読み出しておく。前述したように、携帯端末からサーバに対してデータ読出しメッセージが送信され、その中に処理パラメータが含まれている。電話帳を読み出す場合は、データ種別(電話帳)、端末ID(xxx)、処理指定(読出し)および指定データ(電話帳)が設定されている。ここで、電話帳が幾つかに分かれていて、それぞれの電話帳を指定したい場合には、個々の電話帳を指定データに設定してもよい。また、逆に、指定データとして「電話帳」の設定がなくてもデフォルト設定されている電話帳を読み出すものとする。そして、サーバはこれらの処理パラメータに基づいて指定されたユーザデータをユーザデータ蓄積部から読み出して携帯端末に返送してくる。
ユーザが電話発信のための数字入力操作を行う(S303)。
ユーザが入力した数字が短縮番号等の特殊番号なのか、それとも着信側を指定する電話番号なのかを識別する(S304)。この入力数字が特殊番号の場合(S304、Yes)、一時記憶部に保存している電話帳からこの特殊番号に対応する電話番号を取得する(S305)。
ステップS303で入力した電話番号またはステップS305で取得した電話番号は、着信側を指定する電話番号(着番)として一時記憶部に蓄積される(S306)。
ここで、ユーザは発信キーを押下する操作を行って電話発信を行う(S307)。
ユーザによる電話発信操作により2つのタスクが実行される。
一つは着番に基づく電話発信処理である(S308)。これは、携帯端末の通常の通信機能であり、上位装置(携帯電話機基地局、eNodeB)に発信メッセージを送信し、電話通信ネットワークによる着信側への通話接続が実行される。
一方、着番の発信履歴登録処理が行われる。
ステップS307のユーザによる発信キーの押下操作は、着信側を指定する電話番号が特定されたことを意味する。そこで、一時記憶部に蓄積した着番をサーバにアップロードして、ユーザデータ蓄積部の該当する発信履歴に情報を追加する処理が行われる。なお、ユーザによる発信キーの押下操作が行われた日時情報が着番とともに一時記憶部に蓄積されている。
まず、一時記憶部に蓄積した着番をサーバにアップロードする(S309)。このとき、携帯端末からサーバに対してデータ書込みメッセージが送信され、その中に処理パラメータとして、データ種別(発信履歴)、端末ID(xxx)、処理指定(書込み)および指定データ(着番、日時)が少なくとも設定されている。
そして、サーバはこれらの処理パラメータに基づいて、該当する携帯端末の発信履歴蓄積領域に、指定された着番と日時を発信履歴として登録する(S310)。
電話発信処理および発信履歴登録処理が終了すると、一時記憶部に蓄積されたユーザデータは消去される(S311)。ここでは、ステップS302でサーバから読み出した電話帳等のユーザデータと、ステップS306、S307で蓄積された着番と発信の日時情報が消去される。
以上により、電話発信アプリケーションは終了する。
次に、メール着信の場合の動作を説明する。
図9は、第2の実施形態におけるメール着信の場合の動作を示すフロー図である。
メールが着信するとメール着信アプリケーションが起動し(S401)以下の処理が行われる。
着信したメールは一時記憶部に保存される(S402)。
メールが着信したことをユーザに通知する(S403)。
一時記憶部に保存した着信メールをサーバにアップロードする(S404)。このとき、携帯端末からサーバに対してデータ書込みメッセージが送信され、その中に処理パラメータとして、データ種別(着信メール)、端末ID(xxx)、処理指定(書込み)および指定データ(着信メール内容)が少なくとも設定されている。
そして、サーバはこれらの処理パラメータに基づいて、該当する携帯端末の着信メール保存領域に指定された着信メール内容を登録する(S405)。
以上の処理が終了すると、一時記憶部に保存された着信メールが消去され(S406)、メール着信アプリケーションは終了する。
続いて、メール閲覧の場合の動作を説明する。
図10は、第2の実施形態におけるメール閲覧の場合の動作を示すフロー図である。
ユーザが携帯端末において所定の操作を行いメール閲覧のアプリケーションを起動する(S501)。ここでは、着信メールを閲覧するものとして説明する。
なお、ここでは着信メールを閲覧するものとして説明するが、閲覧対象とするユーザデータはユーザの操作により任意に設定できる。ユーザは、閲覧操作画面でユーザデータとして蓄積している任意のユーザデータを指定することができる。例えば、送信済みメールの閲覧でもよいし、発信履歴データ、着信履歴データ、スケジュールデータ、文書データ、画像データ、動画データでもよい。
携帯端末は、データ読出しメッセージをサーバに送信して、蓄積されている着信メールの読み出しをサーバに要求する。このときメッセージに設定される処理パラメータは、データ種別(着信メール)、端末ID(xxx)、処理指定(読出し)および指定データ(なし)が少なくとも設定されている。そして、サーバはこれらの処理パラメータに基づいて指定されたユーザデータをユーザデータ蓄積部から読み出して携帯端末に返送してくる。
このとき、指定データが設定されていないので、ユーザデータ蓄積部に蓄積されている着信メールの一覧がサーバから携帯端末に送られ、それが一時記憶部に保存される(S502)。
着信メール一覧が表示部に表示され、ユーザは、その中から所望の閲覧対象着信メールを指定する操作を行う(S503)。
続いて、ユーザが指定した閲覧対象の着信メールをサーバから読み出す処理が行われる。
携帯端末は、データ読出しメッセージをサーバに送信して、蓄積されている着信メールの読み出しをサーバに要求する。このときメッセージに設定される処理パラメータは、データ種別(着信メール)、端末ID(xxx)、処理指定(読出し)および指定データ(閲覧対象着信メール情報)が少なくとも設定されている。そして、サーバはこれらの処理パラメータに基づいて、指定された閲覧対象の着信メールをユーザデータ蓄積部から読み出して携帯端末に返送してくる。サーバから読み出された閲覧対象の着信メールは一時記憶部に保存される(S504)。
サーバから読み出され、一時記憶部に保存された閲覧対象の着信メールは表示部に表示される(S505)。
その次のユーザ操作がステップS506で識別される。
ユーザ操作が終了を示す場合は、一時記憶部にユーザデータとして保存された着信メール一覧と閲覧対象として読み出された着信メールが消去され(S507)、メール閲覧アプリケーションは終了する。
一方、ステップS506でユーザが閲覧の継続を指定する操作を行った場合、処理はステップS503に戻り、着信メール一覧を表示して別の閲覧対象の着信メールを選択することができるようになる。このとき表示される着信メール一覧はステップS502でサーバから読み出されて、一時保存部に既に保存されている。
ユーザが別の着信メールを閲覧対象として指定すると、その閲覧対象の着信メールがステップS504でサーバから読み出され、一時記憶部に保存されてステップS505で表示部に表示される。
つまり、ステップS504で、携帯端末は、データ読出しメッセージをサーバに送信して、閲覧対象となる別の着信メールの読み出しをサーバに要求する。このときメッセージに設定される処理パラメータは、データ種別(着信メール)、端末ID(xxx)、処理指定(読出し)および指定データ(別の閲覧対象着信メール)が少なくとも設定されている。そして、サーバはこれらの処理パラメータに基づいて、指定された別の閲覧対象となる着信メールをユーザデータ蓄積部から読み出して携帯端末に返送してくる。サーバから読み出された別の閲覧対象となる着信メールは一時記憶部に保存され、表示部に表示される。
ステップS506でユーザの終了操作が識別されるまでステップS503からSS506が繰り返される。そして、ユーザ操作が終了を示す場合は、一時記憶部にユーザデータとして保存された着信メール一覧と閲覧対象としてそれまでに読み出された着信メールが消去され、メール閲覧アプリケーションは終了する。
図11を参照してメール送信の場合の動作を説明する。
図11は、第2の実施形態におけるメール送信の場合の動作を示すフロー図である。
ユーザが携帯端末において所定の操作を行いメール送信のアプリケーションを起動する(S601)。
メール送信には、新規にメールを作成してメール送信する場合と、着信メールに対する返信メールを送信する場合がある。これらのメール送信形態がステップS602で識別される。つまり、ユーザが所定の操作によりメール送信のアプリケーションを起動した際に指定したメール送信形態がステップS602で識別される。
まず、新規のメール送信の場合を説明する。
新規メール送信の場合も、宛先アドレスを直接入力する形態とアドレス帳を利用する形態とに分かれる。ユーザのアドレス帳指定か否かの操作によりそれが識別される(S603)。
アドレス帳を使用せずに、送信メールの全てを直接入力する場合について説明する(S603、No)。
この場合、メール送信アプリケーションは、ユーザが入力するためのメールフォーマットを表示部に表示する(S604)。ユーザはそのフォーマットに基づいてメール文章を入力し、宛先アドレスを入力して送信メールを作成して送信操作を行う(S605)。作成された送信メールは一時記憶部に保存されている。
ユーザの送信操作に従ってメール送信処理が行われる(S606)。
続いて、一時記憶部に保存されている送信済の送信メールはユーザデータとしてサーバにアップロードされて蓄積される(S607)。このとき、携帯端末は、データ書込みメッセージをサーバに送信して、送信メールの書き込みをサーバに要求する。このときメッセージに設定される処理パラメータは、データ種別(送信メール)、端末ID(xxx)、処理指定(書込み)および指定データ(送信メールの内容)が少なくとも設定されている。そして、サーバはこれらの処理パラメータに基づいて、該当する携帯端末の送信メール保存領域に指定された送信メール内容を登録する。
以上の処理が終了すると、一時記憶部に保存された送信済の送信メールが消去され(S608)、メール送信アプリケーションは終了する。
ステップS603の識別でアドレス帳を使用して送信メールの宛先アドレスを入力する場合について説明する(S603、Yes)。
この場合は、アドレス帳をサーバから読み出して一時記憶部に保存する処理が行われる(S609)。
携帯端末は、データ読出しメッセージをサーバに送信して、アドレス帳の読み出しをサーバに要求する。なお、アドレス帳は電話帳に含まれるものとして説明する。このときメッセージに設定される処理パラメータは、データ種別(電話帳)、端末ID(xxx)、処理指定(読出し)および指定データ(電話帳)が少なくとも設定されている。そして、サーバはこれらの処理パラメータに基づいて、端末IDに対応する携帯端末の電話帳として登録されているユーザデータをユーザデータ蓄積部から読み出して携帯端末に返送してくる。サーバから読み出された電話帳は一時記憶部に保存される。
電話帳として読み出されたアドレス一覧を表示部に表示して、ユーザの選択操作を待つ。そして、ユーザが指定したアドレスを宛先アドレスとして特定する(S610)。
メール送信アプリケーションは、特定した宛先アドレスが既に入力されているメールフォーマットを表示部に表示する(S604)。
以降の動作はステップS605〜S608と同じである。つまり、送信済の送信メールはステップS607でサーバにアップロードされて蓄積され、一時記憶部に保存された電話帳および送信済の送信メールをステップS608で消去して、メール送信アプリケーションが終了する。
次に、返信メールを送信する場合を説明する。
ステップS602で着信メールに対する返信であることが識別されると、着信メールを特定するために、メール送信アプリケーションはサーバから着信メール一覧を読み出して一時記憶部に保存する(S611)。つまり、携帯端末は、データ読出しメッセージをサーバに送信して、蓄積されている着信メールの読み出しをサーバに要求する。このときメッセージに設定される処理パラメータは、図10で説明した着信メール閲覧のステップS502の場合と同じでかまわない。そして、サーバから着信メールの一覧がサーバから携帯端末に送られ、それが一時記憶部に保存される。
着信メール一覧が表示部に表示され、返信対象の着信メールがユーザ操作により指定される(S612)。
続いて、ユーザが指定した返信対象の着信メールをサーバから読み出して一時記憶部に保存する(S613)。つまり、携帯端末は、データ読出しメッセージをサーバに送信して、ユーザが指定した返信対象の着信メールの読み出しをサーバに要求する。このときメッセージに設定される処理パラメータは、図10で説明した着信メール閲覧のステップS504の場合と同じでかまわない。そして、指定した着信メールの内容がサーバから携帯端末に送られ、それが一時記憶部に保存される。
メール送信アプリケーションは、返信対象の着信メール内容とその宛先アドレスが既に入力されているメールフォーマットを表示部に表示する(S604)。
以降の動作はステップS605〜S608と同じである。つまり、送信済の返信メールはステップS607でサーバにアップロードされて蓄積され、一時記憶部に保存された着信メール一覧、返信対象の着信メールおよび返信済の送信メールをステップS608で消去して、メール送信アプリケーションが終了する。
最後に、データ編集の場合の動作を説明する。
図12は、第2の実施形態におけるデータ編集の場合の動作を示すフロー図である。
ここでデータ編集とは、蓄積してあるユーザデータを読出し、それに追加、修正、削除の変更を加えて再度書き込んで蓄積することを云う。また、新規にユーザデータを作成して蓄積登録する動作もデータ編集に含む。そして、編集の対象とするユーザデータは任意である。例えばユーザデータには、電話帳データ、発着信の履歴データ、スケジュール管理データ、写真・動画データ、音楽ファイルデータ、メールデータ、音声ファイルデータおよび文書データ等のデータが含まれる。もちろん、その他にもユーザが当該携帯端末で任意に使用するデータが含まれることは言うまでも無い。
ユーザが携帯端末において所定の操作を行いデータ編集のアプリケーションを起動する(S701)。また、ユーザの所定の操作で編集対象データ種別が指定される(S702)。なお、ステップS701、702の代わりに、編集対象となるユーザデータが特定されてそのデータ編集アプリケーションが起動されるように構成されていてもよい。
編集対象となるユーザデータが特定されると、その新規作成か、蓄積してあるデータの改変かの操作指定が行われる(S703)。
ここで、蓄積してあるデータの改変操作をユーザが指定したものとする(S703、改変)。
データ編集アプリケーションは、編集対象となるユーザデータの一覧をサーバから読み出して一時記憶部に保存する(S704)。つまり、携帯端末は、データ読出しメッセージをサーバに送信して、編集対象となるユーザデータの読み出しをサーバに要求する。このときメッセージに設定される処理パラメータは、データ種別(編集対象データ)、端末ID(xxx)、処理指定(読出し)および指定データ(なし)が少なくとも設定されている。そして、サーバはこれらの処理パラメータに基づいて指定されたユーザデータをユーザデータ蓄積部から読み出して携帯端末に返送してくる。
このとき、指定データが設定されていないので、ユーザデータ蓄積部に蓄積されている対象データの一覧がサーバから携帯端末に送られ、それが一時記憶部に保存される。
編集対象データ一覧が表示部に表示され、ユーザは、その中から所望する個別の編集対象データを指定する操作を行う(S705)。
続いて、ユーザが指定した個別の編集対象データをサーバから読み出す。
携帯端末は、データ読出しメッセージをサーバに送信して、蓄積されている個別の編集対象データの読み出しをサーバに要求する。このときメッセージに設定される処理パラメータは、データ種別(編集対象データ)、端末ID(xxx)、処理指定(読出し)および指定データ(個別編集対象データ情報)が少なくとも設定されている。そして、サーバはこれらの処理パラメータに基づいて指定された個別の編集対象データをユーザデータ蓄積部から読み出して携帯端末に返送してくる。サーバから読み出された個別の編集対象データは一時記憶部に保存される(S706)。
サーバから読み出された個別の編集対象データは表示部に表示される(S707)。
ユーザがその編集対象データに対するデータ編集操作を行い(S708)、編集済みデータの登録操作を行う(S709)。
編集済みデータは一時記憶部に保存されているので、それをサーバにアップロードする(S710)。このとき、携帯端末からサーバに対してデータ書込みメッセージが送信され、その中に処理パラメータとして、データ種別(編集対象データ)、端末ID(xxx)、処理指定(書込み)および指定データ(編集済みデータ内容)が少なくとも設定されている。そして、サーバはこれらの処理パラメータに基づいて、該当する携帯端末の編集対象データ保存領域に指定された編集済みデータ内容を登録する。
一方、ステップS703において、新規作成をユーザが指定したものとする(S703、新規)と、この場合はサーバからユーザデータを読み出す必要は無いので、処理はステップS708に飛ぶ。つまり、表示されたデータ編集(新規作成)画面においてユーザがデータ編集(新規作成)操作を行い(S708)、編集済みデータ(新規作成データ)の登録操作を行う(S709)。
新規作成データは一時記憶部に保存されているので、それをサーバにアップロードする(S710)。このとき、携帯端末からサーバに対してデータ書込みメッセージが送信され、その中に処理パラメータとして、データ種別(新規作成データ)、端末ID(xxx)、処理指定(書込み)および指定データ(新規作成データ内容)が少なくとも設定されている。そして、サーバはこれらの処理パラメータに基づいて、該当する携帯端末の編集対象データ保存領域に指定された新規作成データ内容を登録する。
ユーザによるデータ編集終了操作により、一時記憶部に保存された編集済み(新規作成)データが消去され(S711)、データ編集アプリケーションは終了する。
以上に本発明の第2の実施形態を説明したが、ユーザデータをサーバから読み出す処理が伴うアプリケーションを起動する場合には、情報セキュリティ上の対策として所定のキー操作による認証を必要とするように構成しても良い。例えば、パスワード入力や指紋などのバイオメトリクス認証を行う構成がある。つまり、携帯端末の中にはユーザデータは残されていないが、第三者がユーザデータの読み出し操作を行うことが想定される。そのような操作を行った際にパスワード入力や指紋などのバイオメトリクス認証を行う構成になっていれば、携帯端末の盗難や紛失により第三者にユーザデータが漏洩することをより確実に防ぐことができる。
また、たとえ上記のようなセキュリティ対策を端末内に施していても、第三者の手に渡ってしまった端末では、認証によるガードが破られてしまう可能性もある。そのため、サーバにおいて携帯端末からデータ読出しメッセージを受信したときに、処理パラメータに含まれる端末IDによる携帯端末のアクセス認証を行う構成を加えても良い。このような構成を加えることにより、携帯端末の盗難や紛失に気が付いたユーザが通信事業者を介して、またはユーザ自身が別の携帯端末やコンピュータを使用して、サーバに対して紛失した携帯端末のサーバへのアクセスを禁止する措置をとることができる。これにより、携帯端末の盗難や紛失により第三者にユーザデータが漏洩することをさらに確実に防ぐことができる。
以上に説明した実施形態において、アプリケーションで使用した一時記憶部のユーザデータをアプリケーションの終了に際して消去するとして説明した。しかし、条件によっては必ずしもこれに限ることはない。例えば、一時記憶部の容量に余裕がある場合などは、ユーザの操作が行われてから所定のタイミングの後に一括して携帯端末内のユーザデータを消去するようにしてもよい。また、さらに、携帯端末の画面ロック等のセキュリティが万全であるような場合には積極的に消去しなくてもよい。携帯端末のバッテリ寿命が来れば一時記憶部のデータは消去される。